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特許7659778情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20250403BHJP
【FI】
G06Q10/083
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021212587
(22)【出願日】2021-12-27
(65)【公開番号】P2023096672
(43)【公開日】2023-07-07
【審査請求日】2024-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】セイノーラストワンマイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 周
(73)【特許権者】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 建斗
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-083233(JP,A)
【文献】特開2021-026516(JP,A)
【文献】特開2020-080197(JP,A)
【文献】特開2020-166405(JP,A)
【文献】特開2019-168932(JP,A)
【文献】特開2005-029324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる商品表示領域を介した購入商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、
前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、
前記購入商品情報に基づき購入処理を実行する購入処理部と、を備え、
前記混載対象配送抽出部は、前記購入処理の前に前記混載対象配送情報を抽出する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
ユーザによる商品表示領域を介した購入商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、
前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、
を備え、
前記混載対象配送抽出部は、前記ユーザのユーザ端末へ抽出した混載対象となる他ユーザを提示し、前記ユーザ端末における前記混載対象とする他ユーザの選択操作に応じて混載配送の対象とする前記他ユーザを決定する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザによる前記購入商品の選択前に、前記ユーザの配送に関する配送予定時間情報の選択を受け付け、配送情報を更新するデータ管理部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項4】
ユーザによる商品表示領域を介した購入商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、
前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、
前記購入商品情報に基づき購入処理を実行する購入処理部と、を備え、
前記混載対象配送抽出部は、前記購入処理の前に前記混載対象配送情報を抽出する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
ユーザによる商品表示領域を介した購入商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、
前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、
を備え、
前記混載対象配送抽出部は、前記ユーザのユーザ端末へ抽出した混載対象となる他ユーザを提示し、前記ユーザ端末における前記混載対象とする他ユーザの選択操作に応じて混載配送の対象とする前記他ユーザを決定する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
残余空間算出部により、ユーザによる商品表示領域に対する商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納容器を一以上格納する格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出するステップと、
混載対象配送抽出部により、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出するステップと、
前記購入商品情報に基づき購入処理を実行するステップと、を含
前記混載対象配送情報を抽出するステップは、前記購入処理を実行するステップの前に前記混載対象配送情報を抽出する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
残余空間算出部により、ユーザによる商品表示領域に対する商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納容器を一以上格納する格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出するステップと、
混載対象配送抽出部により、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出するステップと、を含
前記混載対象配送情報を抽出するステップは、前記ユーザのユーザ端末へ抽出した混載対象となる他ユーザを提示し、前記ユーザ端末における前記混載対象とする他ユーザの選択操作に応じて混載配送の対象とする前記他ユーザを決定するステップを含む、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
残余空間算出部により、ユーザによる商品表示領域に対する商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納容器を一以上格納する格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出するステップと、
混載対象配送抽出部により、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出するステップと、
前記購入商品情報に基づき購入処理を実行するステップと、をコンピュータに実行させ、
前記混載対象配送情報を抽出するステップは、前記購入処理を実行するステップの前に前記混載対象配送情報を抽出する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
