(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20250401BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20250401BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/0601 340
(21)【出願番号】P 2021542683
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(86)【国際出願番号】 JP2020029845
(87)【国際公開番号】W WO2021039312
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】P 2019155549
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】富田 莉奈
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-186318(JP,A)
【文献】国際公開第2016/084305(WO,A1)
【文献】特開2018-092455(JP,A)
【文献】特開2012-074014(JP,A)
【文献】特開2013-245029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示枠の各々に対する、管理者による店舗及び時間の少なくとも一方を選択に応じて、前記複数の表示枠の各々に、前記管理者により選択された商品陳列棚の棚画像の各々を並べて表示させる棚画像表示手段と、
前記管理者により選択された選択店舗における前記商品陳列棚の棚画像に対して、前記商品陳列棚の棚画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成手段と、
前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信手段と
を備え、
前記生成手段は、前記管理者による前記作業指示に係る情報の入力を受け付け、前記商品陳列棚の棚画像と前記作業指示に係る情報の入力とに基づいて前記指示画像を生成する
ことを特徴とする店舗管理システム。
【請求項2】
前記生成手段は、手書き入力された前記作業指示に係る情報を前記
棚画像に重畳して前記指示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の店舗管理システム。
【請求項3】
前記生成手段は、前記
棚画像における異常を検知し、前記異常に関連する作業指示に係る情報を重畳することで指示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の店舗管理システム。
【請求項4】
前記作業指示に対応可能な前記作業員のリストを表示する表示手段を更に備え、
前記送信手段は、前記リストの中から選択された作業員に前記指示画像を送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の店舗管理システム。
【請求項5】
前記作業員が保有する作業員端末を更に備え、
前記作業員端末は、前記送信手段により前記作業員に送信された前記指示画像に対して、前記作業指示に係る情報とは異なる他の情報を追加する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の店舗管理システム。
【請求項6】
前記作業員端末は、前記他の情報として、前記作業指示を前記作業員が確認したことを示す確認済情報を追加する
ことを特徴とする請求項5に記載の店舗管理システム。
【請求項7】
前記作業員が保有する作業員端末を更に備え、
前記作業員端末は、複数の表示枠の各々に対する、前記作業員による店舗及び時間の少なくとも一方を選択に応じて、前記複数の表示枠の各々に、前記商品陳列棚の棚画像の各々を並べて表示させる作業員端末表示手段を有し、
前記棚画像は、前記指示画像を含む
請求項1から4のいずれか一項に記載の店舗管理システム。
【請求項8】
少なくとも1つのコンピュータによって、
複数の表示枠の各々に対する、管理者による店舗及び時間の少なくとも一方を選択に応じて、前記複数の表示枠の各々に、前記管理者により選択された商品陳列棚の棚画像の各々を並べて表示させ、
前記管理者により選択された選択店舗における前記商品陳列棚の棚画像に対して、前記商品陳列棚の棚画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成し、
前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信し、
前記指示画像を生成する際に、前記管理者による前記作業指示に係る情報の入力を受け付け、前記商品陳列棚の棚画像と前記作業指示に係る情報の入力とに基づいて前記指示画像を生成する
ことを特徴とする店舗管理方法。
【請求項9】
複数の表示枠の各々に対する、管理者による店舗及び時間の少なくとも一方を選択に応じて、前記複数の表示枠の各々に、前記管理者により選択された商品陳列棚の棚画像の各々を並べて表示させ、
前記管理者により選択された選択店舗における前記商品陳列棚の棚画像に対して、前記商品陳列棚の棚画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成し、
前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信し、
前記指示画像を生成する際に、前記管理者による前記作業指示に係る情報の入力を受け付け、前記商品陳列棚の棚画像と前記作業指示に係る情報の入力とに基づいて前記指示画像を生成する
