(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-03
(45)【発行日】2025-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20250404BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20250404BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20250404BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0488
B60R16/02 630L
(21)【出願番号】P 2021136274
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2024-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 憲司
(72)【発明者】
【氏名】関 正彦
(72)【発明者】
【氏名】仲川 裕一朗
(72)【発明者】
【氏名】生塩 弘恵
(72)【発明者】
【氏名】永塚 美来
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-084975(JP,A)
【文献】特開2019-211979(JP,A)
【文献】国際公開第2015/001875(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第105027062(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/0488
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を操作する利用者の認証結果を取得する認証結果取得部と、
前記利用者によって操作される1または複数の操作用アイコンを表示する表示部と、
前記表示部に示す前記操作用アイコンへのタッチ操作を検出するタッチ入力検出部と、
前記タッチ操作におけるタッチ位置を検出し、所定の記憶部に履歴として記録するタッチ位置履歴記録部と、
前記表示部に表示させる画面を生成する画面生成部と、
前記認証結果取得部が得た前記認証結果により識別される前記利用者に変更がある場合に、前記タッチ位置の前記履歴に基づいて、前記画面に含まれる前記操作用アイコンの画面上の位置を変更するアイコン位置変更部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記アイコン位置変更部は、前記タッチ位置の前記履歴に含まれる前記タッチ位置から所定距離離れた位置に前記操作用アイコンの位置を変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記タッチ位置履歴記録部は、前記タッチ操作における前記タッチ位置を該タッチ操作の時刻と共に検出して前記所定の記憶部に履歴として記録し、
前記アイコン位置変更部は、前記時刻が所定の期間に含まれない前記タッチ操作を前記履歴から除外して前記操作用アイコンの画面上の位置を変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記アイコン位置変更部は、
前記操作用アイコンの画面上の位置の変更が不可能となる場合には、所定のメッセージを表示し、前記操作用アイコンの画面上の位置を変更しない、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記アイコン位置変更部は、
前記操作用アイコンの前記画面上の位置を、運転席に近付ける方向に移動した位置に変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記画面生成部は、前記画面を前記表示部の限定された領域のいずれかに表示させ、
前記アイコン位置変更部は、既に表示させた前記領域を避けて、前記画面の表示位置を変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記アイコン位置変更部は、
前記画面が遷移して表示される画面においても、前記タッチ位置の前記履歴に基づいて、前記画面に含まれる前記操作用アイコンの画面上の位置を変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記アイコン位置変更部は、
前記利用者がタッチする頻度が高い前記操作用アイコンの画面上の位置を、前記タッチ位置の前記履歴においてタッチされていない領域に変更する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「ユーザが指を表示パネルに接近させると、指位置検出手段16が、このユーザの指の接近、及び前記表示パネルにおける接近位置を検出し、制御装置2における表示制御手段が、表示パネル14における指の接近位置に対して複数の操作用アイコンを接近させた第2の配置形態にて表示するアイコン接近表示形態とする」車両用表示装置に係る技術が、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術では、座席により近い位置で操作用アイコンを選択的に操作できる。しかし、タッチパネルを不特定多数の利用者が利用する場合には、衛生面の安全性の向上が求められるようになってきている。
【0005】
