(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-31
(45)【発行日】2025-04-08
(54)【発明の名称】カートリッジを穿孔するように構成されたシーシャ装置
(51)【国際特許分類】
A24F 1/30 20060101AFI20250401BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20250401BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20250401BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20250401BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/10
A24F40/40
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2022531054
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(86)【国際出願番号】 IB2020061343
(87)【国際公開番号】W WO2021111308
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-11-08
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】パイネンバーグ ヨハネス ペトラス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ランディ ジョヴァンナ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0251718(US,A1)
【文献】特表2019-513376(JP,A)
【文献】特表2013-521961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーシャ装置であって、
液体を収容するように構成された内部容積を備えるベッセルであって、前記ベッセルが、入口および上部空間出口を備える、ベッセルと、
カートリッジを受容するためのレセプタクルであって、前記カートリッジが、エアロゾル形成基体を備える、レセプタクルと、
前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されたときに、前記カートリッジを加熱するように構成された発熱体と、
導管であって、前記導管を通って、発生したエアロゾルが前記入口を介して前記ベッセルに流れ得る、導管と、
前記カートリッジを穿刺するように構成された穿刺要素と、
前記穿刺要素に動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータの作動により、前記穿刺要素に前記カートリッジを穿刺させる、アクチュエータと、
前記アクチュエータに動作可能に結合されており、前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されるまで、前記アクチュエータが前記穿刺要素に前記カートリッジを穿刺させることを防止するように構成されたリリースと、を備
え、
前記レセプタクル内への前記カートリッジの挿入が、前記リリースを第1の位置から第2の位置へ移動させ、前記第1の位置にある前記リリースが、前記穿刺要素が前記カートリッジを穿刺することを防止し、前記第2の位置にある前記リリースが、前記穿刺要素が前記カートリッジを穿刺することを許可する、シーシャ装置。
【請求項2】
前記穿刺要素が、細長い要素を備え、前記アクチュエータの作動が、前記細長い要素を収縮位置から拡張位置へ移動させ、前記収縮位置から前記拡張位置への前記細長い要素の移動が、前記細長い要素に前記カートリッジを穿刺させる、請求項1に記載のシーシャ装置。
【請求項3】
前記リリースが、前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されるまで、前記アクチュエータが前記細長い要素を前記収縮位置から前記拡張位置へ移動させることを防止する、請求項2に記載のシーシャ装置。
【請求項4】
前記レセプタクル内への前記カートリッジの挿入が、前記第1の位置から前記第2の位置への前記リリースの移動を引き起こすように、前記リリースの少なくとも一部分が、前記レセプタクル内に延在している、請求項
3に記載のシーシャ装置。
【請求項5】
前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されているかどうかを検出するように構成されたセンサをさらに備え、前記センサは、前記リリースが、前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されていることを前記センサが検出するまで、前記アクチュエータが前記細長い要素を前記収縮位置から前記拡張位置へ移動させることを防止するように、前記リリースに動作可能に結合されている、請求項3に記載のシーシャ装置。
【請求項6】
前記センサおよび前記リリースに動作可能に結合されている、コントローラをさらに備える、請求項
5に記載のシーシャ装置。
【請求項7】
前記リリースが、モータを備え、前記コントローラが、前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されていることを前記センサが検出したときに、前記モータに前記穿刺要素を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させるように構成されている、請求項
6に記載のシーシャ装置。
【請求項8】
前記細長い要素が前記収縮位置にあるようにする位置に向かって前記アクチュエータを付勢させるために、前記アクチュエータに動作可能に結合されたばねをさらに備える、請求項2~
7のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項9】
カートリッジが前記レセプタクル内に受容されているかどうかを検出するように構成されたセンサをさらに備え、前記センサは、前記アクチュエータが、前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されていることを前記センサが検出するまで、前記穿刺要素に前記カートリッジを穿刺させることを防止するように、前記アクチュエータに動作可能に結合されている、請求項1に記載のシーシャ装置。
【請求項10】
前記穿刺要素が、細長い要素を備え、前記アクチュエータが、モータを備え、前記シーシャ装置が、前記センサおよび前記モータに動作可能に結合されているコントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記カートリッジが前記レセプタクル内に受容されていることを前記センサが検出したときに、前記モータを
動作させて、前記細長い要素を収縮位置から拡張位置へ移動させて、前記カートリッジを穿刺するように構成されている、請求項
9に記載のシーシャ装置。
【請求項11】
前記シーシャ装置が、前記レセプタクルによって受容されたカートリッジが穿刺されているかどうかを検出するように構成されたセンサを備え、前記シーシャ装置が、前記レセプタクル内に受容された前記カートリッジが穿刺されている場合に、前記アクチュエータが前記穿刺要素に前記カートリッジを穿刺させることを防止するように構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項12】
前記穿刺要素が、レーザーを備える、請求項1、
9、および
11のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項13】
前記発熱体が、前記カートリッジを受容するための前記レセプタクルの少なくとも一部分を形成する、請求項1~
12のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項14】
方法であって、
前記カートリッジを、請求項1~
13のいずれか一項に記載のシーシャ装置のレセプタクル内に挿入することと、
前記アクチュエータを作動して、前記穿刺要素に前記カートリッジを穿刺させることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル形成基体を収容するカートリッジに関し、より具体的には、エアロゾル発生装置の使用と関係付けられるカートリッジの穿孔に関する。
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、また消費者による吸入の前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成される。シーシャ装置は、1つの出口を含んでもよく、または2人以上の消費者によって同時に装置が使用されてもよいように2つ以上の出口を含み得る。シーシャ装置の使用は、一部の人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
典型的に、従来のシーシャは基体と組み合わせて使用され、当該技術分野では、水たばこ、たばこ糖蜜、または単に糖蜜と呼ばれる。従来のシーシャ基体は、糖分が比較的に高い(一部の事例では、可燃性紙巻たばこなどの従来のたばこ基体で典型的に見られる約20%と比較して最高約50%)。シーシャ装置で使用されるたばこは、例えば生成されるベイパーおよび煙の量を増やすために、または風味を変化させるために、またはその両方のために、他の成分と混合され得る。
【0004】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を加熱し、時には燃焼させて、ユーザが吸入するためのエアロゾルを発生させるために、木炭(木炭ペレットなど)を採用する。たばこを加熱するために木炭を使用することは、たばこまたは他の成分を全体的にまたは部分的に燃焼させる場合がある。追加的に、木炭は一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャのベイパーと混合する場合があり、かつ水盤を通過して出口に至る場合がある。
