(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】ウェブ接合装置、ラベル貼付装置、およびウェブ接合方法
(51)【国際特許分類】
B65H 19/18 20060101AFI20250401BHJP
B65H 19/20 20060101ALI20250401BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
B65H19/18
B65H19/20
B65H7/14
(21)【出願番号】P 2021536971
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(86)【国際出願番号】 JP2020028232
(87)【国際公開番号】W WO2021020229
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】P 2019141514
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390020156
【氏名又は名称】三晴精機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 次弘
(72)【発明者】
【氏名】首藤 章之
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-151001(JP,A)
【文献】特開昭61-055049(JP,A)
【文献】実開昭59-040248(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0170300(US,A1)
【文献】特開2003-128309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/18
B65H 19/20
B65H 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて、第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する第1搬送機構と、
前記接合位置に向けて、第2搬送経路を通じて前記第2ウェブを搬送する第2搬送機構と、
前記接合位置で前記第1ウェブの末端と前記第2ウェブの先端とを接合する接合機構と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの前記末端を検知する第1検知部と、
前記第2搬送経路を通過する前記第2ウェブの前記先端を検知する第2検知部と、
前記第1ウェブの移動情報を検知する移動情報検知部と、を備え、
前記第2搬送機構は、前記第2検知部によって前記先端が検知された前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させ、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記第1搬送機構および前記第2搬送機構は、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2搬送経路で待機する前記第2ウェブを搬送し、前記接合機構は、前記接合位置で連続する前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第1ウェブの搬送方向において前記第1検知部の上流側に配置され、前記第1ウェブを切断する切断機構をさらに備え、
前記第1ウェブの前記搬送方向において前記切断機構の上流側に配置され、前記第1ウェブの切断可否を検知する切断検知部をさらに備えた、ウェブ接合装置。
【請求項2】
前記第1ウェブは、間欠的に搬送される、請求項1に記載のウェブ接合装置。
【請求項3】
前記第1ウェブは、少なくとも、前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された位置から、前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに前記接合テープが貼着されるまで連続的に搬送される、請求項1または2に記載のウェブ接合装置。
【請求項4】
前記第2搬送経路に待機した前記第2ウェブの前記先端が前記接合位置まで搬送される距離は、前記第1ウェブの前記末端が前記第1検知部に検知された位置から前記接合位置まで搬送される距離よりも短い、請求項1から3のいずれか1項に記載のウェブ接合装置。
【請求項5】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて、第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する第1搬送機構と、
前記接合位置に向けて、第2搬送経路を通じて前記第2ウェブを搬送する第2搬送機構と、
前記接合位置で前記第1ウェブの末端と前記第2ウェブの先端とを接合する接合機構と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの前記末端を検知する第1検知部と、
前記第2搬送経路を通過する前記第2ウェブの前記先端を検知する第2検知部と、
前記第1ウェブの移動情報を検知する移動情報検知部と、を備え、
前記第2搬送機構は、前記第2検知部によって前記先端が検知された前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させ、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記第1搬送機構および前記第2搬送機構は、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2搬送経路で待機する前記第2ウェブを搬送し、前記接合機構は、前記接合位置で連続する前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第1搬送機構は、前記第1搬送経路において前記第1ウェブの前記末端が前記第1検知部に検知される位置と前記接合位置との間に配置され、前記第1ウェブを搬送する第1搬送ローラーを含み、
前記第1搬送ローラーとの間に前記第1搬送経路が位置するように前記第1搬送ローラーに対向して配置された押さえローラーをさらに備え、
前記押さえローラーは、前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記第1ウェブを前記第1搬送ローラーに押しつける、ウェブ接合装置。
【請求項6】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて、第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する第1搬送機構と、
前記接合位置に向けて、第2搬送経路を通じて前記第2ウェブを搬送する第2搬送機構と、
前記接合位置で前記第1ウェブの末端と前記第2ウェブの先端とを接合する接合機構と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの前記末端を検知する第1検知部と、
前記第2搬送経路を通過する前記第2ウェブの前記先端を検知する第2検知部と、
前記第1ウェブの移動情報を検知する移動情報検知部と、を備え、
前記第2搬送機構は、前記第2検知部によって前記先端が検知された前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させ、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記第1搬送機構および前記第2搬送機構は、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2搬送経路で待機する前記第2ウェブを搬送し、前記接合機構は、前記接合位置で連続する前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第2搬送機構は、前記第2ウェブを前記接合位置に向けて搬送する第2搬送ローラーを含み、
前記第2搬送ローラーは、前記第2搬送経路に待機する前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する際に回転駆動力が付与された状態で回転し、前記第1ウェブに接合された前記第2ウェブを搬送する際に、回転駆動力が付与されない状態で従動回転する、ウェブ接合装置。
【請求項7】
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの先端を検知する第3検知部と、
前記第2搬送経路を通過する前記第2ウェブの末端を検知する第4検知部と、をさらに備え、
前記第3検知部は、前記第1ウェブの搬送方向において前記第1検知部の下流側に配置され、
前記第4検知部は、前記第2ウェブの搬送方向において前記第2検知部の上流側に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のウェブ接合装置。
【請求項8】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて、第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する第1搬送機構と、
前記接合位置に向けて、第2搬送経路を通じて前記第2ウェブを搬送する第2搬送機構と、
前記接合位置で前記第1ウェブの末端と前記第2ウェブの先端とを接合する接合機構と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの前記末端を検知する第1検知部と、
前記第2搬送経路を通過する前記第2ウェブの前記先端を検知する第2検知部と、
前記第1ウェブの移動情報を検知する移動情報検知部と、を備え、
前記第2搬送機構は、前記第2検知部によって前記先端が検知された前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させ、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記第1搬送機構および前記第2搬送機構は、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2搬送経路で待機する前記第2ウェブを搬送し、前記接合機構は、前記接合位置で連続する前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記接合位置の上流において前記第1搬送経路および前記第2搬送経路に共通して設けられたガイド部材をさらに備え、
