(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】ウェブ検査システムのスマート同期方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20250402BHJP
H04N 23/66 20230101ALI20250402BHJP
H04N 23/90 20230101ALI20250402BHJP
H04N 23/698 20230101ALI20250402BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20250402BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20250402BHJP
G03B 17/38 20210101ALI20250402BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20250402BHJP
H04N 23/45 20230101ALI20250402BHJP
【FI】
H04N23/60 100
H04N23/66
H04N23/90
H04N23/698
G03B15/00 T
G03B15/02 G
G03B17/38 B
G03B15/05
H04N23/45
(21)【出願番号】P 2022579967
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 FI2021050449
(87)【国際公開番号】W WO2021260263
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2024-06-13
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】516005120
【氏名又は名称】プロセメク オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジャリ リトニエミ
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204287062(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第3343896(EP,A1)
【文献】国際公開第2005/106104(WO,A1)
【文献】国際公開第03/039156(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/230750(WO,A1)
【文献】特表2013-516146(JP,A)
【文献】特開2005-210733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/66
H04N 23/90
H04N 23/698
G03B 15/00
G03B 15/02
G03B 17/38
G03B 15/05
H04N 23/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期デバイスとして活動するように構成されているマスターカメラ(32)及び少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)と、画像化されるように配置されたウェブのエリアを照明するように配置された少なくとも1つの照明デバイス(35、36)と、を備える、移動する前記ウェブを監視するためのウェブ検査システム(30)のスマート同期方法であって、
前記同期デバイス(32)によって前記少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)に同期信号(20)を送信することであって、前記同期信号(20)は、少なくとも1つの開始パルス(22)及び前記少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)に対する追加情報を含むシリアルデータ(23)を含み、前記追加情報は、隣接カメラの画像の合成のために使用されるように構成されており、前記ウェブ検査システム(30)のすべての前記カメラ(31、32、33)は、前記カメラ(31、32、33)の積分が終了するときに同期モーメント(25)を示す前記開始パルス(22)に基づいて互いに同期するように構成されている、前記送信することと、
前記同期デバイス(32)によって前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)に光同期信号(21)を送信することであって、前記光同期信号(21)の光制御パルス(26)は、前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)のオン及びオフ切り替え時間を示し、オフ切り替え時間は、前記同期モーメント(25)に対応する、前記送信することと、
カメラ(31、32、33)の個々の積分時間と前記ウェブ検査システム(30)の前記カメラ(31、32、33)に共通の前記同期モーメント(25)に基づいて、積分の開始時間を計算することと、を含む、スマート同期方法。
【請求項2】
前記カメラ(31、32、33)の積分をそれらの計算された積分の開始時間で開始し、前記カメラ(31、32、33)によって画像化される前記ウェブ上の前記エリアを照射するために、前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)をオンに切り替えることと、
すべての前記カメラ(31、32、33)の積分を終了し、前記同期モーメント(25)の瞬間に前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)をオフに切り替えることと、を更に含む、請求項1に記載のスマート同期方法。
【請求項3】
前記カメラ(31、32、33)のピクセルから積分中に測定された強度値を読み取り、ピクセルをリセットすることと、
前記読み取られた強度値に基づいてキャプチャされた画像データを形成することと、
前記キャプチャされた画像データを、前記受信された追加情報とともに画像データ処理デバイス(31’、32’、33’)に送信することと、を更に含む、請求項2に記載のスマート同期方法。