【0005】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を低減する1つの方法は、たばこではなくeリキッドを採用することである。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼副産物を除去するが、シーシャ消費者から従来のたばこ由来の体験を奪う。
【0006】
たばこを加熱するが燃焼させないように電気ヒーターを採用する他のシーシャ装置が提案されている。このような電気加熱非燃焼式シーシャ装置は、基体を燃焼することなく、基体からエアロゾルを生成するために十分な温度までたばこ基体を加熱し、ひいてはたばこの燃焼に伴う副産物を低減または除去する。
【0007】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジを採用し得る。カートリッジは、このようなエアロゾル形成基体で充填され得る。エアロゾル形成基体は、たばこ、好ましくはシーシャ基体、例えば糖蜜(たばこ、水、糖、他の成分(グリセリン、風味剤など)の混合物)を含み得る。電気加熱式シーシャ装置の加熱システムは、カートリッジの内容物を加熱してエアロゾルを発生させ、このエアロゾルは気流経路を通してユーザに運ばれる。
【0008】
カートリッジを通る気流およびカートリッジからのエアロゾルの流れを容易にするために、シーシャカートリッジは、1つ以上の壁を通る1つ以上の穴を有し得る。カートリッジは、上部に1つ以上の穴、または底部に1つ以上の穴、または上部の1つ以上の穴と底部の1つ以上の穴の両方を含み得る。代替的に、上部は開いていてもよく、すなわち、上部壁は部分的または完全に存在しなくてもよい。上部壁および底部壁における任意の穴または開口部は、保管中はフィルム、ステッカー、またはライナーなどの取り外し可能な(例えば、剥離可能な)密封層によって閉鎖されていてもよい。取り外し可能な層は、内容物(例えば、糖蜜)を空気および酸素への曝露から保護し得る。取り外し可能な層は、カートリッジの最初の使用前にユーザによって除去(例えば、引っ張る、または剥ぎ取る)され得る。
【0009】
カートリッジの穴または開口部は、密封されていないままの場合、漏れの問題だけでなく、基体の新鮮さ(例えば、含水量)の喪失または汚染につながる場合がある。新鮮さを維持するため、または基体の漏れを防止するため、または保管中に基体の品質および完全性を保つためなどの1つ以上の理由から、使用前に、またはカートリッジの全内容物が一度に使用されない場合、使用と使用の間に、カートリッジの開口または穴を閉じるか、またはシールすることが望ましい。
【0010】
一部のシーシャ装置は、カートリッジがシーシャ装置に挿入されて、1つ以上の穴を形成するときに、カートリッジを穿刺するように構成されている。穴のないシーシャカートリッジの貯蔵寿命は、穴がシールで覆われていても、穴のあるシーシャカートリッジの貯蔵寿命よりも長い傾向がある。
【0011】
しかしながら、シーシャ装置にシーシャカートリッジを挿入する際に穴を形成することは、欠点を有し得る。例えば、ユーザが、直ちにシーシャ装置および関連カートリッジを使用しないか、または基体を排出するための典型的な時間枠内にカートリッジ内のエアロゾル形成基体を排出しない場合、エアロゾル形成基体は、新鮮さを失い得るか、またはカートリッジの内容物が漏れ得る。カートリッジがシーシャ装置内にある間にカートリッジの内容物が漏れた場合、高糖含有量を含み得る漏れた内容物は、掃除が難しい場合があり、または装置を汚す場合がある。
【0012】
ユーザは、カートリッジをシーシャ装置内に挿入してもよく、いくつかの理由から、その装置をすぐには使用しない。例えば、ユーザは、後で使用するためにカートリッジを挿入したい場合がある。ユーザは、カートリッジを挿入し、異なる風味プロファイルを有するエアロゾル形成基体を有するカートリッジなど、異なるカートリッジ内容物を好むことを認識し得る。ユーザは、即時使用の意図でカートリッジを挿入してもよいが、使用前に気を散らす可能性がある。
【0013】
本開示の様々な実施形態は、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを穿刺するように構成されたシーシャ装置に関する。シーシャ装置は、カートリッジが装置のレセプタクル内に挿入されるまで、カートリッジの穿刺を防止するように構成されている。カートリッジの穿刺は、シーシャ装置のレセプタクルへのカートリッジの挿入とは別個のステップを必要とすることが好ましい。すなわち、シーシャ装置は、装置のレセプタクル内へのカートリッジの挿入が、より多くのものなしに、カートリッジを穿刺しないように、好ましくは構成されている。
【0014】
したがって、ユーザは、穿刺機構が作動されていない場合、新鮮さを失うことなく、または漏れが発生することなく、カートリッジおよび装置を将来の使用のために準備できるように、カートリッジをシーシャ装置内に挿入することができる。ユーザは、例えば、ユーザが、カートリッジが穿刺されることなく、使用したいカートリッジに関して自身の考えを変えた場合に、以前に挿入されたカートリッジをシーシャ装置から除去することができる。さらに、ユーザが、カートリッジを装置内に挿入した後に意図されるシーシャセッションを開始できない場合、ユーザは、カートリッジが新鮮な内容物を維持し、穿刺機構が後で作動されるまで漏れないことを確実にすることができる。したがって、カートリッジの内容物の鮮度が維持され得、装置の汚れが回避され得る。
【0015】
本開示によるシーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を備える、ベッセルを備え得る。ベッセルは、入口および上部空間出口を備え得る。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを受容するためのレセプタクルを備え得る。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクルに内に受容されて、エアロゾルを発生するときに、カートリッジを加熱するように構成された発熱体を備え得る。シーシャ装置は、導管であって、該導管を通って、発生したエアロゾルがベッセルの入口を介してレセプタクルからベッセルに流れ得る、導管を備え得る。シーシャ装置は、カートリッジを穿刺するように構成された穿刺要素を備える。シーシャ装置は、穿刺要素に動作可能に結合されたアクチュエータを備え得る。アクチュエータの作動により、穿刺要素がカートリッジを穿刺する場合がある。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジに穿刺させることを防止するように構成され得る。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内にすでに受容されている状態にあるまで、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止するように構成され得る。
【0016】
シーシャ装置は、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止する、リリースを備え得る。リリースは、機械的構成要素、電気機械的構成要素、および電気構成要素のうちの1つ以上を備え得る。電気リリースは、カートリッジがレセプタクルなどで受容されるかどうかに応じて、アクチュエータの作動を防止または許可するための制御電子機器および命令を備え得る。
【0017】
レセプタクル内へのカートリッジの挿入により、リリースを第1の位置から第2の位置まで移動させることができる。第1の位置では、リリースは、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止し得る。第2の位置では、リリースは、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを許可し得る。
【0018】
シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されているかどうかを検出するためのセンサを備え得る。カートリッジがレセプタクル内に受容されている場合、アクチュエータは、穿刺要素にカートリッジを穿刺させるように許可され得る。例えば、センサは、センサがレセプタクル内のカートリッジを検出しない限り、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止し得る、制御電子機器に動作可能に結合され得る。例えば、アクチュエータは、モータを備え得、制御電子機器は、センサがレセプタクル内のカートリッジを検出しない限り、モータの移動を防止するように構成され得る。別の実装例として、制御電子機器は、センサがレセプタクル内のカートリッジを検出しない限り、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止する、リリースに動作可能に結合され得る。
【0019】
本開示の実施形態によれば、シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を備える、ベッセルを備える。ベッセルは、入口および上部空間出口を備える。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを受容するためのレセプタクルと、カートリッジがレセプタクル内に受容されたときにカートリッジを加熱して、エアロゾルを発生させるように構成された発熱体と、導管であって、該導管を通って、発生されたエアロゾルが入口を介してベッセルに流れ得る、導管と、カートリッジを穿刺するように構成された穿刺要素と、穿刺要素に動作可能に結合されたアクチュエータと、をさらに備える。アクチュエータの作動により、穿刺要素がカートリッジを穿刺する。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止するように構成されている。
