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特許7659614携帯端末、動画像取得方法、および動画像取得プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】携帯端末、動画像取得方法、および動画像取得プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/611 20230101AFI20250402BHJP
   H04N 23/45 20230101ALI20250402BHJP
【FI】
H04N23/611
H04N23/45
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023211600
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2019226162の分割
【原出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2024023681
(43)【公開日】2024-02-21
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】富澤 亮太
(72)【発明者】
【氏名】足立 佳久
(72)【発明者】
【氏名】奥村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬文
(72)【発明者】
【氏名】小川 莉絵子
(72)【発明者】
【氏名】田中 怜
(72)【発明者】
【氏名】樋口 浩一
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-161704(JP,A)
【文献】特開2011-019051(JP,A)
【文献】特開2015-205050(JP,A)
【文献】特開2019-106694(JP,A)
【文献】特開2013-197663(JP,A)
【文献】特開2017-120942(JP,A)
【文献】特開2014-184002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/40-23/76
A61B 5/02- 5/03
A61B 5/06- 5/22
G03B 15/00
G06T 7/00
H04M 1/00
H04M 1/24-1/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1状態の動画像を取得する第1撮像部と、
動画像を表示する表示部が向く側とは反対側を向くように設けられ、前記第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像を取得する第2撮像部と、
前記第2撮像部によって取得された画像の所定領域に含まれていると記憶部に記憶されている認証用顔データの顔とが所定の判定基準の範囲内にあるか否かを判定する顔判定部と、
前記顔判定部が前記画像の前記所定領域に含まれている顔と前記認証用顔データの顔とが前記所定の判定基準の範囲内にあると判定したことを条件として、前記第2状態の動画像を前記第2撮像部に取得させる動画像取得部と、を備えた、携帯端末。
【請求項2】
前記所定領域に前記顔が含まれているか否かを特定可能な情報を報知部に報知させる報知制御部を備えた、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記報知制御部は、前記顔判定部が前記所定領域に前記顔が含まれていないと判定した場合に、移動情報を前記報知部に報知させ、
前記移動情報は、前記所定領域に前記顔が含まれるように前記顔および前記携帯端末の少なくともいずれか一方を移動させることを促す情報である、請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記移動情報は、前記所定領域に前記顔が含まれるように前記顔および前記携帯端末の少なくともいずれか一方を前後方向へ移動させることを促す情報である、請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記顔判定部は、前記所定領域に含まれている前記顔を含む顔領域の割合を特定し、前記顔領域の割合に応じて異なる前記移動情報を前記報知部に報知させる制御を前記報知制御部に実行させる、請求項3または4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記顔は、前記顔の少なくとも一部の体表を含む、請求項3~5のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項7】
前記少なくとも一部の体表は、予め定められた特定部分の体表を含む、請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記報知制御部は、前記報知部を有するウェアラブル装置へ前記移動情報を送信する、請求項3~7のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項9】
前記報知部は、音発生部、前記携帯端末に設けられた振動部、および、前記携帯端末に設けられ、かつ、前記第2撮像部が向く側を向く発光部の少なくともいずれか1つを含む、請求項2~8のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項10】
前記画質が良好な前記第2状態の動画像は、前記第1状態の動画像に比較して、シグナルノイズ比の値が高い状態の動画像、ダイナミックレンジの値が大きい状態の動画像、およびビット深度の値が大きい状態の動画像うちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1~9のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項11】
前記動画像に基づいて生体情報を取得する生体情報推定部をさらに備えた、請求項1~10のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項12】
前記生体情報は、前記顔の血管を流れる血液の脈波データを含む、請求項11に記載の携帯端末。
【請求項13】
第1状態の動画像を取得する第1撮像部、および、動画像を表示する表示部が向く側とは反対側を向くように設けられ、前記第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像を取得する第2撮像部のうち、前記第2撮像部によって取得された画像の所定領域に含まれると記憶部に記憶されている認証用顔データの顔とが所定の判定基準の範囲内にあるか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにおいて前記画像の前記所定領域に含まれている顔と前記認証用顔データの顔とが前記所定の判定基準の範囲内にあると判定されたことを条件として、前記第2状態の動画像を前記第2撮像部に取得させるステップと、を備えた、動画像取得方法。
【請求項14】
コンピュータを、
第1状態の動画像を取得する第1撮像部、および、動画像を表示する表示部が向く側とは反対側を向くように設けられ、前記第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像を取得する第2撮像部のうち、前記第2撮像部によって取得された画像の所定領域に含まれていると記憶部に記憶されている認証用顔データの顔とが所定の判定基準の範囲内にあるか否かを判定する顔判定部、および、
