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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-03
(45)【発行日】2025-04-11
(54)【発明の名称】外科用アクセスデバイスの洗浄キャップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/70 20160101AFI20250404BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20250404BHJP
   A61B 17/34 20060101ALN20250404BHJP
【FI】
A61B90/70
A61B1/01 511
A61B17/34
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021078363
(22)【出願日】2021-05-06
(65)【公開番号】P2021176515
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2024-04-08
(31)【優先権主張番号】16/868,213
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ シー. バリル
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エー. ディニーノ
(72)【発明者】
【氏名】ソーミャ バナジー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット ピー. エバーソール
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ジェイ. ピレティア
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05456681(US,A)
【文献】特開2008-279202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0238816(US,A1)
【文献】国際公開第2017/010201(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108451608(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/70
A61B 1/01
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用アクセスアセンブリであって、
科用アクセスデバイスであって、前記外科用アクセスデバイスは、細長いシャフトと、前記細長いシャフトを通るように画定されているアクセス管腔とをみ、前記細長いシャフトは、外側表面を含み、前記外側表面は、少なくとも1つのリブと、遠位先端で終端する遠位部分を有する、外科用アクセスデバイスと、
内側環状壁と外側環状壁との間に画定されている環状ポケットを含む洗浄キャップであって、前記環状ポケットは、前記細長いシャフトの遠位部分を受容するように構成されており、前記環状ポケットは、前記細長いシャフトの前記少なくとも1つのリブを受容するように構成されているカットアウトを含み、前記洗浄キャップは、前記内側環状壁の内側表面によって画定されている器具チャネルを含み、前記器具チャネルは、前記アクセス管腔と位置合わせされており、前記洗浄キャップは、前記器具チャネル内に配置されている複数のワイパーを含む、洗浄キャップ
を備え外科用アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記外科用アクセスデバイスの前記遠位部分は、前記洗浄キャップの環状ポケット内に配置されている、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記器具チャネルは前記外科用アクセスデバイスの前記アクセス管腔内に配置されている、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記複数のワイパーは、前記内側環状壁の前記内側表面から前記器具チャネルの中に半径方向に延在する、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記洗浄キャップは、前記外科用アクセスデバイスの前記遠位部分の形状を模倣している、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のワイパーは、可撓性材料から形成されている、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記複数のワイパーは、ゴムから形成されている、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記洗浄キャップは、前記可撓性材料から一体構造で形成されている、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項9】
外科用アクセスアセンブリであって、前記外科用アクセスアセンブリは、
外科用アクセスデバイスであって、細長いシャフトを含み、前記細長いシャフトは、前記細長いシャフトを通るアクセス管腔を画定し、前記細長いシャフトは、遠位先端で終端する遠位部分を有する、外科用アクセスデバイスと、
前記細長いシャフトの前記遠位部分を覆うように配置されている洗浄キャップであって、前記洗浄キャップは、前記アクセス管腔と位置合わせされている器具チャネルを含み、前記器具チャネルは、前記器具チャネルの内部に配置されている複数のワイパーを含む、洗浄キャップと
を備え、
