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特許7658421通信システム、出力装置、通信方法、出力方法および出力プログラム
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  • 特許-通信システム、出力装置、通信方法、出力方法および出力プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】通信システム、出力装置、通信方法、出力方法および出力プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20250401BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20250401BHJP
【FI】
H04N7/15
H04N21/258
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023506846
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2022004414
(87)【国際公開番号】W WO2022196165
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2021040918
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】久保 淳
(72)【発明者】
【氏名】杉本 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】木本 誠
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-194144(JP,A)
【文献】特開2020-035003(JP,A)
【文献】特開2021-022909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/14-7/15
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
講義または会議の参加者が用いる参加者端末と、
前記講義または会議の発表者が用いる発表者端末と、
サーバとを備え、
前記参加者端末は、
当該参加者端末を使用する前記参加者の映像を撮像する撮像手段と、
撮像された映像から当該参加者の頷き回数を測定する回数測定手段と、
前記参加者の情報と前記頷き回数とを対応付けた所作情報を前記サーバに送信する所作情報送信手段とを含み、
前記サーバは、
前記所作情報を前記発表者端末に送信する送信手段を含み、
前記発表者端末は、
前記所作情報に含まれる前記頷き回数に応じた順に前記参加者の情報を出力する参加者出力手段を含み、
前記回数測定手段は、入力を受け付けた映像から前記参加者の拍手の回数を測定し、
前記所作情報送信手段は、前記参加者の情報と前記拍手の回数とを対応付けた所作情報をサーバに送信し、
前記サーバの送信手段は、前記所作情報を前記発表者端末に対して送信し、
前記発表者端末の参加者出力手段は、前記所作情報に含まれる前記拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力する
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
発表者端末は、
参加者の所作の測定の開始を指示する測定開始指示手段を含み、
前記測定開始指示手段は、参加者の頷き回数の測定の開始をサーバに対して指示し、
サーバの送信手段は、前記参加者の頷き回数の測定の開始指示を参加者端末に対して送信し、
回数測定手段は、前記開始指示を受信したときに、頷き回数の測定を開始する
請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
発表者端末は、
参加者の所作の回数の初期化を指示する初期化指示手段を含み、
前記初期化指示手段は、参加者の頷き回数の初期化をサーバに対して指示し、
サーバの送信手段は、前記参加者の頷き回数の初期化指示を参加者端末に対して送信し、
回数測定手段は、前記初期化指示を受信したときに、頷き回数を初期化する
請求項1または請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
参加者出力手段は、頷き回数の降順または昇順に参加者の情報を出力する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
