(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】水中用途向け高性能複合材料
(51)【国際特許分類】
B63B 73/72 20200101AFI20250401BHJP
F16L 9/128 20060101ALI20250401BHJP
B63B 5/24 20060101ALI20250401BHJP
B29C 70/42 20060101ALI20250401BHJP
B29K 101/12 20060101ALN20250401BHJP
B29K 105/08 20060101ALN20250401BHJP
B29L 24/00 20060101ALN20250401BHJP
【FI】
B63B73/72
F16L9/128
B63B5/24 A
B29C70/42
B29K101:12
B29K105:08
B29L24:00
(21)【出願番号】P 2023540818
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 US2021062762
(87)【国際公開番号】W WO2022146655
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-07-03
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
【住所又は居所原語表記】1100 Wilson Blvd Arlington, Virginia 22209 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ミハレス,オーランド エル.
(72)【発明者】
【氏名】レラー,ダン エル.
(72)【発明者】
【氏名】シッダハマリ,シュリダー クリシュナムルティ
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/018566(WO,A1)
【文献】特開2018-172927(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0102578(US,A1)
【文献】特開平06-040386(JP,A)
【文献】国際公開第2018/115827(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0033126(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0158286(US,A1)
【文献】米国特許第07096814(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 73/72
F16L 9/128
B63B 5/24
B29C 70/42
B29K 101/12
B29K 105/08
B29L 24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中構造物であって、
内面上に配列された複数のリブを有する半円筒を含み、前記半円筒及び前記複数のリブは、繊維強化熱可塑性複合材料を含むセミモノコック構造であり、前記繊維強化熱可塑性複合材料は、前記複数のリブを有する前記半円筒の
円周に沿って連続的に延びる連続繊維を含み、前記繊維強化熱可塑性複合材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含み、前記複数のリブは各々、前記半円筒の湾曲本体の一方の側から他方の側まで、前記湾曲本体を横切って延びる、
水中構造物。
【請求項2】
前記繊維強化熱可塑性複合材料は、炭素繊維、繊維ガラス繊維、パラアラミド繊維、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の水中構造物。
【請求項3】
前記連続繊維は、4インチから30フィートの長さを有する、請求項1に記載の水中構造物。
【請求項4】
前記連続繊維は約40体積%~約60体積%の量で存在する、請求項1に記載の水中構造物。
【請求項5】
前記繊維強化熱可塑性複合材料はグラファイト繊維を含む、請求項1に記載の水中構造物。
【請求項6】
水中構造物を製造する方法であって、
繊維強化熱可塑性複合材料を加熱して加圧下で金型に適用して、前記繊維強化熱可塑性複合材料の連続繊維が前記水中構造物の
円周に沿って連続的に延びて、前記繊維強化熱可塑性複合材料を含むセミモノコック構造の水中構造物を形成するようにすることを含み、
前記水中構造物は、内面上に配列された複数のリブを有する半円筒を含み、前記繊維強化熱可塑性複合材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含み、前記複数のリブは各々、前記半円筒の湾曲本体の一方の側から他方の側まで、前記湾曲本体を横切って延びる、方法。
【請求項7】
