(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】モータ制御装置、モータ制御方法、及び電動パワーステアリング装置
(51)【国際特許分類】
H02P 21/05 20060101AFI20250401BHJP
【FI】
H02P21/05
(21)【出願番号】P 2021154519
(22)【出願日】2021-09-22
【審査請求日】2024-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 玄
【審査官】保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-127053(JP,A)
【文献】特開2013-066367(JP,A)
【文献】特開平07-020906(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019699(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P21/00-25/03
25/04
25/10-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期モータの角速度に基づいて、前記同期モータのトルク指令値に対応する第1の2相電流指令値を演算する第1の演算手段と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値を演算する第2の演算手段と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値を、2相電流値に変換する第1の変換手段と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値と、前記第1の変換手段にて変換された2相電流値との差分を用いて、第1の2相電圧指令値を導出する導出手段と、
前記第1の2相電圧指令値を、3相電圧指令値に変換する第2の変換手段と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給手段と
を備え、
前記導出手段は、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し、
前記差分と前記同期モータの
角速度とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する、ことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
前記導出手段は、正弦関数に基づく伝達関数を用いて、前記補正値を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記導出手段は、余弦関数に基づく伝達関数を用いて、前記補正値を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記伝達関数は、分母多項式に{s
2+(6nω)
2}を含む、ことを特徴とする請求項2または3に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記補正値は、前記第1の変換手段にて変換された2相電流値の6n次成分に対応する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
同期モータの角速度に基づいて、前記同期モータのトルク指令値に対応する第1の2相電流指令値を演算する第1の演算工程と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値を演算する第2の演算工程と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値を、2相電流値に変換する第1の変換工程と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値と、前記第1の変換工程にて変換された2相電流値との差分を用いて、第1の2相電圧指令値を導出する導出工程と、
前記第1の2相電圧指令値を、3相電圧指令値に変換する第2の変換工程と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給工程とを有し、
前記導出工程において、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し、
前記差分と前記同期モータの
角速度とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する、ことを特徴とするモータ制御方法。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
前記モータ制御装置にて制御される同期モータと
