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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】管理装置および管理方法並びに作業装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20250331BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022561732
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 JP2020041944
(87)【国際公開番号】W WO2022101991
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】水谷 郁哉
(72)【発明者】
【氏名】金 泰憲
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/033268(WO,A1)
【文献】特開2011-091350(JP,A)
【文献】特開2004-063940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダが装着される複数のスロットを含む供給用被装着部と、前記フィーダが装着される複数のスロットを含むバッファ用被装着部と、前記供給用被装着部のスロットに装着されたフィーダから供給された部品を取り出して実装する実装ジョブを実行する実装部と、を有する部品実装機と、
前記供給用被装着部の各スロットおよび前記バッファ用被装着部の各スロットに対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能な作業装置と、
を備え、次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを前記作業装置により前記部品実装機に事前配膳し、前記供給用被装着部の空きスロットに前記対象フィーダを事前配膳する場合、当該対象フィーダの事前配膳は、使用順序が早い順に行なわれない場合がある部品実装システムに用いられる管理装置であって、
前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象フィーダの予定された配膳先である予定スロットに空きがあるときには、前記対象フィーダの前記予定スロットを配膳先に決定し、前記対象フィーダの前記予定スロットに空きがないときには、前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先して配膳先を決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御する管理制御部、
を備える管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記部品実装システムは、前記部品実装機が複数配置された実装ラインを備え、
前記作業装置は、前記実装ラインの各部品実装機に対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能であり、
前記管理制御部は、前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象ジョブを実行する部品実装機である対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記実装ラインを構成する前記複数の部品実装機のうち前記対象部品実装機とは異なる他の部品実装機の前記供給用被装着部または前記バッファ用被装着部を配膳先に決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御する、
管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の管理装置であって、
前記管理制御部は、前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記他の部品実装機の前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先して配膳先を決定する、
管理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の管理装置であって、
前記管理制御部は、前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記他の部品実装機のうち前記対象部品実装機に近い方の部品実装機を優先して配膳先を決定する、
管理装置。
【請求項5】
フィーダが装着される複数のスロットを含む供給用被装着部と、前記フィーダが装着される複数のスロットを含むバッファ用被装着部と、前記供給用被装着部のスロットに装着されたフィーダから供給された部品を取り出して実装する実装ジョブを実行する実装部と、を有する部品実装機が複数配置された実装ラインと、
前記実装ラインを構成する複数の部品実装機における各前記供給用被装着部の各スロットおよび各前記バッファ用被装着部の各スロットに対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能な作業装置と、
