(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】遊技者へのサービス提供装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20250403BHJP
【FI】
A63F7/02 355Z
(21)【出願番号】P 2024118876
(22)【出願日】2024-07-24
【審査請求日】2024-07-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行日 令和6年7月10日 刊行物 月刊アミューズメントジャパン 第27巻 第7号通巻310号 207頁
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501392497
【氏名又は名称】イーテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】田畑 悟
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223204(JP,A)
【文献】特開2009-082342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に取付けられる遊技機における遊技者へのサービス提供装置であって、
前記間柱に設けられ、全体薄型直方体箱状に形成され、上下方向に細長く形成されて間柱前方へ開口する開口部を有すると共に、前記開口部の前面下端部には係止凸部を有し、遊技者に提供するための情報を掲載した情報掲載媒体を前記間柱の前面部から出し入れ可能に収容した情報掲載媒体収納ケースと、
前記係止凸部に係合して前記情報掲載媒体収納ケースに固定可能に形成された係合部を有し、前記間柱の前面部から前方に延びて配置されるアームと、
前記アームの先端部に設けられ、前記遊技者が遊技中に遊技台において利用できる各種サービスを提供する物品を保持する保持部とを有することを特徴とする
遊技者へのサービス提供装置。
【請求項2】
前記係止凸部には孔部が形成され、
前記係合部は、前記孔部を介して係止凸部に係合する凸部を有する係合部材を有し、
前記アームは、
基端部が、前記係合部材に対して左右方向に回動可能に連結されたアーム本体と、
前記アーム本体の先端部に取付けられ、前記各種サービスを提供する物品を保持し得る保持部材と、を有することを特徴とする請求項1記載の遊技者へのサービス提供装置。
【請求項3】
前記アーム本体の長さ方向における少なくとも中央部分は外力により湾曲変形し得る柔軟性を有していることを特徴とする請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置。
【請求項4】
前記係合部材は、前記開口部に係脱可能な係合片を有し、前記係合片が前記開口部に係合することにより、前記情報掲載媒体収納ケースに対して着脱可能に固定できることを特徴とする請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置。
【請求項5】
前記物品は、携帯端末であり、前記保持部材は、当該携帯端末を把持し得る把持部を有することを特徴とする請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置。
【請求項6】
前記物品は、飲料ボトルであり、前記保持部材は、前記飲料ボトルの少なくとも下部を収容可能なカップ状部を有することを特徴とする請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機で遊技中の遊技者に対して、各種サービスを提供する物品を保持する遊技者へのサービス提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アミューズメントホール、パーラー等遊技施設においては、近年、互いに隣接する遊技機と遊技機との間のスペースに設けられた、いわゆる「間柱」に、遊技台間を仕切る飛沫感染防止用パーテーション、ドリンクホルダー、携帯電話等の充電のためのUSB端子を有する充電装置等の、遊技者へのサービス設備が設けられている。
また、間柱には、遊技者へのサービスの一部として遊技機の説明のためのPOPや、ドリンク提供サービスのメニュー、イベント情報のPOPを収納する、合成樹脂製であって、前面に開口部を有する薄型直方体箱状に形成された収納ケースが設けられ、遊技中の遊技者に対して様々なサービスを提供できるようにされている。
【0003】
しかしながら、このような従来の様々なサービス提供具は、遊技者の前後方向において、いずれも遊技機盤面とほぼ同じ取付位置に固定されていたことから、遊技者が遊技機用の椅子に着座した状態のままで、例えば、USB端子を利用してスマートフォン等を充電する場合にも手を伸ばしてスマートフォンを充電装置にセットしにくい、という事情があった。
