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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】回転ベアリング及びギヤボックス
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/58 20060101AFI20250403BHJP
   F16C 19/16 20060101ALI20250403BHJP
   F16C 33/60 20060101ALI20250403BHJP
   F16C 33/78 20060101ALI20250403BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20250403BHJP
【FI】
F16C33/58
F16C19/16
F16C33/60
F16C33/78 Z
F16H1/32 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022561634
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2021058443
(87)【国際公開番号】W WO2021204624
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】522394351
【氏名又は名称】ハーモニック ドライブ エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】メンデル、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シャッファー、ミヒャエル
【審査官】糟谷 瑛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第01212253(US,A)
【文献】特表2018-511765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00-19/56
F16H 33/30-33/66
F16C 33/72-33/82
F16H 1/32
F16H 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリング(1b)と、前記外側の回転ベアリングリング(1b)内に配設された内側の回転ベアリングリング(1a)とを備え、前記内側の回転ベアリングリング(1a)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)には、それぞれ少なくとも1つの受入部(10、11)が備えられており、前記受入部(10、11)を通り、両方の前記受入部(10、11)が互いに適合する位置において、両方の前記受入部(10、11)により構成された受入開口部(22)を介し、前記内側の回転ベアリングリング(1a)の回転ベアリング面(9)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)の回転ベアリング面(7)との間の転がりベアリング内に転動体(8)が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部(22)と転動体(8)の間に、転動体(8)のための案内リング(20)が配設されていること、及び、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、シールリング(21)が配設されており、前記シールリングは、前記受入開口部(22)の方向への前記案内リング(20)の軸方向の運動を阻止すること、
を特徴とする回転ベアリング。
【請求項2】
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリング(1b)と、前記外側の回転ベアリングリング(1b)内に配設された内側の回転ベアリングリング(1a)とを備え、前記内側の回転ベアリングリング(1a)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)には、それぞれ少なくとも1つの受入部(10、11)が備えられており、前記受入部(10、11)を通り、両方の前記受入部(10、11)が互いに適合する位置において、両方の前記受入部(10、11)により構成された受入開口部(22)を介し、前記内側の回転ベアリングリング(1a)の回転ベアリング面(9)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)の回転ベアリング面(7)との間の転がりベアリング内に転動体(8)が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部(22)と転動体(8)の間に、転動体(8)のための案内リング(20)が配設されていること、及び、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、スナップリング(25)が配設されており、前記スナップリング(25)は、前記受入開口部(22)の方向への前記案内リング(20)の軸方向の運動を阻止すること、