を備える、電動パワーステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、モータ制御装置、モータ制御方法、及び電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動パワーステアリング装置(EPS)などに備えられる交流モータなどの交流電動機に対して、周波数や電圧、電流、位相などを制御可能な電源から電力を供給し、その動作を制御することが行われている。例えば、電動パワーステアリング装置では、操舵に係る補助力のトルクを適切に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御が行われている。フィードバック制御では、電流指令値と実電流値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整する。一般的に、モータ印加電圧の調整は、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御により行われる。
【0003】
また、電動パワーステアリング装置にて用いられるモータとして、同期モータが挙げられる。同期モータとしては、耐久性や保守性に優れ、騒音やノイズも少ないブラシレスモータが一般的に用いられている。ブラシレスモータの駆動方法として、d軸及びq軸にて定義されるdq回転座標系でモータ電流を制御するベクトル制御が知られている。
【0004】
ブラシレスモータを流れるモータ電流には、基本波成分の他に高調波成分が含まれている。この高調波成分に起因して発生するトルクリップルは、振動や騒音の要因の一つとなる。このトルクリップルを低減するために、例えば、特許文献1では、dq回転座標系上の基本波成分の電流指令値に対して、基本波成分の整数倍の周波数の高調波成分を重畳させ、高調波成分が重畳された電流指令値に基づいて電流制御することが記載されている。
【0005】
また、特許文献2では、電動パワーステアリング装置のモータの高回転域で発生するトルクリップルを低減させるために、高回転域に相当する期間において、トルクリップル低減用の重畳成分をモータ電流に重畳させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4484325号公報
【文献】特開2019-88130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1や特許文献2では、トルクリップルを低減することを目的として、フィードバック信号のための多くの機能部が設けられている。フィードバック信号のため機能部として、モータに流れているモータ電流から各高調波成分を抽出して回転座標系への変換するための機能部、追従制御するようにゲインを用いてモータ電流から得られた高調波成分を調整するための機能部、調整された高調波成分を逆変換して基本波成分に反映させるための機能部などが相当する。また、モータ電流から高調波成分を抽出する際に精度を向上させる場合、ローパスフィルタを備えた機能部が更に必要となる。
【0008】
機能部が増加することで、装置全体における応答性が低下してしまう。例えば、従来の構成において、ローパスフィルタなどによりモータ電流からの高調波成分の抽出の精度を向上させようとした場合、必然的に制御における精度と応答性との間にトレードオフが生じてしまう。応答性の観点からは、装置の機能部の数を抑制しつつ、トルクリップルを低減可能な構成が求められている。
【0009】
上記課題を鑑み、本願発明は、装置における機能部の数を従来よりも抑制しつつ、交流電動機にて発生するトルクリップルを適切に低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、モータ制御装置であって、
同期モータの角速度に基づいて、前記同期モータのトルク指令値に対応する第1の2相電流指令値を演算する第1の演算手段と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値を演算する第2の演算手段と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値を、2相電流値に変換する第1の変換手段と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値と、前記第1の変換手段にて変換された2相電流値との差分を用いて、第1の2相電圧指令値を導出する導出手段と、
前記第1の2相電圧指令値を、3相電圧指令値に変換する第2の変換手段と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給手段と
を備え、
前記導出手段は、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し、
前記差分と前記同期モータの回転角とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する。
【0011】
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、モータ制御方法であって、
