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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/30 20090101AFI20250403BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20250403BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20250403BHJP
【FI】
H04W52/30
H04W16/28
H04W8/24
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022532986
(86)(22)【出願日】2020-07-03
(86)【国際出願番号】 JP2020026152
(87)【国際公開番号】W WO2022003940
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】松村 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】スン ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,Enhancement on FR2 MPE mitigation [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #99 R1-1911943,2019年11月09日,[検索日2024.8.19],インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_99/Docs/R1-1911943.zip>
【文献】ZTE,Preliminary views on further enhancement for NR MIMO [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #101-e R1-2003483,2020年05月16日,[検索日2024.8.19],インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_101-e/Docs/R1-2003483.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Content of the PHR [online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #99bis R2-1711437,2017年09月29日,[検索日2024.8.19],インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99bis/Docs/R2-1711437.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Consideration on PHR with multi-beam operation [online],3GPP TSG-RAN2 Meeting #AH-1801 R2-1801043,2018年01月12日,[検索日2024.8.19],インターネット <URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg2_rl2/TSGR2_AHs/2018_01_NR/Docs/R2-1801043.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル数に関する情報を、能力情報を用いて報告する送信部と、
Medium Access Control制御要素(MAC CE)に含めて通知するパネル数に関する上位レイヤシグナリングを受信する受信部と、
前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の複数パネルの内の少なくとも1つの電力管理最大電力低減(P-MPR)が閾値より高い場合に、前記複数パネルに関連するパワーヘッドルームレポート(PHR)をトリガする制御部と、を有し、
前記送信部は、トリガされる前記PHRに関する前記MAC CEであって、前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の前記複数パネルにおけるパネル毎のPHRに関する情報と、前記複数パネルにおけるパネル毎の最大出力電力に関する情報と、を含む、前記MAC CEを送信する端末。
【請求項2】
パネル数に関する情報を、能力情報を用いて報告するステップと、
Medium Access Control制御要素(MAC CE)に含めて通知するパネル数に関する上位レイヤシグナリングを受信するステップと、
前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の複数パネルの内の少なくとも1つの電力管理最大電力低減(P-MPR)が閾値より高い場合に、前記複数パネルに関連するパワーヘッドルームレポート(PHR)をトリガするステップと、
トリガされる前記PHRに関する前記MAC CEであって、前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の前記複数パネルにおけるパネル毎のPHRに関する情報と、前記複数パネルにおけるパネル毎の最大出力電力に関する情報と、を含む、前記MAC CEを送信するステップと、を有する端末の無線通信方法。
【請求項3】
端末と基地局を有するシステムであって、
前記端末は、
パネル数に関する情報を、能力情報を用いて報告する送信部と、
Medium Access Control制御要素(MAC CE)に含めて通知するパネル数に関する上位レイヤシグナリングを受信する受信部と、
前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の複数パネルの内の少なくとも1つの電力管理最大電力低減(P-MPR)が閾値より高い場合に、前記複数パネルに関連するパワーヘッドルームレポート(PHR)をトリガする制御部と、を有し、
前記送信部は、トリガされる前記PHRに関する前記MAC CEであって、前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の前記複数パネルにおけるパネル毎のPHRに関する情報と、前記複数パネルにおけるパネル毎の最大出力電力に関する情報と、を含む、前記MAC CEを送信し
前記基地局は、
前記能力情報を用いた報告を受信する受信部と、
前記上位レイヤシグナリングを送信する送信部と、を有し、
前記受信部は、さらに、前記MAC CEを受信するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてLong Term Evolution(LTE)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(Third Generation Partnership Project(3GPP) Release(Rel.)8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-Advanced(3GPP Rel.10-14)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、5th generation mobile communication system(5G)、5G+(plus)、6th generation mobile communication system(6G)、New Radio(NR)、3GPP Rel.15以降などともいう)も検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRでは、ユーザ端末(user terminal、User Equipment(UE))がネットワークに対して、サービングセル毎の電力余裕(パワーヘッドルーム(Power Headroom(PH)))の情報を含むPHレポート(Power Headroom Report(PHR))を送信する。ネットワークは、UEの上り送信電力の制御のために、PHRを利用できる。
【0006】
また、NRにおいては、最大許容曝露(Maximum Permitted Exposure(MPE))(又は電磁的電力密度曝露(electromagnetic power density exposure))の問題についての対応が検討されている。
【0007】
また、NRでは、複数のパネルを装備するUEに対し、ULパネルの高速な選択のために、ULビーム指示に基づいて、MPEに起因するULカバレッジ損失を考慮してUL送信ビーム選択を促すことが検討されている。
【0008】
しかしながら、現状の仕様はパネルを適切に考慮できていないため、必ずしもPHRをトリガする必要はない場合にPHRがトリガされると想定される。適切なPHRの送信が行われなければ、通信スループット、通信品質などが劣化するおそれがある。
【0009】
そこで、本開示は、パネルに関連するPHRを適切にトリガ/送信できる端末、無線通信方法及びシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る端末は、パネル数に関する情報を、能力情報を用いて報告する送信部と、Medium Access Control制御要素(MAC CE)に含めて通知するパネル数に関する上位レイヤシグナリングを受信する受信部と、前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の複数パネルの内の少なくとも1つの電力管理最大電力低減(P-MPR)が閾値より高い場合に、前記複数パネルに関連するパワーヘッドルームレポート(PHR)をトリガする制御部と、を有し、前記送信部は、トリガされる前記PHRに関する前記MAC CEであって、前記上位レイヤシグナリングで通知された前記パネル数の前記複数パネルにおけるパネル毎のPHRに関する情報と、前記複数パネルにおけるパネル毎の最大出力電力に関する情報と、を含む、前記MAC CEを送信す
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、パネルに関連するPHRを適切にトリガ/送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、Rel.15 NRにおけるPHR MAC CEの一例を示す図である。
図2図2A-2Dは、パネル固有PHR MAC CEの構成の一例を示す図である。
図3図3A及び3Bは、パネル固有PHR MAC CEの構成の別の一例を示す図である。
図4図4A-4Cは、第2の実施形態の禁止タイマに関する制御の一例を示す図である。
