(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】電子委任状作成装置、プログラム、及び電子委任状作成方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20250401BHJP
H04L 51/07 20220101ALI20250401BHJP
【FI】
G06Q50/18
H04L51/07
(21)【出願番号】P 2021119850
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2024-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500037528
【氏名又は名称】株式会社サイバーリンクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100136353
【氏名又は名称】高尾 建吾
(72)【発明者】
【氏名】谷田 将彦
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-134960(JP,A)
【文献】特開2001-283144(JP,A)
【文献】特開2018-074546(JP,A)
【文献】特開2015-215839(JP,A)
【文献】“電子委任状の普及を促進するための基本的な指針 解説”,総務省 [online],日本,総務省情報流通行政局情報通信政策課,経済産業省商務情報政策局総務課情報プロジェクト室,2020年05月12日,pp. 12~15,[2024年12月4日検索],インターネット<URL: https://www.soumu.go.jp/main_content/000686872.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04L 51/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理部と、
前記情報処理部がアクセス可能な情報記憶部と、
を備え、
前記情報処理部は、
アプリケーション処理部と、
委任状処理部と、
検証処理部と、
を有し、
前記委任状処理部は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を前記情報記憶部に記憶し、
前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、
前記受任者情報は、受任者が所持する受任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、
前記委任状情報は委任者によって入力又は提出され、
前記委任状処理部は、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理部は、受任者からのログインを受け付けるとともに受任者の電子証明書を前記受任者端末から取得し、
前記検証処理部は、前記アプリケーション処理部が取得した受任者の電子証明書の正当性を検証し、
前記委任状処理部は、前記検証処理部が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理部は、受任者からの認証情報の入力を受け付け、
前記委任状処理部は、前記アプリケーション処理部が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する、電子委任状作成装置。
【請求項2】
前記受任者端末は、マイナンバーカードに対応したスマートフォンであり、
前記アプリケーション処理部は、前記スマートフォンが受任者のマイナンバーカードから読み出した電子証明書又は前記スマートフォンに格納されている電子証明書を、当該スマートフォンから受信することによって取得する、請求項1に記載の電子委任状作成装置。
【請求項3】
情報処理部と、
前記情報処理部がアクセス可能な情報記憶部と、
を備え、
前記情報処理部は、
アプリケーション処理部と、
委任状処理部と、
検証処理部と、
を有し、
前記委任状処理部は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を前記情報記憶部に記憶し、
前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、
前記委任者情報は、委任者が所持する委任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、
前記委任状情報は受任者によって入力又は提出され、
前記委任状処理部は、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理部は、委任者からのログインを受け付けるとともに委任者の電子証明書を前記委任者端末から取得し、
前記検証処理部は、前記アプリケーション処理部が取得した委任者の電子証明書の正当性を検証し、
前記委任状処理部は、前記検証処理部が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理部は、委任者からの認証情報の入力を受け付け、
前記委任状処理部は、前記アプリケーション処理部が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する、電子委任状作成装置。
【請求項4】
前記委任者端末は、マイナンバーカードに対応したスマートフォンであり、
前記アプリケーション処理部は、前記スマートフォンが委任者のマイナンバーカードから読み出した電子証明書又は前記スマートフォンに格納されている電子証明書を、当該スマートフォンから受信することによって取得する、請求項3に記載の電子委任状作成装置。
【請求項5】
前記検証処理部は、前記アプリケーション処理部が取得した電子証明書の正当性を、個人の電子証明書を管理する個人情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する、請求項1~4のいずれか一つに記載の電子委任状作成装置。
【請求項6】
前記委任者情報は、委任者が所属する企業の企業情報を含み、
前記検証処理部は、前記委任者情報に含まれる企業情報の正当性を、企業情報を管理する企業情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する、請求項1~5のいずれか一つに記載の電子委任状作成装置。
【請求項7】
前記受任者情報は、受任者に関する士業情報を含み、
前記検証処理部は、前記受任者情報に含まれる士業情報の正当性を、士業情報を管理する士業情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する、請求項1~6のいずれか一つに記載の電子委任状作成装置。
【請求項8】
前記検証処理部は、委任者又は委任者が所属する企業が反社会的勢力に該当するか否かを、反社会的勢力に該当する個人又は企業を示す情報である反社情報を管理する反社情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する、請求項1~7のいずれか一つに記載の電子委任状作成装置。
【請求項9】
前記情報処理部は、前記委任状情報に基づいて受任者に関する権限情報を作成し、当該権限情報を前記情報記憶部に記憶する、請求項1~8のいずれか一つに記載の電子委任状作成装置。
【請求項10】
電子委任状作成装置に搭載される情報処理装置を、
アプリケーション処理手段と、
委任状処理手段と、
検証処理手段と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記委任状処理手段は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、
前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、
前記受任者情報は、受任者が所持する受任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、
前記委任状情報は委任者によって入力又は提出され、
前記委任状処理手段は、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理手段は、受任者からのログインを受け付けるとともに受任者の電子証明書を前記受任者端末から取得し、
前記検証処
理手段は、前記アプリケーション処理手段が取得した受任者の電子証明書の正当性を検証し、
前記委任状処理手段は、前記検証処理手段が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理手段は、受任者からの認証情報の入力を受け付け、