前記ガイド部材は、前記第1ウェブを前記接合位置に案内する第1ガイド部と前記第2ウェブを前記接合位置に案内する第2ガイド部を有し、前記第2検知部が前記ガイド部材に設けられて
おり、
前記接合機構は、複数の吸着孔が設けられ、かつ、前記接合テープの接着面が外側を向くように前記接合テープを保持する回転体を含み、
前記回転体は、前記接合位置において、前記第1ウェブおよび前記第2ウェブと同じ速度になるように回転する、ウェブ接合装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のウェブ接合装置を備え、
前記第1ウェブおよび前記第2ウェブは、剥離可能に複数のラベル部が貼着された帯状体である、ラベル貼付装置。
【請求項10】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する工程と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの末端を第1検知部によって検知する工程と、
前記接合位置に向けて第2搬送経路を通じて搬送される前記第2ウェブの先端を第2検知部によって検知し、前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させる工程と、
前記第1ウェブの移動情報を移動情報検知部によって検知する工程と、
前記第1検知部によって検知された前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程と、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記第2搬送経路に待機された前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程と、
前記接合位置に搬送された前記第1ウェブの末端と前記第2ウェブの前記先端とを接合する工程と、を備え、
前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程および前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程において、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2ウェブを搬送し、
前記接合する工程において、前記接合位置で連続した前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第1ウェブの搬送方向において前記第1検知部の上流側に配置された切断機構によって、前記第1ウェブを切断する工程をさらに備え、
前記第1ウェブの前記搬送方向において前記切断機構の上流側に配置された切断検知部によって、前記第1ウェブの切断可否を検知する工程をさらに備えた、ウェブ接合方法。
【請求項11】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する工程と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの末端を第1検知部によって検知する工程と、
前記接合位置に向けて第2搬送経路を通じて搬送される前記第2ウェブの先端を第2検知部によって検知し、前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させる工程と、
前記第1ウェブの移動情報を移動情報検知部によって検知する工程と、
前記第1検知部によって検知された前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程と、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記第2搬送経路に待機された前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程と、
前記接合位置に搬送された前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とを接合する工程と、を備え、
前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程および前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程において、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2ウェブを搬送し、
前記接合する工程において、前記接合位置で連続した前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程において、前記第1搬送経路において前記第1ウェブの前記末端が前記第1検知部に検知される位置と前記接合位置との間に配置された第1搬送ローラーよって搬送される前記第1ウェブを、前記第1搬送ローラーに対向するように配置された押さえローラーによって前記第1搬送ローラーに押しつける、ウェブ接合方法。
【請求項12】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する工程と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの末端を第1検知部によって検知する工程と、
前記接合位置に向けて第2搬送経路を通じて搬送される前記第2ウェブの先端を第2検知部によって検知し、前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させる工程と、
前記第1ウェブの移動情報を移動情報検知部によって検知する工程と、
前記第1検知部によって検知された前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程と、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記第2搬送経路に待機された前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程と、
前記接合位置に搬送された前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とを接合する工程と、を備え、
前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程および前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程において、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2ウェブを搬送し、
前記接合する工程において、前記接合位置で連続した前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第1ウェブに接合された前記第2ウェブを搬送する工程をさらに備え、
前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程において、前記第2搬送経路において前記第2ウェブに当接するように配置された第2搬送ローラーに回転駆動力を付与して、前記第2搬送ローラーを回転させ、
前記第1ウェブに接合された前記第2ウェブを搬送する工程において、前記第2搬送ローラーに回転駆動力を付与せずに、前記第2搬送ローラーを従動回転させる、ウェブ接合方法。
【請求項13】
第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて第1搬送経路を通じて前記第1ウェブを搬送する工程と、
前記第1搬送経路を通過する前記第1ウェブの末端を第1検知部によって検知する工程と、
前記接合位置に向けて第2搬送経路を通じて搬送される前記第2ウェブの先端を第2検知部によって検知し、前記第2ウェブを前記第2搬送経路に待機させる工程と、
前記第1ウェブの移動情報を移動情報検知部によって検知する工程と、
前記第1検知部によって検知された前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程と、
前記第1検知部によって前記第1ウェブの前記末端が検知された場合に、前記第2搬送経路に待機された前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程と、
前記接合位置に搬送された前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とを、
接合機構を用いて、接合する工程と、を備え、
前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程および前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程において、前記移動情報検知部の検知結果に基づいて、前記接合位置で前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とがこの順で連続するように、前記第1ウェブおよび前記第2ウェブを搬送し、
前記接合する工程において、前記接合位置で連続した前記第1ウェブの前記末端と前記第2ウェブの前記先端とに跨がるように接合テープを貼着し、
前記第1ウェブの前記末端を前記接合位置に搬送する工程および前記第2ウェブを前記接合位置に搬送する工程において、前記接合位置の上流側に前記第1搬送経路および前記第2搬送経路に共通して設けられたガイド部材を用いて前記第1ウェブおよび前記第2ウェブを前記接合位置に案内し、
前記ガイド部材として、前記第1ウェブを前記接合位置に案内する第1ガイド部と前記第2ウェブを前記接合位置に案内する第2ガイド部を有し、前記第2検知部が設けられたものを用い
、
前記接合機構として、複数の吸着孔が設けられ、かつ、前記接合テープの接着面が外側を向くように前記接合テープを保持する回転体を含むものを用い、
