(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】自己免疫疾患の処置用のヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20250403BHJP
A61K 31/551 20060101ALI20250403BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20250403BHJP
A61K 31/553 20060101ALI20250403BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20250403BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20250403BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250403BHJP
【FI】
C07D487/04 151
C07D487/04 CSP
A61K31/551
C07D519/00 311
A61K31/553
A61P13/12
A61P37/02
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2022525184
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2020080430
(87)【国際公開番号】W WO2021084022
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/114755
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ホンタオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジーセン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジェ
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/125849(WO,A1)
【文献】特表2018-537501(JP,A)
【文献】特開昭63-316780(JP,A)
【文献】Journal of Heterocyclic Chemistry,1993年,Vol. 30,pp. 275-276
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
(式中、
R
1は、
【化2】
であり;ここでR
4は、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキル、ハロゲン、ニトロまたはシアノであり;R
4aは、C
1-6アルキルまたはC
3-7シクロアルキルであり;R
5、R
5aおよびR
5bは、Hおよび重水素から独立して選択され;R
6はHまたはハロゲンであり;
R
2はC
1-6アルキルであり;
R
3は、5~7員の単環式アリールもしくはヘテロアリールであり;または7~12員の二環式ヘテロシクリルであり;
nは0、1または2である)
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
3が、
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;
モルホリニルで置換されたフェニル;
ピペラジニルで置換されたピラジニル;
ハロゲン、ピペラジニル、アミノハロピロリジニル、アミノ-1,4-オキサゼパニルおよびアミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルから独立して選択される1もしくは2個の置換基によって置換され
ているピリジニル;または
ピペラジニルもしくはアミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリミジニル
である、請求項1に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式(Ia)の化合物:
【化3】
[式中、
R
1は、
【化4】
であり;ここでR
4は、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキル、ハロゲン、ニトロまたはシアノであり;R
4aは、C
1-6アルキルまたはC
3-7シクロアルキルであり;R
5、R
5aおよびR
5bは、Hおよび重水素から独立して選択され;R
6はHまたはハロゲンであり;
R
2は、C
1-6アルキルであり;
R
3は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;
モルホリニルで置換されたフェニル;
ピペラジニルで置換されたピラジニル;
ハロゲン、ピペラジニル、アミノハロピロリジニル、アミノ-1,4-オキサゼパニルおよびアミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルから独立して選択される1もしくは2個の置換基によって置換され
ているピリジニル;または
ピペラジニルもしくはアミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリミジニルであり;
nは0、1または2である]
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
1が、
【化5】
であり、ここでR
4はシアノであり;R
4aはC
1-6アルキルであり;R
5はHであり;R
6はHまたはハロゲンであり;
nは0または1である、請求項2または3に記載の化合物
あるいはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
1が、
【化6】
であり、ここでR
4はシアノであり;R
4aはメチルであり;R
5はHであり;R
6はHまたはフルオロであり;
R
2はメチルであり;
R
3は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル;
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル;
モルホリン-2-イルフェニル;
ピペラジン-1-イルピラジニル;
フルオロ、ピペラジン-1-イル、3-アミノ-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イルおよび3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルから独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換され
ているピリジニル;または
ピペラジン-1-イルもしくは3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルで置換されたピリミジニルであり;
nは0または1である、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R
1が、
【化7】
であり、ここでR
4がシアノであり;R
5がHである、請求項4に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
R
3が、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;アミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリジニル;またはピペラジニルで置換されたピリミジニルである、請求項6に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
R
3が、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル;ピペラジン-1-イルピリジニル;または3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルピリジニルである、請求項7に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R
1が、
【化8】
であり、ここでR
4はシアノであり;R
5はHであり;
R
2はC
1-6アルキルであり;
R
3は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;アミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリジニル;またはピペラジニルで置換されたピリミジニルであり;
nは0または1である、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
R
1が、
【化9】
であり、ここでR
4はシアノであり;R
5はHであり;
R
2はメチルであり;
R
3は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル;ピペラジン-1-イルピリミジニル;または3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルピリジニルであり;
nは0または1である、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
以
下:
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[4-[(2S)-モルホリン-2-イル]フェニル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(6-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4S)-3-アミノ-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(6R)-6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[(3-フルオロ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-3-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;および
4-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、以下の工程
:
式(IX)の化合物
【化10】
とアミン(X)
【化11】
との間のバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応または求核置
換
(式中、nは0、1または2であり;Xはハロゲンであり
;R
8はアリールまたはヘテロアリールであり;R
9およびR
10は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する
)
を含む
、方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、以下の工程:
式(V)の化合物
【化12】
と式(VI)の化合物
【化13】
との間のバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応または求核置換
(式中、nは0、1または2であり;Yはハロゲンまたはメタンスルホネートであり;R
7
はアリールまたはヘテロアリールである)
含む、方法。
【請求項14】
治療的に活性な物質としての使用のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または
その薬学的に許容される塩。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項16】
全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の処置または予防のための、請求項
15に記載の
医薬組成物。
【請求項17】
TLR7
アンタゴニスト、TLR8
アンタゴニスト、およびTLR9アンタゴニスト
からなる群より選択される少なくとも一種として
使用するための、請求項
15に記載の
医薬組成物。
【請求項18】
全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の処置または予防のための医薬の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項19】
TLR7
アンタゴニスト、TLR8
アンタゴニスト、およびTLR9アンタゴニスト
からなる群より選択される少なくとも一種として使用するための医薬の調製のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項20】
全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の処置または予防のための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または
その薬学的に許容される塩。
【請求項21】
TLR7アンタゴニスト、TLR8アンタゴニスト、およびTLR9アンタゴニストからなる群より選択される少なくとも一種として使用するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における治療および/または予防に有用な有機化合物、特に、全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の処置に有用なTLR7および/またはTLR8および/またはTLR9のアンタゴニストに関する。
【0002】
発明の分野
結合組織の自己免疫疾患(connective tissue disease:CTD)としては、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)、原発性シェーグレン症候群(primary Sjogren’s syndrome:pSjS)、混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)、皮膚筋炎/多発性筋炎(dermatomyositis/polymyositis:DM/PM)、関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)、および全身性硬化症(systemic sclerosis:SSc)などのプロトタイプの自己免疫症候群が挙げられる。RAを除いて、患者が利用可能である実際に効果的で安全な治療法はない。SLEは、有病率が100,000例当たり20~150例であるプロトタイプのCTDであり、皮膚および関節における通常観察される症状から、腎不全、肺不全(lung failure)または心不全まで、異なる器官における広範な炎症および組織損傷を生じる。従来、SLEは、非特異的な抗炎症薬または免疫抑制薬で処置されてきた。しかしながら、免疫抑制薬、例えばコルチコステロイドの長期使用は、部分的にしか効果がなく、望ましくない毒性および副作用を伴う。ベリムマブは、過去50年間にFDAが承認した唯一の狼瘡薬であるが、SLE患者のごく一部にしか効果がなく、それも控えめで遅れがある(Navarra,S.V.et alLancet 2011,377,721.)。抗CD20 mAb、特定のサイトカインに対するmAbまたはその可溶性受容体などの他の生物学的製剤は、ほとんどの臨床研究で失敗している。したがって、より多くの患者群で持続的な改善を提供し、多くの自己免疫疾患および自己炎症疾患で慢性的に使用しても安全性がより高い、新規治療法が必要とされている。
【0003】
Toll様受容体(TLR)は、幅広い種類の免疫細胞における広範な免疫応答を開始することができるパターン認識受容体(PRR)の重要なファミリーである。自然宿主防御センサとして、エンドソームTLR7、8、および9は、ウイルス、細菌に由来する核酸を認識し、具体的には、TLR7/8およびTLR9は、それぞれ一本鎖RNA(single-stranded RNA:ssRNA)および一本鎖CpG-DNAを認識する。しかしながら、TRL7、8、9の異常な核酸検出は、幅広い自己免疫疾患および自己炎症疾患の重要なノードとして考えられる(Krieg,A.M.et al.Immunol.Rev.2007,220,251.Jimenez-Dalmaroni,M.J.et al Autoimmun Rev.2016,15,1.Chen,J.Q.,et al.Clinical Reviews in Allergy & Immunology 2016,50,1.)。抗RNA抗体および抗DNA抗体は十分に確立されたSLEの診断マーカーであり、自己RNAおよび自己DNAの両方をエンドソームへ送達することができる。自己RNA複合体がTLR7およびTLR8によって認識され得るのに対し、自己DNA複合体はTLR9の活性化を引き起こし得る。実際、血液および/または組織からの自己RNAおよび自己DNAのクリアランスの欠陥は、SLE(全身性エリテマトーデス)患者において明白である。TLR7およびTLR9は、SLE組織において上方調節され、それぞれループス腎炎の慢性化および活性と相関していると報告されてきた。SLE患者のB細胞において、TLR7発現は抗RNP抗体産生と相関しているのに対し、TLR9発現はIL-6レベルおよび抗二本鎖DNA抗体レベルと相関している。一貫して、ループスマウスモデルでは、TLR7は抗RNA抗体に必要であり、TLR9は、抗ヌクレオソーム抗体に必要である。その一方で、マウスにおけるTLR7またはヒトTLR8の過剰発現は、自己免疫および自己炎症を促進する。その上、TLR8の活性化は、mDC/マクロファージの炎症性サイトカイン分泌、好中球ネトーシス、Th17細胞の誘導、およびTreg細胞の抑制に特異的に寄与する。B細胞の自己抗体産生の促進におけるTLR9の役割について述べたことに加えて、pDCにおける自己DNAによるTLR9の活性化もまた、I型IFNおよび他の炎症性サイトカインの誘導をもたらす。pDCとB細胞の両方においてTLR9が自己免疫疾患の病因にこのような重要な役割を果たしていることと、自己免疫疾患の多くの患者においてTLR9を容易に活性できる自己DNA複合体が広範囲に存在することとを考えると、TLR7およびTLR8の経路の阻害に加えて、自己DNAを介したTLR9経路をさらに遮断することには特別な利点があり得る。まとめると、TLR7、8、9経路は、有効なステロイド非含有および非細胞毒性の経口薬が存在しない自己免疫疾患および自己炎症疾患の処置用の新たな治療標的であり、これらの経路全てをまさに上流から阻害することにより、満足な治療効果が得られる可能性がある。したがって、本発明者らは、自己免疫疾患および自己炎症疾患の処置のために、TLR7、TLR8およびTLR9を標的とし、抑制する経口化合物を発明した。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、式(I)もしくは(Ia)の新規化合物:
【化1】
(式中、R
1は、
【化2】
であり;ここでR