前記顔判定部が前記画像の前記所定領域に含まれている顔と前記認証用顔データの顔とが前記所定の判定基準の範囲内にあると判定したことを条件として、前記第2状態の動画像を前記第2撮像部に取得させる動画像取得部、として機能させるための、コンピュータ読み取り可能な動画像取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯端末、動画像取得方法、および動画像取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末を用いて動画像を取得する技術の開発が行われている。たとえば、特許文献1に開示されている技術によれば、携帯端末のユーザは、自身の顔の動画像を自身で取得する、いわゆる自撮りを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-161704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自撮りに使用される撮像部によって取得された動画像のシグナルノイズ比、ダイナミックレンジ、またはビット深度などの指標で表される動画像の画質が良好ではない場合がある。この場合、ユーザ自身の顔の鮮明な動画像を取得することができない。
【0005】
本開示は、上記の問題に鑑みなされたものである。本開示の一態様の目的は、ユーザ自身の顔の鮮明な動画像を取得することができる携帯端末、動画像取得方法、および動画像取得プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の携帯端末は、撮像部によって取得された画像の所定領域に顔が含まれているか否かを判定する顔判定部と、前記所定領域に前記顔が含まれていると判定された場合に、第1状態の動画像および前記第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像のうち、前記第2状態の動画像を前記撮像部に取得させる動画像取得部と、を備え、前記撮像部は、前記第1状態の動画像を取得する第1撮像部と、前記画像を表示する表示部が向く側とは反対側を向くように設けられ、前記第2状態の動画像を取得する第2撮像部と、を含み、前記顔判定部は、前記第2撮像部によって取得された前記画像のみに対して前記所定領域に前記顔が含まれているか否かを判定し、
前記動画像取得部は、前記顔判定部によって、前記第2撮像部によって取得された前記画像の前記所定領域に前記顔が含まれていると判定された場合に、前記第2撮像部に前記第2状態の動画像を取得させる。
【0007】
本開示の一態様の動画像取得方法は、撮像部によって取得された画像の所定領域に顔が含まれているか否かを判定するステップと、前記所定領域に前記顔が含まれていると判定された場合に、第1状態の動画像および前記第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像のうち、前記第2状態の動画像を前記撮像部に取得させるステップと、を備え、前記撮像部は、前記第1状態の動画像を取得する第1撮像部と、前記画像を表示する表示部が向く側とは反対側を向くように設けられ、前記第2状態の動画像を取得する第2撮像部と、を含み、前記顔判定部は、前記第2撮像部によって取得された前記画像のみに対して前記所定領域に前記顔が含まれているか否かを判定し、前記取得させるステップにおいては、前記判定するステップにおいて、前記第2撮像部によって取得された前記画像の前記所定領域に前記顔が含まれていると判定された場合に、前記第2撮像部に前記第2状態の動画像を取得させる。
【0008】
本開示の一態様の動画像取得プログラムは、コンピュータを、撮像部によって取得された画像の所定領域に顔が含まれているか否かを判定する顔判定部、および、前記顔判定部が前記所定領域に前記顔が含まれていると判定した場合に、第1状態の動画像および前記第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像のうち、前記第2状態の動画像を前記撮像部に取得させる動画像取得部、として機能させるための、動画像取得プログラムであって、前記撮像部は、前記第1状態の動画像を取得する第1撮像部と、前記画像を表示する表示部が向く側とは反対側を向くように設けられ、前記第2状態の動画像を取得する第2撮像部と、を含み、前記顔判定部は、前記第2撮像部によって取得された前記画像のみに対して前記所定領域に前記顔が含まれているか否かを判定し、前記動画像取得部は、前記顔判定部によって、前記第2撮像部によって取得された前記画像の前記所定領域に前記顔が含まれていると判定された場合に、前記第2撮像部に前記第2状態の動画像を取得させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の携帯端末の正面図である。
図2】実施の形態1の携帯端末の背面図である。
図3】実施の形態1の携帯端末の機能ブロック図である。
図4】実施の形態1の携帯端末を用いてユーザが自身の顔の画像を取得している状態を示す図であって、表示部に表示されているユーザの顔の画像中での位置を示す第1の図である。
図5】実施の形態1の携帯端末を用いてユーザが自身の顔の画像を取得していている状態を示す図であって、表示部に表示されているユーザの顔の画像の中での位置を示す第2の図である。
図6】実施の形態1の携帯端末の表示部に表示されている顔領域、所定領域、および画像全体の位置関係を説明するための第1の図である。
図7】実施の形態1の携帯端末の表示部に表示されている顔領域、所定領域、および画像全体の位置関係を説明するための第2の図である。
図8】実施の形態1の携帯端末の表示部に表示されている顔領域、所定領域、および画像全体の位置関係を説明するための第3の図である。
図9】実施の形態1の携帯端末の制御部が実行する制御処理を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態1の携帯端末の報知部が音発生部である場合の携帯端末の移動を促す報知態様の一例を説明するためのデータテーブルを示す図である。
図11】実施の形態1の携帯端末の表示部に表示された生体情報の表示態様の一例を説明するための図である。
図12】実施の形態2の携帯端末が、第1撮像部によって取得されている動画像のシグナルノイズ比を増加させるために、表示部の明るさを増加させている状態を説明するための図である。
図13】実施の形態2の携帯端末の制御部が実行する制御処理を説明するためのフロートである。
図14】実施の形態3の携帯端末、ならびに、ウェアラブル装置の制御部および報知部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態の携帯端末、動画像取得方法、および動画像取得プログラムを、図面を参照しながら説明する。なお、各図面については、同一又は同等の要素には同一の符号が付されているため、重複する説明は繰り返さない。
【0011】
(実施の形態1)
図1図11を用いて、実施の形態1の携帯端末100、動画像取得方法、および動画像取得プログラムを説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1の携帯端末100の正面図である。図2は、実施の形態1の携帯端末100の背面図である。本実施の形態の携帯端末100は、人が持ち運ぶことができる程度の大きさおよび重量を有している。携帯端末100は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、または、動画像取得用の専用端末等のいかなるものであってもよい。
【0013】
図1および図2から分かるように、本実施の形態の携帯端末100は、概ね長方形の輪郭を有している。携帯端末100は、正面および背面が対向する板形状を有している。本実施の形態の携帯端末100は、片手で把持できる程度の大きさを有しているものであることが好ましい。
【0014】
図1に示されるように、携帯端末100は、正面に表示部D、第1撮像部C1、および音発生部Sを備えている。表示部Dは、正面側に居るユーザに向かって画像を表示する。表示部Dは、液晶ディスプレイ等によって構成されている。表示部Dは、情報を報知する報知部Nの一例として機能する。
【0015】