図5図5A及び5Bは、第3の実施形態の周期的タイマに関する制御の一例を示す図である。
図6図6A及び6Bは、第3の実施形態の周期的タイマに関する制御の別の一例を示す図である。
図7図7は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図8図8は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。
図9図9は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
図10図10は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(PHR)
NRでは、UEがネットワークに対して、サービングセル毎の電力余裕(パワーヘッドルーム(Power Headroom(PH)))の情報を含むPHレポート(Power Headroom Report(PHR))を送信する。ネットワークは、UEの上り送信電力の制御のために、PHRを利用できる。
【0014】
PHRは、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)を用いてMAC(Medium Access Control)シグナリングにより送信されてもよい。例えば、PHRは、MAC PDU(Protocol Data Unit)に含まれるPHR MAC CE(Control Element)を用いて通知される。
【0015】
図1は、Rel.15 NRにおけるPHR MAC CEの一例を示す図である。図1は、シングルエントリPHR MAC CE(single entry PHR MAC CE)である。当該MAC CEは、2オクテット(=16ビット)によって構成される。図1の‘R’はそれぞれ1ビットの予約フィールドを示し、例えば‘0’の値にセットされる。
【0016】
図1の‘PH(Type 1,PCell)’は6ビットのフィールドを示し、PCell(プライマリセル(Primary Cell))のタイプ1 PHに関するインデックスを示す。当該PHに関するインデックスは、具体的なPHの値(又はレベル(dB))と関連付けられている。
【0017】
なお、例えば、タイプ1 PHは、PUSCHを考慮した(例えば、PUSCHの電力のみを考慮した)場合のPH、タイプ2 PHは、PUCCHを考慮した(例えば、PUSCH及びPUCCH両方の電力を考慮した)場合のPH、タイプ3 PHは、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)を考慮した(例えばPUSCH及びSRSの電力を考慮した)場合のPHであってもよい。
【0018】
図1の‘PCMAX,f,c’は6ビットのフィールドを示し、上記PHフィールドの計算に用いられたPCMAX,f,cに関するインデックスを示す。当該PCMAX,f,cに関するインデックスは、具体的なUE送信電力レベル(dB)と関連付けられている。なお、PCMAX,f,cは、キャリアfのサービングセルcのためのUEの設定される最大送信電力(最大許容送信電力)と呼ばれてもよい。以下、PCMAX,f,cは単にPCMAXとも表記する。
【0019】
なお、NRでは、上述のシングルエントリ(2オクテット)に類似するデータを複数含むマルチプルエントリPHR MAC CE(multiple entry PHR MAC CE)もサポートされる。マルチプルエントリPHR MAC CEは、PSCell(プライマリセカンダリセル(Primary Secondary Cell))又はSCellのためのPHフィールドなどを含んでもよい。
【0020】
ネットワークは、UEに対して、PHRをトリガする条件に関するPHR設定情報を送信してもよい。ここで、PHR設定情報としては、例えば、禁止タイマ(prohibit timer)、周期的タイマ(periodic timer)、パスロス変化の閾値などがある。当該通知には、上位レイヤシグナリングが用いられてもよい。UEは、PHRトリガ条件を満たす場合、PHRをトリガする。
【0021】
なお、本開示において、上位レイヤシグナリングは、例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、ブロードキャスト情報などのいずれか、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0022】
MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(MAC CE))、MAC Protocol Data Unit(PDU)などを用いてもよい。ブロードキャスト情報は、例えば、マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))、最低限のシステム情報(Remaining Minimum System Information(RMSI))、その他のシステム情報(Other System Information(OSI))などであってもよい。
【0023】
(MPE)
NRにおいては、最大許容曝露(Maximum Permitted Exposure(MPE))(又は電磁的電力密度曝露(electromagnetic power density exposure))の問題についての対応が検討されている。UEは、健康と安全のために人体への最大放射に関するFederal Communication Commission(FCC)の規制を満たすことが要求される。例えば、Rel.15 NRにおいては、曝露(exposure)を制限するための規定としていくつかの制限方法が規定されている。
【0024】
1つの制限方法として、電力管理最大電力低減(Power Management Maximum Power Reduction(P-MPR)、最大許容UE出力電力低減)を用いた制限が規定されている。例えば、UE最大出力電力PCMAX,f,cは、対応するPUMAX,f,c(測定される最大出力電力、測定される設定最大UE出力電力)が以下の式を満たすように、設定される。
PPowerclass-MAX(MAX(MPRf,c,A-MPRf,c)+ΔMBP,n,P-MPRf,c)-MAX{T(MAX(MPRf,c,A-MPRf,c,)),T(P-MPRf,c)}≦PUMAX,f,c≦EIRPmax)
【0025】
EIRPmaxは、対応する測定ピーク等価等方放射電力(EIRP:Equivalent Isotopically Radiated Power)の最大値である。P-MPRf,cは、サービングセルcのキャリアfに許可される最大出力電力の削減を示す値である。
【0026】
NRでは、複数のパネルを装備するUEに対し、ULパネルの高速な選択のために、ULビーム指示に基づいて、MPEに起因するULカバレッジ損失を考慮してUL送信ビーム選択を促すことが検討されている。
【0027】
ところで、PHRは、Rel.15 NRの仕様では、PHRの最後の送信(last transmission)以降に、パスロスリファレンスとして用いられる任意のMACエンティティの少なくとも1つのアクティベートされているサービングセルについて、パスロスがある閾値を超えて変動した場合にトリガされ得る。しかしながら、パスロスリファレンスは、UEにおけるビーム/パネルの変動(例えば、MPEが原因)、パスロス参照信号の更新(例えば、MAC CEに基づく更新、デフォルトパスロス参照信号の利用)などによって変動し得る。これらの場合には、必ずしもPHRをトリガする必要はないと想定されるが、現状の仕様だとそれが考慮されていない。適切なPHRの送信が行われなければ、通信スループット、通信品質などが劣化するおそれがある。
【0028】
そこで、本発明者らは、パネル特有の(panel specific)PHRトリガ/送信を適切に実施するための方法を着想した。
【0029】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0030】
なお、本開示において、アクティベート、ディアクティベート、指示、選択、設定、更新、決定などは、互いに読み替えられてもよい。また、本開示において、シーケンス、リスト、セット、グループなどは、互いに読み替えられてもよい。
【0031】
なお、本開示において、パネル、ビーム、パネルグループ、ビームグループ、Uplink(UL)送信エンティティ、TRP、空間関係情報(SRI)、空間関係、制御リソースセット(COntrol REsource SET(CORESET))、PDSCH、コードワード、基地局、所定のアンテナポート(例えば、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal(DMRS))ポート)、所定のアンテナポートグループ(例えば、DMRSポートグループ)、所定のグループ(例えば、符号分割多重(Code Division Multiplexing(CDM))グループ、所定の参照信号グループ、CORESETグループ)、所定のリソース(例えば、所定の参照信号リソース)、所定のリソースセット(例えば、所定の参照信号リソースセット)、CORESETプールなどは、互いに読み替えられてもよい。
【0032】
また、パネルIdentifier(ID)とパネルは互いに読み替えられてもよい。つまり、TRP IDとTRP、CORESETグループIDとCORESETグループなどは、互いに読み替えられてもよい。ID及びインデックスは、互いに読み替えられてもよい。
【0033】
(無線通信方法)
本開示では、UEがSRSとパネルとの関係を決定して、基地局に当該関係について報告する実施形態について、以下で説明する。この報告は、パネルレポートなどと呼ばれてもよい。なお、基地局がSRSとパネルとの関係を設定/指示する場合にパネルレポートが送信されてもよい。
【0034】
<第1の実施形態>
第1の実施形態は、パネル固有(panel specific)PHRに関する。
【0035】
なお、パネル固有PHRが利用される場合、報告されるパネルに関するPCMAX、PH、P-MPRなどは、このパネルについては共通に適用されてもよい。ビームグループ/パネルグループ固有PHRが利用される場合、1つのグループ内で同じPHRが共有される。つまり、報告されるグループにおける全てのビーム/パネルに関するPCMAX、PH、P-MPRなどは、このグループについては共通に適用されてもよい。この構成によれば、シグナリングオーバーヘッドが好適に抑制できる。
【0036】
[実施形態1.1]
実施形態1.1では、パネル固有PHRのトリガリングイベント(トリガイベントと呼ばれてもよい)を説明する。
【0037】
パネル固有PHRは、例えば、以下の(1)から(5)の少なくとも1つのトリガイベントが発生する場合にトリガされてもよい:
