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特許7657792メラノコルチンサブタイプ-2受容体(MC2R)アンタゴニストおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】メラノコルチンサブタイプ-2受容体(MC2R)アンタゴニストおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20250331BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250331BHJP
   C07D 453/00 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20250331BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20250331BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20250331BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20250331BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20250331BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/496
A61P3/10
A61P9/00
A61P9/12
A61P17/00
A61P19/10
A61P21/00
A61P25/22
A61P25/24
A61P43/00 111
C07D453/00
A61K31/4545
A61K9/48
A61K9/20
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/107
A61K9/06
A61P19/08
A61K47/38
A61K47/12
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/10
A61K47/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022525903
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 US2020058202
(87)【国際公開番号】W WO2021091788
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-27
(31)【優先権主張番号】62/932,306
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519006414
【氏名又は名称】クリネティックス ファーマシューティカルズ,インク.
【住所又は居所原語表記】6055 Lusk Blvd. SanDiego, California 92121 U.S.A.
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ハン,シャンドン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヂウ,ユンフェイ
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】特許第7359783(JP,B2)
【文献】特開2024-009837(JP,A)
【文献】国際公開第2003/002538(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/079373(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/014460(WO,A1)
【文献】特表2012-500785(JP,A)
【文献】特表2012-501317(JP,A)
【文献】特表2012-532137(JP,A)
【文献】特開平02-117659(JP,A)
【文献】Adrian John Clark et al.,ACTH Antagonists,Frontiers in Endocrinology,2016年08月05日,Vol. 7, Article 101,pp. 1-9,DOI: 10.3389/fendo.2016.00101
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D、A61K、A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(III)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物であって、
【化1】
式中、
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNであり、
は、水素、-OH、-OCH 、-OCH CH -CH OH、-CH CH OH、-CH OCH 、-CH CH OCH 、-CH NH 、-CH NHCH 、-CH N(CH 、-CH CH NH 、-CH CH NHCH 、および-CH CH N(CH からなる群から選択され、
とR はそれぞれ水素であり、
は、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、、非置換または置換のC-Cアルキル、および非置換または置換のC-Cフルオロアルキルからなる群から選択され
YはCHまたはNであり、ここで、YがNである場合、Lは、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
ZはCHまたはNであり、
は、非置換の-Cアルキルあるいは非置換の-Cシクロアルキルであり
は、1つの-N(R 基によって置換されたC -C アルキルであり、さらに0個以上の非置換または置換のC -C アルキルで置換され、
あるいは、R は、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環であり、
あるいは、R は、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の架橋複素環であり、
は、水素または-Cアルキルであり、
はそれぞれ独立して、水素、置換または置換の-Cアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cシクロアルキルであり、
あるいは、同じ窒素原子上の2つのRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~6員の単環式複素環を形成し、および、
LおよびMの少なくとも1つが-O-である、
化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項2】
Lは-O-、-C(=O)-、-S-、-SO-、5員のヘテロアリール、または結合であり、および、
Mは、-O-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である、請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項3】
Lは、-O-、-C(=O)-、5員のヘテロアリール、または結合であり、および、Mは-O-であり、
あるいは、Lは-C(=O)-であり、Mは-O-であり、YはNであり、および、ZはNであり、
あるいは、Lは-O-または5員のヘテロアリールであり、Mは-O-であり、YはCHであり、および、ZはNであり、
あるいは、Lは結合であり、Mは-O-であり、YはNであり、および、ZはCHであり、
あるいは、Lは-O-であり、Mは-C(=O)NR-であり、YはCHであり、および、ZはNである、
求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項4】
前記化合物が式(IVa)または式(IVb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有する、請求項1-3のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【化2】
【請求項5】
は、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH 、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである、請求項1-4のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項6】
は、-N(R基によって置換されたC-Cアルキルである、請求項1-5のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項7】
前記化合物が式(VIa)または式(VIb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有する、請求項1-6のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【化3】
【請求項8】
1-2:5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
1-3:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[1-(トリフルオロメチル)シクロペンタンカルボニル]ピペラジン-1-イル]-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
1-4:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
1-5:2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-6:5-[(2R)-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-7:5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-8:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-9:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-10:[2-({5-[(2R)-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-11:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-12:2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-13:2-({5-[(2R)-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-14:2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-15:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-16:2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-17:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]ジメチルアミン、
1-18:2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-[(3S)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-19:(2R)-1-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-2-アミン、
1-20:(2S)-1-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-2-アミン、
1-21:(2R)-2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-1-アミン、
1-22:(2S)-2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-1-アミン、
1-23:1-[(3R)-4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-24:1-[(3R)-4-[6-(2-アミノエトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル]-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-25:1-[(3R)-4-[6-(2-アミノエトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル]-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-5-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-26:5-クロロ-1-[(3R)-4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-27:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-28:[2-({5-[(2R)-4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-29:[2-({5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-30:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
2-1:N-(3-アミノプロピル)-4-{4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド、
2-2:5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-3:5-{トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-4:5-{トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-5:5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-6:5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-7:5-{シス-4-[4-クロロ-2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-8:5-シス-(4-{[6-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-9:5-[(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-10:5-[(2S,4S)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-11:5-[(2R,4R)-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-12:5-[(2S,4S)-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-13:5-(シス-2-シクロプロピル-4-{[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-14:5-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-15:5-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-16:5-[シス-4-(2-シアノ-4-メチルフェノキシ)-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-17:5-[シス-4-(2-シアノ-4-メチルフェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-18:5-[(2R,4R)-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-19:N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-5-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-20:N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-21:5-[(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-シアノフェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-22:5-[(2R,4R)-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-23:3-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2-エトキシフェニル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
2-24:3-[シス-4-(4-クロロ-2-シアノフェノキシ)-2-メチルピペリジン-1-イル]-6-(2-エトキシフェニル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
2-25:5-[シス-4-(2-シアノ-4-フルオロフェノキシ)-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
3-1:2-(4-(2’-エトキシ-6-(2-(メチルアミノ)エトキシ)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)ピペリジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
3-2:3-(4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}ピペリジン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニトリル、
3-3:2-{[(2R)-1-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-2-エチルピペリジン-4-イル]オキシ}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
3-4:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-イミダゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-5:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{1-[1-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-1H-イミダゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-6:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{5-[1-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-4H-1λ,2,4-オキサジアゾール-3-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-7:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{3-[1-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-4H-1λ,2,4-オキサジアゾール-5-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-8:2-{[rac-(2R,4R)-1-(2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-2-エチルピペリジン-4-イル]オキシ}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
3-9:5-[rac-(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
4-1:1-(2-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-1H-イミダゾール-4-イル)メタンアミン、
4-2:1-(5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタンアミン、
4-3:5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-4H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、
4-4:5-{5-[(2R)-4-(4-フルオロ-2-トリフルオロ-ベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-1H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、
4-5:2-(5-{3-[(2R)-4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-(2-エトキシフェニル)ピリジン-2-イル}-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタン-1-アミン、
4-6:2-(2-{2-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-5-(2-エトキシピリジン-3-イル)フェニル}-1H-イミダゾール-1-イル)エタン-1-アミン、
4-7:2-(5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-1,3-オキサゾール-4-イル)エタン-1-アミン、
4-8:N-(2-アミノエチル)-3-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-(2-エトキシフェニル)ピリジン-2-スルホンアミド、
4-9:N-(2-アミノエチル)-2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-スルホンアミド、
4-10:2-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-5-(2-エトキシピリジン-3-イル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ベンゼン-1-スルホンアミド、
4-11:5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-スルホンアミド、
4-12:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}スルファニル)エチル]ジメチルアミン、
4-13:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}スルホニル)エチル]ジメチルアミン、
5-1:rac-2’-エトキシ-5-[(2R,4S)-2-エチル-4-{[2-(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}ピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
5-2:rac-2’-エトキシ-5-[(2R,4S)-2-エチル-4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル]ピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、および、
5-3:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル]ピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
である、化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物。
【請求項9】
請求項1-8のいずれか1項に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項10】
哺乳動物のクッシング症候群、異所性クッシング症候群、または先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法で使用するための薬剤の製造における、請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物の使用。
【請求項11】
哺乳動物の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を減少させる方法で使用するための薬剤の製造における、請求項1に記載の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月7日に出願された米国仮特許出願第62/932,306号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書には、1つ以上のメラノコルチン受容体の活性を調節する化合物、上記化合物を作る方法、上記化合物を含む医薬組成物と製剤、およびメラノコルチンサブタイプ-2受容体(MC2R)活性を調節することから利益を得ることになる疾病、疾患、または障害の処置において上記化合物を使用する方法が記載されている。
【背景技術】
【0003】
メラノコルチン受容体は、異なるメラノコルチンペプチドの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)と、プロオピオメラノコルチンホルモン、すなわち、POMCからタンパク質分解的に由来するメラノコルチンペプチドα-、β-、γ-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH、β-MSH、およびγ-MSH)とにより選択的に活性化されるGタンパク質共役型受容体(GPCR)ファミリー(MC1R、MC2R、MC3R、MC4R、および、MC5R)を形成する。ACTHは、副腎グルココルチコイドの合成と分泌の主要な調節因子であり、MC2Rにのみ親和性を有する39アミノ酸ペプチドである。ACTHは、この視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の中心的な役割を果たすものとして、ストレス刺激に応答して下垂体から分泌され、副腎で作用してコルチゾールの合成と分泌を促進する。MC2Rの調節は、メラノコルチン受容体の活性を調節することで恩恵を受けることになる症状、疾患、または障害の治療にとって魅力的である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載される化合物は、メラノコルチン受容体モジュレーター化合物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、メラノコルチン受容体サブタイプのタンパク質の1つ以上を調節する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、メラノコルチン受容体サブタイプのタンパク質の2つ以上を調節する。いくつかの実施形態では、本明細書で記載される化合物は、MC2Rを調節する。
【0005】
1つの態様において、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に記載され、
【0006】
【化1】
式中、
は非置換または置換のフェニルあるいは非置換または置換の単環式ヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、R、R、およびRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、
Lは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
は、非置換または置換の炭素環、非置換または置換の複素環、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cヘテロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
あるいは、RとRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~7員の複素環を形成し、ここで、3員~7員の複素環が置換されている場合、3員~7員の複素環はR、R、およびRで置換され、
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、R、R、およびRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、
YはCRまたはNであり、ここで、YがNである場合、Lは、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
ZはCRまたはNであり、
は、非置換または置換のC-Cアルキルあるいは非置換または置換のC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、Rは、水素、-OR、ハロゲン、-N(R、または-CNで置換され、
は、水素、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の架橋炭素環、非置換または置換のスピロ環炭素環、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の架橋複素環、非置換または置換のスピロ環複素環、非置換または置換の-(C-Cアルキル)-炭素環、あるいは非置換または置換の-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、Rの任意の置換された基は、1つ以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換され、
はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、-CN、-OR、-SR、-CO、-C(=O)N(R、あるいは-N(Rであり、
は、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
はそれぞれ独立して、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
あるいは、同じ窒素原子上の2つのRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~6員の単環式複素環を形成し、
はそれぞれ独立して、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cアルコキシ、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルコキシ、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の単環式複素環、-CN、-OH、-CO、-CHCO、-C(=O)N(R、-C(=O)N(R)OR、-CHC(=O)N(R、-N(R、-CHN(R、-C(RN(R、-NRC(=O)R、-CHNRC(=O)R、-NRC(=O)N(R、-NRC(=O)N(R、C(R)=N(R)-OR、-SR、-S(=O)R、-SO、あるいは-SON(Rであり、
はそれぞれ独立して、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のヘテロアリールである。
【0007】
同様に、本明細書には、本明細書に記載される化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物、および少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物が記載される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、経口投与、吸入、経鼻投与、皮膚投与、または経眼投与による哺乳動物への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口投与による哺乳動物への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、液体、懸濁液、ゲル、分散剤、溶液、エマルジョン、軟膏、またはローションの形態である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤、丸剤、またはカプセルの形態である。
【0008】
前述の態様のいずれかにおいて、さらなる実施形態では、有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、(a)哺乳動物に全身的に投与され、および/または、(b)哺乳動物に経口で投与され、および/または、(c)哺乳動物に静脈内投与され、および/または、(d)吸入によって投与され、および/または、(e)経鼻投与によって投与され、あるいは、および/または、(f)哺乳動物へ注入によって投与され、および/または、(g)哺乳動物に局所的に投与され、および/または、(h)点眼によって投与され、および/または、(i)哺乳動物に直腸で投与され、および/または、(j)哺乳動物に非全身的にあるいは局所的に投与される。
【0009】
前述の態様のいずれかでは、有効量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態は、化合物が哺乳動物に1日に1回投与されるか、または化合物が哺乳動物に1日の間に複数回投与されるさらなる実施形態を含んでいる。いくつかの実施形態では、化合物は連続的な投薬スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、化合物は、連続的な毎日の投薬スケジュールで投与される。
【0010】
本明細書に開示された実施形態のいずれかにおいて、哺乳動物はヒトである。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される化合物はヒトに経口投与される。
【0012】
包装材料と、包装材料内の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、化合物あるいは組成物、またはその薬学的に可能な塩、互変異性体、薬学的に許容可能なN-オキシド、薬学的に許容可能な活性代謝物、薬学的に許容可能なプロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な溶媒和物が、1つ以上のメラノコルチン受容体サブタイプのタンパク質を調節するために、あるいは、1つ以上のメラノコルチン受容体サブタイプのタンパク質の調節から利益を得ることになる疾患または疾病の1つ以上の症状の処置、予防、または改善のために使用されるということを示すラベルとを含む製品が提供される。
【0013】
本明細書に記載される化合物、方法、および組成物の他の目標、特徴、および利点は、以下の詳細な記載から明らかとなる。しかしながら、本開示の精神と範囲内の様々な変化と修正がこの発明を実施するための形態から当業者に明らかとなるため、発明を実施するための形態と特定の実施例は特定の実施形態を示しつつも、一例として与えられるものに過ぎないことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、プロオピオメラノコルチンホルモン(POMC)のタンパク質分解により、下垂体前葉副腎皮質刺激ホルモン産生細胞(corticotrophic cells)で合成される39アミノ酸ペプチドである。ACTHは副腎グルココルチコイド(GC;ヒトおよび他のほとんどの種ではコルチゾール、げっ歯類ではコルチコステロン)合成および分泌の主要な調節因子である。ACTHは、この視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の中心的な役割を果たすものとして、ストレス刺激に応答して下垂体から分泌され、副腎で作用してコルチゾールの合成と分泌を促進する。この刺激は、副腎皮質にほぼ独自に発現している高特異的Gタンパク質共役型受容体(GPCR)によって媒介される。この受容体は、メラノコルチン2受容体(MC2R)であり、ACTHとともに、より大きなメラノコルチン系の一部である。
【0015】
メラノコルチン系は、5つのGPCR(MC1R、MC2R、MC3R、MC4R、およびMC5R)のファミリー;それらの天然アゴニストである、メラノコルチンペプチドα-、β-、およびγ-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH、β-MSH、およびγ-MSH)、ならびにACTH;および内因性メラノコルチンアンタゴニストであるアグーチおよびアグーチ関連タンパク質(AGRP)を含む。メラノコルチン受容体(MCR)は、内因性のアゴニストペプチドおよびアンタゴニストペプチドに対して異なる選択性を持ち、多様な組織で発現し、そこで、様々な個別の生理的機能を担っている。(Gantz, I.and T.M.Fong,Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.,284:E468-E474,2003)。
【0016】