同期モータの角速度に基づいて、前記同期モータのトルク指令値に対応する第1の2相電流指令値を演算する第1の演算工程と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値を演算する第2の演算工程と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値を、2相電流値に変換する第1の変換工程と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値と、前記第1の変換工程にて変換された2相電流値との差分を用いて、第1の2相電圧指令値を導出する導出工程と、
前記第1の2相電圧指令値を、3相電圧指令値に変換する第2の変換工程と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給工程と
を有し、
前記導出工程において、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し、
前記差分と前記同期モータの回転角とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する。
【0012】
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、モータ制御装置と、前記モータ制御装置にて制御される同期モータとを備える、電動パワーステアリング装置であって、
前記モータ制御装置は、
同期モータの角速度に基づいて、前記同期モータのトルク指令値に対応する第1の2相電流指令値を演算する第1の演算手段と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値を演算する第2の演算手段と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値を、2相電流値に変換する第1の変換手段と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値と、前記第1の変換手段にて変換された2相電流値との差分を用いて、第1の2相電圧指令値を導出する導出手段と、
前記第1の2相電圧指令値を、3相電圧指令値に変換する第2の変換手段と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給手段と
を備え、
前記導出手段は、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し、
前記差分と前記同期モータの回転角とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する。
【発明の効果】
【0013】
本願発明により、装置における機能部の数を従来よりも抑制しつつ、交流電動機にて発生するトルクリップルを適切に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本願発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概要構成の例を示す構成図。
【
図2】本願発明の一実施形態に係る制御系の機能構成の例を示す図。
【
図3】本願発明の一実施形態に係るフィードバック式の伝達関数の例を説明するための図。
【
図4】本願発明の一実施形態に係るフィードバック式の伝達関数の別の例を説明するための図。
【
図5】本願発明の一実施形態に係る制御処理を示すフローチャート。
【
図6】本願発明の一実施形態に係るフィードバック式の伝達関数の別の例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本願発明を説明するための一実施形態であり、本願発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本願発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
【0016】
<第1の実施形態>
以下、本願発明の第1の実施形態について説明を行う。なお、以下に示す電動パワーステアリング装置の構成は一例であり、本願発明は、電動パワーステアリング装置の他、交流モータを含む電動機全般に適用可能である。
【0017】
[構成概要]
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成例を
図1に示す。ステアリングホイール1は、ドライバが転舵操作を行うための転舵輪である。ステアリングホイール1の操舵軸2は、減速機構を構成する減速ギア(ウォームギア)3、ユニバーサルジョイント4a、4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a、6bを経て、更にハブユニット7a、7bを介して操向車輪8L、8Rに連結されている。
【0018】
操舵軸2は、トーションバー9を介して、ステアリングホイール1側の入力軸と、ピニオンラック機構5側の出力軸とが連結して構成される。ピニオンラック機構5は、ユニバーサルジョイント4bから操舵力が伝達されるピニオンシャフト(不図示)に連結されたピニオン5aと、ピニオン5aに噛合するラック5bとを有する。ピニオン5aに伝達された回転運動が、ラック5bで車幅方向の直進運動に変換される。
【0019】
