(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】流量制御弁、組立方法、および油圧システム
(51)【国際特許分類】
F16K 3/26 20060101AFI20250403BHJP
【FI】
F16K3/26 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021074884
(22)【出願日】2021-04-27
【審査請求日】2024-04-19
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ガーデ・プラティバ
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6173737(US,B1)
【文献】実開平04-095177(JP,U)
【文献】特開平06-174141(JP,A)
【文献】特開2010-060135(JP,A)
【文献】中国特許第114754156(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 3/26
F16K 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(400)と、
前記ハウジング(400)内に配置されたスリーブ(412)であって、前記スリーブ(412)が第1の端部および前記第1の端部の反対側の第2の端部を有し、前記スリーブ(412)が前記第1の端部に複数のスリーブ突出部(700~706)を備え、隣接するスリーブ突出部(700~706)の間に複数の流体流路(708~714)が形成される、スリーブ(412)と、
前記スリーブ(412)内に配置されたシールキャリア(424)であって、前記シールキャリア(424)が、前記スリーブ(412)の前記第2の端部から延在し、前記ハウジング(400)の内面に当接するキャリア突出部(426、428)を備える、シールキャリア(424)と、
エンドキャップ(404)であって、前記複数のスリーブ突出部(700~706)が前記エンドキャップ(404)に当接するように前記ハウジング(400)に取り付けられる、エンドキャップ(404)と
を備える、流量制御弁(214)。
【請求項2】
前記ハウジング(400)が第1のポート(402)を備え、前記エンドキャップ(404)が前記第1のポート(402)の反対側に第2のポート(408)を備える、請求項1に記載の流量制御弁(214)。
【請求項3】
前記スリーブ(412)が、
前記スリーブ(412)の周りに配置された第1組のクロスホール(722、724)と、
前記スリーブ(412)の周りに配置された第2組のクロスホール(726、728)であって、前記第2組のクロスホール(726、728)が、前記スリーブ(412)の長さに沿って前記第1組のクロスホール(722、724)から軸線方向に離間される、第2組のクロスホール(726、728)と
をさらに備える、請求項1または2に記載の流量制御弁(214)。
【請求項4】
前記スリーブ(412)内に摺動可能に収容されたスプール(438)であって、前記スプール(438)の近位端が第1組のクロスホール(722、724)と部分的に重なり、前記スプール(438)の遠位端が第2組のクロスホール(726、728)と部分的に重なる、スプール(438)
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の流量制御弁(214)。
【請求項5】
前記スリーブ(412)の外面と前記ハウジング(400)の前記内面との間に形成された第1のチャンバ(418)であって、前記第1のチャンバ(418)が前記スリーブ(412)の前記複数の流体流路(708~714)を前記スリーブ(412)の前記第1組のクロスホール(722、724)に流体結合する、第1のチャンバ(418)と、
前記スリーブ(412)の前記外面と前記ハウジング(400)の前記内面との間に形成された第2のチャンバ(420)であって、前記第2のチャンバ(420)が前記スリーブ(412)の前記第2組のクロスホール(726、728)を前記シールキャリア(424)の遠位端に流体結合する、第2のチャンバ(420)と
をさらに備える、請求項3または4に記載の流量制御弁(214)。
【請求項6】
前記スリーブ(412)が、第1のフランジ部分(730)および第2のフランジ部分(732)をさらに備え、前記第1のフランジ部分(730)と第2のフランジ部分(732)との間に溝(734)を形成し、前記流量制御弁(214)が、前記スリーブ(412)の前記溝内に配置されたシール(422)をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の流量制御弁(214)。
【請求項7】
前記複数のスリーブ突出部(700~706)が、前記複数のスリーブ突出部(700~706)の間に前記複数の流体流路(708~714)が形成されるように、前記スリーブ(412)の前記第1の端部にアレイ状に配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載の流量制御弁(214)。
【請求項8】
チャンバ(230)を有するシリンダ(222)と、
前記シリンダ(222)の前記チャンバ(230)に流体結合され、前記チャンバ(230)へ行き来する流体流れを制御するように構成された流量制御弁(214)であって、前記流量制御弁(214)が、
ハウジング(400)と、
前記ハウジング(400)内に配置されたスリーブ(412)であって、前記スリーブ(412)が第1の端部および前記第1の端部の反対側の第2の端部を有し、前記スリーブ(412)が前記第1の端部に複数のスリーブ突出部(700~706)を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路(708~714)が形成される、スリーブ(412)と、
前記スリーブ(412)内に配置されたシールキャリア(424)であって、前記シールキャリア(424)が、前記スリーブ(412)の前記第2の端部から延在し、前記ハウジング(400)の内面に当接するキャリア突出部(426、428)を備える、シールキャリア(424)と、
エンドキャップ(404)であって、前記複数のスリーブ突出部(700~706)が前記エンドキャップ(404)に当接するように前記ハウジング(400)に取り付けられる、エンドキャップ(404)と
を備える流量制御弁(214)と
を備える、油圧システム(200)。
【請求項9】
流量制御弁(214)を組み立てる方法(900)であって、前記方法(900)が、
ハウジング(400)内にスリーブ(412)を配置するステップ(902)であって、前記スリーブ(412)が第1の端部および前記第1の端部の反対側の第2の端部を有し、前記スリーブ(412)が前記第1の端部に複数のスリーブ突出部(700~706)を備え、隣接するスリーブ突出部(700~706)の間に複数の流体流路(708~714)が形成される、ステップ(902)と、
前記スリーブ(412)内にシールキャリア(424)を配置するステップ(904)であって、前記シールキャリア(424)が、前記スリーブ(412)の前記第2の端部から延在し、前記ハウジング(400)の内面に当接するキャリア突出部(426、428)を備える、ステップ(904)と、
エンドキャップ(404)を、前記複数のスリーブ突出部(700~706)が前記エンドキャップ(404)に当接するように前記ハウジング(400)に取り付けるステップ(916)と
を含む、方法(900)。
【請求項10】
前記スリーブ(412)が前記スリーブ(412)内の空隙部(718)を備え、前記方法(900)が、前記スリーブ(412)の前記空隙部(718)内にオリフィスプラグ(414)を取り付けるステップ(1000)であって、前記オリフィスプラグ(414)が、前記オリフィスプラグ(414)に流体が流れるのを可能にするために、前記オリフィスプラグ(414)内にオリフィス(416)を備える、ステップ(1000)をさらに含む、請求項9に記載の方法(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、多機能スリーブを有する流量制御弁に関し、より詳細には、アクチュエータへの流体流量を制御してアクチュエータを制御された態様で動かす流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