MCRのいずれか1つ、またはその組み合わせを選択的に調節することは可能である。いくつかの実施形態では、他のMCRに対してMCRのいずれか1つ、またはその組み合わせを選択的に調節することは、様々な臨床応用で役立つ。いくつかの実施形態では、他のMCRに対してMCRのいずれか1つ、またはその組み合わせを選択的に調節することは、様々な臨床応用において望ましくない副作用を減少させる。一態様では、本明細書に記載される化合物は、MC2Rのアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、MC2R類似物または他のMCRに対して選択的なアンタゴニストである。
【0017】
MC2Rは、ACTHに対する高選択性の受容体である。ACTHは5つのMCRすべてを活性化することができるが、生理的なレベルでは、他の受容体の感度は活性化するには十分高くなく、ACTHはMC2Rを選択的に活性化する。重要なことは、他の天然に存在するアゴニストである、α-MSH、β-MSH、およびγ-MSHはMC2Rに対していかなる親和性も持たないことである(Gantz,I.and T.M.Fong,Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.,284:E468-E474,2003)。MC2Rの主な機能は、副腎皮質の索状細胞(fasciculata cells)を刺激してコルチゾールを合成および分泌させることである。MC2Rは、GPCRアクセサリータンパク質であるMRAP(メラノコルチン2受容体タンパク質)が細胞表面にうまく分泌され、機能することを必要とする。MRAPは、1つの膜貫通ドメインを持つ小さなタンパク質であり、MC2Rと安定な複合体を形成し、MC2Rの細胞表面発現とACTHとの結合能力の両方に必要である。MRAPはどのMCRにも結合し、その活性に影響を与えることができるが、MC2Rの活性にのみ必須である。ACTHが副腎皮質細胞のMC2R/MRAP複合体に結合すると、GSが活性化されて細胞内のcAMPレベルが上昇し、ひいては、ステロイド産生経路の複数の工程を調節することにより、コルチゾールの合成と分泌が促進される。
【0018】
クッシング症候群は、慢性的なグルココルチコイドの過剰曝露を特徴とするまれな疾患である。クッシング症候群の臨床症状としては、脂肪パッド(鎖骨、首の後ろ、顔、および体幹)の成長、過剰な発汗、毛細血管の拡張、皮膚の菲薄化、筋力低下、多毛症、抑うつ/不安、高血圧、骨粗鬆症、インスリン抵抗性、高血糖症、心臓病、および高い罹患率に陥ることになるその他の様々な代謝異常が挙げられる。クッシング症候群は重症で制御が不十分な場合、高い死亡率に関連付けられる。グルココルチコイド過剰症は、例えば、機能亢進した副腎腺腫、癌、ステロイド乱用によるコルチゾールの過剰な自律的分泌からしばしばACTHに依存しないこともあるが、全体の症例の約60-80%はACTH依存性のクッシング症候群であり、クッシング病として知られている。クッシング病は、ACTHを過剰に分泌する下垂体副腎皮質刺激ホルモン産生細胞の微小腺腫によって引き起こされる。コルチコトロフ腺腫は小さく、通常は成長が遅い良性腫瘍であり、これは通常、腫瘍が拡大することによる物理的影響ではなく、グルココルチコイド過剰の影響の結果として臨床的に注目されるようになる。クッシング病の第一選択治療は外科手術であり、下垂体にあるACTH分泌腫瘍または副腎そのものを摘出することを含む。手術が成功しないか、禁忌であるか、または遅れることが多いため、これらの患者に対する内科的治療が必要とされる。現在の治療の選択肢としては、コルチゾールの産生を防ぎ、症状を改善することができるステロイド合成酵素の阻害剤が挙げられるが、これらの治療は、他のステロイド生成物の蓄積による多くの望ましくない副作用も誘発する。一態様では、MC2Rアンタゴニストは、クッシング症候群の処置において使用される。いくつかの実施形態では、MC2Rアンタゴニストは、クッシング病の処置において使用される。いくつかの実施形態では、グルココルチコイド過剰は、ACTH非依存性である。いくつかの実施形態では、グルココルチコイド過剰は、ACTH依存性である。
【0019】
異所性ACTH症候群あるいは異所性クッシング症候群または疾患は、ACTHを発現する基礎的な腫瘍が下垂体外にあることを除いて、クッシング疾患と本質的に同じである。いくつかの実施形態では、腫瘍は、肺または胃腸管のどこにでも発生する小さなカルチノイド腫瘍である。いくつかの実施形態では、MC2Rアンタゴニストは、異所性ACTH症候群の処置において使用される。
【0020】
先天性副腎過形成(CAH)は、コルチゾール合成の減少または喪失と、過剰なACTHおよびコルチコトロピン放出ホルモンとによって特徴付けられる。CAHは、副腎ステロイド生合成経路における様々な遺伝的欠陥に起因し得る。いくつかの実施形態では、CAHは、21β-ヒドロキシラーゼの突然変異に起因する。コルチゾールの不足により、下垂体への負のフィードバックが除去され、ACTHの過剰分泌につながる。その結果として、副腎が過剰に刺激され、ステロイド前駆体の過剰産生を引き起こし、これもまた悪影響(例えば、高アンドロゲン血症など)を及ぼす。交換用グルココルチコイドの投与は、典型的には、クッシング様症状をも引き起こすことなく、ACTHを十分に抑制することはできない。いくつかの実施形態では、MC2Rアンタゴニストは、CAHの処置において使用される。
【0021】
クッシング病およびCAHに加えて、うつ病および敗血症性ショックの処置におけるMC2Rアンタゴニストの役割があるかもしれないという仮説もある。いくつかの実施形態では、MC2Rアンタゴニストは、うつ病の処置において使用される。いくつかの実施形態では、MC2Rアンタゴニストは、敗血症性ショックの処置において使用される。
【0022】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、MC2Rアンタゴニストを用いる処置を必要とする哺乳動物への投与に対応可能である。
【0023】
化合物
その薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、活性代謝物、および薬学的に許容可能な溶媒和物を含む式(A)または式(I)の化合物は、メラノコルチン受容体モジュレーターである。いくつかの実施形態では、その薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、活性代謝物、および薬学的に許容可能な溶媒和物を含む式(A)または式(I)の化合物は、MC2Rモジュレーターである。いくつかの実施形態では、MC2RモジュレーターはMC2Rアンタゴニストである。
【0024】
1つの態様では、式(A)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書で提供され、
【0025】
【化2】
式中、
は-CF、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換の単環式ヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、R、R、およびRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、
Lは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
は、非置換または置換の炭素環、非置換または置換の複素環、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cヘテロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
あるいは、RとRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~7員の複素環を形成し、ここで、3員~7員の複素環が置換されている場合、3員~7員の複素環はR、R、およびRで置換され、
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、R、R、およびRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、
XはCRまたはNであり、
YはCRまたはNであり、
ZはCRまたはNであり、
は水素、非置換または置換のC-Cアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、Rは、水素、-OR、ハロゲン、-N(R、または-CNで置換され、
は、水素、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の架橋炭素環、非置換または置換のスピロ環炭素環、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の架橋複素環、非置換または置換のスピロ環複素環、非置換または置換の-(C-Cアルキル)-炭素環、あるいは非置換または置換の-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、Rの任意の置換された基は、1つ以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換され、
はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、-CN、-OR、-SR、-CO、-C(=O)N(R、あるいは-N(Rであり、
は、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
はそれぞれ独立して、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
あるいは、同じ窒素原子上の2つのRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~6員の単環式複素環を形成し、
はそれぞれ独立して、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cアルコキシ、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルコキシ、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の単環式複素環、-CN、-OH、-CO、-CHCO、-C(=O)N(R、-C(=O)N(R)OR、-CHC(=O)N(R、-N(R、-CHN(R、-C(RN(R、-NRC(=O)R、-CHNRC(=O)R、-NRC(=O)N(R、-NRC(=O)N(R、C(R)=N(R)-OR、-SR、-S(=O)R、-SO、あるいは-SON(Rであり、
はそれぞれ独立して、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のヘテロアリールである。
【0026】
いくつかの実施形態では、LとMの少なくとも1つは-O-である。
【0027】
いくつかの実施形態では、XはCRである。いくつかの実施形態では、XはCRであり、Rは、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、-CN、あるいは-ORである。いくつかの実施形態では、XはCRであり、Rは水素、ハロゲン、あるいは非置換または置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、XはCRであり、Rは水素またはハロゲンである。いくつかの実施形態では、XはCRであり、Rは水素またはフッ素である。いくつかの実施形態では、XはCHまたはCFである。いくつかの実施形態では、XはCHである。いくつかの実施形態では、XはCFである。
【0028】
いくつかの実施形態では、XはNである。
【0029】
いくつかの実施形態では、Rは-H、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHOH、-CHCN、-CHF、-CHF、-CF、-CHCHOH、-CHCHCN、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHNH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNH、-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、-H、-CH、-CHCH、または-CHCHCHである。いくつかの実施形態では、Rは-Hである。
【0030】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のC-Cアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、Rは、水素、-OR、ハロゲン、-N(R、または-CNで置換される。
【0031】
いくつかの実施形態では、Rは、-CF、非置換または置換のフェニル、非置換または置換の単環式の6員のヘテロアリール、非置換または置換の単環式の5員のヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0032】
いくつかの実施形態では、Rは、-CF、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のピリジニル、非置換または置換のピリミジニル、非置換または置換のピラジニル、非置換または置換のピリダジニル、非置換または置換のトリアジニル、非置換または置換のフラニル、非置換または置換のチエニル、非置換または置換のピロリル、非置換または置換のオキサゾリル、非置換または置換のチアゾリル、非置換または置換のイミダゾリル、非置換または置換のピラゾリル、非置換または置換のトリアゾリル、非置換または置換のテトラゾリル、非置換または置換のイソキサゾリル、非置換または置換のイソチアゾリル、非置換または置換のオキサジアゾリル、あるいは非置換または置換のチアジアゾリルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0033】
いくつかの実施形態では、Rは、-CF、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のピリジニル、非置換または置換のピリミジニル、非置換または置換のピラジニル、あるいは非置換または置換のピリダジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0034】
いくつかの実施形態では、Rは、-CF、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のピリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0035】
いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換の単環式ヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0036】
いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換の単環式ヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、XはNであり、Rは、非置換または置換のC-Cアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、Rは、水素、-OR、ハロゲン、-N(R、または-CNで置換される。
【0037】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0038】
【化3】
式中、
は非置換または置換のフェニルあるいは非置換または置換の単環式ヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、R、R、およびRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、
Lは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合であり、
は、非置換または置換の炭素環、非置換または置換の複素環、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cヘテロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
あるいは、RとRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~7員の複素環を形成し、ここで、3員~7員の複素環が置換されている場合、3員~7員の複素環はR、R、およびRで置換され、
、R、およびRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、R、R、およびRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、
YはCRまたはNであり、
ZはCRまたはNであり、
は、非置換または置換のC-Cアルキルあるいは非置換または置換のC-Cシクロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、Rは、水素、-OR、ハロゲン、-N(R、または-CNで置換され、
は、水素、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の架橋炭素環、非置換または置換のスピロ環炭素環、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の架橋複素環、非置換または置換のスピロ環複素環、非置換または置換の-(C-Cアルキル)-炭素環、あるいは非置換または置換の-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、Rの任意の置換された基は、1つ以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換され、
はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、-CN、-OR、-SR、-CO、-C(=O)N(R、あるいは-N(Rであり、
は、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
はそれぞれ独立して、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
あるいは、同じ窒素原子上の2つのRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または置換の3員~6員の単環式複素環を形成し、
はそれぞれ独立して、水素、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のアリール、あるいは非置換または置換のヘテロアリールであり、
はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cアルコキシ、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルコキシ、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の単環式複素環、-CN、-OH、-CO、-CHCO、-C(=O)N(R、-C(=O)N(R)OR、-CHC(=O)N(R、-N(R、-CHN(R、-C(RN(R、-NRC(=O)R、-CHNRC(=O)R、-NRC(=O)N(R、-NRC(=O)N(R、C(R)=N(R)-OR、-SR、-S(=O)R、-SO、あるいは-SON(Rであり、
はそれぞれ独立して、置換されたC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のヘテロアリールである。
【0039】
いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、または5員の複素環である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、または5員のヘテロアリールである。
【0040】
いくつかの実施形態では、Lは-O-、-C(=O)-、-S-、-SO-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-または5員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、またはチアジアゾリルである。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、イミダゾリル、オキサジアゾリル、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは-O-、イミダゾリル、またはオキサジアゾリルである。
【0041】
いくつかの実施形態では、Lは-O-、-S-、または-SO-である。いくつかの実施形態では、Lは、-S-または-SO-である。いくつかの実施形態では、Lは-S-である。いくつかの実施形態では、Lは-SO-である。いくつかの実施形態では、Lは-O-である。
【0042】
いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-である。
【0043】
いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)NR-または-S(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Lは-S(=O)NR-である。
【0044】
いくつかの実施形態では、Lは5員の複素環である。いくつかの実施形態では、Lは5員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Aはフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、またはチアジアゾリルである。いくつかの実施形態では、Lはイミダゾリルまたはオキサジアゾリルである。
【0045】
いくつかの実施形態では、Lは結合である。
【0046】
いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは、-C(=O)-、SO、-C(=O)NR-、または結合ではない。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは、-O-、-S-、-S(=O)NR-、または5員の複素環である。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは、-O-、-S-、-S(=O)NR-、または5員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは-O-または-S-である。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは-O-である。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは-S-である。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは-S(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは5員の複素環である。いくつかの実施形態では、Mが-C(=O)NR-であり、ZとYがそれぞれNである場合、Lは5員のヘテロアリールである。
【0047】
いくつかの実施形態では、Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、または5員の複素環である。いくつかの実施形態では、Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Mは、-O-、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、または5員のヘテロアリールである。
【0048】
いくつかの実施形態では、Mは、-O-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Mは、-O-、-C(=O)NR-、-S-、-SO、-S(=O)NR-、または5員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、または結合である。いくつかの実施形態では、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、または結合である。
【0049】
いくつかの実施形態では、Mは-O-、-S-、または-SO-である。いくつかの実施形態では、Mは、-S-または-SO-である。いくつかの実施形態では、Mは-S-である。いくつかの実施形態では、Mは-SO-である。いくつかの実施形態では、Mは-O-である。
【0050】
いくつかの実施形態では、Mは-C(=O)-である。
【0051】
いくつかの実施形態では、Mは-C(=O)NR-または-S(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Mは-C(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Mは-S(=O)NR-である。
【0052】
いくつかの実施形態では、Mは5員の複素環である。いくつかの実施形態では、Mは5員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Mはフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、またはチアジアゾリルである。いくつかの実施形態では、Mはオキサゾリル、イミダゾリル、またはトリアゾリルである。
【0053】
いくつかの実施形態では、Mは結合である。
【0054】
いくつかの実施形態では、LとMの少なくとも1つは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは-O-である。いくつかの実施形態では、Mは-O-である。
【0055】
いくつかの実施形態では、Lは-O-、-C(=O)-、-S-、-SO-、5員のヘテロアリール、または結合であり、および、Mは、-O-、-C(=O)NR-、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。
【0056】
いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、5員のヘテロアリール、または結合であり、および、Mは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、または結合であり、および、Mは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-、-C(=O)-、イミダゾリル、オキサジアゾリル、または結合であり、および、Mは-O-である。
【0057】
いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、および、Mは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、Mは-O-であり、YはNであり、および、ZはNである。
【0058】
いくつかの実施形態では、Lは、-O-または5員のヘテロアリールであり、および、Mは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは-O-、イミダゾリル、またはオキサジアゾリルであり、および、Mは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは、-O-または5員のヘテロアリールであり、Mは-O-であり、YはCRであり、および、ZはNである。いくつかの実施形態では、Lは-O-、イミダゾリル、またはオキサジアゾリルであり、Mは-O-であり、YはCRであり、および、ZはNである。
【0059】
いくつかの実施形態では、Lは結合であり、および、Mは-O-である。いくつかの実施形態では、Lは結合であり、Mは-O-であり、YはNであり、および、ZはCRである。
【0060】
いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、および、Mは-C(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Lは-O-であり、Mは-C(=O)NR-であり、YはCRであり、および、ZはNである。
【0061】
いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、または結合である。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合であり、YはNであり、および、ZはNである。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、または結合であり、YはNであり、および、ZはNである。いくつかの実施形態では、Lは-C(=O)-であり、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、または結合であり、YはNであり、および、ZはNである。
【0062】
いくつかの実施形態では、Lは、-S-または-SO-であり、および、Mは-C(=O)NR-である。いくつかの実施形態では、Lは、-S-または-SO-であり、Mは-C(=O)NR-であり、YはCRであり、および、ZはNである。
【0063】
いくつかの実施形態では、YはNである。いくつかの実施形態では、YはCRである。いくつかの実施形態では、YがNである場合、Lは、-C(=O)-、-C(=O)NR-、-SO-、-S(=O)NR-、5員の複素環、または結合である。いくつかの実施形態では、YがNである場合、Lは-C(=O)-、-SO-、5員の複素環、または結合である。いくつかの実施形態では、YがNである場合、Lは-C(=O)-または結合である。いくつかの実施形態では、YがNである場合、Lは-C(=O)-である。いくつかの実施形態では、YがNである場合、Lは結合である。
【0064】
いくつかの実施形態では、ZはNである。いくつかの実施形態では、ZはCRである。
【0065】
いくつかの実施形態では、YはNであり、および、ZはNである。いくつかの実施形態では、YはCRであり、および、ZはNである。いくつかの実施形態では、YはNであり、および、ZはCRである。いくつかの実施形態では、YはCRであり、および、ZはCRである。
【0066】
いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、-CN、あるいは-ORである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して、水素、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、-CN、あるいは-ORである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cフルオロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して、水素、非置換または置換のC-Cアルキル、あるいは非置換または置換のC-Cフルオロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、あるいは非置換または置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して、水素、あるいは非置換または置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して水素またはハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ独立して水素またはフッ素である。いくつかの実施形態では、Rはそれぞれ水素である。
【0067】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、非置換または置換の単環式の6員のヘテロアリール、非置換または置換の単環式の5員のヘテロアリールであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0068】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のピリジニル、非置換または置換のピリミジニル、非置換または置換のピラジニル、非置換または置換のピリダジニル、非置換または置換のトリアジニル、非置換または置換のフラニル、非置換または置換のチエニル、非置換または置換のピロリル、非置換または置換のオキサゾリル、非置換または置換のチアゾリル、非置換または置換のイミダゾリル、非置換または置換のピラゾリル、非置換または置換のトリアゾリル、非置換または置換のテトラゾリル、非置換または置換のイソキサゾリル、非置換または置換のイソチアゾリル、非置換または置換のオキサジアゾリル、あるいは非置換または置換のチアジアゾリルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0069】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のピリジニル、非置換または置換のピリミジニル、非置換または置換のピラジニル、あるいは非置換または置換のピリダジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0070】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のピリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0071】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0072】
【化4】
である。
【0073】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0074】
【化5】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0075】
【化6】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0076】
【化7】
である。
【0077】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0078】
【化8】
であり、VはCHまたはNである。
【0079】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0080】
【化9】
であり、VはCHまたはNである。いくつかの実施形態では、Rは、
【0081】
【化10】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0082】
【化11】
である。
【0083】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A2)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0084】
【化12】
VはCHまたはNであり、および、XはCRまたはNである。
【0085】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A2a)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0086】
【化13】
VはCHまたはNである。
【0087】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A2b)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0088】
【化14】
VはCHまたはNである。
【0089】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(II)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0090】
【化15】
VはCHまたはNである。
【0091】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIa)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0092】
【化16】
VはCHまたはNである。
【0093】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0094】
【化17】
VはCHまたはNである。
【0095】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIc)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0096】
【化18】
VはCHまたはNである。
【0097】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IId)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0098】
【化19】
VはCHまたはNであり、および、Lは、-O-または5員のヘテロアリールである。
【0099】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIe)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0100】
【化20】
VはCHまたはNであり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。
【0101】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIf)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0102】
【化21】
VはCHまたはNであり、および、Lは-S-または-SO-である。
