(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20250401BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
(21)【出願番号】P 2024173412
(22)【出願日】2024-10-02
【審査請求日】2024-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100140800
【氏名又は名称】保坂 丈世
(74)【代理人】
【識別番号】100156281
【氏名又は名称】岩崎 敬
(72)【発明者】
【氏名】深澤 光晴
(72)【発明者】
【氏名】庄井 祥子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼松 浩之
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-162255(JP,A)
【文献】特開2019-017848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00- 9/20
A63F 9/26-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間に収容された景品の少なくとも一部を前記収容空間の下方に設けられた落下空間に落下させて取得するゲームを実現する景品取得ゲーム装置であって、
景品取得部と、
遊技者の操作を受け付ける操作部と、
前記景品取得部の作動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が制御する1回の景品取得動作は、
前記操作部に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある前記景品取得部に対して、前記景品取得部による前記景品を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、
前記第1遊技状態に続いて、前記景品取得部による前記景品を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに、前記景品取得部を待機状態にする第2遊技状態と、を有し、
前記制御部は、前記第2遊技状態にあるときに、
前記景品取得部が移動中に前記操作部に対する所定の操作を受け付け可能であり、前記所定の操作を受け付けると、前記景品解放動作のうち、前記所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の前記第1遊技状態に移行する
景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
収容空間に収容された景品の少なくとも一部を前記収容空間の下方に設けられた落下空間に落下させて取得するゲームを実現する景品取得ゲーム装置であって、
景品取得部と、
当該景品取得部の支持位置を変更可能な支持部と、
遊技者の操作を受け付ける操作部と、
前記景品取得部の作動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部が制御する1回の景品取得動作は、
前記操作部に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある前記景品取得部に対して、前記景品取得部による前記景品を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、
前記第1遊技状態に続いて、前記景品取得部による前記景品を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに、前記景品取得部を待機状態にする第2遊技状態と、を有し、
前記制御部は、
前記支持部を上昇させている間を含む前記第2遊技状態にあるときに、
前記操作部に対する所定の操作を受け付け可能であり、前記所定の操作を受け付けると、前記景品解放動作のうち、前記所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の前記第1遊技状態に移行する
景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記景品取得部は、
前記第1の方向及び前記第2の方向と直交する第3の方向に伸縮可能な支持部と、
前記支持部の先端に取り付けられ、前記景品を掴む動作を行う把持部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1遊技状態において、前記操作部に対する操作を受け付けたときに、前記支持部を伸長させた後、前記把持部に前記景品を捕獲する動作を行わせ、
前記第2遊技状態において、前記支持部を縮小させた後、前記把持部に前記景品を解放する動作を行わせ、さらに、前記景品取得部を待機状態にするように構成されており、
前記第2遊技状態において、前記支持部を縮小させているときに前記操作部に対する前記所定の操作を受け付けると、前記支持部の縮小が完了したときに、前記第1遊技状態に移行する
請求項1
または2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
情報を報知する報知部を有し、
前記制御部は、前記第2遊技状態において、前記操作部に対する前記所定の操作を受け付けたときに、
前記第1遊技状態に移行せず、前記報知部により次の景品取得動作に移行することを報知して前記第2遊技状態を継続し、
前記操作部により次の景品取得動作に移行することを承認する操作を付け付けたときに、前記第1遊技状態に移行する
請求項1
または2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記景品取得部が前記景品を捕獲していることを検出する景品検出部を有し、
前記制御部は、前記第2遊技状態において、前記操作部に対する前記所定の操作を受け付けたときに、前記景品検出部が前記景品を捕獲していることを検出しているときは、前記第1遊技状態に移行せず、前記第2遊技状態を継続する
請求項1
または2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
情報を報知する報知部と、
前記景品取得部が前記景品を捕獲していることを検出する景品検出部と、を有し、
前記制御部は、前記第2遊技状態において、前記操作部に対する前記所定の操作を受け付けたときに、
前記景品検出部が前記景品を捕獲していることを検出しているときは、前記第1遊技状態に移行せず、前記報知部により次の景品取得動作に移行することを報知して前記第2遊技状態を継続し、
前記操作部により次の景品取得動作に移行することを承認する操作を付け付けたときに、前記第1遊技状態に移行する
請求項1
または2に記載の景品取得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容空間に収容された景品の少なくとも一部を当該収容空間の下方に設けられた落下空間に落下させて取得するゲームを実現する景品取得ゲーム装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような景品取得ゲーム装置において、1回の景品取得動作は、操作部に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある景品取得部に対して、この景品取得部による景品を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、景品取得部による景品を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに、景品取得部を待機状態にする第2遊技状態とから構成される。そのため、第1の遊技状態の景品捕獲動作において景品取得部が景品を捕獲することができなかった場合、第2遊技状態の景品解放動作が終了するまで次の景品取得動作を開始することができず、遊技者はその待ち時間を無駄に感じてしまうという課題があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、第2遊技状態において操作部に対する所定の操作を受け付けると、現在実行している景品取得動作のうち、所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部(景品解放動作の少なくとも一部)を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の第1遊技状態に移行する(次の景品取得動作の景品捕獲動作を開始する)ように構成された景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る景品取得ゲーム装置は、収容空間に収容された景品の少なくとも一部を前記収容空間の下方に設けられた落下空間に落下させて取得するゲームを実現する景品取得ゲーム装置であって、景品取得部と、遊技者の操作を受け付ける操作部と、前記景品取得部の作動を制御する制御部と、を有し、前記制御部が制御する1回の景品取得動作は、前記操作部に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある前記景品取得部に対して、前記景品取得部による前記景品を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、前記第1遊技状態に続いて、前記景品取得部による前記景品を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに、前記景品取得部を前記待機状態にする第2遊技状態と、を有し、前記制御部は、前記第2遊技状態にあるときに、前記景品取得部が移動中に前記操作部に対する所定の操作を受け付け可能であり、前記所定の操作を受け付けると、前記景品解放動作のうち、前記所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の前記第1遊技状態に移行する。
