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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】サンプル調製器具
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20250403BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20250403BHJP
【FI】
G01N35/00 E
G01N35/08 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022537475
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 US2020066131
(87)【国際公開番号】W WO2021133686
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-17
【審判番号】
【審判請求日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】62/954,299
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Beckman Coulter, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 S. Kraemer Boulevard, Brea, CA 92821, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス デ カストロ, フアン
(72)【発明者】
【氏名】グティエレス, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】アーデルマン, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】カノ, ホセ
(72)【発明者】
【氏名】スタットラー, エリック
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】北島 拓馬
【審判官】萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-205046号公報(JP,A)
【文献】特開2016-128821号公報(JP,A)
【文献】特開2006-162524号公報(JP,A)
【文献】特表2019-501374号公報(JP,A)
【文献】特開平09-072842(JP,A)
【文献】特表2005-534895号公報(JP,A)
【文献】国際公開第2011/089966(WO,A1)
【文献】特開2005-331506号公報(JP,A)
【文献】特表2008-533466号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/14
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル調製器具(100)であって、
処理デバイス(120)と、前記処理デバイス(120)に結合されるメモリ(118)とを含むコントローラ(116)と、
試料を受容する入力ステーション(124)と、
前記試料中の白血球の濃度を推定する細胞濃度推定器(106)と、
前記試料のサンプルを分注する移送ステーション(112)であって、前記コントローラ(116)は、前記移送ステーション(112)に、前記試料中の前記推定された白血球の濃度に基づく前記サンプルの体積を分注するように命令するように構成されている、移送ステーション(112)と、
前記サンプルに添加される標識試薬を含む試薬ステーション(108)と、
前記サンプルに添加される溶解試薬を含む溶解ステーション(110)と、
前記サンプルへの前記標識試薬および前記溶解試薬の添加に続いて、前記サンプルを提供する出力ステーション(140)と
を備え、前記細胞濃度推定器(106)は、
前記試料の分割量を受容するように構成される混合チャンバ(400)と、
前記混合チャンバ(400)に接続される計数チャンバ(402)と、
前記分割量の少なくとも一部を前記混合チャンバ(400)から前記計数チャンバ(402)に前進させるように構成される流体ポンプ(406)と、
前記計数チャンバ(402)内の前記分割量の少なくとも前記一部の複数の画像を捕捉するように構成される光学システム(404)と
を含み、前記コントローラ(116)は、
前記推定された白血球の濃度が、所定の最低白血球濃度以下であることと、
前記推定された白血球の濃度が、所定の最高白血球濃度以上であることと
のうちの1つ以上である場合に前記サンプルの処理を阻止させられるようにさらに構成される、サンプル調製器具(100)。
【請求項2】
前記混合チャンバ(400)は、
容器(420)と、
前記容器(420)の開放端上に位置付けられるキャップ(422)であって、前記キャップ(422)は、複数の入力ポート(428、430、432)と、前記サンプルを前記容器(420)の中に分注する移送ステーションプローブ(114)のための開口部(426)とを備える、キャップ(422)と、
前記試料の前記分割量を、前記複数の入力ポート(428、430、432)を介して前記容器(420)の中に分注された1つ以上の試薬と混合するためのモータ(424)であって、前記1つ以上の試薬は、溶解試薬および希釈剤試薬を含む、モータ(424)と
を備える、請求項1に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項3】
前記計数チャンバ(402)は、1つ以上の透明フローセルを備える、請求項1または請求項2に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項4】
前記光学システム(404)は、カメラ(440)と、光源(442)と、レンズ(444)とを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項5】
前記メモリ(118)は、命令を記憶しており、前記命令は、前記処理デバイス(120)によって実行されると、前記処理デバイス(120)に、
前記細胞濃度推定器(106)の前記光学システム(404)によって捕捉された前記試料の前記分割量の前記複数の画像を受信することと、
各画像内で計数される白血球の数に基づいて、前記複数の画像内の白血球の総数を決定すること(462)と、
前記複数の画像内の前記分割量の総体積を決定すること(464)と、
前記複数の画像内の前記白血球の総数および前記分割量の総体積に基づいて、前記白血球の濃度を推定すること(466)と
を行わせる、請求項1に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項6】
前記メモリ(118)は、命令を記憶しており、前記命令は、前記処理デバイス(120)によって実行されると、前記処理デバイス(120)に、
実施されるべきパネル(346)の選択を受信することと、
前記メモリ(118)から、前記パネルに関して前記試料を調製するための事前に定義されたルールのセットを読み出すことであって、前記事前に定義されたルールのセットは、白血球濃度の1つ以上の範囲に対応する前記サンプルの体積を含む、ことと、
前記事前に定義されたルールのセットおよび前記試料中の前記推定された白血球の濃度に基づいて、前記サンプルの体積を決定することと
を行わせる、請求項5に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項7】
前記事前に定義されたルールのセットはさらに、前記所定の最低白血球濃度、前記所定の最高白血球濃度、および前記白血球濃度の1つ以上の範囲を含み、前記白血球濃度の1つ以上の範囲は、前記所定の最低白血球濃度と前記所定の最高白血球濃度との間にある、請求項6に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項8】
ディスプレイ(122)をさらに備え、前記ディスプレイ(122)は、
前記推定された白血球の濃度が該当する範囲と、
分注された前記サンプルの体積と、
前記サンプルの前記処理が阻止されるときのアラートと
のうちの1つ以上を含むユーザインターフェースを提供するように構成される、請求項1~のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項9】
前記細胞濃度推定器(106)は、
電解質溶液中に懸濁された前記試料の前記分割量を受容する第1のチャンバと、
第2のチャンバと、
前記第1のチャンバを前記第2のチャンバに接続する開口であって、前記開口を通して前記電解質溶液中に懸濁された前記試料の前記分割量が、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバに流動する、開口と、
電場を前記細胞濃度推定器内に生成する少なくとも2つの電極であって、前記試料中の白血球の濃度の推定値は、前記試料の前記分割量が前記開口を通して流動するにつれて、前記開口を横断して検出された電気抵抗の変化に基づいて決定される、少なくとも2つの電極と
を含む、請求項1に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項10】
前記細胞濃度推定器(106)は、フローサイトメーターを含む、請求項1に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項11】
前記入力ステーション(124)は、カセットを揺動させるための揺動機構を含み、前記カセット中に前記試料を備える管が受容される、請求項1~10のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
【請求項12】
前記入力ステーション(124)は、単一管装填器(126)を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2020年12月18日に、PCT国際特許出願として出願されており、その開示全体が、参照することによってその全体として組み込まれる、2019年12月27日に出願された、米国仮特許出願第62/954,299号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
フローサイトメーターまたは他のサンプル分析器具等の器具による分析のための試料を調製するために、試料のサンプルが、サンプル中の成分を標的化し、標的化された成分の分析を促進する、標識試薬で染色される。一実施例として、標的は、血液試料中の白血球のサブセットであることができ、標識試薬は、白血球のサブセットに付着される、抗体である。試料の標識試薬での染色は、試料中に存在する白血球のある数に基づいて実施される。例えば、試料中に約4,000~約10,000細胞/マイクロリットル(μL)の正常白血球濃度が存在する場合、染色するための特定の体積の標識試薬が、使用される。しかしながら、試料中の白血球濃度が、異常に高いまたは低い場合、特定の体積の標識試薬は、それぞれ、白血球を標的化する際に効果的ではないであろう、または分析に干渉するであろう。したがって、取得されるべき試料中の白血球濃度に関して、サンプルが分析のために調製される前に、白血球濃度が特定の体積の標識試薬のために適切な範囲内にあるかどうかを確認することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一般に、本開示は、サンプル調製器具と、サンプル調製器具によって分析のための試料のサンプルを調製するために実施される、方法とを対象とする。1つの可能性として考えられる構成では、非限定的実施例として、試料中の白血球濃度が、推定され、調製されるべきサンプルの体積が、白血球濃度に基づいて、決定され、分析のための試料の成分を標的化する試薬を含む、1つまたはそれを上回る試薬が、サンプルに添加され、サンプルを調製する。種々の側面が、本開示に説明され、これは、限定ではないが、以下の側面を含む。
【0004】
一側面は、サンプル調製器具である。サンプル調製器具は、試料を受容する、入力ステーションと、試料中の白血球の濃度を推定する、細胞濃度推定器と、試料のサンプルを分注する、移送ステーションであって、サンプルの体積は、試料中の推定される白血球の濃度に基づく、移送ステーションとを含むことができる。サンプル調製器具はまた、試薬ステーションと、溶解ステーションとを含むことができる。試薬ステーションは、サンプルに添加される、標識試薬を含む。溶解ステーションは、サンプルに添加される、溶解試薬を含む。サンプル調製器具はさらに、サンプルへの標識試薬および溶解試薬の添加に続いて、サンプルを提供する、出力ステーションを含むことができる。
【0005】
別の側面は、試料を入力として受容することと、試料中の白血球の濃度を推定することと、試料のサンプルを分注することであって、サンプルの体積は、試料中の推定される白血球の濃度に基づく、こととを含む、方法である。本方法はまた、1つまたはそれを上回る標識試薬をサンプルに添加することと、1つまたはそれを上回る溶解試薬をサンプルに添加することと、サンプルへの1つまたはそれを上回る標識試薬および1つまたはそれを上回る溶解試薬の添加に続いて、試料のサンプルを出力として提供することとを含む。
【0006】
さらなる側面は、試料を受容する、入力ステーションと、試料中の白血球の濃度を推定する、細胞濃度推定器と、試料のサンプルを分注する、移送ステーションであって、サンプルの体積は、試料中の推定される白血球の濃度に基づく、移送ステーションとを含む、サンプル調製および分析器具である。サンプル調製および分析器具はまた、試薬ステーションと、溶解ステーションとを含む。試薬ステーションは、サンプルに添加される、標識試薬を含む。溶解ステーションは、サンプルに添加される、溶解試薬を含む。サンプル調製および分析器具はさらに、サンプルへの1つまたはそれを上回る標識試薬および1つまたはそれを上回る溶解試薬の添加に続いて、分析をサンプル上で実施する、サンプル分析器と、分析の結果を提供する、出力ステーションとを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
サンプル調製器具(100)であって、
試料を受容する入力ステーション(124)と、
上記試料中の白血球の濃度を推定する細胞濃度推定器(106)と、
上記試料のサンプルを分注する移送ステーション(112)であって、上記サンプルの体積は、上記試料中の推定される白血球の濃度に基づく、移送ステーション(112)と、
上記サンプルに添加される標識試薬を含む試薬ステーション(108)と、
上記サンプルに添加される溶解試薬を含む溶解ステーション(110)と、
上記サンプルへの上記標識試薬および上記溶解試薬の添加に続いて、上記サンプルを提供する出力ステーション(140)と
を備える、サンプル調製器具(100)。
(項目2)
上記細胞濃度推定器(106)は、
上記試料の分割量を受容するように構成される混合チャンバ(400)と、
上記混合チャンバ(400)に接続される計数チャンバ(402)と、
上記分割量の少なくとも一部を上記混合チャンバ(400)から上記計数チャンバ(402)に前進させるように構成される流体ポンプ(406)と、
上記計数チャンバ(402)内で上記分割量の少なくとも一部の複数の画像を捕捉するように構成される光学システム(404)と
を含む、項目1に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目3)
上記混合チャンバ(400)は、
容器(420)と、
上記容器(420)の開放端上に位置付けられるキャップ(422)であって、上記キャップ(422)は、複数の入力ポート(428、430、432)と、上記サンプルを上記容器(420)の中に分注する移送ステーションプローブ(114)のための開口部(426)とを備える、キャップ(422)と、
上記試料の分割量と、上記複数の入力ポート(428、430、432)を介して上記容器(420)の中に分注された1つまたはそれを上回る試薬とを混合するためのモータ(424)であって、上記1つまたはそれを上回る試薬は、溶解試薬および希釈剤試薬を含む、モータ(424)と
を備える、項目2に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目4)
上記計数チャンバ(402)は、1つまたはそれを上回る透明フローセルを備える、項目2または項目3に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目5)
上記光学システム(404)は、カメラ(440)と、光源(442)と、レンズ(444)とを含む、項目2-4のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目6)
処理デバイス(120)と、上記処理デバイス(120)に結合されるメモリ(118)とを含むコンピューティングデバイス(116)をさらに備える、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目7)
上記メモリ(118)は、命令を記憶しており、上記命令は、上記処理デバイス(120)によって実行されると、上記処理デバイス(120)に、
上記細胞濃度推定器(106)の光学システム(404)によって捕捉された上記試料の分割量の複数の画像を受信することと、
各画像内で計数される白血球の数に基づいて、上記複数の画像内の白血球の総数を決定すること(462)と、
上記複数の画像内の上記分割量の総体積を決定すること(464)と、
上記複数の画像内の上記白血球の総数および上記分割量の総体積に基づいて、白血球の濃度を推定すること(466)と
を行わせる、項目6に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目8)
上記メモリ(118)は、命令を記憶しており、上記命令は、上記処理デバイス(120)によって実行されると、上記処理デバイス(120)に、
実施されるべきパネル(346)の選択を受信することと、
上記メモリ(118)から、上記パネルに関して上記試料を調製するための事前に定義されたルールのセットを読み出すことであって、上記事前に定義されたルールのセットは、白血球濃度の1つまたはそれを上回る範囲に対応する上記サンプルの体積を含む、ことと、