本発明の目的は、アイコン操作の利便性の低下をなるべく抑えつつ、衛生面の安全性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係る情報処理装置は、情報処理装置を操作する利用者の認証結果を取得する認証結果取得部と、前記利用者によって操作される1または複数の操作用アイコンを表示する表示部と、前記表示部に示す前記操作用アイコンへのタッチ操作を検出するタッチ入力検出部と、前記タッチ操作におけるタッチ位置を検出し、所定の記憶部に履歴として記録するタッチ位置履歴記録部と、前記表示部に表示させる画面を生成する画面生成部と、前記認証結果取得部が得た前記認証結果により識別される前記利用者に変更がある場合に、前記タッチ位置の前記履歴に基づいて、前記画面に含まれる前記操作用アイコンの画面上の位置を変更するアイコン位置変更部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、アイコン操作の利便性の低下をなるべく抑えつつ、衛生面の安全性を向上させることが可能となる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】利用者履歴情報のデータ構造の例を示す図である。
【
図3】タッチ位置履歴情報のデータ構造の例を示す図である。
【
図4】レイアウト情報のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】利用者登録情報のデータ構造の例を示す図である。
【
図6】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】表示変更処理の処理フローの例を示す図である。
【
図8】利用者変動判定処理の処理フローの例を示す図である。
【
図10】別のレイアウト変更画面例を示す図である。
【
図11】操作用アイコンの位置変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を適用した実施形態に係る情報処理装置について、図面を参照して説明する。なお、
図1~
図11は、情報処理装置の全ての構成を示すものではなく、理解容易のため、適宜、構成の一部を省略して描いている。以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0010】
また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0011】
さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0012】
同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、数値および範囲についても同様である。
【0013】
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の実施の形態において、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。
【0014】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0015】
以下の説明では、「通信部」は、一つ以上のインターフェースデバイスでよい。当該一つ以上のインターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば一つ以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。
【0016】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0017】
また、以下の説明では、「ストレージ装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)でよく、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、又は、SCM(Storage Class Memory)でよい。
【0018】
また、以下の説明では、「記憶部」は、メモリとストレージ装置のうちメモリかまたはメモリとストレージ装置の両方であってもよい。
【0019】
また、以下の説明では、「処理部」または「プロセッサー」は、一つ以上のプロセッサーデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサーデバイスでよいが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサーデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、プロセッサーコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア記述言語によりゲートアレイの集合体である回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサーデバイスでもよい。
【0020】
また、以下の説明では、「yyy部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサーによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。プログラムがプロセッサーによって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置等を用いながら行われるため、機能はプロセッサーの少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、プロセッサーあるいはそのプロセッサーを有する装置が行う処理としてもよい。プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機又は計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0021】
