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特許7659359プログラム、情報処理装置、方法、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20250402BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024186055
(22)【出願日】2024-10-22
【審査請求日】2024-10-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社2WINSから依頼を受けた株式会社PR TIMESは、<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000111066.html>に情報を掲載することにより、小川 椋徹及び王 凱が発明した補助金申請書作成サービス「補助金.AI」について公開した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524035519
【氏名又は名称】株式会社2WINS
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小川 椋徹
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第7455452(JP,B1)
【文献】特許第7427303(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
補助金の種類の選択を受け付けるステップと、
選択された前記種類の補助金申請文書に含まれ得る各項目に紐づけられた参照情報の入力を受け付けるステップと、
入力された前記参照情報と、前記各項目に記載され得る文章の作成を指示する指示文とを生成AIモデルに入力し、当該生成AIモデルから前記文章を出力させるステップと、
出力された前記文章に基づき、前記補助金申請文書のドラフトを作成するステップとを実行させ、
前記出力させるステップでは、出力済みの前記文章を用いて前記生成AIモデルから前記文章を出力させ、且つ、前記生成AIモデルに対して、前記各項目のうち、項目の記載内容が他の項目の記載内容に影響を与える度合いが高い前記項目から順に、前記文章を作成させるプログラム。
【請求項2】
出力された前記文章の修正内容を受け付けるステップを前記プロセッサに実行させ、
前記出力させるステップでは、入力された前記修正内容を前記生成AIモデルに入力し、前記生成AIモデルから前記文章の修正案を出力させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
出力された前記文章と前記修正案とを並べて提示するステップを前記プロセッサに実行させる請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記出力させるステップでは、入力された前記修正内容が他の前記文章の内容に影響を与える場合、前記生成AIモデルから当該他の前記文章の修正案を出力させる請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記出力させるステップでは、所定の項目に関連するリアルタイムの検索情報を前記生成AIモデルに入力する請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記作成するステップでは、各種類の前記補助金の申請様式と互換性のある様式で、前記ドラフトを作成する請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記各項目は、前記補助金の募集要項に応じた加点項目を含む請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
編集後の前記文章を前記生成AIモデルに入力し、前記生成AIモデルから編集後の前記文章が所定の条件を満たしているか否かの判断結果を出力させるステップを前記プロセッサに実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記種類の変更を受け付けるステップを前記プロセッサに実行させ、
前記作成するステップでは、前記参照情報に基づいて、変更された前記種類の前記補助金申請文書の前記ドラフトを作成する請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記生成AIモデルは、ユーザにより作成された前記補助金申請文書を学習データとして学習されたものである請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
作成された前記ドラフトを、ユーザ及び前記ユーザと業務上の関係がある関係者に提示するステップを前記プロセッサに実行させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項11の何れかに記載のプログラムにおける全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項11の何れかに記載のプログラムにおける全てのステップを実行する方法。
【請求項14】
請求項1から請求項11の何れかに記載のプログラムにおける全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、補助金申請文書をはじめとする各種申請文書のドラフトを作成する技術が研究開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザが、文章作成機能を有するAIモデルに申請文書の作成を指示することで、当該AIモデルが申請文書のドラフトを出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7455452号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、文章全体のストーリー性を考慮した申請文書のドラフトを作成するという点において改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的は、文章全体のストーリー性を考慮した申請文書のドラフトを作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るプログラムは、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、補助金の種類の選択を受け付けるステップと、選択された種類の補助金申請文書に含まれ得る各項目に紐づけられた参照情報の入力を受け付けるステップと、入力された参照情報と、各項目に記載され得る文章の作成を指示する指示文とを生成AIモデルに入力し、当該生成AIモデルから文章を出力させるステップと、出力された文章に基づき、補助金申請文書のドラフトを作成するステップとを実行させ、出力させるステップでは、出力済みの文章を用いて生成AIモデルから文章を出力させ、且つ、生成AIモデルに文章を所定の順番で作成させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、文章全体のストーリー性を考慮した補助金申請文書のドラフトを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図2図1に示す端末装置10の構成例を示すブロック図である。
図3図1に示すサーバ20の構成例を示すブロック図である。
図4図3に示すプロンプトテーブル2021のデータ構造を示す図である。
図5図3に示す順番テーブル2022のデータ構造を示す図である。
図6】対象文書のドラフトを提示するときにおける、サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
図7】補助金の種類の選択を受け付けるときにおける、ディスプレイ141の画面例を示す模式図である。
図8】参照情報の入力を受け付けるときにおける、ディスプレイ141の画面例を示す模式図である。
図9】ユーザにドラフトを提示したときにおける、ディスプレイ141の画面例を示す模式図である。
図10】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素の全てが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0010】
〔1 概要〕
本実施形態に係るシステムは、ユーザによる補助金の種類の選択と、補助金申請文書に含まれ得る各項目に紐づけられた参照情報の入力とを受け付ける。本実施形態に係るシステムは、入力された参照情報と、所定の項目に記載され得る文章の作成を指示する第1指示文と、出力済みの文章とで構成される項目毎のデータセットを所定の順番でLLMに入力し、当該LLMから各項目に記載され得る文章を出力させる。本実施形態に係るシステムは、出力された各項目の文章と、補助金申請文書のドラフトの作成を指示する第2指示文とをLLMに入力して、当該LLMからドラフトを出力させる。
【0011】
〔2 システムの全体構成〕
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。システム1は、補助金申請文書の作成サービス(以下、文書作成サービス)を提供するためのシステムである。図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10と、サーバ20と、AIシステム30とを含む。端末装置10、サーバ20、及びAIシステム30は、例えば、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0012】
補助金申請文書は、公共機関又は民間団体に対して各種補助金の交付を申請する場合に提出する文書である。公共機関又は民間団体に提出する補助金申請文書には、例えば、申請書、事業計画書、予算計画書、法人登記簿謄本、役員名簿等の様々な種類がある。本明細書では、特段の説明がない限り、補助金申請文書は事業計画書を指すものとし、文書作成サービスは事業計画書を作成するサービスであるものとする。但し、本明細書における補助金申請文書は、例えば予算計画書等、事業計画書以外の様々な種類の文書が対象となることは言うまでもない。また、本明細書における補助金申請文書は、電子入力申請タイプ、及び文書作成ソフトウェア等を用いた資料提出申請タイプの両方を含むものとする。但し、本明細書における補助金申請文書は、これら2種類の申請タイプ以外の申請タイプを排除するものではない。
【0013】