第1撮像部C1は、正面側に居るユーザの画像を取得することができる。第1撮像部C1は、静止画像および動画像のそれぞれを取得するために用いられる。音発生部Sは、正面側に居るユーザに向かって音を発生する。音発生部Sは、スピーカ等によって構成されている。音発生部Sも、情報を報知する報知部Nの一例として機能する。
【0016】
図2に示されるように、携帯端末100は、背面に第2撮像部C2および発光部Lを備えている。第2撮像部C2は、表示部Dが向く側とは反対側を向くように設けられている。そのため、第2撮像部C2は、背面側に居る人または背面側に位置付けられた風景の画像を取得することができる。第2撮像部C2も、第1撮像部C1と同様に、静止画像および動画像のそれぞれを取得するために用いられる。発光部Lは、LED(Light Emitting Diode)等によって構成されている。発光部Lも、情報を報知する報知部Nの一例として機能する。
【0017】
図2に示されているように、携帯端末100は、その内部に振動部Vを備えている。振動部Vは、電力の供給によって振動する部材で構成されている。振動部Vも、情報を報知する報知部Nの一例として機能する。
【0018】
図3は、携帯端末100の機能ブロック図である。図3から分かるように、携帯端末100は、撮像部C、制御部10、および報知部Nを備えている。
【0019】
撮像部Cは、第1撮像部C1および第2撮像部C2を含んでいる。第1撮像部C1および第2撮像部C2のそれぞれは、RGBカメラまたは赤外線カメラ等で構成されている。第2撮像部C2によって取得される画像のシグナルノイズ比(S/N)は、第1撮像部C1によって取得される画像のシグナルノイズ比に比較して大きい。
【0020】
したがって、第2撮像部C2は、第1撮像部C1に比較して鮮明な画像を取得することができる。シグナルノイズ比は、たとえば、画像の輝度のシグナルノイズ比であってもよく、また、画像の色成分のシグナルノイズ比であってもよい。なお、本明細書においては、画像は、静止画像および動画像の双方を含む。
【0021】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)6および記憶部5によって構成されている。記憶部5は、携帯端末100の外部の記録媒体または携帯端末100と通信可能なサーバからインストールされた動画像取得プログラムPを記憶している。動画像取得プログラムPは、制御部(コンピュータ)10のうちのCPU6を、顔判定部1、動画像取得部2、報知制御部3、および生体情報推定部4として機能させるためのものである。
【0022】
CPU6は、記憶部5に記憶された動画像取得プログラムPの制御指令にしたがって、たとえば、第1撮像部C1および第2撮像部C2のいずれかに静止画像または動画像を取得させたり、報知部Nに情報を報知させたりする。動画像取得プログラムPが実行する制御処理は後述される。
【0023】
前述のCPU6は、本開示における携帯端末動画取得方法の主体は、コンピュータとしての制御部10を備えている。このコンピュータが動画取得プログラムを実行することによって、本開示における携帯端末または動画取得方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、動画取得プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、動画取得プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0024】
具体的には、CPU6は、顔判定部1、動画像取得部2、報知制御部3、および生体情報推定部4を備えている。生体情報推定部4は、生体情報として、脈波データを取得する脈波取得部を含む。ただし、生体情報は、生体の動画像から取得される生体に関する情報であれば、いかなるのであってもよい。
【0025】
なお、制御部10は、本実施の形態においては、携帯端末100内に設けられている。しかしながら、制御部10は、携帯端末100に内蔵されておらず、後述されるようにインターネット等の電気通信情報網または無線通信手段を経由して通信可能に接続されたサーバに設けられていてもよい。
【0026】
報知部Nは、発光部L、音発生部S、振動部V、および表示部Dを含んでいる。報知部Nは、ユーザの顔が画像に含まれていることを特定可能な情報を報知する。報知部Nは、ユーザの顔が画像の所定領域に含まれているか否かを特定可能な情報を報知してもよい。ユーザの顔が画像に含まれていることを特定可能な情報は、後述される。また、報知部Nは、移動情報を報知する。この移動情報は、ユーザの顔が画像に含まれるようにユーザの顔および携帯端末100の少なくともいずれか一方を移動させることをユーザに促すための情報である。たとえば、報知部Nは、ユーザHの顔が画像に含まれていない場合に、ユーザの顔が画像に含まれるように携帯端末100またはユーザの顔の移動させるべき方向をユーザに報知する。
【0027】
なお、報知部Nは、ユーザの顔が画像に含まれるか否かを報知する代わりに、ユーザの顔が画像の所定領域が含まれるか否かを報知してもよい。このことは、以下の報知部Nの動作の全てに適用される。なお、所定領域が画像の全体であってもよい。
【0028】
報知部Nは、ユーザの顔が表示部Dの中の所定の範囲内の領域に入るようにユーザが顔または携帯端末100を相対的に近づけたり遠ざけたりすることを促すために、前後の移動方向をユーザに報知してもよい。この場合、報知部Nは、ユーザの顔または携帯端末100の前後の移動方向を、ユーザの顔または携帯端末100の上下左右の移動方向とともに報知してもよい。また、報知部Nは、ユーザの顔または携帯端末100の上下左右の移動方向とは別に、ユーザの顔または携帯端末100の前後の移動方向を報知してもよい。
【0029】
動画像から、たとえば、脈波を取得する場合には、画像の中の顔が大きいほうが脈波の取得に使用できる画素数が多いため、脈波のシグナルノイズ比が高い。たとえば、画像中において顔が大き過ぎると、顔判定部1が画像中の顔を顔であると認識できないおそれがある。したがって、報知部Nは、ユーザの顔の全体が所定の範囲、たとえば、表示部Dに表示される枠内に入るようにユーザに顔の移動を促す報知を実行することが好ましい。ただし、顔判定部1の構成によっては、ユーザの顔の一部が画像の中に含まれているだけであっても、たとえば、脈波を正確に取得できる場合がある、そのため、報知部Nは、顔の一部、たとえば、額等のみが所定の範囲に入るようにユーザに顔の移動を促す報知を実行してもよい。
【0030】
発光部Lは、点滅、点灯、または消灯等の視覚情報を報知する。本実施の形態においては、発光部Lは、たとえば、第1撮像部C1または第2撮像部C2によって取得された画像にユーザの顔が含まれている場合に、点灯する。この発光部Lの点灯が、第1撮像部C1または第2撮像部C2によって取得された画像にユーザの顔が含まれていることを特定可能な情報である。ただし、発光部Lは、第2撮像部C2によって画像を取得する場合に、鮮明な動画像を取得するためのフラッシュとして使用されてもよい。発光部Lの数は、特に限定されない。
【0031】
発光部Lは、ユーザの顔が画像に含まれていない場合に、点滅の速度によって、ユーザに携帯端末100または顔を移動させる量を報知してもよい。たとえば、発光部Lは、単位時間当たりの点滅の回数が多いほど、より長い距離だけ携帯端末100を移動させることをユーザに促すものであってもよい。また、携帯端末100が、たとえば、4つの矢印形状の発光部Lを有している場合、点灯している発光部Lの矢印が指し示す方向が、ユーザの顔または携帯端末100を移動させるべき方向を示すものであってもよい。この場合、移動させるべき方向は、ユーザに自身の顔を画像に含ませることを促す移動情報である。また、携帯端末100が、たとえば、複数のLEDが直線状に並んだ発光部Lを有している場合、複数のLEDの発光する順序が、ユーザの顔または携帯端末100を移動させるべき方向を示すものであってもよい。
【0032】