【0004】
従って、従来より、遊技者が遊技中に、遊技中の姿勢を変えることなく容易にドリンク類を一時的に遊技台付近に配置固定し、必要時には取り出してドリンクの飲料を飲み、且つ戻し、さらに、USBによるスマートフォン等の充電装置を、姿勢を変えることなく容易且つ迅速に使用できるようにすることが要請されていた。
また、遊技者が遊技中においても、スマートフォンのディスプレイを視認できる位置にスマートフォンを固定し、ディスプレイを視認しつつ、もしくは必要に応じてスマートフォンを操作しながら遊技を行いたい、という要請があった。
【0005】
このような観点から先行技術文献を調査し下記の文献を抽出したが、本件課題を解決することができる特許文献は発見できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平9-135959号公報
【文献】特開2015-73789号公報
【文献】特開2019-170637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明の課題は、遊技中の遊技者に対して間柱に設けられた諸設備によるサービスをより快適に提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明にあっては、互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に取付けられる遊技者へのサービス提供装置であって、前記間柱に設けられ、全体略薄型箱状に形成され、上下方向に細長く形成されて間柱前方へ開口する開口部を有すると共に、前記開口部の前面下端部には係止凸部を有し、遊技者に提供するための情報を掲載した情報掲載媒体を前記間柱の前面部から出し入れ可能に収容した情報掲載媒体収納ケースと、
前記係止凸部に係合して前記情報掲載媒体収納ケースに固定可能に形成された係合部を有し、前記間柱の前面部から前方に延びて配置されるアームと、
前記アームの先端部に設けられ、前記遊技者が遊技中に遊技台において利用できる各種サービスを提供する物品を保持する保持部とを有することを特徴とする遊技者へのサービス提供装置である。
【0009】
請求項1記載の遊技者へのサービス提供装置は、アームの基端部に設けられた係合部を、情報掲載媒体収納ケースの係止凸部に係合させて固定することにより、互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に容易に且つ安定に取付けることができ、各種サービスを遊技者はより容易に利用することができる。
【0010】
請求項2記載の発明にあっては、前記係止凸部には孔部が形成され、前記係合部は、前記孔部に係合する凸部を有する係合部材を有し、前記アームは、基端部が、前記係合部材に対して左右方向に回動可能に連結されたアーム本体と、前記アーム本体の先端部に取付けられ、前記各種サービスを提供する物品を保持し得る保持部材と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置は、アーム本体の基端部が係合部材に左右方向に回動可能に連結されているので、遊技台の盤面ドアを開閉する際に、盤面ドアと、携帯端末、ドリンク等の各種サービスを提供する物品とが干渉しないようにすることができる。
【0012】
請求項3記載の遊技者へのサービス提供装置は、請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置において、前記アーム本体の長さ方向における少なくとも中央部分は外力により湾曲変形し得る柔軟性を有していることを特徴とする遊技者へのサービス提供装置である。
請求項3記載の遊技者へのサービス提供装置は、アーム本体の長さ方向における少なくとも中央部分は外力により湾曲変形し得る柔軟性を有しているので破損し難い。また、遊技者の手がぶつかった場合にも柔軟性を有することから、適宜変形することにより破損や遊技者のケガを回避することが可能となる。
【0013】
請求項4記載の遊技者へのサービス提供装置は、前記係合部材は、前記開口部に係脱可能な係合片を有し、前記係合片が前記開口部に係合することにより、前記情報掲載媒体収納ケースに対して着脱可能に固定できることを特徴とする。
前記係合部材は、前記情報掲載媒体収納ケースの前記情報掲載媒体を出し入れするための開口部に挿入可能な係合片を有し、前記係合片が前記情報掲載媒体収納ケースに係脱可能に係合することにより、前記情報掲載媒体収納ケースに着脱可能に固定可能であることを特徴とする。
【0014】
