(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-01
(45)【発行日】2025-04-09
(54)【発明の名称】老化細胞除去剤
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20250402BHJP
A61K 36/48 20060101ALI20250402BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20250402BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250402BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20250402BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K36/48
A61K8/9789
A61P43/00 105
A61Q19/08
(21)【出願番号】P 2024166238
(22)【出願日】2024-09-25
(62)【分割の表示】P 2023217850の分割
【原出願日】2023-12-25
【審査請求日】2024-09-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000228
【氏名又は名称】江崎グリコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長野 太輝
(72)【発明者】
【氏名】梶浦 英樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 素子
(72)【発明者】
【氏名】山本 宗
(72)【発明者】
【氏名】戸村 友彦
(72)【発明者】
【氏名】氏家 里奈子
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235548(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106473999(CN,A)
【文献】特表2018-525397(JP,A)
【文献】特開2022-149769(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0374592(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106420395(CN,A)
【文献】特開2023-044668(JP,A)
【文献】国際公開第2022/176174(WO,A1)
【文献】特表2023-545001(JP,A)
【文献】特開2021-195305(JP,A)
【文献】HAN, Qinghua et al.,“Cytotoxic oleanane triterpenoid saponins from Albizia julibrissin”,Fitoterapia,2017年09月,Vol. 121,pp.183-193,DOI: 10.1016/j.fitote.2017.07.015
【文献】VAUGHN, Katherine et al.,“Effect of Albizia julibrissin Water Extracts on Low-Density Lipoprotein Oxidization”,Journal of Agricultural and Food Chemistry,2007年05月12日,Vol. 55,No. 12,pp.4704-4709,DOI: 10.1021/jf063458e
【文献】OMARA, Timothy et al.,“Albizia coriaria Welw ex Oliver: a review of its ethnobotany, phytochemistry and ethnopharmacology”,Advances in Traditional Medicine,2021年07月21日,Vol. 23,No. 3,pp.631-646,DOI: 10.1007/s13596-021-00600-8
【文献】BARRERA-VAZQUEZ, Oscar Salvador et al.,Chemoinformatic Screening for the Selection of Potential Senolytic Compounds from Natural Products”,Biomolecules,2021年03月22日,Vol. 11,Article No. 467,DOI: 10.3390/biom11030467
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/40- 5/49
A23L 31/00- 33/29
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
A61K 36/00- 36/05
A61K 36/06
A61K 36/07- 36/9068
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効量含有する、老化細胞除去剤。
【請求項2】
「老化した細胞を低減」、「老化細胞除去」、「老化細胞の割合を減らす」及び「老化細胞の減少を促進する」からなる群より選択される少なくとも1種以上の表示を付した、請求項1に記載の老化細胞除去剤。
【請求項3】
前記老化細胞除去が、正常細胞に対して老化細胞を選択的に除去することを特徴とする、請求項1に記載の老化細胞除去剤。
【請求項4】
(A)正常細胞における50%致死濃度(LC50)と、(B)老化細胞における50%致死濃度の比(A/B)が、1.1超であることを特徴とする、請求項1に記載の老化細胞除去剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は老化細胞除去剤に関する。より具体的には、本発明は、正常細胞に対して老化細胞を選択的に除去することを特徴とする老化細胞除去剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、先進国を中心に高齢化社会となり平均寿命は延びているが、健康寿命との差が問題となっている。健康寿命は、WHO(世界保健機関)によって提唱された健康指標であり、心身ともに自立し、健康的に生活ができる期間のことをいう。健康寿命と平均寿命との差、これは即ち日常生活に制限のある「不健康な期間」であり、日本人男性では約9年、日本人女性では約12年であるとされている。
【0003】
超高齢化社会への対策の観点から、健康寿命の延長に関する技術の研究開発が進められており、細胞老化や老化細胞の除去に注目が集まっている。老化細胞とは、細胞分裂が不可逆的に止まった細胞のことであり、高齢者だけでなく、若年者、新生児にも存在する。
【0004】
紫外線、活性酸素などのストレス、テロメアの短縮等によってDNAが損傷することにより細胞老化が誘導されることが明らかとなってきている。老化細胞が分泌する炎症性タンパク質により、各種の疾患が引き起こされる可能性も示唆されているため、老化細胞の誘導の抑制や、生じた老化細胞の除去を行うための細胞老化の制御技術が強く求められている。
【0005】
例えば、特許文献1では、ナトリウム依存性グルコース共輸送体2(sodium-glucose co-transporter 2、SGLT2)阻害薬には、老化細胞除去作用を有することが報告されている。具体的には、SGLT2阻害薬であるカナグリフロジンが、肥満モデルマウス、動脈硬化モデルマウス、早老症モデルマウス等において、老化細胞を除去する作用を確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、生じた老化細胞の除去を行うこと自体困難であり、特に老化細胞を選択的に除去できる技術は殆ど報告がない状況である。また、植物資源を用いて飲食品等の分野でも摂取可能な、老化細胞除去に効果的な成分は、未だ十分な報告がない。
【0008】
よって、本発明は、飲食品分野でも摂取可能である、老化細胞除去に効果的な製剤及び組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者等が鋭意検討した結果、食品分野において食経験のある合歓(Albizia julibrissin)が、老化細胞を除去する作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記に掲げる製剤及び組成物を提供する。
【0011】
項1.
