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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-03
(45)【発行日】2025-04-11
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20250404BHJP
【FI】
H01L23/50 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021189315
(22)【出願日】2021-11-22
(65)【公開番号】P2023076113
(43)【公開日】2023-06-01
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】幸田 一輝
(72)【発明者】
【氏名】横山 脩平
(72)【発明者】
【氏名】池田 直輝
(72)【発明者】
【氏名】柴田 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】市川 慶太郎
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-155706(JP,A)
【文献】登録実用新案第3176067(JP,U)
【文献】特開2019-75523(JP,A)
【文献】特開昭62-92456(JP,A)
【文献】特開2000-188371(JP,A)
【文献】特開2013-98199(JP,A)
【文献】特開昭63-73656(JP,A)
【文献】特開平1-24449(JP,A)
【文献】特開平10-70223(JP,A)
【文献】特開2015-26781(JP,A)
【文献】特開2021-128974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/48-21/60
H~1L 23/48
H01L 23/495
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
前記半導体素子を覆うモールド部材と、
前記半導体素子と電気的に接続され、前記モールド部材の一辺から突出し、前記一辺に沿って交互に設けられた第1端子及び第2端子と
を備え、
前記第1端子は、第1屈曲部を含み、
前記第2端子は、
前記モールド部材の前記一辺に対して前記第1屈曲部よりも遠くに位置し、平面視で前記第1屈曲部の幅と同じ幅を有する第2屈曲部と、
前記第2端子の前記モールド部材の前記一辺から前記第2屈曲部までの間に設けられ、前記第2屈曲部の幅よりも大きい太幅部と
を含み、
前記第1屈曲部の幅は、前記第1端子の他の部分の幅よりも大きく、
前記第1端子の突出方向における前記第1屈曲部の位置と、前記第2端子の突出方向における前記太幅部の位置とが同じである、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1端子及び前記第2端子の少なくともいずれか1つは、前記半導体素子が設けられたリードフレームである、半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1端子及び前記第2端子の少なくともいずれか1つと電気的に接続され、前記半導体素子が設けられた金属層と、
前記金属層の前記半導体素子が設けられた面と逆側の面に接合された絶縁層と
をさらに備える、半導体装置。
【請求項4】
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体素子は、第1半導体素子と、前記第1半導体素子によって制御される第2半導体素子とを含む、半導体装置。
【請求項5】
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体素子は、前記モールド部材で覆われたブートストラップダイオードを含む、半導体装置。
【請求項6】
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体素子の材料は、ワイドバンドギャップ半導体を含む、半導体装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体素子は、一つの半導体基板にIGBT領域とダイオード領域とが設けられた素子を含む、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モールド部材の一辺から突出した複数の端子が、その一辺に沿ってモールド部材の近くと遠くとで交互に折り曲げられた半導体装置が提案されている。つまり、端子の折り曲げられた部分である屈曲部が、モールド部材の一辺に沿って千鳥状に配置された半導体装置が提案されている。
