(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20250401BHJP
G06Q 50/08 20120101ALN20250401BHJP
【FI】
G06F30/13
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2022010170
(22)【出願日】2022-01-26
【審査請求日】2024-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【氏名又は名称】近藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知洋
(72)【発明者】
【氏名】矢嶋 和美
(72)【発明者】
【氏名】安井 好広
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 亮
(72)【発明者】
【氏名】川崎 貴之
(72)【発明者】
【氏名】和泉 智也
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-095368(JP,A)
【文献】特開2020-194426(JP,A)
【文献】特開2015-084151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0094834(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
G06Q 50/08
E04G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揚重機の配置位置の選定を支援する支援システムであって、
揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する吊荷情報を取得する吊荷情報取得部であって、前記吊荷情報は各部材の位置及び重量の情報を有する、吊荷情報取得部と、
前記揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲を取得する配置範囲取得部と、
前記揚重機の位置と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた定格荷重情報を参照して、前記配置範囲内の一の配置位置において、前記吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する判定部であって、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する、判定部と、
前記判定部により全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する出力部と、
を備える支援システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記配置範囲内の第1の配置位置において前記吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能ではないと判定した場合に、前記第1の配置位置において揚重不可能と判定された部材である揚重不可部材の全てを揚重可能な第2の配置位置を前記配置範囲内から検索し、
前記出力部は、前記判定部により前記第2の配置位置が検索された場合に、前記第1の配置位置、前記第2の配置位置及び前記揚重不可部材を示す情報を含む第2揚重可能位置情報を出力する、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記出力部は、対応する前記第2の配置位置が前記判定部により検索された前記第1の配置位置を第2の揚重可能位置として、前記第2の揚重可能位置のうちの一の配置位置に対する指定を受け付け、前記指定された配置位置に対応する前記第2の配置位置を識別可能に出力する、
請求項2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記指定された配置位置において揚重不可能であることが判定された前記揚重不可部材を識別可能に出力する、
請求項3に記載の支援システム。
【請求項5】
前記吊荷群に含まれる部材のうちの1以上の部材の指定を受け付ける揚重部材指定部、を更に備え、
前記判定部は、前記揚重部材指定部により指定が受け付けられた部材を、揚重可否の判定対象の部材とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項6】
前記配置範囲取得部は、前記配置範囲内に所与のピッチで揚重機の配置位置を設定し、
前記判定部は、設定された前記配置位置ごとに、前記吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項7】
前記揚重機の種別の選択入力を取得する揚重機選択取得部、を備え、