操舵軸2には、トーションバー9に対して加えられる操舵トルクTdctを検出するトルクセンサ10が設けられている。また、操舵軸2には、操舵軸2のステアリングホイール1側(入力軸側)の軸周りの回転角を示す操舵角θhを検出する操舵角センサ14が設けられている。また、操舵軸2には、操舵軸2のピニオンラック機構5側(出力軸側)の軸周りの回転角を示す出力軸角θcを検出する出力軸角センサ15が設けられている。つまり、操舵角センサ14はトーションバー9に対する入力軸側の回転角を操舵角θhとして検出し、出力軸角センサ15はトーションバー9に対する出力軸側の回転角を出力軸角θcとして検出する。トルクセンサ10は、操舵角θhと出力軸角θcの差によって生じるトーションバー9のねじれに基づき、操舵トルクTdctを検出する。
【0020】
なお、操舵角センサ14と出力軸角センサ15は、一体となって構成されたセンサであってもよい。また、
図1では、説明を容易にするために、操舵軸2とトルクセンサ10を分けて示しているが、これらが一体となった構成であってもよい。トルクセンサ10の構成は特に限定するものではなく、例えば、トーションバー9のねじれからトルクを検出するスリーブタイプやリングタイプなどが用いられてよい。また、上記の構成では、操舵トルクT
dctは、操舵角θ
hと出力軸角θ
cの差によって生じるトーションバー9のねじれに基づいて検出されているが、これに限定するものではない。例えば、トーションバー9のステアリングホイール1側の角度信号と、ピニオンラック機構5側の角度信号の差を用いて、トルク値を検出してもよい。以下の説明において、操舵軸2のステアリングホイール1側を上流側、ピニオンラック機構5側を下流側とも称する。
【0021】
トルクセンサ10にて検出される操舵トルクTdctには、ドライバによるステアリングホイール1に対する操作に基づくドライバトルクの他、下流側からの入力(外乱等)により生じたトルクが含まれる。操舵トルクTdctに基づく指令値を、下流側の入力に起因する振動を抑制するように補正する。ここでの抑制方法は特に限定するものではなく、任意の手法が用いられてよい。
【0022】
ステアリングホイール1に対する操舵力を補助する操舵補助モータ20が減速ギア3を介して操舵軸2に連結されている。電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置を制御するコントローラであるEPS-ECU(Electronic Control Unit)30には、バッテリ13から電力が供給されるとともに、イグニッション(IGN)キー11を経てイグニッションキー信号が入力される。
【0023】
本実施形態に係る操舵補助モータ20(以下、単にモータ20とも称する)は、例えば3相交流モータであり、永久磁石界磁または巻線界磁を有する。モータ20は、u相、v相、w相の各相コイル(不図示)に120°ずつ位相が異なる3相の交流電流が供給されることにより回転する。モータ20の回転子(不図示)の軸には、レゾルバやロータリエンコーダなどから構成される回転角センサ219が設置される。回転角センサ219にて検出されたモータ20の回転角θは、EPS-ECU30へ出力される。ここで検出される回転角θの用途については後述する。
【0024】
EPS-ECU30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTdct、および車速センサ12で検出された車速Vhに基づいてアシスト指令値としての電圧指令値の演算を行う。さらに、EPS-ECU30は、操舵トルクTdctに基づく電圧指令値と、運転支援機能に基づく電圧指令値とに応じて操舵補助モータ20に供給する電力(電圧値Vref)を制御する。操舵補助モータ20は、EPS-ECU30から入力された電圧値Vrefに基づき、減速ギア3を動作させ、ステアリングホイール1に対するアシスト制御を行う。
【0025】
EPS-ECU30は、例えば、プロセッサと、記憶装置等の周辺部品とを含むコンピュータを備えてよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。記憶装置は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。以下に説明するEPS-ECU30の機能は、例えばEPS-ECU30のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
なお、EPS-ECU30は、以下に説明する各情報処理を実行するための専用のハードウェアにより形成されてもよい。例えば、EPS-ECU30は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えば、EPS-ECU30は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
【0027】
[ベクトル制御の機能構成]
