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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-02
(45)【発行日】2025-04-10
(54)【発明の名称】エアロゾル化可能な配合物
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/167 20200101AFI20250403BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20250403BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20250403BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20250403BHJP
【FI】
A24B15/167
A24F40/10
A24F40/42
A24F40/40
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082993
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2021523226の分割
【原出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2023101020
(43)【公開日】2023-07-19
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】1817859.0
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100135242
【弁理士】
【氏名又は名称】江守 英太
(72)【発明者】
【氏名】カボット, ロス
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108618190(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0159702(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0118512(US,A1)
【文献】特表平05-504949(JP,A)
【文献】特表2010-516243(JP,A)
【文献】特表2016-520061(JP,A)
【文献】特表2017-523785(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102015117811(DE,A1)
【文献】特表2017-536129(JP,A)
【文献】特表2005-500296(JP,A)
【文献】特表2014-509645(JP,A)
【文献】米国特許第05441060(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/167
A24F 40/10
A24F 40/42
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて50~99wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと、
(iii)1種又は複数の置換(β)-シクロデキストリンと、
(iv)酸と
(v)1種又は複数の香料と
を含み、前記ニコチンが、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.150.3wt.%の量で存在し、酸対ニコチンのモル比が5:1~1:1である、エアロゾル化可能な配合物。
【請求項2】
水が、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて70~99wt.%の量で存在する、請求項1に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項3】
水が、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて80~99wt.%の量で存在する、請求項1又は2に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項4】
水が、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて90~99wt.%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項5】
前記酸が、酢酸、乳酸、ギ酸、クエン酸、安息香酸、ピルビン酸、レブリン酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項6】
前記酸が、クエン酸、安息香酸、レブリン酸、ソルビン酸、乳酸及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項7】
前記酸が少なくともクエン酸である、請求項又はに記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項8】
前記1種又は複数の香料が、(4-(パラ-)メトキシフェニル)-2-ブタノン、バニリン、γ-ウンデカラクトン、メントン、5-プロペニルグアエトール、メンソール、パラ-メンタ-8-チオール-3-オン及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項9】
前記香料が少なくともメンソールである、請求項に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項10】
前記1種又は複数の香料が、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~2wt.%の総量で存在する、請求項8又は9に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項11】
前記1種又は複数の香料が、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~1wt.%の総量で存在する、請求項10のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能な配合物。
【請求項12】
エアロゾルを生成するための方法であって、
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて50~99wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)1種又は複数の置換(β)-シクロデキストリン、
iv)酸、及び
(v)1種又は複数の香料
を含むエアロゾル化可能な配合物をエアロゾル化するステップを含み、前記ニコチンが、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.150.3wt.%の量で存在し、酸対ニコチンのモル比が5:1~1:1である、方法。
【請求項13】
前記エアロゾル化可能な配合物が、請求項2~11のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能な配合物である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エアロゾルが、50℃を下回る温度で行われる方法により生成される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記エアロゾルが、前記エアロゾル化可能な配合物に超音波エネルギーを加えることにより生成される、請求項1213又は14に記載の方法。
【請求項16】
(a)容器と、
(b)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて50~99wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)1種又は複数の置換(β)-シクロデキストリン、
iv)酸、及び
(v)1種又は複数の香料
を含むエアロゾル化可能な配合物と
を含み、前記ニコチンが、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.150.3wt.%以下の量で存在し、酸対ニコチンのモル比が5:1~1:1である、収容されたエアロゾル化可能な配合物。
【請求項17】
前記エアロゾル化可能な配合物が、請求項2~11のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能な配合物である、請求項16に記載の収容されたエアロゾル化可能な配合物。
【請求項18】
前記容器が、電子エアロゾル供給システムと係合するように構成されている、請求項16又は17に記載の収容されたエアロゾル化可能な配合物。