を特徴とする転ベアリング。
【請求項3】
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリング(1b)と、前記外側の回転ベアリングリング(1b)内に配設された内側の回転ベアリングリング(1a)とを備え、前記内側の回転ベアリングリング(1a)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)には、それぞれ少なくとも1つの受入部(10、11)が備えられており、前記受入部(10、11)を通り、両方の前記受入部(10、11)が互いに適合する位置において、両方の前記受入部(10、11)により構成された受入開口部(22)を介し、前記内側の回転ベアリングリング(1a)の回転ベアリング面(9)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)の回転ベアリング面(7)との間の転がりベアリング内に転動体(8)が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部(22)と転動体(8)の間に、転動体(8)のための案内リング(20)が配設されていること、及び、
前記案内リング(20)は、雄ねじ部(27)を有するねじの形態で構成されており、前記雄ねじ部(27)は、前記外側の回転ベアリングリング(1b)に形成された雌ねじ部(28)と係合状態にあること、
を特徴とする転ベアリング。
【請求項4】
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリング(1b)と、前記外側の回転ベアリングリング(1b)内に配設された内側の回転ベアリングリング(1a)とを備え、前記内側の回転ベアリングリング(1a)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)には、それぞれ少なくとも1つの受入部(10、11)が備えられており、前記受入部(10、11)を通り、両方の前記受入部(10、11)が互いに適合する位置において、両方の前記受入部(10、11)により構成された受入開口部(22)を介し、前記内側の回転ベアリングリング(1a)の回転ベアリング面(9)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)の回転ベアリング面(7)との間の転がりベアリング内に転動体(8)が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部(22)と転動体(8)の間に、転動体(8)のための案内リング(20)が配設されていること、及び、
前記案内リング(20)は、軸方向で、外径に沿ったプレスばめ(オーバサイズ)により前記外側の回転ベアリングリング(1b)内に位置固定されていること、
を特徴とする転ベアリング。
【請求項5】
前記案内リング(20)は、プラスチック又は鋼材から製造されていること、
を特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の回転ベアリング。
【請求項6】
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリング(1b)と、前記外側の回転ベアリングリング(1b)内に配設された内側の回転ベアリングリング(1a)とを備え、前記内側の回転ベアリングリング(1a)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)には、それぞれ少なくとも1つの受入部(10、11)が備えられており、前記受入部(10、11)を通り、両方の前記受入部(10、11)が互いに適合する位置において、両方の前記受入部(10、11)により構成された受入開口部(22)を介し、前記内側の回転ベアリングリング(1a)の回転ベアリング面(9)と前記外側の回転ベアリングリング(1b)の回転ベアリング面(7)との間の転がりベアリング内に転動体(8)が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部(10、11)のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部(22)と転動体(8)の間に、転動体(8)のための案内リング(20)が配設されていること、及び、