店舗管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗を管理する店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、店舗の状況を監視するものが知られている。例えば特許文献1では、店舗における陳列棚を撮影した映像に基づいて、陳列棚を監視する技術が開示されている。特許文献2では、物品情報を管理して、商品の補充作業を自動的に作業員に指示する技術が開示されている。
【0003】
その他の関連する技術として、特許文献3では、手書きデータを画像に合成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/084305号パンフレット
【文献】特開2010-186318号公報
【文献】特開2014-149634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗を管理する際には、監視結果に応じて作業員に対して適宜作業指示を出すことが求められる。しかしながら、上述した特許文献1では、商品棚が所定の位置で検出されない場合にアラート通知がされるのみで、具体的な作業指示の方法については言及されていない。また特許文献2では、指示情報を携帯端末に送信することしか記載されておらず、指示内容を的確に作業員に伝えるという点において改善の余地がある
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、店舗における作業指示の内容を的確に伝えることが可能な店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の店舗管理システムの一の態様は、店舗の撮像画像に対して、前記撮像画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成手段と、前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信手段とを備える。
【0008】
本発明の店舗管理方法の一の態様は、店舗の撮像画像に対して、前記撮像画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成工程と、前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信工程とを含む。
【0009】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、店舗の撮像画像に対して、前記撮像画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成工程と、前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信工程とをコンピュータに実行させる。
【0010】
本発明の記録媒体の一態様は、上述したコンピュータプログラムが記録されている。
【発明の効果】
【0011】
上述した店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体のそれぞれの一の態様によれば、作業指示に係る情報が重畳された指示画像を送信することで、店舗における作業指示の内容を的確に伝えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る店舗管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る店舗管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】手書き入力により生成された指示画像の一例を示す図である。
【
図5】指示画像を送信する際に表示される送信者リストの一例を示す図である。
【
図6】指示画像を受信した端末における通知例を示す図である。
【
図7】指示画像が送信された共有メンバーリストの一例を示す図である。
【
図8】作業指示を確認したことを伝える確認ボタンの一例を示す図である。
【
図9】作業指示に対する返信メッセージを追加した返信画像の一例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る店舗管理システムのアプリにおける画面遷移フローの一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る店舗管理システムのアプリにおける複数表示機能の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る店舗管理システムのアプリにおける他店比較機能の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0014】
(システム構成)
まず、
図1及び
図2を参照しながら、本実施形態に係る店舗管理システムの構成について説明する。
図1は、実施形態に係る店舗管理システムの全体構成を示すブロック図である。
図2は、実施形態に係る店舗管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、本実施形態に係る店舗管理システム1は、例えばコンビニエンスストア等の店舗に適用されるシステムであり、主な構成要素として、カメラ10と、店舗管理装置20と、管理者端末30と、複数の作業員端末40とを備えて構成されている。
【0016】
カメラ10は、店舗の内部或いは店舗の周辺を撮像可能に構成されている。カメラ10は、動画を撮像するものであってもよいし、静止画を一定の周期で定期的に撮像するものであってもよい。カメラ10は1つの店舗に対して複数設置されていてもよい。なお、カメラ10は、店舗における死角が発生しないように設置されることが好ましいが、店舗管理システム1による監視対象(言い換えれば、管理対象)が限定されている場合には、撮像範囲が限定されていても構わない。カメラで撮像された撮像画像は、店舗管理装置20に出力される構成となっている。