【請求項19】
電子エアロゾル供給システムであって、
(a)前記電子エアロゾル供給システムの使用者による吸入のための配合物をエアロゾル化するためのエアロゾル化装置と、
(b)前記エアロゾル化装置に電力を供給するための電池又はバッテリーを備える電源と、
(c)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて50~99wt.%の量の水、
(ii)ニコチン、
(iii)1種又は複数の置換(β)-シクロデキストリン、
iv)酸、及び
(v)1種又は複数の香料
を含むエアロゾル化可能な配合物と
を具備し、前記ニコチンが、前記エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.150.3wt.%の量で存在し、酸対ニコチンのモル比が5:1~1:1である、電子エアロゾル供給システム。
【請求項20】
前記エアロゾル化可能な配合物が、請求項2~11のいずれか一項に記載のエアロゾル化可能な配合物である、請求項19に記載の電子エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル化可能な配合物、エアロゾル化可能な配合物を生成する方法、エアロゾル化可能な配合物を収容する容器、エアロゾル化可能な配合物を収容するデバイス並びにエアロゾル化可能な配合物の方法及び使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
eシガレットなどの電子エアロゾル供給システムは、ニコチンを典型的に含む気化される液体のリザーバを一般的に含む。使用者がデバイスで吸入すると、ヒーターが作動して少量の液体を気化させ、したがって気化した液体が使用者により吸入される。
【0003】
英国におけるeシガレットの使用は急速に増えており、今や、英国においてeシガレットを使用する人は百万人を超えると推定されている。
【0004】
このようなシステムの提供において直面する1つの課題は、許容できる体験を消費者に提供する吸入されるエアロゾルをエアロゾル供給デバイスから供給することである。紙巻タバコなどのタバコ製品から吸入される煙によく「似ている」エアロゾルを発生させるeシガレットを一部の消費者が好むことがある。eシガレットからのエアロゾル及び紙巻タバコなどのタバコ製品からの煙は、使用者に口内の風味の複雑な連鎖、口内及び喉内のニコチン吸収、続いて肺内のニコチン吸収をもたらす。これらの様々な態様は、風味、強度/質、衝撃、刺激/滑らかさ及びニコチン報酬の点から使用者により記述されている。ニコチンは、いくつかのこれらの因子に寄与し、衝撃、刺激及び滑らかさなどの因子に強く関連し、これらは消費者により容易に知覚され、eシガレットは、個人の好みに応じて、消費者にこれらのパラメータをあまりにも多く又はあまりにも少なく与えることがある。ニコチン報酬は、ニコチンが口腔粘膜から吸収される量及び速度(これは典型的には蒸気相のニコチンである)並びに肺から吸収されるニコチンの量及び速度(これは典型的には吸入されるエアロゾルの粒子相のニコチンである)の両方の結果生じるため、特に複雑である。これらの因子のそれぞれ、及び因子のバランスは、eシガレットの消費者受容性に強く寄与し得る。したがって、全体的なベイピング体験を最適化する提供手段がeシガレット製造者に望ましい。
【0005】
このようなシステムが直面しているさらなる課題は、ハームリダクションに対する継続的な要求である。紙巻タバコ及びeシガレットデバイスによる害は主として毒物に由来する。したがって、毒物を生成するおそれのある成分を低減又は除去することが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと
を含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在する、エアロゾル化可能な配合物が提供される。
【0007】
1つの態様において、エアロゾルを生成するための方法であって、
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物をエアロゾル化するステップを含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在する、方法が提供される。
【0008】
1つの態様において、
(a)容器と、
(b)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物と
を含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在する、収容されたエアロゾル化可能な配合物が提供される。
【0009】
1つの態様において、電子エアロゾル供給システムであって、
(a)電子エアロゾル供給システムの使用者による吸入のための配合物をエアロゾル化するためのエアロゾル化装置と、
(b)エアロゾル化装置に電力を供給するための電池又はバッテリーを備える電源と、
(c)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物と
を具備し、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在する、電子エアロゾル供給システムが提供される。
【詳細な説明】
【0010】
本明細書で論じるように、(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水と、(ii)ニコチンとを含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在する、エアロゾル化可能な配合物が提供される。本発明者らは、エアロゾル化可能な配合物が、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水を含み、且つエアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量のニコチンを含む有利な系を提供することができることを見出した。本発明者らは、このような高水系において、ニコチンを最大量で1wt.%以下で提供することが、最適な感覚認識を使用者にもたらすことを驚くべきことに見出した。特に、この最大量へのニコチンの制御は、使用者により好まれるニコチン「ヒット」及び/又は感覚認識をもたらす。この望ましいニコチン「ヒット」及び/又は香料放出は、タバコに基づく紙巻タバコによりもたらされるニコチン「ヒット」及び/又は香料放出に関して知覚される差のために使用者が時には使用しないグリセロール及びプロピレングリコールに基づく「従来の」eリキッドとは対照的である。
【0011】
本発明者らは、エアロゾル化された配合物が、エアロゾル化可能な配合物から低温で生成される水性系を提供することができることも明らかにした。これは、グリセロール及びプロピレングリコールに基づく液体に典型的に適用されて、エアロゾル化された配合物を生成するヒーターを使用する「従来の」eシガレットとは対照的である。このような系の提供及び加熱の回避は、毒物の生成に関する先行技術の問題に対処することができる。より詳細には、本発明者らは、非常に高い水含有量の選択により望ましいニコチン「ヒット」及び/又は香料放出をもたらすが、グリセロール及びプロピレングリコールに基づく従来の液体に関連するヒーターを使用する必要を回避する水性系を明らかにした。本発明の系において、存在する成分の数を低減することができ、分解生成物/毒物の生成の機会の低減につながる。特に、水の使用は、eシガレットにおいて典型的に使用されるグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物のうちのいくつか又はすべての置換えを可能にする。
【0012】
参照を容易にするため、ここで適切なセクション見出しの下、本発明のこれらの態様及びさらなる態様を論じる。しかし、各セクションの教示は、各特定のセクションに必ずしも限定されない。
【0013】

本明細書で論じるように、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量で水を含む。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも55wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも60wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも65wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも70wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも75wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも80wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも85wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも90wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも95wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも99wt.%の量で存在する。