4は、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキル、ハロゲン、ニトロまたはシアノであり;R
4aは、C
1-6アルキルまたはC
3-7シクロアルキルであり;R
5、R
5aおよびR
5bは、独立して、Hおよび重水素から選択され;R
6はHまたはハロゲンであり;
R
2はC
1-6アルキルであり;
R
3は、5~7員の単環式アリールもしくはヘテロアリールであり;または7~12員の二環式ヘテロシクリルであり;
nは0、1または2である)
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0005】
本発明の別の目的は、式(I)または(Ia)の新規化合物に関するものである。それらの製造、本発明による化合物に基づく医薬品およびそれらの製造、ならびにTLR7および/またはTLR8および/またはTLR9アンタゴニストとしての式(I)または(Ia)の化合物の使用、ならびに全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の処置または予防のためのものである。式(I)または(Ia)の化合物は、優れたTLR7およびTLR8およびTLR9拮抗活性を示す。加えて、式(I)または(Ia)の化合物はまた、良好な細胞毒性、光毒性、可溶性、hPBMC、ヒトミクロソーム安定性およびSDPKプロファイル、ならびに低いCYP阻害も示す。
【0006】
[発明の詳細な説明]
定義
「C1-6アルキル」という用語は、1~6個、特に1~4個の炭素原子を含有する飽和直鎖または分枝鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどを示す。特定の「C1-6アルキル」基は、メチル、エチル、およびn-プロピルである。
【0007】
「ハロゲン」および「ハロ」という用語は、本明細書で互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを示す。
【0008】
「ハロピロリジニル」という用語は、ハロゲンで1回、2回または3回置換されたピロリジニルを示す。ハロピロリジニルの例としては、ジフルオロピロリジニルおよびフルオロピロリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
「アリール」という用語は、5~12個の環原子の芳香族炭化水素単環式または二環式環系を示す。アリールの例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。アリールは、限定されないが、C1-6アルキル;3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル;1,4-ジアゼパニル;C1-6アルキルで置換された2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル;5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル;アミノ-1,4-オキサゼパニル;アミノおよびC1-6アルキルから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されたアゼチジニル;非置換またはC1-6アルキルで置換されたピペラジニル;およびアミノ、C1-6アルコキシおよびハロゲンから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されたピロリジニルを含む置換基によってさらに置換されていてもよい。
【0010】
「ヘテロアリール」という用語は、N、OおよびSから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5~12個の環原子の芳香族複素環単環式または二環式を示す。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、イソキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、またはキノキサリニルが挙げられる。ヘテロアリールは、限定されないが、C1-6アルキル;3,4,4a,5,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-ピロロ[3,4-b][1,4]オキサジニル;1,4-ジアゼパニル;C1-6アルキルで置換された2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル;5-オキサ-2,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル;アミノ-1,4-オキサゼパニル;アミノおよびC1-6アルキルから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されたアゼチジニル;非置換またはC1-6アルキルで置換されたピペラジニル;およびアミノ、C1-6アルコキシおよびハロゲンから独立して選択される1つまたは2つの置換基で置換されたピロリジニルを含む置換基によってさらに置換されていてもよい。
【0011】
「ヘテロシクリル」または「複素環式」という用語は、N、OおよびSから選択される1~5個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、3~12個の環原子の一価飽和または部分不飽和単環式または二環式環系を示す。特定の実施形態において、ヘテロシクリルは、N、OおよびSから選択される1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4~7個の環原子の一価飽和単環系である。単環式飽和ヘテロシクリルの例は、アジリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、またはオキサゼパニルである。二環式飽和複素環の例は、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、オキサアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、オキサアザ-ビシクロ[3.3.1]ノナニル、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、オキソジアザスピロ[3.4]オクタニル、アセチルオキソジアザスピロ[3.4]オクタニル、チアアザビシクロ[3.3.1]ノナニル、オキソアザスピロ[2.4]ヘプタニル、オキソアザスピロ[3.4]オクタニル、オキソアザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、およびジオキソテトラヒドロピロロ[1,2-a]ピラジニルである。二環式ヘテロシクリルの例としては、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;イソインドリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
「薬学的に許容される塩」という用語は、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩を示す。薬学的に許容される塩は、酸性付加塩および塩基性付加塩の両方を含む。
【0013】
「薬学的に許容される酸性付加塩」という用語は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等の無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびサリチル酸等の有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族(araliphatic)、複素環式、カルボン酸、およびスルホン酸類から選択される有機酸で形成されるような薬学的に許容される塩を示す。
【0014】
「薬学的に許容される塩基性付加塩」という用語は、有機塩基または無機塩基で形成される薬学的に許容される塩を示す。許容される無機塩基の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩およびアルミニウム塩が含まれる。薬学的に許容される有機非毒性塩基から得られる塩としては、天然の置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン(piperizine)、ピペリジン、N-エチルピペリジン、およびポリアミン樹脂を含む、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、置換アミンの塩が挙げられる。
【0015】
「薬学的に活性な代謝物」という用語は、特定の化合物またはその塩の体内での代謝を通じて産生される薬理学的に活性な生成物を示す。体内に入った後、ほとんどの薬物はその物理的特性および生物学的効果を変化させ得る化学反応の基質となる。これらの代謝変換は、通常、本発明の化合物の極性に影響を与え、薬物が体内に分布し、体内から排出される方法を変化させる。しかしながら、場合によっては、治療効果のために薬物の代謝が必要とされる。
【0016】
「治療的有効量」という用語は、対象に投与された場合に、(i)特定の疾患、状態もしくは障害を処置もしくは予防する、(ii)特定の疾患、状態もしくは障害の1もしくは複数の症状を軽減、改善もしくは排除する、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態もしくは障害の1もしくは複数の症状の発症を予防もしくは遅延させる、本発明の化合物もしくは分子の量を意味する。治療的有効量は、化合物、治療される病状、治療される疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康度、投与の経路および形態、担当の医師または獣医師の判断、ならびに他の要因に応じて変化する。
【0017】
「薬学的組成物」という用語は、それを必要とする哺乳動物(例えばヒト)に投与される、治療的有効量の有効活性成分を薬学的に許容される添加物と共に含む混合物または溶液を示す。
【0018】
TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9のアンタゴニスト
本発明は、(i)式(I)の化合物:
【化3】
(式中、R
1は、
【化4】
であり;ここでR
4は、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキル、ハロゲン、ニトロまたはシアノであり;R
4aは、C
1-6アルキルまたはC
3-7シクロアルキルであり;R
5、R
5aおよびR
5bは、Hおよび重水素から独立して選択され;R
6はHまたはハロゲンであり;
R
2はC
1-6アルキルであり;
R
3は、5~7員の単環式アリールもしくはヘテロアリールであり;または7~12員の二環式ヘテロシクリルであり;
nは0、1または2である)
またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0019】
本発明のさらなる実施形態は、(ii)(i)に記載の式(I)の化合物であり、式中、
R3は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;
モルホリニルで置換されたフェニル;
ピペラジニルで置換されたピラジニル;
ハロゲン、ピペラジニル、アミノハロピロリジニル、アミノ-1,4-オキサゼパニルおよびアミノ(C1-6アルコキシ)ピロリジニルから独立して選択される1もしくは2個の置換基によって置換されたピリジニル;または
ピペラジニルもしくはアミノ(C1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリミジニルである。
【0020】
本発明の他の実施形態は、(iii)式(Ia)の化合物:
【化5】
[式中、R
1は、
【化6】
であり;ここでR
4は、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、ハロC
1-6アルキル、ハロゲン、ニトロまたはシアノであり;R
4aは、C
1-6アルキルまたはC
3-7シクロアルキルであり;R
5、R
5aおよびR
5bは、Hおよび重水素から独立して選択され;R
6はHまたはハロゲンであり;
R
2は、C
1-6アルキルであり;
R
3は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;
モルホリニルで置換されたフェニル;
ピペラジニルで置換されたピラジニル;
ハロゲン、ピペラジニル、アミノハロピロリジニル、アミノ-1,4-オキサゼパニルおよびアミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルから独立して選択される1もしくは2個の置換基によって置換されたピリジニル;または
ピペラジニルもしくはアミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリミジニルであり;
nは0、1または2である]
またはその薬学的に許容される塩である。
【0021】
本発明のさらなる実施形態は、(iv)(i)~(iii)のいずれか1つに記載の式(I)もしくは(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R
1は、
【化7】
であり、ここでR
4はシアノであり;R
4aはC
1-6アルキルであり;R
5はHであり;R
6はHまたはハロゲンであり;nは0または1である。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、(v)(i)~(iv)のいずれか1つに記載の式(I)または(Ia)の化合物(式中、R
1は、
【化8】
であり、ここでR
4はシアノであり;R
4aはメチルであり;R
5はHであり;R
6はHまたはフルオルであり;
R
2はメチルであり;
R
3は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル;
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イル;
5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル;
モルホリン-2-イルフェニル;
ピペラジン-1-イルピラジニル;
フルオロ、ピペラジン-1-イル、3-アミノ-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル、6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イルおよび3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルから独立して選択される1もしくは2個の置換基で置換されたピリジニル;または
ピペラジン-1-イルもしくは3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルで置換されたピリミジニルであり;
nは0または1である)
またはその薬学的に許容される塩である。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は、(vi)(i)~(v)のいずれか1つに記載の式(I)もしくは(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R
1は、
【化9】
であり;ここでR
4はシアノであり;R
5はHである。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、(vii)(i)~(vi)のいずれか1つに記載の式(I)もしくは(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R3は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;アミノ(C1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリジニル;またはピペラジニルで置換されたピリミジニルである。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、(viii)(i)~(vii)のいずれか1つに記載の式(I)もしくは(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R3は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル;ピペラジン-1-イルピリミジニル;または3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルピリジニルである。
【0026】
本発明のさらなる実施形態は、(ix)(i)~(viii)のいずれか1つに記載の式(I)または(Ia)の化合物[式中、R
1は、
【化10】
であり;ここでR
4はシアノであり;R
5はHであり;
R
2はC
1-6アルキルであり;
R
3は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジニル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジニル;アミノ(C
1-6アルコキシ)ピロリジニルで置換されたピリジニル;またはピペラジニルで置換されたピリミジニルであり;
nは0または1である]
またはその薬学的に許容される塩である。
【0027】
本発明のさらなる実施形態は、(x)(i)~(ix)のいずれか1つに記載の式(I)または(Ia)の化合物(式中、R
1は、
【化11】
であり;ここでR
4はシアノであり;R
5はHであり;
R
2はメチルであり;
R
3は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル;5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イル;ピペラジン-1-イルピリミジニル;または3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イルピリジニルであり;
nは0または1である)
またはその薬学的に許容される塩である。
【0028】
本発明の他の実施形態は、以下から選択される式(I)または(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[4-[(2S)-モルホリン-2-イル]フェニル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(6-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4S)-3-アミノ-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(6R)-6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[(3-フルオロ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-3-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;および