残余空間算出部により、ユーザによる商品表示領域に対する商品選択操作に応じて受け付けた購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を格納するための格納容器を一以上格納する格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出するステップと、
混載対象配送抽出部により、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出するステップと、をコンピュータに実行させ、
前記混載対象配送情報を抽出するステップは、前記ユーザのユーザ端末へ抽出した混載対象となる他ユーザを提示し、前記ユーザ端末における前記混載対象とする他ユーザの選択操作に応じて混載配送の対象とする前記他ユーザを決定するステップを含む、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オンラインショッピング等のEC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトやECアプリケーション上でのオンライン電子商取引に関する技術が提供されている。例えば、特許文献1には、顧客属性、アクセスログ、関連商品情報などの複数の視点を考慮して推奨商品を抽出して顧客に提示するECサイト管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-282132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の開示技術では、様々な視点を考慮した顧客独自の商品情報をユーザ端末に表示させることができるとのことであるが、配送に関連する視点については何ら考慮されていない。
【0005】
また、近年、ドローン(Drone)・無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体や無人地上車両(UGV:Unmanned Ground Vehicle)などの走行体などの自律制御可能な移動体が産業に利用され始めている。こうした中で、ECサイトなどでユーザが注文した物品等の配送物(積載物)を移動体により配送する情報処理システムの実験的な運用が開始されている。このような情報処理システムにおいては、複数の移動体が配送制御対象となることが想定されているものの、実験的な運用ということもあり、1台の移動体に積み込み可能な範囲で仮想的な配送物(例えば、日用品や食料など)を設定している。しかしながら、現実的にはユーザが移動体1台の積載量を意識しながら注文することはなく、欲しいタイミングで欲しい物を欲しい量注文することが通常であるので、移動体1台に収まるかどうか予見性がない。
【0006】
一方で、配送効率が高いと配送コスト(ひいては配送料)が下がるため、移動体1台に多くの荷物を積みこむことがサービス提供者にとってもユーザにとっても望ましいが、上記同様に荷物サイズのばらつきを考えると、移動体搭載部の残余空間がどのくらいか判断することは難しく、積み込み効率の高い運用が望まれる。
【0007】
そこで、本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、格納容器種別識別情報を用いて配送物(例えば荷物などの積載物)を定型化して管理することで、配送物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ユーザにより選択された購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を配送物として格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定する格納容器種別設定部と、前記格納容器を一以上格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、設定された前記格納容器種別情報と、に基づき、前記格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、を備える情報処理システム等である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、格納容器種別識別情報を用いて配送物(例えば荷物などの積載物)を定型化して管理することで、配送物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示す図である。
図2図1の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図1のユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図1の管理サーバの機能を示すブロック図である。
図5図2のストレージの構造を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
図7】本発明の実施の形態にかかる残余空間の算出を説明する一例である。
図8図5の配送情報記憶部の構造を示すブロック図である。
図9】本発明の実施の形態にかかる情報処理方法のフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態にかかる表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
ユーザにより選択された購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を配送物として格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定する格納容器種別設定部と、
前記格納容器を一以上格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、設定された前記格納容器種別情報と、に基づき、前記格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、
前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記格納容器種別情報は、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準の格納空間容積を所定の数で除した容積に基づき互いに識別可能にしたものである、
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記残余空間情報は、前記残余空間を格納容器種別に換算した残余換算格納容器種別情報である、
ことを特徴とする項目1または2のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目4]
前記ユーザによる前記購入商品の選択前に、前記ユーザの配送に関する配送予定時間情報の選択を受け付け、配送情報を更新するデータ管理部をさらに備える、
ことを特徴とする項目1ないし3のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目5]
