(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06V 40/18 20220101AFI20250401BHJP
G06V 40/50 20220101ALI20250401BHJP
G06V 40/40 20220101ALI20250401BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250401BHJP
【FI】
G06V40/18
G06V40/50
G06V40/40
G06T7/00 Q
(21)【出願番号】P 2023550924
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2021036180
(87)【国際公開番号】W WO2023053359
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 宏和
(72)【発明者】
【氏名】大湊 真二
(72)【発明者】
【氏名】周 一峰
【審査官】藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-102524(JP,A)
【文献】特開2013-077067(JP,A)
【文献】特開2009-015518(JP,A)
【文献】特開2008-158678(JP,A)
【文献】特開2017-142772(JP,A)
【文献】特表2012-519927(JP,A)
【文献】特開2006-126899(JP,A)
【文献】特開2005-062231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06- 5/22
G06T 1/00
G06T 7/00
G06V 40/00-40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像と前記品質スコアの算出とを並行して実行する第1モードと、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像の後に前記品質スコアの算出を実行する第2モードと、を切り替えるモード切替手段と、
前記品質スコア
と閾値との比較に基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記閾値を変更する閾値変更手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、
前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、
認証に用いる顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に複数の認証対象が含まれる場合に、前記認証対象を認証する順番を示す情報を、前記複数の認証対象が写り、且つ前記認証対象に提示する画面上に重畳表示するように出力する順番出力手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項3】
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、
前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、
前記登録対象の前記顔画像を撮像した後、前記登録対象の目周辺に第1マークを重畳表示すると共に、前記虹彩画像を撮像するのに適した前記目周辺の大きさを示す第2マークを重畳表示する重畳表示手段と、
前記第1マークが前記第2マークに重なった場合に、前記登録対象の前記虹彩画像を撮像するように制御する撮像制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項4】
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像と前記品質スコアの算出とを並行して実行する第1モードと、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像の後に前記品質スコアの算出を実行する第2モードと、を切り替えるモード切替手段と、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記選択手段が登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する際に用いる前記品質スコアの閾値を変更する閾値変更手段と、
を更に備える請求項
2又は3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
認証に用いる顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に複数の認証対象が含まれる場合に、前記認証対象を認証する順番を示す情報を、前記複数の認証対象が写る画面上に重畳表示するように出力する順番出力手段を更に備える請求項1又は
3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記登録対象の前記顔画像を撮像した後、前記登録対象の目周辺に第1マークを重畳表示すると共に、前記虹彩画像を撮像するのに適した前記目周辺の大きさを示す第2マークを重畳表示する重畳表示手段と、
前記第1マークが、前記第2マークに重なった場合に、前記登録対象の前記虹彩画像を撮像するように制御する撮像制御手段と、
を更に備える請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
認証対象から虹彩カメラまでの距離と、前記認証対象の速度と、に基づいて前記虹彩画像を撮像する際の前記認証対象の虹彩の位置を予測する予測手段と、
予測した前記虹彩の位置に基づいて、前記虹彩カメラの画角を調整する虹彩カメラ調整手段と、
を更に備える請求項1から
6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
複数の前記虹彩画像の中から、まつ毛が虹彩に掛かっていない前記虹彩画像を特定して、認証に用いる前記虹彩画像として出力する虹彩画像特定手段を更に備える請求項1から
7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
まつ毛が掛かっている複数の前記虹彩画像を合成して、まつ毛が掛かっている領域を補完し、該補完した画像を認証に用いる画像として出力する虹彩画像補完手段を更に備える請求項1から
8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記画像取得手段は、第1の認証対象の顔画像及び虹彩画像と、第2の認証対象の顔画像及び虹彩画像とを取得し、
第1の認証対象の顔画像及び虹彩画像を用いて、認証を行う第1のアプリケーションと、
第2の認証対象の顔画像及び虹彩画像を用いて、認証を行う第2のアプリケーションと、
前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションを並列で稼働し、第1の認証対象及び第2の認証対象の認証をそれぞれ制御する並列認証手段と、
を更に備え、
前記並列認証手段は、第1認証対象の顔画像及び片目画像を用いて前記第1認証対象の認証を行い、第2認証対象の顔画像及び片目画像を用いて前記第2認証対象の認証を行う、
請求項1から
9のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
少なくとも1つのコンピュータが実行する情報処理方法であって、
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像と前記品質スコアの算出とを並行して実行する第1モードと、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像の後に前記品質スコアの算出を実行する第2モードと、を切り替え、
前記品質スコア
と閾値との比較に基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択し、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記閾値を変更する、
情報処理方法。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピュータが実行する情報処理方法であって、
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、
前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択し、
認証に用いる顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に複数の認証対象が含まれる場合に、前記認証対象を認証する順番を示す情報を、前記複数の認証対象が写り、且つ前記認証対象に提示する画面上に重畳表示するように出力する、
情報処理方法。
【請求項13】
少なくとも1つのコンピュータが実行する情報処理方法であって、
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、
前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択し、
前記登録対象の前記顔画像を撮像した後、前記登録対象の目周辺に第1マークを重畳表示すると共に、前記虹彩画像を撮像するのに適した前記目周辺の大きさを示す第2マークを重畳表示し、
前記第1マークが前記第2マークに重なった場合に、前記登録対象の前記虹彩画像を撮像するように制御する、
情報処理方法。
【請求項14】
少なくとも1つのコンピュータに、
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像と前記品質スコアの算出とを並行して実行する第1モードと、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像の後に前記品質スコアの算出を実行する第2モードと、を切り替え、
前記品質スコア
と閾値との比較に基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択し、
前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記閾値を変更する、
情報処理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項15】
少なくとも1つのコンピュータに、
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、
前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択し、
認証に用いる顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に複数の認証対象が含まれる場合に、前記認証対象を認証する順番を示す情報を、前記複数の認証対象が写り、且つ前記認証対象に提示する画面上に重畳表示するように出力する、
情報処理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項16】
少なくとも1つのコンピュータに、
登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、
前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、
前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択し、
前記登録対象の前記顔画像を撮像した後、前記登録対象の目周辺に第1マークを重畳表示すると共に、前記虹彩画像を撮像するのに適した前記目周辺の大きさを示す第2マークを重畳表示し、
前記第1マークが前記第2マークに重なった場合に、前記登録対象の前記虹彩画像を撮像するように制御する、
情報処理方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、生体認証に用いる画像の品質を評価するものが知られている。例えば特許文献1では、複数の眼画像のうち、眼画像評価部において最もよいと評価された眼画像を登録認証情報として記憶させることが開示されている。特許文献2では、画像から顔や目の領域を抽出できなかった場合には、撮影品質としてFalseを返し、顔領域と眼の領域の両方を抽出できた場合には、撮影品質としてTrueを返すことが開示されている。特許文献3では、被認証者の少なくとも眼を含む画像の撮影を繰り返して行い、画質判定部で画質が良いと判定された画像を出力することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-159610号公報
【文献】特開2019-191898号公報
【文献】特開2006-163683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この開示は、先行技術文献に開示された技術を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この開示の情報処理システムの一の態様は、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、を備える。
【0006】
この開示の情報処理装置の一の態様は、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、を備える。
【0007】
この開示の情報処理方法の一の態様は、少なくとも1つのコンピュータが実行する情報処理方法であって、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する。
【0008】