図1において、システム1が端末装置10を1台含む例を示しているが、例えば、システム1が端末装置10を2台以上含んでいてもよい。図1において、システム1がサーバ20を1台含む例を示しているが、例えば複数の装置の集合体を1つのサーバ20としてもよい。サーバ20を実現するために要する複数の機能を1又は複数のハードウェアに配分する仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に応じて適宜決定できる。
【0014】
図1において、システム1が1つのAIシステム30を含む例を示しているが、システム1に含まれるAIシステム30は、2つ以上であってもよい。また、図1において、AIシステム30がサーバ20から独立している例を示しているが、サーバ20は、AIシステム30の機能を含んでいてもよい。つまり、サーバ20は、AIシステム30に含まれる生成AIモデル(詳細は後述)を記憶していてもよい。
【0015】
端末装置10は、例えば、ユーザが操作する情報処理装置である。ユーザは、例えば、文書作成サービスの利用者、つまり補助金交付の申請者である。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現される。本実施形態では、端末装置10はスマートフォンであるものとする。端末装置10は、例えば、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現されてもよい。
【0016】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。本実施形態では、端末装置10は、入力装置13と出力装置14とが一体化したタッチパネルを備えているものとする。
【0017】
サーバ20は、例えば、文書作成サービスを管理/運営するための情報処理装置であり、ネットワーク80に接続されたコンピュータにより実現される情報処理装置である。図1に示すように、サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。入出力IF23は、文書作成サービスの管理/運営者(以下、管理/運営者と略記)からの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、管理/運営者に対して情報を出力するための出力装置のインタフェースとして機能する。
【0018】
AIシステム30は、例えば、生成AIモデルが構築されたシステムである。生成AIモデルは、例えば自然言語モデルである。自然言語モデルは、自然言語処理(NLP)の分野で使用される人工知能モデルであり、テキストデータを学習することで、人間が使用する言語のパターンを理解し、自然言語生成(NLG)タスクを効果的に実行することができる。
【0019】
AIシステム30は、例えば、生成AIモデルとして1つ又は複数のLLM(大規模言語モデル)を含んでいる。LLMは、大規模なテキストデータを学習して構築された自然言語モデルであり、特定の問いへの応答生成、文章の自動生成、テキストの要約等、多くのNLGタスクで使用される。LLMには、例えば、以下のようなものが存在する。
【0020】
・OpenAI:GPT-4o
・Google:Gemini 1.5 Flash
・Anthropic:Claude 3.5 Sonnet
【0021】
なお、AIシステム30に含まれる生成AIモデルはLLMでなくてもよい。AIシステム30は、例えば、1つ又は複数のNLPモデルを含んでいてもよい。NLPモデルは、LLMではない自然言語モデルであり、例えば、フィードフォワードニューラルネットワーク、特定のタスク又はドメインに合わせて設計されたカスタムモデル等である。また例えば、AIシステム30は、1つ又は複数のマルチモーダル生成AIモデルを含んでいてもよい。この場合、マルチモーダル生成AIモデルには、例えば、補助金申請文書のひな形(フォーマット)、参照情報を含む書類等の画像データ(例:スキャンデータ)が入力されてもよい。
【0022】
AIシステム30は、サーバ20から送信されたテキストデータをLLMに入力し、入力したテキストデータに基づく回答をLLMに出力させる。AIシステム30は、LLMから出力された回答をサーバ20へ送信する。
【0023】
端末装置10、サーバ20、及びAIシステム30等の各情報処理装置は、演算装置と記憶装置とを備えたコンピュータ90(図10参照)により構成される。コンピュータ90の基本ハードウェア構成、及び当該基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータ90の基本機能構成のそれぞれについては後述する。なお、端末装置10、サーバ20、及びAIシステム30のそれぞれについて、コンピュータ90の基本ハードウェア構成及びコンピュータの基本機能構成と重複する説明は省略する。
【0024】
<2.1 端末装置の構成>
図2は、図1に示す端末装置10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部170と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、加速度センサ155と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0025】
通信部120は、端末装置10が外部装置(例えば、サーバ20)との間で通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に対して送信処理を施し、外部装置へ送信する。通信部120は、外部装置から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0026】
入力装置13は、ユーザが指示又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131により実現される。端末装置10がPC等である場合には、入力装置13は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置13は、ユーザにより入力される指示を電気信号に変換し、制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0027】
出力装置14は、ユーザに情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じて各種情報を表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイにより実現される。
【0028】
音声処理部170は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部170は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部170は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部170は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部170へ与える。スピーカー172は、音声処理部170から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0029】
カメラ160は、可視光による画像を撮影する撮像装置である。つまり、カメラ160は、受光素子により可視光を受光し、撮影信号としての画像データを出力するためのデバイスである。カメラ160は、端末装置10に対して一定方向及び一定の撮影範囲にある被写体を撮影し、撮影結果としての画像データを出力する。カメラ160が撮影範囲、より正確には画角が調整可能な機能を有する場合、カメラ160は、この画角に関する情報も出力する。このような機能は、いわゆるズーム機能と呼ばれている。
【0030】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、一般的にはGNSS機器であり、例えばGPSモジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個又は4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を座標値で検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が通信部120を介して接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0031】
加速度センサ155は、端末装置10に与えられている加速度を検出するセンサである。好ましくは、加速度センサ155は、端末装置10の位置を原点とする3次元座標の各軸(X軸、Y軸、Z軸)周りの傾きを検出する機能を有する。このような機能を有する加速度センサ155は、地球に対する万有引力の重力加速度を検出することで、端末装置10の姿勢、つまりX軸、Y軸、Z軸に対する方向を検出することができる。
【0032】
記憶部180は、図1に示すメモリ15及びストレージ16により実現され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。プログラムは、ウェブブラウザアプリケーション等のアプリケーションプログラムを含む。
【0033】
制御部190は、例えば、プロセッサ19が記憶部180に記憶されたプログラムを読み込み、当該プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、読み込んだプログラムに従って動作することにより、操作受付部191、送受信部192及び提示制御部193としての各機能を発揮する。
【0034】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131から入力される指示又は情報を受け付ける。送受信部192は、端末装置10が、外部装置との間で、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、送受信部192は、ユーザから入力された指示又は情報をサーバ20へ送信する。送受信部192は、サーバ20から送信された情報を受信する。提示制御部193は、各種情報をユーザに提示するために出力装置14を制御する。
【0035】
<2.2 サーバの構成>
図3は、図1に示すサーバ20の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201、記憶部202及び制御部203としての各機能を発揮する。
【0036】
通信部201は、サーバ20が外部装置(例えば、端末装置10)との間で通信するための処理を行う。記憶部202は、メモリ25及びストレージ26により実現され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。プログラムは、ウェブブラウザアプリケーション等のアプリケーションプログラムを含む。記憶部202は、例えば、プロンプトテーブル2021と、アプリ2023とを記憶する。
