(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】セキュリティ3D認識システム
(51)【国際特許分類】
E05B 17/18 20060101AFI20250403BHJP
E05B 13/00 20060101ALI20250403BHJP
E05B 19/00 20060101ALI20250403BHJP
【FI】
E05B17/18 E
E05B13/00 B
E05B19/00 Z
(21)【出願番号】P 2024121654
(22)【出願日】2024-07-06
【審査請求日】2024-08-28
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516217619
【氏名又は名称】華山 弘
(72)【発明者】
【氏名】華山 弘
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-22258(JP,A)
【文献】特開平11-81756(JP,A)
【文献】特開2002-256734(JP,A)
【文献】特開2007-40089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
前記認識ボックスは,施錠装置の鍵が締められ,鍵を抜き取った時点で,挿入されている前記オリジナルソリッドを取り出すことができるようになることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のセキュリティ3D認識システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,鍵によって開閉する施錠装置と連動させることによって、鍵がピッキング等によって不正開錠されるのをなくすセキュリティ3D認識システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅や事務所などの出入り口用ドアの施錠装置については、従来より、鍵穴式や電子錠式のものが採用されてきている。これらには例えば特許文献1又は2に示すような施錠装置やさらに高度な機械技術、電子機器技術による施錠装置が開発されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-004374号公報
【文献】特開2006-207361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように住宅や事務所などの出入口用ドアに使用される鍵穴式や電子式の施錠装置については高度な機械技術、電子機器技術による施錠装置が開発されてきているにもかかわらず、警備会社の人員の限界時間的限界なども原因とする、ピッキング等による不正開錠に伴う盗難、事故などの被害がなくならない。
本発明は、上記課題を解決するため、ピッキング、不正電波、不正磁気等による不正開錠を防止するためのセキュリティ3D認識システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鍵によって開閉する施錠装置と、これと連動し、連結されたプレートで施錠装置の鍵穴を開閉させ、他と区別できる独自の形状を有するオリジナルソリッドを認識するための認識ボックスとを備えることを特徴とする。
【0006】
前記認識ボックスは、前記オリジナルソリッドを挿入することによって、そのオリジナルソリッドの他と区別できる独自の形状を、少なくとも入口側の1方向から認識する認識手段を有することを特徴とする。入口からオリジナルソリッドを挿入した後、蓋を締めてから認識するためピッキング防止になる。
【0007】
また、前記認識ボックスは、挿入された前記オリジナルソリッドの表面を認識させるための円柱型のピンを備えた複数のシリンダーが少なくとも入り口側箇所に所定間隔で設けられ、また前記ピンにはシャーラインを認識するための凹、凸、又は分断形状がそれぞれ形成されており、前記オリジナルソリッドの表面に当接したピンのシャーラインが成立した時点で連結されたプレートで施錠装置の鍵穴を開閉させることを特徴とする。
【0008】
さらに、前記認識ボックスは、挿入されたオリジナルソリッドが当該認識ボックスに対応したオリジナルソリッドであると認識した時に限り、施錠装置のプレートで塞がれた鍵穴が開くよう連動されることを特徴とする。
【0009】