前記案内リング(20)は、フラットシールと一体化されて構成されていること、
を特徴とする転ベアリング。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の回転ベアリング(50)と、前記回転ベアリング(50)内に支持された波動歯車装置(40)とを含んだギヤボックスであって、
前記波動歯車装置(40)は、駆動部品(2)と、外歯部(3)を備えた弾性的な伝達部品(4)と、内歯部(5)を備えたホイール(6)とを有し、前記伝達部品(4)は、前記駆動部品(2)上にはめ込み可能であり、その際に前記駆動部品(2)により、前記伝達部品(4)の前記外歯部(3)が楕円長軸の対向領域において前記ホイール(6)の前記内歯部(5)と係合可能となるように、楕円形に変形可能であること、
を特徴とするギヤボックス。
【請求項8】
前記ホイール(6)は、前記外側の回転ベアリングリング(1b)を構成すること、
を特徴とする、請求項に記載のギヤボックス。
【請求項9】
前記内側の回転ベアリングリング(1a)は、前記伝達部品(4)の前記外歯部(3)と同数の歯を有する内歯部を備えた連結ホイール(13)として構成されており、前記連結ホイール(13)の前記内歯部は、前記伝達部品(4)の前記外歯部(3)と係合状態にあること、
を特徴とする、請求項又はに記載のギヤボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による回転ベアリング(回転軸受)に関する。本発明は、更に請求項の上位概念によるギヤボックス(歯車装置ボックス)に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の回転ベアリングは、特に波動歯車装置(Spannungswellengetriebe; strain wave gearing)を回転支持するために適しており、この際、回転ベアリングと波動歯車装置は、ギヤボックスを構成する。この種のギヤボックスは、多岐にわたり多くの技術分野において使用される。特にこの種のギヤボックスは、ロボット技術において、また補装具技術においても、ますます使用されている。例としてここでは、波動歯車装置のグループに属するハーモニックドライブ(登録商標)ギヤが参照される。
【0003】
そこで楕円形のウェーブジェネレータとして構成された駆動部品は、ボールベアリングを介し、外歯付きのフレクスプラインとして構成された伝達部品を変形させ、該伝達部品は、楕円長軸の対向領域において、サーキュラスプラインとして構成された内歯付きのホイールと係合状態にある。ウェーブジェネレータの回転に伴い、楕円長軸が移動し、それにより歯係合領域が移動する。ハーモニックドライブ(登録商標)ギヤのフレクスプラインは、通常はサーキュラスプラインよりも歯が2つ少ないので、ウェーブジェネレータの半回転中にはフレクスプラインとサーキュラスプラインの間の相対運動が1歯分で生じ、全1回転中には2歯分で生じる。サーキュラスプラインが位置固定されている場合には、フレクスプラインは、従動要素として駆動とは逆方向に回転する。この際、サーキュラスプラインは、回転ベアリングリング(回転軸受リング)内に位置固定可能に配設されていることが可能である。
【0004】
この種の波動歯車装置は、2つの部品の間の回転運動を実現するために回転ベアリングリング上に取り付けられ、それらの2つの部品は、回転ベアリングリング上で回転可能に支持されている。この際、一方では、波動歯車装置のホイールが回転ベアリングリングに対して相対回転不能に配設されていることが可能であり、またこの際、回転ベアリングリングの回転ベアリング面と伝達部品(の回転ベアリング面)との間に転動体が配設されており、それにより回転ベアリングリングに対する波動歯車装置の回転可能性が保証されている。しかしまた他方では、波動歯車装置の伝達部品が回転ベアリングリングに対して相対回転不能に配設されていることも可能であり、この際には、回転ベアリングリングの回転ベアリング面とホイール(の回転ベアリング面)との間に転動体が配設されており、それにより回転ベアリングリングに対する波動歯車装置の回転可能性が同様に保証されている。
【0005】
下記特許文献1(AT 129151 B)は、単列又は複数列の総玉形ラジアルボールベアリングを開示している。インナレース又はアウタレース上には、横断面で角形状の案内リングが取り付けないしはめ込まれている。
【0006】
下記特許文献2(US 1,212,253 A)から、転動体のための2つのベアリングリングと1つの案内リングとを有する回転ベアリングが公知である。
【0007】
下記特許文献3(CH 38509 A)は、転動体のための互いに同心に位置する2つのリングと1つの案内リングとを備えたボールベアリングを記載している。
【0008】