【0014】
1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて50~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて55~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて60~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて65~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて70~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて75~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて80~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて85~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて90~99wt.%の量で存在する。1つの態様において、水は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて95~99wt.%の量で存在する。
【0015】
本明細書で論じるように、水の使用は、eシガレットにおいて典型的に使用されるグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物のうちのいくつか又はすべての置換えを可能にする。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて10wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて8wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて5wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.5wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.2wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール及びそれらの混合物を含まない。
【0016】
1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて10wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて8wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて5wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.5wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.2wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01wt.%以下の合わせた量のグリセロール、プロピレングリコール及びそれらの混合物を含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、グリセロール、プロピレングリコール、及びそれらの混合物を含まない。
【0017】
1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて10wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて8wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて5wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.5wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.2wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01wt.%以下の量のグリセロールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、グリセロールを含まない。
【0018】
1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて10wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて8wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて5wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.5wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.2wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて又はエアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01wt.%以下の量のプロピレングリコールを含む。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は、プロピレングリコールを含まない。
【0019】
ニコチン
風味、衝撃、刺激、滑らかさ及び/又は使用者へのニコチン報酬の望ましい特性を有するニコチン配合物を提供することができる。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.9wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.8wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.7wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.6wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.5wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.4wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.3wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.2wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.15wt.%以下の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1wt.%以下の量で存在する。
【0020】
1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~1wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.02~1wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.05~1wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.08~1wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1~1wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.15~1wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.02~0.8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.05~0.8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.08~0.8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1~0.8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