(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】車両用報知制御装置及び車両用報知制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20250401BHJP
G08G 1/0962 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/0962
(21)【出願番号】P 2023025462
(22)【出願日】2023-02-21
【審査請求日】2024-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2022034622
(32)【優先日】2022-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】久米 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】和泉 一輝
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144570(JP,A)
【文献】特開2005-165555(JP,A)
【文献】特開2017-45130(JP,A)
【文献】国際公開第2018/051586(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/183072(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/012474(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
交差点における前記車両の所定動作を特定する動作特定部(121,121a)と、
前記車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御部(103,103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k)とを備え、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記動作特定部で交差点における前記所定動作を特定した場合には、前記車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、
前記報知制御部(103)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合には、前記車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その交差点内で前記車両の一時停止が必要となる場合に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項2】
自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
交差点における前記車両の所定動作を特定する動作特定部(121,121a)と、
前記車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御部(103,103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k)とを備え、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記動作特定部で交差点における前記所定動作を特定した場合には、前記車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、
前記報知制御部(103)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合には、前記車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、一時的に前記運転者への運転操作の要求が行われる場合に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記監視促進報知を開始した場合には、前記車両が前記交差点での右左折を終えて直進走行を開始するまで、前記監視促進報知を継続させる車両用報知制御装置。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103a)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121a)で交差点における一時停止を特定する場合には、前記車両の運転者に前記車両が一時停止することを示す報知である一時停止報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、表示器(181,181e)に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像の表示も行わせるものであり、前記一時停止報知を行わせる場合には、前記周辺状況画像中の、前記一時停止の要因となっている停止対象物を強調する表示を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項6】
請求項
4に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、表示器に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像と、その周辺状況画像中の前記車両の予定経路を示す予定経路画像との表示も行わせるものであり、前記車両が前記交差点において前記一時停止を行っている間は、前記車両が前記一時停止を行わない場合よりも前記予定経路画像の視認性を低下させて表示を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両が前記一時停止後に前記交差点の通行を再開する場合には、視認性を低下させて表示を行わせていた前記予定経路画像を、前記車両が前記一時停止を行わない場合よりも視認性を高めて表示を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項8】
請求項1
又は2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103b)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その右左折を阻害する要因となる阻害対象物が存在する場合には、その阻害対象物を示す報知である阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、左側通行を法規とする道路における前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右折を特定する場合には、前記阻害対象物として前記車両の対向車両が存在する場合に、その対向車両を示す前記阻害要因報知を行わせる一方、左側通行を法規とする道路における前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における左折を特定する場合には、前記阻害対象物として歩行者及び二輪車のいずれかの対象物が存在する場合に、その対象物を示す前記阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項10】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記阻害対象物とする対象が切り替わる場合にも前記阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項11】
請求項
8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、表示器(181,181e)に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像の表示も行わせるものであり、前記右左折前から前記周辺状況画像中に、前記右左折によって前記車両が進入する車線の状況を表示させ、その車線に特定されていなかった前記阻害対象物が新たに特定される場合にも、その阻害対象物を示す前記阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【請求項12】
請求項1
又は2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、交差点の走行について、表示器(181,181e)に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像と、その周辺状況画像中の前記車両の予定経路を示す予定経路画像との表示も行わせる車両用報知制御装置。
【請求項13】
請求項1
又は2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転は、周辺監視義務のない自動運転である車両用報知制御装置。
【請求項14】
自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
交差点における前記車両の所定動作を特定する動作特定工程と、
前記車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御工程とを含み、
前記報知制御工程では、前記車両の自動運転中に、前記動作特定工程で交差点における前記所定動作を特定した場合には、前記車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、
前記報知制御工程では、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合には、前記車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、
前記報知制御工程では、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その交差点内で前記車両の一時停止が必要となる場合に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御方法。
【請求項15】
自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
交差点における前記車両の所定動作を特定する動作特定工程と、
前記車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御工程とを含み、
前記報知制御工程では、前記車両の自動運転中に、前記動作特定工程で交差点における前記所定動作を特定した場合には、前記車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、
前記報知制御工程では、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合には、前記車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、
前記報知制御工程では、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、一時的に前記運転者への運転操作の要求が行われる場合に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用報知制御装置及び車両用報知制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の運転操作を自動化する自動運転が知られている。特許文献1には、交差点が存在する一般道において自動運転を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、交差点で自動運転を実施する際に運転者に周辺監視を促すことは想定されていない。交差点は外乱が多いため、交差点を自動運転で走行可能であったとしても、運転者の支援があったほうが好ましい場合がある。これは、周辺監視義務が要求されない自動運転であったとしても該当する。
【0005】
この開示の1つの目的は、交差点で自動運転を実施する場合であっても、必要に応じて、運転者からの支援を受けやすくすることを可能とする車両用報知制御装置及び車両用報知制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、開示の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、1つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の第1の車両用報知制御装置は、自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、交差点における車両の所定動作を特定する動作特定部(121,121a)と、車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御部(103,103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k)とを備え、報知制御部は、車両の自動運転中に、動作特定部で交差点における所定動作を特定した場合には、車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、報知制御部(103)は、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合には、車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、報知制御部は、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定部で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その交差点内で車両の一時停止が必要となる場合に、監視促進報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第2の車両用報知制御装置は、自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、交差点における車両の所定動作を特定する動作特定部(121,121a)と、車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御部(103,103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k)とを備え、報知制御部は、車両の自動運転中に、動作特定部で交差点における所定動作を特定した場合には、車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、報知制御部(103)は、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合には、車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、報知制御部は、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定部で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、一時的に運転者への運転操作の要求が行われる場合に、監視促進報知を行わせる。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の車両用報知制御方法は、自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、交差点における車両の所定動作を特定する動作特定工程と、車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御工程とを含み、報知制御工程では、車両の自動運転中に、動作特定工程で交差点における所定動作を特定した場合には、車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、報知制御工程では、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合には、車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、報知制御工程では、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その交差点内で車両の一時停止が必要となる場合に、監視促進報知を行わせる。
上記目的を達成するために、本開示の第2の車両用報知制御方法は、自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサにより実行される、交差点における車両の所定動作を特定する動作特定工程と、車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御工程とを含み、報知制御工程では、車両の自動運転中に、動作特定工程で交差点における所定動作を特定した場合には、車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせるものであり、報知制御工程では、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合には、車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせるものであり、報知制御工程では、車両の自動運転中に、所定動作として、動作特定工程で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、一時的に運転者への運転操作の要求が行われる場合に、監視促進報知を行わせる。
【0009】
以上の構成によれば、交差点で車両が自動運転中に所定動作を行う場合には、車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知が行われることになる。よって、車両の所定動作に応じた、運転者からの支援を受けやすくすることが可能になる。その結果、交差点で自動運転を実施する場合であっても、必要に応じて、運転者からの支援を受けやすくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】車両用システム1の概略的な構成の一例を示す図である。
【
図2】HCU10の概略的な構成の一例を示す図である。
【
図3】周辺状況画像の一例を説明するための図である。
【
図4】監視促進報知の一例について説明するための図である。
【
図5】実施形態1におけるHCU10での監視促進報知関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態2におけるHCU10での監視促進報知関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態3におけるHCU10での監視促進報知関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態4におけるHCU10での監視促進報知関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】HCU10aの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図10】一時停止報知の一例について説明するための図である。