前記複数のワイパーのそれぞれは完全な円盤形状の本体を含み、前記完全な円盤形状の本体は、前記完全な円盤形状の本体を通る開口部を画定し、前記開口部は、前記器具チャネルの直径よりも小さい直径を有する外科用アクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記複数のワイパーは、互いに対して長手方向に間隔を置いた関係で配置されている、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記複数のワイパーの複数の開口部は、サイズが異なり、かつ、互いに同心である、請求項10に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項12】
前記複数のワイパーのそれぞれは、部分的円盤形状の本体を含む、請求項に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項13】
前記複数のワイパーの第1のセットは、前記内側環状壁の前記内側表面の第1の側から前記器具チャネルの中に半径方向に延在し、前記複数のワイパーの第2のセットは、前記内側環状壁の前記内側表面の第2の側から前記器具チャネルの中に半径方向に延在する、請求項12に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項14】
前記複数のワイパーの前記第1のセットおよび前記第2のセットは、互いに対して対向する関係で配置されており、かつ、前記器具チャネルを通る曲がりくねった経路を画定するために互いに対して長手方向にオフセットされている、請求項13に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項15】
前記外科用アクセスアセンブリは、先端部分で終端する遠位端部分を有する細長い管状本体を含む外科用器具をさらに含み、前記外科用器具は、前記外科用アクセスデバイスおよび前記洗浄キャップを通して位置付け可能である、請求項1に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項16】
前記外科用器具は、前記先端部分に配置されているレンズを含む視覚化デバイスである、請求項15に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【請求項17】
前記外科用器具の前記遠位端部分は、前記洗浄キャップを通して近位方向および遠位方向に移動可能であり、前記洗浄キャップ内での前記外科用器具の移動は、付勢された構成か屈曲した構成まで前記複数のワイパーが移動することを引き起こし、前記付勢された構成では、前記複数のワイパーは、前記洗浄キャップの長手方向軸に実質的に直交して延在し、前記屈曲した構成では、前記複数のワイパーは、前記外科用器具の前記遠位端部分に係合し、かつ、前記洗浄キャップの内側環状壁に向かって移動される、請求項15に記載の外科用アクセスアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、外科用デバイスに関する。特に、本開示は、外科用アクセスデバイスを通して位置付けられた外科用器具を洗浄するための外科用アクセスデバイス用の洗浄キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の外科的処置、具体的には、腹腔鏡検査、子宮鏡検査、および内視鏡検査では、視覚化デバイスを体腔に挿入する必要がある。このような処置の間、外科医は腹腔鏡、関節鏡、内視鏡などの視覚化デバイスを使用して、体腔内の特徴や構造を観察する。これらの視覚化デバイスによって提供されるビューは、人体内の生理学的異常の検出を容易にし得る。
【0003】
視覚化デバイスは、典型的には、剛性または可撓性ロッドを含む。これらのロッドは、一般に、光伝導性のファイバーとレンズとを内蔵している。一般的には、外部光源が照明を提供し、通常、該ロッドの近位端に接続されている。ファイバーは、ロッドを介して視覚化デバイスの遠位端に光を伝達する。十分な照明が提供されると、外科医は、通常はロッドの近位端に位置する接眼レンズを介して観察することにより、体腔の内部構造を検査することができる。あるいは、視覚化デバイスは、それらの遠位端に配置されたカメラを含む。これらのカメラは、視覚化デバイスのロッドに電気的に結合されたモニターにビデオ信号を送信する。カメラ付きの視覚化デバイスにより、外科医はモニターを見ながら外科的処置を行うことができる。しかし、外科医は、視覚化デバイスを適切に使用し得る前に、特定の手順に従う必要がある。
【0004】
視覚化デバイスを体腔に導入する前に、一般的に、体腔には、気体または液体が吹き込まれる。その後、外科用アクセスデバイス(例えば、スリーブ、シース、または他のアクセスポート)が体腔の壁を通り抜けて挿入される。これらの外科用アクセスデバイスは通常、体腔内からの気体または液体の漏出を防止するシールを含む。体腔が適切に膨らんだ後、視覚化デバイスが外科用アクセスデバイスを通して挿入される。次に、外科医は、外科用アクセスデバイス内に配置された視覚化デバイスを介して体腔の内部特徴を見ることができる。
【0005】
外科用アクセスデバイスは、必ずしも特定の視覚化デバイスに動作可能に連結されているわけではない。多くの場合、1つの外科用アクセスデバイスが、複数の視覚化デバイスおよび/または他の外科用器具とともに使用される。異なる視覚化デバイスを使用するために、外科医は、外科用アクセスデバイス内に位置付けられた視覚化デバイスを単に後退させて、同じ外科用アクセスデバイスを通して別の視覚化デバイスを挿入する場合がある。あるいは、外科用アクセスデバイスは、複数のポートを有することがある。
【0006】
視覚化デバイスを引き抜いたり、挿入したりしている間、体液や破片が外科用アクセスデバイスの内側部に入る可能性がある。これらの流体や破片は、新しく挿入された視覚化デバイスの表面に付着してレンズを汚し、したがって、レンズを通した視認性を低下させることがある。さらに、レンズのしみ、汚れ、および/または曇りなどの他の視覚的障害物は、体腔内での視覚化デバイスの使用および操作中に発生する可能性があり、これにより、外科医の視界が遮られる。
【0007】