合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効量含有する、老化細胞除去剤。
【0012】
項2.
「老化した細胞を低減」、「老化細胞除去」、「老化細胞の割合を減らす」及び「老化細胞の減少を促進する」からなる群より選択される少なくとも1種以上の表示を付した、項1に記載の老化細胞除去剤。
【0013】
項3.
前記老化細胞除去が、正常細胞に対して老化細胞を選択的に除去することを特徴とする、項1又は項2に記載の老化細胞除去剤。
【0014】
項4.
(A)正常細胞における50%致死濃度(LC50)と、(B)老化細胞における50%致死濃度の比(A/B)が、1.1超であることを特徴とする、項1~項3のいずれかに記載の老化細胞除去剤。
【0015】
項5.
食品、化粧品、又は、医薬品である、項1~項4のいずれかに記載の老化細胞除去剤。
【0016】
項6.
合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効量含有する、老化した細胞を低減する、老化細胞を除去する、老化細胞の割合を減らす、又は、老化細胞の減少を促進させるための食品組成物。
【0017】
項7.
老化した細胞を低減する、老化細胞を除去する、老化細胞の割合を減らす、又は、老化細胞の減少を促進させるための組成物を製造するための、合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
【0018】
項8.
前記組成物が、食品、化粧品、又は、医薬品用組成物である、項7に記載の合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、飲食品分野でも摂取可能である合歓(Albizia julibrissin)を用いることにより、老化細胞を効果的に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、試験例1における、老化細胞除去能の結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[老化細胞除去剤]
一つの実施形態において、本発明の老化細胞除去剤は、合歓(Albizia julibrissin)を含有する。
【0022】
(合歓(Albizia julibrissin))
合歓は、マメ科ネムノキ亜科の落葉樹である。合歓はネムノキとも呼ばれ、その名は、夜間に小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことに由来する。
【0023】
合歓は、日本の本州、四国、九州等に分布するほか、イラン、アフガニスタン、中国、朝鮮半島等に自生しているため、これらの地域から容易に入手可能である。
【0024】
また、合歓は、花や皮を天日乾燥して生薬に用いることの他、煎じて飲用することでストレスの改善等に用いられている。
【0025】
合歓の使用部位は、特に限定されるものではなく、植物全体であってもよく、葉、果実、花、枝、幹、根、種子、又はそれらの少なくとも2種以上の混合物であってもよい。一つの実施態様において、合歓の使用部位は、花、及び/又は、皮を含むことが好ましく、花、及び、皮を含むことがより好ましい。
【0026】
合歓は、生のまま用いてもよく、乾燥(例えば、凍結乾燥等)させたものを用いてもよい。合歓から抽出する場合は、抽出効率の向上の観点から、例えば、破砕物又は粉体の状態に加工してから用いてもよい。
【0027】
合歓は、例えば、チップ状、粉末状、粒状、又はペースト状の破砕物又は粉砕物を用いることが可能であり、これらの中でも粉末を用いることが好ましい。
【0028】
破砕物又は粉砕物に加工するための方法は、公知の方法を用いることができ特に限定されないが、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、ミキサー、及び石臼などの機器又は器具を用いて、当業者が通常使用する任意の方法により植物体を破砕又は粉砕する処理が挙げられる。
【0029】
破砕又は粉砕前に、植物体を乾燥してもよい。乾燥の処理法としては、公知の方法を用いることができ特に限定されないが、例えば、凍結乾燥、減圧乾燥、送風乾燥又は加熱乾燥等が挙げられる。
【0030】
