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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】モータユニット
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/16 20060101AFI20250401BHJP
   H02K 11/225 20160101ALI20250401BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
H02K5/16
H02K11/225
H02K9/19 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020160123
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053335
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】水谷 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】青野 真郷
【審査官】加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213935(JP,A)
【文献】特表2010-525787(JP,A)
【文献】特開2018-107853(JP,A)
【文献】特開2011-135720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/16
H02K 11/225
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心として回転可能なシャフトを有するロータおよび前記ロータを径方向外方から囲むステータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに固定され、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、
前記シャフトに固定されるレゾルバロータおよび前記ハウジングに固定されるレゾルバステータを有するレゾルバと、
導電性を有するとともに前記ハウジングに固定され、前記シャフトの軸方向一方側の端部に設けられた被接触部と接触する接触部材と、を有し、
前記ハウジングは、
前記シャフトの前記被接触部が収容される収容空間と、
前記ステータを保持するハウジング本体と、
前記ハウジング本体の軸方向一方側に設けられ、軸方向他方側に前記ベアリングを保持するベアリングホルダと、
前記ベアリングホルダの軸方向一方側に取り付けられ、前記接触部材が固定されるカバー部材と、を有し、
前記カバー部材は、軸方向他方側の面から凹む接触部材固定凹部を有し、
前記接触部材は、前記カバー部材の軸方向他方側の面に設けられた前記接触部材固定凹部に固定され、前記ベアリングホルダの軸方向一方側に位置し、
前記接触部材および前記レゾルバは、前記収容空間内で前記回転軸に沿う方向に並んで配置され、
前記レゾルバステータは、前記ベアリングホルダに固定され、
前記収容空間は、前記カバー部材と前記ベアリングホルダとの間に形成されるモータユニット。
【請求項2】
前記シャフトに固定される環状部材をさらに有し、
前記環状部材は、前記シャフトに固定された前記レゾルバロータと前記被接触部との間に固定されて、前記レゾルバロータの一部を軸方向一方側から覆う請求項1に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記被接触部の導電率は前記シャフトの前記ベアリングと接触するベアリング接触部の導電率よりも高い請求項1または請求項2に記載のモータユニット。
【請求項4】
前記ステータを冷却する冷却液が、前記ハウジングの内部に貯留され、
前記シャフトは、軸方向に貫通した筒状であり、軸方向他方側の端部に前記冷却液を流入させる流入口を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載のモータユニット。
【請求項5】
前記シャフトはシャフト本体と、
導電性を有するとともに前記シャフト本体の軸方向の一方側の端部に固定される延長シャフトとを有し、
前記延長シャフトは、前記シャフト本体に固定される固定部を有し、
前記被接触部は、前記延長シャフトに形成され、
前記被接触部の導電率が前記固定部の導電率よりも高い請求項1から請求項3のいずれかに記載のモータユニット。
【請求項6】
前記シャフト本体は、少なくとも軸方向一方側の端部に開口した中空部を有し、
前記延長シャフトは、
軸方向一方側の端部から径方向外方に拡がるフランジ部を有し、
前記固定部は、前記フランジ部よりも軸方向他方側に形成され、
前記被接触部は前記フランジ部の外面の少なくとも一部に形成され、
前記固定部が、前記中空部に配置されて前記中空部の内面と接触して固定される請求項5に記載のモータユニット。
【請求項7】
前記被接触部は、前記フランジ部の外周部に形成される請求項6に記載のモータユニット。
【請求項8】
前記被接触部は、前記フランジ部を構成する材料よりも導電率が高い材料で形成された導電膜を有する請求項6または請求項7に記載のモータユニット。
【請求項9】
前記フランジ部は前記固定部よりも導電率が高い材料で形成される請求項6に記載のモータユニット。
【請求項10】
前記ステータを冷却する冷却液が前記ハウジングの内部に貯留され、
前記中空部は、軸方向に貫通しており、
前記シャフト本体は、軸方向他方側の端部に前記冷却液を流入させる流入口を有し、
前記延長シャフトは、軸方向に貫通した筒状である請求項6から請求項9のいずれかに記載のモータユニット。
【請求項11】
前記延長シャフトの内径は、前記中空部の内径よりも小さい請求項10に記載のモータユニット。
【請求項12】
前記延長シャフトは内周面から径方向内側に拡がる環状の内フランジ部をさらに有する請求項10または請求項11に記載のモータユニット。
【請求項13】
回転軸を中心として回転可能なシャフトを有するロータおよび前記ロータを径方向外方から囲むステータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに固定され、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、
前記シャフトに固定されるレゾルバロータおよび前記ハウジングに固定されるレゾルバステータを有するレゾルバと、
導電性を有するとともに前記ハウジングに固定され、前記シャフトの軸方向一方側の端部に設けられた被接触部と接触する接触部材と、を有し、
前記ハウジングは、前記シャフトの前記被接触部が収容される収容空間を有し、
前記接触部材および前記レゾルバは、前記収容空間内で前記回転軸に沿う方向に並んで配置され、
前記シャフトはシャフト本体と、
導電性を有するとともに前記シャフト本体の軸方向の一方側の端部に固定される延長シャフトとを有し、
前記シャフト本体は、少なくとも軸方向一方側の端部に開口した中空部を有し、
前記ステータを冷却する冷却液が前記ハウジングの内部に貯留され、
前記中空部は、軸方向に貫通しており、
前記シャフト本体は、軸方向他方側の端部に前記冷却液を流入させる流入口を有し、
前記延長シャフトは、軸方向に貫通した筒状であり、