【0037】
プロンプトテーブル2021は、プロンプト情報を格納するテーブルである。プロンプト情報は、AIシステム30、具体的にはLLMに対する入力文となる指示文に関する情報であり、例えば、第1プロンプト情報と第2プロンプト情報とを含んでいる。
【0038】
第1プロンプト情報は、候補文章の作成を指示する第1指示文に関する情報である。候補文章は、対象文書の対象項目に記載され得る文章である。対象文書は、ユーザにより選択された種類の補助金申請文書である。対象項目は、対象文書に含まれ得る項目である。第1指示文は、本開示の一態様に係る指示文の一例である。第2プロンプト情報は、対象文書の作成を指示する第2指示文に関する情報である。プロンプトテーブル2021の詳細については後述する。
【0039】
ここで、対象項目は、例えば、対象文書の種類に応じて予め指定された必須項目の他、加点項目を含んでいてもよい。必須項目としては、例えば、申請者(ユーザ)に関する情報、新規事業の概要、補助金の使用目的、補助金を充てる経費の内訳等が挙げられる。加点項目は、補助金の募集要項に応じて補助金申請文書に記載される項目である。加点項目は、例えば、募集要項において、(i)記載が必須とされている項目、(ii)記載が推奨されていると解釈し得る項目、及び(iii)複数人の審査員経験者の見解/ノウハウを基に記載が推奨されている項目を含む。
【0040】
加点項目は、必須項目に比べて記載内容に自由度が高い。従って、対象文書に含まれ得る項目に加点項目を含めることにより、対象文書全体のストーリー性を意識した内容/表現を加点項目に記載することができる。そのため、全ての候補文章が全体としてストーリー性を持ったドラフトを作成し易くなる。
【0041】
アプリ2023は、ユーザによる文書作成サービスの利用を管理するためのアプリケーションである。アプリ2023は、例えば、サーバ20にインストールされている他のアプリケーションのバックグランドで実行され、ユーザにより実行される処理を監視する。ユーザは、端末装置10にインストールされているウェブブラウザアプリケーションを利用して、サーバ20内のアプリ2023にアクセスすることができる。
【0042】
なお、サーバ20は、例えば、アプリ2023の利用状況を把握/管理して所定の分析処理を実行してもよい。また、アプリ2023は、例えば、端末装置10にインストールされて記憶部180に記憶されてもよい。
【0043】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されたプログラムを読み込み、当該プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、サーバ20の動作を制御する。制御部203は、読み込んだプログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、提示制御モジュール2033、及び文書作成処理モジュール2034としての各機能を発揮する。
【0044】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部装置へ通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。提示制御モジュール2033は、各種情報をユーザに提示する処理を制御する。
【0045】
文書作成処理モジュール2034は、例えば、参照情報及び第1指示文をLLMに入力し、当該LLMから候補文章を出力させる。文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMから出力させた候補文章を、制御部203における不図示のメモリ又は記憶部202に記憶する。
【0046】
参照情報は、各対象項目に紐づけられた情報であり、候補文章を作成するときに参照される情報である。例えば、項目が申請者に関する情報であれば、ユーザが法人の場合は法人名、法人番号、代表者の氏名、既存事業の概要、資本金等が参照情報となる。また例えば、項目が新規事業の概要であれば、新規事業の名称、新規事業の目的、具体的な実施/活動内容(提供予定の商品/サービスの内容を含む)、補助金以外の資金源、事業スケジュール、期待される成果の内容/評価基準等が参照情報となる。
【0047】
本実施形態では、1つの対象項目に1つの参照情報が紐づけられているものとする。但し、例えば、1つの対象項目に複数の参照情報が紐づけられてもよいし、1つの参照情報が複数の対象項目に紐づいてもよい。
【0048】
文書作成処理モジュール2034は、例えば、出力済みの候補文章を用いてLLMから候補文章を出力させる。本実施形態では、文書作成処理モジュール2034は、例えば、参照情報及び第1指示文に加えて出力済みの候補文章をLLMに入力することにより、当該LLMから候補文章を出力させるものとする。
【0049】
文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMに候補文章を所定の順番で作成させる。本実施形態では、LLMは、例えば、各対象項目のうち、対象項目の記載内容が他の対象項目の記載内容に影響を与える度合いが高い対象項目から順に、候補文章を作成するものとする。
【0050】
以下、本実施形態における候補文章の作成順番について、ユーザが法人の場合を例に挙げて説明する。この例において、各対象項目は、項目「申請者に関する情報」、項目「補助金の使用目的」、項目「具体的な実施/活動内容」、及び項目「期待される効果」であるものとする。
【0051】
先ず、項目「申請者に関する情報」の記載内容は、一般的に、4つの対象項目の中で他の3つの対象項目の記載内容に影響を与える度合いが最も大きい。従って、LLMは、項目「申請者に関する情報」に記載され得る候補文章を最初(1番目)に作成する。この場合、出力済みの候補文章はないことから、LLMに入力されるデータは、項目「申請者に関する情報」に紐づけられた参照情報、及び項目「申請者に関する情報」に対応する第1指示文となる。
【0052】
次に、項目「補助金の使用目的」の記載内容は、一般的に、残り3つの対象項目の中で他の2つの対象項目の記載内容に影響を与える度合いが最も大きい。従って、LLMは、項目「補助金の使用目的」に記載され得る候補文章を2番目に作成する。この場合、LLMに入力されるデータは、項目「補助金の使用目的」に紐づけられた参照情報、項目「補助金の使用目的」に対応する第1指示文、及び出力済みの項目「申請者に関する情報」に記載され得る候補文章となる。
【0053】
次に、残りの項目「具体的な実施/活動内容」の記載内容は、一般的に、同じく残りの項目「期待される効果」よりも、他方の対象項目の記載内容に影響を与える度合いが大きい。従って、LLMは、項目「具体的な実施/活動内容」に記載され得る候補文章を3番目に作成する。この場合、LLMに入力されるデータは、項目「具体的な実施/活動内容」に紐づけられた参照情報、項目「具体的な実施/活動内容」に対応する第1指示文、及び出力済みの項目「補助金の使用目的」に記載され得る候補文章となる。ここで、LLMへの入力データには、出力済みの項目「申請者に関する情報」に記載され得る候補文章が含まれていてもよい。
【0054】
最後に、LLMは、項目「期待される効果」に記載され得る候補文章を4番目に作成する。この場合、LLMに入力されるデータは、項目「期待される効果」に紐づけられた参照情報、項目「期待される効果」に対応する第1指示文、及び出力済みの項目「具体的な実施/活動内容」に記載され得る候補文章となる。ここで、LLMへの入力データには、出力済みの項目「申請者に関する情報」に記載され得る候補文章、及び出力済みの項目「補助金の使用目的」に記載され得る候補文章の少なくとも一方が含まれていてもよい。
【0055】
なお、他の対象項目の記載内容に影響を与える度合いの大小の判断手法は、前述の例に限定されない。例えば、前述の判断手法に参照情報の内容を加味してもよい。具体的には、例えば、項目「補助金の使用目的」に記載され得る候補文章よりも先に、項目「申請者に関する情報」に記載され得る候補文章を作成するのが一般的であったとしても、項目「申請者に関する情報」に紐づく参照情報の内容が不十分である一方、項目「補助金の使用目的」に紐づく参照情報が項目「申請者に関する情報」に記載され得る候補文章に影響を与える程度の詳細な内容であった場合、LLMは、「補助金の使用目的」に記載され得る候補文章を先に作成してもよい。
【0056】
また、前述した候補文章の作成順番はあくまで一例である。対象文書に記載され得る全ての候補文章が全体としてストーリー性を持つのであれば、候補文章の作成順番はどのような順番であってもよい。例えば、LLMは、対象文書における各対象項目の一般的な配置に従って候補文章を作成してもよい。即ち、LLMは、例えば、一般的に最も上側に配置される対象項目から、一般的により下側に配置される対象項目に向けて順番に、各対象項目の候補文章を作成してもよい。
【0057】
文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMから出力された候補文章に基づいて対象文書のドラフト(以下、ドラフトと略記)を作成する。文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMからドラフトを出力させてもよい。また例えば、文書作成処理モジュール2034は、LLMから出力された候補文章を取得して、文書作成処理モジュール2034自らがドラフトを作成してもよい。本実施形態では、文書作成処理モジュール2034は、例えば、候補文章及び第2指示文をLLMに入力して、LLMからドラフトを出力させるものとする。
【0058】
〔3 データ構造〕
図4及び図5は、サーバ20が記憶するテーブルのデータ構造を示す図である。なお、図4及び図5はあくまで一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のテーブルに記載されるデータであっても、記憶部202において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0059】
図4は、プロンプトテーブル2021のデータ構造を示す図である。図4に示すプロンプトテーブル2021は、プロンプトIDをキーとして、プロンプトデータ、項目名、参照情報、及び種類名の各カラムを有するテーブルである。
【0060】
項目「プロンプトID」は、プロンプトを一意に識別するための識別子を格納する項目である。項目「プロンプトデータ」は、例えば、一部ブランクになっている第1指示文又は第2指示文のテキストデータを格納する項目である。項目「プロンプトデータ」は、例えば、他の記憶領域に記憶されたプロンプトデータファイルに対する参照情報(パス)を格納してもよい。項目「項目名」は、補助金申請文書に記載されている各項目の名称を格納する項目である。項目「参照情報」は、項目「項目名」に格納された名称の対象項目に紐づけられた参照情報を格納する項目である。項目「種類名」は、補助金の種類の名称を格納する項目である。