合歓の抽出物を用いる場合、方法は特に限定されず、植物原料の抽出に用いられる通常の抽出方法によって抽出することができる。抽出法としては、限定されるものではないが、例えば、溶媒抽出法、水蒸気蒸留法、圧搾法(直接、高温、若しくは低温)、又は超臨界抽出法等が挙げられる。また、これらの抽出法の組み合わせであってもよく、例えば、破砕した後に溶媒抽出する方法等を用いてもよい。
【0031】
抽出溶媒は、植物原料の抽出に用いられる通常の溶媒であれば、特に限定されるものではない。抽出溶媒は、例えば、有機溶媒、水性溶媒、又は有機溶媒及び水性溶媒の混合物を使用することができるが、好ましくは水性溶媒、又は有機溶媒及び水性溶媒の混合物であり、より好ましくは水性溶媒である。
【0032】
有機溶媒としては、例えば、アルコール、アセトン、ベンゼン、エステル、酢酸エチル、ヘキサン、クロロホルム、又はジエチルエーテルが挙げられるがアルコールが好ましい。アルコールとしては、植物原料の抽出に用いられる通常の溶媒であれば、特に限定されないが、例えば、エタノール、メタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、及びブチルアルコール等の炭素数1~5の一価アルコール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及びグリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールが挙げられる。
【0033】
水性溶媒としては、水を含んでいる限りにおいて特に限定されるものではなく、例えば、水、生理食塩水、又は緩衝液等が挙げられる。緩衝液としては、リン酸緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、及びトリス緩衝液等が挙げられる。好ましい水性溶媒は、水、及び/又は、生理食塩水である。前記水性溶媒のpHは、特に制限されない。
【0034】
これらの抽出溶媒のうち、本発明の効果を顕著に奏する観点から、水、エタノール、1,3-ブチレングリコール、及び、プロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、水、及び/又は、エタノールがより好ましく、水、又は、含水エタノールが更に好ましい。
【0035】
抽出溶媒として、有機溶媒及び水性溶媒の混合物を用いる場合、抽出溶媒全量中に含まれる水性溶媒の含有量は、特に限定されないが、例えば、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上、95質量%以上等が挙げられる。
【0036】
抽出温度は、特に限定されないが、-50℃~150℃、0℃~100℃、5℃~95℃、10℃~95℃、15℃~95℃、30℃~90℃、50℃~90℃、70℃~90℃、80℃~90℃等が挙げられる。
【0037】
抽出の際には、抽出効率の向上の観点から、例えば、撹拌又は振盪しながら実施することが好ましい。抽出時間は、例えば、葉、果実、花、枝、幹、根、種子等の使用部分に応じて適宜決定することができる。また、抽出時間は、合歓の状態、すなわち、生若しくは乾燥物であるか、又は破砕物若しくは粉砕物の状態であるか、又はそれらの加工状態に応じて適宜決定することができる。抽出時間は、通常、1分~72時間であり、10分~48時間であることが好ましく、30分~2時間であることが最も好ましい。
【0038】
一例として、合歓の抽出物は、合歓の花及び/又は皮、又はその粉砕物から、水及び/又は有機溶媒で浸漬抽出し、残査を濾別することにより得られる抽出液、この抽出液から溶媒を除去したもの、あるいはこれらの微粉末、又は、上記抽出液や溶媒除去物を適当な溶剤を用いるなどして溶解、分散、希釈したものなどをいい、市販品を用いることも可能である。他の抽出方法の例として、合歓の抽出物は、合歓の花及び/又は皮を蒸す等の加工を施した後に抽出することも可能である。また、合歓の花及び/又は皮に付随する葉や枝は除いたものであってもよく、除かずにそのまま用いてもよい。
【0039】