前記延長シャフトは内周面から径方向内側に拡がる環状の内フランジ部をさらに有する、モータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータシャフトの端部にハウジングに対して電気的に接続するブラシを持ったモータが知られている(例えば、特開2016‐119760号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-119760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したブラシを持ったモータでは、ブラシとロータシャフトとの接触面積が小さく、ブラシとロータシャフトとの間の電気抵抗が大きくなる。これにより、ロータシャフトとハウジングとの間に電流が流れにくくなり、電位差が発生する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、長期間にわたりシャフトとハウジングとの電位差を小さく抑えて安定して駆動できるモータユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータユニットは、回転軸を中心として回転可能なシャフトを有するロータおよび前記ロータを径方向外方から囲むステータを有するモータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジングに固定され、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、前記シャフトに固定されるレゾルバロータおよび前記ハウジングに固定されるレゾルバステータを有するレゾルバと、導電性を有するとともに前記ハウジングに固定され、前記シャフトの軸方向一方側の端部に設けられた被接触部と接触する接触部材と、を有する。前記ハウジングは、前記シャフトの前記被接触部が収容される収容空間を有する。前記接触部材および前記レゾルバは、前記収容空間内で前記回転軸に沿う方向に並んで配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の例示的なモータユニットによれば、長期間にわたりシャフトとハウジングとの電位差を小さく抑えて安定して駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のモータユニットの概念図である。
図2図2は、モータユニットの回転軸を含む平面で切断した断面図である。
図3図3は、シャフトの分解斜視図である。
図4図4は、第1変形例のモータユニットの概念図である。
図5図5は、第1変形例のモータユニットの回転軸を含む平面で切断した断面図である。
図6図6は、第1変形例のシャフトの分解斜視図である。
図7図7は、延長シャフトの斜視図である。
図8図8は、第2変形例の延長シャフトの断面図である。
図9図9は、第3変形例の延長シャフトの断面図である。
図10図10は、第4変形例の延長シャフトの断面図である。
図11図11は、第5変形例のモータユニットの断面図である。
図12図12は、第6変形例のモータユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータユニットについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
本明細書において、モータ2のロータ21の回転軸J2と平行な方向をモータユニット1の「軸方向」とする。軸方向一方側Nおよび軸方向他方側Tは、図1に示すとおり定義する。また、回転軸J2と直交する径方向を単に「径方向」と称し、回転軸J2を中心とする周方向を単に「周方向」と称する。さらに、本明細書において「平行な方向」は、完全に平行な場合のみでなく、略平行な方向も含む。そして、所定の方向または平面に「沿って延びる」とは、厳密に所定の方向に延びる場合に加えて、厳密な方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0011】
<モータユニット1>
以下、図面を基に本発明の例示的な一実施形態にかかるモータユニット1について説明する。図1は、一実施形態のモータユニット1の概念図である。図2は、モータユニット1の回転軸J2を含む平面で切断した断面図である。図3は、シャフト22の分解斜視図である。なお、図1は、あくまで概念図であり、各部の配置および寸法は、実際のモータユニット1と同じであるとは限らない。
【0012】
モータユニット1は、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、少なくともモータを動力源とする車両に搭載される。モータユニット1は、上記の自動車の動力源として使用される。
【0013】
図1に示すように、モータユニット1は、モータ2と、ハウジング5と、接触部材6と、を有する。ハウジング5は、モータ2を収容する。また、モータユニット1は、シャフト22の軸方向他方側Tに接続されるとともにハウジング5に収容されるギヤ部3をさらに有する。
【0014】
<モータ2>
モータ2は、直流のブラシレスモータである。モータ2は、不図示のインバータからの電力によって駆動される。モータ2は、水平方向に延びる回転軸J2を中心として回転するロータ21と、ロータ21の径方向外方に位置するステータ25と、を有する。モータ2は、ステータ25の内方にロータ21が回転可能に配置されたインナーロータ型モータである。すなわち、モータ2は、回転軸J2を中心として回転可能なシャフト22を有するロータ21およびロータ21を径方向外方から囲むステータ25を有する。
【0015】
<ロータ21>
ロータ21は、ステータ25に電力が供給されることで回転する。図2に示すように、ロータ21は、シャフト22と、ロータコア23と、ロータマグネット24と、を有する。ロータ21は、水平方向に延びる回転軸J2を中心として回転する。
【0016】
シャフト22は、水平方向かつ車両の幅方向に延びる回転軸J2を中心として延びる。シャフト22は、回転軸J2を中心として回転する。本実施形態のモータユニット1では、シャフト22の中空部221を後述する冷却液としての潤滑油CLが流れる。そのため、シャフト22は、内部に回転軸J2に沿って貫通する中空部221を有し、軸方向他方側Tに中空部221に潤滑油CLが流入する流入口220を有する。すなわち、シャフト22は、軸方向に貫通した筒状であり、軸方向他方側Tの端部に潤滑油CLを流入させる流入口220を有する。これにより、シャフト22の中空部221が閉塞されることを抑制できる。また、シャフト22が、中空部221を有することで、例えば、シャフト22の中空部221に導線を配線することが可能になる。さらに、シャフト22を軽量化できる。
【0017】
シャフト22は、後述の第1ベアリング41、第2ベアリング42、第3ベアリング43および第4ベアリング44を介してハウジング5に回転可能に支持される。すなわち、ベアリング41、42、43、44はハウジング5に固定されてシャフト22を回転可能に支持する。
【0018】
なお、シャフト22は、モータ収容空間501内の部分と、ギヤ部収容空間502内の部分とに分割可能である。シャフト22が分割可能である場合、分割されたシャフト22は、例えば、雄ねじおよび雌ねじを用いたねじカップリングを採用することが可能である。また、圧入、溶接等の固定方法にて接合してもよい。圧入、溶接等の固定方法を採用する場合、軸方向に延びる凹部および凸部を組み合わせるセレーションを採用してもよい。このような構成とすることで、回転を確実に伝達することが可能である。また、シャフト22は、単一の部材として形成されてもよい。
【0019】
ロータコア23は、薄板状の電磁鋼板を積層して形成される。ロータコア23は、軸方向に沿って延びる円柱体である。ロータコア23には、複数のロータマグネット24が固定される。複数のロータマグネット24は、磁極を交互にして周方向に沿って並ぶ。
【0020】
<ステータ25>
図2に示すように、ステータ25は、ステータコア26と、コイル27と、ステータコア26とコイル27との間に介在するインシュレータ(図示略)とを有する。ステータ25は、ハウジング5に保持される。ステータコア26は、円環状のヨークの内周面から径方向内方に延びる複数の磁極歯(不図示)を有する。
【0021】
磁極歯に電線を巻き付けることでコイル27が形成される。コイル27は、図示略のバスバを介して図示略のインバータユニットに接続される。コイル27は、ステータコア26の軸方向端面から突出するコイルエンド271を有する。コイルエンド271は、ロータ21のロータコア23の端部よりも軸方向に突出する。
【0022】
<レゾルバ28>
シャフト22の軸方向一方側Nの端部には、レゾルバ28(図2図3等参照)が取り付けられる。レゾルバ28は、ロータ21の位置、すなわち、回転角度を検出する。図2図3に示すように、レゾルバ28は、レゾルバステータ281と、レゾルバロータ282とを有する。レゾルバステータ281は、ハウジング5の後述するベアリングホルダ52に固定される。レゾルバロータ282はシャフト22に固定される。すなわち、レゾルバ28は、シャフト22に固定されるレゾルバロータ282およびハウジング5に固定されるレゾルバステータ281を有する。
【0023】
レゾルバステータ281は、環状であり、レゾルバロータ282は円板状である。レゾルバステータ281の内周面とレゾルバロータ282の外周面とは、径方向に対向する。レゾルバステータ281は、ロータ21の回転時に定期的にレゾルバロータ282の位置を検出する。これにより、レゾルバ28は、レゾルバロータ282の位置の情報からロータ21の位置の情報を取得する。
【0024】
また、ハウジング5の内部の軸方向一方側Nの端部には、バスバ(不図示)が配置されている。バスバは、不図示のインバータユニットとコイル27とを接続し、コイル27に電力を供給する。コイル27には、軸方向一方側Nから電力が供給される。
【0025】
<ギヤ部3>
ギヤ部3は複数のギヤを有し、ハウジング5に収容される。上述のとおり、ギヤ部3は、軸方向他方側Tにおいてシャフト22に接続される。ギヤ部3は、減速部31と、差動部32と、を有する。
【0026】
<減速部31>
図1に示すように、減速部31は、シャフト22に接続される。減速部31は、モータ2から出力されるトルクを差動部32へ伝達する。減速部31は、モータ2の回転速度を減速比に応じて減ずるとともにモータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。
【0027】
減速部31は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。減速部31は、中間ドライブギヤである第1ギヤ311と、中間ギヤである第2ギヤ312と、ファイナルドライブギヤである第3ギヤ313と、中間シャフト314と、を有する。
【0028】
第1ギヤ311は、シャフト22の外周面に配置される。本実施形態のモータユニット1では、第1ギヤ311とシャフト22とは、単一の部材で形成されている。第1ギヤ311は、シャフト22とともに、回転軸J2を中心に回転する。中間シャフト314は、回転軸J2と平行な中間軸J4に沿って延びる。中間シャフト314の軸方向の両端部は、ベアリングを介して、ハウジング5に回転可能に支持される。つまり、中間シャフト314は、中間軸J4を中心として回転可能である。
【0029】
第2ギヤ312および第3ギヤ313は、中間シャフト314に配置される。第2ギヤ312は、第1ギヤ311と噛み合う。第3ギヤ313は、差動部32のリングギヤ321と噛み合う。シャフト22のトルクは、第1ギヤ311から第2ギヤ312に伝達される。そして、第2ギヤ312に伝達されたトルクは、中間シャフト314を介して第3ギヤ313に伝達される。第3ギヤ313に伝達されたトルクは、差動部32のリングギヤ321に伝達される。このようにして、減速部31は、モータ2から出力されたトルクを、差動部32に伝達する。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。
【0030】
<差動部32>
差動部32は、モータ2から出力されたトルクを出力シャフト33に伝達する。出力シャフト33は、差動部32の左右にそれぞれ取り付けられる。差動部32は、例えば、車両の旋回時に、左右の駆動輪、すなわち、出力シャフト33の速度差を吸収しつつ、左右の出力シャフト33に同トルクを伝える機能を有する。出力シャフト33は、ハウジング5の外部に突出している。出力シャフト33には、車両の駆動輪に接続されるドライブシャフト(不図示)が接続される。
【0031】
ギヤ部3は、これら以外にも、モータユニット1の動作停止時において、車両をロックするパーキング機構(不図示)を有していてもよい。
【0032】
<ハウジング5>
図1図2等に示すように、ハウジング5は、ハウジング本体51と、ベアリングホルダ52と、カバー部材53と、ギヤ部収容部54と、を有する。ハウジング本体51と、ベアリングホルダ52と、ギヤ部収容部54とは、例えば、鉄、アルミ、これらの合金等の導電材料、換言すると、金属で形成されるが、これらに限定されない。なお、ハウジング本体51、ベアリングホルダ52、カバー部材53およびギヤ部収容部54は、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。接触部分での異種金属接触腐食を抑制するため、同一の材料で形成されていることが好ましい。
【0033】
<ハウジング本体51>
ハウジング本体51は、第1筒部511と、隔壁部512と、突出部513と、を有する。第1筒部511は、軸方向に延びる筒体である。ステータコア26は、ハウジング本体51の内部に固定される。すなわち、ハウジング5は、ステータ25を保持するハウジング本体51を有する。第1筒部511は、軸方向一方側Nに開口を有する。
【0034】
隔壁部512は、第1筒部511の軸方向他方側Tの端部から径方向内方に拡がる。隔壁部512には、回転軸J2に沿って貫通する貫通孔514が設けられる。貫通孔514は断面円形であり、中心線が回転軸J2と重なる。そして、シャフト22は、貫通孔514を貫通して配置される。貫通孔514を貫通するシャフト22は、第2ベアリング42および第4ベアリング44を介して隔壁部512に回転可能に支持される。第2ベアリング42は、隔壁部512の軸方向一方側Nに配置され、第4ベアリング44は、隔壁部512の軸方向他方側Tに配置される。これにより、シャフト22は、軸方向の中間部分を回転可能に支持されるため、シャフト22が回転するとき、シャフト22の振れ、たわみ等が抑制される。
【0035】
突出部513は平板状であり、第1筒部511の外周面の軸方向他方側Tから鉛直下方に拡がる。本実施形態にかかるモータユニット1において、第1筒部511、隔壁部512および突出部513は、単一の部材で形成される。隔壁部512と突出部513とは、ギヤ部収容部54の軸方向一方側Nの端部を閉じる側板部510を構成する。
【0036】