ユーザにより選択された購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を配送物として格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定する格納容器種別設定部と、
前記格納容器を一以上格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、設定された前記格納容器種別情報と、に基づき、前記格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出する残余空間算出部と、
前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出部と、
を備えることを特徴とするサーバ。
[項目6]
格納容器種別設定部により、ユーザにより選択された購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を配送物として格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定するステップと、
残余空間算出部により、前記格納容器を一以上格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、設定された前記格納容器種別情報と、に基づき、前記格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出するステップと、
混載対象配送抽出部により、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出するステップと、を含む、
ことを特徴とする情報処理方法。
[項目7]
格納容器種別設定部により、ユーザにより選択された購入商品情報に基づき、前記ユーザの購入商品を配送物として格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定するステップと、
残余空間算出部により、前記格納容器を一以上格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、設定された前記格納容器種別情報と、に基づき、前記格納空間内の残余空間を示す残余空間情報を算出するステップと、
混載対象配送抽出部により、前記ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出するステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0012】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1による情報システム等についての実施の形態を説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、本実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0013】
<構成>
図1に示されるように、本実施の形態における情報処理システムは、管理サーバ1と、一以上のユーザ端末2とを有している。管理サーバ1と、ユーザ端末2は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。なお、図示された構成は一例であり、これに限らない。
【0014】
<管理サーバ1>
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0015】
図示されるように、管理サーバ1は、複数のユーザ端末2と接続され本システムの一部を構成する。管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
管理サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0017】
制御部10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開された本システムのためのプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0018】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0019】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
【0020】
送受信部13は、管理サーバ1をネットワークおよびブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0021】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0022】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0023】
<ユーザ端末2>
図3に示されるユーザ端末2は、ユーザが所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、ユーザ端末2もまた、制御部20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。各要素の主な機能は、上述した管理サーバ1と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。
【0024】
<管理サーバの機能>
図4は、管理サーバ1の制御部10に実装される機能を例示したブロック図であり、図5は、ストレージ12に記憶される情報を例示したブロック図である。本実施の形態においては、管理サーバ1の制御部10は、情報送受信部100、画面情報生成部110、データ管理部120、商品購入管理部130、配送管理部150、を機能部として備えている。商品購入管理部130は、格納容器種別設定部131を含む。配送管理部150は、残余空間算出部151、混載対象配送抽出部152を含む。また、ストレージ12は、ユーザ情報記憶部121、商品情報記憶部122、配送物情報記憶部123、配送情報記憶部124、の各種データベースを含む。
【0025】
ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報については、例えば、ユーザの基本情報(ユーザの氏名、ユーザ名、メールアドレス、住所、電話番号等)、ユーザ識別情報、支払情報(クレジットカード情報等)、外部アプリケーションアカウント情報、購入商品情報(購入費用情報も含む)、購入履歴情報、購入希望商品情報(いわゆる、お気に入り登録商品情報やウィッシュリスト内商品情報などであって、後述の商品情報と一部または全部が同じ情報が含まれていてもよい)、定期購買商品情報(後述)などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0026】