サーバは、
所作情報に含まれる頷き回数が1以上の端末数である検出参加者数を計測する参加者数測定手段を含み、
サーバの送信手段は、前記検出参加者数を発表者端末に対して送信し、
参加者出力手段は、前記検出参加者数を出力する
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
参加者を撮像した映像から測定された当該参加者の頷き回数および拍手の回数を、参加者ごとに入力する入力手段と、
前記頷き回数および前記拍手の回数に応じた順に前記参加者の情報を出力する参加者出力手段とを備えた
ことを特徴とする出力装置。
【請求項7】
講義または会議の参加者が用いる参加者端末が、当該参加者端末を使用する前記参加者の映像を撮像し、
前記参加者端末が、撮像された映像から当該参加者の頷き回数を測定し、
前記参加者端末が、撮像された映像から前記参加者の拍手の回数を測定し、
前記参加者端末が、前記参加者の情報と前記頷き回数および前記拍手の回数とを対応付けた所作情報をサーバに送信し、
前記サーバが、前記所作情報を、前記講義または会議の発表者が用いる発表者端末に送信し、
前記発表者端末が、前記所作情報に含まれる前記頷き回数および前記拍手の回数に応じた順に前記参加者の情報を出力する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
コンピュータが、参加者を撮像した映像から測定された当該参加者の頷き回数および拍手の回数を、参加者ごとに入力し、
前記コンピュータが、前記頷き回数および前記拍手の回数に応じた順に前記参加者の情報を出力する
ことを特徴とする出力方法。
【請求項9】
コンピュータに、
参加者を撮像した映像から測定された当該参加者の頷き回数および拍手の回数を、参加者ごとに入力する入力処理、および、
前記頷き回数および前記拍手の回数に応じた順に前記参加者の情報を出力する参加者出力処理
を実行させるための出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を介して相手方との通信を行う通信システムおよび通信方法、並びに、相手方の情報を出力する出力装置、出力方法および出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、場所に依らず相手方とのコミュニケーションを可能にするため、通信回線を利用した遠隔講義や遠隔会議(以下、遠隔講義/会議と記すこともある。)が利用されている。遠隔講義/会議では、送受信される映像や音声を用いて、双方のコミュニケーションを実現する。このような遠隔講義/会議を行う方法が各種提案されている。
【0003】
特許文献1には、通信ネットワークを利用した遠隔講義システムが記載されている。特許文献1に記載されたシステムは、講義への入室や退出、生徒の挙手などのように指名順計算処理に用いる情報の変化を監視し、変化があった場合に受信する変更情報に基づいて、指名順一覧を更新する。
【0004】
また、特許文献2には、聴衆の反応の調査および評価をするシステムが記載されている。特許文献2に記載されたシステムは、映像中の人物の反応を認識し、安定静止状態および活動状態を検出して人物の反応を認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-139667号公報
【文献】特開2001-67482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遠隔講義/会議も、集合型の講義や会議のように、参加者の理解に応じて講義や会議を進行することが求められる。集合型の講義や会議であれば、発表者が教室や会議室を見回して、参加者の表情や所作から、説明した内容への反応や理解度を推し量ることができる。しかし、遠隔で行われる講義や会議の場合、参加者数が多くなることも予想されるため、画面上に表示される全員の表情を読み取り、反応や理解度を推し量ることは、時間と手間がかかるため実質上困難である。
【0007】
また、講義や会議の有用性を発表者や発表者が確認する場合、遠隔講義/会議のシステムを用いて参加者が個別に通知する方法や、終了後のアンケートなど、個別に確認することも考えられる。また、参加者が発言したい場合、集合型の講義や会議では参加者が挙手を行うことで発言を要求することが可能である。しかし、遠隔講義/会議のシステムを用いる場合、システムが備える「挙手ボタン」などの操作を参加者が行う必要があるため、参加者にとって煩雑な手続きを要求する必要がある。
【0008】