【0020】
シーシャ装置は、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止する、リリースを備え得る。リリースは、機械的構成要素、電気機械的構成要素、および電気構成要素のうちの1つ以上を備え得る。電気リリースは、カートリッジがレセプタクルなどで受容されるかどうかに応じて、アクチュエータの作動を防止または許可するための制御電子機器および命令を備え得る。
【0021】
シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されているかどうかを検出するためのセンサを備え得る。
【0022】
本開示の別の実施形態によれば、シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を備える、ベッセルを備える。ベッセルは、入口および上部空間出口を備える。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを受容するためのレセプタクルと、カートリッジがレセプタクル内に受容されたときにカートリッジを加熱して、エアロゾルを発生させるように構成された発熱体と、導管であって、該導管を通って、発生されたエアロゾルが入口を介してベッセルに流れ得る、導管と、カートリッジを穿刺するように構成された穿刺要素と、穿刺要素に動作可能に結合されたアクチュエータと、をさらに備える。アクチュエータの作動により、穿刺要素がカートリッジを穿刺する。発熱体は、カートリッジを受容するためのレセプタクルの少なくとも一部分を形成し得る。
【0023】
シーシャ装置は、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止する、リリース機構を備え得る。リリースは、機械的リリースおよび電気リリースのうちの1つまたは両方であり得る。電気リリースは、カートリッジがレセプタクルなどで受容されるかどうかに応じて、アクチュエータの作動を防止または許可するための制御電子機器および命令を備え得る。
【0024】
シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されているかどうかを検出するためのセンサを備え得る。
【0025】
本明細書で使用される用語は、本明細書に別段の定義がない限り、その一般的に受け入れられる定義を有することになる。
【0026】
「エアロゾル」という用語は本明細書では、気体中の固体粒子もしくは液滴の懸濁物、または気体中の固体粒子と液滴との組み合わせを指すために使用される。気体は空気であり得る。固体粒子または液滴は、1つ以上の揮発性風味化合物を含み得る。エアロゾルは、可視でも不可視でもよい。エアロゾルは、室温で通常は液体または固体である物質の蒸気を含み得る。エアロゾルは、固体粒子と組み合わせて、または液滴と組み合わせて、または固体粒子と液滴の両方と組み合わせて、室温で通常は液体または固体である物質の蒸気を含み得る。一部の実施形態では、エアロゾルはニコチンを含む。
【0027】
「エアロゾル形成基体」という用語は、本明細書で、エアロゾルを形成することができる1つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する材料を指すために使用される。一部の実施形態において、エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体の1つ以上の構成要素を揮発させ、エアロゾルを形成し得る。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合では、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出され得る。エアロゾル形成基体は、カートリッジ内部に配置され得る。エアロゾル形成基体は、固体もしくは液体であり得、または固体成分と液体成分の両方を含み得る。エアロゾル形成基体は、担体または支持体上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填され得る。エアロゾル形成基体は、ニコチンを含み得る。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、たばこを含み得る。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含み得る。別の方法として、エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含み得る。
【0028】
「一体型の」および「一体的に形成された」という用語は本明細書において、一体品(単一の分解できないもの)に形成されている要素を説明するために使用される。一体型または一体的に形成された構成要素は、その一体品に構造的な損傷を引き起こすことなく、互いから分離可能に取り外すことができないように構成され得る。
【0029】
また本明細書で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「または」は一般的に、「一方、またはもう一方、または両方」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0031】
「約」という用語は本明細書では、当業者によって予想される通りの測定値の通常の変動を含むように数値と併せて使用され、かつ「およそ」と同じ意味を有すると理解される。「約」という用語は、典型的な誤差の範囲を網羅すると理解される。典型的な誤差の範囲は、例えば、示された値の±5%であり得る。
【0032】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」、およびこれに類するものは、「からなる(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0033】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一の状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0034】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、修飾する後続の用語の意味の度合いが少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%であると理解され得る。「実質的に~ではない」という用語は、本明細書で使用される場合、「実質的に」と逆の意味(すなわち、後続の用語を10%以下、5%以下、または2%以下だけ修飾する)を有すると理解され得る。
【0035】
「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなどの、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されるが、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および配向で使用され得る。
【0036】
任意の好適なシーシャカートリッジは、本開示に記述されるシーシャ装置とともに使用され得る。カートリッジは、空洞を画定する本体を備え得る。エアロゾル形成基体は、カートリッジの空洞の中に配置され得る。本体は、1つ以上の耐熱性材料で形成され得る。本体は、耐熱性金属またはポリマーから形成され得る。本体は、熱伝導性材料を含み得る。例えば、本体はアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、それらの任意の合金、およびそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。本体は、アルミニウムを含むことが好ましい。
【0037】
カートリッジは、任意の好適な形状であり得る。例えば、カートリッジは、シーシャ装置によって受容されるように構成された形状を有し得る。カートリッジは、実質的に立方体の形状、円筒状の形状、円錐台状の形状、または任意の他の好適な形状を有し得る。カートリッジは、略円筒形状または略円錐台形状を有することが好ましい。
【0038】
シーシャ装置は、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。装置は、伝導によって、カートリッジ中でエアロゾル形成基体を加熱するように構成され得るカートリッジは、シーシャ装置の発熱体と接触できるようにする、またはシーシャ装置の発熱体からの距離を最少化するような形状にされ、かつサイズ設定されることが好ましい。有利なことに、これは、発熱体からカートリッジ内のエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を提供し得る。熱は、抵抗加熱によって、または誘導によって、または抵抗加熱と誘導との組み合わせによってなど、任意の好適な機構によって発生し得る。誘導加熱を容易にするために、カートリッジにはサセプタが提供され得る。例えば、カートリッジ本体は、サセプタとして機能を果たすことができる材料(例えば、アルミニウム)から作製され得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、サセプタ材料は、カートリッジの空洞内に提供され得る。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片など)でカートリッジの空洞内に提供され得る。
【0039】