【
図11】予定経路画像の視認性の変化の一例について説明するための図である。
【
図12】予定経路画像の視認性の変化の一例について説明するための図である。
【
図13】実施形態5におけるHCU10aでの一時停止報知関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】HCU10bの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図15】阻害要因報知の一例について説明するための図である。
【
図16】自車の右左折に応じた阻害要因報知の使い分けの一例について説明するための図である。
【
図17】阻害対象物の切り替わりに応じた阻害要因報知の切り替わりの一例について説明するための図である。
【
図18】進入予定車線における阻害対象物の変化に応じた阻害要因報知の切り替わりの一例について説明するための図である。
【
図19】実施形態6におけるHCU10bでの阻害要因報知関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図20】車両用システム1cの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図21】HCU10cの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図22】周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図23】自車が通過した領域に対応する予定経路画像を非表示に変化させる例について説明するための図である。
【
図24】交差対象車両自体の表示の態様の変化による強調表示の例について説明するための図である。
【
図25】ウインカー画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図26】固定表示の一例について説明するための図である。
【
図27】回転表示の一例について説明するための図である。
【
図28】自動化レベルに応じた回転表示と固定表示との切り替えの一例について説明するための図である。
【
図29】HCU10dの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図30】対象移動体の有無に応じた回転表示と固定表示との切り替えの一例について説明するための図である。
【
図31】車両用システム1eの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図32】HCU10eの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図33】運転者表示器1811と同乗者表示器1812とでの回転表示と固定表示との使い分けの一例について説明するための図である。
【
図34】HCU10fの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図35】周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図36】HCU10gの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図37】周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図38】交差対象車両の車線側に自車が右折を行う場合の周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図39】HCU10hの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図40】自動化レベルに応じた予定経路画像と対象移動体画像との表示態様の変化の一例について説明するための図である。
【
図41】HCU10iの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図42】周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図43】HCU10jの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図44】HCU10kの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図45】通行阻止物を検知する前の周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【
図46】通行阻止物を検知した後の周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
【0012】
(実施形態1)
<車両用システム1の概略構成>
以下、本開示の実施形態1について図面を用いて説明する。
図1に示す車両用システム1は、自動運転が可能な車両(以下、自動運転車両)で用いることが可能なものである。車両用システム1は、
図1に示すように、HCU(Human Machine Interface Control Unit)10、通信モジュール11、ロケータ12、地図データベース(以下、地
図DB)13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、自動運転ECU17、及び報知装置18を含んでいる。例えば、HCU10、通信モジュール11、ロケータ12、地
図DB13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、及び自動運転ECU17は、車内LAN(
図1のLAN参照)と接続される構成とすればよい。車両用システム1を用いる車両は、必ずしも自動車に限るものではないが、以下では自動車に用いる場合を例に挙げて説明を行う。
【0013】
自動運転車両の自動運転の度合い(以下、自動化レベル)としては、例えばSAEが定義しているように、複数のレベルが存在し得る。自動化レベルは、例えば以下のようにLV0~5に区分される。
【0014】
LV0は、システムが介入せずに運転者が全ての運転タスクを実施するレベルである。運転タスクは動的運転タスクと言い換えてもよい。運転タスクは、例えば操舵、加減速、及び周辺監視とする。LV0は、いわゆる手動運転に相当する。LV1は、システムが操舵と加減速とのいずれかを支援するレベルである。LV1は、いわゆる運転支援に相当する。LV2は、システムが操舵と加減速とのいずれをも支援するレベルである。LV2は、いわゆる部分運転自動化に相当する。LV1~2も自動運転の一部であるものとする。
【0015】
例えば、LV1~2の自動運転は、安全運転に係る監視義務(以下、単に監視義務)が運転者にある自動運転とする。監視義務としては、目視による周辺監視がある。LV1~2の自動運転は、セカンドタスクが許可されない自動運転と言い換えることができる。セカンドタスクとは、運転者に対して許可される運転以外の行為であって、予め規定された特定行為である。セカンドタスクは、セカンダリアクティビティ,アザーアクティビティ等と言い換えることもできる。セカンドタスクは、自動運転システムからの運転操作の引き継ぎ要求にドライバが対応することを妨げてはならないとされる。一例として、動画等のコンテンツの視聴,スマートフォン等の操作,読書,食事等の行為が、セカンドタスクとして想定される。
【0016】
LV3の自動運転は、特定の条件下ではシステムが全ての運転タスクを実施可能であり、緊急時に運転者が運転操作を行うレベルである。LV3の自動運転では、システムから運転交代の要求があった場合に、運転者が迅速に対応可能であることが求められる。この運転交代は、車両側のシステムから運転者への周辺監視義務の移譲と言い換えることもできる。LV3は、いわゆる条件付運転自動化に相当する。LV3としては、特定エリアに限定されるエリア限定LV3がある。ここで言うところの特定エリアは、高速道路とすればよい。特定エリアは、例えば特定の車線であってもよい。LV3としては、渋滞時に限定される渋滞限定LV3もある。渋滞限定LV3は、例えば高速道路での渋滞時に限定される構成とすればよい。高速道路には、自動車専用道路を含んでもよい。
【0017】
LV4の自動運転は、対応不可能な道路,極限環境等の特定状況下を除き、システムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。LV4は、いわゆる高度運転自動化に相当する。LV5の自動運転は、あらゆる環境下でシステムが全ての運転タスクを実施可能なレベルである。LV5は、いわゆる完全運転自動化に相当する。LV4,LV5の自動運転は、例えば高精度地図データが整備された走行区間で実施可能とすればよい。高精度地図データについては後述する。
【0018】
例えば、LV3~5の自動運転は、周辺監視義務が運転者にない自動運転とする。つまり、監視義務なし自動運転に相当する。LV3~5の自動運転は、セカンドタスクが許可される自動運転と言い換えることができる。LV3~5の自動運転のうち、LV4以上の自動運転が、運転者の睡眠が許可される自動運転に該当する。LV4以上の自動運転は、緊急時であっても運転者への運転交代が不要な自動運転と言い換えることもできる。本施形態の自動運転車両は、自動化レベルが切り替え可能であるものとする。自動化レベルは、LV0~5のうちの一部のレベル間でのみ切り替え可能な構成であってもよい。本実施形態の自動運転車両は、少なくとも自動運転の実施が可能であるものとする。
【0019】
通信モジュール11は、自車の外部のセンタとの間で、無線通信を介して情報の送受信を行う。つまり、広域通信を行う。通信モジュール11は、センタから渋滞情報等を広域通信で受信する。通信モジュール11は、他車両との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、車車間通信を行ってもよい。他車両とは自車以外の車両である。通信モジュール11は、路側に設置された路側機との間で、無線通信を介して情報の送受信を行ってもよい。つまり、路車間通信を行ってもよい。路車間通信を行う場合、通信モジュール11は、路側機を介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を受信してもよい。また、通信モジュール11は、センタを介して、自車の周辺車両から送信されるその周辺車両の情報を広域通信で受信してもよい。
【0020】
ロケータ12は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機及び慣性センサを備えている。GNSS受信機は、複数の測位衛星からの測位信号を受信する。慣性センサは、例えばジャイロセンサ及び加速度センサを備える。ロケータ12は、GNSS受信機で受信する測位信号と、慣性センサの計測結果とを組み合わせることにより、ロケータ12を搭載した自車の車両位置(以下、自車位置)を逐次測位する。自車位置は、例えば緯度経度の座標で表されるものとすればよい。なお、自車位置の測位には、後述する車速センサから逐次出力される信号から求めた走行距離も用いる構成としてもよい。
【0021】
地
図DB13は、不揮発性メモリであって、高精度地図データを格納している。高精度地図データは、ナビゲーション機能での経路案内に用いられる地図データよりも高精度な地図データである。地
図DB13には、経路案内に用いられる地図データも格納していてもよい。高精度地図データには、例えば道路の三次元形状情報,車線数情報,各車線に許容された進行方向を示す情報等の自動運転に利用可能な情報が含まれている。他にも、高精度地図データには、例えば区画線等の路面標示について、両端の位置を示すノード点の情報が含まれていてもよい。なお、ロケータ12は、道路の三次元形状情報を用いることで、GNSS受信機を用いない構成としてもよい。例えば、ロケータ12は、道路の三次元形状情報と、道路形状及び構造物の特徴点の点群を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)若しくは周辺監視カメラ等の周辺監視センサ15での検出結果とを用いて、自車位置を特定する構成としてもよい。道路の三次元形状情報は、REM(Road Experience Management)によって撮像画像をもとに生成されたものであってもよい。
【0022】
なお、外部サーバから配信される地図データを、通信モジュール11を介して広域通信で受信し、地
図DB13に格納してもよい。この場合、地
図DB13を揮発性メモリとし、通信モジュール11が自車位置に応じた領域の地図データを逐次取得する構成としてもよい。
【0023】
車両状態センサ14は、自車の各種状態を検出するためのセンサ群である。車両状態センサ14としては、車速センサ,操舵センサ等がある。車速センサは、車速パルスを出力する。操舵センサは、操舵角を検出する。車両状態センサ14は、検出したセンシング情報を車内LANへ出力する。なお、車両状態センサ14で検出したセンシング情報は、自車に搭載されるECUを介して車内LANへ出力される構成であってもよい。
【0024】
周辺監視センサ15は、自車の周辺環境を監視する。一例として、周辺監視センサ15は、歩行者,他車両等の移動物体、及び路上の落下物等の静止物体といった自車周辺の障害物を検出する。他にも、自車周辺の走行区画線等の路面標示を検出する。周辺監視センサ15は、例えば、自車周辺の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ、自車周辺の所定範囲に探査波を送信するミリ波レーダ、ソナー、LIDAR等のセンサである。周辺監視カメラは、逐次撮像する撮像画像をセンシング情報として自動運転ECU17へ逐次出力する。ソナー、ミリ波レーダ、LIDAR等の探査波を送信するセンサは、障害物によって反射された反射波を受信した場合に得られる受信信号に基づく走査結果をセンシング情報として自動運転ECU17へ逐次出力する。周辺監視センサ15で検出したセンシング情報は、車内LANを介さずに自動運転ECU17に出力される構成としてもよい。
【0025】
車両制御ECU16は、自車の走行制御を行う電子制御装置である。走行制御としては、加減速制御及び/又は操舵制御が挙げられる。車両制御ECU16としては、操舵制御を行う操舵ECU、加減速制御を行うパワーユニット制御ECU及びブレーキECU等がある。車両制御ECU16は、自車に搭載された電子制御スロットル、ブレーキアクチュエータ、EPS(Electric Power Steering)モータ等の各走行制御デバイスへ制御信号を出力することで走行制御を行う。
【0026】
自動運転ECU17は、例えばプロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備え、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで自動運転に関する処理を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。自動運転ECU17は、機能ブロックとして、走行環境認識部、行動判断部、及び制御実行部を備える。
【0027】
走行環境認識部は、ロケータ12から取得する自車位置、地
図DB13から取得する地図データ、及び周辺監視センサ15から取得するセンシング情報から、自車の走行環境を認識する。一例として、走行環境認識部は、これらの情報を用いて、自車の周囲の物体の位置、形状、及び移動状態を認識し、実際の走行環境を再現した仮想空間を生成する。走行環境認識部では、自車位置及び地図データから、地図上での自車位置を認識すればよい。走行環境認識部は、通信モジュール11を介して周辺車両等の位置情報,速度情報等を取得できる場合には、これらの情報も用いて走行環境を認識してもよい。
【0028】
また、走行環境認識部は、自車の走行地域における手動運転エリア(以下、MDエリア)の判別も行えばよい。走行環境認識部は、自車の走行地域における自動運転エリア(以下、ADエリア)の判別も行えばよい。走行環境認識部は、ADエリアにおける後述のST区間と非ST区間との判別も行えばよい。
【0029】
MDエリアは、自動運転が禁止されるエリアである。言い換えると、MDエリアは、自車の縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視の全てを運転者が実行すると規定されたエリアである。縦方向とは、自車の前後方向と一致する方向である。横方向とは、自車の幅方向と一致する方向である。縦方向制御は、自車の加減速制御にあたる。横方向制御は、自車の操舵制御にあたる。例えば、MDエリアは、高精度地図データが整備されていない一般道路の走行区間とすればよい。
【0030】
ADエリアは、自動運転が許可されるエリアである。言い換えると、ADエリアは、縦方向制御、横方向制御、及び周辺監視のうちの1つ以上を、自車が代替することが可能と規定されたエリアである。例えば、ADエリアは、高速道路,高精度地図データが整備された走行区間とすればよい。例えば、エリア限定LV3の自動運転(以下、エリア限定自動運転)は、高速道路においてのみ許可されるものとしてもよい。渋滞限定LV3の自動運転(以下、渋滞限定自動運転)は、ADエリアにおける渋滞時にのみ許可されるものとすればよい。
【0031】
ADエリアは、ST区間と非ST区間とに区分される。ST区間とは、エリア限定自動運転が許可される区間である。非ST区間は、LV2以下の自動運転及び渋滞限定自動運転が可能な区間とすればよい。本実施形態では、LV1の自動運転が許可される非ST区間と、LV2の自動運転が許可される非ST区間とを分けて区分しないものとする。非ST区間は、ADエリアのうちのST区間に該当しない区間とすればよい。
【0032】
行動判断部は、運転者と自車のシステムとの間で運転操作の制御主体を切り替える。行動判断部は、運転操作の制御権がシステム側にある場合、走行環境認識部による走行環境の認識結果に基づき、自車を走行させる走行計画を決定する。走行計画としては、長中期の走行計画と、短期の走行計画とが生成される。長中期の走行計画では、設定された目的地に自車を向かわせるための予定経路が生成される。行動判断部は、この予定経路を、ナビゲーション機能の経路探索と同様にして生成すればよい。短期の走行計画では、生成した自車の周囲の仮想空間を用いて、長中期の走行計画(つまり、予定経路)に従った走行を実現するための自車が取るべき振る舞いが決定される。振る舞いの一例としては、直進、右折、左折、停止、車線変更等がある。
【0033】
行動判断部は、自動運転での交差点の通過時に、自車の通行を阻害する対象物(以下、通行阻止物)が存在する場合に、自車の一時停止を判断する。ここで言うところの自動運転は、右左折を自動で行う自動運転であってもよい。通行阻止物は、例えば他車両,歩行者等の移動体とすればよい。自車が交差点で右左折する場合、通行阻止物は、対向車両,右左折先の横断歩道の歩行者等が該当する。自車が交差点で直進する場合、通行阻止物は、停車中の先行車両,対向車両等が該当する。通行阻止物は、走行環境認識部で認識すればよい。
【0034】
行動判断部は、自動運転での交差点の通過時であって、且つ、交差点での右左折後に、右左折によって進入する車線に通行阻止物を特定する場合には、この通行阻止物の回避を判断する。一例としては、自車の一時停止,進路変更等を判断すればよい。