前記判定部は、前記揚重機選択取得部により取得された前記選択入力に示される前記揚重機の種別に関連付けられた前記定格荷重情報を参照する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項8】
前記出力部は、前記配置位置の指定に応じて、当該配置位置において揚重可能な部材を認識可能な態様で示す揚重可能部材情報を出力する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項9】
揚重機の配置位置の選定を支援する支援システムにおける支援方法であって、
揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する吊荷情報を取得する吊荷情報取得ステップであって、前記吊荷情報は各部材の位置及び重量の情報を有する、吊荷情報取得ステップと、
前記揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲を取得する配置範囲取得ステップと、
前記揚重機の位置と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた定格荷重情報を参照して、前記配置範囲内の一の配置位置において、前記吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する判定ステップであって、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する、判定ステップと、
前記判定ステップにおいて全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する出力ステップと、
を有する支援方法。
【請求項10】
コンピュータを、揚重機の配置位置の選定を支援する支援システムとして機能させるための支援プログラムであって、
前記コンピュータに、
揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する吊荷情報を取得する吊荷情報取得機能であって、前記吊荷情報は各部材の位置及び重量の情報を有する、吊荷情報取得機能と、
前記揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲を取得する配置範囲取得機能と、
前記揚重機の位置と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた定格荷重情報を参照して、前記配置範囲内の一の配置位置において、前記吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する判定機能であって、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する、判定機能と、
前記判定機能により全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する出力機能と、
を実現させる支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援システム、支援方法及び支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
揚重機(クレーン)の姿勢及び配置位置並びに吊荷の位置に基づいて、揚重可能な吊荷の重量を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来技術では、特定された揚重機の配置位置を前提として、その配置位置における揚重可能な重量の特定が行われるので、揚重機の配置位置の決定のために、揚重機の配置位置の特定及び特定された配置位置における吊荷を構成する部材の揚重可否の判定を、想定される揚重機の配置範囲内の各位置に対して繰り返して実施しなければならず、非常に多くの手間を要していた。建築等の施工計画の立案においては、揚重機を配置可能な位置を容易に特定し、例えば、複数の配置位置の代替案の比較による最適な計画立案をしたいという要請があった。
【0005】
そこで本発明は、吊荷群の全てを揚重可能な、揚重機の配置位置を容易に得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る支援システムは、揚重機の配置位置の選定を支援する支援システムであって、揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する吊荷情報を取得する吊荷情報取得部であって、吊荷情報は各部材の位置及び重量の情報を有する、吊荷情報取得部と、揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲を取得する配置範囲取得部と、揚重機の位置と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた定格荷重情報を参照して、配置範囲内の一の配置位置において、吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