この開示の記録媒体の一の態様は、少なくとも1つのコンピュータに、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する、情報処理方法を実行させるコンピュータプログラムが記録されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る情報処理システムが備える認証端末の構成を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る情報処理システムの変形例の機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る情報処理システムによる登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理システムによる撮像動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図8】第2実施形態に係る情報処理システムによる登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第3実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図10】第3実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の流れを示すフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係る情報処理システムによる順番表示の一例を示す平面図である。
【
図12】第4実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図13】第4実施形態に係る情報処理システムによる虹彩撮像動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】第5実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図15】第5実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の流れを示すフローチャートである。
【
図16】第6実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図17】第6実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の流れを示すフローチャートである。
【
図18】第7実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図19】第8実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の具体例を示す平面図である。
【
図20】第9実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図21】第9実施形態に係る情報処理システムにおける表示例を示す平面図(その1)である。
【
図22】第9実施形態に係る情報処理システムにおける表示例を示す平面図(その2)である。
【
図23】第10実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図24】第10実施形態に係る情報処理システムの第1登録制御部による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図25】第10実施形態に係る情報処理システムの第2登録制御部による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図26】第11実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図27】第11実施形態に係る情報処理システムによるなりすまし検知動作の一例を示す平面図である。
【
図28】第12実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図29】第12実施形態に係る情報処理システムによる認証方法決定動作の流れを示すフローチャートである。
【
図30】第13実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図31】第14実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体の実施形態について説明する。
【0011】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る情報処理システムについて、
図1から
図6を参照して説明する。
【0012】
(ハードウェア構成)
まず、
図1を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。情報処理システム10は更に、入力装置15と、出力装置16と、を備えていてもよい。また、情報法処理システム10は、第1カメラ18と、第2カメラ19と、を備えていてもよい。上述したプロセッサ11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16と、第1カメラ18と、第2カメラ19とは、データバス17を介して接続されている。
【0014】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、プロセッサ11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、プロセッサ11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。プロセッサ11は、ネットワークインタフェースを介して、情報処理システム10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。プロセッサ11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、プロセッサ11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ11内には、対象の画像を登録する際の処理を実行する機能ブロックが実現される。即ち、プロセッサ11は、情報処理装置10における各制御を実行するコントローラとして機能してよい。
【0015】
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されてよい。プロセッサ11は、これらのうち一つで構成されてもよいし、複数を並列で用いるように構成されてもよい。
【0016】
RAM12は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムを実行している際にプロセッサ11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0017】
ROM13は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0018】
記憶装置14は、情報処理システム10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、プロセッサ11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0019】
入力装置15は、情報処理システム10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。入力装置15は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末として構成されていてもよい。
【0020】
出力装置16は、情報処理システム10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、情報処理システム10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。また、出力装置16は、情報処理システム10に関する情報を音声出力可能なスピーカ等であってもよい。出力装置16は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末として構成されていてもよい。
【0021】
第1カメラ18及び第2カメラ19は、対象の画像を撮像可能な箇所に設置されたカメラである。なお、ここでの対象は、人間だけに限られず、犬や蛇等の動物、ロボット等を含むものであってよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、それぞれ対象の異なる部分を撮像するカメラとして構成されてよい。例えば、第1カメラ18が対象の顔を含む画像(以下、適宜「顔画像」と称する)を撮像する一方で、第2カメラ19は対象の虹彩を含む画像(以下、適宜「虹彩画像」と称する)を撮像するように構成されてよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、静止画を撮像するカメラであってもよいし、動画を撮像するカメラであってもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、可視光カメラとして構成されてもよいし、近赤外線カメラとして構成されてよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、深度カメラとして構成されてもよいし、サーマルカメラとして構成されてよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、それぞれ複数台設けられていてもよい。また、第1カメラ18及び第2カメラ19は共通する1つのカメラとして構成されてもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、対象が有する端末(例えば、スマートフォン)に搭載されたカメラであってもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、例えば画像を撮像しない場合には、自動的に電源オフとなる機能を備えていてもよい。この場合、例えば液体レンズやモータ等の寿命が短いものを優先して電源オフにするようにしてもよい。なお、以下では、第1カメラ18が顔画像を撮像する顔カメラとして構成され、第2カメラ19が虹彩画像を撮像する虹彩カメラとして構成される例を挙げて説明する(以下では、第1カメラ18の一例である顔カメラに「顔カメラ18」、第2カメラ19の一例である虹彩カメラに「虹彩カメラ19」のように共通する符号を付して説明する)。
【0022】
なお、
図1では、複数の装置を含んで構成される情報処理システム10の例を挙げたが、これらの全部又は一部の機能を、1つの装置(情報処理装置)で実現してもよい。この情報処理装置は、例えば、上述したプロセッサ11、RAM12、ROM13のみを備えて構成され、その他の構成要素(即ち、記憶装置14、入力装置15、出力装置16、顔カメラ18、及び虹彩カメラ19)については、例えば情報処理装置に接続される外部の装置が備えるようにしてもよい。また、情報処理装置は、一部の演算機能を外部の装置(例えば、外部サーバやクラウド等)によって実現するものであってもよい。
【0023】
(認証端末の構成)
次に、第1実施形態に係る情報処理システム10が備える認証端末の構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る情報処理システムが備える認証端末の構成を示す斜視図である。
【0024】
図2に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10は、上述した顔カメラ18(即ち、第1カメラ18)及び虹彩カメラ19(即ち、第2カメラ19)を含む認証端末30を備えて構成されている。認証端末30の筐体は、例えば樹脂や金属等により構成されている。認証端末の前面部分には、ディスプレイ40が設けられている。このディスプレイは、認証端末に関する各種情報や、ユーザに対するメッセージ、顔カメラ18及び虹彩カメラ19で撮像された画像や映像が表示されてよい。ディスプレイ40の下部にあるカメラ設置部分35(図中の破線で囲われている部分)には、その内部に顔カメラ18及び虹彩カメラ19が設置されている。なお、カメラ18及び虹彩カメラ19は、筐体の外部から見えるように設けられてもよいし、外部から見えないように設けられてもよい。例えば、第1カメラ18及び第2カメラ19が可視光カメラとして構成される場合、可視光カメラは外部の可視光を取り込むために、外部に露出して設けられてもよい(例えば、可視光カメラ付近に開口部が設けられてもよい。)また、第1カメラ18及び第2カメラ19が近赤外線カメラとして構成される場合、近赤外線カメラは外部に露出しないように設けられてもよい(例えば、可視光カットフィルム等でカバーされてよい)。更に、第1カメラ18が可視光カメラ、第2カメラ19が近赤外線カメラとして構成される場合、第1カメラ18を外部に露出し(例えば第1カメラ18付近に開口部を設ける等)、第2カメラ19は外部に露出しないように設けられてもよい(例えば、可視光カットフィルム等でカバーされてよい)。
【0025】
(機能的構成)
次に、
図3を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
【0026】
第1実施形態に係る情報処理システム10は、生体認証(特に、顔認証及び虹彩認証)に関する処理を実行可能なシステムとして構成される。情報処理システム10は、例えば生体認証に用いる登録画像(即ち、予め登録しておく登録ユーザの画像)を登録するシステムとして構成されてよい。また、情報処理システム10は、認証処理を実行するシステムとして構成されてもよい。情報処理システム10は、例えば生体認証を行う施設等に設置されるものであってよい。例えば、情報処理システム10は、マンション等の住宅施設、小売店等の店舗施設、企業のオフィス、空港、バスターミナル、イベントスペース等に設置されるものであってよい。なお、施設は屋内だけに限られず、屋外施設を含むものとする。
【0027】
図3に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、すでに説明した第1カメラ18の一例である顔カメラ18及び第2カメラ19の一例である虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、を備えて構成されている。画像取得部110、スコア算出部120、及び選択部130の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0028】