一方で、講義や会議に応じた参加者の理解度を計るためにも、参加者からの発言は、講義や会議をより意義のあるものにするために必要不可欠な要素と言える。そのため、参加者の手を煩わせることなく、講義や会議に対する理解度に応じて、参加者からの発言を促せることが好ましい。
【0009】
特許文献1に記載されたシステムでは、端末操作時間や映像から得られる生徒の挙手を示す指名情報に基づいて生徒を指名する順序を決定する。しかし、挙手を示す情報だけでは、生徒の理解度を把握することは困難である。また、特許文献2に記載されたシステムのように、映像中の人物の反応を単純に認識する方法でも、特許文献1に記載されたシステムと同様、その人物の理解度を把握することは困難である。
【0010】
そこで、本発明では、通信による映像を介して講義や会議を行う場合において、参加者の手を煩わせることなく、発言を促すべき参加者を出力できる通信システム、出力装置、通信方法、出力方法および出力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による通信システムは、講義または会議の参加者が用いる参加者端末と、講義または会議の発表者が用いる発表者端末と、サーバとを備え、参加者端末が、その参加者端末を使用する参加者の映像を撮像する撮像手段と、撮像された映像からその参加者の頷き回数を測定する回数測定手段と、参加者の情報と頷き回数とを対応付けた所作情報をサーバに送信する所作情報送信手段とを含み、サーバが、所作情報を発表者端末に送信する送信手段を含み、発表者端末が、所作情報に含まれる頷き回数に応じた順に参加者の情報を出力する参加者出力手段を含み、回数測定手段が、入力を受け付けた映像から参加者の拍手の回数を測定し、所作情報送信手段が、参加者の情報と拍手の回数とを対応付けた所作情報をサーバに送信し、サーバの送信手段が、所作情報を発表者端末に対して送信し、発表者端末の参加者出力手段が、所作情報に含まれる拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力することを特徴とする。
【0012】
本発明による出力装置は、参加者を撮像した映像から測定されたその参加者の頷き回数および拍手の回数を、参加者ごとに入力する入力手段と、頷き回数および拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力する参加者出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明による通信方法は、講義または会議の参加者が用いる参加者端末が、その参加者端末を使用する参加者の映像を撮像し、参加者端末が、撮像された映像からその参加者の頷き回数を測定し、参加者端末が、撮像された映像から参加者の拍手の回数を測定し、参加者端末が、参加者の情報と頷き回数および拍手の回数とを対応付けた所作情報をサーバに送信し、サーバが、所作情報を、講義または会議の発表者が用いる発表者端末に送信し、発表者端末が、所作情報に含まれる頷き回数および拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明による出力方法は、コンピュータが、参加者を撮像した映像から測定されたその参加者の頷き回数および拍手の回数を、参加者ごとに入力し、コンピュータが、頷き回数および拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力することを特徴とする。
【0015】
本発明による出力プログラムは、コンピュータに、参加者を撮像した映像から測定されたその参加者の頷き回数および拍手の回数を、参加者ごとに入力する入力処理、および、頷き回数および拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力する参加者出力処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通信による映像を介して講義や会議を行う場合において、参加者の手を煩わせることなく、発言を促すべき参加者を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による通信システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
図2】遠隔講義/会議システムの動作例を示すフローチャートである。
図3】遠隔講義/会議システムの他の動作例を示す説明図である。
図4】本発明による通信システムの概要を示すブロック図である。