任意の好適なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞中に提供され得る。エアロゾル形成基体は、好ましくは揮発性化合物を放出することができる基体である。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成し得る化合物を放出することができる基体であることが好ましい。揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出され得る。揮発性化合物は、化学反応によって、または超音波などの機械的刺激によって放出され得る。エアロゾル形成基体は、固体もしくは液体であり得、または固体成分と液体成分の両方を含み得る。エアロゾル形成基体は、担体または支持体上に吸着、被覆、含浸またはその他の方法で装填され得る。
【0040】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含み得る。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスを含み得る。エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことが好ましい。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含み得る。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成され得る。エアロゾル形成基体は、別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含み得る。エアロゾル形成基体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体を含み得る。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含み得る。エアロゾル形成基体は、シーシャ基体であることが好ましい。シーシャ基体は、シーシャ装置での使用に好適な消耗品材料を意味すると理解される。シーシャ基体は、糖蜜を含み得る。
【0041】
エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの1つ以上を含み得る。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの1つ以上を含有し得る。
【0042】
エアロゾル形成基体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体を含み得る。好適なエアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にする、かつシーシャ装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、任意の好適な量のエアロゾル形成体を含み得る。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であり得、乾燥重量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であり得る。エアロゾル形成体含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0043】
エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも1つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態において、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンおよび1つ以上の他の好適なエアロゾル形成体(上記のものなど)の混合物である。
【0044】
エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤、甘味料など)を含み得る。一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、任意の好適な量の1つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、転化糖を含むことが好ましい。転化糖は、スクロースを分割することによって得られたグルコースおよびフルクトースの混合物である。エアロゾル形成基体は、約1重量%~約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例において、1つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの好適な担体と混合され得る。
【0045】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は、1つ以上の感覚促進剤を含む。好適な感覚促進剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。好適な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0046】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、糖蜜を含み得る。本明細書で使用される「糖蜜」とは、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、糖蜜は、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含み得る。典型的に、糖蜜は、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0047】
任意の好適な量のエアロゾル形成基体(例えば、糖蜜またはたばこ基体)を空洞の中に配置し得る。一部の好ましい実施形態において、約3g~約25gのエアロゾル形成基体が空洞の中に配置されている。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含み得る。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含み得る。約7g~約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されていることが好ましい。
【0048】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋され得る。「熱的に安定な」という用語は本明細書において、基体が典型的に加熱される温度(例えば、約150℃~約300℃)で実質的に劣化しない材料を示すために使用される。担体は、第1の主表面上に、または第2の主外表面上に、または第1の主表面と第2の主表面の両方上に基体が堆積された薄層を備え得る。担体は、例えば、紙もしくは紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔、もしくは任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成され得る。別の方法として、担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布または繊維の束とし得る。不織布または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含み得る。
【0049】
カートリッジの本体は、1つ以上の壁を含み得る。一部の実施形態では、本体は、上部壁、底部壁、および側壁を含む。側壁は、底部から上部へと延在している、円筒形または円錐台形であり得る。本体は、1つ以上の部品を含み得る。例えば、側壁および底部壁は、一体型の単一部品であり得る。側壁および底部壁は、任意の好適な様態で互いに係合するように構成された2つの部品であり得る。例えば、側壁および底部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成され得る。側壁および底部壁は、一緒に結合された2つの部品であり得る。例えば、側壁および底部壁は、溶接によって、または接着剤によって一緒に結合され得る。上部壁および側壁は、単一の一体型の部品であり得る。側壁および上部壁は、任意の好適な様態で互いに係合するように構成された2つの部品であり得る。例えば、側壁および上部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成され得る。側壁および上部壁は、一緒に結合された2つの部品であり得る。例えば、側壁および上部壁は、溶接によって、または接着剤によって一緒に結合され得る。上部壁、側壁、および底部壁はすべて、単一の一体型の部品であり得る。上部壁、側壁、および底部壁は、任意の好適な様態で互いに係合するように構成された3つの別個の部品であり得る。例えば、上部壁、側壁、および底部壁は、螺合、締まり嵌め、溶接、または接着剤によって互いに係合するように構成され得る。
【0050】
本体の1つ以上の壁は、加熱可能な壁または表面を形成し得る。本明細書で使用される「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかで熱が加えられてもよい壁または表面の区域を意味する。加熱可能な壁または表面は熱伝達表面として機能し得、この表面を通して熱が本体の外側から、空洞または空洞の内部表面に伝達され得る。
