(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】車載装置、制御サーバ、測定データの収集方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20250401BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G08G1/13
(21)【出願番号】P 2023509885
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2021013186
(87)【国際公開番号】W WO2022208570
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】知久 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽子
(72)【発明者】
【氏名】辻 佑機
(72)【発明者】
【氏名】尾形 一気
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】横山 菜摘
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154568(JP,A)
【文献】特開2021-034018(JP,A)
【文献】特開2010-177749(JP,A)
【文献】国際公開第2018/109865(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/235641(WO,A1)
【文献】特開2018-120409(JP,A)
【文献】特開2019-159659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、
前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、
前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、
を備える車載装置
において、
前記制御部は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記制御部は、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信すること
を特徴とする車載装置。
【請求項2】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、
前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、
前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、
を備える車載装置
において、
前記制御部は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記制御部は、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定すること
を特徴とする車載装置。
【請求項3】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、
前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、
前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、
を備える車載装置
において、
前記重要度計算部は、
前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、
前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与すること
を特徴とする車載装置。
【請求項4】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
制御サーバ
において、
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信させること
を特徴とする制御サーバ。
【請求項5】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
制御サーバ
において、
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定させること
を特徴とする制御サーバ。
【請求項6】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
制御サーバ
において、
前記重要度計算部によって計算された前記測定データの確からしさを示す信頼度が高い測定データには、前記重要度計算部によって高い重要度が付与されていること
を特徴とする制御サーバ。
【請求項7】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、
測定データの収集方法
において、
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信すること
を特徴とする測定データの収集方法。
【請求項8】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、
測定データの収集方法
において、
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定すること
を特徴とする測定データの収集方法。
【請求項9】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、
測定データの収集方法
において、
前記車載装置は、
前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、
前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与すること
を特徴とする測定データの収集方法。
【請求項10】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
測定データの収集方法
において、
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信させること
を特徴とする測定データの収集方法。
【請求項11】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
測定データの収集方法
において、
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定させること
を特徴とする測定データの収集方法。
【請求項12】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
測定データの収集方法
おいて、
前記重要度計算部によって計算された前記測定データの確からしさを示す信頼度が高い測定データには、前記重要度計算部によって高い重要度が付与されていること
を特徴とする測定データの収集方法。
【請求項13】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置に、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する処理と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する処理と、
を実行させるプログラム
において、
前記プログラムは、前記車載装置に
前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行う処理と、