図5】本発明による出力装置の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明による通信システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。なお、本発明の通信システムが遠隔講義/会議に用いられ得ることから、本実施形態では、通信システムの一具体例として遠隔講義/会議システムを例示する。図1に例示する遠隔講義/会議システム100は、講義/会議サーバ10と、複数の端末とを備えている。
【0020】
複数の端末には、講義または会議の参加者が用いる複数の参加者端末20と、講義または会議の発表者が用いる発表者端末30とが含まれる。なお、本実施形態では、参加者と発表者とが分かれており、参加者が参加者端末20を用い、発表者が発表者端末30を用いるものとする。ただし、必ずしも、参加者と発表者とが区別されている必要はなく、参加者が状況に応じて発表者になったり、発表者が参加者になったりする状況であってもよい。そのため、参加者端末20が発表者端末30の機能を有していてもよく、発表者端末30が参加者端末20の機能を有していてもよい。
【0021】
参加者端末20は、撮像部121と、回数測定部122と、所作情報送信部123と、要求送信部124と、通知受信部125とを含む。
【0022】
撮像部121は、参加者端末20を使用する参加者の映像を撮像する装置である。撮像部121は、例えば、カメラにより実現される。撮像部121は、参加者端末20に内蔵されていてもよく、外部から参加者端末20に接続される装置であってもよい。
【0023】
回数測定部122は、撮像された参加者の映像から、その参加者の所作の回数を測定する。なお、本実施形態では、回数測定部122は、参加者の映像から、その参加者の頷き回数を測定する。なお、回数測定部122は、他にも、参加者の映像から、その参加者の拍手の回数を測定してもよい。
【0024】
検出された頷き回数が多いほど、参加者の理解度が高いと推定される。一方、検出された頷き回数が少ないほど、参加者の理解度が低いと推定される。また、検出された拍手の回数が多いほど、講義または会議に対する評価が高いと推定される。一方、検出された拍手の回数が少ないほど、講義または会議に対する評価が低いと推定される。
【0025】
なお、回数測定部122が映像から人物の所作の回数を測定する方法は任意である。映像から人物の所作(例えば、拍手や頷きなど)を画像認識し、その認識した回数を計測する方法は広く知られているため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0026】
ここで、回数測定部122は、後述する発表者端末30から、参加者の頷きの測定の開始指示を受信したときに、頷き回数の測定を開始してもよい。また、回数測定部122は、後述する発表者端末30から、参加者の頷きの回数の初期化指示を受信したときに、頷き回数を0に初期化してもよい。
【0027】
また、回数測定部122は、参加者の映像から、所定の所作の有無を検出してもよい。回数測定部122は、例えば、参加者の映像から、その参加者の挙手動作を検出してもよい。
【0028】
所作情報送信部123は、参加者の情報と所作の回数とを対応付けた所作情報を講義/会議サーバ10に送信する。本実施形態では、所作情報送信部123は、参加者の情報と頷き回数とを対応付けた所作情報を講義/会議サーバ10に送信する。なお、所作情報送信部123は、参加者の情報と拍手の回数とを対応付けた所作情報を講義/会議サーバ10に送信してもよい。ここで、参加者の情報には、撮像された参加者の映像や、参加者の属性(例えば、氏名、性別、年齢、歴)などが含まれる。また、回数測定部122が所定の所作を検出している場合、所作情報送信部123は、その検出した所作の内容を講義/会議サーバ10に送信してもよい。
【0029】
所作情報送信部123は、所作を検出するごと(1回ごと)に所作情報を講義/会議サーバ10に送信してもよく、検出された所作が所定の回数に達したとき、または、所定の期間経過するごとに、所作情報を講義/会議サーバ10に送信してもよい。
【0030】
要求送信部124は、発表者端末30への要求を講義/会議サーバ10に送信する。すなわち、参加者からの要求は、要求送信部124により、講義/会議サーバ10を介して、発表者端末30に送信され、発表者に認識される。ここでの要求には、例えば、発言要求や、質問要求などが含まれる。なお、要求送信部124は、発表者端末30へ直接要求を送信してもよい。ただし、講義/会議サーバ10を介して要求を送信することで、各種情報が付加された要求を発表者端末30に通知できるため好ましい。
