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  • 特許-シューズの解剖学的パッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】シューズの解剖学的パッド
(51)【国際特許分類】
   A43B 7/20 20060101AFI20250401BHJP
【FI】
A43B7/20
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022164463
(22)【出願日】2022-10-13
(65)【公開番号】P2023059261
(43)【公開日】2023-04-26
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】10 2021 211 608.6
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510204998
【氏名又は名称】アディダス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】バレンティン ペリン
(72)【発明者】
【氏名】エリス ケーニッヒ
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0252040(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0083622(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0057821(KR,A)
【文献】米国特許第05449005(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0250099(US,A1)
【文献】特表平09-511162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0319217(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1300896(KR,B1)
【文献】特表平08-510652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シューズ(18)のアッパー(10a;20)であって、
a)前記アッパー(10a;20)の踵領域の内側部分に位置し、第1の形状を有する内側パッド(13;23)と、
b)前記アッパー(10a;20)の前記踵領域の外側部分に位置し、第2の形状を有する外側パッド(14;24)と
を含み、
c)前記第1の形状が前記第2の形状とは異なり、
d)前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも前記シューズ(18)のソール(10b)近くに配置され、
e)前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも前記シューズ(18)のアッパー(10a;20)の後部近くに配置されており
前額面で測定された前記内側パッド(13;23)の水平方向範囲、すなわちその厚さ(13b)が、前記外側パッド(14;24)の厚さ(14b)よりも小さく、
矢状面で測定された前記外側パッド(14;24)の水平方向範囲、すなわちその長さ(24c)が、前記内側パッド(13;23)の長さ(23c)よりも小さく、
前額面で測定された前記外側パッド(14;24)の垂直方向範囲、すなわちその幅(14a;24a)が、前記内側パッド(13;23)の幅(13a;23a)よりも大きく、
前記内側パッド(13;23)の体積が、前記外側パッド(14;24)の体積よりも小さい、シューズのアッパー。
【請求項2】
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記厚さ(13b、14b)の差が、少なくとも4mmである、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項3】
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記長さ(23c、24c)の差が、少なくとも2mmである、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項4】
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記幅(13a、14a;23a、24a)の差が、少なくとも2mmである、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項5】
前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも少なくとも2mm、前記シューズ(18)のソール(10b)近くに配置される、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項6】
前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも少なくとも6mm、前記シューズ(18)のアッパー(10a;20)の後部近くに配置される、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項7】
前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)が発泡材料を含む、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項8】
前記内側パッド(13;23)がポリウレタン発泡体から形成された内側ポッド(33)を含み、前記外側パッド(14;24)がポリウレタン発泡体から形成された外側ポッド(34)を含む、請求項1に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項9】