前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信する処理と、
を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項14】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置に、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する処理と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する処理と、
を実行させるプログラム
において、
前記プログラムは、前記車載装置に、
前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行う処理と、
前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定する処理と、
を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項15】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置に、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する処理と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する処理と、
を実行させるプログラム
において、
前記プログラムは、前記車載装置に、
前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、
前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与する処理
を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項16】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバに、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知する処理と、を実行させ、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記測定部による前記路面状態の測定又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させるプログラム
において、
前記プログラムは、前記制御サーバに、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせる処理と、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信させる処理と、
を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項17】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバに、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知する処理と、を実行させ、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記測定部による前記路面状態の測定又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させるプログラム
において、
前記プログラムは、前記制御サーバに、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせる処理と、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定させる処理と、
を実行させること
を特徴とするプログラム。
【請求項18】
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバに、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知する処理と、を実行させ、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記測定部による前記路面状態の測定又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させるプログラム
において、
前記重要度計算部によって計算された前記測定データの確からしさを示す信頼度が高い測定データには、前記重要度計算部によって高い重要度が付与されていること
を特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、制御サーバ、測定データの収集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、専用の路面性状測定車を用いる方法のほか、一般の車両を用いて道路の路面の状態を測定し、点検を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、路面の状態を適切に推定できるという路面状態推定装置が開示されている。同文献によると、この路面状態推定装置は、車両の挙動に関する挙動情報を車両から取得する取得手段と、路面異常に車両が遭遇した場合に車両がとるであろうと想定される特定挙動に基づいて定まる異常条件が満たされているか否かを、前記挙動情報に基づいて判定する判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて、路面の状態を推定する推定手段とを備えると記載されている。
【0003】
特許文献2には、舗装の劣化度に加え道路の重要性も考慮したうえで、対策の優先度を決定することができるという舗装管理支援システムが開示されている。同文献によると、この舗装管理支援システムは、区間ごとに舗装の修繕計画を行うための評価指標を設定するものであり、劣化度決定手段と、重要度決定手段、総合評点算出手段を備えると記載されている。このうち劣化度決定手段は、対象区間の舗装の劣化度を示す「劣化度評点」をMCIの値に基づいて決定し、重要度決定手段では対象区間の舗装の重要度を示す「重要度評点」を2以上の「評価項目」に基づいて決定し、総合評点算出手段では劣化度評点と重要度評点に基づいて「総合評点」を算出すると記載されている。ここで、MCIは、Maintenance Control Indexの略であり、舗装の維持管理指数として用いられているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-13537号公報
【文献】特開2019-36182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。特許文献1の方法では、道路を走行した車両が、路面状態推定装置と呼ばれている装置に測定データを送信する。このため、ネットワークの帯域の状況によっては、大量に送信される測定データが、車両と路面状態推定装置間のネットワークの帯域を圧迫してしまうという問題点がある。
【0006】
上記ネットワークの帯域を圧迫してしまうという事態を避けるには、なんらかの基準で送信する測定データを選別することが考えられる。しかしながら、一律の基準で選別してしまうと、ネットワークの帯域に余裕がある場合にも測定データの送信が抑止されてしまうという問題点がある。
【0007】
この点、特許文献2では、対象区間の舗装の劣化度を示す「劣化度評点」と、対象区間の舗装の重要度を示す「重要度評点」とに基づいて「総合評点」を計算することを開示するに止まっている。