画像取得部110は、顔カメラ18で撮像した顔画像、及び虹彩カメラ19で撮像した虹彩画像を取得可能に構成されている。画像取得部110は、生体認証に用いる登録画像の候補として、顔画像及び虹彩画像を取得可能に構成されてよい。具体的には、画像取得部110は、生体情報(ここでは、顔情報及び虹彩情報)を登録しようとしているユーザ(以下、適宜「登録対象」と称する)の顔画像及び虹彩画像を取得可能に構成されてよい。また、画像取得部110は、生体認証に用いる認証用画像(即ち、認証する際に取得される画像)として、顔画像及び虹彩画像を取得可能に構成されてよい。具体的には、画像取得部110は、生体認証(ここでは、顔認証及び虹彩認証)を実行しようとしているユーザ(以下、適宜「認証対象」と称する)の顔画像及び虹彩画像を取得可能に構成されてよい。
【0029】
スコア算出部120は、画像取得部110で取得された登録画像の候補である顔画像及び虹彩画像について、その品質を示す品質スコアを算出可能に構成されている。スコア算出部120は、生体認証に影響し得る複数の要素を考慮して品質スコアを算出してよい。例えば、スコア算出部120は、画像のボケ具合、目の向き、顔の向き、目の開き具合、虹彩の隠れ具合、輝度値、影の有無、照明の当たり具合等に基づいて品質スコアを算出してよい。スコア算出部120は、画像取得部110で複数の画像が取得された場合に、複数の画像の各々について品質スコアを算出してよい。この場合、スコア算出部120は、複数の画像を互いに比較して品質スコアを算出してよい。即ち、スコア算出部120は、相対的な品質を示すスコアを算出するように構成されてもよい。なお、スコア算出部120は、複数の画像を比較する場合に、品質スコアを算出せず、複数の画像の中で最も品質がよい画像(例えば、最もブレが少なく、虹彩がよく写っている画像)を選択するようにしてもよい。例えば、3枚の画像を比較する場合、スコア算出部120は、まず1枚目と2枚目の画像を比較して、品質が高い方の画像を選択し、その後、選択した画像と3枚目の画像とを比較して、最も品質が高い画像を選択してよい。スコア算出部120で算出された品質スコアは、選択部130に出力される構成となっている。
【0030】
選択部130は、スコア算出部120で算出された品質スコアに基づいて、登録画像として登録する顔画像及び虹彩画像を選択する。選択部130は、例えばスコアが算出された複数の画像のうち、最も品質スコアの高いものを選択するようにしてもよい。或いは、選択部130は、品質スコアが予め設定された閾値以上であるものを選択するようにしてもよい。選択部130は、登録する画像を選択した場合に、それ以上の画像を取得しないように画像取得部110に指示を出力してもよい。或いは、選択部130は、登録する画像を選択した場合に、それ以上の画像を撮像しないように顔カメラ18や虹彩カメラ19に指示を出力してもよい。
【0031】
(変形例)
ここで、
図4を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム10の変形例について説明する。
図4は、第1実施形態に係る情報処理システムの変形例の機能的構成を示すブロック図である。なお、
図4では、
図3で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0032】
図4に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10の変形例は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、対象位置検出部115と、回転制御部116と、スコア算出部120と、選択部130と、を備えて構成されている。即ち、変形例に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、対象検出部115と、回転制御部116と、を更に備えて構成されている。対象位置検出部115及び回転制御部116の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0033】
対象位置検出部115は、顔カメラ18及び虹彩カメラ19で撮像した画像を取得し、それらの画像の少なくとも一方から撮像したユーザの位置(以下、適宜「対象位置」と称する)を検出可能に構成されている。対象の位置は、例えば、対象の顔が存在する位置であってもよいし、対象の目が存在する位置であってもよい。また、対象の位置は、高さ方向の位置だけでなく、カメラのまでの距離に対応する奥行き方向の位置や、左右方向の位置であってもよい。
【0034】
回転制御部116は、対象位置検出部115で検出された対象の位置に基づいて、顔カメラ18及び虹彩カメラ19の回転制御を行うことが可能に構成されている。顔カメラ18及び虹彩カメラ19の回転制御は、例えばモータ等によって実現されてよい。また、顔カメラ18及び虹彩カメラ19は、共通する回転軸を中心に回転制御されてよい。回転制御部116は、例えば、顔カメラ18及び虹彩カメラ19の回転方向及び回転量を決定して、決定したパラメータに応じた制御を実行可能に構成されている。具体的には、回転制御部116は、顔カメラ18及び虹彩カメラ19の各々でユーザの顔及び虹彩を撮像できるように(言い換えれば、顔カメラ18及び虹彩カメラ19の各々の撮像範囲に、ユーザの顔及び虹彩が収まるように)、顔カメラ18及び虹彩カメラ19の回転動作を制御する。
なお、顔カメラ18及び虹彩カメラ19では、それぞれのカメラで撮像範囲が異なる場合がある(例えば、顔カメラの撮像範囲が広くなる)。このような場合、最初に撮像範囲が広い顔カメラ18で対象位置を検出し、撮像範囲が狭い虹彩カメラ19で虹彩を撮像できるように回転を制御してもよい。
【0035】
なお、対象位置検出部115による位置検出と、回転制御部116による回転動作は、同時に並行して実行されてよい。この場合、顔カメラ18及び虹彩カメラ19で撮像しながら、対象位置が検出され、同時に検出された位置に基づく回転動作が行われてよい。
【0036】
(登録動作)
次に、
図5を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム10による認証に用いる画像を登録する動作(以下、適宜「登録動作」と称する)の流れについて説明する。
図5は、第1実施形態に係る情報処理システムによる登録動作の流れを示すフローチャートである。
【0037】
図5に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10による登録動作が開始されると、まず画像取得部110が、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する(ステップS110)。顔画像及び虹彩画像は、同時に撮像されたものであってもよいし、別々のタイミングで撮像されたものであってもよい。
【0038】
続いて、スコア算出部120が、画像取得部110で取得された顔画像及び虹彩画像の品質スコアを算出する(ステップS102)。そして、選択部130が、スコア算出部120で算出された品質スコアに基づいて、登録する顔画像及び虹彩画像を選択する(ステップS103)。
【0039】
なお、上述した例では、顔画像及び虹彩画像を同時に登録する構成を挙げたが、顔画像及び虹彩画像は、それぞれ別々に登録されてもよい。例えば、顔画像を取得して、登録する顔画像を選択してから、虹彩画像を取得して、登録する虹彩画像を選択するようにしてもよい。以下では、顔画像及び虹彩画像を撮像する際の動作(以下、「適宜撮像動作」と称する)の一例について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、第1実施形態に係る情報処理システムによる撮像動作の流れを示すフローチャートである。
【0040】
図6に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10による撮像動作が開始されると、まず顔カメラ18が対象の画像を撮像する(ステップS151)。対象の画像は、例えば、対象の全身を含む画像や、上半身を含む画像であってよい。そして、顔検出部が、対象の画像から対象の顔の位置を特定する(ステップS152)。顔検出部は、対象の顔の位置(例えば、対象の顔を含む領域の位置)を検出可能であり、例えば画像取得部110が備えるもの(即ち、画像取得部110の一機能)として構成されてよい。その後、顔カメラ18は、特定した対象の顔の位置に基づいて、対象の顔画像を撮像する(ステップS153)。顔カメラ18は、例えば対象の顔の位置が撮像範囲に含まれるタイミングで顔画像を撮像するようにしてよい。
【0041】
続いて、虹彩検出部が、対象の顔画像から対象の位置を特定する(ステップS154)。虹彩検出部は、対象の虹彩の位置(例えば、対象の虹彩を含む領域の位置)を検出可能であり、例えば画像取得部110が備えるもの(即ち、画像取得部110の一機能)として構成されてよい。その後、虹彩カメラ19が、特定した対象の虹彩の位置に基づいて、対象の虹彩画像を撮像する(ステップS155)。虹彩カメラ19は、例えば虹彩位置が撮像範囲に含まれるタイミング、或いは虹彩が合掌位置に重なるタイミングで虹彩画像を撮像するようにしてよい。
【0042】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0043】
図1から
図6で説明したように、第1実施形態に係る情報処理システム10では、品質スコアに基づいて、登録する顔画像及び虹彩画像が選択される。このようにすれば、品質の高い顔画像及び虹彩画像を登録することが可能となる。その結果、例えば顔認証及び虹彩認証の認証精度を向上させることができる。
【0044】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る情報処理システム10について、
図7及び
図8を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0045】
(機能的構成)
まず、
図7を参照しながら、第2実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図7は、第2実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図7では、
図3で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0046】
図7に示すように、第2実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、モード切替部140と、閾値変更部150と、を備えて構成されている。即ち、第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、モード切替部140と、閾値変更部150と、を更に備えている。モード切替部140、及び閾値変更部150の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0047】
モード切替部140は、登録動作のモードを切替可能に構成されている。具体的には、モード切替部140は、顔画像及び虹彩画像の撮像と品質スコアの算出とを並行して実行する第1モードと、顔画像及び虹彩画像の撮像の後に品質スコアの算出を実行する第2モードと、を切替可能に構成されている。モード切替部140は、登録対象の目の大きさに基づいて、第1モードと第2モードとを切り替える。或いは、モード切替部140は、虹彩の写り具合(例えば、虹彩がまぶたに隠れていないか、照明が反射して虹彩が隠れていないか等)に基づいて、第1モードと第2モードとを切り替えてもよい。例えば、モード切替部140は、登録対象の目が比較的小さい場合に第1モードに切り替え、登録対象の目が比較的大きい場合に第2モードに切り替えるようにしてよい。この場合、モード切替部140は、目の大きさに対して予め設定された閾値を用いて、第1モードと第2モードとを切り替えてよい。
【0048】
閾値変更部150は、選択部230が登録する顔画像及び虹彩画像を選択する際に用いる閾値を変更可能に構成されている。閾値変更部150は、例えば登録対象の目が大きいほど閾値を高くするように構成されてよい。この場合、登録対象の目が大きい場合に閾値が高くなるため、目が大きい登録対象については、登録する顔画像及び虹彩画像が選択されにくくなる。一方で、登録対象の目が小さい場合に閾値が低くなるため、目が小さい登録対象については、登録する顔画像及び虹彩画像が選択されやすくなる。また、閾値変更部150は、例えば登録対象の目が大きいほど閾値を低くするように構成されてよい。この場合、登録対象の目が大きい場合に閾値が低くなるが、目が大きい登録対象については品質の高い画像を取得できる可能性が高いため、閾値を下げても(言い換えれば、多少のブレがあったり、虹彩に照明が写っていたりしたとしても)、適切な画像を登録することができる。一方で、登録対象の目が小さい場合には閾値が高くなるため、目が小さい登録対象については、より品質の高い画像を取得できる(例えば、何度も撮り直してもらうことで、品質の高い画像を取得できる)。閾値変更部150は、虹彩の移り具合に基づいて閾値を変更するように構成されてもよい。例えば、閾値変更部150は、虹彩の写り具合がよいほど閾値を高くしてよい。或いは、閾値変更部150は、虹彩の写り具合がよいほど閾値を低くしてもよい。また、閾値変更部150は、眼鏡やカラーコンタクトを検知する機能を有し、検知結果に応じて閾値を変更するようにしてもよい。例えば、眼鏡やカラーコンタクトを検知した場合には、検知しない場合と比べて閾値を高く設定する(例えば、眼鏡有りの場合には、眼鏡無しの場合に比べて何度も画像を撮影する)ようにしてもよい。
【0049】
(登録動作)
次に、
図8を参照しながら、第2実施形態に係る情報処理システム10による登録動作の流れについて説明する。
図8は、第2実施形態に係る情報処理システムによる登録動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図8では、
