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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/14 20200101AFI20250401BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20250401BHJP
   H05B 47/14 20200101ALI20250401BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20250401BHJP
【FI】
H05B45/14
H05B45/345
H05B47/14
H05B47/165
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024118409
(22)【出願日】2024-07-24
(65)【公開番号】P2025019001
(43)【公開日】2025-02-06
【審査請求日】2024-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2023122877
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174434
【氏名又は名称】レボックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章仁
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 恒行
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-82435(JP,A)
【文献】特開2019-61802(JP,A)
【文献】国際公開第2019/106855(WO,A1)
【文献】特開昭56-118294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から発する光の明るさを調整するための調整値と、前記明るさに対応する制御値と、の対応関係を記憶する記憶部と、
前記対応関係の制御値に基づいて駆動信号を生成して前記光源に供給する駆動部と、
前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさが低下する低下領域を有する場合には、前記低下領域に対応する制御値を較正して、調整値と制御値との対応関係を更新し、更新した対応関係の制御値に基づいて前記駆動信号を前記駆動部に生成させる制御部と、を備え
前記駆動部は、各々が能動素子と受動素子との少なくとも一方からなる複数の素子を有する電流調整部を有し、
前記複数の素子は、前記制御値に応じて少なくとも1つの第1群の素子と、残りの第2群の素子と、に選択され、
前記第1群の素子に対して第1の向きで流れる第1の電流が供給され、
前記第2群の素子に対して前記第1の向きとは異なる第2の向きで流れる第2の電流が供給され、
前記駆動部は、前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて前記駆動信号を生成し、
前記制御値が大きくなるに従って前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて前記駆動信号の値が大きくなる制御値の範囲では、前記光源から発する光の明るさは明るくなり、
前記制御値が大きくなるに従って前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて、前記駆動信号の値が起点駆動信号値よりも小さくなった後に前記起点駆動信号値に向かって大きくなる制御値の範囲では、前記光源から発する光の明るさが暗くなる前記低下領域が形成される照明システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記低下領域において、前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさを一定となるように又は明るくなるように、少なくとも前記低下領域に対応する制御値を較正する、請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記駆動部は、直列に接続された複数の抵抗素子を有するラダー抵抗を有し、
前記複数の抵抗素子の各々に流れる電流が前記制御値によって定められ、
前記ラダー抵抗は、前記複数の抵抗素子の各々に流れる電流に応じた一の電圧値を有する電圧信号を出力し、
前記駆動部は、前記電圧信号を前記駆動信号に変換する変換部を有する、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記光源に電源電圧を供給する電源ユニットを、さらに備え、
前記光源は、複数の光源基板を有し、
前記複数の光源基板の各々には、複数の光源体が搭載され、
前記複数の光源基板の各々において、前記複数の光源体が、複数のグループに分割されて配置され、
前記複数のグループ毎に並列に電源電圧が供給される、請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のグループのうちの少なくとも1つのグループに属する光源体を用いて、前記低下領域に対応する制御値を較正し、更新した対応関係を前記複数のグループに共用して、前記駆動信号を前記駆動部に生成させる、請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記ラダー抵抗は、複数の光源基板毎に対応し、
前記ラダー抵抗は、複数の光源基板の各々の前記複数のグループに共通して、前記一の電圧値を有する電圧信号を出力する、請求項4に記載の照明システム。
【請求項7】
光源から発する光の明るさを調整するための調整値と、前記明るさに対応する制御値と、の対応関係を記憶する記憶部と、
前記対応関係の制御値に基づいて駆動信号を生成して前記光源に供給する駆動部と、
前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさが低下する低下領域を有する場合には、前記低下領域に対応する制御値を較正して、調整値と制御値との対応関係を更新し、更新した対応関係の制御値に基づいて前記駆動信号を前記駆動部に生成させる制御部と、を備え
前記駆動部は、各々が能動素子と受動素子との少なくとも一方からなる複数の素子を有する電流調整部を有し、
前記複数の素子は、前記制御値に応じて少なくとも1つの第1群の素子と、残りの第2群の素子と、に選択され、
前記第1群の素子に対して第1の向きで流れる第1の電流が供給され、
前記第2群の素子に対して前記第1の向きとは異なる第2の向きで流れる第2の電流が供給され、
前記駆動部は、前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて前記駆動信号を生成し、
前記制御値が大きくなるに従って前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて前記駆動信号の値が大きくなる制御値の範囲では、前記光源から発する光の明るさは明るくなり、
前記制御値が大きくなるに従って前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて、前記駆動信号の値が起点駆動信号値よりも小さくなった後に前記起点駆動信号値に向かって大きくなる制御値の範囲では、前記光源から発する光の明るさが暗くなる前記低下領域が形成される照明用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な明るさに迅速に変えることができる照明装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-205144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した照明装置は、明るさを短時間で切り替えることができるモードを有する。しかしながら、従来の照明装置は、切り替えることができる明るさ(明るさの度合いや明暗の程度や明度の数など)が少なかった。また、切り替えることができる明るさを増やすためには、切り替えるための駆動回路の構成を変更する必要がある。しかしながら、駆動回路の電気的特性などによっては、明るくなるように制御しても暗くなってしまう可能性もあり、使用者に違和感を感じさせる可能性があった。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものである。その目的は、使用者に違和感を感じさせることなく明るさを調節できる照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による照明システムの特徴は、
光源から発する光の明るさを調整するための調整値と、前記明るさに対応する制御値と、の対応関係を記憶する記憶部と、
前記対応関係の制御値に基づいて駆動信号を生成して前記光源に供給する駆動部と、
前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさが低下する低下領域を有する場合には、前記低下領域に対応する制御値を較正して、調整値と制御値との対応関係を更新し、更新した対応関係の制御値に基づいて前記駆動信号を前記駆動部に生成させる制御部と、を備え
前記駆動部は、各々が能動素子と受動素子との少なくとも一方からなる複数の素子を有する電流調整部を有し、
前記複数の素子は、前記制御値に応じて少なくとも1つの第1群の素子と、残りの第2群の素子と、に選択され、
前記第1群の素子に対して第1の向きで流れる第1の電流が供給され、
前記第2群の素子に対して前記第1の向きとは異なる第2の向きで流れる第2の電流が供給され、
前記駆動部は、前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて前記駆動信号を生成し、
前記制御値が大きくなるに従って前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて前記駆動信号の値が大きくなる制御値の範囲では、前記光源から発する光の明るさは明るくなり、
前記制御値が大きくなるに従って前記第1群の素子の数と前記第2群の素子の数に応じて、前記駆動信号の値が起点駆動信号値よりも小さくなった後に前記起点駆動信号値に向かって大きくなる制御値の範囲では、前記光源から発する光の明るさが暗くなる前記低下領域が形成されることである。
【発明の効果】
【0007】
使用者に違和感を感じさせることなく明るさを調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態による照明システム10の機能を示す機能ブロック図である。
図2】照明装置300の外観を示す斜視図である。
図3】照明装置300の光学系の構成を示す斜視図である。
図4】1枚のLED基板320の構成を示す正面図(a)と、1枚のLED基板320におけるLED322と電源ユニット100との接続を示す概念図(b)とである。
図5】電源ユニット100と電源調整基板220とLED基板320とLED基板320のチャンネルとの対応関係を示すテーブルである。
図6】電源調整基板220の構成を示す機能ブロック図である。
図7】ラダー抵抗部222とバッファ回路224と定電流回路226との具体的な構成を示す機能ブロック図である。
図8】抵抗指示値とLED322に供給する電流値との関係を示すグラフである。
図9】落込み・回復検出処理を示すフローチャートである。
図10】調光値テーブルの例を示すテーブルである。
図11】照明システム10の構成の一例を示すテーブルである。
図12】オートボルテージ処理を示すフローチャートである。
図13】照明装置300の最短状態から最長状態に至るまでに、オートボルテージ処理での電源電圧を監視する電源調整基板220を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1-1の態様>>
第1-1の態様によれば、
光源(例えば、後述する照明装置300や、照明装置300が有する第1LED基板320-1~第kLED基板320-kに搭載されているLED322となど)から発する光の明るさを調整するための調整値(後述する調光値など)と、前記明るさに対応する制御値(後述する抵抗指示値など)と、の対応関係(後述する調光値テーブルなど)を記憶する記憶部(後述する電源制御基板210のRAMなど)と、
前記対応関係の制御値に基づいて駆動信号を生成して前記光源に供給する駆動部(後述するラダー抵抗部222や定電流回路226など)と、
前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさが低下する低下領域を有する場合には、前記低下領域に対応する制御値を較正して、調整値と制御値との対応関係(例えば、後述する図10など)を更新し、更新した対応関係の制御値に基づいて前記駆動信号を前記駆動部に生成させる制御部(後述する電源制御基板210のプロセッサなど)と、を備える照明システムが提供される。
【0010】
制御値は、複数の抵抗の組み合わせを変更して、抵抗値を切り替えることで決定される。抵抗の組み合わせを変更することで、低下領域が生じやすくなる。特に、抵抗の組み合わせの変更に伴って、電流の向きが逆転する抵抗の数が、所定数(例えば、3つ)以上となる場合に、より低下領域が生じやすくなる。さらに、電流の向きが逆転する抵抗の数が、増えるに従って、光の明るさが低下する程度が顕著になり易い。なお、前述した例では、複数の抵抗の組み合わせを変更して抵抗値を切り替える構成を示したが、これに限られない。この回路は、複数の抵抗によって電流を分割するとともに、複数の抵抗の組み合わせを変更することで、分割した各々の電流の向きを制御する。したがって、電流を分割して、分割した各々の電流の向きを制御することで制御値を決定するものであればよい。例えば、インピーダンス素子(コンデンサやコイル)や、整流素子などの組み合わせを含む回路にすることができる。この回路によって、電流を分割して、分割した各々の電流の向きを制御することで、制御値を決定できればよい。
【0011】
低下領域は、いわゆるバラツキとは異なる。バラツキは、対象の値が、低下する場合も上昇する場合もあり得る。また、バラツキは、再現性が低い場合が多い。これに対して、低下領域は、調整値の所定の範囲(電流の向きが逆転する抵抗の数に対応する範囲)において、再現性が高く、光源から発する光の明るさが低下する領域をいう。
【0012】
低下領域は、肉眼で視認できるもののみならず、センサなどの各種の検出装置を用いて検出できるものも含む。特に、表面検査などの検査に用いるための照明装置の場合には、各種の検査条件に応じて、微小な刻み幅で制御値を徐々に変更する場合がある。このため、低下領域が存在する場合には、微小な刻み幅で低下領域以外の領域から低下領域に入ったときには、低下領域が検出され易くなる。低下領域が検出された場合には、検査が中止されたり、場合によっては、照明装置の不具合や故障や調整不足などと判断されたりする可能性も想定される。このようなことから、低下領域に対して事前に処理しておくのが好適である。
【0013】
また、調整値と制御値との対応関係は、テーブル形式によるものでも、多項式などの近似式によるものでもよい。テーブル形式による対応関係は、複数の調整値と複数の制御値とを一対一などに対応付けた関係である。テーブル形式の対応関係を参照することで、一の調整値から一の制御値を決定することができる。近似式による対応関係は、近似式の係数の値を定めることで決定できる関係である。係数の値が定まった近似式を参照することで、一の調整値から一の制御値を決定することができる。
【0014】
調整値と制御値との対応関係は、調整値から制御値を一義的に決定したり、また、逆に、必要があれば、制御値から調整値を一義的に決定したりできる関係であればよい。
【0015】
光源は、光を発する装置や部品などであればよい。光源は、少なくとも1つの固体光源によって構成されるものが好ましい。固体光源は、ある固体(物質)に、電気エネルギーなどエネルギーを供給することで励起させて、物質特有の光を放射するデバイスをいう。例えば、発光ダイオード(LED(light emitting diode))や、半導体レーザ(LD(laser diode))、有機EL(OEL(organic electro luminescence))がある。
【0016】
較正とは、本来の予定している値と異なる値を正すことをいう。ここでは、較正は、本来の予定している値に少しでも近づく処理であればよい。
【0017】
調整値が大きくなるに従って光源からの光の明るさが暗くなる場合があるときには、明るさが暗くなる範囲の制御値を較正する。したがって、使用者に違和感を感じさせることなく明るさを調節することができる。
【0018】
<<第1-2の態様>>
第1-2の態様は、第1-1の態様において、
前記制御部は、前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさを一定となるように又は明るくなるように制御値を較正する(例えば、後述する図8のグラフ及び図9の処理など)。
【0019】
例えば、低下領域において、調整値が大きくなるに従って、制御値を一定にしたり、制御値を大きくしたりして、制御値を較正する。このように、制御値を較正することで、光の明るさを一定にしたり、徐々に明るくしたりする。
【0020】
調整値が大きくなるに従って、光の明るさが一定となるように較正したり、又は光の明るさが徐々に明るくなるように較正したりする。このようにすることで、使用者に違和感を感じさせることがない。
【0021】
<<第1-3の態様>>
第1-3の態様は、第1-2の態様において、
前記駆動部は、直列に接続された複数の抵抗素子を有するラダー抵抗(後述するラダー抵抗部222(図7など)など)を有し、