前記接合する工程において、前記回転体は、前記接合位置において、前記第1ウェブおよび前記第2ウェブと同じ速度になるように回転する、ウェブ接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のウェブを接合するウェブ接合装置、およびこれを備えたラベル貼付装置、ならびに、複数のウェブを接合するウェブ接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブ接合装置においては、巻回ロールから後工程に搬送される第1ウェブの残りが少なくなった場合には、連続した処理を継続するために第1ウェブから第2ウェブに移行させる。この際、第1ウェブの搬送を一旦停止させた状態で、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とを接合することが行われていた。このような場合には、ウェブの搬送が停止されるため、タイムロスが大きかった。
【0003】
このようなタイムロスを改善するために、特開2007-62874号公報(特許文献1)には、第1ウェブの搬送を停止することなく、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とをテープで繋ぐ技術が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示のウェブ接合装置においては、第2ウェブの先端側を切断ドラムに吸着させて、第1ウェブの末端側と第2ウェブの先端側とを重ね合わせた状態で、第1ウェブと第2ウェブとが重畳する部分を切断する。これにより、切断箇所において第1ウェブと第2ウェブとが連続し、第1ウェブと第2ウェブとが連続した状態で所定の接合位置まで搬送される。一方、切断箇所よりも先端側に位置する第2ウェブの切断残部は、切断ドラムに吸着された状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示のウェブ接合装置においては、第1ウェブと第2ウェブとを重ねた状態で、第1ウェブと第2ウェブの重畳部を切断するため、切断箇所よりも前方側に、第2ウェブの切断残部が形成される。また、第2ウェブの切断残部を除去する作業が必要となり、手間が掛かる。
【0007】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、先行する第1ウェブに対してロス無く第2ウェブを接合することができるウェブ接合装置、ラベル貼付装置、およびウェブ接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に基づくウェブ接合装置は、第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて、第1搬送経路を通じて上記第1ウェブを搬送する第1搬送機構と、上記接合位置に向けて、第2搬送経路を通じて上記第2ウェブを搬送する第2搬送機構と、上記接合位置で上記第1ウェブの末端と上記第2ウェブの先端とを接合する接合機構と、上記第1搬送経路を通過する上記第1ウェブの上記末端を検知する第1検知部と、上記第2搬送経路を通過する上記第2ウェブの上記先端を検知する第2検知部と、上記第1ウェブの移動情報を検知する移動情報検知部と、を備える。上記第2搬送機構は、上記第2検知部によって上記先端が検知された上記第2ウェブを上記第2搬送経路に待機させる。上記第1検知部によって上記第1ウェブの上記末端が検知された場合に、上記移動情報検知部の検知結果に基づいて、上記第1搬送機構および上記第2搬送機構は、上記接合位置で上記第1ウェブの上記末端と上記第2ウェブの上記先端とがこの順で連続するように、上記第1ウェブおよび上記第2搬送経路で待機する上記第2ウェブを搬送し、上記接合機構は、上記接合位置で連続する上記第1ウェブの上記末端と上記第2ウェブの上記先端とに跨がるように接合テープを貼着する。
【0009】
なお、上述において、接合位置P1で第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とがこの順で連続するとは、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とが隙間無く配置されている状態、ウェブの搬送方向にわずかに隙間を空けて配置されている状態、および、第2ウェブ21の先端が第1ウェブの末端に重なるように配置されている状態を含む。
【0010】
上記本開示に基づくウェブ接合装置は、上記第1ウェブの搬送方向において上記第1検知部の上流側に配置され、上記第1ウェブを切断する切断機構をさらに備えていてもよい。
【0011】
上記本開示に基づくウェブ接合装置は、上記第1ウェブの上記搬送方向において上記切断機構の上流側に配置され、上記第1ウェブの切断可否を検知する切断検知部をさらに備えていてもよい。
【0012】
上記本開示に基づくウェブ接合装置にあっては、上記第1ウェブは、間欠的に搬送されてもよい。
【0013】
上記本開示に基づくウェブ接合装置にあっては、上記第1ウェブは、少なくとも、上記第1検知部によって上記第1ウェブの上記末端が検知された位置から、上記第1ウェブの上記末端と上記第2ウェブの上記先端とに上記接合テープが貼着されるまで連続的に搬送されることが好ましい。
【0014】
上記本開示に基づくウェブ接合装置にあっては、上記第2搬送経路に待機した上記第2ウェブの上記先端が上記接合位置まで搬送される距離は、上記第1ウェブの上記末端が上記第1検知部に検知された位置から上記接合位置まで搬送される距離よりも短いことが好ましい。
【0015】
上記本開示に基づくウェブ接合装置にあっては、上記第1搬送機構は、上記第1搬送経路において上記第1ウェブの上記末端が上記第1検知部に検知される位置と上記接合位置との間に配置され、上記第1ウェブを搬送する第1搬送ローラーを含んでいてもよい。この場合には、上記ウェブ接合装置は、上記第1搬送ローラーとの間に上記第1搬送経路が位置するように上記第1搬送ローラーに対向して配置された押さえローラーをさらに備えていてもよい。さらにこの場合には、上記押さえローラーは、上記第1検知部によって上記第1ウェブの上記末端が検知された場合に、上記第1ウェブを上記第1搬送ローラーに押しつけることが好ましい。
【0016】
上記本開示に基づくウェブ接合装置にあっては、上記第2搬送機構は、上記第2ウェブを上記接合位置に向けて搬送する第2搬送ローラーを含んでいてもよい。この場合には、上記第2搬送ローラーは、上記第2搬送経路に待機する上記第2ウェブを上記接合位置に搬送する際に回転駆動力が付与された状態で回転し、上記第1ウェブに接合された上記第2ウェブを搬送する際に、回転駆動力が付与されない状態で従動回転してもよい。
【0017】
上記本開示に基づくウェブ接合装置は、上記第1搬送経路を通過する上記第1ウェブの先端を検知する第3検知部と、上記第2搬送経路を通過する上記第2ウェブの末端を検知する第4検知部と、をさらに備えていてもよい。この場合には、上記第3検知部は、上記第1ウェブの搬送方向において上記第1検知部の下流側に配置されることが好ましく、上記第4検知部は、上記第2ウェブの搬送方向において上記第2検知部の上流側に配置されていることが好ましい。
【0018】
本開示に基づくラベル貼付装置は、上記ウェブ接合装置を備える。上記第1ウェブおよび上記第2ウェブは、剥離可能に複数のラベル部が貼着された帯状体である。
【0019】
本開示に基づくウェブ接合方法は、第1ウェブおよび第2ウェブが共通して搬送される共通経路に設けられた接合位置に向けて第1搬送経路を通じて上記第1ウェブを搬送する工程と、上記第1搬送経路を通過する上記第1ウェブの上記末端を第1検知部によって検知する工程と、上記接合位置に向けて第2搬送経路を通じて搬送される上記第2ウェブの先端を第2検知部によって検知し、上記第2ウェブを上記第2搬送経路に待機させる工程と、上記第1ウェブの移動情報を移動情報検知部によって検知する工程と、上記第2搬送経路に待機された上記第2ウェブを上記接合位置に搬送する工程と、上記接合位置に搬送された上記第1ウェブの末端と上記第2ウェブの上記先端とを接合する工程と、を備える。上記第1ウェブを搬送する工程および上記第2ウェブを上記接合位置に搬送する工程において、上記第1検知部によって上記第1ウェブの上記末端が検知された場合に、上記移動情報検知部の検知結果に基づいて、上記接合位置で上記第1ウェブの上記末端と上記第2ウェブの上記先端とがこの順で連続するように、上記第1ウェブおよび上記第2ウェブを搬送する。上記接合する工程において、上記接合位置で連続した上記第1ウェブの上記末端と上記第2ウェブの上記先端とに跨がるように接合テープを貼着する。
【0020】
上記本開示に基づくウェブ接合方法は、上記第1ウェブの搬送方向において上記第1検知部の上流側に配置された切断機構によって、上記第1ウェブを切断する工程をさらに備えていてもよい。
【0021】
上記本開示に基づくウェブ接合方法は、上記第1ウェブの上記搬送方向において上記切断機構の上流側に配置された切断検知部によって、上記第1ウェブの切断可否を検知する工程をさらに備えていてもよい。
【0022】
上記本開示に基づくウェブ接合方法にあっては、上記第1ウェブを搬送する工程において、上記第1ウェブを間欠的に搬送してもよい。
【0023】
上記本開示に基づくウェブ接合方法にあっては、上記第1ウェブを搬送する工程において、少なくとも、上記第1検知部によって上記第1ウェブの上記末端が検知された位置から、上記第1ウェブの上記末端が上記接合位置に到達するまで、上記第1ウェブを連続的に搬送してもよい。
【0024】
上記本開示に基づくウェブ接合方法にあっては、上記第2ウェブを上記第2搬送経路に待機させる工程において、上記第2搬送経路に待機した上記第2ウェブの上記先端が上記接合位置まで搬送される距離が、上記第1ウェブの上記末端が上記第1検知部に検知された位置から上記接合位置まで搬送される距離よりも短くなるように、上記第2ウェブを待機させることが好ましい。
【0025】
上記本開示に基づくウェブ接合方法にあっては、上記第1ウェブを搬送する工程は、上記第1搬送経路において上記第1ウェブの上記末端が上記第1検知部に検知される位置と上記接合位置との間に配置された第1搬送ローラーよって搬送される上記第1ウェブを、上記第1搬送ローラーに対向するように配置された押さえローラーによって上記第1搬送ローラーに押しつける工程を含むことが好ましい。