.15~0.8wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.02~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.05~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.08~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.15~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.02~0.4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.05~0.4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.08~0.4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1~0.4wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.15~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.02~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.05~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.08~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.15~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.3wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.25wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.01~0.15wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.02~0.15wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.05~0.15wt%の量で存在する。1つの態様において、ニコチンは、エアロゾル化可能な配合物の総重量に基づいて0.1~0.15wt%の量で存在する。
【0021】
当業者に理解されるように、ニコチンは、非プロトン化形態、モノプロトン化形態又はジプロトン化形態で存在してもよい。これらの形態のそれぞれの構造を以下に示す。
【化1】
【0022】
本明細書におけるプロトン化形態という言及は、モノプロトン化ニコチン及びジプロトン化ニコチンの両方を意味する。本明細書におけるプロトン化形態の量という言及は、モノプロトン化ニコチン及びジプロトン化ニコチンの合わせた量を意味する。さらに、完全にプロトン化された配合物に言及するとき、どの時点でも、存在する非常に少量の非プロトン化ニコチン、例えば1%未満の非プロトン化ニコチンが存在してもよいことが理解されるであろう。
【0023】
1つの態様において、配合物は、プロトン化形態のニコチンを含んでもよい。1つの態様において、配合物は、非プロトン化形態のニコチンを含んでもよい。1つの態様において、配合物は、非プロトン化形態のニコチン及びモノプロトン化形態のニコチンを含む。1つの態様において、配合物は、非プロトン化形態のニコチン及びジプロトン化形態のニコチンを含む。1つの態様において、配合物は、非プロトン化形態のニコチン、モノプロトン化形態のニコチン及びジプロトン化形態のニコチンを含む。
【0024】
1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも5wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも10wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも15wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも20wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも25wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも30wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも35wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも40wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも45wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも50wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも55wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも60wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも65wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも70wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも75wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも80wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも85wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも90wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも99wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの少なくとも99.9wt%はプロトン化形態である。
【0025】
1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの50~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの55~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの60~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの65~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの70~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの75~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの80~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの85~95wt%はプロトン化形態である。1つの態様において、配合物中に存在するニコチンの90~95wt%はプロトン化形態である。
【0026】
プロトン化形態で配合物中に存在するニコチンの関連量は、本明細書において指定される。これらの量は、当業者により容易に計算することができる。ニコチン(3-(1-メチルピロリジン-2-イル)ピリジン)は、ピリジン環については3.12、ピロリジン環については8.02のpKaを有する二酸塩基である。ニコチンは、異なるバイオアベイラビリティを有するpH依存性のプロトン化(モノ-及びジ-)形態及び非プロトン化(遊離塩基)形態で存在することができる。
【化2】
【0027】
プロトン化及び非プロトン化ニコチンの分布は、様々なpH上昇で変わることになる。
【化3】
【0028】
非プロトン化ニコチンの割合が高pHレベルで支配的になる一方、pHの低下は、プロトン化ニコチン(pHに応じてモノ-又はジ-)の割合の増加を見ることになる。サンプル中のプロトン化ニコチンの相対的な割合及びニコチンの総量が既知である場合、プロトン化ニコチンの絶対量を計算することができる。
【0029】
配合物中のプロトン化ニコチンの相対的な割合は、酸解離定数の式の導出としてpHを表すヘンダーソン-ハッセルバルヒ式を用いることにより計算することができ、ヘンダーソン-ハッセルバルヒ式は、化学系及び生物学系において広く使用されている。以下の平衡を考える:
【化4】
【0030】
この平衡のヘンダーソン-ハッセルバルヒ式は:
【数1】

である。
【0031】