【請求項4】
前記画像データ処理デバイス(31’、32’、33’)によって前記受信された追加情報を使用して、前記受信された画像データから合成画像を形成することを更に含む、請求項3に記載のスマート同期方法。
【請求項5】
前記ウェブ検査システム(30)のすべての前記カメラ(31、32、33)が、エリアスキャンカメラである、請求項1~4のいずれか一項に記載のスマート同期方法。
【請求項6】
移動するウェブを監視するためのウェブ検査システムであって、同期デバイスとしてマスターカメラ(32)と、少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)と、少なくとも1つの照明デバイス(35、36)と、画像データ処理デバイス(31’、32’、33’)と、を備え、前記カメラ(31、32、33)は、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を使用することによって互いに同期される、前記ウェブ検査システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)がエリアスキャンカメラである、請求項6に記載のウェブ検査システム。
【請求項8】
前記ウェブ検査システム(30)の前記カメラ(31、32、33)が、列として隣接して配置されている、請求項6又は7に記載のウェブ検査システム。
【請求項9】
前記ウェブ検査システム(30)が、エッジマーキングデバイス(34)を更に備える、請求項6~8のいずれか一項に記載のウェブ検査システム。
【請求項10】
コンピュータ可読媒体上に記憶され、コンピューティングデバイス内で実行可能なコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行するために、少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)及び少なくとも1つの照明デバイス(35、36)を含む、ウェブ検査システム(30)の同期デバイスとして活動するマスターカメラ(32)のための命令を含む、前記コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、連続製造プロセスの移動するウェブを監視するウェブ検査システムのカメラを同期させるための方法に関する。
【0002】
本発明は、ウェブ検査システム及びウェブ検査システムに前記方法を実行させるコンピュータプログラム製品にも関する。
【背景技術】
【0003】
背景
連続製造プロセスでは、機械を常に走り抜ける材料又は製品が存在する。そのようなプロセス、例えば、製紙機械では、製品は、考えられる逸脱を検出し、かつ高品質の最終製品を取得するために、例えばカメラシステムなどのウェブ検査システムによって、監視されなければならない。該カメラシステムは、例えば640×480ピクセルの水平素子及び垂直素子すなわちピクセルの1つのマトリックスが監視対象の1つの画像を提供するエリアスキャンカメラを持つ、大規模なピクセルのマトリックスを含み、1つの露出サイクルで所与のエリアの2D画像をキャプチャする複数のエリアスキャン(アレイ)カメラを備える、カメラシステムである。監視対象が該エリアスキャンカメラシステムを通過すると、それの画像がカメラのエリア画像センサによって露出され、分析のために処理ユニットに転送される。
【0004】
監視システムに2つ以上のカメラが存在する場合、それらは、常に正に同時に対象の写真を撮影し、かつ後行程で結果が処理されるときに隣接カメラの結果と画像を合成することができるような方法で、同期される必要がある。カメラ技術により、パルス光のオフ切り替えもカメラの積分の終了と精密に同期される必要がある。
【0005】
通常、カメラは、カメラの画像キャプチャ時間を定義する単純な同期信号によって互いに同期される。このような種類の同期は、固定フレームレートが使用されれば十分提供される。しかしながら、カメラの画像キャプチャ時間を定義するだけの単純な同期信号が使用されるときに、カメラは、他のカメラの画像番号やウェブが移動した距離が正確にわからないため、後工程で結果と隣接画像とを合成することが難しいか、又はほぼ不可能である。更に、カメラの積分の終了と正に同時にパルス光がオフに切り替えられない場合、ピクセルの積分が継続され、画像の品質が悪くなることをもたらすことがあり、例えば、画像が明るくなりすぎることがある。
【発明の概要】
【0006】
概要
本発明の目的は、連続製造プロセスの移動するウェブを監視するウェブ検査システムのカメラ及び少なくとも1つの照明デバイスを同期させるための新規の方法を提供及び提示することである。更なる目的は、ウェブ検査システム及びウェブ検査システムにその方法を実行させるコンピュータプログラム製品を提供することである。本発明による同期方法、システム、及びコンピュータプログラム製品は、独立請求項において提示されるものにおいて特徴付けられ、従属請求項は、本発明の有利な実施形態に関する。
【0007】
第1の態様によれば、移動するウェブを監視するための、同期デバイス及び少なくとも1つのスレーブカメラと、カメラによって画像化されるように配置されたウェブのエリアを照明するように配置された少なくとも1つの照明デバイスとを備えたウェブ検査システムのスマート同期方法であって、該方法は、同期デバイスによって少なくとも1つのスレーブカメラに同期信号を送信することであって、同期信号は、少なくとも1つの開始パルス及び少なくとも1つのスレーブカメラに対する追加情報を含むシリアルデータを含み、ウェブ検査システムのすべてのカメラは、カメラの積分が終了するときに同期モーメントを示す同期パルスに基づいて互いに同期するように構成されている、前記送信することと、同期デバイスによって少なくとも1つの照明デバイスに光同期信号を送信することであって、同期信号の光制御パルスは、少なくとも1つの照明デバイスのオン及びオフ切り替え時間を示し、オフ切り替え時間は、同期モーメントに対応する、前記送信することと、カメラの個々の積分時間及びウェブ検査システムのカメラに共通の同期モーメントに基づいて、積分の開始時間を計算することと、を含む、前記スマート同期方法が提供される。