を備える部品実装システムに用いられる管理装置であって、
次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象ジョブを実行する部品実装機である対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記複数の部品実装機のうち前記対象部品実装機とは異なる他の部品実装機の前記供給用被装着部または前記バッファ用被装着部を配膳先に決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御する管理制御部、
を備える管理装置。
【請求項6】
フィーダが装着される複数のスロットを含む供給用被装着部と、前記フィーダが装着される複数のスロットを含むバッファ用被装着部と、前記供給用被装着部のスロットに装着されたフィーダから供給される部品を取り出して実装する実装ジョブを実行する実装部と、を有する部品実装機と、
前記供給用被装着部の各スロットおよび前記バッファ用被装着部の各スロットに対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能な作業装置と、
を備え、次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを前記作業装置により前記部品実装機に事前配膳し、前記供給用被装着部の空きスロットに前記対象フィーダを事前配膳する場合、当該対象フィーダの事前配膳は、使用順序が早い順に行なわれない場合がある部品実装システムに用いられる管理方法であって、
前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象フィーダの予定された配膳先である予定スロットに空きがあるときには、前記対象フィーダの前記予定スロットを配膳先に決定し、前記対象フィーダの前記予定スロットに空きがないときには、前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先して配膳先を決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御する、
管理方法。
【請求項7】
フィーダが装着される複数のスロットを含む供給用被装着部と、前記フィーダが装着される複数のスロットを含むバッファ用被装着部と、前記供給用被装着部のスロットに装着されたフィーダから供給される部品を取り出して実装する実装ジョブを実行する実装部と、を有する部品実装機を備える部品実装システムに用いられ、前記供給用被装着部の各スロットおよび前記バッファ用被装着部の各スロットに対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能であり、次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを前記部品実装機に事前配膳し、前記供給用被装着部の空きスロットに前記対象フィーダを事前配膳する場合、当該対象フィーダの事前配膳は、使用順序が早い順に行なわない場合がある作業装置であって、
前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象フィーダの予定された配膳先である予定スロットに空きがあるときには、前記対象フィーダの前記予定スロットに該対象フィーダを事前配膳し、前記対象フィーダの前記予定スロットに空きがないときには、前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳する、
作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品実装システムに用いられる管理装置および管理方法並びに作業装置について開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィーダが装着される複数の実装用被装着部(スロット)と実装用被装着部に装着されたフィーダから部品を採取して実装する実装部とを含む部品実装機と、実装用被装着部からのフィーダの回収と実装用被装着部へのフィーダの配膳とを行なう移動型作業装置と、を備える実装システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。部品実装機は、更に、フィーダを一時保管するためのバッファ用被装着部を有する。移動型作業装置は、次回以降の生産に使用されるフィーダを空き実装用被装着部や空きバッファ用被装着部に事前配膳する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/039544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空き実装用被装着部にフィーダを事前配膳する場合、事前配膳は、必ずしも使用順序が早い順には行なわれない。例えば、生産中に一部のフィーダに部品切れが予測されると、生産の中断をできる限り回避するために、同種の部品を収容した予備のフィーダを空き実装用被装着部(空きスロット)に配膳する場合がある。この場合、実装用被装着部に次回以降の生産に使用されるフィーダが多く装着され、実装用被装着部に空きがないときには、移動型作業装置は、実装用被装着部から現生産で使用されないフィーダを一旦取り外してから、現生産で使用される予備のフィーダを装着しなければならない。このため、従来の手法では、配膳作業に時間を要し、フィーダの配膳が効率的なものとはならない場合が生じる。