(1)あるパネルのためのパネル固有PHRの最後の送信(last transmission)以降に、当該パネルを介する(を用いる)UL送信のためのパスロスリファレンスとして用いられる任意のMACエンティティの少なくとも1つのアクティベートされているサービングセルについて、パスロスがある閾値を超えて変動した、
(2)あるパネルのためのパネル固有PHRの最後の送信(last transmission)以降に、当該パネルのP-MPRがある閾値を超えて変動した、
(3)あるパネルのP-MPRがある閾値より高い(higher)、
(4)禁止タイマ(例えば、上位レイヤパラメータphr-ProhibitTimerによって設定されるタイマ)が満了する又は満了した(expires or has expired)、
(5)周期的タイマ(例えば、上位レイヤパラメータphr-PeriodicTimerによって設定されるタイマ)が満了する(expires)。
【0038】
上記(1)について、パスロスの変動は、ある時間(例えば、現在の時間)においてパネルを介するUL送信のために測定されるパスロスと、当該パネルのためのパネル固有PHRを最後に送信した時間において当該パネルを介するUL送信のために測定されるパスロスと、の変動(差分)に該当してもよい。
【0039】
上記(1)について、パスロスの変動は、ある時間(例えば、現在の時間)においてパネルグループ/ビームグループのあるビーム/パネルを介するUL送信のために測定されるパスロスと、当該パネルグループ/ビームグループのためのパネルグループ/ビームグループ固有PHRを最後に送信した時間において、当該パネルグループ/ビームグループの任意のビーム/パネル(上記あるビーム/パネルと同じでもよいし、異なってもよい)を介するUL送信のために測定されるパスロスと、の変動(差分)に該当してもよい。
【0040】
上記(2)に関連して、本開示においては、P-MPRは、電力管理のために要求されるパワーバックオフ(required power backoff due to power management)、許容最大出力電力低減(allowed maximum output power reduction)、P-MPR(サービングセルcのためのP-MPR)などと互いに読み替えられてもよい。
【0041】
上記(1)、(2)についての上記閾値は、上位レイヤパラメータ(例えば、phr-Tx-PowerFactorChange)(単位はdB)によって提供されてもよい。
【0042】
上記(3)についての上記閾値は、上記(1)、(2)についての閾値に関する上位レイヤパラメータによって提供されてもよいし、別の上位レイヤパラメータによって提供されてもよい。
【0043】
上記(4)については、第2の実施形態で後述する。上記(5)については、第2の実施形態で後述する。
【0044】
なお、トリガイベントが発生する条件は上記(1)-(5)に限られず、他の条件があってもよい。
【0045】
[実施形態1.2]
実施形態1.2では、パネル固有PHRがトリガされた場合に送信されるパネル固有PHR MAC CEについて説明する。
【0046】
パネル固有PHR MAC CEには、パネルIDが含まれてもよい。
【0047】
図2A-2Dは、パネル固有PHR MAC CEの構成の一例を示す図である。本例は、いずれもPCellについてのシングルエントリPHR MAC CEの例であるが、これに限られない。PCellは他のセル(例えば、SCell)で読み替えられてもよい。また、この構成を複数含むマルチプルエントリPHR MAC CEが利用されてもよい(この場合、タイプ1 PHは他のタイプのPHで読み替えられてもよい)。
【0048】
パネル固有PHR MAC CEには、図2Aに示すように、図1のシングルエントリPHR MAC CEに、パネルIDを示す1つのパネルIDフィールド(図2Aでは、6ビット)が加えられたMAC CEであってもよい。パネルIDフィールドが4ビット以下である場合、図2Bに示すように、図1のシングルエントリPHR MAC CEのRフィールドがパネルIDフィールド(図2Bでは、2ビット)として置き換えられてもよい。
【0049】
図2A及び2BにおけるPHフィールド、PCMAX、f、cフィールドは、パネルIDフィールドが示すパネルIDのパネルについての値に対応してもよい。
【0050】
パネル固有PHR MAC CEには、図2C図2Dに示すように、複数のパネルIDフィールドが含まれてもよい。図2Cは、図2Aの構成を2つ含むMAC CEであり、図2Dは、図2Bの構成を2つ含むMAC CEである。
【0051】
図2C図2Dにおいて、「#1」はパネルID#1によって示される第1のパネルに関するフィールドであることを示し、「#2」はパネルID#2によって示される第2のパネルに関するフィールドであることを示す。
【0052】
なお、パネルIDフィールドは、アクティブか否かに関わらずパネルを一意に示してもよい(UEの全てのパネルを表現(識別)できるように構成されてもよい)し、アクティブなパネルのみを示してもよい。このように、本開示の「パネル」は、アクティベートされたパネル、アクティブなパネルなどと互いに読み替えられてもよい。
【0053】
図3A及び3Bは、パネル固有PHR MAC CEの構成の別の一例を示す図である。本例も、いずれもPCellについてのシングルエントリPHR MAC CEの例であるが、これに限られない。PCellは他のセル(例えば、SCell)で読み替えられてもよい。また、この構成を複数含むマルチプルエントリPHR MAC CEが利用されてもよい(この場合、タイプ1 PHは他のタイプのPHで読み替えられてもよい)。
【0054】
図3Aは、パネルIDフィールドを含まないパネル固有PHR MAC CEの一例を示す。各フィールドの「#i」(i=1-4)は、第iのパネルに関するフィールドであることを示してもよく、パネルID#iによって示されるパネルに関するフィールドであることを示してもよい。
【0055】
図3AのようなMAC CEは、以下の少なくとも1つを満たすUEによって利用されてもよい:
・自身の有する(サポートする)パネル数に関する情報を、UE能力情報を用いて報告した、
・PHR MAC CEに含めて通知すべきパネル数を、ネットワーク(基地局)が当該UEに対して上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリングなどを用いて設定した、
・PHR MAC CEに含めて通知すべきパネル数を、UEがネットワーク(基地局)に上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリングなどを用いて通知した。
【0056】
図3Aは、これらのパネル数が4の場合に対応してもよい。
【0057】
また、図3AのようなMAC CEは、UEが全てのパネルに関する情報を報告する場合に、図2CのMAC CEにおいてパネルIDフィールドを全て省略したMAC CEに該当してもよい。
【0058】
図3Bは、各パネルIDに対応するパネルIDフィールドを含むパネル固有PHR MAC CEの一例を示す。AX(X=0-3)フィールドは、パネル#X+1についての情報(例えば、PHフィールド、PCMAX、f、cフィールド)をこのMAC CEに含むか否か(このMAC CEによって報告されるか否か)を示す。例えばA0フィールド=‘0’のPHR MAC CEは、パネル#1についての情報を含まず、A0フィールド=‘1’のPHR MAC CEは、パネル#1についての情報を含む。
【0059】
図3Bは、A0フィールド=A1フィールド=‘1’かつA2フィールド=A3フィールド=‘0’の例を示す。
【0060】
なお、各MAC CEに含まれるフィールドの順番は、これらの例の順番に限られない。例えば、図2Cと同じ6オクテットにおいて、PH#1、PCMAX、f、c#1、PH#2、PCMAX、f、c#2、パネルID#1、パネルID#2の順で含まれるMAC CEが用いられてもよい。
【0061】
また、UEが有するパネルの数は4に限られず、任意の値であってもよい。この場合、各フィールドの数(例えば、図3BのAXフィールドの数)は、既に示した例から増減してもよい。
【0062】
パネル固有PHR MAC CEには、当該MAC CEによって暗示的又は明示的に示されるパネルIDのパネルのためのP-MPRを示すP-MPRフィールドを含んでもよいし、含まなくてもよい。パネル固有PHR MAC CEは、上述のトリガイベントのうち特定のトリガイベント(例えば、(2)又は(3))によってPHRがトリガされる場合に、P-MPRフィールドを含み、それ以外の場合にはP-MPRフィールドを含まなくてもよい。
【0063】
なお、パネル固有PHRが上述のトリガイベントに基づいてトリガされる場合、パネル固有PHR MAC CEには、発生したトリガイベントに対応する(上記(1)-(5)の少なくとも1つの条件を満たした)パネルのための情報(例えば、PHフィールド、PCMAX、f、cフィールド、P-MPRフィールドなど)だけが含まれてもよい。パネル固有PHR MAC CEには、発生したトリガイベントに対応するパネルのための情報だけでなく、発生したトリガイベントに関係ないパネルのための情報が含まれてもよい。例えば、パネル固有PHR MAC CEには、全てのパネルのための情報が含まれてもよい。
【0064】
また、複数のパネルについて上述のトリガイベントが発生する場合、発生したトリガイベントに対応する複数のパネルのための情報(例えば、PHフィールド、PCMAX、f、cフィールド、P-MPRフィールドなど)が含まれてもよい。
【0065】
以上説明した第1の実施形態によれば、UEは、トリガイベントに基づいて、適切なパネルに関するパネル固有PHR MAC CE送信を、好適にトリガできる。
【0066】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、禁止タイマ(例えば、phr-ProhibitTimer)に関する。
【0067】
パネル固有PHRに関して、禁止タイマは以下の少なくとも1つを満たしてもよい:
・実施形態2.1:1つの禁止タイマが、全てのパネルのために維持される(maintained)(又は利用される)、
・実施形態2.2:1つの禁止タイマが、1つのパネルのために維持される(又は利用される)、
・実施形態2.3:1つの禁止タイマが、1つのパネルグループのために維持される(又は利用される)。
【0068】
実施形態2.1の場合、UEは、禁止タイマが動作している間は、任意のパネル固有PHRがトリガされないと想定してもよい。
【0069】
実施形態2.1の場合、あるパネルのためのパネル固有PHRは、実施形態1.1の(4)のトリガイベントと、当該パネルについての(1)-(3)の少なくとも1つのトリガイベントと、が発生する場合に、トリガされてもよい。任意のパネルのためのパネル固有PHR(パネル固有PHR MAC CE)が送信されると、上記禁止タイマは再度開始(restart)してもよい。実施形態2.1によれば、複数の禁止タイマを管理する必要がないため、UEの複雑さを低減できる。