【0031】
通知受信部125は、発表者端末30からの通知を受信する。より具体的には、通知受信部125は、講義/会議サーバ10を介して発表者端末30から通知される情報を受信する。通知受信部125は、例えば、発表者から指名されたことを示す通知を受信してもよい。なお、通知受信部125は、発表者端末30から直接通知を受信してもよい。
【0032】
回数測定部122と、所作情報送信部123と、要求送信部124と、通知受信部125とは、プログラムに従って動作するコンピュータのプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。例えば、プログラムは、参加者端末20の記憶部(図示せず)に記憶され、プロセッサは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、回数測定部122、所作情報送信部123、要求送信部124および通知受信部125として動作してもよい。また、回数測定部122、所作情報送信部123、要求送信部124および通知受信部125の機能がSaaS(Software as a Service )形式で提供されてもよい。
【0033】
また、回数測定部122と、所作情報送信部123と、要求送信部124と、通知受信部125とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry )、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。
【0034】
また、参加者端末20の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0035】
講義/会議サーバ10は、入力部111と、記憶部112と、参加者数測定部113と、情報送信部114と、要求送信部115と、通知送信部116とを含む。
【0036】
入力部111は、参加者端末20および発表者端末30から各種情報の入力を受け付ける。また、入力部111は、参加者端末20から所作情報の入力を受け付けたとき、後述する記憶部112に所作の回数をカウントアップして記憶させてもよい。また、入力部111は、後述する発表者端末30から回数の初期化の指示を受信したとき、所作の回数を0に初期化してもよい。
【0037】
記憶部112は、講義/会議サーバ10が処理を行うために必要な各種情報を記憶する。具体的には、記憶部112は、参加者端末20によって測定された参加者の所作の回数(具体的には、頷き回数、拍手の回数等)を記憶する。例えば、記憶部112が、参加者端末20ごとの頷き回数を格納する頷きカウンタを有していてもよい。記憶部112は、例えば、磁気ディスク等により実現される。
【0038】
参加者数測定部113は、所作を1回以上検出した参加者の端末数(以下、検出参加者数と記す。)を計測する。具体的には、参加者数測定部113は、参加者端末20から送信される所作情報に含まれる所作の回数が1以上の端末数を計測する。本実施形態では、参加者数測定部113は、所作情報に含まれる頷き回数が1以上の端末数を計測する。なお、参加者数測定部113は、所作情報に含まれる拍手の回数が所定回数(例えば、10回以上)の端末数を計測してもよい。検出参加者数を計測することで、全参加者の表情を確認することなく、全体の反応を把握することが可能になる。
【0039】
情報送信部114は、参加者端末20から受信した所作情報を発表者端末30に送信する。また、情報送信部114は、参加者数測定部113によって計測された検出参加者数を発表者端末30に送信してもよい。また、検出された参加者の所作の内容を参加者端末20から受信した場合、情報送信部114は、その所作の内容を発表者端末30に送信してもよい。
【0040】
要求送信部115は、参加者端末20からの要求を発表者端末30に送信する。
【0041】
通知送信部116は、発表者端末30からの通知(例えば、参加者の指名)を、該当の参加者端末20に送信する。
【0042】
発表者端末30は、所作情報入力部131と、参加者出力部132と、送信部133と、測定開始指示部134と、初期化指示部135と、要求受信部136と、要求出力部137とを含む。
【0043】
所作情報入力部131は、講義/会議サーバ10から所作情報の入力を受け付ける。
【0044】
