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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】パレット交換装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 7/00 20060101AFI20250402BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20250402BHJP
【FI】
B23Q7/00 G
B23Q17/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023223687
(22)【出願日】2023-12-28
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】對馬 英彦
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-318262(JP,A)
【文献】再公表特許第2017/037831(JP,A1)
【文献】特開平06-155338(JP,A)
【文献】実開平04-109837(JP,U)
【文献】特開平11-000845(JP,A)
【文献】特開2000-167741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/155- 3/157
B23Q 7/00 - 7/18
B23Q 17/00
B25H 1/00 - 1/06
B65G 29/00 - 29/02
B65G 43/00
B65G 47/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回アームを用いてパレットを交換する工作機械のパレット交換装置において、
前記旋回アームの旋回中に、旋回指令速度を異なる値に切り換え可能な旋回駆動装置と、
前記旋回アームの前記旋回指令速度を切り換える位相を設定する位相設定装置と、
前記位相設定装置で設定された位相に応じて前記旋回駆動装置の旋回指令速度を切り換える制御装置と、
前記旋回アームの旋回によるクーラントの飛散を防止する旋回指令速度を前記制御装置に入力するとともに、前記旋回指令速度を切り換える位相を前記位相設定装置に入力する入力装置と、
を具備することを特徴としたパレット交換装置。
【請求項2】
前記旋回指令速度を切り換える前記位相は、前記旋回アームの旋回速度を高旋回指令速度から低旋回指令速度に切り換える変速開始点と、前記旋回アームの旋回速度を前記低旋回指令速度から前記高旋回指令速度に切り換える変速終了点を含む請求項1に記載のパレット交換装置。
【請求項3】
前記入力装置は、表示装置に表示されるグラフィカルユーザーインターフェースであり、前記グラフィカルユーザーインターフェースは、前記旋回アームの移動軌跡を含み、オペレータが前記移動軌跡上に前記変速開始点および前記変速終了点を指示することが可能である請求項に記載のパレット交換装置。
【請求項4】
前記旋回駆動装置は、前記旋回アームを鉛直軸線周りに旋回させるサーボモータと、該サーボモータの回転角を検知するロータリエンコーダとを具備する請求項1に記載のパレット交換装置。
【請求項5】
前記旋回駆動装置は、前記旋回アームを鉛直軸線周りに旋回させるサーボモータを有し、前記位相設定装置は、パレット交換開始からの経過時間を計測する時間カウンタを有し、前記旋回アームの前記旋回指令速度を切り換える位相を、前記時間カウンタで計測する時間で設定する請求項1に記載のパレット交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械やワークの洗浄装置と共に用いられるパレット交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加工済ワークを取り付けたパレットと、未加工ワークを取り付けたパレットとを交換するパレット交換装置には種々の形式があるが、旋回アームの一方の端部に加工済ワークを取り付けたパレットを載置し、他方の端部に未加工ワークを取り付けたパレットを載置し、該旋回アームを鉛直軸線周りに180°旋回させることによって、パレットを交換する形式のパレット交換装置が広く用いられている。
【0003】
工作機械の生産性を上げるためにはパレット交換に要する時間は短い方が好ましい。しかし、パレット交換の速度は旋回アームの回転に要する駆動力や、パレットとワークが転倒しない遠心力などにより制限され、これらの制限から算出した一つの速度で固定されるのが一般的である。特許文献1には、こうしたパレット交換装置において、種々の重量のワークに対して、ひずみゲージを用いその重量を測定し、個々のワークの重量に応じて種々のパレット移動時の旋回速度に変更することにより、パレット交換時間を短縮するようにしたパレット交換装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-276162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした旋回アームを備えたパレット交換装置では、パレット交換動作中に旋回アームが旋回することによって、加工済ワーク、パレット、旋回ドア等の旋回アームと共に旋回する部材に付着しているクーラントが飛散する。飛散したクーラントは、パレット交換装置の周囲を汚染するので、クーラントの飛散を防止することが重要になることがあるが、特許文献1のパレット交換装置では、ワークが軽い場合に高速で旋回アームが旋回するので、パレット交換装置の周囲の広い範囲に多量のクーラントを撒き散らすこととなる。