図5で説明した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0050】
図8に示すように、第2実施形態に係る情報処理システム10による登録動作が開始されると、まず登録対象の目の大きさが取得される(ステップS201)。目の大きさは、例えば登録対象の画像(例えば、顔画像や虹彩画像)から取得されてよい。その後、モード切替部140が、目の大きさが所定値より小さいか否かを判定する(ステップS202)。
【0051】
目の大きさが所定値より小さい場合(ステップS202:YES)、モード切替部140は、第1モードへの切り替えを行う(ステップS203)。即ち、顔画像及び虹彩画像の撮像と品質スコアの算出とを並行して実行するモードに切り替える。一方、目の大きさが所定値より大きい場合(ステップS202:NO)、モード切替部140は、第2モードへの切り替えを行う(ステップS204)。即ち、顔画像及び虹彩画像の撮像の後に品質スコアの算出を実行するモードに切り替える。
【0052】
続いて、閾値変更部150が、登録対象の目の大きさに応じて選択部130が用いる閾値を変更する(ステップS205)。そして、選択部130は、変更後の閾値を用いて、登録する顔画像及び虹彩画像を選択する(ステップS206)。
【0053】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0054】
図7及び
図8で説明したように、第2実施形態に係る情報処理システム10では、目の大きさに基づいて、登録動作のモードの切替及び閾値の変更が行われる。ここで特に、目の小さい登録対象については、品質スコアの高い画像を取得しにくい。このため、第1モードで登録動作を行うことで、より適切に品質スコアの高い画像を取得することができる。例えば、品質スコアの高い画像が取得できるまで撮像を繰り返して、品質スコアの高い画像を取得することができる。また、目の小さい登録対象については、閾値を低く変更することで、品質スコアの高い画像が取得されにくくても、登録する顔画像及び虹彩画像が選択されやすくなる。一方、目の大きい登録対象については、品質スコアの高い画像を取得しやすい。このため、第2モードで登録動作を行うことで、より効率的に登録動作を行うことができる。例えば、先に顔画像及び虹彩画像の撮像を済ませておくことで、撮像に要する時間(即ち、登録対象をカメラの前で待機させる時間)を短くすることができる。また、目の大きい登録対象については、閾値を高く変更することで、より品質の高い顔画像及び虹彩画像を選択することが可能となる。
【0055】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る情報処理システム10について、
図9から
図11を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と一部の構成及び動作が異なるものであり、その他の部分については第1及び第2実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0056】
(機能的構成)
まず、
図9を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図9は、第3実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図9では、
図3で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0057】
図9に示すように、第3実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース(DB)210と、順番出力部220と、認証部230と、を備えて構成されている。即ち、第3実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、登録情報データベース210と、順番出力部220と、認証部230と、を更に備えている。登録情報データベース210は、例えば上述した記憶装置14によって実現されるものであってよい。また、順番出力部220、及び認証部230の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0058】
登録情報データベース210は、認証に用いる登録画像を記憶可能に構成されたデータベースである。登録情報データベース210は、選択部130で選択された顔画像及び虹彩画像を記憶する。或いは、登録情報データベース210は、選択部130で選択された顔画像及び虹彩画像から抽出される特徴量を記憶してもよい。登録情報データベース210は、顔画像及び虹彩画像を互いに紐付けて記憶可能に構成されてよい。ただし、登録情報データベース210は、顔画像及び虹彩画像の一方のみを記憶可能に構成されてよい。登録情報データベース210に記憶されている情報には有効期限が設定されてよい。例えば、一時的なゲストに関する情報は、登録から所定期間経過後(例えば1週間後)に自動的に削除されてよい。登録情報データベース210に記憶された情報は、所定の権限を有するユーザ(例えば、システム管理者や登録ユーザ等)によって確認可能に構成されてよい。登録情報データベース210に記憶された顔画像及び虹彩画像は、後述する認証部230によって適宜読み出し可能とされている。
【0059】
順番出力部220は、認証する際に取得された顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に認証対象が複数含まれている場合、認証する順番に関する情報(以下、適宜「順番情報」と称する)を出力可能に構成されている。より具体的には、順番出力部220は、順番情報を、複数の認証対象が写る画面上に重畳表示するように出力可能に構成されている。認証する順番は、例えば画像における認証対象の大きさに基づいて決定されてよい。例えば、最も大きく写り込んでいる認証対象の順番が早く、小さく写り込んでいる認証対象の順番が遅くなるように決定されてよい。或いは、目間距離や深度カメラの画像を用いて、カメラに近い順番で認証するようにしてもよい。ただし、認証する順番は、ランダムで決定されてもよい。順番情報は、複数の認証対象に向けて出力されてよい。順番情報は、例えばディスプレイ等を用いて画像表示されてもよいし、スピーカ等を用いて音声出力されてもよい。順番情報の具体的な出力例については後に詳しく説明する。
【0060】
認証部230は、認証する際に取得された認証対象の顔画像及び虹彩画像と、登録情報データベース210に登録された登録対象の顔画像及び虹彩画像と、を比較することで認証処理(即ち、顔認証及び虹彩認証)を実行可能に構成されている。なお、認証部230は、顔画像から抽出される顔特徴量と、虹彩画像から抽出される虹彩特徴量と、を用いて認証処理を実行可能に構成されてもよい。認証部230は、顔認証及び虹彩認証を別々に実行し、それらの結果を統合した認証結果を出力するようにしてもよい。例えば、認証部230は、虹彩認証及び虹彩認証の両方が成功した場合に、認証結果が成功であると出力し、虹彩認証及び虹彩認証の少なくとも一方が失敗した場合に、認証結果が失敗であると出力してよい。或いは、認証部230は、虹彩認証及び虹彩認証の少なくとも一方が成功した場合に、認証結果が成功であると出力し、虹彩認証及び虹彩認証の両方が失敗した場合に、認証結果が失敗であると出力してもよい。
【0061】
また、第3実施形態に係る認証部230は特に、順番出力220が出力した順番情報どおりに認証を行う。例えば、順番出力部220から、対象Aの順番が「1」、対象Bの順番が「2」という順番情報が出力されている場合、認証部230は、まず対象Aの認証処理を行い、その後に対象Bの認証処理を行う。なお、ここでの順番は、その対象が何番目に認証するかを示すものであり、例えば「1」は、その対象を1番目に認証することを示し、順番「2」は、その対象を2番目に認証することを示す。
【0062】
(認証動作)
次に、
図10を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理システム10による顔画像及び虹彩画像を用いた認証を行う際の動作(以下、適宜「認証動作」と称する)の流れについて説明する。
図10は、第3実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の流れを示すフローチャートである。
【0063】
図10に示すように、第3実施形態に係る情報処理システム10による認証動作が開始されると、まず画像取得部110が、認証対象の顔画像及び虹彩画像を取得する(ステップS301)。その後、順番出力部220が、画像取得部110で取得された顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に複数の認証対象が存在しているか否か(即ち、写り込んでいるか否か)を判定する(ステップS302)。
【0064】
複数の認証対象が存在する場合(ステップS302:YES)、順番出力部220は、複数の認証対象について認証する順番を決定して順番情報を出力する(ステップS304)。この場合、認証部230は、順番情報に応じた順番で認証処理を実行する(ステップS305)。
【0065】
一方、複数の認証対象が存在しない場合(ステップS302:NO)、順番出力部220は、順番情報を出力しない(即ち、ステップS303の処理が省略される)。この場合、認証部230は、画像内の認証対象について通常通り認証処理を実行する(ステップS305)。
【0066】
(順番の表示例)
次に、
図11を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理システム10における順番の表示例(即ち、順番出力部220による順番に関する情報の出力例)について説明する。
図11は、第3実施形態に係る情報処理システムによる順番表示の一例を示す平面図である。
【0067】
図11に示すように、順番情報は、例えば認証する順番を示す数字を画像に重畳表示する情報として出力されてよい。この場合、認証する順番を示す数字が、複数の認証対象の各々の顔の上に表示されてよい。或いは、順番情報は、認証する順番である認証対象以外の顔をぼかして表示する情報として出力されてもよい。例えば、対象Aの順番が「1」、対象Bの順番が「2」、対象Cの順番が「3」である場合、まずは対象Aの顔が通常通り表示され、それ以外の対象の顔はぼかして表示される。その後、対象Aの認証処理が終了すると、対象Bの顔が通常通り表示され、それ以外の対象の顔はぼかして表示される。その後、対象Bの認証処理が終了すると、対象Cの顔が通常通り表示され、それ以外の対象の顔はぼかして表示される。なお、順番が回ってきた対象が、画面中央(即ち、適切な認証位置)に存在せず、例えば画面の端側に存在する場合、上述した順番を示す情報に加えて、対象を適切な位置に誘導するための情報が出力されてよい。例えば、対象Aの認証が終わり、その後の対象Bの認証を行う際に、対象Bが画面の端側に存在する場合、対象B以外の顔をぼかしつつ、対象Bに対して、「もう少し左にずれてください」や「画面内の矢印(対象を移動させたい方向を向いた矢印を表示)の向きに移動してください」等のメッセージを出力してよい。このメッセージは、画面上に表示されてもよいし、スピーカ等で音声出力されてもよい。
【0068】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0069】
図9から
図11で説明したように、第3実施形態に係る情報処理システム10では、複数の認証対象が写り込んでいる場合に順番情報が出力される。このようにすれば、認証対象に認証する順番を知らせることができるため、複数の認証対象が存在する場合であっても適切に認証処理を実行することができる。例えば、複数の認証対象の各々を適切なタイミングで適切な場所に誘導して、精度の高い認証処理を実行することができる。
【0070】
<第4実施形態>
第4実施形態に係る情報処理システム10について、
図12及び
図13を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第3実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0071】
(機能的構成)
まず、
図12を参照しながら、第4実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図12は、第4実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図12では、
図9で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0072】
図12に示すように、第4実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、虹彩位置予測部310と、虹彩カメラ調整部320と、を備えて構成されている。即ち、第3実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、登録情報データベース210と、認証部230と、虹彩位置予測部310と、虹彩カメラ調整部320と、を更に備えている。なお、登録情報データベース210及び認証部230については、上述した第3実施形態と同様のものであってよい。虹彩位置予測部310及び虹彩カメラ調整部320の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0073】
虹彩位置予測部310は、認証対象から虹彩カメラ19までの距離と、認証対象の速度と、に基づいて、虹彩画像を撮像する際の認証対象の虹彩の位置を予測することが可能に構成されている。或いは、虹彩位置予測部310は、現在の認証対象の位置に基づいて、虹彩画像を撮像する際の認証対象の虹彩の位置を予測することが可能に構成されてもよい。例えば、虹彩位置予測部310は、虹彩カメラ19の合焦地点において、認証対象の虹彩がどのくらいの高さとなっているかを予測可能に構成されてよい。なお、認証対象から虹彩カメラ19までの距離、及び認証対象の速度は、各種センサを用いて取得されてもよいし、認証対象の画像から取得されてもよい。虹彩位置予測部310で予測された虹彩の位置は、虹彩カメラ調整部320に出力される構成となっている。
【0074】
