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特許7658629情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20250401BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
H04N1/387 101
G06F3/12 342
G06F3/12 308
G06F3/12 350
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024058480
(22)【出願日】2024-04-01
【審査請求日】2024-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524124927
【氏名又は名称】Docurain株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一成
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-095560(JP,A)
【文献】特開2015-170115(JP,A)
【文献】特開2019-217676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/387
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって作成された表計算データを取得する取得部と、
前記表計算データに基づいて表示部に表示される所定の用紙サイズの縦と横の比を示す印刷対象範囲において、前記印刷対象範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷対象範囲の周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置するオブジェクト配置部と、
前記印刷対象範囲に前記補正オブジェクトが配置された前記表計算データが変換された変換データを補正する補正部であって、
前記変換データは、
前記印刷対象範囲内の情報を表示する印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域とを含み、前記所定の用紙サイズの紙に前記印刷対象範囲内の情報を印刷装置で印刷した場合の表示状態を示す、表示画面を、
前記表示部に表示させることができるPDFデータであり、
前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに関する情報に基づいて、前記表示画面内において前記印刷表示領域を拡大して、前記余白領域がなくなるように前記変換データを補正する補正部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記オブジェクト配置部は、前記補正オブジェクトが配置される前記印刷対象範囲内の位置における色彩と同じ色彩または透明の前記補正オブジェクトを配置する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記オブジェクト配置部は、前記補正オブジェクトを前記印刷対象範囲における少なくとも対角の二つの頂点を含むように配置する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記表計算データに基づいて前記表示部に表示される前記印刷対象範囲の前記複数のセルの縦と横の長さまたは比を所定の条件に設定する設定部をさらに備え、
前記補正部は、前記設定部で設定された前記表計算データが変換された前記変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに関する情報に基づいて、前記表示画面内において前記印刷表示領域を拡大して、前記余白領域がなくなるように補正する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータ
格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって作成された表計算データを取得することと、
前記表計算データに基づいて表示部に表示される所定の用紙サイズの縦と横の比を示す印刷対象範囲において、前記印刷対象範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷対象範囲の周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置することと、
前記印刷対象範囲に前記補正オブジェクトが配置された前記表計算データが変換された変換データを補正することであって、
前記変換データは、
前記印刷対象範囲内の情報を表示する印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域とを含み、前記所定の用紙サイズの紙に前記印刷対象範囲内の情報を印刷装置で印刷した場合の表示状態を示す、表示画面を、
前記表示部に表示させるためのPDFデータであり、
前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに関する情報に基づいて、前記表示画面内において前記印刷表示領域を拡大して、前記余白領域がなくなるように前記変換データを補正することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって作成された表計算データを取得することと、