4-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン
【0029】
合成
本発明の化合物は、任意の従来の手段によって調製することができる。これらの化合物およびその出発物質を合成するための好適な方法は、以下のスキームおよび実施例に示されている。全ての置換基、特にR1およびR2は、特に明記しない限り、上記で定義したとおりである。また、特に明記しない限り、全ての反応、反応条件、略語および記号は、有機化学の当業者によく知られている意味を有する。
【0030】
式(I)、(VII)および(XI)の化合物を調製するための一般的な合成経路を以下に示す。
【0031】
【0032】
ここで、nは0、1または2であり;Xはハロゲンであり;Yはハロゲンまたはメタンスルホネートであり;R7およびR8はアリールまたはヘテロアリールであり;R9およびR10は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する。
【0033】
本発明の化合物の合成は、ハロゲン化物IIから開始した。Ruphos Pd-G2などの触媒とCs2CO3などの塩基を用いたハロゲン化物IIと式IIIの化合物との間のバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応により、式IVの化合物が得られる(参考:Acc.Chem.Res.1998,31,805-818;Chem.Rev.2016,116,12564-12649;Topics in Current Chemistry,2002,219,131-209;およびそこに引用されている参考文献)。あるいは、式IVの化合物は、DIPEA、NaHCO3およびK2CO3などの塩基の存在下、ハロゲン化物IIと式IIIの化合物との間の求核置換を介して得ることもできる。酸性条件下(例えば、HCl/EtOAcおよびTFA/DCM)での式IVの化合物のBoc脱保護によって化合物Vが得られ、これを、塩基(例えばDIPEA NaHCO3およびK2CO3)の存在下での式VIの化合物との求核置換または式VIの化合物を用いたバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応のいずれかを介して式VIIの化合物に変換し、続いて適切な脱保護を行うことができる。一方、式Vの化合物は、求核置換を介して式VIIIの化合物と反応して、式IXの化合物をもたらすことができる。式IXの化合物とアミンXとの間のバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応または求核置換、その後の適切な脱保護により、式XIの化合物を得ることができる。
【0034】
式(Ia)の化合物は、キラル出発物質を使用してスキーム1にしたがって合成することができる。
【0035】
本発明の化合物は、ジアステレオマーまたはエナンチオマーの混合物として得ることができ、これらは、当該技術分野で周知の方法、例えば、(キラル)HPLCまたはSFCによって分離することができる。
【0036】
本発明はまた、式(I)または(Ia)の化合物の調製のための方法であって、以下の工程のうちのいずれか1つを含む方法に関する。
a)式(IX)の化合物とアミン(X)との間のバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応または求核置換
【化13】
b)式(V)の化合物
【化14】
と式(VI)の化合物
【化15】
との間のバックワルド・ハートウィッグアミノ化反応または求核置換
(式中、nは0、1または2であり;Xはハロゲンであり:Yはハロゲンまたはメタンスルホネートであり、R
7およびR
8はアリールまたはヘテロアリールであり;R
9およびR
10は、これらが結合する窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成する。)
【0037】
式(Ia)の化合物は、キラル中間体を使用してスキーム1にしたがって合成することもできる。
【0038】
上記方法に従って製造された場合の式(I)または(Ia)の化合物もまた、本発明の対象である。
【0039】
適応症および治療法
本発明は、TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9アンタゴニストとして使用することができる化合物を提供し、これは、TLR7および/またはTLR8および/またはTLRによる経路活性化、ならびに全ての種類のサイトカインおよび全ての形態の自己抗体の産生によって媒介される自然免疫応答および適応免疫応答を含むがこれらに限定されない、それぞれの下流の生物学的イベントを阻害する。したがって、本発明の化合物は、形質細胞様樹状細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、単球、好中球、ケラチノサイト、上皮細胞を含むがこれらに限定されない、TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9を発現する全ての種類の細胞において、かかる受容体をブロックするのに有用である。したがって、上記化合物は、全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎の治療薬または予防薬として使用することができる。
【0040】
本発明は、処置または予防を必要とする患者における全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎の処置または予防のための方法を提供する。
【0041】
他の実施形態は、そのような処置を必要とする哺乳動物における全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎を処置または予防する方法を含み、ここで、該方法は、治療的有効量の式(I)の化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に許容される塩を前記哺乳動物に投与することを含む。
【実施例】
【0042】
本発明は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0043】
略語
本発明は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。ただし、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0044】
本明細書で使用される略語は以下の通りである。
ACN:アセトニトリル
DCM:ジクロロメタン
DCE:ジクロロエタン
DIPEAまたはDIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
EAまたはEtOAc:酢酸エチル
FA:ギ酸
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
IC50:半数阻害濃度
IPA:イソプロパノール
MS:質量分析法
prep-HPLC:分取高速液体クロマトグラフィー
prep-TLC:分取薄層クロマトグラフィー
RuPhos Pd G2:第2世代のクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)
Selectfluor:1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
TEA:トリメチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
XantPhos:4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
v/v:体積比
【0045】
一般的な実験条件
中間体および最終化合物を、次の機器のいずれか1つを用いて、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した:i)Biotage SP1システムおよびQuad12/25カートリッジモジュール、ii)ISCO combi-flashクロマトグラフィー機器。シリカゲルの銘柄および細孔径:i)KP-SIL 60A、粒径:40~60μM;ii)CAS登録番号:シリカゲル:63231-67-4、粒径:47~60ミクロンシリカゲル;iii)青島海陽化学のZCX、細孔:200~300または300~400。
【0046】
中間体および最終化合物を、XBridge商標Prep-C18(5μm、OBD商標30×100mm)カラム、SunFire商標Prep-C18(5μm、OBD商標30×100mm)カラム、Phenomenex Synergi-C18(10μm、25×150mm)またはPhenomenex Gemini-C18(10μm、25×150mm)、Waters AutoP精製システム(サンプルマネージャ2767、ポンプ2525、検出器:Micromass ZQおよびUV2487、溶媒系:アセトニトリルおよび0.1%水酸化アンモニウム水溶液;アセトニトリルおよび0.1%FA水溶液またはアセトニトリルおよび0.1%TFA水溶液)またはGilson-281精製システム(ポンプ322、検出器:UV156、溶媒系:アセトニトリルおよび0.05%水酸化アンモニウム水溶液;アセトニトリルおよび0.225%FA水溶液;アセトニトリルおよび0.05%HCl水溶液;アセトニトリルおよび0.075%TFA水溶液;またはアセトニトリルおよび水)を使用して、逆相カラムでの分取HPLCにより精製した。
【0047】
SFCキラル分離について、中間体を、キラルカラム(Daicel chiralpak IC、5μm、30×250mm)、AS(10μm、30×250mm)またはAD(10μm、30×250mm)によって、Mettler Toledo Multigram IIIシステムSFC、Waters 80Q分取SFCまたはThar80分取SFC、溶媒システム:CO2およびIPA(0.5%TEA/IPA)またはCO2およびMeOH(0.1%NH3・H2O/MeOH)、背圧100bar、254または220nmの検出紫外線を用いて分離した。
【0048】
化合物のLC/MSスペクトルを、LC/MS(Waters商標Alliance 2795-Micromass ZQ、Shimadzu Alliance 2020-Micromass ZQ、またはAgilent Alliance 6110-Micromass ZQ)を用いて得た。LC/MS条件は以下の通りであった(実行時間3分または1.5分)。
酸性条件I:A:0.1%TFA/H2O; B:0.1%TFA/アセトニトリル;
酸性条件II:A:H2O中0.0375%TFA; B:アセトニトリル中0.01875%TFA;
塩基性条件I:A:H2O中0.1%NH3・H2O; B:アセトニトリル;
塩基性条件II:A:H2O中0.025%NH3・H2O; B:アセトニトリル;
中性条件:A:H2O;B:アセトニトリル
【0049】
マススペクトル(mass spectra:MS):一般的には親核の質量(parent mass)を示すイオンのみが報告され、特に明記しない限り、引用された質量イオン(mass ion)は正の質量イオン(positive mass ion)(MH)+である。
【0050】
NMRスペクトルは、Bruker Avance 400MHzを使用して取得した。
【0051】
マイクロ波支援反応は、Biotage Initiator Sixtyマイクロ波合成装置で行った。空気に敏感な試薬を必要とする全ての反応は、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行われた。試薬は、特に明記しない限り、市販のものをそのまま使用し、さらに精製することなく使用した。
【0052】
調製実施例
以下の実施例は、本発明の意味を説明することを意図しているが、決して本発明の意味の範囲内での限定を表すものではない。
【0053】
中間体A1
5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル
【化16】
【0054】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化17】
【0055】
工程(a):8-ブロモ-5-フルオロ-キノリン(化合物A1.2)の調製
100mLナシ型フラスコに、2-ブロモ-5-フルオロアニリン(化合物A1.1、2.0g、10.5mmol)、プロパン-1,2,3-トリオール(969mg、10.5mmol)および3-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(2.4g、10.5mmol)を70%H2SO4(20mL)と合わせて暗褐色の溶液を得、これを150℃まで加熱して3時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム溶液で中和した。その得られた混合物をフィルターにかけた。ろ過ケーキをEtOAcに溶解し、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中0%~30%EtOAc)により粗物質を精製し、化合物A1.2(2.0g、収率84%)を得た。MS:計算値226および228[(M+H)+]、実測値226および228[(M+H)+]。
【0056】
工程(b):5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(中間体A1)の調製
8-ブロモ-5-フルオロキノリン(化合物A1.2、4.9g、21.7mmol)のDMF(30mL)溶液に、ジシアノ亜鉛(5.0g、43.4mmol)およびRuPhos Pd G2(CAS:1375325-68-0、Sigma-Aldrich、カタログ:753246、842mg、1.1mmol)を加えた。反応混合物を100℃で3時間撹拌し、それから室温に冷却した。反応混合物をろ過し、ろ液を水(50mL)で希釈し、次にEA(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中0%~70%EtOAc)で精製して、化合物A1を得た(3.0g、収率80%)。MS:計算値173[(M+H)+]、実測値173[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 9.11 (dd, J = 4.28, 1.71 Hz, 1 H), 8.64 (dd, J = 8.56, 1.71 Hz, 1 H), 8.29 (dd, J = 8.19, 5.62 Hz, 1 H), 7.76 (dd, J = 8.56, 4.28 Hz, 1 H), 7.49 (dd, J = 9.35, 8.25 Hz, 1 H).
【0057】
中間体A2
4-クロロ-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン
【化18】
【0058】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化19】
【0059】
工程(a):2-(メチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(化合物A2.2)の調製
2-クロロニコチン酸(化合物A2.1、1.0kg、6.3mmol)を33%モノメチルアミン(386.3mol)のエタノール溶液に溶解した。反応混合物を80℃で80時間オートクレーブ中で撹拌した後、減圧濃縮して化合物A2.2(1.4kg、クルード)を得た。MS:計算値153[(M+H)+]、実測値153[(M+H)+]。
【0060】
工程(b):(1-メチル-2-オキソ-1,8-ナフチリジン-4-イル)アセテート(化合物A2.3)の調製
2-(メチルアミノ)ピリジン-3-カルボン酸(化合物A2.2、1.4kg、クルード)の無水酢酸(10.0L、105789mmol)および酢酸(5.0L)溶液を2時間加熱し、還流させた。反応混合物を減圧濃縮して化合物A2.3(1.8kg、クルード)を得た。MS:計算値219[(M+H)+]、実測値219[(M+H)+]。
【0061】
工程(c):4-ヒドロキシ-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン(化合物A2.4)の調製
(1-メチル-2-オキソ-1,8-ナフチリジン-4-イル)アセテート(化合物A2.3、1.8kg、クルード)のメタノール(12.0L)溶液に、炭酸カリウム(1.9kg、13.75mol)の水(3.6L)溶液を加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、MeOHを除去した。残留物をHCl溶液(6N)でpH4~5まで酸性化し、EA(1500mL)で3回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(1500mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧濃縮して、化合物A2.4(450g、収率40.2%)を得た。MS:計算値177[(M+H)+]、実測値177[(M+H)+];1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.68 (s, 1H), 8.63 (dd, J = 4.60, 1.80 Hz, 1H), 8.22 (dd, J= 7.80, 1.80 Hz, 1H), 7.27 (dd, J= 7.80, 4.60 Hz, 1H), 5.93 (s, 1H), 3.59 (s, 3H)
【0062】
工程(d):4-クロロ-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン(中間体A2)の調製
4-ヒドロキシ-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン(化合物A2.4、150g、0.85mol)のオキシ塩化リン(300mL)溶液を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮してオキシ塩化リンを除去した。室温で飽和NaHCO3水溶液を加えて残留物をpH7~8まで中和し、混合物をDCM(1000mL)で2回抽出した。合わせた有機層を飽和ブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1:0~7:1)で精製して、中間体A2(39g、収率24%)を得た。MS:計算値195[(M+H)+]、実測値195[(M+H)+];1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.75 (dd, J = 4.60, 1.60 Hz, 1H), 8.32 (dd, J = 7.90, 1.70 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.00, 4.60 Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.66 (s, 3H).