上記構成により、請求項4記載の遊技者へのサービス提供装置は、係合部材を情報掲載媒体収納ケースの開口部に挿入して、情報掲載媒体収納ケースに係合させて固定することにより、互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に容易に且つ安定に取付けることができる。
【0015】
請求項5記載の遊技者へのサービス提供装置は、請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置において、前記物品は携帯端末であり、前記保持部材は前記携帯端末を把持し得る把持部を有することを特徴とする。
【0016】
上記構成により、請求項5記載の遊技者へのサービス提供装置によれば、遊技機で遊技の遊技者の手の届きやすい位置に、遊技者の飲料品を保持することができる。
【0017】
請求項6記載の遊技者へのサービス提供装置は、請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置において、前記各種サービスを提供する物品は飲料ボトルであり、前記保持部材は前記飲料ボトルの少なくとも下部を収容可能なカップ状部を有することを特徴とする。
【0018】
上記構成により、請求項6記載の遊技者へのサービス提供装置によれば、遊技機で遊技中の遊技者は、必要に応じて、容易に飲料ボトルを取り飲料を飲み、且つ、戻すことができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の遊技者へのサービス提供装置にあっては、アームの基端部に設けられた係合部を、互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に設けられた情報掲載媒体収納ケースの開口部の下端部の係止凸部に係合させて固定することにより、遊技者にとって適切な位置に容易に且つ安定に取付けることができる。
【0020】
請求項2記載の遊技者へのサービス提供装置にあっては、係合部材を情報掲載媒体収納ケースの係止凸部に係合させることにより、間柱に容易且つ安定的に取り付けることができる。
また、アーム本体の基端部が係合部材に左右方向に回動可能に連結されているので、遊技機の前面部材を開閉する際に、各種サービスを提供する物品が前面部材と干渉しないようにすることができる。
【0021】
また、アーム本体の回動位置を調節することにより、遊技者が遊技を行う姿勢のままで、保持部材に保持された飲料品に容易に遊技者の手が届くようにすることができる。これにより、遊技施設のスタッフ及び遊技者の利便性が向上する。
【0022】
請求項3の遊技者へのサービス提供装置は、アーム本体の長さ方向における少なくとも中央部分は外力により湾曲変形し得る柔軟性を有しているので破損し難い。また、遊技者の手が不用意にアーム本体に衝突したような場合であっても、湾曲変形するため、遊技者のけがの事態を防止することができる。
【0023】
請求項4記載の遊技者へのサービス提供装置は、係合部材を情報掲載媒体収納ケースの開口部に挿入して、情報掲載媒体収納ケースの左右の内面に係合させて固定することにより、互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱の開口部の下端部に容易に且つ安定に取付けることができる。
【0024】
請求項5記載の遊技者へのサービス提供装置によれば、遊技機で遊技中の遊技者の視やすい位置、操作しやすい位置に、遊技者の携帯端末を設置することができる。
【0025】
請求項6記載の遊技者へのサービス提供装置によれば、遊技者は必要に応じて容易に飲料ボトルを取り、飲料を飲むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る遊技者へのサービス提供装置の第1実施の形態を示し、携帯端末であるスマートフォンを保持できるように構成し、互いに隣接する遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に、第1実施形態に係る遊技者へのサービス提供装置を取付けた状態を例示する斜視図である。
【
図2】第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置を情報掲載媒体収納ケースの係止凸部に係合させて固定した状態を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置の分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置の係合部材の構造を示す説明図である。
【
図5】本発明に係る遊技者へのサービス提供装置に使用されるアーム本体の構造を模式的に示す説明図である。
【
