IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住商モンブラン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-衿付き衣服及びその製造方法 図1
  • 特許-衿付き衣服及びその製造方法 図2
  • 特許-衿付き衣服及びその製造方法 図3
  • 特許-衿付き衣服及びその製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】衿付き衣服及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A41D 27/06 20060101AFI20250402BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20250402BHJP
   A41D 27/18 20060101ALI20250402BHJP
【FI】
A41D27/06 C
A41D13/12 145
A41D27/18 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023195839
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2024-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500390733
【氏名又は名称】住商モンブラン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100194777
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 憲治
(72)【発明者】
【氏名】矢岡 孝弘
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-53080(JP,A)
【文献】特開平7-292506(JP,A)
【文献】特許第7523656(JP,B1)
【文献】実公昭42-7941(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0096511(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/00
A41D 13/12
A41D 27/06
A41D 27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服本体と、前記衣服本体に取り付けられる衿とを備える衿付き衣服であって、
前記衿は、衿本体と、前記衿本体の一方の主面に形成されたラミネート部と、前記衿本体と前記ラミネート部とを前記ラミネート部を内側にして折り曲げられて形成された折曲部とを有し、前記衣服本体を挟み込むようにして前記衣服本体に取り付けられており、
前記ラミネート部は、前記衿が折り曲げられる前の状態において、前記衿本体の一方の主面に予め形成されている、衿付き衣服。
【請求項2】
請求項1に記載の衿付き衣服であって、
前記ラミネート部は、前記衿の折曲部において、前記衿本体の内側において連続して形成され、かつ、前記衿本体の内側に密着している、衿付き衣服。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の衿付き衣服であって、
前記ラミネート部は、前記衿本体の一方の主面全体に形成されている、衿付き衣服。
【請求項4】
衿付き衣服の製造方法であって、
衣服本体と、衿用生地とを準備する工程と、
前記衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施して衿生地を得る工程と、
前記ラミネート加工を施した主面を内側にして前記衿生地を折り曲げて衿を得る工程と、
前記衿を前記衣服本体に取り付ける工程と含む、衿付き衣服の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の衿付き衣服の製造方法であって、
前記衿生地を得る工程は、前記衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施したのち、前記ラミネート加工を施した衿用生地を所定のサイズに裁断することにより、衿生地を得る、衿付き衣服の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、衿付き衣服、特に、病院又は介護施設等で使用される病衣等の衿付き衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
病院又は介護施設等で使用される病衣は、多数の患者又は被介護者によって使用される。使用後の多数の病衣は、集積されてまとめて洗濯される。病衣は、繰り返し洗濯され、かつ、乾燥処理されることにより、シワが発生する。特に、病衣の衿部にシワが生じ易い。シワが生じた病衣は再洗濯又は廃棄され得るため、経済的には病衣のシワの発生を抑制することが肝要となる。
【0003】