下記特許文献4(DE 10 2015 104 308 A1)から、上述のギヤ取付セットの回転ベアリングを次のように構成すること、即ちホイールないし伝達部品と回転ベアリングリングとにそれぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、該受入部を通り、両方の受入部が互いに一致する位置において、ホイールないし伝達部品の回転ベアリング面と回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であるように構成することが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】オーストリア特許第129151号
【文献】米国特許第1212253号
【文献】スイス特許第38509号
【文献】独国特許出願公開第102015104308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この種の構成において、従動部の回転時に転動体が中間空間から脱落する可能性があり、それにより回転ベアリングの機能が損なわれて回転ベアリングが動かなくなる可能性があることは、欠点である。
【0011】
従って本発明の課題は、その点について上述の回転ベアリングを改善することである。また改善されたギヤボックスが提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
回転ベアリングに関し、前記課題は、請求項1~4、6の特徴を有する回転ベアリングにより解決される。本発明の有利な構成は、下位請求項、並びに以下の説明及び図面から読みとれる。
即ち本発明の第1の視点により、
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること、
を特徴とする回転ベアリングが提供される。
より詳しくは、前記第1の視点において、
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること、及び、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、シールリングが配設されており、前記シールリングは、前記受入開口部の方向への前記案内リングの軸方向の運動を阻止すること、
を特徴とし、或いは、
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること、及び、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、スナップリングが配設されており、前記スナップリングは、前記受入開口部の方向への前記案内リングの軸方向の運動を阻止すること、
を特徴とし、或いは、
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること、及び、
前記案内リングは、雄ねじ部を有するねじの形態で構成されており、前記雄ねじ部は、前記外側の回転ベアリングリングに形成された雌ねじ部と係合状態にあること、
を特徴とし、或いは、
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること、及び、
前記案内リングは、軸方向で、外径に沿ったプレスばめ(オーバサイズ)により前記外側の回転ベアリングリング内に位置固定されていること、
を特徴とし、或いは、
回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること、及び、
前記案内リングは、フラットシールと一体化されて構成されていること、
を特徴とする。
更に本発明の第2の視点により、
前記第1の視点に記載の回転ベアリングと、前記回転ベアリング内に支持された波動歯車装置とを含んだギヤボックスであって、
前記波動歯車装置は、駆動部品と、外歯部を備えた弾性的な伝達部品と、内歯部を備えたホイールとを有し、前記伝達部品は、前記駆動部品上にはめ込み可能であり、その際に前記駆動部品により、前記伝達部品の前記外歯部が楕円長軸の対向領域において前記ホイールの前記内歯部と係合可能となるように、楕円形に変形可能であること、
を特徴とするギヤボックスが提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
特に波動歯車装置用の回転ベアリングであって、
外側の回転ベアリングリングと、前記外側の回転ベアリングリング内に配設された内側の回転ベアリングリングとを備え、前記内側の回転ベアリングリングと前記外側の回転ベアリングリングには、それぞれ少なくとも1つの受入部が備えられており、前記受入部を通り、両方の前記受入部が互いに適合する位置において、両方の前記受入部により構成された受入開口部を介し、前記内側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面と前記外側の回転ベアリングリングの回転ベアリング面との間の転がりベアリング内に転動体が取り入れ可能であり、