前記複数の抵抗素子の各々に流れる電流が前記制御値によって定められ、
前記ラダー抵抗は、前記複数の抵抗素子の各々に流れる電流に応じた一の電圧値を有する電圧信号を出力し(例えば、後述する図7に示す調光電圧信号など)、
前記駆動部は、前記電圧信号を前記駆動信号(例えば、後述する定電流など)に変換する変換部(後述する定電流回路226など)を有する。
【0022】
調整値の変化によって、ラダー抵抗を構成する複数の抵抗素子のうちの電流の向きが逆転する抵抗素子の数が、所定数(例えば、3つ)以上変わる場合には、より低下領域が生じやすくなる。前述したように、調整値と制御値との対応関係を更新しているので、ラダー抵抗を用いた場合であっても、更新した対応関係を用いることで明るさを適切に調節することができる。
【0023】
ラダー抵抗を用いるので、信号の変換処理などを要することなく電圧信号を生成して、調整値から電圧信号を迅速に生成することができ、明るさを短時間で切り替えることができるとともに、使用者に違和感を感じさせずに明るさを切り替えることができる。
【0024】
<<第1-4の態様>>
第1-4の態様は、第1-3の態様において、
前記光源に電源電圧を供給する電源ユニット(例えば、後述する電源ユニット100-1~100-mなど)を、さらに備え、
前記光源は、複数の光源基板(例えば、後述する第1LED基板320-1~第kLED基板320-kなど)を有し、
前記複数の光源基板の各々には、複数の光源体(例えば、後述するLED322など)が搭載され、
前記複数の光源基板の各々において、前記複数の光源体が、複数のグループ(例えば、後述する基板領域1-1~基板領域2-3など)に分割されて配置され、
前記複数のグループ毎に並列に電源電圧が供給される。
【0025】
光源体は、単一又は複数の固体光源が好ましい。
【0026】
複数の光源基板の各々には、複数の光源体が搭載されている。光源基板に搭載されている全ての複数の光源体を直列に接続して、直列に接続された複数の光源体に電源電圧を印加して複数の光源体の全てを発光させるためには、必要とされる明るさに応じた大きな電圧を印加する必要がある。このため、所望する大きい電源電圧を出力できる仕様を有する電源ユニットを見つけて選択したり新たに製造したりせざるを得ない可能性が生ずる。
【0027】
これに対して、複数の光源体を複数のグループに分割し、グループを並列にしてグループ毎に電源電圧を供給するように構成することで、複数のグループに属する全ての光源体が直列に接続されている状態よりも小さくできる。
【0028】
グループの各々に属するLED322の数は、グループの全てについて同じでも、一部が異なっていてもよい。照明する対象物の形状や大きさや、照明の条件などに応じて適宜に定めればよい。グループは、制御部による制御や、電源ユニットの電源電圧のための便宜的な区分であればよい。制御部がグループ毎に別個に制御できるように区分されていればよい。
【0029】
なお、第1-4の態様を、
前記光源は、複数の光源体と、前記光源体の少なくとも2つが各々に搭載された複数の光源基板とを有し、
前記光源体に電源電圧を供給する電源ユニットを、さらに備え、
前記複数の光源基板の各々において、前記光源基板に搭載された光源体が所定の数ごとにグループ化されて、前記複数の光源基板の各々が複数のグループを有し、
前記制御部は、前記複数の光源基板の各々において、前記グループ毎に並列に給電して、前記グループに属する光源体に前記電源ユニットから電源電圧を供給する、とすることもできる。
【0030】
<<第1-5の態様>>
第1-5の態様は、第1-4の態様において、
前記制御部は、前記複数のグループのうちの少なくとも1つのグループに属する光源体を用いて、前記低下領域に対応する制御値を較正し、更新した対応関係を前記複数のグループに共用して、前記駆動信号を前記駆動部に生成させる。
【0031】
少なくとも1つのグループに属する光源体を用いて較正するので、調整値と制御値との対応関係の生成処理を簡便にできるとともに構成を簡素にできる。
【0032】
<<第1-6の態様>>
第1-6の態様は、第1-4の態様において、
前記ラダー抵抗は、複数の光源基板毎に対応し、
前記ラダー抵抗は、複数の光源基板の各々の前記複数のグループに共通して、前記一の電圧値を有する電圧信号を出力する。
【0033】
ラダー抵抗を複数のグループに共用することで、ラダー抵抗を共有する複数のグループの各々で生ずる低下領域の傾向を共通にでき、調整値と制御値との対応関係の生成処理を少なくでき、構成を簡素にでき、小型化もしやすくできる。さらに、ラダー抵抗からの発熱を抑えることもできる。
【0034】
<<第1-7の態様>>
第1-7の態様によれば、
光源(例えば、後述する照明装置300や、照明装置300が有する第1LED基板320-1~第kLED基板320-kに搭載されているLED322となど)から発する光の明るさを調整するための調整値(後述する調光値など)と、前記明るさに対応する制御値(後述する抵抗指示値など)と、の対応関係(後述する調光値テーブルなど)を記憶する記憶部(後述する電源制御基板210のRAMなど)と、
前記対応関係の制御値に基づいて駆動信号を生成して前記光源に供給する駆動部(後述するラダー抵抗部222や定電流回路226など)と、
前記調整値が大きくなるに従って前記光源から発する光の明るさが低下する低下領域を有する場合には、前記低下領域に対応する制御値を較正して、調整値と制御値との対応関係(例えば、後述する図10など)を更新し、更新した対応関係の制御値に基づいて前記駆動信号を前記駆動部に生成させる制御部(後述する電源制御基板210のプロセッサなど)と、を備える照明用制御装置が提供される。
【0035】
第1-1の態様による照明システムだけでなく、第1-7の態様による照明用制御装置でも同様の構成及び処理にすることができる。使用者に違和感を感じさせることなく明るさを調節できる照明用制御装置を提供できる。
【0036】
<<第2-1の態様>>
第2-1の態様によれば、
複数の光源体(例えば、後述するLED322など)と、
各々が少なくとも1つの前記光源体に対応付けられた複数の電源ユニットであって、対応付けられた前記光源体に電源電圧を供給する複数の電源ユニット(例えば、後述する電源ユニット100など)と、
前記光源体に供給した電源電圧を前記複数の電源ユニットごとに検出する電圧検出部(例えば、後述する電源制御基板210など)と、
前記電圧検出部の検出結果に応じて前記複数の電源ユニットの各々の電源電圧を調節する制御部(例えば、後述する電源調整基板220など)と、を備える照明システム。
【0037】
複数の電源ユニットは、光源体に対応付けられている。電圧検出部は、複数の電源ユニットごとに、光源体に供給した電源電圧を検出する。制御部は、電圧検出部の検出結果を用いて、複数の電源ユニットの各々の電源電圧を調節する。
【0038】
複数の電源ユニット毎に電源電圧を調節するので、照明状態に応じて適した電源電圧にすることができる。
【0039】
<<第2-2の態様>>
第2-2の態様は、第2-1の態様において、
前記制御部は、前記複数の電源ユニットのうちの一の電源ユニットの電源電圧と前記一の電源ユニットとは異なる少なくとも1つの他の電源ユニットの電源電圧とを調整した後に(例えば、後述する図12のステップS1217など)、前記他の電源ユニットの電源電圧を調整する(例えば、後述する図12のステップS1227など)。
【0040】
一旦、複数の電源ユニットの電源電圧を調整して粗調整し、次に、別個に電源ユニットの電源電圧を調整することで微調整する。事前に粗調整することで、微調整に要する時間を短くすることができる。
【0041】
さらに、電源ユニットの数を変更できる照明システムである場合に、搭載されている電源ユニットに応じて電源電圧を調整できるので、適切な電源電圧にすることができる。
【0042】
<<第2-3の態様>>
第2-3の態様は、第2-1の態様において、
少なくとも2つの前記光源体が各々に搭載された複数の光源基板(例えば、後述する第1LED基板320-1~第kLED基板320-k)を、さらに備え、
前記複数の光源基板の各々において、搭載された光源体が所定の数ごとにグループ化されて、前記複数の光源基板の各々は、前記複数の光源基板ごとに複数のグループを有し(例えば、図4(a)及び(b)に示す基板領域1-1~基板領域2-3など)、
前記複数の光源基板の各々において、前記複数のグループは並列に構成され(例えば、図4(a)及び(b)に示す基板領域1-1~基板領域2-3など)、
前記グループに属する光源体に電源電圧が供給される(例えば、後述する図4(a)の構成など)。
【0043】
電源電圧は、複数のグループ毎に並列に分割して供給されるので、複数のグループに属する全ての光源体が直列に接続されている状態で電源電圧を供給する場合よりも小さくできる。
【0044】
<<第2-4の態様>>
第2-4の態様は、第2-3の態様において、
前記複数の電源ユニットは、前記複数の光源基板に対応付けられ、
前記複数の電源ユニットの各々は、対応づけられた光源基板における前記複数のグループに並列に接続され、前記複数のグループの各々に属する光源体に電源電圧を供給する(例えば、後述する図4(a)(b)の構成など)。
【0045】
複数の電源ユニットを対応する光源基板に接続することで、複数の光源基板ごとのグループに属する光源体に電源電圧を供給することができ、構成を簡素にすることができる。
【0046】
<<第2-5の態様>>
第2-5の態様は、第2-3の態様において、
前記複数のグループの各々には少なくとも2つの光源体が属し、前記複数のグループの各々において、前記少なくとも2つの光源体が電気的に直列に接続されている(例えば、後述する図4(a)(b)の構成など)。
【0047】
<<第2-6の態様>>
第2-6の態様は、第2-4の態様において、
前記複数の光源基板が収容可能な第1の収容領域(例えば、後述する図5のLED基板320-1~320-18が収容される領域など)と、前記第1の収容領域とは異なる第2の収容領域(例えば、後述する図5のLED基板320-19及び~320-20が収容される領域など)とを有する筐体(例えば、後述する筐体310など)をさらに備え、
前記第2の収容領域は、前記第1の収容領域に収容可能な第1最大収容枚数を超えて光源基板を追加する場合に使用される収容領域であり、
前記第2の収容領域に一の光源基板が収容された状態では、前記複数の電源ユニットのうちの一の電源ユニットは、前記第1の収容領域に収容されたいずれかの光源基板(例えば、後述する図5のLED基板320-1~320-18など)に搭載された光源体に電源電圧を供給するとともに、前記一の光源基板(例えば、後述する図5のLED基板320-19及び~320-20など)に搭載された光源体に電源電圧を供給する(例えば、後述する図5のチャンネル37~40の光源体への電源電圧の供給など)。
【0048】
第1の収容領域に収容された光源基板の光源体と、第2の収容領域に収容された光源基板の光源体との双方に、一の電源ユニットからの電源電圧が分配されて供給される。一の電源ユニットは、第1の収容領域に収容された光源基板の光源体と、第2の収容領域に収容された光源基板の光源体との双方に共用される。
【0049】
光源基板が追加された場合でも、電源ユニットを追加することなく、一の電源ユニットを共用して追加分の光源基板に電源電圧を供給することができ、簡便にかつ簡易に光源基板を追加することができる。電源ユニットが余裕分の電源電圧を有する場合に、電源ユニットの余裕分の電源電圧を有効に活用することができる。
【0050】
さらに、「複数の電源ユニット」として、搭載可能な最大台数まで電源ユニットが搭載されている状態であるのが好ましい。電源ユニットを増やすことができない状態であっても、追加された光源基板に電源電圧を供給することができる。
【0051】
<<第2-7の態様>>
第2-7の態様は、第2-6の態様において、
前記一の電源ユニットに加えて、前記複数の電源ユニットのうちの前記一の電源ユニットとは異なる他の電源ユニットから、前記一の光源基板に搭載された光源体に電源電圧を供給する(例えば、後述する図5のチャンネル37~40に対する電源電圧の供給など)。
【0052】
一の光源基板に搭載された光源体には、一の電源ユニットだけでなく、他の電源ユニットからも電源電圧が供給される。このようにすることで、電源ユニットの各々の余裕分の電源電圧を低くしても、一の光源基板の光源体に必要な電源電圧を的確に供給することができる。
【0053】
<<第2-8の態様>>
第2-8の態様によれば、
各々が複数の光源体(例えば、後述するLED322など)のうちの少なくとも1つの光源体に対応付けられた複数の電源ユニットであって、対応付けられた前記光源体に電源電圧を供給する複数の電源ユニット(例えば、後述する電源ユニット100など)と、
前記光源体に供給した電源電圧を前記複数の電源ユニットごとに検出する電圧検出部(例えば、後述する電源制御基板210など)と、
前記電圧検出部の検出結果に応じて前記複数の電源ユニットの各々の電源電圧を調節する制御部(例えば、後述する電源調整基板220など)と、を備える照明用制御装置が提供される。
【0054】
第2-1の態様による照明システムだけでなく、第2-8の態様による照明用制御装置でも同様の構成及び処理にすることができる。複数の電源ユニット毎に電源電圧を調節するので、照明状態に応じて適した電源電圧にすることができる。
【0055】
<<<<<本実施の形態の詳細>>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0056】
<<<<照明システム10の構成>>>>
図1は、本実施の形態による照明システム10の構成を示す機能ブロック図である。
【0057】
本実施の形態による照明システム10は、電源ユニット100と、電源制御部200と、照明装置300とを有する。本実施の形態による照明システム10では、電源ユニット100と、電源制御部200と、照明装置300とは、別体に構成され、ハーネス350(図2参照)などによって互いに電気的に接続される。電源ユニット100は、ハーネス350を介して、照明装置300に電源電圧を供給する。電源制御部200と照明装置300との間では、ハーネス350を介して、各種のコマンドや情報などが送受信される。
【0058】
照明システム10は、表面検査用の照明システムとして使用される場合がある。表面検査の対象体(以下、照明対象物)は、小さいものから大きいものまである。このため、ハーネス350の長さは、照明システム10の検査環境などの使用環境によって異なる。例えば、ハーネス350の長さは、最短で1メートル未満となったり、最長で50メートル以上となったりすることが想定される。このため、本実施の形態による照明システム10は、ハーネス350による電源電圧の電圧降下を無視することができない場合が生ずる。ハーネス350によって生ずる電圧降下に応じて、電源ユニット100の電源電圧を適宜に変更できる照明システム10が好ましい。
【0059】
さらに、照明装置300自体が長尺である場合には、電源から離れた位置の光学素子でも、電源電圧の電圧降下を無視することができない場合が生ずる。したがって、長尺な照明装置300でも、電圧降下に応じて、電源ユニット100の電源電圧を適宜に変更できる照明システム10が好ましい。
【0060】
本実施の形態による照明システム10は、電源ユニット100と、電源制御部200と、照明装置300とを別体に有する。例えば、故障や経時変化などにより、いずれかを交換する必要が生ずる場合もある。交換により、電源ユニット100や電源制御部200や照明装置300の回路部品や光学素子の光学的な特性や電気的な特性が変わり、電源ユニット100の電源電圧を変える必要が生ずる場合がある。このような場合にも、電源ユニット100の電源電圧を適宜に変更できる照明システム10が好ましい。電源ユニット100と、電源制御部200と、照明装置300との組み合わせが変更されても、変更前と明るさや特性が変わらない照明システム10を提供することができる。
【0061】
さらに、大電流が必要な照明装置300の電流制御の場合には、低照度から安定して発光素子などを駆動するためには、リニア方式の定電流回路を用いるのが好ましい。また、リニア方式の定電流回路は、一定の電流を生成できるFETを用いるのが好ましいが、FETは、発熱しやすいという問題も生ずる。
【0062】
さらにまた、発光素子を駆動するための電源は、高効率のスイッチング電源を用いるのが好ましい。このスイッチング電源を最適な電圧に調整を行うことで、発熱を最低限に抑えることができる照明装置を提供することができる。
【0063】
<<<電源ユニット100(電源ユニット100-1、・・・、100-m)>>>
電源ユニット100は、光源(後述するLED(発光ダイオード(Light Emitting Diode))322)を駆動するための電源である。電源ユニット100は、LED322が搭載されたLED基板320(後述)に接続され、LED基板320に電源電圧を供給する。電源ユニット100は、主に、スイッチング電源(図示せず)などを有し、商用電源からの電力を整流して、直流の一定の電源電圧を出力する。電源ユニット100は、スイッチング電源ではなくリニア電源を有してもよく、一定の電源電圧をLED基板320に供給できればよい。なお、電源ユニット100は、商用電源だけでなく、所定の入力電力を、LED322の発光に要する電源電力に調節して供給できる回路を有する装置であればよい。
【0064】
電源ユニット100は、少なくとも1つからなる。電源ユニット100の数は、LED322が必要とする電流値やLED322の数などに応じて決定される。LED322から発する光が最も明るいとき、例えば、LED322から発する光の照度が最も大きいときに要するLED322の電流値から電源ユニット100の数を決定すればよい。なお、LED322の数(LED基板320の数)は、照明装置300から発する光が照明される照明対象物の大きさ(長さなど)に応じて定めればよい。