流量制御弁は、油圧システムを通る液体媒体、通常は油の流れを導き、アクチュエータに供給される流体流量を制御する。バルブの一例は、ハウジングまたはスリーブの内側に可動要素、例えばスプールを有し、スリーブ内でのスプールの動きに基づいて、スリーブ上に画定されたクロスホールが所望の流量を達成するように開閉される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、流量制御弁、組立方法、および油圧システムに関する例を説明する。
【0004】
一態様では、本開示は流量制御弁を説明する。流量制御弁はハウジングおよびハウジング内に配置されたスリーブを備える。スリーブは第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有する。スリーブは第1の端部に複数のスリーブ突出部を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成される。流量制御弁は、スリーブ内に配置されたシールキャリアをさらに備える。シールキャリアは、スリーブの第2の端部から延在し、ハウジングの内面に当接するキャリア突出部を備える。流量制御弁は、複数のスリーブ突出部がエンドキャップに当接するようにハウジングに取り付けられたエンドキャップも備える。
【0005】
別の態様では、本開示は油圧システムを説明する。油圧システムは、チャンバを有するシリンダと、シリンダのチャンバに流体結合され、チャンバへ行き来する流体流れを制御する流量制御弁とを備える。流量制御弁はハウジングおよびハウジング内に配置されたスリーブを備える。スリーブは第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有する。スリーブは第1の端部に複数のスリーブ突出部を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成される。流量制御弁は、スリーブ内に配置されたシールキャリアをさらに備える。シールキャリアは、スリーブの第2の端部から延在し、ハウジングの内面に当接するキャリア突出部を備える。流量制御弁は、複数のスリーブ突出部がエンドキャップに当接するようにハウジングに取り付けられたエンドキャップも備える。
【0006】
別の態様では、本開示は、流量制御弁を組み立てる方法を説明する。方法は、ハウジング内にスリーブを配置するステップを含む。スリーブは第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有し、スリーブは第1の端部に複数のスリーブ突出部を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成される。方法は、スリーブ内にシールキャリアを配置するステップも含む。シールキャリアは、スリーブの第2の端部から延在し、ハウジングの内面に当接するキャリア突出部を備える。方法は、エンドキャップを、複数のスリーブ突出部がエンドキャップに当接するようにハウジングに取り付けるステップをさらに含む。
【0007】
前述の概要は例示にすぎず、決して限定することを意図するものではない。上記の例示的な態様、例、および形態に加えて、さらなる態様、例、および形態が、図および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0008】
例示的な例の特徴と考えられる新規な形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な例、ならびにこれらの例の好ましい使用モード、他の目的および説明は、本開示の例示的な例の下記の詳細な説明を参照して添付図と共に読んだときに最も良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実装形態例による、三輪式着陸装置構成を有する航空機を示す図である。
【
図2】一実装形態例による、航空機の主脚を制御する油圧システムの概略図である。
【
図3】一実装形態例による、別の動作モードでの流体流れ方向を示す矢印を有する
図2の油圧システムの概略図である。
【
図4】一実装形態例による流量制御弁の斜視図である。
【
図5】一実装形態例による、
図4の流量制御弁の断面図である。
【
図6】一実装形態例による、
図4および
図5の流量制御弁の斜視断面図である。
【
図7】一実装形態例によるスリーブの斜視図である。
【
図8】一実装形態例による、
図7のスリーブの断面図である。
【
図9】一実装形態例による、流量制御弁を組み立てる方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例の中で、本明細書に開示されるのは、多機能スリーブを有する流量制御弁、油圧システム、および流量制御弁を組み立てる方法である。スリーブは流量制御弁のハウジング内に配置され、スプールはスリーブ内に摺動可能に収容されるように構成されている。スリーブ内でのスプールの動きに基づいて、スプールとスリーブとの間の相互作用によって画定されたクロスホールが、所望の流量を達成するように開閉される。
【0011】
スリーブは、スリーブ内に形成された流体流路を流体が流れるのを可能にするように構成されている。スリーブは、オリフィスプラグを保持するために、別個のロックナットおよびオリフィス板を使用するのではなく、スロットまたは空隙部をさらに有する。このようにして、追加部品をなくすことができ、追加部品の形態がスリーブに含まれる。したがって、流量制御弁は、従来型のバルブと比較して部品数を減らすことができ、したがって重量およびコストを削減することができる。
【0012】
さらに、スリーブと一体化されたオリフィスプラグは、安全機能として動作することができ、安全機能により、構成要素がクロスホールを塞ぐ意図しない態様で動作するときに、特定の流体流量(例えば、少なくとも最小の流体流れ)がオリフィスプラグを通ることが可能になる。したがって、バルブは、バルブのいくつかの構成要素の意図しない動作にもかかわらず、各用途でアクチュエータを動作させることを可能にする。構成要素が意図しない態様で動作するときにオリフィスプラグを通る流体流れを最小にすることにより、バルブは、いくつかの用途でアクチュエータの安全な位置への移動を可能にする。バルブを使用することができる一適用例が、航空機の主脚の動作を制御する油圧システムである。しかしながら、本明細書に開示される流量制御弁は、他のタイプのアクチュエータおよび用途で使用され得ることが理解されるべきである。
【0013】
図1は、一実装形態例による、三輪式着陸装置構成を有する航空機100を示す。三輪式着陸装置構成は、単一の前車輪が航空機100の前部に配置され、2つの主車輪が航空機100の重心のわずかに後方に配置されるタイプの航空機着陸装置を含む。例えば、航空機100は、前部に車輪を有する前脚102を有する。航空機100は、2つの主脚、主脚104および主脚106も有し、関連する車輪は航空機100の重心のわずかに後方にある。
【0014】
主脚104は、例えば、シリンダ内で軸線方向に移動可能なピストンを有し、着陸中に車輪を展開し、航空機100の離陸後に車輪を脚格納室内に格納する、アクチュエータ216(
図2に示す)などのアクチュエータを含む。例の中で、アクチュエータは、アクチュエータに供給される流体流量の大きさを制御してピストンを特定の所望の速度で移動させ、アクチュエータが主脚104を安全な方法で操作し、展開または格納することを可能にすることにより、制御された態様で操作される。主脚106も同様に構成される。以下に記述される油圧システムの例は、主脚104や主脚106などの主脚のアクチュエータを制御するように構成されている。
【0015】
図2は、一実装形態例による、航空機の主脚を制御する油圧システム200の概略図を示す。例えば、油圧システム200は、航空機100の主脚104または主脚106を制御する。
【0016】
油圧システム200は、チャンバ(例えば、以下に記述されるチャンバ230)を有するシリンダ(例えば、以下に記述されるシリンダ222)を含む。油圧システム200は、シリンダのチャンバに流体結合され、チャンバへ行き来する流体流れを制御する流量制御弁(例えば、流量制御弁214)も含む。
【0017】
流量制御弁214の一構成例が、
図4から
図8に関して以下に記述される。例では、油圧システム200は、以下に記述されるように他の構成要素を含む。
【0018】
油圧システム200は、流体供給源(例えば、ポンプ、アキュムレータ、または航空機の油圧回路の異なる部分からの別の弁)に流体結合された着陸装置トランスファ弁から加圧流体201を受け入れる。次いで、加圧流体201は入口流体ライン202に供給される。油圧システム200は、戻り流体流れを戻り流体ライン204経由で着陸装置トランスファ弁に供給し、着陸装置トランスファ弁はその後、戻り流体を流体リザーバ、または航空機の油圧回路の別の部分に供給する。