前額面で測定された前記内側ポッド(33)の水平方向範囲、すなわち、その厚さ(33b)が、前記外側ポッド(34)の厚さ(34b)よりも小さい、かつ/または
矢状面で測定された前記外側ポッド(34)の水平方向範囲、すなわちその長さ(34c)が、前記内側ポッド(33)の長さ(33c)よりも小さい、かつ/または
前額面で測定された前記外側ポッド(34)の垂直方向範囲、すなわちその幅(34a)が、前記内側ポッド(33)の幅(33a)よりも大きい、請求項に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項10】
前記内側ポッド(33)の前記厚さ(33b)が、前記外側ポッド(34)の前記厚さ(34b)よりも小さく、
前記外側ポッド(34)の前記長さ(34c)が、前記内側ポッド(33)の前記長さ(33c)よりも小さく、
前記外側ポッド(34)の前記幅(34a)が、前記内側ポッド(33)の前記幅(33a)よりも大きい、請求項に記載のアッパー(10a;20)。
【請求項11】
シューズ(18)であって、
請求項1に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)と、
前記アッパー(10a;20)に取り付けられたソール(10b)と
を含む、シューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非対称のパッド(パディング、詰め物)を含むシューズのアッパー、および非対称のパッドを含むシューズのアッパーを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シューズは、足を保護し、ある一定の耐久性を確保するために、耐久性のある材料から形成されなければならない。シューズがその形状を維持し、その着用者を十分に支えるために、シューズのベース材料は比較的硬質でなければならない。着用時にこの比較的硬いベース材料によって足を負傷することを防ぐように、パッドおよび/またはライニングが使用される。パッドおよび/またはライニングは、シューズのアッパーの内部で均一に延びることができる。しかしながら、ライニングおよび特にパッドは、様々な追加の要件に有利であり得る。
【0003】
一般に、パッドは、シューズの意図した目的に応じてシューズ内にデザインすることができる。1つの目的は、圧力ピーク、したがって、靴擦れおよび/または擦り傷を避けることである。別の目的は、シューズ内における足の圧力の最適な分散である。加えて、パッドは、足の位置の補正効果を有していてもよい。医療用途では、パッドは、普通なら筋骨格系全体の位置異常につながり得る足の位置異常を補償することができる。
【0004】
このような考慮事項は、足首の領域において特に重要である。これは、この領域においては、シューズ内で足が自由に動き過ぎると負傷につながることがあるため、足にぴったりとフィットすることが非常に重要であるからである。さらに、特別な支えがないと、着用者が足首をひねる危険性が高い。加えて、脚の両側に、腓骨および脛骨の端部によって生じる足首のかなり顕著な突起があり、またこの領域に筋肉および脂肪がないため、適切なクッション材がないと、すぐに擦り傷が生じる。
【0005】
従来のシューズは、通常、脚の両側における足首の周りに対称なパッドを有し、内側と外側とに同じパッド形状を使用しているため、足の解剖学的状態に対応していない。これにより、履き心地が悪くなることに加えてフィット性が低下し、着用者は歩行スタイルを理想的にフィットしないシューズに合わせようとするため、最悪の場合には位置異常につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本特許第4714329号明細書
【文献】米国特許第7,140,128号明細書
【文献】米国特許第6,442,875号明細書
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、解剖学的状態に基づいて着用者の足首の周りに理想的なフィット性をもたらす、シューズのパッドを提供することである。
【0008】
日本特許第4714329号明細書は、扁平足、外反足、および内反足を矯正する足底板、中敷き、および履物に関する。
【0009】
米国特許第7,140,128号明細書は、踵の上方のブーツの両側に位置するJバーに関する。Jバーは、記憶材料も含み、ユーザの距骨の下および後部に延びるように位置し成形される。
【0010】
米国特許第6,442,875号明細書は、非対称で大部分が剛性の外側クォーターおよび内側クォーターを有するブーツアッパーを提供することに関する。
【0011】
上記の課題は、シューズのアッパーであって、アッパーの踵領域の内側部分に位置し、第1の形状を有する内側パッドと、アッパーの踵領域の外側部分に位置し、第2の形状を有する外側パッドとを含み、第1の形状が第2の形状とは異なり、外側パッドが、内側パッドよりもシューズのソール近くに配置され、外側パッドが、内側パッドよりもシューズのアッパーの後部近くに配置される、シューズのアッパーによって解決される。
【0012】
パッドの内側形状および外側形状は、着用者の足首の解剖学的状態に対応する。足首の内側と外側とは異なる解剖学的状態を有するため、同じ形状にすると、一般に、パッドと足首との不適合が生じる。足首の内側または外側のそれぞれの解剖学的状態に適合させたパッドは、パッドと距骨との理想的な位置合わせを確実にする。これにより、パッドと距骨との間の空間を最小限にすることができるため、シューズ内でぴったりとフィットする。ぴったりとフィットすることにより、足首の領域において足の動きの自由を大幅に制限することができるため、この領域における負傷および靴擦れを避けるまたは少なくとも減らすことができる。さらに、ぴったりとフィットすることにより、表面を踏んで蹴り出す際の、シューズ内における足のエネルギー伝達が向上する。加えて、内側パッドおよび外側パッドは、対称に配置されていない。パッドの前額面および矢状面に沿った非対称の配置は、歩行中の着用者の筋骨格系の安定性をさらに支え、例えば、足の内側または外側の方向へのひねりを防ぐ。
【0013】