【0035】
また、行動判断部は、必要に応じて自車の自動運転の自動化レベルを切り替える。行動判断部は、自動化レベルの上昇が可能か否かを判断する。例えば、自車がMDエリアからADエリアのうちの非ST区間に移る場合には、LV0の手動運転からLV2以下の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がMDエリアからADエリアのうちのST区間に移る場合には、LV0の手動運転からエリア限定自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がADエリアのうちの非ST区間からST区間に移る場合には、LV2以下の自動運転からLV3の自動運転に切り替え可能と判断すればよい。自車がADエリアに位置し、且つ、自動化レベルがLV2以下の状態で、渋滞限定LV3の条件が全て揃った場合には、LV2以下の自動運転から渋滞限定自動運転に切り替え可能と判断すればよい。他にも、LV4の開始条件を満たす場合に、LV3以下からLV4に切り替え可能と判断すればよい。行動判断部は、自動化レベルの上昇が可能と判断した場合であって、自動化レベルの上昇について運転者から承認された場合に、自動化レベルを上昇させればよい。
【0036】
行動判断部は、自動化レベルの下降が必要と判断した場合に、自動化レベルを下降させればよい。自動化レベルの下降が必要と判断する場合としては、オーバーライド検出時、計画的な運転交代時、及び非計画的な運転交代時が挙げられる。オーバーライドとは、自車の運転者が自発的に自車の制御権を取得するための操作である。言い換えると、オーバーライドは、車両の運転者による操作介入である。計画的な運転交代とは、システムの判断による、予定された運転交代である。非計画的な運転交代とは、システムの判断による、予定されない突発的な運転交代である。
【0037】
行動判断部は、自動運転から手動運転への運転交代が必須でなくても、自動運転から手動運転への運転交代が好ましいと判断した場合であって、この運転交代について運転者から承認された場合に、手動運転に切り替えてもよい。自動運転から手動運転への運転交代が好ましい状況としては、前述の通行阻止物の存在によって、自車を交差点において一時停止させている状況が挙げられる。以下では、一時停止の要因となっている通行阻止物を停止対象物と呼ぶ。なお、この運転交代について運転者から承認がなされなかった場合には、行動判断部は、一時停止の要因が解消するのを待って自動運転を継続させる判断をすればよい。
【0038】
制御実行部は、運転操作の制御権が自車のシステム側にある場合、車両制御ECU16との連携により、行動判断部にて決定された走行計画に従って、自車の加減速制御及び操舵制御等を実行する。
【0039】
報知装置18は、自車の車室内に設けられる。報知装置18は、自車の車室内へ向けて報知を行う。報知装置18は、HCU10の指示に従って報知を行う。報知装置18は、少なくとも運転者に向けて報知を行う構成とすればよい。報知装置18は、運転者以外の同乗者にも報知を行っても構わない。報知装置18は、表示器181及び音声出力装置182を含む。
【0040】
表示器181は、情報を表示することで報知を行う。表示器181としては、例えばメータMID(Multi Information Display),CID(Center Information Display),HUD(Head-Up Display)等を用いることができる。メータMIDは、自車の室内のうちの運転席の正面に設けられる。一例として、メータMIDは、メータパネルに設けられる構成とすればよい。CIDは、自車のインスツルメントパネルの中央に配置される。HUDは、車室内のうちの例えばインスツルメントパネルに設けられる。HUDは、プロジェクタによって形成される表示像を、投影部材としてのフロントウインドシールドに既定された投影領域に投影する。フロントウインドシールドによって車室内側に反射された画像の光は、運転席に着座する運転者によって知覚される。これにより、運転者は、フロントウインドシールドの前方にて結像される表示像の虚像を、前景の一部と重ねて視認可能となる。HUDは、フロントウインドシールドの代わりに、運転席の正面に設けられるコンバイナに表示像を投影する構成としてもよい。以下では、表示器181がメータMIDである場合を例に挙げて説明を続ける。音声出力装置182は、音声を出力することで報知を行う。音声出力装置182としては、スピーカ等が挙げられる。
【0041】
HCU10は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるコンピュータを主体として構成される。HCU10は、報知装置18と車内LANとに接続されている。HCU10は、不揮発性メモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、報知装置18での報知を制御する。このHCU10が車両用報知制御装置に相当する。本実施形態では、HCU10が少なくとも自動運転が可能な車両で用いられる場合を例に挙げて説明を行う。なお、報知装置18での報知の制御に関するHCU10の構成については、以下で詳述する。
【0042】
<HCU10の概略構成>
続いて、
図2を用いてHCU10の概略構成についての説明を行う。HCU10は、報知装置18での報知の制御に関して、
図2に示すように、情報取得部101、状況特定部102、及び報知制御部103を機能ブロックとして備える。また、コンピュータによってHCU10の各機能ブロックの処理が実行されることが、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。なお、HCU10が実行する機能の一部又は全部を、1つ或いは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、HCU10が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
【0043】
情報取得部101は、HCU10の外部から入力される情報を取得する。情報取得部101は、例えば車内LANを介して情報を取得する。情報取得部101は、例えば自動運転ECU17の走行環境認識部での認識結果を取得する。情報取得部101は、自動運転ECU17の行動判断部での判断結果を取得する。
【0044】
状況特定部102は、自車の状況を特定する。状況特定部102は、情報取得部101で取得した情報から、自車の状況を特定する。状況特定部102は、自動運転ECU17から取得する、行動判断部での判断結果をもとに、現時点での自車の自動化レベルを特定すればよい。より詳しくは、状況特定部102は、行動判断部での自動化レベルの切り替えの情報をもとに、現時点での自車の自動化レベルを特定すればよい。
【0045】
状況特定部102は、動作特定部121をサブ機能ブロックとして備える。動作特定部121は、交差点における自車の所定動作を特定する。この動作特定部121での処理が動作特定工程に相当する。動作特定部121は、交差点における自車の右左折を特定する。動作特定部121は、予定としての交差点における自車の右左折を特定すればよい。動作特定部121は、交差点への進入前から、予定としての交差点における自車の右左折を特定すればよい。動作特定部121は、交差点における自車の右左折を、行動判断部での判断結果から特定すればよい。
【0046】
報知制御部103は、報知装置18での報知を制御する。報知制御部103は、表示器181での表示を制御する。報知制御部103は、音声出力装置182での音声出力を制御する。報知制御部103は、表示器181の表示面に、自車の周辺状況を示す画像(以下、周辺状況画像)を表示させる。
【0047】
ここで、
図3を用いて、周辺状況画像の一例について説明する。
図3は、周辺状況画像の表示例である。周辺状況画像は、自車よりも上方の仮想視点から見た、自車とその周辺の俯瞰画像とすればよい。この仮想視点は、自車の直上であってもよいし、自車の直上からずれた位置であってもよい。例えば、自車よりも上方且つ後方の仮想視点から見た俯瞰図であってもよい。なお、周辺状況画像は、自車の周辺状況を示すための仮想的な画像であってもよいし、周辺監視センサ15のうちの周辺監視カメラで撮像した撮像画像を加工したものであってもよい。図中のScが表示器181の表示画面を示す。PLIが、車線の区画線を表す画像(以下、区画線画像)を示す。HVIが、自車を表す画像(以下、自車画像)を示す。OVIが、自車の周辺車両を表す画像(以下、周辺車両画像)を示す。なお、周辺状況画像には、自車の車速を表す画像,自動運転機能の動作状態を表す画像等も表示してもよい。
【0048】
また、報知制御部103は、交差点の走行について、表示器181に、周辺状況画像と、その周辺状況画像中の予定経路画像との表示も行わせることが好ましい。予定経路画像は、自車の予定経路を示す画像である。ここで言うところの交差点の走行とは、交差点内の走行だけでなく、交差点への進入前と通過後の一定距離の走行も含むものとすればよい。一定距離については、任意に設定可能とすればよい。また、一定距離については、進入前と通過後とで異なってもよい。なお、報知制御部103は、周辺状況画像及び予定経路画像の表示を、交差点の走行以外の場合にも表示させても構わない。
【0049】
報知制御部103は、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における所定動作を特定した場合に、自車の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせる。この報知制御部103での処理が報知制御工程に相当する。報知制御部103は、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右左折を特定した場合に、上述の報知として、自車の運転者に周辺監視を促す報知(以下、監視促進報知)を行わせる。これによれば、交差点で車両が自動運転中に右左折を行う場合に、車両の運転者に周辺監視を促す報知が行われる。交差点は外乱が多いため、交差点を自動運転で走行可能であったとしても、運転者の周辺監視の支援があったほうが好ましい。これに対して、交差点での右左折において、運転者に周辺監視を促す報知を行わせるので、運転者からの周辺監視の支援を受けやすくすることが可能になる。その結果、交差点で自動運転を実施する場合であっても、必要に応じて、運転者からの支援を受けやすくすることが可能になる。
【0050】
監視促進報知は、表示器181での表示によって行えばよい。監視促進報知の表示の例としては、アイコンの表示であってもテキストの表示であってもよい。一例としては、目を模式化したアイコンを表示すればよい。監視促進報知は、音声出力装置182からの音声出力によって行ってもよい。
【0051】
ここで、
図4を用いて、監視促進報知の一例について説明する。
図4では、周辺状況画像中へのアイコン表示によって、監視促進報知を行わせる場合を例に挙げる。図中のSIcが、監視促進報知にあたるアイコン画像を示す。CIが、予定経路画像を示す。
図4に示すように、予定経路画像によって交差点で右折を行うことを示し、アイコン画像によって周辺監視を運転者に促せばよい。
【0052】
報知制御部103は、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右左折を特定する場合、その交差点に進入する前に、監視促進報知を行わせればよい。これによれば、交差点での右左折において、交差点に進入する前から、運転者による周辺監視の支援を受けやすくなる。
【0053】
報知制御部103は、監視促進報知を開始した場合には、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始するまで、監視促進報知を継続させることが好ましい。これによれば、交差点での右左折を完了するまで、運転者による周辺監視の支援を受けやすくなる。自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことは、状況特定部102が特定すればよい。状況特定部102は、自車が直進走行を開始したか否かについては、操舵センサで検出する自車の操舵角から判断すればよい。なお、報知制御部103は、監視促進報知を開始した場合に、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始するのを待たずに監視促進報知を終了させる構成としてもよい。
【0054】
<HCU10での監視促進報知関連処理>
ここで、
図5のフローチャートを用いて、HCU10での監視促進報知の制御に関する処理(以下、監視促進報知関連処理)の流れの一例について説明する。
図5のフローチャートは、例えば自車の内燃機関又はモータジェネレータを始動させるためのスイッチ(以下、パワースイッチ)がオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0055】
まず、ステップS1では、状況特定部102で自車の自動化レベルがLV3以上であると特定した場合(S1でYES)には、ステップS2に移る。つまり、状況特定部102で自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、ステップS2に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満と特定した場合(S1でNO)には、ステップS7に移る。
【0056】
ステップS2では、動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定する場合(S2でYES)には、ステップS3に移る。動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定しなかった場合(S2でNO)には、ステップS7に移る。
【0057】
ステップS3では、状況特定部102が、自車から交差点までの距離(以下、交差点距離)が閾値未満となったことを特定した場合(S3でYES)には、ステップS4に移る。一方、交差点距離が閾値未満となったことを特定していない場合(S3でNO)には、S3の処理を繰り返す。ここで言うところの閾値とは、0以上の距離であって、任意に設定可能とすればよい。
【0058】
ステップS4では、報知制御部103が、監視促進報知を開始させる。ステップS5では、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定した場合(S5でYES)には、ステップS6に移る。一方、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定していない場合(S5でNO)には、S5の処理を繰り返す。
【0059】
ステップS6では、報知制御部103が、監視促進報知を終了させる。ステップS7では、監視促進報知関連処理の終了タイミングであった場合(S7でYES)には、監視促進報知関連処理を終了する。一方、監視促進報知関連処理の終了タイミングでなかった場合(S7でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。監視促進報知関連処理の終了タイミングの一例としては、パワースイッチがオフになったこと等が挙げられる。
【0060】
図5では、S1において、自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、S2に移る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S1において、自車の自動化レベルが1以上と特定した場合に、S2に移る構成としてもよい。つまり、S1において、自車が自動運転中と特定した場合に、S2に移る構成としてもよい。他にも、S1において、自車の自動化レベルが2以上と特定した場合に、S2に移る構成としてもよい。
【0061】
(実施形態2)
実施形態1では、交差点への進入前に監視促進報知を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、以下の実施形態2の構成としてもよい。実施形態2では、報知制御部103での処理が一部異なる点を除けば、実施形態1と同様である。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
【0062】
報知制御部103は、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その交差点内で自車の一時停止が必要となる場合に、監視促進報知を行わせる。これによれば、一時停止の要因の回避について、運転者の支援を受けやすくすることが可能になる。
【0063】
交差点内で自車の一時停止が必要となる場合とは、実施形態1で述べた、行動判断部で自車の一時停止を判断する場合とすればよい。交差点内で自車の一時停止が必要となる場合とは、自動運転での交差点の通過時に、通行阻止物が存在する場合である。交差点内で自車の一時停止が必要となることは、状況特定部102が特定すればよい。実施形態2では、動作特定部121は、交差点への進入後に、予定としての交差点における自車の右左折を特定しても構わない。
【0064】
ここで、
図6のフローチャートを用いて、実施形態2における監視促進報知関連処理の流れの一例について説明する。
図6のフローチャートも、例えば自車のパワースイッチがオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0065】
まず、ステップS21では、状況特定部102で自車の自動化レベルがLV3以上であると特定した場合(S21でYES)には、ステップS22に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満と特定した場合(S21でNO)には、ステップS28に移る。
【0066】
ステップS22では、動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定する場合(S22でYES)には、ステップS23に移る。動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定しなかった場合(S22でNO)には、ステップS28に移る。
【0067】
ステップS23では、状況特定部102が、交差点内で自車の一時停止が必要となることを特定した場合(S23でYES)には、ステップS25に移る。一方、交差点内で自車の一時停止が必要となることを特定していない場合(S23でNO)には、ステップS24に移る。
【0068】
ステップS24では、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定した場合(S24でYES)には、ステップS28に移る。一方、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定していない場合(S24でNO)には、S23に戻って処理を繰り返す。
【0069】
ステップS25では、報知制御部103が、監視促進報知を開始させる。ステップS26では、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定した場合(S26でYES)には、ステップS27に移る。一方、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定していない場合(S26でNO)には、S26の処理を繰り返す。
【0070】