【0005】
本開示は、フィーダの配膳をより効率よく行なうことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の管理装置は、
フィーダが装着される複数のスロットを含む供給用被装着部と、前記フィーダが装着される複数のスロット含むバッファ用被装着部と、前記供給用被装着部のスロットに装着されたフィーダから供給された部品を取り出して実装する実装ジョブを実行する実装部と、を有する部品実装機と、
前記供給用被装着部の各スロットおよび前記バッファ用被装着部の各スロットに対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能な作業装置と、
を備える部品実装システムに用いられる管理装置であって、
次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを前記部品実装機に事前配膳する場合において、前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先して配膳先を決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御する管理制御部、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本開示の管理装置は、供給用被装着部とバッファ用被装着部とを有する部品実装機を備える部品実装システムに用いられる。この管理装置は、次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを部品実装機に事前配膳する場合において、供給用被装着部の対象フィーダの空きスロットおよびバッファ用被装着部の空きスロットのうちバッファ用被装着部の空きスロットの方を優先した配膳先に対象フィーダを事前配膳する。これにより、部品実装機にフィーダを事前配膳しつつ、供給用被装着部に空きスロットを確保することができる。このため、対象フィーダを事前配膳した後、対象フィーダよりも優先度の高いフィーダを供給用被装着部へ配膳する必要が生じても、装着済みのフィーダを取り外す必要がない。したがって、無駄なフィーダの取り外し作業が発生するのを回避して、フィーダの配膳をより効率良く行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】部品実装システムの概略構成図である。
図2】部品実装機とフィーダの概略構成図である。
図3】フィーダの概略構成図である。
図4】ローダの概略構成図である。
図5】部品実装システムの電気的な接続関係を示すブロック図である。
図6】フィーダ保有情報の一例を示す説明図である。
図7】部品配置情報の一例を示す説明図である。
図8】ローダ作業指示ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図9】部品(フィーダ)の事前配膳場所の優先順位を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、部品実装システムの概略構成図である。図2は、部品実装機とフィーダ台の概略構成図である。図3は、フィーダの概略構成図である。図4は、ローダの概略構成図である。図5は、部品実装システムの電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、図1,2および4中、左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0012】
部品実装システム10は、基板Sに部品を実装した基板を生産するものであり、図1に示すように、印刷装置12と、印刷検査装置14と、複数の部品実装機20(201~206)と、実装検査装置(図示せず)と、ローダ50と、フィーダ保管庫60と、システム全体を管理する管理装置80と、を備える。印刷装置12は、基板Sの表面に半田を印刷する。印刷検査装置14は、印刷装置12で印刷された半田の状態を検査する。部品実装機20は、フィーダ30から供給された部品を吸着ノズル(採取部材)で採取して基板Sに実装する。実装検査装置は、部品実装機20で実装された部品の実装状態を検査する。印刷装置12と印刷検査装置14と複数の部品実装機20と実装検査装置は、基板Sの搬送方向に沿って上流からこの順に整列されて生産ラインを構成する。
【0013】
部品実装機20は、図2に示すように、フィーダ30が装着される被装着部21と、基板SをX軸方向に搬送する基板搬送装置22と、フィーダ30から部品を採取して基板Sに実装するヘッド25と、ヘッド25を水平方向(XY軸方向)に移動させるヘッド移動装置24と、実装制御装置29(図5参照)と、を備える。ヘッド25は、図示しないが、部品を吸着する吸着ノズルと、吸着ノズルを昇降させる昇降装置と、を有する。ヘッド移動装置24は、ヘッド25が取り付けられるスライダ24aを有し、スライダ24aを水平方向(XY軸方向)に移動させる。
【0014】