前記繊維強化熱可塑性複合材料は、炭素繊維、繊維ガラス繊維、パラアラミド繊維、またはそれらの組み合わせを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記連続繊維は、4インチから30フィートの長さを有し、前記連続繊維は約40体積%~約60体積%の量で存在する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維強化熱可塑性複合材料は、グラファイト繊維を含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第63/133,521号(2021年1月4日に出願)に対する優先権を主張する。なおこの文献は、その全体において参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本開示は、水中用途向けの材料に関し、より具体的には、水中用途向けの高性能複合材料に関する。
【0003】
無人機及びミサイル向けなどの海底カプセルシステムを構築するために用いる材料は、種々の基準を満たさなければならない。材料は、高圧、湿気の透過/侵入、及び長時間にわたる過酷な水中環境に対して弾力的でなければならない。また材料は、非常に信頼性が高くて、メンテナンスの必要が皆無かそれに近い必要がある。さらに、海底カプセル封入システムを形成するために用いる材料は、非常に多様なペイロード及び低リスクの発射モードに対応する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
水中構造物及びその製造方法が開示される。本開示の1つ以上の実施形態によれば、水中構造物は、内面上に配列されたリブを伴う半円筒を含む。半円筒及びリブは、繊維強化熱可塑性複合材料を伴うセミモノコック構造である。
【0005】
本開示の他の実施形態によれば、水中構造物は、繊維強化熱可塑性複合材料を伴うモノコック構造である円筒を含む。
【0006】
さらに、本開示の他の実施形態によれば、水中構造物を製造する方法は、繊維強化熱可塑性複合材料を加熱して加圧下で金型に適用して、繊維が水中構造物の周囲または長さに沿って連続的に延びて、セミモノコックまたはモノコック水中構造物を形成するようにすることを含む。
【0007】
さらなる特徴及び利点が本開示の手法を通して実現される。本開示の他の実施形態及び態様は、本明細書で詳細に説明され、特許請求される開示の一部と考えられる。利点及び特徴を伴う本開示をより良好に理解するために、説明及び図面を参照されたい。
【0008】
本開示をより完全に理解するために、次に、添付図面及び詳細な説明に関連して以下の簡単な説明を参照する。ここでは同様の参照数字は同様の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料から形成された半円筒の斜視図である。
【0010】
【
図1B】本開示の実施形態による
図1Aの半円筒のリブ(補強材)の斜視図である。
【0011】
【
図2】本開示の実施形態による2つの半円筒から形成されたアンダーウェアカプセルの分解斜視図である。
【0012】
【
図3】本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料からセミモノコック部品を製造するためのフロー図である。
【0013】
【
図4】本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料からリブ/補強材を形成するためのプロセスフローの概略図である。
【0014】
【
図5】本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料から形成されたモノコック円筒の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
無人機及びミサイル向けなどの海底カプセルシステムを構築するために用いる現在の材料には、アルミニウム、耐食鋼(corrosion-resistant steel、CRES)、チタン、及びエポキシ複合材料などの金属が含まれる。金属は半円筒として形成され、これらは後で共に締結、結合、または溶接されて最終的なカプセルを形成する。しかし、このような金属には欠点がある。材料は重く、腐食の影響を受けやすく、非常に大きな労働力を要する。さらに、このような金属を用いてカプセルを形成すると、製造上の課題が生じる。たとえば、半円筒は、締結によって効果的に一緒に封止する必要があり、これには、ファスナー及び/または材料に対する上流のサプライチェーンに依存する必要がある。海底カプセルを形成するために用いるエポキシ複合材料にも、種々の問題がある。たとえば、エポキシ複合材料は水の浸透に対しては気密ではない。さらに、エポキシ複合材料の機械的特性は湿潤時に劣化する可能性がある。
【0016】
海底用途の場合、材料は高圧及び過酷な環境に対して非常に弾力的で、メンテナンスは皆無かそれに近い。さらに、海底システムを形成するために用いる材料は、非常に多様なペイロード及び低リスクの発射モードに対応する必要がある。
【0017】