【0103】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の二環式炭素環、非置換または置換の多環式炭素環、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の二環式複素環、非置換または置換の多環式複素環であり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0104】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換の単環式炭素環、非置換または置換の架橋炭素環、非置換または置換のスピロ炭素環、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の架橋複素環、非置換または置換のスピロ複素環であり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0105】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のナフチル、非置換または置換の単環式の6員のヘテロアリール、非置換または置換の単環式の5員のヘテロアリール、非置換または置換の二環式のヘテロアリール、単環式のC-Cシクロアルキル、非置換または置換の架橋C-C10シクロアルキル、非置換または置換のスピロC-C10シクロアルキル、非置換または置換の単環式のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換の架橋C-C10ヘテロシクロアルキル、あるいは非置換または置換のスピロC-C10ヘテロシクロアルキルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0106】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のナフチル、非置換または置換のインダニル、非置換または置換のインデニル、非置換または置換のテトラヒドロナフチル、非置換または置換のシクロプロピル、非置換または置換のシクロブチル、非置換または置換のシクロペンチル、非置換または置換のシクロペンテニル、非置換または置換のシクロヘキシル、非置換または置換のシクロヘキセニル、非置換または置換のシクロヘプチル、非置換または置換のシクロオクチル、非置換または置換のスピロ[2.2]ペンチル、非置換または置換のスピロ[3.3]ヘプチル、非置換または置換のスピロ[3.5]ノニル、非置換または置換のスピロ[4.4]ノニル、非置換または置換のスピロ[4.5]デシル、非置換または置換のノルボルニル、非置換または置換のノルボルネニル、非置換または置換のビシクロ[1.1.1]ペンチル、非置換または置換のアダマンチル、あるいは非置換または置換のデカリニルである、非置換または置換の炭素環である。
【0107】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフラニル、非置換または置換のチエニル、非置換または置換のピロリル、非置換または置換のオキサゾリル、非置換または置換のチアゾリル、非置換または置換のイミダゾリル、非置換または置換のピラゾリル、非置換または置換のトリアゾリル、非置換または置換のテトラゾリル、非置換または置換のイソキサゾリル、非置換または置換のイソチアゾリル、非置換または置換のオキサジアゾリル、非置換または置換のチアジアゾリル、非置換または置換のピリジニル、非置換または置換のピリミジニル、非置換または置換のピラジニル、非置換または置換のピリダジニル、非置換または置換のトリアジニル、非置換または置換のキノリニル、非置換または置換のイソキノリニル、非置換または置換のシンノリニル、非置換または置換のフタラジニル、非置換または置換のキナゾリニル、非置換または置換のキノキサリニル、非置換または置換のナフチリジニル、非置換または置換のプテリジニル、非置換または置換のインドリジニル、非置換または置換のアザインドリジニル、非置換または置換のインドリル、非置換または置換のアザインドリル、非置換または置換のインダゾリル、非置換または置換のアザインダゾリル、非置換または置換のベンズイミダゾリル、非置換または置換のアザベンズイミダゾリル、非置換または置換のベンゾトリアゾリル、非置換または置換のアザベンゾトリアゾリル、非置換または置換のベンゾオキサゾリル、非置換または置換のアザベンゾオキサゾリル、非置換または置換のベンズイソオキサゾリル、非置換または置換のアザベンズイソオキサゾリル、非置換または置換のベンゾフラニル、非置換または置換のアザベンゾフラニル、非置換または置換のベンゾチエニル、非置換または置換のアザベンゾチエニル、非置換または置換のベンゾチアゾリル、非置換または置換のアザベンゾチアゾリル、あるいは非置換または置換のプリニルである。いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のインドリルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0108】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のアジリジニル、非置換または置換のアゼチジニル、非置換または置換のオキセタニル、非置換または置換のチエタニル、非置換または置換のピロリジニル、非置換または置換のテトラヒドロフラニル、非置換または置換のテトラヒドロチエニル、非置換または置換のオキサゾリジノニル、非置換または置換のテトラヒドロピラニル、非置換または置換のピペリジニル、非置換または置換のモルホリニル、非置換または置換のチオモルホリニル、非置換または置換のピペラジニル、非置換または置換のホモピペリジニル、非置換または置換のオキセパニル、非置換または置換のチエパニル、非置換または置換のオキサゼピニル、非置換または置換のジアゼピニル、非置換または置換のチアゼピニル、非置換または置換のアザスピロ[3.3]ヘプタニル、非置換または置換のアザスピロ[3.4]オクタニル、非置換または置換のアザスピロ[3.4]オクタニル、あるいは、非置換または置換のアザスピロ[4.4]ノニルである。
【0109】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、非置換または置換のピリジニル、非置換または置換のピリミジニル、非置換または置換のピラジニル、あるいは非置換または置換のピリダジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0110】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のシクロプロピル、非置換または置換のシクロブチル、非置換または置換のシクロペンチル、非置換または置換のシクロペンテニル、あるいは非置換または置換のシクロヘキシルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のシクロブチルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0111】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のアジリジニル、非置換または置換のアゼチジニル、非置換または置換のオキセタニル、非置換または置換のチエタニル、非置換または置換のピロリジニル、非置換または置換のテトラヒドロフラニル、非置換または置換のテトラヒドロチエニル、非置換または置換のオキサゾリジノニル、非置換または置換のテトラヒドロピラニル、非置換または置換のピペリジニル、非置換または置換のモルホリニル、非置換または置換のチオモルホリニル、あるいは非置換または置換のピペラジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のアジリジニル、非置換または置換のアゼチジニル、非置換または置換のピロリジニル、非置換または置換のピペリジニル、非置換または置換のモルホリニル、非置換または置換のチオモルホリニル、あるいは非置換または置換のピペラジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のピロリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0112】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0113】
【化22】
であり、mは0、1、2、または3である。いくつかの実施形態では、mは2または3である。いくつかの実施形態では、mは0である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、mは2である。いくつかの実施形態では、mは3である。
【0114】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のピリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0115】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0116】
【化23】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0117】
【化24】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0118】
【化25】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0119】
【化26】
である。
【0120】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0121】
【化27】
であり、WはCHまたはNである。いくつかの実施形態では、Rは、
【0122】
【化28】
であり、WはCHまたはNである。
【0123】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A3)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0124】
【化29】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0125】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A3a)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0126】
【化30】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0127】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A3b)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0128】
【化31】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0129】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(III)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有する。
【0130】
【化32】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0131】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIIa)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0132】
【化33】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0133】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIIb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0134】
【化34】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0135】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIIc)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0136】
【化35】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0137】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIId)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0138】
【化36】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Lは、-O-または5員のヘテロアリールである。
【0139】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIIe)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0140】
【化37】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。
【0141】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IIIf)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0142】
【化38】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Lは-S-または-SO-である。
【0143】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A4)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0144】
【化39】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0145】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A4a)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0146】
【化40】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0147】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A4b)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0148】
【化41】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0149】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IV)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0150】
【化42】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0151】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IVa)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0152】
【化43】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0153】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IVb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0154】
【化44】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0155】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IVc)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0156】
【化45】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0157】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IVd)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0158】
【化46】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Lは、-O-または5員のヘテロアリールである。
【0159】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IVe)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0160】
【化47】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。
【0161】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(IVf)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0162】
【化48】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Lは-S-または-SO-である。
【0163】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A5)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0164】
【化49】
VはCHまたはNである。
【0165】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A5a)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0166】
【化50】
VはCHまたはNである。
【0167】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A5b)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0168】
【化51】
VはCHまたはNである。
【0169】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(V)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0170】
【化52】
VはCHまたはNである。
【0171】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Va)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0172】
【化53】
VはCHまたはNである。
【0173】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Vb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0174】
【化54】
VはCHまたはNである。
【0175】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Vc)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0176】
【化55】
VはCHまたはNである。
【0177】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Vd)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0178】
【化56】
VはCHまたはNであり、および、Lは、-O-または5員のヘテロアリールである。
【0179】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Ve)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0180】
【化57】
VはCHまたはNであり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。
【0181】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(Vf)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0182】
【化58】
VはCHまたはNであり、および、Lは-S-または-SO-である。
【0183】
いくつかの実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHOH、-CHCN、-CHF、-CHF、-CF、-CHCHOH、-CHCHCN、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHNH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNH、-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、-CH、-CHCH、または-CHCHCHである。
【0184】
いくつかの実施形態では、Rは水素またはC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、水素、-CH、-CHCH、または-CHCHCHである。いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは-CHである。
【0185】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式の炭素環、非置換または置換の架橋炭素環、非置換または置換のスピロ環炭素環、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の架橋複素環、非置換または置換のスピロ環複素環、非置換または置換の-(C-Cアルキル)-炭素環、あるいは非置換または置換の-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、Rの任意の置換された基は、1つ以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換される。
【0186】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式炭素環、あるいは、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環であり、ここで、Rの任意の置換された基は、1つ以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換される。
【0187】
いくつかの実施形態では、Rは塩基性アミン基を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、Rは、置換されたC-Cアルキル、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環、非置換または置換の架橋複素環、あるいは非置換または置換の-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、Rの任意の置換された基は、1つ以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換され、ここで、Rは塩基性アミン基を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、Rは、1個の-N(R基で置換されたC-Cアルキルであり、さらに0個以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換され、あるいは、Rは、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環であり、あるいは、Rは、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の架橋複素環であり、あるいは、Rは-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、複素環は、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環である。
【0190】
いくつかの実施形態では、Rは、-N(R基によって置換されたC-Cアルキルであり、あるいは、Rは、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環であり、あるいは、Rは-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、複素環は、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環である。
【0191】
いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、1個の-N(R基で置換されたC-Cアルキルであり、さらに、0個以上のハロゲン、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換の単環式複素環、-N(R、-OR、-CN、-CO、-C(=O)N(R、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NRC(=O)R、-NRSO、-SO、あるいは-SON(Rで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、-N(R基によって置換されたC-Cアルキルである。
【0192】
いくつかの実施形態では、Rは、非置換または置換の単環式複素環、非置換または置換の架橋複素環、あるいは非置換または置換のスピロ環複素環である。いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換の単環式複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環である。いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換の架橋複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の架橋複素環である。いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換のスピロ環複素環である。
【0193】
いくつかの実施形態では、Rは非置換または置換の-(C-Cアルキル)-複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、-(C-Cアルキル)-複素環であり、ここで、複素環は、1-4個のN原子と0または1個のOまたはS原子を含有している、非置換または置換の単環式の4員、5員、または6員の複素環である。
【0194】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0195】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A6)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0196】
【化59】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0197】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A6a)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0198】
【化60】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0199】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(A6b)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0200】
【化61】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0201】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VI)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0202】
【化62】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0203】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIa)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0204】
【化63】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0205】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0206】
【化64】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0207】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIc)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0208】
【化65】
VはCHまたはNであり、および、WはCHまたはNである。
【0209】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VId)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0210】
【化66】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Lは、-O-または5員のヘテロアリールである。
【0211】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIe)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0212】
【化67】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Mは、-S-、-SO-、-S(=O)NR-、5員のヘテロアリール、または結合である。
【0213】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIf)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0214】
【化68】
VはCHまたはNであり、WはCHまたはNであり、および、Lは-S-または-SO-である。
【0215】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VII)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0216】
【化69】
式中、
は非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のピリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、
Lは-C(=O)-であり、Mは-O-であり、YはNであり、および、ZはNであり、あるいは、
Lは-O-であり、Mは-C(=O)NR-であり、YはCHであり、および、ZはNであり、ならびに、
は非置換または置換の炭素環、あるいは非置換または置換の複素環であり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0217】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIIa)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0218】
【化70】
式中、
は非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のピリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、および、
は非置換または置換の炭素環、あるいは非置換または置換の複素環であり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0219】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(VIIb)の構造、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を有し、
【0220】
【化71】
式中、
は非置換または置換のフェニル、あるいは非置換または置換のピリジニルであり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換され、および、
は非置換または置換の炭素環、あるいは非置換または置換の複素環であり、ここで、Rが置換されている場合、RはR、R、およびRで置換される。
【0221】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0222】
【化72】
である。
【0223】
いくつかの実施形態では、Rは、
【0224】
【化73】
である。いくつかの実施形態では、Rは、
【0225】
【化74】
である。
【0226】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、および非置換または置換のC-Cシクロアルキルからなる群から選択され、Rの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、および、RとRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、および非置換または置換のC-Cヘテロアルキルからなる群から選択され、RとRの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換される。
【0227】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、Cl、Br、-CN、-OH、-OCH、-OCHCH、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHOH、-CHCN、-CHF、-CHF、-CF、-CHCHOH、-CHCHCN、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHNH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNH、-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択され、ならびに、RとRは独立して、水素、Cl、Br、-CN、-OH、-OCH、-OCHCH、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHOH、-CHCN、-CHF、-CHF、-CF、-CHCHOH、-CHCHCN、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHNH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNH、-CHCHNHCH、および-CHCHN(CHからなる群から選択される。
【0228】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロアルキル、非置換または置換のC-Cシクロアルキル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、Rの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、および、RとRは独立して、水素、ハロゲン、-OR、-CN、-N(R、非置換または置換のC-Cアルキル、非置換または置換のC-Cフルオロアルキル、および非置換または置換のC-Cヘテロアルキルからなる群から選択される。
【0229】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、Cl、Br、-CN、-OH、-OCH、-OCHCH、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHOH、-CHCN、-CHF、-CHF、-CF、-CHCHOH、-CHCHCN、-CHCHF、-CHCHF、-CHCF、-CHOCH、-CHCHOCH、-CHNH、-CHNHCH、-CHN(CH、-CHCHNH、-CHCHNHCH、-CHCHN(CH、非置換または置換のシクロプロピル、非置換または置換のシクロブチル、非置換または置換のシクロペンチル、非置換または置換のシクロヘキシル、非置換または置換のC-Cヘテロシクロアルキル、非置換または置換のフェニル、および非置換または置換の単環式ヘテロアリールからなる群から選択され、Rの任意の置換された基は、1つ以上のR基で置換され、ならびに、RとRは、F、Cl、Br、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH、-CHCHCHCH、-CHCH(CH、-CH(CH)(CHCH)、-C(CH、-CHOH、-CHCN、-CHF、-CHF、-CF、-CN、-OH、-OCH、および-OCHCHからなる群から独立して選択される。
【0230】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は以下の構造を有する。
【0231】
【化75】
【0232】
いくつかの実施形態では、R、R、およびRは本明細書に記載される通りである。
【0233】
いくつかの実施形態では、R、R、およびRは表1に記載される通りである。