実用新案登録第3214675号公報(特許文献1)は、洗濯後に,衿のシワ及び,折り曲がりの発生を防止することを目的とした浴衣を開示している。浴衣は、浴衣本体と衿とを有する。衿は、長手方向に沿って二つ折りにされた所定幅の帯状体である。衿は、衿生地を二つ折りにした後、二片のうち一片又は二片両方の内側全面に熱接着性樹脂シート等の芯地を接着することにより形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3214675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の浴衣は、衿生地を二つ折りにした後に熱接着性樹脂シート等の芯地を接着することも考慮しているため、衿生地の一片の内側全面に芯地を接着する際には、衿生地の一片と同サイズの芯地を準備しなければならず、また、実際に衿生地の一片と芯地とを接着するときに衿生地と芯地との間に位置ズレが生じるおそれがあり、一片の内側全面に適切に芯地を接着することは容易ではなく、1枚の衿に対して1枚の芯地を接着しなければならず、手間がかかっていた。
【0006】
また、二つ折りにされた二片両方の内側全面に芯地を接着するには、一片ごとに芯地を接着する必要があり、手間になるだけでなく、二つ折りされた折り返し部分(衿の端部)において二片各々に接着された芯地同士が分離して連続していないため、芯地同士が連続していない場合に比べて衿の端部の強度が低下し得る。特に、衿の端部において上述した芯地の位置ズレが生じた場合には、衿の端部の強度がより低下し得る。さらに、二片両方の内側全面、すなわち、衿生地全体の内側全面に一度に芯地を接着しようとすると、二つ折りにされた衿生地内側の谷部分に芯地が嵌り込まず、衿生地の内側に適切に芯地を密着させることは困難であり、やはり衿の端部の強度が低下し得る。このように、特許文献1の浴衣は、衿の端部の強度が低下し得るという問題があった。
【0007】
そこで、本開示は、衿の強度を十分に確保し、洗濯時等におけるシワの発生を抑制することができる衿付き衣服を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示は次のような解決手段を講じた。すなわち、本開示に係る衿付き衣服は、衣服本体と、衣服本体に取り付けられる衿とを備える衿付き衣服である。衿は、衿本体と、衿本体の一方の主面に形成されたラミネート部とを有し、衿本体とラミネート部とをラミネート部を内側にして折り曲げられて形成されるとともに、衣服本体を挟み込むようにして衣服本体に取り付けられている。ラミネート部は、衿が折り曲げられる前の状態において、衿本体の一方の主面に予め形成さられている。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る衿付き衣服によれば、衿の強度を十分に確保し、洗濯時等におけるシワの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る衿付き衣服を示す正面図である。
図2図2は、図1に示す衿付き衣服の背面図である。
図3図3は、図1に示す衿の拡大断面図である。
図4図4は、実施形態に係る衿付き衣服の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(構成1)
本開示の実施形態に係る衿付き衣服は、衣服本体と、衣服本体に取り付けられる衿とを備える衿付き衣服である。衿は、衿本体と、衿本体の一方の主面に形成されたラミネート部と、衿本体とラミネート部とをラミネート部を内側にして折り曲げられて形成された折曲部とを有し、衣服本体を挟み込むようにして衣服本体に取り付けられている。ラミネート部は、衿が折り曲げられる前の状態において、衿本体の一方の主面に予め形成されている。
【0012】
衿本体の一方の主面に予めラミネート部を形成することにより、衿を折り曲げる際のラミネート部の位置ズレを抑制し、適切にラミネート部を形成することができる。これにより、衿の強度を十分に確保することができ、衿付き衣服の洗濯時等におけるシワの発生を抑制することができる。
【0013】
(構成2)
構成1の衿付き衣服であって、ラミネート部は、衿の折曲部において、衿本体の内側において連続して形成され、かつ、衿本体の内側に密着してよい。折曲部は衿の端部である。これにより、洗濯時等においてシワが発生し易い衿の端部の強度を向上させることができ、衿付き衣服の洗濯時等におけるシワの発生をより抑制することができる。
【0014】
(構成3)
構成1又は2の衿付き衣服であって、ラミネート部は、衿本体の一方の主面全体に形成されてよい。これにより、衿の強度をより向上させることができ、衿付き衣服の洗濯時等におけるシワの発生をより抑制することができる。
【0015】
(構成4)
本開示の実施形態に係る衿付き衣服の製造方法は、衣服本体と、衿用生地とを準備する工程と、衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施して衿生地を得る工程と、ラミネート加工を施した主面を内側にして衿生地を折り曲げて衿を得る工程と、衿を前記衣服本体に取り付ける工程とを含む。
【0016】
これにより、衿本体の内面全体にラミネート部を位置ズレすることなく確実に形成することができ、また、衿の折曲部において衿本体の内側においてラミネート部が連続して形成され、かつ、衿本体の内側にラミネート部を密着させることができる。その結果、衿の強度を向上させ、洗濯時等においてシワの発生を抑制することができる衿付き衣服を得ることができる。
【0017】
(構成5)
構成4の衿付き衣服の製造方法であって、衿生地を得る工程は、衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施したのち、ラミネート加工を施した衿用生地を所定のサイズに裁断することにより、衿生地を得てもよい。これにより、衿本体の一方の主面(内面)全体にラミネート部を効率的に設けることができる。
