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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】尿道カテーテルシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20250331BHJP
【FI】
A61M1/00 130
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023512459
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 US2021046748
(87)【国際公開番号】W WO2022040452
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2024-08-19
(31)【優先権主張番号】63/067,689
(32)【優先日】2020-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523058630
【氏名又は名称】オーグメント ヘルス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AUGMENT HEALTH,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ、ジャレド ピー.
(72)【発明者】
【氏名】カリンスキー、スティーブン ティ.
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア、カミーユ ディアス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-123434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61B 1/307,5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
1つまたは複数のプロセッサにおいて、カテーテル取付構成要素の外壁を通るポートを介して、1つまたは複数のトランスデューサから導出された尿道カテーテルシステム内の尿の量に関連付けられた静水圧データを受信すること、
前記静水圧データに基づいて膀胱充満レベルを計算すること、
前記膀胱充満レベルを所定の閾値と比較すること、
前記膀胱充満レベルが前記所定の閾値を超えると判定したとき、ユーザデバイスにアラートを送信すること、
を備え、
前記膀胱充満レベルを計算することは、前記静水圧データをフィルタリングすることを含み、
前記静水圧データは静水圧カラム高さのパラメータを含み、
前記膀胱充満レベルを計算することは、前記静水圧カラム高さを用いて前記膀胱充満レベルに関連付けられた膀胱内の尿高さを測定することを含む、方法。
【請求項2】
前記所定の閾値はユーザに固有である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数のトランスデューサは、前記ポートを介して前記カテーテル取付構成要素に動作可能に接続された測定ハウジング構成要素内に収容されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カテーテル取付構成要素は後部要素と前部要素とを備え、
前記前部要素が前記ポートを含み、
前記測定ハウジング構成要素は、前記ポートを介して前記前部要素に動作可能に接続されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記後部要素と前記前部要素とは一体的に形成されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記後部要素は少なくとも2つの異なる内径を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記後部要素は、尿道カテーテルへの少なくとも部分的な挿入のために構成されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記前部要素は、カテーテル端部アクセサリへの動作可能な接続のために構成されている、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、尿道カテーテルシステムおよび方法に関する。本出願は、2020年8月19日に出願された「制御された排尿のために膀胱充満を監視、検出、および通知するカテーテルアクセサリシステムおよび方法」(CatheterAccessorySystemandMethodforMonitoring,Detecting,andNotifyingBladderFullnessforControlledVoiding)と題する米国仮特許出願第63/067,689号の利益および優先権を主張し、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
影響を受けた膀胱括約筋制御から生じる状態である尿失禁は、膀胱排尿を補助するために尿道カテーテルを使用して管理されることが多い。尿道カテーテルは、手術後または疾患の発症後など、個人が自身で尿を排出できないときに膀胱から尿を排出する。これらのカテーテルは、膀胱排尿が完了した後にカテーテルが除去される間欠的カテーテル、または膀胱排尿の間にカテーテルが適所に残る留置カテーテルのいずれかに分類することができる。
【0003】
留置尿道カテーテルの2つの最も一般的なタイプは、恥骨上(suprapubic)カテーテルおよび尿道(urethral)カテーテルである。双方とも中空の可撓性チューブからなる。恥骨上カテーテルは、ストーマ(stoma)を介して膀胱内に挿入されるのに対して、一般にフォーリー(Foley)カテーテルと呼ばれる尿道カテーテルは、尿道を介して膀胱内に挿入される。双方の留置カテーテルタイプは、膀胱内に挿入されて膀胱内でカテーテルを固定するために拡張されるバルーンを一端に有する。また、バルーンの端部は、排尿を可能にする1つまたは複数のアイレット、すなわち開口部をカテーテルの先端に有する。カテーテルの外側(遠位)端は、収集バッグ、バルブ、または排液を可能にするために開放および/または閉鎖もしくは除去および/または交換可能な類似のデバイス、または別のカテーテル排液デバイスに接続される。
【0004】
いくつかの研究では、カテーテル関連UTI(CAUTI)の発生率は、カテーテルバルブ使用者に比べて蓄尿バッグ使用者の方が高いことが示されている。CAUTIは、医療費および患者の生活の質に大きな影響を与える重要な医療問題である。CAUTIは、カテーテル使用によって引き起こされる尿路の感染症である。これらの研究のうちのいくつかは、ドレナージバッグの代わりにバルブ、プラグ、またはキャップを使用することの利点が、バルブが自然発生間隔で周期的に開放されるときの尿の流量の増加に関連すると仮定している。多くの留置カテーテル使用者は、膀胱知覚または器用さが制限されているためにカテーテルバルブを使用することができないので、これらの研究は本質的に限定されている。これは、患者はバルブを開いて膀胱を排液すべきときを知ることができないので、患者がそのような技術の効果を試験することを妨げる。
【0005】
収集バッグと留置カテーテルを伴うカテーテルバルブとの間で選択することができる患者のサブセットにおいては、患者のほぼ3/4がバルブを使用することを好む。バルブは、より目立たず、より大きな可動性を提供し、患者の全体的な生活の質を改善する。さらに、バルブは、収集バッグを使用している間に典型的に生じ得る膀胱のさらなる機能低下および収縮を防止する。バルブの形状が小さく目立たないことは患者にとっての直接的なメリットとなるが、膀胱の充満と排出の生理学的プロセスを維持することは大きな生理学的メリットとなる。
【0006】
間欠的カテーテル法は、留置カテーテル法の代替法である。患者または介護者は、患者の膀胱が満たされたとき、または膀胱を空にするのに不十分な感覚を有する場合に、特定の時間間隔で間欠的カテーテルを挿入する。この代替案は、カテーテル関連UTIを軽減するその能力のために普及している。間欠的カテーテル法は、可動性または器用さの問題を有する個人にとっては困難であり得る。前向き研究では、1日8時間までの期間において間欠的カテーテル法の代替として留置カテーテルおよびカテーテルバルブを含むシステムが提供された。この研究は、毎日一定の期間、バルブを伴う留置カテーテルを使用することが、間欠的カテーテル法と比較して、CAUTIリスクを実質的に増加させることなく、生活の質を改善し得るという予備データを示した。また、この研究は、その研究における個人の半分以上がバルブを有する留置カテーテルを好むことを示した。
【0007】
指定された間隔で膀胱を空にすると、水を飲んだり運動中に発汗したりすることによって生じる変動などの水分摂取量または排出量の変動を考慮することができない。このため、膀胱が空となる頻度が必要以上に高くなったり低くなったりすることが生じ得る。
【0008】
したがって、膀胱知覚が制限された患者が、カテーテルバルブ、プラグ、キャップ、または同様のデバイスを使用して、適切な間隔で膀胱を空にし、膀胱の知覚がある個人と同じ利益を受けることができるシステムまたは方法に対する長年にわたる未解決のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0009】
簡単に説明すると、一実施形態によれば、本開示の態様は、概して、カテーテルシステムを使用して患者の膀胱充満度を検出するためのシステムおよび方法に関する。
少なくとも1つの実施形態において、本システムは、尿道カテーテルおよび恥骨上カテーテルなどの留置尿道カテーテル、ならびにカテーテルバルブおよびカテーテルドレナージバルブを含む尿道カテーテルアクセサリとインラインで使用され得る尿道カテーテルアタッチメントを含む。特定の実施形態において、本開示のシステムは、ユーザの膀胱が容量に達しているときを検出可能であり、次いでユーザまたは介護者に彼らの膀胱を空にするようにアラートする。少なくとも1つの実施形態において、本開示のシステムは、既存のカテーテルチューブ端部への接続を可能にする構成要素と、既存のカテーテルアクセサリデバイスへの接続を可能にする構成要素と、膀胱信号を検出および解析することが可能な1つまたは複数の構成要素と、それらの信号に基づいてアラートを生成および送達する構成要素とを含む。
【0010】
本技術は、コンプライアンスまたは移動性などの他の問題を経験する患者にとって有益であり得る。例えば、いつ膀胱を空にするかを正確に思い出すことができない留置カテーテル使用者にとって特に有益であり得る。また、本システムは、トイレへの移動に苦労するか、または膀胱排尿サイクルに関する記憶問題を有する、間欠的カテーテルユーザに利益をもたらすことができる。本提案技術は、治療を監視および改善するために患者の膀胱動態に関する一貫した信頼できるデータを必要とする臨床医にとっても有用であり得る。本明細書に概説されるシステムおよびアプローチは、歩行時の尿力学の分野への将来の用途を有し得る。
【0011】