【0061】
項目「プロンプトデータ」に格納される第1指示文のテキストデータは、例えば以下の内容となる。
「〇〇〇(参照情報及び出力済みの候補文章が追完される)を参照して、項目△△△(対象項目が記載されている)に記載する文章(候補文章のこと)を作成してください。」
【0062】
項目「プロンプトデータ」に格納される第2指示文のテキストデータは、例えば以下の内容となる。
「項目〇〇〇に記載する文章△△△(ブランク部分:候補文章が追完される)、・・・、及び項目□□□に記載する文章☆☆☆(ブランク部分:候補文章が追完される)までを全て含んだ▽▽▽(対象文書の種類が記載されている)の補助金申請文書のドラフトを作成してください。」
【0063】
なお、文書作成処理モジュール2034が自らドラフトを作成する場合、第2指示文のテキストデータは不要のため項目「プロンプトデータ」に格納されない。この場合、記憶部202は、例えば、補助金申請文書の種類毎のフォーマット(或いはフォーマットに対する参照情報(パス))が格納された申請文書テーブルを記憶していてもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、申請文書テーブル等から対象文書に対応するフォーマットを読み出し、当該フォーマットにLLMから出力された候補文章を記載することによりドラフトを作成してもよい。或いは、プロンプトテーブル2021に申請文書テーブルの内容が組み込まれていてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、項目「プロンプトデータ」に格納される第1指示文はテキストデータに参照情報及び出力済みの候補文章を組み入れる形式であり、項目「プロンプトデータ」に格納される第2指示文はテキストデータに候補文章を組み入れる形式であるが、この場合に限定されない。例えば、項目「プロンプトデータ」に格納される第1指示文及び第2指示文の各テキストデータは、例えば、ブランク部分がなく完成形の指示文であってもよい。この場合、例えば、参照情報及び出力済みの候補文章は、第1指示文とは別にLLMに入力されてもよく、候補文章は、第2指示文とは別にLLMに入力されてもよい。
【0065】
また例えば、第1指示文及び第2指示文の少なくとも一方は、プロンプトテーブル2021に格納されていなくてもよい。この場合、例えば、操作受付部191が第1指示文及び第2指示文の少なくとも一方の入力を受け付けることにより、文書作成処理モジュール2034が第1指示文及び第2指示文の少なくとも一方を取得してもよい。操作受付部191が第1指示文及び第2指示文の両方の入力を受け付ける場合、プロンプトテーブル2021は不要となる。
【0066】
図5は、順番テーブル2022のデータ構造を示す図である。図5に示す順番テーブル2022は、種類IDをキーとして、種類名及び順番の各カラムを有するテーブルである。
【0067】
項目「種類ID」は、補助金の種類を一意に識別するための識別子を格納する項目である。項目「種類名」は、補助金の種類の名称を格納する項目である。項目「順番」は、補助金申請文書に記載されている各項目の名称を、LLMが候補文章を作成する順番に基づいて格納する項目である。
【0068】
図5の例では、項目「順番」は、例えば、項目「1番目」~項目「7番目」を含んでいる。項目「1番目」は、各項目の中で、LLMが最初(1番目)に候補文章を作成する項目の名称を格納する。項目「2番目」は、各項目の中で、LLMが2番目に候補文章を作成する項目の名称を格納する。このような決まりに従って、項目「7番目」まで該当する項目の名称が格納される。
【0069】
なお、例えば、特定の順番のカラムにおいて、当該カラムに複数の項目の名称が格納されてもよい。即ち、補助金の書類によっては、複数の項目の候補文章が同じ順番で作成されてもよい。例えば、図5の例において、種類1に対応する項目「1番目」に、項目11の名称に加えて項目12の名称が格納されてもよいし、種類4に対応する項目「4番目」に、項目44の名称に加えて項目45~項目47の名称が格納されてもよい。
【0070】
本実施形態では、項目「順番」に格納されている名称の対象項目は、全てドラフトに含まれているものとする。また、本実施形態では、項目「1番目」~項目「7番目」のそれぞれに格納される項目の名称は、例えば、所定の項目の記載内容が他の項目の記載内容に影響を与える度合いの大小を管理/運営者が判断し、その判断結果に基づいて定められるものとする。但し、種類毎の補助金申請文書における各項目の一般的な配置に従って、各項目の名称の格納先が定められてもよい。
【0071】
〔4 動作〕
対象文書のドラフトを提示するときにおける、サーバ20の動作例について説明する。図6は、対象文書のドラフトを提示するときにおける、サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
【0072】
図6に示すステップS11において、サーバ20は、補助金の種類の選択を受け付ける(選択を受け付けるステップ)。
【0073】
具体的には、例えば、操作受付部191は、ユーザによる補助金の種類の選択操作を受け付ける。送受信部192は、例えば、ユーザにより選択された補助金の種類に関する種類情報をサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された種類情報を受信する。これにより、サーバ20は、ユーザによる補助金の種類の選択を受け付ける。
【0074】
以下、図7を参照して、補助金の種類の選択を受け付けるときにおける、ディスプレイ141の画面例について説明する。図7は、補助金の種類の選択を受け付けるときにおける、ディスプレイ141の画面例を示す模式図である。
【0075】
図7に示す例では、例えば、ディスプレイ141の表示画面に選択画面1411が表示されている。選択画面1411は、ユーザによる補助金の種類の選択を受け付けるためのユーザインターフェースである。選択画面1411には、例えば、領域1412に3種類の選択ボタン1413が表示されている。
【0076】
即ち、操作受付部191は、例えば、ユーザによる選択画面1411の提示要求を受け付け、サーバ20へ送信する。提示制御モジュール2033は、例えば、提示要求を受信することにより、選択画面1411を表示するための情報を端末装置10へ送信する。提示制御部193は、例えば、選択画面1411を表示するための情報を受信することにより、ディスプレイ141の表示画面に選択画面1411を表示させる。
【0077】
図7に示す例では、例えば、ユーザが3種類の選択ボタン1413の何れか1つをタップすることにより、タップされた選択ボタン1413に対応する補助金の種類が選択される。即ち、操作受付部191は、例えば、ユーザによる選択ボタン1413のタップ操作を受け付けることにより、種類情報をサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された種類情報を受信する。これにより、対象文書の種類が確定する。
【0078】
なお、図7の画面例はあくまで一例である。選択画面1411の表示内容及び表示態様については、様々なバリエーションが想定される。例えば、システム1において選択可能な補助金の種類の数に応じて、選択ボタン1413の数は増減する。
【0079】
ステップS12において、サーバ20は、選択された対象文書の各対象項目に紐づけられた参照情報の入力を受け付ける(入力を受け付けるステップ)。
【0080】
具体的には、例えば、操作受付部191は、ユーザによる参照情報の入力操作を受け付ける。送受信部192は、例えば、参照情報をサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された参照情報を受信して、プロンプトテーブル2021における種類情報に対応する種類の項目「参照情報」に格納する。これにより、サーバ20は、ユーザによる参照情報の入力を受け付け、参照情報を対象項目に紐づける。操作受付部191及び受信制御モジュール2031は、サーバ20が各対象項目の参照情報を全て受け付けるまで、ステップS12の処理を実行する。
【0081】
本実施形態では、サーバ20が参照情報の入力を受け付けた時点で、参照情報がどの対象項目に紐づくのかが確定しているものとする。即ち、ユーザは、対象項目毎にどのような参照情報を入力すればよいかを予め理解した上で、その理解に従って参照情報の入力操作を行うものとする。
【0082】
但し、参照情報がどの対象項目に紐づくのかが確定するタイミングは、本実施形態の例に限定されない。例えば、文書作成処理モジュール2034は、参照情報を自然言語解析(ルールベース)することによって、参照情報が紐づく対象項目を確定してもよい。或いは、文書作成処理モジュール2034は、参照情報を学習済みの機械学習モデル(不図示)に入力することによって、当該機械学習モデルから参照情報が紐づく対象項目を出力させてもよい。
【0083】
このように、自然言語解析又は学習済みの機械学習モデルを利用して参照情報が紐づく対象項目を確定することで、ユーザは、対象項目毎にどのような参照情報を入力すればよいかを予め理解しておく必要が無くなる。また、ユーザは、対象項目との関係性が明確になるようなニュアンスを参照情報に含めて入力したり、対象項目との関係で文章構成が的確な態様の参照情報を入力したりする必要が無くなる。従って、ユーザは、少ない情報量の参照情報でドラフトを作成することができる。それだけでなく、ユーザは、必要な対象項目が何なのかすら理解することなくドラフトを作成することができ、補助金に関する一切のリテラシーを求められない。これらのことから、ユーザはより簡易にドラフトを作成することができ、ユーザの利便性が更に向上する。
【0084】
以下、図8を参照して、参照情報の入力を受け付けるときにおける、ディスプレイ141の画面例について説明する。図8は、参照情報の入力を受け付けるときにおける、ディスプレイ141の画面例を示す模式図である。
【0085】
図8に示す例では、例えば、ディスプレイ141の表示画面に入力画面1421が表示されている。入力画面1421は、ユーザによる参照情報の入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。入力画面1421には、例えば、対象文書の各対象項目として4種類の項目1422が表示されている。また、入力画面1421には、例えば、各項目1422の直下に質問ボックス1423が表示されている。
【0086】
即ち、操作受付部191は、例えば、ユーザによる入力画面1421の提示要求を受け付け、サーバ20へ送信する。提示制御モジュール2033は、例えば、提示要求を受信することにより、入力画面1421を表示するための情報を端末装置10へ送信する。提示制御部193は、例えば、入力画面1421を表示するための情報を受信することにより、ディスプレイ141の表示画面に入力画面1421を表示させる。