【0070】
なお、本開示において、「タイマが開始する(又は再度開始する)」は、「UEのMACエンティティが当該タイマを開始する(又は再度開始する)」と互いに読み替えられてもよい。
【0071】
実施形態2.2の場合、UEは、あるパネルのための禁止タイマが動作している間は、当該パネルのためのパネル固有PHRがトリガされないと想定してもよい。
【0072】
実施形態2.2の場合、パネルごとに独立した禁止タイマが利用される。あるパネルのためのパネル固有PHRは、当該パネルについての実施形態1.1の(4)のトリガイベントと、当該パネルについての(1)-(3)の少なくとも1つのトリガイベントと、が発生する場合に、トリガされてもよい。あるパネルについてのパネル固有PHR(パネル固有PHR MAC CE)が送信されると、当該パネルのための禁止タイマが再度開始してもよい。実施形態2.2によれば、あるパネルのためのPHR送信によって他のパネルのためのPHR送信が抑制されるケースを低減できる。
【0073】
実施形態2.3の場合、UEは、あるパネルグループのための禁止タイマが動作している間は、当該パネルグループ(又は当該パネルグループに属する任意のパネル)のためのパネル固有PHRがトリガされないと想定してもよい。
【0074】
実施形態2.3の場合、パネルグループごとに独立の禁止タイマが利用される。あるパネルグループのパネルのためのパネル固有PHRは、当該パネルグループについての実施形態1.1の(4)のトリガイベントと、当該パネルについての(1)-(3)の少なくとも1つのトリガイベントと、が発生する場合に、トリガされてもよい。あるパネルグループの任意のパネルのためのパネル固有PHR(パネル固有PHR MAC CE)が送信されると、当該パネルグループのための禁止タイマが再度開始してもよい。実施形態2.3によれば、禁止タイマはパネルグループで共有されるものの、当該パネルグループ内の各パネルについてPHRは独立してトリガ/送信され得る。
【0075】
図4A-4Cは、第2の実施形態の禁止タイマに関する制御の一例を示す図である。図4A-4Cは、UEがそれぞれ実施形態2.1-2.3の禁止タイマを利用するケースを示す。なお、図4Cについて、パネルグループ#aはパネル#1及び#2を含むと想定する。
【0076】
図4Aでは、パネル#1のためのPHRが送信されると、禁止タイマが再度開始する。この禁止タイマが満了するまでは、任意のパネルのためのPHRはトリガ/送信されない。
【0077】
図4Bでは、パネル#1のためのPHRが送信されると、パネル#1のための禁止タイマが再度開始する。この禁止タイマが満了するまでは、パネル#1についてのPHRはトリガされない。一方で、パネル#1のための禁止タイマが起動中であっても、パネル#2のためのPHRはトリガ/送信されてもよい。
【0078】
図4Cでは、パネル#1のためのPHRが送信されると、パネル#1が属するパネルグループ#aのための禁止タイマが再度開始する。この禁止タイマが満了するまでは、パネルグループ#aに含まれるパネル#1及び#2についてのPHRはトリガされない。本例では、この禁止タイマが満了した後に、パネル#2のためのPHRがトリガ/送信されている。
【0079】
以上説明した第2の実施形態によれば、UEは、禁止タイマに基づいて、パネル固有PHR送信を、好適にトリガできる。
【0080】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、周期的タイマ(例えば、phr-PeriodicTimer)に関する。
【0081】
パネル固有PHRに関して、周期的タイマは以下の少なくとも1つを満たしてもよい:
・実施形態3.1:1つの周期的タイマが、全てのパネルのために維持される(maintained)(又は利用される)、
・実施形態3.2:1つの周期的タイマが、1つのパネルのために維持される(又は利用される)、
・実施形態3.3:1つの周期的タイマが、1つのパネルグループのために維持される(又は利用される)。
【0082】
実施形態3.1の場合、UEは、周期的タイマが満了すると、全てのパネルのためのパネル固有PHRをトリガしてもよい。
【0083】
実施形態3.1の場合、あるパネルのためのパネル固有PHRは、実施形態1.1の(5)のトリガイベントが発生する場合に、トリガされてもよい。実施形態3.1において、上記(5)のトリガイベントによってトリガされるPHR(このPHRは、周期的PHRと呼ばれてもよい)は、全てのパネルのためのPHRであってもよい。上記周期的タイマは、任意のパネルのためのパネル固有PHR(パネル固有PHR MAC CE)が送信されると、再度開始(restart)してもよい。上記周期的タイマは、周期的PHRが送信された場合にのみ、再度開始(restart)してもよい。実施形態3.1によれば、複数の周期的タイマを管理する必要がないため、UEの複雑さを低減できる。
【0084】
実施形態3.2の場合、UEは、あるパネルのための周期的タイマが満了すると、当該パネルのためのパネル固有PHRをトリガしてもよい。
【0085】
実施形態3.2の場合、パネルごとに独立した周期的タイマが利用される。あるパネルのためのパネル固有PHRは、当該パネルについての実施形態1.1の(5)のトリガイベントが発生する場合に、トリガされてもよい。あるパネルについてのパネル固有PHR(パネル固有PHR MAC CE)が送信されると、当該パネルのための周期的タイマが再度開始してもよい。実施形態3.2によれば、各パネルのためのPHRを好適に周期的に送信できる。
【0086】
実施形態3.3の場合、UEは、あるパネルグループのための周期的タイマが満了すると、当該パネルグループ(又は当該パネルグループに属する任意のパネル)のためのパネル固有PHRをトリガしてもよい。
【0087】
実施形態3.3の場合、パネルグループごとに独立の周期的タイマが利用される。あるパネルグループのパネルのためのパネル固有PHRは、当該パネルグループについての実施形態1.1の(5)のトリガイベントが発生する場合に、トリガされてもよい。あるパネルグループの任意のパネルのためのパネル固有PHR(パネル固有PHR MAC CE)が送信されると、当該パネルグループのための周期的タイマが再度開始してもよい。実施形態3.3によれば、周期的タイマはパネルグループで共有され、当該パネルグループ内の最後のパネル固有PHR送信から周期的タイマの経過時間後に、パネル固有PHRを送信できる。つまり、周期的タイマに基づくパネル固有PHRが過度に送信されることを抑制できる。
【0088】
なお、実施形態3.2及び3.3についても、実施形態3.1で説明したように、周期的タイマは周期的PHRが送信された場合にのみ再度開始する、という構成が採用されてもよい。
【0089】
図5A及び5Bは、第3の実施形態の周期的タイマに関する制御の一例を示す図である。図5A及び5Bは、UEがそれぞれ実施形態3.1の周期的タイマを利用するケースを示す。本例では、UEは4つのパネル(パネル#1-#4)を有すると想定する。周期的PHRによって、これら4つのパネルに関するPHRが送信される。なお、以下の図面において、単なる「PHR」という記載は、任意のPHR(周期的PHRでもよいし、それ以外のPHRでもよい)を意味してもよい。
【0090】
図5Aは、周期的タイマが任意のパネル固有PHR送信によって再度開始されるケースを示す。図5Aでは、パネル#1のためのPHRが送信されると、周期的タイマが再度開始する。本例では、この周期的タイマが満了する前に、パネル#2のためのPHRが送信され、周期的タイマが再度開始する。周期的タイマが満了すると、全てのパネルのための周期的PHRがトリガ/送信される。
【0091】
図5Bでは、周期的タイマが周期的PHR送信のみによって再度開始されるケースを示す。図5Bでは、周期的タイマが満了する前に、周期的PHR以外のパネル固有PHR(本例では、パネル#2のためのPHRは他のトリガイベントによってトリガされた)が送信されても、当該周期的タイマは再度開始されず、継続して動作する。
【0092】
図6A及び6Bは、第3の実施形態の周期的タイマに関する制御の別の一例を示す図である。図6A及び6Bは、UEがそれぞれ実施形態3.2及び3.3の周期的タイマを利用するケースを示す。なお、図6Bについて、パネルグループ#aはパネル#1及び#2を含むと想定する。
【0093】
図6Aでは、パネル#1のためのPHRが送信されると、パネル#1のための周期的タイマが再度開始し、当該周期的タイマが満了すると、パネル#1のための周期的PHRがトリガ/送信される。また、パネル#2のためのPHRが送信されると、パネル#2のための周期的タイマが再度開始し、当該周期的タイマが満了すると、パネル#2のための周期的PHRがトリガ/送信される。パネル#1のための周期的タイマと、パネル#2のための周期的タイマと、は独立して動作する。
【0094】
図6Bでは、パネル#1のためのPHRが送信されると、パネル#1が属するパネルグループ#aのための周期的タイマが再度開始する。本例では、この周期的タイマが満了する前に、パネル#2のためのPHRが送信され、パネル#2が属するパネルグループ#aのための周期的タイマが再度開始する。周期的タイマが満了すると、パネルグループ#aに含まれるパネル#1及び#2のための周期的PHRがトリガ/送信される。
【0095】
以上説明した第3の実施形態によれば、UEは、周期的タイマに基づいて、パネル固有PHR送信を、好適にトリガできる。
【0096】
<その他>
上述の各実施形態において、シグナリングオーバーヘッドの低減、UEの複雑さの低減などを考慮して、1つ以上のパネル又は1つ以上のパネルグループに関して、同じ報告量、同じパラメータ、同じタイマの少なくとも1つが用いられてもよい。
【0097】
例えば、第1の実施形態において、パネルグループ(又は複数のパネル)は、同じPHRを共有してもよい。言い換えると、あるパネルグループについて報告されるPCMAX、PH、P-MPRなどは、当該パネルグループ内の全パネルについて適用されてもよい。
【0098】
第2又は第3の実施形態において、パネルグループ(又は複数のパネル)は、同じ禁止タイマ/同じ周期的タイマを共有してもよい。
【0099】
あるパネルグループ(又は複数のパネル)が同じPHR(又はPCMAX又はPH又はP-MPR又は禁止タイマ又は周期的タイマ)を共有するか否かは、上位レイヤ(例えば、RRC)シグナリングによってUEに設定されてもよいし、仕様によって予め定められてもよいし、UE能力によって判断されてもよい。
【0100】
上述の各実施形態は、UEが特定の能力情報を報告した場合に適用されてもよいし、UEが上位レイヤシグナリングによって上述の実施形態に関連する特定の情報を設定された場合に適用されてもよい。UEは、当該特定の能力情報を報告しない又は当該特定の情報が設定されない場合には、Rel.15/16のPHR送信方法を用いてもよい。