合歓の植物体、又は、その抽出物の含有量は、他の成分の種類や量、剤形等により適宜調整され、限定はされないが、組成物全量に対して、例えば、0.01質量%以上とすることができ、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上等であってもよい。また、合歓の植物体、又は、その抽出物の含有量は、組成物全量に対して、例えば、100質量%以下とすることができ、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下等が挙げられる。また、合歓の植物体、又は、その抽出物の含有量は、組成物全量に対して、例えば、0.01~100質量%、0.1~100質量%、1~100質量%、5~100質量%、10~100質量%、20~100質量%、30~100質量%、40~100質量%、50~100質量%、0.01~90質量%、0.1~90質量%、1~90質量%、5~90質量%、10~90質量%、20~90質量%、30~90質量%、40~90質量%、50~90質量%、0.01~80質量%、0.1~80質量%、1~80質量%、5~80質量%、10~80質量%、20~80質量%、30~80質量%、40~80質量%、50~80質量%、0.01~70質量%、0.1~70質量%、1~70質量%、5~70質量%、10~70質量%、20~70質量%、30~70質量%、40~70質量%、50~70質量%、0.01~60質量%、0.1~60質量%、1~60質量%、5~60質量%、10~60質量%、20~60質量%、30~60質量%、40~60質量%、0.01~50質量%、0.1~50質量%、1~50質量%、5~50質量%、10~50質量%、20~50質量%、30~50質量%、0.01~40質量%、0.1~40質量%、1~40質量%、5~40質量%、10~40質量%、20~40質量%、0.01~30質量%、0.1~30質量%、1~30質量%、5~30質量%、10~30質量%、0.01~20質量%、0.1~20質量%、1~20質量%、5~20質量%等が挙げられる。
【0040】
[用途]
本発明の老化細胞除去剤は、老化細胞を効果的に除去し、好ましくは、正常細胞に対して老化細胞を選択的に除去することに好適に用いられる。本明細書において、老化細胞とは、細胞分裂による増殖能を失った細胞をいう。老化細胞となることは、DNAが紫外線等のストレスにより、修復不可能なダメージを負った際、細胞分裂を停止してがん化を防ぐ防御機構とも言われる場合があるが、老化細胞が生体内で排除されずに留まり続けると、炎症性タンパク質等を分泌し、慢性の炎症を引き起こすことが知られている。また、本明細書において、老化細胞と対比され得る正常細胞とは、細胞分裂による増殖能を失っていない細胞をいう。
【0041】
老化細胞は、p16遺伝子やβガラクトシダーゼ活性の上昇をマーカーとして同定され、老化細胞を加齢個体から除去することにより加齢性の変化を抑制し得ることが明らかにされつつある。例えば、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)では、老化細胞が蓄積し、炎症が生じる場合があるが、老化細胞を除去することにより炎症の改善に繋がることが報告されている。
【0042】
老化細胞の蓄積等により生じた炎症を対症療法として処置するための抗炎症成分はあったとしても、単に炎症を抑えるだけでは、老化細胞が蓄積する限り根本的な解決策にはなり得ない。また、抗老化を目指して、各種成分のスクリーニングが為されているが、老化細胞の生成を抑制し得る成分の報告は十分ではない。更に、一旦生成され蓄積した老化細胞を、正常細胞と区別し、老化細胞だけを選択的に除去する技術は、殆ど報告がない状況である。
【0043】
老化細胞の蓄積は、必ずしも高齢者や病者にのみ生じるものではなく、若年者や新生児であっても生じ得るため、医薬品による解決ではなく、日常的に摂取し得る成分により老化細胞を選択的に除去できる技術が求められるが、このような観点からの研究報告は殆どなされていない。
【0044】
後述の実施例(試験例)では、ヒト肝がん由来HepG2細胞に対して、細胞老化の誘導剤であるエトポシドを作用させて老化細胞を得たのち、老化細胞除去能が公知であるケルセチン等と共に、合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の効果を確認している。
【0045】
その結果、ケルセチンと比較して、合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種では、顕著に老化細胞を選択的に除去する能力が確認された。
【0046】
よって、合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種は、老化細胞を効果的に除去し、好ましくは、正常細胞に対して老化細胞を選択的に除去し得る、老化細胞の選択的除去剤にも好適に用いられ得る。
【0047】