また、発光部Lは、生体情報推定部4によって推定された生体情報としての脈波データのリズム、ならびに、血圧および脈拍の大きさの程度のそれぞれを、発光部Lの発光色、もしくは、発光リズムで報知してもよい。さらに、携帯端末100が複数の発光部Lを有している場合には、発光する発光部Lの数または発光のパターンを異ならせることによって、脈波データのリズム、ならびに、血圧および脈拍の大きさの程度のそれぞれを報知してもよい。
【0033】
音発生部Sは、音の種類、または、言葉を含む音声等の聴覚情報を報知する。たとえば、音発生部Sは、第1撮像部C1または第2撮像部C2によって取得された画像にユーザの顔が含まれている場合に、その旨の表現した言葉を含む音声を発生させる。この音発生部Sが発する音声が、第1撮像部C1または第2撮像部C2によって取得された画像にユーザの顔が含まれていることを特定可能な情報である。たとえば、音発生部Sは、「OK」等の言葉を含む音声を発生させることによって、ユーザの顔が画像に含まれていることをユーザに報知してもよい。
【0034】
また、音発生部Sは、ユーザの顔が画像に含まれていない場合に、ユーザに携帯端末またはユーザの顔を移動させるべき方向を表す言葉を含む音声を発生させてもよい。たとえば、音発生部Sは、ユーザの顔が画像に含まれていない場合に、「携帯端末100をさらに右へ移動させて下さい」等の言葉を含む音声によって、画像にユーザの顔が含まれるように、携帯端末100を移動させるべき方向をユーザに報知してもよい。
【0035】
なお、音発生部Sは、受話器として使用されるスピーカであってよい。音発生部Sの数も、発光部Lの数と同様に、特に限定されない。なお、音発生部Sは、生体情報推定部4によって推定された生体情報としての脈波データのリズム、ならびに、血圧および脈拍の数値のそれぞれを言葉で表した音声を発生してもよい。
【0036】
振動部Vは、自身の振動に起因した携帯端末100の振動の大きさまたは振動の種類等の触覚情報を報知する。振動部Vは、電力によって携帯端末100を振動させるものであれば、いかなるものであってもよい。たとえば、振動部Vは、携帯端末100を振動させること、または、振動さないことによって、ユーザの顔が画像に含まれていることを報知してもよい。この振動部Vが振動すること、または、振動部Vが振動しないことが、第1撮像部C1または第2撮像部C2によって取得された画像にユーザの顔が含まれていることを特定可能な情報である。
【0037】
また、たとえば、振動部Vは、ユーザの顔が画像に含まれていない場合に、振動の大きさによって、画像に顔を含ませるために必要である、携帯端末100の移動量をユーザに報知してもよい。たとえば、振動部Vは、その振動が大きいほど、より長い距離だけ携帯端末100を移動させる必要があることをユーザに報知してもよい。
【0038】
振動部Vは、携帯端末100がマナーモードに設定されているときに、音発生部Sで音が発生できない場合にだけ使用されてもよい。なお、振動部Vは、生体情報推定部4によって推定された生体情報としての脈波データのリズム、ならびに、血圧および脈拍の大きさの程度のそれぞれを、振動部Vの振動態様を異ならせることによって報知してもよい。
【0039】
表示部Dは、液晶ディスプレイ等によって構成されている。表示部Dは、文字、記号、矢印、または図形等の視覚情報を報知する。表示部Dは、たとえば、生体情報推定部4によって推定された生体情報、たとえば、脈波データを表示する。ただし、表示部Dも、文字、記号、矢印、または図形等の視覚情報によって、ユーザの顔が画像に含まれていることを報知してもよい。ユーザは、携帯端末100の第2撮像部C1で自身を撮像する場合には、携帯端末100の裏側に鏡を配置し、鏡に映る表示部Dを見れば、自身の顔が画像に含まれているか否かを把握することができる。
【0040】
発光部L、音発生部S、振動部V、および表示部Dのうちの複数の部分によって、前述の報知部Nによる報知が行われてもよい。たとえば、ユーザの顔が画像に含まれている場合に、音発生部Sが音を発すると同時に、振動部Vが携帯端末100を振動させ、かつ、発光部Lを発光させてもよい。この場合、音発生部Sが発する音および発光部Lが発する光の双方が、第1撮像部C1または第2撮像部C2によって取得された画像にユーザの顔が含まれていることを特定可能な情報である。
【0041】
上記した本実施の形態の携帯端末100においては、本実施の形態の携帯端末100は、後述される生体情報推定部4に生体情報を推定させる場合には、顔判定部1および動画像取得部2を次のように動作させる。
【0042】
顔判定部1は、撮像部Cによって取得された画像にユーザ顔が含まれているか否かを判定する。本実施の形態においては、顔判定部1は、顔の特定の一部が画像に含まれていない場合に、顔が画像に含まれていないと判定する。ただし、顔判定部1は、顔の全体が画像に含まれていない場合に、顔が画像に含まれていないと判定してもよい。
【0043】
たとえば、脈波データを取得する場合、額の体表の動画像が特定の一部の画像として好ましいのであれば、顔の特定の一部は額の体表であってもよい。この場合、顔判定部1は、たとえば、目の位置等から額の体表の位置を特定し、額の体表が画像に含まれているか否かを判定してもよい。なお、体表は、主に皮膚を含む。
【0044】
動画像取得部2は、顔判定部1によって画像の所定領域に顔が含まれていると判定された場合に、撮像部Cに動画像を取得させる。動画像取得部2は、第1状態の動画像および第1状態の動画像に比較して画質が良好な第2状態の動画像のうち、第2状態の動画像を撮像部Cに取得させる。そのため、鮮明な顔Fの動画像を取得することができる。なお、所定領域は、画像の全体であってもよいが、画像のいずれか一部であってもよい。
【0045】
動画像取得部2は、顔判定部1によって画像に顔が含まれていると判定された場合に、画質が相対的に良好ではない画像および画質が相対的に良好な画像のうちの相対的に良好な画質を有する画像を撮像部Cに取得させるものであれば、いかなるものであってもよい。この場合、静止画像または動画像の画質が良好であるとは、高画質であることを意味し、具体的には、シグナルノイズ比が高いこと、ダイナミックレンジが広いこと、または、ビット深度が深いこと等を意味する。
【0046】
シグナルノイズ比は、雑音に対する信号の比である。シグナルノイズ比の数値が大きいほど、画質は、良好である。なお、ダイナミックレンジとは、撮像部の信号の再現能力を示す指標であり、再生可能な信号の最大値と最小値の比率である。ダイナミックレンジの値が大きいほど、画質は、良好である。ビット深度とは、デジタル信号の離散信号(標本)1つあたりの情報量、すなわち量子化ビット数を意味する。ビット深度の数値が大きいほど、画質は、良好である。つまり、画質が良好な第2状態の動画像は、第1状態の動画像に比較して、シグナルノイズ比の値が高い状態の動画像、ダイナミックレンジの値が大きい状態の動画像、およびビット深度の値が大きい状態の動画像うちの少なくともいずれか1つを含んでいればよい。
【0047】
なお、良好な画質は、高画質とも言う。なお、以下の実施の形態の説明においては、画質が良好であることは、シグナルノイズ比が高いことによって例示される。
【0048】
より具体的には、第1撮像部C1は、第1状態の動画像を取得する。第2撮像部C2は、シグナルノイズ比が第1状態に比較して高い第2状態の動画像を取得する。この条件の下で、制御部10は、後述される生体情報推定部4に生体情報を推定させる場合に、つまり、顔判定部1によって画像に顔が含まれていると判定された場合に、動画像取得部2が第2撮像部C2に第2の状態の動画像を取得させる。
【0049】
そのため、動画像取得部2は、第1撮像部C1によって取得される第1状態の動画像に比較してシグナルノイズ比が高い第2状態の動画像を取得できる。言い換えると、表示部Dが向く側とは反対側を向くように設けられた第2撮像部C2を用いて、鮮明な顔Fの動画像を取得することができる。このとき、報知制御部3は、画像の所定領域に顔が含まれていると顔判定部1が判定した場合に、所定領域に顔が含まれていることを特定可能な情報を報知部Nに報知させる。ただし、報知制御部3は、顔判定部1が画像の所定領域に顔が含まれているか否かを特定可能な情報を報知部Nに報知させるものであれば、いかなるものであってもよい。したがって、報知制御部3は、画像に顔が含まれていないと顔判定部1が判定した場合に、画像に顔が含まれていないことを特定可能な情報を報知部Nに報知させてもよい。