一方、低速で旋回アームを旋回させればクーラントの飛散は抑制されるが、パレット交換時間が長くなり、機械の生産性が低下する問題がある。
【0006】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、旋回式のパレット交換時間を極力増加させることなく、パレット交換時のクーラントの飛散を低減したパレット交換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明によれば、旋回アームを用いてパレットを交換する工作機械のパレット交換装置において、前記旋回アームの旋回中に、旋回指令速度を異なる値に切り換え可能な旋回駆動装置と、前記旋回アームの前記旋回指令速度を切り換える位相を設定する位相設定装置と、前記位相設定装置で設定された位相に応じて前記旋回駆動装置の旋回指令速度を切り換える制御装置と、前記旋回アームの旋回によるクーラントの飛散を防止する旋回指令速度を前記制御装置に入力するとともに、前記旋回指令速度を切り換える位相を前記位相設定装置に入力する入力装置とを具備するパレット交換装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、位相設定装置により設定される位相で旋回指令速度を切り替えるようにしたので、旋回アームが低速で旋回することによってクーラントの飛散を防止できる区間が限定され、パレット交換時間を著しく増加することなく、クーラントの飛散を効果的に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明を適用する工作機械の一例を示す略示側面図である。
図2図1の工作機械の略示平面図である。
図3】旋回アームを旋回させる旋回駆動装置を示すブロック図である。
図4】旋回速度とパレット交換時間の関係を示すグラフである。
図5】表示装置に表示されるグラフィカルユーザーインターフェースの略図である。
図6】旋回駆動装置の他の例を示すブロック図である。
図7図6の旋回駆動装置で用いられる油圧供給装置の一例を示すブロック図である。
図8】本発明を適用する工作機械の他の例を示す略示平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
本発明を適用する工作機械の一例を示す図1、2を参照すると、工作機械100は、工場の床面に固定された基台としてのベッド102を備えている。ベッド102の前方部分(図1、2では左側)の上面には、Z軸スライダ112が、前後方向またはZ軸方向(図1、2では左右方向)に延設された一対のZ軸ガイドレール102bに沿って往復動可能に設けられている。Z軸スライダ112には、回転テーブル114が、鉛直な軸線を中心としてB軸方向に回転送り可能に設けられている。回転テーブル114は、該回転テーブル114をB軸方向に回転送りするB軸送り装置としてB軸サーボモータ(図示せず)を備えている。
【0011】
ベッド102の後方部分(図1、2では右側)の上面には、コラム104が、左右方向またはX軸方向(図1では紙面に垂直な方向、図2では上下方向)に延設された一対のX軸ガイドレール102aに沿って往復動可能に設けられている。該コラム104の前面には、Y軸スライダ106が、上下方向またはY軸方向に延設されたY軸ガイドレール(図示せず)に沿って往復動可能に設けられている。Y軸スライダ106には、主軸110を水平な中心軸Oを中心として回転可能に支持する主軸頭108が取り付けられている。主軸頭108には、主軸110を回転駆動する主軸サーボモータ(図示せず)が配設されている。
【0012】
回転テーブル114には、イケールのようなワーク取付具Mを取り付けたパレットPが着脱可能に固定される。本実施形態では、ワーク取付具Mは、パレットPと共に回転テーブル114に固定されたときに、Z軸に垂直なワーク取付面を有しており、該ワーク取付面にワークWが取り付けられる。こうして、加工すべきワークWが、主軸110の先端に装着された工具Tに対面するように取り付けられる。なお、ワークWは、イケールのようなワーク取付具Mを用いることなく、パレットPに直接固定するようにしてもよい。
【0013】