式中、[B]は非プロトン化ニコチン(すなわち遊離塩基)の量、[BH+]はプロトン化ニコチン(すなわち共役酸)の量であり、pKaは、ニコチンのピロリジン環窒素の基準pKa値である(pKa=8.02)。プロトン化ニコチンの相対的な割合は、以下のようにヘンダーソン-ハッセルバルヒ式から計算された非プロトン化ニコチンのアルファ値から導くことができる:
【数2】
【0032】
ニコチン配合物のpKa値の決定は、「Spectroscopic investigations into the acid-base properties of nicotine at different temperatures」、Peter M.Clayton、Carl A.Vas、Tam T.T.Bui、Alex F.Drake及びKevin McAdam、Anal.Methods、2013、5、81-88に記載された基本手法を用いて行った。
【0033】

1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物は酸をさらに含む。酸は、任意の適した酸でもよい。1つの態様において、酸は有機酸である。1つの態様において、酸はカルボン酸である。1つの態様において、酸は有機カルボン酸である。
【0034】
1つの態様において、酸は、酢酸、乳酸、ギ酸、クエン酸、安息香酸、ピルビン酸、レブリン酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、プロピオン酸、フェニル酢酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、酸は、クエン酸、安息香酸、レブリン酸、乳酸、ソルビン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、酸は、クエン酸、安息香酸、レブリン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、酸は少なくともクエン酸である。1つの態様において、酸はクエン酸からなる。
【0035】
1つの態様において、酸は、2~5のpkaを有する酸から選択される。1つの態様において、酸は弱酸である。1つの態様において、酸は弱有機酸である。
【0036】
酸は、任意の適した量で存在してもよい。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて4wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~4wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて3wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~3wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1~1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.6wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1~0.6wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.5wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~0.5wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.2wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~0.2wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1wt%以下の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~0.1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.02~0.1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.05~0.1wt%の量で存在する。1つの態様において、酸は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.08~0.1wt%の量で存在する。
【0037】
1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも2g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも5g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも10g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも20g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも50g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも100g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも200g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも300g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも400g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも500g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも600g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも700g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも800g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも900g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも1000g/Lの水中溶解度を有する。1つの態様において、酸は、20℃で少なくとも1100g/Lの水中溶解度を有する。
【0038】
酸の量及び酸の溶解度は、所与の量の酸が水に溶解するように選択されてもよい。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも20%が水に溶解する。1つの態様において、25℃で酸の少なくとも20%が水に溶解する。1つの態様において、30℃で酸の少なくとも20%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも35%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも40%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも45%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも50%が水に溶解する。1つの態様において、20℃で酸の少なくとも55%が水に溶解する。
【0039】
ニコチンが存在する本発明の態様において、酸対ニコチンのモル比は、所望の通り選択されてもよい。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は5:1~1:5である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は4:1~1:4である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は3:1~1:3である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は2:1~1:2である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.5:1~1:1.5である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.2:1~1:1.2である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は5:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は4:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は3:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は2:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.5:1~1:1である。1つの態様において、酸対ニコチンのモル比は1.2:1~1:1である。