第1の態様によれば、尿道カテーテルシステムは、A)カテーテルを受け入れるための後部要素であって、1)第1の直径を有する後部開口部と、2)第2の直径を有する接合端開口部と、3)中空内部内のコア開口部であって前記第2の直径を有するコア開口部と、を画定し、i)前記後部開口部から前記接合端開口部まで延在する前記中空内部と、ii)外面と、iii)前記接合端開口部に近接した前記外面から延在する接合端と、を有する前記後部要素と、B)前部開口部と内側開口部とを画定し、前記内側開口部に近接した前記後部要素と連結される前部要素であって、1)前記前部開口部と前記内側開口部との間の前部中空内部と、2)前記前部開口部と前記内側開口部との間におけるポートであって前記前部開口部から少なくとも2センチメートルの位置にあり測定ハウジング構成要素を受け入れるためのポートと、3)前記内側開口部と前記ポートとの間の一定の直径と、を有する前記前部要素と、C)前記前部要素に動作可能に接続された前記測定ハウジング構成要素であって、1)前記前部中空内部内の静水圧データを測定するための1つまたは複数のトランスデューサと、2)膀胱充満レベルを計算するためのコンピューティングシステムに前記静水圧データを送信するための少なくとも1つの送信機と、を有する前記測定ハウジング構成要素と、を備える。
【0012】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、A)前記接合端は接合端外面を有し、B)前記接合端外面における前記接合端の直径は、前記前部中空内部の前記一定の直径よりも大きい。
【0013】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記測定ハウジング構成要素は、前記ポートを介して前記前部要素の外壁を通じて前記前部中空内部まで延在している。
【0014】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記1つまたは複数のトランスデューサは、前記前部中空内部内の尿の静水圧を測定する。
【0015】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記膀胱充満レベルは、前記静水圧データを閾値と比較することによって計算される。
【0016】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記膀胱充満レベルは、フィルタリングされた静水圧データに基づいて計算される。
【0017】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記コンピューティングシステムは、前記膀胱充満レベルが特定の閾値に達したと判定したとき、ユーザデバイスにアラートを送信するように構成されている。
【0018】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記前部中空内部の前記一定の直径は、前記接合端開口部の前記第2の直径以上である。
【0019】
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、前記第2の直径は前記第1の直径よりも大きい。
さらなる態様によれば、前記第1の態様または任意の他の態様の尿道カテーテルシステムにおいて、A)前記第2の直径は前記第1の直径に等しく、B)前記後部要素の外径は、前記後部開口部に向かって先細りのテーパ状である。
【0020】
第2の態様によれば、方法は、A)1つまたは複数のプロセッサにおいて、カテーテル取付構成要素の外壁を通るポートを介して、1つまたは複数のトランスデューサから導出された尿道カテーテルシステム内の尿の量に関連付けられた静水圧データを受信すること、B)前記静水圧データに基づいて膀胱充満レベルを計算すること、C)前記膀胱充満レベルを所定の閾値と比較すること、D)前記膀胱充満レベルが前記所定の閾値を超えると判定したとき、ユーザデバイスにアラートを送信すること、を備える。
【0021】
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記所定の閾値はユーザに固有である。
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記膀胱充満レベルを計算することは、前記静水圧データをフィルタリングすることを含む。
【0022】
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、A)前記静水圧データは静水圧パラメータを含み、B)前記膀胱充満レベルを計算することは、前記静水圧パラメータを種々の膀胱充満レベルに関連付けられた履歴静水圧データと比較することを含む。
【0023】
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記1つまたは複数のトランスデューサは、前記ポートを介して前記カテーテル取付構成要素に動作可能に接続された測定ハウジング構成要素内に収容されている。
【0024】
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、A)前記カテーテル取付構成要素は後部要素と前部要素とを備え、B)前記前部要素がポートを含み、C)前記測定ハウジング構成要素は、前記ポートを介して前記前部要素に動作可能に接続されている。
【0025】
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記後部要素と前記前部要素とは一体的に形成されている。
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記後部要素は少なくとも2つの異なる内径を有する。
【0026】
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記後部要素は、尿道カテーテルへの少なくとも部分的な挿入のために構成されている。
さらなる態様によれば、前記第2の態様または任意の他の態様の方法において、前記前部要素は、カテーテル端部アクセサリへの動作可能な接続のために構成されている。
【0027】
特許請求の範囲に記載された発明のこれらおよび他の態様、特徴、および利点は、以下の図面と併せて解釈される好ましい実施形態および態様の以下の詳細な説明から明らかになるが、本開示の新規概念の思想および範囲から逸脱することなくそれらに対する変形および変更が行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの斜視図である。
図2図2は、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの斜視図である。
図3A図3Aは、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの第1側面図である。
図3B図3Bは、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの第2側面図である。
図4A図4Aは、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの上面図である。
図4B図4Bは、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの底面図である。
図5図5は、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの分解図である。
図6図6は、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システムの測定デバイスのシステムアーキテクチャを示す図である。
図7A図7Aは、本開示の一実施形態による、膀胱内に挿入された膀胱充満度検出システムを示す解剖学的図である。
図7B図7Bは、本開示の一実施形態による、膀胱内に挿入された膀胱充満度検出システムを示す解剖学的図である。
図8図8は、本開示の一実施形態による、膀胱充満検出システムの使用事例のフローチャートを示す図である。
図9図9は、本開示の一実施形態による、膀胱充満度検出システムの方法のフローチャートを示す図である。
図10図10は、本開示の一実施形態による測定デバイスペアリング環境を示す図である。
図11図11は、本開示の一実施形態によるユーザカスタマイズ可能な通知エディタを示す図である。
図12図12は、本開示の一実施形態による通知間隔エディタを示す図である。
図13図13は、本開示の一実施形態による、ユーザがデバイスデータとインタフェースをとるための例示的ダッシュボードを示す図である。
図14図14は、本開示の一実施形態による、クライアントデバイス上の通知を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面は、本開示の1つまたは複数の実施形態および/または態様を示し、発明の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。可能な限り、実施形態の同じまたは同様の要素を指すために図面全体を通して同じ参照番号が使用される。用語が大文字で書かれているか否かは、用語の意味を確定または限定するものとみなされない。大文字の用語は、本明細書で使用される場合、大文字の用語に対するより限定的な意味が意図されていることをそれを使用した文脈が特に示していない限り、大文字でない用語と同じ意味を有するものとする。しかしながら、本明細書の残りの部分において大文字で表記されているか否かは、そのような限定が意図されることを文脈が明確に示さない限り、必ずしも限定することを意図しない。
【0030】
本開示の原理の理解を促進する目的で、以下、図面に示される実施形態を参照し、特定の文言を使用して実施形態を説明する。ただし、本開示の範囲の限定は実施形態によって意図されないことが理解され得る。以下に説明されるまたは図示される実施形態の任意の変更およびさらなる変形、ならびに図示された本開示の原理の任意のさらなる適用が、本開示に関連する技術の当業者には通常想起されるように企図されている。範囲の全ての限定は、特許請求の範囲にしたがって、特許請求の範囲に記載されるように決定されるべきである。
【0031】
[概要]
本開示の態様は、概して、カテーテルシステムを使用して患者の膀胱充満度を決定するためのシステムおよび方法に関する。少なくとも1つの実施形態において、本開示のシステムは、尿道カテーテルおよび恥骨上カテーテルなどの尿道カテーテル、ならびにカテーテルバルブおよびカテーテルドレナージバルブを含む尿道カテーテルアクセサリとインラインで使用され得る尿道カテーテルアタッチメントを含む。特定の実施形態において、本開示のシステムは、ユーザの膀胱が容量に達しているときを検出可能であり、次いでユーザまたは介護者に彼らの膀胱を空にするようにアラートする。少なくとも1つの実施形態において、本開示のシステムは、既存のカテーテルチューブ端部への接続を可能にする構成要素と、既存のカテーテルアクセサリデバイスへの接続を可能にする構成要素と、膀胱信号を検出、記録、および解析することが可能な1つまたは複数の構成要素と、それらの信号に基づいてアラートを生成および送達する構成要素と、ユーザおよびユーザが特定した他の者が膀胱信号および解析結果報告を閲覧およびインタラクトすることを可能にする構成要素とを含む。
【0032】