更に、工作機械100は、ベッド102には、コラム104をX軸方向に駆動するX軸送り装置としてX軸サーボモータ(図示せず)と、Z軸スライダ112をZ軸方向に駆動するZ軸送り装置としてZ軸サーボモータ(図示せず)が配設されている。コラム104には、Y軸スライダ106をY軸方向に駆動するY軸送り装置としてY軸サーボモータ(図示せず)が配設されている。こうして、X軸送り装置、Y軸送り装置およびZ軸送り装置によって、主軸110と回転テーブル114は、直交3軸方向に相対的に直線送りされる。
【0014】
また、本実施形態による工作機械は、工作機械100における加工に必要な複数の工具を収納する工具マガジン140と、工具マガジン140に収納された工具の1つと、工作機械100の主軸110の先端に装着された工具Tとを交換する自動工具交換装置142、該工作機械100を制御する制御装置150を備えている。
【0015】
更に、本実施形態による工作機械100は、ベッド102の上面において、回転テーブル114の前方に配設されたパレット交換装置130を具備している。パレット交換装置130は、鉛直方向の旋回軸線OVを中心として回転可能に設けられた旋回軸134と、該旋回軸134の上端に取り付けられた水平方向に延びる旋回アーム132と、旋回軸134の上端に取り付けられ鉛直平面内に延びる旋回ドア122と、旋回軸134を旋回軸線OVを中心として回転させる旋回駆動装置と、該旋回アーム132を昇降する旋回アーム昇降装置とを具備する。
【0016】
本実施形態では、旋回駆動装置は、旋回軸線OVを中心として回転可能なパレット交換サーボモータ138およびパレット交換サーボモータ138の回転位置(位相)を測定するロータリエンコーダ138aを備えている。また、旋回アーム昇降装置は昇降用サーボモータ144と、該昇降用サーボモータ144の出力軸に直結されたボールねじ146と、該旋回アーム132の下端に取り付けられたボールねじナット148を備えている。
【0017】
工作機械100のZ軸スライダ112、回転テーブル114および主軸110を含む主要部、自動工具交換装置142およびパレット交換装置130は、スプラッシュガード120によって包囲されている。また、図1、2に示すように、旋回ドア122が工作機械100のZ軸に対して垂直な回転位置にあるとき、スプラッシュガード120内の空間は、工作機械100のZ軸スライダ112、回転テーブル114、主軸110およびパレット交換装置130の旋回アーム132の一方の端部(図1、2では参照番号132bで示す端部)が配置される加工室126と、旋回アーム132の他方の端部(図1、2では参照番号132aで示す端部)が配置されるワーク段取り室128とに分割される。
【0018】
オペレータがワーク段取り室128内にアクセスするために、スプラッシュガード120は、ワーク段取り室開口部120aと、該ワーク段取り室開口部120aを開閉するワーク段取り室安全扉124とを有している。ワーク段取り室安全扉124は、オペレータがワーク段取り室128室内を目視するための窓が配設されている。工作機械100は、該工作機械100を操作するためのワーク段取り室側操作盤136を備えている。ワーク段取り室側操作盤136は、表示装置、制御装置150に数値や指令を入力するキーボード(図示せず)および/またはボタン(図示せず)、更に、工作機械100の状態を表示したり、オペレータが入力する数値を確認するための表示装置(図示せず)を備えている。表示装置は、タッチパネル(図示せず)により形成することができる。加工室126も同様に、加工室開口部120bと、該加工室開口部120bを開閉する加工室オペレータドア125、該工作機械100を操作するための加工室側操作盤137を備えている。
【0019】
制御装置150は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、出入力ポート、RTC(Real-Time-Clock)および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータおよび関連するソフトウェアから構成することができる。制御装置150は、特に、工具マガジン140、自動工具交換装置142およびパレット交換装置130を制御する機械制御装置(図示せず)の一部としてソフトウェア的に構成することができる。制御装置150は、主軸サーボモータ、X軸サーボモータ、Y軸サーボモータ、Z軸サーボモータおよびB軸サーボモータを制御するNC装置156(図3参照)を含んでいてもよい。
【0020】
図3を参照すると、1つの実施形態による、パレット交換装置130のための旋回駆動装置のブロック図が示されている。
本実施形態による旋回駆動装置は、旋回アーム132、旋回軸134およびパレット交換サーボモータ138の位相または回転角を検知するロータリエンコーダ138a、制御装置150からの制御信号に基づきパレット交換サーボモータ138に駆動電流を供給する旋回用サーボアンプ152、制御装置150からの制御信号に基づき昇降用サーボモータ144に駆動電力を供給する昇降用サーボアンプ158および制御装置150に後述するパラメータを入力する入力装置154を具備している。
【0021】
以下、本実施形態の作用を説明する。