前記委任状処理手段は、前記アプリケーション処理手段が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する、プログラム。
【請求項11】
電子委任状作成装置に搭載される情報処理装置を、
アプリケーション処理手段と、
委任状処理手段と、
検証処理手段と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記委任状処理手段は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、
前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、
前記委任者情報は、委任者が所持する委任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、
前記委任状情報は受任者によって入力又は提出され、
前記委任状処理手段は、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理手段は、委任者からのログインを受け付けるとともに委任者の電子証明書を前記委任者端末から取得し、
前記検証処理手段は、前記アプリケーション処理手段が取得した委任者の電子証明書の正当性を検証し、
前記委任状処理手段は、前記検証処理手段が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、
前記アプリケーション処理手段は、委任者からの認証情報の入力を受け付け、
前記委任状処理手段は、前記アプリケーション処理手段が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する、プログラム。
【請求項12】
情報処理装置が、
委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、
前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、
前記受任者情報は、受任者が所持する受任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、
前記委任状情報は委任者によって入力又は提出され、
受任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、
受任者からのログインを受け付けるとともに受任者の電子証明書を前記受任者端末から取得し、
取得した受任者の電子証明書の正当性を検証し、
受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、
受任者からの認証情報の入力を受け付け、
正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する、電子委任状作成方法。
【請求項13】
情報処理装置が、
委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、
前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、
前記委任者情報は、委任者が所持する委任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、
前記委任状情報は受任者によって入力又は提出され、
委任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、
委任者からのログインを受け付けるとともに委任者の電子証明書を前記委任者端末から取得し、
取得した委任者の電子証明書の正当性を検証し、
委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、
委任者からの認証情報の入力を受け付け、
正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する、電子委任状作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子委任状作成装置、プログラム、及び電子委任状作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、背景技術に係る委任情報管理装置が開示されている。当該委任情報管理装置は、申請者端末のユーザである申請者と代理人端末のユーザである代理人との委任情報を委任情報記憶部に記憶し、委任情報記憶部に記憶された委任情報を利用して委任状を作成し、代理人から受信した申請書及び作成した委任状を申請受け付け装置に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された委任情報管理装置によると、委任状において申請者と代理人との関係の正当性が客観的に担保されないため、委任状を用いた契約行為に支障を来す可能性がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能な電子委任状作成装置、プログラム、及び電子委任状作成方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電子委任状作成装置は、情報処理部と、前記情報処理部がアクセス可能な情報記憶部と、を備え、前記情報処理部は、アプリケーション処理部と、委任状処理部と、検証処理部と、を有し、前記委任状処理部は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を前記情報記憶部に記憶し、前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、前記受任者情報は、受任者が所持する受任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、前記委任状情報は委任者によって入力又は提出され、前記委任状処理部は、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、前記アプリケーション処理部は、受任者からのログインを受け付けるとともに受任者の電子証明書を前記受任者端末から取得し、前記検証処理部は、前記アプリケーション処理部が取得した受任者の電子証明書の正当性を検証し、前記委任状処理部は、前記検証処理部が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、前記アプリケーション処理部は、受任者からの認証情報の入力を受け付け、前記委任状処理部は、前記アプリケーション処理部が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する。
【0007】
本態様によれば、委任状処理部は、検証処理部が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを受任者端末に送信し、委任状処理部は、アプリケーション処理部が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0008】
上記態様において、前記受任者端末は、マイナンバーカードに対応したスマートフォンであり、前記アプリケーション処理部は、前記スマートフォンが受任者のマイナンバーカードから読み出した電子証明書又は前記スマートフォンに格納されている電子証明書を、当該スマートフォンから受信することによって取得する。
【0009】
本態様によれば、スマートフォン(及びマイナンバーカード)を利用した簡易かつ確実な手法によって、受任者の電子証明書を取得することが可能となる。
【0010】
本開示の一態様に係る電子委任状作成装置は、情報処理部と、前記情報処理部がアクセス可能な情報記憶部と、を備え、前記情報処理部は、アプリケーション処理部と、委任状処理部と、検証処理部と、を有し、前記委任状処理部は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を前記情報記憶部に記憶し、前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、前記委任者情報は、委任者が所持する委任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、前記委任状情報は受任者によって入力又は提出され、前記委任状処理部は、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、前記アプリケーション処理部は、委任者からのログインを受け付けるとともに委任者の電子証明書を前記委任者端末から取得し、前記検証処理部は、前記アプリケーション処理部が取得した委任者の電子証明書の正当性を検証し、前記委任状処理部は、前記検証処理部が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、前記アプリケーション処理部は、委任者からの認証情報の入力を受け付け、前記委任状処理部は、前記アプリケーション処理部が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する。