【0003】
また例えば特許文献1には、モールド部材に近い屈曲部の幅と、モールド部材から遠い屈曲部の幅とが異なる構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-75523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、モールド部材に近い屈曲部の幅と、モールド部材から遠い屈曲部の幅とが異なる。しかしながら、この構成では、折り曲げる力が一定である場合、端子が屈曲部で折り曲げられた角度にばらつきが発生するという問題があった。
【0006】
そこで、本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、適切な端子を有する半導体装置を実現可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子を覆うモールド部材と、前記半導体素子と電気的に接続され、前記モールド部材の一辺から突出し、前記一辺に沿って交互に設けられた第1端子及び第2端子とを備え、前記第1端子は、第1屈曲部を含み、前記第2端子は、前記モールド部材の前記一辺に対して前記第1屈曲部よりも遠くに位置し、平面視で前記第1屈曲部の幅と同じ幅を有する第2屈曲部と、前記第2端子の前記モールド部材の前記一辺から前記第2屈曲部までの間に設けられ、前記第2屈曲部の幅よりも大きい太幅部とを含み、前記第1屈曲部の幅は、前記第1端子の他の部分の幅よりも大きく、前記第1端子の突出方向における前記第1屈曲部の位置と、前記第2端子の突出方向における前記太幅部の位置とが同じである
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、第1端子は、第1屈曲部を含み、第2端子は、モールド部材の一辺に対して第1屈曲部よりも遠くに位置し、平面視で第1屈曲部の幅と同じ幅を有する第2屈曲部を含む。このような構成によれば、適切な端子を有する半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
図2】実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
図3】実施の形態1に係る半導体装置の外形を示す側面図である。
図4】実施の形態1に係る半導体装置の構成の一部を示す平面図である。
図5】実施の形態1に係る半導体装置の構成の一部を示す平面図である。
図6】実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図7】変形例2に係る半導体装置の構成の一部を示す断面図である。
図8】実施の形態2に係る半導体装置の構成の一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の各実施の形態で説明される特徴は例示であり、すべての特徴は必ずしも必須ではない。また、以下に示される説明では、複数の実施の形態において同様の構成要素には同じまたは類似する符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。また、以下に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「表」または「裏」などの特定の位置及び方向は、実際の実施時の位置及び方向とは必ず一致しなくてもよい。
【0011】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1に係る半導体装置の構成を示す平面図であり、図2は、その構成を示す断面図である。
【0012】
本実施の形態1に係る半導体装置は、半導体素子を備える。当該半導体素子は、IC(Integrated Circuit)1と、パワーチップ2aと、フリーホイールダイオード2bと、ブートストラップダイオード3とを含む。IC1、パワーチップ2a、フリーホイールダイオード2b、及び、ブートストラップダイオード3は電気的に接続され、第2半導体素子であるパワーチップ2a及びフリーホイールダイオード2bは、第1半導体素子であるIC1によって制御及び駆動される。なお、図1の上側のIC1は、3つのパワーチップ2aからなる上アームを制御する高圧ICであり、図1の下側のIC1は、3つのパワーチップ2aからなる下アームを制御する低圧ICである。
【0013】
IC1及びパワーチップ2aの少なくともいずれか1つは、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体スイッチング素子である。フリーホイールダイオード2b及びブートストラップダイオード3の少なくともいずれか1つは、例えばSBD(Schottky Barrier Diode)、PND(PN junction diode)などのダイオード素子である。