また、以下の説明では、「プログラム」や「処理部」を主語として処理を説明する場合には、プログラムや処理部を主語として説明された処理は、プロセッサーあるいはそのプロセッサーを有する装置が行う処理としてもよい。また、二つ以上のプログラムが一つのプログラムとして実現されてもよいし、一つのプログラムが二つ以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0022】
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現にて、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、当該情報は、どのような構造のテーブルでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムやランダムフォレストに代表されるような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」あるいは「xxxデータ」と言うことができる。また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、一つのテーブルは、二つ以上のテーブルに分割されてもよいし、二つ以上のテーブルの全部又は一部が一つのテーブルであってもよい。
【0023】
また、以下の説明では、「情報処理装置」および「認証装置」は、一つ以上の物理的な計算機(例えば、カーナビゲーション装置等の車載器、車両制御装置、サーバー装置、データセンター)で構成されたシステムでもよいし、物理的な計算リソース群(例えば、クラウド基盤)上に実現されたシステム(例えば、クラウドコンピューティングシステム)でもよい。情報処理装置が表示画面等の情報を「出力する」ことは、情報処理装置と通信可能に接続されるいずれかの表示するデバイス(ディスプレイ等)に表示画面等の情報を表示させることであってもよい。
【0024】
本実施形態では、認証装置500と接続され、車両に搭載された情報処理装置100における実施例を示す。しかし、情報処理装置100は、車両に限られず、列車、電車、ボート、フェリー等の移動体であれば適用できることはいうまでもない。また、情報処理装置100は、コールセンターや研修施設等において利用者間で共用する環境においても適用することもできる。
【0025】
図1は、情報処理装置の構成例を示す図である。情報処理装置100は、いわゆる車載器である。あるいは、情報処理装置100は、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末であってよい。そして、情報処理装置100には、認証装置500が有線あるいは無線の通信路80により接続される。後述するように、情報処理装置100と、認証装置500とは、有線の場合には、例えばUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準じたケーブルにより接続される。情報処理装置100と、認証装置500とは、無線の場合には、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格に準じたアンテナおよび通信手順により接続される。
【0026】
ただし、この態様に限られるものではなく、情報処理装置100は、より多くの通信機器と接続するものであってもよいし、通信機器は無線LAN(Local Area Network)等のアクセスポイントとなる装置であってもよい。あるいは、情報処理装置100は、通信機器と一体化されたものであってもよい。またあるいは、情報処理装置100の処理部120は、スマートフォンが利用時に接続するクラウドサービスとして実現されてもよい。
【0027】
通信路80は、車載Ethernet、CAN FD(CAN with Flexible Data-Rate)、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)等の車載ネットワーク、USB等の有線接続(Wired)、Bluetooth、Wi-Fi、インターネットあるいはイントラネット等を含む各種のネットワークである。通信路80は、これに限られず、さらに、WAN(Wide Area Network)、携帯電話網等、あるいはこれらが複合した通信網であってもよい。また、通信路80は、携帯電話通信網等の無線通信網上のVPN(Virtual Private Network)等であってもよいし、同一のネットワークであってもよい。
【0028】
情報処理装置100は、記憶部110と、処理部120と、入力部130と、表示部140と、通信部150と、を有する。記憶部110には、利用者履歴情報111と、タッチ位置履歴情報112と、レイアウト情報113と、が含まれる。処理部120には、認証結果取得部121と、タッチ入力検出部122と、タッチ位置履歴記録部123と、画面生成部124と、アイコン位置変更部125と、が含まれる。
【0029】
図2は、利用者履歴情報のデータ構造の例を示す図である。利用者履歴情報111では、認証日時111aと、利用者111bと、が対応付けられて格納される。認証日時111aには、利用者が認証により特定された最新の日時が、利用者111bには、利用者ID等、利用者を特定する情報が、それぞれ格納される。
【0030】
図3は、タッチ位置履歴情報のデータ構造の例を示す図である。タッチ位置履歴情報112では、検出日時112aと、検出位置112bと、利用者112cと、が対応付けられて格納される。検出日時112aには、表示部140に示す操作用アイコンへのタッチ操作においてタッチが検出された日時が格納される。検出位置112bには、表示部140に示す操作用アイコンへのタッチ操作においてタッチが検出された画面上の位置が格納される。利用者112cには、表示部140に示す操作用アイコンへのタッチ操作においてタッチした利用者を特定する情報が格納される。
【0031】