特定の実施形態において、本開示のシステムは、尿および膀胱動態の生理学的特性を測定する単一センサ(例えば、圧力センサ)またはセンサのアレイ(例えば、圧力アレイと流量アレイとコンダクタンスセンサ)を含む。いくつかの実施形態において、センサからのデータは、個人の膀胱を空にするときを決定するためのアルゴリズムにおいて使用される。特定の実施形態において、アルゴリズムタイプは、単純な閾値またはより複雑なデータ処理モデル(例えば、回帰モデル、機械学習、または人工知能)を含む。種々の実施形態において、データ処理は、測定デバイス、クライアントデバイス、専用コンピューティング環境、および/または以前のコンピューティングソース群の組み合わせ上で行われる。少なくとも1つの実施形態において、本開示のシステムによって収集されたデータは監視および記録され、適切なデータストレージ構成要素に送信される。種々の実施形態において、データストレージ構成要素は、測定デバイス、クライアントデバイス、および/または専用コンピューティング環境内に常駐するものとすることができる。1つまたは複数の実施形態において、本開示のシステムによって生成されるデータは、ユーザの医療に関与する者(例えば、ユーザ、ユーザの介護者、またはユーザの医療チーム)によって分析される。いくつかの実施形態において、本開示のシステムは、記憶されたデータを分析して、患者が膀胱をどれだけ頻繁におよびどれだけ排尿するかについて詳しく記載した膀胱日誌、短期または長期にわたる膀胱の圧力またはコンプライアンスの変化のプロット、および/または任意の他の関連報告など、の臨床的に関連した報告を構築する。1つまたは複数の実施形態において、本開示のシステムは、カテーテルに接続し、その機能をユーザに対して非侵襲的に行う。
【0033】
種々の実施形態において、データ処理システム、通知システム、データストレージシステム、またはこれらのシステムの組み合わせは、測定デバイス、ウェアラブルデバイス、クライアントデバイス(例えば、電話またはタブレット)、ローカルコンピューティング環境、および/またはクラウドコンピューティング環境のうちの1つまたはそれらの組み合わせ上に位置する。いくつかの実施形態において、本開示のシステムは、ユーザが適切な時間に膀胱を空にすることを確実にするために、複数の通知を提供し得る。種々の実施形態において、本開示のシステムは、ユーザが膀胱を空にするのに適した場所を見つけるのに十分な時間を確保するために早期通知を提供する。特定の実施形態において、本開示のシステムは、移動性障害などの状態に起因して適切な排尿場所を見つけるためにより多くの時間を必要とするユーザを助けるために早期通知を提供する。少なくとも1つの実施形態において、本開示のシステムは、排尿間隔の間の持続期間または膀胱充満度を徐々に増加させることで膀胱を「訓練」し、膀胱を潜在的に拡張するようにプログラムされる。1つまたは複数の実施形態において、膀胱の拡張、排尿間の時間間隔の増加、および/または膀胱充満度の増加は、経時的に膀胱能力を増加させる。種々の実施形態において、本開示のシステムは、測定されたユーザ固有のパラメータ、またはインタフェースを介して手動で入力されたユーザ固有のパラメータを考慮して、システムを特定のユーザに対して最適化する。少なくとも1つの実施形態において、本開示のシステムは、収集されたデータにおけるアーチファクトを考慮するステップを含む。1つまたは複数の実施形態において、アーチファクト認識のためのステップは、データをその関連情報に帰着させるためにハイパスフィルタまたはローパスフィルタあるいは他のモデルの使用を含み得る。
【0034】
[例示的な実施形態]
以下、図面を参照する。本開示のシステムおよび方法の基本的なプロセスおよび構成要素の例示および説明を行うために、図1を参照すると、カテーテルシステム100の斜視図が示されている。理解および認識され得るように、図1に示された例示的なカテーテルシステム100は、本システムの1つの手法または実施形態を表しているに過ぎず、本システムの種々の実施形態にしたがって他の態様も使用される。いくつかの実施形態において、例示的なカテーテルシステム100は、カテーテルチューブ101と、バルーン103と、バルーンポート104と、カテーテルバルブ102と、膀胱充満度検出システム200とを含む。1つまたは複数の実施形態において、カテーテルチューブ101は、液体流のための特定のチャネルである種々の管腔(図示略)を含む。例えば、尿流専用の管腔と、バルーン103への生理食塩水流のための別個の管腔とが存在し得る。
【0035】
本明細書の説明から理解され得るように、システムは、任意の適切なカテーテル端部アクセサリを含み得る。カテーテル端部アクセサリは、従来カテーテルの端部に動作可能に配置される任意のデバイス、システム、および/または構成要素であり得る。少なくとも1つの実施形態において、カテーテル端部アクセサリは、ドレナージバッグ、カテーテルバルブ102、プラグ、または他のカテーテルドレナージアクセサリであり得る。
【0036】
種々の実施形態において、バルーン103は、生理食塩水溶液で充填および拡張することによって膀胱に係留する。いくつかの実施形態では、バルーン103を係留することにより、カテーテルチューブ101が身体から滑り出ることが防止される。特定の実施形態において、カテーテルチューブ101は、バルーン103を膨張させる前に膀胱内に挿入される。種々の実施形態では、管腔を介してバルーン103に接続するバルーンポート104を介してシリンジが流体を入力すると、バルーン103が膨張する。いくつかの実施形態において、膀胱内へのカテーテルチューブ101の挿入およびバルーン膨張に続いて、カテーテルチューブ101の別の管腔が、膀胱充満度検出システム200に接続する。1つまたは複数の実施形態において、管腔は、膀胱充満度検出システム200と接続するために、接合端111において外部視認可能なインタフェースを使用する。
【0037】
特定の実施形態において、接合端111は、膀胱充満度検出システム200上の物理的な隆起部である。1つまたは複数の実施形態において、接合端111は、止め部として作用し、設置または使用中に、膀胱充満度検出システム200がカテーテルチューブ101の内部にそれ以上入り込まないようにする。カテーテルチューブ101は、カテーテルチューブ101が接合端111に接触するまで2つの構成要素をともに摺動させることによって膀胱充満度検出システム200に接続することができる。特定の実施形態において、カテーテルチューブ101が膀胱充満度検出システム200に接続されると、カテーテルバルブ102が膀胱充満度検出システム200に接続する。
【0038】
いくつかの実施形態において、それらの構成要素は、最初に膀胱充満度検出システム200をカテーテルバルブ102に接続することによって接続される。この実施形態を続けると、膀胱充満度検出システム200は、カテーテルチューブ101が膀胱内に挿入され、カテーテルバルーン103を使用して固定されると、カテーテルチューブ101に取り付けられる。
【0039】
いくつかの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、膀胱の外側で動作する。種々の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、膀胱内で測定および動作するシステムとは別個である。
【0040】
特定の実施形態において、カテーテルバルブ102は、尿の排出を可能にするとともに尿の流出を停止させるために手動でまたは自動的に開閉される。1つまたは複数の実施形態において、カテーテルバルブ102が開状態にあるとき、カテーテルバルブ102は尿を排出する。いくつかの実施形態において、カテーテルバルブ102は、膀胱が空になったときに閉じて尿の流出を防止する。種々の実施形態において、カテーテルバルブ102は、測定デバイス606(図6参照)によって機械的に制御されることで、尿を自動的に排出したり、尿の流出を防止したりする。
【0041】
特定の実施形態において、カテーテルバルブ102が閉鎖されると、静水圧カラムが生成される。少なくとも1つの実施形態において、静水圧カラムは、カテーテルバルブ102、膀胱充満度検出システム200、カテーテルチューブ101、およびユーザの膀胱を通じて連続している。特定の実施形態において、静水圧カラムは、本明細書に記載される構成要素全体にわたっていかなる不連続性も有さない。1つまたは複数の実施形態において、カテーテルシステム100全体にわたる連続的な静水圧カラムは、測定点よりも上方の流体の高さなどのパラメータの検出または計算を促進する。種々の実施形態において、測定点よりも上方の流体の高さが既知であるとき、膀胱充満度検出システム200は、膀胱内の流体の高さを判定することができる。特定の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、静水圧を電子的に検出し、その上方の流体の高さを計算して膀胱の充満度レベルを決定する。種々の実施形態において、センサアレイは、カテーテルバルブ102が開放または閉鎖されるとき、他の関連パラメータ(例えば、尿流量、電解質濃度、細菌の存在、カテーテルバルブが開放されるのか閉鎖されるのかなど)を測定し得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、膀胱充満度検出システム200内および/またはシステムアーキテクチャ600上の関連パラメータを測定および分析する。1つまたは複数の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は使い捨てまたは再使用可能であってよく、あるいは再使用可能および使い捨ての組み合わせである構成要素を含んでもよい。
【0043】
次に図2を参照すると、膀胱充満度検出システム200の斜視図が示されている。1つまたは複数の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、後部中空要素202と、前部中空要素201と、測定構成要素ハウジング203とを含む。種々の実施形態において、後部中空要素202、前部中空要素201、および測定構成要素ハウジング203は、同様な材料から作製される。
【0044】
いくつかの実施形態では、後部中空要素202、前部中空要素201、および測定構成要素ハウジング203は、異なる材料から作製される。膀胱充満度検出システムは、ラテックス、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびポリカーボネートを含み得るが、それらに限定されない。特定の実施形態において、膀胱充満度検出システムの構成要素は、3D印刷、回転成形、射出成形、鋳造成形、熱成形、および/または任意の他の適切な製造プロセスを使用して製造される。種々の実施形態において、構成要素の任意の組み合わせは、1つの構成要素または複数の構成要素として製造される。少なくとも1つの実施形態において、後部中空要素202および前部中空要素201は、単一部品である(例えば、一体的に形成される)。
【0045】
いくつかの実施形態において、後部中空要素202は、カテーテルチューブ101の遠位端に挿入される(例えば、カテーテルチューブ101を受け入れる)。少なくとも1つの実施形態において、後部中空要素202およびカテーテルチューブ101は、実質的に同じ直径を有する。特定の実施形態では、後部中空要素202とカテーテルチューブ101との間で実質的に同じ直径を有することにより適切な封止が促進される。いくつかの実施形態において、後部中空要素202は、カテーテルチューブ101よりも大きい直径を有する。種々の実施形態において、後部中空要素202は、後部中空要素202とカテーテルチューブ101との間の封止を促進するために高摩擦材料で作られる。特定の実施形態によれば、後部中空要素202の表面は、(カテーテルチューブ101が後部中空要素202に動作可能に接続されているときに)後部中空要素202とカテーテルチューブ101との間の摩擦を促進するための1つまたは複数の隆起部、スパイン、または他の表面特徴を含む。
【0046】
1つまたは複数の実施形態において、後部中空要素202は、後部端222および後部開口部212を含む。少なくとも1つの実施形態において、後部開口部212は、カテーテル101からの尿の流入用の開口部として機能する。
【0047】
