(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】カートンベースの包装材料のウェブから過剰な殺菌剤を除去する方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 55/24 20060101AFI20250403BHJP
B65B 55/04 20060101ALI20250403BHJP
B65B 55/10 20060101ALI20250403BHJP
A61L 2/18 20060101ALI20250403BHJP
【FI】
B65B55/24
B65B55/04 U
B65B55/10 A
A61L2/18 102
(21)【出願番号】P 2021577870
(86)(22)【出願日】2020-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2020067323
(87)【国際公開番号】W WO2020260190
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-07
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】アラシュ・サエイディハギ
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/116519(WO,A1)
【文献】特開平06-278724(JP,A)
【文献】特開2012-143740(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03427757(EP,A1)
【文献】特表2018-526293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/24
B65B 55/04
B65B 55/10
A61L 2/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンベースの包装材料のウェブ(102)から過剰な殺菌剤(308)を除去する装置(312)であって、前記ウェブ(102)は、パッケージ(112)を形成するように配置されている複数の連続配置区分(200a-200f)を含み、前記ウェブ(102)の各区分は、前記連続配置区分に装着されている開口デバイス(202a-f)を含み、前記区分(200a-f)の少なくともサブセットは、位置決め要素(204af)を含み、
前記過剰な
殺菌剤(308)とは、所定の殺菌剤層の厚さを超える任意の量の殺菌剤が、開口デバイス(202a-f)上の表
面に存在することを意味し、
前記装置は、
前記ウェブ(102)に含まれている、又は前記ウェブ(102)上の前記位置決め要素(204a-f)の位置を判定するように配置されている位置決め要素読み取り機(314)と、
前記位置決め要素(204a-d)の前記位置に基づいて前記開口デバイス(202a-f)の位置を推定するように構成されている制御ユニット(316)と、
空気パルス(320a-b)を供給するように配置されている空気パルスデバイス(318)と
を含み、
前記制御ユニット(316)は、前記開口デバイスの前記位置に基づいて前記空気パルスデバイス(318)を調整するように更に構成されており、前記空気パルス(320a-b)は、前記開口デバイス(202a-f)から過剰な前記殺菌剤(308)を除去するように、前記ウェブ(102)の開口デバイス領域(210a-f)に供給されている、
装置(312)。
【請求項2】
前記開口デバイス(202a-f)は、前記ウェブ(102)を穿孔する射出成形開口デバイスである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記空気パルスデバイス(318)は、前記ウェブ(102)の両側に空気パルス(320a-b)を供給するように配置されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記空気パルスデバイス(318)は、連続空気パルスの間の空気パルス圧力を増加するように配置されている空気パルスポンプ(322)と、前記空気パルス(320a-b)を形成するように前記空気パルス圧力を解放するように構成されている空気パルス弁(324a-b)とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記空気パルス弁(324a-b)は、半径方向弁又は電磁弁である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記空気パルス弁(324a-b)を開いた場合の前記空気パルス圧力は、1.5~5.0バールである、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記殺菌剤(308)は、過酸化水素を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記空気パルスデバイス(318)は、毎秒3~10個の空気パルスを供給するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記位置決め要素(204a-f)は、前記ウェブ(102)に統合されている磁気マークである、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
包装材料のウェブ(102)を受け入れるように配置されている包装材料受け入れ器(302)と、
開口デバイスを前記ウェブ(102)に供給するように配置されている開口デバイス供給器(304)と、
殺菌剤(308)を前記ウェブ(102)に供給するように配置されている殺菌浴槽(306)と、
前記ウェブ(102)の開口デバイス領域(210a-f)から過剰な前記殺菌剤(308)を除去するように配置されている請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(312)と、
前記ウェブ(102)を殺菌する殺菌室(326)と、
前記ウェブ(102)でパッケージ(112)を形成する無菌室(328)と
を含む包装システム(300)。
【請求項11】
前記開口デバイス供給器(304)は、前記ウェブ(102)を穿孔する射出成形開口デバイスを供給するように配置されている射出成形装置である、請求項10に記載の包装システム(300)。
【請求項12】
カートンベースの包装材料のウェブ(102)から過剰な殺菌剤(308)を除去する方法(400)であって、前記ウェブ(102)は、パッケージ(112)を形成するように配置される複数の連続配置区分(200a-f)を含み、前記ウェブ(102)の各区分は、前記連続配置区分に装着される開口デバイス(202a-f)を含み、前記区分(200a-f)の少なくともサブセットは、位置決め要素(204a-f)を含み、
前記過剰な
殺菌剤(308)とは、所定の殺菌剤層の厚さを超える任意の量の殺菌剤が、開口デバイス(202a-f)上の表
面に存在することを意味し、
前記方法は、
前記ウェブ(102)に含まれる、又は前記ウェブ(102)上の前記位置決め要素(204a-f)の位置を判定するステップ(402)と、
前記位置決め要素(204a-f)の前記位置に基づいて前記開口デバイス(202a-f)の位置を推定するステップ(404)と、
前記開口デバイス(202a-f)の前記位置に基づいて空気パルスデバイス(318)を調整するステップ(406)と、
前記開口デバイス(202a-f)から過剰な前記殺菌剤(308)を除去するように、前記ウェブ(102)の開口デバイス領域(210a-f)に空気パルス(320ab)を供給するステップ(408)と
を含む方法。
【請求項13】
前記開口デバイス(202a-f)は、前記ウェブ(102)を穿孔する射出成形開口デバイスである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記位置決め要素(204a-f)の前記位置を判定する前記ステップ(402)の前に、殺菌浴槽(306)を通って前記ウェブ(102)を供給することによって、前記殺菌剤(308)を前記ウェブ(102)に供給するステップ(410)を更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
空気パルス圧力ポンプ(322)を使用することによって、空気パルス圧力を増加するステップ(412)を更に含み、
前記空気パルス圧力を供給する前記ステップ(408)を、前記空気パルス(320a-b)を形成するように空気パルス圧力弁(324a-b)を解放することによって実行する、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、食品包装技術などの包装技術の分野に関する。より詳細には、本発明は、包装材料のウェブから過剰な殺菌剤を除去する方法及び装置を提示する。