ワークWの加工が終了すると、パレットの交換が実行される。パレットの交換は、1)加工済みワークの取り付けられているパレットPをパレット交換位置へ移動させる第1段階、2)旋回アーム132を上昇させてパレットを載置する第2段階、3)旋回アーム132を旋回させる第3段階、および、4)旋回アーム132を下降させてパレットを回転テーブル114へ載置する第4段階を含む。
【0022】
まず第1段階において、加工済ワークWが取り付けられているパレットPがパレット交換装置130へ向けてZ軸方向に移動し、パレット交換待機位置にて停止する。このとき、パレット交換装置130の旋回アーム132の加工室126内に延びる第1の端部分132bはパレットPと回転テーブル114の間に入り込む。
【0023】
次いで、第2段階に移行し、NC装置156は、回転テーブル114がパレット交換待機位置に配置されていることを確認した後、パレット交換指令を制御装置150に出力する。パレット交換指令を受け取ると、制御装置150は、保持するパレット交換プログラムに従い、昇降用サーボアンプ158に対して制御指令を出力する。昇降用サーボアンプ158は、制御装置150からの制御指令に基づき、昇降用サーボモータ144に電流を出力する。これにより昇降用サーボモータ144と、昇降用サーボモータ144の出力軸に直結されたボールねじ146が回転し、旋回アーム132の下端に取り付けられたボールねじナット148が上方向に移動する。
【0024】
これにより旋回アーム132は旋回ドア122とともに上昇する。またパレットPは旋回アーム132の加工室126内に延びる第1の端部分132bにより回転テーブル114から持ち上げられる。パレットPが旋回アームに載置されたら、回転テーブル114は、NC装置156の指令により、旋回アーム132と干渉しない退避位置へ、Z軸に沿って旋回アーム132から離反する方向に移動する。これにより、パレット交換の第2段階が終了する。
【0025】
次いで、第3段階に移行し、旋回用サーボアンプ152は、制御装置150からの制御指令に基づき、パレット交換サーボモータ138に電流を出力する。これにより、パレット交換サーボモータ138は、旋回軸線OVを中心として回転し、旋回アーム132および旋回ドア122が、旋回軸134と共に旋回軸線OVを中心として180°旋回する。旋回アーム132の旋回終了により、第3段階が終了する。
【0026】
次いで、第4段階に移行して、NC装置156は、回転テーブル114をZ軸に沿って退避位置からパレット交換待機位置へ移動させ、次いで、旋回アーム132が下降するように昇降用サーボモータ144を回転させる。これにより、旋回アーム132の第2の端部分132aに載置されていたパレットは回転テーブル114に載置され、パレット交換の第4段階が終了する。このとき、加工室126内の加工済ワークWはワーク段取り室128室内に配置され、ワーク段取り室128室内に準備されていた未加工ワークWが加工室126内に配置されている。こうして、未加工ワークと加工済ワークとが交換がされる。
【0027】
パレット交換動作に伴い、パレットP、ワーク取付具M、ワークWおよび旋回ドア122等の旋回アーム132と共に旋回する部材に付着しているクーラントは、遠心力によって、ワーク段取り室128室内に飛散し、ワーク段取り室安全扉124の窓に付着し、オペレータによるワーク段取り室128内の観察を妨げることとなる。この問題を解決するために、本実施形態では、旋回アーム132および旋回ドア122の旋回工程の一部、つまり前記パレット交換動作の第3段階中の一定の区間で旋回指令速度を変更するようになっている。
【0028】
図4を参照すると、パレット交換工程における旋回アーム132の旋回動作の速度変化を示すグラフが示されている。図4のグラフにおいて、縦軸は旋回アーム132の旋回指令速度(rpm)である。横軸は、1つのパレット交換工程における時間(秒)であり、パレット交換工程の開始時がT=0となっている。旋回アームはT=0における速度0から旋回指令速度まで加速し、パレット交換中の実質的に全体に亘って旋回指令速度を維持し、旋回終了位置が近づくと旋回指令速度から減速して速度0となる。
【0029】
図4において、線L1は、パレット交換工程中の実質的に全体に亘って旋回指令速度V1(以下、高旋回指令速度と称する)で旋回アーム132および旋回ドア122を旋回させる通常のパレット交換動作中の旋回速度の変化を示している。一般に、前述の通りパレット交換に要する時間は短い方が好ましいので、高旋回指令速度V1はワークを積載したパレットが旋回時に遠心力により転倒しない速度、あるいは旋回機構の上限出力を基準として設定される。線L2は、クーラントの飛散防止または低減を目的として、V1よりも低い旋回指令速度V2(以下、低旋回指令速度と称する)で旋回アーム132および旋回ドア122を旋回させる従来のパレット交換動作中の旋回速度の変化を示している。従来技術では、パレット交換工程中の実質的に全体に亘って旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2に低減するようになっている。これにより、パレット交換動作中の遠心力により飛散するクーラントが低減され、クーラントがワーク段取り室安全扉124の窓に付着することが防止または低減されるが、パレット交換工程に要する時間がT3からT5に増加し、生産性が低下することになる。