【0008】
一実施例によれば、本方法は、カメラの積分をそれらの計算された積分の開始時間で開始し、カメラによって画像化されるウェブ上のエリアを照射するために、少なくとも1つの照明デバイスをオンに切り替えることと、すべてのカメラの積分を終了し、同期モーメントの瞬間に少なくとも1つの照明デバイスをオフに切り替えることと、を更に含む。一実施例によれば、本方法は、カメラのピクセルから積分中に測定された強度値を読み取り、ピクセルをリセットすることと、読み取られた強度値に基づいてキャプチャされた画像データを形成することと、キャプチャされた画像データを、受信された追加情報とともに画像データ処理デバイスに送信することと、を更に含む。一実施例によれば、本方法は、画像データ処理デバイスによって、受信された追加情報を使用して受信された画像データから合成画像を形成することを更に含む。一実施例によれば、ウェブ検査システムのすべてのカメラは、エリアスキャンカメラである。一実施例によれば、同期デバイスは、ウェブ検査システムのカメラのうちの1つであるスマートカメラである。一実施例によれば、同期デバイスは、外部同期デバイスである。
【0009】
第2の態様によれば、同期デバイス及び少なくとも1つのスレーブカメラと、少なくとも1つの照明デバイスと、画像データ処理デバイスとを備える、移動するウェブを監視するためのウェブ検査システムであって、該カメラは、第1の態様及びその実施例による方法を使用することによって互いに同期する、前記ウェブ検査システムが提供される。
【0010】
一実施例によれば、少なくとも1つのスレーブカメラは、エリアスキャンカメラである。一実施例によれば、ウェブ検査システムのカメラは、列として隣接して配置されている。一実施例によれば、同期デバイスは、ウェブ検査システムのスマートカメラである。一実施例によれば、同期デバイスは、外部同期デバイスである。一実施例によれば、ウェブ検査システムは、エッジマーキングデバイスを更に備える。
【0011】
第3の態様によれば、コンピュータ可読媒体上に記憶され、コンピューティングデバイス内で実行可能なコンピュータプログラム製品であって、少なくとも1つのスレーブカメラ及び少なくとも1つの照明デバイスを備えるウェブ検査システムの同期デバイスが第1の態様及びその例による方法を実行するための命令を含む、前記コンピュータプログラム製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面の簡単な説明
以下、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【
図1a】本発明の実施形態によるスマート同期方法を使用することによって互いに同期する、隣接カメラのグループと照明デバイスとを備える、ウェブ検査システムを示す。
【
図1b-e】
図1aのウェブ検査システムのカメラでキャプチャされた画像と、これらの画像の合成画像を示す。
【
図1f-g】隣接カメラを備えるが、本発明の実施形態による同期方法を使用しないウェブ検査システムのカメラによりキャプチャされた画像を示す。
【
図2】本発明の実施形態によるウェブ検査システムのスマート同期方法のスマート同期信号を示す。
【
図3】本発明の実施形態による、ウェブ検査システムのカメラ及び照明デバイスを同期させるためのスマート同期方法を使用する、該システムを示す。
【
図4】本発明の実施形態によるウェブ検査システムのスマート同期方法のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
ウェブ検査システムのマトリックスカメラとも呼ばれるエリアスキャンカメラである複数の隣接画像センサは、移動するウェブを監視し、検査されるウェブがカメラの視野を通過して移動する際に、それらの各々が1つの画像フレーム、すなわち、1度に1つの画像マトリックスで画像をキャプチャするように配置される。キャプチャされた隣接画像は、ウェブの幅全体を実質的にカバーする。各画像は、感光素子の二次元アレイを、レンズによってアレイに集束された光に、積分又はシャッター時間と呼ばれる短時間の間露出することによってキャプチャされる。アレイは、画像と呼んでもよく、個々の感光素子は、ピクセルと呼んでもよい。各ピクセルは、積分中にその上に落ちる光の強度を測定する。積分が終了した後、測定された強度値が読み取られ、ピクセルがリセットされる。すなわち、次の積分が開始するまで黒レベルに短絡される。次いで、測定されたアナログの強度値は、デジタル情報に変換され、該デジタル情報は、次いで、実際にキャプチャされた画像を形成するように処理される。積分は、読み出しエレクトロニクスの動作によって区切られ、シャッターによる露出には依存しない。監視されるウェブは、例えば、紙又は段ボール機械、又は監視される移動部品を備えるいくつかの他の種類の機械、例えば、移動ロールを含む印刷機械、又は組み立て機械のウェブ様材料である。
【0014】
その後、各キャプチャされた画像の画像データは、処理のために画像データ処理デバイスに送信され得る。画像データ処理デバイスは、例えば、コンピュータ、論理回路、デジタル信号プロセッサ(DSP)、若しくは画像データコンピュータ、又はこのタイプの画像を処理するのに好適な任意の他のコンピューティングデバイスであってもよい。処理のために、隣接画像を、拡大画像フィールドを有する単一の画像として合成してもよいが、この合成のためには、すべての画像において、キャプチャの瞬間にウェブが移動方向に同じ距離を走行したように、合成される画像がキャプチャされ、そうすることで隣接画像が互いに平行に位置合わせされて、合成されるときにウェブの移動方向に垂直な長手方向の矩形の合成画像を形成するようにすることが重要である。
【0015】