また、本発明の第2の態様に係る景品取得ゲーム装置は、収容空間に収容された景品の少なくとも一部を前記収容空間の下方に設けられた落下空間に落下させて取得するゲームを実現する景品取得ゲーム装置であって、景品取得部と、当該景品取得部の支持位置を変更可能な支持部と、遊技者の操作を受け付ける操作部と、前記景品取得部の作動を制御する制御部と、を有し、前記制御部が制御する1回の景品取得動作は、前記操作部に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある前記景品取得部に対して、前記景品取得部による前記景品を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、前記第1遊技状態に続いて、前記景品取得部による前記景品を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに、前記景品取得部を待機状態にする第2遊技状態と、を有し、前記制御部は、前記支持部を上昇させている間を含む前記第2遊技状態にあるときに、前記操作部に対する所定の操作を受け付け可能であり、前記所定の操作を受け付けると、前記景品解放動作のうち、前記所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の前記第1遊技状態に移行する。
【0007】
この構成によれば、制御部は、第2遊技状態において操作部に対する所定の操作を受け付けると、現在実行している景品取得動作のうち、所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部(景品解放動作の少なくとも一部)を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の第1遊技状態に移行する(次の景品取得動作の景品捕獲動作を開始する)ため、遊技者は第2遊技状態の終了を待つことなく次の景品取得動作を開始することができるので効率良くゲームを行うことができ、また、第2遊技状態の終了を待つというストレスを感じることがない。また、操作部に対する所定の操作を受け付けた後の景品取得動作の少なくとも一部を省略して次の景品取得動作を開始することができるので、景品取得ゲーム装置の稼働率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る景品取得ゲーム装置によれば、遊技者は効率良くゲームを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】上記景品取得ゲーム装置の斜視図であって、左開閉扉を開いた状態である。
【
図3】上記景品取得ゲーム装置の斜視図であって、左開閉扉と開閉板を開いた状態である。
【
図4】上記景品取得ゲーム装置を異なる方向から見た斜視図であって、左開閉扉と開閉板を開いた状態である。
【
図5】上記景品取得ゲーム装置の景品取得部及び移動部の斜視図である。
【
図6】上記景品取得ゲーム装置の表示部及び操作部付近の拡大図である。
【
図7】上記景品取得ゲーム装置の制御部及びその周辺の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】制御部により実行されるゲーム処理のフローチャートであって、第1遊技状態を構成する第1-1遊技状態の処理を示す。
【
図9】制御部により実行されるゲーム処理のフローチャートであって、第1遊技状態を構成する第1-2遊技状態の処理を示す。
【
図10】制御部により実行されるゲーム処理のフローチャートであって、第2遊技状態の処理を示す。
【
図11】上記第2遊技状態のゲーム処理のうち、次の景品取得動作を開始するための処理を示す。
【
図12】上記第2遊技状態のゲーム処理の第1の変型例を示す。
【
図13】上記第2遊技状態のゲーム処理の第2の変型例を示す。
【
図14】収容空間及び落下空間と景品取得部との位置関係を説明するための説明図であって、(a)は景品取得部が待機位置にある場合を示し、(b)は景品取得部が最も奥にある場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1~
図6に示すように、景品取得ゲーム装置10は、収容空間12に収容されたぬいぐるみ等の景品14(
図4参照)を景品取得部16により取得して収容空間12の下方に設けられた落下空間18に落下させることで、遊技者(プレイヤ)に景品14を取得させるゲームを実現するものである。以下、景品取得ゲーム装置10を、単に「装置10」と略す。なお、
図1に示すように、装置10を正面から見たときに、左右に水平な方向をX軸方向(第1の方向)とし、前後に水平な方向をY軸方向(第2の方向)とし、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向(鉛直方向)をZ軸方向(第3の方向)として説明する。
【0011】
装置10は、例えば直方体の筐体20を備えている。筐体20は、基台22と、収容体24とを含んで構成される。
【0012】
まず、収容体24について説明する。収容体24は、基台22の上に設けられている。収容体24は、天井面24Aと、側面24Bと、床面24Cとを含んで構成され、これらに囲まれた内部に収容空間12を形成している。この収容空間12には、上述したように景品14が収容されている他、ボール等の他の物品が収容されていてもよい。
【0013】
天井面24Aの内側には、景品14を把持する景品取得部16が移動部60を介して吊り下げられている。景品取得部16は、
図5に示すように、レールやモータ等で構成された移動部60により、例えば図中X軸方向及びY軸方向に移動可能とされている。この景品取得部16は、内部上面から鉛直方向(Z軸方向)に吊り下げられた伸縮パイプからなる支持部16Aと、その下端に設けられた把持部16Bとを含む。把持部16Bには、景品14を把持するための複数の把持爪16Cが設けられている。本実施形態では、把持爪16Cの数は3本に設計されている。景品取得部16は、支持部16Aを伸縮することにより、把持部16B及び把持爪16CをZ軸方向に移動可能とされている。
【0014】
景品取得部16は、移動部60の移動テーブル62に取り付けられており、移動部60によりX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。移動部60は、例えばいわゆるH型のXYステージである。よって移動部60は、Y軸方向に延びるY方向ガイド64AとこのY方向ガイド64Aに沿って移動テーブル62をY軸方向に移動させるY駆動部64BとからなるY軸ユニット64と、X軸方向に延び、Y方向ガイド64Aをその両端で支持する2本のX方向ガイド66A,66BとこのX方向ガイド66A,66Bに沿って移動テーブル62とともにY方向ガイド64AをX軸方向に移動させるX駆動部66CとからなるX軸ユニット66と、を備える。ここで、X駆動部66C及びY駆動部64Bには、リニアモータやボールねじを用いることができる。
図14(a)及び
図14(b)に示すように、景品取得部16は、移動部60により収容空間12内の矩形の領域(移動可能領域)R内を移動可能に構成されている。
【0015】
また、X軸ユニット66のX方向ガイド66A上には、X方向ガイド66A上のY方向ガイド64Aの位置を検出するための3個のX位置センサ68が配置されており、また、Y軸ユニット64のY方向ガイド64A上には、Y方向ガイド64A上のステージ62の位置を検出するための3個のY位置センサ70が配置されている。本実施形態では、後述するように、落下空間18が装置10の前側の左端に形成されている。そのため、Y方向ガイド64AがX方向ガイド66A,66Bの左側端部に位置し、ステージ62がY方向ガイド64Aの前側端部に位置しているときに、景品取得部16は景品14を解放する動作を行い、また、次のゲームの開始まで待機することになり、この位置を待機位置またはホームポジションと呼ぶ(