不鮮明なレンズを処理するための最も一般的なアプローチは、視覚化デバイスを外科用アクセスデバイスから完全に取り外し、手動で洗浄することである。視覚化デバイスを外科用アクセスデバイスから引き出し、洗浄し、再挿入し、対象物の位置を再特定する必要性は、効果的ではあるものの、非効率であり、外科的遅延につながるか、または視覚化が処置結果に影響を及ぼす可能性がある都合の悪いときに生じる可能性がある。他の者により、視覚化デバイス自体または外科用アクセスデバイスにスプレー洗浄ノズルを組み込んで、患者から視覚化デバイスを取り外すことなくレンズの洗浄を可能にすることが提案されている。しかし、これらのデバイスは、比較的高価であり、かつ灌注通路および洗浄液を準備する必要がある場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、概して、外科用アクセスデバイスを通して外科用器具を挿入させたまま、視覚化デバイスまたは他の外科用器具を洗浄するための外科用アクセスデバイス用の洗浄キャップに関する。洗浄キャップは、外科用アクセスデバイスを通って延在する外科用器具の遠位端部分を洗浄するように構成される。洗浄キャップは、外科用アクセスデバイスの遠位端部分に迅速かつ容易に連結されて、外科用アクセスデバイスを通して挿入された外科用器具の汚れを低減する。
【0009】
一部の態様では、洗浄キャップは、既存の外科用アクセスデバイスに取り付けられるように構成される。例えば、洗浄キャップは汎用なものであり、かつ標準サイズのトロカール、カニューレ、および/またはスリーブ(例えば、5~15mmの外科用アクセスデバイス)に適合できる。
【0010】
一部の態様では、洗浄キャップは、軟質ゴムなどの可撓性材料から形成され、そこを通過する外科用器具の遠位端部分を洗浄するために利用される内部形状を有する。洗浄は、洗浄キャップを通して外科用器具を後退および前進させ、外科用器具の機能を損なう可能性のある(例えば、視覚化デバイスのレンズを介した視覚化を妨げる)汚れた物質を外科用器具の遠位端部分から除去することによって行われる。外科用器具を外科用アクセスデバイスから取り外して、例えばガーゼパッドで洗浄する従来の方法と比較して、洗浄キャップは、迅速かつ単純化された洗浄方法を提供し、手術室での中断時間を減らすことができる。
【0011】
一態様では、本開示は、外科用アクセスデバイスおよび洗浄キャップを含む外科用アクセスアセンブリを提供する。外科用アクセスデバイスは、内部を通るアクセス管腔を画定する細長いシャフトを含み、かつ遠位先端で終端する遠位部分を有する。洗浄キャップは、細長いシャフトの遠位部分をおおって配置される。洗浄キャップは、アクセス管腔と位置合わせされた器具チャネルを含み、器具チャネル内に配置されたワイパーを含む。
【0012】
外科用アクセスデバイスの遠位部分は、洗浄キャップの環状ポケット内に配置されてよい。環状ポケットは、洗浄キャップの内側環状壁と外側環状壁との間に画定されてよい。器具チャネルは、内側環状壁の内側表面によって画定されてもよく、外科用アクセスデバイスのアクセス管腔内に配置されてよい。ワイパーは、内側環状壁の内側表面から器具チャネル内に半径方向に延在する場合がある。
【0013】
洗浄キャップは、外科用アクセスデバイスの遠位部分の形状を模倣し得る。
【0014】
ワイパーは、可撓性材料から形成することができ、一部の態様では、ゴムから形成することができる。洗浄キャップは、可撓性材料から一体構造で形成することができる。
【0015】
ワイパーのそれぞれは、内部を通る、器具チャネルよりも直径が小さい開口部を画定する完全な円盤形状の本体を含んでもよい。ワイパーは、互いに対して長手方向に間隔を置いた関係で配置することができる。ワイパーの開口部はサイズが異なる場合があり、互いに同心である場合がある。
【0016】
ワイパーのそれぞれは、部分的な円盤形状の本体を含み得る。ワイパーの第1のセットは、内側環状壁の内側表面の第1の側から器具チャネル内に半径方向に延在する場合があり、ワイパーの第2のセットは、内側環状壁の内側表面の第2の側から器具チャネル内に半径方向に延在する場合がある。ワイパーの第1および第2のセットは、互いに対して対向する関係で配置されてもよく、器具チャネルを通る曲がりくねった経路を画定するために、互いに対して長手方向にオフセットされてもよい。
【0017】
外科用アクセスアセンブリは、先端部分で終端する遠位端部分を有する細長い管状本体を含む外科用器具をさらに含むことがある。外科用器具は、外科用アクセスデバイスおよび洗浄キャップを通して位置付け可能であり得る。外科用器具は、先端部分に配置されたレンズを含む視覚化デバイスであってもよい。外科用器具の遠位端部分は、洗浄キャップを通って近位および遠位方向に移動可能であり得る。洗浄キャップ内での外科用器具の移動により、ワイパーが洗浄キャップの長手方向軸に実質的に直交して延在する付勢された構成から、ワイパーが外科用器具の遠位端部分に係合し、かつ洗浄キャップの内側環状壁に向かって動かされる屈曲した構成に、ワイパーを動かすことができる。
【0018】
別の態様では、本開示は、外科用アクセスデバイスを通して位置付けられた外科用器具の遠位端部分を洗浄する方法を提供する。方法は、外科用器具の遠位端部分を、外科用アクセスデバイスの遠位部分をおおって配置された洗浄キャップの器具チャネル内に後退させることを含む。洗浄キャップは、器具チャネル内に半径方向に延在するワイパーを含み、外科用器具の後退により、ワイパーが外科用器具の遠位端部分の外側表面をこすり洗いする。
【0019】
方法は、外科用器具の遠位端部分を、洗浄キャップの器具チャネル内に前進させることをさらに含み得る。前進により、ワイパーが、外科用器具の先端部分に順次接触して先端部分を洗浄し、遠位端部分の外側表面に摩擦的に係合して外側表面をこすり洗いすることができる。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
外科用アクセスアセンブリであって、