【0019】
油圧システム200は、入口流体ライン202および戻り流体ライン204に流体結合された着陸装置切換弁206を含む。一例では、着陸装置切換弁206は方向制御弁として構成される。
【0020】
着陸装置切換弁206は、例として、電気的アクチュエータ(例えば、ソレノイドアクチュエータ)、流体アクチュエータ、または機械的アクチュエータによって作動可能である。例えば、着陸装置切換弁206は弁本体内にスプールを有し、スプールは、着陸装置切換弁206への作動信号(例えば、ソレノイドアクチュエータの2つのソレノイドの一方への作動信号)に基づいて、第1の直線方向または第1の方向とは反対の第2の方向に可動である。スプールの移動方向に基づいて、着陸装置切換弁206は、戻り流れが流体ライン210を経由して受け入れられる間に加圧流体を流体ライン208に供給する、または、着陸装置切換弁206は、戻り流れが流体ライン208を経由して受け入れられる間に加圧流体を流体ライン210に供給する。
【0021】
流体ライン208は、ダウン圧力流体ラインと呼ばれることがあるのに対して、流体ライン210は、アップ圧力流体ラインと呼ばれることがある。「ダウン圧力(down pressure)」は、主脚が展開される(着陸に備えて航空機内の脚格納室から下方へ移動している)ときに加圧流体を受け入れる流体ラインを指すのに対して、「アップ圧力」は、主脚が格納される(離陸後に航空機内の脚格納室に向かって上方へ移動している)ときに加圧流体を受け入れる流体ラインを指す。
図2のキーで例示されているように、その中に円を有する流体ラインは、主脚を格納するのに必要な流体ラインを表し、クロスハッチングを有する流体ラインは、主脚を展開するのに必要な流体ラインを表す。
【0022】
油圧システム200はボリュームヒューズ212を含む。ボリュームヒューズ212は、特定の流体ボリューム量が単一運転サイクルでボリュームヒューズを通過できるようにするように構成されている。そのような流体ボリューム量を超えた場合、ボリュームヒューズ212は流体流れを止める。この例では、ボリュームヒューズ212は、以下に記述されるように油圧システム200におけるライン破裂から油圧システム200を保護する一方で、所定のボリューム未満がボリュームヒューズに流れるときに運転サイクルごとにリセットする。
【0023】
油圧システム200は、主脚アクチュエータ216に供給され、主脚アクチュエータ216から排出される流体流量を制御する流量制御弁214も含み、流量制御弁は調整器と呼ばれることがある。流量制御弁214は、トランスファシリンダ218および壊れやすい取付具220に流体結合される。後述するように、壊れやすい取付具220は、ボリュームヒューズ212と協働して油圧システム200に安全機能を与え、トランスファシリンダ218は、主脚を展開または格納する前に主脚のロック機構を解放されることを可能にするために時間遅延要素として構成される。
【0024】
主脚アクチュエータ216は、シリンダ222およびシリンダ222内に摺動可能に収容されたピストン224を含む。「摺動可能に収容された(slidably accommodated)」という用語は、本明細書では、第1の構成要素(例えば、ピストン224)が第2の構成要素(例えば、シリンダ222)に対して、第1の構成要素が第2の構成要素に対して移動できるように配置されることを示すために使用される。
【0025】
ピストン224は、ピストンヘッド226とピストンヘッド226からシリンダ222の中心縦軸線方向に沿って延在するピストンロッド228とを含む。ピストンヘッド226は、シリンダ222の内部空間をチャンバ230およびチャンバ232に分割する。チャンバ230は、キャップ室またはヘッド室と呼ばれることがあるのに対して、チャンバ232は、ロッド室と呼ばれることがある。
【0026】
ピストンロッド228は、主脚に結合されるように構成されている。例えば、ピストンロッド228の端部は、主脚の車輪アセンブリに結合されたストラットまたは他の機構に結合されるように構成されている。主脚アクチュエータ216は、ピストン224が延在する(例えば、
図2の左側に移動する)ときに、主脚および車輪が離陸後に脚格納室内に格納されるかまたは引っ込められるように構成されている。一方、ピストン224が後退する(例えば、
図2の右側に移動する)ときに、主脚および車輪は着陸に備えて脚格納室から展開される。
【0027】
上述したように、主脚は、主脚が格納または展開されるのを可能にする前に解放されるロック機構を有する。ロック機構は、ダウンロックアクチュエータ234およびアップロックアクチュエータ236に結合され、これらのアクチュエータによって解放可能である。例えば、ダウンロックアクチュエータ234は、主脚が展開されたときに主脚を定位置にロックする。次いで、ダウンロックアクチュエータ234は、主脚を格納する前にロック機構を解放するように作動される。一方、アップロックアクチュエータ236は、主脚が脚格納室内に格納されたときに主脚を定位置にロックする。次いで、アップロックアクチュエータ236は、主脚を展開する前にロック機構を解放するように作動される。
【0028】
ダウンロックアクチュエータ234およびアップロックアクチュエータ236は、一般に、主脚アクチュエータ216と同様に構成されている。ダウンロックアクチュエータ234は、シリンダ238およびシリンダ238内に摺動可能に収容されたピストン240を含む。ピストン240は、ピストンヘッド242とピストンヘッド242からシリンダ238の中心縦軸線方向に沿って延在するピストンロッド244とを含む。ピストンヘッド242は、シリンダ238の内部空間をチャンバ246およびチャンバ248に分割する。
【0029】
同様に、アップロックアクチュエータ236は、シリンダ250およびシリンダ250内に摺動可能に収容されたピストン252を含む。ピストン252は、ピストンヘッド254とピストンヘッド254からシリンダ250の中心縦軸線方向に沿って延在するピストンロッド256とを含む。ピストンヘッド254は、シリンダ250の内部空間をチャンバ257およびチャンバ258に分割する。
【0030】
油圧システム200はまた、他の構成要素を含むように例示されている。例えば、油圧システム200は、リストリクタ逆止め弁260、リストリクタ逆止め弁262、およびリストリクタ逆止め弁264を含むいくつかのリストリクタ逆止め弁を含む。リストリクタ逆止め弁は、一方向の(リストリクタ逆止め弁の記号に描かれた矢印の方向の)自由な流体流れ(例えば、最小圧力降下を伴う)を可能にするとともに、逆方向の(リストリクタがリストリクタ逆止め弁の記号に描かれている)流体流れを制限するように構成されている。
【0031】
油圧システム200は、特定のチャンバまたは流体ライン内の圧力レベルが特定の閾値圧力値を超えれば加圧流体を放出するリリーフ弁をさらに含むことができる。例えば、油圧システム200は、ダウンロックアクチュエータ234のチャンバ246内の流体の圧力レベルが閾値を超えればそのチャンバ内の流体のための流体経路を開放し提供するリリーフ弁266を含む。
【0032】
油圧システム200は、航空機の離陸後に主脚を脚格納室内に格納して戻すことに対応する、主脚アクチュエータ216のピストン224を延在すること(例えば、ピストン224を
図2の左側に移動させること)に関連する第1の動作モードで動作可能である。油圧システム200は、航空機の着陸に備えて主脚を脚格納室から展開することに対応する、主脚アクチュエータ216のピストン224を引っ込めること(例えば、ピストン224を
図2の右に移動させること)に関連する第2の動作モードで動作可能である。
【0033】
油圧システム200は、
図2に、第1の動作モードでの流体流れ方向を示す矢印と共に示されている。この第1の動作モードでは、着陸装置切換弁206は、流体ライン210に流体流れを供給する。一例では、流体ライン210は、
図2に示すように、流体ライン270を介して代替ブレーキシステム268に流体結合される。代替ブレーキシステム268は、航空機の通常のブレーキシステムが故障しかつ/または通常のブレーキシステム内で低い油圧が検出されたときに作動するように構成されている。したがって、通常の制動システムが故障している場合、加圧流体が流体ライン270を経由して代替ブレーキシステム268に供給されて、主脚を格納する間に車輪を制動し、車輪が空転するのを停止させ、それによって航空機の脚格納室内の構成要素の損傷を防止する。