【0063】
中間体A3
4-フルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル
【化20】
【0064】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化21】
【0065】
工程(a):アミノ2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート(化合物A3.2)の調製
エチル (1E)-N-(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニルオキシエタニミデート(化合物A3.1、CAS:38202-27-6、Bide Pharmatech、カタログ:BD129455、200g、700mmol)の1,4-ジオキサン(500mL)溶液に過塩素酸(110mL)を30分で滴下し、0℃で1時間撹拌した。1000mLの氷水を加え、混合物をろ過した。ろ過ケーキを1.5LのEtOAcに溶解した後、30分間撹拌した。有機層を濃縮して(温度を25℃未満に保つ)、粗生成物を得た。粗生成物を再結晶化して(石油/EtOAc=10/1)、化合物A3.2(110g、収率73%)を得た。MS:計算値216[(M+H)+]、実測値216[(M+H)+]。
【0066】
工程2:2-ブロモ-5-フルオロ-ピリジン-1-イウム-1-アミン;2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート(化合物A3.3)の調製
アミノ2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート(化合物A3.2、110g、511mmol)および2-ブロモ-5-フルオロピリジン(60g、341mmol)のDCM(1800mL)溶液を10℃で18時間撹拌した。混合物を濃縮し、残留物をEtOAc中で再結晶化して化合物A3.3(90g、92%収率)を得た。MS:計算値191[(M+H)+]、実測値191[(M+H)+]。
【0067】
工程(c):エチル 7-ブロモ-4-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート(化合物A3.4)の調製
2-ブロモ-5-フルオロ-ピリジン-1-イウム-1-アミン;2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート(化合物A3.3、90g、230mmol)、K2CO3(64g、460mmol)およびエチルプロピオレート(28mL、276mmol)のDMF(1300mL)溶液を10℃で18時間撹拌した。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をクロマトグラフィーカラムで精製し、化合物A3.4(11g、収率16.7%)を得た。MS:計算値287[(M+H)+]、実測値287[(M+H)+]。
【0068】
工程(d):7-ブロモ-4-フルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン(化合物A3.5)の調製
エチル 7-ブロモ-4-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシレート(化合物A3.4、8.0g、26.7mmol)を含む酢酸(48mL)と水(48mL)の混合物に濃HCl(36mL、432mmol)を加えた。この混合物を100℃で18時間撹拌した。この混合物を水(200mL)で希釈し、pH8になるように水酸化ナトリウム水溶液で塩基性に変化させ、EA(200mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧濃縮して、化合物A3.5(5g、収率86.9%)を得、これを次の工程でそのまま使用した。
MS:計算値215[(M+H)+]、実測値215[(M+H)+]。
【0069】
工程(e):4-フルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル(中間体A3)の調製
7-ブロモ-4-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(化合物A3.5、1000mg、4.6mmol)、シアン化亜鉛(880mg、7.5mmol)、亜鉛(31mg、0.5mmol)、XantPhos(1076mg、1.8mmol)およびPd(OAc)2(209mg、0.9mmol)を含むDMA(10mL)の混合物を脱気し、Arで3回パージし、その後該混合物をAr雰囲気下120℃で1時間撹拌した。この混合物をEA(150mL)で希釈し、ろ過し、ろ液を水(50mL)、ブライン(50mL)で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE:EA=3:1)で精製し、中間体A3(600mg、収率68%)を得た。MS:計算値162[(M+H)+]、実測値162[(M+H)+]。
【0070】
中間体A4
3,4-ジフルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル
【化22】
【0071】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化23】
【0072】
工程(a):7-ブロモ-4-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸(化合物A4.1)の調製
エチル 7-ブロモ-4-フルオロ-ピラゾロ[1、5-a]ピリジン-3-カルボキシレート(化合物A3.4、5.2g、18.1mmol)、NaOH(2.1g、54.3mmol)を含むEtOH(90.0mL)と水(70.0mL)の混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮した後、水で希釈した。1NのHClでpHを4に調整した後、灰色の固体を沈殿させ、これをろ過により回収して、化合物A4.1(4.0g、収率85.6%)を得た。MS:計算値259[(M+H)+]、実測値259[(M+H)+]。
【0073】
工程(b):7-ブロモ-3,4-ジフルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(化合物A4.2)の調製
7-ブロモ-4-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボン酸(化合物A4.1、4.0g、15.4mmol)およびKF(3.6g、61.8mmol)をDCE(60.0mL)および水(50.0mL)に溶かした液に、Selectfluor(10.9g、30.9mmol)を加えた。反応物を70℃で18時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮して、粗化合物A4.2(2.8g、収率78%)を得た。MS:計算値233[(M+H)+]、実測値233[(M+H)+]。
【0074】
工程(c):3,4-ジフルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル(中間体A4)の調製
7-ブロモ-3,4-ジフルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン(化合物A4.2、2.8g、12.0mmol)およびシアン化亜鉛(5.6g、48.0mmol)のDMF(70.0mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4g、1.2mmol)を加えた。反応混合物を、N2雰囲気下120℃で18時間撹拌した。その混合物を水でクエンチし、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体A4(810mg、収率37.7%)を得た。MS:計算値180[(M+H)+]、実測値180[(M+H)+]。1H NMR (400MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 8.00 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 4.7, 8.0 Hz, 1H), 6.83 (t, J = 8.4 Hz, 1H).
【0075】
中間体B
tert-ブチル(4R,10aS)-4-メチル-2,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート
【化24】
【0076】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化25】
【0077】
工程(a):tert-ブチルN-[(1R)-2-(ベンジルアミノ)-1-メチル-エチル]カルバメート(化合物B2)の調製
tert-ブチル(R)-(1-アミノプロパン-2-イル)カルバメート(4.95g、28.40mmol)、ベンズアルデヒド(2.86g、27mmol)とDCE(80mL)の混合物を室温で30分間撹拌した。次に、NaBH(OAc)3(12.0g、56.80mmol)を混合物に加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した後、水(100mL)でクエンチし、DCM(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、DCM中0%~30%EtOAc)で精製し、化合物B2(5.10g、収率68%)を得た。MS:計算値265[(M+H)+]、実測値265[(M+H)+]。
【0078】
工程(b):メチル(E)-4-[ベンジル-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]アミノ]ブタ-2-エノエート(化合物B3)の調製
tert-ブチル N-[(1R)-2-(ベンジルアミノ)-1-メチル-エチル]カルバメート(化合物B2、5.10g、19.30mmol)のアセトン(150mL)溶液に、メチル (E)-4-ブロモブタ-2-エノエート(3.45g、19.3mmol)およびK2CO3(5.33g、38.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で20時間撹拌し、次いでセライトを通してろ過し、ろ液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、PE中0%~30%EtOAc)で精製し、化合物B3(4.20g、収率60%)を得た。MS:計算値363[(M+H)+]、実測値363[(M+H)+]。
【0079】
工程(c):メチル 2-[(6R)-4-ベンジル-6-メチル-ピペラジン-2-イル]アセテート(化合物B4)の調製
メチル (E)-4-[ベンジル-[(2R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]アミノ]だが-2-エノエート(化合物B3、4.20g、11.60mmol)とHCl/MeOH(1N、70mL、70mmol)の混合物を2時間還流で加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を飽和K2CO3,水溶液で中和し、DCM(80mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、DCM中0%~20%MeOH)で精製し、化合物B4(2.40g、収率79%)を得た。MS:計算値263[(M+H)+]、実測値263[(M+H)+]。
【0080】
工程(d):メチル 2-[(6R)-4-ベンジル-1-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセチル]-6-メチル-ピペラジン-2-イル]アセテート(化合物B5)の調製
(tert-ブトキシカルボニル)グリシン(3.50g、20.0mmol)のDMF(40mL)溶液に、メチル 2-[(6R)-4-ベンジル-6-メチル-ピペラジン-2-イル]アセテート(化合物B4、5.24g、20.0mmol)、DIEA(7.74g、60.0mmol)およびHATU(7.60g、20.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、DCM(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、120g、PE中0%~60%EtOAc)で精製し、化合物B5(7.2g、収率85.9%)を得た。MS:計算値420[(M+H)+]、実測値420[(M+H)+]。
【0081】
工程(e):(4R)-2-ベンジル-4-メチル-3,4,7,8,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-6,9-ジオン(化合物B6)の調製
メチル 2-[(6R)-4-ベンジル-1-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-アセチル]-6-メチル-ピペラジン-2-イル]アセテート(化合物B5、5.0g、11.9mmol)とHCl/MeOH(MeOH中7%HCl、80mL)の混合物を2時間還流で撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をMeOH(100mL)で希釈した後、ナトリウムメトキシド(3.22g、59.60mmol)を加えた。得られた混合物を還流で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応物を水(300mL)でクエンチし、EA(100mL)で3回抽出した。合わせた有機層ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物B6(2.30g、収率67.3%)を得た。MS:計算値288[(M+H)+]、実測値288[(M+H)+]。
【0082】
工程(f):(4R,10aR)-2-ベンジル-4-メチル-3,4,7,8,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-6,9-ジオン(化合物B7a)および(4R,10aS)-2-ベンジル-4-メチル-3,4,7,8,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-6,9-ジオン(化合物B7b)
化合物B7a(2.30g)をOJ(5μm、250×30mm)カラムに25%メタノール/CO2を用いてSFCで分離し、2つの単一異性体:化合物B7a(速い溶出、0.63g、収率27.4%)および化合物B7b(遅い溶出、1.56g、収率67.8%)を得た。立体化学はNOESYによって確認された。
【0083】
化合物B7a:MS:計算値288(M+H)+、実測値288(M+H)+;1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 7.05-7.55 (m, 5H), 4.82 (ddd, J = 1.71, 4.03, 6.85 Hz, 1H), 4.04 (s, 2H), 3.91-4.01 (m, 1H), 3.54-3.64 (m, 1H), 3.43-3.49 (m, 1H), 2.95 (dd, J = 4.40, 14.43 Hz, 1H), 2.87 (td, J = 2.17, 11.19 Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 7.76, 14.49 Hz, 1H), 2.72 (td, J = 1.71, 11.49 Hz, 1H), 2.14 (dd, J = 3.91, 11.49 Hz, 1H), 2.04 (t, J = 11.07 Hz, 1H), 1.32 (d, J = 6.85 Hz, 3H).