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、前記受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されていること。
(形態2)
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、シールリング、特にラジアルシャフトシールリングが配設されており、前記シールリングは、前記受入開口部の方向への前記案内リングの軸方向の運動を阻止すること、が好ましい。
(形態3)
両方の前記受入部のうちの少なくとも一方には、スナップリングが配設されており、前記スナップリングは、前記受入開口部の方向への前記案内リングの軸方向の運動を阻止すること、が好ましい。
(形態4)
前記案内リングは、雄ねじ部を有するねじの形態で構成されており、前記雄ねじ部は、前記外側の回転ベアリングリングに形成された雌ねじ部と係合状態にあること、が好ましい。
(形態5)
前記案内リングは、軸方向で、外径に沿ったプレスばめ(オーバサイズ)により前記外側の回転ベアリングリング内に位置固定されていること、が好ましい。
(形態6)
前記案内リングは、プラスチック又は鋼材から製造されていること、が好ましい。
(形態7)
前記案内リングは、フラットシールと一体化されて構成されていること、が好ましい。
(形態8)
少なくとも一方の前記受入部には、前記案内リングだけが配設され、別個のシールは配設されていないこと、が好ましい。
(形態9)
形態1~8のいずれか1つに記載の回転ベアリングと、前記回転ベアリング内に支持された波動歯車装置とを含んだギヤボックスであって、
前記波動歯車装置は、駆動部品と、外歯部を備えた弾性的な伝達部品と、内歯部を備えたホイールとを有し、前記伝達部品は、前記駆動部品上にはめ込み可能であり、その際に前記駆動部品により、前記伝達部品の前記外歯部が楕円長軸の対向領域において前記ホイールの前記内歯部と係合可能となるように、楕円形に変形可能であること。
(形態10)
前記ホイールは、前記外側の回転ベアリングリングを構成すること、が好ましい。
(形態11)
前記内側の回転ベアリングリングは、前記伝達部品の前記外歯部と同数の歯を有する内歯部を備えた連結ホイールとして構成されており、前記連結ホイールの前記内歯部は、前記伝達部品の前記外歯部と係合状態にあること、が好ましい。
【0014】
本発明により、両方の受入部のうちの少なくとも一方には、受入開口部と転動体の間に、転動体のための案内リングが配設されている。
【0015】
本発明は、ベアリングからの転動体の脱落は必ず回避されるべきであろうという考えから出発している。特にアクセスの困難な取付状況において、回転ベアリングの交換は、極めて複雑である。それに加え、ベアリングの機能不良やベアリングが動かなくなることは、危険な状況をもたらす可能性がある。
【0016】
今や認識されたように、軸方向で転動体を受入開口部の方向への運動に関して制限する案内リングを用い、転動体の脱落を防止することができる。
【0017】
回転ベアリングは、好ましくは、4点ベアリング(4点接触ベアリング)として構成されていることが可能である。4点ベアリングは、極めてコンパクトに構成されていることが可能であり、純粋なアキシアル力とラジアル力に加え、高い傾動モーメント(Kippmomente)を吸収することもできる。このことは、特にここで説明されている波動歯車装置のベアリング機構において利点である。
【0018】
有利には、両方の受入部のうちの少なくとも一方には、シールリング、特にラジアルシャフトシールリングが配設されており、該シールリングは、受入開口部の方向への案内リングの軸方向の運動を阻止する。所定の適用事例では、使われた潤滑剤が、例えばギヤの回転ベアリングに達し、そこに存在するベアリング中間空間を通過するに至るまで、ギヤ内を移動するということが起こり得る。ベアリング中間空間は、必要に応じ、外側のラジアルシャフトシールリングを用い、望まれない材料の進入又は転がりベアリンググリースの流出に対し、密封されることが可能である。同時にラジアルシャフトシールリングは、案内リングを軸方向で支持することができる。
【0019】
好ましくは、両方の受入部のうちの少なくとも一方には、スナップリング(ロックリング)が配設されており、該スナップリングは、受入開口部の方向への案内リングの軸方向の運動を阻止する。それにより標準的機械構成要素を使い、案内リングの簡単で低コストの軸方向の固定が可能とされる。
【0020】
案内リングは、本発明により、雄ねじ部を有するねじの形態で構成されており、該雄ねじ部は、外側の回転ベアリングリングに形成された雌ねじ部と係合状態にある。