【0050】
生体情報推定部4は、第1状態に比較してシグナルノイズ比が高い第2状態の動画像に基づいてユーザの生体情報を推定する。つまり、より鮮明な動画像を用いて、ユーザの生体情報を推定する。そのため、生体情報をより正確に取得することができる。本実施の形態においては、生体情報は、顔Fの血管を流れる血液の脈波データである。そのため、脈波データをより正確に取得することができる。
【0051】
正面カメラである第1撮像部C1および表示部Dの組合せは、ビデオ通話のために使用されるか、または、手鏡の代用品として使用される。この場合、ユーザは、表示部Dに表示されている通話の相手方の顔または自身の顔を認識することさえできればよい。
【0052】
そのため、第1撮像部C1は第2撮像部C2と同程度までシグナルノイズ比が高いことを必要とされない。一方、背面カメラである第2撮像部C2は、一般に、鮮明な画像を取得したい場合に使用される。そのため、第2撮像部C2は、第1撮像部C1よりも高いシグナルノイズ比を必要とされる。
【0053】
本実施の形態のように、動画像に基づいて脈波データを取得する場合には、撮像部Cは、脈波データのような小さな動画像の変化を検出できる程度の感度を必要とされる。そのため、シグナルノイズ比が低い第1撮像部C1では、正確な脈波データを取得することができない。
【0054】
したがって、脈波データを取得するときには、シグナルノイズ比が高い動画像を取得できる第2撮像部C2が用いられることが好ましい。このことを考慮して、本実施の形態においては、背面カメラとしての第2撮像部C2によって脈波データを取得するための動画像を取得する。その結果、鮮明な動画像に基づいて脈波データを正確に取得することができる。
【0055】
本実施の形態の携帯端末100によれば、正面カメラとしての第1撮像部C1の性能を向上させる必要がない。そのため、携帯端末100の製造コストを増加させることなく、正確な脈波データを取得することができる。
【0056】
図4および図5は、それぞれ、携帯端末100を用いてユーザHが自身の画像を取得しているときの、表示部Dに表示されているユーザHの顔Fの画像Iの状態の一例および他の例を示す図である。
【0057】
図4および図5から分かるように、本実施の形態においては、ユーザHは、背面に設けられたシグナルノイズ比が高い第2撮像部C2を用いて、自身の顔Fの鮮明な動画像を取得する。この場合、ユーザHは、表示部Dに表示されている画像Iの中にユーザHの顔Fが含まれている否かを把握することができない。
【0058】
したがって、図4に示されているように、表示部Dに表示されている画像Iの中にユーザの顔Fの一部が含まれていない場合もあれば、図5に示されているように、表示部Dに表示されている画像Iの中にユーザの顔Fの全体が含まれている場合もある。図4および図5のいずれも、顔Fの体表の特定部分SPが画像Iに含まれている。
【0059】
したがって、顔Fの体表の特定部分SPが画像Iに含まれている場合に、動画像取得部2によって取得された体表の特定部分SPの動画像を用いて、生体情報推定部4が生体情報の一例の脈波データを取得することができる。
【0060】
図4および図5から分かるように、背面カメラとしての第2撮像部C2で脈波データを取得する場合、第2撮像部C2によって取得されている画像Iに顔Fが含まれているか否かを、ユーザH自身が表示部Dを見て確認することができない。しかしながら、本実施の形態の携帯端末100によれば、顔判定部1が、背面カメラとしての第2撮像部C2で取得された画像Iに顔Fが含まれていると判定した場合に、たとえば、音発生部Sが音を発生させたり、発光部Lが点灯したりする。これによれば、顔Fが第2撮像部C2によって取得された画像Iに含まれていることをユーザHに報知することができる。
【0061】
図6図8は、いずれも、携帯端末100の使用時の表示部Dの所定領域Xに表示されているユーザHの顔Fを含む顔領域FRの状態の一例を示す図である。
【0062】
顔判定部1は、図6図8に示される画像Iのうちの所定領域Xに顔Fが含まれているか否かを判定する。それにより、顔判定部1が画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていないと判定した場合に、報知制御部3は、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれるように顔Fおよび携帯端末100のうちの少なくともいずれか一方を移動させることを促す移動情報を報知部Nに報知させる。そのため、鮮明な顔Fの動画像をより確実に取得することができる。
【0063】
報知部Nによって報知される移動情報は、発光部Lの点滅であったり、音発生部Sによる音の発生であったりする。この場合、ユーザHは、顔Fおよび携帯端末100の少なくともいずれか一方を移動させる。それにより、動画像取得部2はユーザHの顔Fが所定領域Xの中に含まれた状態で、ユーザHの顔Fの動画像を取得することができる。そのため、鮮明な顔Fの動画像をより確実に取得することができる。
【0064】
報知部Nは、音発生部S、携帯端末100に設けられた振動部V、または、携帯端末100に設けられ、かつ、第2撮像部C2が向く側を向く発光部Lである。これらの部分の報知機能を用いれば、鮮明な顔Fの動画像をより確実に取得することができる。
【0065】
図6図8において、顔判定部1は、画像Iの所定領域Xに含まれている顔Fを含む顔領域FRの割合を特定する。それにより、顔判定部1は、顔領域FRの割合に応じて異なる移動情報を報知部Nに報知させる制御を報知制御部3に実行させる。そのため、顔Fの位置をより確実に画像Iの中に含めることができる。
【0066】
なお、顔判定部1は、予め記憶部5に記憶されている認証用顔データの顔と画像Iの所定領域Xに含まれている顔Fとを比較する。それにより、顔判定部1は、画像Iに含まれている顔Fと認証用顔データの顔とが所定の判定基準の範囲内にあるか否かを判定する。この判定方法は、公知のものでよい。その結果、顔判定部1が第2撮像部C2によって取得された画像Iの所定領域Xに含まれる顔Fと認証用顔データの顔とが所定の判定基準の範囲内にあると判定したことを条件として、動画像取得部2は、第2撮像部C2に動画像を取得させる。つまり、制御部10は、ユーザ認証が適正に実行された場合に、第2撮像部C2による動画像の取得を実行させる。これによれば、記憶部5認証用顔データが記憶されている人以外の人が携帯端末100を用いて生体情報を推定することを防止することができる。
【0067】
図9を用いて、本実施の形態の携帯端末100の制御部10が実行する制御処理を説明する。
【0068】
まず、制御部10は、操作部としても機能する表示部Dのタッチパネルのタッチ操作に基づいて、生体情報推定部4に生体情報を推定させるための動画像取得プログラムPを起動させる。それにより、ステップS1において、制御部10は、第2撮像部C2を起動させる。次に、ステップS2において、動画像取得部2は、第2撮像部C2に画像Iを取得させる。
【0069】
その後、ステップS3において、第2撮像部C2によって取得された画像Iにおける顔Fを検出する。顔検出は、公知の技術によって行われる。たとえば、顔の検出方法としては、パターンマッチングなどの機械学習の方法などがある。顔検出においては、顔の位置が検出されてもよく、検出された顔から個人が特定されてもよい。この場合には、動画像取得部2は、生体情報推定部4によって推定された生体情報とともに、顔の位置に関する情報、または、個人を特定する情報など表示部Dに表示してもよい。
【0070】