図14(a)参照)。X位置センサ68は、景品取得部16(Y方向ガイド64A)がX方向ガイド66A上の待機位置側の端部(ホーム端)にあることを検出するホーム側Xセンサ68Aと、待機位置と反対側の端部(エンド端)にあることを検出するエンド側Xセンサ68Cと、X方向ガイド66Aの中間(中央)にあることを検出する中央Xセンサ68Bとから構成されている。また、Y位置センサ70は、景品取得部16(ステージ62)がY方向ガイド64Aの待機位置側の端部(ホーム端)にあることを検出するホーム側Yセンサ70Aと、待機位置と反対側の端部(エンド端)にあることを検出するエンド側Yセンサ70Cと、Y方向ガイド64Aの中間(中央)にあることを検出する中央Yセンサ70Bとから構成されている。X位置センサ68及びY位置センサ70による検出結果は制御部40に出力される。
【0016】
収容空間12内における景品取得部16の位置(X軸方向及びY軸方向の座標)は、制御部40からX駆動部66C及びY駆動部64Bに出力される制御信号等に基づいて決定する(取得する)ことができるが、機構上の誤差等でずれる場合があり、上述したX位置センサ68及びY位置センサ70による検出結果に基づいて(X軸方向のホーム端にあるか、中央にあるか、エンド端にあるか、また、Y軸方向のホーム端にあるか、中央にあるか、エンド端にあるか)で位置に関する情報を補正することで正確な位置を取得することができる。
【0017】
側面24Bのうち正面及び横面は、収容体24の内部に収容された景品14等を遊技者(プレイヤ)が目視することができるように、透明な樹脂またはガラスの板状部材から形成されている。特に、収容体24の正面は、開閉扉26で構成されている。ここで、開閉扉26は、スライド自在な2枚の開閉扉(第1開閉扉である左開閉扉26A及び第2開閉扉である右開閉扉26B)を含む。開閉扉26A,26Bは、開閉可能に収容体24に設けられている。これらの開閉扉26A,26Bには、引手26C,26Dがそれぞれ設けられている。本実施形態では、開閉扉26A,26Bは、作業員(又は管理者)が引手26C,26Dを把持して開閉可能となっている。具体的には、左開閉扉26Aは、引手26Cを把持して右方向にスライドすることにより開き、左方向にスライドすることにより閉まる。また、右開閉扉26Bは、作業員(又は管理者)が引手26Dを把持して左方向にスライドすることにより開き、右方向にスライドすることによる閉まる。この開閉扉26A,26Bが開状態にされることによって、内部の収容空間12が露出し、且つ、収容空間12と連通する開口12Aが形成される(例えば、
図2参照)。
【0018】
また、側面24Bのうち背面は、鏡面状の板状部材や装飾が施された板状部材により形成されている。横面或いは背面の内側には、図示しないが、景品14等を載置するための棚を支持する支持部が一つ以上設けられてもよい。なお、「正面」とは、基台22において後述の操作部46が設けられている側の面であることを意味する。
【0019】
床面24Cは、景品14を載置する景品載置台として機能する。床面24Cの手前側の一方の隅部(左開閉扉26A側の隅部)には、景品14が落下する落下空間18が形成されている。落下空間18の上面視は、例えば四角形状とされている。そして、四角形状の2辺は、床面24Cにより形成されている。床面24Cにおいて落下空間18と接する2辺には、第1衝立30と第2衝立32とが設けられている。また、落下空間18を除く床面24Cの手前側にも、第3衝立34が設けられている。これら第1衝立30、第2衝立32、及び、第3衝立34の全体の上面視の形状は、例えばクランク状とされている。
【0020】
次に、基台22について説明する。基台22は、上述した落下空間18を形成している。基台22は、例えば、制御部40と、投入ボックス42と、表示部44と、操作部46と、施錠部48と、開閉板50と、を備えている。
【0021】
制御部40は、景品取得部16(移動部60)や表示部44、操作部46等の装置10の各構成に接続され、これら各構成の作動を制御する。制御部40は、正面と横面の間の隅部等に設けられた開閉扉26の開閉を検出する扉センサ27(左扉センサ27A及び右扉センサ27B)に接続されている。そして、制御部40は、当該扉センサ27から、開閉扉26(左開閉扉26A及び右開閉扉26Bの少なくとも何れか一つ)の開状態を示す検出信号を受信した場合、景品取得部16の自動的な移動を禁止する制御を行う。これにより、開閉扉26を開けた作業員(管理者)に景品取得部16が接触することを防止することができる。なお、制御部40により、景品取得部16を物理的に固定して景品取得部16の手動による移動も禁止してもよいが、本実施形態では、手動による移動は行うことができるようになっている。また、本実施形態では、開閉扉26が開いた状態でも、後述する表示部44を操作することにより、景品取得部16を待機位置(ホームポジション)に移動させることが可能に構成されている。
【0022】
投入ボックス42には、ゲームを開始するための遊技媒体が投入される。この投入ボックス42は、基台22において開閉板50以外の個所に設けられている。投入ボックス42は、遊技媒体を投入する投入口42Aの他、図示しないものの、投入された遊技媒体を収蔵する内部空間と、これらの投入口42Aと内部空間とを接続し、投入口42Aから投入された遊技媒体を内部空間に案内するコインシュータと、を備える。なお、遊技媒体としては、硬貨が一般的であるが、紙幣や、硬貨又は紙幣から交換されたカードやボール等であってもよい。
【0023】
表示部44は、タッチパネル等により構成され、例えば装置10の設定情報等、各種情報を表示・入力するものである。例えば、装置10が遊技者からの操作を受け付けて景品を取得するゲームを提供する制御状態の場合(「ゲームモード」のとき)、制御部40は、表示部44に、現在実行されているゲームの情報(例えば、現在実行しているゲームの残り時間等)を表示し、遊技者に提供する。また、表示部44は、遊技者からの操作(例えば、後述するように、現在の景品取得動作の途中で次の景品取得動作を開始させるための操作)を受け付ける。一方、装置10の設定等を行う制御状態の場合(「設定モード」のとき)、制御部40は、表示部44に装置10に対する設定等の項目やメニューを表示し、この表示部44に対する作業員(管理者)からの操作を受け付ける。
【0024】
なお、設定モードに移行するためには、表示部44の下部に設けられた鍵スロット72に設定鍵(図示せず)を差し込む必要がある(
図6参照)。制御部40は、鍵スロット72に設定鍵が差し込まれたことを検出すると、設定鍵がこの装置10用に設定された正規の鍵であるか否かを検証した後、正規の鍵であれば制御状態を設定モードに移行する。一方、鍵スロット72から設定鍵を引き抜くと、制御部40は、制御状態をゲームモードに移行する。
【0025】
操作部46は、景品14の取得に係る操作部であって、例えば景品取得部16に対する遊技者の移動操作等を入力する。なお、操作部46は、基台22において開閉板50以外の個所に設けられている。本実施形態において、操作部46は、ジョイスティックである第1操作部46Aと、ボタンである第2操作部46Bとを有している(
図6参照)。遊技者が、第1操作部46Aであるジョイスティックを倒す操作をすることにより、倒した方向(X軸方向及びY軸方向)に、景品取得部16を移動させることができ、第2操作部46Bであるボタンを押すと、その操作さがされたときの位置で、景品取得部16により景品を捕獲する動作を行わせることができる。
【0026】
このように、本実施形態に係る装置10は、制御部40が、遊技者からの操作を受け付ける操作部(入力部)として、表示部44及び操作部46を有している。
【0027】
施錠部48は、開閉扉26を図示しない鍵により施錠するものである。施錠部48は、基台22の外側表面に設けられている。本実施形態では、基台22において、左開閉扉26Aの施錠用の左施錠部48Aと、右開閉扉26Bの施錠用の右施錠部48Bとで、2箇所に設けられている。
【0028】
開閉板50は、開閉可能に基台22に設けられている。この「開閉」の方法は、特に限定されないが、例えば回動や、スライド、折り畳み、脱着等が挙げられる。本実施形態では、開閉板50は、筐体幅方向における一端部(例えば図中紙面左側端部)を軸として手前側に回動されることで閉状態から開状態にされる(
図3又は
図4参照)。また、開閉板50の例えば中央部には、落下空間18と連通する景品回収口52が形成されている。この景品回収口52を覆う覆い部材として、開閉板50の裏面には、フラップ54が取り付けられている。板状のフラップ54は、上端部を軸として奥行き方向に回動可能(下端部の前後移動可能)に構成されている。このフラップ54の回動の結果、景品回収口52を介して落下空間18が露出される。
【0029】