事前に定義されたルールのセットおよび上記試料中の推定される白血球の濃度に基づいて、上記サンプルの体積を決定することと
を行わせる、項目6または項目7に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目9)
上記事前に定義されたルールのセットはさらに、最低白血球濃度および最高白色血液濃度を含み、上記白血球濃度の1つまたはそれを上回る範囲は、上記最低白血球濃度と上記最高白血球濃度との間にある、項目8に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目10)
上記処理デバイス(120)はさらに、
上記試料に関する上記推定される白血球の濃度が、上記最低白血球濃度またはそれを下回る場合と、
上記試料に関する上記推定される白血球の濃度が、上記最高白血球濃度またはそれを上回る場合と
のうちの1つまたはそれを上回るものの場合、上記サンプルの処理を阻止させられる、項目9に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目11)
ディスプレイ(122)をさらに備え、上記ディスプレイ(122)は、
上記推定される白血球の濃度が該当する範囲と、
分注された上記サンプルの体積と、
上記サンプルの処理が阻止されるときのアラートと
のうちの1つまたはそれを上回るものを含むユーザインターフェースを提供するように構成される、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目12)
上記細胞濃度推定器(106)は、
電解質溶液中に懸濁された上記試料の分割量を受容する第1のチャンバと、
第2のチャンバと、
上記第1のチャンバを上記第2のチャンバに接続する開口であって、それを通して上記電解質溶液中に懸濁された上記試料の分割量が、上記第1のチャンバから上記第2のチャンバに流動する、開口と、
電場を上記細胞濃度推定器内に生成する少なくとも2つの電極であって、上記試料中の白血球の濃度の推定値は、上記試料の分割量が上記開口を通して流動するにつれて、上記開口を横断して検出された電気抵抗の変化に基づいて決定される、少なくとも2つの電極と
を含む、項目1に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目13)
上記細胞濃度推定器(106)は、フローサイトメーターを含む、項目1に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目14)
上記入力ステーション(124)は、その中に上記試料を備える管が受容されるカセットを揺動させるための揺動機構を含む、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目15)
上記入力ステーション(124)は、単一管装填器(126)を含む、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目16)
上記入力ステーション(124)は、上記試料を備える管上の機械可読コードを走査する読取機を含み、上記機械可読コードは、上記試料を識別する、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目17)
上記試薬ステーション(108)は、乾燥標識試薬(132)を貯蔵するための装置と、液体標識試薬(130)を貯蔵するための装置とのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目18)
上記移送ステーション(112)の1つまたはそれを上回るプローブ(114)と、
細胞洗浄器(128)と、
ビーズ混合器(134)と、
プレート混合器(136)と、
プローブ洗浄ステーション(138)と、
1つまたはそれを上回るコード読取機を含む追跡システムと
のうちの1つまたはそれを上回るものをさらに備える、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目19)
上記細胞洗浄器(128)は、
空洞およびポケットを画定する本体を含む容器であって、上記ポケットは、上記空洞を画定する内壁表面に対して半径方向外向きに延在する、容器と、
上記容器を軸を中心としてスピンさせることが可能である作動デバイスと
から成る、項目18に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目20)
上記細胞洗浄器(128)は、上記標識試薬の添加に先立って、上記サンプルを洗浄する、項目18または項目19に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目21)
上記細胞洗浄器(128)は、上記溶解試薬の添加に続いて、上記サンプルを洗浄する、項目18-20のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目22)
上記細胞濃度推定器(106)は、上記サンプル調製器具(100)から取外可能である、上記項目のいずれか1項に記載のサンプル調製器具(100)。
(項目23)
方法(386)であって、
試料を入力として受容すること(388)と、
上記試料中の白血球の濃度を推定すること(390)と、
上記試料のサンプルを分注すること(392)であって、上記サンプルの体積は、上記試料中の推定される白血球の濃度に基づく、ことと、
1つまたはそれを上回る標識試薬を上記サンプルに添加すること(394)と、
1つまたはそれを上回る溶解試薬を上記サンプルに添加すること(396)と、
上記サンプルへの上記1つまたはそれを上回る標識試薬および上記1つまたはそれを上回る溶解試薬の添加に続いて、上記サンプルを出力として提供すること(398)と
を含む、方法。
(項目24)
上記試料に関する識別子を受信することと、
上記試料上で実施されるべきパネルを受信することと
をさらに含む、項目23に記載の方法(386)。
(項目25)
上記受信されたパネルに基づいて、上記サンプルの処理と関連付けられる事前に定義されたルールのセットを読み出すことをさらに含み、事前に定義されたルールのセットは、
上記試料中の白血球の濃度が推定されるべきであるかどうかと、
白血球の最低濃度と、
白血球の最高濃度と、
上記最低濃度と上記最高濃度との間の白血球の濃度の1つまたはそれを上回る範囲のために分注されるべき上記サンプルの体積と、
上記サンプルを希釈すべきかどうかと
のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目24に記載の方法(386)。
(項目26)
上記推定される白血球の濃度が上記最低濃度および上記最高濃度によって定義された上記サンプルを処理するための範囲内にあるとき、上記サンプルを処理することを決定すること(328)をさらに含む、項目25に記載の方法(386)。
(項目27)
上記事前に定義されたルールのセットに基づいて、上記サンプルが希釈されるべきであることを決定することと、
上記サンプルを希釈すること(336)と
をさらに含む、項目25または項目26に記載の方法(386)。
(項目28)
上記試料中の白血球の濃度を推定すること(390)は、
上記試料の溶解および希釈された分割量がフローセルを通して前進されるにつれて、複数の画像を捕捉すること(460)と、
各画像内で計数される白血球の数に基づいて、上記複数の画像内の白血球の総数を決定すること(462)と、
上記複数の画像内の上記分割量の総体積を決定すること(464)と、
上記複数の画像内の上記白血球の総数および上記分割量の総体積に基づいて、白血球の濃度を推定すること(466)と
を含む、項目23-27のいずれか1項に記載の方法(386)。
(項目29)
上記試料中の白血球の濃度を推定すること(390)は、
上記試料の分割量を電解質溶液中に懸濁させること(602)と、
それを通して電流が流動する開口を通して、上記懸濁された分割量を通過させること(604)と、
上記懸濁された分割量が上記開口を通して流動するにつれて、上記開口を横断した電気抵抗の変化を検出すること(606)と、
上記検出された変化に基づいて、上記試料中の白血球の濃度を推定すること(608)と
を含む、項目23-27のいずれか1項に記載の方法(386)。
(項目30)
上記試料中の白血球の濃度を推定すること(390)は、
上記試料の分割量を、白血球を標的化する抗体マーカで染色すること(692)と、
フローサイトメーターを使用して、所定の期間にわたって、上記染色された分割量を分析すること(656)と、
上記所定の期間内で計数される白血球の数および上記フローサイトメーターの流率に基づいて、上記試料中の白血球の濃度を推定すること(658)と
を含む、項目23-27のいずれか1項に記載の方法(386)。
(項目31)
上記フローサイトメーターの流率が把握されていない場合、
上記染色された分割量を分析することに先立って、複数の計数ビーズを上記染色された分割量に添加すること(654)と、
上記計数される白血球の数と、計数される計数ビーズの数対上記白血球の数の比とに基づいて、上記試料中の白血球の濃度を推定すること(658)と
をさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
上記1つまたはそれを上回る標識試薬を添加することに先立って、上記サンプルを細胞洗浄すること(228)をさらに含む、項目23-31のいずれか1項に記載の方法(386)。
(項目33)
上記1つまたはそれを上回る溶解試薬を添加することに続いて、上記サンプルを細胞洗浄すること(240)をさらに含む、項目23-32のいずれか1項に記載の方法(386)。
(項目34)
上記1つまたはそれを上回る標識試薬の添加に続いて、所定の期間にわたって、上記サンプルをインキュベートすること(234)と、
上記1つまたはそれを上回る溶解試薬の添加に続いて、所定の期間にわたって、上記サンプルをインキュベートすること(238)と
のうちの1つまたはそれを上回るものをさらに含む、項目23-33のいずれか1項に記載の方法(386)。
(項目35)
サンプル調製および分析器具(150)であって、
試料を受容する入力ステーション(124)と、
上記試料中の白血球の濃度を推定する細胞濃度推定器(106)と、
上記試料のサンプルを分注するように構成される移送ステーション(112)であって、上記サンプルの体積は、上記試料中の推定される白血球の濃度に基づく、移送ステーション(112)と、
上記サンプルに添加される標識試薬を含む試薬ステーション(108)と、
上記サンプルに添加される溶解試薬を含む溶解ステーション(110)と、
上記サンプルへの上記標識試薬および上記溶解試薬の添加に続いて、分析を上記サンプル上で実施するサンプル分析器(152)と、
上記分析の結果を提供する出力ステーション(140)と
を備える、サンプル調製および分析器具(150)。
(項目36)
上記サンプル分析器(152)は、フローサイトメーターである、項目35に記載のサンプル調製および分析器具(150)。
(項目37)
上記移送ステーション(112)は、上記サンプル調製および分析器具(150)内で上記試料、上記標識試薬、上記溶解試薬、および上記サンプルのうちの1つまたはそれを上回るものを移送するための1つまたはそれを上回るプローブ(114)を備える、項目35または項目36に記載のサンプル調製および分析器具(150)。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、例示的サンプル調製器具を描写する。
【0008】
図2図2は、例示的サンプル調製器具のブロック図である。
【0009】
図3図3は、例示的サンプル調製器具の基本ハードウェア構成要素のブロック図である。
【0010】
図4図4は、例示的サンプル調製器具の付加的ハードウェア構成要素のブロック図である。
【0011】
図5図5は、図3および図4に説明される、例示的サンプル調製器具のハードウェア構成要素を描写する。
【0012】
図6図6は、例示的サンプル調製および分析器具の基本ハードウェア構成要素のブロック図である。
【0013】
図7図7は、例示的コンピューティングデバイスである。
【0014】
図8図8は、試料のための例示的サンプル調製プロセスを図式的に図示する。
【0015】
図9図9は、試料のための別の例示的サンプル調製プロセスを図式的に図示する。
【0016】
図10図10は、試料のためのさらなる例示的サンプル調製プロセスを図式的に図示する。
【0017】
図11図11は、試料のためのなおもさらに例示的サンプル調製プロセスを図式的に図示する。
【0018】
図12図12は、分析のための試料のサンプルを調製するための方法を図示する、プロセスフロー図である。
【0019】
図13図13は、例示的試料装填ユーザインターフェースである。
【0020】
図14図14は、分析のための試料を調製するための事前に定義されたルールのセットを受信するための例示的ユーザインターフェースである。
【0021】
図15図15は、分析のための試料のサンプルを調製するための方法を図示する、フローチャートである。
【0022】
図16図16は、例示的細胞濃度推定器のハードウェア構成要素を図示する。
【0023】
図17図17は、細胞濃度推定器の例示的混合チャンバである。
【0024】
図18図18は、細胞濃度推定器の例示的計数チャンバおよび光学システムである。
【0025】
図19図19は、試料中の白血球濃度を推定するための光学方法を図示する、フローチャートである。
【0026】
図20図20は、試料中の白血球濃度を推定するための光学方法を図式的に図示する。
【0027】
図21図21は、複数の捕捉された画像内の総体積を決定するために使用される、対物ミクロメーターの画像を図示する。
【0028】
図22図22は、画像内の白血球の数を決定するために実施される、画像分析を図示する。
【0029】
図23図23は、画像分析の間に取得される、白血球計数のグラフ表示を図示する。
【0030】
図24図24は、試料中の白血球濃度を推定するための電気抵抗方法を図示する、フローチャートである。
【0031】
図25図25は、試料中の白血球濃度を推定するためのフローサイトメトリ方法を図示する、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
詳細な説明
同様の参照数字が、いくつかの図の全体を通して同様の部品およびアセンブリを表す、図面を参照して、種々の実施形態が詳細に説明される。種々の実施形態の参照は、本明細書に添付される請求項の範囲を限定しない。加えて、本明細書に記載される任意の実施例は、限定的であることを意図せず、添付の請求項の多くの可能性として考えられる実施形態のうちのいくつかを記載するにすぎない。
【0033】
図1は、例示的サンプル調製器具100を描写する。サンプル調製器具100は、フローサイトメトリパネルのため等、後続分析のために、試料のサンプルを調製するために使用されることができる。例示的試料は、全血、骨髄、解離された組織、末梢単核細胞、生検物、脳脊髄液、および他の単細胞懸濁液を含むことができる。一実施例として、フローサイトメトリサービスを提供する、実験室は、白血病またはリンパ腫パネルのために調製されるべき全血試料を受容する。血液の成分は、血漿、赤血球、白血球、および血小板を含む。白血病またはリンパ腫は、白血球に影響を及ぼし(例えば、異常に高白血球計数を引き起こす)、したがって、白血球のサブセットは、白血病またはリンパ腫パネルにおける分析のために標的化される、血液の成分である。パネルのための血液のサンプルを調製するために、白血球に付着される、抗体試薬等の標識試薬が、血液を染色するために使用される。例えば、約100μLの血液が、約20μLの抗体試薬で染色され、約10~20分にわたって、インキュベートされる。抗体試薬は、例えば、フローサイトメトリによる白血球の分析を可能にする、蛍光性色素を含むことができる。いくつかの実施例では、細胞洗浄が、染色に干渉する、血漿および関連付けられるタンパク質を除去するために、抗体試薬を添加することに先立って、血液上で実施される(例えば、主に、赤血球および白血球が残るように)。溶解試薬は、次いで、サンプルに添加され、インキュベートされ、赤血球を破壊する。いくつかの実施例では、別の洗浄が、溶解活動を減速させ、白血球の破壊を回避し、および/または赤血球残骸を除去するために、実施されることができる。サンプルは、次いで、分析されることができる。例えば、白血病またはリンパ腫パネルが、フローサイトメーターによって実施されることができる。
【0034】
血液に添加される抗体試薬の体積は、血液中の白血球濃度に基づく。例えば、20μLの抗体試薬が、血液中の約4,000細胞/μL~約10,000細胞/μLの正常白血球濃度のために添加される。しかしながら、患者が、白血病を患い、50,000細胞/μLの異常に高い白血球濃度を引き起こす場合、20μLの抗体試薬は、白血球濃度のより低い正常範囲のために用量設定または投与されているため、白血球を標的化する際に効果的ではないであろう。これを考慮するために、同一体積の試薬は、より低い白血球の数を備える、より小さい体積の血液に添加され得る。例えば、約100μLの血液を約20μLの抗体で染色する代わりに、50μLのみの血液が、約20μLの抗体試薬で染色される。逆に言えば、患者が、約1,000細胞/μLの異常に低い白血球濃度を有する場合、抗体試薬は、白血球濃度のより高い正常範囲のために用量設定または投与されているため、過剰であって、分析に干渉するであろう。これを考慮するための、同一体積の試薬が、より多い白血球の数を備える、より大きい体積の血液に添加され得る。故に、少なくとも、試料中の白血球濃度の推定値が、サンプルが分析のために調製される前に、取得され、白血球濃度が抗体試薬の体積のための適切な範囲内にあるかどうかを確認し、該当しない場合、調製の間、抗体試薬に添加される血液の体積を調節することが重要である。
【0035】