【0030】
線L3は、本実施形態によるパレット交換動作中の旋回速度の変化を示している。本実施形態では、パレット交換動作開始後、時刻T1のときに、旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2に低減し、時刻T2のときに、旋回速度を低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰するようになっている。無論、時刻T2における旋回アームの位置が旋回終了位置に近く、低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1への復帰が間に合わない場合には、低旋回指令速度V2のまま復帰を行わないこともできる。
【0031】
このように、パレット交換動作中の一定の区間で旋回アーム132の旋回速度を低減するために、旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2へ低減し、そして低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰させるタイミング、および、旋回速度を低減する程度、もしくは、高旋回指令速度V1および低旋回指令速度V2が、入力装置154から制御装置150に入力される。以下に説明するように、本実施形態では、入力装置154は、ワーク段取り室側操作盤136の表示装置であるタッチパネルにより形成される。
【0032】
図5を参照すると、タッチパネルに表示されるグラフィカルユーザーインターフェースの一例が図示されている。入力装置154としてのタッチパネルには、パレット交換装置130のためのパラメータとして、低旋回指令速度V2、旋回アーム132の旋回速度を高旋回指令速度V1と低旋回指令速度V2との間で切り換える変速開始点P1および変速終了点P2が入力される。
【0033】
図5において、参照番号200は、表示装置としてのワーク段取り室側操作盤136のタッチパネルに表示されるグラフィカルユーザーインターフェース画面を示している。グラフィカルユーザーインターフェース画面200は、パレット交換装置130のためのグラフィック表示202と、パラメータ表示領域210を含む。パレット交換装置130のためのグラフィック表示202は、旋回アーム132、パレットP、旋回ドア204、ワーク段取り室安全扉124の窓206、および、旋回中に旋回アーム132、パレットP、旋回ドア204の先端が描く軌跡208を含む。
【0034】
パラメータ表示領域210は、旋回速度を低旋回指令速度V2に変更する変速開始点P1の位相θ1を表示する領域212、旋回速度を高旋回指令速度V1に復帰させる変速終了点P2の位相θ2を表示する領域214および低旋回指令速度V2を表示する領域216を含む。オペレータは、グラフィカルユーザーインターフェース画面200の軌跡208上の点をタップすることによって、旋回ドア204がZ軸と直交するスタンバイ位置からの位相θ1、θ2として自動入力され、変速開始点P1および変速終了点P2を制御装置150に設定することができる。
【0035】
このように、本実施形態では、旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2へ低減し、そして低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰させるタイミングは、変速開始点P1および変速終了点P2をグラフィカルユーザーインターフェース画面200を通じて入力することによって、制御装置150に設定される。つまり、グラフィカルユーザーインターフェース画面200は、旋回アーム132の旋回速度を高旋回指令速度V1と低旋回指令速度V2との間で切り換える変速開始点P1および変速終了点P2の位相を設定する位相設定装置を構成する。
【0036】
なお、旋回アーム132はパレット交換の度に図5に示す反時計回転と、図5と逆方向の時計回転とを交互に繰り返す。時計回転の時はP2をP1、P1をP2と読み替えて旋回速度制御を行う。また、位相θ1、θ2はZ軸と直交するスタンバイ位置からの角度ではなく、例えばZ軸と水平方向からの角度でもよい。つまるところ、パレット交換中に変速開始点P1及び変速終了点P2が一意に決定できれば良い。
【0037】
また、図5の実施形態では、低旋回指令速度V2は、低減した旋回指令速度を直接入力するのではなく、高旋回指令速度V1に対する減速割合δ%で入力するようになっている。減速割合δ%は、例えば、オペレータが領域216をタップすることによって、領域216がアクティブになり、ワーク段取り室側操作盤136のキーを用いて入力することができる。或いは、オペレータが領域216をタップしたときに、減速割合δ%を入力するダイアログボックス(図示せず)が、グラフィカルユーザーインターフェース画面200内に表示されるようにしてもよい。減速した低旋回指令速度V2を直接入力するようにしてもよい。無論、グラフィカルユーザーインターフェースを用いず、GコードやMコード、機械パラメータやNCパラメータとして、高旋回指令速度V1や低旋回指令速度V2、減速割合δ%を入力してもよい。また、加工室側操作盤137を用いて同様の操作を行うこともできる。