落下空間18の上端部の左右の側面には、収容空間12から落下空間18に落下する景品14を検出する通過センサ74が設けられている。この通過センサ74は、例えば、左右の側面の一方に配置された赤外線等の光を射出する光源部と、他方に配置され、光源部からの光を受光して検出する受光部とから構成されている。通過センサ74の検出信号は制御部40に出力される。そのため、景品14が収容空間12から落下空間18に向かって落下して通過センサ74の光を横切るとこの光を遮断し、その間、受光部でその光を検出することができなくなる。制御部40は、通過センサ74からの出力が受光状態(オン)から受光できない状態(オフ)になり、さらに受光状態(オン)に戻ることを検出することにより、収容空間12から落下空間18に景品14が落下したことを検出することができる。
【0030】
図7に示すように、制御部40は、CPU(Central Processing Unit)82と、RAM(Random Access Memory)84と、ROM(Read only Memory)86と、ドライブ装置88と、ネットワークI/F(Interface)部90と、を有する。これら各構成は、バス92を介して相互にデータ送受信可能に接続されている。また、各構成は、当該バス92を介して、景品取得部16(移動部60)、センサ27,68,70,74、表示部44、操作部46、鍵スロット72等にもデータ送受信可能に接続されている。
【0031】
CPU82は、操作部46からの入力に基づく景品取得部16(移動部60)の作動の制御や、設定情報の制御、データの演算、加工を行う制御部である。また、CPU82は、RAM84又はROM86に記憶された制御プログラム(設定プログラム)を実行する演算装置である。
【0032】
RAM84は、例えば主記憶部などである。RAM84は、CPU82が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータ、装置10の設定情報を記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0033】
ROM86は、例えば制御プログラムに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0034】
ドライブ装置88は、記録媒体96、例えばCD-ROMやSDカードなどからプログラムやデータ等を読み出し、記憶装置にインストールしたり保存したりする。
【0035】
また、記録媒体96は、所定のプログラムを格納し、この記録媒体96に格納されたプログラムは、ドライブ装置88を介して装置10にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、装置10により実行可能となる。記録媒体96は、所定のデータを格納し、この記録媒体96に格納されたデータはドライブ装置88を介して装置10に保存される。
【0036】
ネットワークI/F部90は、ネットワークを介して接続される他の機器とのインタフェースである。
【0037】
また、図示していないが、装置10は、音や光による演出を実行する演出部が設けられており、制御部40は、演出部により、ゲームの状況に応じて演出を実行するように構成されている。
【0038】
制御部40は、上述した「ゲームモード」、「設定モード」を含む複数の制御状態の管理及び切り替えを行うように構成されている。例えば、制御部40は、上述したように、鍵スロット47に設定鍵が差し込まれたことを検出すると、この設定鍵が有効な鍵であるか否かを判断し、有効な鍵であると判断したときは、装置10の制御状態を設定モードに変更する。一方、制御部40は、鍵スロット47から設定鍵が引き抜かれたことを検出すると、装置10の制御状態をゲームモードに変更する。
【0039】
まず、制御部40で実行される通常のゲームの制御について
図8~
図10を用いて説明する。なお、制御部40は、制御状態がゲームモードのときにゲームを実行するように構成されている。また、本実施形態では、1ゲーム(クレジット)毎に1回の景品取得動作を行うように構成された場合について説明する。
【0040】
ここで、景品取得動作とは、制御部40が、操作部46に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある景品取得部16に対して、この景品取得部16による景品14を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、景品取得部16による景品14を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに、景品取得部16を待機状態にする第2遊技状態とから構成される動作のことをいう。但し、本実施形態における第1遊技状態は、操作部46(第1操作部46A)に対する操作を受け付けているときに、収容空間12内で待機位置に位置している(待機状態にある)景品取得部16を、操作部46の操作に応じて収容空間12内のX軸方向及びY軸方向(互いに直交する第1の方向及び第2の方向)に移動させる第1-1遊技状態と、操作部46(第2操作部46B)に対する操作を受け付けたときに移行し、景品取得部16の把持爪16Cに景品14を掴む動作を行わせる(景品14を捕獲する動作を行わせる)第1-2遊技状態とから構成されている。
【0041】
図8に示すように、ゲームモードに移行すると、制御部40は、遊技者からのクレジット(遊技媒体)の受け付けを行う(ステップS100)。具体的には、制御部40は、投入ボックス42に投入された遊技媒体の枚数に応じたゲーム数を設定する。例えば、1枚の遊技媒体が投入された場合はゲーム数(クレジット)を1に設定し、3枚の遊技媒体が投入された場合はゲーム数(クレジット)を5に設定する。
【0042】
制御部40は、遊技状態を第1遊技状態の第1-1遊技状態とし、現在のクレジット数から1を減算し(クレジットを1消費し)、ゲーム(景品取得動作)を開始する(ステップS102)。制御部40は、ゲーム(景品取得動作)を開始すると、景品取得部16に景品捕獲動作を行わせるが、まず、第1操作部46Aに対する遊技者の操作を受け付け、その操作がされた方向に(X軸方向及びY軸方向)に、移動部60により景品取得部16を移動させるとともに(ステップS104)、現在のゲームが開始してから所定の時間が経過したか否かの判断と(ステップS106)、第2操作部46Bが操作されたか否かの判断と(ステップS108)を繰り返し実行する。所定時間が経過しておらず(ステップS106:N)、第2操作部46Bが操作されていない(ステップS108:N)と判断したときは、制御部40はステップS104に戻って以降の処理を繰り返す。すなわち、所定の時間内で第2操作部46Bが操作するまでは、遊技者は、第1操作部46Aを操作することにより景品取得部16を
図14に示す移動可能領域R内の所望の位置に移動させることができる。
【0043】
一方、所定時間が経過した(ステップS106:Y)、もしくは、第2操作部46Bが操作された(ステップS108:Y)と判断した場合、
図9に示すように、制御部40は、遊技状態を第1-1遊技状態から第1-2遊技状態に移行し、X軸方向及びY軸方向における現在の景品取得部16の位置において、支持部16Aを鉛直方向下方に伸長させて把持部16B及び把持爪16Cの下方への移動を開始する(ステップS110)。そして、制御部40は、支持部16Aを伸長させるとともに、第2操作部46Bが操作されたか否かの判断と(ステップS112)、支持部16Aが所定の長さまで伸長されて伸長が完了したか否かの判断と(ステップS114)を繰り返し実行する。第2操作部46Bが操作されておらず(ステップS112:N)、また、支持部16Aが所定の長さまで伸長しておらず伸長が完了していない(ステップS114:N)と判断した場合、制御部40は支持部16Aの伸長動作を継続したままステップS112に戻って以降の処理を繰り返す。
【0044】
一方、支持部16Aの伸長動作中に第2操作部46Bが操作された(ステップS112:Y)、もしくは、支持部16Aが所定の長さまで伸長されて伸長動作が完了した(ステップS114:Y)と判断した場合、制御部40は、支持部16Aの伸長動作を停止して終了し(ステップS116)、景品取得部16の把持爪16Cを閉じて景品14を掴む動作を行わせる(ステップS118)。なお、本実施形態では、景品取得部16の支持部16Aが伸長しているときに、第2操作部46Bを操作することにより、その時点で支持部16Aの伸長が停止し、次の景品14を掴む動作に移行するように構成されている。これにより、遊技者が望む高さ(Z軸方向の位置)で景品取得部16の把持爪16Cに掴む動作(景品14を捕獲する動作)を行わせることができる。
【0045】