ステップS27では、報知制御部103が、監視促進報知を終了させる。ステップS28では、監視促進報知関連処理の終了タイミングであった場合(S28でYES)には、監視促進報知関連処理を終了する。一方、監視促進報知関連処理の終了タイミングでなかった場合(S28でNO)には、S21に戻って処理を繰り返す。
【0071】
図6では、S21において、自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、S22に移る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S21において、自車の自動化レベルが1以上と特定した場合に、S22に移る構成としてもよい。他にも、S21において、自車の自動化レベルが2以上と特定した場合に、S22に移る構成としてもよい。
【0072】
(実施形態3)
実施形態1では、交差点への進入前に監視促進報知を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、以下の実施形態3の構成としてもよい。実施形態3では、報知制御部103での処理が一部異なる点を除けば、実施形態1と同様である。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
【0073】
報知制御部103は、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、一時的に運転者への運転操作の要求が行われる場合に、監視促進報知を行わせる。これによれば、運転者への運転操作の要求が行われる要因の回避について、運転者の支援を受けやすくすることが可能になる。また、運転者への運転交代が行われる場合には、運転交代前に運転者への周辺監視を促すため、運転交代への移行を円滑に行うことが可能になる。
【0074】
運転操作の要求とは、手動運転への運転交代の要求である。報知制御部103は、一時的に運転者の運転操作の要求が行われた場合には、運転操作の要求が必要となる状況が解消され、運転操作の要求が終了した場合であっても、監視促進報知を行わせればよい。報知制御部103は、運転操作の要求に対して、運転者が運転交代を行ったか否かにかかわらず、監視促進報知を行わせればよい。報知制御部103は、例えば交差点内で自車の一時停止が必要となることを状況特定部102が特定した場合に、運転操作の要求を行わせればよい。運転操作の要求は、表示器181でのアイコン,テキストの表示によって行ってもよいし、音声出力装置182からの音声出力によって行ってもよい。実施形態3では、動作特定部121は、交差点への進入後に、予定としての交差点における自車の右左折を特定しても構わない。
【0075】
ここで、
図7のフローチャートを用いて、実施形態3における監視促進報知関連処理の流れの一例について説明する。
図7のフローチャートも、例えば自車のパワースイッチがオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0076】
まず、ステップS31では、状況特定部102で自車の自動化レベルがLV3以上であると特定した場合(S31でYES)には、ステップS32に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満と特定した場合(S31でNO)には、ステップS38に移る。
【0077】
ステップS32では、動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定する場合(S32でYES)には、ステップS33に移る。動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定しなかった場合(S32でNO)には、ステップS38に移る。
【0078】
ステップS33では、状況特定部102が、交差点内で自車の一時停止が必要となることを特定し、報知制御部103が運転操作の要求を行わせた場合(S33でYES)には、ステップS35に移る。一方、交差点内で自車の一時停止が必要となることを特定していない場合(S33でNO)には、ステップS34に移る。
【0079】
ステップS34では、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定した場合(S34でYES)には、ステップS38に移る。一方、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定していない場合(S34でNO)には、S33に戻って処理を繰り返す。
【0080】
ステップS35では、報知制御部103が、監視促進報知を開始させる。ステップS36では、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定した場合(S36でYES)には、ステップS37に移る。一方、状況特定部102が、自車が交差点での右左折を終えて直進走行を開始したことを特定していない場合(S36でNO)には、S36の処理を繰り返す。
【0081】
ステップS37では、報知制御部103が、監視促進報知を終了させる。ステップS38では、監視促進報知関連処理の終了タイミングであった場合(S38でYES)には、監視促進報知関連処理を終了する。一方、監視促進報知関連処理の終了タイミングでなかった場合(S38でNO)には、S31に戻って処理を繰り返す。
【0082】
図7では、S31において、自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、S32に移る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S31において、自車の自動化レベルが1以上と特定した場合に、S32に移る構成としてもよい。他にも、S31において、自車の自動化レベルが2以上と特定した場合に、S32に移る構成としてもよい。
【0083】
(実施形態4)
実施形態1では、交差点への進入前に監視促進報知を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、以下の実施形態4の構成としてもよい。実施形態4では、報知制御部103での処理が一部異なる点を除けば、実施形態1と同様である。以下では、実施形態1と異なる点について説明する。
【0084】
報知制御部103は、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右左折を特定する場合に、その交差点内での右左折前と、右左折後の横断歩道進入前とのそれぞれで監視促進報知を行わせる。これによれば、右左折と右左折後の横断歩道進入前とのいずれに対しても、運転者からの周辺監視の支援を受けやすくすることが可能になる。
【0085】
報知制御部103は、交差点内での右左折前として、例えば交差点への進入時に監視促進報知を行わせればよい。報知制御部103は、交差点内での右左折前として、例えば交差点内での右左折開始時に監視促進報知を行わせてもよい。報知制御部103は、右左折後の横断歩道進入前として、右左折後にこの横断歩道と自車との距離が閾値未満となった時点で監視促進報知を行わせればよい。これらの状況は、状況特定部102で特定すればよい。
【0086】
ここで、
図8のフローチャートを用いて、実施形態4における監視促進報知関連処理の流れの一例について説明する。
図8のフローチャートも、例えば自車のパワースイッチがオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0087】
まず、ステップS41では、状況特定部102で自車の自動化レベルがLV3以上であると特定した場合(S41でYES)には、ステップS42に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満と特定した場合(S41でNO)には、ステップS51に移る。
【0088】
ステップS42では、動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定する場合(S42でYES)には、ステップS43に移る。動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定しなかった場合(S42でNO)には、ステップS51に移る。
【0089】
ステップS43では、状況特定部102が、自車が交差点に進入したことを特定した場合(S43でYES)には、ステップS45に移る。一方、自車が交差点に進入したことを特定していない場合(S43でNO)には、ステップS43の処理を繰り返す。ステップS44では、報知制御部103が、監視促進報知を開始させる。
【0090】
ステップS45では、状況特定部102が、自車が右左折を開始したことを特定した場合(S45でYES)には、ステップS46に移る。一方、自車が右左折を開始したことを特定していない場合(S45でNO)には、S45の処理を繰り返す。ステップS46では、報知制御部103が、監視促進報知を終了させる。状況特定部102は、操舵センサで検出した操舵角をもとに、自車が右左折を開始したことを特定すればよい。
【0091】
ステップS47では、状況特定部102が、自車から対象横断歩道までの距離(以下、横断歩道距離)が閾値未満となったことを特定した場合(S47でYES)には、ステップS48に移る。一方、横断歩道距離が閾値未満となったことを特定していない場合(S47でNO)には、S47の処理を繰り返す。ここで言うところの閾値とは、0以上の距離であって、任意に設定可能とすればよい。対象横断歩道は、右左折後に通過する予定の直近の横断歩道である。ステップS48では、報知制御部103が、監視促進報知を開始させる。
【0092】
ステップS49では、状況特定部102が、自車が対象横断歩道を通過したことを特定した場合(S49でYES)には、ステップS50に移る。一方、自車が対象横断歩道を通過したことを特定していない場合(S49でNO)には、S49の処理を繰り返す。ステップS50では、報知制御部103が、監視促進報知を終了させる。
【0093】
ステップS51では、監視促進報知関連処理の終了タイミングであった場合(S51でYES)には、監視促進報知関連処理を終了する。一方、監視促進報知関連処理の終了タイミングでなかった場合(S51でNO)には、S41に戻って処理を繰り返す。
【0094】
図8では、S41において、自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、S42に移る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S41において、自車の自動化レベルが1以上と特定した場合に、S42に移る構成としてもよい。他にも、S41において、自車の自動化レベルが2以上と特定した場合に、S32に移る構成としてもよい。
【0095】
(実施形態5)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態5のような構成としてもよい。以下では、実施形態5の一例について図を用いて説明する。実施形態5の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10aを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
【0096】
<HCU10aの概略構成>
続いて、
図9を用いてHCU10aの概略構成についての説明を行う。HCU10aは、報知装置18での報知の制御に関して、
図9に示すように、情報取得部101、状況特定部102a、及び報知制御部103aを機能ブロックとして備える。HCU10aは、状況特定部102及び報知制御部103の代わりに状況特定部102a及び報知制御部103aを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10aも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10aの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0097】
状況特定部102aは、動作特定部121の代わりに動作特定部121aを備える点を除けば、実施形態1の状況特定部102と同様である。この動作特定部121aでの処理も動作特定工程に相当する。動作特定部121aは、交差点における自車の一時停止を特定する。動作特定部121aは、交差点における自車の一時停止を、行動判断部での判断結果から特定すればよい。
【0098】
報知制御部103aは、報知制御部103と同様に、報知装置18での報知を制御する。報知制御部103aは、自車の自動運転中に、動作特定部121aで交差点における自車の一時停止を特定する場合に、自車の運転者に自車が一時停止することを示す報知(以下、一時停止報知)を行わせる。これによれば、一時停止の要因の回避について、運転者の支援を受けやすくすることが可能になる。一時停止報知は、交差点での右左折時の一時停止に限って行わせるものではなく、直進時の一時停止の場合にも行わせることが可能とすればよい。この報知制御部103aでの処理も報知制御工程に相当する。
【0099】
一時停止報知は、表示器181での表示によって行えばよい。一時停止報知の表示の例としては、アイコンの表示であってもテキストの表示であってもよい。一例としては、停止の意味合いを表すアイコンを表示すればよい。一時停止報知は、音声出力装置182からの音声出力によって行ってもよい。
【0100】
ここで、
図10を用いて、一時停止報知の一例について説明する。
図10では、周辺状況画像中へのアイコン表示によって、一時停止報知を行わせる場合を例に挙げる。
図10では、交差点を直進予定の自車の通行を阻害する対向車両が存在する場合を例に挙げて説明する。この対向車両が停止対象物にあたる。図中のPIcが、一時停止報知にあたるアイコン画像を示す。HLが、停止対象物を強調する表示を示す。CIが、予定経路画像を示す。
図10の例では、停止対象物を示す周辺車両画像OVIを囲う枠を表示することで、停止対象物を強調している。
図10に示すように、予定経路画像によって交差点を直進することを示し、アイコン画像によって一時停止を運転者に伝えればよい。
【0101】
報知制御部103aは、一時停止報知を行わせる場合には、
図10に示すように、周辺状況画像中の、一時停止の要因となっている停止対象物を強調する表示を行わせることが好ましい。これによれば、運転者が、一時停止の解消のためにどの対象物を回避すればよいのかを容易に認識することが可能になる。なお、停止対象物を強調する表示の態様は、枠で囲うことに限らない。例えば、停止対象物を指す矢印,停止対象物の画像の点滅等によって強調する構成としてもよい。
【0102】
報知制御部103aは、自車が交差点において一時停止を行っている間は、自車が一時停止を行わない場合よりも予定経路画像の視認性を低下させて表示を行わせることが好ましい。これによれば、周辺状況画像中に予定経路画像を表示させる場合であっても、運転者の注意を、一時停止の要因となっている停止対象物に向けやすくすることが可能になる。一例として、予定経路画像の視認性の低下は、画像の輝度を下げる等して実現すればよい。
【0103】
また、報知制御部103aは、自車が一時停止後に交差点の通行を再開する場合には、視認性を低下させて表示を行わせていた予定経路画像を、自車が一時停止を行わない場合よりも視認性を高めて表示を行わせることが好ましい。これによれば、自車が一時停止後に交差点の通行を再開する場合に、運転者の注意を、予定経路画像に向けやすくすることが可能になる。一例として、予定経路画像の視認性を高めるのは、画像の輝度を上げる等して実現すればよい。
【0104】
ここで、
図10~
図12を用いて、予定経路画像の視認性の変化の一例について説明する。
図11は、自車が交差点において一時停止を行わない場合の周辺状況画像の表示例である。
図12は、自車が一時停止後に交差点の通行を再開する場合の周辺状況画像の表示例である。
図10及び
図11に示すように、自車が交差点において一時停止を行っている場合は、自車が一時停止を行わない場合よりも予定経路画像の視認性を低下させて表示を行わせる。また、
図10及び
図12に示すように、自車が一時停止後に交差点の通行を再開する場合には、予定経路画像を、自車が一時停止を行わない場合よりも視認性を高めて表示を行わせる。
図10~
図12では、自車が交差点で直進を行う場合の例を挙げたが、必ずしもこれに限らない。自車が交差点で右左折を行う場合にも、一時停止の有無に応じて同様に表示を変化させればよい。
【0105】
<HCU10aでの一時停止報知関連処理>
ここで、
図13のフローチャートを用いて、HCU10aでの一時停止報知の制御に関する処理(以下、一時停止報知関連処理)の流れの一例について説明する。
図13のフローチャートは、例えば自車のパワースイッチがオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0106】
まず、ステップS61では、状況特定部102aで自車の自動化レベルがLV3以上であると特定した場合(S61でYES)には、ステップS62に移る。つまり、状況特定部102aで自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、ステップS62に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満と特定した場合(S61でNO)には、ステップS72に移る。
【0107】
ステップS62では、状況特定部102aで自車が交差点へ進入したことを特定した場合(S62でYES)には、ステップS63に移る。一方、自車が交差点へ進入したことを特定していない場合(S62でNO)には、ステップS72に移る。
【0108】
ステップS63では、動作特定部121aが、交差点における自車の一時停止を特定する場合(S63でYES)には、ステップS65に移る。一方、交差点における自車の一時停止を特定しなかった場合(S63でNO)には、ステップS64に移る。
【0109】
ステップS64では、状況特定部102aで自車が交差点を通過したことを特定した場合(S64でYES)には、ステップS72に移る。一方、自車が交差点を通過したことを特定していない場合(S64でNO)には、S63に戻って処理を繰り返す。
【0110】
ステップS65では、報知制御部103aが、監視促進報知を開始させる。ステップS66では、報知制御部103aが、周辺状況画像中の予定経路画像の視認性を、自車が一時停止を行わない場合のデフォルトの視認性よりも低下させて表示を行わせる。
【0111】
ステップS67では、動作特定部121aが、交差点における自車の一時停止を特定しなくなった場合(S67でYES)には、ステップS68に移る。つまり、一時停止が解消された場合に、S68に移る。一方、交差点における自車の一時停止を特定し続けている場合(S67でNO)には、S67の処理を繰り返す。
【0112】
ステップS68では、報知制御部103aが、監視促進報知を終了させる。ステップS69では、報知制御部103aが、周辺状況画像中の予定経路画像の視認性を、自車が一時停止を行わない場合のデフォルトの視認性よりも高めて表示を行わせる。
【0113】
ステップS70では、状況特定部102aで自車が交差点を通過したことを特定した場合(S70でYES)には、ステップS71に移る。一方、自車が交差点を通過したことを特定していない場合(S70でNO)には、S70の処理を繰り返す。
【0114】