突出部513には、第1駆動軸通過孔515が形成される。第1駆動軸通過孔515は、突出部513を軸方向に貫通する孔である。出力シャフト33は、第1駆動軸通過孔515を回転可能な状態で貫通する。出力シャフト33と第1駆動軸通過孔515との間は、潤滑油CLの漏れを抑制するため、オイルシール(不図示)が設けられる。出力シャフト33の先端には、車輪を回転させる車軸(不図示)が接続される。
【0037】
<ベアリングホルダ52>
ベアリングホルダ52は、径方向に拡がる。ベアリングホルダ52は、第1筒部511の軸方向一方側Nに固定される。ベアリングホルダ52の第1筒部511への固定は、例えば、ねじによる固定を挙げることができるが、これに限定されず、ねじ込み、圧入等、ベアリングホルダ52を第1筒部511に強固に固定できる方法を広く採用できる。
【0038】
これにより、ベアリングホルダ52は、ハウジング本体51と電気的に接続される。ここで、2つの部材が、電気的に接続されるとは、物理的に接触して導電可能な場合を含むとともに、略同電位となる程度に接近している場合も含む。つまり、電気的に接続している部材同士は、同電位または略同電位となる。以下、電気的に接続されるとある場合には、同様の構成であるものとする。本実施形態のモータユニット1において、ハウジング本体51とベアリングホルダ52とは、同電位である。
【0039】
また、第1筒部511とベアリングホルダ52とは密着する。ここで、密着とは、ハウジング5の内部の潤滑油CLが外部に漏れないおよび外部の水、埃、塵等の異物が侵入しない程度の密閉性を有していることを指す。密着については、以下同様の構成とする。
【0040】
ベアリングホルダ52は、ベアリングホルダ52の軸方向一方側Nの面から軸方向他方側に凹む凹部521を有する。凹部521の底面には、軸方向に貫通する貫通孔520が形成される。貫通孔520は、中心が回転軸J2と一致し、貫通孔520をシャフト22が貫通する。シャフト22の軸方向一方側Nの端部は、凹部521の内部に配置される。
【0041】
ベアリングホルダ52の軸方向他方側Tには、第1ベアリング41が配置される。貫通孔520を貫通するシャフト22は、第1ベアリング41を介してベアリングホルダ52に回転可能に支持される。すなわち、ハウジング5は、ハウジング本体51の軸方向一方側Nに設けられ、軸方向他方側Tにベアリング41を保持するベアリングホルダ52を有する。
【0042】
凹部521の内部には、レゾルバ28のレゾルバステータ281が固定される。すなわち、レゾルバステータ281は、ベアリングホルダ52に固定される。レゾルバステータ281は、ベアリングホルダ52に配置されたとき、中心線が回転軸J2と一致する。そして、レゾルバステータ281はベアリングホルダ52に不図示のねじによって固定される。なお、レゾルバステータ281のベアリングホルダ52への固定は、ねじに限定されず、圧入、接着等、レゾルバステータ281をベアリングホルダ52に強固に固定できる固定方法を広く採用できる。
【0043】
モータユニット1において、シャフト22のロータコア23よりも軸方向他方側Tは、貫通孔514を貫通し、ロータコア23よりも軸方向一方側Nの部分は、貫通孔520を貫通する。そして、軸方向においてシャフト22のロータコア23を挟んだ両側は、第1ベアリング41および第2ベアリング42を介してハウジング5に回転可能に支持される。このとき、シャフト22は、回転軸J2周りに回転可能である。
【0044】
<カバー部材53>
カバー部材53は、ベアリングホルダ52の軸方向一方側Nに取り付けられる。カバー部材53は、ベアリングホルダ52の凹部521の軸方向一方側Nを覆い、ベアリングホルダ52に密着する。また、ベアリングホルダ52とカバー部材53とは、電気的に接続される。そのため、カバー部材53とハウジング本体51とは、同電位となる。そして、カバー部材53は、接触部材固定凹部531を有する。接触部材固定凹部531はカバー部材53の軸方向他方側Tの面から凹み、後述する接触部材6の接触リング62が固定される接触部材固定凹部531を有する。すなわち、ハウジング5は、ベアリングホルダ52の軸方向一方側Nに取り付けられ、接触部材6が固定されるカバー部材53を有する。
【0045】
カバー部材53でベアリングホルダ52の凹部521を覆うとともに、カバー部材53をベアリングホルダ52に固定することで、囲まれる領域が収容空間55である。モータ2のステータ25を第1筒部511の内部に収容した状態で、第1筒部511の軸方向一方側Nにベアリングホルダ52を取り付け、さらに、ベアリングホルダ52の軸方向一方側Nにカバー部材53を取り付けることで、収容空間55にシャフト22の軸方向一方側Nの端部が収容される。そして、シャフト22の軸方向一方側Nの端部には、被接触部61が形成される。すなわち、ハウジング5は、シャフト22の被接触部61が収容される収容空間55を有する。さらに、収容空間55は、カバー部材53とベアリングホルダ52との間に形成される。
【0046】
図1図2に示すとおり、接触部材6およびレゾルバ28は、収容空間55内に、回転軸J2に沿って並んで配置される。すなわち、接触部材6およびレゾルバ28は、収容空間55内で回転軸J2に沿う方向に並んで配置される。このとき、接触部材6とシャフト22の軸方向一方側Nの端部に設けられた被接触部61とは、径方向に対向する。接触リング62および被接触部61の詳細は後述する。
【0047】
また、シャフト22の軸方向一方側Nの端部には、環状部材56が取り付けられる。環状部材56は、レゾルバロータ282よりも軸方向一方側Nに配置される。環状部材56は、レゾルバロータ282を軸方向一方側Nから覆う。すなわち、ハウジング5は、シャフト22に固定される環状部材56をさらに有する。環状部材56は、シャフト22に固定されたレゾルバロータ282と被接触部61との間に固定されて、レゾルバロータ282の一部を軸方向一方側Nから覆う。レゾルバロータ282の一部を環状部材56で覆うことでレゾルバ28への接触部材6または被接触部61の摩耗紛等の侵入を抑制できる。これにより、モータユニット1を長期間安定して駆動することができる。
【0048】
<ギヤ部収容部54>
ギヤ部収容部54は、軸方向一方側Nに開口する凹形状である。ギヤ部収容部54は、第2筒部541と、閉塞部542とを有する。第2筒部541の軸方向一方側Nの端部は、側板部510に取り付けられる。第2筒部541は、側板部510の外縁部と軸方向に重なる形状を有する。第2筒部541は、側板部510と密着するとともに電気的に接触した状態で、側板部510に固定される。
【0049】
第2筒部541の側板部510への固定は、例えば、ねじ止めにて行われるが、これに限定されない。例えば、溶接、圧入等、第2筒部541を側板部510に強固に固定できる固定方法を広く採用できる。ギヤ部収容部54の開口は、側板部510に覆われる。
【0050】
第2筒部541と閉塞部542とは、単一の部材で形成される。閉塞部542は、第2筒部541の軸方向他方側Tの端部から径方向内方に拡がる板状である。第2筒部541、閉塞部542および側板部510で囲まれる空間が、ギヤ部収容空間502である。シャフト22の軸方向他方側Tの端部が、第3ベアリング43を介して閉塞部542に回転可能に支持される。
【0051】