【0034】
加圧流体は、流体ライン210を経由してボリュームヒューズ212に供給され、ボリュームヒューズは、流体ボリューム量がボリュームヒューズ212の特定の容量を超えない限り、流体が流体ラインに流れることを可能にする。次いで、流体が流量制御弁214に供給され、流量制御弁は、主脚アクチュエータ216に供給される流体流量の大きさを、ピストン224を制御された態様で、例えば所望の速度で移動させるように制御するために動作する。
【0035】
次いで、流量制御弁214を通過した流体は、トランスファシリンダ218へ流れる。トランスファシリンダ218は、主脚のロック機構が解放されるまで、チャンバ230への流体の供給を遅らせるように構成されている。特に、トランスファシリンダ218は、ダウンロックアクチュエータ234に供給されるべき流体流れが主脚を格納する前に主脚のロック機構を解放することを可能にする時間遅延要素として構成される。例えば、トランスファシリンダ218は、トランスファシリンダ218の内部空間を2室に分割するピストン272を含む。
【0036】
流体は、流量制御弁214からトランスファシリンダ218に供給され、ピストン272を(例えば、
図2の左側に)移動させる。ピストン272が移動し、流体がトランスファシリンダ218を満たしている間は、流体は主脚アクチュエータ216に供給されない。ピストン272がトランスファシリンダ218内でピストンのストロークの終わりに到達すると、流体は、リストリクタ逆止め弁262および主脚アクチュエータ216に向けられる。
【0037】
トランスファシリンダ218のピストン272が移動している間、流体はボリュームヒューズ212からリストリクタ273を通ってダウンロックアクチュエータ234のチャンバ246に供給されている。チャンバ246に供給された流体は、ピストン240を延在させる(例えば、
図2の左側に移動する)。トランスファシリンダ218のピストン272がピストンのストロークの終わりに到達すると、ピストン240はまた、ロック機構を解放し、主脚が引っ込むのを可能にするほど十分に延在している。
【0038】
ロック機構が解放されると、流体がリストリクタ逆止め弁262を通って主脚アクチュエータ216のチャンバ230に供給されて、ピストン224を延在させ(例えば、
図2の左側に移動させ)、それによって離陸後に主脚を脚格納室に向かって格納する。航空機の制動システムは、脚格納室への損傷を回避するために、車輪を制動し、車輪が脚格納室に到達する前に空転するのを防止するように構成されている。車輪が空転し続ける場合、油圧システム200は、脚格納室への損傷を回避するための安全機能として、主脚がさらに引っ込むのを停止させる(すなわち、ピストン224が延在するのを停止させる)ように構成されている。
【0039】
特に、壊れやすい取付具220はレバー274を有する。壊れやすい取付具は、車輪が引っ込むときに主脚の車輪が空転し続ければレバー274が破損するように構成されている。レバー274が壊れると、流量制御弁214からの流体は、流体が最小抵抗の経路を流れるときに、壊れやすい取付具220を通って流れ、次いで油圧システム200の外部環境へ、例えば低圧ボリュームへ流れる。その結果、ボリュームヒューズ212に流れる流体流量は増加し、ボリュームヒューズの容量を超える可能性があり、それに応じて、ボリュームヒューズ212はボリュームヒューズを通る流体流れを遮断する。
【0040】
このようにして、流体は流量制御弁214に供給されず、ピストン224は延在するのをやめて、主脚がさらに引っ込むのを防ぐ。しかしながら、ピストン224は、主脚を展開させ、航空機を安全に着陸させるために引っ込むことができる。
【0041】
上述したように、油圧システム200はまた、航空機の着陸に備えて主脚を脚格納室から展開することに対応する、主脚アクチュエータ216のピストン224を引っ込めること(例えば、ピストン224を
図2の右に移動させること)に関連する第2の動作モードで動作可能である。
【0042】
図3は、一実装形態例による、第2の動作モードでの流体流れ方向を示す矢印を有する油圧システム200の概略図を示す。この第2の動作モードでは、着陸装置切換弁206は、流体ライン208に流体流れを供給する。流体ライン208に流れる加圧流体は、リストリクタ逆止め弁260を通る流体ライン300を通って流れ、次いでトランスファシリンダ218へ流れる。
図3に示すように、流体ライン300はまた、リストリクタ302を介してアップロックアクチュエータ236のチャンバ258に接続される。
【0043】
トランスファシリンダ218は、第1の動作モードでのトランスファシリンダの動作と同様に動作するが、ピストン272は逆方向に(例えば、
図3の右側に)移動する。したがって、トランスファシリンダ218は、アップロックアクチュエータ236に供給されるべき流体流れが主脚を展開する前に主脚のロック機構を解放することを可能にする時間遅延要素として動作する。ピストン272が移動し、リストリクタ逆止め弁260を通って供給される流体がトランスファシリンダ218を満たすときに、流体は主脚アクチュエータ216のチャンバ232に供給されない。ピストン272がトランスファシリンダ218内でピストンのストロークの終わりに到達すると、流体は、主脚アクチュエータ216のチャンバ232に供給される。
【0044】
トランスファシリンダ218のピストン272が移動している間、流体は、流体ライン300からリストリクタ302を通ってアップロックアクチュエータ236のチャンバ258に供給されている。チャンバ258に供給された流体は、ピストン252を引っ込めさせる(例えば、
図3の左側に移動させる)。トランスファシリンダ218のピストン272がピストンのストロークの終わりに到達すると、ピストン252はまた、ロック機構を解放し、主脚が展開するのを可能にするほど十分に延在している。
【0045】
ピストン252が引っ込むときにチャンバ257から排出された流体は、流体ライン304を通ってシミーダンパ306および戻り流体ライン204へ流れる。シミーは、着陸装置の構造に望ましくない振動および負荷を発生させる着陸装置内の振動である。シミーダンパ306は、ピストン252の移動時に生じ得る振動を減衰させて、油圧システム200の円滑な動作を確実にする。
【0046】
ロック機構が解放されると、流体が主脚アクチュエータ216のチャンバ232に供給されて、ピストン224を引っ込めさせ(例えば、
図3の右側に移動させ)、それによって航空機の着陸に備えて主脚を脚格納室から展開する。ピストン224が引っ込むときにチャンバ230から排出された流体は、リストリクタ逆止め弁262を通って流れ、次いで流量制御弁214へ流れる。流量制御弁214は、主脚アクチュエータ216から排出される流体流量の大きさを、ピストン224を制御された態様で、例えば所望の速度で移動させるように制御する。
【0047】
特に、流量制御弁214は、流量制御弁214がそれを通る流体流れを制御するときにチャンバ230内に背圧を生成し、それによってピストン224を制御された態様で引っ込めさせる。流量制御弁214を出た流体は、ボリュームヒューズ212および着陸装置切換弁206を通って戻り流体ライン204へ流れる。したがって、流量制御弁214は、主脚アクチュエータ216のピストン224を制御された態様で移動させるように構成されている。
【0048】
図4は、一実装形態例による流量制御弁214の斜視図を示し、
図5は、一実装形態例による流量制御弁214の断面図を示し、
図6は、一実装形態例による流量制御弁214の斜視断面図を示す。
図4から
図6を一緒に説明する。
【0049】
流量制御弁214は、ハウジング400およびハウジング400内に配置されたスリーブ412を含み、スリーブ412は、近位端または第1の端部と第1の端部の反対側の遠位端または第2の端部とを有する。スリーブ412は、第1の端部に複数のスリーブ突出部700~706を含み、スリーブ突出部700~706の隣接するスリーブ突出部間に複数の流体流路708~714(例えば、合計4つの流体流路のための流体流路708、710、712、714)が形成される。流量制御弁214は、スリーブ412内に配置されたシールキャリア424も含み、シールキャリア424は、スリーブ412の第2の端部から延在し、ハウジング400の内面に当接するキャリア突出部426、428を含む。流量制御弁214は、複数のスリーブ突出部700~706がエンドキャップ404に当接するようにハウジング400に取り付けられたエンドキャップ404も含む。
【0050】