【0011】
本態様によれば、委任状処理部は、検証処理部が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを委任者端末に送信し、委任状処理部は、アプリケーション処理部が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0012】
上記態様において、前記委任者端末は、マイナンバーカードに対応したスマートフォンであり、前記アプリケーション処理部は、前記スマートフォンが委任者のマイナンバーカードから読み出した電子証明書又は前記スマートフォンに格納されている電子証明書を、当該スマートフォンから受信することによって取得する。
【0013】
本態様によれば、スマートフォン(及びマイナンバーカード)を利用した簡易かつ確実な手法によって、受任者の電子証明書を取得することが可能となる。
【0014】
上記態様において、前記検証処理部は、前記アプリケーション処理部が取得した電子証明書の正当性を、個人の電子証明書を管理する個人情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する。
【0015】
本態様によれば、電子証明書の正当性を、個人情報管理サーバの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0016】
上記態様において、前記委任者情報は、委任者が所属する企業の企業情報を含み、前記検証処理部は、前記委任者情報に含まれる企業情報の正当性を、企業情報を管理する企業情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する。
【0017】
本態様によれば、企業情報の正当性を、企業情報管理サーバの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0018】
上記態様において、前記受任者情報は、受任者に関する士業情報を含み、前記検証処理部は、前記受任者情報に含まれる士業情報の正当性を、士業情報を管理する士業情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する。
【0019】
本態様によれば、士業情報の正当性を、士業情報管理サーバの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0020】
上記態様において、前記検証処理部は、委任者又は委任者が所属する企業が反社会的勢力に該当するか否かを、反社会的勢力に該当する個人又は企業を示す情報である反社情報を管理する反社情報管理サーバの管理情報に基づいて検証する。
【0021】
本態様によれば、委任者又は委任者が所属する企業が反社会的勢力に該当するか否かを、反社情報管理サーバの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0022】
上記態様において、前記情報処理部は、前記委任状情報に基づいて受任者に関する権限情報を作成し、当該権限情報を前記情報記憶部に記憶する。
【0023】
本態様によれば、受任者に関する権限情報を情報記憶部に記憶し蓄積することによって、第三者からの電子委任状の照会処理を自動化できるため、処理の効率化を図ることが可能となる。
【0024】
本開示の一態様に係るプログラムは、電子委任状作成装置に搭載される情報処理装置を、アプリケーション処理手段と、委任状処理手段と、検証処理手段と、として機能させるためのプログラムであって、前記委任状処理手段は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、前記受任者情報は、受任者が所持する受任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、前記委任状情報は委任者によって入力又は提出され、前記委任状処理手段は、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、前記アプリケーション処理手段は、受任者からのログインを受け付けるとともに受任者の電子証明書を前記受任者端末から取得し、前記検証処理部手段は、前記アプリケーション処理手段が取得した受任者の電子証明書の正当性を検証し、前記委任状処理手段は、前記検証処理手段が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、前記アプリケーション処理手段は、受任者からの認証情報の入力を受け付け、前記委任状処理手段は、前記アプリケーション処理手段が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する。
【0025】
本態様によれば、委任状処理手段は、検証処理手段が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを受任者端末に送信し、委任状処理手段は、アプリケーション処理手段が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0026】
本開示の一態様に係るプログラムは、電子委任状作成装置に搭載される情報処理装置を、アプリケーション処理手段と、委任状処理手段と、検証処理手段と、として機能させるためのプログラムであって、前記委任状処理手段は、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、前記委任者情報は、委任者が所持する委任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、前記委任状情報は受任者によって入力又は提出され、前記委任状処理手段は、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、前記アプリケーション処理手段は、委任者からのログインを受け付けるとともに委任者の電子証明書を前記委任者端末から取得し、前記検証処理手段は、前記アプリケーション処理手段が取得した委任者の電子証明書の正当性を検証し、前記委任状処理手段は、前記検証処理手段が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、前記アプリケーション処理手段は、委任者からの認証情報の入力を受け付け、前記委任状処理手段は、前記アプリケーション処理手段が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する。
【0027】
本態様によれば、委任状処理手段は、検証処理手段が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを委任者端末に送信し、委任状処理手段は、アプリケーション処理手段が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0028】
本開示の一態様に係る電子委任状作成方法は、情報処理装置が、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、前記受任者情報は、受任者が所持する受任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、前記委任状情報は委任者によって入力又は提出され、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、受任者からのログインを受け付けるとともに受任者の電子証明書を前記受任者端末から取得し、取得した受任者の電子証明書の正当性を検証し、受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記受任者端末に送信し、受任者からの認証情報の入力を受け付け、正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する。
【0029】
本態様によれば、情報処理装置は、受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを受任者端末に送信し、正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0030】