【0018】
以下、本開示の衿付き衣服1及び衿付き衣服1の製造方法の実施形態について、図1図4を用いて具体的に説明する。なお、図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0019】
[衿付き衣服]
まず、実施形態に係る衿付き衣服1について、図1~3を用いて具体的に説明する。衿付き衣服1は、例えば、病院又は介護施設等で使用される病衣、作務衣、宿泊施設等で宿泊客が着用する衿付きパジャマ、ガウン又は浴衣等である。ただし、本開示に係る衿付き衣服1は、衿付きの衣服であれば和装又は洋装を問わず種々適用することができる。ここでは、一例として、病衣を用いて衿付き衣服1について説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、衿付き衣服1は、衣服本体2と、衿3とを備える。
【0021】
衣服本体2は、前身頃21と、後見頃22とを有する。
【0022】
前身頃21は、右前身頃21aと左前身頃21bとを有する。なお、本実施形態においては、左前身頃21bが上前である。右前身頃21a及び左前身頃21bには各々、右前身頃21a及び左前身頃21bを閉じるための紐21cが設けられている。着用者は、右前身頃21a及び左前身頃21bを開いた状態で衿付き衣服1を着用し、互いの紐21cを結ぶことにより右前身頃21a及び左前身頃21bを閉じる。
【0023】
衿3は、図1及び図2に示すように、後見頃22の縁部から右前身頃21a及び左前身頃21bの縁部にかけて取り付けられている。以下、衿3について、図3を用いて詳細に説明する。
【0024】
図3に示すように、衿3は、衿本体31と、ラミネート部32とを有する。
【0025】
衿本体31は、布生地である。衿本体31の生地素材は、特に限定されるものではなく、上述した病衣等の衿付き衣服1に利用可能な生地素材であればよい。
【0026】
ラミネート部32は、衿本体31の一方の主面にラミネート加工することにより形成される。ラミネート部32は、例えば、ウレタン、ポリウレタン樹脂(TPU)及びポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂フィルムを衿本体31の一方の主面に熱接着又は圧着することにより形成される。ラミネート部32の厚みは、10μm~30μmであることが好ましい。
【0027】
衿3は、すなわち、衿本体31と衿本体31の一方の主面に形成されたラミネート部32とは、ラミネート部32を内側にして二つ折りとなるように折り曲げられている。すなわち、ラミネート部32は、衿3が折り曲げられる前に予め衿本体31の一方の主面に形成されている。なお、衿3は、比較的幅及び長さが大きい衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施した後、所定の形状及びサイズ、すわなち、衿付き衣服1の衿3として利用可能な形状及びサイズに裁断して衿生地を形成し、衿生地を折り曲げることにより形成される。このように、以降、折り曲げる前の衿本体31と衿本体31の一方の主面に形成されたラミネート部32とを衿生地と言う場合がある。なお、衿付き衣服1の製造方法の詳細については、後述する。
【0028】
このように、衿3を折り曲げる前に衿本体31の一方の主面に予めラミネート部32を形成したことにより、衿3を折り曲げる際のラミネート部32の位置ズレを抑制することができる。その結果、衿3の強度を十分に確保することができ、衿付き衣服1の洗濯時等におけるシワの発生を抑制することができる。
【0029】
また、衿付き衣服1の製造方法の説明にて詳述するが、衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施した後、衿用生地を裁断することにより衿生地を得ることができ、その結果、衿本体31の内面全体、すなわち、一方の主面全体に確実にラミネート部32を形成することができる。その結果、衿3の強度をより向上させることができ、衿付き衣服1の洗濯時等におけるシワの発生をより抑制することができる。
【0030】
衿3は、折り曲げられた状態で、一方の先端部3aと他方の先端部3bとを有する。衿3は、先端部3aと先端部3bとの間に左前身頃21b(衣服本体2)の端部及び後述するテープ4を位置付けた状態でステッチ5により縫い付けられる。これにより、衿3は、左前身頃21bに取り付けられる。なお、衿3は、右前身頃21a及び後見頃22においても同様に取り付けられるため、これらの説明は省略する。
【0031】
さらに、図3に示すように、衿3は、折り曲げられた折曲部3cを有する。折曲部3cは、ステッチ6により縫い付けられる。これにより、折曲部3cにおける衿付き衣服1の前後方向(図示の上下方向)への膨らみを抑制でき、また、折曲部3cの強度を向上させることができる。
【0032】
また、折曲部3cは、衿3の端部である。そのため、折曲部3cでは、洗濯時等においてシワが発生し易い。折曲部3cにおいて、ラミネート部32は、衿本体31の内側において連続して形成されている。また、折曲部3cにおいて、ラミネート部32は、衿本体31の内側に密着している。これにより、特に、衿3の折曲部3cの強度をより向上させることができ、衿付き衣服1の洗濯時等におけるシワの発生をより効果的に抑制することができる。
【0033】
