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特許7659954プログラム、方法、情報処理装置、システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20250403BHJP
【FI】
G01C15/00 102C
G01C15/00 103E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023164118
(22)【出願日】2023-09-27
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂田 泰章
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109031379(CN,A)
【文献】特表2022-533675(JP,A)
【文献】特開2019-178983(JP,A)
【文献】特開2015-190935(JP,A)
【文献】特開2015-068674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0275605(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112432646(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0001473(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
G01S 19/00 - 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
一端を測量面に接触させながら移動させるポールの他端に設置されるGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバーから所定周期で測定値を取得するステップと、
所定周期毎に取得される前記測定値に基づき、前記測量面における位置座標を算出するステップと、
前記位置座標が算出されると、当該位置座標が算出された点と、先に位置座標が算出された点との間に線を生成するステップと、
生成した前記線をユーザに提示するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記提示するステップにおいて、前記線を、算出した前記位置座標と対応した地図に重畳して提示する請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示するステップにおいて、平面図において前記線を提示する請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記提示するステップにおいて、横断面図において前記線を提示する請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記生成するステップにおいて、生成した前記線を平滑化する請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記取得するステップにおいて、線の始点となる地点と、線の終点となる地点とに前記ポールの一端を接触させて測定値を取得し、
前記算出するステップにおいて、取得した前記測定値に基づき、前記線の始点となる地点の位置座標及び前記線の終点となる地点の位置座標を算出し、
前記生成するステップにおいて、前記線の始点となる地点の位置座標と、前記線の終点となる地点の位置座標の間に直線を生成する請求項1記載のプログラム。
【請求項7】
前記取得するステップにおいて、円の中心となる地点に前記ポールの一端を接触させて測定値を取得し、
前記算出するステップにおいて、取得した前記測定値に基づき、前記地点の位置座標を算出し、
前記生成するステップにおいて、算出した前記位置座標を中心とする所定半径の円を生成する請求項1記載のプログラム。
【請求項8】
生成した前記線に関する情報を外部装置へ出力するステップを前記プロセッサに実行させる請求項1記載のプログラム。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項8のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項10】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項8のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
傾きセンサが内蔵されたGNSS装置が存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-178983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、GNSS装置を用いて座標値の記録等するが、平面図又は横断面図等の図面を作成することについては、言及されていない。
【0005】
本開示の目的は、手軽にリアルタイムで平面図又は横断面図等の図面を作成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、一端を測量面に接触させながら移動させるポールの他端に設置されるGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバーから所定周期で測定値を取得するステップと、所定周期毎に取得される測定値に基づき、測量面における位置座標を算出するステップと、位置座標が算出されると、当該位置座標が算出された点と、先に位置座標が算出された点との間に線を生成するステップと、生成した線をユーザに提示するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、手軽にリアルタイムで平面図又は横断面図等の図面を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図2図1に示すGNSSレシーバー20の構成例を表すブロック図である。