制御部40は、景品取得部16の把持爪16Cによる掴む動作が完了すると、景品捕獲動作を終了し、遊技状態を第1-2遊技状態から第2遊技状態に移行し、次ゲーム操作の受け付けを開始するとともに、景品取得部16の景品解放動作を開始する。なお、本実施形態の景品解放動作は、景品取得部16の把持爪16Cが閉じられた状態の把持部16Bを、支持部16Aが最も短い状態になるまで縮小させて上方に移動させる動作(「前段」と呼ぶ)と、移動部60により支持部16Aが最も短い状態になった景品取得部16を落下空間18上の落下位置まで移動させ、把持爪16Cを開いて景品14を解放する動作を行わせ、落下位置と待機位置とが異なる場合は景品取得部16を待機位置に移動させる(落下位置と待機位置とが同じである場合はその位置を維持する)という一連の動作(「後段」と呼ぶ)と、から構成されている。
【0046】
図10に示すように、制御部40は、景品解放動作の前段である、支持部16Aを鉛直方向上方に縮小させて把持部16B及び把持爪16Cの上方への移動を開始する(ステップS120)。そして、制御部40は、支持部16Aを縮小させるとともに、遊技者により現在のゲームを終了し次のゲームを開始する(現在の景品取得動作を中断し、次の景品取得動作を開始する)ための操作(以下「次ゲーム操作」と呼ぶ)が行われたか否かの判断と(ステップS124)、支持部16Aが最も短い状態になるまで縮小されて縮小が完了したか否かの判断と(ステップS130)を繰り返し実行する。次ゲーム操作が行われておらず(ステップS124:N)、また、支持部16Aが最も短い状態まで縮小しておらず縮小が完了していない(ステップS130:N)と判断した場合、制御部40は支持部16Aの縮小動作を継続したままステップS124に戻って以降の処理を繰り返す。なお、次ゲーム操作の詳細については後述する。一方、支持部16Aが最も短い長さまで縮小されて縮小動作が完了したと判断した場合(ステップS130:Y)、制御部40は、支持部16Aの縮小動作を停止して終了する(ステップS132)。
【0047】
さらに、制御部40は、景品解放動作の後段を開始する(ステップS134)。ここで、落下位置は、落下空間18上であって、把持爪16Cが開いて景品14を解放したときにその景品14が落下空間18に落下可能な位置であればよく、上述した待機位置と同じであってもよいし、待機位置と異なる位置であってもよい。また、把持爪16Cが開いて景品14が落下空間18に落下すると、制御部40は、上述した通過センサ74からの出力により、遊技者が景品14を取得したことを検出することができる。したがって、制御部40は、景品14が取得されたことに応じて、演出部により音や光による演出を実行するように構成していもよい。
【0048】
制御部40は、景品取得部16に景品解放動作の後段を行わせるとともに、次ゲーム操作が行われたか否かの判断と(ステップS136)、景品取得部16が景品解放動作の後段を行った結果、待機位置に移動して停止したか(景品解放動作が完了したか)否かの判断と(ステップS140)を繰り返し実行する。次ゲーム操作が行われておらず(ステップS136:N)、また、景品取得部16の景品解放動作が完了していない(ステップS140:N)と判断した場合、制御部40は景品取得部16の景品解放動作の後段の実行を継続したままステップS136に戻って以降の処理を繰り返す。
【0049】
一方、景品取得部16の景品解放動作の後段が完了したと判断した場合(ステップS140:Y)、制御部40は、景品取得部16を待機状態にし、さらに、次ゲーム操作の受け付けを終了する(ステップS142)。そして、制御部40は、クレジットが残っているか否かを判断し(ステップS144)、クレジットが残っていると判断した場合(ステップS144:Y)、制御部40は、ステップS102に戻って遊技状態を第2遊技状態から第1遊技状態の第1-1遊技状態に移行し、上述した処理(次のゲームまたは次の景品取得動作の実行)を繰り返す。一方、クレジットが残っていないと判断した場合(ステップS144:N)、制御部40はステップS100に戻って遊技者からクレジットを受け付ける状態に移行する。
【0050】
なお、以上の説明では第1操作部46Aをジョイスティックとし、第2操作部46Bをボタンとした場合について説明したが、第1操作部46Aをボタンとしてもよい。この場合、制御部40は、待機状態にある景品取得部16に対して第1操作部46Aが操作されている(ボタンが押し込まれている)ときは、景品取得部16をX軸方向(左右方向の右に向かう方向)に移動させ、第1操作部46Aの操作が解除される(ボタンが戻る)と、その位置で景品取得部16を停止させる。次に、制御部40は、第2操作部46Bが操作されている(ボタンが押し込まれている)ときは、景品取得部16をY軸方向(前後方向の奥に向かう方向)に移動させ、第2操作部46Bの操作が解除される(ボタンが戻る)と、その位置で景品取得部16を停止させ(第1-1遊技状態を終了し)、支持部16Aを伸長させ、把持爪16Cを閉じることで景品14を掴む動作をさせ、支持部16Aを縮小させ、景品取得部16を落下位置に移動させ、把持爪16Cを開くことにより景品14を解放する動作をさせ、待機位置で待機させるという制御を行う(第1-2遊技状態及び第2遊技状態を実行する)。
【0051】
また、以上の説明では、景品取得部16の把持爪16Cは開いた状態で待機状態に移行しているが、制御部40は、景品解放動作(後段)において景品取得部16に景品を解放する動作をさせた後、把持爪16Cを閉じてから、ステップS142で待機状態に移行してもよい。この場合、次のゲームの開始時点(次の景品取得動作の開始時点)では、把持爪16Cは閉じた状態であるため、制御部40は、ステップS110で支持部16Aの伸長を開始する前に、把持爪16Cを開く動作を行わせる。
【0052】
また、以上の説明では、景品取得部16の支持部16Aを、伸縮パイプで構成していたが、支持部16Aをワイヤで構成し、このワイヤをドラムを用いて繰り出し・巻き取ることにより支持部16Aを伸縮させるように構成してもよい。
【0053】
(次ゲーム操作)
次に、次ゲーム操作について説明する。上述したように、第2遊技状態に移行すると、景品取得部16が景品を解放する動作を行い待機位置(ホームポジション)に戻って待機状態に移行するまで次のゲーム(次の景品取得動作)を開始することができない。例えば、第2操作部46Bを操作して景品取得部16の把持爪16Cに景品を掴む動作をさせたときに、景品14を掴むことができなかった場合(景品14を捕獲することができなかった場合)、遊技者にとって待機位置に戻るまでの時間を無駄に感じることがある。そこで、本実施形態では、制御部40は、第2遊技状態にあるときに、次ゲーム操作を受け付け可能に構成されている。遊技者から次ゲーム操作を受け付けると、制御部40は、後述する条件を満足しているときに、景品解放動作の前段を実行している場合は、前段が終了した時点で、また、景品解放動作の後段を実行している場合は、その操作を受け付けた時点で、現在のゲーム(景品取得動作)を終了し、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始する(現在のゲーム(景品取得動作)の第2遊技状態から次のゲーム(次の景品取得動作)の第1遊技状態(第1-1遊技状態)に移行する)ように構成されている。
【0054】
以下に、次ゲーム操作が行われたときの制御部40の処理について説明する。なお、第2遊技状態において、景品取得部16の支持部16Aが縮小中(景品解放動作の前段の実行中)に次ゲーム操作が行われた場合と、縮小完了後(景品解放動作の後段の実行中)に次ゲーム操作が行われた場合とに分けて説明する。
【0055】
上述したように、制御部40は、第2遊技状態に移行すると、次ゲーム操作の受け付けを開始するとともに、景品解放動作の前段である支持部16Aを鉛直方向上方に縮小させて把持部16B及び把持爪16Cの上方への移動を開始する(
図10のステップS120)。このとき、制御部40は、次ゲーム操作の受け付けを開始したことを遊技者に報知するために、例えば、報知部としての表示部44に次ゲーム操作が可能なことを表示する(報知する)とともに、次ゲーム操作を受け付けるボタン(「次ゲームボタン」と呼ぶ)を表示し、この次ゲームボタンの受け付けを可能とする。このとき、制御部40は、演出部により音や光による演出を実行して次ゲーム操作が可能であることを報知してもよい。
【0056】
そして、制御部40は、景品取得部16の支持部16Aの縮小とともに、次ゲーム操作が行われたか(表示部44の次ゲームボタンが押されたか)否かの判断と(ステップS124)、支持部16Aが最も短い状態になるまで縮小されて縮小が完了したか否かの判断と(ステップS130)を繰り返し実行する。支持部16Aの縮小動作中に次ゲーム操作が行われたと判断した場合(ステップS124:Y)、制御部40は、まず、クレジットが残っているか否かを判断する(ステップS126)。クレジットが残っていない場合(ステップS126:N)、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始することができないため、制御部40はステップS130に戻って以降の処理を繰り返す。一方、クレジットが残っていると判断した場合(ステップS126:Y)、制御部40は、支持部16Aの縮小が完了するまで(景品解放動作の前段が終了するまで)待機する(ステップS128)。支持部16Aが伸びた状態で次のゲーム(次の景品取得動作)を開始すると、次のゲーム(次の景品取得動作)において遊技者は所望の位置に景品取得部16の把持部16B及び把持爪16Cを降下させることができなくなる可能性があるためである。支持部16Aの縮小が完了した(景品解放動作の前段が終了した)と判断した場合(ステップS128:Y)、制御部40は、ステップS146に進み次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。