【0065】
図1に示す例では、照明システム10は、m台の電源ユニット100-1~100-mを有する。例えば、mは、10などの自然数である。電源ユニット100-1~100-mは、全て同様の構成及び機能を有する。なお、以下では、電源ユニット100-1~100-mを区別する必要がないときには、単に電源ユニット100と称する。
【0066】
本実施の形態による照明システム10の電源ユニット100は、LED基板320に、駆動のための電源電圧を供給し、後述する電源制御部200には、駆動のための電源電圧を供給しない。このようにすることで、電源制御部200の構成や状態によることなく、LED基板320に安定的に電源電圧を供給することができる。このような構成に限られず、電源ユニット100が、LED基板320にも電源制御部200にも電源電圧を供給してもよい。照明システム10全体の構成を簡素化できる。
【0067】
電源ユニット100からLED基板320に供給される電源電圧(Vpp1~Vppm(図1)参照)は、電源制御部200にも供給される。なお、前述したように、電源制御部200にも供給される電源電圧は、電源制御部200を駆動するためのものではなく、LED基板320に供給される電源電圧が適切であるか否かを判断するためのものである。電源制御部200の電源制御基板210(後述)は、供給された電源電圧の電圧値が適切な範囲に含まれているか否かを判断する。電源制御基板210のプロセッサは、適切な電圧値の電源電圧がLED基板320に供給されているか否かを判断することができる。
【0068】
図1では、電源ユニット100-1から供給される電源電圧をVpp1とし、電源ユニット100-iから供給される電源電圧をVppiとし、電源ユニット100-mから供給される電源電圧をVppmとして示した。電源制御部200に供給された電源電圧Vpp1~Vppmは、電源制御基板210のADCに供給されて、デジタル信号に変換される。
【0069】
なお、本実施の形態では、電源ユニット100からLED基板320に至るまでの途中で、LED基板320に供給される電源電圧を電源制御部200に供給する構成を示した。これに限られず、実際にLED基板320に供給された電源電圧を電源制御部200に供給するように構成してもよい。実際にLED基板320に供給された電源電圧の電圧値を判断することができる。
【0070】
<<<電源制御部200>>>
図1に示すように、電源制御部200は、電源制御基板210と少なくとも1つの電源調整基板220とを有する。
【0071】
<<電源制御基板210>>
電源制御基板210は、プロセッサ(CPU(中央処理装置)など)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、I/O(入出力インターフェース)、通信I/F(通信インターフェース装置)、FPGA(Field Programmable Gate Array)など(図示せず)を有する。
【0072】
<プロセッサ>
プロセッサは、後述する照明装置300のLED322や電源ユニット100の電源電圧を制御するための各種の処理を実行する。例えば、プロセッサは、後述する図9図12の処理などを実行する。
【0073】
<ROM>
ROMは、各種の処理(例えば、図9図12の処理など)の処理を実行するための各種のプログラムや定数などを記憶する。
【0074】
<RAM>
RAMは、プログラムが実行されたときに用いる変数などの値を一時的に記憶する。また、RAMは、調光値から抵抗指示値を決定するための調光値テーブルを記憶する。調光値テーブルについては、後述する。
【0075】
<I/O>
I/Oは、ADC(アナログ-デジタル変換回路)(図示せず)やDAC(デジタル-アナログ変換回路)(図示せず)などと接続される。電源制御基板210は、I/Oを介して、ADC(アナログ-デジタル変換回路)(図示せず)やDAC(デジタル-アナログ変換回路)(図示せず)などとの間で各種のデジタルデータを入出力する。
【0076】
本実施の形態では、主に、電源ユニット100からLED基板320に供給される電源電圧の電圧値や、LED基板320のLED322に供給する電源電流の電流値(電圧値に変換された電圧値)などがADCに供給される。電源制御基板210のプロセッサは、LED基板320に供給される電源電圧の電圧値やLED322に供給する電源電流の電流値が適切であるか否かを判断し、電源ユニット100を制御することができる。電源電圧の検出処理などについては、後述する。
【0077】
<通信I/F>
通信I/Fは、外部の制御装置(図示せず)(パーソナルコンピュータなど)などと接続される。電源制御基板210は、通信I/Fを介して、外部の制御装置との間で各種のコマンドやデータを入出力する。通信I/Fは、ネットワークなどを介して外部の制御装置などと接続されてもよい。
【0078】
<FPGA>
FPGAは、電源制御基板210が必要とする各種のデジタル回路を記憶する。例えば、FPGAは、後述する電源調整基板220の有無を検出して、その検出結果を記憶する。
【0079】
<操作部>
電源制御基板210は、操作者が操作することができる操作部(図示せず)を有する。操作者が、操作部を操作することで、照明条件などの各種の条件を設定することができる。例えば、操作者が、操作部で調光の操作することで、調光値を設定することができる。調光の操作は、LED322から発する光の明るさを定める(調節する)ための操作である。調光値は、LED322から発する光の明るさを定めるための値である。電源調整基板220は、調光値に基づいて、LED322に供給する電源電流を決定する。詳細は、後述する。
【0080】
なお、電源制御基板210は、パーソナルコンピュータなどの外部の制御装置(図示せず)から調光値を受信してもよい。外部の制御装置が調光値を決定し、電源制御基板210は、通信I/Fを介して調光値を受信する。この場合も、電源調整基板220が、調光値に基づいて、LED322に供給する電源電流を決定する。
【0081】
電源制御基板210のプロセッサは、RAMに記憶されている調光値テーブルを参照して、調光値から抵抗指示値を決定し、電源調整基板220に抵抗指示値を送信する。
【0082】
<<調光値及び抵抗指示値>>
<調光及び調光値>
調光とは、照明装置300のLED322から発する光の明るさを調整することをいう。調光値とは、LED322から発する光の明るさに対応付けられた値である。調光値が小さい場合には、LED322から暗い光が発せられ、調光値が大きい場合には、LED322から明るい光が発せられる。調光値は、アナログ値でもデジタル値でもよい。アナログ値の場合には、電圧の大きさなどによって、調光値を示すことができる。デジタル値の場合には、所定の量子化ビット数で表現可能な範囲の数値によって、調光値を示すことができる。
【0083】
本実施の形態の場合には、調光値は、電源制御基板210で処理可能なデジタル値(量子化調光値)である。調光値は、調光値テーブル(後述する図10)を参照して抵抗指示値に変換される。抵抗指示値は、LED322に供給する電流を生成するためのデジタル値であり、LED322から発する光の明るさを指定するための値である。
【0084】
<調光値と明るさ(照度)とのリニアリティ(線形性、直線性)>
LED322は、供給された電流の大きさに応じた明るさの光を発する。発光ダイオードなどの発光素子は、供給された電流の大きさに対して、光の明るさが線形に変化しない特性を有する場合がある。しかしながら、調整や制御の簡便の観点から、発する光の明るさ(照度)が、調光値に対して線形に変化する関係を形成することで、調光値から光の明るさを制御しやすくできる。
【0085】
<調光値テーブル>
調光値テーブルは、調光値から抵抗指示値に変換するためのテーブルである(後述する図10参照)。抵抗指示値は、本実施の形態による照明システム10では、ラダー抵抗部222(後述する図6及び図7参照)を構成する抵抗の電位を指定するための値である。抵抗指示値によって、ラダー抵抗部222を構成する合成抵抗値が決定され、LED322に供給する電流の電流値が決定される。抵抗指示値を示す信号は、デジタル信号であり、後述するノード230-1~230-12(図7参照)に供給される。調光値は、具体的には、抵抗指示値を介してLED322に供給する電流の値を決定するためのデジタル値であり、LED322から発する光の明るさを指定するための値である。
【0086】
調光値テーブルは、調光値と照度との間でリニアリティ(線形性、直線性)を有するように、調光値に抵抗指示値が事前に割り当てられたテーブルである(図10参照)。調光値テーブルを参照することで、調光値に対して、リニアリティの関係を有する抵抗指示値に変換できる。言い換えれば、調光値の変化に対して線形に変化(例えば、比例など)するように抵抗指示値を決定することができる。
【0087】
調光値テーブルは、LED322から発せられる光の照度を事前に計測することで形成できる。LED322の互いに異なる複数の明るさ(照度)を事前に実測し、複数の照度の各々に対応する調光値に、その照度となる抵抗指示値を対応づけて予めRAMに記憶させることで調光値テーブルを生成できる。LED322の明るさは、照度計などを用いて測定することができる。調光値テーブルの生成の詳細については、後述する。
【0088】
本実施の形態による照明システム10では、調光値テーブルは、照明システム10の出荷前などに生成されてRAMに記憶される。なお、照明システム10が出荷されて稼働可能な状態になったときにも、適宜に調光値テーブルを較正するようにしてもよい。
【0089】
<百分率調光値及び量子化調光値>
本実施の形態では、調光値として、百分率調光値及び量子化調光値を用いる。百分率調光値は、百分率で表現した調光値である。百分率調光値は、0~100%の値となる。百分率調光値が0%は、LED322は消灯された状態である。百分率調光値が100%は、LED322は最も明るく点灯された状態である。最も明るく点灯された状態は、制御することができかつ必要とされる明るさよりも明るい任意の状態にすればよい。量子化調光値は、所定の量子化ビット数で表現可能な範囲の数値(本実施の形態では、ゼロ及び正の整数)によって、調光値を表すことができる。量子化ビット数を10ビットとしたときには、量子化調光値は、0~1023の1024個のいずれかの値となる。量子化ビット数を8ビットとしたときには、量子化調光値は、0~255の256個のいずれかの値となる。
【0090】
百分率調光値と量子化調光値とは、対応づけることができる。例えば、量子化ビット数が10ビットである場合には、以下のように対応する。百分率調光値の0%は、量子化調光値の0に対応する。百分率調光値の25%は、量子化調光値の256に対応する。百分率調光値の50%は、量子化調光値の512に対応する。百分率調光値の75%は、量子化調光値の768に対応する。百分率調光値の100%は、量子化調光値の1023に対応する。以下では、通常調光の場合には、百分率調光値が100%であるときの量子化調光値を最大量子化調光値と称する。
【0091】
<調光値テーブルの生成>
調光値テーブルの生成の手順について説明する。
【0092】
まず、百分率調光値が100%の照度でLED322から光を発したときの量子化調光値と抵抗指示値とを対応付ける。この百分率調光値が100%のときの照度を、調光値テーブルの生成のための基準照度とする。
【0093】
次に、調光値を減少させて、LED322から発する光の照度が基準照度の75%となる照度を検出する。基準照度の75%となったときの量子化調光値と抵抗指示値とを対応付ける。
【0094】
さらに、調光値を減少させて、LED322から発する光の照度が基準照度の50%となる照度を検出する。基準照度の50%となったときの量子化調光値と抵抗指示値とを対応付ける。
【0095】
同様にして、LED322から発する光の照度が基準照度の25%となるときの量子化調光値と抵抗指示値とを対応付ける。LED322から発する光の照度が基準照度の1%となるときの量子化調光値と抵抗指示値とを対応付ける。
【0096】
このようにして。基準照度の1%、25%、50%、75%、100%の照度の各々について、量子化調光値と抵抗指示値とを対応付けることができる。
【0097】
<抵抗指示値の補間>
基準照度の1%、25%、50%、75%、100%の照度の各々について、量子化調光値と抵抗指示値とを対応付けた5つの関係から、量子化調光値0~1023の全ての範囲に対応する抵抗指示値を補間計算により決定する。なお、補間計算は、抵抗指示値が量子化調光値に対応付けられていない範囲の抵抗指示値に対して決定してもよい。
【0098】
具体的には、以下のようにして決定する。量子化調光値21~255の範囲の抵抗指示値は、量子化調光値1の抵抗指示値と、量子化調光値256の抵抗指示値との2つの抵抗指示値とから、線形補間近似により決定する。量子化調光値257~511の範囲の抵抗指示値は、量子化調光値256の抵抗指示値と、量子化調光値512の抵抗指示値との2つの抵抗指示値とから、線形補間近似により決定する。量子化調光値513~766の範囲の抵抗指示値は、量子化調光値512の抵抗指示値と、量子化調光値767の抵抗指示値との2つの抵抗指示値とから、線形補間近似により決定する。量子化調光値768~1022の範囲の抵抗指示値は、量子化調光値768の抵抗指示値と、量子化調光値1023の抵抗指示値との2つの抵抗指示値とから、線形補間近似により決定する。
【0099】
<電源調整基板220>
電源調整基板220は、電源制御基板210と送受信可能に接続されている。電源調整基板220は、電源制御基板210から送信された抵抗指示値を受信する。
【0100】
電源調整基板220は、図6に示すように、主に、
ラダー抵抗部222と、
バッファ回路224と、
定電流回路226と、
を有する。
【0101】
図1に示す例では、照明システム10は、n枚の電源調整基板220-1~220-nを有する。電源調整基板220-1~220-nは、全て同様の構成及び機能を有する。電源調整基板220の数は、LED基板320の数に応じて決定される。なお、以下では、電源調整基板220-1~220-nを区別する必要がないときには、単に電源調整基板220と称する。電源調整基板220の具体的な構成や機能については、後で詳述する。
【0102】
<<<照明装置300>>>
図2は、照明装置300の外観を示す斜視図である。図3は、照明装置300の光学系の構成を示す斜視図である。
【0103】
図2及び図3に示すように、照明装置300は、長尺な形状を有する。照明装置300は、照明対象物の大きさ(長さなど)に応じた長さを有する。照明対象物は、例えば、表面を検査するための検査対象物などにすることができる。照明装置300は、光を出射する開口部312を有する。照明装置300は、検査対象物の検査の内容に応じて波長の光を、開口部312を介して発し、検査対象物を照明する。
【0104】
照明装置300は、筐体310を有する。筐体310には、複数のLED基板(発光基板)320と、集光レンズ330と、ディフューザレンズ(拡散板)340とが、光学系として、主に収容される。
【0105】
<筐体310>
筐体310は、照明装置300の各種の部品を収納する。筐体310は、長尺な溝状の形状を有する。筐体310は、開口部312を有する。開口部312は、長尺なスリット状(細長い切れ目や隙間)の形状を有する。
【0106】
<LED基板320>
照明装置300は、少なくとも1枚のLED基板320を有する。LED基板320の数は、照明対象物の大きさ(長さなど)に応じた長さなどに応じて適宜に定めればよい。LED基板320は、アルミ基板によって構成され、薄板状の長尺な長方形状の形状を有する。LED基板320には、複数のLED322が搭載されている。例えば、72個のLED322が、LED基板320の各々に搭載されている(図4参照)。複数のLED322は、LED基板320の長手方向に沿って一列に直線状に配置されている。
【0107】
複数のLED322は、LED基板320上に、曲線状に配置されてもよい。LED基板320の長手方向に配置されるLED322の列は複数でもよい。複数のLED322は、LED基板320の長手方向に沿って互いに平行に配置されるのが好ましい。
【0108】
LED基板320は、電源部及び制御部を有しない。なお、LED基板320は、温度検出などの各種のセンサを有してもよい。
【0109】
<LED322>
LED322は、照明装置300から光を発するための発光ダイオードである。LED322は、所定の波長の光を発する。LED322は、例えば、白色などの可視光や赤外などの光を発する。LED322は、照明対象物に応じて、所望する明るさ(照度)で、所望する色(波長など)の光を発することができる発光ダイオードを適宜に用いればよい。
【0110】
図1に示す例では、照明システム10は、k枚のLED基板320-1~320-kを有する。LED基板320-1~320-kは、基本的に同様の構成及び機能を有する。なお、LED基板320-1~320-kのうちの一部のLED基板320は、異なる較正や機能を有してもよい。以下では、LED基板320-1~320-kを区別する必要がないときには、単にLED基板320と称する。LED基板320の構成や機能については、後で詳述する。
【0111】
<集光レンズ330>
集光レンズ330は、LED322から発せられた光を集光するレンズである。集光レンズ330は、アクリル製で、長尺で中実な円柱状(ロッド状、棒状)の形状を有する。なお、集光レンズ330は、ガラスや他の樹脂で成形されてもよい。また、集光レンズ330は、光を集光できれば中空な円筒状の形状を有してもよい。さらに、集光レンズ330は、耐熱性や剛性を有するものが好ましい。
【0112】
集光レンズ330は、LED322から離隔した位置に、かつ、LED322が並ぶ方向L1と集光レンズ330の中心軸線L2とが平行になるように配置されている。
【0113】
<ディフューザレンズ340>