前記表計算データに基づいて表示部に表示される所定の用紙サイズの縦と横の比を示す印刷対象範囲において、前記印刷対象範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷対象範囲の周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置することと、
前記印刷対象範囲に前記補正オブジェクトが配置された前記表計算データが変換された変換データを補正することであって、
前記変換データは、
前記印刷対象範囲内の情報を表示する印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域とを含み、前記所定の用紙サイズの紙に前記印刷対象範囲内の情報を印刷装置で印刷した場合の表示状態を示す、表示画面を、
前記表示部に表示させるためのPDFデータであり、
前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに関する情報に基づいて、前記表示画面内において前記印刷表示領域を拡大して、前記余白領域がなくなるように前記変換データを補正することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
読み取った原稿上の画像を、印刷媒体上において、使用者が意図若しくは予定した任意の大きさ若しくはレイアウトにて印刷できるようにする画像読取装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-143109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像読取装置は、印刷装置が受信した画像データのうち印刷媒体上に載る領域を検出し、その検出結果を用いて、所望のレイアウトにて画像を印刷媒体上に印刷可能に原稿画像を補正する。具体的には、まず、画像読取装置は、印刷装置に基準画像データを送信する。印刷装置は、基準画像を印刷する。次に、使用者は、基準画像の印刷が完了すると基準画像が印刷された印刷媒体を、画像読取装置のスキャナ部で読み込んで補正用画像データを生成する。このとき、画像読取装置は、印刷装置の内部設定情報に
基づき、基準画像を補正して補正用画像データを生成する。このように、画像読取装置は、光学的読取を経由して、原稿画像について印刷媒体上で所望の大きさまたはレイアウト(補正用画像データ)にて、印刷装置に印刷させることが可能となる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の画像読取装置では、所望のレイアウトにて印刷するための使用者の作業手間が大きく膨大な量の画像データの印刷作業に対応できないという問題を生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、簡易な処理にて所望の印刷結果を得られるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって所定の用紙サイズの縦と横の比で作成された印刷用の印刷データであって、当該印刷データの範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷データの周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置するオブジェクト配置部と、前記印刷データが変換された変換データであって、前記印刷データが表示される印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域と、を含む、前記所定の用紙サイズの、紙に印刷するときの状態を示すファイル形式である変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正する補正部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって所定の用紙サイズの縦と横の比で作成された印刷用の印刷データであって、当該印刷データの範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷データの周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置することと、前記印刷データが変換された、前記印刷データが表示される印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域と、を含む、前記所定の用紙サイズの、紙に印刷する状態を示すファイル形式である変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正することと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって所定の用紙サイズの縦と横の比で作成された印刷用の印刷データであって、当該印刷データの範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷データの周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置することと、前記印刷データが変換された、前記印刷データが表示される印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域と、を含む、前記所定の用紙サイズの、紙に印刷する状態を示すファイル形式である変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な処理にて所望の印刷結果を得られるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】印刷出力調整システムの構成の一例を示す図である。
図2】印刷情報D111の一例を示す図である。
図3】フォーマット情報D112の一例を示す図である。