【0038】
本実施形態では、パレット交換動作が開始されると、制御装置150は、ロータリエンコーダ138aからの信号を監視して、パレット交換サーボモータ138の位相または回転角、つまり旋回軸線OVに関する旋回アーム132の位相または回転角がθ1になったときに、旋回用サーボアンプ152に対して、出力する電流値を低旋回指令速度V2に応じた電流値に低減するよう制御指令を出力する。旋回用サーボアンプ152は、制御装置150からの制御指令に基づき、低旋回指令速度V2に応じた電流をパレット交換サーボモータ138に出力する。これにより、パレット交換サーボモータ138の旋回速度が高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2に低減される。
【0039】
制御装置150は、ロータリエンコーダ138aからの信号を監視し続け、旋回アーム132の位相または回転角がθ2になったときに、旋回用サーボアンプ152に対して、出力する電流値を高旋回指令速度V1に応じた電流値に復帰するよう制御指令を出力する。旋回用サーボアンプ152は、制御装置150からの制御指令に基づき、高旋回指令速度V1に応じた電流をパレット交換サーボモータ138に出力する。これにより、パレット交換サーボモータ138の旋回速度が低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1に復帰する。
【0040】
本実施形態によれば、パレット交換動作の一定の区間で旋回速度を低減することによって、パレット交換に要する時間を過度に増加させることなく、パレット交換動作中の遠心力により飛散するクーラントがワーク段取り室安全扉124の窓に付着するのを防止または低減可能となる。パレット交換工程に要する時間は、本実施形態によれば、パレット交換工程中の実質的に全体に亘って旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2に低減する従来技術のT5からT4に短縮される。
【0041】
なお、既述の実施形態では、ワーク段取り室安全扉124は、ワーク段取り室128内を目視、観察するための窓を備えているが、スプラッシュガード120の側面に設けられた側面窓(図示せず)や、ワーク段取り室128内に機内カメラ(図示せず)が設けられている場合にも、側面窓や機内カメラへクーラントが飛散することを防止することができる。
【0042】
このとき、側面窓や機内カメラの旋回扉からの距離に応じて、低旋回指令速度V2とは異なる低旋回指令速度V3と、追加される変速開始点P3及び変速終了点P4を設定し、旋回速度を高旋回指令速度V1、低旋回指令速度V2、低旋回指令速度V3の三段階で変更してもよい。つまるところ、本発明の意図は、生産性を極力低下させることなくクーラントの飛散を抑えるために、パレット交換中の速度を任意点にて変更させることであり、そのために変更回数や変更速度は自在に設定することができる。
【0043】
本実施形態によれば、オペレータは、パレット交換動作中のクーラントの飛散状況を観察しながら随時パラメータを容易に変更可能となる。例えば、ワークWが、背の高いワークの場合や、スプーン形状のようなクーラントが貯まりやすい凹所を有したワークの場合、遠くまでクーラントが飛散しやすいが、予めクーラントの飛散領域を予測することは難しいので、オペレータが、パレット交換動作中のクーラントの飛散状況を観察しながら、パラメータ、特に低旋回指令速度V2を変更できることにはメリットがある。
【0044】
本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は既述の実施形態に限定されず、種々の変更と改良が可能であることは、当業者の当然とするところである。
図3の例では、ロータリエンコーダ138aを用いて、旋回アーム132の位相または回転角を検知することによって、変速開始点P1および変速終了点P2に到達したときに旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2へ低減し、そして低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰させるようになっているが、時間カウンタを具備し、パレット交換動作開始後からの時間を計測することによって、旋回速度を変更するようにしてもよい。
【0045】