ディフューザレンズ(拡散レンズ)340は、集光レンズ330を透過する光を拡散させるための拡散板である。ディフューザレンズ340の全体は、薄板状又はフィルム状の長尺な形状を有する。
【0114】
ディフューザレンズ340は、長手方向に沿って配置されている。具体的には、ディフューザレンズ340が、集光レンズ330から離隔した位置に、かつ、ディフューザレンズ340の中心軸線L3が集光レンズ330の中心軸線L2と平行になるように配置されている。なお、LED322が並ぶ方向L1と集光レンズ330の中心軸線L2とディフューザレンズ340の中心軸線L3とは、同一の平面内に含まれるのが好ましい。
【0115】
ディフューザレンズ340の表面には、微小な凹凸が形成されている。ディフューザレンズ340は、微小な凹凸の拡散機能により、入射した光を所望する拡散角度(配光角度)で屈折させて拡散整形する。ディフューザレンズ340は、一定の方向の拡散を他の方向よりも強く拡散する。具体的には、ディフューザレンズ340は、長さ方向(長手方向)の拡散は、幅方向(短手方向)よりも強く拡散する。
【0116】
なお、ディフューザレンズ340は、統計的に評価してディフューザレンズ340の全体として、入射光を所定の角度で拡散する性能を有するように設計して作製(ものをつくること)されたものである。例えば、光の強度と拡散角度との関係を所定の分布関数(例えば、ガウス分布など)で近似し、拡散光の強度が入射光の強度に対して所定の強度(例えば、半分)になる角度を拡散角度とすればよい。したがって、ディフューザレンズ340は、表面に形成された凹凸の個々の大きさや形状を規定して作成されたものではない。すなわち、ディフューザレンズ340は、統計的に評価してディフューザレンズ340の全体として性能を発揮することを志向したものである。
【0117】
LED322から発せられた光は、集光レンズ330に入射して集光される。集光レンズ330によって集光された光は、ディフューザレンズ340に入射する。長さ方向(長手方向)成分の光は、ディフューザレンズ340の表面に形成された凹凸の形状や大きさに応じて拡散され、ディフューザレンズ340から出射される。
【0118】
このように、幅方向(短手方向)成分は、集光レンズ330によって集光された光となり、長さ方向(長手方向)成分は、ディフューザレンズ340によって拡散された光となり、照明装置300の開口部312から出射される。
【0119】
ディフューザレンズ340は、表面に微小な凹凸を有しないものであっても、入射した光を所望する拡散角(配光角)で屈折させて拡散整形できるものであればよい。
【0120】
<<<LED基板320の構成>>>
図4(a)は、1枚のLED基板320の構成を示す正面図である。図4(b)は、1枚のLED基板320におけるLED322と電源ユニット100との接続を示す概念図である。図4(a)に示すように、LED基板320には、LED基板320の長手方向に沿って、72個のLED322-1~322-72が一列に直線状に配置されている。
【0121】
LED基板320に搭載された複数のLED322は、グループ化されて電源調整基板220によって制御される。例えば、72個のLED322-1~322-72は、第1のグループと第2のグループとの2つのグループに分けられ、電源調整基板220によって制御される。以下では、グループをチャンネル(CN)と称する。
【0122】
72個のLED322-1~322-72は、第1のチャンネルに属する36個のLED322-1~322-36と、第2のチャンネルに属する36個のLED322-37~322-72とにグループ化することができる。簡便のために、第1のチャンネルに属する36個のLED322(LED322-1~322-36)を、第1CH LED322と称し、第2のチャンネルに属する36個のLED322(LED322-37~322-72)を第2CH LED322と称する。
【0123】
さらに、第1CH LED322及び第2CH LED322は、3つの基板領域に分けて制御される。具体的には、図4(a)に示すように、第1CH LED322は、基板領域1-1、1-2、1-3との3つの領域に分けて制御される。第2CH LED322は、基板領域2-1、2-2、2-3との3つの領域に分けて制御される。
【0124】
簡便のため、以下では、第1CH LED322について説明する。図4(b)に示すように、基板領域1-1、1-2、1-3の各々に属する第1CH LED322は、電気的に直列に接続された12個のLED322からなる。基板領域1-1、1-2、1-3の各々に属する12個のLED322は、互いに別個に電源ユニット100から電源電圧が供給される。すなわち、3つの基板領域1-1、1-2、1-3に互いに並列に電源ユニット100に接続され、12個のLED322ごとに電源電圧が供給される。
【0125】
このように、12個のLED322ごとに電源電圧が供給することで、12個のLED322ごとに供給する電源電圧の最大値を低くすることができる。すなわち、直列に接続された12個のLED322ごとに分割して電源電圧を供給することによって、直列に接続された36個のLED322の全てに供給する電源電圧よりも小さくできる。仕様を満たす各種の電源ユニット100から選択することができ、電源ユニット100の選択の幅を広げることができる。
【0126】
さらに、基板領域1-1に属する12個のLED322には、バッファ回路224-1-1と定電流回路226-1-1とによって生成された定電流が供給される。基板領域1-2に属する12個のLED322には、バッファ回路224-1-2と定電流回路226-1-2とによって生成された定電流が供給される。基板領域1-3に属する12個のLED322には、バッファ回路224-1-3と定電流回路226-1-3とによって生成された定電流が供給される。このように、直列に接続された12個のLED322ごとに、供給する電流を別個に生成して供給される。なお、バッファ回路224及び定電流回路226の構成や機能については、後述する。
【0127】
このように構成することで、同じ明るさとなるように電流を制御する場合に、直列に接続された36個のLED322に供給する電流値よりも、直列に接続された12個のLED322に供給する電流値を小さくすることができる。
【0128】
第2CH LED322についても、同様に構成され、同様に制御される。また、LED基板320-1~320-kの全てのLED322について、同様に構成され、同様に制御される。このようにして、直列に接続された複数のLED322に高い電圧を印加することなく、供給する電流値を低くして、明るさを保ってLED322から発光させることができる。
【0129】
<<<電源ユニット100と電源調整基板220とLED基板320とLED基板320のチャンネルとの対応関係>>>
図5は、電源ユニット100と電源調整基板220とLED基板320とLED基板320のチャンネルとの対応関係の例を示すテーブルである。
【0130】
<<LED基板320の枚数>>
前述したように、1枚のLED基板320には、複数、例えば、72個のLED322が搭載されている。LED基板320の数は、照明対象物の大きさ(長さなど)に応じた長さなどによって決定される。LED基板320の数が決まれば、LED322の数も決定される。電源調整基板220の数は、LED基板320の数に応じて決定される。
【0131】
<<LED322の種類及び電源ユニット100の数>>
また、LED322の種類は、照明対象物の照明条件などに応じて決定される。したがって、電源ユニット100の数は、LED322が必要とする電流値やLED322の数などに応じて決定される。
【0132】
本実施の形態による照明システム10では、電源制御基板210が、起動時に、搭載されている電源調整基板220の数及びLED基板320の数を検出して、RAMに記憶する。
【0133】
具体的には、電源制御基板210に搭載されているFPGAは、10ビット分のレジスタ(図示せず)を有する。10ビット分のレジスタが、電源調整基板220-1~220-10に対応する(図5)。電源調整基板220が実装されると、実装された電源調整基板220に対応するビットの値が「0」となる。電源調整基板220が実装されない場合には、対応するビットの値は「1」となる。電源制御基板210のプロセッサが、このFPGAのレジスタの値を読み出すことで、電源調整基板220の有無を取得し、実装された電源調整基板220の数を計数できる。
【0134】
電源調整基板220は、ディップスイッチ(図示せず)を有する。ディップスイッチのうちの所定の1ビット分のオン状態又はオフ状態によって、電源調整基板220に接続されているLED基板320の枚数を示す。電源制御基板210のFPGAが、ディップスイッチのうちの所定の1ビット分のオン状態又はオフ状態を検出することで、電源調整基板220に接続されるLED基板320の枚数(総数)を取得できる。電源制御基板210のFPGAによってディップスイッチのオン状態又はオフ状態を検出するので、プロセッサのハードウエア資源であるI/Oを占有することなく、他の処理のために開放することができる。なお、電源制御基板210のプロセッサが直接にディップスイッチのオン状態又はオフ状態を検出してもよい。ディップスイッチのオン状態又はオフ状態を的確に取得することができる。
【0135】
このようにして、電源制御基板210のプロセッサは、接続されて稼働可能な電源調整基板220の数及びLED基板320の数を取得することができる。以下では、図5に示す例の対応関係について説明する。
【0136】
<<LED基板320の番号及びチャンネルの番号>>
照明装置300は、最大で、20枚のLED基板320-1~320-20を搭載することができる。図5は、照明装置300の最短状態から最長状態までの対応関係を示すとともに、照明装置300の最短状態から最長状態までに、筐体310に収容されるLED基板320も示す。
【0137】
図5では、LED基板320-1~320-20の番号を、単に1~20とした。また、前述したように、LED基板320-1~320-20の各々は、第1のチャンネル及び第2のチャンネルの2つのチャンネルを有する。図5の対応関係では、LED基板320-1からLED基板320-20までの全体のチャンネルの番号を、区別するために1~40と連番で示した。
【0138】
<<電源調整基板220の枚数>>
本実施の形態による照明システム10では、1枚の電源調整基板220は、最大で2枚のLED基板320を制御することができる。したがって、1枚の電源調整基板220は、4つのチャンネルに対応し、144個(=72個×2枚=36個×4チャンネル)のLED322に対応する。すなわち、1枚の電源調整基板220は、144個(=72個×2)のLED322に供給する電流を制御する。照明装置300は、最大で、10枚の電源調整基板220-1~220-10を有する。図5の対応関係では、電源調整基板220-1~220-10の番号を、単に1~10とした。
【0139】
<<電源ユニット100の台数>>
本実施の形態による照明システム10では、1つの電源ユニット100は、最大で6つのチャンネル(216個=6×36個のLED322)のLED322に電源を供給する。すなわち、1つの電源ユニット100は、3枚のLED基板320に対応づけられ、3枚のLED基板320に搭載されたLED322に電源が供給される。照明システム10は、最長のときに、6台の電源ユニット100-1~100-6を有する。図5の対応関係では、電源ユニット100-1~100-6の番号を、単に1~6とした。
【0140】
<<照明装置300の最短状態から最長状態までの対応関係>>
本実施の形態による照明システム10は、照明装置300に搭載されるLED基板320の数に応じて、電源ユニット100及び電源調整基板220の数を選択することができる。電源制御基板210は、接続されている電源調整基板220の数及びLED基板320の数に応じてLED322に供給する電流を制御する。以下では、LED基板320の数(最小から最大まで)に対応する電源ユニット100及び電源調整基板220の構成について説明する。
【0141】
<1枚のLED基板320-1が搭載されている場合(最短状態の場合)>
1枚のLED基板320-1が搭載されている場合には、チャンネル1及び2のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、1台の電源ユニット100-1と、1枚の電源調整基板220-1とを要する。
【0142】
電源ユニット100-1は、1枚のLED基板320-1に接続されて、LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322に電源を供給する。電源調整基板220-1は、1枚のLED基板320-1に接続されて、LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322に供給する電流を制御する。
【0143】
<2枚のLED基板320-1~320-2が搭載されている場合>
2枚のLED基板320-1~320-2が搭載されている場合には、チャンネル1~4のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、1台の電源ユニット100-1と、1枚の電源調整基板220-1とを要する。
【0144】
電源ユニット100-1は、2枚のLED基板320-1及び320-2に接続される。電源ユニット100-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0145】
電源調整基板220-1は、2枚のLED基板320-1及び320-2に接続される。電源調整基板220-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0146】
<3枚のLED基板320-1~320-3が搭載されている場合>
3枚のLED基板320-1~320-3が搭載されている場合には、チャンネル1~6のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、1台の電源ユニット100-1と、2枚の電源調整基板220-1及び220-2を要する。
【0147】
電源ユニット100-1は、3枚のLED基板320-1~320-3に接続される。電源ユニット100-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0148】
電源調整基板220-1は、2枚のLED基板320-1及び320-2に接続される。電源調整基板220-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0149】
さらに、電源調整基板220-2は、1枚のLED基板320-3に接続される。電源調整基板220-2は、LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322に供給する電流を制御する。
【0150】
<4枚のLED基板320-1~320-4が搭載されている場合>
4枚のLED基板320-1~320-4が搭載されている場合には、チャンネル1~8のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、2台の電源ユニット100-1~100-2と、2枚の電源調整基板220-1及び220-2を要する。
【0151】
電源ユニット100-1は、3枚のLED基板320-1~320-3に接続される。電源ユニット100-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0152】
さらに、電源ユニット100-2は、1枚のLED基板320-4に接続される。電源ユニット100-2は、LED基板320-4に搭載されているチャンネル7及び8の72個のLED322に電源を供給する。
【0153】
電源調整基板220-1は、2枚のLED基板320-1及び320-2に接続される。電源調整基板220-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0154】
さらに、電源調整基板220-2は、2枚のLED基板320-3及び320-4に接続される。電源調整基板220-2は、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、
LED基板320-4に搭載されているチャンネル7及び8の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0155】
<5枚のLED基板320-1~320-5が搭載されている場合>
5枚のLED基板320-1~320-5が搭載されている場合には、チャンネル1~10のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、2台の電源ユニット100-1~100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3を要する。
【0156】
電源ユニット100-1は、3枚のLED基板320-1~320-3に接続される。電源ユニット100-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0157】
さらに、電源ユニット100-2は、2枚のLED基板320-4及び320-5に接続される。電源ユニット100-2は、
LED基板320-4に搭載されているチャンネル7及び8の72個のLED322と、
LED基板320-5に搭載されているチャンネル9及び10の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0158】
電源調整基板220-1は、2枚のLED基板320-1及び320-2に接続される。電源調整基板220-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0159】