図4】表計算ソフトウェアで生成される印刷データを示す図である。
図5】印刷データに補正オブジェクトを配置した状況の一例を示す図である。
図6】印刷データに補正オブジェクトを配置した状況の他の例を示す図である。
図7】印刷データを変換したPDFデータの一例を示す図である。
図8】PDF変換された補正オブジェクトに基づき印刷表示領域を特定する一例を示す図である。
図9】印刷表示領域を拡大して余白領域を除去する一例を示す図である。
図10】印刷データにおける任意の二か所に補正オブジェクトが配置された状況を示す図である。
図11】印刷出力調整システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、一つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されてもよく、二つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
===印刷出力調整システム100===
<<概要>>
印刷出力調整システム100は、表計算ソフトウェアで作成された印刷用の表計算データを変換した、紙に印刷する状態を示すファイル形式である変換データについて、適切に余白を除去することが可能なシステムである。
【0014】
表計算ソフトウェアは、格子状に多数のセルを配置して複数行及び複数列を形成する表計算データを生成するソフトウェアである。
【0015】
変換データは、例えばPDF(Portabe document format)データである。以下、便宜上、変換データを「PDFデータ」として説明する。
【0016】
様々な表計算ソフトウェアでは、表計算データを変換したPDFデータの周辺部に余白を生じる。これは、一般的な印刷処理では、印刷用紙などの印刷媒体の全面に余白なく印刷を実行することを要求されないためである。また、表計算ソフトウェアの種類によって当該余白の範囲が異なる。そして、当該余白を除去するためにPDFデータを引き延ばす場合、元の表計算データを構成する複数のセルのそれぞれの大きさが異なるなどの事情により、PDFデータに歪みが生じる。そこで、印刷出力調整システム100は、表計算ソフトウェアで生成される表計算データをPDFデータに変換したときに生じる余白を、PDFデータを歪ませることなく除去して、余白のない所定の用紙サイズのPDFデータを生成する。
【0017】
印刷出力調整システム100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。なお、印刷出力調整システム100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータ(限定ではなく例として、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング)により実現されていてもよい。
【0018】
<<構成>>
図1を参照して、印刷出力調整システム100の構成について説明する。図1は、印刷出力調整システム100の構成の一例を示す図である。図1に示すように、印刷出力調整システム100は、例えば、記憶部110と、取得部120と、設定部130と、オブジェクト配置部140と、PDF変換部150と、補正部160と、表示処理部170とを含む。
【0019】
記憶部110は、印刷情報D111と、フォーマット情報D112とを含む。
【0020】
図2を参照して、印刷情報D111の構成について説明する。図2は、印刷情報D111の一例を示す図である。印刷出力調整システム100は、印刷情報D111を参照してPDFデータの余白を除去する。
【0021】
図2に示すように、印刷情報D111は、例えば、[印刷ID]、[表計算ソフトウェア]、[印刷データ]、[PDFデータ]、[補正オブジェクト]の項目を含んでいてもよい。[印刷ID]は、表計算データを一意に識別可能な識別情報を記憶する。[表計算ソフトウェア]は、例えば表計算ソフトウェアの名称を記憶する。[印刷データ]は、表計算データである印刷データを記憶する。印刷データには、用紙サイズ、セルの縦と横の長さまたは比を示す情報が含まれていてもよい。[PDFデータ]は、PDFデータに関する各種情報を含む。各種情報は、例えば、用紙サイズ、印刷領域R10における頂点の座標(例えば対角の二つの頂点や四隅の頂点)、印刷表示領域R11の頂点の座標(例えば対角の二つの頂点や四隅の頂点)、余白領域R12の座標範囲などである。[補正オブジェクト]は、例えば、印刷データの範囲内の少なくとも二か所に配置される補正オブジェクトB10の位置を示す座標または座標範囲を記憶する。
【0022】
図3を参照して、フォーマット情報D112の構成について説明する。図3は、フォーマット情報D112の一例を示す図である。印刷出力調整システム100は、フォーマット情報D112を参照して印刷データを歪みのないPDFデータに変換する。
【0023】
フォーマット情報D112は、例えば、[フォーマットID]、[初期フォーマット]、[表計算ソフトウェア]、[補正量]、[バージョン情報]、[設定後フォーマット]の項目を含んでいてもよい。[フォーマットID]は、印刷データを反映させるフォーマットを一意に識別可能な識別情報を記憶する。[初期フォーマット]は、印刷データが反映される表計算ソフトウェアで生成される所定の用紙サイズの白地のデータであるフォーマット(以下、「初期フォーマット」という。)を記憶する。[表計算ソフトウェア]は例えば表計算ソフトウェアを識別可能な名称を記憶する。[補正量]は、フォーマットに反映される補正量を記憶する。補正量(設定条件)は、例えばセルの縦および横の長さまたは比の調整量などである。[バージョン情報]は、表計算ソフトウェアおよび補正量の組み合わせを識別可能なバージョン情報を記憶する。バージョン情報は、特定の補正量を適用したテンプレートを識別可能な情報である。[設定後フォーマット]は、初期フォーマットを設定部130で各セルを補正量に基づき設定されたデータであるフォーマット(以下、「設定後フォーマット」という。)を記憶する。