する判定部であって、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する、判定部と、判定部により全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係る支援方法は、揚重機の配置位置の選定を支援する支援システムにおける支援方法であって、揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する吊荷情報を取得する吊荷情報取得ステップであって、吊荷情報は各部材の位置及び重量の情報を有する、吊荷情報取得ステップと、揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲を取得する配置範囲取得ステップと、揚重機の位置と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた定格荷重情報を参照して、配置範囲内の一の配置位置において、吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する判定ステップであって、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する、判定ステップと、判定ステップにおいて全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する出力ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一形態に係る支援プログラムは、コンピュータを、揚重機の配置位置の選定を支援する支援システムとして機能させるための支援プログラムであって、コンピュータに、揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する吊荷情報を取得する吊荷情報取得機能であって、吊荷情報は各部材の位置及び重量の情報を有する、吊荷情報取得機能と、揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲を取得する配置範囲取得機能と、揚重機の位置と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた定格荷重情報を参照して、配置範囲内の一の配置位置において、吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する判定機能であって、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する、判定機能と、判定機能により全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する出力機能と、を実現させる。
【0009】
上記の形態によれば、揚重機の配置範囲内の各配置位置における、吊荷群を構成する部材の揚重可否が判定され、全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置を示す第1揚重可能位置情報が出力される。従って、第1揚重可能位置情報の参照により、吊荷群を構成する全ての部材を揚重可能な揚重機の配置位置を容易に認識できる。
【0010】
別の形態に係る支援システムでは、判定部は、配置範囲内の第1の配置位置において吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能ではないと判定した場合に、第1の配置位置において揚重不可能と判定された部材である揚重不可部材の全てを揚重可能な第2の配置位置を配置範囲内から検索し、出力部は、判定部により第2の配置位置が検索された場合に、第1の配置位置、第2の配置位置及び揚重不可部材を示す情報を含む第2揚重可能位置情報を出力することとしてもよい。
【0011】
上記の形態によれば、第1の配置位置において全ての部材の揚重が可能ではないと判定された場合に、揚重不可能と判定された揚重不可部材の全てを揚重可能な第2の配置位置が検索され、第1の配置位置及び第2の配置位置を含む第2揚重可能位置情報が出力される。第1の配置位置及び第2の配置位置の2箇所に配置された揚重機により、吊荷群を構成する全ての部材の揚重が可能となるので、第1の配置位置と第2の配置位置との間の1回の揚重機の移動により、全ての部材の揚重が可能となるような揚重機の配置位置の情報を容易に認識できる。
【0012】
別の形態に係る支援システムでは、出力部は、対応する第2の配置位置が判定部により検索された第1の配置位置を第2の揚重可能位置として、第2の揚重可能位置のうちの一の配置位置に対する指定を受け付け、指定された配置位置に対応する第2の配置位置を識別可能に出力することとしてもよい。
【0013】
上記の形態によれば、1回の揚重機の移動により、揚重対象の全ての部材の揚重が可能となるような揚重機の配置位置の組合せを容易に認識できる。
【0014】