認識ボックスは、その認識ボックスに対応した前記オリジナルソリッドが挿入され、開錠された時点で、当該オリジナルソリッドは取り出せなくなる。また、施錠装置の鍵が締められ、鍵を抜き取った時点で、挿入されている前記オリジナルソリッドを取り出すことができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のセキュリティ3D認識システムを使用すれば、ピッキング等の防止になり、電子機器、磁気等も使用していないことから、これらによる不正侵入がなくなり、したがって、これにともなう盗難、鉢合わせによる事故などもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】 本発明に係るセキュリティ3D認識システムの認識ボックスの外観図を示す。
【
図3】
図1に示す認識ボックス内でのオリジナルソリッドの挿入状態におけるソリッドの認識適合・不適合を示し、(a)は認識適合状態、(b)は認識不適合状態を示す。
【
図4】
図1に示す認識ボックスの内部で行われるピンによるオリジナルソリッドの認識の状態を示す。
【
図5】 認識ボックス内部のピン部ケースとスプリング付ピン部ケースの内部構造を示す。
【
図6】 スプリング付ピン部ケースとピン部ケースを示す。
【
図7】 認識ボックス内部でスプリング付ピン部ケースとピン部ケースとシャーラインで分ける認識シャッターの斜視図を示す。
【
図8】 認識ボックス内部構造の概観を示し、(a)は上部からの断面図(b)はスプリング付きピン部ケースとピン部ケースを動かすギアとチェーンベルトの概略図を示す。
【
図9】 認識ボックスのオリジナルソリッドの扉式による場合の挿入部の外観を示す。
【
図10】 施錠装置のシリンダーカムとデッドボルトとセキュリティ3D認識システムとの連動を説明するための図を示し、(a)は施錠装置が開いている状態、(b)は施錠装置を外側から締めた状態、(c)は施錠装置を内側から締めた状態、を示す。
【
図11】 開錠、施錠のフローチャートを示し、(a)はドアが施錠されている状態からのフローチャートであり、(b)はドアが開錠されている状態からのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態の一例を、
図1~
図11を用いて説明する。
図1に示す認識ボックスの中には、
図2に示したようなオリジナルソリッド2が挿入される。
【0013】
オリジナルソリッド2は、挿入後、
図3で示したような状態で固定される。
図3(a)の状態は認識適合状態であるが、
図3(b)の状態では固定できていないので認識不適合状態である。
【0014】
オリジナルソリッド2は、認識ボックス内でスプリング付ピン部ケース3とピン部ケース4に囲まれる形で挿入される。この事例ではオリジナルソリッドは、6方向からピン6によって認識されている。
【0015】
図5では、スプリング付ピン部ケース3とピン部ケース4の内部構造が示してある。スプリング付ピン部ケース3ピン部ケース4は、当該認識ボックスに対応したオリジナルリッドを挿入した場合、シャーライン7が成立し、分断される。
【0016】
本実施例では
図6に示したようにスプリング付ピン部ケース3とピン部ケース4を設計する。
【0017】
[
図7]ではシャーラインに滑り込ませるシャーライン割シャッター▲1▼9、▲2▼10の設計図を示してある。
【0018】
図8(a)で示した認識ボックスの中を、
図6で設計したスプリング付きピン部ケース3とピン部ケース4を移動させることによって、6方向からオリジナルソリッドを認識することが可能となる。
【0019】
図6では(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図を示すが、最初に、オリジナルソリッドを挿入した
図6で示したスプリング付ピン部ケースとピン部ケース
の図6(b)側を奥に向け、オリジナルソリッド挿入レバー11で奥に押し込
むことによって、
開口部が入り口側に向くように設置し固定されたシャーライン割シャッター▲1▼9
がスプリング付ピン部ケースとピン部ケースの上側、下側、右側、左側のシャーライン
7に滑り込
み、次に、施錠装置シリンダー口閉鎖
プレート12を
左にスライドさせ、シャーライン割シャッター▲2▼と施錠装置シリンダー口閉鎖プレートとの連結シャフト13で連結されたシャーライン割シャッター▲2▼10を、スプリング付ピン部ケースとピン部ケースの
右側面を示す図6(c)側の前側と後側
のシャーライン7に滑り込ませる。
【0020】
