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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/22 20060101AFI20250402BHJP
   B67C 7/00 20060101ALI20250402BHJP
【FI】
B67B3/22
B67C7/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021194723
(22)【出願日】2021-11-30
(65)【公開番号】P2023081055
(43)【公開日】2023-06-09
【審査請求日】2024-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】西納 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】東崎 隆司
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-052760(JP,A)
【文献】特開2011-162225(JP,A)
【文献】特開平11-236123(JP,A)
【文献】特開2006-89059(JP,A)
【文献】特開2011-189961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 3/22
B67C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外方へ突出するフランジが形成された容器に充填・打栓を行う容器処理装置において、
外周に前記フランジの下方を把持する第1グリッパが複数設けられた第1回転ホイールと、
前記第1グリッパの各々に対応して設けられ、前記容器に内容物を充填する充填手段と、
前記第1回転ホイールの下流に配置され、外周に前記フランジの上方を把持する第2グリッパが複数設けられた第2回転ホイールと、
キャップを供給するキャップ供給手段と、
前記第2回転ホイールにより搬送される前記容器の前記フランジの下面を支持可能な支持手段と、
前記キャップ供給手段の下流に設けられて、前記容器に前記キャップを打栓する打栓手段とを備え、
前記容器に打栓を行う際に、前記フランジの下面を前記支持手段によって支持することを特徴とする容器処理装置。
【請求項2】
前記キャップ供給手段は、前記第2回転ホイールの上方に設けられたキャップ供給シュートであり、前記キャップ供給シュートの下流端に保持される前記キャップを前記第2回転ホイールによって搬送される前記容器と係合させることにより、前記キャップ供給シュートから前記キャップを取り出して前記容器に被せることを特徴とする請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記第2グリッパによって把持されつつ搬送される前記容器の両側に配置されるとともに、前記フランジの下面に当接する一対のレールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器処理装置。
【請求項4】
前記支持手段は、前記第2回転ホイールに設けられ、前記フランジの下方を把持可能であるとともに、前記第2グリッパと独立して開閉可能な第3グリッパであり、
前記第3グリッパは、前記第2グリッパが前記第1グリッパから容器を受け取る際には開放して前記第1グリッパとの干渉を防ぐとともに、前記打栓手段に到達する前に閉鎖して前記フランジの下方を把持することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の容器処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外方へ突出するフランジが形成された容器に充填や打栓などの処理を行う容器処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フランジが形成された樹脂製容器にロータリー式の充填機とキャッパを用いて充填、打栓を行う容器処理装置では、容器の変形を抑えるために容器のネックをネックグリッパで把持して搬送を行う(特許文献1参照)。充填機やキャッパでは、ネックグリッパに保持される容器に下向きに荷重が掛かるため、容器のフランジ下方をネックグリッパにより把持して充填や打栓を行うことが望まれる。そのため、特許文献1のような容器処理装置では、充填機とキャッパにおいてフランジ下が把持される配置となるように、充填機とキャッパの間に中間ホイールが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5003021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のような構成を採用する場合、中間ホイールは容器を搬送するのみで非効率である。中間ホイールを用いず、充填機からキャッパに直接容器を受け渡す構成にした場合、何れかのホイールにおいてフランジ上方を把持しなければならず、充填または打栓を行う際に容器が滑り落ちる可能性がある。