フィーダ30は、図3に示すように、カセット式のテープフィーダであり、テープリール32と、テープ送り機構33と、コネクタ35と、フィーダ制御装置39(図5参照)と、を備える。テープリール32は、部品が収容されたテープが巻回されている。部品は、テープの表面を覆うフィルムによって保護されている。テープ送り機構33は、テープリール32からテープを引き出して部品供給位置へ送り出す。テープに収容された部品は、部品供給位置の手前でフィルムが剥がされることで部品供給位置にて露出した状態となり、ヘッド25(吸着ノズル)により採取される。フィーダ制御装置39は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、テープ送り機構33(送りモータ)に駆動信号を出力する。
【0015】
被装着部21は、部品実装機20の正面側(前部)に設けられ、フィーダ30をセット可能な上下2つのエリアを有する。上のエリアは、ヘッド25が採取可能な位置(部品供給位置)にフィーダ30が部品を供給可能な供給エリア21Aであり、下のエリアは、フィーダ30を一時保管するバッファエリア21Bである。各エリア21A,21Bには、それぞれフィーダ台40が設置されている。各エリア21A,21Bのフィーダ台40は、図2に示すように、フィーダ30が着脱される複数のスロット42と、それぞれ対応するスロット42に装着されたフィーダ30のコネクタ35と電気的に接続される複数のコネクタ45と、を有する。供給エリア21Aには、実行中のジョブ(生産)で使用される部品を収容したフィーダ30が装着される。また、供給エリア21Aに空きスロット42がある場合には、生産途中で部品切れしたフィーダ30に代わって同種の部品を供給するための予備のフィーダ30や、次回以降に実行されるジョブで使用される部品を収容したフィーダ30等も装着される。バッファエリア21Bは、次回以降に実行されるジョブで使用される部品を収容したフィーダ30を一時保管したり、使用済みのフィーダ30を一時保管したりするために用いられる。
【0016】
また、部品実装機20は、マークカメラ26やパーツカメラ27なども備える。マークカメラ26は、基板Sの位置を検知するために、基板Sに付された基準マークを上方から撮像するものである。パーツカメラ27は、吸着ミスや吸着ずれを検知するために、吸着ノズルに吸着された部品を下方から撮像するものである。
【0017】
実装制御装置29は、周知のCPU29aやROM29b、HDD29c、RAM29dなどで構成される。実装制御装置29は、マークカメラ26やパーツカメラ27からの画像信号などを入力する。また、実装制御装置29は、基板搬送装置22やヘッド25、ヘッド移動装置24などに駆動信号を出力する。
【0018】
また、実装制御装置29は、フィーダ台40に装着されたフィーダ30のフィーダ制御装置39とコネクタ35,45を介して通信可能に接続される。実装制御装置29は、フィーダ30が装着されると、フィーダ30のフィーダ制御装置39に含まれるフィーダIDや部品種別、部品残数などのフィーダ情報を当該フィーダ制御装置39から受信する。また、実装制御装置29は、受信したフィーダ情報と、フィーダ30が装着された装着位置(スロット番号)とを管理装置80へ送信する。
【0019】
実装制御装置29のCPU29aは、部品を基板Sに実装する実装処理を実行する。CPU29aは、ヘッド移動装置24によりフィーダ30の部品供給位置の上方へヘッド25を移動させる。続いて、CPU29aは、昇降装置により吸着ノズルを下降させて当該吸着ノズルに部品を吸着させる。CPU29aは、吸着ノズルに吸着させた部品をヘッド移動装置24によりパーツカメラ27の上方へ移動させ、当該部品をパーツカメラ27で撮像する。CPU29aは、部品の撮像画像を処理して当該部品の吸着ずれ量を測定し、基板Sへの部品の実装位置を補正する。そして、CPU29aは、ノズルに吸着させた部品をヘッド移動装置24により補正後の実装位置の上方へ移動させ、昇降装置により吸着ノズルを下降させて部品を基板Sに実装させる。
【0020】
フィーダ保管庫60は、生産ラインに組み込まれ、複数のフィーダ30の一時保管する保管場所である。フィーダ保管庫60には、部品実装機20のフィーダ台40と同様のスロット42やコネクタ45を複数備えたフィーダ台が設置されている。フィーダ保管庫60には、図示しない自動搬送車(AGV)や作業者により、使用予定のフィーダ30が補給されたり、使用済みのフィーダ30が回収されたりする。フィーダ保管庫60のコネクタ45にフィーダ30が装着されると、フィーダ30に含まれるフィーダIDや部品種別、部品残数などのフィーダ情報と、フィーダ30が装着された装着位置(スロット番号)とが管理装置80へ送信される。
【0021】
ローダ50は、図1に示すように、部品実装システム10(生産ライン)の正面をラインに沿って移動して、フィーダ保管庫60から使用予定のフィーダ30を取り出して各部品実装機20へ補給したり、各部品実装機20から使用済みのフィーダ30を回収してフィーダ保管庫60へ運んだりする。ローダ50は、図4に示すように、ローダ移動装置51とフィーダ移載装置53とローダ制御装置59(図5参照)とを備える。ローダ移動装置51は、生産ラインの正面に配設されたガイドレール18に沿ってローダ50を移動させる。このローダ移動装置51は、ローダ50を移動させるための駆動用ベルトを駆動するX軸モータ52aと、ガイドレール18上を転動してローダ50の移動をガイドするガイドローラ52bと、を有する。