【0087】
図8に示す例では、例えば、ユーザは、4種類の項目1422のそれぞれに紐づけられた参照情報を、対応する質問ボックス1423に入力する。即ち、操作受付部191は、例えば、ユーザによる質問ボックス1423への参照情報の入力操作を受け付けることにより、参照情報をサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された参照情報を受信する。これにより、参照情報の入力の受け付けが完了する。
【0088】
なお、図8の画面例はあくまで一例である。入力画面1421の表示内容及び表示態様については、様々なバリエーションが想定される。例えば、ユーザにより選択された補助金の種類に応じて、項目1422の内容の一部又は全部が変わると共に項目1422の数が増減する。
【0089】
ステップS13において、サーバ20は、入力された参照情報と第1指示文とをLLMに入力し、当該LLMから候補文章を出力させる。このとき、サーバ20は、出力済みの候補文章を用いてLLMから候補文章を出力させ、且つ、LLMに各対象項目の候補文章を所定の順番で作成させる(以上、出力させるステップ)。
【0090】
具体的には、例えば、文書作成処理モジュール2034は、各対象項目の参照情報と、当該各対象項目のそれぞれに対応する第1指示文と、出力済の候補文章とを所定の順番でAIシステム30へ送信する。
【0091】
即ち、文書作成処理モジュール2034は、例えば、順番テーブル2022を参照して、各対象項目の候補文章の作成順番を特定する。文書作成処理モジュール2034は、例えば、特定した作成順番に従って、候補文章の作成順番となった対象項目(以下、作成項目)に対応する第1指示文をプロンプトテーブル2021から読み出す。また、文書作成処理モジュール2034は、例えば、出力済みの候補文章を制御部203のメモリ又は記憶部202から読み出す。
【0092】
このとき、文書作成処理モジュール2034が読み出す候補文章の内容及び個数に特段の限定はない。言い換えれば、LLMに入力される出力済みの候補文章の内容及び個数に特段の限定はない。文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMから1番目に出力された候補文章と、作成順番の1回前にLLMから出力された候補文章とを読み出してもよい。また例えば、文書作成処理モジュール2034は、作成順番に関係なく、LLMから1番目に出力された候補文章のみを読み出してもよい。また例えば、文書作成処理モジュール2034は、作成順番の1回前にLLMから出力された候補文章のみを読み出してもよい。或いは、文書作成処理モジュール2034は、作成順番の1回前までにLLMから出力された全ての候補文章を読み出してもよい。
【0093】
文書作成処理モジュール2034は、例えば、作成項目に紐づけられた参照情報及び出力済みの候補文章を基に、第1指示文のブランク部分を追完する。文書作成処理モジュール2034は、例えば、参照情報及び出力済みの候補文章を用いて追完した第1指示文をAIシステム30へ送信する。
【0094】
AIシステム30は、例えば、サーバ20から受信した第1指示文(参照情報及び出力済みの候補文章を含む)をLLMに入力し、当該LLMから作成項目の候補文章を出力させる。AIシステム30は、LLMから出力された作成項目の候補文章をサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、例えば、AIシステム30から送信された作成項目の候補文章を受信する。
【0095】
文書作成処理モジュール2034、及びAIシステム30は、例えば、受信制御モジュール2031が各対象項目の候補文章の全てを受信するまで、ステップS13における前述の一連の処理を実行する。受信制御モジュール2031が各対象項目の候補文章の全てを受信することにより、サーバ20は、LLMから候補文章を出力させる処理を終了する。
【0096】
なお、本動作例では、文書作成処理モジュール2034が順番テーブル2022を参照して作成順番を特定するが、この例に限定されない。文書作成処理モジュール2034は、例えば、順番テーブル2022の代わりにLLMを用いて作成順番を特定してもよい。
【0097】
即ち、文書作成処理モジュール2034は、例えば、各対象項目と、当該各対象項目に紐づけられた参照情報とのデータセットの一部又は全部を、作成順番の特定を指示する指示文と共にLLMに入力してもよい。LLMは、例えば、入力された対象項目及び参照情報の各内容を解析して作成順番を決定し、決定結果を出力してもよい。ここで、LLMは、例えば、対象項目の記載内容が他の対象項目の記載内容に影響を与える度合いの大小という観点に基づいて、前述の解析処理を実行してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMから出力された決定結果を取得することにより、作成順番を特定してもよい。この場合、順番テーブル2022は不要となる。また、作成順番を決定するLLMは、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0098】
また例えば、本動作例では、文書作成処理モジュール2034が出力済みの候補文章をLLMに入力するが、この例に限定されない。文書作成処理モジュール2034は、例えば、LLMへの入力データから出力済みの候補文章を除外してもよい。
【0099】
この場合、例えば、候補文章の作成において参照すべき出力済みの候補文章を指定する内容を含んだ第1指示文が、プロンプトテーブル2021に格納されていてもよい。この場合における第1指示文のテキストデータは、例えば以下の内容となる。
「〇〇〇(ブランク部分:参照情報が追完される)と、1回前に出力した文章(出力済みの候補文章のこと)とを参照して、項目△△△(対象項目が記載されている)に記載する文章(候補文章のこと)を作成してください。」
「〇〇〇(ブランク部分:参照情報が追完される)と、これまでに出力した全ての文章(出力済みの候補文章のこと)を参照して、項目△△△(対象項目が記載されている)に記載する文章(候補文章のこと)を作成してください。」
【0100】
また例えば、本動作例では、文書作成処理モジュール2034が各対象項目に対応する第1指示文の全てを1つのLLMに入力するが、この例に限定されない。文書作成処理モジュール2034は、例えば、各対象項目に対応する第1指示文を複数のLLMに分けて入力してもよい。即ち、AIシステム30は、候補文章を出力する複数のLLMを含んでいてもよい。
【0101】
この場合、例えば、各対象項目のそれぞれに特化したLLMが構築されていてもよい。このLLMは、例えば、所定の対象項目との相性が良くなるように、当該所定の対象項目に過去に記載された文章を学習データとして構築されたものであってもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、所定の対象項目に対応する第1指示文を、当該所定の対象項目に特化したLLMに入力してもよい。
【0102】
AIシステム30が複数のLLMを含んでいる例において、当該複数のLLMは、例えば、補助金の種類毎に構築されていてもよい。
【0103】
ステップS14において、サーバ20は、LLMから出力された候補文章に基づいてドラフトを作成する(作成するステップ)。
【0104】
具体的には、例えば、文書作成処理モジュール2034は、プロンプトテーブル2021から第2指示文を読み出し、各対象項目の候補文章を基に第2指示文のブランク部分を追完する。文書作成処理モジュール2034は、例えば、各対象項目の候補文章を用いて追完した第2指示文をAIシステム30へ送信する。
【0105】
AIシステム30は、例えば、サーバ20から受信した第2指示文(各対象項目の候補文章を含む)をLLMに入力し、当該LLMからドラフトを出力させる。本動作例では、LLMから出力されたドラフトは、各対象項目、及び当該各対象項目の候補文章を全て含んでいるものとする。AIシステム30は、LLMから出力されたドラフトをサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、例えば、AIシステム30から送信されたドラフトを受信する。受信制御モジュール2031がドラフトを受信することにより、サーバ20はドラフトを作成する処理を終了する。
【0106】
なお、ドラフトを出力するLLMは、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。ドラフトを出力するLLMが候補文章を出力するLLMと異なる場合、ドラフトを出力するLLMは、例えば、補助金の種類毎に構築されていてもよい。
【0107】
また例えば、LLMから出力されたドラフトは、各対象項目の一部、及び当該各対象項目の候補文章の一部を含んでいなくてもよい。即ち、LLMは、例えば、入力された各対象項目、及び入力された各対象項目の候補文章の少なくとも一方に、一部不適切な内容のもの、又は一部不十分な内容のものが含まれていると判断した場合に、該当する対象項目及び当該対象項目の候補文章を含まないドラフトを出力してもよい。
【0108】
LLMが対象項目及び当該対象項目の候補文章の一部を含まないドラフトを出力する例において、LLMは、例えば、対象項目が必須項目であれば、候補文章と共にドラフトに必ず含める判断をし、対象項目が加点項目であれば、候補文章の内容等に応じて一部又は全部をドラフトに含めない判断をしてもよい。これにより、必須項目の不記載等の記載不備を回避しつつ、加点項目に記載された不自然な文章、不要な文章が存在しないドラフトを作成することができる。従って、申請要件を確実に具備しつつ、ストーリー性がより担保されたドラフトを作成することができる。
【0109】
ステップS15において、サーバ20は、作成したドラフトをユーザに提示する。
【0110】
具体的には、例えば、提示制御モジュール2033は、文書作成処理モジュール2034により作成されたドラフトをユーザに提示する。送信制御モジュール2032は、例えば、ドラフトを表示するための情報を端末装置10へ送信する。
【0111】
送受信部192は、例えば、ドラフトを表示するための情報をサーバ20から受信する。提示制御部193は、例えば、ユーザから提示要求を受信すると、ディスプレイ141の表示画面にドラフトを表示させる。
【0112】
なお、出力装置14がプリンタの場合、提示制御モジュール2033は、例えば、提示制御部193を制御して、ドラフトの内容が印字された紙媒体を出力装置14からブリントアウトさせてもよい。また、提示制御モジュール2033がドラフトを提示することは必須ではない。
【0113】