別の形態に係る支援システムでは、出力部は、指定された配置位置において揚重不可能であることが判定された揚重不可部材を識別可能に出力することとしてもよい。
【0015】
上記の形態によれば、1回の揚重機の移動により揚重対象の全ての部材の揚重を行う場合において、第1の配置位置から移動した後の第2の配置位置において揚重すべき部材を容易に認識できる。
【0016】
別の形態に係る支援システムでは、吊荷群に含まれる部材のうちの1以上の部材の指定を受け付ける揚重部材指定部、を更に備え、判定部は、揚重部材指定部により指定が受け付けられた部材を、揚重可否の判定対象の部材とすることとしてもよい。
【0017】
上記の形態によれば、例えばBIMモデルとして表された吊荷群のうちの一部の部材の揚重が可能な揚重機の配置位置を容易に認識できる。
【0018】
別の形態に係る支援システムでは、配置範囲取得部は、配置範囲内に所与のピッチで揚重機の配置位置を設定し、判定部は、設定された配置位置ごとに、吊荷群に含まれる全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定することとしてもよい。
【0019】
上記の形態によれば、任意に設定された配置範囲内に所定のピッチで配置位置が設定され、設定された各配置位置における吊荷群の揚重可否が判定される。従って、所望の配置範囲内において全ての部材の揚重が可能な配置位置の情報が容易に認識できる。
【0020】
別の形態に係る支援システムでは、揚重機の種別の選択入力を取得する揚重機選択取得部、を備え、判定部は、揚重機選択取得部により取得された選択入力に示される揚重機の種別に関連付けられた定格荷重情報を参照することとしてもよい。
【0021】
上記の形態によれば、吊荷群の各部材の揚重可否の判定に際して、選択された揚重機の機種に応じた定格荷重情報が参照される。従って、採用する揚重機の選定に際して、複数種の揚重機の比較検討が可能となる。
【0022】
別の形態に係る支援システムでは、出力部は、配置位置の指定に応じて、当該配置位置において揚重可能な部材を認識可能な態様で示す揚重可能部材情報を出力することとしてもよい。
【0023】
上記の形態によれば、揚重可能部材情報の参照により、指定された配置位置における揚重可能な部材を容易に認識できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一側面によれば、吊荷群の全てを揚重可能な、揚重機の配置位置を容易に得ることことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態に係る支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】支援装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】施工対象の建造物のBIMモデルであって、揚重対象の吊荷群を含むBIMモデルの表示例を表す図である。
【
図4】揚重機の配置範囲に対する配置位置の設定の例を示す図である。
【
図6】揚重機の機種及び揚重対象部材が指定された様子を表す表示例を示す図である。
【
図7】揚重機による部材の揚重可否判定を説明するための図である。
【
図8】全ての部材の揚重が可能な第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報の表示例を示す図である。
【
図9】1回の揚重機の移動により全ての部材の揚重が可能な第2の揚重可能位置(第2揚重可能位置情報)の表示例を示す図である。
【
図10】一の第2の揚重可能位置を第1の配置位置とする指定に応じた、第1の配置位置において揚重不可能な部材の全てを揚重可能な第2の配置位置の表示例を示す図である。
【
図11】支援システムにおいて実施される支援方法の処理内容を示すフローチャートである。
【
図12】一の第2の揚重可能位置を第1の配置位置とする指定に応じた、第1の配置位置において揚重不可能な部材及び第2の配置位置を表示する処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る支援システム及び支援装置の機能的構成を示すブロック図である。支援システム1は、揚重機の配置位置の選定を支援するシステムであって、支援装置10を含む。また、支援システム1は、支援装置10からのアクセスが可能に構成されたBIMモデル記憶部20、吊荷情報記憶部30及び揚重機情報記憶部40といった記憶手段を含んでもよい。
【0028】
支援装置10は、機能的には、モデル情報取得部11(吊荷情報取得部)、配置範囲取得部12、揚重機選択取得部13、定格荷重情報取得部14、揚重部材指定部15、判定部16及び出力部17を備える。
【0029】
BIMモデル記憶部20は、施工対象の建築物等のBIM(Building Information Modeling)モデルを記憶している記憶手段である。BIMモデルは、3次元の建築物等のデジタルモデルであって、コスト及び管理情報等の属性データを含んでもよい。
【0030】