【0008】
本発明は、前記測定車両から測定データの送信の最適化に貢献できる車載装置、制御サーバ、測定データの収集方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の視点によれば、センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、を備える車載装置が提供される。
より詳細には、本発明の第1の1の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、
前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、
前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、
を備える車載装置が提供される。
前記制御部は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記制御部は、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信すること
を特徴とする。
本発明の第1の2の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、
前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、
前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、
を備える車載装置が提供される。
前記制御部は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記制御部は、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定すること
を特徴とする。
本発明の第1の3の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、
前記路面状態の測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、
前記サーバに前記測定データを送信可能な送信部と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する制御部と、
を備える車載装置が提供される。
前記重要度計算部は、
前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、
前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与すること
を特徴とする。
【0010】
第2の視点によれば、センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、前記サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、制御サーバが提供される。
より詳細には、本発明の第2の1の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
制御サーバが提供される。
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信させること
を特徴とする。
本発明の第2の2の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
制御サーバが提供される。
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定させること
を特徴とする。
本発明の第2の3の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両と、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する帯域評価部と、
前記車両に対し、前記ネットワーク帯域を通知する通知部と、を備え、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
制御サーバが提供される。
前記制御サーバにおいて、
前記重要度計算部によって計算された前記測定データの確からしさを示す信頼度が高い測定データには、前記重要度計算部によって高い重要度が付与されていること
を特徴とする。
【0011】
第3の視点によれば、センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、前記サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、測定データの収集方法が提供される。本方法は、上記路面状態を測定可能な車両の車載装置という、特定の機械に結びつけられている。
より詳細には、本発明の第3の1の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、
測定データの収集方法が提供される。
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信すること
を特徴とする。
本発明の第3の2の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、
測定データの収集方法が提供される。
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行うこと、
前記車載装置は、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定すること
を特徴とする。
本発明の第3の3の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置が、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算し、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する、
測定データの収集方法が提供される。
前記車載装置は、
前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、
前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与すること
を特徴とする。
【0012】
第4の視点によれば、センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する重要度計算部と、前記サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、測定データの収集方法が提供される。本方法は、上記車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバという、特定の機械に結びつけられている。
より詳細には、本発明の第4の1の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
測定データの収集方法が提供される。
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信させること
を特徴とする。
本発明の第4の2の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
測定データの収集方法が提供される。
前記制御サーバは、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせること、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定させること