本開示の一態様に係る電子委任状作成方法は、情報処理装置が、委任状情報を取得し、取得した前記委任状情報を情報記憶部に記憶し、前記委任状情報は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含み、前記委任者情報は、委任者が所持する委任者端末に設定された電子メッセージの宛先情報を含み、前記委任状情報は受任者によって入力又は提出され、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、委任者からのログインを受け付けるとともに委任者の電子証明書を前記委任者端末から取得し、取得した委任者の電子証明書の正当性を検証し、委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを前記委任者端末に送信し、委任者からの認証情報の入力を受け付け、正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付け、前記情報記憶部から読み出した前記委任状情報に基づいて電子委任状を作成する。
【0031】
本態様によれば、情報処理装置は、委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを委任者端末に送信し、正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】第1実施形態に係る電子委任状作成システムの全体構成を簡略化して示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る電子委任状作成システムにおける処理の流れを簡略化して示すシーケンス図である。
【
図3】第2実施形態に係る電子委任状作成システムにおける処理の流れを簡略化して示すシーケンス図である。
【
図4】第3実施形態に係る電子委任状作成システムの全体構成を簡略化して示す図である。
【
図5】第3実施形態に係る電子委任状作成システムにおける処理の流れを簡略化して示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0035】
<第1実施形態>
第1実施形態では、委任者が電子委任状に電子署名を付与する方式(委任者記録ファイル方式)において、委任者が委任状情報を入力する場合の例について説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子委任状作成システムの全体構成を簡略化して示す図である。
図1に示すように、電子委任状作成システムは、委任者端末1、受任者端末2、電子委任状作成装置3、及び外部サーバ4を備えている。外部サーバ4には、マイナンバーカード(以下「MNC」と略す)管理サーバ4A、反社会的勢力(以下「反社」と略す)情報管理サーバ4B、企業情報管理サーバ4C、及び士業情報管理サーバ4Dが含まれる。
【0037】
委任者端末1、受任者端末2、電子委任状作成装置3、及び外部サーバ4は、いずれも通信ネットワーク5に接続されている。通信ネットワーク5は、IP(Internet Protocol)網等の専用又は公衆の任意の回線網である。
【0038】
委任者端末1は、委任者が所持するスマートフォンである。委任者は、例えば、契約当事者である企業の代表者である。受任者端末2は、受任者が所持するスマートフォンである。受任者は、例えば、契約当事者である企業の従業員、又は、契約当事者の代理人となり得る弁護士又は司法書士等である。委任者端末1及び受任者端末2には、本実施形態に係る電子委任状作成サービスを利用するための専用のアプリケーション(以下「アプリ」と略す)がインストールされている。また、委任者端末1及び受任者端末2は、NFC(Near Field Communication)等の規格に対応したICカードリーダとしての機能を有する。従って、委任者端末1は、委任者に対して交付されたMNCである委任者MNC11から、その内部のICチップに格納されている電子証明書(利用者証明用電子証明書及び署名用電子証明書)を読み出すことができる。また、受任者端末2は、受任者に対して交付されたMNCである受任者MNC12から、その内部のICチップに格納されている電子証明書を読み出すことができる。なお、委任者端末1及び受任者端末2は、ICカードリーダがUSB接続されたPC等であっても良い。また、委任者MNC11に格納されている電子証明書を委任者端末1によって読み出すことに代えて、委任者端末1の内部のICチップに委任者の電子証明書を予め格納しておいても良く、同様に、受任者MNC12に格納されている電子証明書を受任者端末2によって読み出すことに代えて、受任者端末2の内部のICチップに受任者の電子証明書を予め格納しておいても良い。
【0039】
MNC管理サーバ4Aは、個人の電子証明書を管理する個人情報管理サーバである。MNC管理サーバ4Aは、例えば、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によって管理されている。
【0040】
反社情報管理サーバ4Bは、反社に該当する個人又は企業を示す情報である反社情報を管理する管理サーバである。反社情報は、個人の氏名、住所、生年月日等を含む個人属性情報、又は、企業の屋号、所在地、代表者名等を含む企業属性情報によって、反社に該当する個人又は企業を特定する。
【0041】
企業情報管理サーバ4Cは、上記の企業属性情報を含む企業情報を管理する管理サーバである。企業情報管理サーバ4Cには、少なくとも、本実施形態に係る電子委任状作成サービスを利用する企業に関する企業情報が蓄積されている。
【0042】
士業情報管理サーバ4Dは、電子契約における契約当事者の代理人となり得る弁護士又は司法書士等に関して、個人の氏名、登録番号等を含む士業情報を管理する管理サーバである。
【0043】
電子委任状作成装置3は、電子委任状の作成及び保管に関して公的な認定を受けた特定の取扱事業者が管理及び運用する情報処理装置である。電子委任状作成装置3は、情報処理部21、情報記憶部22、及び通信部23を備えている。情報処理部21は、CPU等のプロセッサを用いて構成されている。情報記憶部22は、HDD、SSD、又は半導体メモリ等を用いて構成されている。通信部23は、IP等の任意の通信規格に準拠した通信モジュールを用いて構成されている。
【0044】
情報記憶部22には、委任状情報41及び権限情報42が記憶されている。各情報の詳細については後述する。
【0045】
情報記憶部22に記憶されているプログラム(図略)をプロセッサが実行することによって実現される機能として、情報処理部21は、アプリ処理部31、委任状処理部32、MNC処理部33、及び外部サーバ処理部34を有している。MNC処理部33及び外部サーバ処理部34は、情報の正当性を検証する検証処理部として機能する。各処理部の処理内容の詳細については後述する。
【0046】
図2は、本実施形態に係る電子委任状作成システムにおける処理の流れを簡略化して示すシーケンス図である。
【0047】
まずステップS101において委任者端末1は、アプリ処理部31にログイン要求を送信する。その際、委任者端末1は、委任者MNC11から電子証明書(利用者証明用電子証明書及び署名用電子証明書)を読み出し、読み出した電子証明書をログイン要求とともにアプリ処理部31に送信する。なお、委任者端末11の内部のICチップに委任者の電子証明書が予め格納されている場合には、委任者端末1は、そのICチップから読み出した電子証明書をアプリ処理部31に送信する(以下同様)。
【0048】
次にステップS102においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した電子証明書を委任状処理部32に入力する。
【0049】
次にステップS103において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0050】
次にステップS104においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。なお、本明細書において、MNC処理部33からMNC管理サーバ4Aへの電子証明書の送信は、電子証明書の本体の送信であっても良いし、電子証明書のシリアルナンバーの送信であっても良い(以下同様)。
【0051】
次にステップS105においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0052】
次にステップS106においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS104で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、委任者を識別するための内部IDを設定し、当該内部IDを委任状処理部32に入力する。
【0053】
次にステップS107において委任状処理部32は、MNC処理部33から入力された内部IDとともに委任者のユーザ登録を行い、ログイン完了を示す情報をアプリ処理部31に入力する。
【0054】
次にステップS108においてアプリ処理部31は、委任状作成のための入力画面を委任者端末1の操作画面に表示する。
【0055】