吊荷情報記憶部30は、吊荷情報を記憶している記憶手段である。吊荷情報は、施工対象の施工における揚重対象の1以上の部材からなる吊荷群に関する情報である。吊荷情報は、少なくとも、各部材の位置及び重量の情報を有する。部材の位置を示す情報は、BIMモデルの空間に設定された座標系における位置情報であってもよい。吊荷情報は、部材の形状を表す情報及びその他の属性情報を含んでもよい。
【0031】
揚重機情報記憶部40は、選択可能な揚重機に関する揚重機情報を記憶している記憶手段である。揚重機情報は、定格荷重情報を含む。定格荷重情報は、揚重機の種別ごとに規定された情報であって、揚重機の位置(ブームの回転中心)と揚重対象の部材の位置との距離である作業距離に対して、定格荷重を関連付けた情報である。定格荷重情報の例については、後に
図5を参照して説明する。
【0032】
支援装置10に含まれる各機能部11~17は、複数の装置に分散されて構成されてもよい。また、支援装置10に含まれる各機能部11~17は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれか、または任意の組み合わせによって実現される。
【0033】
図2は、支援装置10のハードウェア構成図である。支援装置10は、物理的には、
図2に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク及びメモリ等で構成される補助記憶装置103、通信制御装置104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。支援装置10は、入力デバイスであるキーボード、タッチパネル、マウス等の入力装置105及びディスプレイ等の出力装置106をさらに含むこととしてもよい。
【0034】
図1に示した各機能は、
図2に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104等を動作させるとともに、主記憶装置102及び補助記憶装置103等におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0035】
再び
図1を参照して、支援装置10の機能部を説明する。モデル情報取得部11は、施工対象の建築物等のBIMモデルを取得する。本実施形態では、モデル情報取得部11は、BIMモデル記憶部20からBIMモデルを取得する。
【0036】
また、モデル情報取得部11は、吊荷情報を取得する。本実施形態では、モデル情報取得部11は、吊荷情報記憶部30から吊荷情報を取得する。従って、本実施形態のモデル情報取得部11は、吊荷情報取得部を構成する。出力部17は、BIMモデルに基づいて、施工対象の建築物等をディスプレイに表示させてもよい。
図3は、BIMモデルに基づいて描画された、施工対象の3次元モデルの表示画面例bm0を示す図である。
【0037】
また、出力部17は、吊荷情報に基づいて、吊荷群Mを表示させる。吊荷情報は、前述のとおり、吊荷群に含まれる一以上の部材に関する情報であって、各部材の位置情報及び重量を含む。従って、出力部17は、BIMモデルにおける3次元空間に各部材を描画して表示させることができる。
図3に示す例では、吊荷情報に含まれる各部材をグラフィカルに表しているが、吊荷情報は、各部材に位置及び重量が関連付けられたリストであってもよい。また、
図3に示される例では、吊荷群Mを構成する部材は、建造物を構成する鉄骨等であるが、揚重対象となりうる物であれば鉄骨等には限定されない。
【0038】
配置範囲取得部12は、揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲の情報を取得する。具体的には、配置範囲取得部12は、BIMモデル上におけるユーザによる範囲指定の入力に基づいて配置範囲を取得してもよい。また、配置範囲取得部12は、BIMモデルにおいて予め設定された配置範囲を取得してもよい。
図4は、施工対象の3次元モデルにおいて設定された配置範囲Rを含む表示画面例bm1を示す図である。
図4に示される例では、吊荷群Mが配置された近傍の領域に配置範囲Rが設定されている。
【0039】
また、配置範囲取得部12は、設定された配置範囲Rの範囲内に、所与のピッチで揚重機の配置位置を設定する。配置位置のピッチは、任意に指定されることが可能であり、例えば1mであってもよい。
図4に示されるように、配置範囲取得部12は、配置範囲Rの範囲内に、複数の配置位置pを設定する。判定部16は、設定された配置位置pごとに、吊荷群Mに含まれる判定対象の全ての部材の揚重可否判定を実施する。
【0040】
揚重機選択取得部13は、揚重機の種別の選択入力を取得する。具体的には、揚重機選択取得部13は、例えば所定のインターフェースを介したユーザによる揚重機の選択入力を取得する。
【0041】