内部を通るアクセス管腔を画定する細長いシャフトを含む外科用アクセスデバイスであって、前記細長いシャフトは、遠位先端で終端する遠位部分を有する、外科用アクセスデバイスと、
前記細長いシャフトの前記遠位部分をおおって配置された洗浄キャップであって、前記洗浄キャップは、前記アクセス管腔と位置合わせされた器具チャネルを含み、前記器具チャネルは内部に配置されたワイパーを含む、洗浄キャップと、を備える、外科用アクセスアセンブリ。
(項目2)
前記外科用アクセスデバイスの前記遠位部分は、前記洗浄キャップの環状ポケット内に配置されている、上記項目に記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目3)
前記環状ポケットは、前記洗浄キャップの内側環状壁と外側環状壁との間に画定されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目4)
前記器具チャネルは、前記内側環状壁の内側表面によって画定され、前記外科用アクセスデバイスの前記アクセス管腔内に配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目5)
前記ワイパーは、前記内側環状壁の前記内側表面から前記器具チャネル内に半径方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目6)
前記洗浄キャップは、前記外科用アクセスデバイスの前記遠位部分の形状を模倣している、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目7)
前記ワイパーは、可撓性材料から形成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目8)
前記ワイパーは、ゴムから形成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目9)
前記洗浄キャップは、前記可撓性材料から一体構造で形成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目10)
前記ワイパーのそれぞれは、内部を通る、前記器具チャネルの直径よりも小さい直径を有する開口部を画定する完全な円盤形状の本体を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目11)
前記ワイパーは、互いに対して長手方向に間隔を置いた関係で配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目12)
前記ワイパーの前記開口部は、サイズが異なり、互いに同心である、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目13)
前記ワイパーのそれぞれは、部分的円盤形状の本体を含む、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目14)
前記ワイパーの第1のセットは、前記内側環状壁の前記内側表面の第1の側から前記器具チャネル内に半径方向に延在し、前記ワイパーの第2のセットは、前記内側環状壁の前記内側表面の第2の側から前記器具チャネル内に半径方向に延在する、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目15)
前記ワイパーの前記第1および第2のセットは、互いに対して対向する関係で配置され、前記器具チャネルを通る曲がりくねった経路を画定するために互いに対して長手方向にオフセットされている、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目16)
先端部分で終端する遠位端部分を有する細長い管状本体を含む外科用器具をさらに含み、前記外科用器具は、前記外科用アクセスデバイスおよび前記洗浄キャップを通して位置付け可能である、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目17)
前記外科用器具は、前記先端部分に配置されたレンズを含む視覚化デバイスである、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目18)
前記外科用器具の前記遠位端部分は、前記洗浄キャップを通して近位および遠位方向に移動可能であり、前記洗浄キャップ内での前記外科用器具の移動により、前記ワイパーは、前記ワイパーが前記洗浄キャップの長手方向軸に実質的に直交して延在する付勢された構成から、前記ワイパーが前記外科用器具の前記遠位端部分に係合し、前記洗浄キャップの内側環状壁に向かって動かされた屈曲した構成に動かされる、上記項目のいずれかに記載の外科用アクセスアセンブリ。
(項目19)
外科用アクセスデバイスを通して位置付けられた外科用器具の遠位端部分を洗浄する方法であって、
外科用器具の遠位端部分を、外科用アクセスデバイスの遠位部分をおおって配置された洗浄キャップの器具チャネル内に後退させることを含み、前記洗浄キャップは、前記器具チャネル内に半径方向に延在するワイパーを含み、前記外科用器具の後退により、前記ワイパーが前記外科用器具の前記遠位端部分の外側表面をこすり洗いする、方法。
(項目20)
前記外科用器具の前記遠位端部分を前記洗浄キャップの前記器具チャネル内に前進させることをさらに含み、前進により、前記ワイパーが、前記外科用器具の先端部分に順次接触して前記先端部分を洗浄し、前記遠位端部分の前記外側表面に摩擦的に係合して前記外側表面をこすり洗いする、上記項目のいずれかに記載の方法。
(摘要)
外科用アクセスアセンブリは、外科用アクセスデバイスおよび洗浄キャップを含む。外科用アクセスデバイスは、内部を通るアクセス管腔を画定し、かつ遠位先端で終端する遠位部分を有する細長いシャフトを含む。洗浄キャップは、細長いシャフトの遠位部分をおおって配置される。洗浄キャップは、アクセス管腔と位置合わせされた器具チャネル、および器具チャネル内に配置されたワイパーを含む。
【0020】