【0057】
なお、ステップS126でクレジットが残っていないと判断した場合(ステップS126:N)、制御部40は、表示部44に遊技者に対してクレジットの投入を促す表示を行い、所定の時間待機するように構成してもよい。所定の時間内に遊技者によりクレジットが投入された場合は、制御部40は、支持部16Aの縮小完了後に次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。
【0058】
一方、景品取得部16の支持部16Aの縮小が完了すると、制御部40は、景品取得部16による景品解放動作の後段を開始する(
図10のステップS134)。このとき、制御部40は、景品取得部16に景品解放動作の後段を行わせるとともに、次ゲーム操作が行われたか(表示部44の次ゲームボタンが押されたか)否かの判断と(ステップS136)、景品取得部16が景品解放動作の後段を行った結果、待機位置に移動して停止したか否かの判断と(ステップS140)を繰り返し実行する。景品取得部16の景品解放動作の後段の実行中に次ゲーム操作が行われたと判断した場合(ステップS136:Y)、制御部40は、クレジットが残っているか否かを判断する(ステップS138)。上述したように、クレジットが残っていない場合(ステップS138:N)、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始することができないため、制御部40はステップS140に戻って以降の処理を繰り返す。一方、クレジットが残っていると判断した場合(ステップS138:Y)、制御部40は、ステップS146に進み次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。
【0059】
なお、ステップS138でクレジットが残っていないと判断した場合(ステップS138:N)、制御部40は、表示部44に遊技者に対してクレジットの投入を促す表示を行い、所定の時間待機するように構成してもよい。所定の時間内に遊技者によりクレジットが投入された場合は、制御部40は、次のゲームを開始するための処理を実行する。
【0060】
図11に示すように、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理において、制御部40は、まず、景品取得部16の景品解放動作(後段)を停止する(ステップS146)。そして、制御部40は、現在の位置において景品取得部16に景品を解放する動作を実行させて、把持爪16Cを開いた状態にし(ステップS148)、次のゲームに移行すること(次の景品取得動作が開始されること)を遊技者に報知する(ステップS150)。次のゲームに移行すること(次の景品取得動作が開始されること)の報知は、例えば、制御部40により、表示部44に表示してもよいし、演出部を介して音や光による演出を実行してもよい。次のゲーム(次の景品取得動作)が開始することの報知を行うと、制御部40は、ステップS102に戻って遊技状態を現在の景品取得動作の第2遊技状態から次の景品取得動作の第1遊技状態(第1-1遊技状態)に移行し、上述した処理(次のゲーム又は次の景品取得動作の実行)を繰り返す。
【0061】
なお、次ゲーム操作の受け付けは表示部44に表示された次ゲームボタンに対する操作に限定されることはない。例えば、制御部40は、第2遊技状態において操作部46(第1操作部46A又は第2操作部46B)に対する操作を受け付けると、上述した条件を満足しているときに、現在のゲーム(現在の景品取得動作)を終了し次のゲーム(次の景品取得動作)を開始する(現在の景品取得動作の第2遊技状態から次の景品取得動作の第1遊技状態(第1-1遊技状態)に移行する)ように構成してもよい。
【0062】
また、以上の説明では、収容空間12内において、操作部46の操作に応じて景品取得部16をX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成した場合について説明したが、景品取得部16のX軸方向及びY軸方向への移動は行わず、収容空間12内のX軸方向及びY軸方向の固定された位置で、操作部46の操作に応じてZ軸方向に景品取得部16を伸縮させて景品捕獲動作(第1遊技状態)及び景品解放動作(第2遊技状態)を実行するように構成してもよい。この場合、第1遊技状態における景品捕獲動作は、上述した第1-2遊技状態が実行され、第2遊技状態における景品解放動作は、上述した前段(支持部16Aを縮小する動作)及び後段の景品を解放する動作(把持爪16Cをを開く動作)が実行される。あるいは、第1-1遊技状態として、景品取得部16を回転させる(支持部16Aを回転軸として、把持部16B及び把持爪16Cを回転させる)ことにより、把持爪16Cの方向を遊技者に決定させるように構成してもよい。
【0063】
また、以上の説明では、景品捕獲動作において、景品取得部16の支持部16Aを伸長させて把持部16Bに設けられた把持爪16Cを閉じることにより、景品14を掴む動作を行うように構成した場合について説明したが、制御部40は、景品捕獲動作において、操作部46の操作に応じて景品取得部16で景品14を掬い取る動作を行い、景品解放動作の後段において、操作部46の操作に応じて景品取得部16から掬い取った景品14を落下位置で落とす動作を行うように構成してもよい。
【0064】
また、以上の説明では、景品取得部16で捕獲した景品14を落下位置で落下空間18に向かって落とす(解放する)ことにより、景品14を取得するように構成した場合について説明したが、収容空間12内の落下空間18の上方でない位置で景品14を解放し(その景品14は収容空間12内に落下する)、解放された景品14により落下空間18に押し出されて落下した景品14を取得するように構成してもよい。
【0065】
(第1の変形例)
このように、本実施形態では、制御部40は、第2遊技状態に移行すると次ゲーム操作が可能なことを報知するとともに、次ゲーム操作を受け付けると、現在のゲーム(現在の景品取得動作)を終了して次のゲーム(次の景品取得動作)を実行するように構成されているが、遊技者が誤って次ゲーム操作を行ってしまい次のゲーム(次の景品取得動作)が開始されてしまうと、遊技者に不利益を与えてしまう可能性がある。例えば、景品取得部16の把持爪16Cで景品14を掴んでいる状態、又は、把持爪16C等に景品14が引っかかって持ち上げられている状態で次ゲーム操作が行われると、景品取得部16の把持爪16Cが開かれた状態になるため、景品14を落としてしまう(解放してしまう)虞がある。このような遊技者による誤った次ゲーム操作を防止するための第1の変型例について、
図12を用いて説明する。なお、
図12は、上述した第2遊技状態における処理(
図10)を示しており、
図10と同じ処理については同じ符号を付して詳細な説明は省略し、異なる処理について説明する。
【0066】
上述したように、制御部40は、景品取得部16の支持部16Aの縮小動作中に(景品解放動作の前段を実行中に)次ゲーム操作が行われたと判断すると(ステップS124:Y)、クレジットが残っているか否かを判断する(ステップS126)ように構成されている。
図12に示すように、この第1の変形例では、クレジットが残っていると判断した場合(ステップS126:Y)、制御部40は、例えば表示部44に次のゲーム(次の景品取得動作)に移行してよいかを確認するメッセージと、移行を承認するボタン及び移行を承認しないボタンとを表示して、これらのボタンに対する操作を受け付け可能にする(ステップS127a)。そして、制御部40は、支持部16Aの縮小完了、すなわち、景品解放動作の前段の終了を待ち(ステップS128)、縮小が完了した(前段が終了した)と判断した場合(ステップS128:Y)、遊技者により次のゲーム(次の景品取得動作)への移行が承認されたか否かの判断を行う(ステップS129a)。遊技者により表示部44の移行を承認するボタンが操作されて移行が承認されたと判断した場合(ステップS129a:Y)、制御部40は、ステップS146以降の、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。一方、遊技者により表示部44の移行を承認しないボタンが操作されて移行が承認されなかった、又は、支持部16Aの縮小完了までに(前段の終了までに)表示部44に対する操作が行われなかったと判断した場合(ステップS129a:N)、制御部40は、ステップS132に戻って、支持部16Aの縮小動作を停止して終了し、景品取得部16による景品解放動作の後段に移行する。