現在、白血球濃度を取得するために、試料は、最初に、フローサイトメトリパネルのためにサンプルを調製することに先立って、血液学実験室等の別の実験室に送られる。血液学実験室の多忙度および/または血液学実験室が結果を提供する方法に応じて、濃度値を受信するために時間がかかり得る。代替として、濃度決定は、実験室が、別個の血液学分析器を有する、または顕微鏡検査技法を使用して、濃度を決定する場合、実験室内に留められることができる。しかしながら、別個の血液学分析器を有することは、貴重なベンチ空間を占める、もう1つの器具が維持されることになるため、コストがかかり得、顕微鏡検査を使用することは、時間がかかり、かつ労働集約的である。加えて、上記に説明される方法のそれぞれにおいて、サンプル調製のための試料の体積の手動調節が、取得された白血球濃度に基づいて要求され、これは、時間がかかり、エラーを受けやすい。
【0036】
本開示の側面は、より効率的サンプル調製プロセスを提供し、現在のシステムおよび方法の上記に議論される不利点を克服する。例えば、以下の図に詳細に説明される、サンプル調製器具100は、調製のために受容される試料中の白血球濃度を推定する、その中に統合される、細胞濃度推定器を含む。調製されるべき試料のサンプルの体積(例えば、「試料のサンプル体積」とも称される)は、推定される白血球濃度に基づいて、決定される。サンプルは、次いで、試料の決定されたサンプル体積と、標識試薬、溶解試薬、および/または緩衝剤等の1つまたはそれを上回る他の試薬とを備えた状態で、自動的に、調製または処理される。細胞濃度推定器をサンプル調製器具100内に統合することによって、白血球濃度推定が、タイムリーに、かつ付加的器具を維持し、そのための空間を作る必要なく、実施される。加えて、試料のサンプル体積は、自動的に、サンプル調製器具100内で調節され、手動調節によって生じる不必要なエラーを回避する。
【0037】
図2は、例示的サンプル調製器具100のブロック図である。サンプル調製器具100は、そのサンプルが分析のために調製されるべき、試料を、入力102として受容する。いくつかの実施例では、分析は、試料の具体的成分を標的化する。サンプル調製器具100は、試料中の標的化された成分の濃度を推定し、サンプルを調製し、故に、調製されたサンプルを出力104として提供することができる。例えば、試料のサンプル体積は、推定される濃度と、試料が調製されている分析のタイプと関連付けられる、事前に定義されたルールのセットとに基づいて、決定されることができる。試薬が、次いで、試料のサンプル体積に添加されることができ、試薬は、例えば、分析のための試料の成分を標的化するための標識試薬と、試料の干渉成分を除去するための溶解試薬とを含むことができる。
【0038】
図3は、例示的サンプル調製器具100の基本ハードウェア構成要素のブロック図である。サンプル調製器具100は、少なくとも細胞濃度推定器106と、試薬ステーション108と、反応ステーション109と、溶解ステーション110とを含む。
【0039】
サンプル調製器具100は、分析のために調製されるべき試料を入力102として受容する。一実施例として、試料は、フローサイトメーターによって実施される白血病またはリンパ腫パネルのために調製されるべき、全血である。白血病またはリンパ腫パネルは、血液中の白血球のサブセットを分析するために実施されることができる(例えば、白血球のサブセットは、標的化された成分であることができる)。細胞濃度推定器106は、試料の分割量を受容し、分割量中の推定される白血球濃度に基づいて、試料中の白血球濃度を推定し得る、デバイスまたは装置である。細胞濃度推定器106は、光学方法、電気抵抗方法、フローサイトメトリ方法、および白血球濃度を推定するための当業者に公知の他の類似方法のうちの1つまたはそれを上回るものを採用することができる。細胞濃度推定器106の構成は、採用される方法のタイプに依存し得る。試料中の推定される白血球濃度に基づいて、試料のサンプル体積(例えば、分析のために調製されるサンプル内に含まれるべき試料の体積)が、決定される。
【0040】
下記の図4を参照してより詳細に説明される、試薬ステーション108は、複数の標識試薬を含むことができ、標識試薬のうちの1つまたはそれを上回るものが、試料の決定されたサンプル体積に添加される。添加される1つまたはそれを上回る標識試薬は、試料のサンプル体積中の特定の成分を標的化することができる。例えば、上記の実施例を継続すると、試薬は、白血病またはリンパ腫パネルを実施するとき、白血球のサブセットに付着され、フローサイトメーターによる白血球のサブセットの分析を可能にする、蛍光性色素を有する、抗体試薬であることができる。
【0041】
いくつかの実施例では、標識試薬および試料のサンプル体積は、反応ステーション109において接触する。例えば、標識試薬は、反応ステーション109内に位置する、反応プレートのウェル内の試料のサンプル体積に添加されることができる。下記の図4を参照してより詳細に説明されるように、反応ステーション109はまた、反応プレートを保持する、プレート混合器を含むことができる。いくつかの実施例では、反応ステーション109は、サンプル調製器具100の別個の構成要素である。他の実施例では、反応ステーション109は、試薬ステーション108と統合されることができる。
【0042】
下記の図4を参照してより詳細に説明される、溶解ステーション110は、複数の溶解試薬を含むことができ、溶解試薬のうちの1つまたはそれを上回るものが、試料の決定されたサンプル体積に添加される。いくつかの実施例では、添加される溶解試薬は、赤血球を破壊し、赤血球が分析に干渉することを防止することができる。標識試薬と同様に、溶解試薬および試料のサンプル体積は、反応ステーション109において接触することができる。例えば、標識試薬は、反応ステーション109内に位置する、反応プレートのウェル内の試料のサンプル体積に添加されることができる。
【0043】
標識試薬および溶解試薬の添加に続いて、試料のサンプル体積を備える、サンプルが、添加される標識試薬および溶解試薬とともに、サンプル調製器具100の出力104として提供される。サンプルは、次いで、フローサイトメーター等のサンプル分析器によって分析されることができる。いくつかの実施例では、サンプル分析器は、別個の構成要素である。他の実施例では、サンプル分析器は、図6に示されるように、サンプル調製器具と統合されることができる。
【0044】
図4は、例示的サンプル調製器具100の付加的ハードウェア構成要素のブロック図であって、図5は、これらのハードウェア構成要素を描写する。図3に説明される、細胞濃度推定器106、試薬ステーション108、反応ステーション109、および溶解ステーション110に加え、サンプル調製器具100はさらに、1つまたはそれを上回るプローブ114を備える、移送ステーション112と、メモリ118および少なくとも1つの処理デバイス120を備える、コンピューティングデバイス116と、タッチディスプレイ122と、入力ステーション124と、単一管装填器126と、細胞洗浄器128と、試薬ステーション108内の液体試薬筐体130および乾燥試薬カルーセル132と、ビーズ混合器134と、反応ステーション109内のプレート混合器136と、プローブ洗浄ステーション138と、出力ステーション140とを含むことができる。
【0045】
移送ステーション112のプローブ114は、サンプル調製器具100の構成要素間で種々の物質を吸引、搬送、および分注することができる。物質は、他の実施例の中でもとりわけ、試料、標識試薬、溶解試薬、希釈剤試薬、および緩衝剤を含むことができる。プローブ114は、キャップまたはシールされた管、バイアル、カートリッジ、瓶、または他の類似コンテナを穿刺し、上部開口型管、バイアル、カートリッジ、瓶、または他の類似上部開口型コンテナ内の物質を吸引することができる、またはその中に挿入されることができる。
【0046】
図7により詳細に説明される、コンピューティングデバイス116は、サンプル調製器具100のコントローラおよび情報プロセッサである。いくつかの実施例では、コンピューティングデバイス116は、遠隔コンピューティングデバイスから受信された以前にオーサリングされたパネルを記憶することができる。例えば、実験室技術者または分析者等のユーザが、遠隔コンピューティングデバイス上で実行されるパネルオーサリングおよび管理アプリケーションを利用して、サンプル調製器具100による実行のために、異なるタイプの試料および異なるタイプの分析のためのパネルをオーサリングすることができる。オーサリングされたパネルは、次いで、ネットワークまたは有線接続またはUSBドライブ等の物理的メモリデバイスを経由して、サンプル調製器具100に伝送されることができる。他の実施例では、コンピューティングデバイス116が、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションを実行し、ユーザが、サンプル調製器具100を使用して(例えば、タッチディスプレイ122を介して提供される、ユーザインターフェースを介して)、パネルをオーサリングすることを可能にすることができ、オーサリングされたパネルは、続いて、コンピューティングデバイス116によって記憶される。各パネルは、パネルのための試料のサンプルを調製するときに実施されるべき特定のワークフローを定義することができる。例えば、パネルは、以降、事前に定義されたルールのセットと称される、サンプル調製と関連付けられる特定のワークフローを定義する、ルールのセットを含むことができる。
【0047】
コンピューティングデバイス116は、図13を参照して図示および説明される、試料装填ユーザインターフェースを通して、表示のために、オーサリングされたパネルを提供し、ユーザが、受容された試料とペアリングされるためのパネルのうちの1つまたはそれを上回るものを選択することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、試料装填ユーザインターフェースは、サンプル調製器具100のタッチディスプレイ122を通して、提供されることができる。選択された1つまたはそれを上回るパネルは、次いで、サンプルを調製する間のサンプル調製器具100の動作を管理するために使用されることができる。例えば、各パネルと関連付けられる、事前に定義されたルールのセットは、他の実施例の中でもとりわけ、動作の順序、各動作に関わる試料および試薬のタイプおよび体積量、各動作と関連付けられる時間、および各動作に関わるサンプル調製器具100の構成要素を提供することができる。選択された1つまたはそれを上回るパネルに基づいて、コンピューティングデバイス116は、動作を実行するための命令を提供する、サンプル調製器具100の個別の構成要素への伝送のための信号を発生させることができる。
【0048】
加えて、コンピューティングデバイス116は、細胞濃度推定器106と連動して動作し、試料中の白血球濃度を決定することができる。1つまたはそれを上回る選択されたパネルと関連付けられる、事前に定義されたルールのセットに基づいて、コンピューティングデバイス116はさらに、本明細書で議論される他の決定の中でもとりわけ、試料を処理するかどうか、白血球濃度推定値に基づく試料のサンプル体積、および試料が希釈されるべきであるかどうかを決定することができる。
【0049】
タッチディスプレイ122は、ユーザが、サンプル調製器具100と相互作用することを可能にする、ユーザインターフェースを提供する。例えば、一例示的ユーザインターフェースは、上記に説明される試料装填ユーザインターフェースであって、それを通してユーザは、それに関して試料のサンプル体積が調製されるべき、1つまたはそれを上回るパネルを選択することができる。パネルを選択するための例示的ユーザインターフェースが、図13を参照してより詳細に図示および説明される。いくつかの実施例では、いったん試料中の白血球濃度が、推定されると、ユーザインターフェースは、推定される白血球濃度が該当する、範囲、および推定される白血球濃度に基づいてサンプル調製器具100によって調製されるであろう、試料の決定されたサンプル体積を表示することができる。加えて、サンプル調製器具100が、サンプルを処理するにつれて、タッチディスプレイ122は、残っている試薬または他の類似溶液の量、および任意のエラーがサンプル調製プロセス全体を通して生じているかどうかを含む、サンプル調製器具100構成要素のステータスを表示することができる。いくつかの実施例では、ユーザインターフェースは、コンピューティングデバイス116上で実行される、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションと関連付けられる。
【0050】
いくつかの実施例では、入力ステーション124は、ユーザによってサンプル調製器具100の中に挿入されている、入力カセットを受容する。入力カセットは、試料を備える、1つまたはそれを上回るキャップされた管を保持することができる。いくつかの実施例では、各管は、異なる試料(例えば、異なる患者からの試料)を備える。入力ステーション124は、種々のタイプの管に対応する、種々のタイプのカセットを受容することが可能である。入力ステーション124は、他の類似実施例の中でもとりわけ、バーコード、QRコード(登録商標)、または無線周波数識別(RFID)タグ等の機械可読コードを読み取ることが可能な読取機またはスキャナを含む。いくつかの実施例では、各管は、読取機またはスキャナによって走査される、管内の試料を識別するための関連付けられるコードを有する。
【0051】
入力ステーション124は、調製に先立って、試料均質性を維持するために、入力カセットを揺動させるための揺動機構を含むことができる。入力ステーション124はさらに、磁石ベースの機構を含み、移送ステーション112のプローブ114が、入力カセットによって保持される所与のキャップされた管を穿刺し、試料を管から吸引することが可能であるように、入力カセットを特定の位置に移動させることができる。いったん入力カセットの管内の各試料のサンプルが、処理されると、または別様に、処理されるべきではないことが指定されると、入力ステーション124は、ユーザによるサンプル調製器具からの除去のために、入力カセットを出力カセットとして提供することができる。いくつかの実施例では、サンプル調製器具100の正面パネル上の開口部は、入力ステーション124への持続的アクセスを提供する。例えば、ユーザは、サンプル調製器具100が動作中であるときでも、開口部を介して、随時、新しい入力カセットを挿入する、および/または出力カセットを除去することができる。
【0052】
随意に、サンプル調製器具100はまた、単一管装填器126を含む。単一管装填器126は、入力ステーション124の構成要素または別個の構成要素であることができる。単一管装填器126は、サンプル調製器具100の中への上部開口型管の挿入と、移送ステーション112のプローブ114が試料のサンプルを管から吸引することが可能であるような位置付けとを可能にする。いくつかの実施例では、上部開口型管は、サンプル調製器具100の中への挿入に先立って、前処理がユーザによって手動で実施されるときに利用される。管が上部開口を有することに起因して、単一管装填器は、試料が溢流することを回避するために、管を揺動させない。キャップされた管と同様に、上部開口型管はまた、試料を識別する、試料識別子を取得するために、読み取られる、または走査される、機械可読コードを含むことができる。代替として、試料識別子は、単一管装填器126を利用するとき、手動で打ち込まれることができる。さらなる実施例では、上部開口型管は、入力ステーション124によって、上部開口型管のために具体的に設計される入力カセット内に受容されることができ、カセット上の機械可読コードは、入力ステーション124に、揺動機構を係脱させ、上部開口型管を備える入力カセットが揺動されることを防止するように命令するであろう。
【0053】
試料識別子に基づいて、コンピューティングデバイス116は、分析のタイプのための事前に定義されたルールのセットを読み出すことができる。例えば、事前に定義されたルールのセットは、試料中の白血球濃度がサンプル調製器具100によって推定されるべきであるかどうかを含むことができる。試料中の白血球濃度が、サンプル調製器具100によって推定されるべきである場合、移送ステーション112のプローブ114は、試料の分割量を入力ステーション124または単一管装填器126内の管から細胞濃度推定器106に移送することができる。細胞濃度推定器106は、コンピューティングデバイス116と連動して、光学方法、電気抵抗方法、フローサイトメトリ方法、および白血球濃度を推定するための当業者に公知の他の類似方法のうちの1つまたはそれを上回るものを採用することによって、試料中の白血球濃度を推定することができる。そこから白血球濃度が推定される、分割量は、次いで、廃棄物として廃棄されることができる。
【0054】
試料中の推定される白血球濃度および事前に定義されたルールのセットに基づいて、コンピューティングデバイス116は、調製されるべき試料のサンプル体積を決定することができる。例えば、事前に定義されたルールのセットはまた、最低白血球濃度、最高白血球濃度、およびそれぞれ、最低濃度と最高濃度との間に該当する、白血球濃度の1つまたはそれを上回る範囲に対応する、試料のサンプル体積を含むことができる。したがって、コンピューティングデバイス116は、推定される白血球濃度が該当する、範囲に対応する、試料のサンプル体積を決定し、移送ステーション112のプローブ114への伝送のための信号を発生させることができる。信号に基づいて、プローブ114は、試料の決定されたサンプル体積を入力ステーション124または単一管装填器126における管から移送し、反応プレートのウェルまたは他の類似コンテナの中に分注することができる。いくつかの実施例では、反応プレートは、48ウェルプレートであって、ウェルはそれぞれ、約5ミリリットル(mL)を保持することが可能である。いくつかの実施例では、反応プレートまたは他の類似コンテナは、反応ステーション109内にあることができる。他の実施例では、反応プレートまたは他の類似コンテナは、試薬ステーション108内にある。
【0055】