【0026】
上記本開示に基づくウェブ接合方法は、上記第1ウェブに接合された上記第2ウェブを搬送する工程をさらに備えていてもよい。この場合には、上記第2ウェブを上記接合位置に搬送する工程において、上記第2搬送経路において上記第2ウェブに当接するように配置された第2搬送ローラーに回転駆動力を付与して、上記第2搬送ローラーを回転させてもよく、上記第1ウェブに接合された上記第2ウェブを搬送する工程において、上記第2搬送ローラーに回転駆動力を付与せずに、上記第2搬送ローラーを従動回転させてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、先行する第1ウェブに対してロス無く第2ウェブを接合することができるウェブ接合装置、ラベル貼付装置、およびウェブ接合方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施の形態1に係るラベル貼付装置を示す概略図である。
【
図2】実施の形態1に係るウェブ接合装置を示す概略図である。
【
図3】実施の形態1に係るウェブ接合装置を用いたウェブ接合方法のフローを示す図である。
【
図4】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブを搬送する工程および第2ウェブをセットする工程を示す概略図である。
【
図5】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第2ウェブを第2搬送経路に待機させる工程を示す概略図である。
【
図6】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの切断可否を検知する工程を示す概略図である。
【
図7】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブを切断する工程を示す概略図である。
【
図8】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端を検知する工程を示す概略図である。
【
図9】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端を接合位置に搬送する工程および第2ウェブを接合位置に搬送する工程を示す概略図である。
【
図10】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端を接合位置に搬送する工程および第2ウェブを接合位置に搬送する工程の後状態、ならびに、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とを接合する工程を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とを接合する工程の後状態を示す図である。
【
図12】実施の形態2に係るウェブ接合方法のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0030】
<実施の形態1>
(ラベル貼付装置)
図1は、実施の形態1に係るラベル貼付装置を示す概略図である。
図1においては、搬送されている後述の第1ウェブ11を実線で示し、待機状態にある後述の第2ウェブ21を一点鎖線で示している。
図1を参照して、実施の形態1に係るラベル貼付装置100について説明する。
【0031】
図1に示すように、実施の形態に係るラベル貼付装置100は、搬送ライン90に沿って順次搬送される被着体としての容器91に、順次ラベルを貼り付ける装置である。
【0032】
ラベル貼付装置100は、第1供給部としての第1供給ローラー10、第2供給部としての第2供給ローラー20、ウェブ接合装置30、剥離部としてのピールプレート40、回収部としての巻取ローラー50、第1搬送部60、第2搬送部70、および第3搬送部80を備える。
【0033】
第1供給ローラー10および第2供給ローラー20は、これらの間にウェブ接合装置30が位置するように配置されている。第1供給ローラー10は、ウェブ接合装置30の一方側に配置されている。第2供給ローラー20は、ウェブ接合装置30の他方側に配置されている。
【0034】
第1供給ローラー10には、第1ウェブ11が巻回された第1巻回体13が交換可能に取り付けられる。第1ウェブ11は、たとえば、帯状体としてのキャリアシートに、剥離可能に複数のラベル部12が貼着されたものである。複数のラベル部12は、たとえば3mm程度の間隔でキャリアシートに貼着されている。複数のラベル部12は、たとえば、合成樹脂フィルムまたは紙に粘着層が積層されたものである。第1供給ローラー10は、第1搬送部60に向けて第1ウェブ11を供給する。
【0035】
第1搬送部60は、第1供給ローラー10から供給された第1ウェブ11をウェブ接合装置30の第1搬送経路31に向けて搬送する。第1搬送部60は、複数の搬送ローラー61、62、63を含む。なお、複数の搬送ローラーの個数は、3つに限定されず、適宜変更することができる。
【0036】
複数の搬送ローラー61、62、63は、第1ウェブ11の搬送方向の上流側から順に配置されている。搬送ローラー62は、移動可能に構成されており、搬送される第1ウェブ11に作用する張力を調整することができる。
【0037】
複数の搬送ローラー61,62,63は、駆動回転する必要は無く、従動回転するように構成されている。第1ウェブ11が、第1搬送部60、第1搬送経路31、および第3搬送部80を通って搬送される場合には、後述する駆動ローラー85が駆動回転することで搬送される第1ウェブ11によって、複数の搬送ローラー61,62,63が従動回転する。
【0038】
第2供給ローラー20には、第2ウェブ21が巻回された第2巻回体23が交換可能に取り付けられる。第2ウェブ21は、たとえば、帯状体としのキャリアシートに、剥離可能に複数のラベル部22が貼着されたものである。複数のラベル部22は、たとえば、合成樹脂フィルムに粘着層が積層されたものである。第2供給ローラー20は、第2搬送部70に向けて第2ウェブ21を供給する。
【0039】
第2搬送部70は、第2供給ローラー20から供給された第2ウェブ21をウェブ接合装置30の第2搬送経路32に向けて搬送する。第2搬送部70は、複数の搬送ローラー71、72、73を含む。なお、複数の搬送ローラーの個数は、3つに限定されず、適宜変更することができる。
【0040】
複数の搬送ローラー71、72、73は、第2ウェブ21の搬送方向の上流側から順に配置されている。搬送ローラー72は、移動可能に構成されており、搬送される第2ウェブ21に作用する張力を調整することができる。
【0041】
複数の搬送ローラー71,72,73は、駆動回転する必要は無く、従動回転するように構成されている。第2ウェブ21が、第2搬送部70、第2搬送経路32、および第3搬送部80を通って搬送される場合には、後述する駆動ローラー85が駆動回転することで搬送される第2ウェブ21によって、複数の搬送ローラー71,72,73が従動回転する。
【0042】
ウェブ接合装置30は、第1供給ローラー10から後工程に搬送される第1ウェブ11の残りが少なくなった場合に、第2供給ローラー20から供給される第2ウェブ21の先端と第1ウェブ11の末端とを接続する。これにより、連続した処理が可能となる。
【0043】
なお、ウェブ接合装置30は、第2供給ローラー20から後工程に搬送される第2ウェブ21の残りが少なくなった場合に、第1供給ローラー10から供給される第1ウェブ11の先端と第2ウェブ21の末端とを接続することもできる。
【0044】
ウェブ接合装置30には、第1搬送経路31、第2搬送経路32、および共通経路33が設けられている。共通経路33は、第1ウェブ11および第2ウェブ21が共通して搬送される経路であり、第1搬送経路31および第2搬送経路32の下流側に設けられている。
【0045】
第1ウェブ11が搬送される場合には、第1ウェブ11は、第1搬送経路31および共通経路33を順に通過して、第3搬送部80に搬送される。一方、第2ウェブ21が連続して搬送される場合には、第2ウェブ21は、第2搬送経路32、共通経路33を順に通過して、第3搬送部80に搬送される。
【0046】
第3搬送部80は、共通経路33を通過した第1ウェブ11または第2ウェブ21を、ピールプレート40で反転させて、巻取ローラー50に向けて搬送する。第3搬送部80は、複数の搬送ローラー81、82、83、84、および駆動ローラー85を含む。なお、複数の搬送ローラーの個数は、4つに限定されず、適宜変更することができる。複数の搬送ローラー81、82、83、84は、搬送経路に沿って上流側から順に配置されている。駆動ローラー85は、たとえば搬送ローラー82に対向するように配置されている。
【0047】
駆動ローラー85は、駆動回転することにより第3搬送部80に位置する第1ウェブ11または第2ウェブ21に駆動力を作用させ、第1ウェブ11または第2ウェブ21を搬送する。
【0048】
ピールプレート40は、第3搬送部80によって搬送される第1ウェブ11または第2ウェブ21からラベル部12またはラベル部22を剥離して、ピールプレート40の先端から搬送ライン90上方に繰り出し可能に設けられている。ピールプレート40は、略板状形状を有する。
【0049】
ピールプレート40には、第1ウェブ11または第2ウェブ21が当該ピールプレート40の先端で反転するように巻き掛けられている。第1ウェブ11または第2ウェブ21が反転する際に、ピールプレート40の先端からラベル部12またはラベル部22が、剥離されて搬送ライン90の上方に繰り出される。搬送ライン90の上方に繰り出されたラベル部12またはラベル部22は、容器91に貼り付けられる。
【0050】
巻取ローラー50は、たとえば第2供給ローラー20の下方に配置される。このように、巻取ローラー50と第2供給ローラー20とを上下に配置することにより、巻取ローラー50と第2供給ローラー20とが横並びで配置される場合と比較して、ラベル貼付装置100の設置領域を小さくすることができる。
【0051】
巻取ローラー50は、ラベル部12またはラベル部22が剥離されたキャリアシートを巻き取ることで、当該キャリアシートを回収する。