閉塞部542には、第2駆動軸通過孔543が形成される。第2駆動軸通過孔543は、閉塞部542を軸方向に貫通する孔である。出力シャフト33は、第2駆動軸通過孔543を回転可能な状態で貫通する。出力シャフト33と第2駆動軸通過孔543との間は、潤滑油CLの漏れを抑制するため、オイルシール(不図示)が設けられる。出力シャフト33の先端には、車輪を回転させる車軸(不図示)が接続される。なお、出力シャフト33は、差動軸J5回りに回転する。
【0052】
<冷却液の循環>
ハウジング5の内部には、ギヤ部3の各ギヤおよびベアリングを潤滑するための潤滑油CLが充填される。モータユニット1において、オイルはモータ2の冷却にも用いられる。つまり、モータユニット1の潤滑用の潤滑油CLが、モータ冷却用の冷却液である。
【0053】
図1に示すように、ギヤ部収容空間502の下部領域には、潤滑油CLが貯留する。すなわち、ステータ25を冷却する冷却液(潤滑油CL)が、ハウジング5の内部に貯留される。差動部32の一部は、ギヤ部収容空間502の下部領域に貯留した潤滑油CLに浸かる。ギヤ部収容空間502の下部領域に貯留する潤滑油CLは、差動部32の動作によって掻きあげられて、ギヤ部収容空間502の内部に拡散される。ギヤ部収容空間502内に拡散されたオイルは、ギヤ部収容空間502の内部に配置された各ギヤに供給され、潤滑に利用される。また、ギヤ部収容空間502に拡散された潤滑油CLの一部は、各ベアリングにも供給され、潤滑に利用される。
【0054】
図1に示すように、ギヤ部収容空間502の上部領域には、オイルリザーブ皿57が配置される。オイルリザーブ皿57は、上方に開口する。掻きあげられた潤滑油CLは、ギヤ部収容空間502の上方に移動し、オイルリザーブ皿57に流入する。
【0055】
オイルリザーブ皿57に溜まった潤滑油CLは、不図示のオイル供給路を介して、シャフト22の軸方向他方側Tの端部の流入口220からシャフト22の中空部221に流入する。シャフト22の中空部221の潤滑油CLは、軸方向一方側Nに向かって流れる。中空部221内を流れた潤滑油CLは、ステータ25に向かって散布される。これにより、潤滑油CLは、ステータ25を冷却する。
【0056】
シャフト22が筒状であることで、シャフト22の中空部221に潤滑油CLを流動させる場合であっても、シャフト22の回転時に軸方向一方側Nに気流が抜けることで発生する負圧によって、潤滑油CLを流入口220から引き込むことができる。これにより、モータ2の全体に、潤滑油CLを供給することができ、モータ2を安定して冷却することができる。そのため、モータ2を安定して駆動させることができる。
【0057】
<冷却液循環部7>
モータユニット1は、潤滑油CLを循環させる冷却液循環部7を有する。冷却液循環部7は、配管部71と、ポンプ72と、オイルクーラ73と、モータオイルリザーバ74とを有する。
【0058】
配管部71は、ハウジング5に形成される配管である。配管部71は、ポンプ72と第1筒部511の内部に配置されたモータオイルリザーバ74とを繋ぎ、モータオイルリザーバ74に潤滑油CLを供給する。ポンプ72は、ギヤ部収容空間502の下部領域に貯留される潤滑油CLを吸い込む。ポンプ72は、電動ポンプであるが、これに限定されない。例えば、モータユニット1の出力シャフト33の出力の一部を利用して駆動する構成であってもよい。
【0059】
オイルクーラ73は、配管部71のポンプ72とモータオイルリザーバ74との間に配置される。つまり、ポンプ72で吸引された潤滑油CLは、配管部71を介してオイルクーラ73を通過してモータオイルリザーバ74に送られる。オイルクーラ73には、例えば、外部から供給される水等の冷媒が供給される。そして、冷媒と潤滑油CLとの間で熱交換して、潤滑油CLの温度を下げる。なお、オイルクーラ73は、ここでは、冷媒を用いる液冷式であるが、これに限定されず、車両の走行風で冷却する、いわゆる、空冷式であってもよい。オイルクーラ73を用いることで、モータオイルリザーバ74に供給される潤滑油CLの温度を下げることができ、モータ2の冷却効率を高めることが可能である。
【0060】
モータオイルリザーバ74は、モータ収容空間501の上部領域に配置されて上方に開口したトレイである。さらに説明すると、モータオイルリザーバ74は、モータ収容空間501の中であって、ステータ25の鉛直上方に配置される。モータオイルリザーバ74の底部には、滴下孔が形成されており、滴下孔から潤滑油CLを滴下することで、モータ2を冷却する。滴下孔は、例えば、ステータ25のコイル27のコイルエンド271の上部に形成され、コイル27が潤滑油CLによって冷却される。
【0061】
<接触部材6>
接触部材6は、シャフト22の軸方向一方側Nの端部に形成された被接触部61と接触する。被接触部61は、シャフト22のベアリングの内輪と接触するベアリング接触部222よりも導電率が高い材料で形成される。すなわち、被接触部61の導電率はシャフト22のベアリング41と接触するベアリング接触部222の導電率よりも高い。被接触部61は、接触部材6の後述するブラシ部63と接触する。
【0062】
被接触部61の導電率を、シャフト22のベアリング41と接触するベアリング接触部222よりも高くすることで、シャフト22で発生する軸電流の多くを被接触部61と接触する接触部材6に流すことができる。これにより、ベアリングの内輪と外輪との電位差を抑制し、ベアリングの電蝕を効果的に抑制できる。なお、第1ベアリング41について説明しているが、これ以外のベアリングでも同様に、内輪と外輪との電位差が抑制されて電蝕が抑制される。
【0063】
なお、被接触部61は、例えば、銀、銅等の導電膜であり、金属ペーストを塗布して形成される。なお、被接触部61は、塗布以外にも、メッキ、蒸着等の成膜方法で成形してもよい。ベアリングの電蝕については後述する。また、接触部材6と十分に導電可能である場合、被接触部61は、シャフト22の一部であってもよい。
【0064】
図2図3に示すとおり、接触部材6は、接触リング62と、ブラシ部63とを有する。接触リング62は、円環状であり金属等の導電性を有する材料で形成される。接触リング62は、カバー部材53の接触部材固定凹部531に配置される。接触リング62は、接触部材固定凹部531に圧入にて固定される。しかしながら、固定方法はこれに限定されず、接着、溶接等、接触リング62を接触部材固定凹部531に強固に固定できる方法を広く採用することができる。
【0065】
ブラシ部63は、導電性を有するとともに周方向にたわむことができる材料である。ブラシ部63は、接触リング62の内周面に固定され、接触リング62と電気的に接続される。つまり、接触部材6は、カバー部材53を含むハウジング5と電気的に接続される。
【0066】
ブラシ部63は、径方向内方に突出する。接触リング62の内周面からブラシ部63の軸方向内方の先端までの長さは、接触リング62と被接触部61との径方向の距離よりも長い。そのため、ブラシ部63の径方向内方の先端は弾性的にたわむとともに、被接触部61と接触する。すなわち、接触部材6は、導電性を有するとともにハウジング5に固定される。接触部材6は、シャフト22の軸方向一方側Nの端部に設けられた被接触部61と接触する。
【0067】
被接触部61がシャフト22の外周面に形成されるため、シャフト22が軸方向に移動してもブラシ部63の径方向内方の先端は、被接触部61と接触し続ける。つまり、シャフト22が軸方向に移動した場合であっても、シャフト22とハウジング5との導通状態が維持される。
【0068】
本実施形態において、ブラシ部63として、カーボン繊維で形成された線材を用いているが、これに限定されず、弾性変形可能であるとともに、導電性を有する部材で形成された線材を広く採用することができる。また、線材に限定されず、回転軸J2方向に幅を有し、周方向に厚みを有するフィルム状であってもよい。