【0051】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さ(例えば、垂直中心軸に沿った軸長さ)を有することが好ましい。一部の実施形態において、本体は約10cm以下の長さを有する。本体は約1cm以上の内径を有し得る。本体の内径は、約1.75cm以上であり得る。カートリッジは空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約25cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有し得る。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であり得、好ましくは、約25cm3~約40cm3であり得る。一部の実施形態において、本体は約3.5cm~約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は、約1.5cm~約4cmであり得る。本体は空洞中に、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有し得る。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であり得、好ましくは、約25cm3~約40cm3であり得る。本体は円筒形または円錐台形であることが好ましい。
【0052】
カートリッジ本体は、本体の1つ以上の壁を通る1つ以上の開口部または通気孔を含み得る。通気孔は、入口、出口、またはその両方であり得る。通気孔は、カートリッジの底部壁に、上部壁に、側面に、またはこれらの組み合わせに配置され得る。カートリッジ本体は、シーシャ装置の穿刺要素によって穿刺される前に、いかなる開口部または通気孔も含まないことが好ましい。穿刺要素は、カートリッジに複数の開口部または通気穴のうちの1つを導入し得る。
【0053】
カートリッジ本体は、シーシャ装置の穿刺要素によって穿刺される前に、1つ以上の開口部または通気穴を備え得る。穿刺要素によって穿刺された後、カートリッジは、1つ以上の追加的な開口部を備え得る。
【0054】
カートリッジの穿刺の後、カートリッジは、1つ以上の入口および1つ以上の出口を含み得る。1つ以上の入口および1つ以上の出口は、カートリッジがシーシャ装置で使用されるときに、空気がエアロゾル形成基体を通して流れることを可能にする。一部の実施形態では、カートリッジの上部壁は、存在しなくてもよいか、またはカートリッジの1つ以上の入口を形成するために1つ以上の開口部を画定し得る。カートリッジの底部壁は、カートリッジの1つ以上の出口を形成するための1つ以上の開口部を画定し得る。
【0055】
シーシャ装置の穿刺要素によって形成される1つ以上の開口部は、存在する場合、穿刺要素によって穿刺する前にカートリッジ内に存在する開口部とともに、カートリッジを通して引き込む(RTD)のに適した抵抗を提供するようにサイズ設定および成形された1つ以上の入口および出口を形成し得る。一部の実施例において、入口(複数可)から出口(複数可)へのカートリッジを通したRTDは、約10mmH2O~約50mmH2Oであり得、好ましくは約20mmH2O~約40mmH2Oであり得る。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流によって横断されたときの、試料の2つの端の間の静圧の差を指す。標本のRTDは、ISO規格6565:2002に記載の方法を使用して測定し得る。
【0056】
本体上の1つ以上の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の5%以上、10%以上、15%以上、または20%以上、または25%以上を覆い得る。例えば、開口部が上部壁上にある場合、開口部は、上部壁の面積の少なくとも5%を覆い得る。本体上の1つ以上の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を覆い得る。
【0057】
カートリッジが、シーシャ装置の貫通要素で貫通される前に、何らかの開口部または通気穴を含む場合、カートリッジは、使用前に開口部または通気穴を覆う密封または層をさらに含み得る。密封は、カートリッジの内容物の漏れを防止するため、および貯蔵寿命を延ばすために、開口部または通気穴を通る気流を防止するのに十分であることが好ましい。シールは、ステッカー、箔、またはこれに類するものの剥離可能なラベルを備え得る。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、または別の方法で容器に接合されるなど、任意の好適な様態でカートリッジに貼り付けられてもよい。シールは、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持され得る、タブを含み得る。
【0058】
カートリッジは、任意の好適なシーシャ装置とともに使用され得るシーシャカートリッジであり得る。シーシャ装置は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを形成するためにカートリッジ中のエアロゾル形成基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼しないように構成されていることが好ましい。エアロゾルは、エアロゾル形成基体の1つ以上の構成要素を揮発させることによって、エアロゾル形成基体から形成され得る。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体の1つ以上の構成要素を揮発させるために、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃の範囲の温度に加熱するように、より好ましくは約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度に加熱するように構成され得る。
【0059】
シーシャ装置は、カートリッジを受容するためのレセプタクルを含み得る。シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクルの中に受容されているときにカートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を含み得る。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部を形成し得る。例えば、発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成し得る。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体から空洞中のエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成され得る。一部の実施形態において、発熱体は、電気発熱体を含む。一部の実施形態において、発熱体は、抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、1つ以上の抵抗性ワイヤまたは他の抵抗要素を含み得る。抵抗性ワイヤは熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い区域にわたって配分し得る。好適な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成し得る。
【0060】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に結合された制御電子機器を含み得る。制御電子機器は、発熱体の加熱を制御するように構成され得る。制御電子機器は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成され得る。制御電子機器は、任意の好適な形態で提供され得、例えば、コントローラ、またはメモリおよびコントローラを含み得る。コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの1つ以上を含み得る。制御電子機器は、回路の1つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含み得る。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの1つ以上として具現化され得る。
【0061】
電子回路は、マイクロプロセッサを含み得、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであり得る。電子回路は、電力の供給を調節するように構成され得る。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給され得る。
【0062】
一部の実施例において、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成され得る。このようにして、制御電子機器は、抵抗要素の温度を調節し得る。
【0063】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサを含み得る。温度センサは、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に結合され得る。温度センサは、任意の好適な場所に位置付けられ得る。例えば、温度センサは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、レセプタクル内に受容されたときにカートリッジの中に挿入されるように構成され得る。加えて、または別の方法として、温度センサは発熱体と接触し得る。加えて、または別の方法として、温度センサは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分での温度を検出するように位置付けられてもよい。センサは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信し得る。制御電子機器は、センサで好適な温度を達成するために、信号に応答して発熱体の加熱を調整し得る。
【0064】