【0052】
(ウェブ接合装置)
図2は、実施の形態1に係るウェブ接合装置を示す概略図である。
図2を参照して、実施の形態1に係るウェブ接合装置30について説明する。
【0053】
図2に示すように、実施の形態に係るウェブ接合装置30は、第1搬送機構と、第2搬送機構と、第3ガイド330と、接合機構340と、移動情報検知部350とを備える。
【0054】
第1搬送機構は、共通経路33に設けられた接合位置P1に向けて、第1搬送経路31を通じて第1ウェブ11を搬送する。第1搬送機構は、第1ウェブ11を連続的に搬送してもよいし、間欠的に搬送してもよい。なお、第1搬送機構は、少なくとも、後述するように、第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知された位置から、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに接合テープ341(
図9参照)が貼着されるまで、第1ウェブ11を連続的に搬送する。
【0055】
第1搬送機構は、たとえば、第1搬送ガイド310、搬送ローラー313、および第1搬送ローラーとしての搬送ローラー314によって構成されている。なお、第1搬送ガイド310は、省略することができる。
【0056】
第1搬送ガイド310は、上流側ガイド311と、下流側ガイド312とを含む。上流側ガイド311および下流側ガイド312は、それぞれ搬送経路に沿って延在する一対のプレートによって構成されている。一対のプレートの間に第1搬送経路31が形成されている。
【0057】
搬送ローラー313は、第1ウェブ11の搬送方向において、搬送ローラー314の上流側に配置されている。具体的には、搬送ローラー313は、上流側ガイド311の上流側に配置されている。搬送ローラー313は、第1ウェブ11を第1搬送ガイド310に向けて搬送する。
【0058】
搬送ローラー314は、下流側ガイド312の下流側に配置されている。具体的には、搬送ローラー314は、第1搬送経路31において、後述する第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知される位置と接合位置P1との間に配置されている。搬送ローラー314は、第1ウェブ11を接合位置P1に向けて搬送する。
【0059】
上記搬送ローラー313、314は、従動回転可能に設けられている。第1ウェブ11が第1搬送部60、第1搬送経路31、および第3搬送部80を通って搬送される場合には、後述する駆動ローラー85が駆動回転することで搬送される第1ウェブ11によって、複数の搬送ローラー313、314が従動回転する。
【0060】
なお、搬送ローラー314は、駆動回転するように構成されていてもよい。後述するように、搬送ローラー314は、共通経路33に搬送される対象が第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行し、第1搬送経路31に待機する第1ウェブ11を接合位置P1に搬送する際に、回転駆動力が付与された状態で回転する。搬送ローラー314は、第1搬送経路31上に待機する第1ウェブ11を接合位置P1に搬送するときにのみ駆動回転するように構成されていればよい。
【0061】
第2搬送機構は、共通経路33に設けられた接合位置P1に向けて、第2搬送経路32を通じて第2ウェブ21を搬送する。第2搬送機構は、たとえば、第2搬送ガイド320、搬送ローラー323、および第2搬送ローラーとしての搬送ローラー324によって構成されている。なお、第2搬送ガイド320は、省略することができる。
【0062】
第2搬送ガイド320は、上流側ガイド321と、下流側ガイド322とを含む。上流側ガイド321および下流側ガイド322は、それぞれ搬送経路に沿って延在する一対のプレートによって構成されている。一対のプレートの間に第2搬送経路32が形成されている。
【0063】
搬送ローラー323は、第2ウェブ21の搬送方向において、搬送ローラー324の上流側に配置されている。具体的には、搬送ローラー323は、上流側ガイド321の上流側に配置されている。搬送ローラー323は、第2ウェブ21を第2搬送ガイド320に向けて搬送する。
【0064】
搬送ローラー324は、下流側ガイド322の下流側に配置されている。具体的には、搬送ローラー324は、第2搬送経路32において、後述する第4検知部327によって第2ウェブ21の末端が検知される位置と接合位置P1との間に配置されている。搬送ローラー324は、第2ウェブ21を接合位置P1に向けて搬送する。
【0065】
搬送ローラー324は、後述するように第2搬送経路32に待機する第2ウェブ21を接合位置P1に搬送する際に回転駆動力が付与された状態で回転する。搬送ローラー324は、後述するように、第1ウェブ11に接合された第2ウェブ21を搬送する際に、回転駆動力が付与されない状態で従動回転する。搬送ローラー324は、第2搬送経路32に待機する第2ウェブ21を接合位置P1に搬送するときにのみ駆動回転するように構成されていればよい。
【0066】
第3ガイド330は、第1搬送経路31における搬送ローラー314の下流側、かつ第2搬送経路32における搬送ローラー324の下流側に配置されている。第3ガイド330は、第1ガイド部331および第2ガイド部332を有する。第1ガイド部331は、搬送ローラー314から搬送される第1ウェブ11を接合位置P1に案内する。第2ガイド部332は、搬送ローラー324から搬送される第2ウェブ21を接合位置P1に案内する。
【0067】
接合機構340は、共通経路33に送り出す対象が、第1ウェブ11から第2ウェブ21に移行する際に、接合位置P1で、第1ウェブ11の末端と、第2ウェブ21の先端とを接合するための機構である。接合機構340は、接合テープ341(
図9参照)を吸着保持可能に構成された回転体を含む。
【0068】
回転体には、複数の吸着孔が設けられている。接合テープ341は、第1ウェブ11および第2ウェブ21の大きさに応じて変える必要がある。接合テープ341が小さい場合に、接合テープ341によって塞がれていない吸着孔が多数あると、吸着性能が低下する場合がある。このため、回転体は、吸着保持に使用される吸着孔の数、および位置を調整するインナーカラーを有することが好ましい。
【0069】
接合機構340は、所定のタイミングで接合テープ341を接合位置P1に送り、接合位置P1で連続する第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに跨がるように接合テープ341を貼着する。
【0070】
なお、接合機構340は、第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行する際には、接合位置P1で、第2ウェブ21の末端と第1ウェブ11の先端とを接合する。この場合には、接合機構340は、所定のタイミングで接合テープ341を接合位置P1に送り、接合位置P1で、第2ウェブ21の末端と第1ウェブ11の先端とに跨がるように接合テープ341を貼着する。
【0071】
移動情報検知部350は、第1ウェブ11の搬送速度および移動量の少なくとも一方を含む移動情報を検知する。具体的には、移動情報検知部350は、共通経路33に搬送されるウェブの速度および/または移動量を検知する。より具体的には、移動情報検知部350は、第1ウェブ11が搬送される場合に、第1ウェブ11の搬送速度および/または移動量を検知し、共通経路33に第2ウェブ21が搬送される場合に、第2ウェブ21の搬送速度および/または移動量を検知する。
【0072】
移動情報検知部350は、共通経路33に搬送されるウェブに当接する回転体を含む。回転体は、エンコーダとして機能する。回転体は、搬送されるウェブによって従動回転することで、搬送されるウェブの搬送速度および/または移動量を計測する。
【0073】
なお、実施の形態においては、移動情報検知部350は、共通経路33に設けられており、共通経路を搬送される第1ウェブ11および第2ウェブ21の一方の搬送速度を測定する場合を例示したが、これに限定されない。
【0074】
移動情報検知部が、第1ウェブ11および第2ウェブ21の搬送速度および/または移動量をそれぞれ独立して測定されるように、第1搬送経路31上に設けられた第1移動情報検知部と、第2搬送経路32上に設けられた第2移動情報検知部によって構成されていてもよい。
【0075】
ウェブ接合装置30は、切断機構としての第1切断機構315、および第2切断機構325を備える。
【0076】
第1切断機構315は、第1搬送経路31を通過する第1ウェブ11を切断可能に設けられている。第1切断機構315は、第1ウェブ11の搬送方向において、第1検知部317の上流側に配置されている。具体的には、第1切断機構315は、第1搬送経路31において、上流側ガイド311と下流側ガイド312との間に配置されている。
【0077】
第2切断機構325は、第2搬送経路32を通過する第2ウェブ21を切断可能に設けられている。第2切断機構325は、第2ウェブ21の搬送方向において、第4検知部327の上流側に配置されている。具体的には、第2切断機構325は、第2搬送経路32において、上流側ガイド321と下流側ガイド322との間に配置されている。
【0078】
第1切断機構315および第2切断機構325は、回転体と回転体に固定された切断刃とを含む。回転体が回転し、切断刃が第1ウェブ11または第2ウェブ21に突き当たることにより、第1ウェブ11または第2ウェブ21が切断される。
【0079】
第1切断機構315を設けることにより、第1供給ローラー10から供給される第1ウェブ11を所望のタイミングで切断することができる。第1ウェブ11の終端側においては、ラベル部12が貼着されていない領域が連続する余分な部分が形成されている場合がある。このような場合には、第1切断機構315で第1ウェブ11の余分な部分を切断することにより、余分な部分が搬送されることを待つ必要がなくなる。これにより、第1ウェブ11から第2ウェブ21への移行時間を短縮することができる。
【0080】
ウェブ接合装置30は、第1搬送経路31側において、第1切断検知部316、第1検知部317、第3検知部318を備える。
【0081】