図6】第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置に使用される保持部材の、アーム本体との接合部を示す説明図である。
【
図7】第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置に使用される保持部材とアーム本体との接合状態を示す説明図である。
【
図8】第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置に使用される保持部材とアーム本体との接合状態を示す説明図である。
【
図9】第2実施形態の遊技者へのサービス提供装置に係り、保持部をドリンクを収納できるカップ状部により形成した場合を示す説明図である。
【
図10】第3実施形態の遊技者へのサービス提供装置を情報掲載媒体収納ケースの係止凸部及び開口部に係合させて固定した状態を示す斜視図である。
【
図11】第3実施形態の遊技者へのサービス提供装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を実施するための形態について、添付図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
[構成]
図1に示す第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置11は、携帯端末の保持装置として構成した場合を示す。
図1に示すように、遊技者へのサービス提供装置11は、互いに隣接する遊技機101と遊技機101との間に設けられる間柱110に取付けられる。間柱110には、飛沫感染防止用パーテーション111、充電用USB端子112、POP収納ケース113等が、間柱110を構成するパネル上に取り付けられている。
【0028】
POP収納ケース113は、POPパネル等(図示省略)を間柱110の前面部から出し入れ可能に収容したプラスチック製のケースである。
図1~
図3に示すように、POP収納ケース113は、上下方向に延び、遊技機101の前面方向に開口するスリット状の開口部113aを有する。
POP収納ケース113の上下両端部には、間柱110の前面から突出する係止凸部114が設けられている。
図3及び
図4に示すように、係止凸部114は、POPパネル等(図示省略)をPOP収納ケース113に繋ぐためのワイヤー(図示省略)を連結するための矩形状の孔部114aを有する。孔部114aは、係止凸部114を上下方向に貫通している。
【0029】
図1~
図3に示すように、遊技者へのサービス提供装置11は、間柱110の前面部から前方に延びるアーム20を有し、アーム20の基端部には、POP収納ケース113の下端部の係止凸部114に係脱可能に固定可能な係合部30が設けられ、アーム20の先端部には、遊技者の形態端末SFを保持する保持部40が設けられている。
本実施の形態にあっては、アーム20及び係合部30全体の寸法は約16cm、又は約13cmに形成されている。この程度の長さ寸法であれば、遊技台の間柱に装着された場合、遊技者が座って遊技する場合の遊技者との間隔において、遊技者が遊技中の姿勢を変えることなく保持部材41に保持された物品による各種サービスを利用する場合に適切である。
【0030】
より具体的には、
図2~
図4に示すように、遊技者へのサービス提供装置11は、係止凸部114の孔部114aに係合する凸部32を有する係合部材31と、係合部材31に基端部が左右方向に回動可能に連結されたアーム本体21と、遊技者の飲料品(図示省略)を保持し得るように、アーム本体21の先端部に取付けられた保持部材41とを有する。
【0031】
係合部材31は、アーム本体21の基端部が左右方向に回動可能に連結されるアーム連結部33を有する。
図4に示すように、アーム連結部33は、上下に対向する一対の支持片34aを有するブラケット部34を有している。
両支持片34aの平面視中央部には、上下方向に貫通したネジ孔34bが設けられている。凸部32は、ブラケット部34の基端部から下方に突出している。凸部32の下端部近傍の左右両側部には、係止凸部114の左右両端部の下端部に係止される係止突起32aが設けられている。
【0032】
図2及び
図3に示すように、アーム本体21の基端部には、アーム連結部33の両支持片34a間に挿入される回動片部22が形成されている。回動片部22の平面視中央部には、上下方向に貫通したネジ孔22a(
図5参照)が設けられている。
アーム本体21とアーム連結部33とは、アーム本体21の回動片部22をアーム連結部33の両支持片34a間に挿入し、両支持片34aのネジ孔34b及び回動片部22のネジ孔22aにネジ35を螺入して、両支持片34aと回動片部22とを締め付けることにより、互いに左右に回動可能に連結される。