いくつかの実施形態において、前部中空要素201は、カテーテルバルブ102および/または特定のカテーテル取付システムに接続する。種々の実施形態において、前部中空要素201は、カテーテルバルブ102の遠位端の直径と同様な直径を有する。前部中空要素201とカテーテルバルブ102との間の機械的封止は、後部中空要素202とカテーテルチューブ101との間の機械的封止と実質的に同様であってよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、前部中空要素201とカテーテルバルブ102との間の機械的封止は、締め付け、接着、化学封止、摩擦ベースの封止、ねじ封止、および/または任意の他の適切な封止技術を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、前部中空要素201とカテーテルバルブ102は一体的に形成され得る。本明細書の説明から理解され得るように、前部中空要素201は、カテーテル端部アクセサリ(カテーテルバルブ102または他のアクセサリを含む)および/または後部要素202と一体的に形成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、後部中空要素202は、接合端111を含む。種々の実施形態において、接合端111は、カテーテルチューブ101の内径または外径に等しい後部中空要素202よりも大きい直径を有する。少なくとも1つの実施形態において、接合端111は、後部中空要素202が十分な量だけカテーテルチューブ101内に挿入されることを確実にするための止め部として機能する。特定の実施形態において、接合端111は、製造および組み立て中に種々の構成要素を接合するための表面積を提供する。前部中空要素201と後部中空要素202は、システム全体に亘って同様な排出速度を促進するべく、カテーテルチューブ101と同様な内径を有してもよい。
【0050】
1つまたは複数の実施形態において、前部中空要素201は、前部端221および前部開口部211を含む。前部中空要素201の前部開口部211は、カテーテルバルブ102を受け入れる。特定の実施形態において、前部端221は、前部中空要素201に挿入されたカテーテルバルブ102または同様のデバイスの外側に留まる。いくつかの実施形態において、後部端222は、後部中空要素202とカテーテルチューブ101とが接続されたときにカテーテルチューブ101の内側に留まる。
【0051】
1つまたは複数の実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、測定構成要素ハウジング203から突出し、前部中空要素201の側面上のポート501(図5参照)を介して接続する単一または複数のトランスデューサ(例えば、圧力、光、コンダクタンス)を含む。いくつかの実施形態において、測定構成要素ハウジング203はさらに、システムアーキテクチャ600の構成要素(図6参照)間で情報を中継するための送信機を含む。種々の実施形態において、測定構成要素ハウジングは、長さ231によって示されるように、前部開口部211から少なくとも約2.0cm、3.0cm、2.0~5.0cm、3.0~4.0cm、4.0~5.0cm、または約5.0cm未満に位置し得る。本明細書の説明から理解され得るように、長さ231は、前部開口部211から測定構成要素ハウジングおよび/またはポート501(図5に示す)の中央部分まで延在し得る。種々の実施形態において、長さ231は、挿入ポートを覆うことなくドレナージアクセサリの完全な挿入を可能にする。いくつかの実施形態において、測定構成要素ハウジング203は取り外し可能であり、新たな膀胱充満度検出システム200の構成要素とともに再使用可能である。また、測定構成要素203は、マイクロコントローラ、バッテリ、およびブルートゥース(登録商標)送信機、および/または他の無線送信機を含み得る。
【0052】
次に図3Aを参照すると、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システム200の第1側面図が示されている。少なくとも1つの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、小さな直径で始まり後部端222と接合端111との間のほぼ中間におけるその最大直径まで径が徐々に増加する後部中空要素202を含む。特定の実施形態において、第1の直径311Aは、少なくとも約2.0mm、2.0~5.0mm、2.0~3.0mm、3.0mm、3.0~4.0mm、4.0~5.0mm、または約5.0mm未満であり得る。いくつかの実施形態において、第2の直径312Aは、少なくとも約5.0mm、5.0~9.0mm、5.0~6.0mm、6.0mm、6.0~7.0mm、7.0~8.0mm、8.0~9.0mm、または約9.0mm未満であり得る。種々の実施形態において、第3の直径313Aは、少なくとも約8.0mm、8.0~13.0mm、8.0~9.0mm、9.0~10.0mm、10.0~11.0mm、11.0~12.0mm、12.0mm、12.0~13.0mm、または約13.0mm未満であり得る。1つまたは複数の実施形態において、第2の直径312Aは、第1の直径311Aと第3の直径313Aとの間のほぼ中間に位置する。いくつかの実施形態において、第2の直径312Aは、第1の直径311Aよりも大きいが、第3の直径313Aよりも小さい直径を有する。種々の実施形態において、後部中空要素202の後半部分は、第4の直径314Aを含む。特定の実施形態において、第4の直径314Aのサイズは、第3の直径313Aのサイズと実質的に同じである。1つまたは複数の実施形態において、後部中空要素202は、第1の直径311Aから第3の直径313Aまで直径が増加することで後部中空要素202とカテーテルチューブ101との間の封止を形成する。後部中空要素202は、カテーテルチューブ101とのより大きな封止を促進するために、外側にシリコーン層またはラテックス層を有してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、長さ316Aは、少なくとも約8.0cm、8.0~12.0cm、8.0~10.0cm、10.0cm、10.0~12.0cm、または約12.0cm未満である。1つまたは複数の実施形態では、長さ316Aは異なるものであるが、カテーテルバルブ102(または他のカテーテル端部アクセサリ)およびカテーテルチューブ101が取り付けられたときに測定デバイス606(図6参照)による測定を促進するのに実質的に十分であり得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、前部要素直径315Aは、少なくとも約10.0mm、10.0~11.0mm、10.0~10.5mm、10.5~11.0mm、または約11.0mm未満であり得る。種々の実施形態において、前部要素直径315Aは、標準的な尿道カテーテル端部アクセサリに適合する。前部中空要素201は、尿道カテーテル端部アクセサリとのより大きな封止を促進するために内部にシリコーン層またはラテックス層を有し得る。少なくとも1つの実施形態において、前部中空要素201は、尿道カテーテル端部アクセサリとの確実な嵌合を可能にするようにテーパが付けられた1つまたは複数の内径を有する。
【0055】
測定構成要素ハウジング203は、ハウジング縁部321Aおよびハウジング角部322Aを含み得る。1つまたは複数の実施形態において、ハウジング角部322Aおよびハウジング縁部321Aは、衣類またはアクセサリに引っ掛かることを防止するとともに刺激を防止するために丸みを帯びている。種々の実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、例えば、構成要素ハウジング本体と、ハウジング縁部321Aと、ハウジング角部322Aとの間に継ぎ目を伴うなど、複数の部品で製造される。いくつかの実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、1つの完全な部品として製造される。
【0056】
次に図3Bを参照すると、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システム200の第2側面図が示されている。特定の実施形態において、デバイスは、尿道カテーテルの露出部分に連結および嵌合する後部中空要素202を有する。種々の実施形態において、前部中空要素201は、後部中空要素202に接着され得るか、または取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、後部中空要素202と前部中空要素201は、弾性材料(例えば、ゴムまたはラテックス)と剛性材料(例えば、プラスチック)との組み合わせを使用して作製される。少なくとも1つの実施形態において、前部中空要素201、後部中空要素202、および接合端111は、単一部品として製造される(例えば、一体的に形成される)。1つまたは複数の実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、前部中空要素201に取り付けられている。
【0057】
特定の実施形態において、膀胱充満度測定システム200の後部中空要素202は、2つの部分を有する。いくつかの実施形態において、第1の中空要素半体301Bは、後部端222から後部中空要素接合部321Bまで直径が徐々に増加する。特定の実施形態において、後部中空要素接合部321Bは、第4の直径314A(図3A参照)と実質的に同じ直径を有する。いくつかの実施形態において、第1の中空要素半体301Bは、第2の中空要素半体302Bに付加されている。種々の実施形態において、第1の中空要素半体301Bは、第1の直径311Aから第3の直径313Aまで延在している。少なくとも1つの実施形態において、第3の直径313Aは、第2の中空要素半体302Bの第4の直径314Aに遷移する。1つまたは複数の実施形態において、第2の中空要素半体302Bは、第4の直径314Aに等しい一貫した直径を有する。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1の中空要素半体301Bの徐々に増加する傾斜は、後部中空要素202とカテーテルチューブ101との間の接続を容易にする。種々の実施形態において、後部中空要素202は、少なくとも約3.0cm、3.0~4.0cm、または約4.0cm未満の長さ312Bを有する。特定の実施形態では、長さ312Bが変わることで、異なるタイプのカテーテルとの嵌合を改善する。第1の直径311A、第2の直径312A、第3の直径313A、および第4の直径314Aは、選択されたカテーテルとの嵌合を改善するように変わり得る。
【0059】
接合端111は、カテーテルチューブ101内への膀胱充満度検出システム200の過剰挿入を防止するための止め部として機能し得る。接合端直径311Bは、少なくともカテーテルチューブ101の厚さにほぼ等しい量だけ、後部中空要素202の第4の直径314Aよりも大きくてよい。特定の実施形態において、接合端直径311Bは、カテーテルチューブ101の内径よりも大きいが、カテーテルチューブ101の外径よりも小さい。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1の中空要素半体301Bと第2の中空要素半体302Bとの間の接続は、後部中空要素接合部321Bとして規定される。特定の実施形態において、後部中空要素202は1つの構成要素として製造されるか、または複数の構成要素として製造された後に後部中空要素接合部321Bで接合される。いくつかの実施形態において、後部中空要素202は、1つの完全な構成要素として製造される。種々の実施形態において、後部中空要素接合部321Bの直径は、後部中空要素202の第4の直径314Aと実質的に同じである。少なくとも1つの実施形態において、後部中空要素接合部321Bは、第1の中空要素半体301Bから第2の中空要素半体302Bへの遷移領域を際立たせることを除いて、滑らかで目立たない。