ステップS71では、報知制御部103aが、周辺状況画像中の予定経路画像の視認性を、自車が一時停止を行わない場合のデフォルトの視認性に戻して表示を行わせる。ステップS72では、一時停止報知関連処理の終了タイミングであった場合(S72でYES)には、一時停止報知関連処理を終了する。一方、一時停止報知関連処理の終了タイミングでなかった場合(S72でNO)には、S61に戻って処理を繰り返す。一時停止報知関連処理の終了タイミングの一例としては、パワースイッチがオフになったこと等が挙げられる。
【0115】
図13では、S61において、自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、S62に移る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S61において、自車の自動化レベルが1以上と特定した場合に、S62に移る構成としてもよい。つまり、S61において、自車が自動運転中と特定した場合に、S62に移る構成としてもよい。他にも、S61において、自車の自動化レベルが2以上と特定した場合に、S62に移る構成としてもよい。
【0116】
(実施形態6)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態6のような構成としてもよい。以下では、実施形態6の一例について図を用いて説明する。実施形態6の車両用システム1は、HCU10の代わりにHCU10bを含む点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
【0117】
<HCU10bの概略構成>
続いて、
図14を用いてHCU10bの概略構成についての説明を行う。HCU10bは、報知装置18での報知の制御に関して、
図14に示すように、情報取得部101、状況特定部102、及び報知制御部103bを機能ブロックとして備える。HCU10bは、報知制御部103の代わりに報知制御部103bを備える点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10bも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10bの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0118】
報知制御部103bは、報知制御部103と同様に、報知装置18での報知を制御する。報知制御部103bは、自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その右左折を阻害する要因となる阻害対象物が存在する場合に、その阻害対象物を示す報知(以下、阻害要因報知)を行わせる。これによれば、右左折を阻害する要因の回避について、運転者の支援を受けやすくすることが可能になる。阻害対象物は、前述の通行阻止物に限らず、右左折を阻害する可能性のある対象物まで含む構成としてもよい。阻害対象物の特定は、状況特定部102が、行動判断部での判断結果をもとに行う構成とすればよい。この報知制御部103bでの処理も報知制御工程に相当する。
【0119】
阻害要因報知は、表示器181での表示によって行えばよい。阻害要因報知の表示の例としては、周辺状況画像中の阻害対象物を強調する表示によって行えばよい。阻害要因報知は、音声出力装置182からの音声出力によって行ってもよい。この場合、自車に対する阻害対象物の位置を案内する音声出力によって、阻害要因報知を行えばよい。
【0120】
ここで、
図15を用いて、阻害要因報知の一例について説明する。
図15では、周辺状況画像中の阻害対象物を強調する表示によって、阻害要因報知を行わせる場合を例に挙げる。
図15では、交差点を右折予定の自車の右折を阻害する対向車両が存在する場合を例に挙げて説明する。この対向車両が阻害対象物にあたる。阻害対象物は、一時停止の要因となっているものに限定してもよい。図中のIHIが、阻害対象物を強調する表示を示す。OVIaが阻害対象物としての対向車両を表す周辺車両画像である。OVIbが、阻害対象物としての対向車両に後続する対向車両を表す周辺車両画像である。
図15の例では、右折を阻害する対向車両を示す周辺車両画像OVIaを囲う枠を表示することで、阻害対象物を強調している。
図15に示すように、自車の右左折を阻害する要因となる阻害対象物を強調して表示することで、阻害対象物を運転者に認識させればよい。なお、実施形態5においても、
図15に示すように、予定経路画像によって交差点における自車の進路を表す構成とすることが好ましい。
【0121】
報知制御部103bは、左側通行を法規とする道路における自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における右折を特定する場合には、阻害対象物として自車の対向車両が存在する場合に、その対向車両を示す阻害要因報知を行わせることが好ましい。一方、報知制御部103bは、左側通行を法規とする道路における自車の自動運転中に、動作特定部121で交差点における左折を特定する場合には、阻害対象物として歩行者及び二輪車のいずれかの対象物が存在する場合に、その対象物を示す阻害要因報知を行わせることが好ましい。なお、二輪車には、自転車,自動二輪車等が含まれる。左側通行を法規とする道路の交差点での右折時には、対向車線を直進する対向車両が、自車の右折を阻害する可能性が高い。一方、左側通行を法規とする道路の交差点での左折時には、道路を横断する歩行者若しくは自車の左脇を抜けようとする二輪車が、自車の左折を阻害する可能性が高い。これに対して、以上の構成によれば、交差点での自車の右折と左折とのそれぞれに応じた、実際に自車の通行を妨げる可能性の高い対象物について阻害要因報知を行わせることが可能になる。
【0122】
ここで、
図15及び
図16を用いて、自車の右左折に応じた阻害要因報知の使い分けの一例について説明する。
図16では、交差点を左折予定の自車の左折を阻害する歩行者が存在する場合を例に挙げて説明する。この歩行者が阻害対象物にあたる。図中のObIが、阻害対象物としての歩行者を表す画像である。
図15に示すように、交差点における右折時には、阻害対象物として自車の対向車両が存在する場合に、その対向車両を示す阻害要因報知を行わせる(
図15のIHI参照)。一方、
図16に示すように、交差点における左折時には、阻害対象物として歩行者が存在する場合に、その歩行者を示す阻害要因報知を行わせる(
図16のIHI参照)。
【0123】
報知制御部103bは、阻害対象物とする対象が切り替わる場合にも阻害要因報知を行わせることが好ましい。阻害対象物とする対象が切り替わる場合とは、例えば阻害対象物であった対向車両が通過したが、その次の対向車両が新たな阻害対象物となる場合が挙げられる。これによれば、阻害対象物とする対象が切り替わるごとに、阻害要因報知を行うことが可能になる。よって、阻害対象物とする対象が切り替わっても、新たな阻害対象物を運転者に認識させることが可能になる。
【0124】
ここで、
図15及び
図17を用いて、阻害対象物の切り替わりに応じた阻害要因報知の切り替わりの一例について説明する。
図17では、
図15と同様に、交差点を右折予定の自車の右折を阻害する対向車両が存在する場合を例に挙げて説明する。
図17では、
図15で阻害対象物であった対向車両(以下、第1対象)が去り、この対向車両の後続車両であった次の対向車両(以下、第2車両)が新たな阻害対象物となった例を示している。
図15及び
図17に示すように、第1車両が阻害対象物である場合には、この第1車両について阻害要因報知を行う(
図15のIHI参照)。一方、阻害対象物が第1車両から第2車両に切り替わった場合には、第2車両について阻害要因報知を行うように切り替える(
図17のIHI参照)。
【0125】
報知制御部103bは、自車の交差点での右左折前から周辺状況画像中に、右左折によって自車が進入する車線(以下、進入予定車線)の状況を表示させ、その進入予定車線に特定されていなかった阻害対象物が新たに特定される場合にも、その阻害対象物を示す阻害要因報知を行わせることが好ましい。これによれば、進入予定車線に新たに特定される阻害対象物の回避についても、運転者の支援を受けやすくすることが可能になる。進入予定車線に新たに特定される阻害対象物としては、駐車車両,渋滞で停車中の先行車両等が挙げられる。
【0126】
ここで、
図15及び
図18を用いて、進入予定車線における阻害対象物の変化に応じた阻害要因報知の切り替わりの一例について説明する。
図18では、
図15と同様に、交差点を右折する場合を例に挙げて説明する。
図15では、自車の右折による進入予定車線に、阻害対象物が特定されていない例を示している。一方、
図18では、自車の右折による進入予定車線に、阻害対象物が新たに特定された例を示している。
図18のOVIcが、この新たに特定された阻害対象物としての駐車車両を表す周辺車両画像である。
図15に示すように、交差点での自車の右折時において、進入予定車線に阻害対象物としての駐車車両が特定されておらず、駐車車両の画像が表示されていない時点では、この駐車車両についての阻害要因報知は行わない。一方、
図18に示すように、進入予定車線に阻害対象物としての駐車車両が新たに特定された場合には、この駐車車両についての阻害要因報知が行う(
図18のIHI参照)。
【0127】
<HCU10bでの阻害要因報知関連処理>
ここで、
図19のフローチャートを用いて、HCU10bでの阻害要因報知の制御に関する処理(以下、阻害要因報知関連処理)の流れの一例について説明する。
図19のフローチャートは、例えば自車のパワースイッチがオンになった場合に開始される構成とすればよい。
【0128】
まず、ステップS81では、状況特定部102で自車の自動化レベルがLV3以上であると特定した場合(S81でYES)には、ステップS82に移る。つまり、状況特定部102で自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、ステップS82に移る。一方、自車の自動化レベルがLV3未満と特定した場合(S81でNO)には、ステップS90に移る。
【0129】
ステップS82では、動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定する場合(S82でYES)には、ステップS83に移る。動作特定部121が、交差点における自車の右左折を特定しなかった場合(S82でNO)には、ステップS90に移る。
【0130】
ステップS83では、状況特定部102が、阻害対象物を特定した場合(S83でYES)には、ステップS85に移る。一方、阻害対象物を特定していない場合(S83でNO)には、ステップS84に移る。ステップS84では、状況特定部102で自車が交差点を通過したことを特定した場合(S84でYES)には、ステップS90に移る。一方、自車が交差点を通過したことを特定していない場合(S84でNO)には、S83に戻って処理を繰り返す。
【0131】
ステップS85では、報知制御部103bが、阻害要因報知を開始させる。ステップS86では、状況特定部102で自車が交差点を通過したことを特定した場合(S86でYES)には、ステップS87に移る。一方、自車が交差点を通過したことを特定していない場合(S86でNO)には、ステップS88に移る。ステップS87では、報知制御部103bが、阻害要因報知を終了させ、ステップS90に移る。
【0132】
ステップS88では、状況特定部102で特定する阻害対象物に変化があった場合(S88でYES)には、ステップS89に移る。一方、状況特定部102で特定する阻害対象物に変化がない場合(S88でYES)には、S86に戻って処理を繰り返す。特定する阻害対象物の変化とは、特定する阻害対象物が切り替わる変化,特定していた阻害対象物が阻害対象物から外れる変化等が挙げられる。
【0133】
ステップS89では、報知制御部103bが、状況特定部102で特定する阻害対象物の変化に応じて、阻害要因報知を変化させ、S86に戻って処理を繰り返す。例えば、特定する阻害対象物が切り替わる変化であった場合には、切り替わった阻害対象物についての阻害要因報知に切り替える。特定していた阻害対象物が阻害対象物から外れる変化であった場合には、その阻害対象物についての阻害要因報知を終了させる。
【0134】
ステップS90では、阻害要因報知関連処理の終了タイミングであった場合(S90でYES)には、阻害要因報知関連処理を終了する。一方、阻害要因報知関連処理の終了タイミングでなかった場合(S90でNO)には、S81に戻って処理を繰り返す。阻害要因報知関連処理の終了タイミングの一例としては、パワースイッチがオフになったこと等が挙げられる。
【0135】
図19では、S81において、自車が監視義務なし自動運転中と特定した場合に、S82に移る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、S81において、自車の自動化レベルが1以上と特定した場合に、S82に移る構成としてもよい。つまり、S81において、自車が自動運転中と特定した場合に、S82に移る構成としてもよい。他にも、S81において、自車の自動化レベルが2以上と特定した場合に、S82に移る構成としてもよい。
【0136】
(実施形態7)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態6のような構成としてもよい。以下では、実施形態6の一例について図を用いて説明する。
【0137】
<車両用システム1cの概略構成>
以下、
図20に示す車両用システム1cは、自動運転車両で用いることが可能なものである。車両用システム1cは、
図20に示すように、HCU10c、通信モジュール11、ロケータ12、地
図DB13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、自動運転ECU17c、及び報知装置18を含んでいる。車両用システム1cは、HCU10の代わりにHCU10cを含む。車両用システム1cは、自動運転ECU17の代わりに自動運転ECU17cを含む。車両用システム1cは、これらの点を除けば、実施形態1の車両用システム1と同様である。
【0138】
自動運転ECU17cは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の自動運転ECU17と同様である。この異なる点について説明する。自動運転ECU17cは、機能ブロックとして、経路交差予測部を備える。経路交差予測部は、自車の予定経路と、他車両若しくはその他車両の予定経路とが交差する経路交差が生じるか否かを予測する。自車の予定経路は、行動判断部で生成したものを用いればよい。自車の予定経路と、他車両とが交差するかは、走行環境認識部で認識した他車両の位置を用いて予測すればよい。他車両の予定経路については、自動運転ECU17cが、通信モジュール11を介して取得する、他車両の情報から特定すればよい。他車両の予定経路については、他車両の位置から特定する構成としてもよい。例えば、右折専用レーンに位置する場合には、交差点の形状に沿ってその交差点を右折専用レーンから右折する経路を、他車両の予定経路と特定すればよい。
【0139】
自動運転ECU17cは、経路交差予測部で経路交差が生じると予測した場合に、経路交差が生じる他車両を回避して交差点を通過するための走行計画を決定する。経路交差が生じるこの他車両を、以下では、交差対象車両と呼ぶ。交差対象車両を回避して交差点を通過するための走行計画の例としては、以下が挙げられる。例えば、交差対象車両が、経路交差が生じる地点を通過するまで一時停止する走行計画を決定する。他にも、交差対象車両が、経路交差が生じる地点で停止している場合には、この交差対象車両をよけて交差点を通過する走行計画を決定する。つまり、この交差対象車両をよけて交差点を通過する予定経路に変更する。
【0140】
<HCU10cの概略構成>
続いて、
図21を用いてHCU10cの概略構成についての説明を行う。HCU10cは、報知装置18での報知の制御に関して、
図21に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103cを機能ブロックとして備える。HCU10cは、情報取得部101の代わりに情報取得部101cを備える。HCU10cは、報知制御部103の代わりに報知制御部103cを備える。HCU10cは、これらの点を除けば、実施形態1のHCU10と同様である。このHCU10cも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10cの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0141】
情報取得部101cは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の情報取得部101と同様である。以下では、この異なる点について説明する。情報取得部101cは、経路交差予測部での予測結果を取得する。情報取得部101cは、走行環境認識部での認識結果として、交差対象車両の情報を取得する。情報取得部101cは、交差対象車両の存在によって予定経路が変更された場合には、変更後のこの予定経路を行動判断部から取得する。
【0142】
報知制御部103cは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態1の報知制御部103と同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103cは、経路交差が生じることをもとに、経路交差が生じない場合に比べて予定経路画像を強調表示させる。強調表示としては、例えば輝度を上げたり、色を濃くしたり、警戒色に変えたりすることが挙げられる。また、報知制御部103cは、予定経路画像のうちの、経路交差が生じることで変更される自車の予定経路にあたる部分を、変更されない他の部分と異なる態様で表示させる。経路交差が生じることで変更される自車の予定経路にあたる部分を、以下では変更部分と呼ぶ。変更されない他の部分とは、予定経路画像のうちの、変更部分以外の部分を指す。異なる態様での表示としては、例えば輝度を変えたり、色を変えたりすることが挙げられる。報知制御部103cは、変更部分については、情報取得部101cで取得した変更前後の予定経路の情報から特定すればよい。
【0143】
以上の構成によれば、予定経路画像を強調表示させることで、交差対象車両をよけるために自車の挙動変化が生じる場合にも、乗員がこの挙動変化に備えやすくなる。よって、乗員にとっての快適性が向上する。また、変更部分の表示態様を変えることで、乗員が自車の将来の挙動変化を認識しやすくなる。その結果、自動運転に対して乗員が安心感を抱きやすくなる。
【0144】
報知制御部103cは、予定経路画像を、通過する交差点の出口から所定距離の領域にまで亘って表示させることが好ましい。交差点の内外の境界は、例えば一時停止線の位置とすればよい。ここで言うところの所定距離は、任意に設定可能とすればよい。加えて、報知制御部103cは、自車が予定経路画像に対応する領域を通過するごとに、通過した領域に対応する予定経路画像を徐々に非表示に変化させることが好ましい。報知制御部103cは、交差点に対する自車の現在位置を、情報取得部101cで逐次取得する自車の走行環境から特定すればよい。
【0145】
以上の構成によれば、予定経路画像を、通過する交差点の出口から所定距離の領域にまで亘って表示させることで、交差点通過後の進行方向が乗員に認識しやすくなる。これにより、自動運転中の車両の乗員に、安心感を与えやすくなる。また、通過した領域に対応する予定経路画像を非表示にすることで、自車の進行具合が乗員に認識しやすくなる。