ハウジング400は略円筒形であり、ハウジング内に画定された長手方向円筒形空隙部を有している。流量制御弁214の各構成要素は、ハウジング400の長手方向円筒形空隙部内に配置される。ハウジング400は、ハウジング400の遠位端403に第1のポート402(例えば、開口部)を有する。第1のポート402は、第1のポートを通って流量制御弁214に出入りする流体流れを許容にする。例えば、第1のポート402は、トランスファシリンダ218、壊れやすい取付具220、およびリストリクタ逆止め弁262に流体結合され得る。
【0051】
エンドキャップ404は、ハウジング400にハウジングの近位端401で結合される。例えば、エンドキャップ404は、エンドキャップ404内の雄ねじおよびハウジング400内の雌ねじを介してハウジング400にねじ領域406でねじ結合される。エンドキャップ404は、流量制御弁214を無傷に保つとともに、流量制御弁214の構成要素を内部でシフトさせ得るびびりおよび振動がないように保つことができる。
【0052】
エンドキャップ404は、流量制御弁214の第1のポート402とは反対側の近位端401に第2のポート408(例えば、開口部)を有する。第2のポート408は、第2のポート408を通って流量制御弁214に出入りする流体流れを許容する。例えば、第2のポート408は、ボリュームヒューズ212に流体結合され得る。流量制御弁214は双方向性であり、流量制御弁を通る第1のポート402から第2のポート408への流体流れ、または第2のポート408から第1のポート402への流体流れを許容する。
【0053】
流量制御弁214は、エンドキャップ404内に形成された外側環状溝に配置され、エンドキャップ404とハウジング400との間に流体シールを形成して流量制御弁214の外部環境への漏れを防止するシール410(例えば、Oリング)を含む。一例では、シール410は、バックアップリングの間に置かれる。バックアップリングは、例えば、流量制御弁214内で加圧と減圧/圧力循環が起こるときにシール410が押し出される尤度を低減するために使用することができる。
【0054】
スリーブ412は、ハウジング400内に固定して配置される。スリーブ412は略円筒形であり、スリーブ内に当該長手方向円筒形空隙部を含む。
【0055】
図7は、一実装形態例によるスリーブ412の斜視図を示し、
図8は、一実装形態例によるスリーブ412の断面図を示す。
図7および
図8を一緒に説明する。
【0056】
スリーブ412は、スリーブ412の近位端401に配置されたスリーブ突出部700、スリーブ突出部702、スリーブ突出部704、スリーブ突出部706などの複数のスリーブ突出部を有する。一例では、スリーブ突出部700~706は、
図7に示すように円形アレイなどのアレイ状に配置される。しかしながら、他のアレイ構成(例えば、長方形アレイ、正方形アレイなど)を使用することもできる。
【0057】
さらに、
図7に示す例では、スリーブ突出部700~706の形状が円弧状である。しかしながら、他の例では、スリーブ突出部700~706は他の形状を有し、例えば、直線状または長方形であってもよい。スリーブ突出部700~706の構成にかかわらず、スリーブ突出部700~706は、これらの突出部の間に、流体流路708、流体流路710、流体流路712、流体流路714などの流体流路を形成する。
【0058】
スリーブ412は、流量制御弁214の他の構成要素を収容するために、スリーブ412の近位端401にスリーブ412の内面によっていくつかの段部または肩部を画定する孔716(例えば、段付き孔)を含む。言い換えれば、スリーブ412の内径は、スリーブ内に異なるサイズを有する空隙部を画定するように変化する。例えば、孔716の一部である空隙部718は、以下に記述されるようにオリフィスプラグを受容するように構成されている。肩部720がスリーブ412の内径の移行部によって画定され、肩部720は、以下に記述されるように、ばね座金を支持するように構成されている。肩部720は、以下に記述されるように、一方のチャンバから他方のチャンバへの流体の正流を妨げることができ、流体をクロスホールに流れるように導く。
【0059】
スリーブ412は、クロスホール722やクロスホール724などの、スリーブ412の本体の壁の周りにアレイ状に配置された第1組のクロスホールを含む。例えば、第1組のクロスホールは、スリーブ412の周りに円形アレイに配置される。スリーブ412は、クロスホール726やクロスホール728などの、スリーブ412の壁の周りにもやはりアレイ状に(例えば、円形アレイに)配置された第2組のクロスホールをさらに含む。第2組のクロスホールは、スリーブ412の長さに沿って第1組のクロスホールから軸線方向に離間される。「クロスホール(cross-hole)」という用語は、本明細書では、別の孔、空隙部、もしくはチャネルの経路と交差するか、または別の孔、空隙部、もしくはチャネルに対して横方向に形成された孔を示すために使用される。
【0060】
スリーブ412は、第1のフランジ部分730と第2のフランジ部分732との間に溝734、例えば外側環状溝を形成する第1のフランジ部分730および第2のフランジ部分732も含む。第1のフランジ部分730および第2のフランジ部分732の外面は、(
図5および
図6に示すように)ハウジング400の内面とインタフェースをとり、溝734は、以下に記述されるように、溝の中にシールおよびバックアップリングを受容するように構成されている。
【0061】
図8に示すように、スリーブ412の内径は、肩部736および空隙部738を形成するようにスリーブの遠位端403付近で大きくなっている。空隙部738は、肩部736に当接するシールキャリア424を受容するように構成されている。
【0062】
図7および
図8と共に
図5および
図6を参照すると、流量制御弁214は、スリーブ412の空隙部718内に配置されたオリフィスプラグ414を含む。オリフィスプラグ414は、特定の流体流量がオリフィスプラグを通過できるようにするために、オリフィスプラグ内に形成された、例えばオリフィスプラグ内にドリルで穴をあけたオリフィス416を有するように構成されている。
【0063】
図5および
図6に示すように、スリーブ412は、スリーブ412の外面とハウジング400の内面との間に第1のチャンバ418が形成されるように、ハウジング400内に配置される。同様に、スリーブ412の外面とハウジング400の内面との間に第2のチャンバ420が形成される。第1のチャンバ418は、スリーブ412のフランジ部分730およびフランジ部分732によって第2のチャンバ420から隔てられる。
【0064】
さらに、流量制御弁214は、第1のチャンバ418を第2のチャンバ420から封止するためにスリーブ412の溝734に配置されたシール422を含む。バックアップリングは、流量制御弁214内で加圧と減圧/圧力循環が起こるときにスリーブ412の溝734内のシール422が押し出される尤度を低減するために、シール422の周りに配置することができる。
【0065】
シールキャリア424は、スリーブ412の空隙部738内に配置される。スリーブ412と同様に、シールキャリア424は、キャリア突出部426やキャリア突出部428などの複数のキャリア突出部を有し、複数のキャリア突出部は、キャリア突出部の間に流体流路430などの流体流路を形成する。例として、キャリア突出部426、428は円弧形状であり、円形アレイに配置される。しかしながら、他の構成も可能である。さらに、シールキャリア424は、シールキャリア424内に形成された外側環状溝に配置され、シールキャリア424とスリーブ412との間に流体シールを形成してシールキャリアとスリーブとの間の流体漏れを防止するシール432(例えば、Oリング)を含む。バックアップリングもシール432と共に使用することができる。
【0066】
シールキャリア424は、オリフィスプラグ414と同様のオリフィスプラグ434を受容するようにさらに構成されている。オリフィスプラグ434は、特定の流体流量がオリフィスプラグを通過できるようにするために、オリフィスプラグ内に形成されたオリフィス436を有する。
【0067】
図5および
図6に示すように、スリーブ突出部700~706は、エンドキャップ404の遠位端403に当接する。したがって、スリーブ412は、エンドキャップ404を介して近位方向に軸線方向に固定される。
【0068】
さらに、シールキャリア424は、スリーブ412の肩部736(