次にステップS109において委任者端末1は、アプリ処理部31によって表示された操作画面を用いて委任者からの委任状情報41の入力を受け付け、入力された委任状情報41をアプリ処理部31に送信する。委任状情報41は、委任者情報、受任者情報、及び委任内容情報を含む。委任者情報は、委任者の氏名、肩書き、生年月日、住所、電話番号、電子メッセージ(電子メール又はショートメール等)の宛先情報、及び、委任者が所属する企業の企業情報を含む。企業情報は、企業の屋号、所在地、登記番号、及び代表者名等の企業属性情報を含む。受任者情報は、受任者の氏名、肩書き、生年月日、住所、電話番号、電子メッセージの宛先情報、及び、受任者が弁護士又は司法書士等の代理人である場合には登録番号等の士業情報を含む。委任内容情報は、委任者から受任者への委任事項の詳細情報(電子契約の取引内容及び取引額等)を含む。
【0056】
次にステップS110においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した委任状情報41を委任状処理部32に入力する。また、アプリ処理部31は、受任者の確認を待機している状況であることを示すステータス情報を、委任者端末1の操作画面に表示する。
【0057】
次にステップS111において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された委任状情報41を情報記憶部22に記憶する。また、委任状処理部32は、委任状情報41に含まれる受任者情報(電子メッセージの宛先情報)に基づいて、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを受任者端末2に送信する。
【0058】
次にステップS112において受任者端末2は、アプリ処理部31にログイン要求を送信する。その際、受任者端末2は、受任者MNC12から電子証明書(利用者証明用電子証明書及び署名用電子証明書)を読み出し、読み出した電子証明書をログイン要求とともにアプリ処理部31に送信する。なお、受任者端末12の内部のICチップに受任者の電子証明書が予め格納されている場合には、受任者端末2は、そのICチップから読み出した電子証明書をアプリ処理部31に送信する(以下同様)。
【0059】
次にステップS113においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した電子証明書を委任状処理部32に入力する。
【0060】
次にステップS114において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0061】
次にステップS115においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0062】
次にステップS116においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0063】
次にステップS117においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS115で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、受任者を識別するための内部IDを設定し、当該内部IDを委任状処理部32に入力する。
【0064】
次にステップS118において委任状処理部32は、MNC処理部33から入力された内部IDとともに受任者のユーザ登録を行い、ログイン完了を示す情報をアプリ処理部31に入力する。アプリ処理部31は、認証情報の入力画面を受任者端末2の操作画面に表示する。
【0065】
次にステップS119において委任状処理部32は、委任状情報41に含まれる受任者情報(電子メッセージの宛先情報)に基づいて、指定した認証情報(例えば4桁の認証コード)の入力を要求する電子メッセージを受任者端末2に送信する。
【0066】
次にステップS120において受任者端末2は、受任者によって入力された認証情報をアプリ処理部31に送信する。
【0067】
次にステップS121においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した認証情報を委任状処理部32に入力する。
【0068】
次にステップS122において委任状処理部32は、アプリ処理部31が正しい認証情報の入力を受け付けた場合には、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付けることにより、委任者と受任者との関係性が正当であることを登録する。また、委任状処理部32は、情報記憶部22から読み出した委任状情報41に基づいて電子委任状を作成し、作成した電子委任状のデータをアプリ処理部31に入力する。
【0069】
次にステップS123においてアプリ処理部31は、電子委任状の内容確認依頼を受任者端末2に送信する。
【0070】
次にステップS124において受任者端末2は、受任者によって入力された内容確認結果をアプリ処理部31に送信する。
【0071】
次にステップS125においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した内容確認結果を委任状処理部32に入力する。また、アプリ処理部31は、委任者による電子署名を待機している状況であることを示すステータス情報を、受任者端末2の操作画面に表示する。
【0072】
次にステップS126において委任状処理部32は、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを委任者端末1に送信する。
【0073】
次にステップS127において委任者端末1は、アプリ処理部31にログイン要求を送信する。その際、委任者端末1は、委任者MNC11から電子証明書を読み出し、読み出した電子証明書をログイン要求とともにアプリ処理部31に送信する。
【0074】
次にステップS128においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した電子証明書を委任状処理部32に入力する。
【0075】
次にステップS129において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0076】
次にステップS130においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0077】
次にステップS131においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0078】
次にステップS132においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS130で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、委任者の内部IDを確認し、当該内部IDを委任状処理部32に入力する。
【0079】
次にステップS133において委任状処理部32は、MNC処理部33から入力された内部IDに基づいて、ログイン完了を示す情報をアプリ処理部31に入力する。
【0080】
次にステップS134においてアプリ処理部31は、電子委任状の内容確認依頼を委任者端末1に送信する。
【0081】
次にステップS135において委任者端末1は、委任者によって入力された内容確認結果をアプリ処理部31に送信する。
【0082】
次にステップS136においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した内容確認結果を委任状処理部32に入力する。
【0083】
次にステップS137において委任状処理部32は、電子委任状のXMLデータを作成し、作成した当該XMLデータと電子署名依頼とを委任者端末1に送信する。なお、署名用の電子委任状のデータフォーマットはXMLに限らず、PDF等、任意のものであって良い。
【0084】
次にステップS138において委任者端末1は、電子署名の実行情報をアプリ処理部31に送信する。電子署名の実行情報には、電子署名済みのXMLデータが含まれる。また、委任者端末1は、委任者MNC11から電子証明書を読み出し、読み出した電子証明書を電子署名の実行情報とともにアプリ処理部31に送信する。また、委任者端末1は、電子署名済みの電子委任状のXMLデータを、内部に保存する。
【0085】
次にステップS139においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した電子署名の実行情報及び電子証明書を委任状処理部32に入力する。また、アプリ処理部31は、電子委任状の登録処理を待機している状況であることを示すステータス情報を、委任者端末1の操作画面に表示する。
【0086】