本開示の1つ以上の態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本開示に記載される態様の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面から、かつ特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一態様による、外科用アクセスデバイス、洗浄キャップ、および外科用器具を含む外科用アクセスアセンブリの側面斜視図である。
図2】外科用アクセスデバイスから分離された外科用器具と共に示されている、図1の外科用アクセスアセンブリの側面斜視図である。
図3図1の外科用アクセスアセンブリの外科用アクセスデバイスおよび洗浄キャップの側面斜視図である。
図4図3の洗浄キャップの端面斜視図である。
図5図4の洗浄キャップの側面斜視図である。
図6図5の断面線6-6に沿って見た、図5の洗浄キャップの断面図である。
図7】組織内に位置付けられて示されている、図1の外科用アクセスアセンブリの断面図である。
図8図7に示された詳細領域の拡大図である。
図9】洗浄キャップの近位部分に配置された外科用器具の先端部分と共に示されている、図8の詳細領域の断面図である。
図10】洗浄キャップの遠位部分に配置された外科用器具の先端部分と共に示されている、図8の詳細領域の断面図である。
図11】本開示の別の態様による、外科用アクセスデバイスおよび洗浄キャップの遠位端部分の断面図である。
図12】それを通って延在する外科用器具と共に示されている、図11の外科用アクセスデバイスおよび洗浄キャップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の態様が、添付の図面を参照して以下に記載される。しかしながら、開示される態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを回避するために、詳細には記載されない。ゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切な詳細構造に様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0023】
同様の参照符号は、図の説明を通して類似または同一の要素を指す。本説明全体を通じて、「近位」という用語は、ユーザにより近い構造の一部分またはその構成要素を指し、「遠位」という用語は、ユーザからより遠い構造の一部分またはその構成要素を指す。
【0024】
トロカールアセンブリとして知られるオブチュレータを有する外科用アクセスアセンブリが、腹腔鏡手術などの低侵襲手術中に用いられ、外科用器具を、膨らませた腹腔などの体腔へ密閉させて出入りさせる。本開示の外科用アクセスアセンブリは、カニューレに装着された器具ハウジングを含む。オブチュレータ(図示せず)は、器具ハウジングおよびカニューレを通して挿入可能である。オブチュレータは、鈍的遠位端、またはブレード付きもしくはブレードのない穿孔遠位端を有する場合があり、外科用アクセスアセンブリを腹部に導入することができるように、腹壁の組織を切開および/または分離するために使用される場合がある。オブチュレータのハンドルは、外科用アクセスアセンブリの器具ハウジングと係合するか、または選択的に器具ハウジングに係止する場合がある。
【0025】
トロカールアセンブリは、解剖学的構造を通る新しい通路を作ることによって、または解剖学的構造を通る既存の開口部を通過することによって、解剖学的構造、例えば、腹壁を通って掘進するために用いられる。オブチュレータを有する外科用アクセスアセンブリが解剖学的構造を通って掘進すると、オブチュレータは取り外され、外科用アクセスアセンブリを適所に残す。外科用アクセスアセンブリの器具ハウジングは、体腔からの吹送流体の漏れを防止するバルブおよび/またはシールを含み、一方で、体腔に外科用器具を挿入することもまた可能にする。
【0026】
様々な態様では、外科的処置における組織面の分離、および分離されている体組織繊維の視覚化を可能にし、それにより体壁にわたる制御された横断を可能にするブレードレス光学トロカールオブチュレータが提供される場合がある。他の態様では、トロカールオブチュレータは、光学的ではないブレードレス、例えば、トロカールオブチュレータの遠位先端を通してその同時視覚化を提供しないものであってもよい。ブレードレストロカールオブチュレータは、外科的処置中に腹腔膜の鈍的解剖のために提供されてもよい。
【0027】
本開示の外科用アクセスアセンブリと共に使用するために好適な様々なトロカールオブチュレータが既知であり、例えば、ブレード付き、ブレードレス、鈍的、光学的、および非光学的なものを含む。例示的なトロカールオブチュレータおよび例示的なカニューレを含む、例示的なトロカールアセンブリの構造および機能の詳細な説明については、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2016/186905号を参照されたい。
【0028】
図1図3は、外科用アクセスデバイス100、外科用アクセスデバイス100と解放可能に係合する洗浄キャップ140、および外科用アクセスデバイス100を通して位置付けられた視覚化デバイス160として示される外科用器具を含む外科用アクセスアセンブリ10を示す。外科用アクセスデバイス100および視覚化デバイス160について、本開示の態様を開示するために必要な範囲でさらに説明する。例示的な外科用アクセスデバイスの構造および機能の詳細な説明については、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,543,018号を参照することができる。例示的な視覚化デバイスの構造および機能の詳細な説明については、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0007833号を参照することができる。したがって、本開示の洗浄キャップとともに、様々な外科用アクセスデバイスおよび視覚化デバイスが利用される場合があることを理解されたい。