【0024】
ここで、印刷出力調整システム100は、所定の時点における補正量をバージョン情報に関連づけるフォーマット情報D112によって、ユーザに対して所望の補正量が適用されたテンプレートを提供することが可能となる。これにより、ユーザは所望の印刷結果を得ることができる。
【0025】
取得部120は、表計算ソフトウェアで生成された印刷データD1を取得する。
【0026】
設定部130は、所定の用紙サイズの表計算データである印刷を示す印刷データD1に対して、複数のセルの縦と横の長さまたは比を所定の条件に設定する。所定の用紙サイズは、定型的なA4やA3サイズなどに限定されず、任意の用紙サイズであってもよい。図4は、表計算ソフトウェアで生成される印刷データD1を示す図である。図4に示すように、設定部130は、例えば複数のセルの縦の長さL1と横の長さL2を所定の長さ(例えば1mm)に設定してもよいし、セルの縦と横の比を所定の比(例えば1:1)に設定してもよい。図4では、一例として印刷データD1がA4サイズのデータであるとして説明する。すなわち、図4では、例えば縦の長さ:横の長さが297:210となるように構成された印刷データD1を示す。
【0027】
これにより、印刷出力調整システム100は、印刷データD1を構成する全てのセルが同じ歪みを示すため、当該印刷データD1を変換したPDFデータD2を均一に引き延ばすだけで、余白が除去された所定の用紙サイズのPDFデータとすることができる。すなわち、印刷出力調整システム100は、セルの一つ一つを調整することなく簡易な手法で歪みがなく余白を除去した所定の用紙サイズの印刷出力が可能となる。
【0028】
さらに言うと、印刷データD1に対してユーザによる不要な操作によって各セルの大きさが変更されたような場合、印刷データD1をPDFデータD2に変換すると、特定のセルの大きさが不均一となることから容易に余白を除去することができなくなる。そこで、印刷出力調整システム100では、PDFデータD2に変換する前に、全てのセルの縦と横の長さまたは比を均一にすることにより、PDFデータD2を均一に引き延ばすだけで余白を除去して所定の用紙サイズの印刷出力が可能となる。
【0029】
なお、設定部130は、印刷データD1が反映される表計算ソフトウェアで生成された初期フォーマットについて、フォーマット情報D112の補正量に基づき、その複数のセルの縦と横の長さまたは比が均一になるように設定して設定後フォーマットを生成してもよい。設定部130は、設定後フォーマットをフォーマット情報D112に格納する。
【0030】
表計算ソフトウェアで生成されるフォーマットのそれぞれには、複数のセルのそれぞれにわずかの差が生じ得る。当該差については人が視認して特定可能なものだけではない。すなわち、表計算ソフトウェアによって同じ手順で作成された初期フォーマットであっても、複数のセルのそれぞれに生じる差が均一ではない。そこで、設定部130は、初期フォーマットのそれぞれに応じた補正量で補正した設定後フォーマットを予め生成して、設定後フォーマットをフォーマット情報D112に格納する。印刷出力調整システム100では、予め複数のセルが均一になるように設定された設定後フォーマットを用いることにより、作業者における印刷実行までにかかる準備時間を短縮できる。
【0031】
オブジェクト配置部140は、印刷データD1における所定の用紙サイズの範囲内の少なくとも二か所に、印刷データD1の周縁である四つの辺との位置関係を特定可能な補正オブジェクトB10を配置する。
【0032】
補正オブジェクトB10は、例えば印刷データD1における配置される箇所の色彩と同じ色彩または透明のオブジェクトである。これにより、補正オブジェクトB10は視認されないように紙面に印刷される。また、補正オブジェクトB10は、例えば点や二つの直線の交点などであってもよい。
【0033】
図5図6を参照して、印刷データD1に配置される補正オブジェクトB10について説明する。図5は、印刷データD1に補正オブジェクトB10を配置した状況の一例を示す図である。図6は、印刷データD1に補正オブジェクトB10を配置した状況の他の例を示す図である。
【0034】
図5に示すように、オブジェクト配置部140は、例えば、印刷データD1の範囲内の任意の二か所に補正オブジェクトB10を配置する。なお、オブジェクト配置部140は、印刷データD1の対角の頂点からはみ出して当該頂点を包含するように補正オブジェクトB10を配置してもよい。また、オブジェクト配置部140は、印刷データD1の範囲を四つの直線で取り囲むように補正オブジェクトB10を配置してもよい。
【0035】
ここで、図6に示すように、オブジェクト配置部140は、印刷データD1の対角の二つの頂点のそれぞれと重なるように補正オブジェクトB10のそれぞれを配置することが望ましい。この場合、オブジェクト配置部140は、印刷情報D111を参照して、印刷データD1の対角の二つの頂点の座標を特定する。オブジェクト配置部140は当該座標に補正オブジェクトB10を配置する。これにより、印刷出力調整システム100は、後述する補正部160の処理量を減らせるため、印刷処理の実行速度を速めることが可能となる。以下、便宜上、補正オブジェクトB10が対角の二つの頂点のそれぞれに配置されることとして説明する。
【0036】
また、オブジェクト配置部140は、例えば、表示画面に表示される印刷データD1の対角の二つの頂点のそれぞれに対するユーザの操作入力を受け付けて、当該頂点に補正オブジェクトB10を配置してもよい。これにより、印刷出力調整システム100は、ユーザが視認して対角の二つの頂点に補正オブジェクトB10を配置するため、ユーザの意図する印刷処理を実行することが可能となる。