【0101】
例えば、当該特定の能力情報は、UEが、パネル固有PHR、パネルのためのPHR用禁止タイマ及びパネルのためのPHR用周期的タイマの少なくとも1つをサポートすることを示す情報であってもよい。
【0102】
例えば、当該特定の情報は、パネル固有PHR、パネルのためのPHR用禁止タイマ及びパネルのためのPHR用周期的タイマの少なくとも1つを有効化することを示す情報であってもよい。
【0103】
(無線通信システム)
以下、本開示の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本開示の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0104】
図7は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1は、Third Generation Partnership Project(3GPP)によって仕様化されるLong Term Evolution(LTE)、5th generation mobile communication system New Radio(5G NR)などを用いて通信を実現するシステムであってもよい。
【0105】
また、無線通信システム1は、複数のRadio Access Technology(RAT)間のデュアルコネクティビティ(マルチRATデュアルコネクティビティ(Multi-RAT Dual Connectivity(MR-DC)))をサポートしてもよい。MR-DCは、LTE(Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA))とNRとのデュアルコネクティビティ(E-UTRA-NR Dual Connectivity(EN-DC))、NRとLTEとのデュアルコネクティビティ(NR-E-UTRA Dual Connectivity(NE-DC))などを含んでもよい。
【0106】
EN-DCでは、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がマスタノード(Master Node(MN))であり、NRの基地局(gNB)がセカンダリノード(Secondary Node(SN))である。NE-DCでは、NRの基地局(gNB)がMNであり、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がSNである。
【0107】
無線通信システム1は、同一のRAT内の複数の基地局間のデュアルコネクティビティ(例えば、MN及びSNの双方がNRの基地局(gNB)であるデュアルコネクティビティ(NR-NR Dual Connectivity(NN-DC)))をサポートしてもよい。
【0108】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12(12a-12c)と、を備えてもよい。ユーザ端末20は、少なくとも1つのセル内に位置してもよい。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。以下、基地局11及び12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
【0109】
ユーザ端末20は、複数の基地局10のうち、少なくとも1つに接続してもよい。ユーザ端末20は、複数のコンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))を用いたキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation(CA))及びデュアルコネクティビティ(DC)の少なくとも一方を利用してもよい。
【0110】
各CCは、第1の周波数帯(Frequency Range 1(FR1))及び第2の周波数帯(Frequency Range 2(FR2))の少なくとも1つに含まれてもよい。マクロセルC1はFR1に含まれてもよいし、スモールセルC2はFR2に含まれてもよい。例えば、FR1は、6GHz以下の周波数帯(サブ6GHz(sub-6GHz))であってもよいし、FR2は、24GHzよりも高い周波数帯(above-24GHz)であってもよい。なお、FR1及びFR2の周波数帯、定義などはこれらに限られず、例えばFR1がFR2よりも高い周波数帯に該当してもよい。
【0111】
また、ユーザ端末20は、各CCにおいて、時分割複信(Time Division Duplex(TDD))及び周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))の少なくとも1つを用いて通信を行ってもよい。
【0112】
複数の基地局10は、有線(例えば、Common Public Radio Interface(CPRI)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線(例えば、NR通信)によって接続されてもよい。例えば、基地局11及び12間においてNR通信がバックホールとして利用される場合、上位局に該当する基地局11はIntegrated Access Backhaul(IAB)ドナー、中継局(リレー)に該当する基地局12はIABノードと呼ばれてもよい。
【0113】
基地局10は、他の基地局10を介して、又は直接コアネットワーク30に接続されてもよい。コアネットワーク30は、例えば、Evolved Packet Core(EPC)、5G Core Network(5GCN)、Next Generation Core(NGC)などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0114】
ユーザ端末20は、LTE、LTE-A、5Gなどの通信方式の少なくとも1つに対応した端末であってもよい。
【0115】
無線通信システム1においては、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))ベースの無線アクセス方式が利用されてもよい。例えば、下りリンク(Downlink(DL))及び上りリンク(Uplink(UL))の少なくとも一方において、Cyclic Prefix OFDM(CP-OFDM)、Discrete Fourier Transform Spread OFDM(DFT-s-OFDM)、Orthogonal Frequency Division Multiple Access(OFDMA)、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)などが利用されてもよい。
【0116】
無線アクセス方式は、波形(waveform)と呼ばれてもよい。なお、無線通信システム1においては、UL及びDLの無線アクセス方式には、他の無線アクセス方式(例えば、他のシングルキャリア伝送方式、他のマルチキャリア伝送方式)が用いられてもよい。
【0117】
無線通信システム1では、下りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel(PDSCH))、ブロードキャストチャネル(Physical Broadcast Channel(PBCH))、下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel(PDCCH))などが用いられてもよい。
【0118】
また、無線通信システム1では、上りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel(PUSCH))、上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel(PUCCH))、ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel(PRACH))などが用いられてもよい。
【0119】
PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、System Information Block(SIB)などが伝送される。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送されてもよい。また、PBCHによって、Master Information Block(MIB)が伝送されてもよい。
【0120】
PDCCHによって、下位レイヤ制御情報が伝送されてもよい。下位レイヤ制御情報は、例えば、PDSCH及びPUSCHの少なくとも一方のスケジューリング情報を含む下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))を含んでもよい。
【0121】
なお、PDSCHをスケジューリングするDCIは、DLアサインメント、DL DCIなどと呼ばれてもよいし、PUSCHをスケジューリングするDCIは、ULグラント、UL DCIなどと呼ばれてもよい。なお、PDSCHはDLデータで読み替えられてもよいし、PUSCHはULデータで読み替えられてもよい。
【0122】
PDCCHの検出には、制御リソースセット(COntrol REsource SET(CORESET))及びサーチスペース(search space)が利用されてもよい。CORESETは、DCIをサーチするリソースに対応する。サーチスペースは、PDCCH候補(PDCCH candidates)のサーチ領域及びサーチ方法に対応する。1つのCORESETは、1つ又は複数のサーチスペースに関連付けられてもよい。UEは、サーチスペース設定に基づいて、あるサーチスペースに関連するCORESETをモニタしてもよい。
【0123】
1つのサーチスペースは、1つ又は複数のアグリゲーションレベル(aggregation Level)に該当するPDCCH候補に対応してもよい。1つ又は複数のサーチスペースは、サーチスペースセットと呼ばれてもよい。なお、本開示の「サーチスペース」、「サーチスペースセット」、「サーチスペース設定」、「サーチスペースセット設定」、「CORESET」、「CORESET設定」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0124】
PUCCHによって、チャネル状態情報(Channel State Information(CSI))、送達確認情報(例えば、Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement(HARQ-ACK)、ACK/NACKなどと呼ばれてもよい)及びスケジューリングリクエスト(Scheduling Request(SR))の少なくとも1つを含む上り制御情報(Uplink Control Information(UCI))が伝送されてもよい。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送されてもよい。