次にステップS140において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0087】
次にステップS141においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0088】
次にステップS142においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0089】
次にステップS143においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS141で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、その検証結果を委任状処理部32に入力する。委任状処理部32は、署名検証処理を実行する。具体的に、委任状処理部32は、委任者端末1が電子証明書の秘密鍵を用いて暗号化したXMLデータ(電子署名済みの電子委任状のXMLデータ)のハッシュ値を電子証明書の公開鍵によって復号化した値と、電子署名前の電子委任状のXMLデータにハッシュ関数を適用することによって算出したハッシュ値とを比較する。また、委任状処理部32は、時刻情報を用いてXMLデータを暗号化する処理を含むタイムスタンプ付与処理を実行する。
【0090】
次にステップS144において委任状処理部32は、反社確認等の確認処理依頼を外部サーバ処理部34に入力する。
【0091】
次にステップS145において外部サーバ処理部34は、委任状情報41に含まれる委任者情報のうち、反社確認のために必要な所定の情報(例えば、委任者が所属する企業の企業名、所在地、及び代表者名)を反社情報管理サーバ4Bに送信し、委任者又はその所属企業の反社確認を依頼する。
【0092】
次にステップS146において反社情報管理サーバ4Bは、外部サーバ処理部34から受信した委任者又はその所属企業が反社に該当するか否かを、自身が管理する反社情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0093】
次にステップS147において外部サーバ処理部34は、反社情報管理サーバ4Bから受信した確認結果情報に基づいて、委任者又はその所属企業が反社に該当するか否かを検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0094】
次にステップS148において外部サーバ処理部34は、委任状情報41に含まれる委任者情報のうち企業情報を含む情報を企業情報管理サーバ4Cに送信し、委任者の所属企業の正当性確認を依頼する。
【0095】
次にステップS149において企業情報管理サーバ4Cは、外部サーバ処理部34から受信した委任者の所属企業の正当性を、自身が管理する企業情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0096】
次にステップS150において外部サーバ処理部34は、企業情報管理サーバ4Cから受信した確認結果情報に基づいて、委任者の所属企業の正当性(記載内容の真実性等)を検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0097】
次にステップS151において外部サーバ処理部34は、受任者が弁護士又は司法書士等の士業の代理人である場合には、委任状情報41に含まれる受任者情報のうち士業情報を士業情報管理サーバ4Dに送信し、受任者の士業情報の正当性確認を依頼する。
【0098】
次にステップS152において士業情報管理サーバ4Dは、外部サーバ処理部34から受信した受任者の士業情報の正当性を、自身が管理する士業情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0099】
次にステップS153において外部サーバ処理部34は、士業情報管理サーバ4Dから受信した確認結果情報に基づいて、受任者の士業情報の正当性(記載内容の真実性等)を検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0100】
次にステップS154において委任状処理部32は、ステップS147,S150,S153による検証処理が完了したことを示す完了情報をアプリ処理部31に入力する。アプリ処理部31は、電子委任状の登録処理が完了したことを示すステータス情報を、委任者端末1の操作画面に表示する。また、委任状処理部32は、署名済みの電子委任状のXMLデータを情報記憶部22に記憶することによって、電子委任状を保管する。
【0101】
電子委任状作成装置3は、上記のようにして作成した多数の電子委任状を情報記憶部22に蓄積する。情報処理部21は、情報記憶部22に蓄積された多数の委任状情報41(少なくとも受任者情報及び委任内容情報を含む)又は多数の電子委任状に基づいて、どの受任者にどの範囲の権限が与えられているかをデータベース化した権限情報42を作成する。情報処理部21は、作成した権限情報42を情報記憶部22に記憶する。
【0102】
本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、委任状処理部32は、MNC処理部33が受任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを受任者端末2に送信する。また、委任状処理部32は、アプリ処理部31が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0103】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、スマートフォン等の受任者端末2(及び受任者MNC12)を利用した簡易かつ確実な手法によって、受任者の電子証明書を取得することが可能となる。
【0104】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、電子証明書の正当性を、MNC管理サーバ4A(個人情報管理サーバ)の管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0105】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、企業情報の正当性を、企業情報管理サーバ4Cの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0106】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、士業情報の正当性を、士業情報管理サーバ4Dの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0107】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、委任者又は委任者が所属する企業が反社に該当するか否かを、反社情報管理サーバ4Bの管理情報に基づいて簡易かつ確実に検証することが可能となる。
【0108】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、受任者に関する権限情報42を情報記憶部22に記憶し蓄積することによって、第三者からの電子委任状の照会処理を自動化できるため、処理の効率化を図ることが可能となる。
【0109】
<第2実施形態>
第2実施形態では、委任者記録ファイル方式において、受任者が委任状情報を入力する場合の例について説明する。
【0110】
本実施形態に係る電子委任状作成システムの全体構成は、
図1に示した構成と同様である。
【0111】
図3は、本実施形態に係る電子委任状作成システムにおける処理の流れを簡略化して示すシーケンス図である。
【0112】
まずステップS201において受任者端末2は、アプリ処理部31にログイン要求を送信する。その際、受任者端末2は、受任者MNC12から電子証明書を読み出し、読み出した電子証明書をログイン要求とともにアプリ処理部31に送信する。
【0113】
次にステップS202においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した電子証明書を委任状処理部32に入力する。
【0114】
次にステップS203において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0115】
次にステップS204においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0116】
次にステップS205においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0117】