さらに、電源調整基板220-2は、2枚のLED基板320-3及び320-4に接続される。電源調整基板220-2は、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、
LED基板320-4に搭載されているチャンネル7及び8の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0160】
電源調整基板220-3は、1枚のLED基板320-5に接続される。電源調整基板220-3は、LED基板320-5に搭載されているチャンネル9及び10の72個のLED322に供給する電流を制御する。
【0161】
<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>
6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合には、チャンネル1~12のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、2台の電源ユニット100-1~100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3を要する。
【0162】
電源ユニット100-1は、3枚のLED基板320-1~320-3に接続される。電源ユニット100-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0163】
さらに、電源ユニット100-2は、3枚のLED基板320-4~320-6に接続される。電源ユニット100-2は、
LED基板320-4に搭載されているチャンネル7及び8の72個のLED322と、
LED基板320-5に搭載されているチャンネル9及び10の72個のLED322と、
LED基板320-6に搭載されているチャンネル11及び12の72個のLED322と、に電源を供給する。
【0164】
電源調整基板220-1は、2枚のLED基板320-1及び320-2に接続される。電源調整基板220-1は、
LED基板320-1に搭載されているチャンネル1及び2の72個のLED322と、
LED基板320-2に搭載されているチャンネル3及び4の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0165】
さらに、電源調整基板220-2は、2枚のLED基板320-3及び320-4に接続される。電源調整基板220-2は、
LED基板320-3に搭載されているチャンネル5及び6の72個のLED322と、
LED基板320-4に搭載されているチャンネル7及び8の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0166】
電源調整基板220-3は、2枚のLED基板320-5及び320-6に接続される。電源調整基板220-3は、
LED基板320-5に搭載されているチャンネル9及び10の72個のLED322と、
LED基板320-6に搭載されているチャンネル11及び12の72個のLED322と、に供給する電流を制御する。
【0167】
<7枚のLED基板320-1~320-7が搭載されている場合>
7枚のLED基板320-1~320-7が搭載されている場合は、チャンネル1~14のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、3台の電源ユニット100-1~100-3及び電源調整基板220-1~220-4を要する。
【0168】
2台の電源ユニット100-1及び100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3との構成及び処理は、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。
【0169】
さらに、電源ユニット100-3と、電源調整基板220-4とについては、前述した<1枚のLED基板320-1が搭載されている場合(最短状態の場合)>と同様の構成及び処理である。なお、
「電源ユニット100-1」を「電源ユニット100-3」と読み替え、
「電源調整基板220-1」を「電源調整基板220-4」と読み替え、
「LED基板320-1」を「LED基板320-7」と読み替え、
「チャンネル1及び2」を「チャンネル13及び14」と読み替えればよい。
【0170】
<8枚のLED基板320-1~320-8が搭載されている場合>
8枚のLED基板320-1~320-8が搭載されている場合には、チャンネル1~16のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、3台の電源ユニット100-1~100-3と、4枚の電源調整基板220-1~220-4を要する。
【0171】
この場合も、2台の電源ユニット100-1及び100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3との構成及び処理は、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。さらに、電源ユニット100-3と、電源調整基板220-4とについては、前述した<2枚のLED基板320-1~320-2が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。なお、
「電源ユニット100-1」を「電源ユニット100-3」と読み替え、
「電源調整基板220-1」を「電源調整基板220-4」と読み替え、
「LED基板320-1」を「LED基板320-7」と読み替え、
「チャンネル1及び2」を「チャンネル13及び14」と読み替え、
「LED基板320-2」を「LED基板320-8」と読み替え、
「チャンネル3及び4」を「チャンネル15及び16」と読み替えればよい。
【0172】
<9枚のLED基板320-1~320-9が搭載されている場合>
9枚のLED基板320-1~320-9が搭載されている場合には、チャンネル1~18のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、3台の電源ユニット100-1~100-3と、5枚の電源調整基板220-1~220-5を要する。
【0173】
この場合も、2台の電源ユニット100-1及び100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3との構成及び処理は、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。さらに、電源ユニット100-3と、電源調整基板220-4及び220-5とについては、前述した<3枚のLED基板320-1~320-3が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。なお、
「電源ユニット100-1」を「電源ユニット100-3」と読み替え、
「電源調整基板220-1」を「電源調整基板220-4」と読み替え、
「電源調整基板220-2」を「電源調整基板220-5」と読み替え、
「LED基板320-1」を「LED基板320-7」と読み替え、
「チャンネル1及び2」を「チャンネル13及び14」と読み替え、
「LED基板320-2」を「LED基板320-8」と読み替え、
「チャンネル3及び4」を「チャンネル15及び16」と読み替えればよい。
「LED基板320-3」を「LED基板320-9」と読み替え、
「チャンネル5及び6」を「チャンネル17及び18」と読み替えればよい。
【0174】
<10枚のLED基板320-1~320-10が搭載されている場合>
10枚のLED基板320-1~320-10が搭載されている場合には、チャンネル1~20のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、4台の電源ユニット100-1~100-4と、5枚の電源調整基板220-1~220-5を有する。
【0175】
この場合も、2台の電源ユニット100-1及び100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3との構成及び処理は、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。さらに、電源ユニット100-3及び100-4と、電源調整基板220-4及び220-5とについては、前述した<4枚のLED基板320-1~320-4が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。なお、
「電源ユニット100-1」を「電源ユニット100-3」と読み替え、
「電源ユニット100-2」を「電源ユニット100-4」と読み替え、
「電源調整基板220-1」を「電源調整基板220-4」と読み替え、
「電源調整基板220-2」を「電源調整基板220-5」と読み替え、
「LED基板320-1」を「LED基板320-7」と読み替え、
「チャンネル1及び2」を「チャンネル13及び14」と読み替え、
「LED基板320-2」を「LED基板320-8」と読み替え、
「チャンネル3及び4」を「チャンネル15及び16」と読み替え、
「LED基板320-3」を「LED基板320-9」と読み替え、
「チャンネル5及び6」を「チャンネル17及び18」と読み替え、
「LED基板320-4」を「LED基板320-10」と読み替え、
「チャンネル7及び8」を「チャンネル19及び20」と読み替えればよい。
【0176】
<11枚のLED基板320-1~320-11が搭載されている場合>
11枚のLED基板320-1~320-11が搭載されている場合には、チャンネル1~22のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、4台の電源ユニット100-1~100-4と、6枚の電源調整基板220-1~220-6を要する。
【0177】
この場合も、2台の電源ユニット100-1及び100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3とについては、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。さらに、電源ユニット100-3及び100-4と、電源調整基板220-4~220-6との構成及び処理は、前述した<5枚のLED基板320-1~320-5が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。なお、
「電源ユニット100-1」を「電源ユニット100-3」と読み替え、
「電源ユニット100-2」を「電源ユニット100-4」と読み替え、
「電源調整基板220-1」を「電源調整基板220-4」と読み替え、
「電源調整基板220-2」を「電源調整基板220-5」と読み替え、
「電源調整基板220-3」を「電源調整基板220-6」と読み替え、
「LED基板320-1」を「LED基板320-7」と読み替え、
「チャンネル1及び2」を「チャンネル13及び14」と読み替え、
「LED基板320-2」を「LED基板320-8」と読み替え、
「チャンネル3及び4」を「チャンネル15及び16」と読み替え、
「LED基板320-3」を「LED基板320-9」と読み替え、
「チャンネル5及び6」を「チャンネル17及び18」と読み替え、
「LED基板320-4」を「LED基板320-10」と読み替え、
「チャンネル7及び8」を「チャンネル19及び20」と読み替え、
「LED基板320-5」を「LED基板320-11」と読み替え、
「チャンネル9及び10」を「チャンネル21及び22」と読み替えればよい。
【0178】
<12枚のLED基板320-1~320-12が搭載されている場合>
12枚のLED基板320-1~320-12が搭載されている場合には、チャンネル1~24のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、4台の電源ユニット100-1~100-4と、6枚の電源調整基板220-1~220-6を有する。
【0179】
この場合も、2台の電源ユニット100-1及び100-2と、3枚の電源調整基板220-1~220-3との構成及び処理は、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。さらに、電源ユニット100-3及び100-4と、電源調整基板220-4~220-6とについては、前述した<6枚のLED基板320-1~320-6が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。なお、
「電源ユニット100-1」を「電源ユニット100-3」と読み替え、
「電源ユニット100-2」を「電源ユニット100-4」と読み替え、
「電源調整基板220-1」を「電源調整基板220-4」と読み替え、
「電源調整基板220-2」を「電源調整基板220-5」と読み替え、
「電源調整基板220-3」を「電源調整基板220-6」と読み替え、
「LED基板320-1」を「LED基板320-7」と読み替え、
「チャンネル1及び2」を「チャンネル13及び14」と読み替え、
「LED基板320-2」を「LED基板320-8」と読み替え、
「チャンネル3及び4」を「チャンネル15及び16」と読み替え、
「LED基板320-3」を「LED基板320-9」と読み替え、
「チャンネル5及び6」を「チャンネル17及び18」と読み替え、
「LED基板320-4」を「LED基板320-10」と読み替え、
「チャンネル7及び8」を「チャンネル19及び20」と読み替え、
「LED基板320-5」を「LED基板320-11」と読み替え、
「チャンネル9及び10」を「チャンネル21及び22」と読み替え、
「LED基板320-6」を「LED基板320-12」と読み替え、
「チャンネル11及び12」を「チャンネル23及び24」と読み替えればよい。
【0180】
<13枚のLED基板320-1~320-13が搭載されている場合>
13枚のLED基板320-1~320-13が搭載されている場合には、チャンネル1~26のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、5台の電源ユニット100-1~100-5と、7枚の電源調整基板220-1~220-7を要する。この場合の構成及び処理は、前述した<7枚のLED基板320-1~320-7が搭載されている場合>と同様の構成及び処理であり、適宜に読み替えればよい。
【0181】
<14枚のLED基板320-1~320-14が搭載されている場合>
14枚のLED基板320-1~320-14が搭載されている場合には、チャンネル1~28のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、5台の電源ユニット100-1~100-5と、7枚の電源調整基板220-1~220-7を要する。この場合の構成及び処理は、前述した<8枚のLED基板320-1~320-8が搭載されている場合>と同様の構成及び処理であり、適宜に読み替えればよい。
【0182】
<15枚のLED基板320-1~320-15が搭載されている場合>
15枚のLED基板320-1~320-15が搭載されている場合には、チャンネル1~30のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、5台の電源ユニット100-1~100-5と、8枚の電源調整基板220-1~220-8を要する。この場合の構成及び処理は、前述した<9枚のLED基板320-1~320-9が搭載されている場合>と同様の構成及び処理であり、適宜に読み替えればよい。
【0183】
<16枚のLED基板320-1~320-16が搭載されている場合>
16枚のLED基板320-1~320-16が搭載されている場合には、チャンネル1~32のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、6台の電源ユニット100-1~100-6と、8枚の電源調整基板220-1~220-8を有する。この場合の構成及び処理は、前述した<10枚のLED基板320-1~320-10が搭載されている場合>と同様の構成及び処理であり、適宜に読み替えればよい。
【0184】
<17枚のLED基板320-1~320-17が搭載されている場合>
17枚のLED基板320-1~320-17が搭載されている場合には、チャンネル1~34のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、6台の電源ユニット100-1~100-6と、9枚の電源調整基板220-1~220-9を有する。この場合の構成及び処理は、前述した<11枚のLED基板320-1~320-11が搭載されている場合>と同様の構成及び処理であり、適宜に読み替えればよい。
【0185】
<18枚のLED基板320-1~320-18が搭載されている場合>
18枚のLED基板320-1~320-18が搭載されている場合には、チャンネル1~36のLED322に電流を供給すればよい。この場合には、照明システム10は、6台の電源ユニット100-1~100-6と、9枚の電源調整基板220-1~220-9を有する。この場合の構成及び処理は、前述した<12枚のLED基板320-1~320-12が搭載されている場合>と同様の構成及び処理であり、適宜に読み替えればよい。
【0186】
<19枚のLED基板320-1~320-19が搭載されている場合>