以下で、シューズのソールに近いパッドの配置を下位と呼び、シューズのソールから離れる配置を上位と呼ぶ。
【0014】
特に、例えば、サッカー、ラグビー、またはランニングなどのスポーツにおいて、そのようなスポーツでは足を内側方向または外側方向にひねる危険性が高いため、このようなパッドは有利になり得る。したがって、本発明によるアッパーは、サッカーシューズのアッパー、ラグビーシューズのアッパー、またはランニングシューズのアッパーであることが好ましい。さらに、シューズと着用者の足首とがぴったりとフィットすることは、ハイキング、またはバスケットボールのように頻繁にジャンプを行うスポーツに非常に適している。したがって、本発明によるアッパーは、ハイキングシューズのアッパーまたはバスケットボールシューズのアッパーであってもよい。
【0015】
本発明によれば、前額面で測定された内側パッドの水平方向範囲、すなわち、その厚さが、外側パッドの厚さよりも小さくてよい。内側パッドと外側パッドとの厚さの差が、少なくとも4mmであり得ることが好ましい。パッドの厚さは、例えば、完成したシューズアッパーをソール構造体に結合してシューズを形成するときの、完成したシューズアッパーの矢状面に垂直な方向に測定されてよい。
【0016】
パッドの異なる垂直方向厚さは、シューズの内側および外側における距骨の解剖学的状態に対応し、したがって、前額面および矢状面に沿って足をさらに安定させることができる。内側パッドの厚さが大きいと、内側の方向への足の動きの自由が厳しく制限され、不適切な足の位置につながる。加えて、外側の方向にひねる可能性が非常に高くなる。したがって、内側パッドと比べて外側パッドの厚さが大きければ、前額面における安定性を実現することができる。さらに、外側パッドの厚さが大きいと、ぴったりとフィットし、外側パッドと外側足首との間の空間が大きすぎて摩擦が増加することによる負傷を防ぐことができる。したがって、足首にぴったりとフィットすることにより、足の前後への動きも減らすことができるため、矢状面における足の安定性につながる。さらに、足首の内側よりも露出される外側を、シューズの外側に物が当たらないようにさらに保護することができる。
【0017】
矢状面で測定された外側パッドの水平方向範囲、すなわちその長さが、内側パッドの長さよりも小さくてよい。内側パッドと外側パッドとの長さの差が、少なくとも2mmであることが好ましい。パッドの長さは、例えば、完成したシューズアッパーをソール構造体に結合してシューズを形成するときの、完成したシューズアッパーの前額面に垂直な方向に測定されてよい。
【0018】
パッドの異なる長さは、シューズの内側および外側における距骨の解剖学的状態に対応し、したがって、前額面および矢状面において足をさらに安定させることができる。特に、前額面において、足を安定させて、内側の方向へのひねりを防ぐことができるようになっている。さらに、内側パッドの長さが大きいと、内側足首が内側パッドによりぴったりとフィットするため、矢状面における足全体の動きをさらに減らすことができる。
【0019】
前額面で測定された外側パッドの垂直方向範囲、すなわちその幅が、前額面で測定された内側パッドの幅よりも大きくてよい。内側パッドと外側パッドとの幅の差が、少なくとも2mmであり得ることが好ましい。下位の外側パッドと上位の内側パッドとの高さの差に加えて、パッドは異なる幅を有していてもよい。パッドの幅は、例えば、完成したシューズアッパーをソール構造体に結合してシューズを形成するときの、完成したシューズアッパーの水平面に垂直な方向に測定された、パッドの下部から同パッドの上部までの距離として定義される。
【0020】
パッドの異なる幅は、シューズの内側および外側における距骨の解剖学的状態に対応し、前額面において足をさらに安定させることができる。特に、外側の方向へのひねりを効果的に最小限にすることができる。さらに、足の外側を、より大きい外側パッドによってさらに支えることができる。加えて、外側および内側におけるより快適なフィット性を実現することができる。
【0021】
内側パッドの体積は、外側パッドの体積とは異なっていてよい。内側パッドの体積は、外側パッドの体積よりも小さくなり得ることが好ましい。
【0022】
内側パッドと外側パッドとの体積が異なることにより、着用者の足をさらに安定させることができる。内側パッドの体積が小さいことにより、内側における足の動きの自由と、同時に、外側におけるぴったりとしたフィットとを保証することができる。外側パッドの体積が大きいことにより、別の選手の足または物によって負傷する危険性のある足首の外側、特に外果をさらに保護することができる。
【0023】
外側パッドは、内側パッドよりも少なくとも2mm、シューズのソールに近くに配置されていてよい。
【0024】
水平面に垂直なパッドの非対称の高さ配置により、前額面に沿った足首のさらなる安定性を実現することができる。
【0025】
外側パッドは、内側パッドよりも少なくとも6mm、シューズのアッパーの後部近くに配置されていてよい。
【0026】
矢状面に沿った非対称の配置により、内側パッドよりもシューズの後部に近い外側パッドは、シューズ内における足の前後への動きを減らすことができる。したがって、この構成は、特に矢状面に沿った足の安定性を確実にする。さらに、外側パッドよりも踵から離れた内側パッドの配置により、内側のさらなる安定性および支えを実現することができる。
【0027】
内側パッドおよび/または外側パッドは、発泡材料を含むことができる。発泡材料の使用は多くの利点をもたらす。第1に、発泡材料は、ほぼすべてのプラスチックから形成することができるため、幅広い特性を提供する。また、発泡材料は軽量で加工しやすく、シューズにとって有利である。密度が低いあるため、湿気を足から逃がすことができる。加えて、発泡体は心地よく柔らかく感じられる。また、発泡体は、シューズ内部で体温を維持するのにも役立ち得る。
【0028】
内側パッドおよび/または外側パッドは、ポッドを含むことができる。ポッドを含むパッドは、より効率的な減衰を提供することができる。さらに、触覚体験を向上させることができる。さらに、ポッドは、通常の発泡体よりも大きい復元力を有して、足のずれを補償し、または足首の外側、特に外果を、外側から作用する力から保護することができる。