正常細胞に対する老化細胞の選択的除去能(老化細胞除去能)は、後述の実施例のように、(A)正常細胞における50%致死濃度と(B)老化細胞における50%致死濃度との比(A/B)を求めることにより算出することが可能である。老化細胞除去能は、本発明の効果を奏する限りにおいて限定されないが、例えば、当該比(A/B)が、1.1超であることが好ましく、1.2以上、1.5以上、2以上、2.5以上、3以上、3.5以上、4以上、4.5以上、5以上、5.5以上、6以上、7以上、8以上、9以上等であってもよい。
【0048】
本発明の製剤及び組成物は、飲食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、ペットフード、飼料に添加又はこれらと混合して使用することができる。または、そのままで医薬品、医薬部外品、飲食品、ペットフード、飼料等として使用することができる。また、本発明の製剤及び組成物は、老化細胞の除去等を機能性としてその旨を明示又は暗示した飲食品、すなわち、健康食品、機能性表示食品、病者用食品及び特定保健用食品として使用することができる。また、上記機能性を明示又は暗示していなくとも、病院及び/又は医院における、内科や整形外科や動物病院等にて、医師から推薦又は提示されるいわゆるドクターズサプリメントとして使用することができる。上記機能性を明示する場合は、「老化した細胞を低減」、「老化細胞除去」、「老化細胞の割合を減らす」及び「老化細胞の減少を促進する」からなる群より選択される少なくとも1種以上の表示がなされる場合があるが、これに限定されない。また前記機能性に起因する効果として、「血中肝機能酵素値の改善」、「認知機能の維持」、「筋力の維持」、「歩く力の維持」、「自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力・筋持久力の維持」、「敏捷性の維持」、「空腹時の血糖値の低下」、「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」、「血中中性脂肪の低下」、「加齢とともに低下する血管のしなやかさの維持」、「腎臓のろ過機能の維持」、「一時的に自覚する顔のむくみ感や脚のむくみの軽減」、「排尿回数の軽減」、「立ち眩みの抑制」、「骨の健康維持」、「骨密度の維持」、「膝の違和感の軽減」、「膝関節の柔軟性、可動性のサポート」、「肌の保湿力の向上」、「肌の弾力の維持」、「毛髪の再生や育毛」、「おなかの調子を整える」、「視覚機能の改善」、「一過性の身体的、精神的な疲労感の軽減」及び「生物学的年齢を低下させる」からなる群より選択される少なくとも1種以上の表示がなされる場合があるが、これに限定されない。
【0049】
上記機能性を明示しない場合は、例えば、老化細胞が気になる方、老化細胞を除去したい方、老化細胞を抑制又は低減したい方、老化細胞の割合を減らしたい方、肝機能や腎機能の数値が気になる方、筋力の衰えを感じる方、血糖値が気になる方、骨密度が気になる方、膝関節に違和感がある方、肌の調子が気になる方、おなかの調子が気になる方、見え方が気になる方、疲労を感じる方等の表示や、これらに類する表示を行って本発明の製剤及び組成物を用いることも可能である。
【0050】
本発明の製剤及び組成物の剤型としては、特には限定がなく、経口剤及び非経口剤等が挙げられるが、経口剤が好ましい。前記経口剤は、例えば、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、及び丸剤等の固形状又は粉末状製剤、並びに懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、及びエキス剤等の液状製剤等が挙げられる。非経口剤としては、例えば、注射剤、外用剤、湿布剤等を挙げることができる。
【0051】
本発明の製剤及び組成物は、合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種から成るものでもよく、また合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
【0052】
本発明の製剤及び組成物が経口剤である場合、他の添加剤を含有していてもよく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、乳化剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、又は懸濁化剤等が挙げられる。限定はされないが、添加剤としては、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