図3図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図4】本実施形態に係る端末装置10が、接地点が移動した線を生成する動作を表す模式図である。
図5】端末装置10が線をユーザに提示する際の動作の例を表すフローチャートである。
図6】ユーザがGNSSレシーバー20を移動させる際の模式図である。
図7】ディスプレイ141で表示される平面図の例を表す模式図である。
図8】ディスプレイ141で表示される平面図の例を表す模式図である。
図9】ディスプレイ141で表示される平面図の例を表す模式図である。
図10】ディスプレイ141で表示される平面図のその他の例を表す模式図である。
図11】ディスプレイ141で表示される横断面図の例を表す模式図である。
図12】端末装置10が線を生成する動作のその他の例を表す模式図である。
図13】端末装置10が線を生成する動作のその他の例を表す模式図である。
図14】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態では、ユーザは、GNSSレシーバーが一端に取り付けられたポールの他端を測量面に沿って移動させる。情報処理装置は、GNSSレシーバーが所定周期で測定する測定データを取得する。情報処理装置は、取得した測定データに基づき、測量面の位置座標を算出する。情報処理装置は、算出した位置座標を順次つなげることで、線(軌跡)を作成する。
【0011】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すシステム1は、例えば、端末装置10、及びGNSSレシーバー20を含む。端末装置10とGNSSレシーバー20とは、例えば、所定の無線通信方式により接続されている。所定の無線通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等を含む。
【0012】
図1に示す端末装置10は、GNSSレシーバー20を用いて地形等を測位するユーザが操作する情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末により実現される。端末装置10は、例えば、ポール21に設けられるホルダーに固定されている。ポール21に端末装置10が固定されることで、ユーザは、ポール21を把持し、GNSSレシーバー20を移動させながら、端末装置10の表示を確認することが可能となる。端末装置10は、HMD(Head Mount Display)、腕時計型端末等のウェアラブル端末であってもよい。
【0013】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、入力ボタン、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0014】
GNSSレシーバー20は、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を使用した装置である。本実施形態では、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用する場合を例に説明する。GNSSレシーバー20は、例えば、座標、ポール21の傾斜、及びGNSSレシーバー20が向いている方位を、ユーザからの指示に応じて測定する。また、GNSSレシーバー20は、例えば、座標、傾斜、及び方位を所定の周期で測定するようにしてもよい。所定の周期は、例えば、1秒間に10回測定する程度の周期である。GNSSレシーバー20は、測定した座標、傾斜、及び方位に関するデータを測定データとして、端末装置10へ送信する。
【0015】
GNSSレシーバー20は、ポール21に取り付けられている。ポール21は一端に平面部211が形成され、他端に接地部213が形成されている。平面部211は、ポール21の脚部212に対して垂直に設置されている。GNSSレシーバー20は、平面部211の略中心に取り付けられる。平面部211の略中心は、例えば、接地部213を通過する、脚部212の軸心の延長線上に位置する。ポール21の長さは、位置情報センサ205の誤差を補える程度の長さがあることが望ましい。ポール21の長さは、例えば、1m以上である。
【0016】
<1.1 GNSSレシーバーの構成>
図2は、図1に示すGNSSレシーバー20の構成例を表すブロック図である。図2に示すように、GNSSレシーバー20は、通信部201と、入力装置203と、出力装置204と、位置情報センサ205と、チルトセンサ206と、電子コンパス207と、記憶部208と、制御部209とを備える。GNSSレシーバー20に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0017】
通信部201は、GNSSレシーバー20が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部201は、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207で測定されたデータに送信処理を施し、端末装置10へ送信する。具体的には、例えば、通信部201は、例えば、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207で測定されたデータを、近距離無線通信における所定のプロトコルに則った信号に変換する。通信部201は、変換した信号を端末装置10へ送信する。
【0018】
また、通信部201は、端末装置10から受信した信号に受信処理を施し、制御部209へ出力する。具体的には、通信部201は、例えば、端末装置10から送信される、GNSSレシーバー20を操作するための信号を受信し、受信した信号に受信処理を施す。より具体的には、通信部201は、例えば、端末装置10から送信される、GNSSレシーバー20の状態(モード)を切り替えるための信号を受信する。GNSSレシーバー20のモードは、例えば、第1モード、第2モード、第3モード、第4モードがある。第1モードは、例えば、測量面と接触する接地部213の位置を測定するモードである。第2モードは、例えば、接地点の軌跡をリアルタイムで描画するモードである。第3モードは、真北を考慮した補正値を端末装置10で算出するためのモードである。第4モードは、チルトセンサ206、又は電子コンパス207のキャリブレーションを実施するためのモードである。