を特徴とする。
本発明の第4の3の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバが、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価し、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知し、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させる、
測定データの収集方法が提供される。
前記測定データの収集方法において、
前記重要度計算部によって計算された前記測定データの確からしさを示す信頼度が高い測定データには、前記重要度計算部によって高い重要度が付与されていること
を特徴とする。
【0013】
第5の視点によれば、上記した車載装置及び制御サーバの各機能を実現するためのコンピュータプログラム(以下、「プログラム」)が提供される。このプログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インターフェースを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させる。また、このプログラムは、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インターフェースを介して、外部と通信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジトリーな)記憶媒体に記録することができる。
より詳細には、本発明の第5の1の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置に、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する処理と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する処理と、
を実行させるプログラムが提供される。
前記プログラムは、前記車載装置に
前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行う処理と、
前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信する処理と、
を実行させること
を特徴とする。
本発明の第5の2の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置に、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する処理と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する処理と、
を実行させるプログラムが提供される。
前記プログラムは、前記車載装置に、
前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行う処理と、
前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定する処理と、
を実行させること
を特徴とする。
本発明の第5の3の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、を備えた車両の車載装置に、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する処理と、
前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する処理と、
を実行させるプログラムが提供される。
前記プログラムは、前記車載装置に、
前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、
前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与する処理
を実行させること
を特徴とする。
本発明の第6の1の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバに、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知する処理と、を実行させ、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記測定部による前記路面状態の測定又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させるプログラムが提供される。
前記プログラムは、前記制御サーバに、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせる処理と、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信させる処理と、
を実行させること
を特徴とする。
本発明の第6の2の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバに、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知する処理と、を実行させ、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記測定部による前記路面状態の測定又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させるプログラムが提供される。
前記プログラムは、前記制御サーバに、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行わせる処理と、
前記制御部に、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定させる処理と、
を実行させること
を特徴とする。
本発明の第6の3の視点により、
センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能な測定部と、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、測定データの重要度を計算する重要度計算部と、サーバに前記路面状態の測定データを送信可能な送信部と、制御部と、を備えた車両の車載装置と通信可能な通信部を備えた制御サーバに、
前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する処理と、
前記車両の前記車載装置に対し、前記ネットワーク帯域を通知する処理と、を実行させ、
前記車両の前記制御部に、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記車両の前記測定部による前記測定データの作成又は前記車両の前記測定部による前記路面状態の測定又は前記車両の前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御させるプログラムが提供される。
前記プログラムにおいて、
前記重要度計算部によって計算された前記測定データの確からしさを示す信頼度が高い測定データには、前記重要度計算部によって高い重要度が付与されていること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、測定車両からの測定データの送信を最適化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の測定車両の構成を表した機能ブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の測定車両の制御部が参照するテーブルの一例を表した図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態の測定車両の動作を表したフローチャートである。