【背景技術】
【0002】
現在、異なる種類の食品生産物(例えば、牛乳)のためにロール供給包装機を使用することが一般に知られている。充填機とも呼ばれるロール供給包装機は、幾つかの利点を有する。1つの利点は、パッケージの連続生産が空供給包装システムに比べてより高い速度を達成することができることである。別の利点は、包装材料のチューブに連続的に充填してチューブの下端でパッケージを形成することによって、望ましくない微生物がパッケージに入るリスクを減らすことができることである。
【0003】
包装材料に望ましくない微生物がないことを保証するために、包装材料を殺菌浴槽に供給することができる。殺菌浴槽は、殺菌剤だけ、又は殺菌剤及び湿潤剤の混合物を含む。この文章で、理解しやすくするために、殺菌剤が混合物として湿潤剤と一緒であろうとなかろうと、浴槽中の液体を殺菌剤として名付ける。殺菌浴槽に関する欠点は、この殺菌剤又はこれらの殺菌剤が最後に生産物に行かないようにするために、殺菌浴槽で使用される殺菌剤を除去する必要があることである。殺菌剤を除去する1つの方法は、加熱殺菌空気を用いて包装材料を乾燥させることである。
【0004】
現在、殺菌剤を適切に除去することを確実にする技術が存在しているが、例えばエネルギー使用の点で、この殺菌剤除去をより効率的に達成することができるために技術を改良する必要が更にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術の上述の制約のうち1つ又は複数の制約を少なくとも部分的に克服することにある。特に、本発明の目的は、空気パルスを使用することによって、包装材料から過剰な殺菌剤を除去する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、カートンベースの包装材料のウェブから過剰な殺菌剤を除去する装置を提供する。ウェブは、パッケージを形成するように配置されている多くの連続配置区分を含み、ウェブの各区分は、連続配置区分に装着されている開口デバイスを含み、区分の少なくともサブセットは、位置決め要素を含む。装置は、
ウェブに含まれている、又はウェブ上の位置決め要素の位置を判定するように配置されている位置決め要素読み取り機と、
位置決め要素の位置に基づいて開口デバイスの位置を推定するように構成されている制御ユニットと、
空気パルスを供給するように配置されている空気パルスデバイスと
を含み、
制御ユニットは、開口デバイスの位置に基づいて空気パルスデバイスを調整するように更に構成されており、空気パルスは、開口デバイスから過剰な殺菌剤を除去するように、ウェブの開口デバイス領域に供給されている。
【0007】
開口デバイスは、ウェブを穿孔する射出成形開口デバイスであってもよい。
【0008】
空気パルスデバイスは、ウェブの両側に空気パルスを供給するように配置されてもよい。
【0009】
空気パルスデバイスは、連続空気パルスの間の空気パルス圧力を増加するように配置されている空気パルスポンプと、空気パルスを形成するように空気パルス圧力を解放するように構成されている空気パルス弁とを含んでもよい。
【0010】
空気パルス弁は、半径方向弁又は電磁弁であってもよい。
【0011】
空気パルス弁を開いた場合の空気パルス圧力は、1.5~5.0バール、好ましくは2.0バールであってもよい。
【0012】
殺菌剤は、過酸化水素を含んでもよい。
【0013】
空気パルスデバイスは、毎秒3~10個の空気パルスを供給するように構成されてもよい。
【0014】
位置決め要素は、ウェブに統合されている磁気マークであってもよい。
【0015】
第2の態様によれば、包装システムを提供する。包装システムは、
包装材料のウェブを受け入れるように配置されている包装材料受け入れ器と、
開口デバイスをウェブに供給するように配置されている開口デバイス供給器と、
殺菌剤をウェブに供給するように配置されている殺菌浴槽と、
ウェブの開口デバイス領域から過剰な殺菌剤を除去するように配置されている第1の態様(請求項1~8のいずれか一項)に記載の装置と、
ウェブを殺菌する殺菌室と、
ウェブでパッケージを形成する無菌室と
を含む。
【0016】
開口デバイス供給器は、ウェブを穿孔する射出成形開口デバイスを供給するように配置されている射出成形装置であってもよい。
【0017】
第3の態様によれば、カートンベースの包装材料のウェブから過剰な殺菌剤を除去する方法を提供する。ウェブは、パッケージを形成するように配置される多くの連続配置区分を含み、ウェブの各区分は、連続配置区分に装着される開口デバイスを含み、区分の少なくともサブセットは、位置決め要素を含む。方法は、