【0019】
入力装置203は、GNSSレシーバー20を操作するユーザが指示を入力するための装置である。入力装置203は、例えば、ボタン等により実現される。入力装置203は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部209へ出力する。なお、入力装置203には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0020】
出力装置204は、GNSSレシーバー20を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置204は、例えば、発光部、ディスプレイ、又はスピーカー等により実現される。発光部、ディスプレイ、又はスピーカーは、制御部209の制御に応じた情報を出力する。
【0021】
位置情報センサ205は、GNSSレシーバー20の位置を検出するセンサであり、例えば、GPSモジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個又は4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載されるGNSSレシーバー20の現在位置を検出する。位置情報センサ205は、例えば、制御部209からの指示に応じ、現在位置としての座標を検出する。位置情報センサ205は、座標として、例えば、(経度、緯度、楕円体高)を検出する。
【0022】
チルトセンサ206は、基準状態からの傾斜角を計測するセンサである。本実施形態では、チルトセンサ206は、例えば、加速度を計測可能な加速度センサを含み、重力加速度を計測して傾斜を測定する。チルトセンサ206は、例えば、制御部209からの指示に応じ、傾斜を測定する。チルトセンサ206は、斜角を計測可能であれば、加速度センサに限られず、例えば、ジャイロセンサを含んでいてもよい。
【0023】
電子コンパス207は、半導体を用いた方位センサであり、南北の地磁気を検出して方角を算出する。MR素子を使用したもの、又はGMR素子を使用したもの等、既知のいかなる技術を使用してもよい。電子コンパス207は、例えば、制御部209からの指示に応じ、方位を測定する。
【0024】
記憶部208は、例えば、メモリ、及びストレージ等により実現され、GNSSレシーバー20が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。また、記憶部208は、例えば、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207で測定されたデータを記憶する。
【0025】
制御部209は、プロセッサが記憶部208に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部209は、GNSSレシーバー20の動作を制御する。制御部209は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部2091と、送受信部2092と、測定制御部2093と、切替制御部2094ととしての機能を発揮する。
【0026】
操作受付部2091は、入力装置203から入力される指示を受け付けるための処理を行う。
【0027】
送受信部2092は、GNSSレシーバー20が、端末装置10と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部2092は、位置情報センサ205で測定された座標、チルトセンサ206で測定された傾斜、及び電子コンパス207で測定された方位を、測定データとして端末装置10へ送信する。チルトセンサ206で測定された傾斜、及び電子コンパス207で測定された方位は、磁北(現状、自北として設定されている方角を含む)に対するロール、ピッチ、ヨーと表されてもよい。また、送受信部2092は、GNSSレシーバー20から提供される情報を受信する。
【0028】
測定制御部2093は、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207による測定を制御する。具体的には、例えば、測定制御部2093は、所定のモードにおいて、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207による測定を制御する。より具体的には、例えば、測定制御部2093は、第1モードにおいて、測定を実行する旨の指示を端末装置10から受けると、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207に、データの測定を実行させる。また、例えば、測定制御部2093は、第2モードにおいて、所定の周期(例えば、1秒間に10回の測定を実施する程度の周期)で位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207に、データの測定を実行させる。また、例えば、測定制御部2093は、第3モードにおいて、測定を実行する旨の指示を端末装置10から受けると、位置情報センサ205、チルトセンサ206、及び電子コンパス207に、データの測定を実行させる。また、例えば、測定制御部2093は、第4モードにおいて、チルトセンサ206、及び電子コンパス207を制御する。
【0029】
切替制御部2094は、GNSSレシーバー20のモードの切り替えを制御する。具体的には、例えば、切替制御部2094は、端末装置10からの信号に基づき、第1モード、第2モード、第3モード、第4モードのうちいずれかを設定する。切替制御部2094は、入力装置203から入力されるユーザからの指示に基づき、モードを切り替えてもよい。