第1切断検知部316は、第1ウェブ11の切断可否を検知する。第1切断検知部316は、第1ウェブ11の搬送方向において、第1切断機構315の上流側に配置されている。第1切断検知部316によって第1ウェブ11を切断可能であることを検知することにより、適切に第1切断機構315を作動させることができる。
【0082】
第1切断検知部316は、たとえば、第1ウェブ11に貼着された最後のラベル部12の後端を検知した場合に、第1ウェブ11を切断可能であることを検知する。
【0083】
第1切断検知部316は、たとえば、透過型センサによって構成されている。第1切断検知部316は、発光部と受光部とを含む。発光部と受光部は、第1搬送経路31を間に挟んで互いに対向するように配置されている。発光部から発光され、第1ウェブ11によって遮光されていた光が、受光部で受光されることで、第1切断検知部316は、ラベル部12の後端を検知する。なお、最後のラベル部12であるか否かは、たとえば、第1ウェブ11の搬送速度および移動量から判断することができる。
【0084】
また、第1切断検知部316は、ラベル部12が無いことを検知することにより、第1ウェブ11を切断可能であると判断してもよい。この場合には、上記のようにラベル部12の後端を検知してから、所定の時間受光部に変化が無い場合に、次のラベル部12が搬送されていないと判断される。
【0085】
また、第1切断検知部316は、第1ウェブ11に設けられた所定のマークを検知した場合に、第1ウェブ11を切断可能であることを検知してもよい。この場合には、第1切断検知部316は、カメラ等の撮像部を含んでいてもよい。
【0086】
第1検知部317は、第1搬送経路31を通過する第1ウェブ11の末端を検知する。第1検知部317は、第1ウェブ11から第2ウェブ21に移行する際に主として用いられる。第1検知部317は、第1ウェブ11の搬送方向において、第1切断機構315の下流側に配置されている。これにより、第1検知部317は、第1切断機構315で第1ウェブ11が切断されることで形成される第1ウェブ11の末端を検知することができる。
【0087】
第1検知部317は、たとえば透過型センサによって構成されている。第1検知部317は、発光部と受光部とを含む。発光部と受光部は、第1搬送経路31を間に挟んで互いに対向するように配置されている。発光部から発光され、第1ウェブ11によって遮光されていた光が、受光部で受光されることで、第1検知部317は、第1ウェブ11の末端を検知する。
【0088】
第3検知部318は、第1搬送経路31を通過する第1ウェブ11の先端を検知する。第3検知部318は、第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行する際に、主として用いられる。第3検知部318は、第1ウェブ11の搬送方向において、第1検知部317の下流側に配置されている。
【0089】
第3検知部318は、たとえば透過型センサによって構成されている。第3検知部318は、発光部と受光部とを含む。発光部と受光部は、第1搬送経路31を間に挟んで互いに対向するように配置されている。発光部から発光され、受光部で受光されていた光が、第1ウェブ11によって遮光されることで、第3検知部318は、第1ウェブ11の先端を検知する。
【0090】
第3検知部318によって第1ウェブ11の先端が検知された場合には、第1搬送経路31にセットされた第1ウェブ11の搬送が停止され、これにより、第1ウェブ11が第1搬送経路31上で待機することとなる。待機する第1ウェブ11の先端は、第1検知部318に重なる位置、または、第1検知部318よりも下流側に位置する。
【0091】
ウェブ接合装置30は、第2搬送経路32側において、第2切断検知部326、第2検知部328、第4検知部327を備える。
【0092】
第2切断検知部326は、第2ウェブ21の切断可否を検知する。第2切断検知部326の構成は、第1切断検知部316の構成とほぼ同様である。第2切断検知部326は、第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行する際に、主として用いられる。
【0093】
第2検知部328は、第2搬送経路32を通過する第2ウェブ21の先端を検知する。第2検知部328は、第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行する際に主として用いられる。第2検知部328は、第2ウェブ21の搬送方向において、第4検知部327の下流側に配置されている。
【0094】
第2検知部328は、たとえば透過型センサによって構成されている。第2検知部328は、発光部と受光部とを含む。発光部と受光部は、第2搬送経路32を間に挟んで互いに対向するように配置されている。発光部から発光され、受光部で受光されていた光が、第2ウェブ21によって遮光されることで、第2検知部328は、第2ウェブ21の先端を検知する。
【0095】
第2検知部328によって第2ウェブ21の先端が検知された場合には、第2搬送経路32にセットされた第2ウェブ21の搬送が停止され、これにより、第2ウェブ21が第2搬送経路32上で待機することとなる。待機する第2ウェブ21の先端は、第2検知部328に重なる位置、または、第2検知部328よりも下流側に位置する。
【0096】
第4検知部327は、第2搬送経路32を通過する第2ウェブ21の末端を検知する。第4検知部327は、第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行する際に、主として用いられる。第4検知部327は、第2ウェブ21の搬送方向において、第2切断機構325の下流側に配置されている。これにより、第4検知部327は、第2切断機構325で第2ウェブ21が切断されることで形成される第2ウェブ21の末端を検知することができる。
【0097】
第4検知部327は、たとえば透過型センサによって構成されている。第4検知部327は、発光部と受光部とを含む。発光部と受光部は、第2搬送経路32を間に挟んで互いに対向するように配置されている。発光部から発光され、第2ウェブ21によって遮光されていた光が、受光部で受光されることで、第4検知部327は、第2ウェブ21の末端を検知する。
【0098】
ウェブ接合装置30は、第1搬送経路31側に、押さえローラー361、可動アーム362、およびモータM1を備える。
【0099】
押さえローラー361は、搬送ローラー314との間に第1搬送経路31が位置するように搬送ローラー314に対向して配置されている。押さえローラー361は、可動アーム362によって支持されている。
【0100】
可動アーム362は、モータM1によって第1搬送経路31に近づく方向または第1搬送経路31から遠ざかる方向に移動する。可動アーム362の移動を切り替えることにより、押さえローラー361が第1ウェブ11を搬送ローラー314に向けて押しつける状態と、押さえローラー361が第1ウェブ11から離れた状態とを切り替えることができる。
【0101】
押さえローラー361は、上記第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知された場合に、第1ウェブ11を搬送ローラー314に押しつける。これにより、第1ウェブ11の末端側がバタつくことを抑制できる。
【0102】
ウェブ接合装置30は、第2搬送経路32側に、押さえローラー371、可動アーム372、およびモータM2を備える。
【0103】
押さえローラー371は、搬送ローラー324との間に第2搬送経路32が位置するように搬送ローラー324に対向して配置されている。押さえローラー371は、可動アーム372によって支持されている。
【0104】
可動アーム372は、モータM2によって第2搬送経路32に近づく方向または第2搬送経路32から遠ざかる方向に移動する。可動アーム372の移動を切り替えることにより、押さえローラー371が第2ウェブ21を搬送ローラー324に向けて押しつける状態と、押さえローラー371が第2ウェブ21から離れた状態とを切り替えることができる。
【0105】
押さえローラー371は、少なくとも、第2ウェブ21が第2搬送経路32上で待機している状態において、第2ウェブ21を搬送ローラー324に押しつける。
【0106】
(ウェブ接合方法)
図3は、実施の形態1に係るウェブ接合装置を用いたウェブ接合方法のフローを示す図である。
図4から
図11は、
図3に示す所定の工程または所定の工程の後状態を示す概略図である。
図3から
図11を参照して、実施の形態1に係るウェブ接合装置30を用いたウェブ接合方法について説明する。
【0107】
図4は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブを搬送する工程および第2ウェブをセットする工程を示す概略図である。
【0108】
図3および
図4に示すように、第1ウェブ11側では、工程(S11)において、第1ウェブ11および第2ウェブ21が共通して搬送される共通経路33に設けられた接合位置P1に向けて、第1搬送経路31を通じて第1ウェブ11を搬送する。第1ウェブ11は、連続的に搬送されてもよいし、間欠的に搬送されてもよい。
【0109】
一方、第2ウェブ21側では、工程(S21)において、第2ウェブ21を第2搬送経路32にセットする。具体的には、第2ウェブ21を第2供給ローラー20に取り付けて、第2ウェブ21の先端を搬送ローラー324と押さえローラー371との間を通過させる。
【0110】
少なくとも、第2ウェブ21の先端を搬送ローラー324と押さえローラー371との間を通過させた後の状態においては、第2ウェブ21は、上述の押さえローラー371によって、搬送ローラー324に押しつけられる。これにより、第2ウェブ21が接合位置P1に向けて搬送される場合に、第2ウェブ21の先端側がバタつくことを抑制できる。
【0111】
図5は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第2ウェブを第2搬送経路に待機させる工程を示す概略図である。
【0112】
続いて、
図3および
図5に示すように、第2ウェブ21側では、工程(S22)において、接合位置P1に向けて第2搬送経路32を通じて搬送される第2ウェブ21の先端を第2検知部328によって検知し、第2ウェブ21を第2搬送経路32に待機させる。具体的には、セットされた第2ウェブ21を第2搬送機構によって第2搬送経路32を搬送させ、第2検知部328が第2ウェブ21の先端を検知した際に、第2搬送機構を停止させる。これにより、第2ウェブ21を第2搬送経路32に待機させる。
