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特許7658360物品登録装置、そのデータ処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】物品登録装置、そのデータ処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20250401BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
G06K7/10 240
G06K7/10 128
G07G1/00 311D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022500375
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 JP2021004349
(87)【国際公開番号】W WO2021161921
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2020022231
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-049841(JP,A)
【文献】特開2015-207116(JP,A)
【文献】特開2019-164529(JP,A)
【文献】特開2013-008091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置であって、
複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段を制御する制御手段と、
前記読取手段による前記物品識別情報の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を特定する特定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たすか否かを判定し、
前記制御手段は、前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品登録装置において、
前記基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の前記物品識別情報のうち少なくとも2つが同一であることを含む、物品登録装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の物品登録装置において、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記制御手段は、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
【請求項4】
物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置であって、
複数のアンテナを用いて前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段を制御する制御手段と、
前記読取手段による前記物品識別情報の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を特定する特定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記制御手段は、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の物品登録装置において、
前記複数のアンテナは、少なくとも、前記物品の載置位置の下、および前記物品の前記載置位置の側方の少なくとも一つの面に設けられている、物品登録装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の物品登録装置において、
前記特定手段は、前記複数のアンテナを用いて前記ICタグから読み取った前記物品識別情報の論理和をとり、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
【請求項7】
請求項5に記載の物品登録装置において、
前記制御手段は、前記読取手段に、
始めに、前記物品の載置位置の下に設けられたアンテナを前記第1のアンテナとして用いて前記物品識別情報をみ取らせ、
次に、前記物品の載置位置の側面および上面の少なくとも一方に設置されたアンテナを前記第2のアンテナとして用いて前記物品識別情報を読み取らせる、物品登録装置。
【請求項8】
請求項7に記載の物品登録装置において、
前記制御手段は、前記読取手段に、始めに当該物品識別情報を読み取った前記第1のアンテナ以外の残りのすべてのアンテナを用いて前記物品識別情報読み取らせる、物品登録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の物品登録装置において、
前記特定手段は、前記第1のアンテナおよび前記残りのすべてのアンテナを用いて前記ICタグから読み取った前記物品識別情報の論理和をとり、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
【請求項10】
物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たすか否かを判定し、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置のデータ処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の前記物品識別情報のうち少なくとも2つが同一であることを含む、物品登録装置のデータ処理方法。
【請求項12】
物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置のデータ処理方法。
【請求項13】
物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置が、複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置を実現するコンピュータに、
前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たすか否かを判定する手順、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する手順、を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の前記物品識別情報のうち少なくとも2つが同一であることを含む、プログラム。
【請求項15】
物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置を実現するコンピュータに、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定する手順
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ手順、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する手順、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品登録装置、そのデータ処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品に付けたIC(Integrated Circuit)タグから商品情報を自動的に読み取り、商品登録を行い、顧客が精算装置を操作するセルフレジが普及し始めている。