【0234】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は以下の構造を有する。
【0235】
【化76】
【0236】
いくつかの実施形態では、R、R、R、およびRは本明細書に記載される通りである。
【0237】
いくつかの実施形態では、R、R、R、およびRは表2に記載される通りである。
【0238】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は以下の構造を有する。
【0239】
【化77】
【0240】
いくつかの実施形態では、R、R、R、R、Z、Y、およびLは、本明細書に記載される通りである。
【0241】
いくつかの実施形態では、R、R、R、R、Z、Y、およびLは、表3に記載される通りである。
【0242】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は以下の構造を有する。
【0243】
【化78】
【0244】
いくつかの実施形態では、R、R、R、X、およびMは本明細書に記載される通りである。
【0245】
いくつかの実施形態では、R、R、R、X、およびMは表4に記載される通りである。
【0246】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は以下の構造を有する。
【0247】
【化79】
【0248】
いくつかの実施形態では、R、R、R、およびLは本明細書に記載される通りである。
【0249】
いくつかの実施形態では、R、R、R、およびLは表5に記載される通りである。
【0250】
様々な変数について上記の基の任意の組み合わせが本明細書において企図される。明細書全体にわたって、基とその置換基は、安定した部分と化合物を提供するために当業者によって選択される。
【0251】
式(A)または式(I)の典型的な化合物は、以下の表に記載される化合物を含む:
【0252】
【表1-1】
【0253】
【表1-2】
【0254】
【表1-3】
【0255】
表1の化合物は以下のように命名される:
1-2:5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
1-3:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[1-(トリフルオロメチル)シクロペンタンカルボニル]ピペラジン-1-イル]-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
1-4:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン、
1-5:2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-6:5-[(2R)-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-7:5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-8:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-6-[(3R)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-9:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-10:[2-({5-[(2R)-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-11:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-12:2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-13:2-({5-[(2R)-4-[2-(ジフルオロメチル)-4-フルオロベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-14:2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-15:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-16:2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エタン-1-アミン、
1-17:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]ジメチルアミン、
1-18:2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-[(3S)-ピロリジン-3-イルオキシ]-2,3’-ビピリジン、
1-19:(2R)-1-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-2-アミン、
1-20:(2S)-1-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-2-アミン、
1-21:(2R)-2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-1-アミン、
1-22:(2S)-2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-4-[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)プロパン-1-アミン、
1-23:1-[(3R)-4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-24:1-[(3R)-4-[6-(2-アミノエトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル]-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-25:1-[(3R)-4-[6-(2-アミノエトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル]-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-5-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-26:5-クロロ-1-[(3R)-4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-3-エチルピペラジン-1-カルボニル]-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-7-カルボニトリル、
1-27:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-28:[2-({5-[(2R)-4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
1-29:[2-({5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、および、
1-30:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン。
【0256】
【表2-1】
【0257】
【表2-2】
【0258】
【表2-3】
【0259】
【表2-4】
【0260】
表2の化合物は以下のように命名される:
2-1:N-(3-アミノプロピル)-4-{4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-[1,1’-ビフェニル]-3-カルボキサミド、
2-2:5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-3:5-{トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-4:5-{トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-5:5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-6:5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-7:5-{シス-4-[4-クロロ-2-(ジフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-8:5-シス-(4-{[6-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-9:5-[(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-10:5-[(2S,4S)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-11:5-[(2R,4R)-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-12:5-[(2S,4S)-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-13:5-(シス-2-シクロプロピル-4-{[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-14:5-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-15:5-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-16:5-[シス-4-(2-シアノ-4-メチルフェノキシ)-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-17:5-[シス-4-(2-シアノ-4-メチルフェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-18:5-[(2R,4R)-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-19:N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-5-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-20:N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-5-{シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル}-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-21:5-[(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-シアノフェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-22:5-[(2R,4R)-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
2-23:3-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2-エトキシフェニル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、
2-24:3-[シス-4-(4-クロロ-2-シアノフェノキシ)-2-メチルピペリジン-1-イル]-6-(2-エトキシフェニル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミド、および、
2-25:5-[シス-4-(2-シアノ-4-フルオロフェノキシ)-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド。
【0261】
【表3-1】
【0262】
【表3-2】
【0263】
表3の化合物は以下のように命名される:
3-1:2-(4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}ピペリジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
3-2:3-(4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}ピペリジン-1-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニトリル、
3-3:2-{[(2R)-1-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-2-エチルピペリジン-4-イル]オキシ}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、
3-4:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-イミダゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-5:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{1-[1-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-1H-イミダゾール-2-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-6:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{5-[1-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-4H-1λ,2,4-オキサジアゾール-3-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-7:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-{3-[1-(トリフルオロメチル)シクロブチル]-4H-1λ,2,4-オキサジアゾール-5-イル}ピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン、
3-8:2-{[rac-(2R,4R)-1-(2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-2-エチルピペリジン-4-イル]オキシ}-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル、および、
3-9:5-[rac-(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン。
【0264】
【表4-1】
【0265】
【表4-2】
【0266】
表4の化合物は以下のように命名される:
4-1:1-(2-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-1H-イミダゾール-4-イル)メタンアミン、
4-2:1-(5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタンアミン、
4-3:5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-4H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、
4-4:5-{5-[(2R)-4-(4-フルオロ-2-トリフルオロ-ベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-1H-1,2,4-トリアゾール-3-アミン、
4-5:2-(5-{3-[(2R)-4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-(2-エトキシフェニル)ピリジン-2-イル}-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エタン-1-アミン、
4-6:2-(2-{2-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-5-(2-エトキシピリジン-3-イル)フェニル}-1H-イミダゾール-1-イル)エタン-1-アミン、
4-7:2-(5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-1,3-オキサゾール-4-イル)エタン-1-アミン、
4-8:N-(2-アミノエチル)-3-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-(2-エトキシフェニル)ピリジン-2-スルホンアミド、
4-9:N-(2-アミノエチル)-2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-スルホンアミド、
4-10:2-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-5-(2-エトキシピリジン-3-イル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ベンゼン-1-スルホンアミド、
4-11:5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-スルホンアミド、
4-12:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}スルファニル)エチル]ジメチルアミン、および、
4-13:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}スルホニル)エチル]ジメチルアミン。
【0267】
【表5】
【0268】
表5の化合物は以下のように命名される:
5-1:rac-2’-エトキシ-5-[(2R,4S)-2-エチル-4-{[2-(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}ピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、
5-2:rac-2’-エトキシ-5-[(2R,4S)-2-エチル-4-[2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル]ピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド、および、
5-3:2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル]ピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド。
【0269】
1つの態様では、本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態である。同様に、同じタイプの活性を有するこうした化合物の活性代謝物は、本開示の範囲内に含まれている。加えて、本明細書に記載される化合物は、非溶媒和形態だけでなく、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を含む溶媒和形態で存在することができる。本明細書に提示される化合物の溶媒和形態は、同様に本明細書で開示されるものとみなされる。
【0270】
「薬学的に許容可能な」とは、本明細書で使用されるように、担体または希釈剤などの材料を指し、これは、化合物の生物学的活性あるいは特性を抑制せず、比較的無毒であり、つまり、この材料は望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、あるいはそれが含まれている組成物の成分のいずれにも有害なやり方で相互作用することなく、個体に投与される。
【0271】
「薬学的に許容可能な塩」との用語は、適切なアニオンと組み合わせた治療上活性な薬剤のカチオンの形態、あるいは代替的な実施形態では、適切なカチオンと組み合わせた治療上活性な薬剤のアニオンの形態からなる、治療上活性な薬剤の形態を指す。Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties,Selection and Use.International Union of Pure and Applied Chemistry,Wiley-VCH 2002.S.M.Berge,L.D.Bighley,D.C.Monkhouse,J.Pharm.Sci.1977,66,1-19.P.H.Stahl and C.G.Wermuth,editors,Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties,Selection and Use,Weinheim/Zurich: Wiley-VCH/VHCA,2002。薬学的な塩は、典型的には非イオン種よりも溶けやすく、胃液および腸液中で急速に溶けやすく、ゆえに、固体剤形に有用である。さらに、それらの溶解度がしばしばpHと相関しているため、消化管のいずれかの部分における選択溶解が可能であり、この能力は、遅延放出性および徐放性の挙動の一態様として操作することができる。さらに、塩成形分子が中性の形態と平衡状態にあり得るため、生体膜の通過を調節することができる。
【0272】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、式(A)または式(I)の化合物を酸と反応させることにより得られる。いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物(つまり、遊離塩基形態)は塩基性であり、有機酸または無機酸と反応する。無機酸としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、およびメタリン酸が挙げられる。有機酸としては、限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸;2,2-ジクロロ酢酸;2-ヒドロキシエタンスルホン酸;2-オキソグルタール酸;4-アセトアミド安息香酸;4-アミノサリチル酸;酢酸;アジピン酸;アスコルビン酸(L);アスパラギン酸(L);ベンゼンスルホン酸;安息香酸;樟脳酸(+);カンフル-10-スルホン酸(+);カプリン酸(デカン酸);カプロン酸(ヘキサン酸);カプリル酸(オクタン酸);炭酸;桂皮酸;クエン酸;シクラミン酸;ドデシル硫酸;エタン-1,2-ジスルホン酸;エタンスルホン酸;ギ酸;フマル酸;ガラクタル酸;ゲンチシン酸;グルコヘプトン酸(D);グルコン酸(D);グルクロン酸(D);グルタミン酸;グルタル酸;グリセロリン酸;グリコール酸;馬尿酸;イソ酪酸;乳酸(DL);ラクトビオン酸;ラウリン酸;マレイン酸;リンゴ酸(-L);マロン酸;マンデル酸(DL);メタンスルホン酸;ナフタレン-1,5-ジスルホン酸;ナフタレン-2-スルホン酸;ニコチン酸;オレイン酸;シュウ酸;パルミチン酸;パモ酸;リン酸;プロピオン酸;ピログルタミン酸(-L);サリチル酸;セバシン酸;ステアリン酸;コハク酸;硫酸;酒石酸(+L);チオシアン酸;トルエンスルホン酸(p);および、ウンデシレン酸が挙げられる。
【0273】
いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物は、塩化物、硫酸塩、臭化物塩、メシレート塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩として調製される。
【0274】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、式(A)または式(I)の化合物を塩基と反応させることにより得られる。いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物は酸性であり、塩基と反応される。こうした状況では、式(A)または式(I)の化合物の酸性プロトンは、金属イオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、またはアルミニウムのイオンと取り替えられる。場合によっては、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、メグルミン、N-メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基と協働する。他の場合では、本明細書に記載される化合物は、限定されないが、アルギニン、リジンなどのアミノ酸とともに塩を形成する。酸性プロトンを含む化合物とともに塩を形成するために使用される許容可能な無機塩基は、限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、N-メチルグルカミン塩、またはアンモニウム塩として調製される。
【0275】
薬学的に許容可能な塩への言及には、溶媒付加形態が含まれることを理解されたい。いくつかの実施形態では、溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量いずれかの溶媒を含み、水およびエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒による結晶化のプロセス中に形成される。溶媒が水である場合に水和物が形成され、溶媒がアルコールである場合にアルコラートが形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセスの間に都合よく調製されるか、または形成される。加えて、本明細書で提供される化合物は随意に、溶媒和形態だけでなく非溶媒和形態でも存在する。
【0276】
本明細書に記載される方法および製剤は、式(A)または式(I)の構造を有する化合物のN-オキシド(適切な場合)あるいは薬学的に許容可能な塩、ならびに同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝物の使用も含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物の有機ラジカル(例えば、アルキル基、芳香環)上の部位は、様々な代謝反応の影響を受けやすい。有機ラジカルへの適切な置換基の取り込みにより、この代謝経路は減らされ、最小限に抑えられ、または除去される。特定の実施形態では、代謝反応に対する芳香環の感受性を減らすか、または取り除くための適切な置換基は、一例として、ハロゲン、重水素、アルキル基、ハロアルキル基、または重水素化アルキル基である。
【0278】
別の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、同位体的に(例えば、放射性同位体で)標識されるか、または、限定されないが、発色団もしくは蛍光性部分、生物発光標識、あるいは化学発光標識の使用を含む他の手段によって標識される。
【0279】
本明細書で記載される化合物は同位体標識された化合物を含み、その化合物は、1つ以上の原子が自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子と取り替えられるという事実を除いて、本明細書で提示される様々な式と構造中に詳述される化合物と同一である。本化合物に組み込むことが出来る同位体の例としては、例えば、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl、123I、124I、125I、131I、32P、および33Pなどの、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素、ヨウ素、リンなどの同位体が挙げられる。一態様では、本明細書に記載される同位体標識された化合物、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物および/または基質組織の分布アッセイに有用である。一態様では、重水素などの同位体での置換は、例えば、インビボでの半減期の延長または必要用量の減少などの、より大きな代謝安定性に起因する特定の治療上の利点をもたらす。
【0280】
いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物は1つ以上の立体中心を有し、各立体中心はRまたはSの配置のいずれかで独立して存在する。いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物は、R配置で存在する。いくつかの実施形態では、式(A)または式(I)の化合物は、S配置で存在する。本明細書で提示される化合物は、すべてのジアステレオマー、個々のエナンチオマー、アトロプ異性体、およびエピマーの形態、ならびに、これらの適切な混合物を含む。本明細書で提供される化合物および方法は、すべてのシス(cis)、トランス(トランス)、syn、anti、entgegen(E)、およびzusammen(Z)の異性体、ならびにこれらの適切な混合物を含む。
【0281】
個々の立体異性体は、必要に応じて、立体選択的な合成および/またはキラルクロマトグラフィーカラムによる立体異性体の分離、あるいは、非キラルまたはキラルのクロマトグラフィーカラムによるジアステレオマーの分離、あるいは、適切な溶媒もしくは溶媒の混合物中での結晶化および再結晶化などの方法によって得られる。ある実施形態では、式(A)または式(I)の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて一対のジアステレオマー異性体化合物/塩を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋な個々のエナンチオマーを回収することによって、その個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、個々のエナンチオマーの分解は、本明細書に記載される化合物の共有結合のジアステレオマー誘導体を用いて実行される。別の実施形態では、ジアステレオマーは、溶解度の差に基づいて分離/分解技術によって分離される。他の実施形態では、立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマー塩を形成し、再結晶化もしくはクロマトグラフィーにより分離することによって、あるいはこれらの任意の組み合わせによって行われる。Jean Jacques,Andre Collet,Samuel H.Wilen,“Enantiomers,Racemates and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981。いくつかの実施形態では、立体異性体は立体選択的な合成によって得られる。
【0282】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物はプロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、状況によっては親薬物よりも投与しやすいため、しばしば有用である。プロドラッグは、例えば、経口投与により生物学的に利用可能であるが、親薬物はそうではない。さらにまたは代替的に、プロドラッグは、親薬物よりも、医薬組成物中での溶解度が向上している。いくつかの実施形態では、プロドラッグの設計により、有効な水溶性が増大する。プロドラッグの一例は、限定されないが、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、代謝的に加水分解され活性な実体を与える、本明細書に記載される化合物である。プロドラッグのさらなる例は、酸性基に結合される短ペプチド(ポリアミノ酸)であり、このペプチドは代謝されることで活性な部分を曝露する。ある実施形態では、インビボ投与後、プロドラッグは、化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態に化学変換される。ある実施形態では、プロドラッグは、1つ以上の工程またはプロセスによって酵素で代謝され、化合物の生物学的、薬学的、または治療的に活性な形態になる。
【0283】
本明細書に記載される化合物のプロドラッグとしては、限定されないが、エステル、エーテル、カーボネート、チオカーボネート、N-アシル誘導体、N-アシルオキシアルキル誘導体、N-アルキルオキシアシル誘導体、第三級アミンの四級誘導体、N-マンニッヒ塩基、シッフ塩基、アミノ酸コンジュゲート、リン酸エステル、およびスルホン酸エステルが挙げられる。例えば、Design of Prodrugs,Bundgaard,A.Ed.,Elseview,1985 and Method in Enzymology,Widder,K.et al.,Ed.;Academic,1985,vol.42,p.309-396;Bundgaard,H.”Design and Application of Prodrugs” in A Textbook of Drug Design and Development,Krosgaard-Larsen and H.Bundgaard,Ed.,1991,Chapter 5,p.113-191;and Bundgaard,H.,Advanced Drug Delivery Review,1992,8,1-38を参照されたい(これらの文献の各々は、参照によって本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物のヒドロキシル基はプロドラッグを形成するために用いられ、ここで、上記ヒドロキシル基は、アシルオキシアルキルエステル、アルコキシカルボニルオキシアルキルエステル、アルキルエステル、アリールエステル、リン酸エステル、糖エステル、エーテルなどに組み入れられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物中のヒドロキシル基はプロドラッグであり、ヒドロキシルはインビボで代謝されてカルボン酸基をもたらす。いくつかの実施形態では、カルボキシル基を用いてエステルまたはアミド(つまりプロドラッグ)を提供し、これはその後インビボで代謝されることでカルボン酸基が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、アルキルエステルプロドラッグとして調製される。
【0284】
本明細書に記載される化合物のプロドラッグ形態であって、式(A)または式(I)の化合物を生成するためにインビボで代謝されるプロドラッグ形態が、請求項の範囲内に含まれる。場合によっては、本明細書に記載される化合物のいくつかは、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグである。
【0285】
いくつかの実施形態では、ヒドロキシル基、アミノ基、および/またはカルボン酸基のいずれか1つは、適切なやり方で官能化されて、プロドラッグ部分を提供する。いくつかの実施形態では、プロドラッグ部分は上記の通りである。
【0286】
追加のまたはさらなる実施形態では、本明細書に記載される化合物は、生物への投与の際に新陳代謝されて代謝産物を生成し、その後、この代謝産物を用いることで所望の治療効果を含む所望の効果がもたらされる。
【0287】
本明細書で開示される化合物の「代謝産物」は、化合物が代謝されるときに形成される、上記化合物の誘導体である。「活性代謝物」との用語は、化合物が代謝されるときに形成される、上記化合物の生物学的に活性な誘導体を指す。「代謝される(metabolized)」との用語は、本明細書で使用されるように、有機体によって特定の物質が変化するプロセス(限定されないが、加水分解反応および酵素によって触媒される反応を含む)の全体を指す。したがって、酵素は、化合物に対して特異的な構造的変化をもたらし得る。例えば、シトクロムP450は、様々な酸化反応および還元反応を触媒する一方、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、および遊離スルフヒドリル基への活性化グルクロン酸分子の移動を触媒する。本明細書で開示される化合物の代謝産物は、随意に、宿主に化合物を投与し、その宿主からの組織試料を解析することによって、または、インビトロで肝細胞で化合物をインキュベートし、その結果生じる化合物を解析することによって、同定される。
【0288】
化合物の合成
式(A)または式(I)の化合物は、本明細書に記載される方法と組み合わせて、標準的な合成技術を用いて、あるいは当該技術分野で知られている方法を用いて合成される。
【0289】
別段の定めのない限り、質量分析法、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換DNA技術、および薬理学の従来の方法が使用される。
【0290】
化合物は、例えば、March’s Advanced Organic Chemistry,6th Edition,John Wiley and Sons,Inc.に記載されるような、標準的な有機化学技術を用いて調製される。溶媒、反応温度、反応時間の変化、および様々な化学試薬、ならびに他の反応条件などの本明細書に記載される合成形質転換の代替的な反応条件が用いられてもよい。
【0291】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキームAに記載されるように調製される。
【0292】
【化80】
【0293】
化合物Iは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下で、モノ保護された置換されたピペラジンとともに3-フルオロ-2-ニトロピリジンを加熱することによって得られる。アルコキシドとのニトロ基のS2反応により、ピリジニルエーテルが生成され、これはその後、NCSで処理することによりクロロピリジン(II)に変換される。化合物IIは、R-B(OH)またはその対応するエステルとの鈴木・宮浦反応などの有機金属カップリング反応にさらされ、その後、標準的な脱保護を行うことで化合物IIIが生成される。化合物IIIは、HATU活性化アミドカップリングを介して最終生産物(IV)に変換される。場合によっては、アミド形成後に化合物IVを得るために、R基からのさらなる脱保護工程が必要とされる。
【0294】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキームBに記載されるように調製される。
【0295】
【化81】
【0296】
化合物IIIは、DIEAの存在下でトリホスゲンおよびNHRを使用して、活性化されたカルバミン酸塩化物で処理することによって、尿素Vに変換される。場合によっては、尿素形成後に化合物Vを得るために、Rのさらなる脱保護工程が必要とされる。