フィーダ移載装置53は、ローダ50がいずれかの部品実装機20と向かい合う位置で当該部品実装機20とローダ50との間でフィーダ30を移載したり、ローダ50がフィーダ保管庫60と向かい合う位置でフィーダ保管庫60とローダ50との間でフィーダ30を移載したりする。このフィーダ移載装置53は、Y軸スライダ55と、Y軸スライダ55をZ軸ガイドレール56bに沿って移動させるZ軸モータ56aと、を有する。Y軸スライダ55は、フィーダ30をクランプするクランプ部54と、クランプ部54をY軸ガイドレール55bに沿って移動させるY軸モータ55aと、を含む。Y軸スライダ55は、Z軸モータ56aの駆動により昇降する。フィーダ移載装置53は、Y軸スライダ55を上昇させることにより、Y軸スライダ55が部品実装機20の供給エリア21Aのフィーダ台40やフィーダ保管庫60のフィーダ台40と向かい合い、この状態でフィーダ30をクランプ部54でクランプしてY軸スライダ55によりY軸方向に移動させることで供給エリア21Aやフィーダ保管庫60に対してフィーダ30を移載する。また、フィーダ移載装置53は、Y軸スライダ55を下降させることにより、Y軸スライダ55が部品実装機20のバッファエリア21Bと向かい合い、この状態でフィーダ30をクランプ部54でクランプしてY軸スライダ55によりY軸方向に移動させることでバッファエリア21Bに対してフィーダ30を移載する。ローダ制御装置59は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成され、走行位置を検知する位置センサ57や周辺の障害物の有無を検知する監視センサ58からの信号を入力し、ローダ移動装置51やフィーダ移載装置53に駆動信号を出力する。
【0022】
管理装置80は、汎用のコンピュータであり、図5に示すように、CPU81と、ROM82と、HDD83(記憶装置)と、RAM84と、を備える。管理装置80には、キーボードやマウスなどの入力デバイス85と、ディスプレイ86と、が電気的に接続される。HDD83には、生産スケジュールの他、生産に必要な各種情報として、フィーダ保有情報や、ジョブ情報、ステータス情報などが記憶されている。これらの情報は、部品実装機20ごとに管理されている。ここで、生産スケジュールは、各部品実装機20において、どの基板Sにどの部品をどの順番で実装するか、また、そのように実装した基板S(製品)を何枚作製するかなどを定めたスケジュールである。フィーダ保有情報は、各部品実装機20やフィーダ保管庫60が保有するフィーダ30に関する情報である。フィーダ保有情報には、図6に示すように、フィーダIDや部品種別、部品残数などのフィーダ情報と、フィーダ30(部品)を保有する装置(ローケーション)やフィーダ30の装着位置(スロット番号)などの位置情報と、が含まれる。ジョブ情報は、各部品実装機20が実行すべき実装処理(ジョブ)に関する情報である。このジョブ情報には、生産する基板の種別や実装する部品の種別、部品ごとの実装位置、ジョブごとの供給エリア21Aに配置すべき部品の配置位置(配置位置情報)などが含まれる。部品の配置位置情報は、その部品を収容したフィーダ30の予定された装着位置(予定スロット)を示し、部品実装機20ごとに管理される。配置位置情報は、図7に示すように、ジョブの実行順序と、供給エリア21Aのスロット42ごとの配置すべき部品の種別と、が対応付けられて記憶されている。ステータス情報は、各部品実装機20の動作状況を示す情報である。このステータス情報には、生産中や、段取り替え中、異常発生中などが含まれる。
【0023】
管理装置80は、実装制御装置29と有線により通信可能に接続され、部品実装システム10の各部品実装機20と各種情報のやり取りを行なう。管理装置80は、各部品実装機20から動作状況を受信してステータス情報を最新の情報に更新する。また、管理装置80は、各部品実装機20のフィーダ台40に取り付けられたフィーダ30のフィーダ制御装置39と実装制御装置29を介して通信可能に接続される。管理装置80は、フィーダ30が部品実装機20やフィーダ保管庫60から取り外されたり、部品実装機20やフィーダ保管庫60に取り付けられたりしたときに、対応する部品実装機20やフィーダ保管庫60から着脱状況を受信してフィーダ保有情報を最新の情報に更新する。さらに、管理装置80は、ローダ制御装置59と無線により通信可能に接続され、ローダ50と各種情報のやり取りを行なう。また、管理装置80は、この他、印刷装置12や印刷検査装置14、実装検査装置の各制御装置とも通信可能に接続され、対応する機器からの各種情報のやり取りも行なう。
【0024】
次に、こうして構成された部品実装システム10の動作について説明する。特に、次回以降に実行されるジョブで使用される部品(その部品を収容したフィーダ30)を事前配膳する際の動作について説明する。図8は、管理装置80のCPU81により実行されるローダ作業指示ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0025】
ローダ作業指示ルーチンが実行されると、CPU81は、まず、図6に示すフィーダ保有情報を参照してフィーダ保管庫60に次回以降に実行されるジョブで使用される部品(その部品を収容したフィーダ30)があるか否かを判定する(S100)。CPU81は、該当する部品がないと判定すると、S240に進む。一方、CPU81は、該当する部品があると判定すると、該当する部品の中から今回の配膳対象となる配膳対象部品を設定する(S110)。