【0069】
図1に示すように、シャフト本体223の軸方向一方側Nの端部は、第1ベアリング41を介してベアリングホルダ52に回転可能に支持される。シャフト22は貫通孔520を貫通し、軸方向一方側Nに突出する。そして、シャフト22の貫通孔520よりも軸方向一方側Nには、レゾルバ28のレゾルバロータ282が取り付けられる。
【0070】
接触部材6が、カバー部材53の接触部材固定凹部531に取り付けられることで、接触部材6のブラシ部63の径方向内方の先端が、シャフト22の外周面の被接触部61と接触する。ブラシ部63は、弾性変形するため、ブラシ部63の径方向内方の先端は、被接触部61に沿って変形し、被接触部61に接触して、ブラシ部63と被接触部61とが電気的に接続される。これにより、シャフト22と接触部材6とが電気的に接続される。
【0071】
ブラシ部63が弾性変形可能な材料であるため、シャフト22が回転するときにも、シャフト22と接触部材6との電気的な接続が維持される。そのため、シャフト22とハウジング5、すなわち、第1ベアリング41~第4ベアリング44それぞれのシャフト22に取り付けられる内輪とハウジング5に取り付けられる外輪とが同電位となり、電位差に基づいて発生する放電によるベアリングの電蝕が抑制される。これにより、シャフト22の回転のばらつきが抑制され、モータユニット1を長期間安定して駆動させることができる。換言すると、モータユニット1の長寿命化が可能である。
【0072】
また、モータ2のロータ21およびステータ25を潤滑油CLで安定して冷却可能であるため、モータ2の温度上昇による出力の低下を抑制できる。つまり、モータユニット1では、長期間にわたって出力低下を抑制できる。
【0073】
図1に示すように、シャフト22の中空部221の軸方向一方側Nの端部の内径を軸方向他方側Tの内径よりも小さく形成してもよい。中空部221の軸方向一方側Nに段が形成されれる。これにより、シャフト22の軸方向一方側Nが軸方向他方側Tよりも下方になるように傾斜した場合でも、シャフト22の軸方向一方側Nに形成される段によって、冷却液CLの流れが抑制される。これにより、冷却液CLがシャフト22の軸方向一方側Nから接触部材6と被接触部61との間に入り込んで油膜を形成することを抑制し、油膜によるハウジング5とシャフト22との間の電気抵抗が高くなることを抑制できる。
【0074】
<第1変形例>
図4は、第1変形例のモータユニット1Aの概念図である。図5は、モータユニット1Aの回転軸J2を含む平面で切断した断面図である。図6は、シャフト22aの分解斜視図である。図7は、延長シャフト8の斜視図である。第1変形例のモータユニット1Aは、シャフト22aが、延長シャフト8を有し、延長シャフト8に被接触部61が形成されている点で、図1等に示すモータユニット1と異なるが、それ以外の点については、同じ構成を有する。そのため、モータユニット1Aのモータユニット1と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0075】
図4図6に示すように、モータユニット1Aのシャフト22aは、シャフト本体223と、延長シャフト8と、を有する。延長シャフト8は、シャフト本体223の軸方向一方側Nの端部に固定される。延長シャフト8は、鉄、アルミ等の導電性を有する材料で形成される。なお、接触部分での異種金属接触腐食を抑制するため、延長シャフト8の少なくともシャフト本体223と接触する部分は、シャフト本体223と同種の金属で形成されることが好ましい。すなわち、シャフト22aは、シャフト本体223と、導電性を有するとともにシャフト本体223の軸方向一方側Nの端部に固定される延長シャフト8とを有する。
【0076】
図4図7に示すように、延長シャフト8は、シャフト本体223に固定される固定部81を有する。固定部81は、シャフト本体223の中空部221の軸方向一方側Nの端部から中空部221に挿入される。そして、固定部81の外周面は、中空部221の内周面と接触して固定される。すなわち、延長シャフト8は、シャフト本体223に固定される固定部81を有する。また、被接触部61は、延長シャフト8に形成される。被接触部61は、固定部81よりも導電率が高い材料で形成される。すなわち、被接触部61の導電率が、固定部81の導電率よりも高い。
【0077】
延長シャフト8は、軸方向一方側Nの端部から径方向外方に拡がるフランジ部82を有する。フランジ部82は、軸方向から見て円形である。延長シャフト8において、被接触部61は、フランジ部82の外面に形成される。すなわち、被接触部61はフランジ部82の外面の少なくとも一部に形成される。被接触部61は、例えば、銀、銅等の導電膜であり、金属ペーストを塗布して形成される。すなわち、被接触部61は、フランジ部82を構成する材料よりも導電率が高い材料で形成された導電膜である。なお、被接触部61の製造方法として、塗布以外にも、メッキ、蒸着等の成膜方法で成膜してもよい。このように、フランジ部82の外面の一部に被接触部61を形成することで、被接触部61を構成する金属の量を減らすことができ、製造に要するコストを低減できる。
【0078】
フランジ部82の外径は、中空部221の内径よりも大きい。延長シャフト8において、フランジ部82より軸方向他方側Tが、固定部81である。すなわち、固定部81は、フランジ部82よりも軸方向他方側Tに形成される。また、固定部81は、シャフト本体223の軸方向一方側Nの端部に設けた中空部221に配置されて中空部221の内面と接触して固定される。
【0079】
これにより、シャフト本体223と延長シャフト8とは、電気的に接続される。固定部81のシャフト22aへの固定は、圧入にて行われるが、これに限定されない。固定部81とシャフト本体223との電気的な接続を維持しつつ、固定部81をシャフト本体223に強固に固定できる固定方法を広く採用できる。
【0080】
また、延長シャフト8の少なくともフランジ部82は、ハウジング5の収容空間55の内部に配置される。そのため、フランジ部82に配置される被接触部61が、収容空間55の内部に配置される。
【0081】
固定部81をシャフト本体223の中空部221の軸方向一方側Nに配置するとき、フランジ部82が、シャフト本体223の軸方向一方側Nの端部と接触する。これにより、延長シャフト8は、シャフト本体223の軸方向一方側Nに位置決めされて固定される。これにより、フランジ部82を接触リング62と径方向に正確に対向させることができる。
【0082】
延長シャフト8の一部である固定部81がシャフト22の中空部221の端部に挿入される構成であるため、延長シャフト8のシャフト本体223の端部から軸方向に突出する長さを短くできる。これにより、モータユニット1の大型化を抑制しつつ、シャフト22とハウジング5とを電気的に接続し、ベアリングの電蝕を抑制することができる。
【0083】
被接触部61は、フランジ部82の外周部に形成される。これにより、被接触部61がフランジ部82の径方向外縁の外面であるため、シャフト22aが軸方向に移動しても接触部材6と延長シャフト8、つまり、シャフト22aとは、導通状態を続けることが可能である。
【0084】