マスターカメラ又は外部モジュールによって提供される単純な同期パルスは、画像キャプチャを開始し(ピクセルの積分を開始)、かつ照明をオンに切り替える第1の時点、及び画像キャプチャを終了し(ピクセルの積分を終了する)、かつ照明をオフに切り替える第2の時点を示すことによって、ウェブ検査システムの隣接カメラ及び照明デバイスを互いに同期させるために使用されてもよい。積分時間は、照明デバイスがオンに切り替えられている時間間隔に依存する。しかしながら、この種類の単純な開始パルスは、様々な状況、例えば、キャプチャ周波数(フレームレート)をオンザフライで変更する必要が存在するときに十分ではないが、カメラの画像キャプチャ周波数が予め決定されており、そのまま同じであるときには機能し得る。さらにまた、この種類の単純な同期パルスを使用するときに、カメラは、キャプチャされた画像に関して、例えば、画像シーケンス番号に関連する及び/又は画像キャプチャの瞬間にウェブが移動方向に走行した距離に関連する情報を、画像が合成されるときにはそのような情報が必要であるにもかかわらず、追加しないか、そうでなければ、そのような情報が利用可能ではない。したがって、これらの画像を単一の合成画像として合成することは、非常に困難であるか、又は少なくとも時には不可能である。更に、キャプチャされた画像が実質的に平行ではない可能性もあり、イベントが画像のうちの少なくとも1つによって構成され、これらの平行ではない画像に基づいて欠陥マップが形成される場合、欠陥マップは、ウェブ内の欠陥を位置特定及び/又は補正するために確実に使用することはできない。
【0016】
したがって、本発明では、単純な同期パルスの代わりに、スマート同期方法が、2つ以上の隣接カメラを有するウェブ検査システムを同期させるために使用される。スマート同期方法では、ウェブ検査システムのカメラのうちの1つであってもよいマスターカメラは、いわゆるスレーブカメラと呼ばれるウェブ検査システムの他のカメラを同期させるために使用され、少なくとも1つの照明デバイス又は外部同期デバイスが、ウェブ検査システムのカメラ及び少なくとも1つの照明デバイスを同期させるために使用されてもよい。外部同期デバイスが同期に使用される場合、すべてのカメラはスレーブカメラである。同期信号を送信するデバイスは、それがマスターカメラであっても外部デバイスであっても、同期デバイスと呼ばれ得る。
【0017】
マスターカメラは、スレーブカメラに同期信号を送信することで、それらを同期させる。そして、外部同期デバイスを使用する場合には、ウェブ検査システムのカメラに同期信号を送信するのは外部同期デバイスである。同期信号は、カメラに対する同期モーメントを示す。同期モーメントは、少なくとも1つの照明デバイスの照明のオフ切り替え時間に対応する。カメラは、送信された照明のオフ切り替え時間と一斉に終了するようにそれらの積分の開始を定義し、かつ、すべてのカメラの積分が同時に終了し、また照明も同時にオフに切り替えられるため、ウェブの隣接画像は、同時に、すなわち一斉に撮影される。更に、同期信号は、隣接カメラの画像を合成するか、又はカメラセッティングを制御するときに使用され得る、送信される追加情報を含むシリアルデータフィールドを含んでもよい。この追加情報は、これらの画像の合成を容易にするため、例えば、欠陥マップを分析するため、及び/又は形成するための処理段階のために、画像を互いに確実に合成することができる。スマート同期方法では、ウェブ検査システムの少なくとも1つの照明デバイスをカメラと同期させるために、同期デバイスは、少なくとも1つの照明デバイスに光同期信号を送信する。光同期信号の光制御パルスは、少なくとも1つの照明デバイスのオン及びオフ切り替え時間を示す。スマート同期方法は、少なくとも2つのカメラへの同期信号、及び少なくとも1つの照明デバイスへの光同期信号の両方の信号を送信することを含む。
【0018】
ウェブ検査システムは、エッジマーキングデバイスを更に備えてもよい。スマートカメラ又は外部同期ユニットが、エッジマーキングデバイスを制御するために使用されてもよい。エッジマーキングデバイスは、紙ウェブのエッジエリアにマーキングをスプレーする。マーキングは、例えば、一定の間隔でウェブ上にスプレーされる、いわゆる移動方向(MD)マーキングであってもよい。間隔は、例えば、25m、100m若しくは1000m、又は任意の他の予め決定された距離であってもよい。そして、マーキングに基づいて、欠陥が修正のためにより容易に位置特定される。マーキングは、目に可視であっても、又は目には不可視であるが紫外線には可視であってもよく、ドット又はラインコードであってもよく、例えば、特定のタイプのバイナリコードであってもよい。
【0019】
図1aは、本発明の実施形態によるスマート同期方法を使用することによって、互いに同期するカメラ11、12、13、14のグループと、照明デバイス16とを備えるウェブ検査システム10を示す。スマート同期方法は、同期信号及び光同期信号を送信することを含む。ウェブ検査システム10は、4つの隣接カメラ11、12、13、14を備える。照明デバイス16は、検査されるウェブ15上でカメラ11、12、13、14の視野を照射するように構成されている。すべてのカメラ11、12、13、14は、ウェブの様々な部分を見るエリアスキャンカメラである。カメラのうちの1つである本実施形態のカメラ11はマスターカメラであり、他のカメラ12、13、14はスレーブカメラである。各カメラ11、12、13、14は、予め決定しているか、又は以前にキャプチャした画像の強度に基づいて自動的に制御/調整された自身の積分時間を有する。強度は、例えば、レンズの汚れ又は監視対象の変化などにより、変化し得る。
【0020】
マスターカメラ11は、スレーブカメラ12、13、14に同期信号を送信することで、それらを同期させる。同期信号は、開始パルスを含む。同期信号は、
図1bに示す画像11’,12’,13’,14’をキャプチャするために積分を終了すべき同期モーメントである時間をカメラ12、13、14に示す。同期モーメントは、例えば、開始パルスのトレーリングエッジ又は立ち上がりエッジであってもよい。そして、この積分の終了時間及び自身の積分時間に基づいて、スレーブカメラ12、13、14及びマスターカメラ11自体が、自身の積分のための開始時間を計算する。
【0021】
マスターカメラ11は、更に、照明デバイス16に対するオン及びオフ切り替え時間を照明制御パルスにより示す光同期信号によって、照明デバイス16を同期させる。この実施形態では、オン切り替え時間は、光制御パルスの立ち上がりエッジによって示される。照明デバイス16は、カメラ11、12、13、14のいずれかの積分が開始される前にオンに切り替えられる。本実施形態では、オフ切り替え時間は、光制御パルスのトレーリングエッジによって示され、照明デバイス16をオフに切り替える時間を定義し、カメラ11、12、13、14の同期モーメントに対応する。複数の照明デバイスが存在する場合、マスターカメラ11は、それらすべてが定義された同期モーメントにおいてオフに切り替えられるように、光同期信号によってそれらすべてを同期させる。