【0053】
本発明の製剤及び組成物は、ヒトに対して投与することができるが、投与対象はヒト以外の動物であってもよく、イヌ、ネコ、ウマ、ポニー、ロバ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、サル、ハムスター、モルモット、マウス、ラット、フェレット、リス、トリ等のペット;牛、鶏、及び豚等の家畜;並びに、牧場や動物園等で飼育されている動物(ウマ、ヒツジ、ヤギ、サル、ゾウ、ライオン、チーター等)等が挙げられる。
【0054】
本発明の組成物は、飲食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、ペットフード、飼料等であってもよい。
【0055】
前記飲食品は、食品及び飲料を含む。食品及び飲料としては、例えば、飲料類(清涼飲料(コーヒー、ココア、ジュース、ミネラル飲料、茶飲料(緑茶、紅茶、烏龍茶)、アーモンド飲料、スポーツドリンク、エナジードリンク、栄養ドリンク等)、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、酒類、スプレッド(カスタードクリーム、バタークリーム、ピーナツクリーム、チョコレートクリーム、チーズクリーム等)、ペースト(フルーツペースト、野菜ペースト、ゴマペースト、海藻ペースト等)、洋菓子(チョコレート、ドーナツ、パイ、マフィン、ワッフル、ガム、グミ、ゼリー、キャンデー、クッキー、クラッカー、ビスケット、スナック菓子、ケーキ、プリン等)、和菓子(飴、煎餅、かりんとう、あられ、団子、おはぎ、大福、豆もち、餅、餡、饅頭、カステラ、あんみつ、羊かん等)、氷菓(アイスクリーム、アイスキャンディ、シャーベット等)、レトルト食品(カレー、シチュウ、牛丼、中華丼、雑炊、おかゆ、味噌汁、スープ、ミートソース、デミグラスソース、ミートボール、ハンバーグ、おでん、赤飯、焼き鳥、茶碗蒸し等)、即席食品(即席ラーメン、即席スープはるさめ、即席スープ湯葉麺、即席うどん、即席そば、即席焼きそば、即席スパゲティ、即席ワンタン麺、即席しるこ、味噌汁の素、粉末スープの素、粉末ジュースの素、ホットケーキミックス等)、瓶詰・缶詰、ゼリー状食品(ゼリー、寒天、ゼリー状飲料等)、調味料(醤油、みりん、酢、味噌、ドレッシング、旨味調味料、複合調味料、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、ふりかけ、天つゆ、麺つゆ、だしの素、中華スープの素、ブイヨン、焼肉のたれ、冷しゃぶのたれ、カレールウ、シチュールウ等)、乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト、バター、生クリーム等)、加工果実(ジャム、マーマレード、シロップ漬け、干し果実等)、穀類加工食品(麺、パスタ、パン、ビーフン等)、漬物(たくあん、奈良漬、キムチ漬、福神漬、らっきょう漬、白菜漬、からし漬、しば漬、浅漬け、ピクルス等)、漬物の素(即席漬けのもと、キムチ漬のもと等)、魚肉製品(かまぼこ、ちくわ、はんぺん等)、畜肉製品(ハム、ソーセージ、サラミ、ベーコン等)、珍味(さきするめ、さきタラ、ウニの塩辛、イカの塩辛、タコの塩辛、カワハギのみりんぼし、フグのみりんぼし、イカの薫製、コノワタの塩漬等)、乾物(味付け海苔等)、惣菜類(あえもの、揚げ物、炒め物、焼き物、煮物、酢の物等)、冷凍食品(エビフライ、コロッケ、春巻き、とんかつ、シューマイ、餃子、たこ焼き、肉まん、あんまん等)、ベビーフード(例えば、米およびめん料理、魚料理、肉料理、卵料理、乳製品料理、野菜料理、スープ、フルーツ、ジュース、水分補給飲料、茶、デザート、菓子、ソース、ふりかけなど);粉乳(例えば、一般調整粉乳、特殊調整粉乳、妊婦および授乳婦用粉乳など);経腸栄養食品(例えば、経腸栄養剤、濃厚流動食、栄養補給食品、栄養補助食品、経腸栄養剤、濃厚流動食用フレーバー、デザートなど);その他の食品(例えば、栄養補助食品、ブレンダー食、とろみ食品、検査用食品、シリアル食品、スポーツ用食品、非常食など)等を挙げることができる。
【0056】