【0084】
化合物B7b:MS:計算値288(M+H)+、実測値288(M+H)+; 1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 7.38-7.42 (m, 2H), 7.32-7.39 (m, 2H), 7.05-7.71 (m, 1H), 4.58 (d, J = 14.79 Hz, 1H), 4.45 (td, J = 3.81, 13.54 Hz, 1H), 4.30-4.39 (m, 1H), 3.52-3.65 (m, 2H), 3.46 (d, J = 14.92 Hz, 1H), 3.10 (dd, J = 13.45, 18.46 Hz, 1H), 2.75-2.82 (m,1H), 2.77 (s, 1H), 2.53 (dd, J = 2.87, 18.40 Hz, 1H), 2.39 (dd, J = 5.26, 12.10 Hz, 1H), 2.27 (dd, J = 4.46, 11.55 Hz, 1H), 1.27 (d, J = 6.72Hz, 3H).
【0085】
工程(g):tert-ブチル(4R,10aS)-2-ベンジル-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート(化合物B8)の調製
(4R,10aS)-2-ベンジル-4-メチル-3,4,7,8,10,10a-ヘキサヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-6,9-ジオン(化合物B7b、1.56g、5.43mmol)とBH3溶液(THF中1M、40mL、40mmol)の混合物を80℃で20時間攪拌しながら加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、次いでHCl溶液(2N、10mL)を同じ温度で反応混合物にゆっくりと加えた。得られた混合物を還流で3時間撹拌し、次いで混合物を冷却して室温に戻した。有機溶媒を減圧下で除去した後、残留物をDCM(100mL)で希釈した。Boc無水物(1.77g、8.12mmol)およびTEA(2.74g、27.1mmol)をそれぞれ加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を水(50mL)でクエンチし、DCM(50mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、DCM中20%~30%EtOAc)で精製し、化合物B8(1.8g、収率92.4%)を得た。MS:計算値360[(M+H)+]、実測値360[(M+H)+]。
【0086】
工程(h):tert-ブチル(4R,10aS)-4-メチル-2,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート(中間体B)の調製
tert-ブチル(4R,10aS)-2-ベンジル-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート(化合物B8、1.8g、5.01mmol)とPd-C(100mg)を含むMeOH(100mL)の混合物を水素バルーンにより室温で5時間水素化した。触媒をろ別した後、ろ液を減圧濃縮して中間体B(1.2g、収率89%)を得、これをさらに精製せずに次の工程でそのまま使用した。MS:計算値270[(M+H)+]、実測値270[(M+H)+]。
【0087】
中間体C1
5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド
【化26】
【0088】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化27】
【0089】
工程(a):tert-ブチル(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート(化合物C1.1)の調製
tert-ブチル(4R,10aS)-4-メチル-2,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート(中間体B、1.20g、4.45mmol)のDMSO(20mL)溶液に、5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(中間体A1、0.77g、4.45mmol)とDIEA(0.58g、4.45mmol)を加えた。得られた混合物を120℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応物を水(100mL)でクエンチし、EA(90mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中0%~100%EtOAc)で精製し、化合物C1.1(1.41g、収率75.1%)を得た。MS:計算値422[(M+H)+]、実測値422[(M+H)+]。
【0090】
工程(b):5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1)の調製
tert-ブチル(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-カルボキシレート(化合物C1.1、1.41g、3.34mmol)のDCM(30mL)溶液に、0℃でHCl/ジオキサン(4N、8mL)を滴下した。添加後、混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、反応混合物を濃縮した。残留物を純水(20mL)に溶かし、凍結乾燥させて中間体C1(1.44g、収率100%)を得た。MS:計算値322[(M+H)+]、実測値322[(M+H)+]。
【0091】
中間体C2
4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン;トリヒドロクロリド
【化28】
【0092】
4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン;トリヒドロクロリド(中間体C2)を、工程(a)で5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(中間体A1)を4-クロロ-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン(中間体A2)に、CsFをDIEAに置き換えることにより、中間体C1と同様に調製した。MS:計算値328[(M+H)+]、実測値328[(M+H)+]。
【0093】
中間体C3
4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド
【化29】
【0094】
4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C3)を、工程(a)で5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(中間体A1)を4-フルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル(中間体A3)に置き換えることにより、中間体C1と同様に調製した。MS:計算値311[(M+H)+]、実測値311[(M+H)+]。
【0095】
中間体C4
4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-3-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド
【化30】
【0096】
4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-3-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C4)を、工程(a)で5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(中間体A1)を3,4-ジフルオロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル(中間体A4)に置き換えることにより、中間体C1と同様に調製した。MS:計算値329[(M+H)+]、実測値329[(M+H)+]。
【0097】
実施例1
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1,3,4,6,7,9,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化31】
【0098】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化32】
【0099】
工程(a):tert-ブチル 4-[5-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1.1)の調製
5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1、70mg、162μmol)のトルエン(5mL)溶液に、tert-ブチル 4-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:153747-97-8、BePharm、カタログ:BD94595、55.6mg、162μmol)、tBuONa(78.1mg、812μmol)およびRuPhos Pd G2(CAS:1375325-68-0、ALDRICH、カタログ:753246、12.6mg、16.2μmol)を加えた。得られた混合物を100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を水(20mL)で希釈し、EA(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、20g、PE中0%~100%EtOAc)で精製し、化合物1.1(38mg、収率40.1%)を得た。MS:計算値583[(M+H)+]、実測値583[(M+H)+]。
【0100】
工程(b):5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)-1,3,4,6,7,9,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリルの調製(実施例1)
tert-ブチル 4-[5-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1.1、38mg、65.2μmol)のDCM(2mL)溶液に、TFA(1mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、濃縮して粗生成物を得、これをpre-HPLCで精製して、実施例1(9.4mg、収率30.3%)を得た。MS:計算値483[(M+H)+]、実測値483[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 9.07 - 8.97 (m, 1H), 8.76 - 8.62 (m, 1H), 8.19 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.75 - 7.62 (m, 1H), 7.40 - 7.28 (m, 2H), 6.95 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.14 - 4.02 (m, 1H), 3.89 - 3.52 (m, 12H), 3.40 - 3.34 (m, 5H), 3.23 - 3.09 (m, 2H), 2.37 - 2.24 (m, 1H), 2.20 (br s, 1H), 1.53 (d, J= 6.5 Hz, 3H).
【0101】
実施例2
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)-1,3,4,6,7,9,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化33】
【0102】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 4-(5-ブロモピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 4-(5-ブロモピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:374930-88-8、BePharm、カタログ:BD28540)を用いることにより、実施例1の調製と同様に調製された。実施例2を得た。MS:計算値484[(M+H)+]、実測値484[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.11 - 9.02 (m, 1H), 8.75 - 8.66 (m, 1H), 8.32 - 8.20 (m, 3H), 7.76 - 7.60 (m, 1H), 7.39 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.22 - 4.09 (m, 1H), 4.08 - 3.84 (m, 6H), 3.84 - 3.65 (m, 4H), 3.61 - 3.44 (m, 4H), 3.31 - 3.26 (m, 3H), 3.25 - 3.09 (m, 2H), 2.45 - 2.13 (m, 2H), 1.58 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
【0103】
実施例3
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[4-[(2S)-モルホリン-2-イル]フェニル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化34】
【0104】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 4-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル (2S)-2-(4-ブロモフェニル)モルホリン-4-カルボキシレートを用いることにより、実施例1の調製と同様に調製された。実施例3を得た。MS:計算値483[(M+H)+]、実測値483[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.08 - 8.99 (m, 1H), 8.75 - 8.64 (m, 1H), 8.22 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.73 - 7.63 (m, 1H), 7.38 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 4.72 - 4.61 (m, 1H), 4.27 - 4.13 (m, 2H), 4.04 - 3.59 (m, 9H), 3.54 - 3.45 (m, 1H), 3.42 - 3.35 (m, 2H), 3.29 - 3.07 (m, 4H), 2.39 - 2.08 (m, 2H), 1.57 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0105】
実施例4
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-4-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化35】
【0106】
標題の化合物は、工程(a)で、tert-ブチル 4-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 5-ブロモ-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(CAS:1251012-16-4)を用いることにより、実施例1の調製と同様に調製された。実施例4を得た。MS:計算値454[(M+H)+]、実測値454[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.09 - 9.00 (m, 1H), 8.79 - 8.69 (m, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.23 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.79 - 7.66 (m, 1H), 7.41 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.55 (s, 2H), 4.17 (br s, 2H), 4.04 - 3.84 (m, 2H), 3.79 - 3.53 (m, 7H), 3.48 - 3.40 (m, 1H), 3.31 - 3.18 (m, 4H), 2.49 - 2.34 (m, 1H), 2.28 - 2.12 (m, 1H), 1.59 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
【0107】
実施例5
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン-2-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化36】
【0108】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 4-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 2-クロロ-6,8-ジヒドロ-5H-1,7-ナフチリジン-7-カルボキシレート(CAS:1211581-54-2、PharmaBlock、カタログ:PBLJ8189)を用いることにより、実施例1の調製と同様に調製された。実施例5を得た。MS:計算値454[(M+H)+]、実測値454[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.04 - 8.98 (m, 1H), 8.70 - 8.62 (m, 1H), 8.19 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.74 - 7.61 (m, 1H), 7.47 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 4.57 - 4.45 (m, 1H), 4.24 (s, 2H), 4.11 - 3.99 (m, 1H), 3.88 - 3.56 (m, 7H), 3.54 - 3.44 (m, 2H), 3.25 (br t, J = 12.0 Hz, 1H), 3.20 - 3.07 (m, 2H), 3.01 (t, J= 6.1 Hz, 2H), 2.40 - 2.25 (m, 1H), 2.20 - 2.08 (m, 1H), 1.51 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0109】
実施例6
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化37】
【0110】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 4-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシレート(CAS:1151665-15-4、PharmaBlock、カタログ:PB06675)を用いることにより、実施例1の調製と同様に調製された。実施例6を得た。MS:計算値454[(M+H)+]、実測値454[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.04 - 8.92 (m, 1H), 8.80 - 8.70 (m, 1H), 8.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.81 (d, J= 9.4 Hz, 1H), 7.74 - 7.64 (m, 1H), 7.34 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.24 (d, J= 9.7 Hz, 1H), 4.26 (s, 2H), 4.23 - 4.01 (m, 4H), 3.99 - 3.78 (m, 3H), 3.71 - 3.46 (m, 5H), 3.30 - 3.23 (m, 4H), 2.63 - 2.47 (m, 1H), 2.27 - 2.10 (m, 1H), 1.54 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
【0111】
実施例7
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化38】
【0112】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 4-(5-ブロモピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 6-クロロ-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレートを用いることにより、実施例1の調製と同様に調製された。実施例7を得た。MS:計算値454[(M+H)+]、実測値454[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.06 - 8.98 (m, 1H), 8.73 - 8.61 (m, 1H), 8.19 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.80 - 7.62 (m, 1H), 7.35 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.62 (s, 1H), 4.55 - 4.45 (m, 1H), 4.32 (s, 2H), 4.15 - 4.03 (m, 1H), 3.86 - 3.66 (m, 6H), 3.64 - 3.57 (m, 1H), 3.51 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.31 - 3.25 (m, 1H), 3.22 - 3.01 (m, 4H), 2.42 - 2.26 (m, 1H), 2.22 - 2.09 (m, 1H), 1.52 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
【0113】
実施例8
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化39】
【0114】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化40】
【0115】
工程(a):tert-ブチル 6-(メチルスルホニルオキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(化合物8.2)の調製
tert-ブチル 6-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(化合物8.1、40mg、151μmol)およびDIEA(58.7mg、454μmol)のDCM(5mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(19.1mg、166μmol)を滴加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物をNaHCO3水溶液でクエンチし、DCM(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して化合物8.2(52mg、収率100%)を得、これをさらに精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS:計算値343[(M+H)+]、実測値343[(M+H)+]。
【0116】
工程(b):tert-ブチル 6-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(化合物8.3)