交流モータを流れるモータ電流には、基本波成分の他に高調波成分が含まれている。この高調波成分に起因して発生するトルクリップルは、振動や騒音の要因となり得る。三相交流モータの場合、トルクリップルの主成分は、電気角で6n次成分であり、その原因となる巻線電流の高調波成分は、(6n±1)次成分であることが知られている。この(6n±1)次成分をモータの基本波の成分である角速度ωで同期したdq回転座標系では、6n次成分(6nω)として観察される。
【0028】
したがって、dq回転座標系にて6n次成分(6nω)を適切に制御することと、巻線電流の(6n±1)次成分を適切に制御することとは同義となり、これによりトルクリップルを低減することが可能となる。本実施形態では、上記に着目してモータ制御を行う。
【0029】
図2は、本実施形態に係るモータ20のベクトル制御に係る制御系の機能構成の例を示す図である。
図2に示す制御系は、2相フィードバック式のベクトル制御により構成されている。本制御系は、例えば、EPS-ECU30にて構成される。
【0030】
制御系において、まず、トルク指令値Trq*が、電流指令値演算部201、およびn次電流指令値演算部202に入力される。トルク指令値Trq*は、例えば、EPS-ECU30が備える他の制御部(不図示)から入力されてよい。なお、以下の説明において記号「*」は、指令値であることを示す。電流指令値演算部201は、角速度演算部221から入力されるモータ20の角速度ωに基づいて、モータ20にて発生させるトルクと、トルク指令値Trq*とが一致するようにd軸およびq軸それぞれにおける0次成分の電流指令値id0*、iq0*を演算する。電流指令値id0、iq0は、例えば、予め規定された比例定数をトルク指令値Trq*に掛けることで演算される。
【0031】
d軸およびq軸は、dq回転座標系における軸である。d軸は、モータ20が備える回転子(不図示)の磁束の方向を示す。また、q軸は、d軸に直交した方向を示す。電流指令値演算部201により演算されたd軸成分の電流指令値id0*は加算器203に出力される。また、電流指令値演算部201により演算されたq軸成分の電流指令値iq0*は加算器205に出力される。
【0032】
n次電流指令値演算部202は、回転角センサ219から入力される回転角θおよびトルク指令値Trq*に基づいて、d軸およびq軸それぞれにおける6n次成分(6nω)の電流指令値idn*、iqn*を演算する。電流指令値idn*、iqn*は、例えば、回転角θおよびトルク指令値Trq*を入力とし、電流指令値idn*、iqn*を出力として対応付けられたテーブルや、予め規定された算出式を用いて演算されてよい。n次電流指令値演算部202により演算されたd軸の電流指令値idn*は加算器203に出力される。また、n次電流指令値演算部202により演算されたq軸の電流指令値iqn*は加算器205に出力される。
【0033】
加算器203は、電流指令値演算部201からの電流指令値id0*とn次電流指令値演算部202からの電流指令値idn*とを加算して電流指令値id*を求め、減算器204へ出力する。加算器205は、電流指令値演算部201からの電流指令値iq0*とn次電流指令値演算部202からの電流指令値iqn*とを加算して電流指令値iq*を求め、減算器204へ出力する。
【0034】
減算器204は、電流指令値id*から、3相/2相変換部220から出力される電流値idを減算し、偏差Δid*としてPI制御部207および補正値算出部208へ出力する。減算器206は、電流指令値iq*から、3相/2相変換部220から出力される電流値iqを減算し、偏差Δiq*としてPI制御部210および補正値算出部211へ出力する。
【0035】
PI制御部207は、減算器204から入力された偏差Δid*に対して、以下の式(1)にて示す伝達関数を用いて、電圧指令値を算出する。そして、PI制御部207は算出した電圧指令値を加算器209へ出力する。
【0036】
【0037】
補正値算出部208は、電流指令値に対して、6n次成分である実電流値idを遅延することなく追従させるために、内部モデル原理に基づく補正値を算出する。補正値算出部208は、減算器204から入力された偏差Δid*と、角速度演算部221から入力されるモータ20の角速度ωに基づいて、電圧指令値に対する補正値を算出し、加算器209へ出力する。本実施形態では、補正値算出部208は、以下の式(2)に示す伝達関数を用いて補正値を算出する。式(2)では、6n次成分に対応させるために、伝達関数の分母多項式にs2+(6nω)2を含む。また、式(2)に示す伝達関数は、余弦関数(cos関数)に由来する。
【0038】
【0039】
加算器209は、PI制御部207からの電圧指令値と、補正値算出部208からの補正値とを加算し、d軸に対する電圧指令値vd*として、2相/3相変換部213に出力する。
【0040】
PI制御部210は、減算器206から入力された偏差Δiq*に対して、PI制御部207と同様、上記の式(1)にて示した伝達関数を用いて、電圧指令値を算出する。そして、PI制御部210は算出した電圧指令値を加算器212へ出力する。
【0041】