【0026】
次に、CPU81は、配膳対象部品の予定スロットに空きがあるか否かを判定する(S120)。予定スロットとは、ジョブで使用される部品の配置すべき供給エリア21A内の配置位置(スロット番号)であり、当該部品を使用したジョブの実行が最適化されるように最適化プログラムにより予め定められる。S120の判定は、図7に示す部品配置情報から配膳対象部品の予定スロットを読み出し、読み出した予定スロットに他の部品(フィーダ30)が装着されているか否かを図6に示すフィーダ保有情報に基づいて判定することにより行なわれる。CPU81は、配膳対象部品の予定スロットに空きがあると判定すると、配膳対象部品の配膳先を、当該配膳対象部品の予定スロットに設定する(S130)。
【0027】
CPU81は、配膳対象部品の予定スロットに空きがないと判定すると、配膳対象部品の配膳先の部品実装機20である対象部品実装機(自機)のバッファエリア21Bに空きがあるか否かをフィーダ保有情報に基づいて判定する(S140)。CPU81は、自機のバッファエリア21Bに空きがあると判定すると、配膳対象部品の配膳先を、自機のバッファエリア21Bのいずれかの空きスロットに設定する(S150)。なお、CPU81は、自機のバッファエリア21Bに複数の空きスロットがある場合、当該複数の空きスロットのうち配膳対象部品の予定スロットに最も近い空きスロットを配膳先に設定してもよい。
【0028】
CPU81は、自機のバッファエリア21Bに空きがないと判定すると、自機の供給エリア21Aに空きがあるか否かをフィーダ保有情報に基づいて判定する(S160)。CPU81は、自機の供給エリア21Aに空きがあると判定すると、配膳対象部品の配膳先を、自機の供給エリア21Aのうち上述した予定スロット以外のいずれかの空きスロットに設定する(S170)。なお、CPU81は、自機の供給エリア21Aに複数の空きスロットがある場合、当該複数の空きスロットのうち配膳対象部品の予定スロットに最も近い空きスロットを配膳先に設定してもよい。
【0029】
CPU81は、自機の供給エリア21Aに空きがないと判定すると、配膳対象部品の配膳先でない部品実装機20である非対象部品実装機(他機)のバッファエリア21Bに空きがあるか否かをフィーダ保有情報に基づいて判定する(S180)。CPU81は、他機のバッファエリア21Bに空きがあると判定すると、配膳対象部品の配膳先を、他機のバッファエリア21Bのうち自機に最も近いバッファエリア21Bのいずれかの空きスロットに設定する(S190)。なお、CPU81は、該当するバッファエリア21Bに複数の空きスロットがある場合、当該複数の空きスロットのうち配膳対象部品の予定スロットに最も近い空きスロットを配膳先に設定してもよい。
【0030】
CPU81は、他機のバッファエリア21Bに空きがないと判定すると、他機の供給エリア21Aに空きがあるか否かをフィーダ保有情報に基づいて判定する(S200)。CPU81は、他機の供給エリア21Aに空きがあると判定すると、配膳対象部品の配膳先を、他機の供給エリア21Aのうち自機に最も近い供給エリア21Aのいずれかの空きスロットに設定する(S210)。なお、CPU81は、該当する供給エリア21Aに複数の空きスロットがある場合、当該複数の空きスロットのうち配膳対象部品の予定スロットに最も近い空きスロットを配膳先に設定してもよい。一方、CPU81は、他機の供給エリア21Aに空きがないと判定すると、配膳対象部品の配膳先を設定することなく、S240に進む。
【0031】
CPU81は、こうして配膳対象部品の配膳先を設定すると、S100で該当する部品のうち配膳先が未定の他の部品があるか否かを判定する(S220)。CPU81は、配膳先が未定の他の部品があると判定すると、S110に戻って、該当する部品の中から次の配膳対象部品を設定してその配膳先を設定するS110~S210の処理を繰り返す。一方、CPU81は、配膳先が未定の他の部品がないと判定すると、各配膳対象部品(各配膳対象部品を収容したフィーダ30)がそれぞれ設定した配膳先に事前配膳されるようローダ50に配膳指令を送信する(S230)。配膳指令を受信したローダ50は、指定された配膳先に配膳対象部品(配膳対象部品を収容したフィーダ30)を配膳する。
【0032】
次に、CPU81は、各部品実装機20の供給エリア21Aおよびバッファエリア21Bに配置されている部品のうち自部品の予定スロット以外の他のスロットに事前配膳されている部品があるか否かを判定する(S240)。CPU81は、他のスロットに事前配膳されている部品があると判定すると、自部品と予定スロットが重なる他の部品を使用する先行ジョブが終了したか否かを判定する(S250)。CPU81は、予定スロット以外の他のスロットに事前配膳されている部品がないと判定したり、予定スロットが重なる部品を使用する先行ジョブが終了していないと判定すると、本ルーチンを終了する。
【0033】