【0297】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキームCに記載されるように調製される。
【0298】
【化82】
【0299】
N,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下で6-ブロモ-3-フルオロピコリノニトリルを2-R-ピペリジン-4-オール(シスまたはトランスラセミ体)とともに加熱すると、化合物VIが生成され、これはR-B(OH)またはその対応するエステルとの鈴木・宮浦反応などの有機金属カップリング反応にさらされて、化合物VIIを生成する。その後、酸へのシアノの加水分解と、その後のR-NH2との標準的なHATUアミドカップリングにより、化合物VIIIが生成される。VIIIのアルコキシドを求電性のハロゲン化アリール(R-X)とカップリングすることによるエーテルの形成により、化合物IXが生成される。Rが保護基を含む場合、IXを生成するためにさらなる脱保護工程が行われる。
【0300】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキームDに記載されように調製される。
【0301】
【化83】
【0302】
シス-ラセミ体VIIは、キラル分取HPLCによるキラル分離にさらされ、2つの光学的に純粋なシス-異性体であるXとXIが生成される。それらの絶対立体化学はまだ決定されていない。化合物XはNaOHで加水分解されて酸中間体を生成し、これはHATU媒介性アミドカップリングを介して化合物XIIに変換される。XIIIへの変換は、スキームCの工程eおよびfによって記載されるものと同様の様式によって達成される。XIからの別の立体異性体は、同じ経路によって得られる。Rが保護基を含む場合、XIIIを生成するためにさらなる脱保護工程が行われる。
【0303】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキームEに記載されように調製される。
【0304】
【化84】
【0305】
化合物XIVは、N-Boc-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステルとの鈴木・宮浦カップリング反応によって調製され、これはアルコキシドと反応してXVを生成する。その後、R-B(OH)との鈴木・宮浦カップリング反応またはR-SnBuとのスティルカップリングによるRの導入と、その後のテトラヒドロピリジンの還元により、化合物XVIが生成される。Boc基は酸によって除去され、最終化合物XVIIは、DIEAなどの有機塩基の存在下でR-Xとの標準的なS2反応を介して形成される。Rが保護基を含む場合、XVIIを生成するためにさらなる脱保護工程が行われる。
【0306】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、スキームFに記載されように調製される。
【0307】
【化85】
【0308】
XVIIIのHATU媒介性カップリング反応により、アミド中間体が生成され、これはその後、TEAなどの有機塩基の存在下でMsClによる水酸基のメシル化にさらされ、化合物XIXを生成する。メシレートは、求核剤によるS2反応を介して化合物XXへの立体化学逆転を経験する。Rが保護基を含む場合、XXを産生するためにさらなる脱保護工程が行われる。
【0309】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、実施例で概説されるように合成される。
【0310】
特定の用語
特段の定めのない限り、本出願で使用される以下の用語の定義を下に示す。用語「含むこと(including)」、ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含んだ(included)」などの他の形態の使用は、限定的でなはい。本明細書に使用される段落の見出しは、組織化するためのものに過ぎず、記載される主題を限定するものと解釈されてはならない。
【0311】
本明細書で用いられる場合、 C-Cは、C-C、C-C...C-Cを含む。ほんの一例として、「C-C」として指定された基は、その部分に1~6の炭素原子があることを示し、すなわち、基は、1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、または4つの炭素原子を含有する。したがって、ほんの一例として、「C-Cアルキル」は、アルキル基に1~4の炭素原子があることを示し、すなわち、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルから選択される。
【0312】
「アルキル」基とは、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基は分枝鎖または直鎖である。いくつかの実施形態では、「アルキル」基は、1~10の炭素原子、すなわち、C-C10アルキルを有する。「1~10」などの数の範囲は、本明細書で出てくるときは常に所定の範囲内の各整数を指す。例えば、「1~10の炭素原子」とは、アルキル基が、1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子などから最大で10の炭素原子までからなることを意味するが、本定義はさらに、数の範囲が指定されていない用語「アルキル」の出現も包含するものである。いくつかの実施形態では、アルキルはC-Cアルキルである。一態様では、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、またはt-ブチルである。典型的なアルキル基としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、三級ブチル、ペンチル、ネオペンチル、またはヘキシルが挙げられる。
【0313】
「アルキレン」基は、二価アルキルラジカルを指す。上記の一価アルキル基のいずれかは、アルキルからの第2の水素原子の除去によるアルキレンであってもよい。いくつかの実施形態では、アルキレンは、C-Cアルキレンである。他の実施形態では、アルキレンはC-Cアルキレンである。典型的なアルキレン基としては、限定されないが、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CHCHCHCH-などが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキレンは-CH-である。
【0314】
「アルコキシ」基は(アルキル)O-基を指し、ここで、アルキルは本明細書で定義される通りである。
【0315】
「アルキルアミン」との用語は、-N(アルキル)基を指し、ここで、xは0であり、かつyは2であるか、または、xは1であり、かつyは1であるか、または、xは2であり、かつyは0である。
【0316】
「ヒドロキシアルキル」は、1つの水素原子がヒドロキシルと取り替えられるアルキルを指す。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキルはC-Cヒドロキシアルキルである。典型的なヒドロキシアルキル基としては、限定されないが、-CHOH、-CHCHOH、-CHCHCHOH、-CHCHCHCHOHなどが挙げられる。
【0317】
「アミノアルキル」とは、1つの水素原子がアミノと取り替えられるアルキルを指す。いくつかの実施形態では、アミノアルキルはC-Cアミノアルキルである。典型的なアミノアルキル基としては、限定されないが、-CHNH、-CHCHNH、-CHCHCHNH、-CHCHCHCHNHなどが挙げられる。
【0318】
「アルケニル」との用語は、少なくとも1つの炭素炭素二重結合が存在するアルキル基の一種を指す。一実施形態では、アルケニル基は、式-C(R)=CRを有し、ここで、Rはアルケニル基の残りの部分を指し、それは同じであっても、異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、RはHまたはアルキルである。いくつかの実施形態では、アルケニルは、エテニル(すなわち、ビニル)、プロペニル(すなわち、アリル)、ブテニル、ペンテニル、ペンタジエニルなどから選択される。アルケニル基の非限定的な例としては、-CH=CH、-C(CH)=CH、-CH=CHCH、-C(CH)=CHCH、および-CHCH=CHが挙げられる。
【0319】
「アルキニル」との用語は、少なくとも1つの炭素炭素三重結合が存在するアルキル基の一種を指す。一実施形態では、アルケニル基は式-C≡CRを有し、ここで、Rはアルキニル基の残りの部分を指す。いくつかの実施形態では、RはHまたはアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどから選択される。アルキニル基の非限定的な例としては、-C≡CH、-C≡CCH、-C≡CCHCH、-CHC≡CHが挙げられる。
【0320】
「ヘテロアルキル」との用語は、アルキルの1つ以上の骨格原子が、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-)、硫黄、またはそれらの組み合わせから選択される、アルキル基を指す。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子で分子の残りに結合される。一態様では、ヘテロアルキルはC-Cヘテロアルキルである。
【0321】
「芳香族」との用語は、4n+2π電子(nは整数である)を含む、非局在化されたπ-電子系を有する平面環を指す。用語「芳香族」は、炭素環式アリール(「アリール」、例えば、フェニル)と、複素環式アリール(または「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」)基(例えば、ピリジン)の両方を含んでいる。この用語は、単環式または縮合環の多環式(つまり、隣接する炭素原子対を共有する環)基を含んでいる。
【0322】
「炭素環式」または「炭素環」との用語は、環の骨格を形成する原子がすべて炭素原子である、環または環系を指す。したがって、上記用語は、環骨格が炭素とは異なる少なくとも1つの原子を含有している「複素環式」または「複素環」と、炭素環式とを区別している。いくつかの実施形態では、炭素環は、単環式の炭素環、または二環式の炭素環である。いくつかの実施形態では、炭素環は、単環式の炭素環である。炭素環は非芳香族または芳香族である。非芳香族炭素環は、飽和であるか、または部分的に不飽和である。いくつかの実施形態では、炭素環は二環式の炭素環である。いくつかの実施形態では、二環式の炭素環の2つの環の少なくとも1つは、芳香族である。いくつかの実施形態では、二環式の炭素環の両方の環は、芳香族である。炭素環はアリールおよびシクロアルキルを含む。
【0323】
本明細書で使用される場合、「アリール」との用語は、環を形成する原子の各々が炭素原子である、芳香族環を指す。一態様では、アリールは、フェニルまたはナフチルである。いくつかの実施形態では、アリールはフェニルである。いくつかの実施形態では、アリールは、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、またはテトラヒドロナフチルである。いくつかの実施形態では、アリールはC-C10アリールである。構造によっては、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(つまり、アリーレン基)である。
【0324】
「シクロアルキル」との用語は、単環式、二環式、または多環式の脂肪族の非芳香族ラジカルを指し、環を形成する原子(つまり、骨格原子)の各々は炭素原子である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、スピロ環状化合物または架橋化合物である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、随意に芳香環で縮合され、付着点は、芳香環炭素原子ではない炭素にある。シクロアルキル基は、3~10の環状原子を有する基を含む。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、スピロ[2.2]ペンチル、ノルボルニル、ノルボルネニル、ビシクル[1.1.1]ペンチル、アダマンチル、ノルボルニル、ノルボルネニル、デカリニル、または7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルの中から選択される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、C-Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、単環式シクロアルキルである。単環式シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含むが、これらに限定されない。多環式シクロアルキルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。
【0325】
「ハロ」、あるいは代替的に「ハロゲン」または「ハロゲン化物」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、あるいはヨードを意味する。いくつかの実施形態では、ハロは、フルオロ、クロロ、またはブロモである。
【0326】
「フルオロアルキル」との用語は、1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換えられるアルキルを指す。一態様では、フルオロアルキルは、C-Cフルオロアルキルである。
【0327】
「複素環」または「複素環式」との用語は、環に1~4つのヘテロ原子を含む芳香族複素環(ヘテロアリールとしても知られている)およびヘテロシクロアルキル環を指し、ここで、環の各ヘテロ原子はO、S、およびNから選択され、ここで、各複素環基は、その環系中に3~10の原子を有し、ただし、どの環も2つの隣接するO原子またはS原子を含んでいないものとする。非芳香族複素環基(ヘテロシクロアルキルとしても知られる)は、その環系に3~10の原子を有する環を含み、芳香族複素環基は、その環系に5~10の原子を有する環を含む。複素環式基はベンゾ縮合環系を含む。非芳香族複素環基の例は、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、オキサゾリジノニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、ピペラジニル、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピロリン(pyrrolin)-2-イル、ピロリン-3-イル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリル、インドリン-2-オニル(onyl)、イソインドリン-1-オニル、イソインドリン-1,3-ジオニル、3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オニル、3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オニル、イソインドリン-1,3-ジチオニル、ベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オニル、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オニル、およびベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-オニル、およびキノリジニルである。芳香族複素環式基の例は、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルである。前述の基は、可能であれば、C結合される(または、C連結される)か、あるいはN結合される。例えば、ピロールに由来する基は、ピロール-1-イル(N結合された)またはピロール-3-イル(C結合された)を含む。さらに、イミダゾールに由来する基は、イミダゾール-1-イルまたはイミダゾール-3-イル(両方ともN結合された)またはイミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イルまたはイミダゾール-5-イル(すべてC結合された)を含む。複素環式基はベンゾ縮合環系を含む。非芳香族複素環は、ピロリジン-2-オンなどの、1つまたは2つのオキソ(=O)部分と随意に置換される。いくつかの実施形態では、二環式の複素環の2つの環の少なくとも1つは芳香族である。いくつかの実施形態では、二環式の複素環の両方の環は芳香族である。
【0328】
「ヘテロアリール」または、代替的には「ヘテロ芳香族」との用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つ以上の環ヘテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリール基の例示的な例としては、単環式ヘテロアリールおよび二環式ヘテロアリールが挙げられる。単環式のヘテロアリールは、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびフラザニルを含む。単環式のヘテロアリールは、インドリジン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8-ナフチリジン、およびプテリジンを含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは環に0~4のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは環に1~4のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは環に0~4のN原子、0~1のO原子、および0~1のS原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは環に1~4のN原子、0~1のO原子、および0~1のS原子を含有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールはC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式のヘテロアリールはC-Cヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、単環式のヘテロアリールは5員または6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、二環式のヘテロアリールはC-Cヘテロアリールである。
【0329】
「ヘテロシクロアルキル」基とは、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルはアリールまたはヘテロアリールと縮合される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、オキサゾリジノニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジン-2-オニル、ピロリジン-2,5-ジチオニル、ピロリジン-2,5-ジオニル、ピロリジノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリジン-2-オニル、またはチアゾリジン-2-オニルである。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、限定されないが、単糖類、二糖類、およびオリゴ糖を含む、炭水化物のすべての環状形態も含む。一態様では、ヘテロシクロアルキルはC-C10ヘテロシクロアルキルである。別の態様では、ヘテロシクロアルキルはC-C10ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは環に0~2のN原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、環に0~2のN原子、0~2のO原子、および0~1のS原子を含む。
【0330】
「結合」または「単結合」との用語は、結合によって結合された原子がより大きな下部構造の一部であると考えられる場合の2つの原子間あるいは2つの部分間の化学結合を指す。一態様では、本明細書に記載される基が単結合である場合に、参照基は存在せず、それによって、残りの特定された基の間での単結合の形成が可能になる。
【0331】
「部分」との用語は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学的部分は、分子に埋め込まれたまたは付加された化学物質と認識されることが多い。
【0332】
「随意に置換される」または「置換される」との用語は、参照された基が、ハロゲン、-CN、-NH、-NH(アルキル)、-N(アルキル)、-OH、-COH、-COアルキル、-C(=O)NH、-C(=O)NH(アルキル)、-C(=O)N(アルキル)、-S(=O)NH、-S(=O)NH(アルキル)、-S(=O)N(アルキル)、アルキル、シクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、およびアリールスルホンから個々に、および独立して選択された1つ以上の追加の基で随意に置換されることを意味する。他のいくつかの実施形態では、随意の置換基は、ハロゲン、-CN、-NH、-NH(CH)、-N(CH、-OH、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C-Cアルキル)、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-S(=O)NH、-S(=O)NH(C-Cアルキル)、-S(=O)N(C-Cアルキル)、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cフルオロアルコキシ、-SC-Cアルキル、-S(=O)C-Cアルキル、および-S(=O)-Cアルキルから独立して選択される。他のいくつかの実施形態では、随意の置換基は、ハロゲン、-CN、-NH、-NH(CH)、-N(CH、-OH、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)NH(C-Cアルキル)、-C(=O)N(C-Cアルキル)、-S(=O)NH、-S(=O)NH(C-Cアルキル)、-S(=O)N(C-Cアルキル)、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、C-Cヘテロシクロアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヘテロアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cフルオロアルコキシ、-SC-Cアルキル、-S(=O)C-Cアルキル、および-S(=O)-Cアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態では、随意の置換基は、ハロゲン、-CN、-NH、-OH、-NH(CH)、-N(CH、-CH、-CHCH、-CF、-OCH、および-OCFから独立して選択される。いくつかの実施形態では、置換基は、前述の基の1つまたは2つで置換される。いくつかの実施形態では、脂肪族炭素原子(非環式または環式)上の随意の置換基は、オキソ(=O)を含む。
【0333】
本明細書で使用されるように、製剤、組成物、または成分に関する「許容可能な」との用語は、処置されている対象の健康状態に対して持続的な有害効果がないことを意味する。
【0334】
本明細書で使用されるように、「調節する(modulate)」との用語は、標的の活性を変更するように、直接または間接的に標的と相互作用することを意味し、標的の活性を変更するころには、ほんの一例として、標的の活性を増強する、標的の活性を阻害する、標的の活性を制限する、または標的の活性を拡大することが含まれる。
【0335】
本明細書で使用されるようように、「モジュレーター」との用語は、直接または間接的に標的と相互作用する分子を指す。相互作用としては、限定されないが、アゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、アンタゴニスト、分解剤(degrader)、またはそれらの組み合わせの相互作用が挙げられる。いくつかの実施形態では、モジュレーターはアゴニストである。
【0336】
本明細書で使用されるように、「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、「投与(administration)」などの用語は、生物学的作用の望ましい部位への化合物または組成物の送達を可能にするために使用され得る方法を指す。これらの方法は、限定されないが、経口経路、十二指腸内経路、非経口注入(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内、または点滴を含む)、局所投与、および直腸投与を含む。当業者は、本明細書に記載される化合物および方法とともに使用され得る投与技術に精通している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物および組成物は、経口で投与される。
【0337】
「同時投与」などの用語は、本明細書で使用されるように、一人の患者に対する選択された治療薬の投与を包含することを意味しており、同じあるいは異なる投与経路によって、または同じあるいは異なる時間に、薬剤が投与される治療レジメンを含むことを意図している。
【0338】
「有効な量」または「治療上有効な量」との用語は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患あるいは疾病の症状の1つ以上をある程度まで軽減する、投与されている十分な量の薬剤あるいは化合物を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、または原因の減少および/または緩和、あるいは生体系の他の所望の変化を含む。例えば、治療用途のための「有効な量」は、疾患症状を臨床的に有意に減少させるために必要とされる、本明細書に開示される化合物を含む組成物の量である。個々のケースでの適切な「有効な」量は、用量漸増試験などの技術を使用して随意に決定される。
【0339】
「増強する(enhance)」または「増強すること(enhancing)」との用語は、本明細書で使用されるように、効能または持続時間のいずれかにおいて所望の効果を増大させるか延長することを意味する。したがって、治療剤の効果を増強することに関して、「増強する」との用語は、効能または持続時間のいずれかにおいて、系に対する他の治療剤の効果を増大させるか、または延長する能力を指す。本明細書で使用されるように、「増強有効量」とは、望ましい系において別の治療剤の効果を増強するのに十分な量を指す。
【0340】
本明細書で使用されるように、「薬学的な組み合わせ(pharmaceutical combination)」との用語は、1つを超える有効成分の混合または併用に起因し、かつ、有効成分の固定されたおよび固定されていない組み合わせを含む、生成物を意味する。「固定された組み合わせ」との用語は、有効成分、例えば、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、および助剤が、単一の実体または用量の形態で患者に両方とも同時に投与されることを意味する。「固定されていない組み合わせ」との用語は、有効成分、例えば、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、および助剤が、特定の介在する時間制限なく、同時に、同時発生的に、または連続して、別々の実体として患者に投与されることを意味し、ここで、こうした投与は、患者の身体において有効レベルの2つの化合物を提供する。後者の用語は、カクテル療法、例えば、3以上の有効成分の投与にも当てはまる。
【0341】
「製品」および「キット」との用語は、同義語として使用される。
【0342】
「対象」または「患者」との用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、限定されないが、以下の哺乳動物のクラスのメンバーが挙げられる:ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、および他の類人猿ならびにサル類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物、ラット、マウスおよびモルモットなどの、げっ歯類を含む実験動物。一態様では、哺乳動物はヒトである。
【0343】
「処置する」、「処置すること」、または「処置」との用語は、本明細書で使用されるように、疾患または疾病の少なくとも1つの症状を緩和するか、軽減するか、あるいは改善すること、追加の症状を防ぐこと、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の発現を抑えること、疾患または疾病を軽減すること、疾患または疾病の退行を引き起こすこと、疾患または疾病によって引き起こされた状態を軽減すること、あるいは疾患または疾病の症状を予防的におよび/または治療的に止めることを含む。
【0344】
医薬組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、医薬組成物へと製剤化される。医薬組成物は、薬学的に使用される調製物への活性化合物の処理を促進する1つ以上の薬学的に許容可能な不活性成分を使用して、従来の方法で製剤化される。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。本明細書に記載される医薬組成物の要約は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.: Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;および、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)に見られ、これらは、そのような開示のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0345】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、単独で投与されるか、あるいは、医薬組成物において、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または希釈剤と組み合わせて投与される。本明細書に記載される化合物および組成物の投与は、作用部位への化合物の送達を可能にする方法によって達成され得る。これらの方法は、限定されないが、腸内経路(経口、胃または十二指腸の栄養管、肛門坐剤および直腸の浣腸を含む)、非経口経路(動脈内、心臓内、皮内、十二指腸内、髄内、筋肉内、骨内、腹腔内、鞘内、血管内、静脈内、硝子体内、硬膜外および皮下を含む、注射または注入)、吸入、経皮、経粘膜、舌下、頬側、および局所(上皮、真皮、浣腸、点眼、点耳、鼻腔内、膣を含む)の投与を介した送達を含むが、最も適切な経路は、例えば、レシピエントの疾病または障害に左右され得る。ほんの一例として、本明細書に記載される化合物は、例えば、手術中の局所注入、クリーム剤または軟膏剤などの局所適用、注射、カテーテル、または移植によって、処置を必要としている領域へと局所的に投与され得る。投与は病変組織または臓器の部位での直接注射によるものでもあり得る。
【0346】
いくつかの実施形態では、経口投与に適した医薬組成物は、各々があらかじめ決められた量の有効成分を含む、カプセル、カシェ、あるいは錠剤などの分散単位として;粉末または顆粒として;水性液または非水性の液体中の溶液または懸濁液として;あるいは、水中油型エマルションまたは油液中の油中水型エマルションとして提示される。いくつかの実施形態では、有効成分は、ボーラス剤(bolus)、舐剤、またはペースト剤として提供される。
【0347】
経口的に使用することができる医薬組成物は、錠剤、ゼラチンで作られた押し込み型カプセル剤、ならびに、ゼラチンと、グリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とで作られた密封された軟カプセル剤を含む。錠剤は、随意に1つ以上の副成分とともに、圧縮または成形によって作られてもよい。圧縮錠剤は随意に、結合剤、不活性希釈剤、または平滑剤、表面活性剤、あるいは分散剤と混合して、粉末または顆粒などの自由流動形態で有効成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作られ得る。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされるかスコア化され、有効成分の遅延放出または制御放出をもたらすように製剤化される。経口投与のためのすべての製剤はこうした投与に適した量でなければならない。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/または滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および随意に安定化剤と組み合わせて活性成分を含むことができる。軟カプセル剤において、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体のポリエチレングリコールなどの、適切な液体中に溶解または懸濁され得る。いくつかの実施形態では、安定剤が添加される。糖衣錠コアは適切なコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮した糖溶液が使用されてもよく、これは随意に、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒または溶媒混合液を含有し得る。染料または色素は、識別のために、または活性化合物の投与量の様々な組み合わせを特徴付けるために、錠剤またはドラジェ・コーティング(Dragee coatings)に加えられ得る。
【0348】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、例えば、ボーラス注射または持続注入などの注射による非経口投与のために製剤化される。注射のための製剤は、追加の保存剤とともに、単位剤形で、例えば、アンプルまたは複数回投与用容器で提供されてもよい。組成物は、油性または水性のビヒクル中で懸濁液、溶液、またはエマルジョンなどの形態をとってもよく、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤などの調合剤を含有し得る。組成物は、単位投与用また複数回投与用の容器、例えば、密封したアンプルおよびバイアル中に提供されてもよく、粉末形態で保存されることもあれば、使用の直前に無菌の液体担体、例えば、生理食塩水または発熱性物質を含まない蒸留水の追加しか必要としない冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で保存されることもある。即席の注射液および懸濁液は、上に記載された種類の無菌の粉末、顆粒、および錠剤から調製されてよい。
【0349】
非経口投与のための医薬組成物は、製剤を所望のレシピエントの血液と等張にする抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、および溶質を含み得る、活性化合物の水性および非水性(油性)の無菌注入溶液と;懸濁化剤および増粘剤を含み得る水性および非水性の無菌懸濁液とを含む。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、ごま油などの脂肪油、オレイン酸エチルあるいはトリグリセリドなどの合成の脂肪酸エステル、またはリポソームを含む。水性の注射懸濁液は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含み得る。随意に、懸濁液は、高濃度の溶液の調製を可能にするために化合物の溶解度を増加させる適切な安定剤または薬剤も含んでいてもよい。
【0350】
医薬組成物はデボー製剤としても製剤化され得る。そのような長時間作用型の製剤は、移植によって(例えば、皮下あるいは筋肉内)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば、化合物は、適切なポリマー材料または疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂で、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として製剤化されてもよい。
【0351】
頬側投与または舌下投与については、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤、ロゼンジ、パステル剤、またはゲル剤の形態をとり得る。そのような組成物は、スクロースおよびアカシアまたはトラガントなどの香味をつけた(flavored)主成分中の有効成分を含み得る。
【0352】
医薬組成物は局所的に、すなわち、非全身投与によって投与され得る。これには、表皮または頬腔の外部への本発明の化合物の適用、および、化合物が血流に大量に入ることのないように、上記化合物の耳、目、および鼻への滴下が含まれる。対照的に、全身投与とは経口、静脈内、腹腔内、および筋肉内の投与を指す。
【0353】
局所投与に適した医薬組成物は、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、またはペースト剤、および、目、耳、あるいは鼻への投与に適した液滴などの、皮膚を通って炎症部位へ浸透するのに適した液体あるいは半液体の製剤を含む。有効成分は、局所投与の場合、製剤の0.001%w/w~10%w/w、例えば、1重量%~2重量%を含み得る。
【0354】
吸入による投与のための医薬組成物は、注入器、噴霧器、加圧されたパック、またはエアロゾルスプレーを送達する他の便利な手段から都合よく送達される。加圧されたパックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体などの、適切な噴霧剤(propellant)を含み得る。加圧されたエアロゾルの場合、投与単位は、測定された量を送達するためのバルブを設けることによって決定され得る。代替的に、吸入または通気による投与のために、製剤は、乾燥粉組成物、例えば、化合物の粉末混合物、およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤の形態をとり得る。粉末組成物は、粉末が吸入器または注入器を用いて投与され得る単位剤形、例えば、カプセル剤、カートリッジ、ゼラチン、またはブリスターパックで提供され得る。