【0022】
ウェブ検査システム10は、ウェブ15のエッジを一定の予め決定された間隔でマーキングするためのエッジマーキングデバイス18も備えるが、エッジマーキングデバイス18は、ウェブ検査システム10における任意のデバイスである。
【0023】
送信される同期信号は、シリアルデータも含む。シリアルデータフィールドは、スレーブカメラ12、13、14に対する追加情報を含んでもよい。この追加情報は、画像を合成するために使用され得るか、又は、例えばカメラセッティングを制御するためなどの、何らかの他の種類の情報であり得る。スマート同期信号及び光同期信号は、
図2と関連してより精密に説明される。
【0024】
しかしながら、エリアスキャンカメラの代わりにラインカメラが使用される実施形態が存在することが可能である。さらには、すべてのカメラ11、12、13、14がいわゆるスレーブカメラであり、外部同期ユニットが、それらに同期信号を、かつ照明デバイス16に光同期信号を送信するために使用されることも可能である。
【0025】
図1bは、
図1aのウェブ検査システム10のカメラ11、12、13、14によってそれぞれキャプチャされた画像11’、12’、13’、14’を示す。画像11’、12’、13’、14’のキャプチャは、上述のようにスマート同期信号によって同期されたため、画像11’、12’、13’、14’は平行であり、ウェブ15の先頭から移動方向において同じ距離で撮影される。みてわかるように、画像11’、12’、13’、14’のいずれにも欠陥又はそれに相当するものが存在しない。
【0026】
図1cは、
図1bの画像11’、12’、13’、14’から形成された合成画像17’を示す。そして、画像11’、12’、13’、14’は平行で位置合わせされたため、それらのすべての情報が合成画像17’に含まれる。画像11’,12’,13’,14’は、同期信号によって送信された位置情報に基づいて首尾よく合成される。
【0027】
図1dは、
図1aのウェブ検査システム10のカメラ11、12、13、14によってそれぞれキャプチャされた画像11’’、12’’、13’’、14’’を示す。画像11’’、12’’、13’’、14’’のキャプチャは、
図1aに関して上記で説明したように、スマート同期信号を使用することによって再び同期されたため、画像11’’、12’’、13’’、14’’は、再び平行であり、ウェブ15の移動方向に対して横方向に位置合わせされる。みてわかるように、画像11’’及び12’’の境界エリアに欠陥Aが存在する。欠陥Aは、欠陥Aの第1の部分が画像11’’内にあり、第2の部分が画像12’’内にあるように位置している。したがって、欠陥Aは、2つの隣接画像11’’、12’’のエリアに分布する1つのエラーである。
【0028】
図1eは、
図1dの画像11’’、12’’、13’’、14’’から形成された合成画像17’’を示す。そして、画像11’’、12’’、13’’、14’’は平行であり、かつ位置合わせされたため、それらのすべての情報は、合成画像17’’に正しく含まれ、欠陥Aは、正しい場所に、正しく、すなわち単一の欠陥として示される。
【0029】
図1fは、
図1aのウェブ検査システム10のカメラ11、12、13、14のそれぞれの画像11’’’、12’’’、13’’’、14’’’を示す。しかし、これらの画像11’’’、12’’’、13’’’、14’’’は、スマート同期方法及びその同期信号を使用することによってキャプチャされるのではなく、単純な同期信号を使用することによってキャプチャされている。カメラ11、12、13、14の撮影頻度もまた変動しており、すなわち、同じではなく、カメラ11、12、13、14に対して予め決定されたもののままである。したがって、隣接画像11’’’、12’’’、13’’’、14’’’は同時に一斉にキャプチャされてはいるが、単純同期信号が、カメラ11、12、13、14が合成フェーズで使用するのに好適な位置情報又は他の情報を送信しなかったため、画像11’’’、12’’’、13’’’、14’’’が混合され、画像のうちの1つ、12’’’が合成フェーズでずれて位置しており、
図1gに示すように、他の画像11’’’、13’’’、14’’’とは異なる合成画像になっている。他の画像11’’’、13’’’、14’’’は、合成画像17’’’a内にあり、位置ずれ画像12’’’は、合成画像17’’’b内にある。カメラ11、12は、
図1dのものと同じ欠陥Aを画像化したが、今や欠陥Aの第1の部分及び第2の部分は、2つの異なる合成画像17’’’a及び17’’’b内にある。そして、欠陥マップが、これらの合成画像17’’’a及び17’’’bに基づいて形成され、その欠陥マップに基づいてウェブ15の欠陥Aを補正しようと試みると、欠陥Aがその欠陥マップにおいて正しく示されないため、補正は成功しない。一方、欠陥マップが、画像1eに基づいて形成され、その欠陥マップに基づいて欠陥Aを補正しようと試みると、欠陥Aがその欠陥マップにおいて正しく、正しい場所に示されるため、補正は成功する。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態によるウェブ検査システムのスマート同期方法の同期信号を示す。上記に示す同期信号は、同期デバイス、例えばマスターカメラによってスレーブカメラに送信される同期信号20である。同期信号20の目的は、すべてのカメラを互いに同期させて一斉に画像をキャプチャし、同時に画像の積分が終了するようにすることと、また、画像に追加すべき追加情報を提供することとである。
【0031】