【0040】
1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて5モル当量以下である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて4モル当量以下である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて3モル当量以下である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて2モル当量以下である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて1モル当量以下である。
【0041】
1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.01モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.05モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.1モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.2モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.3モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.4モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.5モル当量以上である。1つの態様において、配合物中に存在する酸の総含有量は、ニコチンに基づいて0.7モル当量以上である。
【0042】
香料
本明細書で論じるように、エアロゾル化可能な配合物は、1種若しくは複数の香料又は加香成分を含んでもよい。本明細書において使用されるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者向け製品において所望の味又は香りを作り出すために、局所制御が許す場合に使用することができる材料を指す。香料及び香味料は、抽出物(例えばカンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はメンタ(Mentha)属の任意の種由来のハッカ油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤若しくは感覚受容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えばスクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質又は息清涼剤などの他の添加剤を含んでもよい。これらは、模倣原料、合成原料若しくは天然原料又はそれらのブレンドでもよい。これらは、任意の適した形態、例えば、油、液体又は粉末でもよい。1種又は複数の香料は、(4-(パラ-)メトキシフェニル)-2-ブタノン、バニリン、γ-ウンデカラクトン、メントン、5-プロペニルグアエトール、メンソール、パラ-メンタ-8-チオール-3-オン及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。1つの態様において、香料は少なくともメンソールである。
【0043】
存在する場合、1種又は複数の香料は、任意の適した量で存在してもよい。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて10wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて7wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて5wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて4wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて3wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の総量で存在する。
【0044】
1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~5wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~4wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~3wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~2wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~1wt.%の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数の香料は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01~0.5wt.%の総量で存在する。
【0045】
配合物
1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物が1種又は複数のシクロデキストリンを含む場合は、エアロゾル化可能な配合物は、1種又は複数のシクロデキストリンによりカプセル化することができる香料を含まない。1つの態様において、エアロゾル化可能な配合物が1種又は複数のシクロデキストリンを含む場合は、エアロゾル化可能な配合物は香料を含まない。
【0046】
理解されるように、1種又は複数のシクロデキストリンが、エアロゾル化可能な配合物中に任意の適した量で存在しても、存在しなくてもよい。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて12wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて10wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて9wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて8wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて7wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて6wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて5wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて4wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて3wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて2wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.1wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.01wt.%以下の総量で存在する。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.001wt.%以下の総量で存在する。
【0047】
1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換シクロデキストリン、置換シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。1つの態様において、少なくとも1種のシクロデキストリンは非置換シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは非置換シクロデキストリンからなる群から選択される。1つの態様において、少なくとも1種のシクロデキストリンは置換シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは置換シクロデキストリンからなる群から選択される。