この場合、グラフィカルユーザーインターフェース画面200で入力された変速開始点P1、変速終了点P2および高旋回指令速度V1および低旋回指令速度V2に基づいて、制御装置150は、パレット交換開始後から、旋回アーム132が変速開始点P1および変速終了点P2に到達するまでの時間を予め演算により求めることができ、あるいは時間カウンタによりパレット交換開始と同時に時間を計測し、制御装置150により旋回アームの位相または回転角を算出することによって、適切なタイミングで旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2へ低減し、そして低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰させることが可能となる。
【0046】
また、既述の実施形態では、旋回駆動装置は、電動モータであるパレット交換サーボモータ138を備えているが、本発明は、これに限定されない。旋回駆動装置は、例えば、油圧シリンダのような油圧モータを備えていてもよい。
【0047】
図6に示す変形例では、旋回駆動装置は、上述のパレット交換サーボモータ138に代えて油圧シリンダ160を具備している。油圧シリンダ160は、ラックアンドピニオン機構162を介して、旋回軸134、旋回アーム132および旋回ドア122を旋回させる。油圧シリンダ160のピストン(図示せず)が、ラックアンドピニオン機構162のラックギア(図示せず)に結合されており、該ラックギアに係合するピニオン(図示せず)が、旋回軸134に同軸に結合されている。旋回駆動装置は、油圧シリンダ160に油圧を供給する油圧供給装置170と、時間カウンタ164とを更に具備している。時間カウンタ164は、制御装置150がRTCを備えている場合には、RTCを用いてもよい。
【0048】
図7を参照すると、一例として示す油圧供給装置170は、作動油タンク174から作動油を吸い込み、所定の圧力に加圧して油圧シリンダ160に供給する油圧ポンプ172を備えている。油圧供給装置170は、更に、油圧ポンプ172と油圧シリンダ160との間に配設された、電気信号により出力する油圧の流量を変更できる比例電磁式制御弁176を備えている。また、比例電磁式制御弁176は、例えば2位置または3位置式の方向切替弁を備えることができる。比例電磁式制御弁176の方向切替弁の位置に従い油圧シリンダ160が伸長または収縮する。
【0049】
NC装置156からパレット交換指令を受け取ると、制御装置150は、保持するパレット交換プログラムに従い、油圧供給装置170に対して油圧供給指令を出力する。油圧供給指令は、比例電磁式制御弁176に供給される指令信号電圧である。本実施形態では、油圧供給装置170は、制御装置150から指令される指令信号電圧により流量を変更できる比例電磁式制御弁176を備えているので、油圧シリンダ160への作動油の単位時間あたりの供給量を変更することができる。比例電磁式制御弁176が閉弁したとき、作動油は油圧シリンダ160に供給されることなく、作動油タンク174に回収される。
【0050】
図3の例では、ロータリエンコーダ138aを用いて、旋回アーム132の位相または回転角を検知することによって、変速開始点P1および変速終了点P2に到達したときに旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2へ低減し、そして低旋回速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰させるようになっているが、図6の変形例では、時間カウンタ164によりパレット交換動作開始後からの時間を計測することによって、旋回指令速度を変更するようにしている。
【0051】
つまり、上述のように、グラフィカルユーザーインターフェース画面200で入力された変速開始点P1、変速終了点P2、高旋回指令速度V1および低旋回指令速度V2に基づいて、制御装置150は、パレット交換開始後から、旋回アーム132の位相または回転角が変速開始点P1および変速終了点P2に到達するまでの時間を演算により求めることができ、あるいは時間カウンタ164によりパレット交換開始と同時に時間を計測し、制御装置150により旋回アームの位相または回転角を算出する適切なタイミングで旋回速度を高旋回指令速度V1から低旋回指令速度V2へ低減し、そして低旋回指令速度V2から高旋回指令速度V1へ復帰させることが可能となる。
【0052】
なお、図6の変形例では、時間カウンタ164に代えて、ラックアンドピニオン機構や旋回アームに設置されたリミットスイッチ(図示せず)によって、旋回アーム132の位相または回転角が変速開始点P1および変速終了点P2に到達したことを検知するようにしてもよい。
【0053】
既述の実施形態では、スプラッシュガード120は、オペレータがワーク段取り室128にアクセスするためのワーク段取り室開口部120aを有し、該ワーク段取り室開口部120aにワーク段取り室安全扉ドアワーク段取り室安全扉124が開閉可能に設けられているが、本発明は、これに限定されず、オペレータがワーク段取り室にアクセスしない、パレット搬送ラインを備えたいわゆる自動化加工システムに使用する工作機械に適用してもよい。
【0054】
図8を参照すると、本発明を適用する工作機械の他の例が示されている。