【0005】
本発明は、容器をフランジ上方で把持しながらも確実に打栓が可能な容器処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である容器処理装置は、外方へ突出するフランジが形成された容器に充填・打栓を行う容器処理装置において、外周に前記フランジの下方を把持する第1グリッパが複数設けられた第1回転ホイールと、前記第1グリッパの各々に対応して設けられ、前記容器に内容物を充填する充填手段と、前記第1回転ホイールの下流に配置され、外周に前記フランジの上方を把持する第2グリッパが複数設けられた第2回転ホイールと、キャップを供給するキャップ供給手段と、前記第2回転ホイールにより搬送される前記容器の前記フランジの下面を支持可能な支持手段と、前記キャップ供給手段の下流に設けられて、前記容器に前記キャップを打栓する打栓手段とを備え、前記容器に打栓を行う際に、前記フランジの下面を前記支持手段によって支持することを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である容器搬送装置は、第1の発明において、前記キャップ供給手段が、前記第2回転ホイールの上方に設けられたキャップ供給シュートであり、前記キャップ供給シュートの下流端に保持される前記キャップを前記第2回転ホイールによって搬送される前記容器と係合させることにより、前記キャップ供給シュートから前記キャップを取り出して前記容器に被せることを特徴としている。
【0008】
本発明の第3の発明である容器搬送装置は、第1または第2の発明において、前記支持手段が、前記第2グリッパによって把持されつつ搬送される前記容器の両側に配置されるとともに、前記フランジの下面に当接する一対のレールであることを特徴としている。
【0009】
本発明の第4の発明である容器搬送装置は、第1または第2の発明において、前記支持手段が、前記第2回転ホイールに設けられ、前記フランジの下方を把持可能であるとともに、前記第2グリッパと独立して開閉可能な第3グリッパであり、前記第3グリッパが、前記第2グリッパが前記第1グリッパから容器を受け取る際には開放して前記第1グリッパとの干渉を防ぐとともに、前記打栓手段に到達する前に閉鎖して前記フランジの下方を把持することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容器をフランジ上方で把持しながらも確実に打栓が可能な容器処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態である容器処理装置の一部の配置を示す平面図である。
図2図1の充填ホイールの外周部近傍における部分拡大縦断面図である。
図3】充填ホイールから第1実施形態のキャッピングホイールに容器を受け渡す位置での充填ホイールとキャッピングホイールの外周部近傍の部分拡大縦断面図である。
図4】支持レールが設けられた位置における第1実施形態のキャッピングホイールの外周部近傍の部分拡大縦断面図である。
図5】第1実施形態のキャッピングホイールにおけるキャップ供給から打栓までの間の様子を時系列に示す側面図である。
図6】第1実施形態の容器処理装置の変形例で用いられる打栓ヘッドの側面図である。
図7】第2実施形態の容器処理装置の配置を示す平面図である。
図8】第2実施形態のキャッピングホイールに設けられる打栓ヘッドの構成を示すキャッピングホイールの外周部近傍における拡大縦断面図である。
図9】第2実施形態のキャッピングホイールのネックグリッパの開閉機構の構造を示すキャッピングホイールの外周部近傍における拡大縦断面図である。
図10】第3実施形態の容器受渡位置における充填ホイールとキャッピングホイールの外周部近傍における部分拡大縦断面図である。
図11】打栓が行われる位置における第3実施形態のキャッピングホイールの外周部近傍における部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態である容器処理装置の配置を示す平面図である。
【0013】
第1実施形態の容器処理装置10は、回転式ホイール間において例えば樹脂製容器Vのネックを交互に把持して搬送し、容器Vへの充填および打栓を行う装置である。容器処理装置10は、供給ホイール12から容器Vを受け取る充填ホイール(第1回転ホイール)14と、充填ホイール14において充填作業が行われた容器Vを受け取るキャッピングホイール(第2回転ホイール)16と備え、キャッピングホイール16で打栓された容器Vは、排出コンベヤ18を介して下流側へと排出される。