【0003】
特許文献1にはセルフレジ装置で使用されるICタグの読取装置の一例が記載されている。特許文献1に記載の読取装置は、2つ以上のRFIDリーダのアンテナが、それぞれ異なる電波の射出面を向いて配置されており、異なる方向から電波を照射することにより、商品に関連付けられたRFIDタグの読取率を向上させている。
【0004】
特許文献2に記載の会計システムの読取装置は、RFタグと交信するための電波を放射するアンテナと、アンテナを収容し、物品よりも広い開口が形成されたシールド部と、を備え、シールド部が開口した状態でRFタグから情報を読み取る。物品を収容する収容部を構成しているシールド部によって、読取装置のアンテナから放出される電波が読取装置の周囲に広がるのを抑制し、他の機器に対する電波の影響を軽減させることができる。
【0005】
さらに、シールド部は、電波反射シートが電波吸収シートを包囲するように電波吸収シートの外側に形成されている。このため、電波吸収シートから漏れ出た微弱な電波は、電波反射シートが反射して、電波吸収シートの内部で吸収されることとなり、電波を遮蔽できる。その結果、この読取装置では、RFタグとの交信領域が収容部とその上方に制限されるので、読取装置の周りにある他の商品のRFタグのタグ情報を誤読してしまわないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-87137号公報
【文献】特開2018-190255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に記載の読取装置においては、本来読み取るべきでない商品を誤って読み取ってしまう可能性が高くなる。また、読取装置の複数のRFID読取用のアンテナを同時に駆動させることは消費電力が増加したり、周辺の他の機器に影響を及ぼしたりする恐れがある。
【0008】
ICタグは、リーダからの電波を受信することで起電し、メモリに記憶されている情報をリーダに送信する。商品などに取り付けられるICタグはシート状のものが多い。そのため、電波の放射方向に対して平行にタグの面が向くと、ICタグのアンテナに電波が十分に当たらないため、ICタグは起電できず動作しない。そのためICタグの読み落としが発生する可能性がある。また、複数の商品のタグが重なってしまうと、個々のICタグから返信される電波が干渉しあって打ち消し合ってしまうこともある。
【0009】
特許文献2に記載の読取装置では、本来読み取るべきでない商品を誤って読み取ってしまうことは防止できるが、上記のようなICタグの読み取り誤差の発生を防ぐことはできない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、物品に関連付けられているICタグの読み取り精度を向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0012】
第一の側面は、物品登録装置に関する。
第一の側面に係る第1の物品登録装置は、
物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置であって、
複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段を制御する制御手段と、
前記読取手段による前記物品識別情報の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を特定する特定手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たすか否かを判定し、
前記制御手段は、前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する。
【0013】
第一の側面に係る第2の物品登録装置は、
物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置であって、
複数のアンテナを用いて前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段を制御する制御手段と、
前記読取手段による前記物品識別情報の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を特定する特定手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記制御手段は、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する。
【0014】
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される物品登録装置のデータ処理方法に関する。
第二の側面に係る第1のデータ処理方法は、
物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たすか否かを判定し、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、ことを含む。
【0015】
第二の側面に係る第2のデータ処理方法は、
物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、ことを含む。
【0016】
なお、本発明の他の側面としては、上記第二の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、物品登録装置上で、そのデータ処理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0018】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0019】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0020】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0021】
上記各側面によれば、物品に関連付けられているICタグの読み取り精度を向上する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る販売システムの概略を説明するための図である。
図2】物品登録装置が用いる複数のアンテナの配置例を示す図である。
図3】タグに埋め込まれているICタグとアンテナの読み取り方向を説明するための図である。
図4】本実施形態のRFIDタグの構成を論理的に示す機能ブロック図である。
図5】物品識別情報のデータ構造の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る物品登録装置の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
図7図6に示す物品登録装置を実現するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図8】実施形態の物品登録装置の動作例を示すフローチャートである。
図9】各アンテナで読み取られた個体識別情報の例を示す図である。
図10】実施形態の物品登録装置の動作例を示すフローチャートである。
図11】各アンテナで読み取られた個体識別情報の例を示す図である。
図12】実施形態の販売システムの論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図13】実施形態の販売システムの動作例を示すフローチャートである。
図14】確認画面の一例を示す図である。
図15】個数入力画面の一例を示す図である。