【0113】
この際、第2搬送経路32上に待機した第2ウェブ21の先端が接合位置P1まで搬送される距離が、後述するように第1ウェブ11の末端が第1検知部317に検知された位置から接合位置P1まで搬送される距離よりも短くなるように、第2ウェブ21を待機させる。
【0114】
図6は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの切断可否を検知する工程を示す概略図である。なお、
図6においては、便宜上、第1ウェブに貼着された複数のラベル部12のうち最後のラベル部のみを黒色で示している。
【0115】
続いて、
図3および
図6に示すように、第1ウェブ11側では、工程(S12)において、第1ウェブ11の切断可否を判断する。具体的には、第1ウェブ11の搬送方向において第1切断機構315の上流側に配置された第1切断検知部316によって、第1ウェブ11の切断可否を検知する。
【0116】
第1切断検知部316が、最後のラベル部12の後端を検知した場合には、第1ウェブ11を切断可能であると判断される。なお、上述のように、第1切断検知部316が、所定のマークを検知すること、あるいは、ラベル部12が無いことを検知することにより、第1ウェブ11を切断可能であると判断されてもよい。一方、第1切断検知部316が、最後のラベル部12の後端等を検知していない場合には、第1ウェブを切断不可であると判断される。
【0117】
第1ウェブ11を切断可能であると判断された場合(工程S12:YES)には、次の工程(S13)が行われる。一方、第1ウェブ11を切断不可であると判断された場合(工程S12:NO)には、第1ウェブ11を切断可能であると判断されるまで、第1ウェブ11の搬送が継続される。
【0118】
図7は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブを切断する工程を示す概略図である。なお、
図7においては、便宜上、第1ウェブに貼着された複数のラベル部12のうち最後のラベル部のみを黒色で示している。
【0119】
図3および
図7に示すように、工程(S13)においては、第1ウェブ11を切断する。具体的には、第1ウェブ11の搬送方向において第1検知部317の上流側に配置された第1切断機構315が、第1ウェブ11を切断する。この際、第1切断機構315は、最後のラベル部12よりも搬送方向上流側に位置する部分において第1ウェブ11を切断する。
【0120】
第1切断機構315によって第1ウェブ11が切断された後においては、第1切断機構315より上流側に位置する第1ウェブ11は、第1供給ローラー10に向けて逆搬送されることで、第1供給ローラー10に回収されてもよい。
【0121】
第1切断機構315より下流側においては、第1ウェブ11は、切断後もそのまま第1搬送経路31および共通経路33に搬送される。
【0122】
続いて、工程(S14)において、第1ウェブ11の搬送速度を検知する。具体的には、移動情報検知部350によって、第1切断機構315の下流側で搬送される第1ウェブ11の搬送速度および/または移動量を検知する。なお、実施の形態1では、第1ウェブ11の切断後に第1ウェブ11の搬送速度および/または移動量を検知する場合を例示するが、切断前後において第1ウェブ11を一定の速度で搬送する場合には、第1ウェブ11の切断前に第1ウェブ11の搬送速度および/または移動量が検知されていてもよい。また、第1切断機構315よりも下流側において、常時、第1ウェブ11の搬送速度および/または移動量を検知していてもよい。
【0123】
図8は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端を検知する工程を示す概略図である。なお、
図8以降においては、便宜上、
図6、
図7で示していた最後のラベル部12は省略している。
【0124】
図3および
図8に示すように、工程(S15)においては、第1搬送経路31を通過する第1ウェブ11の末端を検知する。具体的には、切断されることにより形成された第1ウェブ11の末端を第1検知部317によって検知する。
【0125】
次に、工程(S16)において、第1検知部317によって検知された第1ウェブ11の末端を接合位置P1に搬送する。この際、第1搬送経路31において第1ウェブ11の末端が第1検知部317に検知される位置と接合位置P1との間に配置された搬送ローラー314よって搬送される第1ウェブ11を、搬送ローラー314に対向するように配置された押さえローラー361によって搬送ローラー314に押しつける。これにより、上述のように、第1ウェブ11を搬送する際に、第1ウェブ11の末端側がバタつくことを抑制することができる。
【0126】
また、第1ウェブ11は、少なくとも第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知された位置から、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに接合テープ341が貼着されるまで、連続的に搬送される。これにより、第1ウェブ11の末端を接合位置P1に安定して搬送することができる。
【0127】
一方、第2ウェブ21側においては、工程(S23)において、第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知されたか否かを判断する。第1ウェブ11の末端が検知されない場合(工程S23:NO)の場合には、第1ウェブ11の末端が検知されるまで、第2ウェブ21を第2搬送経路32に待機させる。第1ウェブ11の末端が検知された場合(工程S23:YES)の場合には、工程(S24)を実施する。工程(S23)では、工程(S15)の検知情報を利用することができる。
【0128】
工程(S24)においては、第2搬送経路32に待機された第2ウェブ21を接合位置P1に搬送する。
【0129】
図9は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端を接合位置に搬送する工程および第2ウェブを接合位置に搬送する工程を示す概略図である。
図10は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端を接合位置に搬送する工程および第2ウェブを接合位置に搬送する工程の後状態、ならびに、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とを接合する工程を示す図である。なお、
図9および
図10においては、便宜上、接合機構340の周辺の機構については省略している。
【0130】
ここで、工程(S16)および工程(S24)においては、
図9から
図10のようなウェブ側の変化に示すように、上述の移動情報検知部350の検知結果に基づいて、接合位置P1で第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とがこの順で連続するように、第1ウェブ11および第2ウェブ21を搬送する。
【0131】
具体的には、移動情報検知部350の検知結果に基づいて、第1搬送機構および第2搬送機構が、同期して、第1ウェブ11および第2ウェブ21を搬送する。
【0132】
また、第2ウェブ21を接合位置P1に搬送する際には、第2搬送機構の搬送ローラー324に回転駆動力を付与して、搬送ローラー324を回転させる。
【0133】
上述のように、第2搬送経路32上に待機した第2ウェブ21の先端が接合位置P1まで搬送される距離は、第1ウェブ11の末端が第1検知部317に検知された位置から接合位置P1まで搬送される距離よりも短くなっている。
【0134】
このため、第2搬送機構を第1搬送機構に同期させて第2ウェブ21を接合位置P1に搬送する際に、第2ウェブ21を適切に接合位置P1に搬送することができる。
【0135】
図10に示すように、第1ウェブの末端を接合位置に搬送する工程および第2ウェブを接合位置に搬送する工程の後状態においては、接合位置P1で第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とが連続している。
【0136】
なお、接合位置P1で第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とがこの順で連続している状態とは、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とが隙間無く配置されている状態、ウェブの搬送方向にわずかに隙間を空けて配置されている状態、および、第2ウェブ21の先端が第1ウェブの末端に重なるように配置されている状態を含む。
【0137】
この状態においては、接合機構340に吸着保持された接合テープ341も接合位置P1に搬送されている。すなわち、
図9から
図10のような接合機構340側の変化に示すように、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とを接合する工程において、接合機構340は、接合位置P1に接合テープ341を搬送する。具体的には、接合機構340は、上記移動情報検知部350の検知結果に基づいて、第1搬送機構および第2搬送機構に同期して、接合テープ341を接合位置P1に搬送する。
【0138】
なお、接合テープ341は、工程(S24)までに接合機構340に吸着されればよく、工程(S21)の前に吸着保持されてもよいし、工程(S22)で吸着保持されてもよい。接合テープ341は、接着面341aが外側を向くように保持される。
【0139】
続いて、
図3および
図10に示すように、工程(S30)において、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とを接合する。具体的には、接合位置P1で連続した第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに跨がるように接合テープ341を貼着する。
【0140】