ステップS4において、顔判定部1は、検出された顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かを判定する。ステップS4において、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていないと判定されれば、ステップS5において、報知制御部3は、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれるように、たとえば、携帯端末100を移動させることをユーザHに促す移動情報を報知部Nに報知させる。
【0071】
ステップS5においては、たとえば、報知制御部3は、画像Iの所定領域Xに顔Fを含ませるために、携帯端末100をいずれの方向に移動させればよいかを指示する言葉を含む音声を音発生部Sに発生させる制御を実行する。携帯端末100をいずれの方向に移動させればよいかを指示する言葉としては、たとえば、図10に示されるデータテーブルから選択される。
【0072】
ステップS4において、顔判定部1は、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていると判定された場合には、ステップS6において、報知制御部3は、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていることを報知部Nに報知させる。
【0073】
その後、ステップS7において、ユーザ認証が適正か否かを判定する。ステップS6において、ユーザ認証が適正であると判定されれば、制御部10は、ステップS1の処理を実行する。具体的には、顔判定部1は、予め記憶部5に記憶されている認証用顔データと画像Iの所定領域Xに含まれている顔Fとを比較し、顔Fが認証用顔データと同一の範囲内にあるか否かを判定する。つまり、顔判定部1は、予め記憶されている認証用顔データと画像Iの所定領域Xに含まれている顔Fとが所定の判定基準の範囲内にあるかを判定する。動画像取得部2は、顔判定部1によって予め記憶されている認証用顔データと画像に含まれている顔Fとが所定の判定基準の範囲内にあると判定されたことを条件として、第2撮像部C2に動画像を取得させる。
【0074】
これによれば、記憶部5に記憶されている個人の顔F、たとえば、携帯端末100のユーザHまたは所有者以外の者が生体情報の推定を求めている場合に、その者の生体情報の推定を実行させないようにすることができる。
【0075】
ステップS7において、ユーザ認証が適正であると判定されれば、ステップS8において、動画像取得部2は、第2撮像部C2によって動画像を取得する。その後、動画像取得部2は、動画像を、たとえば、10秒間取得する。ステップS9において、生体情報推定部4は、第2撮像部C2によって取得された動画像から生体情報、たとえば、脈波データを取得する。
【0076】
脈波データは、公知の技術によって取得される。たとえば、公知の脈波データの取得方法としては、独立成分分析または色素成分分離などが挙げられる。脈波データは、第2撮像部C2によって取得された動画像に含まれる顔Fの中で、主に体表が含まれている特定部分SPの画像を使用して取得される。そのとき、顔Fの体表の特定部分SPの体表の脈波データが取得される。
【0077】
次に、ステップS10において、取得された脈波データに基づいて、生体情報としての血圧および脈拍等を算出する。
【0078】
ステップS11において、生体情報推定部4は、表示部Dを起動する。その後、ステップS12において、表示部Dに脈波データ、血圧および脈拍等を表示する。生体情報推定部4は、表示部Dに脈波データの波形、血圧の値、および脈拍の値を表示させると、音発生部Sに音を発生させることにより、生体情報の推定の終了を報知させる。
【0079】
(変形例)
顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かを報知部Nによって報知する場合の報知態様は、脈波データを表示部Dに表示する場合の報知部Nの報知態様と異なっていてもよい。たとえば、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かを音発生部Sが報知する場合の音と脈波データを表示部Dが表示する場合に音発生部Sが発する音とが異なっていてもよい。また、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かを発光部Lが報知する場合の光の色または点滅パターンと脈波データを表示部Dが表示する場合の発光部Lの光の色または点滅パターンとが異なっていてもよい。
【0080】
さらに、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かを報知する場合の振動部Vの振動パターンと脈波データを表示部Dに表示する場合の振動部Vの振動パターンとが異なっていてもよい。加えて、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かを報知する場合には振動部Vを振動させる一方、脈波データを表示部Dに表示する場合には音発生部Sに音を発生させてもよい。
【0081】
顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定された後、脈波データを表示部Dに表示するまで、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていることを報知部Nに継続して報知させてもよい。たとえば、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定された後、脈波データを表示部Dに表示するまで、音発生部Sに同じ音を発生させ続けてもよい。
【0082】
また、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定され後、発光部Lを点灯させ、脈波データを表示部Dに表示する直前で、発光部Lを消灯させてもよい。さらに、顔Fが画像Iに含まれていると判定された後、脈波データを表示部Dに表示するまで、振動部Vを振動させ続けてもよい。
【0083】
報知部Nによる報知のタイミングは、いかなるものであってもよい。たとえば、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定されたときだけ、その旨の報知部Nによる報知を実行してもよい。また、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていないと判定されているときだけ、その旨の報知部Nによる報知を行ってもよい。
【0084】
脈波データを推定するための第2撮像部C2による動画像の取得は、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定されると同時に開始されてもよい。また、脈波データを取得するための第2撮像部C2による動画像の取得は、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定されてから事前に設定された所定時間(たとえば、1秒)が経過した後に開始されてもよい。
【0085】
さらに、事前に指定された個人の顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定されたときにのみ、第2撮像部C2によって動画像を取得してもよい。また、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていないと判定されたときも、第2撮像部C2によって動画像を取得してもよい。その場合、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていると判定された期間だけ、生体情報推定部4が脈波データを取得する。
【0086】