定格荷重情報取得部14は、揚重機選択取得部13により取得された選択入力に示される揚重機の種別に関連付けられた定格荷重情報を取得する。本実施形態では、定格荷重情報取得部14は、揚重機情報記憶部40から定格荷重情報を取得する。定格荷重情報は、揚重機の種別ごとに規定された情報であって、揚重機の位置(ブームの回転中心)と部材の位置との距離である作業距離に対して定格荷重を関連付けた情報である。判定部16は、定格荷重情報取得部14により取得された定格荷重情報を参照して、部材の揚重可否判定を実施する。
【0042】
図5は、定格荷重情報の例を示す図である。
図5に示される定格荷重情報の例は、揚重機の機種「C1」のアウトリガを6.3m(最大張出)に設定した場合のものである。また、揚重機C1は、複数段階に長さを調整できるブームを有するので、定格荷重情報は、ブーム長さごとの定格荷重を含む。例えば、ブーム長さが「30.5m」である場合には、揚重機「C1」の作業距離「5.0m」における定格荷重は、7.0tである。
【0043】
揚重部材指定部15は、吊荷群に含まれる部材のうちの1以上の部材の指定を受け付ける。具体的には、揚重部材指定部15は、例えば所定のインターフェースを介したユーザによる部材の指定入力を、揚重可否の判定対象の部材として受け付ける。
【0044】
図6は、揚重機の機種及び揚重対象部材が指定されたBIMモデルの表示例を示す図である。
図6の表示画面例bm2に示されるように、例えば、表示画面例bm1(
図4)において、吊荷群Mのうちの一部の部材MTを指定する指定入力が行われた場合に、揚重部材指定部15は、部材MTを判定部16における揚重可否の判定対象の部材として受け付ける。なお、判定対象の部材の指定を受け付けることなく、吊荷群Mに含まれる全ての部材が判定対象とされてもよい。また、
図6の表示画面例bm2では、揚重機選択取得部13により取得された揚重機の選択入力に応じた揚重機Cが示されている。
【0045】
判定部16は、定格荷重情報を参照して、配置範囲R内の一の配置位置pにおいて、吊荷群Mに含まれる判定対象の全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する。具体的には、判定部16は、各部材の重量に基づき算出される当該部材を揚重するときの総荷重が、当該部材の作業距離に関連付けられた定格荷重以下である場合に当該部材が揚重可能であると判定する。総荷重は、当該部材の重量並びに吊治具等の揚重に必要な器具及び装置等の重量の総計である。
【0046】
図7は、揚重機による部材の揚重可否判定を説明するための模式図である。判定部16は、配置範囲R内に設定された配置位置pのうちの一の配置位置pを示す位置情報及び吊荷情報に含まれる部材mの位置情報を取得し、配置位置pの位置と部材mの位置との間の距離である作業距離rlを算出する。次いで、判定部16は、機種選択に応じた揚重機Cの定格荷重情報を参照して、揚重機Cのブームbのブーム長さbl及び算出した作業距離rlに関連付けられた定格荷重を取得する。そして、判定部16は、吊荷情報に含まれる部材mの重量及び吊治具等の重量に基づいて総荷重を算出し、算出した総荷重が取得した定格荷重以下である場合に、部材mを揚重可能であることを判定する。
【0047】
判定部16は、一の配置位置pに関して、判定対象の全ての部材に対する揚重可否判定を実施する。さらに、判定部16は、設定された全ての配置位置pのそれぞれに関して、判定対象の全ての部材に対する揚重可否判定を実施する。
【0048】
出力部17は、判定部16により判定対象の全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置である第1の揚重可能位置を示す第1揚重可能位置情報を出力する。
図8は、第1揚重可能位置情報の表示例を示す図である。出力部17は、
図8の表示画面例bm3及び配置範囲Rの平面模式図g3に示されるように、ディスプレイ等の所定の表示手段において、第1の揚重可能位置ps1を他の配置位置に対して識別可能に表示させる。また、出力部17は、揚重不可能と判定された部材が存在する配置位置である揚重不可位置ps2を更に識別可能に表示させてもよい。
【0049】
このように、全ての部材の揚重が可能であると判定された第1の揚重可能位置ps1を示す第1揚重可能位置情報が出力及び表示されることにより、その参照により、吊荷群Mを構成する全ての部材を揚重可能な揚重機の配置位置を容易に認識できる。
【0050】
また、判定部16は、配置範囲R内の複数の配置位置pのうちの一の配置位置である第1の配置位置において吊荷群Mに含まれる判定対象の全ての部材の揚重が可能ではないと判定した場合に、第1の配置位置において揚重不可能と判定された部材である揚重不可部材の全てを揚重可能な第2の配置位置を配置範囲R内から検索する。
【0051】
そして、出力部17は、判定部16により第1の配置位置に対応する第2の配置位置が検索された場合に、当該第1の配置位置、対応する第2の配置位置及び揚重不可部材を示す情報を含む第2揚重可能位置情報を出力する。
【0052】