【0061】
次に図4Aを参照すると、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システム200の上面図が示されている。種々の実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、内部の測定デバイス606(図6参照)を保護して装着者に快適性を提供する軟質の医療用材料からなる外側シェル401Aを有する。後部内径411Aは、第1の直径311Aと後部中空要素202の材料厚さとの間の差として規定される。いくつかの実施形態において、後部内径411Aは、少なくとも約2.0mm、2.0~8.0mm、2.0~4.0mm、4.0~6.0mm、6.0~8.0mm、または約8.0mm未満である。
【0062】
次に図4Bを参照すると、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システム200の底面図が示されている。少なくとも1つの実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、前部中空要素201に対して垂直に突出する接続チューブ402Bに取り付けられる。1つまたは複数の実施形態において、接続チューブ402Bは、流体カラムとの連続的な接続を容易にする。特定の実施形態において、測定デバイス606(図6参照)は、接続チューブ402B内に存在する圧力を測定する。いくつかの実施形態において、アンカー要素401Bは、前部中空要素201の前部内径412Bに適合する。種々の実施形態において、内径411Bは、後部中空要素202の第4の直径314Aと実質的に同じである。前部内径412Bは、前部中空要素直径315Aと前部中空要素201の材料厚さとの間の差であり得る。前部内径412Bは、カテーテルバルブの大部分または他のカテーテル端部アクセサリを収容するために、少なくとも約10.0mm、10.0~11.0mm、または約11.0mm未満であり得る。
【0063】
測定構成要素ハウジング203のための接続チューブ402Bは、少なくとも約0.5mm、0.5~5.0mm、0.5~2.5mm、2.5~5.0mm、または約5.0mm未満の直径を有し得る。種々の実施形態において、接続チューブ402Bの直径は、それが含むトランスデューサのサイズに匹敵する。少なくとも1つの実施形態において、接続チューブ402Bの直径は、測定構成要素ハウジング203を取り扱うユーザに対してアクセス性を向上させるように決定される。少なくとも1つの実施形態において、アンカー要素401Bは、少なくとも約5.0mm、5.0~6.0mm、または約6.0mm未満の直径を有し得る。種々の実施形態において、アンカー要素401Bの直径は、内径412Bを越えることなく、前部中空要素201への測定構成要素ハウジング203の固定を容易にするように選択される。
【0064】
次に図5を参照すると、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システム200の分解斜視図が示されている。種々の実施形態において、後部中空要素202は、流体が尿道カテーテルから流れることを可能にする後部開口部212を有する。いくつかの実施形態において、後部中空要素202は、尿道カテーテルの遠位中空端への容易な挿入を可能にする抜き勾配付き先端521を有する。後部中空要素202は、カテーテルチューブ101がそれ以上進むことを防止するために、基部に接合端111を有し得る。いくつかの実施形態において、接合端111およびその接合端直径311B(図3B参照)は、種々のカテーテルを収容するために種々の寸法を有する。特定の実施形態において、前部中空要素201は、接合端111において後側中空要素202と交わる。種々の実施形態において、前部中空要素201は、測定構成要素ハウジング203が固定されるポート501を有する。少なくとも1つの実施形態において、測定構成要素ハウジング203は、測定構成要素ハウジング203を前部中空要素201に固定された状態に維持するアンカー要素401Bを含む。いくつかの実施形態において、アンカー要素401Bは、前部中空要素201から取り外し可能である。一例において、流体は、後部中空要素202の後部開口部212を通ってデバイスに入り、前部中空要素201の前部開口部211を通って出る。特定の実施形態において、前部開口部211の端部は、標準的なカテーテル端部アクセサリに適合可能な内径412B(図4B参照)を有する。
【0065】
種々の実施形態において、前部要素内面522は、カテーテル端部アクセサリの容易な挿入を可能にするべく先細になっている。1つまたは複数の実施形態において、前部要素内面522は、前部開口部211から前部要素内側開口部513まで、または前部開口部211からポート501などの別の位置まで、直径が増加する。例えば、前部開口部211の直径は、前部要素内側開口部513の直径よりも小さい。いくつかの実施形態において、前部要素内面522は、前部開口部211から前部要素内側開口部513(またはポート501)まで直径が減少する。例えば、前部開口部211の内側部分の直径は、前部要素内側開口部513の内側部分の直径よりも大きい。少なくとも1つの実施形態において、前部要素内面522は一定の直径を有する。特定の実施形態において、前部要素外面532の直径は一定の直径を有する。種々の実施形態において、前部要素内面522には、一定の寸法および/またはテーパ寸法の組み合わせが採用される。1つまたは複数の実施形態において、前部要素外面532は前部要素内面522と実質的に同様であり、本明細書に記載される任意の寸法をとる。種々の実施形態において、前部要素外面532は、前部要素内面522と同様の寸法を有さない。上記の説明に関して、後部中空要素202とその副構成要素の全ては、前部中空要素201と同様な寸法および/または同様な構造特徴(例えば、テーパ状の内面および/または外面、一定の内面および/または外面、双方におけるテーパ状の面と一定の面との組み合わせ)を有し得ることが理解される。種々の実施形態において、後部要素外面531は、カテーテルチューブ101のより容易な挿入およびカテーテルチューブ101の種々の直径との適合性を可能にするために徐々にテーパ状になっている。特定の実施形態において、コア開口部512は、徐々に増加する内径から一定の内径までの遷移領域を表す。いくつかの実施形態において、テーパ状の内径は、使用中の静水圧測定に有意に影響を及ぼさない。種々の実施形態において、接合端開口部511は、内径411Aと同じ直径を有し得る。いくつかの実施形態において、後部中空要素を通じて内径は一定であってもよい。
【0066】
前部要素内側開口部513、前部要素内面522、および前部開口部211は、内径412Bと同じ直径を有してもよい。前部要素外面532は、前部中空要素直径315Aと同じ直径を有し得る。種々の実施形態において、接合端111は、前側中空要素201に付加されるか、または他の方法で接続される外面502を有する。特定の実施形態において、前部中空要素201は、接着剤、熱、化学溶接、および/または任意の適切な付加処理を使用して、接合端111の外面502に付加される。
【0067】
次に図6を参照すると、本開示の一実施形態による膀胱充満度検出システム200のシステムアーキテクチャ600が示されている。種々の実施形態において、システムアーキテクチャ600は、コンピューティング環境602、測定デバイス606、およびクライアントデバイス608を含み、これらはネットワーク604を介して互いに通信する。ネットワーク604は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、または他の適切なネットワーク、もしくは2つ以上のそのようなネットワークによる任意の組み合わせを含み得る。例えば、そのようなネットワークは、衛星ネットワーク、ケーブルネットワーク、イーサネット(登録商標)ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、NFCネットワーク、および他のタイプのネットワークを含み得る。
【0068】
種々の実施形態において、コンピューティング環境602は、例えば、サーバコンピュータまたはコンピューティング能力を提供する任意の他のシステムを含む。一実施形態において、コンピューティング環境602は、例えば、1つまたは複数のサーババンクまたはコンピュータバンク、もしくは他の構成に配置することが可能な2つ以上のコンピューティングデバイスを使用する。そのようなコンピューティングデバイスは、単一の設備内に配置されてもよく、または多くの異なる地理的位置に分散されてもよい。例えば、コンピューティング環境602は、ホストコンピューティングリソース、グリッドコンピューティングリソース、および/または任意の他の分散コンピューティング構成をともに含み得る1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。特定の実施形態において、コンピューティング環境602は、処理、ネットワーク、ストレージ、または他のコンピューティング関連リソースが割り当てられた容量が経時的に変化し得るエラスティックコンピューティングリソースに対応し得る。
【0069】
種々のアプリケーションおよび/または他の機能が、種々の実施形態によるコンピューティング環境602において実行され得る。いくつかの実施形態において、種々のデータが、コンピューティング環境602にアクセス可能なデータストア612に記憶される。データストア612は、理解され得るように複数のデータストア612のうちの1つ以上を表し得る。データストア612に記憶されたデータは、例えば、以下で説明する種々のアプリケーションおよび/または機能エンティティの動作に関連付けられ得る。
【0070】
コンピューティング環境602上で実行されるコンポーネントは、例えば、アプリケーションのリストとともに、本明細書でさらに詳細に説明する他のアプリケーション、サービス、処理、システム、エンジン、または機能を含む。いくつかの実施形態において、管理サービス614は、データ管理コンソール640およびデータ処理コンソール642を含む。少なくとも1つの実施形態において、データ管理コンソール640は、データストア612、測定デバイス606、クライアントデバイス608、および/または特定の機能のためのデータを要求する任意の他のデバイスに対してデータを配信する。種々の実施形態において、データ処理コンソール642は、本開示のシステムのためのデータ処理を管理する。
【0071】
本開示の一実施形態によれば、データ処理コンソール642は、コンピューティング環境602によって収集されたデータを処理する。特定の実施形態において、データ処理コンソール642は、改善された診断および治療監視を医療専門家に提供するべく、個人の膀胱動態および排出パターンに関連する記録データを受信する。例えば、データ処理コンソール642は、患者の膀胱排出パターンの統計分析レポートを作成して医療専門家に送信し得る。1つまたは複数の実施形態において、データ処理コンソール642は、データをその関連変数にフィルタリングすることで特定のアーチファクトを除去する。アーチファクトは、データにおける不一致として定義され得る。例えば、処理コンソール642は、データ内のノイズおよび他の様々なエラーを除去するために、ローパスフィルタおよび/またはハイパスフィルタを設定することができる。いくつかの実施形態において、データ処理コンソール642は、測定デバイス606によって収集されたデータに対して種々の平均法を実行する。例えば、データ処理システム642は、過去のまたは周期的な傾向を決定するために、膀胱圧データの移動平均を算出し得る。少なくとも1つの実施形態において、データ処理コンソール642は、機械学習法を実行してユーザの膀胱習慣の予測モデルを作成する。例えば、データ処理コンソール642は、機械学習技術を使用して個人がリハビリテーションセッション後にトイレを使用する可能性を決定する。