【0146】
報知制御部103cは、周辺状況画像中において、自車との間で経路交差が生じる交差対象車両を強調する表示を行わせればよい。これによれば、自車が交差対象車両をよける走行を行う場合に、その原因を乗員が認識しやすくなる。その結果、自動運転中の車両の乗員が、自車の挙動に対して安心感を抱きやすくなる。
【0147】
ここで、
図22を用いて、周辺状況画像の表示の一例について説明する。
図22では、停止中の交差対象車両をよけて交差点を通行する場合を例に挙げる。ITが、交差対象車両を強調する表示を示す。CIが、予定経路画像を示す。CIcが、予定経路画像中の変更部分を示す。
図22の例では、交差対象車両を示す周辺車両画像OVIを囲う枠を表示することで、交差対象車両を強調している。例えば、経路交差が生じない場合には、前述の
図11に示したような予定経路画像を表示させればよい。これに対して、経路交差が生じる場合には、
図22に示すように、経路交差が生じない場合に比べ、予定経路画像を強調して表示させる。また、予定経路画像のうちの変更部分については、
図22に示すように、予定経路画像のうちの変更部分以外の部分とは異なる態様で表示させる。さらに、
図22に示すように、予定経路画像は、交差点内だけにとどめず、自車が通過する交差点の出口を越えた位置まで表示させる。
【0148】
続いて、
図23を用いて、自車が通過した領域に対応する予定経路画像を非表示に変化させる例について説明する。
図23では、
図22の場合から自車が通行を継続していった場合の例を示している。
図23では、自車が交差対象車両をよけ終わって、交差点の出口に到達した例を示している。
図22と
図23とを比較してわかるように、自車が通過した領域に対応する予定経路画像は、非表示とする。なお、
図23に示すように、よけ終わった交差対象車両については、強調表示を終了させればよい。
【0149】
報知制御部103cは、予定経路画像の表示と、交差対象車両を示す表示とが、重なる若しくは近接する場合には、以下のようにすることが好ましい。報知制御部103cは、交差対象車両自体の表示の態様の変化によって、交差対象車両を強調する表示を行わせることが好ましい。予定経路画像の表示と、交差対象車両を示す表示とが、重なる若しくは近接する場合を、以下では表示密集状態と呼ぶ。表示密集状態において、交差対象車両を囲む枠等で強調表示を行うと、予定経路画像と交差対象車両の強調表示が重なって見にくくなる場合がある。これに対して、以上の構成によれば、交差対象車両自体の表示の態様の変化によって、強調表示を行わせるので、交差対象車両の強調表示が見にくくなりにくい。
【0150】
ここで、
図24を用いて、交差対象車両自体の表示の態様の変化による強調表示の例について説明する。
図22と
図24とを比較してわかるように、交差対象車両自体の表示の態様の変化によって、強調表示を行わせる。一例としては、交差対象車両を示す画像の色の変化によって強調表示を行わせればよい。
【0151】
報知制御部103cは、経路交差が生じることで変更される自車の予定経路が、自車線の延長線上をはみ出す逸脱量に応じて、予定経路画像の強調表示の有無を変更すればよい。自車線は、経路交差が生じる地点よりも手前における自車の走行車線とすればよい。報知制御部103cは、自車線の延長線を、走行環境認識部での認識結果から特定すればよい。報知制御部103cは、逸脱量が規定値以上の場合に、予定経路画像を強調する表示を行わせればよい。一方、報知制御部103cは、逸脱量が規定値未満の場合に、予定経路画像を強調する表示を行わせなければよい。報知制御部103cは、逸脱量が規定値以上の場合に、周辺状況画像中に、自車の方向指示器の点灯を示す画像の表示も行わせればよい。自車の方向指示器の点灯を示す画像を、以下ではウインカー画像と呼ぶ。ここで言うところの規定値は、任意に設定可能とすればよい。なお、報知制御部103cは、逸脱量が規定値未満の場合には、周辺状況画像中にウインカー画像を表示させなければよい。以上の構成によれば、障害物をよけるための自車の挙動変化が大きくなることを、ウインカー画像によって乗員が認識しやすくなる。その結果、大きな挙動変化にも乗員が驚きにくくなり、乗員にとっての快適性が向上する。
【0152】
ここで、
図25を用いて、ウインカー画像の表示の一例について説明する。
図25のHFが、ウインカー画像を示す。例えば、
図25に示すように、ウインカー画像は、左右一対の画像とすればよい。そして、自車の進路変更方向に対応する側の画像を強調表示させることで、自車の方向指示器の点灯を示せばよい。
【0153】
報知制御部103cは、自車が交差点外に位置する場合には、周辺状況画像の回転表示を行わせればよい。回転表示とは、自車の位置を中心とするとともに自車の進行方向を基準として、周辺状況画像が自車の移動に伴って遷移する表示である。自車の位置を中心とする表示とは、自車の位置が表示器181の画面の中心付近の一定位置に常に位置するような表示である。自車の進行方向を基準とする表示とは、自車の進行方向が常に表示器181の画面に対して一定方向を向くような表示である。一方、報知制御部103cは、自車が交差点内に位置することをもとに、周辺状況画像の固定表示を行わせればよい。固定表示とは、自車の移動に伴って遷移しないように周辺状況画像を固定する表示である。交差点では、右左折が行われて大きく自車の向きが変わる可能性がある。このような場合に、回転表示よりも固定表示の方が、交差点に対して自車がどのように移動するかが運転者にとって直感的にわかりやすいと考えられる。自動運転中は、運転者が車外の景色を継続して注視していない場合も考えられるので、特に有用と考えられる。なお、ここで言うところの交差点内は、交差点中心から見て停止線よりも外側に所定距離までの範囲としてもよい。ここで言うところの所定距離は、例えば数十メートルとすればよい。所定距離は、任意に設定可能とすればよい。
【0154】
ここで、
図26及び
図27を用いて、回転表示と固定表示との一例について説明する。
図26が、固定表示の一例について説明するための図である。
図27が、回転表示の一例について説明するための図である。
図26及び
図27は、
図24に示した状況から一定の時間が経過した後の周辺状況画像を示している。
図26に示すように、固定表示では、周辺状況画像が、自車の移動にかかわらず固定されたままである。一方、
図27に示すように、回転表示では、自車の移動に伴って、周辺状況画像が移動及び回転している。
【0155】
報知制御部103cは、自車の自動運転の自動化レベルに応じて、回転表示と固定表示とを切り替えることが好ましい。これによれば、自動化レベルに応じて、回転表示と固定表示とのいずれが運転者に好ましいかが異なっている場合に、自動化レベルに応じて好ましい表示を行うことが可能になる。
【0156】
報知制御部103cは、自車の自動化レベルが規定レベル未満の場合に、回転表示を行わせればよい。一方、報知制御部103cは、自車の自動化レベルが規定レベル以上の場合に、固定表示を行わせればよい。規定レベルは、例えば周辺監視義務の有無を区分するLV3とすればよい。なお、規定レベルは、任意に設定可能とすればよい。自動化レベルが高いほど、運転者が車外の景色を継続して注視していない可能性が高い。このような場合、回転表示よりも固定表示の方が、交差点に対して自車がどのように移動するかが運転者にとって直感的にわかりやすいと考えられる。一方、自動化レベルが低い場合は、運転者が車外の景色を継続して注視している可能性が高い。このような場合、固定表示よりも回転表示の方が、景色の遷移に沿った表示となるため、運転者にとって直感的にわかりやすいと考えられる。
【0157】
ここで、
図28を用いて、自動化レベルに応じた回転表示と固定表示との切り替えの一例について説明する。
図28では、自動化レベルが規定レベル以上の場合を、自動化レベル「高」と示している。
図28では、自動化レベルが規定レベル未満の場合を、自動化レベル「低」と示している。
図28に示すように、報知制御部103cは、自動化レベルが規定レベル以上の場合には、固定表示とする。一方、報知制御部103cは、自動化レベルが規定レベル未満の場合には、回転表示とする。
【0158】
なお、報知制御部103cは、自車の自動化レベルが規定レベル未満の場合に、固定表示を行わせる一方、自動化レベルが規定レベル以上の場合に、回転表示を行わせてもよい。運転者によっては、車外の景色を継続して注視していない場合に、回転表示の方が、交差点に対して自車がどのように移動するかが直感的にわかりやすい場合もある。このような運転者にとって、以上の構成によれば、自動化レベルに応じて、自車がどのように移動するかをわかりやすくすることが可能になる。
【0159】
(実施形態8)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態8のような構成としてもよい。以下では、実施形態8の一例について図を用いて説明する。実施形態8の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10dを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0160】
<HCU10dの概略構成>
続いて、
図29を用いてHCU10dの概略構成についての説明を行う。HCU10dは、報知装置18での報知の制御に関して、
図29に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103dを機能ブロックとして備える。HCU10dは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103dを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10dも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10dの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0161】
報知制御部103dは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103dは、自車が交差点内に位置する場合に、対象移動体の有無に応じて、回転表示と固定表示とを切り替える。対象移動体とは、交差点での自車の通行を妨げる可能性のある移動体である。対象移動体は、前述の阻害対象物,交差対象車両とすればよい。なお、対象移動体は、阻害対象物,交差対象車両以外の、交差点での自車の通行を妨げる可能性のある移動体であってもよい。報知制御部103dは、対象移動体を、走行環境認識部での認識結果から特定すればよい。これによれば、対象移動体の有無に応じて、回転表示と固定表示とのいずれが運転者に好ましいかが異なっている場合に、対象移動体の有無に応じて好ましい表示を行うことが可能になる。
【0162】
報知制御部103dは、自車が交差点内に位置する場合であって、且つ、対象移動体がある場合に、回転表示を行わせればよい。一方、報知制御部103dは、自車が交差点内に位置する場合であって、且つ、対象移動体がない場合に、固定表示を行わせればよい。対象移動体がある場合には、対象移動体がない場合と異なり、運転者が自車と対象移動体との実際の位置関係を確認したい要求が生じると考えられる。この場合に、回転表示よりも固定表示の方が、自車と対象移動体との実際の位置関係が直感的にわかりやすいと考えられる。一方、対象移動体がなく、運転者が車外を確認する可能性が低い場合には、回転表示によって、交差点での自車の進み具合いを運転者にわかりやすくする。
【0163】
ここで、
図30を用いて、対象移動体の有無に応じた回転表示と固定表示との切り替えの一例について説明する。
図30では、対象移動体がある場合を、対象移動体「あり」と示している。
図30では、対象移動体がない場合を、対象移動体「なし」と示している。
図30に示すように、報知制御部103dは、対象移動体がある場合には、固定表示とする。一方、報知制御部103dは、対象移動体がない場合には、回転表示とする。
【0164】
なお、報知制御部103dは、対象移動体がない場合に、固定表示を行わせる一方、対象移動体がある場合に、回転表示を行わせてもよい。運転者によっては、回転表示の方が、自車と対象移動体との実際の位置関係がわかりやすい場合もある。以上の構成によれば、このような乗員にとって、自車と対象移動体との実際の位置関係を、対象移動体の有無に応じてわかりやすくすることが可能になる。
【0165】
(実施形態9)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態9のような構成としてもよい。以下では、実施形態9の一例について図を用いて説明する。
【0166】
<車両用システム1eの概略構成>
以下、
図31に示す車両用システム1eは、自動運転車両で用いることが可能なものである。車両用システム1eは、
図31に示すように、HCU10e、通信モジュール11、ロケータ12、地
図DB13、車両状態センサ14、周辺監視センサ15、車両制御ECU16、自動運転ECU17c、及び報知装置18eを含んでいる。車両用システム1eは、HCU10cの代わりにHCU10eを含む。車両用システム1eは、報知装置18の代わりに報知装置18eを含む。車両用システム1eは、これらの点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0167】
報知装置18eは、表示器181e及び音声出力装置182を備える。報知装置18eは、表示器181の代わりに表示器181eを備える点を除けば、実施形態1の報知装置18と同様である。表示器181eは、運転者表示器1811及び同乗者表示器1812を備える。運転者表示器1811は、自車の運転者のための表示器181eである。運転者表示器1811は、表示領域が運転席の正面に位置する表示器181eとすればよい。運転者表示器1811としては、メータMIDが挙げられる。運転者表示器1811は、HUDであってもよい。同乗者表示器1812は、同乗者が視認可能なように設けられた表示器181eである。同乗者とは、運転者以外の自車の乗員である。同乗者が視認可能なように設けられた表示器181eには、運転者表示器1811は含まない。同乗者が視認可能なように設けられた表示器181eとしては、例えばCIDが挙げられる。同乗者表示器1812は、同乗者のための表示器181eとしてもよい。同乗者のための表示器181eとしては、表示領域が助手席の正面に位置する表示器181eが挙げられる。同乗者のための表示器181eとしては、後部座席に設けられる表示器181eが挙げられる。
【0168】
<HCU10eの概略構成>
続いて、
図32を用いてHCU10eの概略構成についての説明を行う。HCU10eは、報知装置18eでの報知の制御に関して、
図32に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103eを機能ブロックとして備える。HCU10eは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103eを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10eも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10eの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0169】
報知制御部103eは、周辺状況画像を表示する表示領域が複数存在する場合には、回転表示と、固定表示とを、それぞれ別の表示領域に同時に表示させる。複数の表示領域は、それぞれ異なる表示器181eの表示領域とすればよい。複数の表示領域は、1つの表示器181eの画面を分割したそれぞれの表示領域であってもよい。これによれば、回転表示が好ましい乗員と固定表示が好ましい乗員とが自車に混在する場合にも、それぞれの乗員に好ましい表示を行うことが可能になる。
【0170】
報知制御部103eは、
図33に示すように、運転者表示器1811には固定表示を行わせ、同乗者表示器1812には回転表示を行わせることが好ましい。これによれば、運転者は、実際の景色と整合性がとりやすい固定表示により、交差点に対して自車がどのように移動するかが直感的にわかりやすくなる。一方、実際の景色と周辺状況画像との整合性がとれていることが重要でない同乗者には、回転表示により、交差点での自車の進み具合いをわかりやすくさせることができる。
図33は、運転者表示器1811と同乗者表示器1812とでの回転表示と固定表示との使い分けの一例について説明するための図である。
【0171】
(実施形態10)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態10のような構成としてもよい。以下では、実施形態10の一例について図を用いて説明する。実施形態10の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10fを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0172】
<HCU10fの概略構成>
続いて、
図34を用いてHCU10fの概略構成についての説明を行う。HCU10fは、報知装置18での報知の制御に関して、
図34に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103fを機能ブロックとして備える。HCU10fは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103fを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10fも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10fの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0173】
報知制御部103fは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103fは、前述の経路交差が生じる場合に、自車の予定経路画像よりも前面に、周辺状況画像のうちの交差対象車両を示す他車両画像を重畳して表示させる。つまり、予定経路画像と他車両画像とが重なる部分については、予定経路画像が見えないように表示させる。一例としては、予定経路画像のレイヤよりも上層に、他車両画像のレイヤを重ねて表示させればよい。予定経路画像及び周辺状況画像は、表示器181に表示させる。これによれば、周辺状況画像において、予定経路画像が道路にはりついているように見え、交差対象車両の存在が確認しやすくなる。
【0174】
ここで、
図35を用いて、周辺状況画像の表示の一例について説明する。
図35では、
図10で説明したのと同様の状況である場合を例に挙げる。
図35では、周辺車両画像OVIが上述の他車両画像に相当する。
図35に示すように、報知制御部103fは、予定経路画像と他車両画像とが重なる部分については、予定経路画像が見えないように表示させる。
【0175】
(実施形態11)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態11のような構成としてもよい。以下では、実施形態11の一例について図を用いて説明する。実施形態11の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10gを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0176】