図16】他の実施形態の物品登録装置の動作例を示すフローチャートである。
図17】他の実施形態の物品登録装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0024】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0025】
(第1実施形態)
<システム概要>
図1は、本発明の実施の形態に係る販売システムの概略を説明するための図である。販売システムは、購入する商品の登録処理を自動で行う。各物品32には、商品コードなどの物品識別情報が記憶されているICタグが含まれているタグ40が予め関連付けられている。タグ40および/またはICタグ42を物品32に関連付けるとは、タグ40および/またはICタグ42を物品32に、結びつけたり、貼付したり、埋め込んだりすることを意味する。タグ40および/またはICタグ42は、物品32に外から取り付けられてもよいし、物品32の内部に埋め込まれていてもよい。図の例では、ICタグ42を含むタグ40が、物品32に紐で結び付けられている。
【0026】
タグ40および/またはICタグ42を物品32に関連付けるタイミングは特に限定されず、物品32の陳列前または販売前であればいつでもよいし、陳列後または精算前に他のタグ40および/またはICタグ42を付け替えて物品32と関連付け直してもよい。
【0027】
図1(b)に示すように、まず、顧客は購入しようとする物品32を買い物かご30に入れて筐体20に載置する。ただし、買い物かご30はなくてもよく、直接物品32を筐体20に載置してもよい。図1(a)に示される筐体20内に設けられている複数のアンテナ(図中、10a、10b、10c、10dと示される。以後、特に区別する必要がない場合は単にアンテナ10と呼ぶ。)を用いて、物品32に関連付けられているタグ40から物品識別情報が読み取られる。販売システムは、読み取られた物品識別情報に基づいて、物品32の商品登録処理を行い、精算情報を精算装置に出力する。
【0028】
図1の例では、筐体20は、物品32が載置される底面20aと、左右の側面20b、20cと背面20dの3つの面に囲まれた凹部22を有している。各面にそれぞれアンテナ10a、アンテナ10b、アンテナ10c、アンテナ10dが設けられている。筐体20の形状は一例であり、これに限定されない。図1では、筐体20の上面と前面が開放されているが、前面または上面または両面ともが開放されていなくてもよい。これらの面にもアンテナ10が設けられてよいし、設けられなくてもよい。筐体20の凹部22の開口部に蓋を設け、筐体20の内部空間のすべての面に、それぞれアンテナ10が設けられてもよい。また、各面に設けられているアンテナ10の個数は1つずつに限定されない。一面に対して複数のアンテナ10をそれぞれ配置してもよい。
【0029】
アンテナ10は、筐体20の内部に設けられてもよいし、側面の表面に設けられてもよい。
【0030】
図2に示すように、複数のアンテナ10は、少なくとも、物品32の載置位置(筐体20の底面20a)の下、および物品32の載置位置の側方の少なくとも一つの面に設けられてよい。図2の例では、筐体20は、側面がない底面20aのみの構成である。第1のアンテナ(アンテナ10a)は、筐体20の底面20aの上または下に配置されてよい。あるいは、筐体20の内側の物品32の載置位置に配置されてもよい。さらに、他のアンテナ10は、筐体20の周囲の例えば、店舗の壁面および天井等に、筐体20に対して4方向の側方、および上方の少なくともいずれか一つに配置される。図2の例では、上方にはアンテナは設置されず、4方向に4つのアンテナ10b~10eが配置されている。
【0031】
図3は、タグ40に埋め込まれているICタグ42とアンテナ10の読み取り方向を説明するための図である。本実施形態において、物品32に関連付けられるタグ40は、例えば、矩形のシートであり、少なくとも2枚のシートの間に、ICタグ42が挟まれて埋め込まれている。そして、図1の例では、シートに開けられた穴に通された糸を物品32に結びつけてタグ40は物品32に取り付けられている。図では説明上ICタグ42が見えるように描かれているが、実際にはICタグ42はシートで覆われていて外側からは見えない状態であってよい。
【0032】
シート状のタグ40の内部に埋め込まれているICタグ42のアンテナは、指向性を有する。タグ40のシートの平面がX-Z平面上にある場合、X-Z平面に対面し、例えば、Y軸方向に離隔する位置にあるアンテナ10bから放射される電波をICタグ42のアンテナが正面から受信できるので、アンテナ10bとICタグ42とは通信できる。一方、X-Z平面上にZ軸および/またはX軸方向に離隔した位置にあるアンテナ10aら放射される電波は、ICタグ42のアンテナは十分に受信できず、アンテナ10aとICタグ42とは通信できない。
【0033】
タグ40は物品32に取り付けられていて、買い物かご30や筐体20の凹部22の中であらゆる方向に載置されうる。また、複数のタグ40が重なってしまう可能性もある。そのため、アンテナ10がある一方向にだけ設けられていると、通信できないICタグ42が存在する可能性もある。そのため、本実施形態では、複数のアンテナ10を物品32に対して異なる位置に配置して、異なる方向から物品32に取り付けられているタグ40のICタグ42と通信できるようにしている。
【0034】
ICタグ42の形状はシート形状に限定されるものではなく、ボタン型、コイン型、カード型、スティック型、シール型など様々な形状であってよい。
【0035】
本実施形態において、ICタグ42は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ60である。図4は、本実施形態のRFIDタグ60の構成を論理的に示す機能ブロック図である。RFIDタグ60は、アンテナ62と、ICチップ64とを含む。ICチップ64は、メモリ66と、通信部68と、を有する。通信部68は、アンテナ62を介してRFIDタグ60を読み取る装置(本実施形態では物品登録装置100)のアンテナ10と無線通信する。メモリ66は、読み書き可能なメモリデバイスであり、物品32を一意に識別する物品識別情報が書き込まれている。
【0036】
図5は、物品識別情報50のデータ構造の一例を示す図である。物品識別情報50は、物品コード52と、シリアル番号54とを少なくとも含む。物品コード52は、物品32の種類を識別する情報であり、例えば、商品コードを含む。シリアル番号54は、物品32に一意に付与される個体番号であり、物品32を個別に識別する情報である。つまり、同じ種類の物品32は、同じ物品コード52を有し、個々の物品32はシリアル番号54で区別できる。RFIDタグ60のメモリ66に格納される情報は、これに限定されない。さらに、ヘッダ情報、製造者コードなどを含んでもよい。
【0037】
<機能構成例>
図6は、本発明の実施の形態に係る物品登録装置100の構成を論理的に示す機能ブロック図である。物品登録装置100は、物品32に関連付けられたICタグ42と通信する。物品登録装置100は、読取部102と、判定部104と、制御部106と、特定部108と、を含む。
【0038】
物品登録装置100は、さらに、記憶装置110を備える。記憶装置110には、物品登録装置100の各種設定データおよびプログラムなどが記憶される。記憶装置110は、物品登録装置100の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり記憶装置110は、物品登録装置100と一体のハードウェアであってもよいし、物品登録装置100とは別体のハードウェアであってもよい。物品登録装置100と記憶装置110は通信ネットワークで接続されてもよい。