本明細書には、繊維強化熱可塑性複合材料から形成された海底システム及びその製造方法が記載されている。海底システムには、圧力容器、水中船体、及び水中カプセルなどの、海中/海洋中などの水中に長時間沈められる構造が含まれる。熱可塑性複合材料には、いくつかの実施形態では、グラファイト繊維などの連続繊維によって構造を横切って強化されたポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketones、PEEK)が含まれる。海底構造を形成するための方法は、その場での固化(in-situ consolidation、ISC)プロセスである。これは、補強構造全体が、モノコックまたはセミモノコック構造を形成する単一の処理ステップで形成されるため、補強材を表皮に二次的に接着または固定する必要なく単一の補強構造を作製するものである。
【0018】
繊維強化熱可塑性複合材料によって、水の浸透に抵抗する海底構造が得られ(たとえば、1020メートルの深さで2年間に渡ってエポキシ複合材料の場合の1%の吸収に対して0.25%の吸収)、及びエポキシ複合材料と比べて優れた(2~5倍大きい)損傷抵抗(たとえば、破壊靱性)が得られる。また複合材料によって、エポキシ樹脂と比べて高い連続使用樹脂温度が得られる(たとえば、エポキシの場合の225°F~350°Fに対して300°F~500°F)。この結果、高温であり得る他のシステムコンポーネントまたは構造に近接してまたはこれらと接触して用いたときの断熱材の必要性(コスト、重量)を最小限にするかまたはなくすことができる。またモノコック複合材料は、約56%の軽量化、内部容積の約10%の増加、及び特定の応用例での水に対する3年間の気密性などの他の利点に対する可能性も示す。
【0019】
図1Aは、本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料から形成された半円筒100の斜視図である。半円筒100は、半円筒の湾曲本体104の内部の凹面に沿って配列された複数の補強リブ102(補強材とも言う)を含む。補強リブ102は、任意の形状、サイズ、及び/または寸法であり、湾曲本体104を構造的に補強または強化する働きをする。いくつかの実施形態では、リブ102は、一方の側から他方の側まで湾曲本体104の円周または直径さえも横切って部分的または完全に延びる。他の実施形態では、リブ102は、湾曲本体104の長手方向の長さに沿って部分的または完全に延びる。
【0020】
図1Bは、
図1Aの半円筒100のリブ102a(補強材)の斜視図である。これは、以下でさらに詳細に説明するように、その場での固化プロセスにおいて湾曲本体104とその場融着される。リブ102aは、補強された半円筒100の湾曲本体104(
図1A)の第1の表面に隣接する第1のアーム106、湾曲本体104の第2の表面に隣接する第2のアーム108、及び第1のアーム106と第2のアーム108との間を延びる本体109(半円筒100の湾曲本体104に対する構造補強をもたらす)を含む。
【0021】
補強リブ/補強材を含む本明細書に記載の半円筒は、繊維強化熱可塑性複合材料から形成される。いくつかの実施形態によれば、複合材料の熱可塑性物質はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。複合材料に対する熱可塑性プラスチックの他の非限定的な例には、低融点ポリアリールエーテルケトン(LMPAEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0022】
熱可塑性複合材料の繊維の非限定的な例には、長い連続炭素繊維(たとえば、グラファイト繊維)、繊維ガラス繊維、パラアラミド(KEVLAR(登録商標))繊維、またはそれらの組み合わせが含まれる。1つ以上の実施形態によれば、熱可塑性複合材料の繊維はグラファイト繊維である。いくつかの実施形態では、繊維強化熱可塑性複合材料は、グラファイト繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)である。繊維は短繊維ではなく、むしろ、半円筒部分またはリブの長さ、直径(またはその間の任意の角度)に沿って延びる長い連続繊維である。繊維は、いくつかの実施形態によれば、約40体積%~約60体積%繊維の量で複合材料中に存在する。複合材料中の繊維は連続している。その場での固化(ISC)プロセスによって、繊維は、部品/金型に適用するときに所望の長さに切断される。このISCプロセスにより、連続繊維の長さは4インチ~30フィートになる。
【0023】
図2は、本開示の実施形態による2つの半円筒100から形成された水中カプセル200の分解斜視図である。別個に形成されたら、2つの補強された半円筒100は、ファスナーなどの機械的方法、または接着などの化学的方法、または溶接または融着などの熱的方法、またはそれらの任意の組み合わせを含む種々の方法によって互いに接合される。半円筒100は熱可塑性複合材料から形成されるため、それらは、さらなる接着剤を必要とせずに、材料を加熱することによって互いに自己融着することができる。水中カプセル200は、カプセル封入されたペイロードのためのダンネージ及び他の支持構造202を収容する。エンドキャップ204は、中空カプセルを形成するために互いに接着/固定されたら2つの半円筒100の端部に配列される。
【0024】