商品情報記憶部122に記憶される商品情報については、例えば、商品識別情報、商品名情報、製造者名情報、販売者名情報、商品カテゴリ情報(食品、飲料、酒類、お菓子、生活雑貨、化粧品など)、値段情報、サイズ情報(奥行、幅、高さ)、重量情報、管理温度帯情報、上下積載可否情報(上積可否情報または下積可否情報)などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0027】
配送物情報記憶部123に記憶される配送物情報については、例えば、配送物識別情報、ユーザ識別情報、格納容器種別情報、サイズ情報(奥行、幅、高さ)、重量情報、管理温度帯情報、上下積載可否情報(上積可否情報または下積可否情報)、混載対象配送情報、配送費用情報などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0028】
配送情報記憶部124に記憶される配送情報については、例えば、配送識別情報、ユーザ識別情報、配送物識別情報、残余空間情報、混載対象配送物情報、配送種別情報、配送予定時間情報(配送開始予定時間情報、配送終了予定時間情報、配送予定時間帯情報)などであり、配送物識別情報に紐づく、格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報、配送費用情報などを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0029】
情報送受信部100は、少なくともネットワークを介して管理サーバ1に直接または間接的に接続される外部装置(例えば、ユーザ端末2等)に対して種々の情報(要求を含む)を送信したり、外部装置から種々の情報(要求を含む)を受信したりする。
【0030】
画面情報生成部110は、ユーザ端末2のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。画面情報は、例えば、ストレージ12に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストを配置することで生成されるユーザインターフェース画面情報であり得る。なお、画面情報生成部110は、各ユーザ端末2に格納されたアプリケーション(Webブラウザ含む)により制御部20にて実行される機能部であってもよい。すなわち、管理サーバ1から画像データ等のユーザインターフェース画面を生成するために必要な情報を送信し、ユーザ端末2のアプリケーションによって所定のレイアウト規則に基づいて当該必要な情報に基づきユーザインターフェース画面を生成してユーザ端末2に表示させることもできる。画面情報生成部110に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0031】
データ管理部120は、情報送受信部100により受信した種々の情報を各種機能部に送信したり、各種機能部から種々の情報を取得したりなどのデータ管理を実行する。データ管理部120における所定の処理は、例えば、ユーザ端末2から受け付けた利用登録要求及びユーザ情報等に応じてユーザにユーザ識別情報を付与しユーザ情報をユーザ情報記憶部121に記憶し管理する利用登録処理や、ユーザ端末2からの商品閲覧要求等に応じて商品情報記憶部122を参照して商品一覧情報(図6参照)を提示する商品提示処理、図6に例示されるように商品一覧情報の商品表示領域610に対する選択操作に応じてユーザ識別情報に紐づく購入商品情報を更新する購入商品情報更新処理(購入商品確認領域620を更新する処理も含む)、購入商品情報に基づきユーザの購入商品(購入予定商品も含む)を格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定する格納容器設定処理、一以上の格納容器を格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と設定された格納容器種別情報とに基づき格納空間内の残余空間を算出する残余空間算出処理、ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する混載対象配送抽出処理、購入商品情報に含まれる商品を購入するための購入処理(決済処理等)、配送情報に含まれる混載対象配送物情報(混載対象となった配送物識別情報など)を更新(追加を含む)する配送情報更新処理など、様々な処理を含むが、これらに限定されない。
【0032】
商品購入管理部130は、商品購入に関連する所定の処理を実行し、商品購入に関連する所定の情報を管理する。商品購入管理部130は、例えば、ユーザ端末2上で実行される電子商取引アプリケーション(Webブラウザによる場合を含む)にて提示された商品一覧等の中からユーザにより選択された購入商品情報(いわゆる仮想的な買い物カートなどの購入予定商品情報も含む)に基づき、所定の手続処理を含む購入処理を実行し、ユーザ識別情報(いわゆるユーザID)に紐づけて購入履歴情報(商品ID、購入日付、購入金額など)を管理する。
【0033】
格納容器種別設定部131は、ユーザ識別情報に紐づく購入商品情報に基づき、ユーザの購入商品を格納するための格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報を設定する。格納容器の形状は、例えば幾何学的な形状の立体容器であって、格納空間への格納や積み重ねなどを考慮すると直方体(立方体を含む)であることが望ましい。格納容器の材質は、どのような素材であってもよいが、紙、プラスチック、金属等であってもよく、特に紙製の段ボール、または、プラスチック製の段ボールであることが生産容易性や重量の観点から望ましい。ここで本発明では、購入商品を格納するための格納容器の種別を識別可能に格納容器種別情報が設定されている。格納容器種別は、例えば、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準格納空間容積を所定の数(例えば整数)で除した容積に基づき互いに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば、当該基準格納空間容積を所定の数(例えば整数)で除して当該所定の数以下の数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば1/3、2/3、1や、1/4、1/2、3/4、1など)を含んでいたり、所定の数(例えば、整数であってもよく、特に2のn乗(nは整数であり、0も含んでもよい)であってもよい)で除した格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば、1/2、1/4、1/8・・・など)を含んでいてもよく、これらに限定されるものでもない)であってもよい。また、格納容器の容積については、より具体的には、例えば、基準格納空間容積を4で除する場合(すなわち1/4とする場合)に、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを4で除した容積の格納容器であってもよいし、格納空間の奥行、幅、高さのうち2つを2で除した容積の格納容器であってもよい。