【0039】
読取部102は、複数のアンテナ10の少なくとも一つを用いて、物品32に関連付けられたICタグ42から物品識別情報50を読み取る。
【0040】
詳細には、読取部102は、アンテナ10を介して電波を放射する。本実施形態では、パッシブ反射型のRFIDタグ60を用いるが、これに限定されない。例えば、電池搭載型でもよいし、電磁波ではなく光を用いるものでもあってもよい。RFIDタグ60の通信部68は、アンテナ62を介してその電波を受信すると起電して、メモリ66に記憶されている物品識別情報50を読み出して搬送波に載せて放射する。読取部102は、アンテナ10を介してRFIDタグ60から送出された搬送波を受信し、物品識別情報50を取得する。
【0041】
制御部106は、読取部102を制御する。判定部104は、読取部102による物品識別情報50の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する。特定部108は、読取部102が読み取った物品識別情報50を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定する。
【0042】
制御部106は、読取部102に、第1のアンテナを用いて物品識別情報50を読み取らせる。そして、判定部104は、第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たすか否かを判定する。さらに、制御部106は、第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たしたと判定されたとき、読取部102に、第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いてICタグ42から物品識別情報50を読み取らせる。そして、特定部108は、第1のアンテナを用いて読み取られた物品識別情報50と、第2のアンテナを用いて読み取られた物品識別情報50と、を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定する。
【0043】
例えば、第1のアンテナは、図1(a)の筐体20の底面20aに設けられたアンテナ10aである。そして、第2のアンテナは、図1(a)の筐体20の両側面20b、20c、および背面20dに設けられたアンテナ10b、アンテナ10c、アンテナ10dのうちの少なくとも一つである。つまり、第1のアンテナおよび第2のアンテナは、筐体20の底面20aに載置される物品32に対して互いに異なる方向から電波を放射する位置に配置されている。
【0044】
これにより、アンテナ10に対するRFIDタグ60のアンテナ62の向きが読み取りに適した方向にない場合にも、他の方向から読み取りを再度実行できる。よって、第1のアンテナを用いたRFIDタグ60の読み取りに失敗しても第2のアンテナで読み取られる可能性があるため、RFIDタグ60の読み取り精度が向上する。
【0045】
読取部102は、物品識別情報50のうち、少なくとも物品コード52を読み取る。読取部102は、図1で説明した複数のアンテナ10を用いてRFIDタグ60のアンテナ62と無線通信を行い、RFIDタグ60のメモリ66から物品識別情報50を読み出す。物品識別情報50の基準とは、例えば、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の物品識別情報50のうち、少なくとも2つの物品識別情報50の物品コード52が同一であることを含む。つまり、この基準を用いれば、第1のアンテナを用いて読み取りを行った結果、少なくとも2つの同じ種類の商品が見つかった場合に、その個数をより正確に取得するために、別の方向から電波を照射できる第2のアンテナを用いた物品識別情報50の読み取りを再試行できる。
【0046】
あるいは、予め利用者から物品32の個数の入力を受け付け、入力された個数と物品識別情報50の個数が一致しなかったことを基準としてもよい。個数が不一致となる原因は、例えば、物品識別情報50の読み落としの発生、あるいは、個数入力のミスまたは不正が考えられる。
【0047】
<ハードウェア構成例>
図7は、図6に示す物品登録装置100を実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0048】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0049】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0050】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0051】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は物品登録装置100の各機能(例えば、読取部102、判定部104、制御部106、特定部108など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は記憶装置110の各データも記憶してもよい。
【0052】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0053】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0054】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0055】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、アンテナ10、ディスプレイ、キーボード、マウス、プリンタ、スピーカ、マイクロフォン等)に接続する。
【0056】
物品登録装置100は、コンピュータ1000に、当該物品登録装置100を実現するためのアプリケーションプログラムをインストールして起動することで実現される。
【0057】
コンピュータ1000は、筐体20に専用装置として設けられてもよいし、筐体20が設置される場所に設置される汎用のパーソナルコンピュータであってもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して筐体20のアンテナ10と接続される遠隔地に設置されるサーバであってもよい。また、複数のコンピュータ1000を組み合わせ、物品登録装置100の機能を各コンピュータ1000に分担してもよい。
【0058】
また、後述するように、販売システム1の物品登録装置および/または精算装置を実現するコンピュータにより物品登録装置100が実現されてもよい。つまり、物品登録装置および/または精算装置と物品登録装置100は一体のコンピュータにより実現されてもよい。
【0059】
<動作例>
図8は、本実施形態の物品登録装置100の動作例を示すフローチャートである。
始めに、制御部106は、読取部102に、筐体20の底面20aに配置されるアンテナ10a(第1のアンテナ)を用いて、筐体20の底面20aに載置された物品32に関連付けられたRFIDタグ60との通信を試みさせ、RFIDタグ60から物品識別情報50を読み取らせる(ステップS101)。
【0060】
判定部104は、読取部102による物品識別情報50の読み取り結果が基準を満たしているか否かを判定する(ステップS103)。ここでは、基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の物品識別情報50のうち少なくとも2つの物品コード52が同一であることである。つまり、同じ物品32が検出されたら、他のアンテナを用いて読み取りを再試行する。これにより、爆買いなど同じ物品32を大量に購入する場合などにも適用できる。