第1の配置位置と、当該第1の配置位置に対応する第2の配置位置との2箇所に揚重機が配置されることにより、吊荷群に含まれる全ての部材を揚重することが可能である。即ち、揚重機の1回の移動が許容される条件下において、1台の揚重機を第1の配置位置と第2の配置位置との間で移動させることにより、吊荷群に含まれる揚重対象の全ての部材を揚重することが可能となる。
【0053】
図9は、第2揚重可能位置情報の表示例を示す図である。
図9の表示画面例bm4及び配置範囲Rの平面模式図g4に示される例では、配置範囲R内の全ての配置位置pが揚重不可位置ps2であることが一旦判定される。そして、判定部16は、揚重不可位置ps2のうちの一の配置位置を第1の配置位置として、当該第1の配置位置において揚重不可能と判定された揚重不可部材の全てを揚重可能な第2の配置位置を配置範囲R内から検索する。第2の配置位置が検索された場合に、判定部16は、当該第1の配置位置が第2の揚重可能位置ps3であることを判定する。
【0054】
即ち、第2の揚重可能位置ps3から、当該第2の揚重可能位置ps3に対応する第2の配置位置に揚重機の1回の移動を許容することにより、それら2点の配置位置において吊荷群に含まれる揚重対象の全ての部材の揚重が可能である。
【0055】
図10は、第2の揚重可能位置が検索された場合における表示画面の他の例を示す図である。
図10の表示画面例bm5及び配置範囲Rの平面模式図g5に示されるように、出力部17は、第2の揚重可能位置ps3のうちの一つの配置位置spに対する所定のインターフェースを介した指定を受け付ける。そして、出力部17は、配置位置spにおいて揚重不可能であることが判定された部材からなる部材群MBの全ての部材を揚重可能な第2の配置位置ps4を識別可能に表示させる。
【0056】
このように、配置位置sp及び対応する第2の配置位置ps4が識別可能に表示されることにより、1回の揚重機の移動により、揚重対象の全ての部材の揚重が可能となるような揚重機の配置位置の組合せを容易に認識できる。
【0057】
また出力部17は、部材群MBにふくまれル部材を識別可能に表示させる。これにより、1回の揚重機の移動により揚重対象の全ての部材の揚重を行う場合において、第1の配置位置から移動した後の第2の配置位置において揚重すべき部材を容易に認識できる。
【0058】
また、出力部17は、任意の配置位置pの指定入力に応じて、当該配置位置pにおいて揚重可能な部材を示す部材(揚重可能部材情報)を認識可能な態様で出力してもよい。
図10において、部材群MAは、配置位置spにおいて揚重可能であることが判定された部材からなる。出力部17は、例えば、配置位置spの指定入力に応じて、配置位置spにおいて揚重可能な部材群MAを識別可能な態様で表示させてもよい。
【0059】
なお、配置位置sp、配置位置spにおいて揚重不可能であることが判定された部材の全てを揚重可能な配置位置ps4及び部材群MBは、第2揚重可能位置情報の一例を構成する。
【0060】
図11は、支援システム1において実施される支援方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS1において、モデル情報取得部11は、施工対象の建築物等のBIMモデルを取得する。出力部17は、BIMモデルに基づいて、施工対象の建築物等を描画出力し、例えばディスプレイ等に表示させる。
【0062】
ステップS2において、モデル情報取得部11は、吊荷情報を取得する。出力部17は、吊荷情報に含まれる部材の位置及び形状等を表す情報に基づいて、部材を描画出力する。
【0063】
ステップS3において、配置範囲取得部12は、揚重機を配置可能な位置の集合からなる配置範囲Rの情報を取得する。
【0064】
ステップS4において、揚重部材指定部15は、吊荷群に含まれる部材のうちの1以上の部材の指定を受け付ける。なお、吊荷群に含まれる全ての部材が揚重判定対象とされてもよいので、ステップS4の処理は必須ではない。
【0065】
ステップS5において、揚重機選択取得部13は、揚重機の種別の選択入力を取得する。定格荷重情報取得部14は、揚重機選択取得部13により取得された選択入力に示される揚重機の種別に関連付けられた定格荷重情報を取得する。なお、揚重機の種別の設定及び定格荷重情報の取得が予め行われていてもよいので、ステップS5の処理は必須ではない。
【0066】
ステップS6において、判定部16は、判定部16は、定格荷重情報を参照して、配置範囲R内の一の配置位置pにおいて、吊荷群Mに含まれる判定対象の全ての部材の揚重が可能であるか否かを判定する。さらに、判定部16は、設定された全ての配置位置pのそれぞれに関して、判定対象の全ての部材に対する揚重可否判定を実施する。
【0067】
ステップS7において、判定部16は、判定対象の全ての部材を揚重可能な第1の揚重可能位置があるか否かを判定する。第1の揚重可能位置があると判定された場合には、処理はステップS8に進む。一方、第1の揚重可能位置があると判定されなかった場合には、処理はステップS9に進む。
【0068】