【0072】
コンピューティング環境602のデータストア612は、ユーザデータ632、健康データ634、デバイスデータ636、管理デバイスデータ635、および/またはシステムに関連する任意の他のデータストアを含み得る。いくつかの実施形態において、データストア612は、システムアーキテクチャ600のすべてのコンポーネントに対してローカルである。種々の実施形態において、データストア612はリモートで記憶され、ネットワーク604を介してアクセス可能である。1つまたは複数の実施形態において、データストア612は、ネットワーク604を介してリモートでアクセス可能である。
【0073】
種々の実施形態において、ユーザデータ632は、ユーザに関する全てのデータを含む。特定の実施形態において、ユーザデータ632は、名前、年齢、生年月日、介護者情報、緊急連絡先情報、自宅住所、電子メール、パスワード、および/またはユーザに対する任意の他の関連データを含む。少なくとも1つの実施形態において、ユーザデータ632は、関連するデータリストの見出しとして機能し、ユーザに関連するすべての情報はその特定のユーザデータ632を参照する。例えば、デバイスデータ636または特定のユーザは、ユーザのユーザデータ632に接続する。
【0074】
いくつかの実施形態において、健康データ634は、特定のユーザのすべての健康関連情報を含む。健康データ634は、膀胱閾値データ、病歴、医療データ、サイズ、体重、および医療提供者情報を含み得るが、これらに限定されない。種々の実施形態において、健康データ634は、個人の膀胱閾値に関連するデータを記憶する。いくつかの実施形態において、クライアントデバイス608は、ユーザまたはその対応する医療専門家に膀胱閾値データを要求し受信する。1つまたは複数の実施形態において、データ処理コンソール642は、個人の膀胱閾値データに対して膀胱充満度を測定する。
【0075】
少なくとも1つの実施形態において、デバイスデータ636は、測定デバイス606および/またはクライアントデバイス608上に送信され、収集され、生成され、または記憶されたすべてのデータを含む。デバイスデータ636は、システム健全性データ、システム診断、静水圧データ、および膀胱健全性データを含み得るが、それらに限定されない。
【0076】
いくつかの実施形態において、測定デバイス606は、膀胱充満度検出システム200から測定されたデータを記録および処理する。種々の実施形態において、測定デバイス606は、測定構成要素ハウジング203(図2参照)内に格納される。特定の実施形態において、測定デバイス606は、データストア616、測定モジュール618、データ分配モジュール620、およびトランスデューサ622を含む。種々の実施形態において、測定デバイス606は、無線または有線により充電可能である。代替的な実施形態において、測定デバイス606は使い捨てであり、有限の電池寿命を有する。
【0077】
いくつかの実施形態において、測定デバイス606のデータストア616は、処理および配信のための特定のデータを記憶および維持する。種々の実施形態において、データストア616とデータストア612は実質的に類似しており、同じ情報を共有する。いくつかの実施形態において、データストア612とデータストア616は、別個のデータを保持する。少なくとも1つの実施形態において、データストア612は、スクリプトデータ644および測定データ646を含むが、これらに限定されない。
【0078】
種々の実施形態において、スクリプトデータ644は、測定デバイス606に電力を供給して機能させるために使用される全てのプログラムを含む。特定の実施形態において、スクリプトデータ644は、計算スクリプト、データ取得スクリプト、データ送信スクリプト、電力シーケンススクリプト、および/または測定デバイス606の機能を維持するために使用される任意の他のコードを含む。
【0079】
特定の実施形態において、測定データ646は、測定デバイス606からの全ての測定データを含む。1つまたは複数の実施形態において、測定データは、静水圧データ、細菌データ、圧力対時間データ、および/または任意の他の測定可能なデータを含む。種々の実施形態において、データ配信モジュール620は、測定データ646にアクセスし、ネットワーク604を介してデータを共有する。例えば、データ配信モジュールは、膀胱圧データをコンピューティング環境602に送信する。
【0080】
測定モジュール618は、測定データを測定してデータストア616に送信することができる。特定の実施形態において、測定モジュール618は、測定スクリプトを使用して特定のトランスデューサ622を起動および制御する。例えば、測定モジュール618は、午後9時から午前7時までの膀胱充満度データを記録する特定の記録スクリプトを実行して睡眠中のユーザの膀胱を監視することができる。いくつかの実施形態において、測定モジュール618は、データ処理モジュール642と実質的に同様の動作を実行することができる。
【0081】
データ分配モジュール620は、システムアーキテクチャ600の構成要素間でデータ分配を実行することができる。特定の実施形態において、データ配信モジュール620は、測定デバイス606からコンピューティング環境602およびクライアントデバイス608にデータを転送することができる。種々の実施形態において、データ分配モジュール620は、データを特定の場所に内部的に転送することができる。例えば、データ分配モジュール620は、トランスデューサ622から測定モジュール618にデータを転送したり、測定モジュール618からデータストア616にデータを転送したりすることができる。
【0082】
1つまたは複数の実施形態において、トランスデューサ622は、物理的環境の変動を測定し、これらの変動に基づいて電気的に読み取り可能な出力データを生成する。トランスデューサは、圧力センサ、pHセンサ、細菌センサ、流量センサ、コンダクタンスセンサ、およびトランスミッタを含み得るが、これらに限定されない。例えば、圧力センサは、ユーザの膀胱内の液体の圧力を記録する(ただし、圧力センサは、少なくとも1つの実施形態においてユーザの膀胱の外側に位置する)。この例を続けると、圧力センサは、情報を記録してデータをデータストア616に記憶する。この例を続けると、データ配信モジュール620は、送信機を使用して、記録された情報をクライアントデバイス608および/またはコンピューティング環境602に通信および転送する。
【0083】
特定の実施形態において、コンピューティング環境602の処理および機能は、クライアントデバイス608および/または測定デバイス606によって同様に実行される。クライアントデバイス608および/または測定デバイス606にも、コンピューティング環境602の繰り返される副構成要素が存在し得る。例えば、データ処理コンソール642またはデータストア612が測定デバイス606上に存在することで、データのフィルタリング、データの平滑化、膀胱充満度の決定、または膀胱充満度をユーザの充満度閾値とどのように比較するかの判定などの動作を実行することができる。別の例では、データ処理コンソール642がクライアントデバイス608上に存在してもよく、本明細書で説明されるものと同様の動作を実行してもよい。1つまたは複数の実施形態において、データ管理コンソール640は、データ処理コンソール642によって実行される動作を容易にするために、データ処理コンソール642が存在する任意の場所に存在し得る。少なくとも1つの実施形態において、データ管理コンソール640は、測定デバイス606上、クライアントデバイス608上、および/または遠隔地などに単独で他の場所に存在し得る。特定の実施形態において、データ管理コンソール640は、データを管理し、データストア612およびデータストア616とインタフェースし得る。1つまたは複数の実施形態において、データ管理コンソール640は、データストア612とデータストア616との間のデータの転送に関与する。
【0084】
データストア612とデータストア616は部分的に重複してもよいし、完全に重複してもよいし、または相互排他的であってもよい。種々の実施形態において、データストア612内、データストア616内、クラウド内、および/または何らかの他のリモートもしくはローカルストレージ内に記憶されたデータは、管理サービス614またはデータ配信モジュール620から送信された要求によってアクセス、変更、転送、または削除され得る。1つまたは複数の実施形態において、データは、データストア616に記憶される前、データストア612に記憶される前、データ処理コンソール642によって処理される前、データ分配モジュール620を介して送信される前、または破棄される前に、測定モジュール618内に一時的に存在し得る。
【0085】
クライアントデバイス608は、コンピューティング環境602または測定デバイス606からネットワーク604を介して通信を受信することができる。いくつかの実施形態において、クライアントデバイス608は、通知を表示したり、ユーザ選好を変更したり、膀胱充満度検出システム200から関連情報を読み出したりするために使用される任意のモバイルコンピューティングデバイスを含む。種々の実施形態において、クライアントデバイス608は、スマートウォッチ、携帯電話、ラップトップ、または任意のモバイルコンピューティングシステムである。1つまたは複数の実施形態において、クライアントデバイス608は、スクリーン、入力システム、データ配信、および/またはモバイルコンピューティングシステムの任意の標準機能を制御する。特定の実施形態において、クライアントデバイス608は、コンピューティング環境602および/または測定デバイス606から通知を受信する。例えば、測定デバイス606は、ユーザの膀胱を空にする時間であるという通知をクライアントデバイス608に送信する。この例を続けると、通知はクライアントデバイス608上に表示される。特定の実施形態において、クライアントデバイス608は、コンピューティング環境602と同様の機能を実行する。種々の実施形態において、クライアントデバイス608は、コンピューティング環境602および/または測定デバイス606に情報を送信することができる。例えば、クライアントデバイス608は、個人情報を更新し、このデータをコンピューティング環境602に送信することができる。
【0086】
理解され得るように、システムは、上記説明した(および本明細書の他の箇所で説明した)機能を任意の位置または2箇所以上の位置で実行し得る。例えば、システムは、コンピューティング環境602、測定デバイス606、またはクライアントデバイス608において、全てのデータまたは一部のデータのみを処理するように構成され得る。
【0087】