これらの食品又は飲料には、限定はされないが、例えば、酸化防止剤、香料、酸味料、着色料、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、香辛料、pH調整剤、安定剤、植物油、動物油、糖及び糖アルコール類、ビタミン、有機酸、果汁エキス類、野菜エキス類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品添加物及び食品素材を単独で又は2種以上組み合わせて含有させることができる。
【0057】
また、錠剤であれば、粉末状の活性成分と製薬上許容される担体成分(賦形剤など)とを混合して圧縮成形することにより調製でき、キャンディー(飴)などの製菓錠剤は型に注入する方法で調製してもよい。錠剤には、糖衣コーティングを施し、糖衣錠としてもよい。さらに、錠剤は単層錠であってもよく、二層錠などの積層錠であってもよい。
【0058】
顆粒剤などの粉粒剤は、種々の造粒法(押出造粒法、粉砕造粒法、乾式圧密造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、高速攪拌造粒法など)により調製してもよく、錠剤は、上記造粒法、打錠法(湿式打錠法、直接打錠法)などを適当に組み合わせて調製できる。
【0059】
カプセル剤は、慣用の方法により、カプセル(軟質又は硬質カプセル)内に粉粒剤(粉剤、顆粒剤など)を充填することにより調製できる。
【0060】
液剤は、各成分を担体成分である水性媒体(精製水、エタノール含有精製水など)に溶解又は分散させ、必要により濾過又は滅菌処理し、所定の容器に充填し、滅菌処理することにより調製できる。固形状製剤の好ましい剤形は、カプセル剤又は錠剤であり、軟質カプセル(軟カプセル剤、ソフトカプセル)であることがより好ましい。
【0061】
軟カプセル剤は表面が滑らかで飲み込みやすく、使用者に好まれる。一般的な軟カプセル剤の製造方法として、平板式、ロータリー方式、シームレス方式が例示される。
【0062】
ロータリー方式(打ち抜き法)の製造は、シート状カプセル皮膜が、流動する充填内容物を挟み込み、回転する円筒型の金型の穴に沿ってカプセル形状に形成する。一方で、シームレス方式(滴下法)の製造は、同心円の多重ノズルからカプセル皮膜組成物と内容物が同時に吐出され、継ぎ目の無いカプセル形状に形成される。
【0063】
軟カプセル剤の皮膜の基剤は、特に限定はされないが、デンプン、プルラン、セルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、コハク化ゼラチン等を用いることができ、デンプン、ゼラチン、コハク化ゼラチンが好ましく、ゼラチン、コハク化ゼラチンが更に好ましい。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0064】
合歓花、合歓皮、又は、その抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、個体の状態、体重、性別、年齢、素材の活性、摂取又は投与経路、摂取又は投与スケジュール、製剤形態又はその他の要因により適宜決定することができる。合歓花、合歓皮、又は、その抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.1mg以上が好ましく、1mg以上がより好ましく、10mg以上が更に好ましく、20mg以上が特に好ましく、30mg以上が最も好ましい。また、100mg以上、200mg以上であってもよい。合歓花、合歓皮、又は、その抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、2000mg以下が好ましく、1500mg以下がより好ましく、1000mg以下が更に好ましく、500mg以下が特に好ましい。合歓花、合歓皮、又は、その抽出物の成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、例えば、0.1~2000mgが好ましく、1~1500mgがより好ましく、10~1000mgが更に好ましく、20~500mgが更に好ましく、30~500mgが更に好ましい。
【0065】
なお、成人1日あたりの経口による摂取量又は投与量は、剤形に合わせて、例えばカプセル剤であれば、1~6カプセル、1~4カプセル、1~3カプセル、又は1~2カプセルに分けて服用してもよい。
【0066】
本発明の組成物は、1日1回~数回に分け、通常、1日1~6回、1日1~3回、1日1~2回又は任意の期間及び間隔で摂取若しくは投与され得るが、1日1回が好ましい。
【実施例】