一方、CPU81は、予定スロット以外の他のスロットに事前配膳されている部品があり、且つ、予定スロットが重なる部品を使用する先行ジョブが終了していると判定すると、該当する部品を移動対象部品として移動対象部品の移動先を当該移動対象部品の予定スロットに設定し、移動先を指定してローダ50に配膳指令(移動指令)を送信して(S260)、本ルーチンを終了する。移動指令を受信したローダ50は、先行ジョブで使用された使用済みの部品(フィーダ30)を予定スロットから回収し、移動対象部品を当該予定スロットに配膳する。上述したように、自部品の予定スロットに空きがない場合、自部品は、本来の予定スロット以外の空きスロットに事前配膳される。S260の処理は、先行ジョブが終了し、自部品と予定スロットが重なる部品が使用済みとなった場合に、使用済みの部品を回収して自部品を本来の予定スロットに移動させるための処理である。上述したように、本来の予定スロットに配置されていない部品は、予定スロットにできる限り近いスロットに配膳されているため、当該部品を移動させる際には、その移動量を少なくすることができる。これにより、ローダ50は、部品の移動作業を素早く行なうことができる。
【0034】
図9は、部品(フィーダ)の事前配膳場所の優先順位を示す説明図である。図中、6つの部品実装機201~206のうち部品実装機203は、対象部品実装機(自機)を示し、部品実装機201,202,204~206は、非対象部品実装機(他機)を示す。配膳対象部品の事前配膳は、予め定められた優先順位にしたがって優先順位の高い方から順に空きスロットを調べ、発見した空きスロットを配膳先として決定することにより行なわれる。優先順位は、図示するように、高い方から、配膳対象部品の予定スロット,自機のバッファエリア21B,自機の予定スロット以外の供給エリア21A,他機のバッファエリア21B,他機の供給エリア21Aの順に定められる。他機のバッファエリア21Bには、自機に近いものほど高い優先順位が定められる。他機の供給エリア21Aには、自機に近いものほど高い優先順位が定められる。これにより、配膳対象部品は、予定スロットが空いていれば予定スロットに事前配膳される。また、配膳対象部品は、予定スロットが空いていなければ、自機のバッファエリア21Bの空きスロットに事前配膳される。さらに、配膳対象部品は、自機のバッファエリア21Bが空いていなければ、自機の供給エリア21Aの予定スロット以外の空きスロットに事前配膳される。また、配膳対象部品は、自機の供給エリア21が空いていなければ、自機にできる限り近い他機のバッファエリア21Bの空きスロットに事前配膳される。また、配膳対象部品は、いずれの他機のバッファエリア21Bも空いていなければ、自機にできる限り近い他機の供給エリア21Aの空きスロットに事前配膳される。
【0035】
ここで、本実施形態では、供給エリア21Aに配置された部品を使用してジョブを実行しているときに、部品切れが予測されると、同種の部品を収容した予備のフィーダ30を当該供給エリア21Aの空きスロットに配置することが行なわれる。これにより、部品実装機20は、ジョブの実行中に一部のフィーダ30に部品切れが発生しても、予備のフィーダ30から部品を採取することで、ジョブの中断を回避することができる。しかし、供給エリア21Aに次回以降に使用される部品が多数配置されていると、予備のフィーダ30を配膳する際に、供給エリア21Aに空きがない場合が生じる。この場合、ローダ50は、供給エリア21Aを塞いでいる現ジョブで使用されないフィーダ30を一旦取り外してから、空いたスロット42に現ジョブで使用される予備のフィーダ30を装着する必要があり、無駄な取り外し作業が発生する。本実施形態では、次回以降のジョブで使用される部品(配膳対象部品)を事前配膳する場合、配膳対象部品の配膳先は、自機の供給エリア21Aおよびバッファエリア21Bのうちバッファエリア21Bの方を優先して設定される。これにより、自機の供給エリア21Aに空きスロットを確保しておくことができる。したがって、後から優先度の高いフィーダ30を供給エリア21Aに配膳する必要が生じても、そのフィーダ30の配膳作業に要する時間を短縮することができ、フィーダ30の配膳を効率よく行なうことができる。
【0036】
ここで、本実施形態の主要な要素と請求の範囲の欄に記載した主要な要素との対応関係について説明する。即ち、本実施形態の供給エリア21Aの複数のスロット42が本開示の複数のスロットに相当し、部品実装機20が部品実装機に相当し、ローダ50が作業装置に相当し、ローダ作業指示ルーチンを実行するCPU81が管理制御部に相当する。バッファエリア21Bがバッファに相当する。
【0037】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0038】
例えば、上述した実施形態では、CPU81は、配膳対象部品を事前配膳する場合において、自機の供給エリア21Aおよびバッファエリア21Bのいずれにも空きがない場合、他機の供給エリア21Aまたはバッファエリア21Bに配膳対象部品を事前配膳するものとした。しかし、CPU81は、自機の供給エリア21Aおよびバッファエリア21Bのいずれにも空きがない場合には、事前配膳しないものとしてもよい。
【0039】
以上説明したように、本開示の管理装置は、フィーダが装着される複数のスロットを含む供給用被装着部と、前記フィーダが装着される複数のスロット含むバッファ用被装着部と、前記供給用被装着部のスロットに装着されたフィーダから供給された部品を取り出して実装する実装ジョブを実行する実装部と、を有する部品実装機と、前記供給用被装着部の各スロットおよび前記バッファ用被装着部の各スロットに対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能な作業装置と、を備える部品実装システムに用いられる管理装置であって、次回以降に実行される対象ジョブで使用される対象フィーダを前記部品実装機に事前配膳する場合において、前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先して配膳先を決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御する管理制御部を備えることを要旨とする。