図8参照)を介して近位方向に固定される。また、キャリア突出部(例えば、キャリア突出部426、428)は、スリーブ412の遠位端403から延在し、ハウジング400の内面に当接し、したがってシールキャリア424は、ハウジング400によって遠位方向に軸線方向に固定される。この構成では、スリーブ412およびシールキャリア424は、これら自体の形態(スリーブおよびキャリア突出部、ならびに肩部)を介してハウジング400内に長手方向に固定され、追加の構成要素(例えば、スペーサ)は使用されない。
【0069】
流量制御弁214は、スリーブ412の長手方向円筒形空隙部内に摺動可能に収容され、軸線方向に移動可能なスプール438をさらに含む。スプール438は中空であり、スプール肩部440を形成しており、スプール肩部は、スプール肩部を通る孔442を有するリング状の突出部または環状部である。
【0070】
また、
図5および
図6に示すように、スプール438は、スプール内に第1のばね444および第2のばね446を受容するように構成されている。特に、第1のばね444は、ばね座金448に寄りかかる近位端401を有し、ばね座金はスリーブ412の肩部720(
図8参照)に寄りかかるのに対して、第1のばね444の遠位端403は、スプール438のスプール肩部440の一方の側に寄りかかる。一方、第2のばね446の近位端401は、スプール肩部440の他方の側に寄りかかるのに対して、第2のばね446の遠位端403は、シールキャリア424によって形成された肩部に寄りかかる。
【0071】
この構成で、第1のばね444は、スプール438に第1のばね力を遠位方向に作用させ、第2のばね446は、スプール438に第2のばね力を近位方向に作用させる。ばね力は、スプール438を中心位置に維持する。しかしながら、スプール肩部440の一方の側での流体の圧力レベルがスプール肩部440の他方の側での流体の圧力レベルと異なる場合、スプール438は、以下に記述されるように、ばねの一方のばね力に抗して軸線方向に移動する。
【0072】
スプール438が
図5および
図6に示す中心位置にあるとき、スプール438の近位端401は第1組のクロスホール(例えば、クロスホール722およびクロスホール724)と部分的に重なるのに対して、スプール438の遠位端403は第2組のクロスホール(例えば、クロスホール726およびクロスホール728)と部分的に重なる。スプール438が遠位方向に移動する場合、第2組のクロスホールはさらに制限される(クロスホールがさらに塞がれ、流体流れを可能にするクロスホールの開口部サイズが減少する)のに対して、第1組のクロスホールはさらに露出される(クロスホールの覆いをさらにとられ、流体流れを可能にするクロスホールの開口部サイズが増大する)。
【0073】
一方、スプール438が近位方向に移動する場合、第1組のクロスホールはさらに制限される(クロスホールがさらに塞がれ、流体流れを可能にするクロスホールの開口部サイズが減少する)のに対して、第2組のクロスホールはさらに露出される(クロスホールの覆いをさらにとられ、流体流れを可能にするクロスホールの開口部サイズが増大する)。この構成では、スプール438がスリーブ412内を軸線方向に移動するときに、流体流量および圧力レベルが動作中に調整される。
【0074】
例えば、流体流れの方向が第2のポート408から第1のポート402である場合、流体は第2のポート408で受け入れられ、次いでエンドキャップ404を通ってスリーブ412の近位端401へ流れる。次いで、流体は、スリーブ412の流体流路(すなわち、
図7および
図8に示す流体流路708~714)を通って第1のチャンバ418へ半径方向外向きに流れる。次いで、流体は、第1組のクロスホール(例えば、クロスホール722およびクロスホール724)を通ってスプール438内に第1のばね444を有するスプール室へ半径方向内向きに流れる。
【0075】
次いで、流体は、スプール肩部440の孔442を通って第2のばね446を有するスプール室へ流れる。流体が孔442を通って流れるときに、圧力降下が起こる(孔442によって引き起こされる流体制限部に流れることにより流体の圧力レベルの低下が起こる)。この圧力降下は、スプール438に遠位方向に作用する流体力を、スプール438に近遠位方向に作用する流体力に対して増大させて、スプール438を遠位方向に移動させる。スプール438が遠位方向に移動するときに、第2のばね446は圧縮され、第1のばね444は弛緩される。
【0076】
さらに、スプール438が遠位方向に移動するときに、第2組のクロスホールは制限されるのに対して、第1組のクロスホールはさらに露出される。第2のばね446のばね室内の流体は、第2組のクロスホール(このときさらに制限されている)を通って第2のチャンバ420へ半径方向外向きに流れる。流体は、第2のチャンバ420から、シールキャリア424の流体流路(例えば、流体流路430)を通って半径方向内向きに流れ、次いで第1のポート402を通って流量制御弁214から流れ出る。
【0077】
第2のポート408で受け入れた流体の一部は上述の経路(すなわち、流体流路、スリーブ412とハウジング400との間の環状チャンバ、各組のクロスホール)を流れるが、流体の別の一部は、オリフィスプラグ414およびオリフィス416を流れ、次いでオリフィスプラグ434およびオリフィス436を通って第1のポート402へ流れ、流量制御弁214から流れ出る。この構成は、予期しない問題が発生した場合に特定の流量が流量制御弁214を経由して供給される安全機能を提供する。安全機能は、例えば、問題が起きても主脚アクチュエータ216が動作できるようにするように流量制御弁214を特定の流体量が流れるのを可能にするのに有益である。
【0078】
特に、第1のばね444または第2のばね446が意図した通りに動作しない場合、スプール438は他方のばねによって一方向にずっと付勢され、それによって第1組のクロスホール(例えば、クロスホール722およびクロスホール724)または第2組のクロスホール(例えば、クロスホール726およびクロスホール728)を完全にまたは実質的に塞ぐ。その結果、クロスホールを通って第1のチャンバ418または第2のチャンバ420へ行き来して流れる流体が遮断される。しかしながら、流体は、オリフィスプラグ414のオリフィス416およびオリフィスプラグ434のオリフィス436を流れる。この例では、主脚アクチュエータ216を動作させるために、少なくとも一定量の流体流れが流量制御弁214を通って供給される。
【0079】
説明のための一例として、流量制御弁214は、約8ガロン/分(GPM)の流体流量容量を有する。その量の一部(例えば、半分すなわち4 GPM)が、流体流路708~714、第1のチャンバ418、第1組のクロスホール、第2組のクロスホール、第2のチャンバ420、およびシールキャリア424の流体流路(例えば、流体流路430)を流れる。残りの部分(例えば、残りの半分すなわち4 GPM)は、オリフィス416およびオリフィス436を流れる。この例では、流量制御弁214内で意図しない動作が起きた場合、少なくとも4 GPMが第2のポート408から第1のポート402に供給される。
【0080】
流量制御弁214は、上述のように双方向弁であり、逆方向の流体流れ、すなわち第1のポート402から第2のポート408への流体流れも可能にする。特に、流体は、第1のポート402で受け入れられ、次いでシールキャリア424の流体流路(例えば、流体流路430)から第2のチャンバ420へ半径方向外向きに流れる。次いで、流体は、第2組のクロスホール(例えば、クロスホール726およびクロスホール728)を通ってスプール438内に第2のばね446を有するスプール室へ半径方向内向きに流れる。
【0081】
次いで、流体は、スプール肩部440の孔442を通って第1のばね444を有するスプール室へ流れる。流体が孔442を通って流れるときに、圧力降下が起こる。この圧力降下は、スプール438に遠位方向に作用する流体力を、スプール438に近遠位方向に作用する流体力に対して増大させて、スプール438を近位方向に移動させる。スプール438が近位方向に移動するときに、第1のばね444は圧縮され、第2のばね446は弛緩される。
【0082】
さらに、スプール438が近位方向に移動するときに、第1組のクロスホールは制限されるのに対して、第2組のクロスホールはさらに露出される。第1のばね444のばね室内の流体は、第1組のクロスホール(このときさらに制限されている)を通って第1のチャンバ418へ半径方向外向きに流れる。流体は、第1のチャンバ418から、スリーブ412の流体流路708~714を通って半径方向内向きに流れ、次いで第2のポート408を通って流量制御弁214から流れ出る。
【0083】