【0017】
店舗管理装置20は、例えば管理サーバーとして構成されている。店舗管理装置20は、複数のカメラ10に対応するものであってもよい。また、店舗管理装置20は、複数の店舗(言い換えれば、複数の店舗の各々に設置されたカメラ10)に対応するものであってもよい。店舗管理装置は、その機能を実現するための論理的な処理ブロックとして、指示画像生成部210及び指示画像送信部220を備えている。
【0018】
指示画像生成部210は、カメラ10で撮像された撮像画像と、管理者端末30から入力される作業指示に係る情報とに基づいて、作業員に作業指示を伝えるための指示画像を生成する。具体的には、指示画像生成部210は、撮像画像に対して作業指示に係る情報を重畳することで指示画像を生成する。指示画像の具体例については、後に詳述する。指示画像生成部210で生成された指示画像は、指示画像送信部220に出力される構成となっている。
【0019】
指示画像送信部220は、指示画像生成部210で生成された指示画像を、作業指示を伝えるべき作業員(具体的には、作業員が保有する作業員端末40)に送信する。指示画像送信部220は、複数の作業員端末40の中から、指示画像を送信する端末を選択して送信可能に構成されている。指示画像を送信する作業員端末40の選択方法については、後に詳述する。
【0020】
図2に示すように、本実施形態に係る店舗管理装置20は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。店舗管理装置20は更に、入力装置15と、出力装置16とを備えていてもよい。CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0021】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、店舗管理装置20の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、指示画像を生成して送信するための機能ブロックが実現される。上述した、指示画像生成部210及び指示画像送信部220は、例えばこのCPU11において実現されるものである。
【0022】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0023】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0024】
記憶装置14は、店舗管理システム1が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0025】
入力装置15は、店舗管理システム1のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0026】
出力装置16は、店舗管理システム1に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、店舗管理システム1に関する情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0027】
図1に戻り、管理者端末30は、店舗を管理する管理者(言い換えれば、作業指示を出す指示者)が保有する端末であり、例えばパソコンやタブレット、スマートフォンとして構成されている。なお、管理者が複数存在する場合には、管理者端末30が複数備えられていてもよい。管理者端末30は、店舗における作業指示に係る情報を入力可能に構成されている。管理者端末30は、例えば撮像画像における作業指示の対象となるもの(対象箇所、対象物、或いは対象商品等)を指定すると共に、作業内容を入力可能に構成されている。なお、管理者端末30は、作業員端末40としても機能する端末であってよい。この場合、管理者は、作業員として位置付けられてもよい。
【0028】
作業員端末40は、店舗における作業を実行する作業員(例えば、店舗スタッフ等)が保有する端末であり、例えば複数の作業員の各々が保有するパソコンやタブレット、スマートフォンとして構成されている。作業員端末40は、指示画像を受信して表示することが可能に構成されている。なお、作業員端末40は、管理者端末30としても機能する端末であってよい。この場合、作業員は、管理者として位置付けられてもよい。
【0029】
(動作説明)
次に、
図3を参照しながら、実施形態に係る店舗管理システム1の動作の流れについて説明する。
図3は、実施形態に係る店舗管理システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【0030】
図3に示すように、本実施形態に係る店舗管理システム1の動作時には、まずカメラ10が店舗の画像を取得する(ステップS101)。カメラ10で取得された撮像画像は、店舗におけるエリア毎(例えば、商品を陳列する棚毎)に切り分けて扱われる。
【0031】
続いて、指示画像生成部210が、取得した撮像画像に対応する作業指示があるか否かを判定する(ステップS102)。指示画像生成部210は、例えば管理者端末30による作業指示に係る情報の有無に応じて、作業指示があるか否かを判定する。即ち、取得した撮像画像を見た管理者が作業指示に係る情報を入力した場合、作業指示があると判定され、取得した撮像画像を見た管理者が作業指示に係る情報を入力しない場合、作業指示がないと判定される。
【0032】