上述のように、接合機構340が第1搬送機構および第2搬送機構と同期して接合テープ341を接合位置P1に搬送する際には、接合機構340を構成する回転体が、接合位置P1において、接合テープ341の搬送速度が第1ウェブ11および第2ウェブ21と同じ速度となるように回転する。
【0141】
これにより、接合テープ341の接着面341aを第1ウェブ11および第2ウェブ21に接触させることで、第1ウェブ11および第2ウェブ21に接合テープ341を精度良く貼着することができる。
【0142】
なお、接合位置P1で接合テープ341が第1ウェブ11および第2ウェブ21に接触する際には、ウェブに対する接合テープ341の貼着力が接合テープ341に対する接合機構340の吸着力よりも上回る。これにより、接合テープ341が、接合機構340の回転体から離れてウェブに貼り付く。なお、接合機構340による接合テープ341の吸着保持が解除されてもよい。
【0143】
図11は、実施の形態1に係るウェブ接合方法において、第1ウェブの末端と第2ウェブの先端とを接合する工程の後状態を示す図である。なお、
図11においては、便宜上、接合機構340の周辺の機構については省略している。
【0144】
上述のように、接合機構340、第1搬送機構、および第2搬送機構が同期することにより、
図11に示すように、連続した第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とが接合位置P1を通過した状態においては、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに跨がるように接合テープ341が貼り付けられている。
【0145】
次に、
図3に示すように、工程(S31)において、第1ウェブ11に接合された第2ウェブ21を搬送する。この際、第2搬送機構における搬送ローラー324に、回転駆動力を付与せずに、搬送ローラー324を従動回転させる。これにより、消費電力を低減できる。
【0146】
以上のような工程を経て、第1ウェブ11と第2ウェブ21とを接合することができる。
【0147】
以上のように、実施の形態1に係るウェブ接合装置30にあっては、第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知された場合に、移動情報検知部350の検知結果に基づいて、第1搬送機構および第2搬送機構が接合位置P1で第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とがこの順で連続するように、第1ウェブ11および第2搬送経路32上で待機する第2ウェブ21を搬送し、接合機構340が、接合位置P1で連続する第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに跨がるように接合テープ341を貼着する。この結果、第2ウェブ21を切断することなく、第2ウェブ21を第1ウェブ11に接合することができる。また、第2ウェブ21が切断されないため、第2ウェブ21の切断残部を除去する作業も不要にすることができる。
【0148】
一般的に、ウェブがキャリアシートとラベル部を有する場合においては、ウェブが間欠的に搬送されることが多い。ウェブが間欠的に搬送される場合には、ウェブが連続的に搬送される場合と比較して、第1ウェブ11から第2ウェブ21への移行の際に、第1ウェブの末端と第2ウェブ21の先端とを精度よく接合することが困難となることが多い。
【0149】
実施の形態1においては、上述のように、第1検知部317によって第1ウェブ11の末端が検知された位置から、第1ウェブ11の末端と第2ウェブ21の先端とに接合テープ341が貼着されるまで、第1ウェブ11を連続的に搬送しつつ、移動情報検知部350の検知結果に基づいて第1搬送機構、第2搬送機構および接合機構340を同期させる。このため、実施の形態1に係るウェブ接合装置30およびこれを備えたラベル貼付装置100にあっては、ウェブが間欠的に搬送される場合であっても、第1ウェブ11と第2ウェブ21とを精度高く接合することができる。
【0150】
さらに、実施の形態1に係るウェブ接合装置30は、上述のように、第1搬送経路31側において、第1切断検知部316、第1ウェブ11の末端を検知する第1検知部317、第1ウェブ11の先端を検知する第3検知部318を備え、第2搬送経路32側において、第2ウェブ21の切断可否を判断する第2切断検知部326、第2ウェブ21の先端を検知する第2検知部328、第2ウェブ21の末端を検知する第4検知部327を備える。また、共通経路33に設けられた移動情報検知部350によって第2ウェブ21の搬送速度および/または移動量を検知することができる。
【0151】
このため、実施の形態1に係るウェブ接合装置30にあっては、従来のウェブ接合装置のように、第1供給ローラー10と第2供給ローラー20との位置が入れ替わるように、第1供給ローラー10と第2供給ローラー20とを公転させることなく、第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行することができる。これにより、ラベル貼付装置100に必要なスペースを小さくすることができる。
【0152】
第2ウェブ21から第1ウェブ11に移行する際には、第1ウェブ11から第2ウェブ21への移行の際に第1搬送経路31側で行われていた動作と同様の動作を第2搬送経路32側で行ない、第1ウェブ11から第2ウェブ21への移行の際に第2搬送経路32側で行われていた動作と同様の動作を第1搬送経路31側で行なう。
【0153】
具体的には、第4検知部327によって第2ウェブ21の末端が検知された場合に、移動情報検知部350の検知結果に基づいて、第2搬送機構および第1搬送機構が、接合位置で第2ウェブ21の末端と第1ウェブ11の先端とがこの順で連続するように、第2ウェブ21および第1搬送経路31上で待機する第1ウェブ11を搬送し、接合機構340が、接合位置P1で連続する第2ウェブ21の末端と第1ウェブ11の先端とに跨がるように接合テープを貼着する。
【0154】
この場合においても、第1ウェブ11を切断することなく、第1ウェブ11を第2ウェブ21に接合することができる。
【0155】
このように、第2ウェブ21から第1ウェブ11への移行も行なうことができるため、第1ウェブ11から第2ウェブ21への移行と第2ウェブ21から第1ウェブ11への移行とを交互に繰り返すことにより、ラベル貼付装置100によって、長期間連続して、ラベル部12を容器91に貼り付けることがきる。この結果、作業効率を格段に向上させることができる。
【0156】
<実施の形態2>
図12は、実施の形態2に係るウェブ接合方法のフローを示す図である。
図12を参照して、実施の形態2に係るウェブ接合方法について説明する。
【0157】
図12に示すように、実施の形態2に係るウェブ接合方法は、実施の形態1に係るウェブ接合方法と比較した場合に、第1ウェブの移動情報を検知する工程と第1ウェブの末端を検知する工程との順番が入れ替わっている点、第1ウェブ11の切断可否を判断する工程、および、第1ウェブ11を切断する工程が省略されている点において相違する。その他の工程については、ほぼ同様である。
【0158】
実施の形態2に係るウェブ接合方法においては、工程(S11)にて、第1ウェブ11が搬送された後、工程(S15A)において、第1ウェブ11の末端が検知されたか否かを判断する。
【0159】
第1ウェブ11の末端が検知されない場合(工程S15A:NO)の場合には、第1ウェブ11の末端が検知されるまで、第1ウェブ11が搬送される。第1ウェブ11の末端が検知された場合(工程S15A:YES)の場合には、工程(S14)を実施する。工程(S14)、および工程(S16)からの各工程での動作、第2搬送経路側での各工程での動作は、実施の形態1と同様に行われる。なお、第1ウェブの末端を検知する工程(S15A)の前に、第1ウェブ11の移動情報を検知する工程(S14)が行われてもよい。
【0160】
以上のように、実施の形態2に係るウェブ接合方法においても、実施の形態1に係るウェブ接合方法と、ほぼ同様の効果が得られる。第1ウェブ11を切断しないため、第1ウェブ11を使い切ることができる。
【0161】
(他の変形例)
上述した実施の形態1および実施の形態2においては、第1切断検知部316、第2切断検知部326が、ウェブ接合装置30に設けられており、それぞれ第1搬送経路31および第2搬送経路32に配置される場合を例示して説明したが、これに限定されない。第1切断検知部316および第2切断検知部326は、ラベル貼付装置100に設けられていてもよく、それぞれ、第1供給ローラー10から第1搬送経路31までの搬送経路、第2供給ローラー20から第2搬送経路32までの搬送経路に配置されていてもよい。
【0162】
また、上述の実施の形態2のように、第1ウェブ11および第2ウェブ21を切断しない場合には、第1切断検知部316、第2切断検知部326、第1切断機構315、および第2切断機構325を省略することができる。
【0163】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0164】
10 第1供給ローラー、11 第1ウェブ、12 ラベル部、13 第1巻回体、20 第2供給ローラー、21 第2ウェブ、22 ラベル部、23 第2巻回体、30 ウェブ接合装置、31 第1搬送経路、32 第2搬送経路、33 共通経路、40 ピールプレート、50 巻取ローラー、60 第1搬送部、61,62,63 搬送ローラー、70 第2搬送部、71,72,73 搬送ローラー、80 第3搬送部、85 駆動ローラー、90 搬送ライン、91 容器、100 ラベル貼付装置、310 第1搬送ガイド、311 上流側ガイド、312 下流側ガイド、313,314 搬送ローラー、315 第1切断機構、316 第1切断検知部、317 第1検知部、318 第3検知部、320 第2搬送ガイド、321 上流側ガイド、322 下流側ガイド、323,324 搬送ローラー、325 第2切断機構、326 第2切断検知部、327 第4検知部、328 第2検知部、330 第3ガイド、331 第1ガイド部、332 第2ガイド部、340 接合機構、341 接合テープ、341a 接着面、350 移動情報検知部、361 押さえローラー、362 可動アーム、371 押さえローラー、372 可動アーム。