ステップS8において、出力部17は、出力部17は、第1の揚重可能位置ps1を示す第1揚重可能位置情報を出力する。具体的には、出力部17は、第1の揚重可能位置ps1を他の配置位置に対して識別可能に表示させる。また、出力部17は、揚重不可能と判定された部材が存在する配置位置である揚重不可位置ps2を更に識別可能に表示させてもよい。
【0069】
ステップS9において、判定部16は、配置範囲R内の複数の配置位置pのうちの一の配置位置である第1の配置位置において吊荷群Mに含まれる判定対象の全ての部材の揚重が可能ではないと判定した場合に、第1の配置位置における揚重不可部材の全てを揚重可能な第2の配置位置を配置範囲R内から検索する。
【0070】
ステップS10において、判定部16は、対応する第2の配置位置が検索された第1の配置位置があるか否かを判定する。対応する第2の配置位置が検索された第1の配置位置があると判定された場合に、処理はステップS11に進む。一方、対応する第2の配置位置が検索された第1の配置位置があると判定されなかった場合に、処理はステップS12に進む。
【0071】
ステップS11において、出力部17は、対応する第2の配置位置が検索された第1の配置位置を第2の揚重可能位置として、第2の揚重可能位置ps3を他の配置位置に対して識別可能に表示させることにより、第1の配置位置(第2の揚重可能位置)、当該第1の配置位置に対応する第2の配置位置及び第1の配置位置において揚重不可であり第2の配置位置において揚重可能な揚重不可部材の情報を含む第2揚重可能位置情報を出力する。
【0072】
ステップS12において、出力部17は、揚重機の1回の移動を許容しても、揚重対象の全ての部材を揚重可能な配置位置が存在しない旨の情報を出力する。
【0073】
次に、
図12を参照して、第2揚重可能位置情報の出力処理を説明する。
図12は、第2揚重可能位置情報の出力処理内用を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS21において、出力部17は、第2の揚重可能位置ps3のうちの一つの位置spの指定を受け付ける。
【0075】
ステップS22において、出力部17は、位置spとして指定された第2の揚重可能位置ps3における揚重不可部材MBを他の部材と識別可能に表示する。併せて、出力部17は、揚重不可部材MBの全てを揚重可能な配置位置ps4(位置spを第1の配置位置として当該第1の配置位置に対応する第2の配置位置)を識別可能に表示する。
【0076】
次に、
図13を参照して、コンピュータを支援装置10として機能させるためのプログラムを説明する。支援プログラムP1は、支援装置10としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、メインモジュールm10、モデル情報取得モジュールm11、配置範囲取得モジュールm12、揚重機選択取得モジュールm13、定格荷重情報取得モジュールm14、揚重部材指定モジュールm15、判定モジュールm16及び出力モジュールm17を含む。
【0077】
メインモジュールm10は、支援処理を統括的に制御する部分である。モデル情報取得モジュールm11、配置範囲取得モジュールm12、揚重機選択取得モジュールm13、定格荷重情報取得モジュールm14、揚重部材指定モジュールm15、判定モジュールm16及び出力モジュールm17を実行することにより実現される機能はそれぞれ、
図1に示される支援装置10のモデル情報取得部11、配置範囲取得部12、揚重機選択取得部13、定格荷重情報取得部14、揚重部材指定部15、判定部16及び出力部17と同様である。
【0078】
支援プログラムP1は、例えば、磁気ディスクや光ディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体M1によって提供される。また、支援プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0079】
以上説明した本実施形態の支援システム1,支援装置10、支援方法及び支援プログラムP1によれば、揚重機の配置範囲内の各配置位置における、吊荷群を構成する部材の揚重可否が判定され、全ての部材の揚重が可能であると判定された配置位置を示す第1揚重可能位置情報が出力される。従って、第1揚重可能位置情報の参照により、吊荷群を構成する全ての部材を揚重可能な揚重機の配置位置を容易に認識できる。
【0080】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1…支援システム、10…支援装置、11…モデル情報取得部、12…配置範囲取得部、13…揚重機選択取得部、14…定格荷重情報取得部、15…揚重部材指定部、16…判定部、17…出力部、20…BIMモデル記憶部、30…吊荷情報記憶部、40…揚重機情報記憶部、M1…記憶媒体、m10…メインモジュール、m11…モデル情報取得モジュール、m12…配置範囲取得モジュール、m13…揚重機選択取得モジュール、m14…定格荷重情報取得モジュール、m15…揚重部材指定モジュール、m16…判定モジュール、m17…出力モジュール、P1…支援プログラム。