19枚のLED基板320-1~320-19が搭載されている場合には、チャンネル1~38のLED322に電流を供給する必要がある。この場合の照明システム10は、6台の電源ユニット100-1~100-6と、10枚の電源調整基板220-1~220-10とを有する。この場合には、6台の電源ユニット100-1~100-6と、9枚の電源調整基板220-1~220-9との構成及び処理は、前述した<18枚のLED基板320-1~320-18が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。
【0187】
19枚以上のLED基板320を有する構成となった場合であっても、新たな電源ユニット100を追加することはない。19枚目のLED基板320-19のLED322は、既に搭載されている3台の電源ユニット100-1~100-3に接続され、3台の電源ユニット100-1~100-3の各々から電源電圧がLED基板320-19のLED322に供給される。3台の電源ユニット100-1~100-3の電源電圧は、LED基板320-1~320-9のLED322に供給されるとともに、3台の電源ユニット100-1~100-3の各々から振り分けられた電源電圧が、LED基板320-19のLED322にも供給される。このように構成することで、新たな電源ユニット100を追加して接続する必要はない。
【0188】
<20枚のLED基板320-1~320-20が搭載されている場合(最長状態の場合)>
20枚のLED基板320-1~320-20が搭載されている場合には、チャンネル1~40のLED322に電流を供給する必要がある。この場合の照明システム10は、6台の電源ユニット100-1~100-6と、10枚の電源調整基板220-1~220-10とを有する。この場合にも、6台の電源ユニット100-1~100-6と、9枚の電源調整基板220-1~220-9との構成及び処理は、前述した<18枚のLED基板320-1~320-18が搭載されている場合>と同様の構成及び処理である。
【0189】
20枚以上のLED基板320を有する構成となった場合であっても、新たな電源ユニット100を追加することはない。20枚目のLED基板320-20のLED322は、既に搭載されている3台の電源ユニット100-4~100-6に接続され、3台の電源ユニット100-4~100-6の各々から電源電圧がLED基板320-20のLED322に供給される。3台の電源ユニット100-4~100-6の電源電圧は、LED基板320-10~320-18のLED322に供給されるとともに、3台の電源ユニット100-4~100-6の各々から振り分けられた電源電圧が、LED基板320-20のLED322にも供給される。このように構成することで、新たな電源ユニット100を追加して接続する必要はない。
【0190】
このように、本実施の形態による照明システム10では、最大で20枚までのLED基板320を搭載することができる。すなわち、チャンネル1~40(最大)のLED322から光を発することができる。
【0191】
前述したように、19枚目のLED基板320-19や、20枚目のLED基板320-20を搭載したときであっても、新たな電源ユニット100を追加して搭載する必要はない。電源ユニット100-1~100-6は、予め電源電圧に余裕を有する。このため、既に搭載されている3台の電源ユニット100-1~100-3の各々から、余裕分の電源電圧をLED基板320-19のLED322に供給する。同様に、既に搭載されている3台の電源ユニット100-4~100-6の各々から、余裕分の電源電圧をLED基板320-20のLED322に供給する。
【0192】
このように、3台の電源ユニット100-1~100-3や、3台の電源ユニット100-4~100-6から電源電圧を、LED基板320-19や320-20のLED322に供給する。すなわち、複数の電源ユニット100の各々から電源電圧を振り分けて供給するように構成することで、電源ユニット100の1台あたりの負担を軽くでき、安定的に電源電圧を振り分けることができるとともに、電源電圧の余裕分を小さくすることができる。新たな電源ユニット100を追加して搭載することなく、増加分のLED基板320-19又は320-20の双方に電源電圧を安定して供給することができる。
【0193】
なお、追加分の1枚当たりのLED基板320に接続する電源ユニットの台数は、3台に限られず、少なくとも2台以上であればよい。また、増加分のLED基板320の枚数は、2枚に限られず、少なくとも1枚以上であればよい。LED基板320の枚数は、照明する対象物の大きさや形状に応じて、適宜に定めればよい。
【0194】
<電源電力の供給形態>
前述したように、LED基板320-1~320-18については、1台の電源ユニット100が、複数枚のLED基板320のLED322に電源電力を供給するのに対して、LED基板320-19及び320-20については、複数台の電源ユニット100が、1枚のLED基板320のLED322に電源電力を供給する。このように、本実施の形態による照明システム10は、
1台の電源ユニット100が、複数枚のLED基板320のLED322に電源電力を供給する第1の供給形態と、
複数台の電源ユニット100が、1枚のLED基板320のLED322に電源電力を供給する第2の供給形態と、
の双方の供給形態を備える。電源電圧に余裕分を予め設けるとともに、電源電圧の余裕分を有効に活用することができる。
【0195】
<<電源電圧の検出>>
前述したように、本実施の形態による照明システム10では、複数の電源ユニット100を有し、各々の電源ユニット100が、複数のLED基板320の各々に電源電圧を供給している。電源制御基板210のプロセッサは、電源ユニット100の各々が供給している電源電圧を検出して、適切な電源電圧がLED基板320の各々に供給されているか否かを判断する。前述したように、電源制御基板210は、ADCを有し、電源制御基板210は、LED基板320に供給する電圧と同値の電源電圧をADCから検出する。
【0196】
図5では、20枚のLED基板320-1~320-20を有する例を示す。これらの全てのLED基板320-1~320-20で電源電圧を検出する必要はない。例えば、LED基板320-1~320-3には、同じ電源ユニット100-1からの電源電圧が供給される。したがって、LED基板320-1~320-20のうちのいずれかに供給された電源電圧を検出すればよい。本実施の形態では、LED基板320-1~320-20のうちの奇数番目、すなわち、LED基板320-1、320-3、・・・、320-19に供給された電源電圧を検出する。電源電圧の検出は、偶数番目でも、3つおきでもよい。電源電圧を検出して判断することができればよい。
【0197】
なお、ハーネスの長さに電圧降下や、電気的な接続部分の状態や、経時劣化などによって、実際に供給される電源電圧が変わることがあり得る。したがって、全てのLED基板320-1~320-20に供給された電源電圧を検出してもよい。
【0198】
<<電源調整基板220の構成>>
図6は、電源調整基板220の構成を示す機能ブロック図である。図7は、ラダー抵抗部222とバッファ回路224と定電流回路226との具体的な構成を示す機能ブロック図である。電源調整基板220-1~220-10は、全て同様の構成及び機能を有する。図6及び図7は、代表として、電源調整基板220-1の構成を示す。
【0199】
電源制御基板210は、操作部や外部の制御装置で決定された調光値を抵抗指示値に変換し、電源調整基板220-1に供給する。
【0200】
前述したように、電源調整基板220-1は、主に、
ラダー抵抗部222-1と、
バッファ回路224-1と、
定電流回路226-1と、
を有する。
【0201】
<ラダー抵抗部222-1>
本実施の形態では、D/Aコンバータ半導体素子の代わりに、複数の抵抗をはしご状に接続したラダー抵抗回路(図7参照)を用いて、デジタル信号をアナログ信号に変換する。
【0202】
ラダー抵抗部222-1は、ラダー抵抗部222-1-1、ラダー抵抗部222-1-2、ラダー抵抗部222-1-3、ラダー抵抗部222-1-4などを有する。ラダー抵抗部222-1-1、ラダー抵抗部222-1-2、ラダー抵抗部222-1-3、ラダー抵抗部222-1-4などの各々は、ラダー抵抗回路を有する。
【0203】
図6に示すように、ラダー抵抗部222-1-1は、LED基板320-1の第1チャンネルに対応し、ラダー抵抗部222-1-2は、LED基板320-1の第2チャンネルに対応する。同様に、ラダー抵抗部222-1-3は、LED基板320-2の第1チャンネルに対応し、ラダー抵抗部222-1-4は、LED基板320-2の第2チャンネルに対応する。
【0204】
<バッファ回路224-1>
バッファ回路224-1は、バッファ回路224-1-1と、バッファ回路224-1-2と、バッファ回路224-1-3とを有する。バッファ回路224-1-1は、前述した基板領域1-1(図4)のLED322-1~322-12に対応する。バッファ回路224-1-2は、基板領域1-2のLED322-13~322-24に対応する。バッファ回路224-1-3は、基板領域1-3のLED322-25~322-36に対応する。バッファ回路224-1-1~224-1-3は、前後の回路を電気的に分離するための回路であり、前段のラダー抵抗部222-1に、後段の定電流回路226-1の影響が及ばないようにするための回路である。
【0205】
<定電流回路226-1>
定電流回路226-1は、定電流回路226-1-1と、定電流回路226-1-2と、定電流回路226-1-3とを有する。定電流回路226-1-1は、前述した基板領域1-1(図4)のLED322-1~322-12に対応する。定電流回路226-1-2は、基板領域1-2のLED322-13~322-24に対応する。定電流回路226-1-3は、基板領域1-3のLED322-25~322-36に対応する。
【0206】
図6に示すように、電源制御基板210は、ラダー抵抗部222-1(ラダー抵抗部222-1-1、ラダー抵抗部222-1-2、ラダー抵抗部222-1-3、ラダー抵抗部222-1-4など)に接続される。
【0207】
ラダー抵抗部222-1-1は、バッファ回路224-1-1と、バッファ回路224-1-2と、バッファ回路224-1-3とに接続される。ラダー抵抗部222-1-2は、バッファ回路224-2-1と、バッファ回路224-2-2と、バッファ回路224-2-3とに接続される。
【0208】
バッファ回路224-1-1は、定電流回路226-1-1に接続され、バッファ回路224-1-2は、定電流回路226-1-2に接続され、バッファ回路224-1-3は、定電流回路226-1-3に接続される。バッファ回路224-2-1は、定電流回路226-2-1に接続され、バッファ回路224-2-2は、定電流回路226-2-2に接続され、バッファ回路224-2-3は、定電流回路226-2-3に接続される。
【0209】
<<抵抗指示値から調光電圧信号の生成>>
図7に示すように、ラダー抵抗部222-1-1は、複数の抵抗が直列に接続され、全体に所定の電圧値の電圧が印加される。例えば、ラダー抵抗部222-1-1は、12個の抵抗が直列に接続される。ラダー抵抗部222-1-1は、隣り合う抵抗が接続される12箇所のノード230-1~230-12を有する。電源制御基板210は、12ビットのデジタル信号(以下、抵抗指示値と称する)をノード230-1~230-12に出力する。抵抗指示値によって、12箇所のノード230-1~230-12の各々における電位が決定され、抵抗に流れる電流の向きが制御される。電流の向きによって、ラダー抵抗部222-1-1の合成抵抗値が切り替えられる。ラダー抵抗部222-1-1の合成抵抗値に応じた電圧値を有する調光電圧信号が生成される。このようにして、ラダー抵抗部222-1-1は、12ビットのデジタル信号である抵抗指示値から、アナログ信号である調光電圧信号を生成する。
【0210】
ラダー抵抗部222-1-1で生成された調光電圧信号は、バッファ回路224-1-1と、バッファ回路224-1-2と、バッファ回路224-1-3とに並列に供給される。バッファ回路224-1-1と、バッファ回路224-1-2と、バッファ回路224-1-3とは、オペアンプなどを有する。オペアンプによって、インピーダンス変換されて、調光電圧信号から安定的に電流を生成することができる。
【0211】
バッファ回路224-1-1によってインピーダンス変換された調光電圧信号は、定電流回路226-1-1に供給される。定電流回路226-1-1は、供給された調光電圧信号の電圧値に応じて定電流を生成する。定電流回路226-1-1によって生成された定電流は、LED基板320-1の第1チャンネルの基板領域1-1のLED322-1~322-12に供給され、LED322-1~322-12を、調光電圧信号の電圧値に応じた明るさで発光させる。
【0212】
バッファ回路224-1-2によってインピーダンス変換された調光電圧信号は、定電流回路226-1-2に供給される。定電流回路226-1-2は、供給された調光電圧信号の電圧値に応じて定電流を生成する。定電流回路226-1-2によって生成された定電流は、LED基板320-1の第1チャンネルの基板領域1-2のLED322-13~322-24に供給され、LED322-13~322-24を、調光電圧信号の電圧値に応じた明るさで発光させる。
【0213】
バッファ回路224-1-3によってインピーダンス変換された調光電圧信号は、定電流回路226-1-3に供給される。定電流回路226-1-3は、供給された調光電圧信号の電圧値に応じて定電流を生成する。定電流回路226-1-3によって生成された定電流は、LED基板320-1の第1チャンネルの基板領域1-3のLED322-25~322-36に供給され、LED322-25~322-36を、調光電圧信号の電圧値に応じた明るさで発光させる。
【0214】
ラダー抵抗部222-1-2なども同様にして、調光電圧信号から定電流を生成して対応するLED322に供給して調光電圧信号の電圧値に応じた明るさで発光させる。
【0215】
<<電流検出部228>>
定電流回路226-1-1は、電流検出部228を有する。電流検出部228は、定電流回路226-1-1によって生成された電流を検出し、電流値を示す検出信号を出力する(図6のV11、V13や図7のV11など)。
【0216】
本実施の形態では、電流検出部228は、全ての定電流回路226に設けられておらず、一部の定電流回路226のみに設けられている。例えば、電流検出部228は、LED基板320のうちの第1チャンネルの基板領域1-1に対応する定電流回路226のみに設けられている。このようにすることで、構成を簡素できるとともに、検出処理や判断処理などの処理を迅速に行うことができる。
【0217】
前述したように、電流検出部228が生成した検出信号は、電源制御基板210に供給される。電源制御基板210に供給された検出信号は、電源制御基板210のADCによってデジタル信号に変換される。このようにすることで、電源制御基板210のプロセッサは、定電流が適切な値であるか否かを判断することができる。電流値の判断については、後述する。
【0218】
<<<落込み対応処理>>>
図8は、抵抗指示値とLED322に供給する電流値との関係を示すグラフである。
【0219】
前述したように、ラダー抵抗部222とバッファ回路224と定電流回路226とによって、デジタル信号である抵抗指示値に応じて、LED322に供給する電流を生成する。前述したように、電源制御基板210のRAMは、調光値テーブルを記憶する。調光値テーブルは、調光値が大きくなるに従って抵抗指示値も大きくなるように、調光値と抵抗指示値とが対応づけられている。このため、調光値(抵抗指示値)が大きくなるに従って、LED322から発する光の明るさも明るくなることが期待される。例えば、図8の右上がりの直線(太い実線部分と細い破線部分とを含む)に示すように、抵抗指示値を大きくするに従って、LED322に供給する電流の電流値も全体的に直線状に大きくなり、LED322から発する光の明るさも明るくなることが期待される。
【0220】
しかしながら、調光値(抵抗指示値)を最小の調光値から最大の調光値に至るまで徐々に大きくしても、所定の調光値の範囲で、LED322から発する光の明るさが明るくならずに暗くなる現象(以下、落込み現象と称する)が生ずる場合がある。例えば、図8の太い実線で示すように、抵抗指示値を大きくしても、第1起点抵抗指示値や第2起点抵抗指示値などで、LED322に供給する電流の電流値が急激に低下する場合がある。このため、抵抗指示値が、第1起点抵抗指示値や第2起点抵抗指示値などのときに、LED322から発する光も急激に暗くなる。
【0221】
落込み現象が発生すると、使用者に違和感を感じさせる可能性が生ずる。また、最小の調光値(抵抗指示値)から最大の調光値(抵抗指示値)に至るまでの間の複数の範囲で、落込み現象が生ずる場合もある(図8の第1起点抵抗指示値や第2起点抵抗指示値など)。したがって、最小の調光値から最大の調光値に至るまでの全ての調光値の範囲で、落込み現象が生じないようにするのが好ましい。なお、本実施の形態では、LED322に供給する電流の値が下がる現象も、LED322から発する光の明るさが低下する現象とのいずれも落込みと称する。
【0222】
なお、落込み現象は、図8に示すように、最小の調光値から最大の調光値に至るまでの複数の調光値の範囲で、LED322に供給する電流の値が低下することによって生ずる。LED322に供給する電流の低下は、ラダー抵抗部222を構成する複数の抵抗のうち、抵抗指示値の変化に応じて電流の向きが変化する抵抗の数が多い場合に生じやすくなる。例えば、抵抗指示値の値を、000011111111から、000100000000へ変化させたときなど、電流の向きが変化する抵抗の数が多くなる。
【0223】
このため、最小の調光値から最大の調光値に至るまでの範囲で、LED322への供給電流値が低下する箇所を検出して、調光値テーブルを書き換えることで、落込み現象を防止することができる。以下、具体的な処理について説明する。
【0224】