【
図7】本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態の測定車両及び道路点検サーバの構成を表した機能ブロック図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態の測定車両の動作を表したフローチャートである。
【
図10】本発明の測定車両の制御部が参照するテーブルの別の一例を表した図である。
【
図11】本発明の測定車両の制御部が参照するテーブルの別の一例を表した図である。
【
図12】本発明の測定車両に搭載されるコンピュータの構成を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インターフェースがあるが図示を省略する。
【0017】
本発明は、その一実施形態において、
図1に示すように、測定部21と、帯域評価部22と、重要度計算部23と、制御部24と、送信部25と、を備える車載装置20にて実現できる。
【0018】
より具体的には、測定部21は、センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定可能に構成されている。
【0019】
帯域評価部22は、前記路面状態の測定データを受信するサーバとの間のネットワーク帯域を評価する。この「ネットワーク帯域」は、例えば、単位時間当たりに送信可能なデータ量(実効転送速度、例えば、XX Mbps)を示す「スループット」の値により評価することができる。例えば、スループットの値が所定の閾値より高い場合、「ネットワーク帯域」は「高」と評価され、スループットの値が所定の閾値以下である場合、「ネットワーク帯域」は「低」と評価される。
【0020】
重要度計算部23は、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する。所定の重要度決定ポリシーは、測定データの重要度を計算できるものであれば、特に限定されない。例えば、国道、県道等のサービス要求レベルの高い道路の路面状態の測定データの重要度を「高」とし、その他の道路の路面状態の測定データの重要度を「低」とするものであってもよい。
【0021】
制御部24は、前記ネットワーク帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部21による前記測定データの作成又は前記測定部21によって測定された測定データの前記サーバへの送信を制御する。具体的には、制御部24は、ネットワークの帯域に基づいて、測定データの重要度の閾値を決定し、その閾値と測定データの重要度とを比較し、測定データの作成又は送信を制御する。送信部25は、前記サーバに前記路面状態の測定データを送信可能に構成される。
【0022】
図13は、上記した車載装置20の動作の例を示した図である。
図13を参照すると、まず、車載装置20は、前記測定データの送信先のサーバとの間のネットワーク帯域を評価する(ステップS901)。次に、車載装置20は、センサーを用いて、車両が走行する路面状態を測定する(ステップS902)。次に、車載装置20は、所定の重要度決定ポリシーに基づいて、前記測定データの重要度を計算する(ステップS903)。次に、車載装置20は、前記測定データが所定の送信条件を満たすか否かを判定する(ステップS904)。前記判定の結果、前記測定データを送信すると判定した場合、車載装置20は、前記測定データを前記サーバへ送信する(ステップS905)。
【0023】
図2は、上記ステップS904における制御部24の動作の一例を説明するための図である。ネットワーク帯域が「高」である場合、制御部24は、測定データの重要度の高低に拘わらず、測定実施、かつ、データ送信をすると判定し、測定部21及び送信部25を制御する。即ち、制御部24は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較することで、前記測定データの作成要否又は前記測定データの前記サーバへの送信要否を決定する。
【0024】
一方、ネットワーク帯域が所定の閾値よりも低いと評価した場合、制御部24は、重要度の低い測定データの送信を抑止するよう送信部25を制御する。即ち、制御部24は、評価したネットワーク帯域が第1の評価値より低い第2の評価値である場合に、前記重要度が所定の閾値以下の測定データの送信を抑止するよう動作する。なお、前記重要度が所定の閾値より高い測定データは、ネットワーク帯域が高い場合と同様に、サーバへの送信対象になる。
【0025】
以上、説明したように、本実施形態によれば、測定車両からの測定データの送信を最適化することが可能となる。その理由は、車載装置20が測定データの重要度とネットワーク帯域とをそれぞれ評価し、その結果に応じて、測定データの送信を動的に制御する構成を採用したことにある。
【0026】
また、上記制御部24の機能は、制御部24が、測定データの重要度と比較する閾値を変更する方式によっても実現できる。この場合、制御部24は、前記ネットワーク帯域に基づいて、測定データの重要度と比較するための閾値を決定する。そして、制御部24は、前記決定した閾値と前記測定データの重要度を比較して、前記測定部21による前記測定データの作成又は前記測定部21によって測定された測定データの前記サーバへの送信を制御する。
【0027】
より具体的には、制御部24は、前記ネットワーク帯域が相対的に低い評価である場合、前記測定データの重要度と比較するための閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い評価である場合の閾値よりも高い値に変更する。そして、制御部24は、この変更後の高い値の閾値との比較により、重要度の高い測定データを作成又は送信するよう制御する。
【0028】
また、上記の説明では、ネットワーク帯域が相対的に低い評価である場合に、前記測定データの重要度と比較するための閾値を上げるものとして説明したが、ネットワーク帯域が相対的に高い評価である場合に、前記所定の閾値を下げる制御を行ってもよい。これにより、評価したネットワーク帯域が相対的に高い評価である場合に、より多くの測定データの送信が行われるようになる。
【0029】
また、上記の説明では、測定データを送信することを前提に、測定データの送信を抑止するものとして説明したが、制御部24が、ネットワーク帯域と、測定データの重要度とに基づいて、条件を満たしているときだけ、測定データを送信する構成とすることもできる。
【0030】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
図3を参照すると、道路点検サーバ100と、車載装置を搭載した測定車両200とがネットワークを介して接続された構成が示されている。なお、
図3の例では、1台の測定車両200が示されているが、複数の測定車両200が道路点検サーバ100に測定データを送信する構成であってもよい。
【0031】
道路点検サーバ100は、測定車両200から、測定データを受信し、路面状態の点検を行う。例えば、道路点検サーバ100は、測定車両200から受信した測定データから、道路のひび割れ率、わだち掘れ量、IRI(国際ラフネス指数;International Roughness Index)等を計算し、これらに基づいて、道路の点検を行う。また前記IRIに代えて平坦性という測定項目を設けることもできる。また、これらの測定項目を用いて、MCI(Maintenance Control Index:維持管理指数)を計算し、検査を行う構成も採用可能である。
【0032】