【0029】
ポッドに液体および/または気体を充填することができる。どのような種類の充填物を使用するかに応じて、触知覚および/または復元力が変化し得る。さらに、充填材料に応じて、足の体熱を維持し、または逃がすことができる。さらに、充填済みポッドは、着用者の足のそれぞれの個々の形状に、より良好に適合することができる。
【0030】
本発明はまた、本明細書に記載されたアッパーと、アッパーに取り付けられたソールとを含むシューズに関する。シューズは、足首にぴったりとフィットし、前額面および矢状面に沿って着用者の足をさらに安定させる。
【0031】
本発明はまた、シューズのアッパーを製造する方法であって、第1の形状を有する内側パッドを、アッパーの踵領域の内側部分に配置するステップと、第1の形状とは異なる第2の形状を有する外側パッドを、アッパーの踵領域の外側部分に配置するステップと、外側パッドを、内側パッドよりもシューズのソール近くに配置するステップと、外側パッドを、内側パッドよりもシューズのアッパーの後部近くに配置するステップとを含む方法に関する。
【0032】
このような方法によって得られるアッパーの利点は、前述されており、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0033】
方法は、圧縮成形プロセスでポッドを作成するための、1つのキャビティおよび2枚のプレートを含む圧縮型を設けるステップと、ポッドを充填するステップと、ポッドを密閉するステップとをさらに含むことができる。これにより、1つの製造ステップにおける成形によってポッドを製造することができる。成形は、いくつかの単一ステップを1つのステップで実現することができるため、簡単で迅速な製造方法である。
【0034】
方法は、第1のダイおよび第2のダイを使用して、エンボスプロセスで内側パッドおよび/または外側パッドを形成するステップをさらに含むことができ、第1のダイの下部の形状が、第1の形状および/または第2の形状の上部に対応し、第2のダイの上部が、第1の形状および/または第2の形状の下部の形状に対応する凹部を含む。エンボスプロセスにおいて、より複雑なパターンを容易に作成できるように、ダイを交換またはモジュール構成することができる。これにより、視覚デザイン、例えば商標またはロゴをポッドに加えることができる。さらに、ポッドは、その触知覚を向上させるために特定の触感を備えていてもよい。
【0035】
第1のダイおよび/または第2のダイの材料は、マグネシウムおよび/または銅および/または黄銅を含むことができる。エンボスプロセスにおいて、マグネシウム、銅、および黄銅などの金属または金属合金の使用は、これらがポリマーを変形させるのに十分な硬度を有するため、有利である。さらに、熱を用いてエンボスプロセスを施すときに、これらの金属は良好な熱伝導を提供する。
【0036】
方法は、エンボスプロセスを行う前に、内側パッドおよび/または外側パッドの材料を第1のダイと第2のダイとの間に配置するステップをさらに含むことができる。内側パッドおよび/または外側パッドを別々に配置することにより、内側パッドと外側パッドとに異なる材料を使用することができる。これにより、内側パッドおよび外側パッドのより多様な選択された特性を提供する。
【0037】
方法は、エンボスプレスを行う際に、内側パッドおよび/または外側パッドの材料を第1のダイと第2のダイとの間に充填するステップをさらに含むことができる。充填ステップにより、ポッドは複数の所望の特性を備えることができる。充填はエンボスプレス中に実現されるため、加工時間および製造の労力を削減することができる。
【0038】
材料は、ローラによって充填されてもよい。ローラは、組立ライン製造を可能にすることができると有利である。
【0039】
エンボスプロセスは、熱を加えることを含むことができる。熱を使用することにより、加えるべき圧力が小さくなり、エンボスプロセスにかかる時間が全体的に短くなる。加えて、熱により、ポッドを縁部で直接密閉することができるため、製造ステップおよび時間がさらに削減される。
【0040】
以下で、図面を参照しながら本発明の例示的な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】内側パッドおよび外側パッドを含むシューズアッパーの断面を示す、本発明による好ましい実施形態の一例の図である。
図2】本発明による内側パッドおよび外側パッドを含むシューズアッパーを示す、例示的な好ましい実施形態の別の図である。
図3】内側ポッドおよび外側ポッドを含むシューズを示す、好ましい実施形態の別の例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の可能な実施形態について、主にシューズに関して以下の詳細な説明で説明する。本発明はこれらの実施形態に限定されないことを強調する。
【0043】
図1は、本発明によるシューズ18のアッパー10aを示す。さらに、図1は、シューズ18に挿入された足19の後面図と、図示の目的で、足19の上面図とを示す。シューズ18は、シューズ18の内側11に内側パッド13を含み、シューズ18の外側12に外側パッド14を含む。内側パッド13および外側パッド14の形状は、半円筒のベース形状を含む。しかしながら、他の実施形態において、内側パッドおよび外側パッドのベース形状は、基本的に変化し得る。例えば、内側パッド13のベース形状は、足首の内側16の解剖学的状態にとって有利なu字状、j字状、円形、円環状、または他の適切なベース形状を含むことができる。内側パッド13の形状に関わらず、外側パッド14は、足首の外側17の解剖学的状態にとって有利な以下のベース形状、すなわち、u字状、j字状、円形、円環状、または他の適切なベース形のうちの1つを含むことができる。
【0044】
内側パッド13と外側パッド14とは、内側パッド13と外側パッド14とを結ぶ線15で示すように、異なる高さに配置される。これは、人の足19の解剖学的状態、特に足首の内側16および外側17の解剖学的状態に対応する。これにより、内側パッド13の下端部が、シューズ18のソール10bから測定して24mmの高さに配置され、外側パッド14の下端部が、シューズ18のソールから測定して20mmの高さに配置される。他の実施形態において、パッドの高さは、シューズのタイプ、サイズ、用途などに応じて変化し得る。