【0355】
例えば、とりわけ上で述べられた成分に加えて、本明細書に記載される化合物と組成物は、問題の製剤のタイプを考慮して当該技術分野で従来の他の薬剤を含むことがあり、例えば、経口投与に適した薬剤は香料を含むことがあることを理解されたい。
【0356】
投薬方法と処置レジメン
一実施形態では、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、メラノコルチン受容体活性の調節から利益を得ることになる哺乳動物における、疾患または疾病の処置のための薬物の調製に使用される。そのような処置を必要としている哺乳動物において本明細書に記載される疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、式(A)または式(I)の少なくとも1つの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、活性代謝物、プロドラッグ、もしくは薬学的に許容可能な溶媒和物を、治療上有効な量で哺乳動物に投与する工程を含む。
【0357】
ある実施形態では、本明細書に記載される化合物を含む組成物は、予防的および/または治療的な処置のために投与される。ある治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するか、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、疾患または疾病に既に苦しんでいる患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、ならびに処置する医師の判断に依存する。治療上有効な量は、限定されないが、用量漸増および/または用量範囲探索の臨床試験を含む方法によって随意に決定される。
【0358】
予防的用途では、本明細書に記載される化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害、または疾病になりやすい、あるいはそのリスクがある患者に投与される。このような量は、「予防上有効な量または投与量」であると定義される。この用途では、正確な量は患者の健康状態、体重などによっても変わる。患者に使用される際、この使用のための有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態および薬物への応答、ならびに処置する医師の判断に依存する。一態様では、予防処置は、疾患または疾病の症状の再発を防ぐために、処置されている疾患の少なくとも1つの症状を以前に経験し、かつ現在は寛解期にある哺乳動物に、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0359】
患者の状態が改善しない特定の実施形態では、医師の裁量で、化合物の投与が、患者の疾患または疾病の症状を寛解させるか、あるいはそうでなければ抑制または制限するために、慢性的に、すなわち、患者の一生涯を含む長期間にわたって投与される。
【0360】
いったん患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。続いて、特定の実施形態では、投与の用量または頻度、またはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、障害、または疾病が保持されるレベルまで減らされる。しかし、ある実施形態では、患者は、症状が再発すると、長期間にわたって断続的な処置を必要とする。
【0361】
そのような量に相当する所定の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の状態およびその重症度、治療を必要とする対象または宿主の独自性(例えば、体重、性別)などの因子に依存して変わるが、それにもかかわらず、例えば、投与されている特定の薬剤、投与経路、処置されている疾病、および処置されている対象または宿主を含むそのケースを取り巻く特別な状況に応じて決定される。
【0362】
しかし、一般に、成人のヒトの処置に使用される投与量は、典型的には、1日当たり0.01mg~2000mgの範囲である。一実施形態では、所望の投与量は、単回投与で、あるいは、同時にまたは適切な間隔で投与される分割量で、例えば、1日当たり2、3、4回またはそれ以上のサブ用量として、好適に提供される。
【0363】
一実施形態では、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩に適切な毎日の投与量は、体重当たり約0.01~約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、剤形中の有効成分の毎日の投与量または有効量は、個々の処置レジメンに関する多くの変数に基づいて、本明細書に示される範囲より少なくなるか、または多くなる。様々な実施形態では、毎日の投与量および単位用量は、限定されないが、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、個々の対象の必要条件、処置されている疾患または疾病の重症度、および医師の判断を含む、多くの変数に依存して変更される。
【0364】
こうした治療レジメンの毒性および治療の有効性は、限定されないが、LD50とED50の決定を含む、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順によって決定される。毒性と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これは、LD50とED50との間の比として表される。ある実施形態では、細胞培養アッセイと動物研究から得られたデータは、ヒトを含む哺乳動物で使用するための治療上有効な毎日の投与量範囲および/または治療上有効な単位用量の製剤で使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物の毎日の投与量は、最小の毒性のED50を含む血中濃度の範囲内にある。ある実施形態では、毎日の投与量範囲および/または単位用量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動する。
【0365】
前述の態様のいずれかにおいて、式(A)または式(I)の有効な量の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、(a)哺乳動物に全身に投与され、および/または、(b)哺乳動物に経口投与され、および/または、(c)哺乳動物に静脈内投与され、および/または、(d)哺乳動物に注射によって投与され、および/または、(e)哺乳動物に局所的に投与され、および/または、(f)哺乳動物に非全身的または局所的に投与される、さらなる実施形態がある。
【0366】
前述の態様のいずれかにおいて、有効な量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態があり、(i)化合物が1日1回投与されるか、または、(ii)化合物が1日にわたって哺乳動物に複数回投与される、さらなる実施形態を含む。
【0367】
前述の態様のいずれかでは、有効な量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態があり、(i)化合物が継続的にあるいは断続的に、単回投与でのように投与され;(ii)複数回投与の間隔が6時間ごとであり、(iii)化合物が8時間ごとに哺乳動物に投与され、(iv)化合物が12時間ごとに哺乳動物に投与され、(v)化合物が24時間ごとに哺乳動物に投与される、さらなる実施形態を含む。さらなるまたは代替的な実施形態では、方法は、休薬期間を含み、ここで、化合物の投与は一時的に中断されるか、または投与されている化合物の量は、一時的に減らされ、休薬期間の終わりに、化合物の投与が再開される。一実施形態では、休薬期間の長さは2日~1年と様々である。
【0368】
併用処置
特定の例では、1つ以上の他の治療薬と組み合わせて、式(A)または式(I)の少なくとも1つの化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩を投与することが適切である。
【0369】
一実施形態では、本明細書に記載される化合物の1つの治療有効性は、アジュバントの投与によって増強される(つまり、アジュバントはそれ自体では最小の治療効果しか有していないが、別の治療薬と組み合わせると、患者への全体的な治療効果が増強される)。あるいは、いくつかの実施形態では、患者が受ける効果は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療効果を有する別の薬剤(治療レジメンも含む)とともに投与することによって増加する。
【0370】
ある特定の実施形態では、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、第2の治療薬と同時投与され、ここで、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、および第2の治療薬は、処置されている疾患、障害、または疾病の様々な態様を調整し、それによって、いずれかの治療薬を単独で投与した場合よりも大きな全体的効果を提供する。
【0371】
あらゆる場合において、処置されている疾患、障害、または疾病にかかわらず、患者が経験する全体的な効果は単に2つの治療剤の相加的なものであるか、あるいは患者は相乗的な効果を経験する。
【0372】
本明細書に記載される併用療法の場合、同時投与される化合物の投与量は、使用される特定の共薬、使用される特定の薬物、処置されている疾患または疾病などによって変わる。追加の実施形態では、1つ以上の他の治療剤と同時投与されたときに、本明細書に提供される化合物は、1つ以上の他の治療剤と同時に、または順次に投与される。
【0373】
併用療法では、複数の治療剤(そのうちの1つは本明細書に記載される化合物の1つである)は、任意の順序で、あるいは同時でも投与される。投与が同時である場合、複数の治療剤は、ほんの一例として、単一の統一した形態で、または複数の形態で(例えば、単一の丸剤、または2つの別個の丸剤として)提供される。
【0374】
併用療法とともに、式(A)または式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩は、疾患または疾病の発症前、発症中、または発症後に投与され、化合物を含む組成物を投与するタイミングは様々である。したがって、一実施形態では、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症を防ぐために、予防薬として使用され、疾患または疾病にかかる傾向のある対象に継続的に投与される。別の実施形態では、上記化合物および組成物は、症状の発症中に、または発症後できるだけすぐに対象に投与される。特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、疾患または疾病の発症が検出されたか、または疑われた後に実用可能となってすぐ、かつ疾患の処置に必要な期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、処置に必要な期間は様々であり、処置期間は各対象の具体的なニーズに合わせて調節される。
【実施例
【0375】
以下の実施例は、例示目的のためのみに提供され、本明細書で提供される請求項の範囲を制限するものではない。
略語
DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン、
DMA:N,N-ジメチルアセトアミド、
EtOAc:酢酸エチル
DMSO:ジメチルスルホキシド、
Pd(PPh:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、
Pd(dppf)Cl:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド、
CuI:ヨウ化銅(I)、
PdAMphos:ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、
TBAF:フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、
P(t-Bu):トリ-tert-ブチルホスフィン、
HBF:テトラフルオロホウ酸、
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、
分取HPLC:分取高速液体クロマトグラフィー、
TFA:トリフルオロ酢酸、
CHCN:アセトニトリル、
MeOD:重水素化メタノール、
CDCl:重水素化クロロホルム
DME:1,2-ジメトキシエタン、
O:水、
KOAc:酢酸カリウム、
NaOAc:酢酸ナトリウム、
CsCO:炭酸セシウム
P-TsOH:p-トルエンスルホン酸、
NaNO:硝酸ナトリウム、
THF:テトラヒドロフラン、
DCM:ジクロロメタン、
NBS:N-ブロモスクシンイミド、
NCS:N-クロロスクシンイミド、
Br:臭素、
AgF:フッ化銀、
LiAlH:水素化アルミニウムリチウム、
IBX:2-ヨードキシ安息香酸、
TEA:トリメチルアミン、
HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール、
EDCI:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、
Pd(PPhCl:ビス(トリフェニルフォスフィン)二塩化パラジウム(II)、
Pd(dppf)Cl:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、
PdAmphosまたはPd(amphos)Clまたは:ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、
Pd(DTBPF)Cl:[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、
rt:室温、
h:時間、
CC:カラムクロマトグラフィー。
【0376】
化合物の合成
【0377】
実施例1:5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン(cpd 1-2)
【0378】
【化86】
【0379】
工程1-1、tert-ブチル(3R)-3-エチル-4-(2-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された250mLの丸底フラスコに、3-フルオロ-2-ニトロピリジン(5.0g、35mmol)、tert-ブチル(R)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(9.3g、43mmol)、DIEA(14g、110mmol)、およびDMA(50mL)を入れた。結果として生じる溶液を90℃で16時間撹拌し、室温に冷まし、水(100ml)で希釈した。結果として生じる溶液をEtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:3)を用いてシリカゲルカラム上に適用した。これにより、黄色固形物としての表題化合物(7.5g、63%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=337.2.
【0380】
工程1-2、tert-ブチル(3R)-3-エチル-4-(2-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された100mLの丸底フラスコに、(R)-1-メチルピロリジン-3-オール(293mg、2.9mmol)およびDMF(4mL)を入れた。結果として生じる溶液を、NaH(0.15g、3.86mmol)で処理し、0℃で20分間撹拌した。反応物を、DMF(6mL)中のtert-ブチル(3R)-3-エチル-4-(2-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(650mg、1.93mmol)で処理し、その後、室温で16時間撹拌した。その後、反応を水(20mL)によってクエンチし、EtOAc(3x)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。濾液を、DCM/MeOH(10:1)を用いてシリカゲルカラムに適用した。これにより、黄色の油として表題化合物(400mg、53%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=391.3.
【0381】
工程1-3、tert-ブチル(3R)-4-(6-クロロ-2-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチル(3R)-3-エチル-4-(2-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.0g、2.6mmol)およびDMF(8mL)を入れた。結果として生じる溶液を、17℃のDMF(5mL)中のNCS(980mg、7.34mmol)で処理し、その後、40℃で2時間撹拌した。粗製生成物は、以下の条件(IntelFlash-1):カラム、C18 silica gel;移動相、水(0.1%のTFA)およびCHCN(6分で10%のCHCNから56%まで);検出器、UV 254&220nmでのフラッシュ分取HPLCによって精製した。これにより、黄色の油として表題化合物(500mg、46%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=425.2.
【0382】
工程1-4、tert-ブチル(3R)-4-(2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチル(3R)-4-(6-クロロ-2-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}ピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(500mg、1.18mmol)、2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(590mg、3.53mmol)、炭酸カリウム(500mg、3,62mmol)、PdAMPHOS(50mg、0.07mmol)、およびジオキサン(6mL)/HO(0.6mL)を入れた。結果として生じる溶液を、Nで10分間脱気し、80℃で8時間撹拌した。反応を室温に冷まし、無機固形物を濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/MeOH(10:1)を用いてシリカゲルカラム上に適用した。これにより、黄色固形物として表題化合物(300mg、50%)が得られた。LCMS(M+H)=512.5.
【0383】
工程1-5、2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジントリヒドロクロリドの調製:50mLの丸底フラスコに、tert-ブチル(3R)-4-(2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(300mg、0.586mmol)およびDCM(2mL)を入れた。結果として生じる溶液を、1,4-ジオキサン(2mL)中の4N-HClで処理した。結果として生じる溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮した。これにより、黄色固形物として表題化合物(330mg、94%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=412.3.
【0384】
工程1-6、5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジンホルメートの調製:パージされた50mLの丸底フラスコに、4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(36mg、0.16mmol)、DMF(2mL)、HATU(70mg、0.18mmol)、DIEA(75mg、0.58mmol)、および2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチルピペラジン-1-イル]-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジントリヒドロクロリド(80mg、0.13mmol)を入れた。結果として生じる溶液を室温で1時間撹拌した。粗製生成物を、以下の条件(Waters I):カラム、SunFire Prep C18 OBD column、5um、19150mm;移動相、水(0.05%のFA)およびCHCN(10分で16%のCHCNから34%まで);検出器、UV220&254nmでの分取HPLCによって精製した。これにより、オフホワイト固形物として表題化合物(35mg、39%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=618.3.
【0385】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例1と同様に調製した。いくつかの例は、最終生成物へのさらなる脱保護を必要とすることがある。
【0386】
【表6】
【0387】
実施例2:[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン(cpd 1-15)
【0388】
【化87】
【0389】
工程2-1、tert-ブチル(3R)-4-(2-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}ピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された50mLの三つ口丸底フラスコに、2-(ベンジル(メチル)アミノエタン-1-オール(836mg、5.06mmol)およびDMF(15mL)を入れた。溶液を、0℃のNaH(181mg、7.54mmol)で処理し、その後、0℃で20分間撹拌した。反応物を、DMF(15mL)中のtert-ブチル(3R)-3-エチル-4-(2-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(850mg、2.53mmol)で処理した。結果として生じる溶液を室温で2時間撹拌し、水(50mL)によってクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。濾液を、DCM/MeOH(10:1)を用いてシリカゲルカラムに適用した。これにより、白色固形物として表題化合物(910mg、79%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=455.3.
【0390】
工程2-2、tert-ブチル(3R)-4-(2-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}-6-クロロピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチル(3R)-4-(2-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}ピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(910mg、2.0mmol)およびDMF(15mL)を入れた。溶液を、室温にてNCS(267mg、2.0mmol)で処理し、その後、60℃で5時間撹拌した。反応中に、さらなるNCS(1.0当量)を反応物に添加した。粗製生成物を、以下の条件(IntelFlash-1):カラム、C18 silica gel;移動相、水(0.1%のTFA)およびCHCN(6分で10%のCHCNから56%まで);検出器、UV254&220nmでのフラッシュ分取HPLCによって精製した。これにより、黄色の油として表題化合物(350mg、36%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=489.3.
【0391】
工程2-3、tert-ブチル(3R)-4-(6-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素の不活性雰囲気でパージおよび維持された50mLの丸底フラスコに、tert-ブチル(3R)-4-(2-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}-6-クロロピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(350mg、0.72mmol)およびジオキサン/HO(6mL/0.6mL)を入れた。結果として生じる溶液に、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(240mg、1.4mmol)、PdAMPHOS(50mg、0.1当量)、および炭酸カリウム(300mg、2.17mmol)を添加した。結果として生じる溶液を、Nで5分間脱気して、N下にて80℃で1時間撹拌した。反応物を室温に冷まし、無機固形物を濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/MeOH(10:1)で溶出するシリカゲルカラムによって精製して、黄色固形物として表題化合物(320mg、78%)を得た。LCMS(M+H)=576.3.
【0392】
工程2-4、tert-ブチル(3R)-4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:50mLのオートクレーブに、tert-ブチル(3R)-4-(6-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(90mg、0.16mmol)、MeOH(2mL)、および水酸化パラジウム(5mg、0.2当量)を入れた。フラスコを窒素で排気およびフラッシュすることを3回繰り返し、その後、水素でフラッシュした。混合物を、10atmの水素下にて室温で2時間撹拌した。固形物をセライトのパッドに通して濾過した。濾液を真空下で濃縮して、表題化合物(77mg、100%)を得た。LCMS(M+H)=486.6.
【0393】
工程2-5、tert-ブチル(3R)-4-[6-(2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル]-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:8mLのバイアルに、tert-ブチル(3R)-4-{2’-エトキシ-6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]-[2,3’-ビピリジン]-5-イル}-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(70mg、0.14mmol)、TEA(50mg、0.49mmol)、DCM(1mL)を入れた。結果として生じるものを、0℃のCbzCl(50mg、0.29mmol)で処理し、同じ温度で2時間撹拌した。反応混合物を水(5mL)で希釈し、その後、CHCl(2×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。これにより、表題化合物(90mg、100%)が結果として得られ、さらに精製することなく次の工程で使用した。LCMS(M+H)=620.3.
【0394】
工程2-6、ベンジルN-[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]-N-メチルカルバメートの調製:8mLのバイアルに、tert-ブチル(3R)-4-[6-(2-{[(ベンジルオキシ)カルボニル](メチル)アミノ}エトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル]-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(90mg、0.15mmol)、TFA(0.2mL)、およびDCM(1mL)を入れた。結果として生じる溶液を室温で2時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をDCM(5mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。これにより、黄色の油として表題化合物(70mg、93%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=520.3.
【0395】
工程2-7、ベンジルN-[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]-N-メチルカルバメートの調製:8mLのバイアルに、4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸(31mg、0.14mmol)、HATU(52mg、0.14mmol)、DIEA(55mg、0.43mmol)、およびDMF(1mL)を入れた。室温で10分間撹拌した後、結果として生じる溶液を、ベンジルN-[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]-N-メチルカルバメート(70mg、0.13mmol)で処理した。反応を室温で1時間撹拌し、水(5mL)で希釈し、その後、CHCl(2×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(8:92)を用いてシリカゲルカラム上に適用した。これにより、黄色の油として表題化合物(45mg、46%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=726.3.
【0396】
工程2-8、[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミンホルメートの調製:8mLのバイアルに、ベンジルN-[2-({5-[(2R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]-N-メチルカルバメート(45mg、0.062mmol)およびTFA(1mL)を入れた。結果として生じる混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、残渣を以下の条件(Waters I):カラム、SunFire Prep C18 OBD column、5um、19150mm;移動相、水(0.05%のFA)およびCHCN(10分で16%のCHCNから34%まで);検出器、UV220&254nmでの分取HPLCによって精製した。これにより、白色固形物として表題化合物(25mg、62%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=638.2.
【0397】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例2と同様に調製した:
【0398】
【表7】
【0399】
実施例3:[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミン(cpd 1-11)
【0400】
【化88】
【0401】
工程3-1、(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニルクロリドの調製:8mLのバイアルに、DCM(1mL)、DIEA(60mg、0.6mmol)、(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン(22mg、0.16mmol)、およびビス(トリクロロメチル)カーボネート(16mg、0.054mmol)を0℃で入れた。結果として生じる溶液を0℃で3時間撹拌し、HO(5mL)で希釈し、DCM(2×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。これにより、黄色の油として表題化合物(30mg、94%)が結果として得られた。
【0402】
工程3-2、ベンジル[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]メチルアミンの調製:8mLのバイアルに、実施例2の工程3からのtert-ブチル(3R)-4-(6-{2-[ベンジル(メチル)アミノ]エトキシ}-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(220mg、0.38mmol)、DCM(2mL)、およびTFA(0.4mL)を入れた。結果として生じる溶液を室温で1時間撹拌し、濃縮した。残渣をDCM(5mL)に溶解し、飽和-NaHCOで洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮することで、表題化合物(180mg、99%)を得た。LCMS(M+H)=476.3.
【0403】
工程3-3、ベンジル[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]メチルアミンの調製:8mLのバイアルに、ベンジル[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチルピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]メチルアミン(50mg、0.11mmol)、(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニルクロリド(30mg、0.15mmol)、KCO(42mg、0.30mmol)、およびACN(1mL)を入れた。結果として生じる溶液を、30℃で3時間撹拌し、HO(5mL)で希釈し、DCM(2×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(15:85)を用いてシリカゲルカラム上に適用した。これにより、黄色の油として表題化合物(46mg、68%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=641.3.
【0404】
工程3-4、[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル](メチル)アミンホルメートの調製:50mLのオートクレーブに、ベンジル[2-({2’-エトキシ-5-[(2R)-2-エチル-4-[(2S)-2-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボニル]ピペラジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}オキシ)エチル]メチルアミン(46mg、0.072mmol)、MeOH(5mL)、および水酸化パラジウム(10mg、0.072mmol)を入れた。フラスコを窒素で排気およびフラッシュすることを3回繰り返し、その後、水素でフラッシュした。混合物を、10atmの水素下にて室温で1時間撹拌した。固形物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣を、以下の条件(分取HPLC-013):カラム、SunFire Prep C18 OBD Column、19150mm 5um 10nm;移動相、水(0.1%のFA)およびACN-(8分で15%のB相から80%まで)、全流量 20mL/分、検出器、UV220nmでの分取HPLCによって精製した。これにより、白色固形物として表題化合物(20mg、46%)が結果として得られた。LCMS(M+H)=551.3.
【0405】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例3と同様に調製した。いくつかの例では、アリール環上に適切な置換基を導入するためにさらなる官能基交換が必要とされる場合がある。いくつかの例では、最終の脱保護工程は必要とされない場合がある。
【0406】
【表8】
【0407】
実施例4:5-[(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[絶対立体化学は決定されない](cpd 2-9)
【0408】
【化89】
【0409】
工程4-1、rac-6-ブロモ-3-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)ピリジン-2-カルボニトリルの調製:封管中のDMSO(2mL)中の6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-カルボニトリル(500mg、2.49mmol)およびrac-(2R,4R)-2-エチルピペリジン-4-オール塩酸塩(495mg、2.99mmol)の溶液に、DIEA(1.08mL、6.22mmol)を添加した。混合物を130℃で3.5時間加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、ミディアムブラウン(medium brown)色のゴムとして表題化合物(429mg、55.6%の収率)を得た。LCMS(M+H)=310.2.
【0410】
工程4-2、rac-2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリルの調製:封管中のrac-6-ブロモ-3-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(429mg、1.38mmol)、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(346mg、2.07mmol)、Pd(amphos)Cl(97.9mg、0.138mmol)、および炭酸カリウム(382mg、2.77mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(5mL)および水(0.5mL)を添加した。混合物にN(g)を入れ、100℃で1時間加熱した。混合物に水を入れ、EtOAc(2×)で抽出した。組み合わせた有機物を濃縮乾固し、残渣を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(390mg、80.1%の収率)を得た。LCMS(M+H)=353.4.