【0014】
供給ホイール12、充填ホイール14、キャッピングホイール16は、各装置の回転ホイールの外周に沿って設けられたネックグリッパにより、容器Vのネックに設けられた外側に突出するフランジVfの上方および下方を交互に把持して容器Vを搬送する。本実施形態では、供給ホイール12のネックグリッパは、フランジVfの上方を、充填ホイール14のネックグリッパ(第1グリッパ)20(図2参照)は、フランジVfの下方を、キャッピングホイール16のネックグリッパ(第2グリッパ)22(図3参照)は、再びフランジVfの上方を把持する。すなわち、隣合うホイールのネックグリッパの高さが上下に異なることで、受渡時に両ホイールのグリッパ同士の干渉が防止される。
【0015】
図2は、充填ホイール14の外周部近傍における部分拡大縦断面図である。充填ホイール14の外周部には、外周部に沿って所定の間隔でネックグリッパ20が径方向外側に向けて配置される。各ネックグリッパ20は一対のグリッパ片20Aを備え、各グリッパ片20Aは、グリッパの基部ブロックの左右に取り付けられた板バネ20Bに各々取り付けられる。左右の板バネ20Bは、グリッパ片20Aを閉じる方向にスプリング20Cにより付勢され、供給ホイール12から受け渡される容器Vは、フランジVfの下方のネック部がグリッパ片20Aの間に押し込まれることで、フランジVfの下方がネックグリッパ20により把持される。
【0016】
各ネックグリッパ20の上方には、充填液を容器V内に供給する充填ノズル(充填手段)24が配置され、容器Vが充填ホイール14の外周に沿って搬送される間に、充填液が容器Vに充填される。
【0017】
図3は、充填ホイール14からキャッピングホイール16に容器Vを受け渡す位置(受渡位置P)直前での充填ホイール14とキャッピングホイール16の外周部近傍における部分拡大縦断面図である。キャッピングホイール16の外周部には、外周部に沿って所定の間隔でネックグリッパ22が径方向外側に向けて配置される。ネックグリッパ22は一対のグリッパ片22Aを備え、各グリッパ片22Aの基端部は、キャッピングホイール16に垂直に取り付けられた回転軸26の下端部にそれぞれ取り付けられる。
【0018】
回転軸26は、キャッピングホイール16とキャッピングホイール16から下方に延出された支持部材16Aにより回転自在に支持され、回転軸26は、その中間部に設けられたギヤ28を通して係合され、互いに反対向きに同じ角度だけ回転される。回転軸26の一方にはレバー30の一端が設けられ、レバー30の他端には、固定されたカム32Aと係合するカムフォロア32Bが設けられる。また、レバー30の他端はスプリング32Cを介してキャッピングホイール16に接続され、グリッパ片22Aを閉じる方向にスプリング32Cにより付勢されている。すなわち、カム32Aがカムフォロア32Bと係合しない状態では、レバー30はスプリング32Cの付勢力によりホイール径方向内側に位置し、グリッパ片22Aは閉じられた状態に維持される。一方、カムフォロア32Bがカム32Aと係合し、スプリング32Cの付勢力に抗してホイール径方向外側に押し出されると、レバー30はグリッパ片22Aを開放する方向に回転軸26を回転させる。なお、図3には、カムフォロア32Bとカム32Aが離間してネックグリッパ22が完全に閉じられる直前の状態が示される。
【0019】
ネックグリッパ22は、充填ホイール14のネックグリッパ20が保持する容器VのフランジVfの上方の円筒部を把持する高さに配置される。充填ホイール14からキャッピングホイール16へ容器Vが受け渡される受渡位置Pにおいて、カムフォロア32Bとカム32Aの係合は解除され、ネックグリッパ22は閉じられる。ネックグリッパ22は、フランジVfの下方を把持するネックグリッパ20から容器Vを抜き取り、キャッピングホイール16の外周に沿って容器Vを搬送する。
【0020】
図1に示されるように、キャッピングホイール16の上方には容器Vに被せられるキャップCを供給するキャップ供給シュート(キャップ供給手段)34が配置される。キャップ供給シュート34の下流部は、キャッピングホイール16の受取位置Pよりも下流側において、キャッピングホイール16の外周(容器搬送経路)に沿って下降するように斜めに配置される。キャップ供給シュート34の下流端に位置するキャップCは、キャップ供給シュート34の先端から斜め下方に向けて部分的に延出し、ネックグリッパ22により搬送される容器Vの口部の縁に係合されて、容器Vの口部に斜めに被せられる(図4図5参照)。
【0021】