【0030】
<1.2 端末装置の構成>
図3は、図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。図3に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、カメラ160と、位置情報センサ150と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0031】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、GNSSレシーバー20へ送信する。通信部120は、GNSSレシーバー20から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0032】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。端末装置10がPC等である場合には、入力装置13は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0033】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じた情報を表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0034】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0035】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0036】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPSモジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個又は4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。位置情報センサ150は、端末装置10が接続する無線基地局の位置から、端末装置10の現在の位置を検出してもよい。
【0037】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、GNSSレシーバー20から送信される、方位に関する情報を補正する際に使用する補正値を記憶する。
【0038】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、算出部193と、校正制御部194と、提示制御部195ととしての機能を発揮する。
【0039】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示を受け付ける。
【0040】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声指示を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。操作受付部191は、例えば、受信した音声信号を分析して所定の名詞を抽出することで、ユーザからの指示を取得する。
【0041】
送受信部192は、端末装置10が、GNSSレシーバー20と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された指示をGNSSレシーバー20へ送信する。また、送受信部192は、GNSSレシーバー20から提供される情報を受信する。例えば、送受信部192は、GNSSレシーバー20から送信される、測定に関するデータを受信する。
【0042】
算出部193は、GNSSレシーバー20から送信される測定に関するデータに基づき、接地部213が測量面と接触している位置(接地点)の座標を算出する。具体的には、例えば、算出部193は、GNSSレシーバー20で測定された傾斜、及び方位を取得する。算出部193は、記憶部180に記憶されている補正値を用い、傾斜、及び方位から導出される回転行列の基準を真北に合わせる。算出部193は、ポール21の高さ(シフト量)に基づき、三角関数を用い、水平方向と垂直方向の傾斜補正量を算出する。算出部193は、位置情報センサ205により測定された座標を、ECEF(Earth Centered, Earth Fixed:地球中心・地球固定直交座標系)の座標に変換し、変換後の座標に傾斜補正量を加えることで、接地点の座標を算出する。
【0043】
校正制御部194は、真北を考慮した補正値の算出、及びチルトセンサ206、又は電子コンパス207のキャリブレーションを制御する。具体的には、例えば、校正制御部194は、第3モードにおいて、GNSSレシーバー20での測定で取得されたデータに基づき、真北を考慮した補正値(オフセット値)を算出するための処理を行う。具体的には、校正制御部194は、例えば、第3モードにおいて測定されたデータに基づき、真北を考慮した補正値を算出する。
【0044】
さらに具体的には、校正制御部194は、接地部213を固定し、ポール21を垂直に立てた際に、位置情報センサ205により測定される座標を取得する。また、校正制御部194は、ポール21を複数方向に傾けた際に、それぞれの位置で位置情報センサ205により測定される座標を取得する。このとき、座標を取得する位置は、同一平面上に位置しない。校正制御部194は、取得した座標をECEF(Earth Centered, Earth Fixed:地球中心・地球固定直交座標系)に変換する。
【0045】
校正制御部194は、ポール21を複数方向に傾けた際に、それぞれの位置でチルトセンサ206、及び電子コンパス207により測定される、磁北に対するロール、ピッチ、ヨー(回転行列)を取得する。校正制御部194は、4つ以上の位置で取得したECEFの座標に基づき、定点の座標を算出する。このとき、校正制御部194は、定点と各位置との距離が、ポール21の長さと同一であることに基づき、定点の座標を算出する。校正制御部194は、定点の座標と、各位置の座標とから、ポール21の長さを算出する。
【0046】