図4は、レイアウト情報のデータ構造の例を示す図である。レイアウト情報113では、レイアウト識別子113aと、レイアウト情報113bと、採用順序113cと、が対応付けられて格納される。レイアウト識別子113aには、表示部140に示す画面の表示部品の配置情報を含むレイアウトを識別する情報が格納される。レイアウト情報113bには、表示部140に示す画面の表示部品の配置座標を含む具体的なレイアウトの設定情報が格納される。採用順序113cは、レイアウト識別子113aにより特定されるレイアウトの採用順序、すなわち利用者の変動ごとに割り当てる順序が格納される。
【0032】
認証結果取得部121は、認証装置500に認証結果を要求し、利用者情報を含む認証結果を取得する。具体的には、認証結果取得部121は、情報処理装置100の起動時に、認証装置500に対して認証結果の要求を通信路80を介して行い、認証装置500が認証した結果得られる利用者情報を含む認証結果を得る。
【0033】
タッチ入力検出部122は、表示部140に表示される操作項目についてのタップ、ロングタップ、ダブルタップまたはフリック等の入力態様を検出する。具体的には、タッチ入力検出部122は、タッチ位置にある操作用アイコンやボタン等の操作子を特定し、入力態様を常時検出する。例えば、タップされた位置に「目的地設定」アイコンが表示されている場合には、タッチ入力検出部122は、「目的地設定」アイコンへのタップ入力を検出する。本実施形態においては、より具体的には、タッチ入力検出部122は、操作用アイコンへのタッチの有無の検出と、タッチがあった場合にはその画面上のタッチ位置およびタッチされた操作用アイコンを特定する。
【0034】
タッチ位置履歴記録部123は、タッチ入力検出部122が検出したタッチ操作におけるタッチ位置を常時検出し、記憶部110のタッチ位置履歴情報112に履歴として随時記録する。
【0035】
画面生成部124は、表示部140に表示させる画面を生成する。なお、該画面には、操作用アイコンが一つまたは複数含まれる。また、画面生成部124は、該画面を表示部140の限定された領域のいずれかに表示させるようにしてもよい。
【0036】
アイコン位置変更部125は、認証結果取得部121が得た認証結果に含まれる利用者情報により識別される利用者に変更がある場合に、タッチ位置の履歴に基づいて、画面に含まれる操作用アイコンの画面上の位置を変更する。例えば、アイコン位置変更部125は、レイアウト情報113から次の順序となるレイアウトを読み出して画面に適用する、あるいは、アイコン位置変更部125は、所定の操作用アイコンの表示位置を運転席に近付ける方向に移動した位置に変更する。その際、アイコン位置変更部125は、記憶部110のタッチ位置履歴情報112に履歴として記録されているタッチ位置の履歴を基準として、タッチされた履歴のある位置を避けて操作用アイコンの表示位置を変更する。なお、タッチ位置の履歴は長時間の利用により膨大なものとなってしまうことが想定されるため、アイコン位置変更部125は、衛生上一定程度に安全とみなせる期間が経過した履歴は無視して操作用アイコンの表示位置を変更するようにしてもよい。具体的には、アイコン位置変更部125は、タッチした時刻が現在時刻からみて所定の期間に含まれないタッチ操作を履歴から除外して、操作用アイコンの画面上の位置を変更するようにしてもよい。
【0037】
または、アイコン位置変更部125は、既に表示させた領域を避けて、画面自体の表示位置を変更するようにしてもよい。また、アイコン位置変更部125は、画面が遷移して表示される画面、すなわちある画面から進んだ先にある画面(子画面あるいは次画面)においても、タッチ位置の履歴に基づいて、画面に含まれる操作用アイコンの画面上の位置を変更するようにしてもよい。また、アイコン位置変更部125は、利用者がタッチする頻度が高い操作用アイコンの画面上の位置を、タッチ位置の履歴においてタッチされていない領域へと優先的に変更するようにしてもよい。あるいは、アイコン位置変更部125は、ランダムに操作用アイコンの表示位置を変更するようにしてもよい。例えば、操作用アイコンの移動方向、移動量のいずれかまたは両方をランダムなものとしてもよいし、操作用アイコンの表示位置をランダムに入れ替えるものとしてもよい。
【0038】
表示部140は、グラフィック情報(画面情報を含む)を画面生成部124から受け付けて、描画する。例えば、表示部140は、グラフィック情報にレイヤーを重ねてメッセージ等のポップアップを表示したり、表示領域を分割してそれぞれにグラフィック情報を表示する。表示部140については、本実施形態においては既存の技術を用いるものとしてよい。また、入力部130は、操作者により触れられた部位を画面上の座標情報として検出し、タッチ入力検出部122へ受け渡す。入力部130および表示部140については、本実施形態においては既存の技術を用いるものとしてよい。
【0039】
通信部150は、通信路80を介して他の、特に認証装置500への通信による接続を行う。その通信の種類は、有線・無線のいずれでもよい。通信路80については、本実施形態においては既存の技術を用いるものとしてよい。
【0040】
認証装置500は、いわゆる車載器である。あるいは、認証装置500は、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末であってよい。そして、認証装置500には、情報処理装置100が有線あるいは無線の通信路80により接続される。ただし、認証装置500は、独立した装置でなく、情報処理装置100と同一の装置、あるいは情報処理装置100からの指示に従って動作する周辺機器であってもよい。
【0041】
ただし、この態様に限られるものではなく、認証装置500は、より多くの通信機器と接続するものであってもよいし、通信機器は無線LAN等のアクセスポイントとなる装置であってもよい。あるいは、認証装置500は、通信機器と一体化されたものであってもよい。またあるいは、認証装置500の処理部520は、スマートフォンが利用時に接続するクラウドサービスとして実現されてもよい。