以下、図9を参照して、ユーザにドラフトを提示したときにおける、ディスプレイ141の画面例について説明する。図9は、ユーザにドラフトを提示したときにおける、ディスプレイ141の画面例を示す模式図である。
【0114】
図9に示す例では、例えば、ディスプレイ141の表示画面における領域14311には、ドラフト1431が表示されている。ドラフト1431には、例えば、各対象項目として4種類の項目1432が記載されている。また、ドラフト1431には、例えば、各項目1432の直下に候補文章1433が記載されている。更に、表示画面における領域14312には、確定ボタン1434が表示されている。
【0115】
即ち、操作受付部191は、例えば、ユーザによるドラフト1431の提示要求を受け付け、サーバ20へ送信する。提示制御モジュール2033は、例えば、提示要求を受信することにより、ドラフト1431を表示するための情報を端末装置10へ送信する。提示制御部193は、例えば、ドラフト1431を表示するための情報を受信することにより、ディスプレイ141の表示画面にドラフト1431を表示させる。
【0116】
また、操作受付部191は、例えば、ユーザによる確定ボタン1434のタップ操作を受け付けることにより、確定要求をサーバ20へ送信する。確定要求は、対象文書の内容をドラフト1431の内容で確定させる旨の要求である。文書作成処理モジュール2034は、例えば、確定要求を受信することにより、ドラフト1431を対象文書の確定版として記憶部202に記憶する。
【0117】
なお、図9の画面例はあくまで一例である。ドラフト1431の表示内容及び表示態様については、様々なバリエーションが想定される。また例えば、提示制御部193は、確定ボタン1434を表示させなくてもよい。
【0118】
〔5 総括〕
以上のように、本実施形態では、受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された種類情報を受信する。受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された参照情報を受信して、プロンプトテーブル2021の項目「参照情報」に格納する。文書作成処理モジュール2034は、順番テーブル2022を参照して、各対象項目の候補文章の作成順番を特定する。文書作成処理モジュール2034は、作成項目に紐づけられた参照情報、及び出力済みの候補文章を用いて追完した第1指示文を、AIシステム30へ送信する。AIシステム30は、受信した第1指示文をLLMに入力し、当該LLMから作成項目の候補文章を出力させてサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、AIシステム30から送信された作成項目の候補文章を受信する。文書作成処理モジュール2034は、各対象項目の候補文章を用いて追完した第2指示文をAIシステム30へ送信する。AIシステム30は、受信した第2指示文をLLMに入力し、当該LLMからドラフトを出力させてサーバ20へ送信する。受信制御モジュール2031は、AIシステム30から送信されたドラフトを受信する。
【0119】
これにより、ドラフトに記載された候補文章は、参照情報に出力済みの候補文章が加味された内容になる。また、ドラフトに記載された候補文章は、所定の候補文章が他の候補文章に与える影響の度合いに応じた順番で作成される。従って、全ての候補文章が全体としてストーリー性を持ったドラフトを作成することができる。
【0120】
〔6 変形例〕
システム1は、本実施形態の例以外にも様々な態様を採用し得る。以下、システム1の変形例について、幾つか例を挙げて説明する。
【0121】
<6.1 候補文章の修正案の出力>
サーバ20は、例えば、出力された候補文章の修正内容を受け付けてもよい。そして、サーバ20は、例えば、入力された修正内容をLLMに入力し、当該LLMから候補文章の修正案を出力させてもよい。
【0122】
具体的には、例えば、操作受付部191は、ユーザによる候補文章の修正内容の入力操作を受け付け、修正内容を示す修正情報をサーバ20へ送信してもよい。
【0123】
ここで、ユーザが前述の入力操作を行う前提として、例えば、LLMから出力されたドラフトが、前述の入力操作の前にディスプレイ141の表示画面に表示されているものとする(図9参照)。そして、ユーザは、前述の入力操作の前に、表示画面に表示されたドラフトを視認しているものとする。なお、この場面において、例えば、LLMから出力された候補文章の一部又は全部が、ドラフトの代わりに表示画面に表示されていてもよい。
【0124】
受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された修正情報を受信してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、修正情報に基づいて、候補文章の修正を指示する指示文を作成し、修正情報及び指示文をAIシステム30へ送信してもよい。このとき、文書作成処理モジュール2034は、例えば、修正対象の候補文章、及び当該修正対象の候補文章に対応する参照情報の少なくとも一方をAIシステム30へ更に送信してもよい。
【0125】
AIシステム30は、例えば、修正情報及び指示文をLLMに入力し、当該LLMから修正対象の候補文章の修正案を出力させてもよい。このとき、修正対象の候補文章の修正案を出力するLLMは、例えば、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。AIシステム30は、例えば、LLMから出力された修正案をサーバ20へ送信してもよい。受信制御モジュール2031は、例えば、AIシステム30から送信された修正案を受信してもよい。
【0126】
このように、サーバ20がLLMから候補文章の修正案を出力させることで、ユーザによるドラフトの修正作業の工数を削減することができる。また、ユーザは、修正作業のときに、修正対象以外の候補文章の内容が修正作業によってどのような影響を受けるかを考慮して、修正内容を調整する必要が低減される。従って、ユーザがドラフトの修正作業を効率的に進めることができる。更に、ユーザは、候補文章の原文と修正案の両方から好ましい記載を抽出し、ユーザ自身で候補文章を編集することができる。
【0127】
サーバ20がLLMから候補文章の修正案を出力させる変形例において、サーバ20は、例えば、候補文章と、当該候補文章の修正案とを並べて提示してもよい。
【0128】
具体的には、例えば、提示制御モジュール2033は、修正対象の候補文章の原文と修正案とを並べて、ユーザに提示してもよい。送信制御モジュール2032は、例えば、修正対象を表示するための情報と、修正案を表示するための情報とを端末装置10へ送信してもよい。
【0129】
送受信部192は、例えば、修正対象を表示するための情報と、修正案を表示するための情報とをサーバ20から受信してもよい。提示制御部193は、例えば、ユーザから提示要求を受信すると、ディスプレイ141の表示画面に、修正対象の候補文章の原文と修正案とを並べて表示させてもよい。
【0130】
ここで、修正対象の候補文章の原文と修正案との並び方の態様に、特段の限定はない。例えば、原文と修正案とが紙面向かって横方向に並んでいてもよいし、紙面向かって縦方向に並んでいてもよい。但し、提示制御部193は、例えば、ユーザが原文と修正案とを見比べ易くなる程度まで、原文と修正案とを近接させて表示させるのが好ましい。
【0131】
このように、サーバ20が修正対象の候補文章の原文と修正案とを並べて提示することで、ユーザは両者を見比べることができる。従って、ユーザは、原文又は修正案の何れを選択するか、或いは修正案を編集するか否かの判断が容易になり、ドラフトの修正作業を効率的に進めることができる。
【0132】
サーバ20がLLMから候補文章の修正案を出力させる変形例において、サーバ20は、例えば、修正内容が他の候補文章の内容に影響を与える場合、LLMから当該他の候補文章の修正案を出力させてもよい。
【0133】
具体的には、例えば、文書作成処理モジュール2034は、制御部203のメモリ又は記憶部202から出力済みの候補文章を順次読み出し、修正対象の候補文章の修正案と対比することにより、修正案の修正内容が他の候補文章の内容に影響を与えるか否か判断してもよい。修正案の修正内容が他の候補文章の内容に影響を与えると判断した場合、文書作成処理モジュール2034は、例えば、修正案と、修正案から影響を受ける他の候補文章とに基づいて、当該他の候補文章の修正を指示する指示文を作成してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、修正案、修正案から影響を受ける他の候補文章、及び指示文をAIシステム30へ送信してもよい。なお、文書作成処理モジュール2034は、例えば、修正案から影響を受ける他の候補文章に対応する参照情報も、AIシステム30へ送信してもよい。
【0134】
AIシステム30は、例えば、修正案、修正案から影響を受ける他の候補文章、及び指示文をLLMに入力し、当該LLMから他の候補文章の修正案を出力させてもよい。このとき、他の候補文章の修正案を出力するLLMは、例えば、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。AIシステム30は、例えば、LLMから出力された他の候補文章の修正案をサーバ20へ送信してもよい。受信制御モジュール2031は、例えば、AIシステム30から送信された他の候補文章の修正案を受信してもよい。
【0135】
このように、サーバ20は、LLMから、修正対象の修正内容を受けて他の候補文章の修正案を出力させる。これにより、ユーザは、修正作業のときに、修正対象以外の候補文章の内容が修正作業によってどのような影響を受けるかを考慮して、修正内容を調整する必要がより低減される。従って、ユーザは、ドラフトの修正作業を更に効率的に進めることができる。
【0136】
なお、文書作成処理モジュール2034は、例えば、修正案の修正内容が他の候補文章の内容に影響を与えるか否かをLLMに判断させてもよい。即ち、文書作成処理モジュール2034は、例えば、制御部203のメモリ又は記憶部202から出力済みの候補文章を順次読み出し、修正対象の候補文章の修正案と共にLLMに入力して、当該LLMから判断結果を出力させてもよい。ここで、判断結果を出力するLLMは、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0137】
<6.2 その他の変形例>
先ず、サーバ20は、例えば、LLMから候補文章を出力させる処理において、更に、所定の項目に関連するリアルタイムの検索情報をLLMに入力してもよい。
【0138】
リアルタイムの検索情報(以下、最新検索情報)は、例えば、ユーザにより選択された補助金の種類と関連する最新の検索情報である。最新検索情報は、例えば、ユーザによって検索されてもよいし、ユーザ以外の第三者によって検索されてもよい。最新検索情報の内容自体は、ユーザにより選択された補助金の種類と関連するものであれば、関連度に拘わらずどのような情報であってもよい。