【0014】
本実施の形態1に係る半導体装置は、上記半導体素子に加えて、複数の制御端子6aと、複数のパワー端子6bと、ワイヤ7と、モールド部材9とを備える。
【0015】
図1及び図2の左側に制御端子6aが図示され、図1及び図2の右側にパワー端子6bが図示されている。図1及び図2の例では、制御端子6a及びパワー端子6bは、半導体素子と電気的に接続されたリードフレームである。IC1及びブートストラップダイオード3は、複数の制御端子6aのいずれかの上面に接合されて設けられ、パワーチップ2a及びフリーホイールダイオード2bは、複数のパワー端子6bのいずれかの上面に接合されて設けられている。
【0016】
ワイヤ7は、IC1、パワーチップ2a、フリーホイールダイオード2b、ブートストラップダイオード3、制御端子6a、及び、パワー端子6bを選択的に接続する。この接続によって電気回路が構成されている。ワイヤ7の材料は、例えば金、銅、アルミニウムなどである。
【0017】
図1及び図2の点線で示されるモールド部材9は、半導体素子と、制御端子6aの一部と、パワー端子6bの一部と、ワイヤ7とを覆う。モールド部材9は、例えば樹脂などの絶縁部材でからなるトランスファーモールド部材である。モールド部材9は、平面視で矩形形状を有し、複数の制御端子6aは、モールド部材9の一辺から突出して設けられ、複数のパワー端子6bは、当該一辺と逆側の別の一辺から突出して設けられている。
【0018】
図3は、本実施の形態1に係る半導体装置の外形を示す側面図である。図3の上側に制御端子6aが図示され、図3の下側にパワー端子6bが図示されている。複数の制御端子6aは、モールド部材9の厚み方向(図3の左右方向)の同じ位置から突出し、複数のパワー端子6bは、モールド部材9の厚み方向の同じ位置から突出している。図2では便宜上、制御端子6a及びパワー端子6bのうちモールド部材9で覆われていない部分は、面内方向に延在するように図示されているが、正確には図3に示すように折り曲げられている。
【0019】
図4は、折り曲げられる前の制御端子6aを示す平面図である。複数の制御端子6aは、第1端子である内側制御端子6a1と、第2端子である外側制御端子6a2とを含む。内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2は、モールド部材9の一辺に沿って交互に設けられており、図4には、一組の内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2が図示されている。
【0020】
内側制御端子6a1は、第1屈曲部である内側屈曲部6a6を含む。外側制御端子6a2は、第2屈曲部である外側屈曲部6a7と、外側制御端子6a2の部分である太幅部6a8とを含む。図3及び図4の例では、内側制御端子6a1は1箇所の内側屈曲部6a6で折り曲げられ、外側制御端子6a2は1箇所の外側屈曲部6a7で折り曲げられる。
【0021】
外側屈曲部6a7は、モールド部材9の一辺に対して内側屈曲部6a6よりも遠くに位置している。つまりモールド部材9の一辺と外側屈曲部6a7との間の距離は、モールド部材9の一辺と内側屈曲部6a6との間の距離よりも大きくなっている。内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2は、モールド部材9の一辺に沿って交互に設けられているため、内側屈曲部6a6及び外側屈曲部6a7は、モールド部材9の一辺に沿って千鳥状に配置される。
【0022】
図4のタイバー6cは、内側制御端子6a1の一部と外側制御端子6a2の一部とを含む。図5は、半導体装置の製造工程において、内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2が折り曲げられる前の半導体装置の状態を示す平面図である。なお、図5では、内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2の形状は簡略化されて図示されている。図5に示すように、内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2は、実質的にタイバー6cによって接続されている。
【0023】
タイバー6cのうち図4の二点鎖線で示される部分は、プレス等のカットによって除去される。タイバー6cのカット後の残部は、内側制御端子6a1の内側屈曲部6a6となり、外側制御端子6a2の太幅部6a8となる。太幅部6a8は、外側制御端子6a2のうちモールド部材9の一辺から外側屈曲部6a7までの間に設けられる。