【0034】
なお、基準格納空間容積は、所定の格納空間容積と同一の容積でなくとも、実質的に同一(略同一)な容積であってもよく、特に格納空間への容器の格納作業を鑑みて必要な余剰空間(例えば、数ミリ、数センチ程度)分を減じた容積であってもよいし、格納容器内に仕切りを設ける場合には仕切り(例えば、数ミリ、数センチ程度)分を減じた容積であってもよい(または、格納空間が基準格納空間容積と実質的に同一な容積であって、仕切り分大きくなっていてもよい)。
【0035】
ユーザの格納物を格納する格納空間及び/または基準格納空間容積の対象となる格納空間は、所定の容積を有する空間であればどのような空間を基準としてもよいが、格納物受取用の格納空間であると好ましく、より具体的には、例えばユーザが利用する設置物であって、ユーザ用の収納空間や、個宅に設置されたスマートロック付きの宅配ボックスまたは共同住宅用に共用部に配置される宅配ボックスの格納スペース(予めユーザに関連する情報が紐づいてスペースの位置が決められていてもよいし、配送員によりユーザに関連する情報を紐づけて荷物が格納された位置であってもよい)、電気的な施解錠制御を伴わない棚やロッカー、私書箱、保冷ボックスなどの格納スペースであってもよい。また、配送用の格納空間を基準としてもよく、荷物を配送するための移動体(UAVやUGVなどの移動体であって、特に自律制御される移動体など)の配送物格納部や、配送員が配送に用いる荷台(例えば、トラック荷台やバイクのリアボックス、ボックス台車、かご台車など)、配送用のバッグなどの可動物であってもよい。さらに、所定の容積を有する空間は、上述のように奥行方向、幅方向、高さ方向の長さが定まっている空間であってもよいが、パレットのように奥行方向、幅方向の長さが定まっている領域に対して、仮想的に高さ方向の長さを設定した容積を有する空間であってもよく、すなわち、奥行方向、幅方向、高さ方向の一部の長さが仮想的に設定されている容積を有する空間であってもよい。なお、これらに限定されるものでもない。また、格納対象となる格納空間と基準格納空間は同一であってもよいし、格納対象となる格納空間が基準格納空間に所定の数(特に整数)を乗じた大きさであってもよい。
【0036】
格納容器種別設定部131は、格納容器種別情報を設定するために、まず、ユーザ識別情報に紐づく購入商品情報に基づき、商品情報記憶部122を参照して各購入商品(購入処理後の商品、購入予定の商品も含む)に対応する少なくともサイズ情報(奥行、幅、高さ)を読み出し、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより各格納容器種別の容器に仮想的に購入商品を格納することで、適した格納容器種別を選択する。ここでいう適した格納容器種別とは、購入商品が格納可能な最小サイズの格納容器種別であることが、その後の格納空間への格納効率の観点から好ましいが、最小に限らず、商品の個体差によるサイズ誤差や緩衝材(発泡素材のクッション材やビニール素材の空気の入ったクッション材など)も考慮して格納可能な最小サイズよりも1~2サイズ大きい格納容器種別であってもよい。また、格納容器種別の選択は、一の格納容器の選択に限らず、複数の格納容器の選択であってもよい。例えば、購入商品に上積厳禁の商品が含まれる場合には、確実に上積みを避けるために、上積厳禁の商品が格納される格納容器を別個に分けて上積厳禁格納容器として設定し、格納空間の上側に格納されるように判別可能としてもよい。その他、例えば、移動体の負荷を考慮して、重心に偏りがないように、または、配送を2つに分けるように、容積が同一または一番近い格納容器2つとなるように選択したり、重さが同一または一番近い格納容器2つとなるように選択したりなどしてもよいし、購入商品の容量が格納空間を超える場合などに、基準格納空間容積と略同一の格納容器と残りの購入商品が格納可能な格納容器の2つを選択したりなどしてもよい。
【0037】
配送管理部150は、例えば商品選択や決済の前後のタイミングにおけるユーザからの要求に応じて、配送物情報記憶部123における配送物識別情報の追加やユーザ識別情報の関連付け等の情報更新を実行したり、配送情報記憶部124における配送識別情報の追加やユーザ識別情報の関連付け等の情報更新を実行する。
【0038】
残余空間算出部151は、一以上の格納容器を格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、格納容器種別設定部131により設定された格納容器種別情報とに基づき、対象となる格納空間内の残余空間(いわゆる空きスペース)を算出する。残余空間の算出方法は、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、残余空間を算出する。ここで、残余空間の算出結果は、特に格納容器が上述のように所定の法則にしたがって基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合においては、残余空間も格納容器種別に換算しやすい容積値となり得る。すなわち、残余空間情報は、残余空間を格納容器種別に換算した残余換算格納容器種別情報とすることも可能であり、換算することで後述の比較が容易となる。
【0039】
ここで、格納容器が基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合における残余空間算出例について、図7を用いて簡略化して説明する。当該格納容器は、基準格納空間容積に対して高さを3で除して当該3以下の数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば1/3、2/3、1)について例示する。
【0040】
まず、配送識別情報「0001」に紐づく仮想的な格納空間おいては、ユーザ情報「U0001」が紐づけされている。ここに、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された配送物(配送物情報「N0001」)が仮想的に格納される場合、配送物が未格納の格納空間に格納するため、残余空間情報は1から1/3を差し引き「2/3」と更新し、残余換算格納容器種別情報は「S033」が2つ、および、または「S066(基準格納空間容積の3分の2の容器を示す格納容器種別)」が1つを示す情報として更新される。
【0041】
同様に、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された配送物(配送物情報「N0010」)がさらに仮想的に格納される場合、すでに配送物(N0001)が格納された格納空間にさらに格納するため、残余空間情報は2/3から1/3を差し引き「1/3」と更新し、残余換算格納容器種別情報は「S033」が1つを示す情報として更新される。
【0042】