【0061】
図9(a)では、物品コード52が同一の物品識別情報50(物品コード52が「12345」で同じもの)が含まれているので(ステップS103のYES)、制御部106は、次に、読取部102に、第1のアンテナ(アンテナ10a)とは別の第2のアンテナを用いて物品32に関連付けられたRFIDタグ60との通信を試みさせ、RFIDタグ60から物品識別情報50を読み取らせる(ステップS105)。ここでは、第2のアンテナは、複数のアンテナ10のうち、物品32の載置位置の側面および上面に設置されたアンテナ10b~10e(図2)のうちのいずれか一つである。
【0062】
第2のアンテナは、第1のアンテナとは物品32(RFIDタグ60)に対して異なる方向から電波が放射されるアンテナであるのが好ましい。ここでは、アンテナ10bを第2のアンテナとして用いる。その結果、読取部102は、図9(b)の物品識別情報50を取得する。この例では、図9(a)の第1のアンテナでは取得されていない物品識別情報50が取得されている。
【0063】
特定部108は、第1のアンテナと第2のアンテナの各々で読み取られた複数の物品識別情報50を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定する(ステップS107)。ここでは、第1のアンテナと第2のアンテナによって読み取れられた複数の物品識別情報50の論理和をとり、図9(c)の複数の物品識別情報50を特定する。
【0064】
一方、ステップS103で物品識別情報50が基準を満たさなかった場合(ステップS103のNO)、特定部108は、第1のアンテナで読み取られた物品識別情報50を正しい読み取り結果として採用し、特定された物品識別情報50を出力して本処理を終了する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部106は、始めに、第1のアンテナを用いて物品32に関連付けられているICタグ42から物品識別情報50を読み取らせた後、基準を満たした場合に、第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて物品32に関連付けられているICタグ42から物品識別情報50を再度読み取らせる。
【0066】
これにより、第1のアンテナの電波の放射方向に対して平行に配置されたICタグ42があった場合でも、第1のアンテナとは別の方向から電波を照射できる第2のアンテナを用いてICタグ42の読み取りを行うことができるので、第1のアンテナでは読み取ることができなかったICタグ42を第2のアンテナで読み取れる可能性が高くなる。
【0067】
つまり、第1のアンテナで読み落としたICタグ42を第2のアンテナで読み取れる可能性が高まる。アンテナ10を用いてICタグ42の読み取りを行う場合、消費電力の節約や不要な電波はなるべく放射させないという観点からも、できれば1つのアンテナ10で読み取りを完了させるのが好ましい。しかし、上記したようにICタグ42の性質から、一方向からの読み取りでは読み落としが発生する可能性がある。
【0068】
よって本実施形態では、第1のアンテナでの読み取り結果に基づいて、基準を満たした場合にのみ、第1のアンテナとは異なる方向から電波を放射する第2のアンテナを用いて再度ICタグ42からの物品識別情報50の読み取りを実行する。つまり、無駄に複数のアンテナ10を用いるのではなく、必要な場合にのみ複数のアンテナ10を用いることができる。これにより第1のアンテナで読み落としたICタグ42を第2のアンテナで読み取られる可能性が高くなり、読み取り精度が向上する。
【0069】
本実施形態では、読み取りを再試行する基準として、物品識別情報50の物品コード52が同じであることを用いている。つまり、本実施形態では、購入商品の中に同じ種類の商品が含まれていた場合に、その個数を正確に計数するために、他のアンテナを用いた読み取りを行うことができる。これにより、読み取り精度を向上させることができる。
【0070】
(第2実施形態)
本実施形態の物品登録装置100は、上記実施形態の物品登録装置100と同じ構成を有するが、動作が異なる。よって、第1実施形態の物品登録装置100の図6の機能ブロック図を用いて説明する。
【0071】
本実施形態の物品登録装置100は始めに2つのアンテナ10(第1のアンテナおよび第2のアンテナ)を用いてICタグ42から物品識別情報50を読み取らせた後、2つのアンテナ10の読み取り結果が一致しなかった場合に第3のアンテナを用いて、再度物品識別情報50を読み取らせる点以外は、上記実施形態と同様である。
【0072】
<機能構成例>
本実施形態において、制御部106は、読取部102に、複数のアンテナ10のうちの第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いてICタグ42から物品識別情報50を読み取らせる。ただし、2つのアンテナ10は、同時に読み取りを行うのではなく、時分割してタイミングをずらして読み取りを実行するのが好ましい。これは、2つのアンテナ10が同時に電波を放射すると電波が干渉し合う可能性があるためである。2つのアンテナ10の動作タイミングをずらすことで電波の干渉を防ぐことができる。
【0073】
ここでは、第1のアンテナは、図1(a)のアンテナ10aであり、第2のアンテナは、図1(a)のアンテナ10b~10dのうちのいずれか一つである。ここでは、第2のアンテナは、アンテナ10bとする。第1のアンテナのアンテナ10aと第2のアンテナのアンテナ10bは、筐体20の底面20aに載置される物品32に対して異なる方向から電波を放射する位置に配置されている。
【0074】
判定部104は、第1のアンテナと第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定する。制御部106は、判定部104により、読み取り結果が一致したと判定された場合、読取部102に、物品識別情報50の読み取りを終了させる。さらに、制御部106は、読み取り結果が不一致と判定された場合、読取部102に、さらに第3のアンテナを用いてICタグ42から物品識別情報50を読み取らせる。
【0075】
第3のアンテナは、第1のアンテナおよび第2のアンテナとは、筐体20の底面20aに載置される物品32に対して異なる方向から電波を放射する位置に配置されている。ここでは、第3のアンテナは、図1(a)のアンテナ10dとする。
【0076】
特定部108は、第1のアンテナ、第2のアンテナ、および第3のアンテナによって読み取られた物品識別情報50を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定する。第1のアンテナでは、図11(a)に示す物品識別情報50が読み取られ、第2のアンテナでは、図11(b)に示す物品識別情報50が読み取られたとする。この例では、図11(a)の第1のアンテナによる読み取り結果と図11(b)の第2のアンテナによる読み取り結果では、3つ目の物品識別情報50のシリアル番号54が異なっている。
【0077】
判定部104は、第1のアンテナと第2のアンテナでは、読み取り結果が一致しないと判定し、制御部106は、第3のアンテナを用いて読取部102に物品識別情報50を読み取らせる。そして、第3のアンテナにより、図11(c)に示す物品識別情報50が読み取られたとする。
【0078】
特定部108は、第3のアンテナの読み取り結果が、第1のアンテナと第2のアンテナの読み取り結果の論理和と一致するため、第3のアンテナの読み取り結果を採用し、図11(d)の物品識別情報50を出力すべき物品識別情報50と特定する。
【0079】
<動作例>