【0029】
視覚化デバイス160は、ハンドル164に連結された近位端部分162aと、レンズ166を内蔵する先端部分163を含む遠位端部分162bとを有する細長い管状本体162を含む。細長い管状本体162は、それを通して光を伝導し、ハンドル164に連結された接眼レンズ168を通して見るのを容易にするように適合されている。あるいは、光源は、細長い管状本体162の遠位端部分162b(例えば、先端部分163)に配置されてよく、および/または視覚化デバイスは、ビデオ信号を外部モニターに送信するように構成されたカメラを含んでもよい。視覚化デバイスの特定の構造的特徴は、デバイスが人体の内部構造の目視検査を容易にする限り、変更されてもよいことが想定される。視覚化デバイスは、内視鏡、腹腔鏡、または身体の内部構造の目視検査のために設計された任意の適切なデバイスであってもよい。
【0030】
外科用アクセスデバイス100は、カニューレ110と、カニューレ110に固定された器具ハウジング120と、を含む。カニューレ110は、概して、中心長手方向軸「X」に沿って延在し、かつ視覚化デバイス160などの外科用器具を受け入れて通過させるための、内部を通るアクセス管腔111を画定する細長いシャフト112を含む。カニューレ110の近位端部分110aは、その上に器具ハウジング120を支持し、カニューレ110の遠位端部分110bは、洗浄キャップ140を支持する。
【0031】
図7に示されるように、器具ハウジング120は、カニューレ110の細長いシャフト112のアクセス管腔111と連絡する空洞121をその中で画定する。器具ハウジング120は、シールアセンブリ122およびバルブアセンブリ124をその中で支持する。シールアセンブリ122は、バルブアセンブリ124の近位側に配置される。シールアセンブリ122は、概して、カニューレ110に挿入された外科用器具(例えば、視覚化デバイス160)の周りを密閉するための器具シール122aを含み、バルブアセンブリ124は、概して、カニューレ110を通して挿入される外科用器具がない場合にカニューレ110のアクセス管腔111を密閉するためのゼロ閉鎖シール124aを含む。シールアセンブリ122およびバルブアセンブリ124は、そこからの吹送流体の漏れを防止する一方で、外科用器具がそれを通って体腔内に挿入されることを可能にする。器具シール122aは、セプタムシールなど、カニューレおよび/またはトロカールで使用される任意の既知の器具シールを含んでもよい。ゼロ閉鎖シール124aは、ダックビルシールまたはフラッパーバルブなど、アクセス管腔111への通路を閉鎖するための任意の既知のゼロ閉鎖シールであってよい。
【0032】
引き続き、図7とともに図3を参照すると、器具ハウジング120は、内部を通る開口部(明確には示さず)を画定する吹送ポート126を含み、該吹送ポート126は、器具ハウジング120の空洞121と流体連通し、該空洞121は、次に、腹腔などの体腔に吹き込む(例えば、気腹を作る)ためのカニューレ110のアクセス管腔111と流体連通する。吹送ポート126の開口部は、体腔内の吹送圧力を維持するために、バルブアセンブリ124の遠位側に配置されている。吹送ポート126は、吹送流体(例えば、気体)を体腔に送達するための吹送流体の供給源(図示せず)に接続可能である。吹送ポート126は、実質的に液密な方式でバルブ128を受容するように構成されて、寸法が決められる。一態様において、また示されるように、バルブ128は、吹送流体の流れを制御するための止め栓バルブである。しかし、バルブ128は、流体の流れを方向付け、一部の態様では、流体の流れを調節するための任意の既知のバルブであってもよい。
【0033】
次に図3図6を参照すると、洗浄キャップ140は、外科用アクセスデバイス100のカニューレ110の遠位端部分110bをおおって取り外し可能に配置可能である。洗浄キャップ140は、洗浄キャップ140が外科用アクセスデバイス100に位置付けられるときに、外科用アクセスデバイス100の中心長手方向軸「X」と一致する長手方向軸「Y」に沿って延在する本体142を含む。洗浄キャップ140の本体142は、外科用アクセスデバイス100の遠位端部分110bを内部に受容するように構成されている環状ポケット141と、外科用器具がそれを通って通過することを可能にし、かつそれを通って通過する際に外科用器具を洗浄するように構成されている器具チャネル143とを含む。
【0034】
洗浄キャップ140の環状ポケット141は、その外周において、外側環状壁144の内側表面144aと本体142の内側環状壁146の外側表面146bとの間で画定される。環状ポケット141は、カニューレ110の遠位端部分110bが環状ポケット141内に受容され、かつ、カニューレ110のアクセス管腔111が本体142の器具チャネル143と位置合わせされて、またそれと開放連通するように、外科用アクセスデバイス100の細長いシャフト112と摩擦的に係合するようなサイズと形状にされる。態様において、また示されるように、環状ポケット141は、カニューレ110の遠位端部分110bとサイズおよび形状が相補的であり、細長いシャフト112のリブ112aを受容するための近位カットアウト141aおよびカニューレ110の遠位先端110cを受容するための遠位テーパ141bを含む。
【0035】
環状ポケット141は、本体142の近位端142aで開いており、本体142の遠位端142bで閉じている。本体142は任意の長さを有する場合があり、環状ポケット141は本体142の長さの任意の部分に沿って延在する場合があることを理解されたい。外側環状壁144は、外科用アクセスデバイス100の遠位端部分110bの外側表面113の形状を模倣した外側表面144bを含む。態様において、また示されるように、洗浄キャップ140の外側表面144bは、外科用アクセスデバイス100の遠位端部分110bの滑らかな非外傷性仕上げのような滑らかな非外傷性仕上げを有する。
【0036】