随意に、プローブ114は、最初に、試料の決定されたサンプル体積を細胞洗浄器128に移送し、反応プレートのウェルまたは他の類似コンテナの中に分注することに先立って、試料のサンプル体積を洗浄することができる。さらに他の実施例では、より大きい体積の試料が、サンプル体積の決定に先立って、洗浄され、決定に応じて、プローブ114は、次いで、洗浄された試料の決定されたサンプル体積を細胞洗浄器128から反応プレートのウェルに移送することができる。例えば、試料が、全血であるとき、血液は、赤血球、白血球、血小板、血漿、および関連付けられるタンパク質を含有し得る。細胞洗浄器128は、細胞洗浄を実施し、血漿および関連付けられるタンパク質を除去することができる。細胞洗浄器128は、試料のサンプル体積を保持する、容器と、容器を軸を中心としてスピンさせることが可能である、作動デバイスとを含むことができる。いくつかの実施例では、容器は、空洞およびポケットを画定する、本体を含み、ポケットは、空洞を画定する内壁表面に対して半径方向外向きに延在する。本構成の結果として、容器が、その軸を中心としてスピンされるにつれて、試料中のより重い血液細胞は、壁に向かって拡散し、ポケットによって画定された空洞内に収集される。加えて、容器が、スピンするにつれて、容器の本体内に位置する、管が、空洞内にない、容器の内容物(例えば、血漿および関連付けられるタンパク質)を吸引する。作動デバイスは、緩衝剤を容器の中に添加するために、その軸を中心とした容器のスピンを停止させ、上記に説明されるスピンおよび吸引ステップを繰り返すことができる。これらのステップは、複数回、所望に応じて、繰り返されてもよい。細胞洗浄器128および細胞洗浄のプロセスに関する付加的詳細は、2017年12月14日に出願され、「CELL WASHING DEVICE AND METHOD」と題された、PCT出願第PCT/US2017/066312号(その全体が参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0056】
試薬ステーション108の液体試薬筐体130は、複数の液体標識試薬を封入された筐体内のカルーセル内に位置付けられるバイアル内に貯蔵する。いくつかの実施例では、封入された筐体は、温度約2℃~約8℃を維持し、液体標識試薬を冷蔵することができる。異なるタイプの液体標識試薬が、貯蔵されることができる。加えて、液体標識試薬を含有する、異なるバイアルタイプが、カルーセル内に位置付けられることができる。例えば、ある角度で位置付けられる必要がある、平坦底部を有する、バイアル、および垂直に位置付けられる必要がある、v形状の底部を有する、バイアルである。
【0057】
いくつかの実施例では、バイアルは、穿刺可能キャップを有し、液体試薬筐体130の蓋(例えば、封入された筐体の蓋)は、移送ステーション112のプローブ114が、液体試薬筐体130に開口部のうちの1つを通して進入し、開口部と整合されたカルーセル内に位置付けられるバイアルを穿刺し得るように、カルーセル上の列と整列される、2つの開口部を備える。プローブ114は、液体標識試薬を、バイアルから、試料のサンプル体積を備える、反応プレート内のウェルに移送することができる。
【0058】
試薬ステーション108の乾燥試薬カルーセル132は、それぞれ、アルミニウム熱シール内にシールされた乾燥標識試薬を備える、複数のカートリッジを貯蔵する。異なる乾燥標識試薬が、カートリッジ内に貯蔵されることができる。一実施例として、サンプル調製器具100は、少なくとも2つの乾燥試薬カルーセル132を含むことができ、それぞれ、カルーセルあたり6つまたはそれを上回るカートリッジを有し、カートリッジあたり6~20個のウェルを伴う。移送ステーション112のプローブ114は、カートリッジの不浸透性の不透明シールを通して穿刺し、その中に含有される乾燥試薬を緩衝剤で再構成する。いったん乾燥試薬が、再構成されると、再構成された試薬は、プローブ114によって、カートリッジから、試料のサンプル体積を備える、反応プレート内のウェルに移送されることができる。代替として、試料のサンプル体積は、直接、乾燥標識試薬を含有する、カートリッジの中に移送されることができ、サンプルは、カートリッジの内側で乾燥標識試薬と混合されることができる。標識されたサンプルは、次いで、付加的処理のために、反応プレート内のウェルに移送されることができる。
【0059】
溶解ステーション110は、種々のタイプの溶解試薬を備える、瓶を保持する、カルーセルを含む。いくつかの実施例では、カルーセルは、2つの半月形アダプタから成り、各アダプタは、可変サイズの瓶を保持するように合わせられる。上部は、穿刺可能ではなく、したがって、ユーザは、瓶を溶解ステーション110内のアダプタのうちの1つ上に設置する前に、瓶の上部を除去しなければならない。移送ステーション112のプローブ114は、溶解試薬を、瓶から、インキュベーションのために標識試薬が添加された、試料のサンプル体積を備える、反応プレート内のウェルに移送することができる。いくつかの実施例では、複数の溶解試薬が、要求されるとき、インキュベーションは、各溶解試薬の添加の間に実施されることができる。さらなる実施例では、細胞洗浄器128は、溶解活動を減速させるために、溶解試薬の添加および対応するインキュベーション時間に続いて、別の洗浄をサンプル上で実施することができる。
【0060】
いくつかの実施例では、液体試薬筐体130、乾燥試薬カルーセル132、および溶解ステーション110はそれぞれ、読取機またはスキャナを含み、それぞれ、バイアル、カートリッジ、および瓶およびアダプタ上の機械可読コードを読み取り、在庫を維持する(例えば、特定のカートリッジが、再構成され、吸引されたとき、特定のバイアルの対応する液体標識試薬が少なくなっているとき、または瓶の溶解試薬が少なくなっているときを決定する)。バイアル、カートリッジ、および瓶のうちの1つまたはそれを上回るものが、交換される必要がある場合、ユーザは、器具の正面パネル(例えば、入力ステーション124のためのアクセス開口部を備える、正面パネル)の全体を開放することによって、液体試薬筐体130、乾燥試薬カルーセル132、および溶解ステーション110のそれぞれにアクセスすることができる。例えば、正面パネルは、上方に摺動してもよい。いくつかの実施例では、ユーザは、正面パネルの全体を開放するために、動作が停止するまで、待機する必要がある。例えば、ユーザは、サンプル調製器具100に、動作を休止するように要求することができ、ユーザは、正面パネルを開放し、バイアル、カートリッジ、および/または瓶にアクセスし、交換することができ、次いで、ユーザは、正面パネルを閉鎖することができ、サンプル調製器具100は、動作を再開するであろう。
【0061】
いくつかの実施例では、液体試薬筐体130、乾燥試薬カルーセル132、および溶解ステーション110に加え、読取機またはスキャナは、他のハードウェア構成要素内に含まれ、サンプル調製プロセスを追跡することができる。集合的に、これらの読取機またはスキャナは、サンプル調製器具100の追跡システムを形成することができる。例えば、そのような追跡は、サンプルのための一連の管理を形成し、それによって、ユーザは、次いで、後に、サンプルと相互作用されるべき構成要素および相互作用についての詳細(例えば、添加された試薬の量およびタイプ、および個別のインキュベーション周期の時間、試料および/またはサンプルが洗浄されたかどうか等)を正確に決定することができる。
【0062】
サンプル調製器具100は、随意に、ビーズ混合器134を含むことができる。ビーズ混合器134は、瓶内に含有される、計数ビーズ懸濁液の均質性を維持することができる。いくつかのサンプル調製プロセスでは、既知の濃度の計数ビーズが、調製されているサンプルに添加され、試料中の構成要素の濃度を決定するための参照を提供することができる。いくつかの実施例では、計数ビーズ瓶は、蒸発キャップを含み、計数ビーズ懸濁液の蒸発を最小限にする。計数ビーズ懸濁液瓶は、サンプル調製プロセスの間に利用されるときに走査される、機械可読コードを含み、サンプル調製プロセスの追跡を促進することができる。
【0063】
いくつかの実施例では、標識試薬および溶解試薬が(例えば、反応プレートのウェル内の)試料のサンプル体積と接触する、反応ステーション109は、プレート混合器136を含むことができる。プレート混合器136は、例えば、1つまたはそれを上回るプレートを保持し得る、オービタルシェーカーである。例えば、プレート混合器136は、その中に試料のサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬が、分注される、ウェルを備える、反応プレートを保持することができる。いくつかの実施例では、プレート混合器136は、円形または楕円形運動において移動し、試料のサンプル体積と標識試薬を混合し、個別のインキュベーション周期の間、溶解試薬と試料のサンプル体積/標識試薬を混合する。
【0064】
プローブ洗浄ステーション138は、プローブ114が、試料、標識試薬、溶解試薬、または任意の他のタイプの液体に触れる度に、移送ステーション112のプローブ114を洗浄し、任意の汚染を防止する。プローブ114を洗浄するために、プローブ114は、ウェルの中に挿入されることができ、緩衝剤が、ウェル内のプローブ114を囲繞するように添加されることができる。
【0065】
標識試薬および溶解試薬が、反応プレートのウェル内の試料のサンプル体積に添加され、インキュベートされた後、細胞洗浄器128は、随意に、別の洗浄を実施することができる。インキュベーションまたは随意の洗浄に続いて、出力ステーション140は、調製されたサンプルを受容し、出力104として提供することができる。いくつかの実施例では、出力ステーション140は、複数の清浄管を備える、出力カルーセルを含み、移送ステーション112のプローブ114が、調製されたサンプルを反応プレート内のウェルまたは細胞洗浄器128のうちの1つから出力カルーセル内の清浄管に移送する。ユーザは、出力カルーセルが満杯であるとき、または出力カルーセルが部分的に満杯であるとき、出力カルーセルをサンプル調製器具100から除去することを選定することができる。例えば、サンプル調製器具100の左側パネル上の摺動式引き出しが、ユーザによって、サンプル調製器具100が動作中であるときでも、随時、調製されたサンプルを備える、1つまたはそれを上回る管を除去するために利用されることができる。例えば、ユーザは、アクセスを要求することができ、サンプル調製器具100は、次いで、摺動式引き出しがアクセスされることを可能にするであろう。いくつかの事例では、サンプル調製器具100内で現在継続中の動作に応じて、要求とアクセスが許可される時間との間に遅延が存在し得る。他の実施例では、出力ステーション140は、その中で調製されたサンプルがプローブ114によって移送される、清浄反応プレートおよび/または反応プレート内の清浄ウェルを含む。
【0066】
図4に説明されるハードウェア構成要素に加え、図5はさらに、廃棄物コンテナ142と、希釈剤試薬コンテナ144と、凝縮物収集器146とを描写する。細胞濃度推定器106からの試料廃棄物を含む、サンプル調製プロセスと関連付けられる、廃棄物は、廃棄物コンテナ142に分注される。希釈剤試薬は、他の実施例の中でもとりわけ、細胞濃度推定および乾燥試薬を再構成するためを含む、調製プロセスを通して、いくつかのステップにおいて使用されることができる。凝縮物収集器146は、(例えば、液体試薬筐体130によって発生された)標識試薬の冷却から生じる、任意の凝縮物を収集することができる。
【0067】
図6は、例示的サンプル調製および分析器具150の基本ハードウェア構成要素のブロック図である。サンプル調製および分析器具150は、図3-5に関して上記に詳細に説明される、細胞濃度推定器106、試薬ステーション108、反応ステーション109、および溶解ステーション110等のサンプル調製器具100と類似構成要素を含む。加えて、サンプル調製および分析器具150は、調製されたサンプルを入力として受容し、分析を調製されたサンプル上で実施し、サンプル分析結果を出力154として提供する、サンプル分析器152を含む。いくつかの実施例では、サンプル分析器152は、フローサイトメーターである。
【0068】
図7は、本開示の側面を実装するために使用され得る、例示的コンピューティングデバイス116である。コンピューティングデバイス116は、本明細書に説明される、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびソフトウェアモジュール(ソフトウェアエンジンを含む)を実行するために使用されることができる。
【0069】
コンピューティングデバイス116は、いくつかの実施形態では、中央処理ユニット(CPU)等の少なくとも1つの処理デバイス120を含む。種々の処理デバイスが、種々の製造業者、例えば、IntelまたはAdvanced Micro Devicesから利用可能である。本実施例では、コンピューティングデバイス116はまた、システムメモリ118と、システムメモリ118を含む、種々のシステム構成要素を処理デバイス120に結合する、システムバス160とを含む。システムバス160は、種々のバスアーキテクチャのいずれかを使用する、メモリバス、またはメモリコントローラ、周辺バス、およびローカルバスを含む、任意の数のタイプのバス構造のうちの1つである。
【0070】
システムメモリ118は、読取専用メモリ162と、ランダムアクセスメモリ164とを含む。始動の間等、コンピューティングデバイス116内で情報を転送するように作用する、基本ルーチンを含有する、基本入/出力システム166は、典型的には、読取専用メモリ162内に記憶される。
【0071】
コンピューティングデバイス116はまた、いくつかの実施形態では、デジタルデータを記憶するためのハードディスクドライブ等の二次記憶デバイス168を含む。二次記憶デバイス168は、二次記憶装置インターフェース170によって、システムバス160に接続される。二次記憶デバイス168およびその関連付けられるコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令(アプリケーションプログラムおよびプログラムモジュールを含む)、データ構造、およびコンピューティングデバイス116のための他のデータの不揮発性記憶装置を提供する。
【0072】
本明細書に説明される例示的環境は、二次記憶デバイスとして、ハードディスクドライブを採用するが、他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が、他の実施形態において使用される。これらの他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体の実施例は、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、コンパクトディスク読取専用メモリ、デジタル多用途ディスク読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、または読取専用メモリを含む。いくつかの実施形態は、非一過性媒体を含む。加えて、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は、ローカル記憶装置またはクラウドベースの記憶装置を含むことができる。
【0073】
いくつかのプログラムモジュールは、二次記憶デバイス168、またはオペレーティングシステム172、1つまたはそれを上回るアプリケーションプログラム174、他のプログラムモジュール176(本明細書に説明されるソフトウェアエンジン等)、およびプログラムデータ178を含む、システムメモリ118内に記憶されることができる。一例示的アプリケーションプログラムは、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションを含む。コンピューティングデバイス116は、Microsoft Windows(登録商標)、Google ChromeTMOS、Apple OS、Unix(登録商標)、またはLinux(登録商標)、およびコンピューティングデバイスのために好適なバリアントおよび任意の他のオペレーティングシステム等の任意の好適なオペレーティングシステムを利用することができる。他の実施例は、Microsoft、Google、またはAppleオペレーティングシステム、または任意の他の好適なオペレーティングシステムを含むことができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、ユーザは、1つまたはそれを上回る入力デバイス180を通して、入力をコンピューティングデバイス116に提供する。入力デバイス180の実施例は、キーボード182、マウス184、マイクロホン186、およびタッチセンサ188(タッチパッドまたはタッチセンサ式ディスプレイ等)を含む。他の実施形態は、他の入力デバイス180を含む。入力デバイスは、多くの場合、システムバス160に結合される、入/出力インターフェース190を通して、処理デバイス120に接続される。これらの入力デバイス180は、パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス等の任意の数の入/出力インターフェースによって、接続されることができる。入力デバイスと入/出力インターフェース190との間の無線通信も同様に、可能性として考えられ、赤外線、Bluetooth(登録商標) 無線技術、IEEE802.11a/b/g/n、セルラー、超広帯域(UWB)、ZigBee(登録商標)、LoRa、またはいくつかの可能性として考えられる実施形態における他の無線周波数通信システムを含む。
【0075】
本例示的実施形態では、モニタ、液晶ディスプレイデバイス、プロジェクタ、またはタッチセンサ式ディスプレイデバイス等のディスプレイデバイス192もまた、ビデオアダプタ194等のインターフェースを介して、システムバス160に接続される。ディスプレイデバイス192に加え、コンピューティングデバイス116は、スピーカまたはプリンタ等の種々の他の周辺デバイス(図示せず)を含むことができる。
【0076】
ローカルエリアネットワーキング環境または広域ネットワーキング環境(インターネット等)において使用されるとき、コンピューティングデバイス116は、典型的には、Ethernet(登録商標)インターフェース等のネットワークインターフェース196を通して、ネットワークに接続される。他の可能性として考えられる実施形態は、他の通信デバイスを使用する。例えば、コンピューティングデバイス116のいくつかの実施形態は、ネットワークを横断して通信するために、モデムを含む。
【0077】