ウェブに含まれる、又はウェブ上の位置決め要素の位置を判定するステップと、
位置決め要素に基づいて開口デバイスの位置を推定するステップと、
開口デバイスの位置に基づいて空気パルスデバイスを調整するステップと、
開口デバイスから過剰な殺菌剤を除去するように、ウェブの開口デバイス領域に空気パルスを供給するステップと
を含む。
【0018】
開口デバイスは、ウェブを穿孔する射出成形開口デバイスであってもよい。
【0019】
方法は、位置決め要素の位置を判定するステップの前に、殺菌浴槽を通ってウェブを供給することによって、殺菌剤をウェブに供給するステップを更に含んでもよい。
【0020】
方法は、空気パルス圧力ポンプを使用することによって、空気パルス圧力を増加するステップを更に含んでもよく、
空気パルス圧力を供給するステップを、空気パルスを形成するように空気パルス圧力弁を解放することによって実行する。
【0021】
本発明の更なる他の目的、特徴、態様及び利点は、下記の詳細な説明及び図面から明白になるであろう。
【0022】
さて、本発明の実施形態を、添付図面を参照して一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2a-d】包装材料のウェブを配置することができる方法の異なる例を示す。
【
図4】カートンベースの包装材料のウェブから過剰な殺菌剤を除去する方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照して、充填機とも呼ばれる包装機100を一般的に、一例として示す。包装機100は、カートンベースのパッケージに液体食品生産物を包装するために使用されるロール供給包装機である。既に1940年代に、この種の包装機は、テトラパックによって導入され、現在、安全且つコスト効率の高い方法で牛乳及び他の液体食品生産物を包装する周知の手法である。更に、一般的な手法を、ポテトチップなどの非液体食品生産物のために使用することができる。
【0025】
現在、包装材料は、変換工場とも呼ばれる包装材料生産センターで印刷され準備されることが多く、包装機100を置く現場、例えば、乳製品製造所に出荷される。通常、包装材料を移送する前に、包装材料をリールに積み込む。現場に到着した後、
図1に例示のように、リールを包装機に置く。
【0026】
生産中に、包装材料のウェブ102を、ウェブ供給方向Aに包装機を介してリールから供給することができる。
図1に例示されていないけれども、ウェブ102に望ましくない微生物がないことを保証するために、包装材料は、殺菌デバイス、例えば、過酸化水素浴槽又はLVEB(低電圧電子ビーム)ステーションを通過してもよい。食品生産物を供給する前に、縦方向封止を形成することによって、チューブを、ウェブ102から形成することができる。食品生産物を、パイプ104を介してチューブに供給することができ、パイプ104を通る流れを調節するために、弁106を使用してもよい。チューブの下端108を、横方向封止を形成する折り曲げデバイス110に供給することができ、チューブを、弱化線とも呼ばれる折り曲げ線に従って折り曲げ、パッケージ112を形成することができるように、チューブを切断する。折り曲げデバイス110を、1つの単一デバイスとして例示しているけれども、折り曲げデバイス110は、多くの異なるデバイスを含んでもよい。
【0027】
図2a~
図2dを参照して、カートンベースの包装材料のウェブ102を、一例として示す。ウェブ102は、多くの連続配置区分200a-fを含んでもよい。多くの連続配置区分200a-fの各々は、連続配置区分200a-fに装着されている開口デバイス202a-fを含んでもよい。多くの連続配置区分200a-fの少なくともサブセットは、位置決め要素204a-fを含んでもよい。
【0028】
図2a及び
図2bによれば、多くの連続配置区分200a-fの各々は、多くの折り曲げ線206a-fを含んでもよい。多くの折り曲げ線206a-fは、ウェブ102が折り曲げられるべきであるどんな種類のパッケージ112かに基づいていてもよい。更に、多くの連続配置区分200a-fの各々は、横方向封止及び縦方向封止を含んでもよい。横方向封止を、折り曲げパッケージの上部及び下部を形成するように配置する一方、縦方向封止を、側面に沿って折り曲げパッケージを封止するように配置してもよい。
【0029】