参加者出力部132は、所作情報に含まれる頷き回数に応じた順に参加者の情報を出力する。具体的には、参加者出力部132は、頷き回数の降順または昇順に参加者の情報を出力する。なお、参加者出力部132は、所作情報に含まれる拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力してもよい。出力順を降順または昇順のいずれにするかは、予め定めておいてもよく、発表者の明示的な指示に基づいて決定されてもよい。
【0045】
例えば、頷き回数の昇順で参加者の情報を出力する場合、理解度の低い参加者を優先的に出力できることから、理解度の低い参加者を容易に質問者として指名することが可能になる。これにより、発表者は、理解度が低い参加者からの質問に回答して、全体の理解度の底上げを行うことができる。
【0046】
同様に、頷き回数の降順で参加者の情報を出力する場合、理解度の高い参加者を優先的に出力できることから、理解度の高い参加者を容易に質問者として指名することが可能になる。これにより、発表者は、理解度が高い参加者からの質問に回答して、一層の理解の向上を計ることが可能になる。
【0047】
また、講義/会議サーバ10から検出参加者数を受信している場合、参加者出力部132は、その検出参加者数を出力してもよい。
【0048】
送信部133は、参加者端末20への通知を講義/会議サーバ10に送信する。すなわち、発表者からの通知は、送信部133により、講義/会議サーバ10を介して、参加者端末20に送信され、参加者に認識される。
【0049】
測定開始指示部134は、参加者の所作の測定の開始を講義/会議サーバ10を介して参加者端末20に指示する。具体的には、測定開始指示部134は、発表者から参加者の頷き回数や拍手の回数の測定を開始する指示を受け付け、その内容を講義/会議サーバ10に対して指示する。この指示に応じて、講義/会議サーバ10の情報送信部114は、所作の測定の開始指示(具体的には、参加者の頷き回数の測定の開始指示)を参加者端末20に対して送信する。
【0050】
測定開始指示部134が発表者から指示を受け付ける方法は任意である。また、測定開始指示部134は、測定開始の指示を示す音声を検出して、その指示を講義/会議サーバ10に対して送信してもよい。
【0051】
初期化指示部135は、参加者の所作の回数の初期化(リセット)を講義/会議サーバ10を介して参加者端末20に指示する。具体的には、初期化指示部135は、発表者から参加者の頷き回数や拍手の回数の初期化の指示を受け付け、その内容を講義/会議サーバ10に対して指示する。この指示に応じて、講義/会議サーバ10の情報送信部114は、所作の回数の初期化指示(具体的には、参加者の頷き回数の初期化指示)を参加者端末20に対して送信する。
【0052】
初期化指示部135が発表者から指示を受け付ける方法は任意である。初期化指示部135は、例えば、発表者からの指示を示す操作を受け付けるボタンや頷きリセットスイッチ(図示せず)が押下されたことを検知して、その指示を講義/会議サーバ10に対して送信してもよい。また、初期化指示部135は、初期化(リセット)の指示を示す音声を検出して、その指示を講義/会議サーバ10に対して送信してもよい。
【0053】
要求受信部136は、参加者端末20からの要求を受信する。
【0054】
要求出力部137は、受信した参加者からの要求を、発表者に認識可能な態様で出力する。要求出力部137は、例えば、要求を受信したときに、アラーム(図示せず)に対して鳴動指示を行ってもよい。これにより、要求があったことを即座に気づくことが可能になる。
【0055】
例えば、発表者端末30が、参加者の映像を表示している場合、要求出力部137は、要求を送信した参加者の映像に赤枠を付して表示するようにしてもよい。これにより、発表者が要求を送信した参加者を一目で確認することが可能になる。
【0056】
また、他にも、講義/会議サーバ10から所定の所作(例えば、挙手動作)を検出した旨の情報を受信している場合、要求出力部137は、その所作に応じた内容(例えば、発言要求を示す情報)を出力してもよい。このような情報を出力することで、参加者はボタン等の操作を行うことなく、発表者に要求の内容を伝えることが可能になる。
【0057】
所作情報入力部131と、参加者出力部132と、送信部133と、測定開始指示部134と、初期化指示部135と、要求受信部136と、要求出力部137とは、プログラム(出力プログラム)に従って動作するコンピュータのプロセッサによって実現される。例えば、プログラムは、発表者端末30の記憶部(図示せず)に記憶され、プロセッサは、そのプログラムを読み込み、プログラムに従って、所作情報入力部131と、参加者出力部132と、送信部133と、測定開始指示部134と、初期化指示部135と、要求受信部136と、要求出力部137として動作してもよい。