コンピューティングデバイス116は、典型的には、少なくともある形態のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス116によってアクセスされ得る、任意の利用可能な媒体を含む。一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0078】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報を記憶するように構成される、任意のデバイス内に実装される、揮発性および不揮発性のリムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、電気的に消去可能なプログラマブル読取専用メモリ、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読取専用メモリ、デジタル多用途ディスクまたは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を記憶するために使用され得、コンピューティングデバイス116によってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含む。
【0079】
コンピュータ可読通信媒体は、典型的には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波または他の搬送機構等の変調されたデータ信号内に具現化し、任意の情報送達媒体を含む。用語「変調されたデータ信号」は、情報を信号内にエンコーディングするような様式において設定または変化されたその特性のうちの1つまたはそれを上回るものを有する、信号を指す。一例として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、および音響、無線周波数、赤外線等の無線媒体、および他の無線媒体を含む。上記のいずれかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0080】
図7に図示されるコンピューティングデバイス116はまた、プログラマブル電子機器の実施例であって、これは、1つまたはそれを上回るそのようなコンピューティングデバイスを含み得、複数のコンピューティングデバイスが、含まれるとき、そのようなコンピューティングデバイスは、集合的に、本明細書に開示される種々の機能、方法、または動作を実施するように、好適なデータ通信ネットワークを用いて、ともに結合されることができる。
【0081】
図8は、試料のための例示的サンプル調製プロセス200を図式的に図示する。サンプル調製プロセス200は、サンプル調製器具100によって実施されることができる。サンプル調製器具100がサンプル調製プロセス200を実施することに先立って、パネル(例えば、異なるタイプの分析のための異なるタイプの試料のサンプルを調製するために定義されたワークフロー)が、ユーザによって、例えば、他の類似デバイスの中でもとりわけ、ラップトップ、タブレット、またはデスクトップ等の遠隔コンピューティングデバイス上で実行される、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションを通して、生成される。パネルは、次いで、USBコネクタ、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、またはインターネットを経由して等、有線または無線接続を介して、サンプル調製器具100に伝送されることができる。いくつかの実施例では、パネルの定義されたワークフローはそれぞれ、白血球濃度に基づく試料のサンプル体積、希釈要件、標識試薬体積、溶解試薬体積、インキュベーション期間、および他の類似ルール等の処理要件を含む、試料の調製と関連付けられる、事前に定義されたルールのセットを含む。パネルは、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116のメモリ118内に記憶されることができる。
【0082】
サンプル調製プロセス200は、動作202から開始することができ、そこで、少なくとも1つの試料を備える管が、受容される。いくつかの実施例では、管は、入力ステーション124における入力カセット内に受容される、キャップされた管であって、これは、次いで、入力ステーション124の揺動機構を介して、揺動され、管内の試料の懸濁液を維持する。入力カセットは、複数のキャップされた管を保持することができ、キャップされた管のうちの1つまたはそれを上回るものは、異なる試料を備える(例えば、各キャップされた管は、異なる人物または患者と関連付けられる、試料を含むことができる)。他の実施例では、管は、揺動されない、入力ステーション124における入力カセット内に受容されるか、または単一管装填器126に受容されるかのいずれかである、試料を備える、上部開口型管である。いくつかの実施例では、上部開口型管は、ユーザが試料を手動で前処理するときに受容される。上記の実施例のいずれかでは、試料を備える管は、入力ステーション124または単一管装填器126のスキャナまたは読取機によって読み取られ得る、機械可読コードを含むことができる。機械可読コードは、試料を識別することができる。代替として、試料識別子は、例えば、タッチディスプレイ122のユーザインターフェースを介して、手動で打ち込まれることができる。
【0083】
動作204では、パネル選択が、タッチディスプレイ122のユーザインターフェースを通して、受信されることができる。例えば、ユーザインターフェースは、管内の試料の識別(例えば、試料識別子)と、試料とのペアリングのために選択され得る、パネルのうちの1つまたはそれを上回るものとを表示することができる。いったん表示されるパネルのうちの1つまたはそれを上回るものが、管内の試料のために選択されると、サンプル調製器具100は、206-216に説明されるように、パネルに関して定義されたワークフローに従って、試料のサンプルを処理することができる。いくつかの実施例では、事前に定義されたルールのセットを含む、パネルのためのワークフローは、動作204におけるパネル選択の受信に応答して、メモリ118から読み出される。
【0084】
動作206では、試料のサンプル体積が、試料中の白血球濃度および事前に定義されたルールのセットに基づいて、決定される。例えば、事前に定義されたルールのセットは、白血球濃度値の1つまたはそれを上回る範囲と、範囲毎の対応する試料のサンプル体積とを含むことができる。試料中の白血球濃度が該当する、範囲に対応する、サンプル体積は、試料の決定されたサンプル体積である。
【0085】
いくつかの実施例では、細胞濃度推定器106は、試料の分割量中の推定される白血球濃度に基づいて、試料中の白血球濃度を推定する。例えば、移送ステーション112のプローブ114は、入力ステーション124において、試料を備えるキャップされた管を穿刺する、または入力ステーション124または単一管装填器126において、試料を備える上部開口型管の中に挿入する。試料の分割量が、プローブ114によって、吸引され、細胞濃度推定器106に移送される。細胞濃度推定器106は、光学方法、電気抵抗方法、フローサイトメトリ方法、または当業者に公知の他の類似方法を採用し、分割量中の白血球濃度を推定することができ、これは、全体として、試料中の推定される白血球濃度を表す。試料の分割量は、次いで、廃棄物として、細胞濃度推定器106から放出される。処理デバイス120は、推定される白血球濃度および事前に定義されたルールのセットに基づいて、試料のサンプル体積を自動的に決定することができる。
【0086】
他の実施例では、サンプル体積決定のために使用される試料中の白血球濃度は、サンプル調製器具100の外部のソースから受信され、タッチディスプレイ122のユーザインターフェースを介して手動で打ち込まれる、またはサンプル調製器具100によってアクセス可能な実験室情報システム(LIS)を介して受信される。代替として、サンプル体積決定は、ユーザによって、受信される白血球濃度および事前に定義されたルールのセットの知識に基づいて、行われ、サンプル体積は、タッチディスプレイ122のユーザインターフェースを介して、手動で打ち込まれることができる。
【0087】
動作208では、1つまたはそれを上回る標識試薬が、反応プレートのウェルまたは他の類似コンテナの中に添加される。添加されるべき標識試薬の体積およびタイプは、(例えば、事前に定義されたルールのセット内の)選択されたパネルによって規定されることができる。標識試薬は、試料の特定の成分を標的化し、その成分の分析を促進することができる。いくつかの実施例では、反応プレートは、標識試薬が貯蔵される、試薬ステーション108の構成要素である。他の実施例では、反応プレートは、試薬ステーション108と別個である、反応ステーション109の構成要素である。
【0088】
いくつかの実施例では、標識試薬は、カルーセルの列内に位置付けられる、バイアル内に貯蔵される、液体標識試薬である。カルーセルは、制御された温度に維持される、液体試薬筐体130内に封入されることができる。液体標識試薬を反応プレート内のウェルに添加するために、カルーセルは、適切な液体標識試薬を備える、バイアルが、液体試薬筐体130の蓋内の開口部の真下に来るように位置付けられることができる。移送ステーション112のプローブ114は、液体試薬筐体130に開口部を通して進入し、バイアルを穿刺し、液体標識試薬をバイアルから吸引し、液体標識試薬を反応プレート内のウェルの中に分注することができる。
【0089】
加えて、および/または代替として、標識試薬は、反応プレート内のウェルに添加することに先立って、液体に再構成される、乾燥試薬カルーセル132のカートリッジ内に貯蔵される、乾燥標識試薬であることができる。例えば、液体標識試薬をウェルに添加するために、移送ステーション112のプローブ114は、カートリッジの不浸透性の不透明シールを通して穿刺し、その中に含有される乾燥試薬を緩衝剤で再構成することができる。いったん乾燥試薬が、再構成されると、再構成された試薬は、移送ステーション112のプローブ114によって、カートリッジから吸引され、反応プレート内のウェルの中に分注されることができる。
【0090】
いくつかの実施例では、そこから液体または再構成された乾燥標識試薬が吸引された、バイアルまたはカートリッジ上の機械可読コードは、走査され、現在のサンプル調製プロセスの追跡を促進し、在庫関連情報(例えば、吸引に続いて残っている、標識試薬の体積の量)を提供することができる。
【0091】
いったん標識試薬が、反応プレート内のウェルに添加されると、動作208では、動作206において決定された試料のサンプル体積が、動作210において、反応プレート内のウェルに添加される。例えば、移送ステーション112のプローブ114は、試料のサンプル体積を入力ステーション124または単一管装填器126における管から吸引することができる。一実施例として、試料の400μLのサンプル体積が、標識剤がすでにウェル内に分注されている、4つのウェルの中に等しく分注されることができる。
【0092】
動作212では、試料のサンプル体積および標識試薬は、反応プレートのウェル内でインキュベートされることができる。インキュベーションは、例えば、パネルによって規定された所定の期間にわたって行われることができる。期間は、標識試薬のタイプに基づくことができる。いくつかの実施例では、反応プレートは、プレート混合器136上に位置付けられ、これは、円形または楕円形運動で移動し、インキュベーション期間の一部にわたって、試料のサンプル体積と標識試薬を混合することができる。
【0093】
動作214では、溶解ステーション110内に貯蔵される、1つまたはそれを上回る溶解試薬または緩衝剤が、反応プレートのウェルの中に(例えば、試料のサンプル体積および標識試薬を備える、ウェル内に)添加される。添加されるべき溶解試薬または緩衝剤の体積およびタイプは、(例えば、事前に定義されたルールのセット内の)パネルによって規定されることができる。溶解試薬は、分析に干渉し得る、試料の特定の成分を破壊することができる。例えば、試料が、全血であって、分析が、白血球のサブセットに焦点を当てる、白血病またはリンパ腫パネルであるとき、溶解試薬は、パネルの間、白血球のサブセットの分析に干渉し得る、赤血球を破壊するために添加される。
【0094】
溶解試薬を反応プレートのウェルの中に添加するために、移送ステーション112のプローブ114は、溶解ステーション110のアダプタによって保持される、適切な溶解試薬を備える、蓋なし瓶の中に進入し、溶解試薬を吸引することができる。溶解試薬は、次いで、試料のサンプル体積および標識試薬を備える、反応プレートのウェルの中に分注される。いくつかの実施例では、そこから溶解剤が吸引される、瓶、および/または瓶を保持する、アダプタ上の機械可読コードが、走査され、現在のサンプル調製プロセスの追跡を促進し、在庫関連情報(例えば、吸引に続いて瓶内に残っている、溶解試薬の体積の量)を提供することができる。他の実施例では、溶解試薬ではなく、緩衝剤が、選択された試料タイプおよびパネルに基づいて、添加される。
【0095】
動作216では、試料のサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬または緩衝剤を備える、反応プレートの各ウェルからのサンプルが、出力のために分注されることができる。いくつかの実施例では、各ウェルからのサンプルは、移送ステーション112のプローブ114によって吸引され、出力ステーション140の出力カルーセル内に配列される、清浄管の中に分注される。他の実施例では、各ウェルからのサンプルは、移送ステーション112のプローブ114によって吸引され、出力ステーション140におけるマルチウェルプレートの清浄ウェルの中に分注される。サンプル調製器具のユーザは、次いで、個々の管、出力カルーセル、またはマルチウェルプレートを出力ステーション140から除去することができる。
【0096】
図9は、試料のための別の例示的サンプル調製プロセス220を図式的に図示する。サンプル調製プロセス220は、サンプル調製器具100によって実施されることができる。図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作202、204、および206と同様に、サンプル調製プロセス220は、動作224において、試料を備える管を受容することから開始し、動作224において、パネル選択を受信し、動作226において、試料中の推定される白血球濃度に基づいて、試料のサンプル体積を決定する。
【0097】
いったん試料の適切なサンプル体積が、動作226において決定されると、移送ステーション112のプローブ114は、入力ステーション124において、試料を備えるキャップされた管を穿刺するか、または単一管装填器126において、試料を備える上部開口型管の中に挿入し、試料のサンプル体積を吸引するかのいずれかを行うことができる。試料のサンプル体積は、プローブ114によって、細胞洗浄器128の容器の中に分注されることができ、試料のサンプル体積は、動作228において、洗浄される。試料のサンプル体積を洗浄することは、分析に必要であるわけではない、またはそれに先立って除去されなければならない、サンプルの成分を除去することに役立ち得る。例えば、試料が、赤血球、白血球、血小板、血漿、および関連付けられるタンパク質を備える、全血である場合、試料のサンプル体積を洗浄することは、血漿および関連付けられるタンパク質を除去することができる。
【0098】
試料のサンプル体積を洗浄するために、緩衝剤溶液等の洗浄液が、容器の中に延在する、導管を介して、容器の本体の中に分注されることができる。いくつかの実施例では、容器は、細胞洗浄器128の作動デバイスのアクティブ化に応じて、軸を中心としてスピンされる。容器が、その軸を中心としてスピンされるにつれて、試料のサンプル体積中のより重い血液細胞は、容器の壁に向かって拡散し、容器のポケットによって画定された空洞内に収集され、空洞内にない、容器の内容物は、導管を通して、吸引されることができる。作動デバイスは、さらに洗浄液を容器の中に添加し、ポケット内に収集された細胞を懸濁させるために、その軸を中心とした容器のスピンを停止させることができる。これらのステップは、次いで、複数回、所望に応じて、繰り返されることができる。
【0099】
図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作208、210、212、および214と同様に、サンプル調製プロセス220は、動作230における、反応プレートのウェルへの1つまたはそれを上回る標識試薬の添加、動作232における、標識試薬を含有する、反応プレートのウェルの中への試料の洗浄されたサンプル体積の添加、動作234における、試料の洗浄されたサンプル体積と標識試薬のインキュベーション、および動作236における、試料の洗浄されたサンプル体積および標識試薬を含有する、反応プレートのウェルの中への溶解試薬の添加が続く。動作238では、試料の洗浄されたサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬が、反応プレートのウェル内でインキュベートされることができる。インキュベーションは、例えば、パネルによって規定された所定の期間にわたって行われることができる。期間は、溶解試薬のタイプに基づくことができる。いくつかの実施例では、反応プレートは、プレート混合器136上に位置付けられ、これは、円形または楕円形運動で移動し、試料の洗浄されたサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬を混合し、インキュベーション期間の間、本混合物を保持することができる。いくつかの実施例では、複数の溶解試薬が、要求されるとき、溶解試薬は、1つずつ、添加およびインキュベートされる。
【0100】
動作240では、試料の洗浄されたサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬を各ウェル内に備える、サンプルが、洗浄されることができる。例えば、移送ステーション112のプローブ114は、洗浄のために、サンプルをウェルから吸引し、細胞洗浄器128に移送することができる。本動作240は、サンプル含有ウェル毎に、繰り返されることができ、洗浄は、動作228において実施される洗浄と同様に、細胞洗浄器128によって実施されることができる。洗浄することは、分析のために標的化された成分の破壊を回避するために(例えば、白血球の破壊を回避するために)、それぞれ、動作236および238における、溶解剤の添加およびそのインキュベーションによって生じる、溶解活動を減速させることに役立ち得る。加えて、洗浄することは、赤血球残骸を除去することができる。他の例示的サンプル調製ワークフローでは、溶解-洗浄なしプロトコルに準ずることができる。