図3は、本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料から、補強された半円筒などの部品を形成するためのフロー図である。ボックス302では、部品に対する金型を用意する。いくつかの実施形態では、金型は、たとえば
図1Aに示すように、補強材を伴う半円筒を含む。補強材は、あらかじめ形成されて適用される(ボックス304及び306を参照)。金型によって、半円筒の湾曲本体及び複数の内部リブ/補強材を含む部品の全体を、単一の金型において形成することが可能になる。
【0025】
ボックス304では、繊維強化熱可塑性複合材料リブ/補強材を前もって形成する。ボックス306では、前もって形成したリブ/補強材を金型に、適用される表皮に対するそれらの接合面が露出するように、適用する。
【0026】
ボックス308では、繊維強化熱可塑性複合材料を、リブ/補強材を含む金型に適用して、表皮を形成する。ボックス310では、表皮を形成する金型に適用された繊維強化熱可塑性複合材料がリブ/補強材の接合面上を通ると、繊維強化熱可塑性複合材料がリブ/補強材に融着する。本適用プロセス中に、繊維強化熱可塑性複合材料に、熱(たとえばレーザにより)及び圧力(ISC機械の適用ローラによる)を印加して、その場での固化プロセスにおいて部品を形成する。表皮繊維は、部品の周囲または長さに沿って連続的に延びる。複合材料中の繊維は長いため、材料全体にわたって分散された短繊維を含むのではなく、金型全体にわたって巻き付くかまたは連続的に延びて強度を加える。その場での固化を用いると、熱可塑性樹脂が融解し、それ自体に固着(または融着)し、及び冷却して固体構造に戻る能力が利用される。連続繊維を、任意の方向ならびに複雑な輪郭表面内または表面上で、金型に適用することができる。
【0027】
部品が、補強された半円筒である場合、補強リブは半円筒シェルに一致する。言い換えれば、部品はセミモノコック構造部品である。その場での固化によって、補強材を外皮に二次的に接着または固定する必要なく、補強構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、PEEKなどの熱可塑性物質複合材料を加熱するために用いる温度は、約350~約450℃である。
【0028】
部品が、補強された半円筒である場合、2つの補強された半円筒を互いに接着させて海底カプセルを形成する。随意に、エンドキャップをカプセルの端部に接着させる。2つの半円筒を、熱及び圧力の印加によって一緒に融着するか、接着剤を塗布するか、機械的に固定するか、またはそれらの任意の組み合わせによって、一緒に接着させる。
【0029】
図4は、本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料からリブまたは補強材を形成するためのプロセスフローの概略図である。繊維強化熱可塑性複合材料404を加熱した後、圧力408を用いて金型406の空洞内に押し込む。金型406の形状を反映する圧縮面402が、複合材料404を金型406内に圧縮する。材料404が金型406の形状に適合して完全に固化することができるように、熱及び圧力をある時間維持する。部品が形成された後に脱型するために、部品を成形温度から冷却し、圧縮面402を取り除き、そして、金型406の形状に形成された最終部品を持ち上げて取り外すことができる410。
【0030】
本明細書に記載の方法は、任意の形状、サイズ、または寸法を有する部品を作製するために使用され、本方法は、補強された半円筒を形成することに限定されない。
図5は、本開示の実施形態による繊維強化熱可塑性複合材料から形成されたモノコック円筒500の斜視図である。
【0031】
説明した複合材料及び方法は、海底カプセルに加えて、価格が手頃で高性能は複雑な水中構造物を作製するために使用される。材料及び方法は、いくつかの実施形態では、海洋掘削用途にも使用される。
【0032】
本開示の種々の実施形態を、関連する図面に関して本明細書で説明している。代替的な実施形態を、本開示の範囲から逸脱することなく考案することができる。以下の説明及び図面では、要素間に種々の接続及び位置関係(たとえば、上方、下方、隣接など)が述べられているが、当業者であれば分かるように、たとえ方位が変更されても、説明した機能が維持される場合は、本明細書に記載の位置関係の多くが方位に依存しない。これらの接続及び/または位置関係は、他に特に規定がない限り、直接または間接的とすることができ、本開示は、この点に関して限定することは意図していない。したがって、実体の結合は、直接または間接的な結合を指すことができ、実体間の位置関係は、直接または間接的な位置関係とすることができる。間接的な位置関係の一例として、層「A」を層「B」の上方に形成することへの本説明における言及は、層「A」及び層「B」の関連する特性及び機能が中間層(複数可)によって実質的に変化しない限り、1つ以上の中間層(たとえば、層「C」)が層「A」と層「B」との間にある状況を含む。
【0033】