同期信号20は、開始パルス22、シリアルデータ23、及びそれらの間のポーズ24を含む。同期モーメント25は、すべてのカメラが積分を終了し、照明がオフに切り替えられる、トレーリングエッジ、すなわち、開始パルス22の立ち下がりエッジであり、すなわち、開始パルス22は、スレーブカメラに対する同期モーメント25を示す情報を含む。しかし、それはまた、トレーリングエッジの代わりに、フロントエッジ、すなわち、同期モーメント25を示す開始パルス22の立ち上がりエッジであってもよい。カメラは、すべてのカメラに対して共通である同期モーメント25から自身の積分時間に基づいて、積分の開始時間、すなわち積分を開始する時点を計算する。開始パルス22の長さは、例えば30~80μ秒、例えば50μ秒であってもよい。例えば、開始パルス22が、同期モーメント25が50μ秒後であることを示し(すなわち、パルス22の長さが50μ秒である)、第1のカメラの積分時間が20μ秒である場合、第1のカメラは、開始パルス22の開始から30μ秒後、すなわち、同期モーメント25の20μ秒前で積分を開始し、第2のカメラの積分時間が15μ秒である場合、第2のカメラは、開始パルス22の開始から35μ秒後、すなわち、同期モーメント25の15μ秒前で積分を開始する。
【0032】
開始パルス22の終了後、及びシリアルデータ23の前に、休止24が存在する。休止24の長さは、数μ秒、例えば2~10μ秒であってもよい。シリアルデータ23は、スレーブカメラに対する追加情報を含む。情報は、例えば、次の光パルスの正確な終了時間、すなわち次の同期モーメント、次の画像をキャプチャするときに使用されるように配置された照明プロファイル番号、次の同期モーメント25の瞬間の位置情報、次の画像の画像番号、次の画像をスキップするフラグ、いくつかのアプリケーション固有のデータ、チェックサムなどであってもよい。シリアルデータ23のデータフィールドに好適なビットレートは、例えば、約1Mbit/秒であってもよい。カメラは、キャプチャされた画像データが画像データ処理デバイスに送信されるときに、この追加情報をキャプチャされた画像データに追加してもよく、及び/又はカメラは、この追加情報を使用して、自身のセッティング又は動作を制御してもよい。
【0033】
以下に示す信号、スマート同期信号20は、ウェブの画像化されるエリアを照射するように配置されたウェブ検査システムの照明デバイスに送信される光同期信号21であり、マスターカメラによっても送信される。光同期信号21は、光制御パルス26によって、照明デバイスの光のオン及びオフ切り替え時間を示す。光制御パルス26のトレーリングエッジは、照明デバイスに対して、オフに切り替える時点を示し、この時間はスマート同期信号20の同期モーメント25に対応する。したがって、照明デバイスは、カメラが積分を終了する時点で一斉に切り替えられる。光制御パルス26の立ち上がりエッジは、照明デバイスに対して、オンに切り替える時点を示し、この時間は、カメラの任意のものが積分を開始するように構成される前である。又は、代替的には、光制御パルス26のトレーリングエッジは、照明デバイスに対して、オンに切り替える時点を示し、光制御パルス26の立ち上がりエッジは、照明デバイスに対して、オフに切り替える時点を示す。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態によるカメラ31、32、33及び照明デバイス35、36を同期させるためのスマート同期方法を使用するウェブ検査システム30を示す。ウェブ検査システム30は、3つのカメラ31、32、33のグループ、2つの照明デバイス35、36、及び各カメラ31、32、33に対する画像データ処理デバイス31’、32’、33’を備える。しかしながら、1つの画像データ処理デバイスを1つ以上のカメラに対して共通にすることもできる。カメラ31、32、33は、隣接して、すなわち、一列に並んで配置されて、画像フレームを露出、すなわち、画像マトリックスをウェブからその幅全体わたってキャプチャし、隣接画像が共にウェブの幅全体に対応するエリアをカバーするようにする。カメラ32のうちの1つは、同期デバイスとして活動するように構成されているマスターカメラであり、残りのカメラはスレーブカメラ31、33である。
【0035】
照明デバイス35、36は、カメラ31、32、33によって画像化されるように配置されたウェブ上のエリアを照明するように配置されている。照明デバイス35、36のオフ及びオンにする切り替えは、マスターカメラ32によって送信される光同期信号38によって制御される。光同期信号38は、
図2と関連して説明される。
【0036】
カメラ31、32、33は、単一の共通スマート同期信号37によって示される同期モーメントで画像をキャプチャするように配置されている。同じ同期モーメントで照明デバイス35、36がオフに切り替えられる。マスターカメラ32は、スマート同期信号37をスレーブカメラ31、33に送信する。スマート同期信号37はまた、スレーブカメラ31、33に対する追加情報を含むシリアルデータを含む。追加情報のタイプは、
図2に関連してより精密に説明される。カメラ31、32、33は、それらのセッティングを次の画像キャプチャのために調整するために、受信された追加情報を使用してもよい。例えば、追加情報として、次の画像をキャプチャするときに使用されるように配置された照明プロファイル番号を受信してもよく、その情報に基づいてそれらのパラメータを調整してもよい。それらのパラメータは、照明プロファイル番号ごとに事前に定義されてもよい。更に、画像をキャプチャした後、カメラ31、32、33は、キャプチャされた画像データに関連して、受信された追加情報を追加してもよい。例えば、同期モーメントの時間、次の画像の数、及び/又は同期モーメントの瞬間における移動方向における位置を追加情報として受信した場合、これらの情報をキャプチャされた画像データに追加してもよい。この後、カメラ31、32、33は、処理、分析などのためにそれらの画像データ処理デバイス31’、32’、33’に追加情報とともにキャプチャされた画像データを転送するように配置される。
【0037】