導電膜を利用して被接触部61を形成するため、延長シャフト8の被接触部61以外の材料として、一定以上の導電率を有する材料から広く選定できる。例えば、一定上の強度および導電率を有する部材で延長シャフト8を形成し、その材料よりも導電率は高い被接触部61を形成することで、延長シャフト8の強度を維持しつつ、接触部材6との電気抵抗を低く抑えることができる。これにより、シャフト22aとハウジング5とを安定して導通状態とすることが可能である。
【0085】
さらに、延長シャフト8、回転軸J2に沿って貫通する貫通孔80を有する。すなわち、延長シャフト8は、軸方向に貫通した筒状である。図5に示すように、中空部221は、軸方向に貫通しており、シャフト本体223は、軸方向他方側Tの端部に冷却液(潤滑油CL)を流入させる流入口220を有する。延長シャフト8が貫通孔80を有する。そのため、シャフト本体223の軸方向一方側Nの端部に延長シャフト8を取り付けた後であっても、シャフト22aは、軸方向に貫通した状態を維持する。
【0086】
これにより、シャフト本体223の中空部が閉塞されることを抑制できる。例えば、シャフト本体223の中空部221に導線を配線する等の場合であっても、延長シャフト8が邪魔になりにくい。また、シャフト22aを軽量化できる。さらに、延長シャフト8が筒状で、シャフト本体223の流入口220と反対側に配置されることで、シャフト22aの回転時に中空部221内での負圧の発生の邪魔になりにくい。これにより、流入口220から流入したオイルが負圧によって、中空部221内を軸方向に引っ張られるため、軸方向の流入口220から遠い部分までオイルを送ることができる。
【0087】
図5に示すように、延長シャフト8の内径は、中空部221の内径よりも小さい。このように構成することで、シャフト22aの軸方向一方側Nが軸方向他方側Tよりも下方になるように傾斜した場合でも、シャフト本体223の内径と延長シャフト8の内径との差による段によって、冷却液(潤滑油CL)が延長シャフト8の内部に流入することを抑制できる。これにより、冷却液(潤滑油CL)がシャフト22aの軸方向一方側Nから接触部材6と被接触部61との間に入り込んで油膜を形成することを抑制し、油膜によるハウジング5とシャフト22aとの間の電気抵抗が高くなることを抑制できる。
【0088】
例えば、モータユニット1が自動車の動力源として用いられる場合、自動車の停車状態によっては、シャフト22aの軸方向一方側Nが軸方向他方側Tよりも下方に位置する場合がある。この場合、潤滑油CLが中空部221を通って軸方向一方側Nに流れやすくなるが、段部で流れが制限されるため、中空部221の軸方向他方側Tの端部からの潤滑油CLの漏れを抑制できる。
【0089】
これにより、絶縁性の潤滑油CLのブラシ部63への付着を抑制し、ブラシ部63と被接触部61との電気的な抵抗の上昇を抑制する。結果として、シャフト22aとハウジング5との電位差を小さく抑えることができる。
【0090】
また、延長シャフト8全体が単一の部材で形成されてもよい。このようにすることで、フランジ部82を接合する工程が不要になる。これにより、延長シャフト8の製造工程を簡略化できる。また、つなぎ目を省略できるため、内部を流れる潤滑油CLが漏れにくく、潤滑効率の低下を抑制できる。
【0091】
<第2変形例>
図8は、第2変形例の延長シャフト8aの断面図である。図8に示す延長シャフト8aは、貫通孔80の内面の中間部分に径方向に突出する内フランジ部83を有する。延長シャフト8aは、内フランジ部83を有する以外、図4等に示す、延長シャフト8と同じ構成を有する。そのため、延長シャフト8aの実質的に延長シャフト8と同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。また、延長シャフト8aは、シャフト22aの一部である。
【0092】
図8に示すように、延長シャフト8aは貫通孔80の内周面から径方向内方に拡がる環状の内フランジ部83をさらに有する。内フランジ部83を設けることで、シャフト22aの軸方向一方側Nの端部から潤滑油CLが流出することをより効果的に抑制することができる。なお、内フランジ部83はシャフト本体223の中空部221内に潤滑油を引っ張ることができる負圧を発生させることができる程度の貫通孔を有する。
【0093】
例えば、モータユニット1が自動車の動力源として用いられる場合、自動車の停車状態によっては、シャフト22aの軸方向一方側Nが軸方向他方側Tよりも下方に位置する場合がある。この場合、潤滑油CLが中空部221を通って軸方向一方側Nに流れやすくなるが、内フランジ部83を有することで、シャフト22aの傾きが大きくても、潤滑油CLが中空部221の軸方向一方側Nから漏れることを抑制できる。
【0094】
なお、内フランジ部83は、延長シャフト8aと単一の部材として形成されてもよい。また、内フランジ部83を環状の部材を延長シャフト8aの貫通孔80に固定してもよい。固定方法としては、圧入を挙げることができるが、これに限定されず、内フランジ部83を貫通孔80に強固に固定できる方法を広く採用することができる。また、延長シャフト8aの貫通孔80の軸方向の中間部よりも軸方向一方側Nの内径を、軸方向他方側Tの内径よりも小さくして形成してもよい。このように構成することで、より簡単に、延長シャフト8aを製造することが可能である。
【0095】
なお、内フランジ部83の貫通孔は、潤滑油CLを吸引できる程度の負圧を発生できる程度に空気を流すことができる面積を有することが好ましい。
【0096】
<第3変形例>
図9は、第3変形例の延長シャフト8bの断面図である。図9に示す延長シャフト8bは、柱部84に取り付けられるフランジ部82bを有する点で延長シャフト8と異なる。これ以外の点において、図9に示す延長シャフト8bは、図4等に示す延長シャフト8と同じ構成を有する。そのため、延長シャフト8bの延長シャフト8と実質的に同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。また、延長シャフト8bは、シャフト22aの一部である。
【0097】
図9に示すように、延長シャフト8bは、柱部84と、フランジ部82bとを有する。フランジ部82bは、円環状であり柱部84の外周面に圧入される。そして、柱部84のフランジ部82bが取り付けられている部分よりも軸方向他方側Tが、固定部81である。フランジ部82bは、全体が、柱部84よりも導電率が高い部材で形成される。つまり、フランジ部82b全体が、被接触部61である。すなわち、フランジ部82bは固定部81よりも導電率が高い材料で形成される。
【0098】
このように構成することで、導電膜の成膜工程を省くことが可能である。また、フランジ部82b全体が被接触部61であるため、接触部材6のブラシ部63との接触によって、被接触部61が摩耗しても、延長シャフト8bと接触部材6との接触状態を維持することが可能である。これにより、長期間にわたり、シャフト22aとハウジング5との導通を維持し、ベアリングの電蝕を抑制することができる。
【0099】
なお、フランジ部82bの柱部84への固定方法として圧入を挙げているがこれに限定されない。溶接、溶着、接着等、フランジ部82bを柱部84に強固に固定できる方法を広く採用することができる。
【0100】
<第4変形例>
図10は、第4変形例の延長シャフト8cの断面図である。図10に示す延長シャフト8cは、フランジ部を有しない点で延長シャフト8と異なる。また、シャフト22cのシャフト本体223cの中空部224の軸方向一方側Nの端部に、内径が広くなった広口部225を有する。これ以外の点について、図10に示す延長シャフト8cおよびシャフト22cは、図4等に示す延長シャフト8およびシャフト22aと同じ構成を有する。そのため、延長シャフト8cおよびシャフト22cの延長シャフト8およびシャフト22aと実質的に同じ部分には、同じ符号を付すとともに同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0101】