図4は、本発明の第1の実施形態の測定車両の構成を示す図である。測定車両200は、車載装置として、測定部201と、帯域評価部202と、重要度計算部203と、制御部204と、送信部205と、を備えている。これらは一体のユニットとして構成されていてもよいし、複数のユニットに分散配置されていてもよい。
【0033】
測定部201は、センサーとしてのカメラ206に接続され、カメラ206を用いて路面状態の測定データを作成する。なお、カメラ206は、可視光域で撮影を行う光学カメラのほか、赤外線カメラやミリ波を用いたカメラであってもよい。また、センサーとして、LiDAR(Light Detection and Ranging)を用いてもよい。
【0034】
帯域評価部202は、測定車両200と、道路点検サーバ100との間の測定データの送信に用いるネットワークの帯域の評価を行う。ネットワークの帯域の評価の方法としては、スループットそのものを直接評価する方法と、他の指標から間接的にスループットを評価する方法が挙げられる。前者のスループットそのものを直接評価する方法としては、道路点検サーバ100側の機器と測定用のトラフィックを授受してスループットを測定する方法のほか、各種のスループット測定手法・スループット推定手法を用いることができる。また、ネットワークの帯域の評価は、無線区間がボトルネックとなる場合が多いことから、無線区間の帯域を推定して測定車両200と道路点検サーバ100との間のネットワークの帯域として取り扱ってもよい。他の指標から間接的に、無線通信網のスループットを推定(評価)する方法としては、下記のものが挙げられる。
・無線通信網の無線品質(受信電力、希望波対干渉波電力比)
・無線通信網の周波数帯域幅(10MHz幅、100MHz幅など)
・無線通信網の混雑度(無線リソース使用率、接続ユーザ数など)
・無線通信網の種類(LTE(Long Term Evolution), 5G, WiFi(登録商標)など)
【0035】
また、前記各指標のほか、時間帯や、道路点検サーバの負荷を用いて、ネットワークの帯域を評価してもよい。例えば、時間帯毎のネットワークの帯域の評価値が統計的に得られている場合、統計的に得られている評価値を、該当する時間帯のネットワークの帯域の評価値として用いることができる。また、道路点検サーバの負荷が、ネットワークの帯域の評価値に近似する場合、道路点検サーバの負荷から得られた値を、ネットワークの帯域の評価値とすることもできる。
【0036】
前記帯域評価部202によるネットワークの帯域の評価値は、上記測定又は推測したスループットの値でもよいし、スループットに関する離散的または定性的な分類結果(例:5段階評価の1~5、3段階の高、中、低など)であってもよい。
【0037】
重要度計算部203は、前記測定データの重要度を計算する。前記測定データの重要度は、次のような情報を1つ以上組み合わせて計算することができる。
・測定対象の道路の種別
例えば、道路について、それぞれサービス要求レベルや道路管理者の違いに基づく、道路種別が設定されている場合、この道路種別により重要度を設定することができる。なお、車載装置の位置は、GPS(Global Positioning System)情報や近傍の路側機からの情報により特定することができ、その位置情報に基づいて、測定を開始しようとする道路を特定することができる。
・測定データの信頼度
例えば、データが測定に適さない状況下で測定されている場合、当該データの信頼度は低下していると言える。データが測定された環境を、測定に適した環境である度合を用いて定量化することで測定データの信頼度を求めることができる。例えば、測定データに含まれる画像は、一般的には、撮影環境の明るさ、撮影時の天候、測定車両の揺れ、車速等の影響を受け、例えば、撮影環境が暗い場合、画質は劣化する。このように画質が劣化する状況下でデータが測定されている場合、測定データの信頼度は低下する。このような信頼度の低いデータの重要度を下げることができる。
・道路劣化の深刻度
路面状況を撮影した画像に、ポットホールやひび割れが写っている場合、安全管理上、応急修繕をする必要があるほか、道路管理者としても、その大きさを把握したり、修繕の要否を判定したりする必要がある。このような道路劣化の深刻度は、例えば、画像に写っている劣化領域の大きさにより求めることができる。
【0038】
送信部205は、道路点検サーバ100に対して、前記測定部201で作成した路面状態の測定データを送信する。なお、送信部205が前記道路点検サーバ100に対して送信する測定データには、前記ネットワークの帯域と測定データの重要度に基づいて送信対象となった測定データのほか、その前後の測定データを含めるようにしてもよい。換言すると、制御部204は、ある測定データを含む時間的に連続した測定データを作成し、又は、前記サーバに前記測定データを送信するよう前記測定部201又は送信部205を制御する。このようにすることで、例えば、一定長に亘るひび割れなど特定の異常モードについての道路点検サーバ100における分析を容易化することができる。
【0039】
制御部204は、前記評価したネットワークの帯域と、前記測定データの重要度とに基づいて、前記測定部による前記路面状態の測定又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する。
【0040】
例えば、制御部204は、前記クラス分けされたネットワークの帯域及び前記測定データの重要度の組み合わせを定めたテーブルを参照して、前記測定データの前記サーバへの送信を制御する構成を採ることができる。このようなテーブルは、ネットワーク帯域をクラス分けし、それぞれのクラス毎に重要度閾値を定めることにより作成することができる。例えば、前記ネットワークの帯域が、高、中、低の3段階で評価(クラス分け)され、測定データの重要度が、重要度の高い順に、5~1の5段階で付与されている場合、制御部204は、
図5に示すテーブルを参照してデータ送信の要否を判定する。
図5の例では、ネットワークの帯域が「高」の場合、制御部204は、道路点検サーバ100に対して、重要度レベル1~5のすべての測定データを送信する。言い換えると、ネットワークの帯域が「高」の場合、重要度の閾値は、レベル1が設定されている。または、ネットワークの帯域が「高」の場合、重要度レベル1~5のすべての測定データを送信することから、重要度の閾値は、設定なしとされていてもよい。同様に、ネットワークの帯域が「中」の場合、制御部204は、道路点検サーバ100に対して、重要度レベル3~5の測定データを送信する。言い換えると、ネットワークの帯域が「中」の場合、重要度の閾値は、レベル3が設定されている。さらに、ネットワークの帯域が「低」の場合、制御部204は、道路点検サーバ100に対して、重要度レベル5の測定データを送信する。言い換えると、ネットワークの帯域が「低」の場合、重要度の閾値は、レベル5が設定されている。このように、制御部204は、ネットワークの帯域の評価値が低くなるに従い、送信対象の測定データを重要度の高いものに制限する動作を行う。なお、
図5の例では、測定データを送信する条件となるネットワークの帯域及び前記測定データの重要度の組み合わせを定義しているが、
図11に示すように、測定データの送信を抑止する条件となるネットワークの帯域及び前記測定データの重要度の組み合わせを定義したテーブルを用いてもよい。
図11に示すテーブルについても同様に、ネットワーク帯域に応じて、重要度の閾値が設定されていると考えてもよい。
【0041】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の測定車両の動作を表したフローチャートである。
図6を参照すると、測定車両200に搭載された車載装置は、まず、事前に指定された道路の始点への到着、ユーザの測定開始操作等の所定のタイミングで、路面状態の測定を開始する(ステップS001)。