シャーライン割シャッター▲2▼10でオリジナルソリッド2を認識した時点で完全にオリジナルソリッド2の形状を6方向から認識した状態になるので、シャーライン割シャッター▲2▼10と連結シャフト13で連動した施錠装置シリンダー口閉鎖プレートが施錠装置のシリンダー口を開放することとなる。
【0021】
図9では、
図6で示したスプリング付ピン部ケースとピン部ケースのオリジナルソリッド挿入口と認識ボックスのオリジナルソリッド挿入口1bを示し、扉形式の例を示している。
【0022】
図8(b)では、認識ボックスの内部において、オリジナルソリッド挿入レバーをスライドさせ、歯つきベルト15とギア14でラック16を移動させ、その上に乗ったスプリング付きピン部ケースとピン部ケース3を奥に移動させる。その後、オリジナルソリッド挿入レバー11が左に移動しているため、施錠装置シリンダー口閉鎖プレート12を左にスライドさせ、施錠装置のシリンダー口を開放する。
【0023】
図11で示したフローチャートを使って、セキュリティ3D認識システムと鍵を使って開閉する施錠装置との連動を説明する。オリジナルソリッド2は対応する認識ボックス1a、1bでしか認識されない。当該オリジナルソリッド2を挿入して(S3)、施錠装置シリンダー口閉鎖プレート12を開け(S5)、鍵を開けることができた時点(S6)でオリジナルソリッド挿入口1bにはロックがかかる(S7)。認識ボックスの蓋部1bを締めてオリジナルカード2の形状を認識するので、ピッキングの防止になる。
次に、鍵を締める際には、鍵を締めたS▲3▼時点で(S▲3▼)オリジナルソリッド挿入口1bのロックが外れ(S▲4▼)、鍵を抜いて(S▲5▼)、施錠装置シリンダー口閉鎖プレート12で施錠装置シリンダー口を閉鎖し(S▲7▼)、オリジナルソリッドを取り出す(S▲8▼)。鍵穴を閉鎖しており、オリジナルソリッド2は抜き出してしまっているのでピッキング防止になる。
すなわち、オリジナルソリッドの挿入口のロックを施錠装置の鍵と連動して行うことによって、オリジナルソリッドの盗難防止となると同時にそのオリジナルソリッドを挿入している状態でしか鍵を使えなくなる。
【0024】
室内から鍵を締めるときは、カードの盗難防止のため、内側からオリジナルソリッド挿入口1bのインナーロックが必要となる。外からシリンダーをピッキングして鍵を締めオリジナルソリッド2を取り出しコピーを取るという盗難が考えられるからである。また、鍵を締めての外出時には、オリジナルソリッド挿入口1bにいたずら防止のための簡易的なロックをしてもよい。
【0025】
図10により、デッドボルトとの連動を示すと、外から鍵を締めたときは、施錠装置シリンダーカム17との連動により、デッドボルト18デッドボルト19は共に閉まり、デッドボルト18と連動した認識ボックスのオリジナルソリッド挿入口1bのロックは開く。内から鍵をかけたときは、デッドボルト19だけが閉まり、認識ボックスのオリジナルソリッド挿入口1bのロックは開かない。
【符号の説明】
【0026】
1a 認識ボックス本体
1b 認識ボックスのオリジナルソリッド挿入口
2 オリジナルソリッド
3 スプリング付ピン部ケース
4 ピン部ケース
5 スプリング付ピン
6 ピン
7 シャーライン
8 シリンダー
9 シャーライン割シャッター▲1▼
10 シャーライン割シャッター▲2▼
11 オリジナルソリッド挿入レバー
12 施錠装置シリンダー口閉鎖プレート
13 シャーライン割シャッター▲2▼と施錠装置シリンダー口閉鎖プレートとの連結シ ャフト
14 ギア
15 歯つきベルト
16 ラック
17 施錠装置シリンダーカム
18 デッドボルトA
19 デットボルトB
【要約】
【課題】ピッキング等による不正開錠に伴う盗難、事故などの被害がなくならない。
【解決手段】鍵によって開閉する施錠装置と、これと連動する他と区別できる独自の形状を有するオリジナルソリッド2を認識するための認識ボックスとを備え、この認識ボックスは、オリジナルソリッド2を挿入することによって、そのオリジナルソリッド2の他と区別できる独自の形状を、少なくとも入口側の1方向から認識する認識手段を有し、挿入されたオリジナルソリッド2が当該認識ボックスに対応したオリジナルソリッド2であると認識した時に限り、鍵を使えるようになるよう連動され、さらに、オリジナルソリッド2は、認識ボックスに対応したオリジナルソリッド2が挿入されて開錠された時点で取り出せなくなり、また、施錠装置の鍵が締められ、鍵を抜き取った時点で、取り出すことが可能となる。
【選択図】
図4