校正制御部194は、所定の位置の座標と、定点の座標と、ポール21の長さとに基づき、基準となる回転行列を算出する。基準となる回転行列は、真北に対するロール、ピッチ、ヨーを表す。校正制御部194は、算出した、基準となる回転行列と、測定により得られた回転行列との差分を補正値(オフセット値)とする。校正制御部194は、算出した補正値を記憶部180に記憶する。
【0047】
ポール21の長さが既知である場合、校正制御部194は、算出したポール21の長さに基づき、補正値が正しく算出されたか否かを判断してもよい。具体的には、例えば、校正制御部194は、予め設定されているポール21の長さと、算出したポール21の長さとを比較し、差分が所定の条件を満たさない場合、GNSSレシーバー20を再度回転させる動作から処理をやり直させてもよい。また、校正制御部194は、補正値の算出を複数回実施し、予め設定されているポール21の長さと、算出したポール21の長さとの差分が最小になるときに算出された補正値を、記憶部180に記憶するようにしてもよい。
【0048】
また、ポール21の長さが既知である場合、校正制御部194は、ポール21の長さを算出しなくてもよい。上記においては、4つ以上の位置で取得したECEFの座標に基づいて定点の座標を算出していたが、ポール21の長さが既知である場合、算出に用いる座標の数を減らしても構わない。
【0049】
また、校正制御部194は、第4モードにおいて、チルトセンサ206、又は電子コンパス207のキャリブレーションを実施する。具体的には、校正制御部194は、チルトセンサ206、及び電子コンパス207の状態を取得する。校正制御部194は、取得した状態に基づき、キャリブレーションに関する動作をユーザに実施させ、チルトセンサ206、及び電子コンパス207のキャリブレーションを実施する。具体的には、例えば、校正制御部194は、チルトセンサ206のキャリブレーションに関する動作をユーザに実施させ、ユーザが実施した動作に基づき、チルトセンサ206を調整する。また、例えば、校正制御部194は、電子コンパス207のキャリブレーションに関する動作をユーザに実施させ、ユーザが実施した動作に基づき、電子コンパス207を調整する。
【0050】
提示制御部195は、測定に関する情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部195は、第1モードにおいて測定された接地点の位置をディスプレイ141に表示させる。提示制御部195は、対応する地図を表示させ、接地点の位置を、座標が一致する当該地図上の位置に重畳表示してもよい。また、提示制御部195は、第2モードにおいて測定された接地点の位置に基づき、接地部213が移動した線(軌跡)をディスプレイ141に表示させる。提示制御部195は、線の表示態様をユーザからの指示に応じて設定可能である。線は、例えば、所定の色、太さで表示されてもよい。また、線は、実線でなくてもよく、例えば、破線であってもよい。提示制御部195は、対応する地図を表示させ、線を、位置座標が一致する当該地図上の位置に重畳表示してもよい。
【0051】
提示制御部195は、線を生成する際、所定の平滑化アルゴリズムを実行してもよい。例えば、接地部213を測量面に沿って移動させている際、不測の事態により、不連続な移動となってしまうことがある。提示制御部195は、算出された位置座標が適切か否かを接地部213の移動経路から推測する。提示制御部195は、算出された位置座標が適切でない場合、当該位置座標を削除し、線を生成する。これにより、提示制御部195は、外れ値が入ってきたことによる線の乱れを抑制することが可能となる。
【0052】
また、提示制御部195は、第3モードにおいて、真北を考慮した補正値の算出に関する情報をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部195は、第4モードにおいて、チルトセンサ206、又は電子コンパス207のキャリブレーションに関する情報をディスプレイ141に表示させる。
【0053】
<2 動作>
接地部213が移動した線をユーザに提示する際の端末装置10の動作について説明する。
【0054】
図4は、本実施形態に係る端末装置10が、接地点が移動した線を生成する動作を表す模式図である。ユーザは、ポール21を把持し、接地部213を測量面に接触させたままGNSSレシーバー20をP1からP2へ移動させる。端末装置10は、GNSSレシーバー20により測定される測定データに基づき、接地部213の位置座標を、測定データが測定される都度算出する。端末装置10は、算出した位置座標に基づいて線を生成する。
【0055】
図5は、端末装置10が線をユーザに提示する際の動作の例を表すフローチャートである。
【0056】
端末装置10を操作するユーザは、例えば、GNSSレシーバー20を用いて地形を測定するためのアプリを立ち上げる。当該アプリには、本実施形態に係る、真北を考慮した補正値を算出するキャリブレーションモード(第3モード)が存在する。ユーザは、測定の前に、端末装置10を操作し、このキャリブレーションモードにおける補正値を算出する旨の指示を入力する。
【0057】
端末装置10は、操作受付部191により、端末装置10におけるキャリブレーションを実施する旨の指示をユーザから受け付ける。端末装置10は、提示制御部195により、キャリブレーション時の測定をガイドする画像を表示する。具体的には、例えば、提示制御部195は、キャリブレーション時の測定で、ユーザが採るべき動作をガイドする画像をディスプレイ141に表示させる。
【0058】
ユーザは、ディスプレイ141に表示される画像を参照し、例えば、接地部213を固定し、ポール21を垂直に立てたり、ポール21を接地部213を固定したまま回転させたりする。なお、GNSSレシーバー20を回転させるのではなく、所定の方向へ複数回傾けるようにしてもよい。ディスプレイ141で表示されるガイド画像は、スピーカー172から音声で出力されてもよい。
【0059】