【0101】
図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作216と同様に、サンプル調製プロセス220は、動作242において、各ウェルからのサンプルが出力のために分注されることで終了する。
【0102】
図10は、試料のためのさらなる例示的サンプル調製プロセス250を図式的に図示する。サンプル調製プロセス250は、サンプル調製器具100によって実施されることができる。図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作202および204と同様に、サンプル調製プロセス250は、動作252において、試料を備える管を受容することから開始し、動作254において、パネル選択を受信する。動作256では、試料のある体積が、図9を参照して詳細に説明される、サンプル調製プロセス220の動作228において実施される、洗浄と同様に、細胞洗浄器128によって洗浄されることができる。動作258では、洗浄された試料のサンプル体積が、図8と併せて上記に詳細に説明される、動作206において実施される決定と同様に、試料中の推定される白血球濃度に基づいて、決定される。動作256において洗浄された試料の体積は、洗浄された試料の体積が、洗浄された試料の決定されたサンプル体積を上回ることを確実にするために、動作258において決定され得る、潜在的サンプル体積より大きい体積である。
【0103】
図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作208、210、212、および214と同様に、サンプル調製プロセス250は、動作260における、反応プレートのウェルへの1つまたはそれを上回る標識試薬の添加、動作262における、標識試薬を含有する、反応プレートのウェルへの洗浄された試料のサンプル体積の添加、動作264における、洗浄された試料のサンプル体積と標識試薬のインキュベーション、および動作266における、洗浄された試料のサンプル体積および標識剤を含有する、反応プレートのウェルの中への溶解試薬または緩衝剤の添加が続く。
【0104】
図9と併せて上記に詳細に説明される、動作238および240と同様に、サンプル調製プロセス250は、動作268における、反応プレートのウェル内における洗浄された試料のサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬または緩衝剤のインキュベーション、および動作270における、各ウェル内に洗浄された試料のサンプル体積、標識試薬、および溶解試薬または緩衝剤を備える、サンプルの洗浄が続く。サンプル調製プロセス250は、次いで、図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作216と同様に、動作272において、各ウェルからのサンプルが出力のために分注されることで終了する。
【0105】
図11は、試料のためのさらなる例示的サンプル調製プロセス280を図式的に図示する。サンプル調製プロセス280は、サンプル調製器具100によって実施されることができる。図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作202および204と同様に、サンプル調製プロセス280は、動作282において、試料を備える管を受容することから開始し、動作284において、パネル選択を受信する。動作286では、試料のある体積が、反応プレート内の第1のウェル(例えば、ウェルA)の中に添加される。動作288では、1つまたはそれを上回る溶解試薬が、第1のウェル(例えば、試料の体積を含む、ウェル)の中に添加される。動作290では、試料の体積および溶解試薬が、インキュベートされることができる。他の実施例では、溶解剤ではなく、緩衝剤が、動作288において、添加され、動作290において、試料の体積とインキュベートされることができる。
【0106】
動作292では、試料の溶解された体積が、図9を参照して詳細に説明される、サンプル調製プロセス220の動作228において実施される洗浄と同様に、細胞洗浄器128によって、洗浄されることができる。動作294では、洗浄され、溶解された試料のサンプル体積が、図8と併せて上記に詳細に説明される、動作206において実施される決定と同様に、決定される。
【0107】
動作296では、1つまたはそれを上回る標識試薬が、反応プレートの第2のウェル(例えば、ウェルB)に添加される。動作298では、洗浄され、溶解された試料のサンプル体積が、反応プレート内の第2のウェル(例えば、標識試薬を含有する、第2のウェル)に添加される。第2のウェルに添加された、溶解された試料のサンプル体積および標識試薬は、次いで、動作300において、インキュベートされる。サンプル調製プロセス280は、次いで、図8と併せて上記に詳細に説明される、サンプル調製プロセス200の動作216と同様に、動作302において、各ウェルからのサンプルが出力のために分注されることで終了する。
【0108】
図8、9、10、および11は、種々のステップおよびその順序を有する、異なるサンプル調製プロセスの非限定的実施例を提供する。本明細書で議論されるステップまたは動作の付加的組み合わせを備える、他のサンプル調製プロセスも、可能性として考えられる。
【0109】
図12は、分析のための試料のサンプルを調製するための方法310を図示する、プロセスフロー図である。方法310は、サンプル調製器具100によって実施されることができる。いくつかの実施例では、サンプル調製器具100は、フローサイトメトリサービス等のサンプル分析サービスを提供する、実験室内に格納される。方法310は、試料がサンプル調製器具100の入力ステーション124または単一管装填器126に受容された後、動作312から開始する。いくつかの実施例では、試料は、機械可読コードで標識された、管内に受容されることができる。
【0110】
動作314では、試料の試料識別子(ID)が、読み出される。例えば、入力ステーション124または単一管装填器126におけるスキャナまたは読取機が、管上の機械可読コードを走査し、または読み取り、試料IDを読み出すことができる。機械可読コードは、他の類似実施例の中でもとりわけ、バーコード、QRコード(登録商標)、または無線周波数識別(RFID)タグであることができる。他の実施例では、試料IDは、タッチディスプレイ122のユーザインターフェースを通して、ユーザによって手動で打ち込まれることができる。ユーザは、試料IDとマッチングまたはペアリングする、パネルを選択することができ、パネルは、事前に定義されたルールのセットを含め、特定のタイプの試料に関するサンプルを調製するためのワークフローまたは動作と、試料上で実施されるべき分析とを定義する。選択されたパネルのための事前に定義されたルールのセットは、コンピューティングデバイス116のメモリ118から読み出されることができる。例示的な事前に定義されたルールは、他の実施例の中でもとりわけ、試料に関する白血球の濃度がサンプル調製器具100によって推定されるべきであるかどうか、白血球の最低濃度、白血球の最高濃度、最低濃度と最高濃度との間の白血球の濃度の1つまたはそれを上回る範囲に関する試料のサンプル体積、および試料のサンプル体積を希釈するべきかどうかのうちの1つまたはそれを上回るものを含むことができる。
【0111】
事前に定義されたルールのセットに基づいて、試料中の白血球の濃度がサンプル調製器具100によって推定されるべきであるかどうかに関する決定が、決定316において行われる。サンプル調製器具100が、白血球濃度を推定する必要がない場合、試料のサンプル体積は、移送ステーション112のプローブ114によって、動作318において、処理のために、入力ステーション124または単一管装填器126から移送される。
【0112】
いくつかの実施例では、サンプル調製器具100は、試料に関する白血球濃度がすでに取得されおり、そこから試料のサンプル体積が決定され得るため、白血球濃度推定を実施する必要はない。一実施例として、実験室はまた、サンプル調製器具100と別個である、血液学器具を格納してもよく、血液学器具は、試料を分析し、白血球濃度を決定する。別の実施例として、実験室技術者は、塗抹標本を調製し、白血球の数を計数し、それに基づいて、濃度を推定するための顕微鏡検査方法を採用することができる。さらなる実施例として、血液学実験室等の別の実験室が、試料を分析し、白血球濃度をサンプル調製器具100を格納する現在の実験室に提供することができる。
【0113】
上記の実施例では、取得された白血球濃度は、次いで、サンプル調製器具100に手動で入力されることができる、またはサンプル調製器具100によって実験室情報システム(LIS)を通してアクセスされることができる。白血球濃度が、サンプル調製器具100によって受容されると、分析のために調製されるべき試料のサンプル体積が、決定されることができる。いくつかの実施例では、決定は、事前に定義されたルールのセットに基づいて、行われることができる。例えば、試料に関する白血球濃度が該当する、白血球濃度値の範囲に対応する、サンプル体積が、試料のサンプル体積であると決定される。代替実施例では、取得された白血球濃度ではなく、試料のサンプル体積は、実験室技術者によって、サンプル調製器具100の中に手動で入力されることができる(例えば、実験室技術者が、事前に定義されたルールのセットを参照し、取得された白血球濃度と比較後)。
【0114】
いったんサンプルが、動作320において処理されると、本方法は、動作322において終了する。動作320におけるサンプルを処理することは、少なくとも、1つまたはそれを上回る標識剤および1つまたはそれを上回る溶解剤(または緩衝剤)を試料のサンプル体積に添加することを含む。処理はまた、1回またはそれを上回る細胞洗浄およびインキュベーション周期を伴うことができる。例示的処理ステップは、図8、9、10、および11と併せて上記に詳細に説明される。
【0115】
決定316において、器具が試料に関する白血球濃度を推定する必要があることの決定が、行われる場合、試料の分割量は、動作324において、移送ステーション112のプローブ114によって、入力ステーション124または単一管装填器126から細胞濃度推定器106に移送される。移送される分割量は、約10マイクロリットル(μL)~約50μLの試料である。細胞濃度推定器106は、動作326において、他の方法の中でもとりわけ、光学方法、電気抵抗方法、またはフローサイトメトリ方法のうちの1つまたはそれを上回るものを実装し、分割量中の白血球の濃度を推定することができ、これは、試料中の白血球の濃度を表す。サンプルは、細胞濃度推定器106から廃棄物コンテナ142等の廃棄物コンテナに放出される。
【0116】
細胞濃度推定器106は、白血球濃度推定値をサンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に提供し、処理デバイス120が、決定328において、白血球濃度推定値および事前に定義されたルールのセットに基づいて、試料を処理すべきかどうかを決定する。決定328において、試料を処理するべきでないことの決定が、行われる場合、試料は、動作330において、処理されず、本方法は、動作322において、終了する。いくつかの実施例では、白血球濃度推定値が、事前に定義されたルールによって設定された最低濃度またはそれを下回る、または白血球濃度推定値が、事前に定義されたルールによって設定された最高濃度またはそれを上回る場合、試料を処理しないことの決定が、行われる。
【0117】
決定328において、試料を処理すべきであることの決定が、行われる場合、試料のサンプル体積が、動作332において、移送ステーション112のプローブ114によって、処理のために、入力ステーション124または単一管装填器126内の管から、吸引、移送、分注される。試料のサンプル体積は、白血球濃度推定値および事前に定義されたルールのセットに基づいて、決定される。例えば、推定値が該当する、白血球濃度値の範囲に対応する、サンプル体積が、試料のサンプル体積であると決定される。
【0118】
決定334において、試料のサンプル体積を希釈するべきかどうかの決定が、事前に定義されたルールのセットに基づいて、行われる。試料のサンプル体積が、希釈されるべきではない場合、サンプルは、動作320において、少なくとも、例えば、1つまたはそれを上回る標識剤および1つまたはそれを上回る溶解剤(または緩衝剤)を試料のサンプル体積に添加することによって処理され、本方法は、動作322において、終了する。試料のサンプル体積が、希釈されるべきである場合、試料のサンプル体積は、動作336において、希釈される。いくつかの実施例では、試料のサンプル体積は、標識のための規定された体積を達成するために、希釈される。実施例を提供するために、分析のタイプに基づいて、標識するための試料の規定された体積は、200μLである。しかしながら、白血球濃度推定値が高い、シナリオでは、試料の決定されたサンプル体積は、50μLのみであり得る。したがって、試料の規定された体積を200μLに維持するために、試料のサンプル体積は、例えば、付加的150μLの緩衝剤で希釈される。いったん試料のサンプル体積が、動作336において、希釈されると、サンプルは、動作320において、少なくとも、例えば、1つまたはそれを上回る標識剤および1つまたはそれを上回る溶解剤(または緩衝剤)を試料のサンプル体積に添加することによって処理され、本方法は、動作322において、終了する。
【0119】
図13は、例示的試料装填ユーザインターフェース340である。ユーザインターフェース340は、サンプル調製器具100のタッチディスプレイ122上に表示されることができる。いくつかの実施例では、ユーザは、それぞれ、機械可読コードを備える、1つまたはそれを上回る試料管を入力カセットに取り付けることができる。ユーザは、次いで、入力カセットをサンプル調製器具100の入力ステーション124内に装填する、または入力カセットをその手に保持することができる。管上の機械可読コードが、入力ステーション124内で、またはユーザによって手動で、走査され、方法310の動作314に説明されるように、試料識別子を機械可読コードから読み出す。読み出された試料IDは、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に提供される。ユーザは、次いで、すでに装填されていない場合、入力カセットをサンプル調製器具100の入力ステーション124の中に装填することができる。
【0120】
ユーザインターフェース340は、走査された管に関する試料識別子342を表示するであろう。いくつかの実施例では、ユーザは、メニュー344を使用して、1つまたはそれを上回るパネルを試料識別子342と関連付けられる管内の試料に割り当てることができる。図示されるように、メニュー344は、片側から他側にスライドし、パネルを試料に割り当てる、トグルを含む、ドロップダウンメニューである。他のタイプのメニューおよび/または類似ボタンまたは選択オプションも、メニュー344内に提供されることができる。メニュー344内に表示されるパネルは、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションを使用して以前に生成された、パネルを含むことができる。例えば、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションは、サンプル調製器具100と別個の遠隔コンピューティングデバイス上で実行されることができ、生成された任意のパネルは、有線接続、無線接続、または物理的メモリデバイスを経由して、サンプル調製器具に伝送される。試料とペアリングさせるためにメニュー344から選択されたパネル346は、試料識別子342に隣接して表示される。他の実施例では、試料とペアリングされるべき1つまたはそれを上回るパネルは、自動的に、LISによって割り当てられ、適切なパネルは、自動的に、選択されたパネル346として取り込まれる。
【0121】
選択されたパネル346のうちの1つまたはそれを上回るものが、サンプル処理に先立って、試料の白血球濃度推定値が取得されることを要求する場合(例えば、調製されるべき試料のサンプル体積が、白血球濃度に依存するため)、ユーザインターフェース340は、選択のための2つの付加的オプションを含む。第1のオプション348は、サンプル調製器具100の細胞濃度推定器106が、内部の白血球濃度を推定すべきときに選択されることができる。第2のオプション350は、外部ソースが白血球濃度をすでに決定しているときに選択されることができる。白血球濃度は、第2のオプション350が選択されているとき、ユーザインターフェース340のテキストボックス352の中に手動で打ち込まれることができる。代替として、白血球濃度は、白血球濃度が、受信され、LISからダウンロードされる場合、自動的に、テキストボックス352内に取り込まれることができる。いくつかの実施例では、ユーザは、自動的に取り込まれる値を承認または否認することができる。
【0122】
本プロセスは、入力カセット内の管毎に、繰り返されることができる。例えば、入力カセット内に試料を備える、管のそれぞれの機械可読コードが、走査され、個別の試料と関連付けられる、試料識別子を読み出すことができる。これらの試料識別子354は、ユーザインターフェース340内に表示されることができる。試料識別子354に割り当てられる、選択されたパネル356は、個別の試料識別子354に隣接して表示されることができる。選択されたパネル346に類似する、選択されたパネル356は、メニュー344に類似する、メニューから選択される、または自動的に、LISによって取り込まれることができる。加えて、試料に関する白血球濃度が決定されることを要求する、選択されたパネル356毎に、第1のオプション348または第2のオプション350のいずれかが、選択される。
【0123】
いったんユーザが、パネルを入力カセット内の試料管のそれぞれに割り当て、第1のオプション348または第2のオプション350が、適用可能なパネル毎に選択されると、ユーザは、ユーザインターフェース340に表示される、装填制御358を選択することができる。装填制御358の選択に応じて、入力カセットは、ここで、サンプル調製器具100の入力ステーション124の中に移動され、処理の準備ができる。