【0067】
また、制御部40は、景品取得部16の支持部16Aの縮小完了後(景品解放動作の前段の完了後)、景品解放動作の後段の実行中に次ゲーム操作が行われたと判断すると(ステップS136:Y)、クレジットが残っているか否かを判断し(ステップS138)、クレジットが残っていると判断すると(ステップS138:Y)、例えば表示部44に次のゲーム(次の景品取得動作)に移行してよいかを確認するメッセージと、移行を承認するボタン及び移行を承認しないボタンとを表示して、これらのボタンに対する操作を受け付け可能にする(ステップS139a)。そして、制御部40は、遊技者により次のゲーム(次の景品取得動作)への移行が承認されたか否かの判断を行う(ステップS139b)。遊技者により表示部44の移行を承認するボタンが操作されて移行が承認されたと判断した場合(ステップS139b:Y)、制御部40は、ステップS146以降の、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。一方、遊技者により表示部44の移行を承認しないボタンが操作されて移行が承認されなかった、又は、表示部44に次ゲーム移行確認のボタンが表示されてから所定の時間内に表示部44に対する操作が行われなかったと判断した場合(ステップS139b:N)、制御部40は、ステップS140に戻って、景品取得部16による景品解放動作の後段の実行を継続する。なお、制御部40は、次ゲーム操作が行われると、景品取得部16が待機状態に移行するまで(景品解放動作の後段が完了し、待機状態に移行するまで)次のゲームへの移行を承認するボタン及び承認しないボタンの受け付けを継続し、その間に移行を承認するボタンが操作されたときは、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理に移行し、移行を承認しないボタンが操作されるか、景品取得部16の景品解放動作の後段が完了する時点まで遊技者による表示部44に対する操作が行われなかったときは、次ゲーム(次の景品取得動作)への移行が承認されなかったと判断し、景品解放動作の後段の実行を継続してもよい。
【0068】
このように、第1の変形例では、次ゲーム操作が行われたときに、制御部40により遊技者に次のゲーム(次の景品取得動作)の実行を承認するか否かの確認作業を行うため、遊技者が誤って次ゲーム操作を行っても、この操作が認証されるまでは次のゲーム(次の景品取得動作)が実行されることはない。
【0069】
(第2の変形例)
上述した第1の変形例では、遊技者の誤った次ゲーム操作により次のゲーム(次の景品取得動作)が実行されることを防止するために、次のゲームへの移行(次の景品取得動作への移行)を遊技者に承認させるように構成した場合について説明したが、第2の変形例では、景品取得部16が景品14を掴んでいる(景品取得部16が景品14を捕獲している)ことを検知して検出信号を制御部40に出力する景品検出部78を設け、制御部40が、景品検出部78からの検出信号により景品取得部16が景品14を掴んでいるか否かを判断し、景品14を掴んでいると判断したときは、遊技者が次ゲーム操作を行っても次のゲーム(次の景品取得動作)に移行しないように構成した場合について
図13を用いて説明する。なお、
図13は、上述した第2遊技状態における処理(
図10)を示しており、
図10と同じ処理については同じ符号を付して詳細な説明は省略し、異なる処理について説明する。
【0070】
景品検出部78としては、例えば、
図5に示すように、景品取得部16の把持部16Bに設けられ、把持爪16Cで掴んでいる、もしくは把持爪16Cに引っかかっている景品14を検出する構成とすることができる。このような景品検出部78の一例としては、把持部16Bの下面から下方に赤外線等の光を射出し、把持爪16Cで掴んでいるもしくは引っかかっている景品14で反射した光を受光して検出することにより景品14を検出するように構成してもよい。あるいは、景品検出部78として、把持部16Bの下面から下方を撮像するカメラを設け、このカメラの画像を画像解析することにより、把持爪16Cで掴んでいる(もしくは引っかかっている)景品14を検出するように構成してもよい。
【0071】
あるいは、景品検出部78として、把持部16B及び把持爪16Cの合計の重さの変化を検出するように構成し、把持部16B及び把持爪16Cの合計の重さが増えたときに、把持爪16Cで景品14を掴んでいる(もしくは引っかかっている)ことを検出するように構成してもよい。
【0072】
あるいは、景品検出部78として、収容空間12内に、景品取得部16を撮像可能なカメラを設け、このカメラの画像を画像解析することにより、把持爪16Cで掴んでいる(もしくは引っかかっている)景品14を検出するように構成してもよい。
【0073】
あるいは、景品検出部78として、景品取得部16の把持爪16Cの先端に掴んでいる景品14を検出するセンサ(例えば、接触センサ)を設け、このセンサで景品14を検出するように構成してもよい。また、把持爪16Cで景品14を掴んでいると、景品取得部16に景品14を掴む動作をさせても把持爪16Cは完全に閉じることはない。また、把持爪16Cの先端に景品14が引っかかっている場合も、その把持爪16Cは景品14の重さで開く方向に引っ張られている可能性がある。したがって、景品検出部78として、把持爪16Cが完全に閉じているか否かを検出するセンサを設け、このセンサの出力により景品14を検出するように構成してもよい。
【0074】
第1の変形例と同様に、制御部40は、景品取得部16の支持部16Aの縮小動作中に(景品解放動作の前段の実行中に)次ゲーム操作が行われたと判断すると(ステップS124:Y)、クレジットが残っているか否かを判断する(ステップS126)ように構成されている。
図13に示すように、この第2の変形例では、クレジットが残っていると判断した場合(ステップS126:Y)、制御部40は、支持部16Aの縮小完了、すなわち、景品解放動作の前段の終了を待ち(ステップS128)、縮小が完了した(前段が終了した)と判断した場合(ステップS128:Y)、景品検出部78が景品14を検出しているか否かを判断する(ステップS129b)。景品検出部78により景品14が検出されない場合(ステップS129b:N)、制御部40は、ステップS146以降の、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。一方、景品検出部78が景品14を検出している場合(ステップS129b:Y)、制御部40は、ステップS132に戻って、支持部16Aの縮小動作を停止して終了し、景品取得部16による景品解放動作の後段に移行する。
【0075】
また、制御部40は、景品取得部16の支持部16Aの縮小完了後(景品解放動作の前段の完了後)、景品解放動作の後段の実行中に次ゲーム操作が行われたと判断すると(ステップS136:Y)、クレジットが残っているか否かを判断し(ステップS138)、クレジットが残っていると判断すると(ステップS138:Y)、景品検出部78が景品14を検出しているか否かを判断する(ステップS139c)。そして、景品検出部78により景品14が検出されない場合(ステップS139c:N)、制御部40は、ステップS146以降の、次のゲーム(次の景品取得動作)を開始するための処理を実行する。一方、景品検出部78が景品14を検出している場合(ステップS139c:Y)、制御部40は、ステップS140に戻って、景品取得部16による景品解放動作の後段の実行を継続する。
【0076】
なお、上述した説明では、制御部40は、景品検出部78で景品14を検出しているときは次のゲーム(次の景品取得動作)を実行しない(現在の景品取得動作の第2遊技状態を継続して次の景品取得動作の第1遊技状態(第1-1遊技状態)に移行しない)ように構成されているが、次ゲーム操作が行われたときに、景品検出部78で景品14を検出しているときは、制御部40が、表示部44に景品14を検出していること及び次のゲーム(次の景品取得動作)に移行してよいかを確認するメッセージと、移行を承認するボタン及び移行を承認しないボタンとを表示して、これらのボタンに対する操作を受け付け可能にするように構成してもよい。この場合、制御部40は、遊技者により承認するボタンが操作されたと判断したときは次のゲーム(次の景品取得動作)に移行し、承認しないボタンが操作されたと判断したときは次のゲーム(次の景品取得動作)に移行しないように構成される。
【0077】
このように、第2の変形例では、次ゲーム操作が行われたときに、景品検出部78により、景品取得部16の把持爪16Cで掴んでいる(もしくは引っかかっている)景品14を検出するので、景品14が検出されているときは、遊技者が誤って次ゲーム操作を行っても、次のゲーム(次の景品取得動作)が実行されることはない。