校正制御部194は、GNSSレシーバー20で測定された複数の位置におけるデータを取得する。校正制御部194は、複数の位置のデータに基づき、定点の座標と、ポール21の長さを算出する。校正制御部194は、複数の位置の座標、定点の座標、ポール21の長さに基づき、シフト量としての補正値を算出する。校正制御部194は、算出した補正値を記憶部180に記憶する。
【0060】
補正値が算出されると、GNSSレシーバー20を用いた地形の測定を開始する。ユーザは、平面図における線を描画するため、端末装置10を操作し、第2モードへ切り替える。ユーザは、端末装置10を操作し、第2モードにおいて、線の描画を開始させる旨の指示を入力する。
【0061】
ステップS11において、端末装置10は、描画開始の指示を受け付ける。具体的には、操作受付部191は、線の描画を開始する旨の指示をユーザから受け付ける。
【0062】
線の描画を開始させる旨の指示を入力すると、ユーザは、ポール21を把持し、接地部213を測量面に接触させながらGNSSレシーバー20を移動させる。
【0063】
図6は、ユーザがGNSSレシーバー20を移動させる際の模式図である。ユーザは、例えば、ポール21を把持し、所定の物体に接地部213を接触させながらGNSSレシーバー20を移動させる。図6において、黒く太い線が、ユーザにより移動された接地部213の軌跡を表す。ユーザは、例えば、GNSSレシーバー20を、P1から移動させ、P2、P3を介し、P4まで移動させる。
【0064】
第2モードにおいて、GNSSレシーバー20は、例えば、1秒間に10回程度の測定周期で、測定データを測定する。GNSSレシーバー20は、例えば、当該周期で、座標:(経度、緯度、楕円体高)、傾斜、方位を測定する。GNSSレシーバー20は、測定データを端末装置10へ送信する。
【0065】
ステップS12において、端末装置10は、GNSSレシーバー20から送信された測定データを取得する。具体的には、例えば、送受信部192は、GNSSレシーバー20が測定した座標、傾斜、方位を取得する。
【0066】
ステップS13において、端末装置10は、接地点の位置座標を算出する。具体的には、例えば、算出部193は、GNSSレシーバー20で測定された傾斜、及び方位を取得する。算出部193は、記憶部180に記憶されている補正値を用い、傾斜、及び方位から導出される回転行列の基準を真北に合わせる。算出部193は、ポール21の高さ(シフト量)に基づき、三角関数を用い、水平方向と垂直方向の傾斜補正量を算出する。算出部193は、位置情報センサ205により測定された座標を、ECEFの座標に変換し、変換後の座標に傾斜補正量を加えることで、接地点の座標を算出する。
【0067】
ステップS14において、端末装置10は、接地点の位置座標に基づき、線を生成する。具体的には、提示制御部195は、例えば、先に算出した接地点の位置座標と、今回算出した接地点の位置座標との間に線を生成する。提示制御部195は、所定の平滑化アルゴリズムを実施し、外れ値を除外して線を生成してもよい。
【0068】
ステップS15において、端末装置10は、生成した線をユーザに提示する。具体的には、提示制御部195は、接地点の位置座標に基づき、生成した線をディスプレイ141に表示させる。提示制御部195は、対応する地図を表示させ、線を、位置座標が一致する当該地図上の位置に重畳表示してもよい。
【0069】
図7図9は、ディスプレイ141で表示される平面図の例を表す模式図である。提示制御部195は、算出された位置座標に基づいて線を生成し、生成した線をディスプレイ141に表示させる。図7図9において、提示制御部195は、生成した線を、線1411により表す。提示制御部195は、GNSSレシーバー20の移動に応じ、移動の軌跡をリアルタイムでディスプレイ141に表示させる。具体的には、接地部213を物体に沿ってP1からP2に移動させた際、提示制御部195は、図7に示すように、P1からP2までの線を描画する。また、接地部213を物体に沿ってさらにP3に移動させた際、提示制御部195は、図8に示すように、P1からP3までの線を描画する。また、接地部213を物体に沿ってさらにP4に移動させた際、提示制御部195は、図9に示すように、P1からP4までの線を描画する。
【0070】
図7図9では、提示制御部195は、地図に線を重畳させるようにしているが、地図に重畳されなくてもよい。例えば、提示制御部195は、地図に重畳させずに、線1411のみをディスプレイ141に表示させてもよい。図10は、ディスプレイ141で表示される平面図のその他の例を表す模式図である。
【0071】
提示制御部195は、ユーザからの指示に応じ、平面図以外の図をディスプレイ141に表示させてもよい。具体的には、例えば、提示制御部195は、横断面図をディスプレイ141に表示させてもよい。図11は、ディスプレイ141で表示される横断面図の例を表す模式図である。図11において、提示制御部195は、生成した線を、線1411により表す。また、例えば、提示制御部195は、3次元の図面をディスプレイ141に表示させてもよい。
【0072】
ステップS16において、端末装置10は、線の描画を終了させるか否かを判断する。具体的には、例えば、ユーザは、線の描画を終了させる場合、端末装置10を操作し、線の描画を終了させる旨の指示を入力する。算出部193は、線の描画を終了させる旨の指示がユーザから入力されたか否かを判断し、指示が入力された場合(ステップS16のYes)、処理を終了させる。算出部193は、線の描画を終了させる旨の指示がユーザから入力されていない場合(ステップS16のNo)、処理をステップS12へ移行させる。
【0073】
以上のように、上記実施形態では、送受信部192は、一端を測量面に接触させながら移動させるポールの他端に設置されるGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバーから所定周期で測定値を取得する。算出部193は、所定周期毎に取得される測定値に基づき、測量面における位置座標を算出する。提示制御部195は、位置座標が算出されると、当該位置座標が算出された点と、先に位置座標が算出された点との間に線を生成する。提示制御部195は、生成した線をユーザに提示する。これにより、端末装置10は、測量面における接地点の位置座標をGNSSレシーバー20の移動に合わせて算出し、算出した位置座標に基づき、接地点の移動の軌跡をユーザに表示することが可能となる。