制御電子機器は、電源に動作可能に結合され得る。シーシャ装置は、任意の好適な電源を含み得る。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であり得る。電源の電池は、再充電可能、取り外し可能、および交換可能のうちの1つ以上であり得る。任意の好適な電池が使用され得る。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力であり得る。別の方法として、組立品は、外部電力供給源に接続され得、このような目的のために電気的および電子的に設計され得る。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される前に、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一回のシーシャセッションの間に組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電される前に、または外部電力供給源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0065】
一実施例において、シーシャ装置は、カートリッジレセプタクルを含むエアロゾル発生要素と、発熱体と、エアロゾル出口と、空気入口とを含む。カートリッジレセプタクルは、エアロゾル形成基体を収容するカートリッジを受容するように構成されている。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部を画定し得る。
【0066】
シーシャ装置は、レセプタクルと流体接続している空気入口チャネルを含む。使用時、カートリッジ内部のエアロゾル形成基体が加熱されると、基体中のエアロゾル形成体構成成分は気化する。カートリッジを通して空気吸込み口チャネルから流れる空気は、カートリッジ中のエアロゾル形成体構成成分から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0067】
一部の電気加熱式シーシャ装置は、予熱された空気を採用し、かつ気流経路を典型的に採用し、これによって吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動する。さらに、一部の電気加熱式シーシャ装置は、加熱される表面積を増大することによって放射熱伝達を増大させる要素を採用する。
【0068】
空気入口チャネルは、カートリッジレセプタクルを通る1つ以上の開口を含み得る。シーシャ装置の外部からの空気は、チャネルを通り、1つ以上の開口を通ってカートリッジレセプタクル内に流れ得る。チャネルは2つ以上の開口を含む場合、マニホールドを含み得る。マニホールドは、チャネルを通って流れる空気を各開口に方向付け得る。シーシャ装置は、2つ以上の空気吸込み口チャネルを含むことが好ましい。
【0069】
上述のように、シーシャ装置は、カートリッジを穿刺して、カートリッジの本体内に1つ以上の開口部(入口、出口、または入口および出口など)を形成して、空気がカートリッジを通って流れることを可能にするように構成された穿刺要素を含む。穿刺要素は、アクチュエータに動作可能に結合され得る。アクチュエータの作動により、穿刺要素がカートリッジを穿刺する。シーシャ装置は、シーシャ装置がレセプタクル内に受容されるまで、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止するように構成されていることが好ましい。好ましくは、アクチュエータの作動は、カートリッジをレセプタクル内に挿入する、またはカートリッジがレセプタクル内に受容されたらリッドまたはカバーを閉じるステップとは別個のステップである。
【0070】
シーシャ装置は、任意の好適な穿刺要素を備え得る。例えば、穿刺要素は、カートリッジの本体を機械的に穿刺し得ること、カートリッジの本体にエネルギーを集中させることによって、カートリッジの本体を穿刺し得ることなどを行う。例えば、穿刺要素は、カートリッジの本体を穿刺するための先細りの端部を備える、細長い要素を備え得、穿刺要素は、エネルギーを生成し、カートリッジの本体の1つ以上の位置でエネルギーを集中させて、開口部を形成するためのレーザーまたは他の好適な要素を備え得、穿刺要素は、カートリッジの所定の熱不安定位置でカートリッジの本体の開口部の形成を可能にするようにカートリッジを加熱し得るなどである。
【0071】
カートリッジが、カートリッジが加熱されたときに本体内の開口部を形成する素因となるように製造される場合、シーシャ装置の発熱体は、穿刺要素として役立ち得る。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部分を形成することが好ましい。
【0072】
本体の1つ以上の位置でエネルギーを生成および集中するように構成された穿刺要素は、光源などのエネルギー源を備え得る。こうした穿刺要素は、供給源から放射されるエネルギーをカートリッジの本体の1つ以上の位置に集中させるための1つ以上の適切なレンズを備え得る。例えば、穿刺要素は、レーザーを備え得る。エネルギー源は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に結合され得る。アクチュエータはまた、制御電子機器に動作可能に結合され得る。アクチュエータの作動は、制御電子機器にエネルギー源を作動させ得る。
【0073】
機械的に穿刺するように構成された穿刺要素は、先細りの端部を有する細長い要素を備え得る。細長い要素は、アクチュエータに動作可能に結合され得る。アクチュエータの作動により、先細りの端部がカートリッジを穿刺して、カートリッジの本体内に1つ以上の開口部が形成され得る。
【0074】
例えば、アクチュエータの作動は、細長い要素を収縮位置から拡張位置へ移動させ得る。収縮位置から拡張位置への細長い要素の移動は、細長い要素にカートリッジを穿刺させ得る。シーシャ装置は、細長い要素が収縮位置にあるようにする位置に向かってアクチュエータを付勢させるために、アクチュエータに動作可能に結合されたばねをさらに備え得る。
【0075】
シーシャ装置は、穿刺要素に動作可能に結合された任意の好適なアクチュエータを備え得る。アクチュエータは、トグル、ボタン、スライドなどを備え得る。アクチュエータは、穿刺要素を作動するために特別に設計されたシーシャ装置の別個の要素であることが好ましい。
【0076】
一部の実施形態では、アクチュエータの移動は、穿刺要素の移動を引き起こす。例えば、アクチュエータは、押下げ可能なボタンを備え得る。ボタンを押すと、例えば、細長い要素を収縮位置から拡張位置に移動させることによって、穿刺要素がカートリッジを穿刺するように、細長い要素などの穿刺要素の移動が引き起こされ得る。ばねは、ボタンに動作可能に結合されて、ボタンが押下されていないときに収縮位置にある細長い要素をもたらす位置に向かってボタンを付勢することができる。
【0077】
一部の実施形態では、アクチュエータは、制御電子機器に動作可能に結合されており、穿刺要素に結合され得る。例えば、制御電子機器は、例えば、細長い要素を収縮位置から拡張位置に移動させることによって、穿刺要素がカートリッジを穿刺するように、細長い要素などの穿刺要素を移動させるように構成されたモータに動作可能に結合され得る。モータはまた、カートリッジが穿刺された後、細長い要素を拡張位置から収縮位置に移動させ得る。別の実施例として、制御電子機器は、放出されたエネルギーをカートリッジの本体の位置に方向付けるように構成された、レーザーなどの穿刺要素のエネルギー源に動作可能に結合され得る。さらに別の実施例として、制御電子機器は、カートリッジの本体の熱不安定部分に開口部を形成するように構成された発熱体に動作可能に結合され得る。例えば、トグルを切り替える、ボタンを押す、スライドを摺動させるなどのアクチュエータの作動は、制御電子機器が、モータが細長い要素を移動させること、エネルギー源を作動させること、発熱体を加熱させること等を引き起こすことをもたらし得る。
【0078】
シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止するように構成されたリリースを備え得る。本開示で使用されるように、「リリース」は、アクチュエータの作動が、穿刺要素がカートリッジを穿刺することを引き起こすことを防止する、機構である。任意の好適な機構が採用され得る。例えば、リリースは、電気構成要素、機械的構成要素、または電気機械構成要素のうちの1つ以上を備え得る。
【0079】
穿刺要素が、収縮位置から、カートリッジを穿刺する拡張位置へと移動する、細長い要素を備える一部の実施形態では、リリースは、カートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、アクチュエータが細長い要素の収縮位置から拡張位置への移動を防止する、機械的機構を備える。例えば、レセプタクル内へのカートリッジの挿入により、リリースの要素を第1の位置から第2の位置まで移動させることができる。第1の位置にあるリリースの要素は、アクチュエータが細長い要素を収縮位置から拡張位置に移動させることを防止し得る。第2の位置のリリースの要素は、アクチュエータが細長い要素を収縮位置から拡張位置に移動させることを許可し得る。リリースは、レセプタクル内へのカートリッジの挿入が、リリース要素の移動が第1の位置から第2の位置に移動させることを引き起こすように、レセプタクル内に延在している、機械的リリース要素を備え得る。
【0080】
リリースは、モータを備え得る。例えば、モータは、穿刺要素がカートリッジを穿刺することを防止する、機械的要素に動作可能に結合され得る。機械的要素は、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺することを引き起こすことを防止する方法で、アクチュエータ、穿刺要素、または他の好適な要素と接触し得る。
【0081】
シーシャ装置の制御電子機器は、リリースとして機能し得る。例えば、制御電子機器は、細長い要素を含む穿刺要素などの、穿刺要素に動作可能に結合されたモータに動作可能に結合され得る。制御電子機器は、カートリッジがレセプタクル内に受容されたときにモータの作動を防止するように構成され得る。別の実施例として、制御電子機器は、エネルギー源または発熱体を備える、穿刺要素に動作可能に結合され得、カートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、エネルギー源または発熱体の作動を防止するように構成され得る。