補正値算出部211は、電流指令値に対して、6n次成分である実電流値iqを追従させるために、内部モデル原理に基づく補正値を算出する。補正値算出部211は、減算器206から入力された偏差Δiq*と、角速度演算部221から入力されるモータ20の角速度ωに基づいて、電圧指令値に対する補正値を算出し、加算器212へ出力する。本実施形態では、補正値算出部211は、補正値算出部208と同様、上記の式(2)にて示した伝達関数を用いて、補正値を算出する。
【0042】
加算器212は、PI制御部210からの電圧指令値と、補正値算出部211からの補正値とを加算し、q軸に対する電圧指令値vq*として、2相/3相変換部213に出力する。
【0043】
2相/3相変換部213は、2相電圧指令値(加算器209からの電圧指令値vd*、および加算器212からの電圧指令値vq*)、および回転角センサ219からのモータ20の回転角θを入力とし、回転角θに同期するように2相電圧指令値をモータ20に対応した3相電圧指令値vu*、vv*、vw*へ座標変換する。そして、2相/3相変換部213は、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*それぞれをPWM制御部214へ出力する。
【0044】
PWM制御部214は、2相/3相変換部213からの3相電圧指令値vu*、vv*、vw*それぞれに基づいて、各相のduty比を導出し、インバータ215へ出力する。
【0045】
インバータ215は、PWM制御部214からの入力に基づいて、バッテリ13により供給される交流電源の電力を3相電圧v
u、v
v、v
wに変換して、モータ20へ供給する。なお、
図1では、EPS-ECU30からモータ20に出力される電圧として、電圧値V
refを示したが、これは、3相電圧v
u、v
v、v
wに対応する。
【0046】
インバータ215とモータ20との間の接続線上には、電流値を検出するための電流検出回路216、217、218が備えられ、3相電流iu、iv、iwの値が検出される。電流検出回路216、217、218は、検出した電流値を3相/2相変換部220へ出力する。なお、電流検出回路216、217、218は、インバータ215内部に設けられてもよい。
【0047】
回転角センサ219は、モータ20の回転角θを検出し、2相/3相変換部213、3相/2相変換部220、角速度演算部221、およびn次電流指令値演算部202へ出力する。
【0048】
3相/2相変換部220は、3相電流値(インバータ215からモータ20に供給される3相電流iu、iv、iwの値)、および回転角センサ219からのモータ20の回転角θを入力とし、3相電流値をdq回転座標系のd軸およびq軸それぞれに対応した2相の実電流値id、iqに座標変換する。そして、3相/2相変換部220は、実電流値idを減算器204へ出力し、実電流値iqを減算器206へ出力する。
【0049】
角速度演算部221は、回転角センサ219からの回転角θを微分してモータ20の角速度ωを算出し、電流指令値演算部201、補正値算出部208、および補正値算出部211へ出力する。
【0050】
図3、
図4は、
図2に示したPI制御部207やPI制御部210、およびモータ20周りのフィードバック式の制御系を説明するための図である。
図3、
図4において、入力をU(s)とし、出力をY(s)とする。また、PI制御部207と補正値算出部208(および、PI制御部210と補正値算出部211)のモデルをG
c(s)とする。また、モータ20周りのモータモデルを制御対象G
p(s)として示す。制御対象G
p(s)の伝達関数は、以下の式(3)を用いる。
【0051】
【0052】
図3、
図4では、n=1、2の場合を示している。本実施形態において、補正値算出部208や補正値算出部211にて用いられる上記の式(2)は、cos関数由来の伝達関数である。この伝達関数は、
図3に示すように、並列に接続してよい。または、伝達関数を
図4に示すように直列に接続してもよい。
【0053】
[処理フロー]
図5は、本実施形態に係るEPS-ECU30による制御処理のフローチャートである。ここでは、説明を簡略化するために、処理主体をEPS-ECU30として包括的に記載する。
【0054】
S501にて、EPS-ECU30は、トルク指令値Trq*を取得する。トルク指令値Trq*は、EPS―ECU30が備える他の部位(不図示)から取得してもよいし、車両(不図示)に備えられたADAS―ECU(不図示)などから取得してもよい。
【0055】
S502にて、EPS-ECU30は、S501にて取得したトルク指令値Trq*から、モータ20の角速度ωに基づいて、dq回転座標系における0次の電流指令値id0*、iq0*を算出する。
【0056】
S503にて、EPS-ECU30は、S501にて取得したトルク指令値Trq*から、モータ20の回転角θに基づいて、トルクリップルを低減するためのn次の電流指令値idn*、iqn*を算出する。
【0057】
S504にて、EPS-ECU30は、S502にて算出したd軸における0次の電流指令値id0*と、S503にて算出したd軸におけるn次の電流指令値idn*とを重畳し、電流指令値Id*を算出する。同様に、EPS-ECU30は、S502にて算出したq軸における0次の電流指令値iq0*と、S503にて算出したq軸におけるn次の電流指令値iqn*とを重畳し、電流指令値iq*を算出する。