洗浄キャップ140の器具チャネル143は、環状ポケット141の半径方向内側に配置され、内側環状壁146の内側表面146aによって画定される。外科用器具がそこを通過できるように、洗浄キャップ140が外科用アクセスデバイス100に位置付けられる場合、器具チャネル143は外科用アクセスデバイス100のアクセス管腔111と一致する。複数のワイパーまたはフィン150は、内側環状壁146の内側表面146aから器具チャネル143内に半径方向に延在する。ワイパー150は、長手方向軸「Y」に実質的に直交して延在する付勢された構成を有する。ワイパー150は、本体142の長さの一部または全体に沿って、互いに対して長手方向に間隔を置いた関係で配置される。4つのワイパー150が示されているが、洗浄キャップ140は、4つを超えるワイパー150または4つ未満のワイパー150を含む場合があることを理解されたい。
【0037】
各ワイパー150は、近位対向面152aと、遠位対向面152bと、本体142の内側環状壁146に接続された、またはそれと一体構造で形成された外側末端縁部152cと、それによって開口部153を画定する内側末端縁部152dとを含む、円盤形状の本体152を有する。各ワイパー150によって画定された開口部153は、器具チャネル143の寸法または直径よりも小さい寸法または直径を有し、器具チャネル143と同心である。ワイパー150は、同じサイズの開口部153を含むか、または開口部153のサイズは異なっていてもよい。態様において、また示されるように、ワイパー150は、本体142の長手方向軸「Y」に沿って互いに同心である、それぞれ、より大きなサイズおよびより小さなサイズで交互にサイズ設定された開口部153a、153bを有する。
【0038】
洗浄キャップ140の本体142およびワイパー150はそれぞれ、ゴム、プラスチック、または他の適切なポリマー(例えば、エラストマー)などの可撓性材料から形成される。これらの材料は、レンズ166の引っかき傷を最小限に抑えながら、破片を最大限除去するように選択される。本体142およびワイパー150は、同じもしくは共通の材料から一体構造で形成されるか、または本体142およびワイパー150は、一緒にしっかりと固定された同じもしくは異なる材料から形成された別個の構成要素であってもよい。ワイパー150は、洗浄キャップ140を通る外科用器具の近位および遠位への移動中に、それを通して挿入される外科用器具の周りでのワイパー150の屈曲に適応する厚さおよび構成を有する。このようにして、ワイパー150は、外科用器具の外側表面を洗浄し、アクセス管腔111への流体、破片、および/または組織(例えば、手術部位で外科用器具に付着することがある流体、破片、または組織)の導入を制限する。
【0039】
次に図7および図8を参照すると、洗浄キャップ140は、洗浄キャップ140の器具チャネル143が外科用アクセスデバイス100のアクセス管腔111内に配置され、それと位置合わせされるように、外科用アクセスデバイス100の遠位端部分110bをおおって位置付けられる。次に、洗浄キャップ140が取り付けられた外科用アクセスデバイス100は、組織「T」、例えば腹壁を通って位置付けられ得る。外科用アクセスデバイス100の遠位端部分110bおよび洗浄キャップ140が腹腔などの体腔「C」内に位置付けられるように、カニューレ110の細長いシャフト112は、(例えば、オブチュレータ(図示せず)を利用して、組織「T」を通ってカニューレ110が入ることを容易にすることによって)組織「T」を通って受け入れられる。
【0040】
視覚化デバイス160は、外科用アクセスデバイス100を通して挿入されて、外科用アクセスデバイス100および洗浄キャップ140から先端部分163が遠位側に延在するまで、洗浄キャップ140を通って前進し、そして、体腔「C」内に配置される。図9および10に見られるように矢印「A」の方向に、洗浄キャップ140を通って視覚化デバイス160の先端部分163が前進する間(例えば、視覚化デバイス160の体腔「C」への導入の間)、視覚化デバイス160の遠位端部分162bは、先端部分163が、ワイパー150に順次接触して、本体142の内側環状壁146に対して外向きにワイパー150を屈曲させるように、洗浄キャップ140のワイパー150を通って遠位側に並進される。前進中、視覚化デバイス160のレンズ166の外側表面は、ワイパー150と接触し、ワイパー150によってきれいに拭き取られ、かつ遠位端部分162bの外側表面も、ワイパー150との摩擦係合によってきれいに拭き取られる。
【0041】
図9および図10に示されるような矢印「B」の方向に、洗浄キャップ140を通して先端部分163を後退させる間(例えば、視覚化デバイス160が体腔「C」から引き出される間)、視覚化デバイス160の遠位端部分162bは、洗浄キャップ140のワイパー150を通って近位側に並進される。ワイパー150は、遠位端部分162bがそれぞれのワイパー150の近位側に動かされて、ワイパー150が解放されて、その付勢された構成に戻るまで、遠位端部分162bの外側表面との接触を維持する。後退中、遠位端部分162bの外側表面は、ワイパー150との摩擦係合によってきれいに拭き取られ、外科用アクセスデバイス100への流体、破片、および/または組織の導入を最小限に抑える。
【0042】
外科的処置中に、視覚化デバイス160のレンズ166が遮えられるようなことがある場合、流体、破片、および/または組織をこすり落とすために、視覚化デバイス160は、洗浄キャップ140を通って後退および前進することができる。ワイパー150は、視覚化デバイス160が外科用アクセスデバイス100のアクセス管腔111を通過するときに、視覚化デバイス160を洗浄する。ワイパー150はまた、視覚化デバイス160がそれを通して配置されるときに、視覚化デバイス160の管状本体162の周りを密閉し、(例えば、視覚化デバイス160の挿入、引き出し、および操作中に)外科用アクセスデバイス100のアクセス管腔111への流体、破片、および組織の侵入を最小限に抑えながら、それに対する視覚化デバイス160の長手方向移動を可能にし得る。