虹彩カメラ調整部320は、虹彩位置予測部310で予測された虹彩の位置に基づいて、虹彩カメラ19の画角を調整可能に構成されている。虹彩カメラ19の画角は、例えば虹彩カメラの高さ、左右の位置、角度等を変化させることで調整されてよい。例えば、虹彩カメラ調整部320は、合焦地点で撮像される虹彩画像に対象の虹彩が含まれるように、虹彩カメラ19の高さを調整するようにしてよい。この場合、虹彩カメラ調整部320は、例えば虹彩カメラ19自身を移動させることで高さを調整してよい。或いは、虹彩カメラ調整部320は、高さの異なる複数の虹彩カメラ19の中から、撮像に用いる1つの虹彩カメラ19を選択することで高さを調整してよい。同様に、虹彩カメラ調整部320は、合焦地点で撮像される虹彩画像に対象の虹彩が含まれるように、虹彩カメラ19の左右位置を調整するようにしてよい。この場合、虹彩カメラ調整部320は、例えば虹彩カメラ19自身を移動させることで左右位置を調整してよい。或いは、虹彩カメラ調整部320は、左右位置の異なる複数の虹彩カメラ19の中から、撮像に用いる1つの虹彩カメラ19を選択することで左右位置を調整してよい。同様に、虹彩カメラ調整部320は、合焦地点で撮像される虹彩画像に対象の虹彩が含まれるように、虹彩カメラ19の角度を調整するようにしてよい。この場合、虹彩カメラ調整部320は、例えば虹彩カメラ19自身を動かすことで角度を調整してよい。或いは、虹彩カメラ調整部320は、角度の異なる複数の虹彩カメラ19の中から、撮像に用いる1つの虹彩カメラ19を選択することで角度を調整してよい。なお、虹彩カメラ調整部320は、虹彩カメラ19の高さ、左右の位置、角度のいずれか1つのパラメータを変化させてもよいし、複数のパラメータを変化させてもよい。
【0075】
(虹彩撮像動作)
次に、
図13を参照しながら、第4実施形態に係る情報処理システム10による虹彩画像を撮像する際の動作(以下、適宜「虹彩撮像動作」と称する)の流れについて説明する。
図13は、第4実施形態に係る情報処理システムによる虹彩撮像動作の流れを示すフローチャートである。
【0076】
図13に示すように、第4実施形態に係る情報処理システム10による虹彩撮像動作が開始されると、まず虹彩位置予測部310が、対象と虹彩カメラ19との距離を取得する(ステップS401)。また、虹彩位置予測部310は、対象の速度を取得する(ステップS402)。なお、ステップS401及びS402の処理は、並行して同時に実行されてもよいし、相前後して実行されてもよい。
【0077】
続いて、虹彩位置予測部310は、取得した対象と虹彩カメラ19との距離、及び対象の速度に基づいて、撮像地点での虹彩位置を予測する(ステップS403)。そして、虹彩カメラ調整部320は、虹彩位置予測部310で予測された虹彩位置に基づいて、虹彩カメラ19の画角を調整する(ステップS404)。その後、虹彩カメラ19によって対象の虹彩画像が撮像される(ステップS405)。
【0078】
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0079】
図12及び
図13で説明したように、第4実施形態に係る情報処理システム10では、予測した虹彩位置に基づいて虹彩カメラ19の画角が調整される。よって、より適切に虹彩画像を取得することが可能である。例えば、対象が撮像地点に到達する前に虹彩カメラ19の画角を調整することができるため、認証に要する時間及び虹彩画像を取得する時間を短縮することができる。
【0080】
<第5実施形態>
第5実施形態に係る情報処理システム10について、
図14及び
図15を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第1から第4実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第4実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0081】
(機能的構成)
まず、
図14を参照しながら、第5実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図14は、第5実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図14では、
図9で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0082】
図14に示すように、第5実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、虹彩画像特定部240と、を備えて構成されている。即ち、第5実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、登録情報データベース210と、認証部230と、虹彩画像特定部240と、を更に備えている。なお、登録情報データベース210及び認証部230については、上述した各実施形態と同様のものであってよい。虹彩画像特定部240は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0083】
虹彩画像特定部240は、複数の虹彩画像の中から、まつ毛が虹彩に掛かっていない虹彩画像を特定可能に構成されている。なお、まつ毛が虹彩に掛かっていないことを判定する手法には、既存の技術を適宜採用することが可能である。虹彩画像特定部240は更に、まつ毛が虹彩に掛かっていない画像を、認証に用いる虹彩画像として出力する。言い換えれば、虹彩画像特定部240は、まつ毛が虹彩に掛かっている画像については、認証に用いる虹彩画像として出力しない。なお、まつ毛が虹彩に掛かっていない画像が複数ある場合、虹彩画像特定部240は、その中の1つを選択して出力するようにしてもよい。例えば、虹彩画像特定部240は、まつげが虹彩に掛かっていない画像のうち、最も品質が高い画像を選択して出力するようにしてもよい。また、まつ毛が虹彩に掛かっていない画像が存在しない(即ち、すべての画像でまつ毛が虹彩に掛かっている)場合には、虹彩画像特定部240は、更に画像を取得するように画像取得部110に指示を出力するようにしてもよい。
【0084】
(認証動作)
次に、
図15を参照しながら、第5実施形態に係る情報処理システム10による認証動作の流れについて説明する。
図15は、第5実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図15では、
図10で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0085】
図15に示すように、第5実施形態に係る情報処理システム10による認証動作が開始されると、まず画像取得部110が認証対象の顔画像及び虹彩画像を取得する(ステップS301)。なお、第5実施形態では特に、少なくとも虹彩画像について複数枚の画像が取得される。
【0086】
続いて、虹彩画像特定部240が、複数の虹彩画像の中から、まつ毛が虹彩に掛かっていない画像を特定し、認証に用いる画像として出力する(ステップS501)。そして、認証部230は、虹彩画像特定部240から出力された虹彩画像を用いて、認証処理を実行する(ステップS303)。
【0087】
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0088】
図14及び
図15で説明したように、第5実施形態に係る情報処理システム10では、複数の虹彩画像の中から、まつ毛が虹彩に掛かっていない虹彩画像が特定されて認証に用いられる。このようにすれば、まつ毛に起因する認証精度の低下を抑制することができる。
【0089】
<第6実施形態>
第6実施形態に係る情報処理システム10について、
図16及び
図17を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上述した第5実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第5実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0090】
(機能的構成)
まず、
図16を参照しながら、第6実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図16は、第6実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図16では、
図14で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0091】
図16に示すように、第6実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、虹彩画像補完部245と、を備えて構成されている。即ち、第6実施形態に係る情報処理システム10は、第5実施形態の構成(
図14参照)における虹彩画像特定部240に代えて、虹彩画像補完部245を備えている。虹彩画像補完部245は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0092】
虹彩画像補完部245は、まつ毛が掛かっている複数の虹彩画像を合成して、まつ毛が掛かっている領域を補完することが可能に構成されている。例えば、まつ毛が虹彩に掛かっている画像が複数ある場合、画像ごとにまつ毛が掛かっている領域(即ち、まつ毛で見えなくなっている虹彩領域)は異なる。よって、複数の虹彩画像を合成すれば、それぞれの画像のまつ毛が掛かっている領域を互いに補うことができる。複数の虹彩画像を合成する際には、例えばまつ毛部分をマスクして、画像を足し合わせる処理を行ってよい。虹彩画像補完部245は、合成によって補完された虹彩画像を、認証に用いる虹彩画像として出力してよい。なお、まつ毛が虹彩に掛かっていない画像がある場合、虹彩画像補完部245は、虹彩画像を合成する処理を省略してもよい。また、複数の画像を合成しても、まつ毛が掛かっている領域を補完できない場合(即ち、補完するための情報が不足している)場合には、虹彩画像補完部245は、更に画像を取得するように画像取得部110に指示を出力するようにしてもよい。
【0093】
(認証動作)
次に、
図17を参照しながら、第6実施形態に係る情報処理システム10による認証動作の流れについて説明する。
図17は、第6実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図17では、
図15で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0094】
図17に示すように、第6実施形態に係る情報処理システム10による認証動作が開始されると、まず画像取得部110が認証対象の顔画像及び虹彩画像を取得する(ステップS301)。なお、第5実施形態では特に、少なくとも虹彩画像について複数枚の画像が取得される。
【0095】
続いて、虹彩画像補完部245が、複数の虹彩画像を合成して、まつ毛が虹彩に掛かっている領域を補完する(ステップS601)。そして、認証部230は、虹彩画像補完部245で合成された虹彩画像を用いて、認証処理を実行する(ステップS303)。
【0096】
(技術的効果)
次に、第6実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0097】
図16及び
図17で説明したように、第6実施形態に係る情報処理システム10では、複数の虹彩画像が合成されることで、まつ毛が掛かっている領域が補完される。このようにすれば、まつ毛に起因する認証精度の低下を抑制することができる。
【0098】
<第7実施形態>
第7実施形態に係る情報処理システム10について、
図18を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上述した第1から第6実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第6実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0099】
(機能的構成)
まず、
図18を参照しながら、第7実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図18は、第7実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図18では、
図9で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0100】
図18に示すように、第7実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、を備えて構成されている。そして特に、第7実施形態に係る認証部230は、第1認証アプリ231と、第2認証アプリ232と、を備えている。
【0101】
第1認証アプリ231及び第2認証アプリ232は、それぞれ認証処理を実行可能なアプリケーションとして構成されている。第1認証アプリ231及び第2認証アプリ232は、別々の認証対象について認証処理を実行可能に構成されている。例えば、第1認証アプリ231は、第1の認証対象の認証処理を実行可能に構成されており、第2認証アプリ232は、第2の認証対象の認証処理を実行可能に構成されている。第1認証アプリ231及び第2認証アプリは、例えば顔や虹彩を検出する処理や、顔画像や虹彩画像から特徴量を抽出する処理、抽出した特徴量を用いて認証を行う処理等、認証に必要な機能をそれぞれ有している。そして特に、第1認証アプリ231及び第2認証アプリ232は、並列稼働することが可能に構成されている。例えば、第1認証アプリ231が対象Aの認証処理を実行している際に、第2認証232が対象Bの認証処理を実行することが可能とされている。なお、ここでは認証部230が2つの認証アプリを備える例を説明しているが、認証部230は、例えば3つ以上の認証アプリを備えるように構成されてよい。この場合、3つ以上のアプリがそれぞれ並列稼働できるように構成されてよい。第1認証アプリ231及び第2認証アプリ232を含む複数のアプリは、1台の端末で動作するように構成されてよい。
【0102】
(技術的効果)
次に、第7実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0103】