【0024】
図4に示すように、内側屈曲部6a6の幅と、外側屈曲部6a7の幅とは平面視で互いに同じである。ここでの幅が同じとは、内側屈曲部6a6の幅と、外側屈曲部6a7の幅との差が、これらの幅の一方の幅の例えば2%以下であることを意味する。また、モールド部材9から露出された内側制御端子6a1のうち、内側屈曲部6a6の幅が最も大きくなっている。モールド部材9から露出された外側制御端子6a2のうち、太幅部6a8の幅が最も大きくなっており、先端側(図4の上側)の部分の幅が最も小さくなっている。このような本実施の形態1では、太幅部6a8の幅は、外側屈曲部6a7の幅よりも大きいだけでなく、モールド部材9の一辺と太幅部6a8との間の距離と同じ距離だけモールド部材9の一辺から離れた内側屈曲部6a6の幅よりも大きくなっている。
【0025】
図6は、本実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。まずステップS1のパワーチップダイボンド工程にて、半田等の接合部材で、パワーチップ2aをリードフレームに接合する。ステップS2のダイオードダイボンド工程にて、半田等の接合部材で、フリーホイールダイオード2b、及び、ブートストラップダイオード3をリードフレームに接合する。ステップS3のICダイボンド工程にて、半田等の接合部材で、IC1をリードフレームに接合する。ステップS1~ステップS3の工程は、並行して行われてもよいし、順序を入れ替えて行われてもよい。
【0026】
ステップS4のワイヤボンド工程にて、リードフレーム、IC1、パワーチップ2a、フリーホイールダイオード2b、及び、ブートストラップダイオード3を、ワイヤ7で選択的に接続することによって電気回路を形成する。ワイヤボンド工程が完了した状態は、図1の状態に実質的に対応する。
【0027】
ステップS5のトランスファーモールド工程にて、リードフレームの一部、パワーチップ2a、フリーホイールダイオード2b、ブートストラップダイオード3、IC1、及び、ワイヤ7を、モールド部材9で外部から絶縁するように封止する。トランスファーモールド工程が完了した状態は、図5の状態に実質的に対応する。
【0028】
ステップS6のタイバーカット工程にて、図4の二点鎖線の部分をカットして除去する。ステップS7のリードカット工程にて、プレス等のカットによってリードフレームの先端を形成し、折り曲げられる前の内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2を形成する。
【0029】
ステップS8のリードフォーミング工程にて、内側制御端子6a1は内側屈曲部6a6で折り曲げられ、外側制御端子6a2は外側屈曲部6a7で折り曲げられる。以上の工程によって、図3のような本実施の形態1に係る半導体装置が製造される。
【0030】
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態1に係る半導体装置では、内側屈曲部6a6の幅と、外側屈曲部6a7の幅とは平面視で互いに同じである。このため、内側制御端子6a1及び外側制御端子6a2を折り曲げるための力が同一であっても、内側制御端子6a1が内側屈曲部6a6で折り曲げられた角度と、外側制御端子6a2が外側屈曲部6a7で折り曲げられた角度とのばらつきを低減することができる。
【0031】
また本実施の形態1では、外側屈曲部6a7の幅よりも大きい太幅部6a8が、外側制御端子6a2のうちモールド部材9の一辺から外側屈曲部6a7までの間に設けられている。このような構成によれば、内側制御端子6a1よりも外部と干渉しやすい外側制御端子6a2のうち、モールド部材9の一辺から外側屈曲部6a7までの間の部分が、外部からの力によって変形することを抑制することができる。
【0032】
また本実施の形態1では、半導体素子は、モールド部材9で覆われたブートストラップダイオード3を含む。このような構成によれば、モールド部材9にブートストラップダイオード3を客先などで外付けすることが不要となり、半導体装置が取り付けられる装置の小型化が可能となる。
【0033】
<変形例1>
実施の形態1では、千鳥配置された屈曲部が複数の制御端子6aに設けられたが、千鳥配置された屈曲部は複数のパワー端子6bに設けられてもよい。そして、パワー端子6bが、内側制御端子6a1と同様の内側パワー端子と、外側制御端子6a2と同様の外側パワー端子とを含んでもよい。つまり、内側パワー端子の屈曲部の幅と、外側パワー端子の屈曲部の幅とが同じであり、外側パワー端子のモールド部材9の一辺から屈曲部までの間に太幅部が設けられてもよい。
【0034】