【0045】
他の実施形態において、内側パッド13は、外側パッド14よりも少なくとも2mm上の高さに配置される。前額面で測定された高い内側パッド13と低い外側パッド14とによって生じるこのような特定の非対称性は、前額面における足19の安定性につながる。高い内側パッド13の配置によって、足19のひねり、特に内側11へのひねりを防ぐことができる。さらに、低い外側パッド14の配置により、競技者の足首17の外側および足首17の外側12が別の競技者の足または物によって負傷することを防ぐことができる。
【0046】
内側パッド13は、前額面で測定された垂直方向範囲13b、すなわち6mmの厚さを有し、外側パッド14は10mmの厚さを有する。さらなる実施形態において、内側パッド13および外側パッド14の厚さ13b、14bは、シューズのタイプに応じて変化し得る。一部の実施形態において、外側パッド14の厚さ14bは、内側パッド13の厚さ13bよりも少なくとも4mm大きい。内側パッド13および外側パッド14のこの特定の構成は、足を支え、ぴったりとしたフィットをさらに提供する。
【0047】
パッドは、パッドの下部から同パッドの上部まで水平面に垂直に定義された幅を有する。図1の例示的な実施形態において、内側パッド13は、前額面で測定された10mmの幅13aを有し、外側パッド14は、前額面で測定された12mmの幅14aを有する。他の実施形態において、内側パッド13および外側パッド14の幅13a、14aは、シューズのタイプに応じて変化し得る。一部の実施形態において、外側パッド14の幅14aは、内側パッド13の幅13aよりも少なくとも2mm大きい。内側パッド13および外側パッド14のこの特定の幅構成は、足19の前額面におけるさらなる安定性を提供する。
【0048】
さらに、図1に示すように、内側パッド13の体積は、外側パッド14の体積よりも小さい。体積が異なることにより、競技者は、特にランニング中に良好な支えおよび安定感を得る。
【0049】
矢状面におけるパッドの水平方向範囲、すなわちその長さは、図1には示されていないため、これらの態様を図2においてさらに詳細に説明する。
【0050】
図2は、サッカーシューズのアッパー20の実施形態を示す。他の実施形態において、アッパー20は、例えば、ラグビーシューズ用、ランニングシューズ用、ハイキングシューズ用、またはバスケットボールシューズ用などであってよい。アッパー20は、アッパー20の内側21に内側パッド23を含み、外側22に外側パッド24を含む。内側パッド23は平坦なj字ベース形状を有し、外側パッド24は平坦なu字ベース形状を有する。一般に、内側パッド23と外側パッド24とは、異なるベース形状を有していても、同じベース形状を有していてもよく、図2に示すものとは異なる形状を有していてもよい。
【0051】
図2の例示的な実施形態において、内側パッド23は、矢状面に沿ってアッパー20の後部23dから18mmの距離をおいて配置され、外側パッド24は、矢状面に沿ってシューズ18の後部24dから8mmの距離をおいて配置される。他の実施形態において、内側パッド23および外側パッド24の配置23d、24dは、シューズのタイプ、サイズ、用途などに応じて変化し得る。一部の実施形態において、内側パッド23は、外側パッド24、24dよりも少なくとも6mm、アッパー20の後部23dからさらに離れている。これにより、線25で示す、矢状面に沿った非対称性(図1に線15で示す足首の非対称性に対応する)が生じ、内側21へのひねり、およびアッパー20内で矢状面に沿って足が動き過ぎることをさらに防ぐ。したがって、線25で示す、矢状面に沿ったこの特定の非対称性は、前額面および矢状面においてシューズ内の足をさらに安定させる。
【0052】
内側パッド23は、完成したシューズアッパーの、すなわち、完成したシューズアッパーをソールに結合して完成したシューズを形成するときの、前額面で測定された10mmの幅23aを有し、外側パッド24は、前額面で測定された12mmの幅24aを有する。図2の例示的な実施形態において、内側パッド23は、アッパー20の下縁から測定された24mmの高さに配置され、外側パッド24は、アッパー20の下縁から測定された20mmの高さに配置される。本実施形態において、内側パッド23は、外側パッド24よりもアッパー20のカラー部分に近い。
【0053】
内側パッド23は、矢状面で測定された24mmの水平方向範囲23cを含み、外側パッド24は、矢状面で測定された22mmの水平方向範囲24cを含む。パッドの水平方向範囲は、パッドの長さとも呼ばれる。さらなる実施形態において、内側パッド23および外側パッド24の長さ23c、24cは、シューズのタイプ、サイズ、用途などに応じて変化し得る。一部の実施形態において、内側パッド23の長さ23cは、外側パッド24の長さ24cよりも少なくとも2mm大きい。アッパー20のこの特定の長さ構成は、矢状面および前額面に沿った足のさらなる安定性を提供する。したがって、完成したアッパー20内での足の内側21へのひねりおよび前後への動きを大幅に減らすことができる。内側パッド23は外側パッド24、24cよりも長い23cが、内側パッド23の体積は外側パッド24の体積よりも小さい。
【0054】
2次元上面図であるため、内側パッド23および外側パッド24の厚さは図2に示されていない。パッドからカラー部分までの距離により、前額面に沿った非対称性のみが認識可能である。したがって、これらの態様を図3に関してさらに詳細に説明する。
【0055】
