(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】ミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置
(51)【国際特許分類】
B23C 9/00 20060101AFI20250331BHJP
【FI】
B23C9/00 Z
(21)【出願番号】P 2024208472
(22)【出願日】2024-11-29
【審査請求日】2024-12-05
(31)【優先権主張番号】2024111610902
(32)【優先日】2024-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524207493
【氏名又は名称】シャンハイ・トップ・ニューメリカル・コントロール・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ユハン
(72)【発明者】
【氏名】姚彬
(72)【発明者】
【氏名】鐘磊
(72)【発明者】
【氏名】胡曄暉
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-349549(JP,A)
【文献】特開2008-284677(JP,A)
【文献】特表2022-542688(JP,A)
【文献】特開2019-025553(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104440158(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定フレーム(1)、筐体(2)、方向変換機構(3)、浮上式支持機構(4)、及びスプリング(5)を備えるミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記ミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置が、
前記固定フレーム(1)の一端に設けられる前記筐体(2)と、
前記筐体(2)の一端に設けられる前記方向変換機構(3)と前記浮上式支持機構(4)と、
前記浮上式支持機構(4)と接続されて、前記浮上式支持機構(4)が円周方向に揺動するために使用される前記方向変換機構(3)と、
筐体(2)内に設けられて、固定フレーム(1)と浮上式支持機構(4)と接続する複数のスプリング(5)と、
前記筐体(2)に設置される揺動スリーブ(7)と、
シリコンカバー(6)と、を備え
、
前記揺動スリーブ(7)の一端は、前記固定フレーム(1)と接続され、他端は前記方向変換機構(3)と接続され、
前記シリコンカバー(6)の一端は前記筐体(2)に取り付けられ、他端は浮上式支持機構(4)に取り付けられ、
前記浮上式支持機構(4)は、軸方向に伸縮可能であり、加工されるワークピースを支持し、
前記浮上式支持機構(4)はパッド(401)と摺動部材とを含み、
前記パッド(401)は、少なくとも一部分が前記シリコンカバー(6)内に取り付けられ、前記シリコンカバー(6)の他端は前記パッド(401)に接続されており、前記パッド(401)は前記摺動部材の外側にスリーブジョイントのように付けられ、
前記パッド(401)には空気孔が設けられ、
前記空気孔は前記摺動部材の内部と連通して、前記摺動部材の内部へ圧縮空気を提供するために用いられることを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【請求項2】
請求項
1に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
変位センサ
ーを備え、
前記変位センサーは前記揺動スリーブ(7)の外壁に取り付けられる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【請求項3】
請求項
1に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記浮上式支持機構(4)は上部支持端カバー(402)と第一押さえカバー(403)とをさらに備え、
前記上部支持端カバー(402)は、
前記摺動部材の一端に設けられて、
前記摺動部材の周囲に第一押さえカバー(403)が設けられ、第一押さえカバー(403)がパッド(401)に接続される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【請求項4】
請求項
1に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記方向変換機構(3)は、軸受ベース(301)、軸受内輪(302)、保持器(303)及び鋼球(304)を含み、
前記軸受ベース(301)と前記揺動スリーブ(7)は
前記摺動部材の周囲に固定接続されて、軸受ベース(301)内に取り付けられる保持器(303)の中に、複数の鋼球(304)は設置されて、軸受ベース(301)はパッド(401)に向かう面は、パッド(401)と接続される軸受内輪(302)が取り付けられて、軸受内輪(302)は複数の鋼球(304)と接触して、
前記スプリングの一端は軸受内輪(302)と接続され、他端は固定フレーム(1)と接続される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【請求項5】