【0074】
したがって、本実施形態に係るプログラム等によれば、手軽にリアルタイムで平面図又は横断面図等の図面を作成できる。
【0075】
また、上記実施形態では、提示制御部195は、線を、算出した位置座標と対応した地図に重畳して提示する。これにより、ユーザは、手軽にリアルタイムで、地図上に線を描画することが可能となる。
【0076】
また、上記実施形態では、提示制御部195は、平面図において線を提示する。これにより、ユーザは、平面図において、手軽にリアルタイムで、線を描画することが可能となる。
【0077】
また、上記実施形態では、提示制御部195は、横断面図において線を提示する。これにより、ユーザは、横断面図において、手軽にリアルタイムで、線を描画することが可能となる。
【0078】
<変形例>
上記実施形態では、測定制御部2093は、第2モードにおいて、所定周期で測定データを測定する場合を説明した。測定制御部2093は、第2モードにおいて、所定周期で測定データを測定しなくてもよい。例えば、路面白線等、直線を描画する場合がある。この場合、接地部213を測量面に接触させたままGNSSレシーバー20を移動させ、移動中の軌跡を描画するよりも、始点と終点とを設定し、始点と終点との間に線を引く方が正確な直線を引くことができる。具体的には、例えば、測定制御部2093は、第2モードにおいて、直線の始点としての接地点と、終点としての接地点とに対して測定要求がユーザから入力された場合、これらの接地点の測定を実行する。算出部193は、取得された始点と終点とに係る測定データに基づき、始点と終点との位置座標を算出する。提示制御部195は、算出した位置座標に基づき、始点と終点との間に線を生成する。提示制御部195は、生成した線をディスプレイ141に表示させる。
【0079】
図12は、端末装置10が線を生成する動作のその他の例を表す模式図である。図12において、ユーザは、P1に接地部213を接地させた際と、P2に接地部213を接地させた際とに測定を要求する指示を入力する。端末装置10は、GNSSレシーバー20により測定される2点の測定データに基づき、当該2点の位置座標を算出する。端末装置10は、算出した位置座標に基づいて線を生成する。これにより、手軽にリアルタイムで、地形に係る正確な直線を描画することが可能となる。
【0080】
また、上記実施形態では、接地点から線が引かれる場合を例に説明した。提示制御部195は、接地点から線を引かなくてもよい。例えば、所定の図形については、接地点を基準にして図形を描画した方が正確な図形を描画することができる。具体的には、例えば、測定制御部2093は、第2モードにおいて、接地点の測定要求がユーザから入力された場合、接地点の測定を実行する。このとき、操作受付部191は、図形の種類と、図形の大きさに係るパラメータの入力をユーザから受け付ける。例えば、操作受付部191は、図形の種類としての「円」と、図形の大きさに係るパラメータ「半径:d」との入力をユーザから受け付ける。算出部193は、取得された測定データに基づき、接地点の位置座標を算出する。提示制御部195は、算出した位置座標を中心とした、半径:dの円を生成する。提示制御部195は、生成した円をディスプレイ141に表示させる。
【0081】
図13は、端末装置10が線を生成する動作のその他の例を表す模式図である。図13において、ユーザは、P3に接地部213を接地させた際に測定を要求する指示を入力する。このとき、ユーザは、図形の種類としての「円」と、図形の大きさに係るパラメータ「半径:d」を端末装置10に入力する。端末装置10は、GNSSレシーバー20により測定される測定データに基づき、接地点の位置座標を算出する。端末装置10は、算出した位置座標を中心とした、半径:dの円を生成する。これにより、マンホール等の円形の物体を図面上に正確に描画することが可能となる。
【0082】
また、上記実施形態では、GNSSレシーバー20により測定データを測定する前に、端末装置10は、第3モードにおいて、真北を考慮した補正値を算出する場合を例に説明した。端末装置10は、第3モードにおける補正値の算出を実行せず、第4モードにおけるチルトセンサ206、又は電子コンパス207のキャリブレーションを実施してもよい。また、端末装置10は、第4モードにおけるチルトセンサ206、又は電子コンパス207のキャリブレーションを実施した後、第3モードにおける補正値の算出を実行してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、接地部213の先端が尖っている場合を例に説明した。接地部213の先端は、物体の表面を滑りやすくするための加工がされていてもよい。例えば、接地部213の先端にはローラーが設けられることで、物体の表面を滑らかになぞることが可能となっていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、端末装置10がGNSSレシーバー20の移動に基づく線をディスプレイ141に表示する場合を例に説明した。生成された線は、ディスプレイ141に表示されるのみにとどまらない。端末装置10は、生成した線に関する情報を外部装置へ出力してもよい。端末装置10は、線に関する情報と共に、GNSSレシーバー20を移動させた地図に関する情報を外部装置へ出力してもよい。外部装置への情報の出力は、無線通信であってもよいし、可搬な記憶媒体への出力であってもよい。線に関する情報は、外部装置において、例えば、編集等され得る。
【0085】
また、上記実施形態では、端末装置10がGNSSレシーバー20の移動に基づく線をディスプレイ141に表示する場合を例に説明した。生成された線は、ディスプレイ141上で編集されてもよい。線の編集において、端末装置10は、例えば、算出した位置座標を線と共に表示させ、位置座標の削除、位置座標の変更等の処理を受け付ける。線と共に表示される位置座標は、算出した全ての位置座標であってもよいし、算出した位置座標の一部であってもよい。