図18で説明したように、第7実施形態に係る情報処理システム10では、第1認証アプリ231及び第2認証アプリ232が並列稼働可能とされている。このようにすれば、複数の認証対象に対する認証処理を同時に並行して実行することができるため、より効率的に認証を行うことが可能となる。また、複数のアプリを1台の端末で動作させることで、1台の端末で(即ち、複数台の端末を用いずとも)複数の対象の顔及び虹彩をそれぞれ用いた認証を実行可能である。
【0104】
<第8実施形態>
第8実施形態に係る情報処理システム10について、
図19を参照して説明する。なお、第8実施形態は、上述した第7実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第7実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0105】
(認証動作)
まず、
図19を参照しながら、第8実施形態に係る情報処理システム10による認証動作について説明する。
図19は、第8実施形態に係る情報処理システムによる認証動作の具体例を示す平面図である。
【0106】
図19に示すように、第8実施形態に係る情報処理システム10による認証動作では、複数の認証対象が写り込んだ顔画像及び虹彩画像を用いた認証処理が実行される。具体的には、第8実施形態に係る認証部230は、認証対象の顔画像と、認証対象の片目画像と、を用いて認証処理を実行可能とされている。
【0107】
例えば、対象Aに関する認証処理は、
図19(a)に示す顔画像のうち、対象Aが含まれている部分と、
図19(b)に示す虹彩画像のうち、対象Aの左目が含まれている部分と、を用いて行われる。この認証処理は、例えば第1認証アプリ231(
図18参照)で実行されるものであってよい。また、対象Bに関する認証処理は、
図19(a)に示す顔画像のうち、対象Bが含まれている部分と、
図19(b)に示す虹彩画像のうち、対象Bの右目が含まれている部分と、を用いて行われる。この認証処理は、例えば第2認証アプリ231(
図18参照)で実行されるものであってよい。
【0108】
(技術的効果)
次に、第8実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0109】
図19で説明したように、第8実施形態に係る情報処理システム10では、複数の認証対象について、顔画像と片目画像とを用いて認証処理が実行される。このようにすれば、1枚の画像に複数の認証対象が写り込んでいる場合であっても、適切に認証処理を実行することが可能となる。また、複数のアプリを1台の端末で動作させることで、1台の端末で(即ち、複数台の端末を用いずとも)同時に複数の対象の顔及び虹彩をそれぞれ用いた認証を実行可能である。
【0110】
<第9実施形態>
第9実施形態に係る情報処理システム10について、
図20から
図22を参照して説明する。なお、第9実施形態は、上述した第1から第8実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第8実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0111】
(機能的構成)
まず、
図20を参照しながら、第9実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図20は、第9実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図20では、
図3で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0112】
図20に示すように、第9実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、重畳表示部330と、撮像制御部340と、を備えて構成されている。即ち、第9実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、重畳表示部330と、撮像制御部340と、を更に備えている。重畳表示部330及び撮像制御部340の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0113】
重畳表示部330は、登録対象の顔画像を撮像した後、登録対象の目周辺に第1マークを重畳表示可能に構成されている。第1マークは、例えば登録対象の目周辺を囲う枠として表示されてよい。第1マークは、例えば画像における目の位置が変化した場合、目を追従するように表示される。また、重畳表示部330は、虹彩画像を撮像するのに適した目周辺の大きさを示す第2マークを重畳表示可能に構成されている。第2マークは、例えば第1マークと重なる形状のマークとして表示される。例えば、上述したように第1マークが目周辺を囲う枠の形状とされる場合、第2マークも枠の形状とされてよい。第2マークの大きさは、予め設定されていればよい。例えば、第2マークは、虹彩認証を行うのに十分な画素数の虹彩画像を撮像できるような大きさに設定されてよい。
【0114】
撮像制御部340は、虹彩カメラ19を制御可能に構成されている。具体的には、撮像制御部340は、第1マークが第2マークと重なった場合に、虹彩画像を撮像するように虹彩カメラ19を制御する。
【0115】
(表示例)
次に、
図21及び
図22を参照しながら、第9実施形態に係る情報処理システム10による表示例について説明する。
図21は、第9実施形態に係る情報処理システムにおける表示例を示す平面図(その1)である。
図22は、第9実施形態に係る情報処理システムにおける表示例を示す平面図(その2)である。なお、以下では、顔カメラ18及び虹彩カメラ19が共通する1つのカメラ(例えば、スマートフォンに搭載されるカメラ)である例を挙げて説明する。
【0116】
図21に示すように、第6実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず登録対象の顔画像が撮像される。その後、重畳表示部330は、登録対象の目周辺に第1マーク(目周辺を囲う枠)を表示する。そして、重畳表示部220は更に、虹彩画像を撮像するのに適した目周辺の大きさを示す第2マーク(図中の破線で示す枠)を重畳表示する。この際、対象の動作を促すために「枠が重なるように顔を近づけてください。」というメッセージが出力されてよい。このメッセージは、例えば画像中に表示されてもよいし、音声出力されてもよい。
【0117】
登録対象が顔を近づけていくと、撮像される登録対象の顔は表示領域において大きく表示されるようになる。これに伴い、目周辺に重畳表示されている第1マークも大きくなっていく。一方、第2マークの大きさは変化しない。その後、第1マークが第2マークに重なった場合に(即ち、第1マークと第2マークとが同じ大きさになった場合に)、登録対象の虹彩画像が撮像される。
【0118】
図22に示すように、第1マークと第2マークとが重ならない場合には、登録対象に上手く虹彩画像を撮像するためのメッセージを出力してもよい。例えば、
図22に示すように、目の位置が下方向にずれている場合には、「枠が重なるように端末(カメラ)を下に向けてください。」というメッセージが出力されてよい。このメッセージは、例えば画像中に表示されてもよいし、音声出力されてもよい。
【0119】
(技術的効果)
次に、第9実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0120】
図20から
図22で説明したように、第9実施形態に係る情報処理システム10では、第1マーク及び第2マークによって、登録対象とカメラとの位置関係が適切なものとなるように誘導される。このようにすれば、顔画像を撮像した後、適切に虹彩画像を撮像することができる。例えば、虹彩を撮像範囲に収めた状態で、適切な大きさの虹彩を撮像することが可能となる。また、顔画像と虹彩画像とで、それぞれ適切なカメラまでの距離や撮像範囲が異なる場合に、それぞれ適切な大きさの画像を取得することが可能である。
【0121】
<第10実施形態>
第10実施形態に係る情報処理システム10について、
図23から
図25を参照して説明する。なお、第10実施形態は、上述した第1から第9実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第9実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0122】
(機能的構成)
まず、
図23を参照しながら、第10実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図23は、第10実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図23では、
図9で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0123】
図23に示すように、第10実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、第1登録制御部250と、第2登録制御部260と、を備えて構成されている。即ち、第10実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、登録情報データベース210と、認証部230と、第1登録制御部250と、第2登録制御部260と、を更に備えている。なお、登録情報データベース210及び認証部230については、上述した各実施形態と同様のものであってよい。第1登録制御部250及び第2登録制御部260の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0124】
第1登録制御部250は、第1の端末で撮像した虹彩画像の品質スコアが所定閾値以下である場合(例えば、第1の端末に搭載されたカメラの性能が低く、適切な虹彩画像を撮像できない場合等)に、第1の端末で撮像した顔画像のみを登録するように制御可能に構成されている。また、第1登録制御部250は、第1の端末で虹彩画像が撮像できない場合(例えば、第1の端末に虹彩画像を撮像可能なカメラが搭載されていない場合等)に、第1の端末で撮像した顔画像のみを登録する(即ち、登録情報データベース210に記憶する)制御を実行可能に構成されている。なお、第1端末の一例としては、スマートフォン等の比較的カメラの性能が低い、或いは、虹彩画像を撮像可能なカメラを備えていない端末が挙げられる。
【0125】
第2登録制御部260は、第2の端末で顔画像を用いた認証を行った際に、認証対象の虹彩画像が登録されていない場合(即ち、第1登録制御部250によって、顔画像のみが登録されている場合)には、第2の端末で認証対象の虹彩画像を撮像して登録する(即ち、塘登録情報データベース210に記憶する)制御を実行可能に構成されている。なお、第2端末の一例としては、認証専用端末等の比較的カメラ性能が高い端末が挙げられる。
【0126】
(第1登録制御部の動作)
次に、
図24を参照しながら、第10実施形態に係る情報処理システム10における第1登録制御部250の動作について説明する。
図24は、第10実施形態に係る情報処理システムの第1登録制御部による動作の流れを示すフローチャートである。
【0127】
図24に示すように、第10実施形態に係る情報処理システム10による登録動作が開始されると、まず画像取得部110が第1端末で撮像した顔画像及び虹彩画像を取得する(ステップS1001)。なお、第1端末で虹彩画像を撮像できない場合、画像取得部110は顔画像のみを取得してよい。
【0128】
続いて、スコア算出部120が、画像取得部110で取得された顔画像及び虹彩画像のスコアを算出する(ステップS1002)。そして、第1登録制御部250は、品質スコアが所定閾値以上である虹彩画像があるか否かを判定する(ステップS1003)。なお、虹彩画像が取得できていない場合は、所定閾値以上である虹彩画像がないと判定すればよい。
【0129】
品質スコアが所定閾値以上である虹彩画像がある場合(ステップS1003:YES)、第1登録制御部250は、品質スコアが所定閾値以上である顔画像及び虹彩画像を選択して登録するように選択部130に指示を出力する(ステップS1004)。一方、品質スコアが所定閾値以上である虹彩画像がない場合(ステップS1003:NO)、第1登録制御部250は、品質スコアが所定閾値以上である顔画像のみを選択して登録するように選択部130に指示を出力する(ステップS1005)。即ち、この場合、虹彩画像は登録されない。
【0130】
(第2登録制御部の動作)
次に、
図25を参照しながら、第10実施形態に係る情報処理システム10における第2登録制御部260の動作について説明する。
図25は、第10実施形態に係る情報処理システムの第2登録制御部による動作の流れを示すフローチャートである。
【0131】
図25に示すように、第10実施形態に係る情報処理システム10による認証動作が開始されると、まず画像取得部110が、第2端末によって撮像された顔画像を取得する(ステップS1101)。なお、ここでは少なくとも顔画像を取得すればよいが、虹彩画像を取得するようにしてもよい。
【0132】
続いて、認証部230が画像取得部110で取得された顔画像を用いて顔認証を行う(ステップS1012)。ここで、第2登録制御部260は、認証された認証対象の虹彩画像が、未登録であるか否か(即ち、登録情報データベース210に記憶されてないか否か)を判定する(ステップS1013)。
【0133】
虹彩画像が登録されていない場合(ステップS1013:YES)、第2登録制御部260は、認証対象の虹彩画像を登録するフェーズに移行する(ステップS1014)。即ち、虹彩画像を取得して、その品質スコアを算出し、算出した品質スコアに基づいて登録する虹彩画像を選択する処理が行われる。なお、虹彩画像を登録した後で、虹彩認証を実行するようにしてもよい。
【0134】
一方、虹彩画像が登録されている場合(ステップS1013:NO)、第2登録制御部260は、虹彩画像を取得して虹彩認証を実行するように認証部230に指示を出力する(ステップS1015)。なお、顔画像を取得する際に虹彩画像も取得している場合には、その際に取得した虹彩画像を用いて虹彩認証を実行するように指示してもよい。