請求項
4に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記軸受内輪(302)は鋼球(304)側には、鋼球(304)と接触して傾斜した案内面が設置される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【請求項6】
請求項
1に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
第一通穴段差が揺動スリーブ(7)の一端に設けられ、第二通穴段差が固定フレーム(1)に設けられ、
前記第一通穴段差は
前記第二通穴段差とぴったりと重ね合わ
さる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部品加工の技術分野に関し、特にミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空用の大型薄肉部品のフライス加工は、航空機機体製造における重要な技術の一つであり、常に製造エンジニアを悩ませる困難な問題でした。航空機の外板は典型的な航空薄肉部品であり、航空機の重要な部分であり、航空機の外装部品である。航空機外板の応力条件は複雑で、使用環境も複雑かつ過酷であるため、航空機外板の加工要件は非常に困難である。航空機外板の伝統的な化学研磨方法は多くの工程があり、汚染が高く、精度が低い。近年登場した新しいグリーン加工法であるミラー式ミーリングは、航空機外板を吊り下げてクランプし、同期して移動する加工軸と支持軸を両側に設置し、ミーリング、エッジカッティング、穴あけを一体化した加工法である。加工効率を効果的に向上させることができ、今後の航空機外板加工の発展トレンドである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】先行技術文献CN218855718U 先行技術文献CN218855718Uは、ミラー式ミーリング装置の支持端を開示しており、支持端は、ミラー式ミーリング装置の支持ロッドの前端に接続され、加工されるワークピースを支持するために使用される。前記の支持端本体は、平坦な端カバーという構造である。平坦な端カバーの後端にはミラー式ミーリング装置との接続端があり、平坦な端カバーの前側端部の中心は円形の沈下式プラットフォームがある。沈下式プラットフォームの中心には平坦な端カバー全体を貫通する中心水出口があり、この水出口の他端はミラー式ミーリング装置の給水パイプに接続される。平坦な端カバーの前側の沈下式プラットフォームの周りには複数の沈下式凹溝があり、渦電流センサーを取り付けるために使用される。平坦な端カバーの前側の沈下式プラットフォームの中に平面ゴムパッドが固定され、平面ゴムパッド同士との間には隙間水タンクが設置され、隙間水タンクは水出口と接続される。
【0004】
しかしながら、一般的に、航空機外板についてミラー式ミーリング装置のユーザーは、航空機外板厚さの加工誤差が±0.1mm以内であることを要求される。この従来技術では支持端が浮けなくて、支持端の上端が法線ではない方向に支持する問題が生じ、航空機外板ミーリングの特徴である加工厚み誤差を±0.1mm以内に抑えにくい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の技術的問題を解決するミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置を提供することである。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が採用した技術的解決策は以下のとおりである。
【0007】
ミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置は、固定フレーム、筐体、方向変換機構、浮上式支持機構、およびスプリングを備えており、固定フレームは一端に筐体が取り付けられ、筐体は一端に方向変換機構と浮上式支持機構が取り付けられる。浮上式支持機構は方向変換機構に接続されており、方向変換機構は浮上式支持機構を円周方向に揺動させるために用いられる。筐体内に複数のスプリングが設けられ、そのスプリングが固定フレームと浮上式支持機構を連結する。
【0008】
好ましくは、揺動スリーブが含まれる。前記揺動スリーブは筐体内に設置され、揺動スリーブの一端は固定フレームに接続され、他端は方向変換機構に接続され。
【0009】
さらに好ましくは、変位センサーも備えており、変位センサーは揺動スリーブの外壁に設けられている。
【0010】
さらに好ましくは、シリコンカバーも含まれる。シリコンカバーの一端は筐体に取り付けられ、他端は浮動支持機構に接続される。
【0011】
さらに好ましくは、浮動支持機構は、パッドと摺動部材が含まれる。パッドはシリコンカバー内に取り付けられ、シリコンカバーの他端は前記パッドと接続され、パッドは摺動部材の外側に、スリーブジョイントのように取り付けられる。
【0012】
さらに好ましくは、浮上式支持機構は、上部支持端カバーおよび第一押さえカバーを含み、上部支持端カバーは、摺動部材の一端に設けられ、第一押さえカバーは、摺動部材の周囲に設けられる。第一押さえカバーは、前記パッドに接続される。
【0013】