テープ4は、衿3とともに左前身頃21bに取り付けられた状態で、少なくとも一部が露出している。すなわち、図3において、図示の上方が衿付き衣服1の表側であり、図示の下方が衿付き衣服1の裏側である。テープ33は、左前身頃21bと異なる色を有してもよい。例えば、テープ33の色は、左前身頃21bよりも濃色であってもよい。このように、衣服本体2に取り付けられるテープ33の色を変更することにより、サイズ又は顧客等を識別することができる。また、テープ4は、衿3に対して強度の向上に寄与する。
【0034】
なお、図3に示すように、衿3の先端部3a及び先端部3bは、互いに内側、すなわち、左前身頃21b側に折り曲げられた状態で左前身頃21bと縫製されてもよい。また、テープ4も折り曲げられた状態で取り付けられてよい。すなわち、先端部3a及び先端部3bにおいて、衿本体31及びラミネート部32は各々4層に構成され、また、テープ4は2層に構成されている。これにより、衿3の強度をより向上させて、衿付き衣服1の洗濯時等におけるシワの発生をより抑制することができる。なお、先端部3a、先端部3b及びテープ4は各々、折り曲げて左前身頃21bに取り付けられてもよく、折り曲げられずに取り付けられてもよい。
【0035】
[衿付き衣服の製造方法]
次に、上述した衿付き衣服1の製造方法について、図4を用いて具体的に説明する。
【0036】
(準備工程S1)
まず、衣服本体2と図示しない衿用生地を準備する。衿用生地は、上述した衿生地よりも幅及び長さが大きい。衿用生地は、特に限定されるものではないが、病衣等の衿付き衣服1に用いられる生地素材を用いることができる。
【0037】
(ラミネート工程S2)
次に、衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施す。すなわち、衿用生地の一方の主面に熱可塑性樹脂フィルムを熱接着又は圧着する。なお、熱接着時の加熱温度は、例えば、85℃~95℃である。加熱温度は、これに限られず、ラミネート加工に用いられる種々の熱可塑性樹脂に応じて変更可能である。また、ラミネート加工に用いられる熱可塑性樹脂は、洗濯後の乾燥処理の加熱温度に対する耐熱性を有すればよく、例えば、90℃以上の耐熱性を有することが好ましい。
【0038】
(裁断工程S3)
衿用生地を所定の形状及びサイズに裁断し、図示しない衿生地を得る。すなわち、上述の衿本体31と衿本体31の一方の主面に形成されたラミネート部32とを有する折り曲げ前の衿生地を得る。衿生地の形状及びサイズは、種々の衿付き衣服1に用いられる衿3に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。ここで、衿生地は衿用生地を裁断することにより得られるため、衿用生地のサイズが大きいほど多くの衿生地を得ることができる。これにより、衿本体31の内面全体にラミネート部32が形成された複数の衿3を経済的に得ることができる。なお、衿付き衣服1の衿3として利用可能なサイズ衿用生地を準備工程S1にて準備した場合は、裁断工程S3を省略することができる。すなわち、衿用生地の一方の主面にラミネート加工を施したものを衿生地とすることができる。このように、裁断工程S3の省略の有無、言い換えれば、衿用生地にラミネート部32を形成してから裁断するか、或いは、予め裁断された衿用生地を準備してからラミネート加工を施すかの手順の入れ替えは、衿付き衣服の製造業者の任意で決めることができる。ただし、衿本体31の内面全体にラミネート部32を効率的に設けるには、裁断工程S3を設けることが好ましい。
【0039】
(衿本体の折曲工程S4)
次に、ラミネート加工が施された一方の主面を内側にして衿生地を折り曲げる。すなわち、ラミネート部32を内側にして衿生地を折り曲げることにより、衿3を得ることができる。
【0040】
(衿の取付工程S5)
最後に、衿3を衣服本体2の縁部に取り付ける。衣服本体2の縁部とは、上述の通り、右前身頃21a、左前身頃21b及び後見頃22の縁部である。
【0041】
このように、本開示の衿付き衣服1の製造方法によれば、衿本体31の内面全体にラミネート部32を位置ズレすることなく確実に形成することができ、また、衿3の折曲部3cにおいて衿本体31の内側においてラミネート部32が連続して形成され、かつ、衿本体31の内側にラミネート部32を密着させることができる。これにより、衿3の強度を向上させ、洗濯時等においてシワの発生を抑制することができる衿付き衣服1を得ることができる。
【0042】
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 衿付き衣服、2 衣服本体、21 前身頃、21a 右前身頃、21b 左前身頃、21c 紐部、22 後見頃、3 衿、3a 先端部、3b 先端部、3c 折曲部、31 衿本体、32 ラミネート部、4 テープ、5 ステッチ、6 ステッチ
【要約】
【課題】衿の強度を十分に確保し、洗濯時等におけるシワの発生を抑制することができる衿付き衣服を提供する
【解決手段】衿付き衣服1は、衣服本体2に取り付けられる衿3を備える。衿3は、衿本体31と、衿本体31の一方の主面に形成されたラミネート部32とを有する。衿3は、衿本体31とラミネート部32とをラミネート部32を内側にして折り曲げられて形成された折曲部3cを有する。衿3は、先端部3a及び先端部3bにより衣服本体2(左前身頃21b)を挟み込むようにして衣服本体2に取り付けられている。ラミネート部32は、衿3が折り曲げられる前の状態において、衿本体31の一方の主面に予め形成されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4