【0067】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0068】
[被験製剤の調製]
(実施例1.エタノール抽出物1)
合歓花の乾燥粉末3.0gに99.5%エタノールを30mL加えて常温で30分間撹拌し、抽出を行った。その後、常法により残渣を取り除いた後、乾固し乾燥物0.1326gを得た。
【0069】
(実施例2.エタノール抽出物2)
合歓皮の乾燥粉末3.0gに99.5%エタノールを30mL加えて常温で30分間撹拌し、抽出を行った。その後、常法により残渣を取り除いた後、乾固し乾燥物0.1551gを得た。
【0070】
(実施例3.熱水抽出物1)
合歓花の乾燥粉末3.0gに水を27mL加えて90℃で1時間撹拌し、抽出を行った。その後、常法により残渣を取り除いた後、乾固し乾燥物0.7323gを得た。
【0071】
(実施例4.熱水抽出物2)
合歓皮の乾燥粉末3.0gに水を27mL加えて90℃で1時間撹拌し、抽出を行った。その後、常法により残渣を取り除いた後、乾固し乾燥物0.1851gを得た。
【0072】
(実施例5.アルカリ抽出物)
合歓花の乾燥粉末3.0gに水を25mL加えて0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液を用いて、pH9.0(±0.1)に調整し、水で合計33gにする。70℃で1時間撹拌し、抽出をおこなう。0.5mol/L塩酸を用いて、pH7.0に調整後、常法により残渣を取り除いた後、乾固し乾燥物0.5802gを得た。
【0073】
[試験例1.老化細胞除去能確認試験]
(1)老化細胞の調製
ヒト肝がん由来HepG2細胞を12ウェルプレートに10,000個播種し、10μM(0.1%DMSOを含む)のエトポシド(Sigma-Aldrich社)を2日間処理し細胞老化を誘導した。細胞老化の誘導を確認するため、1μM SPiDER-βGal(Dojindo社)を処理し、オールインワン蛍光顕微鏡BZ-9000 (Keyence社)のGFPフィルター(励起波長:470/40nm、吸収波長:525/50nm)を用いて蛍光シグナルの観察を行った結果、老化細胞のβガラクトシダーゼ活性によって生じるSPiDER-βGalの蛍光物質への変換がエトポシド処理細胞で観察された。
【0074】
(2)老化細胞除去活性の評価
正常(非老化)細胞における50%致死濃度(Lethal Concentration 50、以下、「LC50」という。)と老化細胞におけるLC50の比を確認した。LC50とは、プレート中の細胞の半数を死滅させるのに必要な濃度である。
【0075】
HepG2細胞を96ウェルプレートに8,000個播種し、10μM(0.1%DMSOを含む)のエトポシドを2日間処理し細胞老化を誘導した。その後、0.5%ウシ胎児血清を含むRPMI培地(HEPES不含)(ThermoFisher社)に、上記調製した被験製剤を用い、0.179~40μg/mLの合歓花および合歓皮抽出物を含むように加えて細胞に処理し、2日後の細胞数をCellTiter-Glo(Promega社)を用いた発光量によりEnVision(パーキンエルマー社)で測定した。処理濃度の測定値の結果を基にGraphPad Prism9(GraphPad Software社)によりLC50を算出した。下記式に基づき、老化細胞除去能を求めた結果を
図1に示す。
【0076】
老化細胞除去能の求め方
老化細胞除去能=正常(非老化)細胞におけるLC50/老化細胞におけるLC50
【0077】
図1に示す通り、上記式により老化細胞特異的な細胞死誘導能である老化細胞除去能を求めた結果、合歓花抽出物では9.8(熱水抽出)、5.0(エタノール抽出物)、4.7(アルカリ抽出)という値が得られ、合歓皮抽出物では4.2(熱水抽出)、3.9(エタノール抽出物)という値が得られた。老化細胞の除去作用が既知であるケルセチンの老化細胞除去能を同一条件で検討した結果が1.1であったことから、合歓花抽出物及び合歓皮抽出物は既知のケルセチンと比して高い老化細胞除去能を有することが確認された。
【要約】
【課題】飲食品分野でも摂取可能である、老化細胞除去に効果的な製剤及び組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】合歓花、合歓皮、及び、それらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効量含有する、老化細胞除去剤を提供する。
【選択図】
図1