【0042】
認証装置500は、記憶部510と、処理部520と、利用者情報検出部540と、通信部550と、を有する。記憶部510には、利用者登録情報511が含まれる。処理部520には、認証受付部521と、認証処理部522と、結果送信部523と、が含まれる。
【0043】
図5は、利用者登録情報のデータ構造の例を示す図である。利用者登録情報511では、利用者511aと、利用者固有情報511bと、が対応付けられて格納される。利用者511aには、利用者ID等、利用者を特定する情報が格納される。利用者固有情報511bには、認証に用いられる利用者確認用の情報が格納される。利用者確認用の情報には、例えばパスワード、あるいは指紋情報や静脈情報等の生体情報等、認証装置500が認証に用いるものとして予め設定された利用者の固有の情報が含まれる。
【0044】
認証受付部521は、利用者認証の要求を受け付ける。例えば、認証受付部521は、情報処理装置100から認証の要求を受け付けると、認証処理部522に後述する利用者変動判定処理を開始させる。
【0045】
認証処理部522は、後述する利用者変動判定処理の実施を制御する。
【0046】
結果送信部523は、利用者変動判定処理において利用者識別子及び別人フラグを含む認証結果を、利用者認証の要求元(本実施形態においては、情報処理装置100)の装置に送信する。
【0047】
利用者情報検出部540は、利用者変動判定処理において、利用者からの固有の情報の入力を受け付ける。通信部550は、通信路80を介して他の、特に情報処理装置100への通信による接続を行う。その通信の種類は、有線・無線のいずれでもよい。通信路80については、本実施形態においては既存の技術を用いるものとしてよい。
【0048】
図6は、情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置100は、プロセッサー101と、メモリ102と、ストレージ装置103と、通信装置104と、タッチ検出ディスプレイ105と、これらを互いに接続するバスと、を備えた一般的な情報処理装置により実現できる。また、通信装置104は、情報処理装置100の外部の装置を情報処理装置100に接続するためのインターフェースを担う。通信装置104には、認証装置500と、広域通信機器200と、が接続される。
【0049】
プロセッサー101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはGPU(Graphics Processing Unit)である。メモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)等である。ストレージ装置103は、例えば、ハードディスク装置(Hard Disk Drive:HDD)やSSD(Solid State Drive)などである。通信装置104は、認証装置500および広域通信機器200等の外部機器との接続を担う装置である。タッチ検出ディスプレイ105は、グラフィック情報を画面生成部124から受け付けて、描画する。また、タッチ検出ディスプレイ105は、操作者により触れられた部位を画面上の座標情報として検出し、タッチ入力検出部122へ受け渡す。タッチ検出ディスプレイ105については、本実施形態においては既存の技術を用いるものとしてよい。
【0050】
広域通信機器200は、いわゆるモバイルルーターや、携帯電話(スマートフォン)であり、ネットワークを介した相手方通信機器との音声通話の経路確立、接続管理を行う。なお、広域通信機器200と情報処理装置100との接続管理は通信装置104が行う。
【0051】
上記した処理部120の各機能部、すなわち認証結果取得部121と、タッチ入力検出部122と、タッチ位置履歴記録部123と、画面生成部124と、アイコン位置変更部125とは、プロセッサー101が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、メモリ102またはストレージ装置103には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。そして、そのプログラムは、実行時にメモリ102にロードされ、プロセッサー101に処理を行わせる。
【0052】
利用者履歴情報111、タッチ位置履歴情報112、レイアウト情報113は、メモリ102またはストレージ装置103により実現される。入力部および表示部140は、タッチ検出ディスプレイ105により実現され、通信部150は、通信装置104により実現される。
【0053】
図7は、表示変更処理の処理フローの例を示す図である。表示変更処理は、情報処理装置100が起動するタイミングで開始される。
【0054】
まず、認証結果取得部121は、後述する利用者変動判定処理を行う(ステップS001)。
【0055】
そして、アイコン位置変更部125は、タッチ検出ディスプレイ105が消毒済みであるか判定する(ステップS002)。具体的には、アイコン位置変更部125は、タッチ検出ディスプレイ105が消毒済みとなった際に押される図示しない消毒済みボタンが押されているか否かにより、消毒済みか否か判定する。消毒済みの場合(ステップS002にて「Yes」の場合)には、アイコン位置変更部125は、制御をステップS008へ進める。
【0056】
消毒済みでない場合(ステップS002にて「No」の場合)には、アイコン位置変更部125は、情報処理装置100が最後に使用されてから所定の時間が経過しているか判定する(ステップS003)。具体的には、アイコン位置変更部125は、情報処理装置100が最後に使用された時刻を特定し、現在時刻までの経過時間が所定以上(例えば、4時間以上)か否か判定する。時間経過済みの場合(ステップS003にて「Yes」の場合)には、アイコン位置変更部125は、制御をステップS008へ進める。