【0058】
次に、本実施形態の遠隔講義/会議システム100の動作を説明する。図2は、本実施形態の遠隔講義/会議システム100の動作例を示す説明図である。なお、講義/会議サーバ10は、講義または会議の開始時に、記憶部112に記憶された頷きカウンタの値を“0”に設定しておく。
【0059】
発表者が参加者の反応を把握したい場合、例えば、発表者が頷き検出スイッチを押下した上で(ステップS11)参加者に対して、「ここまで理解できた方は、カメラに向かって頷いてください。」と案内する。測定開始指示部134は、頷き検出スイッチが押下されたことを検知して、頷き回数の測定を開始する指示(以下、頷き検出指示と記す。)を講義/会議サーバ10を介して各参加者端末20に送信する(ステップS12)。
【0060】
参加者端末20は、頷き検出指示を受信すると、回数測定部122は、頷き検出を開始する(ステップS13)。頷き検出がされた場合(ステップS14)、所作情報送信部123は、講義/会議サーバ10に対して、所作情報を送信する(ステップS15)。
【0061】
講義/会議サーバ10の入力部111は、所作情報を受信した際、頷きカウンタをカウントアップして参加者端末20の頷き回数を計測する。また、参加者数測定部113は、所作情報を受信した検出参加者数も計測する。そして、情報送信部114は、発表者端末30へ各種情報を送信する(ステップS16)。発表者端末30の参加者出力部132は、講義/会議サーバ10から受信した所作情報および検出参加者数を表示する(ステップS17)。
【0062】
一方、発表者は、所作情報および検出参加者数を確認した後、発表者は、所作情報を検出した端末数を確認し、頷き検出リセットスイッチを押下する(ステップS18)。初期化指示部135は、頷き検出リセットスイッチが押下されたことを検知して、頷き回数の初期化をする指示(以下、頷きリセット指示と記す。)を講義/会議サーバ10を介して各参加者端末20に送信する(ステップS19)。
【0063】
参加者端末20は、頷きリセット指示を受信すると、回数測定部122は、頷き回数を0に初期化する(ステップS20)。以降、ステップS14以降の処理が繰り返される。
【0064】
図3は、本実施形態の遠隔講義/会議システム100の他の動作例を示す説明図である。参加者端末20の撮像部121は、参加者の映像を撮像する(ステップS31)。回数測定部122は、撮像された映像から参加者の頷き回数を測定する(ステップS32)。所作情報送信部123は、所作情報を講義/会議サーバ10に送信する(ステップS33)。講義/会議サーバ10の情報送信部114は、所作情報を発表者端末30に送信する(ステップS34)。そして、発表者端末30の参加者出力部132は、所作情報に含まれる頷き回数に応じた順に参加者の情報を出力する(ステップS35)。
【0065】
次に、質問を受ける参加者を指名する際の動作を説明する。図2に例示する動作が繰り返されることにより、記憶部112の頷きカウンタには、参加者端末20で検出された頷き回数が計数される。
【0066】
発表者端末30が参加者を表示する際、頷き回数の昇順で参加者を表示してもよい。頷き回数を理解度の指標と考え、発表者端末30に表示された参加者の先頭を質問者として指名することにより、理解度が低い参加者を質問者に指名することができる。
【0067】
逆に、発表者端末30が参加者を表示する際、頷き回数の降順で参加者を表示してもよい。発表者端末30に表示された参加者の先頭を質問者として指名することにより、理解度が高い参加者を質問者に指名することができる。
【0068】
以上のように、本実施形態では、参加者端末20の撮像部121が、その参加者端末20を使用する参加者の映像を撮像し、回数測定部122が、撮像された映像からその参加者の頷き回数を測定し、所作情報送信部123が、所作情報を講義/会議サーバ10に送信する。講義/会議サーバ10の情報送信部114が、所作情報を発表者端末30に送信し、発表者端末30の参加者出力部132が、所作情報に含まれる頷き回数に応じた順に参加者の情報を出力する。よって、通信による映像を介して講義や会議を行う場合において、参加者の手を煩わせることなく、発言を促すべき参加者を出力できる。
【0069】
すなわち、本実施形態の遠隔講義/会議システムでは、参加者の頷きや拍手などの所作を撮像された参加者の画像から検出することにより、集合型の講義や会議と同等のレベルで、発表者が参加者の反応を確認することが可能になる。その際、参加者が遠隔講義/会議システムの操作に習熟していなくても、人の自然な所作を検出して反応を確認することを可能にしている。