【0021】
案内リングは、本発明による一実施形態において、軸方向で、外径に沿ったプレスばめ(オーバサイズ)により外側の回転ベアリングリング内に位置固定されている。この低コストの位置固定方式では、ねじ部、溝部などの製造は不必要である。
【0022】
案内リングは、好ましくは、プラスチック又は鋼材から製造されている。プラスチックからの製造は、特に低コストである。
【0023】
案内リングは、本発明による一実施形態において、フラットシールと一体化されて構成されている。この構造形式では、シールの別個の部品を省くことができ、回転ベアリングの製造プロセスが簡素化される。例えばエラストマとして構成されたフラットシール内に、案内リングとして機能する金属リングを組み込むことができる。
【0024】
ギヤボックスに関し、上記課題は、請求項の特徴を有するギヤボックスにより解決される。
【0025】
この際、ギヤボックスとしては、好ましくは、ギヤ部品(歯車)がベアリング機構ないしシールを用いてシャフト上に支持されている開放型又は閉鎖型のハウジングがギヤボックスと称される。
【0026】
有利には、ホイールないしサーキュラスプラインは、外側の回転ベアリングリングを構成する。それにより多岐にわたり使用可能でコンパクトなギヤボックスが実現される。
【0027】
内側の回転ベアリングリングは、好ましい一実施形態において、伝達部品の外歯部と同じ歯数を有する内歯部を備えた連結ホイール(カップリングホイール)として構成されており、この際、連結ホイールの内歯部は、伝達部品の外歯部と係合状態にある。このギヤ構造形態は、軸方向で極めてコンパクトな構造形態を可能にする。
【0028】
本発明の更なる目的、利点、特徴、並びに適用可能性は、図面に基づく実施例の以下の説明から読みとれる。この際、本明細書に記載された全ての特徴及び/又は本図面に図示された全ての特徴は、それら自体で又はそれらの有意義な任意の組み合わせとして、請求項又は請求項の従属関係におけるそれらの関連付けに依存せずとも、本発明の対象を構成するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】回転ベアリング内に支持された波動歯車装置とともにギヤボックスを構成する本発明による回転ベアリングの好ましい第1実施例を断面図として示す図である。
図2】本発明によるギヤボックスの好ましい第2実施例を断面図として示す図である。
図3】本発明によるギヤボックスの好ましい第3実施例を断面図として示す図である。
図4】本発明によるギヤボックスの好ましい第4実施例を断面図として示す図である。
図5】本発明によるギヤボックスの好ましい第5実施例を断面図として示す図である。
図6】本発明によるギヤボックスの好ましい第6実施例を断面図として示す図である。
【実施例
【0030】
全ての図において、同じ部品ないし同じ部分には、同じ参照符号が付けられている。
【0031】
図1には、波動歯車装置(ストレインウェーブギア)40が回転ベアリング50(回転軸受)内に支持された本発明による回転ベアリング50の一実施例が、組み立てられた状態で断面図として示されており、回転ベアリング50と波動歯車装置40は、共同でギヤボックス(歯車装置ボックス)70を構成する。この際、好ましくは中空シャフト上に支持され、楕円形のウェーブジェネレータとして構成された駆動部品2上には、フレクスプラインとして構成された伝達部品4がはめ込まれており、この際、伝達部品4は、楕円形の駆動部品2により同様に(弾性的に)楕円形に変形される。楕円形に変形された伝達部品4の外歯部3は、楕円長軸の対向領域において、サーキュラスプラインとして構成されたホイール6の内歯部5に係合する。
【0032】
ホイール6は、ギヤボックス70の全ての部品のうちで最大の軸方向の大きさを有する。ここで説明されている実施例において、駆動部品2は、楕円形のウェーブジェネレータとして構成されている。この駆動部品2上には、複数の球体17を有するボールベアリング16を介し、フレクスプラインとして構成された弾性的な伝達部品4が取り付けられている。伝達部品4の外歯部3の領域における弾性に基づき、この伝達部品4は、駆動部品2の楕円形状により同様に楕円形に変形される。
【0033】
弾性的な伝達部品4は、外歯部3を有し、楕円形に変形されているので、この外歯部3は、楕円長軸の領域において、サーキュラスプラインとして構成されたホイール6の内歯部5と係合状態にある。このホイール6は、回転ベアリング面7として構成された内面部を有し、該内面部は、回転ベアリング面9として構成された内側の回転ベアリングリング1aの外面部に対応する、この内側の回転ベアリングリング1aには、内歯部が備えられており、該内歯部は、伝達部品4と同数の歯を有し、それにより(減速を伴わない)連結器(カップリング)の機能を有する。
【0034】