図3は、本発明によるシューズ30の一部を示す。シューズ30は、内側31aに内側ポッド33を含み、外側32に外側ポッド34を含む。外側ポッド34は、内側ポッド33よりもシューズ30の後部近くまで延びる。さらに、外側ポッド34は、内側ポッド33の厚さ33bよりも大きい厚さ34bを有する。内側ポッド33は、シューズ30のソールから測定して、外側ポッド34よりも高い位置にある。内側ポッド33および外側ポッド34は発泡材料を含む。さらなる実施形態において、発泡材料は記憶発泡体を含むことができる。内側ポッド33および外側ポッド34のサイズは、シューズのタイプおよび用途に応じて変化し得る。一実施形態において、内側ポッド33が68mmの長さ33cを有し、外側ポッド34が62mmの長さ34cを有するランニングシューズが考慮される。さらに、内側ポッド33は10mmの幅33aを有し、外側ポッド34は14mmの幅34aを有する。さらに、内側ポッド33は8mmの厚さ33bを有し、外側ポッド34は10mmの厚さ34bを有する。例えばバスケットボールシューズまたはハイキングシューズなどの他のシューズタイプが考慮されるさらなる実施形態において、サイズは、本発明による内側ポッド33と外側ポッド34とのサイズ関係に関して変化し得る。
【0056】
内側ポッド33および外側ポッド34に発泡体が充填される。発泡体は、密度80kg/mのポリウレタン(PUR)発泡体から形成される。さらなる実施形態において、内側ポッド33と外側ポッド34とは異なる硬度を有していてもよい。本実施形態において、PUR発泡体は、高い反発性を有し、フィット性を向上させ、したがって、シューズ内での足の安定性およびエネルギー伝達を向上させる。他の実施形態において、ポッドは、反発がより小さく、したがって記憶特性が高く、着用者の足首に完全に合うように調整して履き心地を高めることができるようになっている。一般に、他の物に接触するポッドの動的相互作用特性は、シューズのタイプおよび用途に応じて変化し得る。さらなる実施形態において、内側ポッド33は、外側ポッド34とは異なる記憶特性および/または反発性を有していてもよい。
【0057】
内側ポッド33および外側ポッド34は、第1のダイおよび第2のダイを用いてエンボスプロセスで製造される。ダイの材料は、ポッドの好ましいデザインに応じて、銅、マグネシウム、または黄銅を含むことができる。さらなる実施形態において、第1のダイの材料は、第2のダイの材料とは異なっていてもよい。第1のダイの下部形状は、内側ポッド33または外側ポッド34の形状の上部に対応する。第2のダイの上面は、内側ポッド33および/または外側ポッド34の下部の形状に対応する凹部を有する。第1のダイおよび第2のダイは、発泡ポッドの正確なサイズに従って、意図したデザインにカスタマイズされる。本実施形態において、ポッドにPUR発泡体が充填される。したがって、PUR発泡体は、第1のダイと第2のダイとの間に配置され、その後、125℃の熱を加えることにより、エンボスプロセスが行われる。これにより、第1のダイおよび第2のダイと発泡体との間に、積層velvetexから構成されるベーカー(焼成剤)が使用される。
【0058】
追加の層を使用して、PUR発泡体を覆うことができる。好ましい実施形態において、追加の層は柔らかい触感の材料を含む。他の実施形態において、追加の層は、例えば繊維が一方向、好ましくはシューズの底部を向いた、滑りにくい面および/または粗面を有する材料を含むことができる。この層の材料の繊維構成は、材料と着用者の靴下との間のグリップをさらに強め、さらにシューズ内での足、特に踵の動きを最小限にする。好ましい実施形態において、追加の層は、エンボスプロセスにおいて、発泡体の一側、すなわち着用者の足に直接接触する側のみに配置される。さらなる実施形態において、追加の層を、シューズのアッパーに取り付けられる側に配置してもよい。他の実施形態において、追加の層の材料は、シューズアッパーのどちらの側に使用するかに応じて変化し得る。
【0059】
さらなる実施形態において、3次元構造体を形成するのに適した材料であれば、PUR発泡体以外の材料を使用してもよい。エンボスプロセスを施す前に、プレスする材料を第1のダイと第2のダイとの間に配置することができ、これは「クラムシェルプレス」と呼ばれる。さらなる実施形態において、エンボスプロセス中に材料を充填することもでき、材料はプレス機に充填されて他側から出る。これは「ストレートスタンププレス」と呼ばれる。材料の充填がローラを用いて実現される場合には、プロセスは「ロールプレス」と呼ばれる。エンボスプロセスの終了後、製造された内側ポッド33および外側ポッド34は、シューズ30に取り付けられる。
【0060】
別の実施形態において、ポッドに液体および/または気体を充填してもよい。これは、異なる製造プロセスで実現される。キャビティを有する上型および下型を使用する真空成形機が設けられる。これにより、製造されるポッドの形状は、下型のキャビティに対応し、これは3次元半円形であることが好ましい。さらなる実施形態において、形状は、足首を支え、足首に密着するのに適した形状、例えば、3次元j字状、3次元u字状、円環状などを含むことができる。第1のステップで、0.8mmの厚さを有する熱可塑性ポリウレタン(TPU)の第1のシートが、下型の上に配置される。さらなる実施形態において、シューズのタイプおよびポッドの目的に応じて、他の厚さを有する他の材料を使用することができる。第2のステップで、第1のシートが適切な成形温度に達して柔軟になるまで、熱が加えられる。第3のステップで、柔軟な第1のシートは真空に晒される。
【0061】
真空により、下型の柔軟な第1のシートは、下型のキャビティに向かって伸張する/引っ張られる。下型のキャビティに向かう効果的な引っ張りを実現するために、下型に微細な孔が設けられ、これらの孔は隙間に開けられる。これにより、第1のシートの適切なポッド状構造体が得られる。その後、下型に形成されたポッド状構造体は冷却される。第4のステップで、ポッド状構造体に、充填材料、好ましくはポリウレタン(PU)が注入および充填される。さらなる実施形態において、充填材料は、距骨の形状に適合し、これに密着するのに適した、他の液体(例えば、水のような液体、再生化合物など)または気体を含むことができる。次のステップで、注入および充填済みのポッド状構造体は、好ましくはTPUから形成された第2のシートで覆われる。さらなる実施形態において、第2のシートは、第1の材料とは異なる材料を含むことができる。その後、ポッド状構造体は、上型を下型にプレスすることによって密閉される。得られた充填済みポッドは、その後、50~60℃に加熱されたチャンバに24時間入れられる。加熱後、充填済みポッドの縁部を切り取り、切り落として、突出する材料および不均一な領域を縁部から除去するようになっている。完成した充填済みポッドは、その後、シューズのアッパーに取り付けられる。