【0078】
なお、第1の変形例及び第2の変形例はどちらか一方を装置10に実装してもよいし、両方を装置10に実装してもよい。
【0079】
また、上述した遊技者による次ゲーム操作を受け付け可能とするか否か(次ゲーム操作の許可・不許可)を切り替え可能に構成してもよい。上述したように、作業員が鍵スロット72に正規の設定鍵を差し込むと、制御部40は制御状態を設定モードに移行させる。設定モードに移行すると、制御部40は、表示部44に装置10の設定等を行うための情報やメニュー等を表示する。表示部44はタッチパネルで構成されているため、作業員はこのメニュー等を操作して所望の設定等を行うことができる。この設定モードにおいて、次ゲーム操作の許可・不許可の設定を行うことができる。
【0080】
また、上述した装置10は、景品取得部16が、第1の方向及び第2の方向であるX軸方向及びY軸方向に移動し、第3の方向であるZ軸方向に伸縮して景品14を捕獲する動作を行うように構成した場合について説明したが、例えば、第1の方向をX軸方向(又はY軸方向)とし、第2の方向をZ軸方向として、景品取得部16をX軸方向(又はY軸方向)及びZ軸方向に移動させ、さらに、第3の方向をY軸方向(又はX軸方向)として、Y軸方向(又はX軸方向)に伸縮して景品14を捕獲する動作を行うように構成してもよい。
【0081】
また、上述した装置10は、1回のゲーム(1クレジット)で1回の景品取得動作を実行する場合について説明したが、1回のゲーム(1クレジット)で所定の時間内で景品14を取得することができるまで景品取得動作を繰り返し実行できる構成や、1回のゲーム(1クレジット)で所定の時間内であれば何度でも景品取得動作を実行できる構成とすることができる。この場合、次ゲーム操作が行われて、次の景品取得動作に移行可能か否かは、クレジットが残っているか否かの判断(
図10のステップS126、S138)ではなく、所定の時間を経過しているか否かで判断する。また、景品14を取得するまで景品取得動作を繰り返し実行できる構成では、景品14を取得できたとき(通過センサ74の検出信号により景品14が取得できたことを検出したとき)に、景品取得動作の終了を待って、そのゲームは終了する。
【0082】
(本実施形態の特徴構成と効果)
以下に、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置10の特徴構成とその効果についてまとめる。
【0083】
本実施形態に係る景品取得ゲーム装置10において、制御部40は、第2遊技状態にあるときに、操作部(表示部44及び操作部46)に対する所定の操作(次ゲーム操作)を受け付けると、現在実行している景品取得動作を構成する景品解放動作のうち、所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の第1遊技状態に移行するように構成されている。このように、第2遊技状態に移行すると、制御部40が次ゲーム操作を受け付け可能とすることにより、遊技者は、景品取得部16により景品14を捕獲することができなかったときに、現在実行している景品取得動作の終了を待たずに次の景品取得動作を実行することができ、現在の景品取得動作の終了を待たなければ次の景品取得動作を行えないというストレスを遊技者に与えることがない。また、このように構成すると、遊技者は、現在の景品取得動作で狙った位置(景品取得部16のX軸方向及びY軸方向の位置)もしくはその近傍で、次の景品取得動作を開始することができるので、遊技者にとって景品14に対する景品取得部16の狙い(位置決め)が容易になる場合がある。また、次ゲーム操作が行われると、現在実行されている景品取得動作の当該操作以降の動作の少なくとも一部が省略されるため、1回のゲーム(1回の景品取得動作)にかかる時間が短くなり、装置10の稼働率を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置10は、第2遊技状態において景品取得部16の支持部16Aが縮小している(景品解放動作の前段が実行されている)ときに次ゲーム操作が行われると、制御部40は、支持部16Aの縮小が完了するまで(景品解放動作の前段が終了するまで)次の景品取得動作(次の景品取得動作の第1遊技状態)に移行しないように構成することができる。支持部16Aの縮小が完了していない状態(支持部16Aが伸びた状態)で次の景品取得動作を開始すると、次の景品取得動作において把持部16B及び把持爪16Cを現在の位置より上方で停止させることができない、すなわち、遊技者は所望の位置に景品取得部16の把持部16B及び把持爪16Cを降下させることができなくなる可能性があるため、支持部16Aの縮小が完了するまでは次の景品取得動作に移行しないように構成される。
【0085】
また、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置10は、第2遊技状態において次ゲーム操作が行われると、次の景品取得動作の第1遊技状態に移行せず、報知部である表示部44により次の景品取得動作に移行することを報知(次の景品取得動作に移行してよいかを確認するメッセージと、移行を承認するボタン及び移行を承認しないボタンとを表示)して現在の景品取得動作の実行(第2遊技状態)を継続し、操作部である表示部44により次の景品取得動作に移行することを承認する操作を受け付けたときに(遊技者により承認するボタンが操作されたときに)、次の景品取得動作の第1遊技状態に移行するように構成することができる。例えば、景品取得部16で景品14を捕獲しているときに、遊技者が誤って次ゲーム操作をしてしまうと、景品取得部16から景品14が落ちてしまう(把持爪16Cが開いて景品14を落としてしまう)可能性があるが、この構成により、次ゲーム操作がされても遊技者の意思を確認する(承認するボタンが操作されたことを確認する)ことにより、遊技者の誤操作による次の景品取得動作への移行を防止することができる。
【0086】
また、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置10は、景品取得部16が景品14を捕獲している(景品取得部16が景品14を掴んでいる(もしくは景品取得部16の把持爪16Cに景品14が引っかかっている))状態を検出する景品検出部78を有し、制御部40は、この景品検出部78で景品14が検出されているときは、次ゲーム操作が行われても次の景品取得動作に移行しないように構成することができる。この構成により、景品取得部16が景品14を捕獲しているときに、遊技者の誤操作により次の景品取得動作に移行して、景品14を落としてしまう(または、落下空間18の上方でないところ(落下位置でないところ)で景品14を解放してしまう)ことを防止することができる。
【0087】
また、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置10の制御部40は、次ゲーム操作がされたときに、景品検出部78で景品14が検出されているときは、報知部である表示部44により次の景品取得動作に移行することを報知(次の景品取得動作に移行してよいかを確認するメッセージと、移行を承認するボタン及び移行を承認しないボタンとを表示)して第2遊技状態を継続し、操作部である表示部44により次の景品取得動作に移行することを承認する操作を付け付けたときに(遊技者により承認するボタンが操作されたときに)、次の景品取得動作の第1遊技状態に移行するように構成してもよい。この構成により、遊技者による上述した誤操作を防止するとともに、景品検知部78が誤って景品14を検知している場合や、景品14を捕獲していたとしても次の景品取得動作を行いたいという遊技者の意思により、次の景品取得動作に移行することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 景品取得ゲーム装置
12 収容空間
16 景品取得部
16A 支持部
16B 把持部
18 落下空間
40 制御部
44 表示部(操作部、報知部)
46 操作部
78 景品検出部
【要約】
【課題】遊技者が効率良くゲームを行うことができる景品取得ゲーム装置を提供する。
【解決手段】
景品取得ゲーム装置10は、景品取得部16と、操作部(表示部44又は操作部46)と、制御部40とを有し、制御部40が制御する1回の景品取得動作は、操作部に対する操作を受け付けたときに、待機状態にある景品取得部16に対して景品を捕獲する動作を含む景品捕獲動作を行わせる第1遊技状態と、景品取得部16による景品14を解放する動作を含む景品解放動作を行わせ、さらに待機状態にする第2遊技状態と、を有し、制御部40は第2遊技状態にあるときに操作部に対する所定の操作を受け付けると、景品解放動作のうち、所定の操作を受け付けた以降の動作の少なくとも一部を中止し、中止した時点から次の景品取得動作の第1遊技状態に移行する。
【選択図】
図1