このようにして残余空間の算出を行い、特に例示したように、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを所定数で除した場合には、より簡便に実行可能となる。なお、上述のとおり既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、より高度な残余空間の算出が可能である。
【0043】
次に、図8を用いて、配送情報記憶部124に記憶される情報(特に残余空間情報)の例を示す。まず、配送識別情報「0001」においては、紐づけされている配送物情報が「N0001」、ユーザ情報が「U0001」であり、格納容器種別情報として、基準格納空間容積の4分の1の容器種別を示す「S025」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「3/4」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の4分の3の容器種別を示す「S075」)と算出されている。
【0044】
次に、配送識別情報「0002」においては、紐づけされている配送物情報が「N0002」、ユーザ情報が「U0011」であり、格納容器種別情報として、基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「1/2」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」)と算出されている。
【0045】
次に、配送識別情報「0003」においては、紐づけされている配送物情報が「N0003」、ユーザ情報が「U0005」であり、格納容器種別情報として、基準格納空間容積と略同一の容器種別を示す「S100」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「0」(すなわち、空きが無し)と算出されている。
【0046】
次に、配送識別情報「0004」においては、紐づけされている配送物情報が「N0004」、ユーザ情報が「U0003」であり、格納容器種別情報として、上述の「S025」が1つ(例えば上下積載可否情報が上積厳禁を示す)、「S050」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「1/4」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の4分の1の容器種別を示す「S025」)と算出されている。
【0047】
次に、配送識別情報「0005」、「0006」においては、紐づけされている配送物情報が「N0005」及び「N0006」、ユーザ情報が「U0009」であり、格納容器種別情報として、上述の「S100」が1つ、「S050」が1つ(例えば、購入商品の容量が格納空間を超えた場合)格納されていることが示されているため、残余空間情報が「0」と「1/2」と算出されている。この場合、ユーザ情報「U0009」のユーザに対する今回配送の実質的な残余空間は「1/2」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」)といえる。
【0048】
最後に、配送識別情報「0007」においては、紐づけされている配送物情報が「N0007」、ユーザ情報が「U0013」であるが、格納容器種別情報が紐づけられていない(例えば購入商品を選択中など)ため、残余空間情報が「1」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積と略同一の容器種別を示す「S100」)のままである。
【0049】
このように、残余空間算出部151は、一以上の格納容器を格納する格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、格納容器種別設定部131により設定された格納容器種別情報と、に基づき、対象となる格納空間内の残余空間を算出することが可能となる。特に、格納容器種別情報として、所定の格納空間容積を基準格納空間容積として、所定の数で除した格納容器容積ごとに識別可能に識別情報が設定されることで、パズルのごとく格納空間に配送物を効率的に収納することが可能となり、残余空間容積が残余換算格納容器種別情報として明確化することが可能となる。これを利用して、ユーザの配送物を残余空間に混載可能な配送を示す混載対象配送情報を抽出することが可能となる。以下において詳述する。
【0050】
混載対象配送抽出部152は、ユーザの配送物を残余空間に混載可能な他ユーザの配送を示す混載対象配送情報を抽出する。より具体的には、混載対象配送抽出部152は、例えば、ユーザ識別情報に紐づく格納容器種別情報及び他ユーザの配送情報に紐づく残余空間情報に基づき、ユーザの配送物を残余空間に混載可能な配送を示す混載対象配送情報を抽出する。特に、ユーザ識別情報に紐づく格納容器種別情報と他ユーザの配送情報に紐づく残余空間情報(特に、残余換算格納容器種別情報)とを比較して、ユーザ識別情報に紐づく格納容器種別情報が示す容積以上の残余換算格納容器種別情報に対応する混載対象配送情報が抽出される。残余換算格納容器種別情報は、複数選択可能であってもよく、例えば格納容器種別設定部131により、残余換算格納容器種別情報の組み合わせ情報を算出し(例えば、残余空間1/2に対して、格納容器種別1/4の混載対象物を2つ格納可能とする組み合わせや、格納容器種別1/4の混載対象物1つと格納容器種別1/8の混載対象物2つ格納可能とする組み合わせ、格納容器種別1/8の混載対象物4つ格納可能とする組み合わせなど)、当該組み合わせ情報に基づき混載対象配送情報の抽出(より具体的には、上述の比較)を実行してもよい。
【0051】
ここで、他ユーザとは、ユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に対応するユーザである。他ユーザ識別情報は、例えば、家族またはパートナー等として設定された同居ユーザ識別情報や、ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理ユーザ識別情報などであってもよい。本例では、当該関連付けのために、例えば、ユーザ側のアプリケーション上で他ユーザの識別情報の登録処理を実行したり、および/または、他ユーザ側のアプリケーション上でユーザの識別情報との関連付けに対する許可の可否を選択する処理を実行したり、などしてもよい。
【0052】
例えば、購入商品に紐づくユーザには、抽出された他ユーザ配送情報の一覧がユーザ端末2に提示され、当該一覧の中から一つ選択するようにしてもよい。ここで、混載対象配送抽出部152による抽出は、残余空間情報に加えてさらに条件付けをしてもよい。例えば、各配送情報において、個別配送か混載配送かを示す配送種別情報を含む場合には、当該配送種別情報が個別配送を示す配送情報を抽出対象としてもよい。もしくは、例えば、各配送情報において、通常配送かお急ぎ配送(通常配送よりも配送完了までの期間が短い配送)かを示す配送種別情報を含む場合には、当該配送種別情報が通常配送を示す配送情報かお急ぎ配送を示す配送情報かを選択して抽出対象としてもよい。もしくは、例えば、各配送情報において、他ユーザの配送に紐づく重量情報が混載配送における基準重量情報を超える場合や、他ユーザの配送に紐づく管理温度帯情報が基準温度帯より高い場合または基準温度帯より低い場合の少なくともいずれかである場合(例えばホット商品または冷凍食品を含む場合)などに抽出対象としないようにしてもよい。条件付けは、これらの少なくとも何れかを満たすものであってもよい。