さらに好ましくは、方向変換機構は、軸受ベース、軸受内輪、保持器、および鋼球を含み、軸受ベースは、摺動部材の周囲に、揺動スリーブと固定的に接続され、内部には保持器があり、保持器内には複数の鋼球が設けられ、軸受ベースのパッド側に軸受内輪が設けられ、軸受内輪はパッドに接続されている。軸受内輪は複数の鋼球と接触し、複数のスプリングの一端は軸受内輪に接続され、スプリングの他端は固定フレームに接続される。
【0014】
さらに好ましくは、軸受内輪の鋼球側に傾斜した案内面が設けられ、この案内面が鋼球に接触する。
【0015】
さらに好ましくは、パッドには空気孔が設けられ、空気孔は摺動部材の内部に連通し、摺動部材の内部に圧縮空気を供給するために使用される。
【0016】
さらに好ましくは、第一通穴段差が揺動スリーブの一端に設けられ、第二通穴段差が固定フレームに設けられ、第一通穴段差は第二通穴段差とぴったりと重ね合わせる。
【0017】
上記の技術的解決策には、次の利点または有益な効果がある。
(1)本発明では、方向変換機構の設定により、浮上式支持機構を円周方向に揺動させることができ、加工中に浮上式支持機構が法線ではない方向に支持する問題を回避できる。
(2)本発明では、スプリングの設定により、浮上式支持機構が自動的にリセットされ、揺動後に浮上式支持機構が元の位置に戻ることができる。
(3)本発明では、浮上式支持機構を設けることにより、加工時の曲面薄肉の振動を回避することができる。
(4)本発明では、シリコンカバーを設けることにより、浮上式支持機構の円周方向の揺動が制限されないながら、揺動過程における浮上式支持機構の防水性、防塵性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明における本発明のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の本発明のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の背面構造の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明における本発明の本発明のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の断面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明における方向変換機構の内部構成を示す分解立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術的解決策は、添付の図面を参照して以下に明確かつ完全に説明されるが、明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく、一部である。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0020】
本発明の説明において、注意すべきであるのは、「中央」、「上」、「下」、「左」、「右」、「縦」、「横」、「内側」、「外側」という用語を使用する場合、向きや位置関係は図面に示した向きや位置関係に基づくものであり、単に本発明の説明の便宜および説明の簡略化のためのものであり、言及される装置または素子は特定の向き、または特定な向きに関する構造による操作を持たなければならないことを示唆するものではなくて、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、「第一」、「第二」、「第三」という用語が使用されている場合は、説明のみを目的としており、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとして解釈されるべきではならない。
【0021】
本発明の説明において、規定および限定が明記される場合以外に、「設置」、「連結」、および「接続」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、接続は固定接続といい、取り外し可能な接続といい、または一体型接続でもよい、機械的接続といいまたは電気的接続でもよい、中間媒介に介して接続といいまたは二つの要素間の内部接続でもよい。当業者であれば、本発明における上記の用語の具体的な意味は、ケースバイケースで理解できるであろう。
【0022】
図1は、本発明のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の模式図である。
図2は、本発明のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の背面の模式図である。
図3は、本発明のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の断面模式図である。
図4は、ミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置の分解模式図である。
【0023】
本発明における普遍的な機構の図。好ましい実施形態を示す