画像データ処理デバイス31’、32’、33’は、外部デバイスであってもよい。画像データ処理デバイス31’、32’、33’は、少なくとも1つのプロセッサと、1つ以上のプログラムユニットのためのコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、画像データ及び追加のデータを無線で、又は有線接続を介して受信するための手段、例えば、データを無線で、又は有線接続を介して受信するための受信機と、を備える。複数のプロセッサ、例えば、汎用プロセッサ、並びにグラフィックスプロセッサ、及びDSPプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は複数の異なるメモリ、例えば、データ及びプログラムをランタイムで記憶するための揮発性メモリ、及びデータ及びプログラムを永続的に記憶するためのハードディスクのような不揮発性メモリが存在してもよい。画像データ処理デバイス31’、32’、33’は、コンピュータなど、画像データを扱うのに好適な任意のコンピューティングデバイスであってもよい。画像データ処理デバイス31’、32’、33’は、信号線を介してカメラ31、32、33と対応して電子通信してもよい。信号線との間の信号を扱うために、画像データ処理デバイス32は、I/O回路を備える。カメラ31、32、33と画像データ処理デバイス31’、32’、33’との間の接続は、有線又は無線ネットワークであってもよい。画像データ処理デバイス31’、32’、33’はまた、コンピュータアクセサリを用いてユーザに生成され得る信号を生成するためのビデオコントローラ及びオーディオコントローラを含んでもよい。シミュレータは、出力手段を通してユーザに出力を生成してもよい。ビデオコントローラは、ディスプレイに接続されてもよい。ディスプレイは、例えば、フラットパネルディスプレイ又はより大きな画像を生成するためのプロジェクタであってもよい。オーディオコントローラは、ラウドスピーカー又はイヤホンなどの音源に接続されてもよい。
【0038】
画像データ処理デバイス31’、32’、33’のうちの1つは、キャプチャされた画像データに関係して受信された追加情報に基づいて、隣接画像を合成画像として合成してもよい。画像データ処理デバイス31’、32’、33’はまた、欠陥又は他のイベントを検出するために、合成画像を分析してもよい。更に、画像データ処理デバイス31’、32’、33’のうちの1つ又は外部コンピューティングデバイスは、キャプチャされた合成画像に基づいて、ウェブが走行した距離に関する、ウェブ内の欠陥の位置を示す欠陥マップを形成してもよく、そうすることで、ウェブの始まりからの欠陥の距離が正確に示され得るため、それらの欠陥の修正がより容易になる。欠陥マップは、データベースに記憶され、表示されてもよい。
【0039】
画像データ処理デバイス31’、32’、33’はまた、カメラ31、32、33の一部であってもよい。
【0040】
カメラ31、32、33は、第1のカメラ列を形成し、2つ以上のカメラ列、すなわち、少なくとも1つのスレーブカメラを備える少なくとも1つの他のカメラ列が存在する場合、それらのスレーブカメラに対してスマート同期信号を送信するために同じマスターカメラ32を使用することができ、又は、各列が自身のカメラ列のスレーブカメラに対してスマート同期信号を送信するために使用することができるそれ自身のマスターカメラを含んでもよい。第1のカメラ列はまた、示される3つのカメラ31、32、33より多くのカメラ、及び他の可能なカメラ列を備えてもよい。1列のカメラの数は、ウェブの幅及び/又は使用されるカメラの視野に依存し得る。
【0041】
ウェブ検査システム30は、ウェブのエッジを一定の予め決定された間隔でマーキングするためのエッジマーキングデバイス34も備えるが、エッジマーキングデバイス34は、繰り返しになるがウェブ検査システム30における任意のデバイスである。
【0042】
図4は、ウェブ検査システムの同期方法40のブロック図が開示されている本発明の実施形態を示す。ウェブ検査システムは、移動するウェブを監視するように構成されており、同期デバイス及び少なくとも1つのスレーブカメラ、並びにカメラによって画像化されるように配置されたウェブのエリアを照明するように配置された少なくとも1つの照明デバイスを備える。ステップ41では、同期信号は、同期デバイスによって少なくとも1つのスレーブカメラに送信され、ここで同期信号は、少なくとも1つの開始パルス及び該少なくとも1つのスレーブカメラに対する追加情報を含むシリアルデータを含み、ウェブ検査システムのすべてのカメラは、カメラの積分が終了したときの同期モーメントを示す同期パルスに基づいて互いに同期されるように構成されている。ステップ4
2では、同期デバイスによって少なくとも1つの照明デバイスに光同期信号が送信され、同期信号の光制御パルスは、少なくとも1つの照明デバイスのオン及びオフ切り替え時間を示し、オフ切り替え時間は、同期モーメントに対応する。ステップ43では、カメラの個々の積分時間及びウェブ検査システムのカメラに共通の同期モーメントに基づいて、積分の開始時間が計算される。
【0043】
本発明の様々な実施形態は、メモリに存在し、装置に本発明を実行させるコンピュータプログラムコードの助けを借りて実装されてもよい。例えば、コンピューティングデバイス、例えば、画像データ処理デバイスである該装置は、データを分析、受信、及び送信するための回路及び電子機器、メモリ内のコンピュータプログラムコード、並びにコンピュータプログラムコードを動作させるときに、該装置に実施形態の特徴を実施させるプロセッサを備えてもよい。プロセッサは、コンピュータプログラムコードを動作させるときに、同期デバイス及び少なくとも1つのスレーブカメラと、カメラによって画像化されるように配置されたウェブのエリアを照明するように配置された少なくとも1つの照明デバイスとを備えるウェブ検査システムに、以下の方法のすべてのステップ、すなわち、同期デバイスによって少なくとも1つのスレーブカメラに同期信号を送信することであって、同期信号は、少なくとも1つの開始パルス及び少なくとも1つのスレーブカメラに対する追加情報を含むシリアルデータを含み、ウェブ検査システムのすべてのカメラは、カメラの積分が終了するときの同期モーメントを示す同期パルスに基づいて互いに同期するように構成されている、前記送信することと、同期デバイスによって少なくとも1つの照明デバイスに光同期信号を送信することであって、光同期信号の光制御パルスは、少なくとも1つの照明デバイスのオン及びオフ切り替え時間を示し、オフ切り替え時間は、同期モーメントに対応する、前記送信することと、カメラの個々の積分時間及びウェブ検査システムのカメラに共通の同期モーメントに基づいて、積分の開始時間を計算することと、を実施させてもよい。