【0053】
また、ユーザにより選択された他ユーザ配送情報に関連する他ユーザに対して、混載配送許可確認を提示してもよく、他ユーザに混載許可を選択された場合にはそのまま予定通り配送されるが、不許可を選択された場合にはユーザに購入前または購入後に再度配送予定時間情報を選択させるようにしてもよい。これについて、他ユーザが予め許可確認が必要なユーザまたは不要なユーザの登録や許可確認を不要とする設定が可能ようにしてもよいし、関連付けされたユーザからの許可確認を不要とする(もしくは、関連付けされていないユーザからの許可確認を必要とする)設定を可能としてもよい。
【0054】
このように、他ユーザの配送時の格納空間において余った残余空間も考慮して、他ユーザ配送物情報を抽出してユーザの配送物(購入商品)を混載することで、配送単位(すなわち、基準格納空間容積に収まるか否かに応じて決まる配送回数)を考慮して他ユーザの配送物と共に配送することが可能となる。
【0055】
<処理の流れ>
図9を参照しながら、本発明の情報処理システムが実行する情報処理方法の処理の流れについて説明する。図9は、図1の情報処理システムの処理の例を示すフローチャートである。
【0056】
本情報処理システムにより提供される電子商取引サービスを利用する事前処理として、ユーザは、ユーザ端末2のアプリケーション(ウェブブラウザ含む)等を利用して管理サーバ1にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、前述のユーザ情報の一部または全部を入力し利用登録処理を行ってログインしてもよく、既にユーザアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能としてもよい。なお、ユーザアカウントに代えて、ユーザ端末2にダウンロードされたアプリケーションに関連する固有のアプリケーションIDをユーザ識別情報(ID)として当該サービスを利用可能としてもよい。
【0057】
このログイン認証後、アプリケーション(ウェブブラウザ含む)等を介してサービス利用が開始されるが、本例では、最初に配送予定時間(例えば、配送予定時間帯)を指定する態様について説明する。これは、特に即時配送に適しており、より確実にユーザの希望の配送時間に購入商品を配送可能とする。すなわち、ユーザにより購入商品を選択した後に配送予定時間を指定する場合には、ユーザの希望する配送予定時間が空いていないケースもあり得る。特に即時配送においては、ユーザが急ぎで商品を入手したい可能性が高く、商品選択後に希望の配送予定時間が空いていない場合のユーザ体験は好ましくない。また、即時配送に限らず、最初に混載対象配送情報をしている態様とすることで、対象となる残余空間を意識しながらの購入が可能となり、他ユーザの配送への混載を促すことも可能となる。
【0058】
そこで、まずは、図10に示されるように、ユーザ端末2のアプリケーション上で混載対象配送情報910の一覧を表示させ、希望する混載対象配送情報をユーザに選択させ、配送予定時間決定領域920への決定操作に応じて管理サーバ1へ選択された配送予定時間情報や配送識別情報などの混載対象配送情報を送信する(ステップS101)。アプリケーション上で表示される混載対象配送情報910は、例えば、配送予定時間情報、残余空間情報、対応するユーザ情報などであり得るが、これらに限らず、重量情報(特に、残り重量に関する情報)、管理温度帯情報、上下積載可否情報を含んでいてもよい。本表示例では、配送予定時間情報「10:00-10:15」の混載対象配送情報がユーザにより選択されて未選択状態の混載対象配送情報とは異なる表示と変化している表示が例示されている。なお、ここでいう「配送予定時間情報」は、配送情報に含まれ得る配送予定時間情報であってもよいが、当該配送予定時間情報と現在時刻の差分から算出される差分配送予定時間(例えば、配送開始予定時間が「10時」で現在時刻が「9時30分」である場合、差分配送予定時間は「30分後」など)であってもよい。また、ユーザの決定操作前に他のユーザが先に同一の混載対象配送情報を管理サーバ1へ送信したことで該当する混載対象配送情報が選択不可能となった場合には、後のユーザに対して、再度選択を促す通知を提示するようにしてもよい。
【0059】
また、対象となる他ユーザの配送の配送予定時間や残余空間容積が適切でないなどの理由により、アプリケーション上で表示されている混載対象配送情報910の中に希望するものが無い場合には、混載せずに個別の配送として配送予定時間情報を選択するために、個別配送時間選択領域930への決定操作に応じて、空いている配送予定時間情報の一覧を表示させて、上記同様に配送予定時間を決定するようにしてもよい。
【0060】
このように、購入商品を選択する前に配送予定時間を選択することで、購入商品を選択した後に希望する配送予定時間が空いていないケースが無くなる。なお、本例ではこのタイミング(S101)で配送予定時間を選択しているが、これに限らず、特に急ぎでないケースが多いことが見込まれる場合や混載可能な場合のみに混載することを想定する場合などには、購入商品の選択後に配送予定時間の選択(例えば、図10同様)を実行してもよいし、ステップS101を開始する前に、配送予定時間に関して、購入商品を選択する前に配送予定時間を選択する「事前選択モード」(より具体的には、例えば「即時配送モード」)と購入商品を選択した後に配送予定時間を選択する「事後選択モード」(より具体的には、例えば「通常配送モード」)とをユーザに選択させる事前ステップを追加してもよいし、これらの何れを選択するかを事前にユーザ識別情報に関連付けて設定可能にしてもよい。また、購入商品の選択後に配送予定時間情報の選択(特に混載対象配送情報の選択)を行う場合には、配送物に対応する格納容器種別が格納可能な残余空間を有する他ユーザの配送情報だけを抽出するようにしてもよい。
【0061】
次に、管理サーバ1のデータ管理部120(特に配送管理部150)は、混載対象配送情報を選択した場合には、ユーザ端末2から受信した混載対象配送情報に基づき、当該混載対象配送情報に対応する配送情報にユーザのユーザ識別情報や配送物識別情報を関連付けて記憶するなどの更新を行い、混載対象配送情報を選択せずに個別で配送予定時間情報を選択した場合には、新たに生成された配送識別情報及びユーザ識別情報や配送物識別情報などを関連付けて記憶するなどの更新を行う(S102)。なお、新たに配送識別情報を生成せずに、例えば配送予定時間情報ごとに配送識別情報を予め付与し、これを用いてデータ管理するようにしてもよい。