次にステップS206においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS204で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、受任者を識別するための内部IDを設定し、当該内部IDを委任状処理部32に入力する。
【0118】
次にステップS207において委任状処理部32は、MNC処理部33から入力された内部IDとともに受任者のユーザ登録を行い、ログイン完了を示す情報をアプリ処理部31に入力する。
【0119】
次にステップS208においてアプリ処理部31は、委任状作成のための入力画面を受任者端末2の操作画面に表示する。
【0120】
次にステップS209において受任者端末2は、アプリ処理部31によって表示された操作画面を用いて受任者からの委任状情報41の入力を受け付け、入力された委任状情報41をアプリ処理部31に送信する。
【0121】
次にステップS210においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した委任状情報41を委任状処理部32に入力する。また、アプリ処理部31は、委任者による電子署名を待機している状況であることを示すステータス情報を、受任者端末2の操作画面に表示する。
【0122】
次にステップS211において委任状処理部32は、委任者に対してログインを要求する電子メッセージを委任者端末1に送信する。
【0123】
次にステップS212において委任者端末1は、アプリ処理部31にログイン要求を送信する。その際、委任者端末1は、委任者MNC11から電子証明書を読み出し、読み出した電子証明書をログイン要求とともにアプリ処理部31に送信する。
【0124】
次にステップS213においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した電子証明書を委任状処理部32に入力する。
【0125】
次にステップS214において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0126】
次にステップS215においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0127】
次にステップS216においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0128】
次にステップS217においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS215で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、委任者の内部IDを設定し、当該内部IDを委任状処理部32に入力する。
【0129】
次にステップS218において委任状処理部32は、MNC処理部33から入力された内部IDに基づいて、ログイン完了を示す情報をアプリ処理部31に入力する。
【0130】
次にステップS219において委任状処理部32は、指定した認証情報(例えば4桁の認証コード)の入力を要求する電子メッセージを委任者端末1に送信する。
【0131】
次にステップS220において委任者端末1は、委任者によって入力された認証情報をアプリ処理部31に送信する。
【0132】
次にステップS221においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した認証情報を委任状処理部32に入力する。
【0133】
次にステップS222において委任状処理部32は、アプリ処理部31が正しい認証情報の入力を受け付けた場合には、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付けることにより、委任者と受任者との関係性が正当であることを登録する。また、委任状処理部32は、情報記憶部22から読み出した委任状情報41に基づいて電子委任状を作成し、作成した電子委任状のデータをアプリ処理部31に入力する。
【0134】
次にステップS223においてアプリ処理部31は、電子委任状の内容確認依頼を委任者端末1に送信する。
【0135】
次にステップS224において委任者端末1は、委任者によって入力された内容確認結果をアプリ処理部31に送信する。
【0136】
次にステップS225においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した内容確認結果を委任状処理部32に入力する。
【0137】
次にステップS226において委任状処理部32は、電子委任状のXMLデータを作成し、作成した当該XMLデータと電子署名依頼とを委任者端末1に送信する。
【0138】
次にステップS227において委任者端末1は、電子署名の実行情報をアプリ処理部31に送信する。電子署名の実行情報には、電子署名済みのXMLデータが含まれる。また、委任者端末1は、委任者MNC11から電子証明書を読み出し、読み出した電子証明書を電子署名の実行情報とともにアプリ処理部31に送信する。また、委任者端末1は、電子署名済みの電子委任状のXMLデータを、内部に保存する。
【0139】
次にステップS228においてアプリ処理部31は、委任者端末1から受信した電子署名の実行情報及び電子証明書を委任状処理部32に入力する。また、アプリ処理部31は、電子委任状の登録処理を待機している状況であることを示すステータス情報を、委任者端末1の操作画面に表示する。
【0140】
次にステップS229において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0141】
次にステップS230においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0142】
次にステップS231においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0143】
次にステップS232においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS230で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、その検証結果を委任状処理部32に入力する。委任状処理部32は、署名検証処理及びタイムスタンプ付与処理を実行する。
【0144】
次にステップS233において委任状処理部32は、反社確認等の確認処理依頼を外部サーバ処理部34に入力する。
【0145】
次にステップS234において外部サーバ処理部34は、委任状情報41に含まれる委任者情報のうち、反社確認のために必要な所定の情報を反社情報管理サーバ4Bに送信し、委任者又はその所属企業の反社確認を依頼する。
【0146】
次にステップS235において反社情報管理サーバ4Bは、外部サーバ処理部34から受信した委任者又はその所属企業が反社に該当するか否かを、自身が管理する反社情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0147】
次にステップS236において外部サーバ処理部34は、反社情報管理サーバ4Bから受信した確認結果情報に基づいて、委任者又はその所属企業が反社に該当するか否かを検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0148】
次にステップS237において外部サーバ処理部34は、委任状情報41に含まれる委任者情報のうち企業情報を含む情報を企業情報管理サーバ4Cに送信し、委任者の所属企業の正当性確認を依頼する。
【0149】
次にステップS238において企業情報管理サーバ4Cは、外部サーバ処理部34から受信した委任者の所属企業の正当性を、自身が管理する企業情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0150】
次にステップS239において外部サーバ処理部34は、企業情報管理サーバ4Cから受信した確認結果情報に基づいて、委任者の所属企業の正当性(記載内容の真実性等)を検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0151】
次にステップS240において外部サーバ処理部34は、受任者が弁護士又は司法書士等の士業の代理人である場合には、委任状情報41に含まれる受任者情報のうち士業情報を士業情報管理サーバ4Dに送信し、受任者の士業情報の正当性確認を依頼する。
【0152】
次にステップS241において士業情報管理サーバ4Dは、外部サーバ処理部34から受信した受任者の士業情報の正当性を、自身が管理する士業情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0153】