5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1、80mg、186μmol)のアセトニトリル(10mL)溶液にtert-ブチル 6-(メチルスルホニルオキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(化合物8.2、52mg、152μmol)およびDIEA(98.1mg、759μmol)を加えた。得られた混合物を還流で5時間撹拌し、次に濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物8.3(49mg、収率56.8%)を得た。MS:計算値568[(M+H)+]、実測値568[(M+H)+]。
【0117】
工程(c):5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例8)の調製
tert-ブチル 6-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(化合物8.3、50mg、88.1μmol)のDCM(10mL)溶液に、TFA(3mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、濃縮して粗生成物を得、これをpre-HPLCで精製して、実施例8(18mg、収率43.7%)を得た。MS:計算値468[(M+H)+]、実測値468[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.01 - 8.97 (m, 1H), 8.67 - 8.59 (m, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.16 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.74 - 7.61 (m, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 4.03 (br s, 2H), 3.45 - 3.36 (m, 3H), 3.29 - 3.24 (m, 1H), 3.19 - 2.97 (m, 8H), 2.92 - 2.70 (m, 4H), 2.14 - 1.99 (m, 1H), 1.90 - 1.78 (m, 1H), 1.22 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0118】
実施例9
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化41】
【0119】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 6-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 7-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,6-ナフチリジン-2-カルボキシレートを用いることにより、実施例8の調製と同様に調製された。実施例9を得た。MS:計算値468[(M+H)+]、実測値468[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.06 - 8.98 (m, 1H), 8.69 - 8.64 (m, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.19 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.72 - 7.65 (m, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.32 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 6.6 Hz, 4H), 3.82 - 3.74 (m, 1H), 3.67 - 3.48 (m, 10H), 3.41 - 3.35 (m, 1H), 3.21 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.13 - 3.06 (m, 1H), 3.03 - 2.94 (m, 1H), 2.31 - 2.11 (m, 2H), 1.39 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0120】
実施例10
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-3-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化42】
【0121】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 6-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 3-(ヒドロキシメチル)-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシレートを用いることにより、実施例8の調製と同様に調製された。実施例10を得た。MS:計算値468[(M+H)+]、実測値468[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.07 - 8.98 (m, 1H), 8.72 - 8.60 (m, 2H), 8.19 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.95 (d, J= 1.7 Hz, 1H), 7.72 - 7.62 (m, 1H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.35 (s, 2H), 3.97 - 3.75 (m, 2H), 3.73 - 3.40 (m, 10H), 3.32 - 3.25 (m, 2H), 3.19 - 3.00 (m, 2H), 2.29 - 2.16 (m, 2H), 1.43 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0122】
実施例11
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化43】
【0123】
標題の化合物は、工程(b)でtert-ブチル 6-(メチルスルホニルオキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレート(化合物8.2)の代わりにtert-ブチル 6-(ブロモメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレートを用いることにより、実施例8の調製と同様に調製された。実施例11を得た。MS:計算値467[(M+H)+]、実測値467[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.05 - 8.95 (m, 1H), 8.67 - 8.57 (m, 1H), 8.15 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.72 - 7.60 (m, 1H), 7.51 - 7.42 (m, 2H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.33 (s, 2H), 3.61 - 3.48 (m, 3H), 3.47 - 3.35 (m, 5H), 3.30 - 3.08 (m, 5H), 3.00 - 2.81 (m, 2H), 2.74 (t, J = 11.2 Hz, 1H), 2.30 - 2.14 (m, 1H), 2.00 - 1.86 (m, 1H), 1.23 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0124】
実施例12
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化44】
【0125】
標題の化合物は、工程(a)でtert-ブチル 6-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル 7-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレートを用いることにより、実施例8の調製と同様に調製された。実施例12を得た。MS:計算値467[(M+H)+]、実測値467[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.04 - 8.96 (m, 1H), 8.67 - 8.59 (m, 1H), 8.15 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.67 - 7.58 (m, 1H), 7.52 - 7.45 (m, 1H), 7.42 - 7.35 (m, 2H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.34 (s, 2H), 3.55 (t, J = 6.4 Hz, 3H), 3.46 - 3.35 (m, 5H), 3.28 - 3.10 (m, 5H), 2.99 - 2.85 (m, 2H), 2.74 (t, J = 11.2 Hz, 1H), 2.33 - 2.15 (m, 1H), 2.04 - 1.86 (m, 1H), 1.23 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0126】
実施例13
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化45】
【0127】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化46】
【0128】
工程(a):5-[(4R,10aS)-8-[(5-ブロモピリミジン-2-イル)メチル]-4-メチル1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物13.1)の調製
5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1、90mg、209μmol)のアセトニトリル(8mL)溶液に、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリミジン(CAS:1193116-74-3、BePharm、カタログ:BD266661、105mg、418μmol)およびDIPEA(135mg、1.04mmol)を加えた。混合物を還流で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、化合物13.1(32mg、収率31.1%)を得た。MS:計算値492,494[(M+H)+]、実測値492,494[(M+H)+]。
【0129】
工程(b):tert-ブチル 4-[2-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]ピリミジン-5-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物13.2)の調製
5-[(4R,10aS)-8-[(5-ブロモピリミジン-2-イル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物13.1、30mg、60.9μmol)のトルエン(5ml)溶液に、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(22.7mg、122μmol)、tBuONa(11.7mg、122μmol)およびRuPhos Pd G2(4.73mg、6.09μmol)を加えた。反応混合物を100oCで一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、EA(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル20g、PE中0%~100%EtOAc)で精製し、化合物13.2(20mg、収率54.9%)を得た。MS:計算値598[(M+H)+]、実測値598[(M+H)+]。
【0130】
工程(c):5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例13)の製造
tert-ブチル 4-[2-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]ピリミジン-5-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物13.2、20mg、33.5μmol)のDCM(5mL)溶液に、TFA(2mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、濃縮して粗生成物を得、これをpre-HPLCで精製して、実施例13(11mg、収率66.0%)を得た。MS:計算値498[(M+H)+]、実測値498[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.11 - 8.94 (m, 1H), 8.72 - 8.60 (m, 3H), 8.16 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.77 - 7.61 (m, 1H), 7.26 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.65 - 3.36 (m, 15H), 3.30 - 3.09 (m, 2H), 3.06 - 2.96 (m, 1H), 2.95 - 2.85 (m, 1H), 2.84 - 2.71 (m, 1H), 2.22 (br d, J= 7.2 Hz, 1H), 1.98 (br d, J = 7.5 Hz, 1H), 1.27 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0131】
実施例14
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化47】
【0132】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化48】
【0133】
工程(a):5-[(4R,10aS)-8-[(2-クロロピリミジン-5-イル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物14.1)の調製
5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1、90mg、209μmol)のアセトニトリル(8mL)溶液に、2-クロロ-5-(クロロメチル)ピリミジン(CAS:148406-13-7、BePharm、カタログ:BD223762、68.1mg、418μmol)およびDIEA(135mg、1.04mmol)を加えた。この混合物を還流で2時間撹拌した後、濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、化合物14.1(25mg、収率)26.7%)を得た。MS:計算値448,450[(M+H)+]、実測値448,450[(M+H)+]。
【0134】
工程(b):tert-ブチル 4-[5-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物14.2)の調製
10mLマイクロ波バイアルに、5-[(4R,10aS)-8-[(2-クロロピリミジン-5-イル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物14.1、20mg、44.6μmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(16.6mg、89.3μmol)およびDIEA(5.77mg、7.8μl、44.6μmol)を含むアセトニトリル(2ml)を加える。バイアルに蓋をし、120℃のマイクロ波で8時間加熱した。混合物を濃縮して化合物14.2(26.7mg、収率100%)を得、これを次の工程でそのまま使用した。598[(M+H)+]、実測値598[(M+H)+]。
【0135】
工程(c):5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(2-ピペラジン-1-イルピリミジン-5-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例14)の製造
tert-ブチル 4-[5-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]ピリミジン-2-イル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物14.2、20mg、33.5μmol)のDCM(6mL)溶液に、TFA(2mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、濃縮して粗生成物を得、これをpre-HPLCで精製して、実施例14(15mg、収率90.1%)を得た。MS:計算値498[(M+H)+]、実測値498[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.05 - 8.97 (m, 1H), 8.65 - 8.60 (m, 1H), 8.55 (s, 2H), 8.16 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.68 - 7.60 (m, 1H), 7.26 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.21 (s, 2H), 4.18 - 4.11 (m, 4H), 3.52 - 3.36 (m, 6H), 3.31 - 3.13 (m, 5H), 2.99 - 2.85 (m, 2H), 2.81 - 2.71 (m, 1H), 2.30 - 2.12 (m, 1H), 2.02 - 1.84 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0136】
実施例15
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イルピラジン-2-イル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニルトリル
【化49】
【0137】
標題の化合物は、工程(a)で2-クロロ-5-(クロロメチル)ピリミジンの代わりに2-(ブロモメチル)-5-クロロピラジン(CAS:1433707-80-2、BePharm、カタログ:BD00735886)を用いることにより、実施例14の調製と同様に調製された。実施例15を得た。MS:計算値498[(M+H)+]、実測値498[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.06 - 8.98 (m, 1H), 8.70 - 8.63 (m, 1H), 8.45 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.30 (d, J= 1.3 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.73 - 7.60 (m, 1H), 7.31 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 4.45 (s, 2H), 4.05 - 3.93 (m, 4H), 3.82 - 3.42 (m, 10H), 3.41 - 3.36 (m, 4H), 3.09 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.01 - 2.92 (m, 1H), 2.31 - 2.09 (m, 2H), 1.37 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0138】
実施例16
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化50】
【0139】
標題の化合物は、工程(a)で5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリミジンの代わりに3-ブロモ-5-(ブロモメチル)ピリジン(CAS:145743-85-7、BePharm、カタログ:BD162034)を用いることにより、実施例13の調製と同様に調製された。実施例16を得た。MS:計算値497[(M+H)+]、実測値497[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.02 - 8.96 (m, 1H), 8.70 - 8.60 (m, 1H), 8.40 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.22 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.70 - 7.60 (m, 2H), 7.27 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 4.28 (s, 2H), 3.63 - 3.56 (m, 4H), 3.55 - 3.36 (m, 10H), 3.33 - 3.19 (m, 3H), 3.11 - 3.01 (m, 1H), 3.00 - 2.90 (m, 1H), 2.89 - 2.74 (m, 1H), 2.28 - 2.14 (m, 1H), 2.08 - 1.94 (m, 1H), 1.27 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0140】
実施例17
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化51】
【0141】
標題の化合物は、工程(a)で5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリミジンの代わりに2-クロロ-5-(クロロメチル)ピリジン(CAS:70258-18-3、TCI、カタログ:C1628)を用いることにより、実施例13の調製と同様に調製された。実施例17を得た。MS:計算値497[(M+H)+]、実測値497[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.04 - 8.99 (m, 1H), 8.73 - 8.61 (m, 1H), 8.33 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 7.91 - 7.78 (m, 1H), 7.73 - 7.62 (m, 1H), 7.32 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.00 - 3.89 (m, 4H), 3.84 (br d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.71 - 3.47 (m, 8H), 3.46 - 3.34 (m, 5H), 3.17 - 3.07 (m, 1H), 3.06 - 2.97 (m, 1H), 2.36 - 2.14 (m, 2H), 1.39 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0142】
実施例18
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(6-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化52】
【0143】
標題の化合物は、工程(a)で5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリミジンの代わりに2-クロロ-6-(クロロメチル)ピリジン(CAS:78846-18-3、BePharm、カタログ:BD120582)を用いることにより、実施例13の調製と同様に調製された。実施例18を得た。MS:計算値497[(M+H)+]、実測値497[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.06 - 8.93 (m, 1H), 8.68 - 8.58 (m, 1H), 8.15 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.78 - 7.68 (m, 1H), 7.68 - 7.58 (m, 1H), 7.24 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.99 - 3.86 (m, 4H), 3.72 - 3.49 (m, 3H), 3.47 - 3.34 (m, 8H), 3.19 - 3.11 (m, 1H), 3.09 - 3.01 (m, 1H), 3.00 - 2.92 (m, 1H), 2.91 - 2.81 (m, 1H), 2.77 - 2.64 (m, 1H), 2.35 - 2.17 (m, 1H), 2.05 - 1.91 (m, 1H), 1.23 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0144】