【0037】
PDF変換部150は、設定部130によって各セルが設定され、補正オブジェクトB10が配置された印刷データD1を、所定の用紙サイズのPDFデータD2に変換する。なお、PDF変換部150は、印刷出力調整システム100に含まれている必要はなく、例えば他のシステムで実行される機能部であってもよい。
【0038】
図7を参照して、PDFデータD2について説明する。図7は、印刷データD1を変換したPDFデータD2の一例を示す図である。図7に示すように、PDFデータD2は、印刷装置で印刷媒体に印刷される領域であり、所定の用紙サイズの印刷領域R10を含む。印刷領域R10は、例えば、印刷データD1が表示される領域である印刷表示領域R11と、印刷表示領域R11の周りの余白を示す領域である余白領域R12とを含む。
【0039】
余白領域R12は、印刷データD1をPDFデータD2に変換する際に、PDF変換するためのソフトウェアのバージョンなどにより、その範囲が変動する。言い換えると、印刷データD1をPDFデータD2に変換したときに、PDFデータD2の元の印刷データD1において、各セルの縦と横の長さまたは比が変動する。
【0040】
後述するように、印刷出力調整システム100は、印刷データD1に含まれる表示オブジェクト(例えば文字や図など)の大きさを保持しつつ、すなわち印刷データD1における各セルの縦と横の長さまたは比が結果的に変動しないように、印刷データD1における各セルの余白領域R12を適切に除去する。これにより、印刷出力調整システム100は、印刷データD1に表示される表示オブジェクトを変形させずに、印刷データD1を所定の用紙サイズのPDFデータD2(余白が無いデータ)に変換できる。以下、余白領域R12を除去する補正部160について説明する。
【0041】
補正部160は、補正オブジェクトB10に基づき、PDFデータD2における印刷領域R10に印刷表示領域R11が一致するように補正する。言い換えると、補正部160は、印刷表示領域R11の余白領域R12を除去するように印刷表示領域R11を拡大する。
【0042】
図8及び図9を参照して、PDF変換された補正オブジェクトB10を用いて余白領域R12を除去する処理について詳細に説明する。図8は、PDF変換された補正オブジェクトB10に基づき印刷表示領域R11を特定する一例を示す図である。図9は、印刷表示領域R11を拡大して余白領域R12を除去する一例を示す図である。
【0043】
なお、図8および図9では、便宜上、印刷表示領域R11が余白領域R12と異なる色彩であるように示しているが、印刷表示領域R11の余白領域R12との境界部分は余白領域R12と同色(例えば純白色)である。そのため、当該境界部分を特定することが困難である。そこで、印刷出力調整システム100では、PDFデータにおいて図形情報として認識される補正オブジェクトB10を、印刷データD1の範囲内に配置することにより、印刷表示領域R11と余白領域R12との境界部分を特定することを可能とする。
【0044】
まず、図8に示すように、補正部160は、例えば印刷表示領域R11の少なくとも対角の頂点に配置されているPDF変換されて図形として認識される補正オブジェクトB10の座標を特定する。なお、補正オブジェクトB10は、印刷表示領域R11の色彩と同一の色彩又は透明であるため、ユーザは視認できない。補正部160は、特定した補正オブジェクトB10のそれぞれの座標を始点として、X軸(図9の横方向)およびY軸(図9の縦方向)のそれぞれに沿った仮想直線の交わりによって形成される閉領域を、印刷表示領域R11として特定する。補正部160は、特定した印刷表示領域R11における四隅のうちの一つの頂点を、当該頂点と対向する印刷領域R10の頂点(例えば図9の頂点(1,1))に向かうように、印刷表示領域R11を移動させる。これにより、印刷出力調整システム10は、後述する印刷表示領域R11を拡大する処理を簡易な設計で実行可能となる。
【0045】
そして、図9に示すように、補正部160は、余白領域R12のX軸方向のサイズと、Y軸方向のサイズとを特定する。補正部160は、余白領域R12のサイズに基づき、X軸方向およびY軸方向のそれぞれに、印刷表示領域R11が印刷領域R10と一致するように印刷表示領域R11を拡大する。具体的には、補正部160は、例えば、A4の用紙サイズ(Y軸方向297mm×X軸方向210mm)である印刷領域R10に対して、余白領域がY軸方向に50mmでX軸方向に30mmであると特定された場合、印刷表示領域R11について、Y軸方向に約1.20倍(297/(297-50))、X軸方向に約1.17倍(210/(210-30))する。
【0046】
このように、印刷出力調整システム100は、複数のセルの縦と横の比が等しくなるように調整された印刷データについて、補正オブジェクトB10を用いることでPDF変換させた印刷表示領域R11を適切に特定するとともに、当該印刷表示領域R11を歪みなく余白領域R12を除去するように適切に拡大可能となる。すなわち、印刷出力調整システム10は、歪みを生じさせず、余白のない印刷出力を実行可能とする。さらに言うと、印刷出力調整システム100は、補正部160によるPDFデータD2の補正処理により、例えばPDF変換部150の機能のバージョンアップに伴う作業者の調整作業が不要とすることが可能となる。
【0047】
ここで、上記において、補正オブジェクトB10が印刷データD1の対角の頂点に配置されることとして説明したが、図10を参照して、印刷データD1の範囲内において任意の二か所に補正オブジェクトB10が配置される場合について説明する。図10は、印刷データD1における任意の二か所に補正オブジェクトB10が配置された状況を示す図である。図10では、印刷データD1において補正オブジェクトB10を印刷データD1の対角の頂点のそれぞれから10mm離れた距離に、補正オブジェクトB10が配置される。