【0125】
なお、本開示において下りリンク、上りリンクなどは「リンク」を付けずに表現されてもよい。また、各種チャネルの先頭に「物理(Physical)」を付けずに表現されてもよい。
【0126】
無線通信システム1では、同期信号(Synchronization Signal(SS))、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal(DL-RS))などが伝送されてもよい。無線通信システム1では、DL-RSとして、セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal(CRS))、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal(CSI-RS))、復調用参照信号(DeModulation Reference Signal(DMRS))、位置決定参照信号(Positioning Reference Signal(PRS))、位相トラッキング参照信号(Phase Tracking Reference Signal(PTRS))などが伝送されてもよい。
【0127】
同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(Primary Synchronization Signal(PSS))及びセカンダリ同期信号(Secondary Synchronization Signal(SSS))の少なくとも1つであってもよい。SS(PSS、SSS)及びPBCH(及びPBCH用のDMRS)を含む信号ブロックは、SS/PBCHブロック、SS Block(SSB)などと呼ばれてもよい。なお、SS、SSBなども、参照信号と呼ばれてもよい。
【0128】
また、無線通信システム1では、上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal(UL-RS))として、測定用参照信号(Sounding Reference Signal(SRS))、復調用参照信号(DMRS)などが伝送されてもよい。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。
【0129】
(基地局)
図8は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。基地局10は、制御部110、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース(transmission line interface)140を備えている。なお、制御部110、送受信部120及び送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0130】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0131】
制御部110は、基地局10全体の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0132】
制御部110は、信号の生成、スケジューリング(例えば、リソース割り当て、マッピング)などを制御してもよい。制御部110は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部110は、信号として送信するデータ、制御情報、系列(sequence)などを生成し、送受信部120に転送してもよい。制御部110は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行ってもよい。
【0133】
送受信部120は、ベースバンド(baseband)部121、Radio Frequency(RF)部122、測定部123を含んでもよい。ベースバンド部121は、送信処理部1211及び受信処理部1212を含んでもよい。送受信部120は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ(phase shifter)、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0134】
送受信部120は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部1211、RF部122から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部1212、RF部122、測定部123から構成されてもよい。
【0135】
送受信アンテナ130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0136】
送受信部120は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを送信してもよい。送受信部120は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを受信してもよい。
【0137】
送受信部120は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0138】
送受信部120(送信処理部1211)は、例えば制御部110から取得したデータ、制御情報などに対して、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤの処理、Radio Link Control(RLC)レイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、Medium Access Control(MAC)レイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0139】
送受信部120(送信処理部1211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform(DFT))処理(必要に応じて)、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT))処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0140】
送受信部120(RF部122)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ130を介して送信してもよい。
【0141】
一方、送受信部120(RF部122)は、送受信アンテナ130によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0142】
送受信部120(受信処理部1212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform(IDFT))処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0143】
送受信部120(測定部123)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部123は、受信した信号に基づいて、Radio Resource Management(RRM)測定、Channel State Information(CSI)測定などを行ってもよい。測定部123は、受信電力(例えば、Reference Signal Received Power(RSRP))、受信品質(例えば、Reference Signal Received Quality(RSRQ)、Signal to Interference plus Noise Ratio(SINR)、Signal to Noise Ratio(SNR))、信号強度(例えば、Received Signal Strength Indicator(RSSI))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部110に出力されてもよい。
【0144】
伝送路インターフェース140は、コアネットワーク30に含まれる装置、他の基地局10などとの間で信号を送受信(バックホールシグナリング)し、ユーザ端末20のためのユーザデータ(ユーザプレーンデータ)、制御プレーンデータなどを取得、伝送などしてもよい。
【0145】
なお、本開示における基地局10の送信部及び受信部は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0146】
なお、送受信部120は、あるパネルに関するトリガイベントに関する情報を、ユーザ端末20に送信してもよい。当該情報は、phr-ProhibitTimer、phr-PeriodicTimer、phr-Tx-PowerFactorChange、P-MPRに関する閾値(第1の実施形態の(3))などの少なくとも1つの情報であってもよい。当該情報は、関連するパネル(例えば、パネルID)とともに設定されてもよく、PHRの設定情報に含まれてもよい。
【0147】
また、送受信部120は、前記情報に基づいてトリガされる、当該パネルに関連するパワーヘッドルームレポート(Power Headroom Report(PHR))に関するMedium Access Control(MAC)制御要素(パネル固有PHR MAC CE)を受信してもよい。
【0148】
前記トリガイベントは、前記パネルに関連する周期的タイマが満了する、というイベントを含んでもよい。
【0149】
(ユーザ端末)
図9は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230を備えている。なお、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0150】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0151】
制御部210は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部210は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0152】
制御部210は、信号の生成、マッピングなどを制御してもよい。制御部210は、送受信部220及び送受信アンテナ230を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部210は、信号として送信するデータ、制御情報、系列などを生成し、送受信部220に転送してもよい。
【0153】