次に図7Aおよび図7Bを参照すると、本開示の一実施形態による、膀胱内に挿入された膀胱充満度検出システム200の解剖学的図が示されている。いくつかの実施形態において、小さい膀胱703Aは空および/または実質的に空である。特定の実施形態において、大きい膀胱703Bは満杯および/または実質的に満杯である。種々の実施形態において、測定デバイス606は、静水圧原理を用いて圧力を計算する。1つまたは複数の実施形態において、静水圧原理は、静水圧システムについてカラムの密度、重力、および高さを乗算することによって所与の点における圧力を計算するための方法として定義される。いくつかの実施形態において、膀胱は充満されるとある程度の弾性を伴って拡張し、尿の垂直流体レベルが増加する。少なくとも1つの実施形態において、個人の膀胱がカテーテルの端部の上方に位置する場合、増加した流体レベルは、測定デバイス606によって感知される静水圧の増加を発生させる。種々の実施形態において、測定デバイス606は、膀胱充満をアーチファクトから分離するためのデータ処理ステップを含む。特定の実施形態において、アーチファクトは、膀胱痙攣や、腹腔内圧または直腸圧などの他の身体区画の圧力変化を含むが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態において、測定デバイス606は、特定のアーチファクトによって引き起こされる調整に基づいて、膀胱の実際の「充満度」を近似する。
【0088】
特定の実施形態において、小さい膀胱703Aは空またはほぼ空であり、膀胱充満度測定のためのベースライン状態として機能する。少なくとも1つの実施形態において、大きい膀胱703Bは、満杯であるかまたは医療専門家によって定められる排尿する準備ができている状態であり、閾値比較のためのベースライン状態として機能する。1つまたは複数の実施形態において、小さい膀胱703Aおよび大きい膀胱703Bは、同じ膀胱であるが、異なる充満状態にある。いくつかの実施形態において、カテーテルアイレットがカテーテルバルーン103の上方に位置しているため、小さい膀胱703Aはほぼ空である。種々の実施形態において、カテーテルバルーン103の上方にカテーテルアイレットを有することにより、膀胱が空になったときに尿が蓄積して残留し得る小さなポケットが形成される。膀胱が充満するにつれて、尿が蓄積してカテーテルチューブ101を充填し始め得る。少なくとも1つの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、測定された全圧カラム高さから既知のカテーテルチューブ101長さを減算することによって、初期尿高さ702Aを測定し得る。種々の実施形態において、より多くの尿が生成されるにつれて、小さい膀胱703Aが拡張する。膀胱充満度検出システムは、静水圧カラム高さを継続して測定し得る。1つまたは複数の実施形態において、測定された膀胱充満度は、より大きい膀胱703B内のより大きい尿高さ702Bとなり、膀胱が充満度閾値701Bに到達したことを示し得る。測定デバイス606および/またはコンピューティング環境602は、充満度閾値701Bが満たされると、ユーザの膀胱を空にするように述べることをクライアントデバイス608に通知し得る。特定の実施形態において、測定デバイス608は、充満度閾値701Bの到達した割合に基づいて通知を送信することができる。例えば、測定デバイス606および/またはコンピューティング環境602は、ユーザの膀胱が充満度閾値701Bの75%を満たしたことをクライアントデバイスに通知することができる。いくつかの実施形態において、図13に示されるように、常に割合がクライアントデバイス608によって表示され得る。
【0089】
次に図8を参照すると、本開示の一実施形態による方法800のフローチャートが示されている。特定の実施形態において、ステップ802~806を参照すると、膀胱管理者(例えば、ユーザ、介護者、医療チーム、またはそれらの人の組み合わせ)は方法800を開始する。特定の実施形態において、ステップ802において、膀胱管理者は、尿道カテーテルをユーザに導入してそのカテーテルを定位置に固定する。種々の実施形態において、ステップ804,806において、膀胱管理者は、膀胱充満度検出システム200をカテーテルチューブ101の遠位端に接続し、カテーテルバルブ102を膀胱充満度検出システム200の前部中空要素201に接続する。1つまたは複数の実施形態において、ステップ808,810において、膀胱充満度検出システム200は、膀胱充満度情報を収集および送信してその信号を閾値と比較する。特定の実施形態において、信号が閾値未満である場合、方法800はステップ808に戻る。一実施形態において、ステップ816,818において、信号が閾値を上回る場合、測定デバイス606は、ユーザの膀胱を空にするためのアラートをクライアントデバイス608に送信する。いくつかの実施形態において、ステップ820,822において、測定デバイス606またはユーザは、カテーテルバルブ102をそれぞれ電子的にまたは手動で開放することができる。ステップ822において、ユーザが膀胱を空にしてバルブを閉鎖すると、方法800はステップ808に戻り得る。
【0090】
少なくとも1つの実施形態において、ステップ802におけるカテーテルの導入中、膀胱管理者は、尿道または恥骨上カテーテルのためのそれぞれ尿道口またはストーマを介してカテーテルを挿入する。種々の実施形態において、カテーテルが挿入されると、カテーテルバルーン103が生理食塩水を使用して膨張させられることにより、そのカテーテルが定位置に係留する。カテーテルがカテーテルバルーン103によって適所に固定されると、方法800はステップ804に進み得る。
【0091】
特定の実施形態において、ステップ804は、膀胱充満度検出システム200を接合端111までカテーテルチューブ101に接続することで始まる。
ステップ806においては、カテーテルアクセサリ(例えば、カテーテルバルブ)が膀胱充満度検出システム200の第1の中空要素201に接続する。いくつかの実施形態において、カテーテルバルブ102は定位置に固定される。
【0092】
種々の実施形態において、ステップ808では、測定デバイス606は生信号データを収集する。1つまたは複数の実施形態において、次いで、信号は、「膀胱充満度」のメトリックを判定するために、アーチファクトをフィルタリングするためのアルゴリズムを通過し得る。特定の実施形態において、測定デバイス606は、将来の膀胱充満度情報を予測する機能も含む。
【0093】
ステップ810において、測定デバイス606および/またはコンピューティング環境602は、本開示の一実施形態にしたがって、膀胱充満度の測定値を所望の充満度閾値と比較する。種々の実施形態において、膀胱充満度閾値は、全てのユーザに対して予めプログラムされるか、または膀胱管理者によって特定のユーザに対してカスタマイズされるかのいずれかである。
【0094】
少なくとも1つの実施形態において、測定された膀胱充満度が閾値未満である場合、方法はステップ808に戻る。特定の実施形態において、膀胱充満度が閾値以上であるとき、方法はステップ816に進む。
【0095】
ステップ816において、測定デバイス606は、ユーザに通知するためのアラートをクライアントデバイス608に送信する。種々の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、発光ダイオードまたは聴覚アラームを介してユーザにアラートを送出する。
【0096】
ステップ818において、膀胱管理者は、本開示のいくつかの実施形態にしたがって、測定デバイス606から通知を受け取る。これらの通知は、ステップ818におけるアラートが認識されずに膀胱充満度が充満度閾値を上回ったままである場合には繰り返され得る。
【0097】
ステップ820において、膀胱管理者は、尿処理のための適切な容器を入手し、本開示の一実施形態にしたがって、尿流出を可能にするとともにユーザの膀胱を空にするためにカテーテルバルブ102を開く。次いで、膀胱管理者は、膀胱が十分に空になったときを決定し得る。
【0098】
ステップ822において、膀胱管理者は、さらなる尿流出を防止してユーザが他の活動を行うことを可能にするべくカテーテルバルブを閉鎖し得る。いくつかの実施形態において、方法800はステップ822からステップ808に進む。
【0099】
次に図9を参照すると、本開示の一実施形態による方法900のフローチャートが示されている。特定の実施形態において、方法900は、膀胱充満度検出システム200の測定デバイス606の機能に関する。
【0100】
本開示の一実施形態によれば、ステップ902において、測定デバイス606が起動される。種々の実施形態において、測定デバイス606を開始することは、デバイスをオンにすること、およびデバイスをクライアントデバイス608とペアリングすることを含む。いくつかの実施形態において、測定デバイス606が起動されると、デバイスは、電力の喪失および他の事象によってのみオフになる。
【0101】
ステップ904において、測定デバイス606は、本開示の一実施形態にしたがって、関連データの測定を開始する。いくつかの実施形態において、測定デバイス606は、静水圧などのパラメータを測定してそのデータにフィルタリングまたは平滑化アルゴリズムを適用する。1つまたは複数の実施形態において、測定デバイス606は、変換アルゴリズムを使用することで、フィルタリングされた信号または生信号から充満度を決定する。
【0102】
ステップ906において、測定デバイス606は、本開示の一実施形態にしたがって、充満度閾値が満たされたかどうかを判定する。種々の実施形態において、測定デバイス606は、充満度データを膀胱充満度閾値と比較する。少なくとも1つの実施形態において、充満度閾値が満たされない場合、デバイスはステップ904に戻る。いくつかの実施形態において、充満度閾値が満たされている場合、デバイスはステップ908に入る。
【0103】
ステップ908において、測定デバイス606は、クライアントデバイス608に通知を送信する。少なくとも1つの実施形態において、この通知は、ネットワーク604を介してクライアントデバイス608に送信される。デバイスは、この通知を送信した後、通知を頻繁に送信し過ぎることを防止するために、設定期間の間に亘って待機し得る。特定の実施形態において、方法900はステップ904に戻る。
【0104】
次に図10を参照すると、本開示の一実施形態による測定デバイス606ペアリング環境が示されている。少なくとも1つの実施形態において、クライアントデバイス608は、ネットワーク604を介して膀胱充満度検出システム200に接続するソフトウェアを含む。このソフトウェアは、膀胱充満度検出システム200上のボタン、具体的には、デバイスにブルートゥース(登録商標)ネットワークを介した接続を行わせ得るペアリングボタンの図を含み得る。1つまたは複数の実施形態において、ユーザインタフェースは、ペアリングボタンおよび電源ボタンを有する膀胱充満度検出システム200を示す。いくつかの実施形態において、ユーザは、ペアリングボタンを押して、膀胱充満度検出システム200をクライアントデバイス608に接続する。
【0105】
次に図11を参照すると、本開示の一実施形態による、クライアントデバイス608を介して通知を選択または設定するための考えられるセットアップ画面が示されている。いくつかの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、ユーザの膀胱の充満度に関する通知および/またはデータをクライアントデバイス608に送信する。少なくとも1つの実施形態において、これらの通知は、クライアントデバイス608にインストールされたソフトウェアを使用して、ネットワーク604を介して送信される。種々の実施形態において、通知は、予測された膀胱排尿時間の約5~60分前の範囲内のいずれかで送信される。特定の実施形態において、ユーザは、どれだけ早く最初の通知を受信するかを選択する。少なくとも1つの実施形態では、完全な膀胱充満が検出されたときに通知が送信される。