或いは、指示画像生成部210は、撮像画像の解析結果から作業指示があるか否かを判定するようにしてもよい。具体的には、撮像画像の解析によって、店舗における異常(例えば、欠品、汚れ、不審者等)を自動的に検出した場合、指示画像生成部210は、作業指示があると判定してもよい。なお、撮像画像を用いた異常の検出については、既存の技術を適宜採用することができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0033】
作業指示がないと判定された場合(ステップS102:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作は終了することになる。即ち、指示画像の生成及び送信は実行されずに動作が終了する。この場合、所定期間後にステップS101から処理が再開されてもよい。
【0034】
他方、作業指示があると判定された場合(ステップS102:YES)、指示画像生成部210は、撮像画像に作業指示に係る情報を重畳して指示画像を生成する(ステップS103)。そして、指示画像送信部220が、生成された指示画像を作業員端末40へと送信する(ステップS104)。
【0035】
(指示画像の具体例)
次に、
図4を参照しながら、具体的な指示画像の例について説明する。
図4は、手書き入力により生成された指示画像の一例を示す図である。なお、以下では、撮像画像としてコンビニエンスストアの商品陳列棚(例えば、おにぎりやお弁当が陳列される棚)の画像が取得されている場合と例にとり説明する。
【0036】
図4に示すように、指示画像は、撮像画像に作業指示に係る情報が重畳された画像として生成される。
図4の例では、商品陳列棚の画像に、作業指示の対象となる箇所を示す情報(即ち、図中の丸で囲われた部分)と、作業内容を示す情報(即ち、図中の「商品補充」の文字)とが重畳されている。つまり、ここでの作業指示は、「撮像画像中の一番上の棚(即ち、現時点では空いている棚)に、商品を補充してください」というものである。
【0037】
なお、作業指示に係る情報は、
図4に示すように手書きで入力されてよい。この場合、手書きした文字や図形が直接撮像画像に重畳される。或いは、作業指示に係る情報は、手書き以外の方法で入力されてもよい。例えば、作業内容を示す文字は、キーボード等によってテキスト入力されてもよいし、定型文や所定のアイコン等を選択することで入力されてもよい。また、撮像画像内の特定のエリアやオブジェクトをタップすると、タップされた対象が作業指示の対象として自動的にエリア選択されるようにしてもよい。
【0038】
(送信者リスト)
次に、
図5を参照しながら、指示画像を送信する際に用いる送信者リストについて説明する。
図5は、指示画像を送信する際に表示される送信者リストの一例を示す図である。
【0039】
図5に示すように、生成した指示画像を送信する際には、管理者端末30(即ち、作業指示を出す管理者の端末)に、送信者リスト110が表示されてもよい。より具体的には、管理者端末30が備えるディスプレイに、
図5に示すような図が表示されてもよい。
図5に示す例では、送信者として、SV(スーパーバイザー)端末、店舗Aの全端末、店舗Aの各端末(端末A、端末B、及び端末C)が表示されている。また、送信者リスト120に含まれていない端末については、検索ボックス120から検索して送信リストに追加することも可能である。
【0040】
管理者は、上述した送信者リストの中から作業指示を送信すべき端末(言い換えれば、作業指示を送信すべき作業員)を選択して(チェックを入れて)、共有ボタン130をタップする。すると、選択された端末のみに指示画像を送信することができる。
【0041】
なお、送信者リストには、作業指示に対応可能な作業員の端末だけが表示されるようにしてもよい。例えば、勤務中の店舗スタッフが保有する作業員端末40が送信リストに表示される一方で、勤務中でない店舗スタッフが保有する作業員端末40が送信リストに表示されないようにしてもよい。
【0042】
(作業員への通知例)
次に、
図6を参照しながら、指示画像を受信した際の作業員への通知例について説明する。
図6は、指示画像を受信した端末における通知例を示す図である。
【0043】
図6に示すように、指示画像を受信した作業員端末40には、通知アイコン140(図中の右上参照)が表示される。この通知アイコンが表示されることによって、作業員は、管理者から作業指示が出されていると知ることができる。作業員は、作業員端末40の通知アイコン140をタップすることで、受信した指示画像を閲覧することが可能である。なお、通知アイコン140には、通知件数を示す数字(図の例では「5」)が表示されるようにしてもよい。
【0044】
(共有メンバーリスト)
次に、
図7を参照しながら、指示画像の共有メンバーリストについて説明する。
図7は、指示画像が送信された共有メンバーリストの一例を示す図である。
【0045】
図7に示すように、送信された指示画像には、共有メンバーリスト150が表示されてもよい。共有メンバーリスト150は、その指示画像が共有されているメンバー(即ち、指示画像が送信された端末の保有者)をリスト形式で表示するものである。管理者、或いは作業員は、共有メンバーリスト150を確認することで、指示画像が誰に送信されたものであるのか(言い換えれば、誰に対する作業指示であるのか)を確認することができる。
図7の例では、従業員A及び従業員Cが共有メンバーとして表示されている。
【0046】
送信された指示画像には、確認済メンバーリスト160が表示されてもよい。確認済メンバーリスト160は、その指示画像を確認したメンバー(即ち、指示画像が送信された端末の保有者のうち、実際に指示画像を見たメンバー)をリスト形式で表示するものである。管理者、或いは作業員は、確認済メンバーリスト160を確認することで、指示画像が確認されているか(言い換えれば、作業指示が伝わっているのか)を確認することができる。