一例として
図2c及び
図2dに例示のように、多くの連続配置区分200a-fは、横方向封止及び縦方向封止だけを含み、多くの折り曲げ線206a-fを含まなくてもよい。このように設定された折り曲げ線の場合、形成されるパッケージ112は、
図2a及び
図2bに例示のウェブ102によって形成されるパッケージ112のれんが形の外観の代わりに、バッグのような外観を有する。
【0030】
ウェブ102がパッケージ112に形成された後に使用可能な簡単な開口を与えるように、開口デバイス202a-fを配置してもよい。パッケージ112を開口する所定の方法を与えるように、開口デバイス202a-fを配置してもよい。開口デバイス202a-fは、射出成形開口デバイスであってもよく、この射出成形開口デバイスは、ウェブ102を穿孔することができる。微量射出成形開口とも呼ばれるこの種の開口を用いた利点は、使用されるプラスチックの量を、噴出及びねじキャップベースの開口デバイスに比べて減らすことができることである。
【0031】
位置決め要素204a-fは、ウェブ102に含まれてもよく、又はウェブ102上にあってもよい。例えば、磁気マークであることができる位置決め要素204a-fを、ここで情報担体と呼ばれる位置決め要素の位置が生産中に残るように、包装材料に統合してもよい。代わりに、一例として、位置決め要素204a-fを、光学基準マーク(例えば、包装材料に設けられた印刷マーク)として包装材料に設けることができる。
【0032】
この状況で、ウェブ102における基準位置を包装機に与えるために、位置決め要素204a-fを使用してもよい。換言すれば、ウェブの位置に関する情報を包装機に与えるために、位置決め要素204a-fを使用することができる。位置決め要素204a-fは、フォトセル、カメラ又はテープ読み取り機によって読み取る可能なマーク及び/又はコードであってもよい。任意選択的に、上述のように、位置決め要素204a-fは、情報担体であってもよい。位置決め要素204a-fは、これらの例のいずれかに限定されないが、ウェブの位置に関する情報を与える任意の基準位置であることができる。1つの例によれば、開口デバイス202a-f自体を、同様に目視基準点として機能するように配置することができる。
図2a及び
図2cに例示のように、多くの連続配置区分200a-fの各々は、位置決め要素204a-fを含んでもよい。このセットアップを有する場合、同じ区分に置かれた位置決め要素204a-fの位置に基づいて、開口デバイス202a-fの位置を判定してもよい。しかし、位置決め要素204a-f及び開口デバイス202a-fを同じ区分に置く必要はない。
図2b及び
図2dに例示のように、位置決め要素204a-fを、区分200a-fのサブセットだけに設けてもよい。開口デバイス202a-fの位置を判定する精度は、
図2a及び
図2cに例示の例よりも低いことがある。しかし、より少ない位置決め要素204a-fを使用しているので、包装材料の生産コストを削減することができる。換言すれば、複数の開口デバイス202a-fの位置を推定するために、位置決め要素204a-fのうち1つを使用してもよい。
【0033】
図3を参照して、包装システム300を、一例として示す。包装システム300は、包装材料受け入れ器302、開口デバイス供給器304、殺菌浴槽306、装置312、殺菌室326、及び無菌室328を含んでもよい。
【0034】
カートンベースの包装材料のウェブ102からパッケージ112を形成するように、包装システム300を配置してもよい。ウェブ102を、包装材料受け入れ器302を介して包装システム300に供給してもよい。その後、ウェブ102を、開口デバイス供給器304に供給してもよい。例えば、射出成形装置を使用することによって、開口デバイス202a-fをウェブ102に供給するように、開口デバイス供給器304を配置してもよい。これは、ウェブ102を穿孔する射出成形開口デバイスを供給するように配置してもよい。これは、ウェブ102のカートン層に穿孔を有する、即ち、溶融プラスチックを押し通すことができるようにウェブの弱化区分を有することによって、可能にしてもよい。
【0035】
ウェブ102を殺菌するために、ウェブ102を、殺菌浴槽306に供給してもよい。殺菌剤308をウェブ102に供給するように、殺菌浴槽306を配置してもよい。細菌及び他の望ましくない微生物を包装材料から除去することを保証するように、殺菌剤308を配置してもよい。1つの例によれば、殺菌剤308は、過酸化水素を含んでもよい。過剰な殺菌剤308を除去する、及び/又は殺菌剤をウェブ全体に広げるために、ローラー310a、bを使用してもよい。