<HCU10gの概略構成>
続いて、
図36を用いてHCU10gの概略構成についての説明を行う。HCU10gは、報知装置18での報知の制御に関して、
図36に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103gを機能ブロックとして備える。HCU10gは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103gを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10gも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10gの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0177】
報知制御部103gは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103gは、前述の経路交差が生じる場合に、自車の予定経路画像を経路交差が生じる地点までの表示とさせる。経路交差が生じる地点を、以下では経路交差地点と呼ぶ。一方、報知制御部103gは、自車が通過する交差点の出口側に、自車の予定する進行方向を示す進行方向画像を表示させる。予定経路画像及び周辺状況画像は、表示器181に表示させる。以上の構成によれば、経路交差地点での表示が減るため、乗員が交差対象車両の表示に目を向けやすくなる。また、経路交差地点での表示を減らしつつも、進行方向画像は表示させることで、乗員が自車の進路を認識しやすくなる。
【0178】
ここで、
図37を用いて、周辺状況画像の表示の一例について説明する。
図37では、
図10で説明したのと同様の状況である場合を例に挙げる。
図37では、周辺車両画像OVIが交差対象車両の画像に相当する。また、
図37の例では、交差対象車両の位置する地点が、経路交差地点であるものとする。
図37に示すように、報知制御部103gは、予定経路画像を、自車から経路交差地点である交差対象車両の位置までの表示とさせる。
【0179】
報知制御部103gは、前述の経路交差が生じる場合であって、且つ、交差対象車両の車線側に自車が右左折を行う場合には、以下のようにすることが好ましい。報知制御部103gは、自車の予定経路画像を経路交差地点までの表示とさせるとともに、交差対象車両の車線の延長線上にまで達しないように表示させればよい。ここで言うところの右左折は、左側通行が法制化されている国では右折とし、右側通行が法制化されている国では左折とすればよい。以上の構成によれば、自車の対向車両の走行ルートを予定経路画像で隠さないので、対向車両の動きを乗員がわかりやすくなる。
【0180】
ここで、
図38を用いて、交差対象車両の車線側に自車が右折を行う場合の周辺状況画像の表示の一例について説明する。
図38では、
図15で説明したのと同様の状況である場合を例に挙げる。
図38では、周辺車両画像OVIa,OVIbが交差対象車両の画像に相当する。
図38のAPが、進行方向画像を示す。
図38に示すように、報知制御部103gは、予定経路画像を、自車から経路交差地点である交差対象車両の位置までの表示とさせる。また、
図38に示すように、報知制御部103gは、この予定経路画像を、交差対象車両の車線の延長線上にまで達しないように表示させる。その一方、自車が通過する交差点の出口側に、進行方向画像を表示させる。
【0181】
(実施形態12)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態12のような構成としてもよい。以下では、実施形態12の一例について図を用いて説明する。実施形態12の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10hを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0182】
<HCU10hの概略構成>
続いて、
図39を用いてHCU10hの概略構成についての説明を行う。HCU10hは、報知装置18での報知の制御に関して、
図39に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103hを機能ブロックとして備える。HCU10hは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103hを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10hも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10hの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0183】
報知制御部103hは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103hは、対象移動体を示す対象移動体画像も周辺状況画像中に表示させる。前述したように、対象移動体とは、交差点での自車の通行を妨げる可能性のある移動体である。本実施形態では、対象移動体を、自車以外の他車両に限定してもよい。予定経路画像、対象移動体画像、及び周辺状況画像は、表示器181に表示させる。また、報知制御部103hは、自車の自動運転の自動化レベルに応じて、予定経路画像と、対象移動体画像との、表示態様を切り替える。これによれば、自動化レベルに応じて、予定経路画像と対象移動体画像とのいずれを強調表示するのが好ましいかが異なっている場合に、自動化レベルに応じて好ましい表示を行うことが可能になる。
【0184】
報知制御部103hは、自動化レベルが高くなるのに応じて、対象移動体画像を強調する表示を行わせることが好ましい。報知制御部103hは、自動化レベルが高くなるのに応じて、予定経路画像と比較して、対象移動体画像をより強調する表示を行わせればよい。一方、報知制御部103hは、自動化レベルが低くなるのに応じて、予定経路画像を強調する表示を行わせることが好ましい。報知制御部103hは、自動化レベルが低くなるのに応じて、対象移動体画像と比較して、予定経路画像をより強調する表示を行わせればよい。一例としては、報知制御部103hは、監視義務なし自動運転か否かで、予定経路画像と対象移動体画像とのいずれを強調するかを切り替えればよい。つまり、報知制御部103hは、自動化レベルがLV3以上の場合に、予定経路画像よりも対象移動体画像を強調する表示を行わせればよい。一方、報知制御部103hは、自動化レベルがLV3未満の場合に、対象移動体画像よりも予定経路画像を強調する表示を行わせればよい。
【0185】
自車の自動化レベルが高くなるほど、乗員が周辺監視を行っていない可能性が高くなる。一方、自車の自動化レベルが低くなるほど、乗員が周辺監視を行っていない可能性は低くなる。乗員は、周辺監視を行っていない場合、自車の予定する経路よりも、対象移動体を自車のシステムでセンシングできているかが気になると考えられる。一方、乗員は、周辺監視を行っている場合、対象移動体を目視できるので、自車の予定する経路が気になると考えられる。これに対して、以上の構成によれは、自動化レベルに応じて、対象移動体画像と予定経路画像とのうちの、乗員により必要と推測される画像をわかりやすく提示することが可能になる。
【0186】
報知制御部103hは、自車が交差点内に位置する場合であって、且つ、自動化レベルが非計画的に変更される場合には、以下のようにすることが好ましい。報知制御部103hは、予定経路画像と対象移動体画像との表示態様を、自動化レベルの変更前の表示態様のまま維持させることが好ましい。自動化レベルの計画的な変更は、予定された変更である。一方、自動化レベルの非計画的な変更は、予定されない突発的な変更である。自動化レベルの計画的な変更は、例えば許可される自動化レベルが異なる走行区間に移る場合に行われる。自動化レベルの非計画的な変更は、例えば走行環境認識部での走行環境の認識の不具合により自動化レベルが維持できなくなった場合に行われる。他にも、緊急車両が接近してきた場合に行われてもよい。自動運転化レベルが非計画的に変更される場合とは、何らかのトラブルが生じた場合と考えられる。このような場合に、予定経路画像と対象移動体画像との表示態様までが変化すると、処理する情報量が増し、運転者の負担が増加してしまう。これに対して、以上の構成によれば、自動運転化レベルが非計画的に変更された場合であっても、運転者の負担の増加を抑えることが可能になる。
【0187】
ここで、
図40を用いて、自動化レベルに応じた予定経路画像と対象移動体画像との表示態様の変化の一例について説明する。
図40では、自動化レベルが規定レベル以上の場合を、自動化レベル「高」と示している。
図40では、自動化レベルが規定レベル未満の場合を、自動化レベル「低」と示している。規定レベルは、例えばLV3とすればよい。
図40では、動運転化レベルが非計画的に変更される場合を、自動化レベル「急変」と示している。
図40に示すように、報知制御部103hは、自動化レベルが規定レベル以上の場合には、対象移動体画像を強調表示させる。この場合、予定経路画像は強調表示させない。一方、報知制御部103hは、自動化レベルが規定レベル未満の場合には、予定経路画像を強調表示させる。この場合、対象移動体画像は強調表示させなければよい。また、自動運転化レベルが非計画的に変更される場合には、自動化レベルが規定レベルを跨いで変化する場合でも、予定経路画像と対象移動体画像との表示態様を維持させる。この場合の表示態様の維持とは、強調表示の態様を維持させることを指す。例えば、強調表示させていなければ強調表示させていない状態を維持させ、強調表示させていれば強調表示させている状態を維持させる。
【0188】
なお、報知制御部103hは、自車の自動化レベルが高くなるのに応じて、予定経路画像をより強調する表示を行わせてもよい。報知制御部103hは、自動化レベルが低くなるのに応じて、対象移動体画像をより強調する表示を行わせてもよい。乗員によっては、自動化レベルが高くなると、自車の予定する経路がより気になる場合もある。以上の構成によれば、このような運転者にとっても、より必要と推測される画像をわかりやすく提示することが可能になる。
【0189】
(実施形態13)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態13のような構成としてもよい。以下では、実施形態13の一例について図を用いて説明する。実施形態13の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10iを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0190】
<HCU10iの概略構成>
続いて、
図41を用いてHCU10iの概略構成についての説明を行う。HCU10iは、報知装置18での報知の制御に関して、
図41に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103iを機能ブロックとして備える。HCU10iは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103iを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10iも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10iの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0191】
報知制御部103iは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103iは、交差点内で自車の一時停止が必要となる場合に、以下のようにする。報知制御部103iは、自車が一時停止する位置までの予定経路画像と、一時停止後の予定経路画像とを、分けて表示させる。報知制御部103iは、交差点内で自車の一時停止が必要となることを、行動判断部での判断結果から特定すればよい。なお、本実施形態では、行動判断部は、通行阻止物がない場合であっても、交差点内で自車の一時停止が必要となることを判断するものとする。例えば、右左折時に、対向車線に対向車両を検出していない場合でも、念のために一時停止する場合が例に挙げられる。以上の構成によれば、自車が一時停止することを乗員が直感的に認識しやすくなる。また、一時停止が通行阻止物によるものである場合に、通行阻止物を示す画像の表示が見やすくなる。
【0192】
ここで、
図42を用いて、周辺状況画像の表示の一例について説明する。
図42では、交差点を右折予定の自車の右折を阻害する歩行者が存在する場合を例に挙げて説明する。
図42の例では、自車は、対向車線を横断する前に、対向車両を検出していなくても一時停止するものとする。
図42の例では、阻害対象物としての歩行者の手前で一時停止を行うものとする。
図42に示すように、報知制御部103iは、予定経路画像を、自車が一時停止する位置で分割して表示させる。
【0193】
(実施形態14)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態14のような構成としてもよい。以下では、実施形態14の一例について図を用いて説明する。実施形態14の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10jを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0194】
<HCU10jの概略構成>
続いて、
図43を用いてHCU10jの概略構成についての説明を行う。HCU10jは、報知装置18での報知の制御に関して、
図43に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103jを機能ブロックとして備える。HCU10jは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103jを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10jも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10jの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0195】
報知制御部103jは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103jは、交差点での矢印灯火方向への自車の右左折時には、交差点でのそれ以外の右左折時に比べ、周辺状況画像を簡素化して表示させる。簡素化した表示とは、強調表示の省略,予定経路画像の一筆書き等が挙げられる。矢印灯火方向とは、矢印式信号機の矢印灯火で示される方向である。矢印式信号機で矢印灯火が行われている場合、矢印灯火方向以外の通行に対しては、赤信号となっている。よって、矢印灯火方向への右左折時には、それ以外の右左折時に比べ、対向車線の車両及び横断歩道の歩行者の通行に注意を払う必要性が低くなる。これに対して、以上の構成によれば、注意を払う必要性の低い表示を簡素化し、表示を見やすくすることが可能になる。
【0196】
(実施形態15)
前述の実施形態に限らず、以下の実施形態15のような構成としてもよい。以下では、実施形態15の一例について図を用いて説明する。実施形態15の車両用システム1は、HCU10cの代わりにHCU10kを含む点を除けば、実施形態7の車両用システム1cと同様である。
【0197】
<HCU10kの概略構成>
続いて、
図44を用いてHCU10kの概略構成についての説明を行う。HCU10kは、報知装置18での報知の制御に関して、
図44に示すように、情報取得部101c、状況特定部102、及び報知制御部103kを機能ブロックとして備える。HCU10kは、報知制御部103cの代わりに報知制御部103kを備える点を除けば、実施形態7のHCU10cと同様である。このHCU10kも車両用報知制御装置に相当する。また、コンピュータによってHCU10kの各機能ブロックの処理が実行されることも、車両用報知制御方法が実行されることに相当する。
【0198】
報知制御部103kは、一部の処理が異なる点を除けば、実施形態7の報知制御部103cと同様である。以下では、この異なる点について説明する。報知制御部103kは、自車が交差点に進入する前から表示させていた予定経路画像が、自車が交差点に進入後に、新たな障害物が検知されて変化した場合に、その変化した部分の予定経路画像を強調して表示させる。一例としては、自車の右折時に、検知していなかった対向車両を新たに検知した場合等が挙げられる。以上の構成によれば、変化した部分の予定経路画像の強調表示によって、状況が変化したこと及び変化した状況を乗員が認識しやすくなる。
【0199】
ここで、
図45及び
図46を用いて、周辺状況画像の表示の一例について説明する。
図45は、通行阻止物を検知する前の周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
図46は、通行阻止物を検知した後の周辺状況画像の表示の一例について説明するための図である。
図45及び
図46の例では、自車が交差点で右折する場合の例を示している。報知制御部103kは、通行阻止物がない場合、
図45に示すように、自車の現在位置から交差点の出口側まで続く予定経路画像を表示させる。その後、通行阻止物が検知された場合、報知制御部103kは、
図46に示すように、予定経路画像を、自車の現在位置から自車の一時停止位置までの表示に切り替える。この場合、報知制御部103kは、
図46に示すように、自車が通過する交差点の出口側に、進行方向画像を表示させてもよい。
【0200】
(実施形態16)
前述の実施形態では、監視促進報知関連処理をHCU10が行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、監視促進報知関連処理と同様の処理をHCU10以外の電子制御装置で行う構成としてもよい。この場合、HCU10以外のこの電子制御装置が車両用報知制御装置に相当することになる。前述の実施形態では、一時停止報知関連処理をHCU10aが行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、一時停止報知関連処理と同様の処理をHCU10a以外の電子制御装置で行う構成としてもよい。この場合、HCU10a以外のこの電子制御装置が車両用報知制御装置に相当することになる。前述の実施形態では、阻害要因報知関連処理をHCU10bが行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、阻害要因報知関連処理と同様の処理をHCU10b以外の電子制御装置で行う構成としてもよい。この場合、HCU10b以外のこの電子制御装置が車両用報知制御装置に相当することになる。
【0201】
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0202】
(開示されている技術的思想)