【0057】
時間経過済みでない場合(ステップS003にて「No」の場合)には、アイコン位置変更部125は、現在の利用者が前回の(認証された)利用者と同一か否か判定する(ステップS004)。具体的には、アイコン位置変更部125は、認証装置500から得た認証結果より利用者情報を得る。そして、アイコン位置変更部125は、利用者情報に別人フラグが含まれない場合には前回の利用者と同一と判定し、別人フラグが含まれる場合には、前回の利用者と同一でないと判定する。前回の利用者と同一の場合(ステップS004にて「Yes」の場合)には、アイコン位置変更部125は、制御をステップS008へ進める。
【0058】
前回の利用者と同一でない場合(ステップS004にて「No」の場合)には、アイコン位置変更部125は、表示変更が可能か判定する(ステップS005)。具体的には、アイコン位置変更部125は、レイアウト情報113から次の順序となるレイアウトを読み出せなかった場合、すなわちレイアウトを使い尽くした場合には、表示変更が不可能であると判定する。あるいは、アイコン位置変更部125は、所定の操作用アイコンの表示位置を運転席に近付ける方向に移動した位置に変更する余地がない場合には、表示変更が不可能であると判定する。またあるいは、アイコン位置変更部125は、既に表示させた領域を避けて、画面自体の表示位置を変更する余地がない場合には、表示変更が不可能であると判定する。
【0059】
表示変更が可能の場合(ステップS005にて「Yes」の場合)には、アイコン位置変更部125は、表示を変更して画面を生成する(ステップS006)。具体的には、アイコン位置変更部125は、レイアウト情報113から次の順序となるレイアウトを読み出して画面生成部124に受け渡し、画面生成部124は受け渡されたレイアウトを適用して画面を生成する。あるいは、アイコン位置変更部125は、所定の操作用アイコンの表示位置を運転席に近付ける方向に移動した位置に変更する情報を生成して画面生成部124に受け渡し、画面生成部124は受け渡された情報を適用して画面を生成する。またあるいは、アイコン位置変更部125は、既に表示させた領域を避けて、画面自体の表示位置を変更する情報を生成して画面生成部124に受け渡し、画面生成部124は受け渡された情報を適用して画面を生成する。
【0060】
表示変更が可能でない場合(ステップS005にて「No」の場合)には、画面生成部124は、表示変更不可能を通知する(ステップS007)。具体的には、画面生成部124は、例えば、「前のユーザーが触った位置を回避するアイコンの移動処理ができません。画面を拭いてご利用ください。」等のメッセージをポップアップ等により表示させるか、音声にて読み上げることで利用者に通知する。
【0061】
そして、画面生成部124は、ステップS006において生成した画面がある場合にはその画面を表示し、ステップS006において生成した画面がない場合には初期表示位置の画面(操作用アイコンの表示位置を初期位置とする)を生成して表示する(ステップS008)。
【0062】
以上が、表示変更処理の流れである。表示変更処理によれば、利用者が変動した場合に、所定の条件を満たす場合には、操作用アイコンの位置を違えて表示することができるため、利用者が接触する位置を分散することができる。つまり、前利用者が接触した位置を再タッチするリスクを回避し、インフルエンザ、COVID-19やSARS等を含む飛沫接触により拡大する感染症等の感染リスクを最小限に留め、衛生面での安全性を高めることができる。
【0063】
図8は、利用者変動判定処理の処理フローの例を示す図である。利用者変動判定処理は、表示変更処理のステップS001において開始される。
【0064】
まず、認証処理部522は、利用者固有情報を検出する(ステップS101)。具体的には、認証処理部522は、利用者情報検出部540により、認証に必要な所定の利用者固有情報の入力を受け付ける。利用者固有情報には、例えばパスワード、あるいは指紋情報や静脈情報等の生体情報等のいずれかまたはそれらの組み合わせが含まれる。
【0065】
そして、認証処理部522は、利用者固有情報と登録情報を突合し利用者を認証する(ステップS102)。具体的には、認証処理部522は、ステップS101にて検出した利用者固有情報を利用者登録情報511の利用者固有情報511bと突合させ、一致もしくは所定以上の関連性がある場合に利用者を特定し認証する。
【0066】
そして、認証処理部522は、前回認証成功者と、利用者とを比較する(ステップS103)。具体的には、認証処理部522は、当該情報処理装置100に係る前回の認証の成功者と、現在の利用者とを比較する。
【0067】
そして、認証処理部522は、前回認証成功者と利用者とを比較した結果、利用者が同一であるか判定する(ステップS104)。同一ではなかった場合(ステップS104にて「No」の場合)には、認証処理部522は、別人フラグを立てる(ステップS105)。同一である場合(ステップS104にて「Yes」の場合)には、認証処理部522は、後述するステップS106に制御を進める。
【0068】
そして、結果送信部523は、利用者識別子および別人フラグを含む認証結果を、情報処理装置100へ送信する(ステップS106)。具体的には、結果送信部523は、認証結果として、利用者識別子を情報処理装置100へ送信する。その際、ステップS105にて別人フラグが立てられている場合には、結果送信部523は、当該別人フラグを含めて認証結果とする。
【0069】
そして、情報処理装置100の認証結果取得部121は、認証された利用者を利用者履歴に登録する(ステップS107)。具体的には、認証結果取得部121は、利用者履歴情報111の利用者111bに利用者識別子を格納し、認証された日時または認証結果を受信した日時を認証日時111aに対応付けて格納する。