実施例19
5-[(4R,10aS)-4-メチル-8-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化53】
【0145】
標題の化合物は、工程(a)で5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリミジンの代わりに5-ブロモ-2-(クロモメチル)ピリジン(CAS:168823-76-5、BePharm、カタログ:BD223172)を用いることにより、実施例13の調製と同様に調製された。実施例19を得た。MS:計算値497[(M+H)+]、実測値497[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.14 - 8.95 (m, 1H), 8.71 - 8.62 (m, 1H), 8.48 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.19 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 7.75 - 7.59 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.31 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.65 (br s, 1H), 3.61 - 3.36 (m, 16H), 3.28 - 3.17 (m, 1H), 3.08 - 2.97 (m, 1H), 2.96 - 2.84 (m, 1H), 2.21 (br s, 1H), 2.11 (br s, 1H), 1.35 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0146】
実施例20
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4S)-3-アミノ-4-フルオロ-ピロリジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化54】
【0147】
標題の化合物は、工程(b)でtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル N-[(3R,4S)-4-フルオロピロリジン-3-イル]カルバメート(CAS:1033718-91-0、PharmaBlock、カタログ:PB09204)を用いることにより、実施例19の調製と同様に調製された。実施例20を得た。MS:計算値515[(M+H)+]、実測値515[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.04 - 8.92 (m, 1H), 8.66 - 8.58 (m, 1H), 8.15 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.10 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 7.71 - 7.59 (m, 1H), 7.45 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.25 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.19 - 7.10 (m, 1H), 5.64 - 5.43 (m, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.29 - 4.15 (m, 1H), 3.95 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 3.89 - 3.84 (m, 1H), 3.79 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 3.61 - 3.35 (m, 8H), 3.30 - 3.22 (m, 1H), 3.21 - 3.12 (m, 1H), 3.07 - 2.87 (m, 2H), 2.83 - 2.70 (m, 1H), 2.31 - 2.17 (m, 1H), 2.03 - 1.92 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0148】
実施例21
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(6R)-6-アミノ-1,4-オキサゼパン-4-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化55】
【0149】
標題の化合物は、工程(b)でtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル N-[(6R)-1,4-オキサゼパン-6-イル]カルバメート(PharmaBlock、カタログ:PB97932)を用いることにより、実施例19の調製と同様に調製された。実施例21を得た。MS:計算値527[(M+H)+]、実測値527[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.06 - 8.91 (m, 1H), 8.67 - 8.59 (m, 1H), 8.34 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.15 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 7.75 - 7.59 (m, 1H), 7.51 - 7.31 (m, 2H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.23 - 4.15 (m, 1H), 4.12 - 4.05 (m, 1H), 4.04 - 3.91 (m, 2H), 3.88 - 3.75 (m, 2H), 3.74 - 3.64 (m, 2H), 3.63 - 3.54 (m, 2H), 3.53 - 3.46 (m, 2H), 3.45 - 3.35 (m, 4H), 3.23 - 3.13 (m, 1H), 3.12 - 3.04 (m, 1H), 2.98 - 2.81 (m, 2H), 2.79 - 2.68 (m, 1H), 2.30 - 2.10 (m, 1H), 1.99 - 1.89 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0150】
実施例22
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化56】
【0151】
標題の化合物は、工程(b)でtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル N-[(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-イル]カルバメート(CAS:1932066-52-8、PharmaBlock、カタログ:PBZ4728)を用いることにより、実施例19の調製と同様に調製された。実施例22を得た。MS:計算値527[(M+H)+]、実測値527[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.01 - 8.95 (m, 1H), 8.65 - 8.59 (m, 1H), 8.15 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.11 (d, J= 2.9 Hz, 1H), 7.70 - 7.60 (m, 1H), 7.44 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.25 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.19 - 7.11 (m, 1H), 4.36 (s, 2H), 4.24 - 4.16 (m, 1H), 4.04 - 3.97 (m, 1H), 3.95 - 3.86 (m, 1H), 3.81 - 3.72 (m, 1H), 3.61 - 3.35 (m, 6H), 3.48 (s, 3H), 3.30 - 3.22 (m, 1H), 3.22 - 3.12 (m, 1H), 3.06 - 2.86 (m, 2H), 2.84 - 2.72 (m, 1H), 2.33 - 2.12 (m, 1H), 2.04 - 1.91 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.2 Hz, 3H).
【0152】
実施例23
5-[(4R,10aS)-8-[(3-フルオロ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化57】
【0153】
標題の化合物を以下のスキームに従って合成した。
【化58】
【0154】
工程(a):(5-ブロモ-3-フルオロ-2-ピリジル)メチル メタンスルホナート(化合物23.2)の調製
(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)メタノール(CAS:1206968-92-4、BePharm、カタログ:BD264415、300mg、1.46mmol)およびDIEA 565mg、4.37mmol)のDCM(40mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(183mg、1.6mmol)を滴下した。得られた混合物を室温で2時間撹拌した後、NaHCO3水溶液でクエンチし、DCM(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、ろ液を濃縮して化合物23.2(414mg、収率100%)を得、これをさらに精製することなく次の工程でそのまま使用した。MS:計算値284[(M+H)+]、実測値284[(M+H)+]。
【0155】
工程(b):5-[(4R,10aS)-8-[(5-ブロモ-3-フルオロ-2-ピリジル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物23.3)の調製
5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1、320mg、743μmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、(5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-イル)メチル メタンスルホネート(化合物23.2、414mg、1.46mmol)およびDIEA(480mg、3.71mmol)を加えた。得られた混合物を還流で5時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、化合物23.3(220mg、収率58.1%)を得た。MS:計算値509,511[(M+H)+]、実測値509,511[(M+H)+]。
【0156】
工程(c):tert-ブチル 4-[6-[[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]-5-フルオロ-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物23.4)の調製
5-[(4R,10aS)-8-[(5-ブロモ-3-フルオロ-2-ピリジル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物23.3、45mg、88.3μmol)のトルエン(8mL)溶液に、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(32.9mg、177μmol)、RuPhos Pd G2 (6.86mg、8.83μmol)およびtBuONa(17mg、177μmol)を加えた。得られた混合物を100℃で一晩撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、EA(20mL)で3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、化合物23.4(27mg、収率49.7%)を得た。615[(M+H)+]、実測値615[(M+H)+]。
【0157】
工程(d):5-[(4R,10aS)-8-[(3-フルオロ-5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例23)の調製
tert-ブチル 4-[2-[(4R,10aS)-2-(8-シアノ-5-キノリル)-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-8-イル]メチル]-5-フルオロ-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物23.4、27mg、43.9μmol)のDCM(8mL)溶液に、TFA(4mL)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、濃縮して粗生成物を得、これをpre-HPLCで精製して、実施例23(20mg、収率88.6%)を得た。MS:計算値515[(M+H)+]、実測値515[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.09 - 8.94 (m, 1H), 8.68 - 8.60 (m, 1H), 8.33 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.16 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 7.70 - 7.61 (m, 1H), 7.42 - 7.35 (m, 1H), 7.26 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.67 - 3.52 (m, 6H), 3.52 - 3.36 (m, 9H), 3.29 - 3.21 (m, 1H), 3.20 - 3.07 (m, 1H), 3.03 - 2.84 (m, 2H), 2.82 - 2.66 (m, 1H), 2.31 - 2.11 (m, 1H), 2.03 - 1.84 (m, 1H), 1.26 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0158】
実施例24
5-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化59】
【0159】
標題の化合物は、工程(c)でtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル N-[(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-イル]カルバメート(CAS:1932066-52-8、PharmaBlock、カタログ:PBZ4728)を用いることにより、実施例23の調製と同様に調製された。実施例24を得た。MS:計算値545[(M+H)+]、実測値545[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 9.03 - 8.96 (m, 1H), 8.65 - 8.59 (m, 1H), 8.16 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.98 (d, J= 0.9 Hz, 1H), 7.68 - 7.61 (m, 1H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.00 - 6.94 (m, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.22 - 4.14 (m, 1H), 4.03 - 3.95 (m, 1H), 3.94 - 3.85 (m, 1H), 3.83 - 3.76 (m, 1H), 3.66 - 3.36 (m, 6H), 3.51 (s, 3H), 3.25 - 3.17 (m, 1H), 3.13 - 3.07 (m, 1H), 2.99 - 2.84 (m, 2H), 2.80 - 2.68 (m, 1H), 2.30 - 2.13 (m, 1H), 2.00 - 1.86 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0160】
実施例25
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル
【化60】
【0161】
標題の化合物は、工程(a)で5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1)の代わりに4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C3)を、工程(b)でtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル N-[(3R,4R)-4-メトキシピロリジン-3-イル]カルバメートを用いることにより、実施例15の調製と同様に調製された。実施例25を得た。MS:計算値517[(M+H)+]、実測値517[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 8.23 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.38 (s, 2H), 4.27 - 4.17 (m, 1H), 4.04 - 3.91 (m, 3H), 3.82 - 3.57 (m, 5H), 3.56 - 3.45 (m, 2H), 3.51 (s, 3H), 3.10-2.88 (m, 3H), 2.79 - 2.70 (m, 1H), 2.33 - 2.20 (m, 1H), 1.96 (br d, J = 2.2 Hz, 1H), 1.24 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
【0162】
実施例26
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル
【化61】
【0163】
標題の化合物は、工程(a)で5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1)の代わりに4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C3)を用いることにより、実施例24の調製と同様に調製された。実施例26を得た。MS:計算値534[(M+H)+]、実測値534[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 7.91 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.76 - 6.67 (m, 2H), 6.45 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.87 - 3.76 (m, 1H), 3.70 - 3.63 (m, 1H), 3.62 - 3.54 (m, 2H), 3.55 - 3.46 (m, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.19 - 2.86 (m, 5H), 2.81 - 2.65 (m, 3H), 2.64 - 2.55 (m, 2H), 2.04 - 1.92 (m, 1H), 1.77 - 1.67 (m, 1H), 1.08 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
【0164】
実施例27
4-[(4R,10aS)-8-[[5-[(3R,4R)-3-アミノ-4-メトキシ-ピロリジン-1-イル]-3-フルオロ-2-ピリジル]メチル]-4-メチル-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-3-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル
【化62】
【0165】
標題の化合物は、工程(a)で5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1)の代わりに4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-3-フルオロ-ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C4)を用いることにより、実施例24の調製と同様に調製された。実施例27を得た。MS:計算値552[(M+H)+]、実測値552[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δppm 8.00 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 7.99 - 7.97 (m, 1H), 7.43 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.51 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 4.44 (s, 2H), 4.20 - 4.13 (m, 1H), 4.01 - 3.95 (m, 1H), 3.93 - 3.85 (m, 1H), 3.84 - 3.75 (m, 1H), 3.67 - 3.42 (m, 6H), 3.49 (s, 3H), 2.99 (br d, J = 2.7 Hz, 1H), 2.95 - 2.78 (m, 3H), 2.74 - 2.61 (m, 1H), 2.30 - 2.17 (m, 1H), 2.02 - 1.91 (m, 1H), 1.23 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0166】
実施例28
4-[(4R,10aS)-4-メチル-8-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イルメチル)-1,3,4,6,7,9,10,10a-オクタヒドロピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン
【化63】
【0167】
標題の化合物は、工程(a)で5-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]キノリン-8-カルボニトリル;トリヒドロクロリド(中間体C1)の代わりに4-[(4R,10aS)-4-メチル-3,4,6,7,8,9,10,10a-オクタヒドロ-1H-ピラジノ[1,2-d][1,4]ジアゼピン-2-イル]-1-メチル-1,8-ナフチリジン-2-オン;トリヒドロクロリド(中間体C2)を用いることにより、実施例12の調製と同様に調製された。実施例28を得た。MS:計算値473[(M+H)+]、実測値373[(M+H)+]。1H NMR (400 MHz, METHANOL-d4) δ ppm 8.66 - 8.57 (m, 1H), 8.22 - 8.13 (m, 1H), 7.32 - 7.25 (m, 1H), 7.16 - 6.95 (m, 3H), 6.09 (s, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.59 (s, 2H), 3.23 (br d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.15 - 3.06 (m, 3H), 2.95 - 2.48 (m, 12H), 1.96 - 1.78 (m, 1H), 1.72 (br s, 1H), 1.13 (d, J = 6.1 Hz, 3H).