【0042】
次に、測定車両200に搭載された車載装置は、測定したデータの重要度を計算する(ステップS002)。ここでは、車載装置が、測定対象の道路の種別、測定データの信頼度、道路劣化の深刻度の3つを組み合わせてスコアを計算し、その値が高い順に5~1の5段階で重要度を付加するものとして説明する。
【0043】
次に、測定車両200に搭載された車載装置は、ネットワークの帯域の評価を行う(ステップS003)。ここでは、車載装置が、無線通信網の無線品質(受信電力、希望波対干渉波電力比)から、スコアを求め、ネットワークの帯域を高、中、低の3段階で評価するものとして説明する。
【0044】
測定車両200に搭載された車載装置は、
図5に示すテーブルを参照して、測定データを送信すべきか否かを判定する(ステップS004、S005)。例えば、測定データの重要度が「3」である場合、車載装置は、次のように判断する。ネットワークの帯域評価が「高」又は「中」の場合、車載装置は、測定データを送信すべきと判定する。一方、ネットワークの帯域評価が「低」の場合、車載装置は、測定データの送信不要と判定する。
【0045】
一方、測定データの重要度が「1」である場合、車載装置は、ネットワークの帯域評価が「高」の場合のみ、車載装置は、測定データを送信すべきと判定する。ネットワークの帯域評価が「中」又は「低」の場合、車載装置は、測定データの送信不要と判定する。これは、測定データの重要度が低いことによる。
【0046】
また、測定データの重要度が「5」である場合、車載装置は、ネットワークの帯域評価が「高」~「低」の場合のすべてにおいて、車載装置は、測定データを送信すべきと判定する。これは、測定データの重要度が高いことによる。
【0047】
ステップS005で、送信要と判定した場合、測定車両200に搭載された車載装置は、道路点検サーバ100に対して、前記測定部201で作成した路面状態の測定データを送信する(ステップS006)。なお、
図6の例では、ステップS001、S002、S003の順に処理を行ったが、これらの処理は、路面状態の測定の後に、測定データの重要度を計算するものであれば適宜入れ替えることができる。例えば、ステップS003のネットワークの帯域の評価の後に、ステップS001、S002を実施してもよい。また、路面状態の測定の後に、ステップS003のネットワークの帯域の評価を行い、その後に、測定データの重要度の計算を行っても良い。もちろん、ステップS001、S002と、ステップS003とを並列的に実施してもよい。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、測定車両200からの測定データの送信を最適化することが可能となる。その理由は、測定データの重要度を計算するだけでなく、ネットワークの帯域を評価し、両者に基づいて、測定データを送信する必要があるか否かを判定する構成を採用したことにある。
【0049】
なお、
図5において、帯域評価の値(レンジ含む)と送信対象とする重要度の閾値との関係性は、固定の値でもよいが、時間帯、実測のデータ量や通信品質(例:パケットロス)をもとに変更してもよい。例えば、特定の時間において、ネットワークが混み合うことが事前に統計データ等の実績値により得られている場合、測定データの送信を抑制するように、ネットワーク帯域の評価の値(レンジ)を通常より高い値に変更してもよい。また、ネットワークの帯域の評価に対し、実際に発生したデータ量が少ないという実績値が得られている場合、測定データを増大させるように、ネットワーク帯域の評価の値(レンジ)を通常より低い値に変更してもよい。また、ネットワークの帯域の評価に対し、実際に発生したデータ量が多いという実績値が得られている場合、測定データを減少させるように、ネットワーク帯域の評価の値(レンジ)を通常より高い値に変更してもよい。さらに、何らかの事由により通信品質の劣化が観測されている場合、測定データの送信を抑制するように、ネットワーク帯域の評価の値(レンジ)を通常より高い値に変更してもよい。もちろん、上記と反対の事象が確認されている場合には、ネットワーク帯域の評価の閾値を通常より低い値に変更することもできる。
【0050】
重要度のレベルを決定するための閾値も同様であり、時間帯、実測のデータ量や道路点検サーバ100の負荷等に応じて閾値を変更してもよい。例えば、特定の時間において、ネットワークが混み合うことが事前に統計データ等により得られている場合、測定データの送信を抑制するように、重要度のレベルの判定の閾値を通常より高い値に変更してもよい。また、ネットワークの帯域の評価に対し、実際に発生したデータ量が少ないという実績値が得られている場合、測定データを増大させるように、重要度のレベルの判定の閾値を通常より低い値に変更してもよい。また、ネットワークの帯域の評価に対し、実際に発生したデータ量が多いという実績値が得られている場合、測定データを減少させるように、重要度のレベルの判定の閾値を通常より高い値に変更してもよい。同様に、大量の測定データの処理により道路点検サーバ100が高負荷状態にあると観測されている場合、測定データの送信を抑制するように、重要度のレベルの判定の閾値を通常より高い値に変更してもよい。もちろん、上記と反対の事象が確認されている場合には、重要度のレベルの判定の閾値を通常より低い値に変更することもできる。
【0051】
さらには、上述の実測データの増減や通信品質の劣化等が局所的に発生する場合、実測データや通信品質の測定を行うことなく、該当するエリア、区間に適用するテーブルそのものを補正してしまってもよい。このようにすることで、例えば、過去同じ場所を走行したときの通信実績を基に、帯域評価の値(レンジ含む)や重要度の閾値を最適化することができる。
【0052】
[第2の実施形態]
続いて、ネットワークの帯域の評価機能を道路点検サーバ側に配置した第2の実施形態について説明する。
図7、8は、本発明の第2の実施形態の構成を示す図である。
図3、
図4に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、帯域評価部101が道路点検サーバ100aに配置され、制御サーバとして機能する点である。これに伴い、道路点検サーバ100aには、帯域評価通知部102が備えられている。その他の構成は第1の実施形態とほぼ同様であるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0053】
帯域評価部101は、測定車両200aと、道路点検サーバ100aとの間の測定データの送信に用いるネットワークの帯域の評価を行う。ネットワークの帯域の評価の方法は、第1の実施形態と同様の方法を用いることができるので説明を省略する。
【0054】
帯域評価通知部102は、測定車両200aに対し、前記評価したネットワークの帯域の評価情報を通知する。
【0055】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態の測定車両の動作を表したフローチャートである。以下の説明では、測定車両200aは、道路点検サーバ100aの帯域評価通知部102から、所定の時間間隔、測定車両からの要求等の所定のタイミングでネットワークの帯域の評価情報を受信しているものとして説明する。
【0056】
図6に示した第1の実施形態の測定車両の動作と異なる点は、ステップS003のネットワークの帯域の評価処理が省略されている点である。その他の動作は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0057】
以上説明したように、本発明は、ネットワークの帯域の評価機能を、道路点検サーバ100a側に配置した構成においても実現できる。なお、上記した実施形態では、道路点検サーバ100aがネットワークの帯域の評価を行うものとして説明したが、道路点検サーバ100a以外のサーバ等に、ネットワークの帯域の評価を行わせてもよい。