【0082】
シーシャ装置は、カートリッジがレセプタクル内に受容されるかどうかを決定するための1つ以上のセンサを含み得る。センサは、制御電子機器に動作可能に結合され得、これは、センサが、カートリッジがレセプタクル内に受容されていることを検出するまで、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止し得る。
【0083】
シーシャ装置は、受容されたカートリッジがすでに消費されたかどうかを検出するセンサを随意に備え得、センサが、カートリッジが消費されたことを検出すると、アクチュエータが穿刺要素にカートリッジを穿刺させることを防止し得る。したがって、以前に穿刺されていない未使用のカートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、穿刺要素の作動が防止され得る。
【0084】
任意の好適なセンサを採用して、カートリッジがレセプタクル内に受容されているかどうか、または未使用のカートリッジがレセプタクル内にあるかどうかを検出し得る。例えば、センサは、光学センサ、気流センサ、静電容量センサ、誘導センサなどを含み得る。
【0085】
使用中、および穿刺要素によって穿刺された後、カートリッジは、空気がカートリッジを通って流れることを可能にするために、本体内に形成された1つ以上の開口部(入口、出口、または入口および出口など)を含む。カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体にわたって、またはエアロゾル形成基体を通って、またはエアロゾル形成基体にわたってかつそれを通って流れ、エアロゾルを同伴し、エアロゾル出口を経由してカートリッジおよびレセプタクルを出てもよい。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0086】
シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルよりも上にある上部空間中に出口を画定する、任意の好適なベッセルを含み得る。ベッセルは、ベッセル中に収容された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを含み得る。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を含み得る。ベッセルのハウジングは、任意の好適な材料で形成され得る。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を含み得る。好ましくは、ベッセルは、消費者がベッセルを充填する、空にする、または洗浄することを可能にするように、エアロゾル発生要素を含むシーシャ組立品の一部分から取り外し可能である。
【0087】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填され得る。液体は水を含むことが好ましく、これには1つ以上の着色剤、または風味剤、または着色剤と風味剤が随意に注入され得る。例えば、水には植物の浸出液と薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入され得る。
【0088】
レセプタクルのエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセルの中に位置付けられた導管を通って移動し得る。ベッセルを通って流れるエアロゾルが、消費者への送達のために、導管の開口部を通った後、液体を通って、ベッセルの上部空間の中に入り、上部空間出口を通って出るように、導管はエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に結合され得、またベッセルの液体充填レベルの下に開口部を有し得る。
【0089】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに結合され得る。マウスピースは、ユーザによって作動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザの吸煙を検出するように配設された吸煙センサ、またはユーザによって作動可能なスイッチと吸煙センサの両方などの作動要素を含み得る。作動要素は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に結合されている。作動要素は、制御電子機器に無線で結合され得る。作動要素の作動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体を作動させ得る。その結果、作動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定した加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0090】
例示の目的のために、本明細書に記載の通りのシーシャ装置を使用するための1つの方法が下記に、時系列で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外されて、水で充填され得る。天然果汁、植物浸出液、および薬草浸出液のうちの1つ以上が、風味付けのために水に添加され得る。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルのマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み立てられる。カートリッジは、任意の取り外し可能な層(存在する場合)を除去することによって準備され得る。エアロゾル発生要素の一部分は、カートリッジをレセプタクルの中に挿入することを可能にするように取り外され得るか、または開かれ得る。その後、エアロゾル発生要素は再び組み立てられるか、または閉じられる。
【0091】
アクチュエータは、例えば、スイッチをトグルすること、ボタンを押すこと、スライドを摺動させること等によって、ユーザにより作動され得る。一部の実施形態では、アクチュエータは、カートリッジがレセプタクル内に受容されていることの検出時に、装置の制御電子機器によって作動され得る。カートリッジが閉レセプタクル内に受容される場合、アクチュエータの作動により、穿刺要素がカートリッジを穿刺して、カートリッジの本体内に1つ以上の開口部が形成される。
【0092】
次に、必要に応じて、アクチュエータの作動の前または後に、装置の電源を入れてもよい。装置をオンにすることは、エアロゾル形成基体の気化温度以上であるが燃焼温度未満の温度にエアロゾル形成基体を加熱するための、発熱体の加熱プロファイルを開始し得る。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成化合物は気化し、エアロゾルを発生させる。ユーザは、所望の通りにマウスピースを吸煙し得る。ユーザは、所望の長さの時間にわたって、またはエアロゾルが見えなくなるまで、もしくは送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態において、カートリッジ、またはカートリッジの区画の使用可能なエアロゾル形成基体が枯渇したときに、装置は自動的に停止するように配設され得る。一部の実施形態では、消費者は、例えばカートリッジ中のエアロゾル形成基体が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受信した後、装置を新しいカートリッジで再充填し得る。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにし得る。
【0093】
シーシャ装置は、任意の好適な空気管理を有し得る。一実施例において、ユーザからの吸煙動作は、吸込み効果を作り出して、装置内部に低圧を引き起こす、これは外部の空気を装置の空気入口を通じて、空気入口チャネルおよびレセプタクルの中に流れさせる。空気はその後、レセプタクル内のカートリッジを通って流れることができ、エアロゾル形成基体から生成されたエアロゾルに同伴され得る。同伴されたエアロゾルを含む空気はその後、レセプタクルのエアロゾル出口を出て、導管を通ってベッセル内部の液体に流れる。エアロゾルはその後、泡になって液体から出て、ベッセルの中の液体のレベルよりも上にある上部空間の中に入り、上部空間出口を出て、消費者への送達のためにホースおよびマウスピースを通る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内部のエアロゾルの流れは、ユーザからの吸煙の動作によって駆動され得る。
【0094】
ここで、本開示に記載の1つ以上の実施形態を図示する図面を参照する。しかし当然のことながら、図面に図示されていない他の実施形態は、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用されている類似の番号は、類似の構成要素を指す。異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同一または同様であることはできないと示すことを意図しない。図は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図2A】穿刺要素の実施形態を示すためにいくつかの構成要素を示す、シーシャ装置の概略断面図である。
【
図2B】穿刺要素の実施形態を示すためにいくつかの構成要素を示す、シーシャ装置の概略断面図である。
【
図3】制御電子機器に動作可能に結合された異なる穿刺要素を有する、シーシャ装置の概略図である。
【
図4】制御電子機器に動作可能に結合された異なる穿刺要素を有する、シーシャ装置の概略図である。
【
図5】制御電子機器に動作可能に結合された異なる穿刺要素を有する、シーシャ装置の概略図である。