【0135】
(技術的効果)
次に、第10実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0136】
図23から
図25で説明したように、第10実施形態に係る情報処理システム10では、第1端末では顔画像のみが登録され、第2端末で虹彩画像が登録される。このようにすれば、1つの端末で顔画像及び虹彩画像の両方を登録できない場合であっても、他の端末で認証を行った際に虹彩画像を登録することができる。なお、虹彩画像の登録は、すでに登録済みの顔画像を用いた認証後に行われるため、対象の同一性も担保される。
【0137】
<第11実施形態>
第11実施形態に係る情報処理システム10について、
図26及び
図27を参照して説明する。なお、第11実施形態は、上述した第1から第10実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第10実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0138】
(機能的構成)
まず、
図26を参照しながら、第11実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図26は、第11実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図26では、
図9で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0139】
図26に示すように、第11実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、なりすまし検知部270と、を備えて構成されている。即ち、第11実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、登録情報データベース210と、認証部230と、なりすまし検知部270と、を更に備えている。なお、登録情報データベース210及び認証部230については、上述した各実施形態と同様のものであってよい。なりすまし検知部270は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0140】
なりすまし検知部270は、対象のなりすまし(例えば、画像、動画、マスク等を用いたなりすまし)を検知可能に構成されている。なりすまし検知部270は、例えば登録動作の際になりすまし検知を行ってよい。即ち、登録対象の顔画像及び虹彩画像を用いてなりすまし検知を行ってよい。また、なりすまし検知部270は、認証動作の際になりすまし検知を行ってよい。即ち、認証対象の顔画像及び虹彩画像を用いてなりすまし検知を行ってよい。なりすまし検知部270のより具体的な動作については、以下で詳しく説明する。
【0141】
(なりすまし検知動作)
次に、
図27を参照しながら、第11実施形態に係る情報処理システム10(具体的には、なりすまし検知部270)によるなりすましを検知する動作(以下、「なりすまし検知動作」と称する)について具体的に説明する。
図27は、第11実施形態に係る情報処理システムによるなりすまし検知動作の一例を示す平面図である。
【0142】
図27に示すように、なりすまし検知部270は、顔画像に含まれる虹彩領域(即ち、虹彩が写っている領域)と、虹彩画像とを比較して、所定以上の差異が検出された場合に、なりすましを検知する。ここでの「所定以上の差異」は、なりすましを検知するための閾値として予め設定されているものであり、例えば、虹彩の特徴量の差異の他、虹彩の色や模様の差異を含んでいてもよい。虹彩領域と虹彩画像との差異は、例えば、目の色、まつげの長さ、目元周辺のシワ等を用いて検出してもよい。この場合、顔画像を撮像した対象と、虹彩画像を撮像した対象が違う人物(即ち、いずれか一方がなりすましを行っている状態)である可能性がある。例えば、顔画像を撮像する際にマスク(例えば、他人の顔の特徴を表現した3Dマスク等)をかぶってなりすましを行い、その後マスクを外した状態で虹彩画像を撮像しているような状況が想定される。なお、なりすまし検知部270は、なりすましを検知した場合、登録動作や認証動作を中止してよい。或いは、なりすまし検知部270は、なりすましを検知した場合、アラートを出力するようにしてもよい。
【0143】
(技術的効果)
次に、第11実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0144】
図26及び
図27で説明したように、第11実施形態に係る情報処理システム10によれば、顔画像(具体的には、顔画像に含まれる虹彩領域)及び虹彩画像を用いて、適切になりすましを検知することができる。
【0145】
<第12実施形態>
第12実施形態に係る情報処理システム10について、
図28及び
図29を参照して説明する。なお、第12実施形態は、上述した第1から第11実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第11実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0146】
(機能的構成)
まず、
図28を参照しながら、第12実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図28は、第12実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図28では、
図9で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0147】
図28に示すように、第12実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、情報提供部280と、認証方法決定部290と、を備えて構成されている。即ち、第12実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、登録情報データベース210と、認証部230と、情報提供部280と、認証方法決定部290と、を更に備えている。なお、登録情報データベース210及び認証部230については、上述した各実施形態と同様のものであってよい。情報提供部280及び認証方法決定部290の各々は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0148】
情報提供部280は、認証部230の認証結果に基づいて、認証対象に関する情報を提供(即ち、システム外部に出力)可能に構成されている。認証対象に関する情報は、例えば氏名、住所、電話番号、年齢、職業、役職、口座番号等の情報を含んでいてよい。また、認証対象に関する情報は、後述する他の実施形態でも説明するように、パスポート情報を含んでいてよい。パスポート情報は、複数の情報を含んでいてよい。パスポート情報に含まれる各種情報(例えば、氏名、住所、年齢等)の各々には、例えば重要度や秘匿度に応じた複数のレイヤーが設定されていてよい。その他、認証対象に関する情報は、チケット番号、ワクチン接種情報、PCR検査の実施有無に関する情報等を含んでいてよい。これらの情報は、例えば対象が保有する端末(例えば、スマートフォン)等にまとめて記憶されていてよい。情報提供部280は、複数の情報を提供するように構成されてよい。情報提供部280が提供する情報は、予め設定されていてもよいし、認証対象や提供される側のユーザ等によって設定されるものであってもよい。
【0149】
認証方法決定部290は、情報提供部280で提供される情報の種別に基づいて、認証部230における認証方法を決定可能に構成されている。具体的には、認証方法決定部290は、顔画像のみを用いて認証する(顔認証)か、虹彩画像のみを用いて認証する(虹彩認証)か、顔画像及び虹彩画像の両方を用いて認証する(顔認証+虹彩認証)か、を決定可能に構成されている。なお、どの画像を用いて認証するかは、情報の種別ごとに予め設定されていればよい。例えば、顔画像のみを用いて認証する第1グループと、虹彩画像のみを用いて認証する第2グループと、顔画像及び虹彩画像の両方を用いて認証する第3グループとが予め設定されていてよい。なお、上述したパスポート情報のように、複数のレイヤーが設定された情報については、レイヤー毎にグループが設定されてよい。例えば、パスポート情報に含まれる「氏名」は第1グループ、「年齢」は第2グループ、「住所」は第3グループのように、別々のグループに分けられてよい。
【0150】
(認証方法決定動作)
次に、
図29を参照しながら、第12実施形態に係る情報処理システム10(具体的には、認証方法決定部290)よる認証方法を決定する動作(以下、「認証方法決定動作」と称する)について具体的に説明する。
図29は、第12実施形態に係る情報処理システムによる認証方法決定動作の一例を示す平面図である。
【0151】
図29に示すように、第12実施形態に係る情報処理システム10による認証方法決定動作が開始されると、まず認証方法決定部290は、提供する情報の種別を取得する(ステップS1201)。そして、認証方法決定部290は、提供する情報の種別が属するグループを判定する(ステップS1202)。
【0152】
提供する情報の種別が第1グループである場合、認証方法決定部290は、認証方法を「顔認証」に設定する(ステップS1203)。この場合、顔認証が成功すれば(虹彩認証の結果によらず)、認証対象に関する情報が情報提供部280によって提供されることになる。提供する情報の種別が第2グループである場合、認証方法決定部290は、認証方法を「虹彩認証」に設定する(ステップS1204)。この場合、虹彩認証が成功すれば(顔認証の結果によらず)、認証対象に関する情報が情報提供部280によって提供されることになる。提供する情報の種別が第3グループである場合、認証方法決定部290は、認証方法を「顔認証+虹彩認証」に設定する(ステップS1205)。この場合、虹彩認証及び虹彩認証の両方が成功すれば、認証対象に関する情報が情報提供部280によって提供されることになる。
【0153】
(技術的効果)
次に、第12実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0154】
図28及び
図29で説明したように、第12実施形態に係る情報処理システム10では、提供する情報の種別に基づいて認証方法が決定される。このようにすれば、情報の質や内容に応じた適切な認証処理を行って情報を提供することが可能となる。
【0155】
<第13実施形態>
第13実施形態に係る情報処理システム10について、
図30を参照して説明する。なお、第13実施形態は、上述した第12実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第12実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0156】
(機能的構成)
まず、
図30を参照しながら、第13実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図30は、第13実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図30では、
図28で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0157】
図30に示すように、第13実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、登録情報データベース210と、認証部230と、パスポート情報提供部285と、を備えて構成されている。即ち、第13実施形態に係る情報処理システム10は、第12実施形態の構成(
図28参照)における情報提供部280及び認証方法決定部290に代えて、パスポート情報提供部285を備えている。パスポート情報提供部285は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。また、パスポート情報提供部285は、第12実施形態における情報提供部280(
図28参照)の一部として構成されていてもよい。なお、第13実施形態に係る情報処理システム10にも、第12実施形態で説明した認証方法決定部290(
図28参照)が備えられていてもよい。
【0158】
パスポート情報提供部285は、認証部230の認証結果に基づいて、認証対象のパスポートに関する情報を提供(即ち、システム外部に出力)可能に構成されている。パスポート情報提供部285は更に、パスポート情報に加えて、パスポートの発行元の発行証明に関する情報(例えば、日本の外務省が発行したパスポートであることを証明する情報)と、認証対象の顔に関する情報(例えば、顔画像や顔画像から抽出した特徴量等)とを提供可能に構成されている。その他、パスポート情報提供部285は、パスポートの有効期限に関する情報等を提供可能に構成されてよい。
【0159】
(技術的効果)
次に、第13実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0160】
図30で説明したように、第13実施形態に係る情報処理システム10では、パスポート情報に加えて、発行証明に関する情報及び認証対象の顔に関する情報が提供される。このようにすれば、パスポートに関する情報と、それに付随して用いられる可能性がある情報を適切に提供することが可能である。
【0161】
<第14実施形態>
第14実施形態に係る情報処理システム10について、
図31を参照して説明する。なお、第14実施形態は、上述した第13実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第13実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0162】
(機能的構成)
まず、
図31を参照しながら、第14実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。
図31は、第14実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、
図31では、
図3で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