【0048】
この場合、補正部160は、印刷表示領域R11の対角の頂点からY軸方向に10mmおよびX軸方向に10mm離れた位置に配置される、PDF変換された補正オブジェクトB10を特定する。例えば、補正部160は、印刷情報D111を参照して補正オブジェクトB10の位置を特定してもよい。補正部160は、特定した補正オブジェクトB10の位置に基づき、図10の一点鎖線で示す仮想矩形領域R20を特定する。補正部160は、例えば、補正オブジェクトB10と印刷表示領域R11との位置関係に基づき、仮想矩形領域R20の各辺のそれぞれから+Y軸方向に10mm,-Y軸方向に10mm,+X軸方向に10mm,-X軸方向に10mmのそれぞれだけ離れた距離に印刷表示領域R11があることを特定する。補正部160は、上述したとおり、印刷表示領域R11に基づき余白領域R12のサイズを特定して、印刷表示領域R11を拡大する。
【0049】
表示処理部170は、表計算ソフトウェアで生成される印刷データD1、及び印刷データD1を変換したPDFデータD2を表示部に表示させる。また、表示処理部170は、フォーマット情報D112を参照して、印刷データD1が反映されたフォーマットのバージョン情報や補正量を示す情報などを、印刷データD1とともに表示部に表示させてもよい。具体的には、表示処理部170は、図4に示す印刷データD1の紙面上の左上隅のセルにこれらの情報を表示させてもよいし、印刷データD1の中に含まなくても、例えば印刷データD1のファイル名として含めてもよいし、印刷出力調整システム100の外部に用意した、印刷データD1とこれらの情報の対応表のようなものを用いて特定してもよい。これにより、印刷出力調整システム100は、ユーザに対してフォーマットのバージョンやその補正量を提示することができるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0050】
<<処理手順>>
図11を参照して、印刷出力調整システム100の処理手順について説明する。図11は、印刷出力調整システム100の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0051】
ステップS100において、印刷出力調整システム100は、表計算ソフトウェアで生成された所定の用紙サイズの印刷データD1を取得する。
【0052】
ステップS101において、印刷出力調整システム100は、印刷データD1の複数のセルのそれぞれの縦と横の長さまたは比を均一に設定する(図4を参照)。なお、印刷出力調整システム100は、フォーマット情報D112を参照して、設定後フォーマットに印刷データD1を反映させることで、複数のセルの縦と横の長さまたは比を均一にした印刷データD1を生成してもよい。
【0053】
ステップS102において、印刷出力調整システム10は、印刷データD1に補正オブジェクトB10を配置する(図5を参照)。
【0054】
ステップS103において、印刷出力調整システム100は、印刷データD1をPDFデータD2に変換する(図7を参照)。
【0055】
ステップS104において、印刷出力調整システム100は、PDFデータD2の印刷領域R10のうちの補正オブジェクトB10(例えば座標)を特定する(図8を参照)。
【0056】
ステップS105において、印刷出力調整システム100は、補正オブジェクトB10の位置に基づき印刷表示領域R11を特定する。
【0057】
ステップS106において、印刷出力調整システム100は、例えば、印刷表示領域R11の一つの頂点を、当該頂点と対向する印刷領域R10の一つの頂点と重なるように、印刷表示領域R11を移動させる。
【0058】
ステップS107において、印刷出力調整システム100は、余白領域R12を排除するように、印刷表示領域R11をX軸方向およびY軸方向に拡大する(図9を参照)。
【0059】
ステップS108において、印刷出力調整システム100は、PDFデータD2を印刷装置に印刷出力する。
【0060】
===ハードウェア構成===
図12を参照して、印刷出力調整システム100をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。図12は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0061】
図12に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006、及び表示部1007を含む。
【0062】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0063】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0064】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0065】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0066】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0067】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0068】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0069】
===まとめ===