【0411】
工程4-3、2’-エトキシ-5-[(2S,4S)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリルおよび2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリルの分離:ラセミ2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリル(1.10g)を、以下の条件でのキラル分取HPLCによって精製することで、第1のエナンチオマー(480mg)および第2のエナンチオマー(470mg)を得た。
機器名:SHIMADZU LC-09
カラム:順相Diacel Chiralpak IC column、4.6mmのIDX50mm L、3μmの粒子径
カラム温度:25℃
波長:220nm
勾配:ヘキサン中の均一濃度の10%のEtOH
流量:20mL/分
保持時間:第1のエナンチオマー:1.98分;第2のエナンチオマー:2.74分。
【0412】
工程4-4、2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸の調製:EtOH(2mL)および水(2mL)の混合溶媒中の第2のエナンチオマー、2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリル(210mg、0.596mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(334mg、5.95mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間加熱した。混合物を、3N HCl(aq)でpH6~7に調節した。結果として生じる混合物を、DCM/MeOH(10:1)(3×20mL)で抽出した。組み合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させ、黄色固形物として表題化合物(208mg、94.0%の収率)を得た。LCMS(M+H)=372.2.
【0413】
工程4-5、2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(0.6mL)中の2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(50mg、0.13mmol)およびHATU(61mg、0.16mmol)の溶液に、DIEA(0.10g、0.77mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3R)-1-メチルピロリジン-3-アミン(16mg、0.16mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(45mg、74%の収率)を得た。LCMS(M+H)=454.3.
【0414】
工程4-6、5-[(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:0℃のDMF(1mL)中の2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(80mg、0.18mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(25mg、0.63mmol)を少しずつ添加した。室温で10分間撹拌した後、4-クロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(42mg、0.21mmol)を添加した。混合物を90℃で2時間加熱した。混合物を飽和NHCl(aq)によってクエンチし、DCM/MeOH(10:1)(3×10mL)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、濃縮乾固させることで、黄色固形物として表題化合物のギ酸塩を得た。LCMS(M+H)=632.3.
【0415】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例4と同様に調製した。各化合物の絶対立体化学は決定されていない。
【0416】
【表9】
【0417】
実施例5:5-[(2S,4S)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[絶対立体化学は決定されない](cpd 2-10)
【0418】
【化90】
【0419】
工程5-1、2’-エトキシ-5-[(2S,4S)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸の調製:EtOH(2mL)および水(2mL)の混合溶媒中の工程1-3からの第1のエナンチオマー、2’-エトキシ-5-[(2S,4S)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリル(0.21g、0.60mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(341mg、6.08mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間加熱した。混合物を、2N HCl(aq)でpH6に調節した。結果として生じる混合物をEtOAc(2×5mL)で抽出した。組み合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させ、黄色固形物として表題化合物(0.20g、90%の収率)を得た。LCMS(M+H)=372.1.
【0420】
工程5-2、2’-エトキシ-5-[(2S,4S)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(2mL)中の2’-エトキシ-5-[(2S,4S)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(0.2g、0.5mmol)およびHATU(0.25g、0.66mmol)の溶液に、DIEA(0.50mL、2.9mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3R)-1-メチルピロリジン-3-アミン(0.11g、1.1mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(0.20g、80%の収率)を得た。LCMS(M+H)=454.3.
【0421】
工程5-3、5-((2S,4S)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル)-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:室温のDMF(1mL)中の2’-エトキシ-5-[(2S,4S)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(80mg、0.20mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(31mg、0.77mmol)を少しずつ添加した。室温で10分間撹拌した後、4-クロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(54.2mg、0.273mmol)を添加した。混合物を90℃で2時間加熱した。混合物を飽和NHCl(aq)によってクエンチし、DCM/MeOH(10:1)(3×10mL)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させた。残渣を逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物(31.7mg、30.0%の収率)として表題化合物のギ酸塩を得た。LCMS(M+H)=632.3.
【0422】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例5と同様に調製した。各化合物の絶対立体化学は決定されていない。
【0423】
【表10】
【0424】
実施例6:5-[(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[絶対立体化学は決定されない](cpd 2-22)
【0425】
【化91】
【0426】
工程6-1、2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(0.3mL)の中の工程1-4からの2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(50.0mg、0.135mmol)およびHATU(71.7mg、0.188mmol)の溶液に、DIEA(0.070mL、0.40mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3S)-1-メチルピロリジン-3-アミン(21.6mg、0.215mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(51.3mg、84.0%の収率)を得た。LCMS(M+H)=454.6.
【0427】
工程6-2、5-[(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:0℃のDMF(0.5mL)中の2’-エトキシ-5-[(2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(25.2mg、0.0556mmol)および3-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニトリル(52.8mg、0.278mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(22mg、0.56mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を氷水でクエンチし、逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(24.2mg、69.8%の収率)を得た。LCMS(M+H)=624.4.
【0428】
実施例7:5-[(シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-2)
【0429】
【化92】
【0430】
工程7-1、rac-2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸の調製:EtOH(1mL)および水(1mL)の混合溶媒中の工程1-2からのrac-2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリル(100mg、0.284mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(159mg、2.84mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間加熱した。混合物を濃縮してEtOHを除去し、水性の残渣を氷水で希釈し、1N HCl(aq)でpH2~3に酸性化した。混合物をDCM(5×)で抽出し、組み合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させることで、茶色のゴムとして表題化合物(110mg、100%の収率)を得た。LCMS(M+H)=372.2.
【0431】
工程7-2、2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(1mL)中のrac-2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(0.11g、0.28mmol)およびHATU(0.16g、0.43mmol)の溶液に、DIEA(0.15mL、0.85mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3R)-1-メチルピロリジン-3-アミン(51mg、0.51mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(83.0mg、64.0%の収率)を得た。LCMS(M+H)=454.4.
【0432】
工程7-3、5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:0℃のDMF(1mL)中の2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(30mg、0.066mmol)および2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(15mg、0.079mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(26mg、0.66mmol)を少しずつ添加した。混合物を0℃で10分間撹拌した。混合物を氷によってクエンチし、逆相CCによって精製することで、白色固形物として表題化合物(29.2mg、70.9%の収率)を得た。LCMS(M+H)=623.3.
【0433】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例7と同様に調製した。最終化合物はシス異性体のラセミ体である。
【0434】
【表11】
【0435】
実施例8:N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-20)
【0436】
【化93】
【0437】
工程8-1、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(0.3mL)中の実施例7の工程7-1からの2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(50.0mg、0.135mmol)およびHATU(71.7mg、0.188mmol)の溶液に、DIEA(0.082mL、0.47mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-アミン(42.9mg、0.215mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(50.0mg、77.4%の収率)を得た。LCMS(M+H)=480.4.
【0438】
工程8-2、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:0℃のDMF(1mL)中のN-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-イル]-2’-エトキシ-5-[シス-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(25mg、0.052mmol)および2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(49.3mg、0.261mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(21mg、0.52mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を氷によってクエンチし、逆相CCによって精製することで、薄茶色固形物として表題化合物(5.3mg、16%の収率)を得た。LCMS(M+H)=649.6.
【0439】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例8と同様に調製した。最終化合物はシス異性体のラセミ体である。
【0440】
【表12】
【0441】
実施例9:5-[シス-4-{[6-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-8)
【0442】
【化94】
【0443】
工程9-1、rac-6-ブロモ-3-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの調製:封管内のDMSO(2mL)中の6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-カルボニトリル(545mg、2.71mmol)およびrac-シス-2-シクロプロピルピペリジン-4-オール塩酸塩(482mg、2.71mmol)の溶液に、DIEA(1.18mL、6.80mmol)を添加した。混合物を130℃で16時間加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、ミディアムブラウン(medium brown)色のゴムとして表題化合物(379mg、43.4%の収率)を得た。LCMS(M+H)=322.3.
【0444】
工程9-2、rac-5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリルの調製:封管中のrac-6-ブロモ-3-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(379mg、1.18mmol)、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(295mg、1.76mmol)、Pd(amphos)Cl(83.3mg、0.118mmol)、および炭酸カリウム(325mg、2.35mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(0.5mL)および水(0.5mL)を添加した。混合物にN(g)を入れ、100℃で1時間加熱した。混合物に水を入れ、EtOAc(2×)で抽出した。組み合わせた有機物を濃縮乾固し、残渣を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(429mg、100%の収率)を得た。LCMS(M+H)=365.2.
【0445】
工程9-3、rac-5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸の調製:EtOH(2mL)および水(2mL)の混合溶媒中のrac-5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリル(429mg、1.18mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(660mg、11.8mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間加熱した。混合物を濃縮してEtOHを除去し、水性の残渣を氷水で希釈し、1N HCl(aq)でpH2~3に酸性化した。混合物をDCM(5×)で抽出し、組み合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させることで、黄色固形物として表題化合物(327mg、72.5%の収率)を得た。LCMS(M+H)=384.1.
【0446】
工程9-4、5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(1mL)中のrac-5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(327mg、0.853mmol)およびHATU(486mg、1.28mmol)の溶液に、DIEA(0.45mL、2.6mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3R)-1-メチルピロリジン-3-アミン(154mg、1.54mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、茶色固形物として表題化合物(264mg、66.5%の収率)を得た。LCMS(M+H)=466.3.
【0447】
工程9-5、5-[シス-4-{[6-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:0℃のDMF(1mL)中の5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(30.0mg、0.0644mmol)および6-クロロ-3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(25.7mg、0.129mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(26mg、0.64mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を氷によってクエンチし、逆相CCによって精製することで、オフホワイト固形物として表題化合物(40.0mg、96.2%の収率)を得た。LCMS(M+H)=645.4.
【0448】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例9と同様に調製した。最終化合物はシス異性体のラセミ体である。
【0449】
【表13】
【0450】
実施例10:実施例10:5-[シス-2-シクロプロピル-4-{[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-13)
【0451】
【化95】
【0452】
工程10-1、5-[シス-2-シクロプロピル-4-{[6-エトキシ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:0℃のEtOH(1mL)中の5-[シス-4-{[6-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(39.0mg、0.0605mmol)の溶液に、エタノール中の21wt%のナトリウムエトキシド(0.11mL、0.30mmol)を添加した。混合物を100℃で6時間加熱した。反応は完了しておらず、したがって、より多くのナトリウムエトキシド(0.11mL)を添加し、反応を16時間加熱し続けた。混合物を氷水によってクエンチし、DCM(2×)で抽出した。組み合わせた有機物を濃縮乾固し、残渣を逆相CCによって精製することで、白色固形物として表題化合物(21.3mg、53.8%の収率)を得た。LCMS(M+H)=655.6.
【0453】
実施例11:5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-5)
【0454】
【化96】
【0455】
工程11-1、5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DMF(1mL)中の実施例9の工程9-3からの5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(150mg、0.391mmol)およびHATU(223mg、0.587mmol)の溶液に、DIEA(0.20mL、1.2mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、ベンジル(3R)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(155mg、0.704mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、薄茶色固形物として表題化合物(164mg、71.7%の収率)を得た。LCMS(M+H)=586.2.
【0456】
工程11-2、ベンジル(3R)-3-{5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレートの調製:0℃のDMF(1mL)中のベンジル(3R)-3-{5-[シス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.171mmol)および2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(38.7mg、0.205mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(55mg、1.4mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を氷によってクエンチし、逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(74.4mg、57.7%の収率)を得た。LCMS(M+H)=755.6.
【0457】
工程11-3、5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:ベンジル(3R)-3-{5-[シス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレート(74.4mg、0.0986mmol)に、(メチルスルファニル)ベンゼン(0.030mL、0.26mmol)およびTFA(0.15mL、2.0mmol)を添加した。混合物を60℃で30分加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、白色固形物として表題化合物(40.1mg、65.5%の収率)を得た。LCMS(M+H)=621.5.
【0458】
実施例12:5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-3)
【0459】
【化97】
【0460】
工程12-1、rac-6-ブロモ-3-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの調製:封管内のDMSO(2mL)中の6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-カルボニトリル(500mg、2.49mmol)およびrac-トランス-2-シクロプロピルピペリジン-4-オール塩酸塩(530mg、2.99mmol)の溶液に、DIEA(1.08mL、6.22mmol)を添加した。混合物を130℃で16時間加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、ミディアムブラウン色のゴムとして表題化合物(433mg、54.0%の収率)を得た。LCMS(M+H)=322.3.
【0461】
工程12-2、rac-5-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリルの調製:封管中のrac-6-ブロモ-3-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(433mg、1.34mmol)、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(337mg、2.02mmol)、Pd(amphos)Cl(95.2mg、0.134mmol)、および炭酸カリウム(371mg、2.69mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(5mL)および水(0.5mL)を添加した。混合物にN(g)を入れ、100℃で1時間加熱した。混合物に水を入れ、EtOAc(2×)で抽出した。組み合わせた有機物を濃縮乾固し、残渣を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(386mg、78.8%の収率)を得た。LCMS(M+H)=365.2.
【0462】
工程12-3、rac-5-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸の調製:EtOH(5mL)および水(5mL)の混合溶媒中のrac-5-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニトリル(386mg、1.06mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(594mg、10.6mmol)を添加した。混合物を100℃で1日間加熱した。混合物を濃縮してEtOHを除去し、水性の残渣を氷水で希釈し、1N HCl(aq)でpH2~3に酸性化した。混合物をDCM(5×)で抽出し、組み合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させることで、黄色固形物として表題化合物(364mg、89.5%の収率)を得た。LCMS(M+H)=384.2.
【0463】
工程12-4、ベンジル(3R)-3-{5-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレートの調製:DMF(1mL)中のrac-5-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸(150mg、0.391mmol)およびHATU(223mg、0.587mmol)の溶液に、DIEA(0.20mL、1.2mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、ベンジル(3R)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシレート(155mg、0.704mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、茶色固形物として表題化合物(189mg、82.3%の収率)を得た。LCMS(M+H)=586.2.
【0464】
工程12-5、ベンジル(3R)-3-{5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレートの調製:0℃のDMF(1mL)中の、ベンジル(3R)-3-{5-[トランス-2-シクロプロピル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレート(100mg、0.171mmol)および2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(38.7mg、0.205mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(68mg、1.7mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を氷によってクエンチし、逆相CCによって精製することで、薄茶色固形物として表題化合物(94.3mg、73.2%の収率)を得た。LCMS(M+H)=755.4.
【0465】
工程12-6、5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:ベンジル(3R)-3-{5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-アミド}ピロリジン-1-カルボキシレート(94.3mg、0.125mmol)に、(メチルスルファニル)ベンゼン(0.030mL、0.26mmol)およびTFA(0.15mL、2.0mmol)を添加した。混合物を60℃で30分間加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(57.1mg、73.6%の収率)を得た。LCMS(M+H)=621.5.
【0466】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例12と同様に調製した。
【0467】
【表14】
【0468】
実施例13:5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-4)
【0469】
【化98】
【0470】
工程13-1、5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:MeOH(3mL)中の5-[トランス-4-[2-シアノ-4-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-シクロプロピルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(42.0mg、0.0677mmol)の溶液に、パラホルムアルデヒド(42.5mg)およびNaBHCN(42.5mg、0.677mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をTFA(0.1mL)によってクエンチし、飽和NaHCO(aq)で再塩基化した。混合物をDCM(2×)で抽出し、組み合わせた有機物で抽出し、濃縮乾固させた。残渣を逆相CCによって精製して、白色固形物として表題化合物(26.7mg、62.2%収率)を得た。LCMS(M+H)=635.2.
【0471】
実施例14:3-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2-エトキシフェニル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミド[ラセミ体](cpd 2-23)
【0472】
【化99】
【0473】
工程14-1、rac-6-ブロモ-3-[シス-4-ヒドロックス(hydrox)-2-メチルイピペリジン(methylypiperidine)-1-イル)ピリジン-2-カルボニトリルの調製:封管内のDMSO(2mL)中の6-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-カルボニトリル(600mg、2.99mmol)およびrac-シス-2-メチルピペリジン-4-オール塩酸塩(543mg、3.58mmol)の溶液に、DIEA(1.30mL、7.46mmol)を添加した。混合物を130℃で3.5時間加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、黄色のゴムとして表題化合物(555mg、62.8%の収率)を得た。LCMS(M+H)=296.3.
【0474】
工程14-2、rac-6-(2-エトキシフェニル)-3-[シス-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリルの調製:封管中のrac-6-ブロモ-3-[シス-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(277mg、0.935mmol)、(2-エトキシフェニル)ボロン酸(233mg、1.40mmol)、Pd(amphos)Cl(66.2mg、0.0935mmol)、および炭酸カリウム(259mg、1.87mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(4mL)および水(0.4mL)を添加した。混合物にN(g)を入れ、100℃で1時間加熱した。混合物に水を入れ、EtOAc(2×)で抽出した。組み合わせた有機物を濃縮乾固し、残渣を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(316mg、100%の収率)を得た。LCMS(M+H)=338.2.
【0475】
工程14-3、rac-6-(2-エトキシフェニル)-3-[シス-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボン酸の調製:EtOH(2mL)および水(2mL)の混合溶媒中のrac-6-(2-エトキシフェニル)-3-[(2R,4R)-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(317mg、0.939mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(527mg、9.39mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間加熱した。混合物を濃縮してEtOHを除去し、水性の残渣を氷水で希釈し、1N HCl(aq)でpH2~3に酸性化した。混合物をDCM(5×)で抽出し、組み合わせた有機物を無水NaSOで乾燥させ、濃縮乾固させることで、薄茶色固形物として表題化合物(286mg、85.6%の収率)を得た。LCMS(M+H)=357.6.
【0476】
工程14-4、6-(2-エトキシフェニル)-3-[シス-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミドの調製:DMF(0.3mL)中のrac-6-(2-エトキシフェニル)-3-[シス-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]ピリジン-2-カルボン酸(50.0mg、0.140mmol)およびHATU(74.7mg、0.196mmol)の溶液に、DIEA(0.073mL、0.42mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、(3R)-1-メチルピロリジン-3-アミン(22.5mg、0.224mmol)を、上記のHATU活性化溶液に添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。混合物を逆相CCによって精製することで、茶色のゴムとして表題化合物(40.4mg、65.7%の収率)を得た。LCMS(M+H)=439.0.
【0477】
工程14-5、3-(シス-4-{[2-シアノ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]オキシ}-2-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2-エトキシフェニル)-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミドの調製:0℃のDMF(0.5mL)中の6-(2-エトキシフェニル)-3-[シス-4-ヒドロキシ-2-メチルピペリジン-1-イル]-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]ピリジン-2-カルボキサミド(20.0mg、0.0461mmol)および3-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボニトリル(17mg、0.091mmol)の溶液に、鉱物油中の60%の水素化ナトリウム(9.1mg、0.23mmol)を少しずつ添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を氷によってクエンチし、逆相CCによって精製することで、白色固形物として表題化合物(7.2mg、26%の収率)を得た。LCMS(M+H)=609.4.
【0478】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例14と同様に調製した。
【0479】
【表15】
【0480】
実施例15:2-(4-(2’-エトキシ-6-(2-(メチルアミノ)エトキシ)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)ピペリジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(cpd 3-1)
【0481】
【化100】
【0482】
工程15-1、tert-ブチル6-クロロ-2-フルオロ-3’,6’-ジヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-1’(2’H)-カルボキシレートの調製:窒素下の3-ブロモ-6-クロロ-2-フルオロピリジン(2.0g、9.5mmol)、炭酸カリウム(3.9g、28mmol)、tert-ブチル4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(3.2g、10mmol)、およびPd(dppf)Cl(0.31g、0.38mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(20mL)およびHO(2mL)を添加した。結果として生じる混合物を100℃で2時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルCCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(2.5g、84%)を得た。LCMS(M+H)=298.1.
【0483】
工程15-2、tert-ブチル2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エトキシ)-6-クロロ-3’,6’-ジヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-1’(2’H)-カルボキシレートの調製:窒素下のDMF(5mL)中のtert-ブチル(2-ヒドロキシエチル)(メチル)カルバマート(234mg、1.34mmol)溶液に、鉱物油中の60wt%の水素化ナトリウム(78mg、2.0mmol)を添加した。結果として生じる溶液を0℃で0.5時間撹拌した。これに、tert-ブチル6-クロロ-2-フルオロ-3’,6’-ジヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-1’(2’H)-カルボキシレート(380mg、1.21mmol)を添加し、結果として生じる溶液を室温で2時間撹拌した。粗製生成物を逆相CCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(250mg、44.0%)を得た。LCMS(M+H)=490.3.