第1のポート402で受け入れた流体の一部は上述の経路(すなわち、流体流路、環状チャンバ、各組のクロスホール)を流れるが、流体の別の一部は、オリフィスプラグ434およびオリフィス436を流れ、次いでオリフィスプラグ414およびオリフィス416を通って第2のポート408へ流れ、流量制御弁214から流れ出る。この構成は、上述のように意図しない動作が起きた場合に特定の流量が流量制御弁214を経由して供給される安全機能を提供する。
【0084】
例の中で、流量制御弁214の構成は、従来の弁に勝るいくつかの利点を提供することができる。例えば、スリーブ412は、追加の構成要素を有する代わりに、諸形態をスリーブに一体化した多機能スリーブとして構成される。例えば、スリーブ412の近位端401で(シールキャリア424に加えて)第2のシールキャリアを使用するのではなく、そうした追加のシールキャリアの形態はスリーブ412に一体化される。
【0085】
特に、流体流路708~714はスリーブ412に一体化され、オリフィスプラグ414はスリーブ412内に固定され、シールまたはバックアップリングは使用されない。この例では、追加のシールキャリアおよびその関連構成要素(シール、バックアップリングなど)をなくすことにより、流量制御弁214のコストおよび重量を低減することができ、それにまた、動作中の構成要素の数を減らすことにより信頼性を高めることができる。
【0086】
さらに、スリーブ突出部700~706はエンドキャップ404に当接し、したがって、スリーブ412をハウジング400内に軸線方向に固定するために追加のスペーサは使用されない。したがって、スリーブ412の多機能性により別の構成要素がなくなる。
【0087】
図9は、一実装形態例による、流量制御弁214を組み立てる方法900の流れ図である。方法900は、ブロック902~916のうちの1つまたは複数によって例示されているように、1つまたは複数の操作、または行動を含む。上記ブロックは、例えば連続した順序で示されているが、これらのブロックは、並行して実行され、かつ/または本明細書に記載されているものとは異なる順序で実行される。また、例えば、種々のブロックは、組み合わせてより少ないブロックにされ、分割して追加ブロックにされ、かつ/または所望の実施に基づいて除去される。本明細書で開示されるこのおよびその他のプロセスならびに方法では、流れ図が本発明の例の1つの可能な実装形態の機能および操作を示すことが理解されるべきである。当業者なら理解するように、関連する機能に応じて、実質的に同時または逆の順序を含む、図示または議論された順序とは異なる順序で各機能が実行される本開示の例の範囲内に、代替の実装形態が含まれる。
【0088】
ブロック902において、方法900は、ハウジング400内にスリーブ412を配置するステップを含み、スリーブ412は第1の端部(例えば、近位端401)および第1の端部の反対側の第2の端部(例えば、遠位端403)を有する。スリーブ412は第1の端部にスリーブ突出部700~706を含み、隣接するスリーブ突出部の間に、例えばスリーブ突出部700~706の間に複数の流体流路708~714が形成される。
【0089】
ブロック904において、方法900は、スリーブ412内にシールキャリア424を配置するステップを含み、シールキャリア424は、スリーブ412の第2の端部から延在し、ハウジング400の内面に当接するキャリア突出部426、428を含む。
【0090】
ブロック906において、方法900は、シールキャリア424内の空隙部内にオリフィスプラグ434を取り付けるステップを随意に含み、オリフィスプラグ434は、オリフィスプラグ434に流体が流れることを可能にするために、オリフィスプラグ434内にオリフィス436を含む。
【0091】
ブロック908において、方法900は、スリーブ412内にスプール438を配置するステップを随意に含み、スプール438は、スリーブ412内に摺動可能に収容され、スプール肩部440を含む。
【0092】
ブロック910において、方法900は、スプール肩部440とスリーブ412の肩部720との間に第1のばね444を取り付けるステップを随意に含む。
【0093】
ブロック912において、方法900は、スプール肩部440とシールキャリア424との間に第2のばね446を取り付けるステップを随意に含む。
【0094】
ブロック914において、方法900は、スリーブ412の空隙部718内にオリフィスプラグ414を取り付けるステップを随意に含み、オリフィスプラグ414は、オリフィスプラグ414に流体が流れることを可能にするために、オリフィスプラグ414内にオリフィス416を含む。
【0095】
ブロック916において、方法900は、エンドキャップ404を、スリーブ突出部700~706がエンドキャップ404に当接するようにハウジング400に取り付けるステップを含む。
【0096】
上記の詳細な説明は、添付の図を参照して、開示されたシステムの様々な形態および動作を記述している。本明細書に記載の例示的な実装形態は、限定することを意味するものではない。開示されたシステムの特定の態様は、多種多様な異なる構成で配置し組み合わせることができ、その構成のすべてが本明細書で企図される。
【0097】
さらに、文脈上別段の示唆がない限り、上記図にそれぞれ示されている形態は、互いに組み合わせて使用され得る。したがって、上記図は、一般に、図示したすべての形態が各実装形態に必要であるとは限らないという理解の下で、1つまたは複数の全体的な実装形態の構成要素の態様と見なされるべきである。
【0098】
さらに、本明細書または特許請求の範囲における要素、ブロック、またはステップの列挙は、明確にするためのものである。したがって、そのような列挙は、これらの要素、ブロック、またはステップが特定の配置に従うか、または特定の順序で実行されることを要求または含意すると解釈されるべきではない。
【0099】
さらに、例では、装置またはシステムは、上記図に提示された機能を実行するように使用または構成されている。場合によっては、装置および/またはシステムの各構成要素は、この構成要素がかかる性能を可能にするように(ハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いて)実際に構成され構造化されるように、上記機能を実行するように構成されている。他の例では、装置および/またはシステムの各構成要素は、特定の方法で操作されるときなど、機能を実行するのに適合するか、機能を実行することができるか、または機能を実行するのに適しているように配置される。
【0100】
さらに、本開示は、以下の例による実装形態を含む。
例1.ハウジングと、ハウジング内に配置されたスリーブであって、スリーブが第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有し、スリーブが第1の端部に複数のスリーブ突出部を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成される、スリーブと、スリーブ内に配置されたシールキャリアであって、シールキャリアが、スリーブの第2の端部から延在し、ハウジングの内面に当接するキャリア突出部を備える、シールキャリアと、エンドキャップであって、複数のスリーブ突出部がエンドキャップに当接するようにハウジングに取り付けられる、エンドキャップとを備える、流量制御弁。
【0101】
例2.ハウジングが第1のポートを備え、エンドキャップが第1のポートの反対側に第2のポートを備える、例1に記載の流量制御弁。
【0102】
例3.スリーブ内に摺動可能に収容されたスプールをさらに備える、例1または2に記載の流量制御弁。
【0103】
例4.スリーブが、スリーブの周りに配置された第1組のクロスホールと、スリーブの周りに配置された第2組のクロスホールであって、第2組のクロスホールが、スリーブの長さに沿って第1組のクロスホールから軸線方向に離間される、第2組のクロスホールと、をさらに備える、例1または2に記載の流量制御弁。
【0104】
例5.スリーブ内に摺動可能に収容されたスプールであって、スプールの近位端が第1組のクロスホールと部分的に重なり、スプールの遠位端が第2組のクロスホールと部分的に重なる、スプールをさらに備える、例4に記載の流量制御弁。
【0105】
例6.スリーブの外面とハウジングの内面との間に形成された第1のチャンバであって、第1のチャンバがスリーブの複数の流体流路をスリーブの第1組のクロスホールに流体結合する、第1のチャンバと、スリーブの外面とハウジングの内面との間に形成された第2のチャンバであって、第2のチャンバがスリーブの第2組のクロスホールをシールキャリアの遠位端に流体結合する、第2のチャンバとをさらに備える、例4または5に記載の流量制御弁。