【0058】
例えば、上記した実施形態では、
図2、
図5、
図11に例示したテーブルを用いて、測定データの送信を制御するものとして説明したが、測定データの送信の制御の形態は、
図2、
図5、
図11に例示した形態に限られない。例えば、重要度レベルが相対的に低い測定データであっても、一定回数連続して観測された場合には、道路管理上、重要な意味を持つ場合がある。同様に、重要度レベルが相対的に低い測定データであっても、一定期間の間に一定の頻度以上で観測された場合には、道路管理上、重要な意味を持つ場合がある。このような測定データの送信に対応するためには、例えば、
図10に示すようにテーブルに送信条件を追加すればよい。
図10の例では、評価したネットワークの帯域が「中」、「低」である場合の測定データの送信条件として「連続してレベル2が3回以上」、「連続してレベル3、4が2回以上」が追加されている。また、「連続して」ではなく、「過去n分の間に」など、所定の期間に一定の頻度以上であることを送信条件としてもよい。これにより、ネットワークの帯域が「中」であっても、測定データの重要度がレベル2の測定データが過去n分の間に3回以上観測された場合に、測定車両200、200aから道路点検サーバ100、100aに測定データを送信させることが可能となる。これは、ネットワークの帯域が「中」であっても、測定データの重要度がレベル2の測定データが過去n分の間に3回以上観測された場合に、重要度閾値をレベル2にするともいえる。同様に、ネットワークの帯域が「低」であっても、測定データの重要度がレベル3、4の測定データが2回以上観測された場合に、測定車両200、200aから道路点検サーバ100、100aに測定データを送信させることが可能となる。ネットワークの帯域が「低」であっても、測定データの重要度がレベル3、4の測定データが2回以上観測された場合に、重要度閾値をレベル3にするともいえる。なお、送信条件に加える重要度レベルやその期間や回数は、道路点検サーバ100、100aへの報告対象に加えたい道路の異常モード等に応じて設定することができる。
【0059】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したシステムの構成、各要素の構成、データの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0060】
また、上記した各実施形態では、測定車両200、200aからのデータ送信を制御の対象とするものとして説明したが、測定車両200、200aにおけるデータの測定そのものを制御の対象としてもよい。この場合、測定車両200、200aの制御部204は、評価したネットワークの帯域と、測定データの重要度とに基づいて、測定データの作成を制御することになる。この構成によっても、測定データの作成と送信が抑止されることにより、測定車両200、200aからの測定データの送信を最適化することが可能となる。
【0061】
また、上記した第1~第2の実施形態に示した手順は、車載装置や道路点検サーバとして機能するコンピュータ(
図12の9000)に、これらの装置としての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、
図12のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インターフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、
図12のCPU9010にて、測定データの重要度計算処理プログラムやネットワークの帯域評価プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメーターの更新処理を実施させればよい。
【0062】
即ち、上記した第1~第2の実施形態に示した各装置の各部(処理手段、機能)は、これらの装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0063】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による車載装置参照)
[第2の形態]
上記した車載装置の制御部は、前記ネットワーク帯域に基づいて、前記測定データの重要度の閾値を決定し、前記決定した閾値と前記測定データの重要度とを比較して前記制御を行う構成を採ることができる。
[第3の形態]
上記した車載装置の制御部は、前記ネットワーク帯域が相対的に低い場合、前記閾値を、前記ネットワーク帯域が相対的に高い場合よりも高い値に決定し、前記決定した閾値よりも高い重要度の測定データを作成又は送信する構成を採ることができる。
[第4の形態]
上記した車載装置において、前記帯域評価部は、前記ネットワーク帯域を複数のレベルにクラス分けし、前記制御部は、前記測定データの重要度の閾値を前記レベル毎に定めたテーブルを参照して、前記測定データの前記サーバへの送信を制御する構成を採ることができる。
[第5の形態]
上記した車載装置の制御部は、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データの量と前記測定データ送信時の通信品質の少なくともいずれか一方の実績値に基づいて、前記ネットワーク帯域と前記重要度の閾値との対応関係を決定する構成を採ることができる。
[第6の形態]
上記した車載装置の制御部は、前記ネットワーク帯域と前記測定データの重要度とに基づいて送信対象となった測定データを含む時間的に連続した測定データを作成して前記サーバに送信するよう、前記測定データの作成又は前記送信部による前記測定データの前記サーバへの送信を制御する構成を採ることができる。
[第7の形態]
上記した車載装置の帯域評価部は、ネットワークに含まれる無線通信網の無線品質、該無線通信網の周波数帯域幅、該無線通信網の混雑度、該無線通信網の種類、時間帯、前記サーバの負荷の少なくとも1つ以上を用いて、前記ネットワーク帯域を評価する構成を採ることができる。
[第8の形態]
上記した車載装置の重要度計算部は、前記測定データの確からしさを示す信頼度を計算し、前記信頼度が高い測定データに、高い重要度を付与する構成を採ることができる。
[第9の形態]
上記した車載装置の重要度計算部は、前記測定データの測定環境を用いて、前記信頼度を計算する構成を採ることができる。
[第10の形態]
上記した車載装置の重要度計算部は、前記測定データから前記路面状態の劣化の深刻度を計算し、前記路面状態の劣化の深刻度の高い測定データに、高い重要度を付与する構成を採ることができる。
[第11の形態]
上記した車載装置の重要度計算部は、前記測定を実施した位置情報から、道路の種別を特定し、前記種別によって定まる要求品質基準の高い道路で測定した測定データに、高い重要度を付与する構成を採ることができる。
[第12の形態]
(上記第2の視点による制御サーバ参照)
[第13の形態]
(上記第3の視点による測定データの収集方法参照)
[第14の形態]
(上記第4の視点によるプログラム参照)
なお、上記第12~第14の形態は、第1の形態と同様に、第2~第11の形態に展開することが可能である。
【0064】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0065】
20 車載装置
21、201 測定部
22、101、202 帯域評価部
23、203 重要度計算部
24、204 制御部
25、205 送信部
100、100a 道路点検サーバ
102 帯域評価通知部
200、200a 測定車両
206 カメラ
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インターフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置