【0070】
以上が、利用者変動判定処理の流れである。利用者変動判定処理によれば、利用者の認証を行い、情報処理装置100に係る前回の認証成功者と、現在の認証成功者とが別人(別利用者)か否かを示す別人フラグを含む認証結果を情報処理装置100に提供することができる。
【0071】
図9は、レイアウト変更画面例を示す図である。第一のレイアウトを適用した画面600は、操作用アイコンの表示領域601が画面全体の運転席側(
図9では、右ハンドル車を例示しており、右側となっている。左ハンドル車の場合には、左側)に寄せて表示されている。操作用アイコンの表示領域601では、上から順に、「Navigation」カテゴリの操作用アイコン「ルート」「目的地」「設定」と、「Tool」カテゴリの操作用アイコン「電話」「画面消」「設定」と、「Audio」カテゴリの操作用アイコン「ソース」「音楽」「設定」と、「App」カテゴリの操作用アイコン「天気」「News」「VR」と、が示されている。
【0072】
そして、第二のレイアウトを適用した画面610は、第一のレイアウトを適用した画面600を示した利用者から別の利用者に変動した後に示される画面の例である。第二のレイアウトを適用した画面610は、操作用アイコンの表示領域611が画面全体の運転席側、かつ画面上側に寄せて表示されている。操作用アイコンの表示領域611では、左上に、「Audio」カテゴリの操作用アイコン「ソース」「音楽」「設定」と、右上に、「Navigation」カテゴリの操作用アイコン「ルート」「目的地」「設定」と、左下に「App」カテゴリの操作用アイコン「天気」「News」「VR」と、右下に「Tool」カテゴリの操作用アイコン「電話」「画面消」「設定」と、が示されている。
【0073】
そして、第三のレイアウトを適用した画面620は、第二のレイアウトを適用した画面610を示した利用者からさらに別の利用者に変動した後に示される画面の例である。第三のレイアウトを適用した画面620は、操作用アイコンの表示領域621が画面全体の運転席側、かつ画面下側に寄せて表示されている。操作用アイコンの表示領域621では、左上に、「Audio」カテゴリの操作用アイコン「ソース」「音楽」「設定」と、右上に、「Navigation」カテゴリの操作用アイコン「ルート」「目的地」「設定」と、左下に「App」カテゴリの操作用アイコン「天気」「News」「VR」と、右下に「Tool」カテゴリの操作用アイコン「電話」「画面消」「設定」と、が示されている。
【0074】
このように、
図9では、アイコン位置変更部125が、既に表示させた領域を避けて、画面自体の表示位置を変更する例が示されているといえる。
【0075】
図10は、別のレイアウト変更画面例を示す図である。アイコンの配置位置を変更する第4のレイアウトを適用した画面700では、左上に、「Navigation」カテゴリの操作用アイコン「ルート」「目的地」「設定」の表示領域701と、左下に、「Tool」カテゴリの操作用アイコン「電話」「画面消」「設定」の表示領域702と、右上に、「Audio」カテゴリの操作用アイコン「ソース」「音楽」「設定」の表示領域703と、右下に「App」カテゴリの操作用アイコン「天気」「News」「VR」の表示領域704と、が示されている。
【0076】
そして、アイコンの配置位置を変更する第4のレイアウトを適用した画面700において、利用者は、表示領域701において「ルート」の操作用アイコンをタッチ位置701Tにてタッチしたものとする。同様に、表示領域702においては、「設定」の操作用アイコンをタッチ位置702Tにてタッチしたものとし、表示領域703においては、「ソース」の操作用アイコンをタッチ位置703Tにてタッチしたものとし、表示領域704においては、「VR」の操作用アイコンと「News」の操作用アイコンとをそれぞれタッチ位置704S、704Tにてタッチしたものとする。
【0077】
第5のレイアウトを適用した画面710は、第4のレイアウトを適用した画面700を示した利用者から別の利用者に変動した後に示される画面の例である。アイコンの配置位置を変更する第5のレイアウトを適用した画面710では、左上に、「App」カテゴリの操作用アイコン「天気」「News」「VR」の表示領域704と、左下に、「Tool」カテゴリの操作用アイコン「電話」「画面消」「設定」の表示領域702と、右上に、「Navigation」カテゴリの操作用アイコン「ルート」「目的地」「設定」の表示領域701と、右下に、「Audio」カテゴリの操作用アイコン「ソース」「音楽」「設定」の表示領域703と、が示されている。
【0078】
そして、アイコンの配置位置を変更する第5のレイアウトを適用した画面710において、利用者は、表示領域704において「VR」の操作用アイコンと「天気」の操作用アイコンとをそれぞれタッチ位置711S、711Tにてタッチしたものとする。同様に、表示領域702においては、「電話」の操作用アイコンをタッチ位置712Tにてタッチしたものとし、表示領域701においては、「ルート」の操作用アイコンと「目的地」の操作用アイコンとをそれぞれタッチ位置713S、713Tにてタッチしたものとし、表示領域703においては、「設定」の操作用アイコンをタッチ位置714Tにてタッチしたものとする。
【0079】
ここで、アイコンの配置位置を変更する第5のレイアウトを適用した画面710においてタッチされたタッチ位置のそれぞれは、アイコンの配置位置を変更する第4のレイアウトを適用した画面700において前の利用者がタッチした位置と重複していないことがわかる。
【0080】