【0062】
次に、図6に示されるように、ユーザが商品カテゴリや商品名から商品を検索し、これに対応する商品情報をユーザ端末2に送信して、例えば商品情報の一覧をユーザ端末2に表示させる(ステップS103)。
【0063】
次に、図6に示されるように、ユーザ端末2のアプリケーション上における商品一覧情報の商品表示領域610を介した購入商品選択操作に応じて、管理サーバ1へ選択した商品情報を送信する(ステップS104)。なお、商品一覧情報の商品表示領域610への選択操作を購入商品選択操作としてもよいし、商品表示領域610を選択した後に表示される商品詳細情報画面内で購入商品選択操作を可能としてもよいし、これらに限定されるものでもない。
【0064】
次に、管理サーバ1のデータ管理部120(特に商品購入管理部130)は、ユーザ端末2から受信した選択商品情報に基づき、ユーザ識別情報に紐づく購入商品情報を更新する(ステップS105)。なお、購入商品確認領域620に購入商品の支払予定総額情報を表示するようにしてもよく、その場合は、当該選択操作に応じて支払い予定総額情報を算出し更新する処理を行ってもよい。さらに、格納容器種別設定部131により、選択操作時点の購入商品情報に応じていずれの格納容器種別が現時点で設定されるかを示す現在格納容器種別情報を設定し、当該現在格納容器種別情報を現在格納容器種別情報表示領域630に表示するようにしてもよい。また、現在格納容器種別情報の表示に代えて、または、加えて、残余空間算出部151により算出した残余空間情報を表示するようにしてもよい。この時、ステップS101にて混載対象配送情報を選択した場合には、混載対象となる他ユーザの配送情報に紐づく残余空間情報を基準格納空間容積情報とした場合に算出される残余空間情報を表示することが好ましい。
【0065】
ここで、格納容器種別設定部131により設定された現在格納容器種別情報が基準格納空間容積情報を超える場合、または、残余空間算出部151により算出された残余空間情報が0を超えてマイナスとなる場合、すなわち、現在設定されている基準格納空間容積では購入商品を格納するには格納空間が不足すると判定される場合について説明する。一例としては、格納空間が不足すると判定される場合には、次の購入処理ステップ(決済処理ステップ)に進むことを制限する構成であってもよく、ユーザが購入商品情報の一部を非選択状態に戻すなどして、ユーザ識別情報に関連付けられる購入商品情報を少なくして格納空間が不足すると判定されなくなった場合(すなわち、格納空間が足りると判定された場合)に、次のステップへの制限を解除するようにしてもよい。この時、商品情報に含まれるサイズ情報を参照して、制限を解除するために非選択にすることが推奨される商品を示す非選択推奨商品情報をユーザへ提示するようにしてもよい。他の例としては、事前に配送予定時間情報を選択している場合には、追加の配送予定時間情報を選択するために、再度図9に例示される配送予定時間情報選択ステップを実行してもよい。なお、各配送予定時間情報に対応する配送可能数は1台に限られないので、配送可能数が二以上であって、且つ、空きがある場合には、同じ配送予定時間情報を追加で選択することもあり得る。購入商品を選択後に配送予定時間情報を選択する場合には、現在の購入商品情報では二以上の配送予定時間情報を選択する必要があることを示す情報(例えば「配送予定時間情報を2つ選択する必要があります」など)を提示するようにしてもよい。
【0066】
なお、格納空間が不足すると判定されて複数の配送予定時間情報を選択する必要がある場合に限らず、購入商品情報の重量情報が一配送に対する基準重量情報を超える場合や、購入商品情報の管理温度帯情報が複数種類ある場合(特に、ホット商品と冷凍商品がある場合など)、購入商品情報の上下積載可否情報に基づき格納空間が不足する(例えば、格納容器種別情報が「1/2」の格納容器が2つあり、両方の格納容器に上下積載可否情報が「上積み不可」を示す商品が含まれている場合であって、横並びでの格納ができない場合など)と判定される場合などにおいても複数の配送予定時間情報を選択する必要があるので、同様に対応可能である。
【0067】
次に、データ管理部120は、購入商品確認領域620への決定操作などによりユーザ識別情報に紐づく購入商品情報に対応する購入商品を購入するための購入処理(例えば決済処理など)を実行し、ユーザ識別情報に紐づく購入商品情報や配送物情報、配送情報などをそれぞれ更新する(S106)。この時、他ユーザの配送に関連する配送料金情報が示す配送料金をユーザと所定の割合で按分(例えば2分割)して、按分後の配送料金情報がそれぞれに紐づけて記憶され、各ユーザがそれぞれ決済処理を行うようにしてもよい。もしくは、ユーザまたは他ユーザのいずれかに対して、一配送分の配送料金のみを紐づけて記憶し、決済処理するようにしてもよい。
【0068】
次に、ユーザの購入商品情報に紐づく配送予定時間が、個別配送であるか、混載配送であるかを判別する(S107)。
【0069】
そして、ステップS107において、混載配送であると判定された場合には、そのままアプリケーション上での電子商取引サービスのフローを終了する。その後、購入商品は対応する格納容器種別の格納容器に格納され、格納容器は配送予定時間に対応する他ユーザの配送に関連する格納空間に格納され、他ユーザの元へ配送される。
【0070】
一方、ステップS107において、個別配送であると判定された場合には、残余空間算出部151は、格納空間の容積を示す基準格納空間容積情報と、格納容器種別設定部131により設定された購入商品に対応する格納容器種別情報とに基づき、対象となる格納空間内の残余空間(いわゆる空きスペース)を算出し、データ管理部120(特に配送管理部150)により配送情報に含まれる残余空間情報を更新(追加を含む)する(S108)。
【0071】
これにより、混載がない個別配送である配送情報は、混載対象配送抽出部152による抽出が可能となる。なお、混載対象配送抽出部152による抽出の対象を個別配送に限る場合には、各配送情報において配送種別情報を含め、当該配送種別情報が個別配送を示すか混載配送を示すかに応じて混載対象配送抽出部152による抽出の対象とするか否かを判別可能にしてもよい。また、複数の混載を許容する場合には、上述のステップ107を介さずに、配送種別に関わらず、ステップS108においてデータ管理部120(特に配送管理部150)により配送情報に含まれる残余空間情報を更新(追加を含む)する構成としてもよい。
【0072】
以上のように、格納容器種別識別情報を用いて配送物(例えば荷物などの積載物)を定型化して管理することで、配送物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【0073】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 管理サーバ
2 ユーザ端末


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10