【0139】
具体的には、例えば、操作受付部191は、ユーザによる最新検索情報の入力操作を受け付け、当該最新検索情報をサーバ20へ送信してもよい。或いは、操作受付部191は、ユーザにより入力された最新検索情報を、制御部190における不図示のメモリ又は記憶部180に記憶してもよい。この場合、送受信部192は、例えば、ユーザによる最新検索情報の送信要求を受け付けると、前述のメモリ又は記憶部180から最新検索情報を読み出してサーバ20へ送信してもよい。
【0140】
受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された検索情報を受信してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、参照情報、出力済みの候補文章、第1指示文、及び検索情報をAIシステム30へ送信してもよい。
【0141】
AIシステム30は、例えば、参照情報、出力済みの候補文章、第1指示文、及び検索情報をLLMに入力し、当該LLMから候補文章を出力させてもよい。LLMが候補文章を出力した後のサーバ20及びAIシステム30の各処理は、本実施形態の例と同様である。
【0142】
このように、サーバ20は、LLMから最新検索情報の内容を加味した候補文章を出力させる。これにより、ユーザにより選択された種類の補助金に関する最新のトレンド、最新の調査結果等が反映されたドラフトを作成することができる。
【0143】
次に、サーバ20は、例えば、各種類の補助金の申請様式と互換性のある様式で、ドラフトを作成してもよい。
【0144】
具体的には、例えば、AIシステム30は、LLMから、システム1が対応可能な他の全ての種類の補助金の申請様式と互換性のある様式でドラフトを出力させてもよい。LLMがドラフトを出力した後のサーバ20及びAIシステム30の各処理は、本実施形態の例と同様である。
【0145】
このように、サーバ20は、LLMから、システム1が対応可能な他の全ての種類の補助金の申請様式と互換性のある様式でドラフトを出力させる。これにより、ドラフトの記載内容及び記載形式を、そのまま他の補助金申請文書のフォーマットに反映(例:コピー・アンド・ペースト)することができる。従って、ユーザは、ある種類の補助金申請文書のドラフトを一旦作成すれば他の種類のドラフトを一から作成する必要が無くなり、複数種類のドラフトを作成する場合において作業を大幅に簡略化することができる。これにより、補助金申請文書の作成作業におけるユーザの利便性が向上する。また、対象文書以外の補助金申請文書の作成時における、ユーザの作業工数を大幅に削減することができる。
【0146】
次に、サーバ20は、例えば、編集後の候補文章をLLMに入力し、当該LLMから編集後の文章が所定の条件を満たしているか否かの判断結果を出力させてもよい。
【0147】
具体的には、例えば、操作受付部191は、ユーザによる候補文章の編集操作を受け付け、編集後の候補文章をサーバ20へ送信してもよい。或いは、操作受付部191は、ユーザによる編集後の候補文章を、制御部190における不図示のメモリ又は記憶部180に記憶してもよい。この場合、送受信部192は、例えば、ユーザによる編集後の候補文章の送信要求を受け付けると、前述のメモリ又は記憶部180から編集後の候補文章を読み出してサーバ20へ送信してもよい。
【0148】
送信制御モジュール2032は、例えば、端末装置10から受信した編集後の候補文章をAIシステム30へ送信してもよい。AIシステム30は、例えば、編集後の候補文章をLLMに入力し、当該LLMから編集後の候補文章が所定の条件を満たしているか否かの判断結果を出力させてもよい。ここで、判断結果を出力するLLMは、例えば、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0149】
所定の条件について、特段の限定はない。所定の条件は、例えば、編集後の候補文章が、対象文書の対象となる補助金申請の募集要項に沿った内容になっていることであってもよい。また例えば、所定の条件は、編集後の候補文章が、対象文書の対象となる補助金交付の過去の採択事例の内容に合致していることであってもよい。また例えば、所定の条件は、編集後の候補文章が、必須項目の候補文章を必ず含んでいることであってもよい。また例えば、対象項目に加点項目が含まれている場合、所定の条件は、編集後の候補文章が、加点項目の候補文章を必ず含んでいることであってもよい。或いは、所定の条件は、対象項目毎に設定されていてもよいし、必須項目だけに設定されもよいし、加点項目だけに設定されてもよい。
【0150】
AIシステム30は、例えば、LLMから出力された判断結果をサーバ20へ送信してもよい。受信制御モジュール2031は、例えば、AIシステム30から送信された判断結果を受信してもよい。
提示制御モジュール2033は、例えば、ユーザに判断結果を提示してもよい。
【0151】
このように、サーバ20は、編集後の候補文章をLLMに入力し、当該LLMから編集後の候補文章が所定の条件を満たしているか否かの判断結果を出力させる。これにより、ユーザは、例えば、ディスプレイ141の表示画面に表示された判断結果を視認することにより、編集後の候補文章を判断結果に応じて更に編集することができる。従って、全ての候補文章が全体としてストーリー性を更に持ったドラフトを作成することができる。
【0152】
なお、サーバ20は、LLMの代わりに、例えば生成AIモデル以外の機械学習モデルに判断結果を出力させてもよい。また例えば、文書作成処理モジュール2034が、LLMの代わりに前述の判断処理を行ってもよい。
【0153】
次に、サーバ20は、例えば、補助金の種類の変更を受け付けてもよい。そして、サーバ20は、例えば、参照情報に基づいて、変更された種類の補助金申請文書のドラフトを作成してもよい。
【0154】
具体的には、例えば、操作受付部191は、ユーザによる補助金の種類の変更操作を受け付け、変更後の補助金の種類を示す変更後種類情報をサーバ20へ送信してもよい。
【0155】
受信制御モジュール2031は、例えば、端末装置10から送信された変更後種類情報を受信してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、プロンプトテーブル2021から、ドラフトの作成時に用いた参照情報の一部又は全部を読み出してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、制御部203のメモリ又は記憶部202から、ドラフトに含まれている候補文章の一部又は全部を読み出してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、変更後の種類に係る補助金申請文書のドラフト(以下、変更後ドラフト)作成を指示する指示文を作成してもよい。文書作成処理モジュール2034は、例えば、参照情報、候補文章、及び指示文をAIシステム30へ送信してもよい。
【0156】
AIシステム30は、例えば、参照情報、候補文章、及び指示文をLLMに入力し、当該LLMから変更後ドラフトを出力させてもよい。ここで、変更後ドラフトを出力するLLMは、例えば、候補文章を出力するLLMと同一であってもよいし、異なっていてもよい。LLMが変更後ドラフトを出力した後のサーバ20及びAIシステム30の各処理は、本実施形態の例と同様である。なお、LLMの代わりに、例えば、文書作成処理モジュール2034が変更後ドラフトを作成してもよい。また、変更後ドラフトの作成において候補文章のLLMへの入力は必須ではなく、少なくとも参照情報がLLMに入力されればよい。
【0157】
このように、サーバ20は、補助金の種類の変更を受け付けるだけで、ドラフトの作成に用いた情報を流用して変更後ドラフトを作成する。これにより、ユーザは、補助金の種類の変更に伴って新たな参照情報を入力する必要はなくなり、種類変更後のドラフトの作成作業を大幅に簡略化/効率化することができる。
【0158】
次に、AIシステム30は、例えば、候補文章を出力する生成AIモデルとして、ユーザにより作成された補助金申請文書を学習データとして学習された生成AIモデルを含んでいてもよい。この生成AIモデルは、例えばLLMであってもよいし、マルチモーダル生成AIモデルのようなLLM以外の生成AIモデルであってもよい。但し、この変形例では、補助金申請文書を学習データとして用いることについて、当該補助金申請文書を作成したユーザの許可が得られていることが前提となる。
【0159】
この変形例の生成AIモデルは、例えば、ユーザの文体の特徴、ユーザの文章表現/言い回しの特徴、語彙選択、及び/又は文の構造等に特化したモデルとなる。従って、ユーザは、例えば、自身が過去に作成した事業計画書等をアップロードして学習データとすることで、ユーザが所望する文体等のドフラトを作成することができる。これにより、ユーザによる修正作業の手間を減らすことができる。
【0160】
次に、サーバ20は、例えば、作成されたドラフトを、ユーザ及びユーザと業務上の関係がある関係者に提示してもよい。
【0161】
関係者は、関係性の程度に拘わらず、ユーザと業務上の関係がある全ての者を含む概念である。関係者としては、例えば、ユーザの所属企業の従業員、ユーザと共に補助金の申請対象の事業を計画している他企業の従業員、ユーザの所属企業と提携している外部の専門家(コンサルティング業者、弁護士等)等が挙げられる。
【0162】
具体的には、例えば、提示制御モジュール2033は、ドラフトをユーザ及び関係者に提示してもよい。送信制御モジュール2032は、例えば、ドラフトを表示するための情報を、端末装置10及び関係者の端末装置(不図示:以下、関連端末装置)へ送信してもよい。以降の送受信部192及び提示制御部193の各処理は、本実施形態の例と同様である。
【0163】
関連端末装置の送受信部は、例えば、ドラフトを表示するための情報をサーバ20から受信してもよい。関連端末装置の提示制御部は、例えば、ユーザから提示要求を受信すると、関連端末装置のディスプレイの表示画面にドラフトを表示させてもよい。なお、提示制御モジュール2033は、例えば、ユーザに対するドラフトの提示態様と、関係者に対するドラフトの表示態様とを異ならせてもよい。
【0164】
このように、サーバ20がドラフトを関係者にも提示することで、ユーザと関係者との間でドラフトに関する情報共有/協議等を行うことが容易になる。従って、ユーザは、関係者の意見、提供情報等を加味してドラフトを修正/編集することができる。
【0165】
〔7 コンピュータの基本ハードウェア構成〕