図10は、本実施形態の物品登録装置100の動作例を示すフローチャートである。まず、制御部106は、読取部102に、第1および第2のアンテナ(例えば、アンテナ10aおよびアンテナ10b)を用いて物品32に関連付けられたICタグ42から物品識別情報50を読み取らせる(ステップS201)。
【0080】
そして、判定部104は、第1のアンテナおよび第2のアンテナによる読み取り結果が一致するか否かを判定する(ステップS203)。読み取り結果が一致した場合(ステップS203のYES)、特定部108は、第1のアンテナを用いて読み取られた物品識別情報50を正しい読み取り結果として採用し、特定された物品識別情報50を出力して本処理を終了する。
【0081】
読み取り結果が一致しなかった場合(ステップS203のNO)、制御部106は、読取部102に、第1のアンテナおよび第2のアンテナとは異なる第3のアンテナを用いて再度物品32に関連付けられたICタグ42の物品識別情報50を読み取らせる(ステップS205)。
【0082】
そして、特定部108は、第1~第3のアンテナの読み取り結果を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定する(ステップS207)。上記したように、ここでは図11(d)の物品識別情報50が特定されて出力される。
【0083】
ステップS207において、第3のアンテナの読み取り結果が、さらに、第1のアンテナおよび第2のアンテナと異なる結果となった場合には、制御部106は、さらに、読取部102に、第1~第3のアンテナとは異なる第4のアンテナを用いてICタグ42から物品識別情報50を再度読み取らせてもよい。そして、特定部108は、第1~第4のアンテナの読み取り結果を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定してもよい。例えば、特定部108は、第1~第4のアンテナによって読み取られた複数の物品識別情報50の論理和をとり、出力すべき物品識別情報50を特定してもよい。
【0084】
このように、順番に読み取りに使用するアンテナ10を変えることで、筐体20に載置される物品32に対して電波を異なる方向から放射してICタグ42から物品識別情報50を読み取ることができる。これにより、複数のICタグ42が置かれた向きがバラバラであっても、ICタグ42の読み落としを減らすことができる。また、順番に異なる方向のアンテナ10を用いて読み取るので、異なる方向から照射される電波が互いに干渉し合うことも防ぐことができる。
【0085】
本実施形態によれば、物品32の載置場所に対して電波の放射方向が異なる位置に配置される複数のアンテナ10のうちの2つを用いて物品32に関連付けられたICタグ42から物品識別情報50を読み取らせ、2つのアンテナ10を用いて読み取られた物品識別情報50が一致しない場合にさらに別の方向から電波を照射できる第3のアンテナを用いて読み取りを行う。
【0086】
これにより、異なる方向を向いているICタグ42が複数あった場合に、読取部102に、異なる方向から電波を照射できる2つのアンテナ10を用いてICタグ42から物品識別情報50を読み取らせることができるので、少なくともいずれか一方のアンテナ10で読み取りに成功する確率が高くなる。そして、2つのアンテナ10の読み取り結果が一致しない場合に、第3のアンテナによる読み取り結果をさらに用いることで、読み取り精度を高めることができる。
【0087】
(第3実施形態)
図12は、本実施形態の販売システム1の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の販売システム1は、上記した第1実施形態または第2実施形態の物品登録装置100を用いて商品登録処理を行い、精算情報を精算装置に送信する。
【0088】
販売システム1は、物品登録装置100と、表示処理部202と、操作受付部204と、精算処理部206と、商品DB210と、を備える。
表示処理部202は、物品登録装置100により読み取られた物品識別情報50に基づいて、顧客等の利用者に購入商品を確認させる画面をディスプレイに表示させる。操作受付部204は、ディスプレイに表示された画面の利用者による操作を受け付ける。精算処理部206は、物品登録装置100により読み取られた物品識別情報50を元に、商品DB210から商品名および商品の金額を取得し、精算情報を生成し、精算装置(不図示)に送信する。
【0089】
<動作例>
図13は、本実施形態の販売システム1の動作例を示すフローチャートである。この動作フローは、他の実施形態の物品登録装置100の動作フローにおいて、物品識別情報50が特定された(図8のステップS107、図10のステップS207、後述する図16のステップS303、および後述する図17のステップS207)後に開始する。
【0090】
まず、表示処理部202は、確認画面300をディスプレイ203に表示する(ステップS401)。ディスプレイ203は、例えば、タッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ203は、タブレット端末またはスマートフォン等を利用してもよい。
【0091】
図14は、表示処理部202が表示する確認画面300の一例を示す図である。確認画面300は、商品リスト302と、個数確認メッセージ表示部304と、YESボタン306と、NOボタン308と、を含む。商品リスト302は、物品登録装置100により特定された物品識別情報50に基づいて、精算処理部206により取得された商品名と商品数とを少なくとも含む。商品の金額と支払い合計金額などが含まれてもよい。
【0092】
個数確認メッセージ表示部304は、物品登録装置100により特定された物品識別情報50の数が、利用者に個数の確認を促すメッセージとともに表示される。YESボタン306およびNOボタン308は、個数の確認の結果を利用者に入力させるための操作ボタンである。
【0093】
図13に戻り、操作受付部204が、YESボタン306の押下を受け付けると(ステップS403のYES)、精算処理部206は、精算情報を精算装置に送信し、精算処理を行わせる。精算処理について、特に限定されないので、ここでは説明は省略する。
【0094】
操作受付部204は、NOボタン308の押下を受け付けると(ステップS403のNO)、表示処理部202は、個数入力画面320をディスプレイに表示させ、操作受付部204は、正しい個数の入力を受け付ける(ステップS405)。
【0095】
図15は、個数入力画面320の一例を示す図である。個数入力画面320は、入力指示表示部322と、個数入力部324と、入力確認メッセージ表示部326と、OKボタン328と、を含む。入力指示表示部322には、正しい個数の入力を利用者に促すメッセージが表示される。個数入力部324は、利用者による個数の入力を受け付けるテキストボックス等である。あるいは、個数を選択させるドラムロール式のUI(User Interface)であってもよい。入力確認メッセージ表示部326には、個数の入力後に利用者にOKボタン328の押下を促すメッセージが表示される。OKボタン328は、利用者が個数入力後の確定操作を受け付ける操作ボタンである。
【0096】
図13に戻り、利用者が個数入力画面320で正しい個数を入力し、OKボタン328を押下すると、操作受付部204は、個数の入力を受け付ける(ステップS405)。
【0097】
そして、入力された個数に基づいて、制御部106は、読取部102に再度ICタグ42から物品識別情報50を読み取らせる。読み取り処理は、各実施形態で説明した、いずれかの手順で行ってよい。このとき、例えば、再読み取りの前に、利用者に物品32の向きを変更したり、物品32を置き直したりさせる指示するメッセージやイメージ画像等のガイダンスを出力してもよい。