キャップ供給シュート34の直ぐ下流側には、容器Vの搬送経路の両側に沿ってフランジVfの下面に係合して支持する一対の支持レール(支持手段)36が固定配置される。支持レール36の上方には、容器Vの口部に斜めに被せられたキャップCを口部に押し当てて打栓する打栓ローラ(打栓手段)38が配置される。なお、打栓ローラ38は図示しない駆動手段により所定の速度で常時回転している。
【0022】
図4は、支持レール36が設けられた位置におけるキャッピングホイール16の外周部近傍の部分拡大縦断面図である。支持レール36が設けられた区間では、図4に示されるように、容器Vはネックグリッパ22により把持されてキャッピングホイール16の外周に沿って搬送されるとともに、フランジVfの下面が支持レール36によりホイールの径方向内側および外側から支持される。本実施形態では、支持レール36によりフランジVfの下方が支持された状態で、打栓ローラ38によりキャップCが容器Vの口部に押し当てられて打栓される(図5参照)。その後、ネックグリッパ22は排出コンベヤ18上において開放され、充填および打栓が完了した容器Vは、排出コンベヤ18に受け渡され、下流側へと排出される。
【0023】
図5(a)~(d)は、キャッピングホイール16におけるキャップ供給から打栓までの間の様子を時系列に示す図であり、各位置における容器Vをホイール外側から見た側面図である。図5(a)に示されるように、キャッピングホイール16において、容器Vはネックグリッパ22によりフランジVfの上方が把持されて搬送される。図5(b)に示されるように、キャップ供給シュート34から斜めに供給されるキャップCは、容器Vの口部前縁に係合して引き出され、容器Vの口部に進行方向に傾いた状態で被せられる。その後、図5(c)に示されるように、フランジVfの下方に両側から支持レール36が係合され、支持レール36によりフランジVfが支えられた状態で容器Vはネックグリッパ22により搬送される。また、支持レール36によりフランジVfが支持された区間には、容器搬送路の上方に打栓ローラ38が配置され、打栓ローラ38の回転軸は水平かつ搬送経路に垂直になるように配置されている。打栓ローラ38は、図5(c)、図5(d)に示されるように、容器Vに斜めに被せられたキャップCの前縁側から乗り上げられ、キャップCを容器Vの口部に押し付ける。これによりキャップCが容器Vの口部に嵌合し、容器Vの打栓が完了する。
【0024】
以上のように、第1実施形態の容器処理装置によれば、ネックグリッパによりフランジ上方で容器を把持しながらも、支持レールによりフランジ下を支えながら打栓を行うことにより、打栓作業時に容器を下降させることなく確実に打栓を行うことができる。これにより、ネックグリッパを用いた容器処理装置においても、中間ホイールを省略して充填ホイールからキャッピングホイールへと容器を直接受け渡す配置とすることができ、設置スペースが削減される。
【0025】
図6は、第1実施形態の容器処理装置10の変形例で用いられる打栓ヘッドの側面図である。第1実施形態のキャッピングホイール16では、支持レール(支持手段)36により支持される容器Vの口部に斜めに被せられたキャップCを、打栓ローラ38により口部に押し当てて打栓を行ったが、変形例では打栓ローラ38の代わりに、図6に示される打栓ヘッド(打栓手段)39が用いられる。
【0026】
打栓ヘッド39は、例えば回転体39Aに放射状に複数配置される。打栓ヘッド39は、回転体39Aから放射状に延出するシャフト39Bに摺動自在に保持されるとともにスプリング39Cにより外側に付勢される。回転体39Aは、ネックグリッパ22の移動に同期して回転され、下向きとなる打栓ヘッド39は、ネックグリッパ22および支持レール36により支持される容器Vに被せられたキャップCに押し当てられ、キャップCは容器Vの口部に嵌装される。
【0027】
以上のように、第1実施形態の変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0028】
図7図9を参照して、第2実施形態の容器処理装置について説明する。図7は、第2実施形態の容器処理装置40の配置を示す平面図である。第1実施形態のキャッピングホイール16では、キャップ供給シュート34から直接容器Vの口部にキャップCを供給し、打栓ローラ38で容器VへのキャップCの打栓を行ったが、第2実施形態の容器処理装置40では、打栓ヘッド(打栓手段)44にキャップCを供給し、打栓ヘッド44によりキャップCを容器に打栓する。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり、同様の構成に関しては同一参照符号を用い、その説明を省略する。
【0029】