図9は、落込み・回復検出処理を示すフローチャートである。この処理は、電源制御基板210のプロセッサによって実行される。落込み・回復検出処理は、抵抗指示値が最小の抵抗指示値から最大の抵抗指示値に至るまで、呼び出されて実行される。落込み・回復検出処理が呼び出されるたびに、抵抗指示値を少しずつ、例えば、1ずつ増加させて、落込みが生じたか否かや、落込みから回復したか否かが判断される。抵抗指示値の増加量は、落込みや回復を判断できる程度の細かさであればよい。抵抗指示値の増加量は、2以上でもよい。
【0225】
落込み・回復検出処理の処理は、照明システム10が起動されたときや、使用者の操作に応じたタイミングなど、照明対象物を照明しているとき以外の必要に応じた所定のタイミングで呼び出されて実行される。
【0226】
最初に、電源制御基板210のプロセッサは、調光値テーブルを読み出して調光値から抵抗指示値を決定する(ステップS811)。
【0227】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、ステップS811で決定した抵抗指示値を示す信号をラダー抵抗部222に出力する(ステップS813)。抵抗指示値を示す信号は、ラダー抵抗部222のノード230-1~230-12に出力される。
【0228】
ラダー抵抗部222によって、抵抗指示値を示す信号(デジタル信号)は、抵抗指示値を示す調光電圧信号(アナログ信号)に変換される。調光電圧信号は、バッファ回路224を経て、定電流回路226に供給される。定電流回路226は、調光電圧信号に基づいて、抵抗指示値に対応する電流値を有する電流を生成してLED322に供給する。電流検出部228は、定電流回路226が生成した電流を検出し、電流の値に対応する電圧値を示す検出信号を生成し、検出信号を電源制御基板210に出力する。
【0229】
電源制御基板210のプロセッサは、電流検出部228から発せられた検出信号を受信し、検出信号が示す電圧値を今回電圧値(落込み・回復検出処理の今回の実行により取得した電圧値)として取得する(ステップS815)。
【0230】
電源制御基板210のプロセッサは、判断基準電圧値が、今回電圧値よりも大きいか否かを判断する(ステップS817)。判断基準電圧値は、落込みが発生しているときには、落込が発生する直前の今回電圧値である。また、落込みが発生していないときには、判断基準電圧値は、前回の落込み・回復検出処理の実行により、ステップS815で取得してステップS835で更新された今回電圧値である。このように、落込みが発生しているときには、判断基準電圧値は、更新されずに維持され、落込みから回復したときに、ステップS835で更新される。
【0231】
電源制御基板210のプロセッサは、判断基準電圧値が、今回電圧値よりも大きいと判断したときには(YES)、すなわち、落込みが発生したと判断したときには、落込検出フラグの値が1であるか否かを判断する(ステップS819)。落込検出フラグは、落込みを検出し、まだ、落込みから回復していないことを示すフラグである。言い換えれば、落込検出フラグは、落込み中であることを示すフラグである。落込み中のときには、落込検出フラグの値は1であり、落込み中でないときには、落込検出フラグの値は0である。
【0232】
電源制御基板210のプロセッサは、落込検出フラグの値が1でないと判断したときには(NO)、すなわち、落込みが発生した直後であるときには、落込検出フラグの値を1にする(ステップS821)。
【0233】
電源制御基板210のプロセッサは、落込が発生する直前の抵抗指示値を、起点抵抗指示値としてRAMに記憶し(ステップS823)、本サブルーチンを終了する。起点抵抗指示値は、後で調光値テーブルの抵抗指示値を較正する処理を実行するときに使用される。
【0234】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS819の処理で落込検出フラグの値が1であると判断したとき(YES)、すなわち、落込み中にさらに落込みが発生したときには、直ちに、本サブルーチンを終了する。既に落込みを検出済みであるので、何も処理を実行することなく、本サブルーチンを終了する。なお、本実施の形態では、落込み中にさらに落込みが発生しても、新たに落込みが発生したとは扱わない。
【0235】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS817の処理で、判断基準電圧値が今回電圧値以下であると判断したときには(NO)、すなわち、落込みが発生していない場合、又は落込みが発生した後に回復した場合には、判断基準電圧値が、今回電圧値以下であるか否かを判断する(ステップS825)。
【0236】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS825の判断処理で、判断基準電圧値が、今回電圧値以下であると判断したときには(YES)、すなわち、落込みが発生していない場合、又は落込みが発生した後に回復した場合には、落込検出フラグの値が1であるか否かを判断する(ステップS827)。
【0237】
電源制御基板210のプロセッサは、落込検出フラグの値が1であると判断したときには(YES)、すなわち、落込みから回復した場合には、電圧値が回復する直前の抵抗指示値を終点抵抗指示値として記憶する(ステップS829)。終点抵抗指示値も、後で調光値テーブルの抵抗指示値を較正する処理を実行するときに使用される。前述した起点抵抗指示値と、この終点抵抗指示値との間の抵抗指示値の範囲で、落込みが発生したことになり、起点抵抗指示値と終点抵抗指示値との間の調光値テーブルの抵抗指示値を、後で較正することができる。
【0238】
電源制御基板210のプロセッサは、落込検出フラグの値を0にする(ステップS831)。すなわち、落込みから回復したので、落込み中でないことを示すために、落込検出フラグの値を0にする。
【0239】
電源制御基板210のプロセッサは、落込カウンタの値を更新する(ステップS833)。落込カウンタは、抵抗指示値が最小の抵抗指示値から最大の抵抗指示値に至るまでに、落込みが発生した回数を記憶する。例えば、図8の例では、最大の抵抗指示値に至ったときには、落込カウンタの値は2となる。落込カウンタの値は、調光値テーブルの抵抗指示値を較正するときに用いる。
【0240】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS833を実行したとき(落込みから回復したとき)、又はステップS827の処理で、落込検出フラグの値が1でないと判断したときには(NO)(落込みが発生せず通常の状態のとき)、判断基準電圧値を今回電圧値に更新し(ステップS835)、本サブルーチンを終了する。落込みから回復した直後を含めて、落込みが発生していないときには、今回電圧値を判断基準電圧値にすることで、次回に落込み・回復検出処理が呼び出されて実行されたときに、新たに落込みが発生したか否かを判断することができる。なお、落込み中のときには、ステップS825~S835の処理は実行されず、判断基準電圧値を更新することはない。
【0241】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS825の処理で、判断基準電圧値が、今回電圧値以下でないと判断したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0242】
図10は、調光値テーブルの例を示すテーブルである。図10(a)は、落込みが生じたときの調光値テーブルであり、図10(b)は、落込みが生じたときに、落込みが生じている区間の抵抗指示値を一定に較正したときの調光値テーブルである。
【0243】
調光値テーブルは、調光値と抵抗指示値との関係を定めたテーブルである。前述したように、操作者が操作部を操作することで調光値が決定され、電源制御基板210は、調光値テーブルを参照して、調光値に対応する抵抗指示値を読み出し、電源調整基板220に送信する。電源調整基板220のラダー抵抗部222は、受信した抵抗指示値から調光電圧信号を生成し、電流検出部228は、バッファ回路224を介して調光電圧信号を受信し、調光電圧信号が示す電圧値に対応する値を有する定電流を生成し、LED322に定電流を供給する。
【0244】
図9に示した落込み・回復検出処理の実行することで、全ての起点抵抗指示値と終点抵抗指示値とが電源制御基板210のRAMに記憶される。
【0245】
<第1起点抵抗指示値、第1終点抵抗指示値>
図10は、調光値テーブルの例を示すテーブルである。
【0246】
例えば、図10(a)は、変更する前の調光値テーブルを示す。図10(a)に示す調光値テーブルでは、破線A1で示すように、調光値13に対応する抵抗指示値404が起点抵抗指示値であり、調光値17に対応する抵抗指示値420が終点抵抗指示値である。この場合には、電源制御基板210は、起点抵抗指示値から終点抵抗指示値までの全ての抵抗指示値を起点抵抗指示値404に変更することで較正する。
【0247】
図10(b)は、変更した後の調光値テーブルを示す。図10(b)に示す調光値テーブルでは、破線A2で示すように、調光値13から調光値17までに対応する全ての抵抗指示値は、起点抵抗指示値404となっている。このように較正することで、例えば、図8のグラフでは、第1起点抵抗指示値から第1終点抵抗指示値からまでの電流値は、水平に伸びる破線となる。このように、第1起点抵抗指示値から第1終点抵抗指示値からまでのLED322の明るさを一定にすることで、落込みが生じないようにして、使用者に違和感を感じさせないようできる。
【0248】
<第2起点抵抗指示値、第2終点抵抗指示値>
図10(a)に示す調光値テーブルでは、破線B1で示すように、調光値1010に対応する抵抗指示値4389が起点抵抗指示値であり、調光値1015に対応する抵抗指示値4406が終点抵抗指示値である。この場合には、電源制御基板210は、起点抵抗指示値から終点抵抗指示値までの全ての抵抗指示値を起点抵抗指示値4389に変更することで較正する。
【0249】
図10(b)に示す調光値テーブルでは、破線B2で示すように、調光値1010から調光値1015までに対応する全ての抵抗指示値は、起点抵抗指示値4389となっている。このように較正することで、例えば、図8のグラフでは、第2起点抵抗指示値から第2終点抵抗指示値からまでの電流値も、水平に伸びる破線となる。このように、第2起点抵抗指示値から第2終点抵抗指示値からまでのLED322の明るさを一定にすることで、落込みが生じないようにして、使用者に違和感を感じさせないようできる。
【0250】
前述した例では、起点抵抗指示値から終点抵抗指示値までの抵抗指示値を一定の値に較正したが、徐々に大きくなるようにしてもよい。例えば、起点抵抗指示値よりも小さい抵抗指示値から、終点抵抗指示値よりも大きい抵抗指示値までの範囲で、抵抗指示値が徐々に大きくなるように較正することができる。抵抗指示値が直線状に徐々に大きくなるようにしても、曲線状に徐々に大きくなるようにしてもよい。使用者に違和感を感じさせないように較正すればよい。
【0251】
<<オートボルテージ処理>>
照明システム10は、複数の電源ユニット100を有する。このため、少しでも消費電力を抑えるのが望ましい。消費電力を抑えることで発熱も抑えることができる。
【0252】
一般に、LED322から発する光の明るさが同じであっても、LED322の特性のばらつきにより、LED322ごとに必要とする電流値は異なる。さらに、ハーネスの長さなどによる電圧降下なども生ずるため、複数の電源ユニット100毎に必要とする電源電圧が異なる。このため、複数の電源ユニット100から出力する電源電圧値を同一にせずに、複数の電源ユニットの各々から出力する電源電圧を最適化するのが好ましい。
【0253】
以下の例では、簡便のため、照明システム10は、図11に示す構成とする。すなわち、照明装置300は、8枚のLED基板320-1~320-8を有する。すなわち、チャンネル番号は、1~16である。照明システム10は、4枚の電源調整基板220-1~220-4を有する。照明システム10は、3台の電源ユニット100-1~100-3を有する。
【0254】
さらに、本実施の形態では、前述したように、本実施の形態では、LED基板320のうちの奇数番目のLED基板320に供給された電源電圧を検出する。図11に示す例では、4枚のLED基板320-1、320-3、320-5、320-7のみで電源電圧を検出する。
【0255】
図12は、オートボルテージ処理を示すフローチャートである。
【0256】
最初に、電源制御基板210のプロセッサは、1~8CHのLED322を最大の照度で点灯する(ステップS1211)。すなわち、LED基板320-1~320-4に搭載されている全てのLED322を最大の照度で点灯する。LED基板320-1~320-2は、電源調整基板220-1に対応し、LED基板320-3~320-4は、電源調整基板220-2に対応する。LED基板320-1~320-3は、電源ユニット100-1に対応し、LED基板320-4は、電源ユニット100-2に対応する。
【0257】
前述したように、LED基板320-1~320-4に搭載されている全てのLED322を最大の照度で点灯させる。このため、電源ユニット100-1及び電源ユニット100-2から最大の電源電圧が、LED基板320-1~320-4に供給されることになる。最も消費電力の高い状態で判断することができる。
【0258】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、電源ユニット100-1からLED基板320-1に供給されている電源電圧を電源調整基板220-1で取得する(ステップS1213)。なお、前述したように、電源ユニット100-1から供給される電源電圧は、LED基板320-3にも供給され、電源調整基板220-2でも取得することができるが、同じ電源ユニット100-1から供給される電源電圧であるので、LED基板320-1に供給される電源電圧を代表として取得する。
【0259】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1213で取得した電源電圧が所定の範囲に含まれているか否かを判断する(ステップS1215)。
【0260】
ここで、所定の範囲は、ハーネスの長さなどで生ずる電圧降下や、安定性を確保するための余裕分などを想定して定められる。また、前述したように、照明装置300の最長状態では、20枚のLED基板320-1~320-20が搭載される。このうちのLED基板320-19には、電源ユニット100-1~100-3の各々から、余裕分の電源電圧が供給される。LED基板320-20には、電源ユニット100-4~100-6の各々から、余裕分の電源電圧が供給される。ステップS1215の判断処理で用いる所定の範囲は、照明装置300の最長状態のときの電源電圧も含めて余裕分が想定されて定められる。なお、本実施の形態では、電源電圧の余裕分の値は、一定値にしたが、接続されているLED基板320の数に応じて、変更してもよい。電源電圧を過不足なく適切に制御することができる。ステップS1215で用いる所定の範囲は、EEPROM(登録商標)に記憶されている。所定の範囲の既定値は、43.2~43.6ボルトである。
【0261】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1215の判断処理で、電源電圧が所定の範囲に含まれていないと判断したときには(NO)、電源ユニット100-1及び100-2の双方の電源電圧を設定し(ステップS1217)、ステップS1213に処理を戻す。ステップS1213~S1217の処理を繰り返すことで、電源ユニット100-1及び100-2の双方の電源電圧を最適に調整することができる。電源ユニット100に対して電源電圧を設定する。例えば、設定方法として、RS232C経由で、電源電圧の設定コマンドを送信する。
【0262】
前述したステップS1217では、電源電圧の電圧値を徐々に変更して、所定の範囲に含まれているか否かを判断する。電源電圧の電圧値が所定の範囲に含まれていると判断したときには、ステップS1217の処理を終了する。徐々に変更する電圧値は、一定でも可変でもよい。例えば、当初は、大きく変化させ、その後に、徐々に小さく変化させるようにしてもよい。また、最終的に、所定の範囲の中央値に近づくように、電源電圧の電圧値を変化させてもよい。
【0263】
このように、LED基板320-1に供給されている電源電圧のみで、電源ユニット100-1及び100-2の双方の電源電圧を設定する。このように処理をすることで、短時間にかつ簡便にすることができる。
【0264】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1215の判断処理で、電源電圧が所定の範囲に含まれていると判断したときには(YES)、1~8CHのLED322(4枚のLED基板320-1~320-4のLED322)を消灯する(ステップS1219)。
【0265】
1~8CHのLED322、すなわち、4枚のLED基板320-1~320-4のみが照明装置300に搭載されている場合には、ステップS1219までの処理で終了する。
【0266】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、7~12CHのLED322を最大の照度で点灯する(ステップS1221)。すなわち、LED基板320-4~320-6に搭載されている全てのLED322を最大の照度で点灯する。LED基板320-4は、電源調整基板220-2に対応し、LED基板320-5~320-6は、電源調整基板220-3に対応する。LED基板320-4~320-6は、電源ユニット100-2に対応する。最大の照度で点灯させることで、最も消費電力の高い状態で判断することができる。