第6のレイアウトを適用した画面720は、第5のレイアウトを適用した画面710を示した利用者から別の利用者に変動した後に示される画面の例である。アイコンの配置位置を変更する第6のレイアウトを適用した画面720では、画面上部から中部にかけて、左から「Navigation」カテゴリの操作用アイコン「設定」「目的地」「ルート」が順に表示され、「Audio」カテゴリの操作用アイコン「ソース」「設定」「音響」が順に表示され、「App」カテゴリの操作用アイコン「News」「VR」「天気」が順に表示される表示領域705の例が示されている。そして、画面下部には、「Tool」カテゴリの操作用アイコン「電話」「画面消」「設定」の表示領域702´が示されている。
【0081】
そして、アイコンの配置位置を変更する第6のレイアウトを適用した画面720において、利用者は、表示領域705において「目的地」の操作用アイコンと、「ルート」の操作用アイコンと、「音響」の操作用アイコンと、「ソース」の操作用アイコンと、「VR」の操作用アイコンと、をそれぞれタッチ位置725P、725Q、725R、725S、725Tにてタッチしたものとする。同様に、表示領域702´においては、「電話」の操作用アイコンと、「画面消」の操作用アイコンと、をそれぞれタッチ位置722S、722Tにてタッチしたものとする。
【0082】
ここで、アイコンの配置位置を変更する第6のレイアウトを適用した画面720においてタッチされたタッチ位置のそれぞれは、アイコンの配置位置を変更する第4のレイアウトを適用した画面700において2つ前の利用者がタッチした位置およびアイコンの配置位置を変更する第5のレイアウトを適用した画面710において前の利用者がタッチした位置と重複していないことがわかる。
【0083】
このように、
図10では、利用者ごとに順序に従ってレイアウトを切り替えることで、利用者間での間接的接触を避けることができる例を示している。
【0084】
図11は、操作用アイコンの位置変更例を示す図である。操作用アイコンの位置変更例では、利用者に変更がある場合に、タッチ位置の履歴に基づいて、画面に含まれる操作用アイコンの画面上の位置を変更する処理の例を示す。STEP1では、まず、アイコン位置変更部125は、前の利用者が所定時間内にタッチした位置801を中心に、所定の半径(例えば、半径1cm程度)の忌避エリア802を設定する。
【0085】
そして、STEP2では、アイコン位置変更部125は、忌避エリア802と重複する範囲を入力受付範囲とする操作用アイコン810を設定すると干渉することを検出する。
【0086】
そして、STEP3では、アイコン位置変更部125は、忌避エリア802を避けつつ、操作用アイコン810の表示位置を、運転席に近付ける方向に、忌避エリア802の端から所定距離d(例えば、1cm)だけ移動した位置810´に変更する。
【0087】
以上が、操作用アイコンの位置変更例である。上述の操作用アイコンの位置変更例では、タッチ位置の履歴を避ける形で操作用アイコンの表示位置を変更することができる。そのため、アイコン操作の利便性の低下をなるべく抑えつつ、衛生面の安全性を向上させることができる。
【0088】
以上が、実施形態に係る情報処理装置である。実施形態に係る情報処理装置100によれば、アイコン操作の利便性の低下をなるべく抑えつつ、衛生面の安全性を向上させることができる。
【0089】
ただし、本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態では、操作用のアイコンの位置を変更するものであるが、画面生成部124は、表示変更処理の画面を表示するステップS008において、生成した画面を表示するとともに、音声入力による操作を推奨するメッセージを表示、あるいは音声出力するものであってもよい。具体的には、「画面への接触をなるべく減らすために、音声入力のご利用をおすすめします。」等のメッセージを音声ガイダンスにより出力するようにしてもよい。
【0090】
また例えば、上記の実施形態においては、助手席搭乗者の操作時について、運転席搭乗者と区別をしていなかったが、助手席搭乗者の衛生上の安全を考慮するようにしてもよい。
図9に示すようなレイアウト変更画面例では、操作用アイコンの表示領域が画面全体の運転席側(右側)に寄せて表示されている。これを、助手席搭乗者の身振りや手ぶりから解析して画面への手の接近を検知すると、操作用アイコンの表示領域を画面全体の助手席側(左側)に寄せて表示するようにしてもよい。このようにすることで、運転席搭乗者の接触領域との重複を避けることができ、助手席搭乗者の衛生上の安全性を向上させることができる。
【0091】
また例えば、上記の実施形態では、認証装置500に情報処理装置100が接続するようにしているが、これに限られない。認証装置500は、情報処理装置100と一体であってもよいし、認証装置500はインターネットを介したサービス(例えば、クラウドサービス)として提供され、情報処理装置100はこれを利用するものであってもよい。あるいはより簡便に、情報処理装置100に撮像装置を設け、搭乗者の顔認証を行って利用者の変動を検知するようにしてもよい。
【0092】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサーがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0093】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0094】
80:通信路、100:情報処理装置、110:記憶部、111:利用者履歴情報、112:タッチ位置履歴情報、113:レイアウト情報、120:処理部、121:認証結果取得部、122:タッチ入力検出部、123:タッチ位置履歴記録部、124:画面生成部、125:アイコン位置変更部、130:入力部、140:表示部、150:通信部、500:認証装置、510:記憶部、511:利用者登録情報、520:処理部、521:認証受付部、522:認証処理部、523:結果送信部、540:利用者情報検出部、550:通信部。