図7に示されるように、第2実施形態の容器処理装置40のキャッピングホイール42には、その外周に沿って各ネックグリッパ43に対応して打栓ヘッド44が各々設けられる。打栓ヘッド44には、例えば受取位置Pよりも上流側でキャップCが受け渡される。受取位置Pよりも上流側には、キャッピングホイール42に隣接してキャップ供給ディスク(キャップ供給手段)46が配置される。キャップ供給ディスク46上には、キャップ供給シュート(キャップ供給手段)48からキャップC供給される。キャップ供給ディスク46の外周部には、ディスク面から突出するキャップ保持ピン46Aが所定間隔で設けられ、各キャップCはキャップ保持ピン46Aに引っ掛けられるように伏せた状態でキャップ供給シュート48から供給される。
【0030】
図8は、キャッピングホイール42に設けられる打栓ヘッド44の構成を示すキャッピングホイール42の外周部近傍における拡大縦断面図である。打栓ヘッド44は、アーム50の先端部下方に設けられ、図示しない吸引機構を用いてキャップ供給ディスク46上のキャップCの天面を吸着、保持する。
【0031】
アーム50の基端部は、鉛直な昇降ロッド52の上端に取り付けられる。昇降ロッド52は、キャッピングホイール42に回転自在に取り付けられた円筒部54にスプライン機構などを通して昇降自在に支持される。昇降ロッド52は、円筒部54の下方に延出し、その下端には昇降ロッド52を昇降さされるための昇降用カムフォロア56Aが設けられる。昇降用カムフォロア56Aは、キャッピングホイール42を取り囲むように配置された昇降用カム56Bのカム溝に係合する。
【0032】
一方、円筒部54の下端部には、レバー58が設けられる。レバー58の先端には打栓ヘッド44を保持するアーム50を揺動するための揺動用カムフォロア60Aが設けられる。揺動用カムフォロア60Aは、キャッピングホイール42の外周に沿って固定的に配置される揺動用カム60Bに係合する。円筒部54の略中央部にはスプリング62が巻回され、スプリング62の一端は円筒部54に固定され、他端はキャッピングホイール42に固定される。すなわち、円筒部54およびレバー58は、揺動用カムフォロア60Aが揺動用カム60Bに押し付けられるようにスプリング62により回転付勢される。
【0033】
なお、キャッピングホイール42に設けられるネックグリッパ43の駆動機構は、図9の縦断面図に示すように、第1実施形態のネックグリッパ22の開閉機構を凡そ上下逆様にした構成とされる。すなわち、ネックグリッパ43を構成するグリッパ片43Aは各々回転軸26の上端に取り付けられ、回転軸26はギヤ28を通して互いに係合される。一方の回転軸26の下端には、カム32Aに係合するカムフォロア32Bが先端に設けられたレバー30が設けられ、レバー30はスプリング32Cによりネックグリッパ43が閉じる方向に付勢されている。なお、図9には図3と同様に、カムフォロア32Bとカム32Aが離間してネックグリッパ43が完全に閉じられる直前の状態が示される。また、同図では充填ホイール14やネックグリッパ20の構成は省略されている。
【0034】
図7に示されるように、アーム50は支持レール36の入り口では、キャッピングホイール42の径方向に沿った向きに配置されるとともに、打栓ヘッド44は上昇された位置に配置される。容器VのフランジVfが支持レール36によって支持される打栓位置に来ると、昇降用カムフォロア56Aと昇降用カム56Bの係合により打栓ヘッド44は下降され、打栓ヘッド44の下面に吸着されたキャップCが容器Vの口部に装着される。
【0035】
その後、打栓ヘッド44は昇降用カムフォロア56Aと昇降用カム56Bの係合により元の高さまで上昇され、アーム50の向きを維持したままキャップ供給ディスク46に向けて移動する。キャップ供給ディスク46の外周部は、キャッピングホイール42の外周部と重なるように配置され、同位置において昇降ロッド52は昇降用カムフォロア56Aと昇降用カム56Bの係合により打栓ヘッド44がキャップ供給ディスク46上のキャップCの天面に当接するまで下降される。これにより、キャップCは打栓ヘッド44に吸着され、昇降ロッド52は元の高さまで上昇される。
【0036】
その後、アーム50は、キャップCを吸着した打栓ヘッド44が充填ノズル24と干渉しないように、揺動用カムフォロア60Aと揺動用カム60Bの係合により、充填ホイール14の手前において搬送方向後方に向けて揺動される。これによりキャッピングホイール42の内側に引っ込められ、受渡位置Pにおいて打栓ヘッド44と充填ノズル24との干渉が防止される。なお、この間に容器Vは、受渡位置Pにおいて、充填ホイール14のネックグリッパ20からキャッピングホイール42のネックグリッパ43へと受け渡される。
【0037】
以上のように、第2実施形態の容器処理装置においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0038】