動画像取得部2が脈波データを推定するための動画像を取得している期間においても、顔判定部1が画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれているか否かを判定してもよい。動画像取得部2が動画像を取得している期間において、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていると判定されなくなった場合には、動画像取得部2は、動画像の取得を終了してもよい。
【0087】
この場合、動画像取得部2による動画像の取得している時間の長さは、所望時間よりも短くなる。この場合、生体情報推定部4は、所望時間より短くなった時間における脈波データを取得してもよい。また、生体情報推定部4は、所望時間より短くなった時間における脈波データを取得することなく、制御処理を終了してもよい。この場合、動画像取得部2は、画像Iを再度取得し、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれているか否かの判定を行い、所望時間分の動画像が取得できるまで、動画像取得部2による動画像の取得と顔判定部1による判定とを繰り返して行ってもよい。また、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれていないときに、報知制御部3は、その旨の報知を報知部Nにさせてもよい。
【0088】
動画像取得部2は、前述の所望時間が設定されていない場合に、動画像を取得し続けてもよい。たとえば、動画像取得部2が動画像を取得しながら、顔判定部1が、画像Iに顔Fが含まれているか否かの判定を行ってもよい。この場合、動画像取得部2は、顔判定部1が画像Iの所定領域Xに顔Fに含まれていると判定しなくなるまで、動画像を取得し続けてもよい。この場合、動画像取得部2が動画像の取得を終了させてから、生体情報推定部4が脈波データを推定してもよい。また、生体情報推定部4は、動画像取得部2が動画像を取得し続けている状態で、顔判定部1が画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていないと判定されるまでに取得された動画像を用いて、脈波データを取得してもよい。
【0089】
表示部Dは、生体情報推定部4が取得した脈波データだけでなく、脈波データから導出される生体関連情報を表示してもよい。生体関連情報には、前述の血圧、脈拍数および呼吸数などが含まれる。
【0090】
携帯端末100が表示部Dを含んでいなくてもよい。この場合、生体情報推定部4が取得した生体情報、たとえば、脈波データ、および、脈波データから導出された生体関連情報を他の機器、たとえば、後述されるウェアラブル装置に表示させてもよい。
【0091】
また、生体情報推定部4が取得した生体情報および生体関連情報は、携帯端末100の記憶部5から他の機器へ送信されてもよい。生体情報推定部4取得した生体情報および生体関連情報は、携帯端末100から分離している記録媒体、または、携帯端末100から分離可能な状態で記憶部5の一部となっている記録媒体に記憶されてもよい。
【0092】
また、携帯端末100は、顔判定部1、動画像取得部2、報知制御部3、生体情報推定部4、および記憶部5の少なくともいずれか1つを含んでいなくてもよい。この場合、携帯端末100に含まれていない部分は、携帯端末100と通信可能な外部の機器に設けられている。この場合、携帯端末100は、外部の機器との通信によって、顔判定部1、動画像取得部2、報知制御部3、生体情報推定部4、および記憶部5の全体の機能を発揮する。
【0093】
特に、携帯端末100は生体情報推定部4を含んでいなくてもよい。この場合、携帯端末100は、単に、動画像取得部2が第2撮像部C2を動作させて、顔Fが含まれた画像Iを取得し、画像Iを外部機器へ送信するものであってよい。この場合、携帯端末100は、外部の生体情報推定部4から生体情報を受信し、表示部Dに生体情報を表示してもよい。これによれば、携帯端末100の処理負担を軽減することができる。
【0094】
顔検出においては、顔領域FRが検出される。検出された顔領域FRと画角が適切な状態になるように設定された所定領域Xとの位置関係に応じて、報知部Nの報知のパターンを変更してもよい。たとえば、図6に示されるように、顔領域FRが所定領域X内に含まれているときには、報知部Nは、その旨を報知パターンAで報知する。図7に示されているように、顔領域FRの一部が所定領域Xからはみ出しているが、顔領域FRの全体が画角内、すなわち、画像Iに含まれているときには、報知部Nは、その旨を報知パターンBで報知する。
【0095】
図8に示されるように、顔領域FRの一部が画角、すなわち画像Iからはみ出しているときには、報知部Nは、その旨の報知パターンCを報知する。たとえば、報知部Nが、振動部Vである場合、報知パターンA~Cは、次のようなものである。報知パターンAは、振動部Vを振動させないパターンである。報知パターンBは、振動部Vを断続的に振動させるパターンである。報知パターンCは、振動部Vを連続的に振動させるパターンである。
【0096】
報知制御部3は、画像Iの中の顔Fの位置に応じて、顔Fを移動させるべき移動方向または携帯端末100を移動させるべき移動方向を決定し、その移動方向を報知部Nに報知させてもよい。たとえば、音発生部Sは、移動方向に応じて異なる複数種類の音声の中から選択された1種類の音声を発生させてもよい。そのとき、音発生部Sが発生する音声は移動方向を表現した言葉を含んでいてもよい。
【0097】
音発生部Sが携帯端末100とは異なる場所に設けられている場合には、音が聞こえてくる方向をユーザHが向けば、画像Iに顔Fが含まれるように、ユーザHが顔Fの向きを変更するように音発生部Sが設定されていてもよい。
【0098】
報知制御部3は、発光部Lまたは振動部Vに、移動方向に応じて異なる種類の光または振動をさせてもよい。携帯端末100が複数の発光部Lを有している場合には、報知制御部3は、複数の発光部Lを移動方向に沿って順次点灯させてもよい。振動部Vの振動またはその他の動作によって、画像Iに顔Fが含まれるように、ユーザHの手の状態の変更を誘導してもよい。
【0099】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の携帯端末100を説明する。なお、下記において実施の形態1の携帯端末100と同様である点については、その説明は繰り返さない。本実施の形態の携帯端末100は、次の点で、実施の形態1の携帯端末100と異なる。
【0100】
図12は、本実施の形態の携帯端末100の第1撮像部C1がシグナルノイズ比を増加させるために表示部Dの明るさを増加させている状態を説明するための図である。
【0101】
実施の形態1において説明したように、第1撮像部C1と表示部Dとは、同じ側を向くように設けられている。本実施の形態においては、正面カメラとしての第1撮像部C1でユーザHの顔Fの動画像を取得する。したがって、本実施の形態においては、基本的には、実施の形態1の記載の第2撮像部C2が第1撮像部C1に読み替えられる。
【0102】
実施の形態1において説明したように、第1撮像部C1のシグナルノイズ比は、第2撮像部C2のシグナルノイズ比よりも小さい。本実施の形態においても、シグナルノイズ比の代わりに、ダイナミックレンジ、または、ビット深度が用いられてもよい。したがって、第1撮像部C1によって取得された画像は、第2撮像部C2によって取得された画像に比較して、不鮮明である。
【0103】
ただし、実施の形態2では、第1撮像部C1によって取得される画像の画質が第2撮像部C2によって取得される画像の画質よりも良好でないことは必須ではない。第1撮像部C1によって取得される画像の画質が第2撮像部C2によって取得される画像の画質と同一かまたは第2撮像部C2によって取得される画像の画質よりも良好であってもよい。
【0104】
本実施の形態においては、シグナルノイズ比等の画像の画質を相対的に良好にする目的で、表示部Dを照明として使用すると、表示部Dで自分の顔を確認することができない。この場合、制御部10は、実施の形態1で説明した報知部Nによる報知を実行する。なお、本実施の形態の説明においては、画質が良好であることは、シグナルノイズ比が高いことによって例示される。