なお、本発明には下記態様が含まれることを付記する。
[態様1]
シューズ(18)のアッパー(10a;20)であって、
a)前記アッパー(10a;20)の踵領域の内側部分に位置し、第1の形状を有する内側パッド(13;23)と、
b)前記アッパー(10a;20)の前記踵領域の外側部分に位置し、第2の形状を有する外側パッド(14;24)と
を含み、
c)前記第1の形状が前記第2の形状とは異なり、
d)前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも前記シューズ(18)のソール(10b)近くに配置され、
e)前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも前記シューズ(18)のアッパー(10a;20)の後部近くに配置される、シューズのアッパー。
[態様2]
前額面で測定された前記内側パッド(13;23)の水平方向範囲、すなわち、その厚さ(13b)が、前記外側パッド(14;24)の厚さ(14b)よりも小さい、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様3]
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記厚さ(13b、14b)の差が、少なくとも4mmである、態様2に記載のアッパー(10a;20)。
[態様4]
矢状面で測定された前記外側パッド(14;24)の水平方向範囲、すなわちその長さ(24c)が、前記内側パッド(13;23)の長さ(23c)よりも小さい、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様5]
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記長さ(23c、24c)の差が、少なくとも2mmである、態様4に記載のアッパー(10a;20)。
[態様6]
前額面で測定された前記外側パッド(14;24)の垂直方向範囲、すなわちその幅(14a;24a)が、前記内側パッド(13;23)の幅(13a;23a)よりも大きい、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様7]
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記幅(13a、14a;23a、24a)の差が、少なくとも2mmである、態様6に記載のアッパー(10a;20)。
[態様8]
前記内側パッド(13;23)の体積が、前記外側パッド(14;24)の体積とは異なる、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様9]
前記内側パッド(13;23)の前記体積が、前記外側パッド(14;24)の前記体積よりも小さい、態様8に記載のアッパー(10a;20)。
[態様10]
前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも少なくとも2mm、前記シューズ(18)のソール(10b)近くに配置される、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様11]
前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも少なくとも6mm、前記シューズ(18)のアッパー(10a;20)の後部近くに配置される、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様12]
前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)が発泡材料を含む、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様13]
前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)がポッドを含む、態様1に記載のアッパー(10a;20)。
[態様14]
前記ポッドに液体および/または気体が充填される、態様13に記載のアッパー(10a;20)。
[態様15]
シューズ(18)であって、
態様1に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)と、
前記アッパー(10a;20)に取り付けられたソール(10b)と
を含む、シューズ。
[態様16]
シューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法であって、
a)第1の形状を有する内側パッド(13;23)を、前記アッパー(10a;20)の踵領域の内側部分に配置するステップと、
b)前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する外側パッド(14;24)を、前記アッパー(10a;20)の前記踵領域の外側部分に配置するステップと、
c)前記外側パッド(14;24)を、前記内側パッド(13;23)よりも前記シューズ(18)のソール近くに配置するステップと、
d)前記外側パッド(14;24)を、前記内側パッド(13;23)よりも前記シューズのアッパー(10a;20)の後部近くに配置するステップと
を含む方法。
[態様17]
前額面で測定された前記内側パッド(13;23)の水平方向範囲、すなわち、その厚さ(13b)が、前記外側パッド(14;24)の厚さ(14b)よりも小さい、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様18]
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記厚さ(13b、14b)の差が、少なくとも4mmである、態様17に記載のシューズのアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様19]