【0086】
<3 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図14は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0087】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0088】
主記憶装置92とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0089】
補助記憶装置93とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0090】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0091】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0092】
<4 コンピュータ90の基本機能構成>
図14に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0093】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0094】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0095】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0096】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0097】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0098】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0099】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、一端を測量面に接触させながら移動させるポールの他端に設置されるGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバーから所定周期で測定値を取得するステップと、所定周期毎に取得される測定値に基づき、測量面における位置座標を算出するステップと、位置座標が算出されると、当該位置座標が算出された点と、先に位置座標が算出された点との間に線を生成するステップと、生成した線をユーザに提示するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
提示するステップにおいて、線を、算出した位置座標と対応した地図に重畳して提示する(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
提示するステップにおいて、平面図において線を提示する(付記1)に記載のプログラム。
(付記4)
提示するステップにおいて、横断面図において線を提示する(付記1)に記載のプログラム。
(付記5)
生成するステップにおいて、生成した線を平滑化する(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
取得するステップにおいて、線の始点となる地点と、線の終点となる地点とにポールの一端を接触させて測定値を取得し、算出するステップにおいて、取得した測定値に基づき、2地点の位置座標を算出し、生成するステップにおいて、2地点の位置座標の間に直線を生成する(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
取得するステップにおいて、円の中心となる地点にポールの一端を接触させて測定値を取得し、算出するステップにおいて、取得した測定値に基づき、地点の位置座標を算出し、生成するステップにおいて、算出した位置座標を中心とする所定半径の円を生成する(付記1)から(付記6)のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
生成した線に関する情報を外部装置へ出力するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、(付記1)から(付記8)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
(付記10)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、(付記1)から(付記8)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
(付記11)
(付記1)から(付記8)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【符号の説明】
【0100】
1…システム
10…端末装置
120…通信部
13…入力装置
131…タッチ・センシティブ・デバイス
14…出力装置
15…メモリ
16…ストレージ
19…プロセッサ
20…GNSSレシーバー

【要約】
【課題】手軽にリアルタイムで平面図又は横断面図等の図面を作成する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、一端を測量面に接触させながら移動させるポールの他端に設置されるGNSS(Global Navigation Satellite System)レシーバーから所定周期で測定値を取得するステップと、所定周期毎に取得される測定値に基づき、測量面における位置座標を算出するステップと、位置座標が算出されると、当該位置座標が算出された点と、先に位置座標が算出された点との間に線を生成するステップと、生成した線をユーザに提示するステップとを実行させる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14