【0105】
図12に示されるように、本実施の形態の携帯端末100によれば、動画像取得部2は、顔判定部1によって画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていると判定された場合に、画像Iを表示するときに比較して表示部Dの明るさを増加させる。それにより、第1撮像部C1のシグナルノイズ比を増加させる。その結果、第1撮像部C1を用いて、比較的鮮明なユーザHの顔Fの動画像を取得することができる。この場合、第1撮像部C1のシグナルノイズ比を、第2撮像部C2のシグナルノイズ比よりも高くすることが好ましい。つまり、第1撮像部C1によって取得される動画像を第2撮像部C2によって取得される動画像より鮮明にすることが好ましい。
【0106】
その後、第1撮像部C1に第2状態の動画像を取得させることができる。これは、明るい環境で取得される動画像の方が、暗い環境で取得される動画像に比較して、カメラに入射する光の量が多いため、より鮮明な動画像を取得できるからである。本実施の形態の携帯端末100によれば、同じ側を向く表示部Dおよび第1撮像部C1を利用して、鮮明な顔Fの動画像を取得することができる。
【0107】
なお、表示部Dの代わりに、図示されない正面に設けられた発光部(発光部Lと同一構造)の明るさを増加させた状態で、第1撮像部C1に第2状態の動画像を取得させてもよい。これによっても、鮮明な顔Fの動画像を取得することができる。したがって、本実施の形態の携帯端末100によっても、正確な脈波データを取得することができる。なお、図示されない正面に設けられた発光部を使用する場合においても、発光部が発する光のまぶしさに起因して表示部Dで自分の顔が確認できない場合がある。この場合においても、制御部10は、実施の形態1で説明した報知部Nによる報知を実行してもよい。
【0108】
本実施の形態においても、報知制御部3は、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていることを報知部Nに報知させることができる。また、報知制御部3は、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれるように、顔Fおよび携帯端末100の少なくともいずれか一方を移動させることを促す移動情報を報知部Nに報知させることができる。
【0109】
たとえば、表示部Dに第1撮像部C1によって取得された画像Iを表示しない場合に、音発生部S、発光部L、または振動部Vなどの状態を変化させることによって、顔Fが画像Iの所定領域Xに含まれているか否かをユーザHに報知してもよい。なお、表示部Dに第1撮像部C1によって取得された画像Iを表示する場合、ユーザは、表示部Dに表示されている顔Fを見ることによって、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれているか否かを判断することができる。
【0110】
図13は、本実施の形態の携帯端末100の制御部10が実行する制御を説明するためのフロートである。
【0111】
図13に示されるフローチャートは、ステップ1Aおよびステップ8Aの処理において、図10に示されるフローチャートと異なる。
【0112】
ステップS1Aにおいては、制御部10は、第2撮像部C2の代わりに、第1撮像部C1を起動する。そのため、ステップS2においては、第1撮像部C1で画像Iを取得する。また、ステップS8Aにおいては、生体情報推定部4は、表示部Dまたは発光部Lの明るさが増加した状態で、第1撮像部C1によってユーザHの顔Fを含む動画像を取得する。
【0113】
上記の点以外の構成に関しては、本実施の形態の携帯端末100と実施の形態1の携帯端末100とは同一である。本実施の形態の携帯端末100によっても、鮮明な顔Fの動画像をより確実に取得することができる。
【0114】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の携帯端末100を説明する。なお、下記において実施の形態1または2の携帯端末100と同様である点については、その説明は繰り返さない。本実施の形態の携帯端末100は、次の点で、実施の形態1の携帯端末100と異なる。
【0115】
図14は、本実施の形態の携帯端末100の報知部Nがウェアラブル装置WDである場合の報知態様を説明するための図である。
【0116】
本実施の形態の携帯端末100は、撮像部Cと通信部COM1を備えている。しかしながら、本実施の形態の携帯端末100は、制御部10を有していない。制御部10は、インターネットIN等の電気通信情報網によって携帯端末100と通信可能に接続されたサーバSVに設けられている。
【0117】
サーバSVは、制御部10内の動画像取得プログラムPを記憶した記録媒体として機能する。本実施の形態においては、携帯端末100の撮像部Cは、サーバSVの制御部10によって制御される。撮像部Cは、通信部COM1を経由して、撮像部Cが取得した静止画像または動画像をウェアラブル装置WDへ送信する。
【0118】
ウェアラブル装置WDは、ユーザHの手首に装着された腕時計である。ウェアラブル装置WDは、通信部COM2と報知部Nとを含んでいる。報知部Nは、表示部Dを含んでいる。ウェアラブル装置WDは、携帯端末100の通信部COM1から受信した画像を、通信部COM2を経由して、制御部10へ送信する。なお、ウェアラブル装置WDは、制御部10および通信部COM1を含んでいれば、ヘルメット、メガネ、帽子、手袋、指輪、服、またはマフラー等のいかなる装身具の一部となっていてもよい。
【0119】
制御部10に含まれる報知制御部3は、顔判定部1が画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれていると判定した場合に、その旨を報知部Nに報知させる。報知制御部3は、顔判定部1が画像Iに顔Fが含まれていないと判定した場合に、移動情報を報知部Nに報知させる。移動情報は、画像Iの所定領域Xに顔Fが含まれるように顔Fおよび携帯端末100の少なくともいずれか一方を移動させることをユーザHに促す情報である。
【0120】
また、生体情報推定部4は、推定された生体情報、たとえば、脈波データ、血圧、および脈拍等を表示部Dに表示させる。本実施の形態の携帯端末100によっても、動画像取得部2は、鮮明な顔Fの鮮明な動画像を取得することができるため、生体情報推定部4は、正確な脈波データを取得することができる。
【0121】
本開示における携帯端末100または動画像取得方法の主体は、コンピュータとして制御部10を備えている。このコンピュータが動画像取得プログラムPを実行することによって、本開示における携帯端末100または動画像取得方法の主体の機能が実現される。
【0122】
コンピュータとしての制御部10は、動画像取得プログラムPにしたがって動作するプロセッサ(CPU6)を主なハードウェア構成として備える。プロセッサ(CPU6)は、動画像取得プログラムPを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサ(CPU6)は、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0123】
動画像取得プログラムPは、コンピュータが読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。動画像取得プログラムPは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 顔判定部
2 動画像取得部
3 報知制御部
4 生体情報推定部
100 携帯端末
C1 第1撮像部
C2 第2撮像部
D 表示部
F 顔
I 画像
L 発光部
N 報知部
S 音発生部
WD ウェアラブル装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図14