図1~4を参照すると、図示のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置は、固定フレーム1、筐体2、方向変換機構3、浮上式支持機構4およびスプリング5を含む。固定フレーム1の一端には筐体2が取り付けられ、筐体2の一端には方向変換機構3および浮上式支持機構4が設けられ、浮上式支持機構4は方向変換機構3に接続され、ユニバーサ機構3は、浮上式支持機構4が円周方向に揺動するために用いられ、筐体2内には複数のスプリング5が設けられ、スプリング5は固定フレーム1と浮上式支持機構4とを連結している。本実施形態では、筐体2と固定フレーム1とはポルトを介して接続されており、密封効果と防水防塵性を確保するためにシールリングが設けられている。このうち、固定フレーム1は外部スイングヘッド後端のW軸にネジ接続するために使用され、両者間のネジ接続には緩みを防止するように締め付けるためにネジ緩み止め用接着剤が施されてもよい。
図3によると、固定フレーム1の他端には凸構造が設けられており、この凸構造の外壁にはスイングヘッド後端のW軸とネジ接続するための雄ネジが設けられた。フレーム1は、W軸の動きに合わせて移動しながら、スイングヘッドのボックス穴壁と摺動してもよい。固定フレーム1とボックス穴壁の間には、シールリングが密封効果のために用いられ、摺動しながら、水蒸気や埃は摺動の隙間に通じて、スイングヘッドのボックスの中への侵入を防止できる。スイングヘッドボックス内部には、W軸モーターなどの電子部品が内蔵される。
【0024】
この実施形態では、方向変換機構3が筐体2の一端に設けられ、シリコンカバー6と協働する。方向変換機構3は、浮上式支持機構4の円周方向の揺動を容易にし、曲面ミーリング加工中で法線ではない方向に向く問題も解決した。複数のスプリング5が環状に配置されており、スプリング5が浮上式支持機構4に接続されており、浮上式支持機構4を引っ張ることができるため、浮遊支持機構4が揺動した後に元の位置に戻れる。
【0025】
浮上式支持機構4は軸方向に伸縮可能であり、加工時の薄肉部材の振動を抑制できる。
【0026】
さらに、好ましい実施形態として、揺動スリーブ7も備えられ、揺動スリーブ7の一端は固定フレーム1に接続され、他端は方向変換機構3に接続される。
図3に示すように、揺動スリーブ7の内部は中空であり、探知プローブとその固定部品が中空内で揺動できるようにしており、揺動スリーブ7の一端の外壁には第一通穴段差が設けられており、固定フレーム1の一端には位置決め穴があり、位置決め穴の開口部の周囲に第二通穴段差があり、第一通穴段差は第二通穴段差との位置はぴったりと重ね合わせており、揺動スリーブ7の位置決めに使用される。次に、揺動スリーブ7を固定フレーム1にネジ接続する。こうして、取り付けの精度と堅さを確保できる。位置決め穴の内側にも固定用突起が設けられており、この固定用突起によって揺動スリーブ7が押圧され、揺動スリーブ7の第一通穴段差と固定フレーム1の第二通穴段差とが密着する。
【0027】
本実施形態では、
図2に示すように、固定フレーム1の対応する位置に空気管、水管、電気配線等を通すための開口部が設けられている。
【0028】
図3に示すように、搖動スリーブ7の周囲には複数のスプリング5が環状に配置されている。
【0029】
さらに、好ましい実施形態として、変位センサも備えられており、揺動スリーブ7の外壁に変位センサが設けられている。設けられた変位センサは、外部コントローラに接続可能であり、外部コントローラを介してパッド401の揺動変位を監視し、浮上式支持機構4の揺動角度を算出することができる。
【0030】
さらに、好ましい実施形態として、シリコンカバー6も備えており、シリコンカバー6の一端は筐体2に取り付けられ、他端は浮上式支持機構4に接続されている。本実施形態では、
図3に示すように、筐体2の一端の外壁に凹溝が設けられている。シリコンカバー6自体の変形により発生するクランプ力によって、筐体2を固定する凹溝にクランプされ、防塵と密封機能を果たす。
【0031】
さらに、好ましい実施形態として、浮上式支持機構4は、パッド401と、摺動部材とを備える。シリコンカバー6の他端は、パッド401に接続され、摺動部材の外側はパッド401と、スリーブジョイントのように接続される。浮上式支持機構4は、第二押さえカバー404も含む。
図3に示すように、第二押さえカバー404は、シリコンカバー6の他端を押圧するために使用され、そして、第二押さえカバー404がパッド401とネジ接続される。これにより、シリコンカバー6の他端がパッド401に接続され、パッド401の揺動に追従するようにシリコンカバー6が変形することができる。
【0032】
さらに、好ましい実施形態として、浮上式支持機構4は、上部支持端カバー402と、第一押さえカバー403とを備える。上部支持端カバー402は、摺動部材の一端に設けられ、第一押さえカバー403は、摺動部材の周囲に設けられる。第一押さえカバー403は、摺動部材403の周囲でパッド401に接続されている。