<1>本実施形態における印刷出力調整システム100は、格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって所定の用紙サイズの縦と横の比で作成された印刷用の印刷データであって、当該印刷データの範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷データの周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置するオブジェクト配置部と、前記印刷データが変換された変換データであって、前記印刷データが表示される印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域と、を含む、前記所定の用紙サイズの、紙に印刷するときの状態を示すファイル形式である変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正する補正部と、を備える。これにより、印刷出力調整システム100は、表計算ソフトウェアで生成される表計算データをPDFデータに変換したときに生じる余白を、PDFデータを歪ませることなく除去して、余白のない所定の用紙サイズのPDFデータを生成することができる。
【0070】
<2>また、本実施形態における印刷出力調整システム100における前記オブジェクト配置部は、前記補正オブジェクトが配置される前記印刷データの位置における色彩と同じ色彩または透明の前記補正オブジェクトを配置する。これにより、印刷出力調整システム100は、余白を適切に除去するとともに、配置された補正オブジェクトB10が視認されないように紙面を印刷することができる。
【0071】
<3>また、本実施形態における印刷出力調整システム100におけるオブジェクト配置部は、前記補正オブジェクトを前記印刷データにおける少なくとも対角の二つの頂点を含むように配置する。これにより、印刷出力調整システム100は、所定の印刷データD1に対して、自動的に補正オブジェクトB10を対角の二つの頂点に設定できるため、印刷処理を実行するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0072】
<4>また、本実施形態における印刷出力調整システム100は、前記印刷データを構成する前記複数のセルの縦と横の長さまたは比が等しくなるように、前記印刷データを設定する設定部をさらに備え、前記補正部は、前記設定部で設定された前記印刷データが変換された前記変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正する。これにより、印刷出力調整システム100は、印刷出力調整システム100は、セルの一つ一つを調整することなく簡易な手法で歪みがなく余白を除去した所定の用紙サイズの印刷出力が可能となる。
【0073】
<5>また、本実施形態における印刷出力調整システム100は、前記印刷データを反映するフォーマットのそれぞれと、前記表計算ソフトウェアにおける前記複数のセルの縦と横の長さまたは比に関する設定条件のそれぞれと、を関連づけたフォーマット情報に基づいて、前記印刷データを反映するフォーマットの前記複数のセルの縦と横の長さまたは比を設定する設定部をさらに備える、前記補正部は、前記複数のセルの縦と横の長さまたは比が設定されたフォーマットに反映された前記印刷データが変換された前記変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正する。これにより、印刷出力調整システム100では、予め複数のセルが均一になるように設定された設定後フォーマットを用いることにより、印刷実行までにかかる処理時間を短縮できる。
【0074】
<6>また、本実施形態における印刷出力調整システム100は、前記フォーマット情報に基づいて縦と横の比が設定されたフォーマットに反映された前記印刷データと、当該印刷データと関連する前記設定条件と、を関連づけて表示部に表示する表示処理部をさらに備える。これにより、印刷出力調整システム100は、ユーザに対してフォーマットのバージョンやその補正量を提示することができるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0075】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、上記実施の形態で記載された印刷出力調整システム100が備える構成要素は、記憶装置1003に格納されたプログラムがプロセッサ1001によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。
【符号の説明】
【0076】
100…印刷出力調整システム、110…記憶部、120…取得部、130…設定部、140…オブジェクト配置部、150…PDF変換部、160…補正部、170…表示処理部。
【要約】
【課題】 簡易な処理にて所望の印刷結果を得られるシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】 格子状に配置される複数のセルを表示する表計算ソフトウェアによって所定の用紙サイズの縦と横の比で作成された印刷用の印刷データであって、当該印刷データの範囲内の少なくとも二か所に、前記印刷データの周縁との位置関係を特定可能な補正オブジェクトを配置するオブジェクト配置部と、前記印刷データが変換された変換データであって、前記印刷データが表示される印刷表示領域と、当該印刷表示領域の周りの余白領域と、を含む、前記所定の用紙サイズの、紙に印刷するときの状態を示すファイル形式である変換データについて、前記印刷表示領域に含まれる前記補正オブジェクトに基づいて、前記余白領域がなくなるように、前記印刷表示領域を拡大して補正する補正部と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12