【0124】
図14は、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションの例示的ユーザインターフェース360である。いくつかの実施例では、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションは、サンプル調製器具100と別個である、遠隔コンピューティングデバイス上で実行されることができる。ユーザインターフェース360は、特定のタイプの分析のための特定のタイプの試料を調製するために、事前に定義されたルールのセットを入力として受信することができる。パネルは、事前に定義されたルールに基づいて、定義または生成され、記憶のために、有線接続、無線接続、または物理的メモリデバイスを経由して、サンプル調製器具100に伝送されることができる。パネルは、次いで、図13を参照して上記に詳細に議論されるように、ユーザによる選択のために、サンプル調製器具100のタッチディスプレイ122のユーザインターフェース340内に(例えば、試料とのペアリングのためにメニュー344内に)表示されることができる。他の実施例では、パネルオーサリングおよび管理アプリケーションは、サンプル調製器具100上で実行され、タッチディスプレイ122が、ユーザインターフェース360上に表示されることができる。
【0125】
一実施例として、パネルを生成するユーザは、ユーザインターフェース360を介して、サンプル調製のために、事前に定義されたルールのセットを入力することができる。いくつかの実施例では、事前に定義されたルールのセットは、試料のタイプおよび/または試料上で実施されるべき分析のタイプに特有であることができる。図示されるように、ユーザインターフェース360は、サンプル内に含まれるべき試料のサンプル体積と関連付けられる、事前に定義されたルールの入力を促進するために提供される。ユーザインターフェース360はまた、標識試薬体積、溶解試薬体積、インキュベーション期間、および他の類似ルールを含む、他のタイプの事前に定義されたルールの入力を促進することができる。
【0126】
試料のサンプル体積と関連付けられるルールを受信するために、ユーザインターフェース360は、試料のサンプル体積を設定するための基礎を選択するためのメニュー362を含む。一例示的基礎は、試料中の白血球濃度に基づいて、試料のサンプル体積を設定することを含むことができる。本基礎は、例えば、白血病またはリンパ腫パネル等の白血球のサブセットを分析する、パネルのために選択されることができる。別の例示的基礎は、固定された体積を設定することを含むことができる。
【0127】
試料中の白血球濃度に基づいて試料のサンプル体積を設定するための選択に応じて、ユーザインターフェース360は、表364を表示することができる。白血球濃度値の範囲および対応するサンプル体積が、表364の各行の中に入力されることができる。例えば、各範囲は、下限濃度値366と、上限濃度値368と、対応するサンプル体積370とを有することができる。いくつかの実施例では、表364の1つの行(例えば、行372)は、範囲ではなく、最低白血球濃度値を表し、表364の別の行(例えば、行374)は、範囲ではなく、最高白血球濃度値を表す。最高および最低値を表すこれらの行に関して、処理オプション376が、提供されることができる。例えば、処理オプション376を使用して、ユーザは、試料中の推定される白血球濃度に基づいて、試料が処理されるべきであるかどうかを定義することができる(例えば、ユーザは、決定328および動作332において使用されるルールを定義することができる)。一実施例として、試料は、白血球濃度が最高濃度値またはそれを上回るとき、または白血球濃度が最低濃度値またはそれを下回るとき、処理されない。
【0128】
加えて、ユーザインターフェース360は、希釈オプション378および特定のサンプル体積380を提供し、サンプル体積380に到達するために添加されるべき希釈剤の量を知らせる。例えば、ユーザインターフェース360は、ユーザが、パネルのために定義されている標識するための試料の規定された体積を維持するために、試料のサンプル体積を希釈すべきかどうかに関する決定334および動作336において使用されるルールを定義することを可能にする。
【0129】
図15は、分析のためのサンプルを調製するための方法386を図示する、フローチャートである。方法386は、サンプル調製器具100によって実施される。動作388では、試料が、入力102として、サンプル調製器具100に受容される。試料は、例えば、サンプル分析器によって、分析のために調製されることになる。例示的試料は、全血、骨髄、解離された組織、周辺単核細胞、生検物、脳脊髄液、および他の単細胞懸濁液を含むことができる。一実施例として、試料は、白血球のサブセットを分析するための白血病またはリンパ腫パネルのために調製されている、全血である。
【0130】
動作390では、試料の分割量中の白血球の濃度が、推定され、これは、試料中の白血球の濃度を表す。濃度は、他の方法の中でもとりわけ、光学方法、電気抵抗方法、またはフローサイトメトリ方法を使用して、決定されることができる。動作392では、試料のサンプルが、分注され、サンプルの体積(例えば、「試料のサンプル体積」とも称される)が、試料が調製されている、特定のタイプの分析(例えば、パネル)と関連付けられる、推定値および事前に定義されたルールのセットに基づいて、決定されることができる。事前に定義されたルールのセットは、最低白血球濃度値、最高白血球濃度値、および各範囲が試料の対応するサンプル体積を有する、最低値と最高値との間の白血球濃度値の1つまたはそれを上回る範囲を含むことができる。したがって、試料の決定されたサンプル体積は、白血球濃度の推定値が該当する、範囲の濃度値に対応する、サンプル体積である。
【0131】
サンプルを処理するために、少なくとも、動作394および396が、実施される。動作394では、1つまたはそれを上回る標識試薬が、サンプルに添加される(例えば、試料のサンプル体積に添加される)。試料のサンプル体積および標識試薬は、次いで、所定の期間にわたって、インキュベートされることができる。標識剤は、特定の試料の成分を標的化し、分析を促進する。例えば、上記の実施例を継続すると、標識試薬は、白血球のサブセットを標的化し(例えば、インキュベーション周期の間、白血球のサブセットに付着する)、白血病またはリンパ腫パネルの間、白血球のサブセットの分析を促進する、抗体試薬を含むことができる。
【0132】
動作396では、1つまたはそれを上回る溶解試薬が、サンプルに添加される(例えば、試料のサンプル体積に添加される)。試料のサンプル体積および溶解試薬は、次いで、所定の期間にわたって、インキュベートされることができる。上記の実施例を継続すると、溶解試薬は、試料のサンプル体積中の赤血球を破壊することができる。他の実施例では、溶解試薬ではなく、またはそれに加え、緩衝剤が、試料のサンプル体積に添加されることができる。動作398では、サンプルが、サンプル調製器具100の出力104として提供され、方法386は、終了する。
【0133】
図16は、例示的細胞濃度推定器106のハードウェア構成要素を図示する。細胞濃度推定器106は、サンプル調製器具100の構成要素である。いくつかの実施例では、細胞濃度推定器106は、点検のために、サンプル調製器具100から取外可能であることができる。細胞濃度推定器106の本特定の構成は、光学方法を実装し、試料中の白血球の濃度を推定することができる。
【0134】
細胞濃度推定器106は、混合チャンバ400と、計数チャンバ402と、計数チャンバ402に対して配列される、光学システム404と、流体ポンプ406と、複数の試薬ポンプ408と、1つまたはそれを上回る電子ボード410とを含む。混合チャンバ400は、溶解試薬および希釈剤試薬を受容し、混合チャンバ400のモータを使用して、試料の分割量と混合する。試料の溶解および希釈された分割量は、流体ポンプ406によって、混合チャンバ400から計数チャンバ402に前進される。試料の溶解および希釈された分割量が、計数チャンバ402を通して前進されるにつれて、光学システム404は、試料の画像を捕捉する。電子ボード410は、電力および信号を混合チャンバ400のモータ、流体ポンプ406、および複数の試薬ポンプ408に供給する。サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116は、信号を電子ボード410に提供し、モータによって実施される混合のタイミング、率、および/またはパターン、試薬ポンプ408のそれぞれによって押動される試薬のタイミングおよび体積の量、および流体ポンプ406によって押動されるタイミングおよび体積の量を制御する。
【0135】
図17は、細胞濃度推定器106の例示的混合チャンバ400である。混合チャンバ400は、容器420と、容器420の開放端上に位置付けられる、キャップ422と、モータ424とを備える。容器420は、試料の分割量と、分割量と混合するために、および/または白血球濃度を取得後、細胞濃度推定器106を清掃するために受容される、1つまたはそれを上回る試薬とを保持する。1つの非限定的実施例として、容器420の最大機能体積は、6.0ミリリットル(mL)である。
【0136】
キャップ422は、移送ステーション112のプローブ114を受容するための開口部426と、試料の分割量を入力ステーション124または単一管装填器126における試料を備える管から吸引し、容器420に移送する、プローブ114とを含む。キャップ422はまた、複数の入力ポート428、430、および432を含み、第1のライン、第2のライン、および第3のラインのうちの1つまたはそれを上回るものを介して、溶解試薬、希釈剤試薬、および清掃試薬のうちの1つまたはそれを上回るものを受容する。試薬は、試薬ポンプ408を使用して、ラインを通して、容器420の中に押動されることができる。容器420の中に進入する、ラインは、容器420の中心底部区分へ角度分注するために位置付けられることができる。いくつかの実施例では、キャップ422の位置は、製造の間に設定され、混合チャンバ400の動作の間、定常である。
【0137】
モータ424は、混合チャンバ400の内容物を混合するように構成される。いくつかの実施例では、モータ424は、偏心器と嵌合され、アーム434が、混合チャンバ400の中心に取り付けられる。
【0138】
図18は、細胞濃度推定器106の例示的計数チャンバ402および光学システム404である。光学システム404は、計数チャンバ402に対して、配列され、および/または位置付けられることができる。いくつかの実施例では、計数チャンバ402は、1つまたはそれを上回る透明フローセルから成る、フローセルチャンバである。計数チャンバ402の入口ポートは、ポンプ管類の第1の部分を介して、混合チャンバ400に接続されることができる。計数チャンバ402の退出ポートは、ポンプ管類の第2の部分を介して、流体ポンプ406に接続されることができる。流体ポンプ406は、試料の溶解および希釈された分割量の少なくとも一部を混合チャンバ400からポンプ管類の第1の部分を通して計数チャンバ402の入口ポートに前進させ、分割量を計数チャンバ402を通して、退出ポートから外に、廃棄物コンテナ142等の廃棄物コンテナ内に分注されるように、ポンプ管類の第2の部分を通して前進させ続ける。試料の分割量が、流体ポンプ406によって、計数チャンバ402を通して前進されるにつれて(例えば、細胞が、フローセルを通して移動するにつれて)、光学システム404は、複数の画像を捕捉する。いくつかの実施例では、流体ポンプ406は、試料の細胞が計数チャンバ402内での移動を停止している間、光学システム404が画像を捕捉し得るように、分割量の前進を一時的に停止させる。流体ポンプ406は、次いで、次の一時的停止まで、再開することができ、本プロセスは、各画像が捕捉されるまで継続する。1つの非限定的実施例として、流体ポンプ406は、画像が0.6秒/画像の率で光学システム404によって捕捉されるために、10μL/押動に設定されることができる。
【0139】
光学システム404は、デジタルカメラ440と、光源442と、レンズ444とを含む。いくつかの実施例では、光学システム404は、明視野撮像および照明技法を実装し、サンプルは、光源442によって下方から照明され、カメラ440によって上方から撮像される。サンプル照明は、透過青色光であることができ、サンプル内のコントラストは、サンプルの円形面積内の透過光の減衰によって生じることができる。レンズ444は、カメラ440の中で細胞を撮像するために使用される。カメラ440は、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に通信可能に接続され、処理および分析のために、コンピューティングデバイス116への捕捉およびデジタル化された画像の伝送を促進する。
【0140】
他の実施例では、光学システム404は、蛍光顕微鏡検査を実装し、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に通信可能に接続され、処理および分析のために、コンピューティングデバイス116への捕捉およびデジタル化された画像の伝送を促進する、カメラ440に類似する、デジタルカメラと結合される、蛍光顕微鏡を含む。
【0141】
図19は、試料中の白血球濃度を推定するための光学方法450を図示する、フローチャートである。光学方法450は、図16、17、および18に詳細に説明される、サンプル調製器具100の細胞濃度推定器106によって実施される。
【0142】
本方法は、動作452から開始し、溶解試薬が、混合チャンバ400の中に分注される。試料の分割量が、次いで、動作454において、溶解試薬との混合および所定の期間にわたるインキュベーションのために、混合チャンバ400の中に分注される。試料が、全血であるとき、溶解試薬は、サンプル中の赤血球を溶解する。例えば、溶解試薬は、赤血球の膜解体および分解を引き起こし、赤血球残骸を残す。
【0143】
試料の分割量および溶解試薬のインキュベーションのための所定の期間が、経過した後、希釈剤試薬が、動作456において、試料の分割量および溶解剤と混合されるために、混合チャンバ400の中に分注される。希釈剤試薬は、溶解活動を減速させ、白血球の破壊を防止し、かつサンプルを希釈し、白血球の計数を促進する。動作458では、流体ポンプ406が、試料の溶解および希釈された分割量の少なくとも一部を混合チャンバ400から計数チャンバ402に前進させる。
【0144】
動作460では、試料の溶解および希釈された分割量の複数の画像が、分割量が計数チャンバ402を通して流動するにつれて、光学システム404によって捕捉される。例えば、いったん計数チャンバ402が、分割量で充填されると、流体ポンプ406は、流体の移送を一時的に停止し、試料中の白血球の移動を停止させる。白血球の移動が、一時的に停止されている間、光学システム404は、画像を捕捉およびデジタル化する。いったん画像が、捕捉およびデジタル化されると、流体ポンプ406は、再び、サンプルを前進させ、次いで、停止し、別の画像を捕捉するであろう。本プロセスは、繰り返され、複数の画像を捕捉する。例えば、プロセスは、白血球の数の統計的に有意な推定値を提供するために十分な数の画像が捕捉されるまで、繰り返されることができる。
【0145】
複数の画像は、次いで、画像処理および分析のために、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に転送される。例えば、動作462では、複数の画像内の白血球の総数が、各画像内で計数される白血球の数に基づいて、決定される。動作464では、複数の画像内の分割量の総体積が、決定される。例えば、図21により詳細に説明されるように、サンプル調製器具100の製造設定の間、光学システム404によって捕捉された対物ミクロメーターの画像が、受信され、画像の水平長および垂直長が、測定される。画像体積は、水平長、垂直長、および計数チャンバ402内のフローセルの既知の経路長に基づいて、決定されることができる。画像体積は、コンピューティングデバイス116に記憶されることができる。複数の画像内の分割量の総体積が、次いで、画像体積および複数の画像内のいくつかの画像に基づいて、決定されることができる。動作466では、白血球の濃度が、複数の画像内の白血球の総数および分割量の総体積に基づいて、推定される。
【0146】
図20は、試料に関する白血球濃度を推定するための例示的光学方法を図式的に図示する。図示される光学方法は、サンプル調製器具100の細胞濃度推定器106によって実施される、図19に説明される光学方法450に類似することができる。例えば、試薬ポンプ408の溶解試薬ポンプ480が、溶解試薬を、溶解試薬を備える、コンテナ482から吸引する。溶解試薬ポンプ480は、溶解試薬を第1のライン484を通して押動させ、溶解試薬を、入力ポートのうちの1つ(例えば、入力ポート428)を介して、混合チャンバ400の容器420の中に分注する。一実施例では、250μLの体積の溶解試薬が、容器420の中に分注される。
【0147】
移送ステーション112のプローブ114は、次いで、例えば、入力ステーション124における入力カセット488内に保持される、試料を備える、キャップされた管486を穿刺することができる。プローブ114は、試料の分割量を吸引し、搬送し、次いで、混合チャンバ400の容器420の中に分注することができる。一実施例では、10μL~50μLの試料の体積が、容器420の中に分注される。混合チャンバ400のモータ424は、アクティブ化され、試料の分割量および溶解試薬の機械的混合を提供することができる。試料の分割量および溶解試薬は、混合され、所定の期間にわたって、インキュベートすることを可能にされる。一実施例として、試料の分割量および溶解試薬は、15秒にわたって、円形または楕円形パターンにおいて混合されることができる。混合作用は、次いで、停止され、付加的な9秒にわたって、インキュベートを待機する。その後、混合は、付加的な9秒にわたって、再開され、次いで、再び、停止され、付加的な9秒にわたって、放置およびインキュベートする。インキュベーションは、3秒の混合を伴って終了される。
【0148】