【0048】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換(α)-シクロデキストリン、置換(α)-シクロデキストリン、非置換(β)-シクロデキストリン、置換(β)-シクロデキストリン、非置換(γ)-シクロデキストリン、置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換(β)-シクロデキストリン、置換(β)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、非置換(α)-シクロデキストリン、非置換(β)-シクロデキストリン、非置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは非置換(β)-シクロデキストリンから選択される。
【0050】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、置換(α)-シクロデキストリン、置換(β)-シクロデキストリン、置換(γ)-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは置換(β)-シクロデキストリンから選択される。2-、3-及び6-ヒドロキシル部位における化学置換、特に2位における置換が想定される。
【0051】
1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは、2-ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは少なくとも2-ヒドロキシプロピル-α-シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは少なくとも2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンである。1つの態様において、1種又は複数のシクロデキストリンは少なくとも2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンである。
【0052】
2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリンの2-ヒドロキシプロピル誘導体は、β-シクロデキストリンなどの基本シクロデキストリンと比べたとき、水中溶解度を増加させた。
【0053】
さらなる態様において、エアロゾル化可能な配合物は、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1×10-4wt.%以下の総量のシクロデキストリンなど、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1×10-5wt.%以下の総量のシクロデキストリンなど、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1×10-6wt.%以下の総量のシクロデキストリンなど、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0.001wt.%以下の総量のシクロデキストリンを含む。したがって、さらなる態様において、本発明は以下を提供する。
(1)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水と、
(ii)ニコチンと
を含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在し、
シクロデキストリンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0~0.001wt.%の総量で存在する、エアロゾル化可能な配合物。
(2)エアロゾルを生成するための方法であって、
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物をエアロゾル化するステップを含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在し、
シクロデキストリンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0~0.001wt.%の総量で存在する、方法。
(3)
(a)容器と、
(b)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物と
を含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在し、
シクロデキストリンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0~0.001wt.%の総量で存在する、収容されたエアロゾル化可能な配合物。
(4)電子エアロゾル供給システムであって、
(a)電子エアロゾル供給システムの使用者による吸入のための配合物をエアロゾル化するためのエアロゾル化装置と、
(b)エアロゾル化装置に電力を供給するための電池又はバッテリーを備える電源と、
(c)
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物と
を具備し、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在し、
シクロデキストリンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて0~0.001wt.%の総量で存在する、電子エアロゾル供給システム。
【0054】
方法
本明細書で論じるように、1つの態様において、エアロゾルを生成するための方法であって、
(i)エアロゾル化可能な配合物に基づいて少なくとも50wt.%の量の水、及び
(ii)ニコチン
を含むエアロゾル化可能な配合物をエアロゾル化するステップを含み、ニコチンが、エアロゾル化可能な配合物に基づいて1wt.%以下の量で存在する、方法が提供される。
【0055】
この方法において、エアロゾルは、60℃を下回る温度で行われる方法により生成されてもよい。方法において、エアロゾルは、50℃を下回る温度で行われる方法により生成されてもよい。方法において、エアロゾルは、40℃を下回る温度で行われる方法により生成されてもよい。方法において、エアロゾルは、30℃を下回る温度で行われる方法により生成されてもよい。方法において、エアロゾルは、25℃を下回る温度で行われる方法により生成されてもよい。方法において、エアロゾルは、加熱を伴わない方法により生成されてもよい。
【0056】
方法において、エアロゾルは、エアロゾル化可能な配合物に超音波エネルギーを加えることにより生成されてもよい。
【0057】
1つの態様において、エアロゾルは、2~6μmのD50を有する。本明細書における粒子サイズ分布、D50、D10又はD90という言及は、British and European Pharmacopoeia、2.9.31 Particle Size Analysis By Laser Light Diffraction(BRITISH PHARMACOPOEIA COMMISSION.(2014)、British Pharmacopoeia.ロンドン、イングランド:Stationery Office and COUNCIL OF EUROPE.(2013).European Pharmacopoeia.ストラスブール、仏国:Council of Europe参照)に従って測定された値を指す。D50、Dv50及びDx50という用語は交換可能である。D10、Dv10及びDx10という用語は交換可能である。D90、Dv90及びDx90という用語は交換可能である。
【0058】
1つの態様において、エアロゾルは、2.5~6μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、3~6μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、3.5~6μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、4~6μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、4.5~6μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、5~6μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、2.5~5.5μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、3~5.5μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、3.5~5.5μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、4~5.5μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、4.5~5.5μmのD50を有する。1つの態様において、エアロゾルは、5~5.5μmのD50を有する。
【0059】