【0070】
次に、本発明の概要を説明する。図4は、本発明による通信システムの概要を示すブロック図である。本発明による通信システム60(例えば、遠隔講義/会議システム100)は、講義または会議の参加者が用いる参加者端末80(例えば、参加者端末20)と、講義または会議の発表者が用いる発表者端末90(例えば、発表者端末30)と、サーバ70(例えば、講義/会議サーバ10)とを備えている。
【0071】
参加者端末80は、その参加者端末80を使用する参加者の映像を撮像する撮像手段81(例えば、撮像部121)と、撮像された映像からその参加者の頷き回数を測定する回数測定手段82(回数測定部122)と、参加者の情報と頷き回数とを対応付けた所作情報をサーバ70に送信する所作情報送信手段83(例えば、所作情報送信部123)とを含む。
【0072】
サーバ70は、所作情報を発表者端末90に送信する送信手段71(例えば、情報送信部114)を含む。
【0073】
発表者端末90は、所作情報に含まれる頷き回数に応じた順に参加者の情報を出力する参加者出力手段91(例えば、参加者出力部132)を含む。
【0074】
そのような構成により、通信による映像を介して講義や会議を行う場合において、参加者の手を煩わせることなく、発言を促すべき参加者を出力できる。
【0075】
また、発表者端末90は、参加者の所作の測定の開始を指示する測定開始指示手段(例えば、測定開始指示部134)を含んでいてもよい。そして、測定開始指示手段は、参加者の頷き回数の測定の開始をサーバ70に対して指示し、サーバ70の送信手段71は、参加者の頷き回数の測定の開始指示を参加者端末80に対して送信し、回数測定手段82は、その開始指示を受信したときに、頷き回数の測定を開始してもよい。
【0076】
また、発表者端末90は、参加者の所作の回数の初期化を指示する初期化指示手段(例えば、初期化指示部135)を含んでいてもよい。そして、初期化指示手段は、参加者の頷き回数の初期化をサーバ70に対して指示し、サーバ70の送信手段71は、参加者の頷き回数の初期化指示を参加者端末80に対して送信し、回数測定手段82は、その初期化指示を受信したときに、頷き回数を初期化してもよい。
【0077】
また、参加者出力手段91は、頷き回数の降順または昇順に参加者の情報を出力してもよい。
【0078】
また、回数測定手段82は、入力を受け付けた映像から参加者の拍手の回数を測定してもよい。このとき、所作情報送信手段83は、参加者の情報と拍手の回数とを対応付けた所作情報をサーバ70に送信し、サーバ70の送信手段71は、所作情報を発表者端末90に対して送信し、発表者端末90の参加者出力手段91は、所作情報に含まれる拍手の回数に応じた順に参加者の情報を出力してもよい。
【0079】
また、サーバ70は、所作情報に含まれる頷き回数が1以上の端末数である検出参加者数を計測する参加者数測定手段(例えば、参加者数測定部113)を含んでいてもよい。そして、サーバ70の送信手段71は、検出参加者数を発表者端末90に対して送信し、参加者出力手段91は、検出参加者数を出力してもよい。
【0080】
図5は、本発明による出力装置の概要を示すブロック図である。本発明による出力装置50(例えば、発表者端末30)は、参加者を撮像した映像から測定されたその参加者の頷き回数を、参加者ごとに入力する入力手段51(例えば、所作情報入力部131)と、頷き回数に応じた順に参加者の情報を出力する参加者出力手段52(例えば、参加者出力部132)とを備えている。
【0081】
そのような構成によっても、通信による映像を介して講義や会議を行う場合において、参加者の手を煩わせることなく、発言を促すべき参加者を出力できる。
【0082】
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0083】
この出願は、2021年3月15日に出願された日本特許出願2021-40918を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0084】
10 講義/会議サーバ
20 参加者端末
30 発表者端末
100 遠隔講義/会議システム
111 入力部
112 記憶部
113 参加者数測定部
114 情報送信部
115 要求送信部
116 通知送信部
121 撮像部
122 回数測定部
123 所作情報送信部
124 要求送信部
125 通知受信部
131 所作情報入力部
132 参加者出力部
133 送信部
134 測定開始指示部
135 初期化指示部
136 要求受信部
137 要求出力部
図1
図2
図3
図4
図5