【0106】
例7.スリーブが、第1のフランジ部分および第2のフランジ部分をさらに備え、第1のフランジ部分と第2のフランジ部分との間に溝を形成し、流量制御弁が、スリーブの溝内に配置されたシールをさらに備える、例1から6のいずれか一例に記載の流量制御弁。
【0107】
例8.スリーブの空隙部内に配置され、オリフィスが内部に形成されたオリフィスプラグをさらに備える、例1から7のいずれか一例に記載の流量制御弁。
【0108】
例9.シールキャリア内に配置され、内部にオリフィスを有するオリフィスプラグをさらに備える、例1から8のいずれか一例に記載の流量制御弁。
【0109】
例10.複数のスリーブ突出部が、複数のスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成されるように、スリーブの第1の端部にアレイ状に配置される、例1から9のいずれか一例に記載の流量制御弁。
【0110】
例11.複数のスリーブ突出部の形状が円弧状である、例10に記載の流量制御弁。
【0111】
例12.複数のスリーブ突出部が、スリーブの第1の端部に円形アレイに配置される、例10または11に記載の流量制御弁。
【0112】
例13.チャンバを有するシリンダと、シリンダのチャンバに流体結合され、チャンバへ行き来する流体流れを制御する流量制御弁であって、流量制御弁が、ハウジングと、ハウジング内に配置されたスリーブであって、スリーブが第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有し、スリーブが第1の端部に複数のスリーブ突出部を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成される、スリーブと、スリーブ内に配置されたシールキャリアであって、シールキャリアが、スリーブの第2の端部から延在し、ハウジングの内面に当接するキャリア突出部を備える、シールキャリアと、エンドキャップであって、複数のスリーブ突出部がエンドキャップに当接するようにハウジングに取り付けられる、エンドキャップとを備える流量制御弁とを備える、油圧システム。
【0113】
例14.ハウジングが、シリンダのチャンバに流体結合された第1のポートを備え、エンドキャップが、第1のポートから流体を受け入れるかまたは第1のポートに流体を供給するように流体ラインに流体結合された、第1のポートの反対側の第2のポートを備える、例13に記載の油圧システム。
【0114】
例15.第2のポートに流体結合されたボリュームヒューズであって、ボリュームヒューズが、ボリュームヒューズを通る流体流量がボリュームヒューズの容量を超えたときに流量制御弁への流体流れを遮断するように構成されている、ボリュームヒューズをさらに備える、例14に記載の油圧システム。
【0115】
例16.ハウジングの第1のポートに流体結合されたトランスファシリンダであって、トランスファシリンダが、流量制御弁から流体を受け入れ、シリンダのチャンバに流体を供給するのを遅らせるように構成されている、トランスファシリンダをさらに備える、例14または15に記載の油圧システム。
【0116】
例17.流量制御弁とシリンダのチャンバとの間に配置されたリストリクタ逆止め弁であって、リストリクタ逆止め弁が、チャンバ内への自由な流体流れを可能にするとともに、チャンバから排出される流体流れを制限するように構成されている、リストリクタ逆止め弁をさらに備える、例13から16のいずれか一例に記載の油圧システム。
【0117】
例18.シリンダが航空機の着陸装置のアクチュエータに含まれ、流量制御弁が、着陸装置を格納し展開するためにチャンバへ行き来する流体流れを制御する、例13から17のいずれか一例に記載の油圧システム。
【0118】
例19.流量制御弁を組み立てる方法であって、方法が、ハウジング内にスリーブを配置するステップであって、スリーブが第1の端部および第1の端部の反対側の第2の端部を有し、スリーブが第1の端部に複数のスリーブ突出部を備え、隣接するスリーブ突出部の間に複数の流体流路が形成される、ステップと、スリーブ内にシールキャリアを配置するステップであって、シールキャリアが、スリーブの第2の端部から延在し、ハウジングの内面に当接するキャリア突出部を備える、ステップと、エンドキャップを、複数のスリーブ突出部がエンドキャップに当接するようにハウジングに取り付けるステップとを含む、方法。
【0119】
例20.スリーブがスリーブ内に空隙部を備え、方法が、スリーブの空隙部内にオリフィスプラグを取り付けるステップであって、オリフィスプラグが、オリフィスプラグに流体が流れるのを可能にするために、オリフィスプラグ内にオリフィスを備える、ステップをさらに含む、例19に記載の方法。
【0120】
「実質的に(substantially)」という用語は、列挙された特性、パラメータ、または値が正確に達成される必要はなく、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界、および当業者に知られている他の要因を含む偏差またはばらつきが、その特性が提供するよう意図されていた効果を排除しない量で生じることを意味する。
【0121】
本明細書に記載の配置は例だけを目的としている。したがって、当業者は、他の配置および他の要素(例えば、機械、インタフェース、操作、順序、および操作のグループ化など)を代わりに使用することができ、いくつかの要素は所望の結果に従って完全に省略され得ることを理解するであろう。さらに、記載されている要素の多くは、任意の適切な組合せおよび箇所で、個別のもしくは分散された構成要素として、または他の構成要素と共に実装される機能エンティティである。
【0122】
様々な態様および実装形態が本明細書に開示されているが、他の態様および実装形態が当業者には明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様および実装形態は、例示の目的のためのものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に示される。また、本明細書で使用される用語は、特定の実装形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0123】
100 航空機
102 前脚
104 主脚
106 主脚
200 油圧システム
201 加圧流体
202 入口流体ライン
204 戻り流体ライン
206 着陸装置切換弁
208 流体ライン
210 流体ライン
212 ボリュームヒューズ
214 流量制御弁
216 アクチュエータ
218 トランスファシリンダ
220 壊れやすい取付具
222 シリンダ
224 ピストン
226 ピストンヘッド
228 ピストンロッド
230 チャンバ
232 チャンバ
234 ダウンロックアクチュエータ
236 アップロックアクチュエータ
238 シリンダ
240 ピストン
242 ピストンヘッド
244 ピストンロッド
246 チャンバ
248 チャンバ
250 シリンダ
252 ピストン
254 ピストンヘッド
256 ピストンロッド
257 チャンバ
258 チャンバ
260 リストリクタ逆止め弁
262 リストリクタ逆止め弁
264 リストリクタ逆止め弁
266 リリーフ弁
268 代替ブレーキシステム
270 流体ライン
272 ピストン
273 リストリクタ
274 レバー
300 流体ライン
302 リストリクタ
304 流体ライン
306 シミーダンパ
400 ハウジング
401 近位端
402 第1のポート
403 遠位端
404 エンドキャップ
406 ねじ領域
408 第2のポート
410 シール
412 スリーブ
414 オリフィスプラグ
416 オリフィス
418 第1のチャンバ
420 第2のチャンバ
422 シール
424 シールキャリア
426 キャリア突出部
428 キャリア突出部
430 流体流路
432 シール
434 オリフィスプラグ
436 オリフィス
438 スプール
440 スプール肩部
442 孔
444 第1のばね
446 第2のばね
448 ばね座金
700 スリーブ突出部
702 スリーブ突出部
704 スリーブ突出部
706 スリーブ突出部
708 流体流路
710 流体流路
712 流体流路
714 流体流路
716 孔
718 空隙部
720 肩部
722 クロスホール
724 クロスホール
726 クロスホール
728 クロスホール
730 第1のフランジ部分
732 第2のフランジ部分
734 溝
736 肩部
738 空隙部
900 方法