図10に示すように、中空部224の軸方向一方側Nの端部に広口部225を有することで、中空部224の軸方向一方側Nの端部に段部が形成される。そして、延長シャフト8cは、軸方向の全域において外形が均一な円筒形状の柱部84の軸方向一方側Nの端部の外周面に被接触部61を有する。
【0102】
延長シャフト8cの固定部81を中空部224の軸方向一方側Nの端部から圧入する。このとき、延長シャフト8cの軸方向他方側Tの端部が、広口部225の軸方向他方側Tの段部に接触する。これにより、フランジ部を有しない延長シャフト8cであっても、延長シャフト8cを圧入するときに、軸方向の位置決めを行うことができる。これにより、接触部材6のブラシ部63を被接触部61に正確に接触させることができ、シャフト22cとハウジング5との電位差を小さくすることが可能である。
【0103】
<第5変形例>
図11は、第5変形例のモータユニットの延長シャフト8dの周囲の断面図である。図8に示す延長シャフト8dの被接触部61dおよび接触部材6dが、図4等に示す延長シャフト8および接触部材6とは異なる。これ以外の点については、実質上同じ構成を有する。そのため、延長シャフト8dの延長シャフト8と実質上同じ部分には、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0104】
図11に示すように、延長シャフト8dに形成される被接触部61dは、フランジ部82の軸方向一方側Nの端面に形成されている。また、接触部材6dは、接触リング64と、ブラシ部65とを有する。接触リング64は、円環状であり、中心が回転軸J2と一致する。そして、接触リング64の軸方向他方側Tの端面はフランジ部82の軸方向一方側Nの端面と軸方向に対向する。そして、ブラシ部65は、接触リング64の軸方向他方側Tの端面から軸方向他方側Tに延びる。
【0105】
そして、ブラシ部65は、たわんだ状態で配置され、ブラシ部65は、軸方向他方側Tの先端が延長シャフト8dの被接触部61dと接触する。これにより、ブラシ部65は、被接触部61dと電気的に接続される。また、シャフト22aの回転に伴って、延長シャフト8dが回転しても、ブラシ部65と被接触部61dとの接触状態が継続される。つまり、モータ2Aが駆動している間も、シャフト22aとハウジング5とが電気的に接続される。これにより、ベアリングの電蝕を抑制することが可能である。
【0106】
<第6変形例>
図12は、第6変形例のモータユニット1Eの断面図である。図12に示すように、モータユニット1Eは、モータ2Dのシャフト22eのシャフト本体223eの中空部226がモータユニット1Aのシャフト22aのシャフト本体223の中空部221と異なる。また、延長シャフト8eが貫通孔80を有さない点で、延長シャフト8と異なる。モータユニット1Eのこれら以外の点については、図4に示すモータユニット1Aと実質上同じ構成を有する。そのため、モータユニット1Eにおいて、モータユニット1と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
【0107】
例えば、モータユニット1Eにおいて、冷却液循環部7による潤滑油CLをモータ2Eに吹き付けることで十分に冷却可能な場合、シャフト22eの内部に潤滑油CLを流さなくてもよい。そのため、シャフト22eを円柱とし、シャフト本体223eの軸方向一方側Nの端面に軸方向に凹む中空部226が形成される。中空部226は、シャフト本体223eの軸方向一方側Nの端面に設けられて、軸方向に凹む有底の凹部である。すなわち、シャフト本体223eは、少なくとも軸方向一方側Nの端部に開口した中空部226を有する。
【0108】
そして、モータユニット1Eにおいて、延長シャフト8eは貫通孔を有しない。延長シャフト8eの固定部81をシャフト本体223eの中空部226に圧入することで、延長シャフト8eは、シャフト本体223eの軸方向一方側Nの端部に固定される。これによりシャフト本体223eに、延長シャフト8eを取り付け可能である。
【0109】
延長シャフト8eがシャフト本体223eの端部の中空部226に挿入される構成であるため、延長シャフト8eのシャフト本体223eの端部から軸方向に突出する長さを短くできる。これにより、ハウジング5とシャフト22eとの導通を確保するための部分を小型化することが可能である。
【0110】
モータユニット1Eにおいて、延長シャフト8eをシャフト本体223eの軸方向一方側Nに取り付ける構成を示しているが、これに限定されない。軸方向他方側Tの端部に、延長シャフト8eおよび接触部材6を配置してもよい。また、軸方向において、両端に延長シャフト8eおよび接触部材6を配置してもよい。
【0111】
以上に、本発明の実施形態および変形例を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明のモータユニットは、例えば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)および電気自動車(EV)の駆動用モータとして用いることができる。
【符号の説明】
【0113】
1 モータユニット
2 モータ
21 ロータ
22 シャフト
220 流入口
221 中空部
222 ベアリング接触部
23 ロータコア
24 ロータマグネット
25 ステータ
26 ステータコア
27 コイル
271 コイルエンド
28 レゾルバ
281 レゾルバステータ
282 レゾルバロータ
3 ギヤ部
31 減速部
311 第1ギヤ
312 第2ギヤ
313 第3ギヤ
314 中間シャフト
32 差動部
321 リングギヤ
33 出力シャフト
41 第1ベアリング
42 第2ベアリング
43 第3ベアリング
44 第4ベアリング
5 ハウジング
501 モータ収容空間
502 ギヤ部収容空間
51 ハウジング本体
510 側板部
511 第1筒部
512 隔壁部
513 突出部
514 貫通孔
515 第1駆動軸通過孔
52 ベアリングホルダ
520 貫通孔
521 凹部
53 カバー部材
531 接触部材固定凹部
54 ギヤ部収容部
541 第2筒部
542 閉塞部
543 第2駆動軸通過孔
55 収容空間
56 環状部材
57 オイルリザーブ皿
6 接触部材
61 被接触部
62 接触リング
63 ブラシ部
7 冷却液循環部
71 配管部
72 ポンプ
73 オイルクーラ
74 モータオイルリザーバ
1A モータユニット
2A モータ
22a シャフト
223 シャフト本体
8 延長シャフト
80 貫通孔
81 固定部
82 フランジ部
8a 延長シャフト
83 内フランジ部
8b 延長シャフト
82b フランジ部
22c シャフト
223c シャフト本体
8c 延長シャフト
84 柱部
224 中空部
225 広口部
2D モータ
6d 接触部材
8d 延長シャフト
61d 被接触部
64 接触リング
65 ブラシ部
1E モータユニット
2E モータ
226 中空部
8e 延長シャフト
22e シャフト
223e シャフト本体
CL 潤滑油
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12