この際、ホイール6と内側の回転ベアリングリング1aとのこれらの両方の回転ベアリング面7、9の間には、複数の転動体8を有する転がりベアリングが配設されており、この際、ホイール6と内側の回転ベアリングリング1aとの回転ベアリング面7、9は、転がりベアリングの転動体8のためのレース(軌道部)として構成されている。ホイール6は、回転ベアリング50の外側の回転ベアリングリング1bのことである。
【0035】
ギヤボックス70の極めて幅狭でコンパクトな構造形式を実現するために、ホイール6ないし外側の回転ベアリングリング1bの回転ベアリング面7に対しては受入部10が設けられ、内側の回転ベアリングリング1aの回転ベアリング面9に対しては受入部11が設けられている。この際、両方の受入部10、11は、次のように互いに対応配置されて適合される。即ちこれらが互いに対応して向き合うことで、受入開口部22を有する供給チャネル24を構成し、転動体8を形状に合わせて受け入れることを可能にするように互いに適合される。転動体8を形状に合わせて受け入れることにより、ホイール6と回転ベアリングリング1aの間の転がりベアリングは、供給チャネル24を介して転動体(複数)8で充填可能であり、それによりホイール6は、回転ベアリングリング1aに対し、遊びを伴うことなく支持可能であり、回転ベアリングリング1aとホイール6を互いに回転させることができる。今やこのポジションにおいて、フレクスプラインとして構成された伝達部品4は、ウェーブジェネレータとして構成された駆動部品2を用いて駆動されることが可能であり、それによりホイール6と伝達部品4の間で相対運動が行われる。転動体(複数)8は、本実施例では球体(ボール)として構成されている。
【0036】
フレクスプラインないし伝達部品4は、ホイール6ないしサーキュラスプラインに係合し、それに加え、連結ホイール13ないしダイナミックスプラインに係合し、この際、連結ホイール13は、内歯部を有する回転ベアリングリング1aと同一である。連結ホイール13は、伝達部品4の外歯部3と同数の歯を備えた内歯部を有する。このようにして連結ホイール13は、減速のない連結器(カップリング)として機能する。
【0037】
ギヤボックス70の部品、即ち、内側の回転ベアリングリング1a、駆動部品2、伝達部品4、及びホイール6は、ギヤボックス70の中心縦軸線15の周りに同軸に配設されている。この際、転動体(複数)8と、ホイール6及び内側の回転ベアリングリング1aの受入部10、11との形状に合わせた構成により、軸方向に極めてコンパクトで幅狭のギヤボックス70を提供することが可能であり、ギヤボックス70は、特にロボットシステムや補装具における多くの用途がそうであるが、特に回転運動を実現するために極めて僅かな構成空間だけが提供可能である場合に使用することができ、この際、ギヤボックス70の簡単な組み立てが提供されている。
【0038】
回転ベアリング50は、高い信頼性と長い寿命のために最適化されている。転動体8が供給チャネル24からないし受入部10、11から脱落することを防止するために、案内リング20が回転ベアリングリング1bの受入部10内に配設されている。また図5図6による回転ベアリングの実施例でも、それぞれ受入部10、11が設けられている。
【0039】
案内リング20、受入部10、11、及び供給チャネル24が、図1で部分拡大図80として示されている。軸方向で案内リング20と受入開口部22の間には、供給チャネル24内にラジアルシャフトシール21が配設されており、ラジアルシャフトシール21は、受入開口部22の方向への案内リング20の軸方向の運動を阻止する。案内リング20は、転動体8と接触状態になるリング形状で軸方向に延在する突出部41を有する。突出部41は、稼働時に転動体8に接触する接触面を有するが、好ましくは、案内リング20と転動体8の間の摩擦をできるだけ少なくするためにその接触面は僅かとする。
【0040】
ラジアルシャフトシールリングとして構成されているラジアルシャフトシール21は、半径方向外側では、外側の回転ベアリングリング1b内の段差部(Absatz)43において支持され、対向側では、シールエッジ45により、内側の回転ベアリングリング1aのシール面44として構成された外面部上に密封式で載置されている。
【0041】
案内リング20は、このようにして転動体(複数)8をリング形状のリングギャップ23内に保持し、回転ベアリング50が動かされ、ないし回されても、転動体8が供給チャネル24から脱落することを防止し、それにより下方に向けて供給チャネル24が垂直に向けられた場合でも転動体8がリング形状の空洞部23から脱落することはない。この際、案内リング20は、好ましくはプラスチック(低コスト)から或いはまた鋼材から製造されている。
【0042】