送受信部220は、ベースバンド部221、RF部222、測定部223を含んでもよい。ベースバンド部221は、送信処理部2211、受信処理部2212を含んでもよい。送受信部220は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0154】
送受信部220は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部2211、RF部222から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部2212、RF部222、測定部223から構成されてもよい。
【0155】
送受信アンテナ230は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0156】
送受信部220は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを受信してもよい。送受信部220は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを送信してもよい。
【0157】
送受信部220は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0158】
送受信部220(送信処理部2211)は、例えば制御部210から取得したデータ、制御情報などに対して、PDCPレイヤの処理、RLCレイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、MACレイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0159】
送受信部220(送信処理部2211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、DFT処理(必要に応じて)、IFFT処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0160】
なお、DFT処理を適用するか否かは、トランスフォームプリコーディングの設定に基づいてもよい。送受信部220(送信処理部2211)は、あるチャネル(例えば、PUSCH)について、トランスフォームプリコーディングが有効(enabled)である場合、当該チャネルをDFT-s-OFDM波形を用いて送信するために上記送信処理としてDFT処理を行ってもよいし、そうでない場合、上記送信処理としてDFT処理を行わなくてもよい。
【0161】
送受信部220(RF部222)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ230を介して送信してもよい。
【0162】
一方、送受信部220(RF部222)は、送受信アンテナ230によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0163】
送受信部220(受信処理部2212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、FFT処理、IDFT処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0164】
送受信部220(測定部223)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部223は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部223は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部210に出力されてもよい。
【0165】
なお、本開示におけるユーザ端末20の送信部及び受信部は、送受信部220及び送受信アンテナ230の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0166】
なお、制御部210は、あるパネルに関するトリガイベントが発生する場合に、当該パネルに関連するパワーヘッドルームレポート(Power Headroom Report(PHR))をトリガしてもよい。
【0167】
送受信部220は、トリガされる前記PHRに関するMedium Access Control(MAC)制御要素を送信してもよい。
【0168】
前記トリガイベントは、前記パネルに関連するパネル固有PHRの最後の送信以降に、前記パネルを介する上りリンク送信のためのパスロスリファレンスとして用いられる任意のMACエンティティの少なくとも1つのアクティベートされているサービングセルについて、パスロスがある閾値を超えて変動した、というイベントを含んでもよい。
【0169】
前記トリガイベントは、前記パネルに関連するパネル固有PHRの最後の送信以降に、前記パネルの電力管理最大電力低減(Power Management Maximum Power Reduction(P-MPR))がある閾値を超えて変動した、というイベントを含んでもよい。
【0170】
前記トリガイベントは、前記パネルに関連する禁止タイマが満了する又は満了した、というイベントを含んでもよい。
【0171】
前記トリガイベントは、前記パネルに関連する周期的タイマが満了する、というイベントを含んでもよい。
【0172】
制御部210は、前記周期的タイマが満了すると、全てのパネルのための前記PHRをトリガしてもよい。
【0173】
制御部210は、前記周期的タイマに基づいてトリガされる前記MAC CEが送信された場合には、前記周期的タイマを再度開始し、それ以外のトリガイベントに基づいてトリガされる前記MAC CEが送信された場合には、前記周期的タイマを再度開始しなくてもよい。
【0174】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0175】
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0176】
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0177】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0178】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0179】
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0180】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部110(210)、送受信部120(220)などの少なくとも一部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0181】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110(210)は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0182】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically EPROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0183】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(Compact Disc ROM(CD-ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0184】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex(FDD))及び時分割複信(Time Division Duplex(TDD))の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信部120(220)、送受信アンテナ130(230)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部120(220)は、送信部120a(220a)と受信部120b(220b)とで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0185】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、Light Emitting Diode(LED)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0186】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0187】
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0188】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル、シンボル及び信号(シグナル又はシグナリング)は、互いに読み替えられてもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号(reference signal)は、RSと略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier(CC))は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0189】
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0190】
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing(SCS))、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval(TTI))、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0191】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0192】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0193】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
【0194】