図8において、工作機械300は、工作機械100とは異なり、原則として段取り室にオペレータがアクセスすることはない構成となっている。工作機械300は、工作機械100と同様に主軸302を水平な中心軸Oを中心として回転可能に支持する主軸頭304、Z軸方向に移動可能に設けられたテーブル306、鉛直方向に延びる旋回軸312と共に回転可能に設けられた旋回アーム308および旋回ドア310を備えたパレット交換装置、主軸302、主軸頭304、テーブル306、パレット交換装置308、310、312を包囲するスプラッシュガード316および工作機械300を制御する制御装置350を具備している。
【0055】
工作機械300は、旋回アーム308、旋回ドア310および旋回軸312は、既述した実施形態における旋回駆動装置(図示せず)を備えている。更に、工作機械300は、既述の実施形態と同様に、パレット交換装置の位相または回転角、つまり旋回アーム308の位相または回転角を検知する、ロータリエンコーダや、リミットスイッチ、時間カウンタ等の位相検知装置を備えている。
【0056】
主軸302、主軸頭304、テーブル306、パレット交換装置308、310、312、主軸302、主軸頭304、テーブル306、スプラッシュガード316および制御装置350は、既述の実施形態と同様に構成されている。図8には図示されていないが、工作機械300も工具マガジンおよび工具交換装置を備えている。
【0057】
工作機械300は、パレット搬送装置320を備えている。パレット搬送装置320は、X軸方向に延設されたレール326に沿って往復動可能に設けられた搬送車322およびZ軸方向に進退可能に搬送車322に搭載されたパレット受渡アーム324を備えている。パレット受渡アーム324は、スプラッシュガード316の開口部316aを通してワーク段取り室328内でパレット交換装置の旋回アーム308にアクセスすることが可能となっている。前述の通り、本構成ではレール326に沿って複数のマシニングセンタに限定しない工作機械や、加工済み、あるいは加工前のパレットを保管するパレットストッカ、ワーク洗浄装置を配置し、搬送車322によりこれらの間でパレットを搬送・受渡する自動化加工システムとすることもできる。
【0058】
本例では、スプラッシュガード316は、開口部316aを開閉するワーク段取り室安全扉を備えていない。この場合、既存の形態では開口部312aから飛散したクーラントが、パレット搬送装置320の床面を汚染する。切削したクーラントは水溶性クーラントであれば腐敗し悪臭などの工場環境の悪化を引き起こし、不水溶性クーラントであれば火災の原因ともなり得る。この汚染を人力により清掃するためには安全のため搬送車322を停止させる必要があり、生産性の低下の原因となる。こうした場合にも本発明は適用することができ、パレット交換に要する時間を過度に増加させることなく、開口部316aからクーラントがスプラッシュガード316の外部へ飛散することを防止可能となる。またこの場合、加工室側操作盤318に用いて指令速度や変速点を設定することができる。
【0059】
既述の実施形態では、工作機械100、300は横形のマシニングセンタを構成しているが、本発明はこれに限定されず、立形のマシニングセンタであってもよい。更には、本発明は、工作機械に限定されず、例えば自動化加工システムにおいて工作機械300と併設され、加工済みのワークを搭載したパレットをパレット搬送装置320との間で授受し、加工済ワークを自動洗浄する洗浄装置のパレット交換装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0060】
100 工作機械
112 Z軸スライダ
114 回転テーブル
120 スプラッシュガード
120a ワーク段取り室開口部
120b 加工室開口部
122 旋回ドア
124 ワーク段取り室安全扉
125 加工室オペレータドア
126 加工室
128 ワーク段取り室
130 パレット交換装置
132 旋回アーム
134 旋回軸
136 ワーク段取り室側操作盤
137 加工室側操作盤
138 パレット交換サーボモータ
138a ロータリエンコーダ
144 昇降用サーボモータ
150 制御装置
152 旋回用サーボアンプ
154 入力装置
156 NC装置
158 昇降用サーボアンプ
160 油圧シリンダ
162 ラックアンドピニオン機構
【要約】
【課題】旋回式のパレット交換時間を極力増加させることなく、パレット交換時のクーラントの飛散を低減したパレット交換装置を提供すること。
【解決手段】旋回アームを用いてパレットを交換する工作機械のパレット交換装置130が、旋回アーム132の旋回中に、旋回指令速度を異なる値に切り換え可能な旋回駆動装置138と、旋回アームの旋回指令速度を切り換える位相を設定するグラフィカルユーザーインターフェース画面200と、グラフィカルユーザーインターフェース画面で設定された位相に応じて旋回駆動装置138の旋回指令速度を切り換える制御装置150とを有する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8