また、アーム本体21の長さ方向における少なくとも中央部分は外力により湾曲変形し得る柔軟性を有している。
【0033】
図2に示すように、本実施形態の遊技者へのサービス提供装置12はスマートフォンホルダーとして機能するように構成されている。
遊技者へのサービス提供装置12の保持部材41は、携帯端末の一種であるスマートフォンSFを把持する把持部44と、把持部44とアーム本体21との間に形成されているユニバーサルジョイント部49(
図5参照)とにより構成されている。
【0034】
図2及び
図3に示すように、把持部45は全体平面コ字状であって、長方形状の平面板部45aと、平面板部45aの両端部に突設された一対の把持片部45b、45bとにより形成されている。把持片部45b、45bの内側部には弾力性を有する緩衝部材(図示せず)が設けられている。
ユニバーサルジョイント部49は、
図5に示すように、アーム本体21の先端側の径大部43に連設された球状接手部46と、
図6~
図8に示す、平面板部45aの背面側に設けられた筒状の接続部47と、接続部47に螺合される固定用キャップ48とにより構成されている。固定用キャップ48は接続部47に螺合されており、組み立て時に取り外すように構成されている。
【0035】
従って、本実施の形態に係る遊技者へのサービス提供装置12にあっては、組み立て時には、接続部47から固定用キャップ48を取り外し、接続部47内にアーム本体21の球状部46を挿入させ、その後、固定用キャップ48を接続するアーム本体21に挿通させておく。
その後、球状接手部46を接続部47内へ挿入させ、この状態で固定用キャップ48を接続部47へ移動させて螺合させ、把持部44をアーム本体21へ固定する。
【0036】
従って、本実施の形態に係る遊技者へのサービス提供装置12にあっては把持部45の把持片部45b、45bの間にスマートフォンSFを挿入固定し、スマートフォンSFは、平面板部45aに背面部が支持されると共に、一対の把持片部45b、45bにより幅方向両側部を支持されて保持部材41に着脱可能に保持固定される。
【0037】
[作用効果]
上記のように構成された遊技者へのサービス提供装置11にあっては、アーム20の基端部に設けられた係合部30を、POP収納ケース113の下端部の係止凸部114に係合させて固定することにより、互いに隣接する遊技機101と遊技機101との間に設けられる間柱110に容易に且つ安定に取付けることができる。
より具体的には、遊技者へのサービス提供装置11は、係合部材31をPOP収納ケース113の下端部に設けられた係止凸部114に係合させて固定することにより、互いに隣接する遊技機101と遊技機101との間に設けられる間柱110に容易に且つ安定に取付けることができる。
【0038】
そして、遊技者へのサービス提供装置11は、アーム本体21の基端部が係合部材31に左右方向に回動可能に連結されるので、遊技台101の前面部材を開閉する際に、各種サービスを提供する物品が前面盤と干渉しないようにすることができる。
また、アーム本体21の回動位置を調節することにより、遊技者が遊技を行う姿勢すなわち、遊技者が遊技機101の前の椅子120(
図1参照)に腰掛けて遊技機101に正対した姿勢のままで、保持部材41(保持部40)に保持された飲料品に容易に手が届くようにすることができる。これにより、遊技施設のスタッフ及び遊技者の利便性が向上する。
【0039】
また、遊技者へのサービス提供装置11は、アーム本体21の長さ方向における少なくとも中央部分は外力により湾曲変形し得る柔軟性を有しているので破損し難い。
【0040】
特に、本実施の形態にあっては、保持部材40がスマートフォンSFを固定できるように構成されており、さらに、ユニバーサルジョイント部49によりアーム本体21に固定されていることから、
図2に示すように、保持部材40はアーム本体20の先端部を中心にスマートフォンSFを360度方向に亘って回動(A)させて配置させることが可能となり、アーム20の左右方向(B)の移動と相俟って、遊技者にとって、最適なスマートフォンSFの位置及びディスプレイDの角度を形成することが可能となる。
その結果、遊技者は遊技機による遊技を行いながら、必要に応じて、適切な位置に配置されたスマートフォンSFの画面を、遊技中の姿勢を大きく変えることなく視認することができ、また、同様に、遊技中の姿勢を変えることなく、必要に応じてスマートフォンSFの操作を行うことができる。
【0041】
[第2実施形態]
[構成]
以下の説明では、既に説明した構成要素と同一又は共通する構成要素については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0042】