図3に示すように、摺動部材は、固定スリーブ405と、固定スリーブ405の一端の外縁に位置する摺動スリーブ406とを含む。摺動スリーブ406と固定スリーブ405との間には、シールリングにより密封されており、上部支持端カバー402は摺動スリーブ406は接続されて固定されており、上部支持端部カバー402は部分的に固定スリーブ40内に延びており、上部支持端部カバー402も固定スリーブ405との間には、シールリングにより密封されている。摺動スリーブ406の外壁には位置限定溝が設けられて、第一押さえカバー403とパッド401はネジ接続したあとに、第一押さえカバー403の内壁は部分的に位置限定溝内に延び、摺動スリーブ406が固定スリーブ405から分離するのを防止できる。ここで、パッド401には空気孔が設けられており、空気孔は摺動部の内部と連通しており、摺動部の内部に圧縮空気を供給するために使用される。具体的には、パッド401の空気穴は固定スリーブ405の膣内と接続されて空気圧室を形成し、パッド401の空気穴は外部空気ポンプに接続され、圧縮空気を空気圧室に送り込むことができる。これにより、上部支持端カバー402が押されると、スライドスリーブ406が連動して摺動する。異なる空気圧を提供することによって上部支持端カバー402の支持力を制御することができる。
【0033】
薄肉部材の処理中、薄肉部材を支持する力が変化し、上部支持端カバー402が固定スリーブ405に近づくことになるが、しかし、圧縮空気が推力を与えるため、スライドスリーブ406の位置は自己適応的に変動する。同時に、パッド401は、揺動して推力を与えることができ、加工方向の変化に応じて自己適応的に揺動することができる。
【0034】
さらに、好ましい実施形態として、方向変換機構3は、軸受ベース301、軸受内輪302、保持器303、および鋼球304を含む。軸受ベース301は、揺動スリーブ7の外周に位置して、固定的に接続される。ベース301には、保持器303が設けられ、保持器303には若干の鋼球が設置される。軸受ベース301には、パッド401に向く面に軸受内輪302が設けられている。軸受内輪302はパッド401に接続されて、若干の鋼球304と接触している。複数のスプリング5の一端は軸受内輪302に接続され、スプリング5の他端は固定フレーム1に接続されている。軸受内輪302の鋼球304側には傾斜した案内面が設けられており、この案内面が鋼球304に接触している。
図3に示すように、揺動スリーブ7の他端には軸受ベース301がネジ接続されており、揺動スリーブ7は角度変化しなくて、揺動もせず、W軸に沿ってのみ移動することができる。鋼球304は、保持器303内で転動できるように、保持器303によって中心を決められて配置される。軸受内輪302とパッド401とはねじにより接続固定されている。
【0035】
上部支持端カバー402が揺動すると、その揺動に追従してパッド401が搖動され、案内面が鋼球304に接触しているため、パッド401が軸受内輪302の揺動も駆動される。ここで、スプリング5の両端は、それぞれネジにより固定フレーム1とパッド401に接続され、スプリング5は引張スプリングでもよろしくて、こうしてパッド401を締め付けて、さらにパッド401が軸受内輪 302を駆動して、鋼球304を緊密に押さえる効果があり、軸受ベース301、軸受内輪302、保持器303、鋼球304が解体しないことが保証できる。
【0036】
パッド401が揺動すると、スプリング5がパッド401に反発力を与える。パッド401がどの角度に揺動しても、パッド401に引張力を与えることができるスプリング5が常に存在するので、パッド401は、揺動後に初期位置に戻ることができる。
【0037】
図3に示すように、揺動スリーブ7の他端には、軸受ベース301と嵌合するための第一位置決め穴が設けられている。センタリングと取り付け精度の確保のために、第1位置決め穴の内壁は、軸受ベース301の外壁に密着する。センタリングと取り付け精度の確保のために、パッド401には、軸受内輪302と嵌合するための第二位置決め穴が設けられており、第二位置決め穴の内壁が軸受内輪302の外壁に密着する。
【0038】
上記は本発明の好ましい実施形態にすぎなくて、本発明の実施および保護範囲を限定するものではない。該当業者であれば、本発明の解決策の説明および図を使用して、同等置換のものおよび明らかに軽微な変更から生じるものによって実現される方案及び設計は、本発明の保護範囲に含まれるものとするべきである。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
固定フレーム(1)、筐体(2)、方向変換機構(3)、浮上式支持機構(4)、及びスプリング(5)を備えるミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記固定フレーム(1)の一端に設けられる前記筐体(2)と、
前記筐体(2)の一端に設けられる前記方向変換機構(3)と前記浮上式支持機構(4)と、
前記浮上式支持機構(4)と接続されて、前記浮上式支持機構(4)が円周方向に揺動するために使用される前記方向変換機構(3)と、
筐体(2)内に設けられて、固定フレーム(1)と浮上式支持機構(4)と接続する複数のスプリング(5)と、
を備えたことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[2]
[1]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
揺動スリーブ(7)とを備え、
前記筐体に設置される前記揺動スリーブ(7)は、一端は前記固定フレーム(1)と接続され、他端は前記方向変換機構(3)と接続される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[3]
[2]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