【0043】
次に、図11および図12を参照すると、本開示の別の態様による洗浄キャップ240が示されている。洗浄キャップ240は、洗浄キャップ140と実質的に類似するが、それらの間の違いに関して説明する。したがって、100の数列で番号付けされたものなど本開示の様々な構成要素は、200の数列で同様に番号付けられた本開示の構成要素に対応しているので、同様の構成要素の冗長な説明を本明細書で繰り返す必要はないことを理解されたい。
【0044】
洗浄キャップ240は、外科用アクセスデバイス200のカニューレ210の遠位端部分210bを内部に受容するように構成されている、本体242の外側環状壁244と内側環状壁246との間で画定された環状ポケット241と、外科用器具がそれを通って通過することを可能にし、かつそれを通って通過する際に外科用器具を洗浄するように構成されている、本体242の内側環状壁246内で画定された器具チャネル243とを有する本体242を含む。
【0045】
複数のワイパーまたはフィン250は、内側環状壁246から器具チャネル243内に半径方向に延在する。ワイパー250は、内側環状壁246の第1の側から延在する第1のセット250aと、内側環状壁246の第2の側から延在する第2のセット250bとを含む。各ワイパー250は、近位対向面252aと、遠位対向面252bと、本体242の内側環状壁246に接続されるか、またはそれと一体構造で形成された外側末端縁部252cと、内側末端縁部252dとを含む、半円または半円盤形状の本体252を有する。ワイパー250の第1および第2のセット250a、250bは、互いに対して対向する関係で配置され、互いに対して長手方向にオフセットされている。
【0046】
ワイパー250の第1および第2のセット250a、250bは共に、洗浄キャップ240の器具チャネル243を通る曲がりくねったまたは起伏のある経路を画定する。ワイパー250は、器具チャネル243内に同じ距離延在することができるか、またはワイパー250の半径方向の長さは異なる場合がある。ワイパー250は任意の適切な形状および/またはサイズを有する場合があり、ワイパー250の第1および第2のセット250a、250bの構成は、曲がりくねったまたは起伏のある経路が器具チャネル243を通って維持される限り変化してもよいことを理解されたい。
【0047】
洗浄キャップ240は、洗浄キャップ240の器具チャネル243が外科用アクセスデバイス200のアクセス管腔211内に配置され、それと位置合わせされるように、外科用アクセスデバイス200の遠位端部分210bをおおって位置付けられる。図12に示されるように、外科用器具260は、外科用アクセスデバイス200を通して挿入され、矢印「A」の方向に洗浄キャップ240を通って前進する。前進中、外科用器具260の先端部分263は、ワイパー250に順次接触して、本体242の内側環状壁246に対して外向きにワイパー250を屈曲させ、したがって、外科用器具260の遠位端部分262bが洗浄される。外科用器具260の先端部分263が矢印「A」と反対の方向に後退する間、ワイパー250は、外科用デバイス260の遠位端部分262bとの接触を維持し、したがって、外科用器具260の遠位端部分262bを洗浄し、かつ外科用アクセスデバイス200への流体、破片、および/または組織の導入を最小限に抑える。さらに、外科用器具260の使用中に、外科用器具260の遠位端部分262bを洗浄する必要がある場合、遠位端部分262bの障害物を洗浄するために、洗浄キャップ240内で遠位端部分262bを前進および後退(例えば、前後の動きで)させることができる。
【0048】
洗浄キャップは、視覚化デバイスと共に使用するように説明されているが、洗浄キャップは、外科用アクセスデバイスを通して導入される他の外科用器具と共に利用されて、その遠位端部分を洗浄し得ることを理解されたい。洗浄キャップは、外科用器具が通過する任意の外科用アクセスデバイス(例えば、剛性スリーブ)と共に使用されるのに適していることをさらに理解されたい。
【0049】
さらに、可撓性材料から形成されることに加えて、ワイパーまたはその部分(例えば、近位対向面および/または内側末端縁部)のうちの1つ以上は、そこ通過する外科用器具の遠位端部分(例えば、視覚化デバイスのレンズ)の洗浄を容易にするために、追加の層(例えば、パッド、スポンジ、または綿棒)および/または洗浄溶液を含んでもよい。
【0050】
本開示のいくつかの態様が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容するのと同じくらい広い範囲であると捉えられるべきであり、本明細書も同様に読み取られるべきであると意図されるので、本開示がこれらの態様に限定されることは意図されない。したがって、本開示は、説明される正にその態様に限定されるものではなく、様々な他の変更および修正が、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく、当業者によりなされ得ることが理解されよう。さらに、特定の態様に関連して示され説明される要素および特徴は、特定の他の態様の要素および特徴と、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせることができ、かかる修正および変形もまた、本開示の範囲内に含まれる。例えば、本開示の洗浄キャップは、ワイパーの組み合わせを含む場合があることが想定される(例えば、ワイパー250は、単一の洗浄キャップ内のワイパー150の間に提供される場合がある)。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に本開示の態様の例示として解釈されるべきである。したがって、本開示の範囲は、与えられた例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によって決定されるべきである。
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図12