図2図4に図示されたギヤボックス70は、それぞれ、案内リング20ないし受入部10、11の構成の種類、並びに受入部10、11内に配設されたコンポーネントの構成の種類に関してのみ、互いに異なっている。
【0043】
図2には、回転ベアリング50と波動歯車装置40を備えたギヤボックス70の他の好ましい一実施例が図示されている。この実施形態では、スナップリング(ロックリング)25が受入部10内に配設されている。スナップリング25は、半径方向外側の領域においてホイール6の半径方向の溝部26内に配設され、それにより半径方向と軸方向で位置固定されている。スナップリング25は、受入開口部22の方向への案内リング20の軸方向の運動を阻止する。この際、案内リング20は、好ましくは、プラスチックから或いはまた鋼材から製造されている。この実施形態においても、ラジアルシャフトシール21が設けられている。
【0044】
回転ベアリング50と波動歯車装置40を備えたギヤボックス70の他の好ましい一実施例が図3に図示されている。この実施形態では、好ましくは鋼材から製造された案内リング20が、雄ねじ部27を有するねじ形状で構成されており、雄ねじ部27は、ホイール6内で対応の雌ねじ部28に係合する。
【0045】
図4には、回転ベアリング50と波動歯車装置40を備えたギヤボックス(ギヤ取付セット)70の他の好ましい一実施例が図示されている。この際、好ましくはプラスチックから製造されるが鋼材から製造されてもよい案内リング20は、案内リング20の外径に沿ったホイール6内のプレスばめ(圧嵌)ないしオーバサイズばめにより軸方向で位置固定されている。また案内リング20の接着も可能である。
【0046】
図5は、回転ベアリング50と波動歯車装置40を備えたギヤボックス70の他の好ましい一実施例を示しており、ギヤボックス70は、内歯歯車として構成されたホイール6ないしサーキュラスプラインを備え、ホイール6は、ホイール6の内歯部5の領域で伝達部品4ないしフレクスプラインの外歯部3と一致して所定の領域で係合状態にある。
【0047】
伝達部品4は、回転ベアリング50の外側の回転ベアリングリング1bと相対回転不能に接続されており、外側の回転ベアリングリング1bは、伝達部品4とホイール6を互いに回転可能に回転支持している。回転ベアリング50の内側の回転ベアリングリング1aは、サーキュラスプラインないしホイール6と相対回転不能に接続されている。
【0048】
伝達部品4は、楕円形の駆動部品2により楕円形に変形されている。楕円形に変形された伝達部品4の外歯部3は、楕円長軸の対向領域において、サーキュラスプラインとして構成されたホイール6の内歯部5に係合する。ここで説明されている実施例において、駆動部品2は、楕円形のウェーブジェネレータとして構成されている。この駆動部品2上には、複数の球体17を有するボールベアリング16を介し、フレクスプラインとして構成された弾性的な伝達部品4が取り付けられている。伝達部品4の外歯部3の領域における弾性に基づき、この伝達部品4は、駆動部品2の楕円形状により同様に楕円形に変形される。
【0049】
この実施例において、案内リング20は、インナシールないしフラットシールとして構成されており、ないしインナシールないしフラットシール内に組み込まれている。フラットシールと案内リング20は、一部品としてないし一体的に構成されている。この実施例において、案内リング20は、好ましくはエラストマとプラスチック/鋼材から成る複合材料により構成されている。
【0050】
回転ベアリング50と波動歯車装置40を備えたギヤボックス70の他の好ましい一実施例が図6に図示されており、この実施例は、案内リングの構成によってのみ、図5に図示された実施例と異なっている。図6の実施例では、動的シールを伴わない1つの案内リング20だけが設けられている。この際、案内リング20は、純粋なプラスチックリングとして構成されているか、又はエラストマとプラスチック/鋼材による複合材料から構成されていることが可能である、従って回転ベアリングリング1bと伝達部品4の間の静的Oリングシールの機能を担うこともできる。
【符号の説明】
【0051】
1a 内側の回転ベアリングリング
1b 外側の回転ベアリングリング
2 駆動部品
3 外歯部
4 伝達部品
5 内歯部
6 ホイール
7 回転ベアリング面
8 転動体
9 回転ベアリング面
10 受入部(Aufnahme)
11 受入部(Aufnahme)
13 連結ホイール
15 中心縦軸線
16 ボールベアリング
17 球体
20 案内リング
21 ラジアルシャフトシール
22 受入開口部
23 リングギャップ(空洞部)
24 供給チャネル
25 スナップリング
26 溝部
27 雄ねじ部
28 雌ねじ部
40 波動歯車装置
41 突出部
43 段差部(Absatz)
44 シール面
45 シールエッジ
50 回転ベアリング
70 ギヤボックス
80 部分拡大図
図1
図2
図3
図4
図5
図6