【0168】
実施例29
HEK293-Blue-hTLR-7/8/9細胞アッセイにおいて、式(I)、(Ia)または(Ib)の化合物の活性を測定するために以下の試験を行った。
【0169】
HEK293-Blue-hTLR-7細胞アッセイ:
安定したHEK293-Blue-hTLR-7細胞株を、InvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr7、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。これらの細胞は本来、NF-κBの活性化をモニタリングすることによってヒトTLR7の刺激を研究するために設計された。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、5つのNF-κBおよびAP-1結合部位に融合したIFN-β最小プロモーターの制御下に置いた。SEAPは、TLR7リガンドでHEK-Blue hTLR7細胞を刺激することによって、NF-κBおよびAP-1を活性化することによって誘導された。したがって、レポーターの発現は、R848(Resiquimod)などのリガンドの刺激下での20時間のインキュベーションのために、TLR7アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーターの活性は、QUANTI-Blu商標キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて、波長640nmで測定され、検出培地は、アルカリホスファターゼの存在下で紫色または青色に変化した。
【0170】
HEK293-Blue-hTLR7細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清を含み、1%の最終DMSOおよび10μLの上記DMEM中の20μM R848の存在下で連続希釈した20μLの試験化合物を加えたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)の96ウェルプレートに、170μLの体積で250,000~450,000細胞/mLの密度にてインキュベートして、CO2インキュベーター内で37℃で20時間インキュベーションを行った。その後、各ウェルからの20μLの上清を180μLのQuanti-blue基質溶液を用いて37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して、620~655nmにおける吸光度を読み取った。TLR7の活性化が下流のNF-κBの活性化につながるというシグナル伝達経路は広く受け入れられているため、同様のレポーターアッセイをTLR7アンタゴニストの評価用に改良した。
【0171】
HEK293-Blue-hTLR-8細胞アッセイ:
安定したHEK293-Blue-hTLR-8細胞株を、InvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr8、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。これらの細胞は本来、NF-κBの活性化をモニタリングすることによってヒトTLR8の刺激を研究するために設計された。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、5つのNF-κBおよびAP-1結合部位に融合したIFN-β最小プロモーターの制御下に置いた。SEAPは、TLR8リガンドでHEK-Blue hTLR8細胞を刺激することによって、NF-κBおよびAP-1を活性化することによって誘導された。したがって、レポーターの発現は、R848などのリガンドの刺激下での20時間のインキュベーションのために、TLR8アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーターの活性は、QUANTI-Blu商標キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて、波長640nmで測定され、検出培地は、アルカリホスファターゼの存在下で紫色または青色に変化した。
【0172】
HEK293-Blue-hTLR8細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清を含み、1%の最終DMSOおよび10μLの上記DMEM中の60μM R848の存在下で連続希釈した20μLの試験化合物を加えたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)の96ウェルプレートに、170μLの体積で250,000~450,000細胞/mLの密度にてインキュベートして、CO2インキュベーター内で37℃で20時間インキュベーションを行った。その後、各ウェルからの20μLの上清を180μLのQuanti-blue基質溶液を用いて37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して、620~655nmにおける吸光度を読み取った。TLR8の活性化が下流のNF-κBの活性化につながるというシグナル伝達経路は広く受け入れられているため、同様のレポーターアッセイをTLR8アンタゴニストの評価用に改良した。
【0173】
HEK293-Blue-hTLR-9細胞アッセイ:
安定したHEK293-Blue-hTLR-9細胞株を、InvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr9、米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。これらの細胞は本来、NF-κBの活性化をモニタリングすることによってヒトTLR9の刺激を研究するために設計された。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子を、5つのNF-κBおよびAP-1結合部位に融合したIFN-β最小プロモーターの制御下に置いた。SEAPは、TLR9リガンドでHEK-Blue hTLR9細胞を刺激することによりNF-κBおよびAP-1を活性化することによって誘導された。したがって、レポーターの発現は、ODN2006(カタログ番号:tlrl-2006-1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)などのリガンドの刺激下での20時間のインキュベーションのために、TLR9アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーターの活性は、QUANTI-Blue商標キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて、波長640nmで測定され、検出培地は、アルカリホスファターゼの存在下で紫色または青色に変化した。
【0174】
HEK293-Blue-hTLR9細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱不活化ウシ胎児血清を含み、1%の最終DMSOおよび10μLの上記DMEM中の20μM ODN2006の存在下で連続希釈した20μLの試験化合物を加えたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)の96ウェルプレートに、170μLの体積で250,000~450,000細胞/mLの密度にてインキュベートして、CO2インキュベーター内で37℃で20時間インキュベーションを行った。その後、各ウェルからの20μLの上清を180μLのQuanti-blue基質溶液を用いて37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して、620~655nmにおける吸光度を読み取った。TLR8の活性化が下流のNF-κBの活性化につながるというシグナル伝達経路は広く受け入れられているため、同様のレポーターアッセイをTLR9アンタゴニストの評価用に改良した。
【0175】
式(I)の化合物は、TLR7および/またはTLR8阻害活性(IC50値)<0.1μMを有する。さらに、ほとんどの化合物は、0.3μM未満のTLR9阻害活性も有している。本発明の化合物の活性データを表1に示した。
【0176】
表1:HEK293-Blue-hTLR-7/8/9細胞アッセイにおける本発明の化合物の活性
【表1】
【0177】
実施例30
ヒトミクロソーム安定性アッセイ
ヒト肝臓ミクロソーム(カタログ番号:452117、Corning、米国)を100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中で37℃で10分間試験化合物とともにプレインキュベートした。NADPH再生システムを加えて反応を開始した。最終的なインキュベーション混合物は、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中に1μMの試験化合物、0.5mg/mLの肝臓ミクロソームタンパク質、1mM MgCl2、1mM NADP、1ユニット/mLのイソクエン酸脱水素酵素および6mMイソクエン酸を含有していた。37℃で0、3、6、9、15および30分のインキュベーション時間の後、300μLの冷ACN(内部標準を含む)を100μLのインキュベーション混合物に加えて、反応を終了させた。沈殿と遠心分離の後、100μLの上清を取り出し、300μLの水を加える。サンプルに残っている化合物の量を、LC-MS/MSによって測定した。また、0分および30分でNADPH再生システムなしの対照も調製し、分析した。結果を、低(<7.0mL/min/kg)、中(7.0~16.2mL/min/kg)、高(16.2~23.2mL/min/kg)に分類した。試験結果を表2にまとめた。
【0178】
【0179】
実施例31
hERGチャネル阻害アッセイ
hERGチャネル阻害アッセイは、インビボでの心臓毒性に関連するhERG阻害を呈する化合物を同定する非常に高感度な測定である。hERG K+チャネルはヒトでクローン化し、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞株で安定して発現した。CHOhERG細胞をパッチクランプ(電圧クランプ、細胞全体)実験に使用した。細胞を電圧パターンで刺激して、hERGチャネルを活性化し、IKhERG電流(hERGチャネルの急速遅延外向き整流器カリウム電流(rapid delayed outward rectifier potassium current))を伝導した。細胞を数分間安定させた後、IKhERGの振幅および動態を刺激周波数0.1Hz(6bpm)で記録した。その後、試験化合物を、漸増濃度で調製物に添加した。各濃度について、定常状態に達するまで試行し、通常、3~10分以内に達成され、その時点で次に高い濃度が適用された。IKhERGの振幅および動態は、対照値(100%とする)と比較された薬剤の各濃度で記録されている。(参考文献:Redfern WS, Carlsson L, Davis AS, Lynch WG, MacKenzie I, Palethorpe S, Siegl PK, Strang I, Sullivan AT, Wallis R, Camm AJ, Hammond TG. 2003; Relationships between preclinical cardiac electrophysiology, clinical QT interval prolongation and torsade de pointes for a broad range of drugs: evidence for a provisional safety margin in drug development. Cardiovasc. Res. 58:32-45, Sanguinetti MC, Tristani-Firouzi M. 2006; hERG potassium channels and cardiac arrhythmia. Nature 440:463-469, Webster R, Leishman D, Walker D. 2002; Towards a drug concentration effect relationship for QT prolongation and torsades de pointes. Curr. Opin. Drug Discov. Devel. 5:116-26)。hERGの結果を表3に示す。
【0180】