1つの態様において、エアロゾルは、少なくとも0.5μmのD10を有する。1つの態様において、エアロゾルは、少なくとも1μmのD10を有する。1つの態様において、エアロゾルは、少なくとも2μmのD10を有する。
【0060】
1つの態様において、エアロゾルは、15μm以下のD90を有する。1つの態様において、エアロゾルは、12μm以下のD90を有する。1つの態様において、エアロゾルは、10μm以下のD90を有する。
【0061】
1つの態様において、D50は、1μm未満の粒子サイズを有する粒子の排除後に測定される。1つの態様において、D10は、1μm未満の粒子サイズを有する粒子の排除後に測定される。1つの態様において、D90は、1μm未満の粒子サイズを有する粒子の排除後に測定される。
【0062】
配合物は、任意の手段により収容又は送達されてもよい。1つの態様において、本発明は、(a)1つ又は複数の容器と、(b)本明細書において定義されたエアロゾル化可能な配合物とを含む、収容されたエアロゾル化可能な配合物を提供する。容器は、例えば配合物の貯蔵又は送達を可能にするための、任意の適した容器でもよい。1つの態様において、容器は、電子エアロゾル供給システムと係合するように構成されている。容器は、配合物を電子エアロゾル供給システムに送達することができるように、電子エアロゾル供給システムと流体的に連通するように構成されてもよい。上述のように、本開示は、eシガレットなどの電子エアロゾル供給システムにおいて使用することができる容器に関する。以下の説明全体にわたって、「eシガレット」という用語が使用されるが、この用語は、電子エアロゾル供給システムと交換可能に使用することができる。
【0063】
本明細書で論じるように、本発明の容器は、eシガレットへの、又はeシガレット内のエアロゾル化可能な配合物の送達のために典型的に提供される。エアロゾル化可能な配合物は、eシガレット内に保持されてもよいか、又はeシガレットとのその後の使用若しくはeシガレット内のその後の使用のための別個の容器として販売されてもよい。当業者に理解されるように、eシガレットは、エアロゾル化可能な配合物のリザーバ、ウィック材、及びエアロゾル化可能な配合物を気化させるための加熱要素を典型的に備える取外し可能なカトマイザとして既知のユニットを含んでもよい。いくつかのeシガレットにおいて、カトマイザは、一体成形デバイスの一部であり、取り外せない。1つの態様において、容器はカトマイザであるか、又はカトマイザの一部である。1つの態様において、容器はカトマイザではないか、又はカトマイザの一部ではなく、タンクなどの容器であり、容器は、eシガレットに、又はeシガレット内でニコチン配合物を送達するために使用することができる。
【0064】
1つの態様において、容器は、eシガレットの一部である。したがって、さらなる態様において、本発明は、電子エアロゾル供給システムであって、本明細書において定義されたエアロゾル化可能な配合物と、電子エアロゾル供給システムの使用者による吸入のための配合物をエアロゾル化するためのエアロゾル化装置と、エアロゾル化装置に電力を供給するための電池又はバッテリーを備える電源とを具備する、電子エアロゾル供給システムを提供する。
【0065】
本発明の方法は、挙げられたステップの前、挙げられたステップの後、又は挙げられたステップのうちの1つ若しくは複数の間のいずれかに追加のステップを含んでもよい。
【0066】
ここで、以下の添付図面を参照して、単なる例として本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】ニコチン濃度に伴うpa2の変化を示すグラフである。
図2】モヒート配合物のニコチンヒット、刺激及び衝撃評価を示す図である。
【実施例
【0068】
ここで、以下の非限定的な例を参照して、本発明を説明する。
【0069】
実施例1
市販の振動メッシュネブライザーデバイスを使用して一連の試験を行った。水88.0%(w/w)、バニラ香料を含むプロピレングリコール6.0%、及びグリセロール6.0%を含む配合物を「ニコチンフリー」デバイスに充填した。
【0070】
ニコチン1.2%w/wを配合物に加え、水含有量をそれに応じて86.8%(w/w)まで減少させた、同様のデバイスを準備した。
【0071】
ニコチン0.6%w/wを配合物に加え、水含有量をそれに応じて87.4%(w/w)に調整した、同様のデバイスを準備した。
【0072】
ニコチン0.3%w/wを配合物に加え、水含有量をそれに応じて87.7%(w/w)に調整した、同様のデバイスを準備した。
【0073】
ニコチン0.1%w/wを配合物に加え、水含有量をそれに応じて87.9%(w/w)に調整した、同様のデバイスを準備した。
【0074】
これらのデバイスの各々が、eシガレット使用者を含む8人のモニターに渡され、モニターらは連続モナディック法で各デバイスにつき5回、デバイスをふかすように依頼された。モニターに提供された4つから好ましいニコチン強度を特定するようモニターに求めた。
【0075】
8人のモニターが、1.2%(w/w)を下回るニコチン強度を好み、7人が、0.6%(w/w)を下回るニコチン強度を好み、5人が、0.3%(w/w)を下回るニコチン強度を好んだ。
【0076】
実施例2
異なるニコチン耐性を有する、経験のあるベイパーである最大10人のモニターにより、異なる水比及びニコチン含有量を有する3種の加香された配合物を評価した。
【0077】
市販の振動メッシュネブライザーデバイスを使用して一連の試験を行った。水97.2%(w/w)、アマレット香料を含むプロピレングリコール2.0%(w/w)、及びニコチン0.8%(w/w)を含む配合物をデバイスに充填した。
【0078】
ニコチン0.9%(w/w)を配合物に加え、水含有量をそれに応じて97.1%(w/w)まで減少させた、同様のデバイスを準備した。
【0079】
ニコチン1.1%(w/w)を配合物に加え、水含有量をそれに応じて96.9%(w/w)まで減少させた、同様のデバイスを準備した。
【0080】
試験された配合物及びその特性の概要が以下の表に示されている。配合物を無作為化法で評価するようモニターに求めた。官能評価中、モニターは、喉への刺激及び胸への衝撃などのいくつかの官能属性を低(1)から高(9)までランク付けした。試験された中で最も気に入った配合物を示すこともモニターに求めた。
【0081】
【表1】
【0082】
10人のモニターのうち4人が、ニコチン強度0.8%(w/w)を有するアマレットを好み、10人のモニターのうち3人が、ニコチン強度0.9%(w/w)を有するアマレットを好み、高ニコチン使用者であった10人のモニターのうち2人が、ニコチン強度1.1%(w/w)を有するアマレットを好み、10人のモニターのうち1人は、配合物のいずれも好まなかった。全体として10人のうち7人が、ニコチン1%(w/w)未満を含むアマレット配合物を好んだ。
【0083】
(β)-シクロデキストリンも含むさらなる配合物を調製し、アマレット配合物と同じ方法で6人のモニターにより試験した。
【0084】
水73.4%(w/w)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン10.0%(w/w)、グリセロール13%(w/w)、モヒート香料を含むプロピレングリコール2.0%(w/w)、ニコチン0.8%(w/w)、及び安息香酸0.8%(w/w)を含む配合物をデバイスに充填した。
【0085】
ニコチン0.9%(w/w)を配合物に加え、水含有量をそれに応じて73.2%(w/w)まで減少させた、同様のデバイスを準備した。
【0086】
ニコチン1.1%(w/w)を配合物に加え、水含有量をそれに応じて72.8%(w/w)まで減少させた、同様のデバイスを準備した。
【0087】
試験された配合物及びその特性の概要が以下の表に示されている。
【0088】
【表2】
【0089】
6人のモニターのうち4人が、ニコチン強度0.8%(w/w)を有するモヒートを好み、6人のモニターのうち1人が、ニコチン強度1.1%(w/w)を有するモヒートを好み、6人のモニターのうち1人は、配合物のいずれも好まなかった。全体として6人のうち4人が、ニコチン1%未満を含むモヒート配合物を好んだ。ニコチンヒット、刺激及び衝撃を評価した。これらは図2に示されている。図2から分かるように、ニコチン配合物1.1(w/w)%を含むモヒートがニコチンヒット、刺激及び衝撃に関して最も高く評価された。
【0090】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な修正及び変形が当業者に明らかになるであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明が説明されてきたが、特許請求の範囲に記載の本発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際、化学分野又は関連分野の当業者に自明である、本発明を行うための記載されたモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
図1
図2