図10は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、通信IF991(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらは通信バス921により相互に電気的に接続される。
【0166】
プロセッサ901とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ901は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0167】
主記憶装置902とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0168】
補助記憶装置903とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0169】
通信IF991とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
【0170】
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0171】
なお、各ハードウェア構成の全部又は一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0172】
〔8 コンピュータ90の基本機能構成〕
コンピュータ90の基本ハードウェア構成(図10)により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0173】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部又は一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0174】
制御部は、プロセッサ901が補助記憶装置903に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0175】
記憶部は、主記憶装置902、補助記憶装置903により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902又は補助記憶装置903に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0176】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブル、マスタと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、マスタ、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル、マスタ同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0177】
通常、各テーブル、各マスタにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、記憶部に記憶された特定のテーブル、マスタにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0178】
また、記憶部に、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶させることにより、本開示に係る情報処理装置、情報処理システムが製造されたものとして捉えることができる。
【0179】
なお、本開示におけるデータベース、マスタは、情報が構造的に規定された任意のデータ構造体(リスト、辞書、連想配列、オブジェクトなど)を含み得る。データ構造体には、データと、任意のプログラミング言語により記述された関数、クラス、メソッドなどを組み合わせることにより、データ構造体と見なし得るデータも含むものとする。
【0180】
通信部は、通信IF991により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ901に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0181】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0182】
また、本実施形態に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0183】
更に、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0184】
本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、ASICs (Application Specific Integrated Circuits)、CPU (a Central Processing Unit)、従来型の回路、及び/又はそれらの組合せを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。
【0185】
本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。
【0186】
当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成するために用いられるソフトウェアの組合せである。
【0187】
以上、本開示の幾つかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0188】
〔9 付記〕
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0189】
<付記1>
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、補助金の種類の選択を受け付けるステップと、選択された種類の補助金申請文書に含まれ得る各項目に紐づけられた参照情報の入力を受け付けるステップと、入力された参照情報と、各項目に記載され得る文章の作成を指示する指示文とを生成AIモデルに入力し、当該生成AIモデルから文章を出力させるステップと、出力された文章に基づき、補助金申請文書のドラフトを作成するステップとを実行させ、出力させるステップでは、出力済みの文章を用いて生成AIモデルから文章を出力させ、且つ、生成AIモデルに文章を所定の順番で作成させるプログラム。
【0190】
<付記2>
出力させるステップでは、生成AIモデルは、各項目のうち、項目の記載内容が他の項目の記載内容に影響を与える度合いが高い項目から順に、文章を作成する(付記1)に記載のプログラム。
【0191】
<付記3>
出力された文章の修正内容を受け付けるステップをプロセッサに実行させ、出力させるステップでは、入力された修正内容を生成AIモデルに入力し、生成AIモデルから文章の修正案を出力させる(付記1)又は(付記2)に記載のプログラム。
【0192】
<付記4>
出力された文章と修正案とを並べて提示するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記3)の何れかに記載のプログラム。
【0193】
<付記5>
出力させるステップでは、入力された修正内容が他の文章の内容に影響を与える場合、生成AIモデルから当該他の文章の修正案を出力させる(付記3)に記載のプログラム。
【0194】
<付記6>
出力させるステップでは、所定の項目に関連するリアルタイムの検索情報を生成AIモデルに入力する(付記1)から(付記5)の何れかに記載のプログラム。
【0195】
<付記7>
作成するステップでは、各種類の補助金の申請様式と互換性のある様式で、ドラフトを作成する(付記1)から(付記6)の何れかに記載のプログラム。
【0196】
<付記8>
各項目は、補助金の募集要項に応じた加点項目を含む(付記1)から(付記7)の何れかに記載のプログラム。
【0197】
<付記9>
編集後の文章を生成AIモデルに入力し、生成AIモデルから編集後の文章が所定の条件を満たしているか否かの判断結果を出力させるステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記8)の何れかに記載のプログラム。
【0198】
<付記10>
種類の変更を受け付けるステップを前記プロセッサに実行させ、作成するステップでは、参照情報に基づいて、変更された種類の補助金申請文書のドラフトを作成する(付記1)から(付記9)の何れかに記載のプログラム。
【0199】
<付記11>
生成AIモデルは、ユーザにより作成された補助金申請文書を学習データとして学習されたものである(付記1)から(付記10)の何れかに記載のプログラム。
【0200】
<付記12>
作成されたドラフトを、ユーザ及びユーザと業務上の関係がある関係者に提示するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記11)の何れかに記載のプログラム。
【0201】
<付記13>
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、(付記1)から(付記12)の何れかに記載のプログラムにおける全てのステップを実行する情報処理装置。
【0202】
<付記14>
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、(付記1)から(付記12)の何れかに記載のプログラムにおける全てのステップを実行する方法。
【0203】
<付記15>
(付記1)から(付記12)の何れかに記載のプログラムにおける全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【符号の説明】
【0204】
1…システム
10…端末装置
120…通信部
13…入力装置
14…出力装置
15…メモリ
16…ストレージ
19…プロセッサ
20…サーバ
22…通信IF
23…入出力IF
25…メモリ
26…ストレージ
29…プロセッサ
30…AIシステム
【要約】
【課題】文章全体のストーリー性を考慮した申請文書のドラフトを作成する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、補助金の種類の選択を受け付けるステップと、選択された種類の補助金申請文書に含まれ得る各項目に紐づけられた参照情報の入力を受け付けるステップと、入力された参照情報と、各項目に記載され得る文章の作成を指示する指示文とを生成AIモデルに入力し、当該生成AIモデルから文章を出力させるステップと、出力された文章に基づき、補助金申請文書のドラフトを作成するステップとを実行させ、出力させるステップでは、出力済みの文章を用いて生成AIモデルから文章を出力させ、且つ、生成AIモデルに文章を所定の順番で作成させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10