変位センサーとを備え、
前記変位センサーは前記揺動スリーブ(7)の外壁に取り付けられる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[4]
[2]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
シリコンカバー(6)とを備え、
前記シリコンカバー(6)の一端は前記筐体(2)に取り付けられ、他端は浮上式支持機構(4)に取り付けられる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[5]
[4]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記浮上式支持機構(4)はパッド(401)と摺動部材とを含み、
前記パッド(401)は前記シリコンカバー(6)内に取り付けられ、前記シリコンカバー(6)の他端はパッド(401)に接続されており、パッド(401)は摺動部材の外側にスリーブジョイントのように付けられる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[6]
[5]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記浮上式支持機構(4)は上部支持端カバー(402)と第一押さえカバー(403)とをさらに備え、
前記上部支持端カバー(402)は、摺動部材の一端に設けられて、摺動部材の周囲に第一押さえカバー(403)が設けられ、第一押さえカバー(403)がパッド(401)に接続される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[7]
[5]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記方向変換機構(3)は、軸受ベース(301)、軸受内輪(302)、保持器(303)及び鋼球(304)を含み、
前記軸受ベース(301)と前記揺動スリーブ(7)は摺動部材の周囲に固定接続されて、軸受ベース(301)内に取り付けられる保持器(303)の中に、複数の鋼球(304)は設置されて、軸受ベース(301)はパッド(401)に向かう面は、パッド(401)と接続される軸受内輪(302)が取り付けられて、軸受内輪(302)は複数の鋼球(304)と接触して、
前記スプリングの一端は軸受内輪(302)と接続され、他端は固定フレーム(1)と接続される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
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[7]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記軸受内輪(302)は鋼球(304)側には、鋼球(304)と接触して傾斜した案内面が設置される、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
[9]
[5]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
前記パッド(401)には空気孔が設けられ、
前記空気孔は前記摺動部材の内部と連通して、摺動部材の内部へ圧縮空気を提供するために用いられる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
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[2]に記載のミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置において、
第一通穴段差が揺動スリーブ(7)の一端に設けられ、第二通穴段差が固定フレーム(1)に設けられ、第一通穴段差は第二通穴段差とぴったりと重ね合わせる、
ことを特徴とするミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置。
【符号の説明】
【0039】
1・・・固定フレーム、2・・・筐体、3・・・方向変換機構、301・・・軸受ベース、302・・・軸受内輪、303・・・保持器、304・・・鋼球、4・・・浮上式支持機構、401・・・パッド、402、上部支持端カバー、403…第一押さえカバー、404・・・第二押さえカバー、405・・・固定スリーブ、406・・・摺動スリーブ、5・・・スプリング、6・・・シリコンカバー、7・・・揺動スリーブ。
【要約】 (修正有)
【課題】ミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置を提供する。
【解決手段】本ミラースイング式ミーリングヘッドに対する自己適応可能な曲面サポート装置は、固定フレーム1、筐体2、方向変換機構3、浮上式支持機構4、およびスプリング5を備えており、固定フレームは一端に筐体が取り付けられ、筐体は一端に方向変換機構と浮上式支持機構4が取り付けられる。浮上式支持機構は方向変換機構に接続されており、方向変換機構は浮上式支持機構を円周方向に揺動させるために用いられる。筐体内に複数のスプリングが設けられ、そのスプリングが固定フレームと浮上式支持機構を連結する。
【選択図】
図3