【0163】
図31に示すように、第14実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、顔カメラ18及び虹彩カメラ19と、画像取得部110と、スコア算出部120と、選択部130と、照明51と、ディスプレイ52と、照明制御部350と、を備えて構成されている。即ち、第14実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(
図3参照)に加えて、照明51と、ディスプレイ52と、照明制御部350と、を更に備えている。なお、照明51及びディスプレイ52については、必ずしも両方を備えずともよく、少なくとも一方が備えられていればよい。照明制御部350は、例えば上述したプロセッサ11(
図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
【0164】
照明51は、顔カメラ18及び虹彩カメラ19による撮像に際して、照明光を照射可能に構成されている。照明51は、例えば顔カメラ18及び虹彩カメラ19の少なくとも一方が搭載される端末に備えられていてもよいし、独立した照明装置として構成されていてもよい。なお、本実施形態に係る照明51は、明るさ(光量)や向きを制御可能とされている。
【0165】
ディスプレイ52は、顔カメラ18及び虹彩カメラ19による撮像に際して、対象に画像(例えば、撮像中の画像)を表示するものである。ディスプレイ52は、例えば顔カメラ18及び虹彩カメラ19の少なくとも一方が搭載される端末に備えられるディスプレイであってもよいし、独立した表示装置として構成されていてもよい。なお、本実施形態に係るディスプレイ52は、画面から対象に照射されることになる光量を制御可能とされている。ディスプレイ52は、例えば領域ごとに光量を制御可能なものであってもよい。
【0166】
照明制御部350は、照明51及びディスプレイ52の少なくとも一方を制御可能に構成されている。具体的には、照明制御部350は、対象の目周辺に対して照射される光が変化するように、照明51及びディスプレイ52の少なくとも一方を制御可能に構成されている。本実施形態に係る証明制御部350は特に、対象の目との距離(具体的には、顔カメラ18及び虹彩カメラ19が搭載される端末と、対象の目との距離)に応じて、対象の目周辺に対して照射される光を制御可能に構成されている。例えば、照明制御部350は、対象の目との距離が近い場合に、対象の目周辺に対して照射される光が少なくなるように制御してよい。この場合、照明制御部350は、照明51の光量を小さくする制御、照明51の向きを対象の目から遠ざける方向に変化させる制御、ディスプレイ52の光量を全体的に小さくする制御、及び、ディスプレイ52の目周辺に近い領域の光量を小さくする制御の少なくとも1つを実行してよい。また、照明制御部350は、対象の目との距離が遠い場合に、対象の目周辺に対して照射される光が多くなるように制御してよい。この場合、照明制御部350は、照明51の光量を大きくする制御、照明51の向きを対象の目に近づける方向に変化させる制御、ディスプレイ52の光量を全体的に大きくする制御、及び、ディスプレイ52の目周辺に近い領域の光量を大きくする制御の少なくとも1つを実行してよい。なお、照明制御部350は、対象の目との距離に加えて、対象の進行方向や速度、又は端末を移動させる方向や速度を考慮して照明51及びディスプレイ52の少なくとも一方を制御してもよい。例えば、対象又は端末の移動によって、対象の目と端末との距離が遠ざかる方向に変化している場合には、照明制御部350は、対象の目周辺に対して照射される光が多くなるように制御してよい。一方で、対象の目と端末との距離が近づく方向に変化している場合には、照明制御部350は、対象の目周辺に対して照射される光が少なくなるように制御してよい。また、対象又は端末の速度が早く、対象の目と端末との距離が急激に変化する場合には、照明制御部350は、対象の目周辺に対して照射される光がより素早く変化するように制御してよい。一方、対象又は端末の速度が遅く、対象の目と端末との距離が徐々に変化する場合には、照明制御部350は、対象の目周辺に対して照射される光がじっくりと変化するように制御してよい。
【0167】
(技術的効果)
次に、第14実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
【0168】
図31で説明したように、第14実施形態に係る情報処理システム10では、対象との目の距離に応じて、対象の目周辺に照射される光が制御される。このようにすれば、画像を撮像する際(特に、虹彩画像を撮像する際)に感じる眩しさを低減することができる。
【0169】
上述した各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0170】
記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。更に、プログラム自体がサーバに記憶され、ユーザ端末にサーバからプログラムの一部または全てをダウンロード可能なようにしてもよい。
【0171】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0172】
(付記1)
付記1に記載の情報処理システムは、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、を備える情報処理システムである。
【0173】
(付記2)
付記2に記載の情報処理システムは、前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像と前記品質スコアの算出とを並行して実行する第1モードと、前記顔画像及び前記虹彩画像の撮像の後に前記品質スコアの算出を実行する第2モードと、を切り替えるモード切替手段と、前記登録対象の目の大きさに基づいて、前記選択手段が登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する際に用いる前記品質スコアの閾値を変更する閾値変更手段と、を更に備える付記1に記載の情報処理システムである。
【0174】
(付記3)
付記3に記載の情報処理システムは、認証に用いる顔画像及び虹彩画像の少なくとも一方に複数の認証対象が含まれる場合に、前記認証対象を認証する順番を示す情報を、前記複数の認証対象が写る画面上に重畳表示するように出力する順番出力手段を更に備える付記1又は2に記載の情報処理システムである。
【0175】
(付記4)
付記4に記載の情報処理システムは、認証対象から虹彩カメラまでの距離と、前記認証対象の速度と、に基づいて前記虹彩画像を撮像する際の前記認証対象の虹彩の位置を予測する予測手段と、予測した前記虹彩の位置に基づいて、前記虹彩カメラの画角を調整する虹彩カメラ調整手段と、を更に備える付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0176】
(付記5)
付記5に記載の情報処理システムは、複数の前記虹彩画像の中から、まつ毛が虹彩に掛かっていない前記虹彩画像を特定して、認証に用いる前記虹彩画像として出力する虹彩画像特定手段を更に備える付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0177】
(付記6)
付記6に記載の情報処理システムは、まつ毛が掛かっている複数の前記虹彩画像を合成して、まつ毛が掛かっている領域を補完し、該補完した画像を認証に用いる画像として出力する虹彩画像補完手段を更に備える付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0178】
(付記7)
付記7に記載の情報処理システムは、前記画像取得手段は、第1の認証対象の顔画像及び虹彩画像と、第2の認証対象の顔画像及び虹彩画像とを取得し、第1の認証対象の顔画像及び虹彩画像を用いて、認証を行う第1のアプリケーションと、第2の認証対象の顔画像及び虹彩画像を用いて、認証を行う第2のアプリケーションと、前記第1のアプリケーション及び前記第2のアプリケーションを並列で稼働し、第1の認証対象及び第2の認証対象の認証をそれぞれ制御する並列認証手段と、を更に備える請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0179】
(付記8)
付記8に記載の情報処理システムは、前記並列認証手段は、第1認証対象の顔画像及び片目画像を用いて前記第1認証対象の認証を行い、第2認証対象の顔画像及び片目画像を用いて前記第2認証対象の認証を行う、付記7に記載の情報処理システムである。
【0180】
(付記9)
付記9に記載の情報処理システムは、前記登録対象の前記顔画像を撮像した後、前記登録対象の目周辺に第1マークを重畳表示すると共に、前記虹彩画像を撮像するのに適した前記目周辺の大きさを示す第2マークを重畳表示する重畳表示手段と、前記第1マークが、前記第2マークに重なった場合に、前記登録対象の前記虹彩画像を撮像するように制御する撮像制御手段と、を更に備える付記1から8に記載の情報処理システムである。
【0181】
(付記10)
付記10に記載の情報処理システムは、第1の端末で撮像した前記虹彩画像の前記品質スコアが所定閾値以下である場合、又は前記虹彩画像が撮像できない場合に、前記第1の端末で撮像した顔画像のみを登録するように制御する第1登録制御手段と、第2の端末で前記顔画像を用いた認証を行った際に、認証対象の前記虹彩画像が登録されていない場合には、前記第2の端末で前記虹彩画像を撮像して登録するように制御する第2登録制御手段と、を更に備える付記1から9のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0182】
(付記11)
付記11に記載の情報処理システムは、前記顔画像に含まれる虹彩領域と、前記虹彩画像と、を比較して、所定以上の差異を検出した場合になりすましを検知するなりすまし検知手段を更に備える付記1から10のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0183】
(付記12)
付記12に記載の情報処理システムは、前記顔画像及び前記虹彩画像を用いた認証の結果に基づいて、認証対象に関する情報を提供する情報提供手段と、提供する前記情報の種別に基づいて、前記認証に前記顔画像のみを用いるか、前記虹彩画像のみを用いるか、又は前記顔画像及び前記虹彩画像の両方を用いるかを決定する決定手段と、を更に備える付記1から11のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0184】
(付記13)
付記13に記載の情報処理システムは、前記顔画像及び前記虹彩画像を用いた認証の結果に基づいて、認証対象のパスポートに関する情報を提供するパスポート情報提供手段を更に備え、前記パスポート情報提供手段は、前記パスポートに関する情報に、前記パスポートの発行証明に関する情報と、前記認証対象の顔に関する情報とを合わせて提供する、付記1から12のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0185】
(付記14)
付記14に記載の情報処理システムは、端末で前記顔画像及び前記虹彩画像を撮像する際に、前記端末と目との距離、及び前記登録対象、前記認証対象又は前記端末の移動速度に応じて、前記端末の照明及びディスプレイの少なくとも一方を制御する照明制御手段を更に備える、付記1から13のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
【0186】
(付記15)
付記15に記載の情報処理装置は、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得する画像取得手段と、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出するスコア算出手段と、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する選択手段と、を備える情報処理装置である。
【0187】
(付記16)
付記16に記載の情報処理方法は、少なくとも1つのコンピュータが実行する情報処理方法であって、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する、情報処理方法である。
【0188】
(付記17)
付記17に記載の記録媒体は、少なくとも1つのコンピュータに、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する、情報処理方法を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
【0189】
(付記18)
付記18に記載のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、登録対象の顔画像及び虹彩画像を取得し、前記顔画像及び前記虹彩画像の品質を示す品質スコアを算出し、前記品質スコアに基づいて、登録する前記顔画像及び前記虹彩画像を選択する、情報処理方法を実行させるコンピュータプログラムである。
【0190】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体もまたこの開示の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0191】
10 情報処理システム
11 プロセッサ
18 顔カメラ
19 虹彩カメラ
30 認証端末
35 カメラ設置部
40 ディスプレイ
51 照明
52 ディスプレイ
110 画像取得部
115 対象位置検出部
116 回転制御部
120 スコア算出
130 選択部
140 モード切替部
150 閾値変更部
210 登録情報データベース
220 順番出力部
230 認証部
231 第1認証アプリ
232 第2認証アプリ
240 虹彩画像特定部
245 虹彩画像補完部
250 第1登録制御部
260 第2登録制御部
270 なりすまし検知部
280 情報提供部
285 パスポート情報提供部
290 認証方法決定部
310 虹彩位置予測部
320 虹彩カメラ調整部
330 重畳表示部
340 撮像制御部
350 照明制御部