【0484】
工程15-3、tert-ブチル6’-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エトキシ)-2-エトキシ-3’’,6’’-ジヒドロ-[3,2’:5’,4’’-テルピリジン]-1’’(2’’H)-カルボキシレートの調製:窒素下のtert-ブチル2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エトキシ)-6-クロロ-3’,6’-ジヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-1’(2’H)-カルボキシレート-(249mg、532μmol)、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(133mg、797μmol)、Pd(amphos)Cl(18.8mg、26.6μmol)、および炭酸カリウム(221mg、1.60mmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(4mL)およびHO(0.4mL)を添加した。結果として生じる混合物を100℃で1.5時間加熱した。粗製混合物を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルCCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(210mg、71.2%)を得た。LCMS(M+H)=555.4.
【0485】
工程15-4、tert-ブチル4-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの調製:窒素下のMeOH中のtert-ブチル6’-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エトキシ)-2-エトキシ-3’’,6’’-ジヒドロ-[3,2’:5’,4’’-テルピリジン]-1’’(2’’H)-カルボキシレート(210mg、379μmol)の溶液に、10%の湿ったパラジウム炭素(20mg)およびPd(OH)2(20mg)を添加した。その後、反応混合物に水素を入れた。結果として生じる溶液を室温で4時間撹拌した。固形物を濾過し、濾液を真空中で乾燥するまで濃縮することで、黄色固形物として表題化合物(190mg、90.1%)を得た。LCMS(M+H)=557.4.
【0486】
工程15-5、2-((2’-エトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-N-メチルエタン-1-アミンビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)の調製:DCM(2mL)中のtert-ブチル4-(6-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)エトキシ)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(190mg、341μmol)の溶液に、TFA(0.4mL)を添加した。結果として生じる溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を濃縮乾固させることで、黄色の油として表題化合物(190mg、95.2%)を得た。LCMS(M+H)=357.2.
【0487】
工程15-6、2-(4-(2’-エトキシ-6-(2-(メチルアミノ)エトキシ)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)ピペリジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)の調製:DMF(0.3mL)中の2-((2’-エトキシ-5-(ピペリジン-4-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-イル)オキシ)-N-メチルエタン-1-アミンビス(2,2,2-トリフルオロアセテート)(60mg、0.10mmol)の溶液に、DIEA(80mg、0.62mmol)および2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(12mg、63μmol)を添加した。結果として生じる溶液を60℃で19時間加熱した。粗製生成物を逆相CCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(22mg、28%)を得た。LCMS(M+H)=526.3.
【0488】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例15と同様に調製した。
【0489】
【表16】
【0490】
実施例16:5-[rac-(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジン(cpd 3-9)
【0491】
【化101】
【0492】
工程16-1、rac-2-エチル-1-(2-ニトロピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オールの調製:DMSO(10mL)中のrac-2-エチルピペリジン-4-オール塩酸塩(700mg、4.23mmol)および3-フルオロ-2-ニトロピリジン(1.3g、9.1mmol)の溶液に、DIEA(3.4mL、19mmol)を添加した。混合物を90℃で30時間加熱した。結果として生じる溶液を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルCCによって精製することで、無色の油として表題化合物(950mg、89.5%)を得た。LCMS(M+H)=252.2.
【0493】
工程16-2、3-(rac-(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル)-2-ニトロピリジンの調製:0℃のDMF(3mL)中のrac-2-エチル-1-(2-ニトロピリジン-3-イル)ピペリジン-4-オール(50mg、0.20mmol)および4-クロロ-1-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(50mg、0.25mmol)の溶液に、鉱物油中の60wt%の水素化ナトリウム(25mg、0.63mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。粗製混合物を次の工程で使用した。LCMS(M+H)=430.2.
【0494】
工程16-3、3-(rac-(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル)-2-(((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジンの調製:0℃のDMF(2mL)中の(R)-1-メチルピロリジン-3-オール(60mg、0.59mmol)の溶液に、鉱物油中の60wt%の水素化ナトリウム(25mg、0.63mmol)を添加した。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、その後、工程16-1からの3-(rac-(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル)-2-ニトロピリジン(86mg、0.20mmol)の反応溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。結果として生じる溶液を、NHCl(aq)(20mL)でクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させた。粗製生成物を逆相CCによって精製することで、黄色固形物として表題(65mg、67%)を得た。LCMS(M+H)=484.2.
【0495】
工程16-4、6-ブロモ-3-(rac-(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル)-2-(((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジンの調製:DMF(2mL)中の3-(rac-(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル)-2-(((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン(50mg、0.10mmol)の溶液に、NBS(22mg、0.12mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。粗製生成物を逆相CCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(50mg、86%)を得た。LCMS(M+H)=562.1.
【0496】
工程16-5、5-[rac-(2R,4R)-4-[4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2-エチルピペリジン-1-イル]-2’-エトキシ-6-{[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]オキシ}-2,3’-ビピリジンの調製:窒素下の6-ブロモ-3-(rac-(2R,4R)-4-(4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-2-エチルピペリジン-1-イル)-2-(((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)オキシ)ピリジン(45mg、80μmol)、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(18mg、0.11mmol)、KCO(35mg、0.25mmol)、Pd(DTBPF)Cl(6.0mg、9.2μmol)の混合物に、1,4-ジオキサン(1.5mL)およびHO(0.15mL)を添加した。結果として生じる溶液を70℃で2時間加熱した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を逆相CCによって精製することで、オフホワイト化合物として表題化合物(10.3mg、15%)を得た。LCMS(M+H)=605.2.
【0497】
以下の化合物を、様々な工程で適切な置換試薬および基質を用いて、実施例16と同様に調製した:
【0498】
【表17】
【0499】
実施例17:1-(5-{5-[(2R)-4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル]-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル}-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メタンアミン(cpd 4-2)
【0500】
【化102】
【0501】
工程17-1、tert-ブチル(R)-4-(6-ブロモ-2-シアノピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:DMSO(500mL)中の6-ブロモ-3-フルオロピコリノニトリル(50g、0.25mmol)およびtert-ブチル(R)-3-エチルピペラジン-1-カボキシレート(caboxlate)(53g、0.25mol)の溶液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(96g、0.74mol)を添加した。混合物を90℃で24時間加熱した。混合物を水(500mL)でクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮することで、黄色の油として表題化合物(88g、89%の収率)を得た。LCMS(M+H)=460.1.
【0502】
工程17-2、tert-ブチル(R)-4-(6-シアノ-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレートの調製:窒素下のtert-ブチル(R)-4-(6-ブロモ-2-シアノピリジン-3-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(54g、0.14mol)、(2-エトキシピリジン-3-イル)ボロン酸(46g、0.28mol)、KCO(57g、0.41mol)、およびPd(DTBPF)Cl(8.9g、14mmol)の混合物に、ジオキサン(500mL)および水(50mL)を添加した。結果として生じる混合物を70℃で1時間加熱した。混合物を水(500mL)で希釈し、DCM(1000mL)で抽出した。有機層を真空中で乾燥するまで濃縮し、残渣をシリカゲルCCによって精製することで、黄色の油として表題化合物(26g、43%の収率)を得た。LCMS(M+H)=438.3.
【0503】
工程17-3、(R)-5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボン酸の調製:EtOH(80mL)中のtert-ブチル(R)-4-(6-シアノ-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-カルボキシレート(15g、34mmol)の溶液に、水酸化カリウム(19g、0.34mol)および水(80mL)を添加した。結果として生じる混合物を100℃で18時間加熱した。混合物を真空中で濃縮してEtOHを除去し、残渣を水(100mL)で希釈し、1N HCl(aq)でpH3に酸性化し、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮することで、黄色の油として表題化合物(14g、89%の収率)を得た。LCMS(M+H)=457.3.
【0504】
工程17-4、メチル(R)-2’-エトキシ-5-(2-エチルピペラジン-1-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキシレートの調製:DCM(6mL)中のメチル(R)-5-(4-(tert-ブトキシカルボニル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキシレート(400mg、850μmol)の溶液に、TFA(1mL)を添加した。結果として生じる溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、水(20mL)で希釈し、飽和NaHCO(aq)で中和した。結果として生じる混合物をEtOAc(3×)で抽出し、組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮することで、黄色固形物として表題化合物(304mg、96.5%の収率)を得た。LCMS(M+H)=371.0.
【0505】
工程17-5、メチル(R)-5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキシレートの調製:窒素下のDMF(5mL)中のメチル(R)-2’-エトキシ-5-(2-エチルピペラジン-1-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキシレート(304mg、821μmol)の溶液に、HATU(374mg、984μmol)、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(318mg、2.46mmol)、および2-クロロ-4-フルオロ安息香酸(150mg、859μmol)を添加した。結果として生じる溶液を室温で1時間撹拌した。混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮した。残渣を逆相CCによって精製して、黄色固形物として表題化合物(350mg、80.9%収率)を得た。LCMS(M+H)=527.1.
【0506】
工程17-6、(R)-5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボヒドラジドの調製:EtOH(2mL)中のメチル(R)-5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキシレート(200mg、380μmol)の溶液に、ヒドラジンヒドレート(190mg、3.80mmol)を添加した。結果として生じる溶液を70℃で2時間加熱した。混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮することで、黄色固形物として表題化合物(200mg、100%の収率)を得た。LCMS(M+H)=526.9.
【0507】
工程17-7、tert-ブチル(R)-((5-(5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)カルバメートの調製:窒素下のトルエン(1.2mL)およびDMF(0.2mL)中の(R)-5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボヒドラジド(90mg、0.17mmol)の溶液に、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.13g、1.0mmol)およびメチル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エタンイミドチオエートヨウ化水素酸塩(hydroiodide)(0.11g、0.33mmol)を添加した。結果として生じる溶液を80℃で40時間加熱した。粗製混合物を逆相CCによって精製することで、黄色固形物として表題化合物(54mg、48%の収率)を得た。LCMS(M+H)=664.9.
【0508】
工程17-8、メチル2-((tertブトキシカルボニル)アミノ)エタンイミドチオエートの調製:アセトン(6mL)中のtert-ブチル(2-アミノ-2-チオキソエチル)カルバメート(500mg、2.63mmol)の溶液に、ヨードメタン(560mg、3.95mmol)を添加した。結果として生じる溶液を室温で18時間撹拌した。混合物をエーテル(6mL)で希釈し、固形物を真空ろ過によって集め、白色固形物として表題化合物(610mg、69.9%の収率)を得た。LCMS(M+H)=205.1.
【0509】
工程17-9、(R)-(4-(6-(5-(アミノメチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-イル)(2-クロロ-4-フルオロフェニル)メタノンホルメートの調製:DCM(2mL)中のtert-ブチル(R)-((5-(5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)カルバメート(50mg、75μmol)の溶液に、TFA(0.4mL)を滴下した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を真空内中で濃縮し、残渣を水(10mL)で希釈し、飽和NaHCO(aq)で中和し、EtOAc(3×)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮した。残渣を逆相CCによって精製して、白色固形物として表題化合物(35mg、76%収率)を得た。LCMS(M+H)=565.2.
【0510】
実施例18:(R)-(4-(6-(5-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-イル)(2-クロロ-4-フルオロフェニル)メタノン(cpd 4-3)
【0511】
【化103】
【0512】
工程18-1、(R)-2-(5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニル)ヒドラジン-1-カルボキシミドアミドの調製:工程17-6からの(R)-5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボヒドラジド(100mg、190μmol)およびメチルカルバムイミドチオエート塩酸塩(72mg、0.57mmol)の混合物に、ピリジン(2mL)を添加した。結果として生じる混合物を80℃で16時間で加熱し、その後、真空中で濃縮した。粗製生成物を精製することなく次の工程で使用した。LCMS(M+H)=569.2.
【0513】
工程18-2、(R)-(4-(6-(5-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-3-エチルピペラジン-1-イル)(2-クロロ-(4-フルオロフェニル)メタノンビス(2,2,2-トリフルオロアセテートの調製:DMF(1mL)および水(1mL)中の(R)-2-(5-(4-(2-クロロ-4-フルオロベンゾイル)-2-エチルピペラジン-1-イル)-2’-エトキシ-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボニル)ヒドラジン-1-カルボキシミドアミド(100mg、176μmol)の溶液を、120℃で16時間加熱した。混合物を逆相CCによって精製することで、白色固形物として表題化合物(25.8mg、18.8%)を得た。LCMS(M+H)=551.2.
【0514】
実施例19:rac-2’-エトキシ-5-((2R,4S)-2-エチル-4-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)チオ)ピペリジン-1-イル)-N-((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(cpd 4-2)
【0515】
【化104】
【0516】
工程19-1、rac-(2R,4R)-1-(2’-エトキシ-6-(((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)カルバモイル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-2-エチルピペリジン-4-イルメタンスルホネートの調製:DCM(2mL)中の工程7-2からのrac-2’-エトキシ-5-((2R,4R)-2-エチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-N-((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(90mg、0.20mmol)の溶液に、トリエチルアミン(60mg、0.59mmol)およびメタンスルホニルクロリド(27mg、0.24mmol)を添加した。結果として生じる溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を水(20mL)でクエンチし、DCM(3×)で抽出した。組み合わせた有機物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で乾燥するまで濃縮することで、黄色固形物として表題化合物(90mg、85%の収率)を得た。LCMS(M+H)=532.0.
【0517】
工程19-2、rac-2’-エトキシ-5-((2R,4S)-2-エチル-4-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)チオ)ピペリジン-1-イル)-N-((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドホルメートの調製:DMF(0.7mL)中のrac-(2R,4R)-1-(2’-エトキシ-6-(((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)カルバモイル)-[2,3’-ビピリジン]-5-イル)-2-エチルピペリジン-4-イルメタンスルホネート(60mg、0.11mmol)の溶液に、6-(トリフルオロメチル)シクロヘキサ-2,4-ジエン-1-チオール(31mg、.17mmol)および炭酸カリウム(47mg、0.34mmol)を添加した。結果として生じる混合物を80℃で5時間加熱した。粗製混合物を逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(10mg、13%の収率)を得た。LCMS(M+H)=614.2.
【0518】
実施例20:rac-2’-エトキシ-5-((2R,4S)-2-エチル-4-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-1-イル)-N-((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(cpd 4-3)
【0519】
【化105】
工程20-1、rac-2’-エトキシ-5-((2R,4S)-2-エチル-4-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)スルホニル)ピペリジン-1-イル)-N-((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミドの調製:DCM(2mL)中の工程19-2からのrac-2’-エトキシ-5-((2R,4S)-2-エチル-4-((2-(トリフルオロメチル)フェニル)チオ)ピペリジン-1-イル)-N-((R)-1-メチルピロリジン-3-イル)-[2,3’-ビピリジン]-6-カルボキサミド(65mg、0.11mmol)の溶液に、mCPBA(27mg、0.16mmol)を添加した。結果として生じる溶液を室温で2時間撹拌した。粗製混合物を逆相CCによって精製することで、淡黄色固形物として表題化合物(12.0mg、18%の収率)を得た。LCMS(M+H)=646.2.
【0520】
実施例A-1:非経口医薬組成物
注入(皮下、静脈内)による投与に適した非経口医薬組成物を調製するために、1~100mgの式(I)の化合物の水溶性塩、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、滅菌水中に溶解させ、その後、0.9%の滅菌食塩水10mLと混合する。適切な緩衝液、ならびに任意選択的な酸または塩基を任意選択で添加して、pHを調整した。混合物を、注射による投与に適した単位剤形に組み込む。
【0521】
実施例A-2:経口溶液
経口送達用の医薬組成物を調製するために、十分な量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容な塩を、(任意選択の可溶化剤、任意選択の緩衝液、および味を隠す賦形剤と共に)水に添加し、20mg/mLの溶液を得る。
【0522】
実施例A-3:経口錠剤
20~50重量%の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、20~50重量%の微結晶性セルロース、1~10重量%の低置換ヒドロキシプロピルセルロース、および1~10重量%のステアリン酸マグネシウム、または他の適切な賦形剤を混合することによって、錠剤を調製する。直接圧縮によって錠剤を調製する。圧縮錠剤の全重量を100~500mgで維持する。
【0523】
実施例A-4:経口カプセル
経口送達用の医薬組成物を調製するために、10~500mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、デンプンまたは他の適切な粉末混合物と混合する。経口投与に適したハードゼラチンカプセルなどの経口投与単位に、混合物を組み込む。
【0524】
別の実施形態では、10~500mgの式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、サイズ4のカプセル、あるいはサイズ1のカプセル(ヒプロメロースまたはハードゼラチン)に入れ、カプセルを閉じる。
【0525】
実施例A-5:局所ゲル組成物
医薬用の局所ゲル組成物を調製するために、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、イソプロピルミリステート、および精製アルコールUSPと混合する。その後、結果として生じるゲル混合物を、局所投与に適した、例えば、チューブなどの容器に組み込む。
【0526】
実施例B-1:MC2Rアッセイ
膜調製:
hMC2受容体およびhMRAPアクセサリータンパク質(Thermo Fisher)を安定して発現するCRE-bla-CHO-K1細胞から、粗製物膜画分を調製する。以下の添加物:10%の透析済みFBS(Gemini)、0.1mMのNEAA(Gibco)、25mMのHEPES(Gibco)、5μg/mLのブラストサイジン(Goldbio)、100μg/mLのzeocin(Invitrogen)、600μg/mLのヒグロマイシン(Goldbio)を含むGlutaMax DMEM成長培地(Gibco)中の標準的な組織培養皿上で、細胞を85~100%のコンフルエンスまで増殖させる。細胞膜を調製するために、細胞を擦り落とし、1Xダルベッコリン酸緩衝食塩水(Corning)中に集め、その後、1000RPMでペレット化する。細胞ペレットを、膜調製緩衝液(20mMのHEPES、6mMのMgC1、および1mMのEGTA、pH7.4に調節されたプロテアーゼ阻害剤錠剤(Pierce))中で再構成し、dounceホモジナイザーを使用してホモジナイズし、結果として生じる膜画分を12,000のRPMの遠心分離によってペレット化する。膜調製緩衝液中で膜ペレットを再懸濁し、瞬間凍結し、後の使用のために-80℃で保存する。
【0527】
hMC2アンタゴニストのための結合アッセイ:
hMC2膜結合アッセイは下記成分:放射標識[125I]ACTH(1-39)Tyr23(PerkinElmer)、wheatgerm agglutininコーティングPVT SPAビーズ(PerkinElmer)、粗製hMC2R膜、および化合物を利用する。簡潔に言えば、hMC2R膜は、アッセイ開始前に、結合アッセイ緩衝液(50mMのHEPES、5mMのMgCl、1mMのCaCl、0.2%のBSA、pH7.4に調節されたプロテアーゼ阻害錠剤(Pierce))中でSPAビーズとインキュベートされる。化合物(最終濃度の化合物は典型的に、0~10,000nMである)、SPA膜、および0.2nMの最終濃度の[125I]ACTH(1-39)Tyr23の用量反応物を、96ウェルアッセイプレートにプレーティングし、室温で1.5時間インキュベートする。Top Count NXT使用してアッセイプレートを読み取り、GraphPad Prism6の非線形回帰分析を使用して化合物のK値を決定する。
【0528】
選択的な化合物の例示的な結合親和性を表Aに記載する。力価は4つの基準に分けられる:+は、Kが1,000nM~10,000nMであることを意味し、++は、Kが100nM~1,000nMであることを意味し、+++は、Kが10nM~100nMであることを意味し、++++は、Kが10nM未満であることを意味する。
【0529】
【表18】
【0530】
本明細書に記載される実施例および実施形態は例証目的のためのものに過ぎず、当業者に示唆される様々な変更または変化は、本明細書の精神および範囲、ならびに添付の請求項の範囲内に含まれるものとする。