【0044】
少なくとも2つのエリアスキャンカメラを備える既存のウェブ検査システムの方法及びシステムと比較すると、かなりの利点が本発明によって達成される。本発明による配置により、スマート同期方法によってエリアスキャンカメラを同期させることが可能であり、スマート同期信号は、ウェブ検査システムのカメラのうちの1つであるマスターカメラによって、ウェブ検査システムの他のカメラであるスレーブカメラに送信される。さらに、本発明によるスマート同期信号により、スレーブカメラに追加情報を送信して、画像キャプチャのためだけではなくキャプチャされた画像データを分析するときに該追加情報を利用することも可能である。スマート同期方法では、可能な限り最良の画像化結果を可能にするために、ウェブ検査システムの照明デバイスを光同期信号によって制御することもできる。
【0045】
本発明は、上記に提示した実施形態のみに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で修正することができることが明らかである。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
同期デバイスとして活動するように構成されているマスターカメラ(32)及び少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)と、画像化されるように配置されたウェブのエリアを照明するように配置された少なくとも1つの照明デバイス(35、36)と、を備える、移動する前記ウェブを監視するためのウェブ検査システム(30)のスマート同期方法であって、
前記同期デバイス(32)によって前記少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)に同期信号(20)を送信することであって、前記同期信号(20)は、少なくとも1つの開始パルス(22)及び前記少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)に対する追加情報を含むシリアルデータ(23)を含み、前記ウェブ検査システム(30)のすべての前記カメラ(31、32、33)は、カメラ(31、32、33)の積分が終了するときに同期モーメント(25)を示す前記開始パルス(22)に基づいて互いに同期するように構成されている、前記送信することと、
前記同期デバイス(32)によって前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)に光同期信号(21)を送信することであって、前記光同期信号(21)の光制御パルス(26)は、前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)のオン及びオフ切り替え時間を示し、オフ切り替え時間は、前記同期モーメント(25)に対応する、前記送信することと、
カメラ(31、32、33)の個々の積分時間と前記ウェブ検査システム(30)のカメラ(31、32、33)に共通の前記同期モーメント(25)に基づいて、積分の開始時間を計算することと、を含む、スマート同期方法。
(態様2)
前記カメラ(31、32、33)の積分をそれらの計算された積分の開始時間で開始し、前記カメラ(31、32、33)によって画像化される前記ウェブ上の前記エリアを照射するために、前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)をオンに切り替えることと、
すべてのカメラ(31、32、33)の積分を終了し、同期モーメント(25)の瞬間に前記少なくとも1つの照明デバイス(35、36)をオフに切り替えることと、を更に含む、態様1に記載のスマート同期方法。
(態様3)
カメラ(31、32、33)のピクセルから積分中に測定された強度値を読み取り、ピクセルをリセットすることと、
前記読み取られた強度値に基づいてキャプチャされた画像データを形成することと、
前記キャプチャされた画像データを、受信された追加情報とともに画像データ処理デバイス(31’、32’、33’)に送信することと、を更に含む、態様2に記載のスマート同期方法。
(態様4)
前記画像データ処理デバイス(31’、32’、33’)によって前記受信された追加情報を使用して、前記受信された画像データから合成画像を形成することを更に含む、態様3に記載のスマート同期方法。
(態様5)
前記ウェブ検査システム(30)のすべてのカメラ(31、32、33)が、エリアスキャンカメラである、態様1~4のいずれか一項に記載のスマート同期方法。
(態様6)
移動するウェブを監視するためのウェブ検査システムであって、同期デバイスとしてマスターカメラ(32)と、少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)と、少なくとも1つの照明デバイス(35、36)と、画像データ処理デバイス(31’、32’、33’)と、を備え、前記カメラ(31、32、33)は、態様1~5のいずれか一項に記載の方法を使用することによって互いに同期される、前記ウェブ検査システム。
(態様7)
前記少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)がエリアスキャンカメラである、態様6に記載のウェブ検査システム。
(態様8)
前記ウェブ検査システム(30)の前記カメラ(31、32、33)が、列として隣接して配置されている、態様6又は7に記載のウェブ検査システム。
(態様9)
前記ウェブ検査システム(30)が、エッジマーキングデバイス(34)を更に備える、態様6~8のいずれか一項に記載のウェブ検査システム。
(態様10)
コンピュータ可読媒体上に記憶され、コンピューティングデバイス内で実行可能なコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラム製品が、態様1~5のいずれか一項に記載の方法を実行するために、少なくとも1つのスレーブカメラ(31、33)及び少なくとも1つの照明デバイス(35、36)を含む、ウェブ検査システム(30)の同期デバイスとして活動するマスターカメラ(32)のための命令を含む、前記コンピュータプログラム製品。