図9に示すように、保持部材41は、上端が開口した有底円筒状のカップ状部42と、カップ状部42の後部から後方に突出したアーム嵌合部43とを有するアタッチメント部材である。カップ状部42は、遊技者の飲料品(図示省略)の少なくとも下端部を収容し保持し得るようにその寸法・形状が選定されている。アーム嵌合部43は、アーム本体21の先端部に嵌合し固定される部分である。
カップ状部42は、一人用のペットボトルを安定的に収納できる径寸法及び高さ寸法に形成されている。
【0043】
[作用、効果]
従って、本実施の形態にあっては、遊技者はカップ状部42内にペットボトル、缶ドリンク類等を収納することができるため、前記実施の形態の作用、効果に加えて、遊技者は遊技中に遊技の姿勢を大きく変えることなく、カップ状部42内のペットボトル、缶ドリンク内の飲料を適宜、飲むことができ、快適に遊技を行うことが可能となる。
【0044】
[第3実施形態]
[構成]
図10及び
図11に示す第3実施形態の遊技者へのサービス提供装置13は、第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置11の構成加えて、係合部材31が、POP収納ケース113の開口部113aに挿入可能な左右一対の係合片36を有する。
両係合片36は、係合部材31のブラケット部34の基端部から上方及び後方に突出している。両係合片36の外側面部には、POP収納ケース113の開口部113aの近傍に設けられたスリット状の係止孔113bに係止される係止突起36aが設けられている。
【0045】
[作用効果]
上記のように構成された第3実施形態の遊技者へのサービス提供装置13は、アーム20の基端部に設けられた係合部材31の凸部32をPOP収納ケース113の下端部に設けられた係止凸部114に係合させるとともに、左右一対の係合片36をPOP収納ケース113の左右の内面に係合させることにより、互いに隣接する遊技機101と遊技機101との間に設けられる間柱110に容易に且つ安定に取付けることができる。
第3実施形態の遊技者へのサービス提供装置13は、係合部材31の凸部32に加えて、左右一対の係合片36がPOP収納ケース113に係合するので、第1実施形態の遊技者へのサービス提供装置11よりも高強度で間柱110に取付け可能である。
【0046】
なお、本発明は前述した実施形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0047】
例えば、上記実施形態では、係合部30がPOP収納ケース113の下端部の係止凸部114に係合する構成を例示したが、係合部30がPOP収納ケース113の上端部の係止凸部114に係合する構成を採用することも可能である。
【0048】
また、第3実施形態では、遊技者へのサービス提供装置13の係合部材31に凸部32及び係合片36が設けられているが、係合片36のみにより、遊技者へのサービス提供装置13をPOP収納ケース113に安定な状態で取付けることが可能であれば、凸部32を省略 してもよい。
【0049】
さらに、上記実施の形態にあっては、遊技者に対して各種サービスを提供できる物品の例として、携帯端末、USB対応充電装置、飲料ボトルを例に説明したが、これらに限定されず、例えば、灰皿や、店舗から提供される大当たりランプ等であってもよく、保持部の形態、構造を変更することにより、適宜、実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、遊技施設用の遊技者へのサービス提供装置に適用することができるので、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0051】
11 遊技者へのサービス提供装置(第1実施の形態)
12 遊技者へのサービス提供装置(第2実施の形態)
13 遊技者へのサービス提供装置(第3実施の形態)
20 アーム
21 アーム本体
30 係合部
31 係合部材
32 凸部
36 係合片
40 保持部
41 保持部材
42 カップ状部
44 把持部
45a 平面板部
45b 把持片部
46 球状接手部
47 接続部
48 固定用キャップ
49 ユニバーサルジョイント部
101 遊技機
110 間柱
113 POP収納ケース(情報掲載媒体収納ケース)
113a 開口部
114 係止凸部
114a 孔部
SF スマートフォン(携帯端末)
【要約】
【課題】遊技機と遊技機との間に設けられる間柱に容易に且つ安定に取付けることができる遊技者へのサービス提供装置を提供する。
【解決手段】遊技者へのサービス提供装置11は、間柱110の前面部から前方に延びるアーム20を有し、アーム20の基端部には、POP収納ケース113の下端部に設けられた係止凸部114に係脱可能に固定可能な係合部30が設けられ、アーム20の先端部には、遊技者の飲料品を保持する保持部40が設けられている。
【選択図】
図1