以下の定義及び略語を、特許請求の範囲及び明細書の解釈に用いるべきである。本明細書で用いる場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(contains)」、または「含む(containing)」、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含に及ぶことが意図されている。たとえば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または器具は、必ずしもこれらの要素のみに限定されず、明示的に列挙されていない他の要素、またはこのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または器具に固有の他の要素を含むことができる。
【0034】
さらに、用語「典型的な」は、本明細書では「例、インスタンス、または実例として機能する」ことを意味するために使用される。「典型的な」として本明細書に記載される任意の実施形態またはデザインは、必ずしも他の実施形態またはデザインよりも好ましいまたは優位であると解釈されるべきではない。用語「少なくとも1つ」及び「1つ以上」は、1以上の任意の整数、すなわち1、2、3、4、などを含むと理解される。用語「複数」は、2以上の任意の整数、すなわち2、3、4、5などを含むと理解される。用語「接続」は、間接的な「接続」及び直接的な「接続」を含むことができる。
【0035】
明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明した実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができることを示しているが、あらゆる実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含む場合もそうでない場合もある。また、このような語句は必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されていようといまいと、他の実施形態と関連してこのような特徴、構造、または特性に影響することは当業者の知識内であることが提示されている。
【0036】
以下の説明のために、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「最上」、「最下」、及びそれらの派生語は、図面で方向付けられたとおり、説明した構造及び方法に関するものとする。用語「上に横たわる」、「の上に」、「上に」、「上に位置する」、または「の上に位置する」は、第1の構造などの第1の要素が、第2の構造などの第2の要素上に存在することを意味し、界面構造などの介在要素が、第1の要素と第2の要素との間に存在することができる。用語「直接接触」は、第1の構造などの第1の要素と、第2の構造などの第2の要素とが、2つの要素の界面において何らかの中間の伝導性層、絶縁層、または半導体層なしで接続されることを意味する。
【0037】
用語「約」、「実質的に」、「ほぼ」、及びそれらの変形は、出願時に利用可能である機器に基づいた特定の数量の測定に関係付けられる誤差の程度を含むことが意図されている。たとえば、「約」は、所与の値の±8%または5%または2%の範囲を含むことができる。
【0038】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の種々の実施形態による製造及び/または動作方法の可能な実施態様を例示している。本方法の種々の機能/動作は、フロー図においてブロックによって示されている。いくつかの代替的な実施態様では、ブロックにおいて留意した機能は、図において留意した順序から外れて行われる可能性がある。たとえば、連続して示した2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行される可能性があり、またはブロックがしばしば、伴う機能に応じて、逆の順序で実行される可能性がある。
【0039】
以下の特許請求の範囲におけるすべてのミーンズまたはステッププラスファンクション要素の対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に請求される他の請求される要素と組み合わせて機能を行うための任意の構造、材料、または行為を含むことが意図されている。本開示の説明は、例示及び説明を目的として提示しているが、網羅的であることも、開示した形態で本開示に限定されることも意図されていない。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの変更及び変形が当業者には明らかである。実施形態の選択及び説明は、本開示の原理及び実際の応用を最良に説明するために、及び他の当業者が、意図した特定の用途に適した種々の変更とともに種々の実施形態に対する本開示を理解できるようにするために行った。
【0040】
本開示に対する好ましい実施形態について説明してきたが、当業者が、現在及び将来の両方において、以下の特許請求の範囲に含まれる種々の改善及び強化を行い得ることを理解されたい。これらの特許請求の範囲は、最初に説明した開示に対する適切な保護を維持するものと解釈すべきである。