【0098】
再読取処理において、第1のアンテナは、物品32の載置場所の下に位置するアンテナ10aであるのが好ましい。さらに、再読取処理において、第2および第3のアンテナは、初回読み取りで第2および第3のアンテナとして使用したアンテナ以外のアンテナを用いるのが好ましい。これは、初回とは異なる方向からICタグ42から物品識別情報50を読み取らせることで、読み取り落としていたICタグ42を読み取れる可能性があるからである。
【0099】
本実施形態によれば、ICタグ42の読み取り結果を利用者に提示して確認させる構成を有しているので、読み取り間違いが発生した場合に、読み取りをやり直すことができる。よって、読み取り精度が向上する。
【0100】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、図16に示すように、複数のアンテナ10のすべてを順次動作させ、それらの読み取り結果の論理和をとり、出力すべき物品識別情報50を特定する構成としてもよい。まず、制御部106は、読取部102に、複数のアンテナ10のすべてを順に動作させて物品32に関連付けられているICタグ42から物品識別情報50を読み取らせる(ステップS301)。そして、特定部108は、複数のアンテナ10により読み取られたすべての物品識別情報50の論理和をとり、出力すべき物品識別情報50を特定する(ステップS303)。
【0101】
この構成によれば、物品32の物品識別情報50の読み落としを低減でき、物品32の物品識別情報50が読み取られないというリスクを低減できる。
【0102】
さらに、図17に示すように、第1実施形態の物品登録装置100に第2実施形態の構成を組み合わせてもよい。図8のステップS107における物品識別情報の特定処理に替えて、以下の処理を行ってもよい。つまり、判定部104は、第1および第2のアンテナによる読み取り結果が一致するか否かを判定し(ステップS211)、一致した場合は(ステップS211のYES)、特定部108は、第1のアンテナで読み取られた物品識別情報50を正しい読み取り結果として採用し、特定された物品識別情報50を出力し、本処理を終了する。一方、読み取り結果が一致しない場合(ステップS211のNO)、第2実施形態の図10のステップS205およびステップS207を実行する。つまり、制御部106は、読取部102に第3のアンテナを用いて再度読み取らせ、特定部108は第1~第3のアンテナの読み取り結果を用いて、出力すべき物品識別情報50を特定する。
【0103】
また、上記実施形態では、ICタグ42の読み取り後に、購入商品の個数の入力を利用者に行わせていた。しかし、ICタグ42の読み取り前に、購入商品の個数の入力を利用者に行わせてもよい。例えば、図15の個数入力画面320は、ICタグ42の読み取りを開始する前に、ディスプレイ203に表示させて、利用者に購入商品の個数を入力させてもよい。そして、判定部104は、入力された個数と、読取部102により読み取られた物品識別情報50の数が一致するまで、アンテナ10を順次増やしながら、読み取りを繰り返してもよい。
【0104】
あるいは、物品登録装置100は、全てのアンテナ10を用いた読み取りが実行された後においても、入力された個数と、特定部108により特定された物品識別情報50の数が、一致しない場合には、店員に通知する通知部(不図示)をさらに備えてもよい。通知部は、例えば、店員が携帯する携帯端末(不図示)にメッセージを送信したり、物品登録装置100のスピーカ(不図示)から呼び出し音を出力したりしてよい。あるいは、通知部は、ディスプレイ203に、個数が一致しないので、店員を呼ぶように利用者に指示するメッセージを表示してもよい。
【0105】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0106】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置であって、
複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段を制御する制御手段と、
前記読取手段による前記物品識別情報の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を特定する特定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たすか否かを判定し、
前記制御手段は、前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
2. 1.に記載の物品登録装置において、
前記基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の前記物品識別情報のうち少なくとも2つが同一であることを含む、物品登録装置。
3. 1.または2.に記載の物品登録装置において、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記制御手段は、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
4. 物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置であって、
複数のアンテナを用いて前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段を制御する制御手段と、
前記読取手段による前記物品識別情報の読み取り結果が基準を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記読取手段が読み取った前記物品識別情報を特定する特定手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記判定手段は、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記制御手段は、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記特定手段は、前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載の物品登録装置において、
前記複数のアンテナは、少なくとも、前記物品の載置位置の下、および前記物品の前記載置位置の側方の少なくとも一つの面に設けられている、物品登録装置。
6. 5.に記載の物品登録装置において、
前記制御手段は、前記読取手段に、
始めに、前記物品の載置位置の下に設けられたアンテナを前記第1のアンテナとして用いて前記物品識別情報をみ取らせ、
次に、前記物品の載置位置の側面および上面の少なくとも一方に設置されたアンテナを前記第2のアンテナとして用いて前記物品識別情報を読み取らせる、物品登録装置。
7. 6.に記載の物品登録装置において、
前記制御手段は、前記読取手段に、始めに当該物品識別情報を読み取った前記第1のアンテナ以外の残りのすべてのアンテナを用いて前記物品識別情報読み取らせる、物品登録装置。
8. 7.に記載の物品登録装置において、
前記特定手段は、前記第1のアンテナおよび前記残りのすべてのアンテナを用いて前記ICタグから読み取った前記物品識別情報の論理和をとり、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置。
【0107】
9. 物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たすか否かを判定し、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置のデータ処理方法。