【0267】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、電源ユニット100-2からLED基板320-5に供給されている電源電圧を電源調整基板220-3で取得する(ステップS1223)。前述したように、電源ユニット100-2から供給される電源電圧は、LED基板320-5に供給され電源調整基板220-3で取得することができる。
【0268】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1223で取得した電源電圧が所定の範囲に含まれているか否かを判断する(ステップS1225)。この所定の範囲も、ステップS1215の所定の範囲と同様に決定すればよい。
【0269】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1225の判断処理で、電源電圧が所定の範囲に含まれていないと判断したときには(NO)、電源ユニット100-2の電源電圧を設定し(ステップS1227)、ステップS1223に処理を戻す。ステップS1223~S1227の処理を繰り返すことで、電源ユニット100-3の電源電圧を最適に調整することができる。
【0270】
前述したステップS1211~S1219の処理で、電源ユニット100-1及び100-2の双方の電源電圧を調整した。さらにその後に、ステップS1221~S1229の処理を実行することによって、電源ユニット100-2の電源電圧を改めて調整する。すなわち、電源ユニット100-2の電源電圧は、ステップS1211~S1219の処理で粗調され、ステップS1221~S1229の処理で微調されることができる。このようにすることで、構成の簡素化や、処理の簡便化や、電源電圧のより適切な調整を図ることができる。
【0271】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1225の判断処理で、電源電圧が所定の範囲に含まれていると判断したときには(YES)、7~12CHのLED322(2枚のLED基板320-5~320-6のLED322)を消灯する(ステップS1229)。
【0272】
1~12CHのLED322、すなわち、6枚のLED基板320-1~320-6が照明装置300に搭載されている場合には、ステップS1229までの処理で終了する。
【0273】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、13~16CHのLED322を最大の照度で点灯する(ステップS1231)。すなわち、LED基板320-7~320-8に搭載されている全てのLED322を最大の照度で点灯する。LED基板320-7~320-8は、電源調整基板220-4に対応する。LED基板320-7~320-8は、電源ユニット100-3に対応する。最大の照度で点灯させることで、最も消費電力の高い状態で判断することができる。
【0274】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、電源ユニット100-3からLED基板320-7に供給されている電源電圧を電源調整基板220-4で取得する(ステップS1233)。前述したように、電源ユニット100-3から供給される電源電圧は、LED基板320-7に供給されて電源調整基板220-4で取得することができる。
【0275】
次に、電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1233で取得した電源電圧が所定の範囲に含まれているか否かを判断する(ステップS1235)。この所定の範囲も、ステップS1215の所定の範囲と同様に決定すればよい。
【0276】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1235の判断処理で、電源電圧が所定の範囲に含まれていないと判断したときには(NO)、電源ユニット100-3の電源電圧を設定し(ステップS1237)、ステップS1233に処理を戻す。ステップS1233~S1237の処理を繰り返すことで、電源ユニット100-3の電源電圧を最適に調整することができる。
【0277】
電源制御基板210のプロセッサは、ステップS1235の判断処理で、電源電圧が所定の範囲に含まれていると判断したときには(YES)、13~16CHのLED322(2枚のLED基板320-7~320-8のLED322)を消灯し(ステップS1239)、本サブルーチンを終了する。
【0278】
<<<オートボルテージ処理での電源電圧の監視>>>
図13は、照明装置300の最短状態から最長状態に至るまでに、オートボルテージ処理での電源電圧を監視する電源調整基板220を示すテーブルである。
【0279】
図11及び図12では、照明装置300が、最短状態と最長状態との間の状態であるときのオートボルテージ処理を説明した。以下では、照明装置300の最短状態から最長状態に至るまでの電源電圧を監視する電源調整基板220について説明する。
【0280】
<1~4CHのLED322を点灯する場合>
1~4CHのLED322(LED基板320-1~320-2)を点灯するときには、以下のように制御される。電源ユニット100-1が、LED基板320-1~320-2に電源電圧を供給する。電源調整基板220-1が、LED基板320-1~320-2に供給される電源電圧を制御する。
【0281】
この場合には、電源調整基板220-1が、電源ユニット100-1から供給される電源電圧を監視する。
【0282】
<1~6CHのLED322を点灯する場合>
1~6CHのLED322(LED基板320-1~320-3)を点灯するときには、以下のように制御される。電源ユニット100-1が、LED基板320-1~320-3に電源電圧を供給する。電源調整基板220-1が、LED基板320-1~320-2に供給される電源電圧を制御する。電源調整基板220-2が、LED基板320-3に供給される電源電圧を制御する。
【0283】
この場合には、電源調整基板220-1が、電源ユニット100-1から供給される電源電圧を監視する。前述したように、電源ユニット100-1から供給される電源電圧は、LED基板320-3にも供給され電源調整基板220-2で取得することができるが、同じ電源ユニット100-1から供給される電源電圧であるので、LED基板320-1に供給される電源電圧を代表として取得する。
【0284】
<1~8CHのLED322を点灯する場合>
1~8CHのLED322(LED基板320-1~320-4)を点灯するときには、以下のように制御される。電源ユニット100-1が、LED基板320-1~320-3に電源電圧を供給する。電源ユニット100-2が、LED基板320-4に電源電圧を供給する。電源調整基板220-1が、LED基板320-1~320-2に供給される電源電圧を制御する。電源調整基板220-2が、LED基板320-3~320-4に供給される電源電圧を制御する。
【0285】
この場合には、電源調整基板220-1が、電源ユニット100-1から供給される電源電圧を監視する。前述したように、電源ユニット100-1から供給される電源電圧は、LED基板320-3にも供給され電源調整基板220-2で取得することができるが、同じ電源ユニット100-1から供給される電源電圧であるので、LED基板320-1に供給される電源電圧を代表として取得する。また、電源ユニット100-2が、LED基板320-4に電源電圧を供給する。しかしながら、本実施の形態では、LED基板320-4に供給された電源電圧は、監視の対象でない。したがって、電源調整基板220-1のみが、電源ユニット100-1から供給される電源電圧を監視する。
【0286】
<7~12CHのLED322を点灯する場合>
7~12CHのLED322(LED基板320-4~320-6)を点灯するときには、以下のように制御される。電源ユニット100-2が、LED基板320-4~320-6に電源電圧を供給する。電源調整基板220-2が、LED基板320-4に供給される電源電圧を制御する。電源調整基板220-3が、LED基板320-5~320-6に供給される電源電圧を制御する。
【0287】
この場合には、電源調整基板220-5が、電源ユニット100-3から供給される電源電圧を監視する。電源ユニット100-3が、LED基板320-4及び320-6に電源電圧を供給する。しかしながら、本実施の形態では、LED基板320-4及び320-6に供給された電源電圧は、監視の対象でない。したがって、電源調整基板220-5のみが、電源ユニット100-3から供給される電源電圧を監視する。
【0288】
<13~16CH、13~18CH、13~20CH、19~24CH、25~28CH、25~30CH、25~32CH、30~36CHのLED322を点灯する場合>
これらは、前述した1~4CH、1~6CH、1~8CH、7~12CHのLED322を点灯する場合と同様に監視する。具体的には、13~16CH及び25~28CHは、前述した1~4CHと同様に監視する。13~18CH及び25~30CHは、前述した1~6CHと同様に監視する。13~20CH及び25~32CHは、前述した1~8CHと同様に監視する。19~24CH及び30~36CHは、前述した7~12CHと同様に監視する。
【0289】
<1~40CHのLED322を点灯する場合>
1~40CHのLED322を点灯する場合は、20枚のLED基板320-1~320-20が搭載された最長の場合である。
【0290】
前述したように、37~38CHのLED322は、LED基板320-19に搭載されている。LED基板320-19のLED322には、電源ユニット100-1~100-3から電源電圧が振り分けられて供給される。
【0291】
39~40CHのLED322は、LED基板320-20に搭載されている。LED基板320-20のLED322には、電源ユニット100-4~100-6から電源電圧が振り分けられて供給される。
【0292】
図11及び図12での説明と同様に、1~4CHから30~36CHまでの監視により、電源ユニット100-1~100-6の全ての電源電圧の最適化は完了している。したがって、LED基板320-19及び320-20が接続されて最長となった場合には、LED基板320-19及び320-20に対する電源電圧の最適化の処理は実行されずに、直ちに、電源電圧をLED基板320-19及び320-20に供給することができる。
【0293】
<<<変更例1(ラダー抵抗以外の回路構成1)>>>
前述した例では、ラダー抵抗によって構成される合成抵抗値により、LED322に供給する電流の電流値が決定する構成を示した。これに限られず、複数の抵抗の組み合わせを切り替えて全抵抗値を変更することで、LED322に供給する電流の電流値が決定できるものであればよい。
【0294】
<<<変更例2(ラダー抵抗以外の回路構成2)>>>
前述した例では、ラダー抵抗を用いる構成を示した。これに限られず、電流を分割して、分割した各々の電流の向きを制御することで制御値を決定するものであればよい。例えば、インピーダンス素子(コンデンサやコイル)や、整流素子などの組み合わせを含む回路などにすることができる。各種の受動素子や能動素子をもちいることで、電流を分割して、分割した各々の電流の向きを制御することで、制御値を決定できればよい。
【0295】
<<<変更例3(調光値テーブル)>>>
前述した例では、調光値テーブルを用いて、調整値から制御値を決定する構成を示した。これに限られず、多項式などの近似式を用いて、調整値から制御値を決定するようにしてもよい。近似式の係数の値を定めて近似式を参照することで、一の調整値から一の制御値を決定することができる。制御値から調整値を一義的に決定したりできる関係であればよい。
【0296】
<<<変更例4(LED基板320に搭載されるLED322の数)>>>
前述した例では、1枚のLED基板320には、常に2つのチャンネルの72個(=2×36個)のLED322が搭載されている構成を示した。これに限られず、1枚のLED基板320に、1つのチャンネル分の36個のLED322のみを搭載したり、72個未満の任意の数のLED322を搭載したりしてもよい。また、1枚のLED基板320に、3つ以上のチャンネル分の数のLED322を搭載してもよい。
【0297】
<<<変更例5(電源調整基板220とLED基板320との対応)>>>
図1図6に示すように、一の電源調整基板220が、2枚のLED基板320に対応する構成を示したが、これに限られない。一の電源調整基板220が、1枚や3枚以上のLED基板320を対応するように構成してもよい。結線や配線や配置などに応じて適宜に定めればよい。
【0298】
<<<変更例6(LED基板320とチャンネル(に属するLED322)との対応)>>>
図1図4図6に示すように、一のLED基板320に、2つのチャンネル分のLED322を搭載する構成を示したが、これに限られない。一のLED基板320に、1つや3つ以上のチャンネル分のLED322を搭載するように構成してもよい。一のLED基板320に搭載するLED322の数や大きさや仕様や配置や、制御の仕方などに応じて適宜に定めればよい。
【0299】
<<<変更例7(チャンネルとLED322との対応)>>>
一のチャンネルに36個のLED322を割り当てる構成を示したが、これに限られない。一のチャンネルに他の数のLED322を割り当てもよい。LED322の数や大きさや仕様などに応じて適宜に定めればよい。
【0300】
<<<変更例8(チャンネルと基板領域との対応)>>>
図4に示すように、一のチャンネルに3つの基板領域を対応付ける構成を示したが、これに限られない。一のチャンネルに、1つや3つ以上の基板領域を対応付けるように構成してもよい。一のチャンネルに対応付ける基板領域の数は、一の基板領域に属するLED322に印加できる電源電圧の大きさや、一の基板領域に属するLED322の数などに応じて適宜に定めればよい。
【0301】
<<<変更例9(ラダー抵抗部222とチャンネルとの関係)>>>
一のラダー抵抗部222が、一のチャンネルに属するLED322の明暗が共通するように調整する構成を示したが、これには限られない。一のラダー抵抗部222が、複数のチャンネルに属するLED322の明暗が共通するように調整する構成としてもよい。このように構成することで、ラダー抵抗部222の数を減らして、回路構成を簡素にすることができる。ラダー抵抗部222の数を減らすことで、ラダー抵抗部222による発熱を抑えることができる。
【0302】
<<<変更例10(ラダー抵抗部222との基板領域との関係)>>>
一のラダー抵抗部222が、一のチャンネルに含まれる3つの基板領域のLED322に共用されるとともに、一のラダー抵抗部222で生ずる落込みに対する較正も3つの基板領域のLED322の明暗の調整に共用される構成を示した。これに限られず、一のラダー抵抗部222を一の基板領域のLED322のみに用いるとともに、一のラダー抵抗部222で生ずる落込みに対する較正も、一の基板領域のLED322の明暗の調整のみに用いるように構成してもよい。一の基板領域に属するLED322の特性に応じて較正を反映させることができる。
【0303】
<<<変更例11(電源電圧の検出)>>>
LED基板320-1~320-20のうちの奇数番(LED基板320-1、320-3、・・・、320-19)に供給された電源電圧を検出する構成を示した。これに限られず、LED基板320-1~320-20の全ての電源電圧を検出してもよい。このようにすることで、接続線の状態や接点の状態なども含めて、別個に判断することができる。
【0304】
<<<変更例12(電源制御基板210の構成)>>>
単一の電源制御基板210が、電源ユニット100からLED基板320に供給される電源電圧(Vpp1~Vppm)(図1参照)を統合して検出したり、定電流回路226によって生成された電流(図6のV11、V13や図7のV11など)を統合して検出したりする構成を示した。これに限られず、複数の電源制御基板210を設けて、電源ユニット100から供給される電源電圧や、定電流回路226によって生成された電流を別個に検出するように構成してもよい。複数の電源制御基板210を設けた場合には、互いに通信可能にして、いずれかの一の電源制御基板210を主にして、他の電源制御基板210を従にして制御してもよい。また、複数の電源制御基板210の全てを、互いに通信可能に対等に構成してもよい。例えば、いずれかの電源制御基板210に不具合が生じた場合であっても、残りの電源制御基板210が補助し合って制御することができる。
【0305】
<<<変更例13(オートボルテージ処理)>>>
前述した例では、ステップS1217の処理で、電源ユニット100-1及び100-2の2つの電源ユニット100の電源電圧を粗調整して設定する構成を示した。これに限られず、搭載されている3つ以上の電源ユニット100、例えば、全ての電源ユニット100の電源電圧を、ステップS1217の処理で設定してもよい。例えば、図11に示した照明システム10の構成では、電源ユニット100-1~100-4の4つの電源ユニット100の電源電圧を、ステップS1217の処理で設定してもよい。このようにすることで、複数の電源ユニット100の電源電圧を短時間にかつ簡便に調節することができる。
【0306】
<<<<実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本実施の形態を記載した。しかし、この開示の一部をなす記載及び図面は、限定するものと理解すべきでない。ここで記載していない様々な実施の形態等が含まれる。
【符号の説明】
【0307】
10 照明システム
100 電源ユニット
200 電源制御部
210 電源制御基板
220 電源調整基板
222 ラダー抵抗部
226 定電流回路
300 照明装置
320 LED基板
322 LED
図1
図2
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図13