次にステップS242において外部サーバ処理部34は、士業情報管理サーバ4Dから受信した確認結果情報に基づいて、受任者の士業情報の正当性(記載内容の真実性等)を検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0154】
次にステップS243において委任状処理部32は、ステップS236,S239,S242による検証処理が完了したことを示す完了情報をアプリ処理部31に入力する。アプリ処理部31は、電子委任状の登録処理が完了したことを示すステータス情報を、委任者端末1の操作画面に表示する。また、委任状処理部32は、署名済みの電子委任状のXMLデータを情報記憶部22に記憶することによって、電子委任状を保管する。
【0155】
本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、委任状処理部32は、MNC処理部33が委任者の電子証明書の正当性を確認した場合、指定した認証情報の入力を要求する電子メッセージを委任者端末1に送信する。また、委任状処理部32は、アプリ処理部31が正しい認証情報の入力を受け付けた場合、正当な委任者であるとして当該委任者を受任者に紐付ける。その結果、電子委任状において委任者と受任者との関係の正当性を客観的に担保することが可能となる。
【0156】
また、本実施形態に係る電子委任状作成装置3によれば、スマートフォン等の委任者端末1(及び委任者MNC11)を利用した簡易かつ確実な手法によって、受任者の電子証明書を取得することが可能となる。
【0157】
<第3実施形態>
第3実施形態では、公的な認定を受けた取扱事業者が電子委任状に電子署名を付与する取扱事業者記録ファイル方式において、委任者が取扱事業者に委任状情報を提出する場合の例について説明する。
【0158】
図4は、本実施形態に係る電子委任状作成システムの全体構成を簡略化して示す図である。
図1に示した構成から委任者端末1及び委任者MNC11が省略されている。また、電子委任状作成装置3は、キーボード及びマウス等の入力部24を備えている。
【0159】
図5は、本実施形態に係る電子委任状作成システムにおける処理の流れを簡略化して示すシーケンス図である。
【0160】
本実施形態では、上記第1実施形態における委任状情報41に相当する情報は、委任者(又は受任者)によって、紙媒体の申請書として取扱事業者に提出される。取扱事業者のオペレータは、提出された申請書に記載されている情報を、入力部24から入力する。これにより、委任状情報41が情報記憶部22に記憶される。
【0161】
ステップS301において、入力部24による情報入力処理が完了すると、反社確認等の確認処理依頼が外部サーバ処理部34に入力される。
【0162】
次にステップS302において外部サーバ処理部34は、委任状情報41に含まれる委任者情報のうち、反社確認のために必要な所定の情報を反社情報管理サーバ4Bに送信し、委任者又はその所属企業の反社確認を依頼する。
【0163】
次にステップS303において反社情報管理サーバ4Bは、外部サーバ処理部34から受信した委任者又はその所属企業が反社に該当するか否かを、自身が管理する反社情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0164】
次にステップS304において外部サーバ処理部34は、反社情報管理サーバ4Bから受信した確認結果情報に基づいて、委任者又はその所属企業が反社に該当するか否かを検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0165】
次にステップS305において外部サーバ処理部34は、委任状情報41に含まれる委任者情報のうち企業情報を含む情報を企業情報管理サーバ4Cに送信し、委任者の所属企業の正当性確認を依頼する。
【0166】
次にステップS306において企業情報管理サーバ4Cは、外部サーバ処理部34から受信した委任者の所属企業の正当性を、自身が管理する企業情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0167】
次にステップS307において外部サーバ処理部34は、企業情報管理サーバ4Cから受信した確認結果情報に基づいて、委任者の所属企業の正当性(記載内容の真実性等)を検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0168】
次にステップS308において外部サーバ処理部34は、受任者が弁護士又は司法書士等の士業の代理人である場合には、委任状情報41に含まれる受任者情報のうち士業情報を士業情報管理サーバ4Dに送信し、受任者の士業情報の正当性確認を依頼する。
【0169】
次にステップS309において士業情報管理サーバ4Dは、外部サーバ処理部34から受信した受任者の士業情報の正当性を、自身が管理する士業情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報を外部サーバ処理部34に送信する。
【0170】
次にステップS310において外部サーバ処理部34は、士業情報管理サーバ4Dから受信した確認結果情報に基づいて、受任者の士業情報の正当性(記載内容の真実性等)を検証する。外部サーバ処理部34は、その検証結果を委任状処理部32に入力する。
【0171】
次にステップS311において、入力部24から入力された委任状情報41が委任状処理部32に入力される。
【0172】
次にステップS312において委任状処理部32は、受任者に対してログインを要求する電子メッセージを受任者端末2に送信する。
【0173】
次にステップS313において受任者端末2は、アプリ処理部31にログイン要求を送信する。その際、受任者端末2は、受任者MNC12から電子証明書(利用者証明用電子証明書及び署名用電子証明書)を読み出し、読み出した電子証明書をログイン要求とともにアプリ処理部31に送信する。
【0174】
次にステップS314においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した電子証明書を委任状処理部32に入力する。
【0175】
次にステップS315において委任状処理部32は、アプリ処理部31から入力された電子証明書をMNC処理部33に入力する。
【0176】
次にステップS316においてMNC処理部33は、委任状処理部32から入力された電子証明書をMNC管理サーバ4Aに送信し、当該電子証明書の有効性の確認を依頼する。
【0177】
次にステップS317においてMNC管理サーバ4Aは、MNC処理部33から受信した電子証明書の有効性を自身の管理情報に基づいて確認し、その確認の結果を示す確認結果情報をMNC処理部33に送信する。
【0178】
次にステップS318においてMNC処理部33は、MNC管理サーバ4Aから受信した確認結果情報に基づいて、ステップS316で送信した電子証明書の有効性を検証する。MNC処理部33は、当該電子証明書が有効であると確認した場合、受任者を識別するための内部IDを設定し、当該内部IDを委任状処理部32に入力する。
【0179】
次にステップS319において委任状処理部32は、MNC処理部33から入力された内部IDとともに受任者のユーザ登録を行い、ログイン完了を示す情報をアプリ処理部31に入力する。アプリ処理部31は、認証情報の入力画面を受任者端末2の操作画面に表示する。
【0180】
次にステップS320において委任状処理部32は、指定した認証情報(例えば4桁の認証コード)の入力を要求する電子メッセージを受任者端末2に送信する。
【0181】
次にステップS321において受任者端末2は、受任者によって入力された認証情報をアプリ処理部31に送信する。
【0182】
次にステップS322においてアプリ処理部31は、受任者端末2から受信した認証情報を委任状処理部32に入力する。
【0183】
次にステップS323において委任状処理部32は、アプリ処理部31が正しい認証情報の入力を受け付けた場合には、正当な受任者であるとして当該受任者を委任者に紐付けることにより、委任者と受任者との関係性が正当であることを登録する。また、委任状処理部32は、情報記憶部22から読み出した委任状情報41に基づいて電子委任状のXMLデータを作成し、当該XMLデータに取扱事業者の電子署名を付与する。さらに、委任状処理部32は、タイムスタンプ付与処理を実行し、当該処理実行後の電子委任状のXMLデータを情報記憶部22に記憶することによって、電子委任状を保管する。
【符号の説明】
【0184】
1 委任者端末
2 受任者端末
3 電子委任状作成装置
4A MNC管理サーバ
4B 反社情報管理サーバ
4C 企業情報管理サーバ
4D 士業情報管理サーバ
11 委任者MNC
12 受任者MNC
21 情報処理部
22 情報記憶部
31 アプリ処理部
32 委任状処理部
33 MNC処理部
34 外部サーバ処理部
41 委任状情報
42 権限情報