【0040】
この本開示の管理装置では、部品実装機にフィーダを事前配膳しつつ、供給用被装着部に空きスロットを確保することができる。このため、対象フィーダを事前配膳した後、対象フィーダよりも優先度の高いフィーダを供給用被装着部へ配膳する必要が生じても、装着済みのフィーダを取り外す必要がない。したがって、無駄なフィーダの取り外し作業が発生するのを回避して、フィーダの配膳をより効率良く行なうことが可能となる。
【0041】
こうした本開示の管理装置において、前記管理制御部は、前記対象フィーダの予定された配膳先である予定スロットに空きがあるときには、前記対象フィーダの予定スロットに該対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御してもよい。対象フィーダをその予定スロットに事前配膳することで、対象フィーダを使用するジョブを実行する際に当該対象フィーダを移動させる必要をなくすことができる。
【0042】
また、本開示の管理装置において、前記部品実装システムは、前記部品実装機が複数配置された実装ラインを備え、前記作業装置は、前記実装ラインの各部品実装機に対して前記フィーダの配膳作業と回収作業とを実行可能であり、前記管理制御部は、前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象ジョブを実行する部品実装機である対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記実装ラインを構成する前記複数の部品実装機のうち前記対象部品実装機とは異なる他の部品実装機の前記供給用被装着部または前記バッファ用被装着部を配膳先に決定し、該決定した配膳先に前記対象フィーダを事前配膳するよう前記作業装置を制御してもよい。こうすれば、対象部品実装機の供給用被装着部およびバッファ用被装着部のいずれにも空きがないときでも、対象フィーダを事前配膳することができる。この場合、前記管理制御部は、前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記他の部品実装機の前記供給用被装着部の空きスロットおよび前記バッファ用被装着部の空きスロットのうち該バッファ用被装着部の空きスロットの方を優先して配膳先を決定してもよい。こうすれば、他の部品実装機の供給用被装着部の空きスロットを確保しておくことができる。このため、対象フィーダを事前配膳した後、対象フィーダよりも優先度の高いフィーダを他の部品実装機の供給用被装着部へ配膳する必要が生じても、装着済みのフィーダを取り外す必要がない。したがって、無駄なフィーダの取り外し作業が発生するのを回避して、フィーダの配膳をより効率良く行なうことが可能となる。これらの場合、前記管理制御部は、前記対象フィーダを事前配膳する場合において、前記対象部品実装機の前記供給用被装着部および前記バッファ用被装着部のいずれにも空きがないときには、前記他の部品実装機のうち前記対象部品実装機に近い方の部品実装機を優先して配膳先を決定してもよい。こうすれば、対象フィーダを使用する対象部品実装機に空きがない場合であっても、当該対象フィーダを事前配膳することができる。また、事前配膳した対象フィーダをその予定スロットに移動させる際の移動量を少なくすることができるため、段取り替え作業をより短時間で行なうことが可能となる。
【0043】
なお、本開示は、管理装置の形態とするものに限られず、管理方法の形態とすることもできるし、作業装置の形態とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本開示は、部品実装システムや部品実装機、管理装置などの製造産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 部品実装システム、12 印刷装置、14 印刷検査装置、18 ガイドレール、20,201~206 部品実装機、21 被装着部、21A 供給エリア、21B バッファエリア、22 基板搬送装置、24 ヘッド移動装置、24a スライダ、25 ヘッド、26 マークカメラ、27 パーツカメラ、29 実装制御装置、29a CPU、29b ROM、29c HDD、29d RAM、30 フィーダ、32 テープリール、33 テープ送り機構、35 コネクタ、39 フィーダ制御装置、40 フィーダ台、42 スロット、45 コネクタ、50 ローダ、51 ローダ移動装置、52a X軸モータ、52b ガイドローラ、53 フィーダ移載装置、54 クランプ部、55 Y軸スライダ、55a Y軸モータ、55b Y軸ガイドレール、56a Z軸モータ、56b Z軸ガイドレール、57 位置センサ、58 監視センサ、59 ローダ制御装置、60 フィーダ保管庫、80 管理装置、81 CPU、82 ROM、83 HDD、84 RAM、85 入力デバイス、86 ディスプレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9