この明細書は、以下に列挙された複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式(a multiple dependent form)により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式(a multiple dependent form referring to another multiple dependent form)により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
【0203】
(技術的思想1)
自動運転を実施する車両で用いることが可能な車両用報知制御装置であって、
交差点における前記車両の所定動作を特定する動作特定部(121,121a)と、
前記車両の車室内に設けられる報知装置(18,18e)に報知を行わせる報知制御部(103,103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k)とを備え、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記動作特定部で交差点における前記所定動作を特定した場合には、前記車両の運転者にその交差点の通行に関する支援を促すための、その所定動作に関連する報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0204】
(技術的思想2)
技術的思想1に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合には、前記車両の運転者に周辺監視を促す報知である監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0205】
(技術的思想3)
技術的思想2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記動作特定部は、前記所定動作として、予定としての交差点における右左折を特定するものであり、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右左折を特定する場合には、その交差点に進入する前に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0206】
(技術的思想4)
技術的思想2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その交差点内で前記車両の一時停止が必要となる場合に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0207】
(技術的思想5)
技術的思想2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、一時的に前記運転者への運転操作の要求が行われる場合に、前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0208】
(技術的思想6)
技術的思想2に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右左折を特定する場合に、その交差点内での右左折前と、右左折後の横断歩道進入前とのそれぞれで前記監視促進報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0209】
(技術的思想7)
技術的思想2~6のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記監視促進報知を開始した場合には、前記車両が前記交差点での右左折を終えて直進走行を開始するまで、前記監視促進報知を継続させる車両用報知制御装置。
【0210】
(技術的思想8)
技術的思想1~7のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103a)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121a)で交差点における一時停止を特定する場合には、前記車両の運転者に前記車両が一時停止することを示す報知である一時停止報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0211】
(技術的思想9)
技術的思想8に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、表示器(181,181e)に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像の表示も行わせるものであり、前記一時停止報知を行わせる場合には、前記周辺状況画像中の、前記一時停止の要因となっている停止対象物を強調する表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0212】
(技術的思想10)
技術的思想8又は9に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、表示器に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像と、その周辺状況画像中の前記車両の予定経路を示す予定経路画像との表示も行わせるものであり、前記車両が前記交差点において前記一時停止を行っている間は、前記車両が前記一時停止を行わない場合よりも前記予定経路画像の視認性を低下させて表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0213】
(技術的思想11)
技術的思想10に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両が前記一時停止後に前記交差点の通行を再開する場合には、視認性を低下させて表示を行わせていた前記予定経路画像を、前記車両が前記一時停止を行わない場合よりも視認性を高めて表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0214】
(技術的思想12)
技術的思想1~11のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103b)は、前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部(121)で交差点における右左折を特定する場合であって、且つ、その右左折を阻害する要因となる阻害対象物が存在する場合には、その阻害対象物を示す報知である阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0215】
(技術的思想13)
技術的思想12に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、左側通行を法規とする道路における前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における右折を特定する場合には、前記阻害対象物として前記車両の対向車両が存在する場合に、その対向車両を示す前記阻害要因報知を行わせる一方、左側通行を法規とする道路における前記車両の自動運転中に、前記所定動作として、前記動作特定部で交差点における左折を特定する場合には、前記阻害対象物として歩行者及び二輪車のいずれかの対象物が存在する場合に、その対象物を示す前記阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0216】
(技術的思想14)
技術的思想12又は13に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記阻害対象物とする対象が切り替わる場合にも前記阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0217】
(技術的思想15)
技術的思想12~14のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、表示器(181,181e)に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像の表示も行わせるものであり、前記右左折前から前記周辺状況画像中に、前記右左折によって前記車両が進入する車線の状況を表示させ、その車線に特定されていなかった前記阻害対象物が新たに特定される場合にも、その阻害対象物を示す前記阻害要因報知を行わせる車両用報知制御装置。
【0218】
(技術的思想16)
技術的思想1~15のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、交差点の走行について、表示器(181,181e)に、前記車両の周辺状況を示す周辺状況画像と、その周辺状況画像中の前記車両の予定経路を示す予定経路画像との表示も行わせる車両用報知制御装置。
【0219】
(技術的思想17)
技術的思想16に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103c,103d,103e)は、前記車両の予定経路と、前記車両以外の他車両若しくはその他車両の予定経路とが交差する経路交差が生じることをもとに、前記経路交差が生じない場合に比べて予定経路画像を強調表示させるとともに、前記予定経路画像のうちの、前記経路交差が生じることで変更される前記車両の予定経路にあたる部分を、変更されない他の部分と異なる態様で表示させる車両用報知制御装置。
【0220】
(技術的思想18)
技術的思想17に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記予定経路画像を、通過する交差点の出口から所定距離の領域にまで亘って表示させるとともに、前記車両が前記予定経路画像に対応する領域を通過するごとに、通過した領域に対応する前記予定経路画像を徐々に非表示に変化させる車両用報知制御装置。
【0221】
(技術的思想19)
技術的思想17又は18に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両との間で前記経路交差が生じる他車両を強調する表示を行わせるものであり、
前記報知制御部は、前記予定経路画像の表示と、前記他車両を示す表示とが、重なる若しくは近接する場合には、前記他車両自体の表示の態様の変化によって前記他車両を強調する表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0222】
(技術的思想20)
技術的思想17~19のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記経路交差が生じることで変更される前記車両の予定経路が、前記車両の走行車線の延長線上をはみ出す逸脱量に応じて、前記予定経路画像を強調表示させるか否かを変更するものであり、前記逸脱量が規定値以上の場合には、前記周辺状況画像中に、前記車両の方向指示器の点灯を示す画像の表示も行わせる車両用報知制御装置。
【0223】
(技術的思想21)
技術的思想17~20のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両が交差点外に位置する場合には、前記車両の位置を中心とするとともに前記車両の進行方向を基準として前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移するように表示させる回転表示を行わせる一方、前記車両が交差点内に位置することをもとに、前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移しないように固定して表示させる固定表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0224】
(技術的思想22)
技術的思想17~21のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103c)は、前記車両の自動運転の自動化レベルに応じて、前記車両の位置を中心とするとともに前記車両の進行方向を基準として前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移するように表示させる回転表示と、前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移しないように固定して表示させる固定表示とを、切り替える車両用報知制御装置。
【0225】
(技術的思想23)
技術的思想22に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記自動化レベルが規定レベル未満の場合に、前記回転表示を行わせる一方、前記自動化レベルが規定レベル以上の場合に、前記固定表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0226】
(技術的思想24)
技術的思想17~21のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103d)は、前記車両が交差点内に位置する場合に、交差点での前記車両の通行を妨げる可能性のある移動体である対象移動体の有無に応じて、前記車両の位置を中心とするとともに前記車両の進行方向を基準として前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移するように表示させる回転表示と、前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移しないように固定して表示させる固定表示とを、切り替える車両用報知制御装置。
【0227】
(技術的思想25)
技術的思想24に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両が交差点内に位置する場合であって、且つ、前記対象移動体がある場合に、前記回転表示を行わせる一方、前記車両が交差点内に位置する場合であって、且つ、前記対象移動体がない場合に、前記固定表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0228】
(技術的思想26)
技術的思想17~25のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103e)は、前記周辺状況画像を表示する表示領域が複数存在する場合には、前記車両の位置を中心とするとともに前記車両の進行方向を基準として前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移するように表示させる回転表示と、前記周辺状況画像が前記車両の移動に伴って遷移しないように固定して表示させる固定表示とを、それぞれ別の表示領域に同時に表示させる車両用報知制御装置。
【0229】
(技術的思想27)
技術的思想16に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103f)は、前記車両の予定経路と、前記車両以外の他車両若しくはその他車両の予定経路とが交差する場合に、前記予定経路画像よりも前面に、前記周辺状況画像のうちの前記他車両を示す他車両画像を重畳して表示させる車両用報知制御装置。
【0230】
(技術的思想28)
技術的思想16に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103g)は、前記車両の予定経路と、前記車両以外の他車両若しくはその他車両の予定経路とが交差する経路交差が生じる場合に、前記予定経路画像を前記経路交差が生じる地点までの表示とさせる一方、通過する交差点の出口側に、自車の予定する進行方向を示す進行方向画像を表示させる車両用報知制御装置。
【0231】
(技術的思想29)
技術的思想28に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両の予定経路と、前記車両以外の他車両若しくはその他車両の予定経路とが交差する経路交差が生じる場合であって、且つ、前記経路交差が生じる前記他車両の車線側に前記車両が右左折を行う場合には、前記他車両の車線の延長線上にまで達しないように前記予定経路画像を表示させる車両用報知制御装置。
【0232】
(技術的思想30)
技術的思想16~29のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103h)は、交差点での前記車両の通行を妨げる可能性のある移動体である対象移動体を示す対象移動体画像も前記周辺状況画像中に表示させるものであり、前記車両の自動運転の自動化レベルに応じて、前記予定経路画像と、前記対象移動体画像との、表示態様を切り替える車両用報知制御装置。
【0233】
(技術的思想31)
技術的思想30に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記自動化レベルが高くなるのに応じて、前記対象移動体画像を強調する表示を行わせる一方、前記自動化レベルが低くなるのに応じて、前記予定経路画像を強調する表示を行わせる車両用報知制御装置。
【0234】
(技術的思想32)
技術的思想30又は31に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部は、前記車両が交差点内に位置する場合であって、且つ、前記自動化レベルが非計画的に変更される場合には、前記予定経路画像と、前記対象移動体画像との、表示態様を、前記自動化レベルの変更前の表示態様のまま維持させる車両用報知制御装置。
【0235】
(技術的思想33)
技術的思想16~32のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103i)は、交差点内で前記車両の一時停止が必要となる場合に、前記車両が一時停止する位置までの前記予定経路画像と、一時停止後の前記予定経路画像とを、分けて表示させる車両用報知制御装置。
【0236】
(技術的思想34)
技術的思想16~33のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103j)は、交差点での矢印式信号機の矢印灯火で示される方向への前記車両の右左折時には、交差点でのそれ以外の右左折時に比べ、前記周辺状況画像を簡素化して表示させる車両用報知制御装置。
【0237】
(技術的思想35)
技術的思想16~34のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記報知制御部(103k)は、前記車両が交差点に進入する前から表示させていた前記予定経路画像が、前記車両が交差点に進入後に、新たな障害物が検知されて変化した場合に、その変化した部分の前記予定経路画像を強調して表示させる車両用報知制御装置。
【0238】
(技術的思想36)
技術的思想1~35のいずれか1項に記載の車両用報知制御装置であって、
前記自動運転は、周辺監視義務のない自動運転である車両用報知制御装置。
【符号の説明】
【0239】
1,1c,1e 車両用システム、10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10i,10k HCU(車両用報知制御装置)、18,18e 報知装置、102,102a 状況特定部、103,103a,103b,103c,103d,103e,103f,103g,103h,103i,103j,103k 報知制御部、121,121a 動作特定部、181,181e 表示器