【0106】
次に図12を参照すると、本開示の一実施形態によるフォローアップ通知設定が示されている。少なくとも1つの実施形態において、ユーザは、自身の膀胱充満度に関する通知の頻度を選択する。デバイスは、ユーザが膀胱を排尿すると、ユーザへの通知の送信を停止し得る。また、特定の実施形態において、デバイスは、ユーザの膀胱が医療専門家によって示される安全レベルを超えて充填される場合には、通知頻度を増加させる。種々の実施形態において、ユーザは、膀胱を空にするまで、初期通知に続いて約1~30分毎に追加の通知を受け取ることを選択し得る。例えば、ユーザは、最初の通知後に膀胱が排尿されていない場合におけるフォローアップ通知のために5分の時間間隔を規定する。この例を続けると、クライアントデバイス608が初期通知を受信し、膀胱が排尿されていない後、測定デバイス606および/またはコンピューティング環境602は、5分毎にフォローアップ通知をクライアントデバイス608に送信する。この例を続けると、測定デバイス606および/またはコンピューティング環境602は、膀胱が排尿されると通知の送信を停止する。
【0107】
次に図13を参照すると、本開示の一実施形態による例示的なダッシュボードが示されている。いくつかの実施形態において、クライアントデバイス608は、膀胱充満度検出システム200によって検出された大凡の膀胱充満度を表示する。特定の実施形態において、クライアントデバイス608は、コンピューティング環境602内のデータ処理コンソール642によって決定された次の大凡の排尿時間を表示する。少なくとも1つの実施形態において、ユーザインタフェースは、ユーザが通知タイミングおよび頻度を変更することを可能にする要素を含む。少なくとも1つの実施形態において、この画面はさらに、ユーザが過去の排尿時間および排尿量のリストにアクセスすることを可能にする要素を含んでもよい。
【0108】
次に図14を参照すると、本開示の一実施形態による、クライアントデバイス608に送信される通知が示されている。特定の実施形態において、通知は、次の予測される排尿事象がいつ起こるかについての情報を含む。少なくとも1つの実施形態において、通知は、通知が膀胱充満度に関する警告であることを示す情報を含む。
【0109】
[さらなる例示的な特徴]
特定の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、溢流性尿失禁の影響を管理する。いくつかの実施形態において、典型的な尿失禁調節システムは、患者の尿路に挿入される尿道カテーテルを含む。尿道カテーテルのインサートは、一端で膀胱に到達し、他端でドレナージデバイスに接続し得る。種々の実施形態において、尿失禁調節システムは、カテーテルとドレナージデバイスとの間にインラインで膀胱充満度検出システム200に接続される。ここで、ドレナージデバイスは、カテーテルバルブである。
【0110】
少なくとも1つの実施形態において、膀胱充満度検出システム200からのフィードバックは、最大膀胱容積アラートを患者または介護者に周期的に送信する。代替実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、最大膀胱容積アラートをユーザおよび/または介護者に送信せず、代わりに、膀胱充満度検出システム200の信号により、接続された尿道カテーテルバルブ102を排出のために開放するように構成される。
【0111】
いくつかの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、個人、医療、または研究目的のための診断または監視能力において機能する。種々の実施形態において、膀胱充満度検出システム200が診断ツールとして機能するとき、膀胱充満度検出システム200は、生信号または閾値発生を患者または他のファシリテータに送信するが、信号は、溢流性尿失禁症状の緩和のために明示的に使用されない。これらのデータは、尿流動態研究(例えば、尿力学、歩行運動学、排尿日誌)にとって価値があり得る。
【0112】
特定の実施形態において、ジャイロスコープまたは慣性測定ユニットを膀胱充満度検出システム200に追加することで、身体に対するカテーテルの角度または位置を測定して測定圧力の変化を考慮するなど、より広いデータ収集を可能とすることができる。特定の実施形態において、測定された圧力変化は、場合によっては、起立と着座との間の姿勢変化によるものである。膀胱充満度検出システム200は、カテーテルバルブ102または他のカテーテル端部アクセサリに取って代わるように、内部バルブと一体化されてもよい。いくつかの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、従来のカテーテルに取って代わるように、カテーテルと統合される。
【0113】
いくつかの実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、それが単一デバイスとなってそのデバイスが再使用可能または使い捨てとされ得るように、カテーテルシステムおよびカテーテルバルブ102と統合される。
【0114】
特定の実施形態において、膀胱充満度検出システム200は、膀胱が潜在的に破壊的な高圧に達することを防止するための安全バルブ、またはシステム故障の場合にユーザに通知するためのインジケータ(例えば、アラームまたは光)を含んでもよい。
【0115】
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
尿道カテーテルシステムであって、
カテーテルを受け入れるための後部要素であって、第1の直径を有する後部開口部と、第2の直径を有する接合端開口部と、中空内部内のコア開口部であって前記第2の直径を有するコア開口部とを画定するとともに、
前記後部開口部から前記接合端開口部まで延在する前記中空内部と、
外面と、
前記接合端開口部に近接した前記外面から延在する接合端と、
を有する前記後部要素と、
前部開口部と内側開口部とを画定するとともに、前記内側開口部に近接した前記後部要素と連結される前部要素であって、
前記前部開口部と前記内側開口部との間の前部中空内部と
前記前部開口部と前記内側開口部との間におけるポートであって前記前部開口部から少なくとも2センチメートルの位置にあり測定ハウジング構成要素を受け入れるためのポートと、
前記内側開口部と前記ポートとの間の一定の直径と、
を有する前記前部要素と、
前記前部要素に動作可能に接続された前記測定ハウジング構成要素であって、
前記前部中空内部内の静水圧データを測定するための1つまたは複数のトランスデューサと、
膀胱充満レベルを計算するためのコンピューティングシステムに前記静水圧データを送信するための少なくとも1つの送信機と、
を有する前記測定ハウジング構成要素と、
を備える尿道カテーテルシステム。
(付記2)
前記接合端は接合端外面を有し、
前記接合端外面における前記接合端の直径は、前記前部中空内部の前記一定の直径よりも大きい、付記1に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記3)
前記測定ハウジング構成要素は、前記ポートを介して前記前部要素の外壁を通じて前記前部中空内部まで延在している、付記2に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記4)
前記1つまたは複数のトランスデューサは、前記前部中空内部内の尿の静水圧を測定する、付記3に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記5)
前記膀胱充満レベルは、前記静水圧データを閾値と比較することによって計算される、付記4に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記6)
前記膀胱充満レベルは、フィルタリングされた静水圧データに基づいて計算される、付記4に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記7)
前記コンピューティングシステムは、前記膀胱充満レベルが特定の閾値に達したと判定したとき、ユーザデバイスにアラートを送信するように構成されている、付記4に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記8)
前記前部中空内部の前記一定の直径は、前記接合端開口部の前記第2の直径以上である、付記1に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記9)
前記第2の直径は前記第1の直径よりも大きい、付記8に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記10)
前記第2の直径は前記第1の直径に等しく、
前記後部要素の外径は、前記後部開口部に向かって先細りのテーパ状である、付記8に記載の尿道カテーテルシステム。
(付記11)
方法であって、
1つまたは複数のプロセッサにおいて、カテーテル取付構成要素の外壁を通るポートを介して、1つまたは複数のトランスデューサから導出された尿道カテーテルシステム内の尿の量に関連付けられた静水圧データを受信すること、
前記静水圧データに基づいて膀胱充満レベルを計算すること、
前記膀胱充満レベルを所定の閾値と比較すること、
前記膀胱充満レベルが前記所定の閾値を超えると判定したとき、ユーザデバイスにアラートを送信すること、
を備える方法。
(付記12)
前記所定の閾値はユーザに固有である、付記11に記載の方法。
(付記13)
前記膀胱充満レベルを計算することは、前記静水圧データをフィルタリングすることを含む、付記11に記載の方法。
(付記14)
前記静水圧データは静水圧パラメータを含み、
前記膀胱充満レベルを計算することは、前記静水圧パラメータを複数の膀胱充満レベルに関連付けられた履歴静水圧データと比較することを含む、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記1つまたは複数のトランスデューサは、前記ポートを介して前記カテーテル取付構成要素に動作可能に接続された測定ハウジング構成要素内に収容されている、付記13に記載の方法。
(付記16)
前記カテーテル取付構成要素は後部要素と前部要素とを備え、
前記前部要素が前記ポートを含み、
前記測定ハウジング構成要素は、前記ポートを介して前記前部要素に動作可能に接続されている、付記15に記載の方法。
(付記17)
前記後部要素と前記前部要素とは一体的に形成されている、付記16に記載の方法。
(付記18)
前記後部要素は少なくとも2つの異なる内径を有する、付記17に記載の方法。
(付記19)
前記後部要素は、尿道カテーテルへの少なくとも部分的な挿入のために構成されている、付記18に記載の方法。
(付記20)
前記前部要素は、カテーテル端部アクセサリへの動作可能な接続のために構成されている、付記19に記載の方法。
[結論]
実施形態は、他の当業者が種々の実施形態を、企図される特定の使用に適した種々の修正とともに利用することを可能にするように、特許請求の範囲におけるシステムおよび方法の原理ならびにそれらの実際の適用を説明するために選択および説明されている。システムおよび方法が関係する当業者にはそれらの思想および範囲から逸脱することなく代替的な実施形態も存在することが明らかである。したがって、特許請求の範囲における発明の範囲は、上記した説明および本明細書に記載される例示的な実施形態ではなく特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14