【0036】
ウェブ102に供給された開口デバイス202a-fを有すると、殺菌剤308を除去するのが一層困難になることがある。換言すれば、ウェブ102上の開口デバイス202a-fは、突起をウェブ102上に与えることになり、その結果、過剰な殺菌剤308が、開口デバイス202a-fの中に残る、又は開口デバイス202a-fの近くに残ることがある。
【0037】
ここで、「過剰な」は、所定の殺菌剤層の厚さを超える任意の量の殺菌剤が、開口デバイス202a-f上の表面、又は開口デバイス202a-fの近くに存在することを意味してもよい。この所定の厚さは、ローラー310a、bによって与えられた厚さの値であってもよい。例えば、この所定の厚さは、1~5mm、より好ましくは、1~2mmの間の値であってもよい。この過剰な量を、後述のような所定の圧力で、位置決め要素204a-f及び位置決め要素読み取り機314によって制御される所定の位置に空気パルスを吹き付けることによって除去してもよい。
【0038】
ここで、「除去する」は、過剰な量の殺菌剤を開口デバイス210a-fからどこか他に移動させることを意味してもよい。このどこかは、開口デバイス210a-fの周りのウェブ102であってもよい。過剰な殺菌剤を、後述のように殺菌室326で除去してもよい。
【0039】
開口デバイス202a-fに保持された過剰な殺菌剤308を除去するために、装置312は、位置決め要素読み取り機314、制御ユニット316、及び空気パルスデバイス318を含んでもよい。位置決め要素204a-fの位置を判定するように、位置決め要素読み取り機314を配置してもよく、上述のように、位置決め要素204a-fは、ウェブ102に含まれる、又はウェブ102上にあってもよい。
【0040】
位置決め要素204a-fの位置に基づいて開口デバイス202a-fの位置を推定するように、制御ユニット316を配置してもよい。位置決め要素202a-fの位置を開口デバイス202a-fの位置に関連付ける方法は、包装材料生産センターからの情報に基づいて知ることができる。
【0041】
過剰な殺菌剤を除去するように空気パルス320a-bを供給するように、空気パルスデバイス318を配置してもよい。空気パルス320a-bを、ウェブ102の方へ供給してもよい。毎秒3~10個の空気パルス320a-bを供給するように、空気パルスデバイス318を配置してもよい。
図3に示す例によれば、ウェブ102の両側に空気パルス320a-bを供給するように、空気パルスデバイス318を配置してもよい。代わりに、ウェブ102の片側に空気パルス320a-bを単に供給するように、空気パルスデバイス318を配置してもよい。片側の供給の場合、ウェブ102の内側が牛乳及び他の液体食品生産物と接触する側であるので、ウェブ102の内側に空気パルス320a-bを供給することが好ましい。
【0042】
上述のように位置決め要素202a-fの位置に基づいて判定可能な開口デバイス202a-bの位置に基づいて空気パルスデバイス318を調整するように、制御ユニット316を配置してもよい。空気パルス320a-bを、開口デバイスが置かれるウェブ102の開口デバイス領域210a-fに供給してもよい。開口デバイス領域210a-fは、開口デバイス202a-f及び周囲領域を覆うように開口デバイス202a-fの領域よりも大きくてもよい。
【0043】
空気パルスデバイス318は、空気パルス圧力ポンプ322を含んでもよい。連続空気パルス320a-bの間の空気パルス圧力を増加するように、空気パルス圧力ポンプ322を配置してもよい。空気パルスデバイス318は、空気パルス圧力弁324a-bを含んでもよい。空気パルス320a-bを形成するように空気パルス圧力を解放するように、空気パルス圧力弁324a-bを配置してもよい。空気パルス320a-bの長さを、空気パルス圧力弁324a-bの開口の長さのために変更してもよい。空気パルス圧力弁324a-bは、半径方向弁又は電磁弁であってもよい。空気パルス320a-bは、高加圧空気パルスであってもよい。空気パルス圧力弁324a-bを開いた時に、空気パルス圧力は、1.5~5.0バール、好ましくは2.0±0.1バールであってもよい。空気パルス圧力ポンプ322及び空気パルス圧力弁324a-bを制御するように、制御ユニット316を配置してもよい。より詳細には、開口デバイス202a-fが空気パルスデバイス318を通る場合、空気パルス圧力弁324a-bを開くように、制御ユニット316を配置してもよい。