例えば、1サブフレームはTTIと呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0195】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0196】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0197】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0198】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(3GPP Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0199】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0200】
リソースブロック(Resource Block(RB))は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0201】
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
【0202】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB(PRB))、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group(SCG))、リソースエレメントグループ(Resource Element Group(REG))、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0203】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(Resource Element(RE))によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0204】
帯域幅部分(Bandwidth Part(BWP))(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0205】
BWPには、UL BWP(UL用のBWP)と、DL BWP(DL用のBWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0206】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定のチャネル/信号を送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0207】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix(CP))長などの構成は、様々に変更することができる。
【0208】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0209】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0210】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0211】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0212】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0213】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))、上り制御情報(Uplink Control Information(UCI)))、上位レイヤシグナリング(例えば、Radio Resource Control(RRC)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(Master Information Block(MIB))、システム情報ブロック(System Information Block(SIB))など)、Medium Access Control(MAC)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0214】
なお、物理レイヤシグナリングは、Layer 1/Layer 2(L1/L2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC Control Element(CE))を用いて通知されてもよい。
【0215】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0216】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0217】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0218】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line(DSL))など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0219】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。「ネットワーク」は、ネットワークに含まれる装置(例えば、基地局)のことを意味してもよい。
【0220】
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(Quasi-Co-Location(QCL))」、「Transmission Configuration Indication state(TCI状態)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「リソース」、「リソースセット」、「リソースグループ」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0221】
本開示においては、「基地局(Base Station(BS))」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNB(eNodeB)」、「gNB(gNodeB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(Transmission Point(TP))」、「受信ポイント(Reception Point(RP))」、「送受信ポイント(Transmission/Reception Point(TRP))」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0222】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head(RRH)))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0223】
本開示においては、「移動局(Mobile Station(MS))」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment(UE))」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0224】
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0225】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0226】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0227】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0228】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、Mobility Management Entity(MME)、Serving-Gateway(S-GW)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0229】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0230】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE-Beyond(LTE-B)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、6th generation mobile communication system(6G)、xth generation mobile communication system(xG)(xG(xは、例えば整数、小数))、Future Radio Access(FRA)、New-Radio Access Technology(RAT)、New Radio(NR)、New radio access(NX)、Future generation radio access(FX)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0231】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0232】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0233】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0234】
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0235】
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0236】
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0237】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
【0238】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0239】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0240】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0241】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0242】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
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