【
図6A】リリースを備えるシーシャ装置のレセプタクルの実施形態を示す概略図である。
【
図6B】リリースを備えるシーシャ装置のレセプタクルの実施形態を示す概略図である。
【
図7A】リリース、アクチュエータ、および穿刺要素の実施形態のいくつかの構成要素を示す概略図である。
【
図7B】リリース、アクチュエータ、および穿刺要素の実施形態のいくつかの構成要素を示す概略図である。
【0096】
図1は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ液体19の充填レベルよりも上にある上部空間出口15を画定する、ベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、この水には1つ以上の着色剤、または1つ以上の風味剤、または1つ以上の着色剤と1つ以上の風味剤が随意に注入され得る。例えば、水には植物の浸出液と薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入され得る。
【0097】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130を含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジ200を受容するように構成されたレセプタクル140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、発熱体160を含み得る。発熱体160は、レセプタクル140の少なくとも1つの表面を形成し得る。図示した実施形態において、発熱体160は、レセプタクル140の側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、空気を装置100の中に引き込む空気入口チャネル170を含む。一部の実施形態において、空気入口チャネル170の部分は、空気がレセプタクル140に入る前に空気を加熱するために、発熱体160によって形成される。予熱された空気はその後、カートリッジ200に入り、それはまた、発熱体160によって加熱され、エアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、導管190に入る。
【0098】
導管190は、液体19のレベルよりも下のベッセル17の中に空気およびエアロゾルを搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、ベッセル17の上部空間出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザの口に搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25は、ホース20に取り付けられてもよいか、またはその一部を形成し得る。
【0099】
使用時における装置の例示的な気流経路は、
図1に太い矢印で図示されている。
【0100】
マウスピース25は、作動要素27を含み得る。作動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであり得るか、または吸入センサもしくはこれに類するものであり得る。作動要素27は、装置100の任意の他の好適な場所に定置され得る。作動要素27は制御電子機器30と無線通信して、例えば電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子機器に発熱体160を作動させ得る。
【0101】
制御電子機器30および電源35は、
図1に図示された通りの要素130の底部部分以外の場所を含む、エアロゾル発生要素130の任意の好適な位置に位置し得る。
【0102】
シーシャ装置100は、使用前にカートリッジ200を穿刺するための穿刺要素(
図1には示さず)に動作可能に結合された、押し込みボタンなどのアクチュエータ300を含む。
【0103】
図2Aおよび
図2Bは、穿刺要素400の実施形態を示している。穿刺要素400は、アクチュエータ300に動作可能に結合されている。アクチュエータ300は、穿刺要素400のプラットフォーム330に結合された細長いロッドを備える、ボタンである。アクチュエータ300は、シーシャ装置100のハウジング105内の開口部を通って延在している。
【0104】
穿刺要素400は、発熱体160によって少なくとも部分的に形成されたレセプタクル140内にカートリッジを穿刺するための先細りの端部を有する、細長い部材310、315を備える。穿刺要素400はまた、細長い部材310、315が延在している、上部330および下部335のプラットフォームを備える。開口165は、上部プラットフォーム330の一部分を通して形成されて、細長い部材310がレセプタクル140内に延在し、アクチュエータ300が押下されたときにカートリッジを穿刺することを可能にする(
図2B)。ばね320またはその他の付勢要素は、細長い部材310およびアクチュエータ300を非作動位置に向かって付勢するために使用されている(
図2A)。
【0105】
穿刺要素400はまた、プラットフォーム330およびレバー要素350から延在しており、かつプラットフォーム335を延長部340に接続する、延長部340を含む。穿刺要素400はまた、レバー要素350がその周りを旋回する部材360を含む。ばね要素325または他の付勢要素は、プラットフォーム335および細長い部材315を収縮位置に付勢する(
図2A)。アクチュエータ300の押下により、延長部340が下向きに移動し、レバー要素350が旋回し、下側プラットフォーム335が上方へ移動し、細長い要素315がレセプタクル140に進入して、レセプタクル140内に受容されたカートリッジを穿刺する(
図2B)。
【0106】
図3~
図5は、制御電子機器30に動作可能に結合された異なる穿刺要素400を有する、シーシャ装置100の概略図である。制御電子機器は、電源35およびアクチュエータ300に動作可能に結合され得る。アクチュエータ300の作動により、制御電子機器35が穿刺機構400を作動させる。
図3では、穿刺要素400は、モータ410と、先細りの端部315を有する細長い要素とを備える。制御電子機器によるモータ410の作動は、細長い部材315をレセプタクル140内に延在させて、レセプタクル140内のカートリッジを穿刺させる。
図4では、穿刺要素は、制御電子機器30に動作可能に結合されたエネルギー源420を備え、エネルギー源420からのエネルギーをレセプタクル140内のカートリッジの位置に集中させるように構成された柱部430を備える。
図5では、穿刺要素400は、制御電子機器30に動作可能に結合されている、発熱体160を備える。アクチュエータ300の作動により、制御電子機器30が発熱体160を作動させ、これは、レセプタクル140内のカートリッジを十分に加熱して、カートリッジの熱不安定な位置でカートリッジ内に開口部を形成し得る。
【0107】
図3~
図5に示すシーシャ装置100は、カートリッジがレセプタクル140内に受容されているかどうかを検出するように構成されたセンサ500を備える。センサ500は、制御電子機器30に動作可能に結合されている。カートリッジがレセプタクル140内に受容される場合、センサは、制御電子機器30が、アクチュエータ300が作動された場合に穿刺要素400の作動を許可するように、制御電子機器30に信号を送信し得る。カートリッジがレセプタクル310内に受容されない場合、制御電子機器30は、アクチュエータ300が作動されたときに穿刺要素400の作動を防止する。このようにして、制御電子機器およびセンサは、リリースとして機能する。
【0108】
図6Aおよび
図6Bは、レセプタクル140内に延在しているリリース600を含む、シーシャ装置のレセプタクル140を示している。カートリッジ200をレセプタクル140内に挿入すると、リリース600が移動する。カートリッジ200をレセプタクル140内に配置することによってリリース600を移動させることは、ラッチまたは他の好適な停止機構(図示せず)が、細長い要素(
図2Aおよび2B)がカートリッジ200を穿刺することを許可することを引き起こし得る。カートリッジ200がレセプタクル140内に受容されていないとき(
図6A)、リリース600は、アクチュエータの作動を防止することによって、細長い要素がカートリッジ200を穿刺することを防止するように位置付けられ得る。
【0109】
図7Aおよび
図7Bは、カートリッジがレセプタクル内に受容されるまで、アクチュエータ300が穿刺要素400を穿刺させることを防止するように構成されたリリース600の実施形態を示している。リリース600は、モータ410と、モータ410によって拡張可能および収縮可能なロッド610とを備える。拡張されたときに(
図6A)、ロッド610は、穿刺要素400のプラットフォーム335と相互作用して、アクチュエータの動作がプラットフォーム335に動作可能に結合された細長い要素315を前進させることを防止する。収縮位置にあるときに(
図6B)、ロッド610は、プラットフォーム335と相互作用せず、アクチュエータ300の作動により、細長い要素315を前進させて、レセプタクル内のカートリッジを穿刺させることが可能になる。モータ410は、必要に応じて、制御電子機器およびセンサに結合され得る。
【0110】
したがって、カートリッジを穿刺するための機構を備えるシーシャ装置が記載されている。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当然のことながら、特許請求の通りの本発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械技術、化学技術、およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記載された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。