【0044】
加圧空気を連続的に供給する代わりに空気パルスを使用することによって、高加圧空気を生成してもよい。従って、空気流を連続的に供給する代わりに、過剰な殺菌剤が認められる可能性が高い領域、例えば、開口デバイス領域210a-fで、空気パルスを使用する。
【0045】
空気流の代わりに空気パルスを使用することは、エネルギー効率の観点から更に有益である。特定の関連の領域、例えば、開口デバイス領域210a-fを識別し、これらの領域に空気パルスを供給することによって、空気流を連続的に供給する場合に比べて、より低いエネルギーを必要とすることができる。更に、殺菌性能の観点から、空気パルスは、有益であると分かる。開口デバイス領域210a-fで過剰な殺菌剤を単に除去することによって、ウェブ102の他の領域を、触れないままにしておくことができ、これらの他の領域における殺菌を向上させることができるという効果を有する。
【0046】
ウェブ102が装置312を通る場合、ウェブ102を、殺菌室326に供給してもよい。ウェブ102を殺菌するように、殺菌室326を配置してもよい。そうするために、熱風をウェブ102及び開口デバイス210a-fに供給して、ウェブ102及び開口デバイス210a-fに存在する殺菌剤を蒸発させてもよい。その後、ウェブ102でパッケージを形成する無菌室328に、ウェブ102を供給してもよい。
【0047】
上述のように、本システムを使用することによって、連続空気流の代わりに空気パルスを使用するので、より低いエネルギーを必要とすることができる。連続空気流の代わりに空気パルスを使用することによって、射出成形開口が位置する小さい領域に対してだけ空気を必要とするので、全空気流量は、非常に少ない。これは、射出成形開口がパッケージ上にある場合、連続空気流の使用に比べて、過剰な殺菌剤を除去するより効率的な解決策である。
【0048】
得られる別の利点は、空気だけをウェブの小さい部分に向けるので、このシステムが包装材料の殺菌を妨げないことである。更に、空気だけをウェブの小さい部分に向けるので、空気は、包装材料を温めず、殺菌の効果を弱めない。
【0049】
図4は、一例として、カートンベースの包装材料のウェブ102から過剰な殺菌剤308を除去する方法400を例示するフローチャートを提示する。ウェブ102は、多くの連続配置区分200a-fを含んでもよく、パッケージ112を形成するように、連続配置区分200a-fを配置してもよい。ウェブ102の各区分は、連続配置区分に装着可能な開口デバイス202a-fを含んでもよく、区分200a-fの少なくともサブセットは、位置決め要素204a-fを含んでもよい。
【0050】
第1のステップ402で、位置決め要素204a-fの位置を判定することができる。位置決め要素204a-fは、ウェブ102に含まれる、又はウェブ102上にあってもよい。第2のステップ404で、開口デバイス202a-fの位置を、位置決め要素204a-fの位置に基づいて推定することができる。第3のステップ406で、空気パルスデバイス318を、開口デバイス202a-fの位置に基づいて調整することができる。開口デバイス202a-fは、ウェブ102を穿孔することができる射出成形開口デバイスであることができる。第4のステップ408で、開口デバイス202a-fから過剰な殺菌剤308を除去することができるように、空気パルス320a-bを、ウェブ102の開口デバイス領域210a-fに供給することができる。
【0051】
任意選択的に、第5のステップ410で、位置決め要素204a-fの位置を判定するステップ402の前に、殺菌浴槽306を通ってウェブ102を供給することによって、殺菌剤308をウェブ102に供給することができる。
【0052】
任意選択的に、第6のステップ412で、空気パルス圧力ポンプ322を使用することによって、空気パルス圧力を増加することができ、空気パルス320a-bを形成することができるように空気圧力弁324a-bを解放することによって、空気パルス圧力を供給するステップ408を実行することができる。
【0053】
特定の順序で記載されているが、ステップをこの順序で実行する必要はないものとする。
【0054】
上述から、本発明の様々な実施形態が記載され示されているけれども、本発明は、これらの実施形態に限定されず、下記の特許請求の範囲に規定される主題の範囲内で、本発明を、他の方法で具体化することもできる。