図7の例では、共有メンバーである従業員A及び従業員Cのうち、従業員Aのみが確認済メンバーとして表示されている。なお、指示画像の確認については、指示画像が閲覧された時点で確認済となるようにしてもよいし、作業員が後述する各種操作等を実行した場合に確認済となるようにしてもよい。
【0047】
(作業員による操作例)
次に、
図8及び
図9を参照しながら、指示画像を受信した作業員による操作について説明する。
図8は、作業指示を確認したことを伝える確認ボタンの一例を示す図である。
図9は、作業指示に対する返信メッセージを追加した返信画像の一例を示す図である。
【0048】
図8に示すように、指示画像には、確認ボタン170が表示されてもよい。確認ボタンは、指示画像を受信した作業員が、指示画像を確認したか否かを知らせるためのボタンである。指示画像を受信した作業員は、例えば指示画像を確認(言い換えれば、閲覧)した時点、或いは、指示画像が示す作業内容を完了させた時点で確認ボタンをタップする。すると、作業員が指示画像を確認したことが、指示画像を送信した管理者や他の作業員に伝えられる(例えば、確認ボタンをタップした作業員が、
図7で示した確認済メンバーリスト160に追加される)。このように、確認ボタン170を利用すれば、作業員が指示画像を確認したか(言い換えれば、指示画像を送信しただけで、作業指示が伝わっていない状態とはなっていないか)を把握することができる。
【0049】
図9に示すように、指示画像を受信した作業員は、指示画像に新たな追加情報(例えば、返信メッセージ等)を追加して、その画像を管理者や他の作業員に送信することが可能である。このようにすれば、指示画像を活用して情報のやり取りが行える。具体的には、
図9の例のように、「補充完了しました」という文字を追加して送信すれば、管理者や他の作業員に、作業指示に関する作業が完了したことを伝えられる。
【0050】
なお、
図9のように複数のユーザが画像に情報を重畳させる場合、ユーザごとに情報の表示態様を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザごとに文字の色を変更すれば、複数のユーザによって入力された文字が重畳されている場合でもあっても、誰が書いたものなのか簡単に見分けることができる。
【0051】
(技術的効果)
次に、実施形態に係る店舗管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0052】
図1から
図9で説明したように、本実施形態に係る店舗管理システム1によれば、作業員に指示画像を送信することによって、作業指示を的確に伝えることが可能である。なお、作業指示は単なるテキストデータでも伝達することが可能であるが、それだけでは作業員が作業内容を正確に把握できない可能性がある。しかるに本実施形態では、店舗の撮像画像に対して作業指示に関する情報(特に、撮像画像内の対象に関連する作業指示に関する情報)を重畳した指示画像によって作業内容が伝達される。このため、指示画像を受け取った作業員は、作業指示の対象となる箇所や物、及び作業内容等を容易に理解することができる。
【0053】
<店舗管理システムのアプリ例>
次に、本実施形態に係る店舗管理システム1を利用する際に用いるアプリ(例えば、スマートフォンアプリ)の具体例について、
図10から
図12を参照して説明する。このようなアプリは、例えば、上述した管理者端末30や作業員端末40等に予めインストールされているものとする。
【0054】
(アプリの画面遷移フロー)
まず、
図10を参照しながら、アプリにおける画面の遷移フローについて説明する。
図10は、実施形態に係る店舗管理システムに適用されるアプリにおける画面遷移フローの一例を示す図である。
【0055】
図10に示すように、店舗管理システム1を利用しようとする管理者又は作業員は、ログイン画面において、予め設定した「ユーザーネーム」及び「パスワード」を入力してアプリへのログインを実行する。すると、端末のディスプレイには、複数のストア項目(ここでは、StoreA~F)が並ぶお店選択画面が表示される。続いて、お店選択画面でお店を選択すると(ここでは、StoreCを選択したものとする)、複数の棚項目(ここでは、Shelf01~06)が並ぶ棚選択画面が表示される。棚選択画面で棚を選択すると(ここでは、Shelf03を選択したものとする)、選択した棚の画像が表示される。
【0056】
以上のように、店舗管理システム1を利用する際には、アプリにログイン後、「店」、「棚」を順に選択していくことで、棚画像を表示させることが可能である。ただし、1つの店舗でのみ利用する場合は、お店選択画面が省略され、ログイン後すぐに棚選択画面が表示されてもよい。なお、本実施形態の場合は、棚画像として、作業指示が重畳された指示画像が表示されてもよい。
【0057】
(複数表示機能)
次に、
図11を参照しながら、アプリにおける複数の画像を表示する機能について説明する。
図11は、実施形態に係る店舗管理システムに適用されるアプリにおける複数表示機能の一例を示す図である。
【0058】
図11に示すように、棚画像が表示されている状態で、機能パネルから「Tile View」を選択すると、複数の棚画像を同時に表示する複数表示機能を利用することができる。具体的には、「Tile View」を選択すると、画面上に複数の表示枠(ここでは、A~Cの4つ)が表示される。これらの枠から1つを選んで、「店」・「時間」を選択していくと、選択したお店の選択した時間帯における棚画像を、選んだ枠に表示させることができる。このようにすべての枠について「店」・「時間」を選択していくと、最終的に4つの棚画像を同時に表示させることができる。これにより、複数の棚画像を同時に確認することが可能となる。なお、ここでは2×2の4枠で同時表示させる例を挙げたが、異なるレイアウトで複数の棚画像が同時に表示されるようにしてもよい。
【0059】