矢状面で測定された前記外側パッド(14;24)の水平方向範囲、すなわちその長さ(24c)が、前記内側パッド(13;23)の長さ(23c)よりも小さい、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様20]
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記長さ(23c、24c)の差が、少なくとも2mmである、態様19に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様21]
前額面で測定された前記外側パッド(14;24)の垂直方向範囲、すなわちその幅(14a;24a)が、前記内側パッド(13;23)の幅(13a;23a)よりも大きい、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様22]
前記内側パッド(13;23)と前記外側パッド(14;24)との前記幅(13a、14a;23a、24a)の差が、少なくとも2mmである、態様21に記載のアッパー(10a;20)。
[態様23]
前記内側パッド(13;23)の体積が、前記外側パッド(14;24)の体積とは異なる、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様24]
前記内側パッド(13;23)の前記体積が、前記外側パッド(14;24)の前記体積よりも小さい、態様23に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様25]
前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも少なくとも2mm、前記シューズ(18)のソール(10b)近くに配置される、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様26]
前記外側パッド(14;24)が、前記内側パッド(13;23)よりも少なくとも6mm、前記シューズのアッパー(10a;20)の後部近くに配置される、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様27]
発泡材料を含む前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)を設けるステップをさらに含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様28]
ポッドを含む前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)を設けるステップをさらに含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様29]
ポッドに液体および/または気体を充填するステップをさらに含む、態様28に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様30]
キャビティを含む上型および下型を有する真空成形機を設けるステップと、
第1のシートを前記下型に配置するステップと、
前記下型の前記キャビティに加えられる真空を使用して、前記シートの一部を前記下型内に引っ張り、ポッド状構造体を得るステップと、
前記ポッド状構造体に充填材料を充填するステップと、
充填済みのポッド状構造体を第2のシートで覆うステップと、
前記上型を前記下型にプレスすることによって前記ポッド状構造体を密閉し、充填済みポッドを得るステップと
をさらに含む、態様28に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様31]
第1のダイおよび第2のダイを使用して、エンボスプロセスで前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)を形成するステップをさらに含み、
前記第1のダイの下部の形状が、前記第1の形状および/または前記第2の形状の上部に対応し、
前記第2のダイの上部が、前記第1の形状および/または前記第2の形状の下部の形状に対応する凹部を含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様32]
前記第1のダイおよび/または前記第2のダイの材料が、マグネシウムおよび/または銅および/または黄銅を含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様33]
前記エンボスプロセスを行う前に、前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(14;24)の材料を前記第1のダイと前記第2のダイとの間に配置するステップをさらに含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様34]
前記エンボスプレスを行う際に、前記内側パッド(13;23)および/または前記外側パッド(24;24)の材料を前記第1のダイと前記第2のダイとの間に充填するステップをさらに含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様35]
前記材料がローラによって充填される、態様34に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
[態様36]
前記エンボスプロセスが熱を加えることを含む、態様16に記載のシューズ(18)のアッパー(10a;20)を製造する方法。
【符号の説明】
【0062】
10a、20 アッパー
10b ソール
13、23 内側パッド
13a、14a、23a、24a、33a、34a 幅
13b、14b、33b、34b 厚さ
14、24 外側パッド
18、30 シューズ
23c、24c、33c、34c 長さ
33 内側ポッド
34 外側ポッド
図1
図2
図3