【0058】
S505にて、EPS-ECU30は、S505にて算出した電流指令値id*、iq*とモータ20の実電流値id、iqとの偏差Δid*、Δiq*を算出する。
【0059】
S506にて、EPS-ECU30は、S505にて算出したd軸成分、q軸成分それぞれの電流値の偏差Δid*、Δiq*を用いてPI制御により電圧指令値を算出する。ここでのPI制御では、上述した式(1)にて示す伝達関数を用いてよい。
【0060】
S507にて、EPS-ECU30は、S505にて算出したd軸成分、q軸成分それぞれの電流値の偏差Δid*、Δiq*と、モータ20の角速度ωを用いて電圧指令値に対する補正値を算出する。ここでは、上述した式(2)にて示す伝達関数を用いてよい。
【0061】
S508にて、EPS-ECU30は、S506にて算出したd軸成分の電圧指令値を、S507にて算出したd軸成分の補正値にて補正することで、d軸成分における電圧指令値vd*を算出する。同様に、EPS-ECU30は、S506にて算出したq軸成分の電圧指令値を、S507にて算出したq軸成分の補正値にて補正することで、q軸成分における電圧指令値vq*を算出する。
【0062】
S509にて、EPS-ECU30は、S508にて算出した電圧指令値vd*、vq*を、モータの20の回転角θに基づいて、モータ20を制御するための3相の電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。
【0063】
S510にて、EPS-ECU30は、S509にて得られた電圧指令値vu*、vv*、vw*を用いて、PWM制御部214による各相のdutyを導出し、これに基づいて、3相電圧vu、vv、vwを制御してモータ20の制御を行わせる。そして、本処理フローを終了する。本処理フローは、モータ20の制御を行っている間、繰り返し実行される。
【0064】
以上、本実施形態により、装置における機能部の数を抑制しつつ、電動機にて発生するトルクリップルを適切に低減することが可能となる。特に、従来の構成よりもフィードバックに係る機能部の数を抑制できるため、装置全体における応答性を向上させることが可能となる。
【0065】
[変形例]
上記の例では、補正値算出部208、および補正値算出部211にて用いる伝達関数として、式(2)を用いた。しかしこれに限定するものでは無く、他の伝達関数を用いてもよい。
【0066】
上記の式(2)に示した伝達関数は、余弦関数に由来する伝達関数である。これに代えて、正弦関数(sin関数)に由来する以下の式(4)に示す伝達関数を用いてもよい。式(4)においても、式(2)と同様、6n次成分に対応させるために、伝達関数の分母多項式にs2+(6nω)2を含む。
【0067】
【0068】
図6は、
図2に示したPI制御部207やPI制御部210、およびモータ20周りの制御系を説明するための図である。
図3との差異は、補正値算出部208や補正値算出部211にて上記の式(4)を用いている点である。ここでは、伝達関数を並列に接続した構成例を示している。
【0069】
<その他の実施形態>
本願発明に係る制御を用いる同期モータの適用対象として、電動パワーステアリング装置を例に挙げて説明したが、電動パワーステアリング装置の構成は、
図1に示した構成に限定するものではない。例えば、電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1側と、ピニオンラック機構5側とが機械的に切り離されたステアバイワイヤ(SBW:Steer-By-Wire)機構により構成されていてもよい。
【0070】
また、本願発明において、上述した1以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【0071】
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0072】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 同期モータ(例えば、20)の角速度(例えば、ω)に基づいて、前記同期モータのトルク指令値(例えば、Trq*)に対応する第1の2相電流指令値(例えば、id0*,iq0*)を演算する第1の演算手段(例えば、201)と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値(例えば、idn*,iqn*)を演算する第2の演算手段(例えば、202)と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値(例えば、iu,iv,iw)を、2相電流値(例えば、id,iq)に変換する第1の変換手段(例えば、220)と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値(例えば、id*,iq*)と、前記第1の変換手段にて変換された2相電流値との差分(例えば、Δid*,Δiq*)を用いて、第1の2相電圧指令値(例えば、vd*,vq*)を導出する導出手段(例えば、207~211)と、