複数の棚画像を同時に表示させることで、例えば一の店と他の店とで棚の様子を比較することができる。これにより、例えば優良店との商品配置の違い等を確認することが可能である。なお、本実施形態の場合は、同時に表示される複数の棚画像として、作業指示が重畳された指示画像が表示されてもよい。
【0060】
(他店比較機能)
次に、
図12を参照しながら、アプリにおける他店比較機能について説明する。
図12は、実施形態に係る店舗管理システムに適用されるアプリにおける他店比較機能の一例を示す図である。
【0061】
図12に示すように、2つの異なる店舗の棚画像を並べて表示することで、店舗による商品陳列の違いを確認する機能が備えられていてもよい。例えば、図のようにA店とB店との棚を並べて表示することで、減っている商品や売り切れている商品を確認することが可能である。このように、画像を並べて比較可能とすることで、メールや電話等で伝わり難い情報を、わかりやすく伝えることができる。なお、本実施形態の場合は、並べて表示される棚画像として、作業指示が重畳された指示画像が表示されてもよい。
【0062】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0063】
(付記1)
付記1に記載の店舗管理システムは、店舗の撮像画像に対して、前記撮像画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成手段と、前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信手段とを備えることを特徴とする店舗管理システムである。
【0064】
(付記2)
付記2に記載の店舗管理システムは、前記撮像画像は、前記店舗における商品陳列棚の画像であることを特徴とする付記1に記載の店舗管理システムである。
【0065】
(付記3)
付記3に記載の店舗管理システムは、前記生成手段は、指示者による前記作業指示に係る情報の入力を受け付け、前記撮像画像と前記入力手段からの入力とに基づいて前記指示画像を生成することを特徴とする付記1又は2に記載の店舗管理システムである。
【0066】
(付記4)
付記4に記載の店舗管理システムは、前記入力手段は手書き入力可能であり、前記生成手段は、前記手書き入力された内容を前記撮像画像に重畳して前記指示画像を生成することを特徴とする付記3に記載の店舗管理システムである。
【0067】
(付記5)
付記5に記載の店舗管理システムは、前記生成手段は、前記撮像画像における異常を検知し、前記異常に関連する作業指示に係る情報を重畳することで指示画像を生成することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の店舗管理システムである。
【0068】
(付記6)
付記6に記載の店舗管理システムは、前記作業指示に対応可能な前記作業員のリストを表示する表示手段を更に備え、前記送信手段は、前記リストの中から選択された作業員に前記指示画像を送信することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の店舗管理システムである。
【0069】
(付記7)
付記7に記載の店舗管理システムは、前記作業員が保有する作業員端末を更に備え、前記作業員端末は、前記送信手段により前記作業員に送信された前記指示画像に対して、前記作業指示に係る情報とは異なる他の情報を追加することを特徴とする付記1から6のいずれか一項に記載の店舗管理システムである。
【0070】
(付記8)
付記8に記載の店舗管理システムは、前記作業員端末は、前記他の情報として、前記作業指示を前記作業員が確認したことを示す確認済情報を追加することを特徴とする付記7に記載の店舗管理システムである。
【0071】
(付記9)
付記9に記載の店舗管理方法は、店舗の撮像画像に対して、前記撮像画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成工程と、前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信工程とを含むことを特徴とする店舗管理方法である。
【0072】
(付記10)
付記10に記載のコンピュータプログラムは、店舗の撮像画像に対して、前記撮像画像内の対象に関連する作業指示に係る情報を重畳することで、前記作業指示を伝える指示画像を生成する生成工程と、前記作業指示を伝えるべき作業員に前記指示画像を送信する送信工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0073】
(付記11)
付記11に記載の記録媒体は、付記10に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【0074】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う店舗管理システム、店舗管理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体もまた本発明の技術思想に含まれる。
【0075】
法令で許容される限りにおいて、この出願は、2019年8月28日に出願された日本出願特願2019-155549を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。また、法令で許容される限りにおいて、本願明細書に記載された全ての公開公報及び論文をここに取り込む。
【符号の説明】
【0076】
1 店舗管理システム
10 カメラ
20 店舗管理装置
30 管理者端末
40 作業員端末
110 送信者リスト
140 通知アイコン
150 共有メンバーリスト
160 確認済メンバーリスト
170 確認ボタン
210 指示画像生成部
220 指示画像送信部