次に図10図11を参照して、第3実施形態の容器処理装置について説明する。第1、第2実施形態の容器処理装置のキャッピングホイールでは、打栓作業が容器VのフランジVfの下面が支持レール36により支持されている間に行われた。一方、第3実施形態のキャッピングホイールは、支持レール36に替えて、打栓時にフランジVf下を支持する支持グリッパ(第3グリッパ、支持手段)64を設ける。なお、その他の構成に関しては、第1実施形態と同様であり、同様な構成に関しては、同一参照符号を用いその説明を省略する。
【0039】
図10は、第1実施形態の図3に対応し、受渡位置Pにおける充填ホイール14とキャッピングホイール66の外周部近傍における部分拡大縦断面図であり、図11は、打栓が行われる位置におけるキャッピングホイール66の外周部近傍における部分拡大縦断面図である。
【0040】
図10、11に示されるように、第3実施形態のキャッピングホイール66に設けられるネックグリッパ22(グリッパ片22A)は、第1実施形態と同様に、回転軸26、ギヤ28、レバー30、カム32A、カムフォロア32B、スプリング32Cからなる開閉機構により開閉される。なお、第3実施形態では、回転軸26はキャッピングホイール66とキャッピングホイール66から下方に延出された支持部材66Aにより回転自在に支持される。
【0041】
また、前述したように、第3実施形態のキャッピングホイール66は、各ネックグリッパ22に対応して支持グリッパ64が設けられる。支持グリッパ64は、ネックグリッパ22の真下において、ネックグリッパ22により把持される容器VのフランジVf下方(フランジVfの下面に当接する位置)を把持する高さに位置する。キャッピングホイール66において、ネックグリッパ22の開閉機構(回転軸26、ギヤ28、レバー30、カム32A、カムフォロア32B、スプリング32C)は、グリッパ片22Aの上方に配置される。一方、支持グリッパ64の開閉機構はネックグリッパ22の開閉機構を略逆様にした構成とされる。
【0042】
すなわち、キャッピングホイール66の外周部において、ネックグリッパ22の下方には、外周部に沿って支持グリッパ64が径方向外側に向けて配置される。支持グリッパ64は一対のグリッパ片64Aを備え、各グリッパ片64Aの基端部は、キャッピングホイール66に垂直に取り付けられた回転軸68にそれぞれ取り付けられる。
【0043】
回転軸68の上端部は、ネックグリッパ22の回転軸26の内側に回転自在に嵌装され、その上端は支持部材66Aに支持される。また、回転軸68の下端部は、キャッピングホイール66の下方回転体66Bに軸支される。回転軸68は、そのギヤ70を通して係合され、互いに反対向きに同じ角度だけ回転される。回転軸68の一方にはレバー72の一端が設けられ、レバー72の他端には、固定されたカム74Aと係合するカムフォロア74Bが設けられる。また、レバー72の他端はスプリング74Cを介して下方回転体66Bに接続され、グリッパ片64Aを閉じる方向にスプリング74Cにより付勢される。
【0044】
第1実施形態において支持レール36が設けられた区間において、カム74Aとカムフォロア74Bの係合は解除され、支持グリッパ64は閉じられた状態に維持される。一方、受渡位置Pでは、カムフォロア74Bがカム74Aによりスプリング74Cの付勢力に抗してホイール径方向外側に押し出され、レバー72はグリッパ片64Aを開放する方向に回転軸68を回転させる。これにより支持グリッパ64は充填ホイール14のネックグリッパ20と干渉しない位置まで大きく開かれる。図10には支持グリッパ64のグリッパ片64Aが大きく開放された状態が示され、図11には支持グリッパ64が閉じられ、グリッパ片64AによりフランジVf下が把持された状態が示される。図11に示されるように、打栓ローラ38は支持グリッパ64により容器VのフランジVfの下面が支持されている間にキャップCを容器Vの口部に押し当て、キャップCを容器Vの口部に装着する。なお、支持グリッパ64で容器VのフランジVf下を把持した後、ネックグリッパ22を開放する構成としてもよい。
【0045】
以上のように、第3実施形態の容器処理装置においても、第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 容器処理装置
14 充填ホイール(第1回転ホイール)
16 キャッピングホイール(第2回転ホイール)
20 ネックグリッパ(第1グリッパ)
22 ネックグリッパ(第2グリッパ)
24 充填ノズル(充填手段)
34 キャップ供給シュート(キャップ供給手段)
36 支持レール(支持手段)
38 打栓ローラ(打栓手段)
39、44 打栓ヘッド(打栓手段)
46 キャップ供給ディスク(キャップ供給手段)
48 キャップ供給シュート(キャップ供給手段)
64 支持グリッパ(第3グリッパ、支持手段)
C キャップ
V 容器
Vf フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11