10. 9.に記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の前記物品識別情報のうち少なくとも2つが同一であることを含む、物品登録装置のデータ処理方法。
11. 9.または10.に記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置のデータ処理方法。
12. 物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定し、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせ、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置のデータ処理方法。
13. 9.から12.のいずれか一つに記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記複数のアンテナは、少なくとも、前記物品の載置位置の下、および前記物品の前記載置位置の側方の少なくとも一つの面に設けられている、物品登録装置のデータ処理方法。
14. 13.に記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、
始めに、前記物品の載置位置の下に設けられたアンテナを前記第1のアンテナとして用いて前記物品識別情報をみ取らせ、
次に、前記物品の載置位置の側面および上面の少なくとも一方に設置されたアンテナを前記第2のアンテナとして用いて前記物品識別情報を読み取らせる、物品登録装置のデータ処理方法。
15. 14.に記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記物品登録装置が、
前記読取手段に、始めに当該物品識別情報を読み取った前記第1のアンテナ以外の残りのすべてのアンテナを用いて前記物品識別情報読み取らせる、物品登録装置のデータ処理方法。
16. 15.に記載の物品登録装置のデータ処理方法において、
前記物品登録装置が、
前記第1のアンテナおよび前記残りのすべてのアンテナを用いて前記ICタグから読み取った前記物品識別情報の論理和をとり、出力すべき前記物品識別情報を特定する、物品登録装置のデータ処理方法。
【0108】
17. 物品に関連付けられたIC(Integrated Circuit)タグと通信する物品登録装置が、複数のアンテナの少なくとも一つを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置を実現するコンピュータに、
前記読取手段に、第1の前記アンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が基準を満たすか否かを判定する手順、
前記第1のアンテナを用いた読み取り結果が前記基準を満たしたと判定されたとき、前記読取手段に、前記第1のアンテナとは別の第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、前記第2のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報と、を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する手順、を実行させるためのプログラム。
18. 17.に記載のプログラムにおいて、
前記基準は、第1のアンテナを用いて読み取られた複数の前記物品識別情報のうち少なくとも2つが同一であることを含む、プログラム。
19. 17.または18.に記載のプログラムにおいて、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定する手順、
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させる手順、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
20. 物品に関連付けられたICタグと通信する物品登録装置が、
複数のアンテナを用いて、前記物品に関連付けられた前記ICタグから物品識別情報を読み取る読取手段を有し、
前記物品登録装置を実現するコンピュータに、
前記読取手段に、第1のアンテナおよび第2のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナの読み取り結果が一致したか否かを判定する手順
前記読み取り結果が一致したと判定された場合、前記読取手段に、前記物品識別情報の読み取りを終了させ手順、
前記読み取り結果が不一致と判定された場合、前記読取手段に、さらに第3のアンテナを用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、
前記第1のアンテナ、前記第2のアンテナ、および前記第3のアンテナを用いて読み取られた前記物品識別情報を用いて、出力すべき前記物品識別情報を特定する手順、を実行させるためのプログラム。
21. 17.から20.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記複数のアンテナは、少なくとも、前記物品の載置位置の下、および前記物品の前記載置位置の側方の少なくとも一つの面に設けられている、プログラム。
22. 21.に記載のプログラムにおいて、
前記読取手段に、
始めに、前記物品の載置位置の下に設けられたアンテナを前記第1のアンテナとして用いて前記物品識別情報をみ取らせる手順、
次に、前記物品の載置位置の側面および上面の少なくとも一方に設置されたアンテナを前記第2のアンテナとして用いて前記物品識別情報を読み取らせる手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
23. 22.に記載のプログラムにおいて、
前記読取手段に、始めに当該物品識別情報を読み取った前記第1のアンテナ以外の残りのすべてのアンテナを用いて前記物品識別情報読み取らせる手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
24. 23.に記載のプログラムにおいて、
前記第1のアンテナおよび前記残りのすべてのアンテナを用いて前記ICタグから読み取った前記物品識別情報の論理和をとり、出力すべき前記物品識別情報を特定する手順、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0109】
この出願は、200年2月13日に出願された日本出願特願2020-022231号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0110】
1 販売システム
10、10a、10b、10c、10d、10e アンテナ
20 筐体
22 凹部
30 買い物かご
32 物品
40 タグ
42 ICタグ
50 物品識別情報
52 物品コード
54 シリアル番号
60 RFIDタグ
62 アンテナ
64 ICチップ
66 メモリ
68 通信部
100 物品登録装置
102 読取部
104 判定部
106 制御部
108 特定部
110 記憶装置
202 表示処理部
203 ディスプレイ
204 操作受付部
206 精算処理部
210 商品DB
300 確認画面
302 商品リスト
304 個数確認メッセージ表示部
306 YESボタン
308 NOボタン
320 個数入力画面
322 入力指示表示部
324 個数入力部
326 入力確認メッセージ表示部
328 OKボタン
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17