試薬ポンプ408の希釈剤試薬ポンプ490は、次いで、希釈剤試薬を、希釈剤試薬を備える、コンテナ492から吸引することができる。希釈剤試薬ポンプ490は、希釈剤試薬を第2のライン494を通して押動させ、希釈剤試薬を、入力ポートのうちの別の1つ(例えば、入力ポート430)を介して、混合チャンバ400の容器420の中に分注する。いくつかの実施例では、希釈剤試薬はさらに、サンプルの処理の間、サンプル調製器具100の他の構成要素によって使用される。混合チャンバ400のモータ424は、再び、アクティブ化され、試料の分割量、溶解剤、および希釈剤の機械的混合を提供することができる。一実施例では、900μLの体積の希釈剤試薬が、分注され、3秒の混合が、行われる。
【0149】
流体ポンプ406は、試料の溶解および希釈された分割量の少なくとも一部を、混合チャンバ400から、計数チャンバ402に、ポンプ管類496の第1の部分を通して前進させる。一実施例では、約600μLの希釈および溶解された試料の分割量が、流体ポンプ406によって、ポンプ管類496を通してプライミングされる。計数チャンバ402が、希釈および溶解された試料の分割量でプライミングされた後、流体ポンプ406は、分割量の前進を一時的に停止させ、試料中の白血球の移動を停止させる。白血球の移動が、一時的に停止されている間、カメラ440と、光源442と、レンズ444とから成る、光学システム404は、画像498を捕捉およびデジタル化する。いったん画像498が、捕捉およびデジタル化されると、流体ポンプ406は、再び、分割量を前進し始め、次いで、停止し、別の画像を捕捉するであろう。本プロセスは、繰り返され、複数の画像を捕捉する。1つの非限定的実施例として、画像は、50枚の画像が捕捉されるまで、0.6秒毎に捕捉されてもよい。しかしながら、いくつかの分割量は、最大1,000枚の画像が捕捉されることを要求し得る。複数の画像は、処理および分析のために、コンピューティングデバイス116に提供され、試料中の白血球濃度を推定する。
【0150】
流体ポンプ406は、分割量を、廃棄物コンテナ142等の廃棄のために、計数チャンバ402を通して、廃棄物コンテナ142に、ポンプ管類496の第2の部分を介して、前進させる。いったん複数の画像が、捕捉されると、混合チャンバ400の容器420内の残りの試料の溶解および希釈された分割量は、該当する場合、計数チャンバ402を通して廃棄物コンテナ142に前進されることができる。いくつかの実施例では、試薬ポンプ408の清掃試薬ポンプ500が、清掃試薬を、清掃試薬を備える、コンテナ502から、第3のライン504を通して吸引し、混合チャンバ400の容器420の中に分注する。清掃試薬は、次いで、流体ポンプ406によって、混合チャンバ400から、計数チャンバ402に、ポンプ管類496の第1の部分を介して、次いで、計数チャンバ402から、廃棄物コンテナ142に、ポンプ管類496の第2の部分を介して前進され、受容されるべき試料の次の分割量に備えて、細胞濃度推定器106の各構成要素を清掃する。
【0151】
図21は、複数の捕捉された画像内の総分割量体積を決定するために使用される、対物ミクロメーターの画像を図示する。サンプル調製器具100の製造設定の間、対物ミクロメーターの画像520(例えば、その表面上にスケールを有する、スライドの画像)が、捕捉されることができ、水平および垂直長および画像520のビューと関連付けられる画像体積が、決定されることができる。決定された長さおよび/または画像体積は、次いで、記憶および総分割量体積を決定する際の使用のために、コンピューティングデバイス116に伝送されることができる。
【0152】
いくつかの実施例では、以降、完全ビュー522と称される、完全視野が、画像520から測定されることができる。例えば、完全ビュー522の水平長524および垂直長526が、測定され、完全ビュー522の面積を決定する。完全ビュー522の深度は、計数チャンバ402と関連付けられる、既知の測定値に基づく。例えば、計数チャンバ402内のフローセルの既知の経路長である。面積および深度は、次いで、完全ビュー522に関する完全画像体積を達成するために、乗算される。完全画像体積は、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に記憶されることができる。
【0153】
1つの非限定的実施例として、デジタルカメラ440は、1,280×960ピクセルと、水平方向に3.75mm×垂直方向に3.75mmのピクセルサイズとを有する、1/3インチフォーマットを使用して、面積4,800(例えば、完全画像フォーマット1280×ピクセルサイズ3.75)の完全画像をもたらすことができる。測定された完全画像長は、水平長524に関して、1mm、および垂直長526に関して、0.750mmであって、0.75mmの完全ビュー画像面積をもたらす。フローセルの経路長は、0.0853mmであって、したがって、完全画像体積は、0.75mm×0.0853mmまたは0.064mmである。
【0154】
いったん複数の画像が、光学システム404によって捕捉されると、捕捉された複数の画像内の総分割量体積が、完全画像体積に基づいて、コンピューティングデバイス116によって決定されることができる。例えば、完全画像体積は、μL(例えば、1mm=1μL)に変換され、捕捉された複数の画像内のいくつかの画像によって乗算され、複数の画像内の総分割量体積を取得する。例えば、50枚の画像が、捕捉され、0.064mmの完全画像体積が、決定された場合、複数の画像内の総分割量体積は、3.200μLとなるであろう。
【0155】
白血球濃度の推定値を取得するために、各画像内で計数される白血球の数は、ともに加算され、複数の画像内の白血球の総数を求める。複数の画像内の白血球の総数は、次いで、複数の画像内の総分割量体積によって除算され、白血球濃度の推定値(白血球の数/μL)を取得する。
【0156】
加えて、いくつかの実施例では、デジタルカメラ440の完全ビュー522の縁における白血球を識別および計数することに関する問題を回避するために、計数境界が、画像520の少なくとも2つの側に導入される。境界は、視野内のピクセルの数を効果的に低減させる。したがって、以降、有効ビュー528と称される、計数境界の内側の視野が、対物ミクロメーターの画像から測定されることができる。上記の実施例を継続すると、50μmに設定された計数境界は、画像を1,134×814ピクセルまで低減させ、3,600ミクロン(例えば、完全画像フォーマット1134×ピクセルサイズ3.75)の有効画像面積をもたらし得る。測定された有効画像長は、水平長530に関して、0.889mm、および垂直長532に関して、0.639mmであって、0.568mmの有効画像をもたらす。したがって、有効画像体積は、0.568mm×0.0853mmまたは0.0485mmである。
【0157】
有効画像体積は、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116に記憶され、コンピューティングデバイス116が、光学システム404によって捕捉された複数の画像内の総分割量体積を決定することを可能にすることができる。例えば、有効画像体積は、μL(例えば、1mm=1μL)に変換され、捕捉された複数の画像内のいくつかの画像によって乗算され、複数の画像内の総分割量体積を取得する。故に、50枚の画像が、捕捉され、0.0485mmの有効画像体積が、決定された場合、複数の画像内の総分割量体積は、2.4250μLとなるであろう。白血球濃度の推定値を取得するために、(例えば、画像の境界内で計数される)各画像内の計数される白血球の数が、ともに加算され、複数の画像内の白血球の総数を求める。複数の画像内の白血球の総数は、次いで、複数の画像内の総分割量体積によって除算され、白血球濃度の推定値(白血球の数/μL)を取得する。
【0158】
図22は、画像内の白血球の数を決定するために実施される、画像分析を図示する。画像分析は、サンプル調製器具100のコンピューティングデバイス116によって実施されることができる。例えば、コンピューティングデバイス116は、細胞濃度推定器106の光学システム404に通信可能に結合され、光学システム404によって捕捉されたサンプルの複数の画像を受信してもよい。いくつかの実施例では、コンピューティングデバイス116および光学システム404は、無線接続を経由して、通信することができる。他の実施例では、コンピューティングデバイス116および光学システム404は、有線接続を経由して、通信することができる。
【0159】
コンピューティングデバイス116の処理デバイス120は、個々に、各画像を分析することができる。受信されるとき、画像は、白血球552と、残骸554と、背景556とを含む、未加工画像データフォーマット(例えば、未加工画像550)にある。残骸554は、他の残骸の中でもとりわけ、溶解試薬との混合から生じる、赤血球残骸を含むことができる。コントラストを増加させ、白血球552の数の計数を促進するために、背景556は、減算され、減算された画像558を発生させることができる。例えば、背景556を減算することによって、白血球552と残骸554との間の区別が、より容易になり得る。いくつかの実施例では、減算された画像558内の白血球552または面積のうちの1つまたはそれを上回るものが、白血球552のそれぞれが分析される(例えば、白血球として計数される)かどうかを確認するために、ホバリングまたは選択されることができる。例えば、白血球が、分析および計数され、白血球または白血球を備える面積が、ホバリングまたは選択されると、十字等の記号は、細胞が計数されたことを示すために表示されることができる。いくつかの実施例では、本機能および表示は、画像分析を実施するコンピューティングデバイス116の内部で行われることができ、サンプル調製器具100のユーザには表示されない。
【0160】
コンピューティングデバイス116は、画像毎の白血球計数、画像あたりの平均白血球計数、および複数の画像に関する累積白血球計数(例えば、画像毎の白血球計数の総和)を含む、種々の異なる値を決定することができる。加えて、画像分析プロセスの一部として、コンピューティングデバイス116は、上記の図21に詳細に説明されるように、複数の画像内の総分割量体積を決定することができる。したがって、コンピューティングデバイス116は、複数の画像内の総白血球計数および総分割量体積に基づいて、白血球の濃度を推定することができる。
【0161】
図23は、画像分析の間に取得される、白血球計数のグラフ表示570を図式的に図示する。例えば、グラフ表示570は、上記の図22に説明される、コンピューティングデバイス116によって実施される画像分析の間に取得された、データから発生される。
【0162】
グラフ表示570のx-軸572は、捕捉された画像の数を表すことができる。例えば、サンプルの50枚の画像が、光学システム404によって捕捉された(例えば、画像0~49)。グラフ表示570の左側上の第1のy-軸574は、白血球計数を表す。第1の線576は、画像毎に計数される、白血球の数を表す。例えば、4個の白血球が、第1の画像(例えば、画像0)内で計数され、50個の白血球が、第2の画像内で計数され、7個の白血球が、第3の画像内で計数され、4個の白血球が、第4の画像内で計数され、35個の白血球が、第5の画像内で計数される等となる。第2の線578は、画像あたり計数される、平均白血球数を表す。上記の実施例を継続すると、4個の白血球が、第1の画像内で計数され、50個の白血球が、第2の画像内で計数される場合、第2の画像における平均白血球計数は、第1および第2の画像における計数の平均であって、これは、27(例えば、(4+50)/2)である。同様に、第3の画像における平均白血球計数は、第1、第2、および第3の画像における計数の平均であって、これは、約20である。
【0163】
グラフ表示570の右側上の第2のy-軸580は、累積白血球計数を表し、関連付けられる線582は、各画像における累積白血球計数を表す。例えば、次の画像のための白血球計数が、決定されるにつれて、白血球計数は、白血球の前の計数に加算される。上記の実施例を継続すると、第1の撮像後、総白血球計数は、4であって、第2の撮像後、総白血球計数は、54であって、第3の撮像後、総白血球計数は、61であって、第4の撮像後、総白血球計数は、65であって、第5の撮像後、総白血球計数は、100である等となる。最終画像(例えば、画像49)における累積白血球計数の値は、複数の画像内の白血球の総数である。ここでは、複数の画像内の白血球の総数は、約442個の白血球である。試料中の白血球の濃度が、次いで、複数の画像内の白血球の総数および複数の画像内の総分割量体積に基づいて、推定されることができ、これは、上記の図22に詳細に説明されるように、コンピューティングデバイス116による画像分析の一部として決定されることができる。
【0164】
本グラフ表示570は、コンピューティングデバイス116によって発生されることができるが、いくつかの実施例では、グラフ表示570は、ユーザに外部提供されない。例えば、グラフ表示570は、サンプル調製器具100のタッチディスプレイ122のユーザインターフェースを通して提供されない。代わりに、白血球濃度の推定値が該当する、範囲のみが、サンプル調製器具100のタッチディスプレイ122のユーザインターフェースを通して、ユーザに表示される。さらなる実施例では、推定値に基づいて、試料を処理するべきではないことの決定が行われる場合、試料のサンプル体積および/またはアラートもまた、表示されてもよい。
【0165】
図24は、試料中の白血球濃度を推定するための電気抵抗方法600を図示する、フローチャートである。方法600は、サンプル調製器具100の細胞濃度推定器106によって実施されることができる。しかしながら、細胞濃度推定器106は、推定の光学方法450と併せて説明される、細胞濃度推定器106と異なる構成要素を有し得る(例えば、図16-23に説明される細胞濃度推定器106と異なる)。例えば、採用される電気抵抗方法600は、コールター原理であることができ、細胞濃度推定器106は、少なくとも、電解質溶液を備える、第1のチャンバおよび第2のチャンバと、第1のチャンバを第2のチャンバに接続する、開口と、少なくとも2つの電極とを含む、計数槽である。電極は、開口の各端部に設置され、開口を通して印加される、電場を生成する(例えば、電流を開口を通して流動させる)ことができる。いくつかの実施例では、開口は、チャネルである。
【0166】
動作602では、試料の分割量が、電解質溶液中に懸濁され、計数槽の第1のチャンバの中に分注される。いくつかの実施例では、試料の分割量はまた、計数槽内で溶解および希釈されることができる。動作604では、懸濁液は、開口を通して通過され、それを通して電流が、流動している。例えば、懸濁液は、第1のチャンバから第2のチャンバに開口を通して前進される。いくつかの実施例では、細胞濃度推定器106はまた、ポンプを含み、懸濁液を第1のチャンバから第2のチャンバに前進させる。他の実施例では、懸濁液は、例えば、圧力差の結果として、第1のチャンバから第2のチャンバに流動する。懸濁液中の試料の細胞が、開口を通して流動するにつれて、開口を横断した電気抵抗は、変化する。
【0167】
動作606では、電気抵抗の変化が、検出される。試料中の白血球の濃度を表す、分割量中の白血球の濃度は、次いで、動作608において、電気抵抗の検出された変化に基づいて、推定されることができる。いくつかの実施例では、電気抵抗変化は、一連のパルスとして、電子的に検出および測定される。パルスは、次いで、例えば、分割量の体積あたりの白血球の数を推定するために、コンピューティングデバイス116によって処理および計数されることができる。
【0168】
図25は、試料中の白血球濃度を推定するためのフローサイトメトリ方法650を図示する、フローチャートである。方法650は、サンプル調製器具100の細胞濃度推定器106によって実施されることができる。しかしながら、細胞濃度推定器106は、推定の光学方法450と併せて説明される、細胞濃度推定器106(例えば、図16-23に説明される細胞濃度推定器106と異なる)および図24における推定の電気抵抗方法600と併せて説明される、細胞濃度推定器106と異なる構成要素を有し得る。例えば、細胞濃度推定器106は、フローサイトメーターであることができる。さらなる実施例では、方法650は、サンプル調製および分析器具150によって実施されることができ、細胞濃度推定器およびサンプル分析器152は、フローサイトメーター等の同一構成要素であることができる。
【0169】
方法650は、動作652から開始し、そこで、試料の分割量が、白血球を標的化する、抗体マーカで染色される。いくつかの実施例では、試料の分割量および抗体マーカは、インキュベートされる。加えて、1つまたはそれを上回る溶解試薬が、添加されることができる。フローサイトメーターの流率が、既知ではない場合、複数の計数ビーズもまた、随意の動作654において、試料の染色された分割量に添加され、サンプルの体積を決定するための参照を提供する。
【0170】
動作656では、試料の染色された分割量が、フローサイトメーターを使用して、所定の期間にわたって、分析される。分析は、所定の期間にわたる白血球の計数を含み、抗体マーカは、白血球がサンプル中の他の細胞から区別可能であることを可能にする。加えて、計数ビーズが、随意の動作654において添加された場合、分析はさらに、計数ビーズの計数を含むことができる。
【0171】
動作658では、試料中の白血球の濃度を表す、分割量中の白血球の濃度が、次いで、動作656において所定の期間内で計数された白血球の数および既知の場合のフローサイトメーターの流率に基づいて、推定される。フローサイトメーターの流率が既知ではない場合、試料中の白血球の濃度が、計数された白血球の数と、動作656において計数される計数ビーズの数対白血球の数の比に基づいて、推定される。
【0172】
上記で説明される種々の実施例および教示は、例証として提供されるにすぎず、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。当業者は、本明細書に図示および説明される実施例および用途に従うことなく、かつ本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく行われ得る、種々の修正および変更を容易に認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図19
図20
図21
図22
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