前記第1の2相電圧指令値を、3相電圧指令値(例えば、vu*,vv*,vw*)に変換する第2の変換手段(例えば、213)と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給手段(例えば、214、215)と
を備え、
前記導出手段は、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し(例えば、207、210)、
前記差分と前記同期モータの回転角とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し(例えば、208、211)、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する(例えば、209、212)、ことを特徴とするモータ制御装置。
この構成によれば、装置における機能部の数を抑制しつつ、交流電動機にて発生するトルクリップルを適切に低減することが可能となる。
【0073】
(2) 前記導出手段は、正弦関数に基づく伝達関数を用いて、前記補正値を算出する、ことを特徴とする(1)に記載のモータ制御装置。
この構成によれば、正弦関数を用いて、同期モータの実2相電流の6次成分を遅延なく、電流指令値に反映させることで、適切にトルクリップルを低減させることができる。
【0074】
(3) 前記導出手段は、余弦関数に基づく伝達関数を用いて、前記補正値を算出する、ことを特徴とする(1)に記載のモータ制御装置。
この構成によれば、余弦関数を用いて、同期モータの実2相電流の6次成分を遅延なく、電流指令値に反映させることで、適切にトルクリップルを低減させることができる。
【0075】
(4) 前記伝達関数は、分母多項式に{s2+(6nω)2}を含む、ことを特徴とする(2)または(3)に記載のモータ制御装置。
この構成によれば、同期モータの実2相電流の6次成分に着目して、電流指令値に反映させることができる。
【0076】
(5) 前記補正値は、前記第1の変換手段にて変換された2相電流値の6n次成分に対応する、ことを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載のモータ制御装置。
この構成によれば、トルクリップルの原因となる同期モータの実2相電流の6次成分に着目して、電流指令値を導出することができる。
【0077】
(6) 同期モータの角速度に基づいて、前記同期モータのトルク指令値に対応する第1の2相電流指令値を演算する第1の演算工程と、
前記トルク指令値と前記同期モータの回転角に基づいて、dq回転座標系における6n次成分に対応する第2の2相電流指令値を演算する第2の演算工程と、
前記同期モータの回転角に基づいて、前記同期モータに供給されている3相電流値を、2相電流値に変換する第1の変換工程と、
前記第1の2相電流指令値と前記第2の2相電流指令値とを重畳させた2相電流指令値と、前記第1の変換工程にて変換された2相電流値との差分を用いて、第1の2相電圧指令値を導出する導出工程と、
前記導出工程にて導出された2相電圧指令値を、3相電圧指令値に変換する第2の変換工程と、
前記3相電圧指令値に基づいて、前記同期モータに3相電圧を供給する供給工程と
を有し、
前記導出工程において、
前記差分を用いてPI制御を行って、第2の2相電圧指令値を算出し、
前記差分と前記同期モータの回転角とに基づいて、前記第2の2相電圧指令値に対する補正値を算出し、
前記第2の2相電圧指令値を前記補正値により補正することで、前記第1の2相電圧指令値を導出する、ことを特徴とするモータ制御方法。
この構成によれば、装置における機能部の数を抑制しつつ、交流電動機にて発生するトルクリップルを適切に低減することが可能となる。
【0078】
(7) (1)~(5)のいずれかに記載のモータ制御装置と、
前記モータ制御装置にて制御される同期モータと
を備える、電動パワーステアリング装置。
この構成によれば、モータ制御装置における機能部の数を抑制しつつ、電動パワーステアリング装置に搭載された交流電動機にて発生するトルクリップルを適切に低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0079】
1 ステアリングホイール
2 操舵軸
3 減速ギア
4a,4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6a,6b タイロッド
7a,7b ハブユニット
8L,8R 操向車輪
9 トーションバー
10 トルクセンサ
11 イグニッション(ING)キー
12 車速センサ
13 バッテリ
14 操舵角センサ
20 操舵補助モータ(モータ)
30 EPS(Electric Power Steering)-ECU(Electronic Control Unit))
201 電流指令値演算部
202 n次電流指令値演算部
203,205,209,212 加算器
204,206 減算器
207,210 PI制御部
208,211 補正値算出部
213 2相/3相変換部
214 PWM制御部
215 インバータ
216,217,218 電流検出回路
219 回転角センサ
220 3相/2相変換部
221 角速度演算部