また実施の形態1では、制御端子6a及びパワー端子6bが、モールド部材9の二辺にそれぞれ設けられたが、制御端子6a及びパワー端子6bの両方が、モールド部材9の同じ一辺に設けられてもよい。そしてその構成において、制御端子6aとパワー端子6bとの区別をなくして、それらの屈曲部が千鳥配置されてもよい。そしてその構成において、それらの屈曲部の幅が同じであってもよい。なお、変形例1は、後述する実施の形態2において適用されてもよい。
【0035】
<変形例2>
実施の形態1では、リードフレーム上にIC1、パワーチップ2a及びフリーホイールダイオード2bなどの半導体素子が搭載されたが、モールド部材9内の構成は適宜変更されてもよい。例えば、図7に示すように、半導体装置は、金属層11と、絶縁層12とを備えてもよい。金属層11は、超音波接合または半田等によって制御端子6aまたはパワー端子6bと電気的に接続され、IC1及びパワーチップ2aなどが設けられてもよい。絶縁層12は、金属層11の半導体素子が設けられた面と逆側の面に接合されてもよい。金属層11及び絶縁層12は、絶縁基板を構成してもよい。なお、変形例2は、後述する実施の形態2において適用されてもよい。
【0036】
<変形例3>
実施の形態1では、半導体素子が、個別に設けられたパワーチップ2a及びフリーホイールダイオード2bを含んでいたが、これに限ったものではない。例えば、半導体素子は、RC-IGBT(Reverse Conducting - IGBT)などのように、一つの半導体基板にIGBT領域とダイオード領域とが設けられた素子を含んでもよい。半導体素子がRC-IGBTを含む構成では、半導体素子がパワーチップ2a及びフリーホイールダイオード2bを含む構成と比べて半導体素子を小型化できるので半導体装置を小型化できる。
【0037】
また、半導体素子の材料は、珪素(Si)比較してバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体を含んでもよい。ワイドバンドギャップ半導体は、例えば炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドなどであってもよい。半導体素子の材料がワイドバンドギャップ半導体を含む構成では、半導体装置のエネルギー損失の低減化、または、スイッチング速度の高速化が可能となる。
【0038】
また実施の形態1では、半導体素子は、第1半導体素子と第2半導体素子とを含んでいたが、第1半導体素子だけを含んでもよいし、第2半導体素子だけを含んでもよい。なお、変形例3は、後述する実施の形態2において適用されてもよい。
【0039】
<実施の形態2>
図8は、本実施の形態2に係る半導体装置の一部を示す平面図であり、具体的には折り曲げられる前の制御端子6aを示す平面図である。本実施の形態2では、外側制御端子6a2は、第2屈曲部である外側屈曲部6a7と、太幅部6a8と、くびれ部6a9とを含む。本実施の形態2のそれ以外の構成は、実施の形態1の構成と同様である。
【0040】
タイバーカットによって形成される太幅部6a8は、実施の形態1と同様に、外側制御端子6a2のうちモールド部材9の一辺から外側屈曲部6a7までの間に設けられる。本実施の形態2では、平面視での太幅部6a8の幅は、外側屈曲部6a7の幅よりも大きくてもよく、外側屈曲部6a7の幅以下でもよい。
【0041】
くびれ部6a9は、ネック部とも呼ばれ、外側屈曲部6a7と太幅部6a8との間に設けられる。つまり、平面視でのくびれ部6a9の幅は、外側屈曲部6a7の幅及び太幅部6a8の幅のそれぞれよりも小さい。
【0042】
<実施の形態2のまとめ>
以上のような本実施の形態2に係る半導体装置では、くびれ部6a9によって、内側屈曲部6a6と太幅部6a8との間の距離Aを大きくすることができる。これにより、タイバーカットするエリア、つまりパンチングエリアを広くでき、パンチング金型の摩耗を低減することができる。また、タイバーカットするエリアを広くすることによって、内側制御端子6a1と外側制御端子6a2との間の絶縁距離である距離Aを大きくできるので、絶縁性の向上化、または、その分だけそれら端子を近づけることにより半導体装置の小型化が可能となる。なお、平面視での太幅部6a8の幅が、外側屈曲部6a7の幅よりも小さい場合には、距離Aをさらに広くすることができる。
【0043】
なお、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 IC、2a パワーチップ、2b フリーホイールダイオード、3 ブートストラップダイオード、6a 制御端子、6a1 内側制御端子、6a2 外側制御端子、6a6 内側屈曲部、6a7 外側屈曲部、6a8 太幅部、6a9 くびれ部、6b パワー端子、9 モールド部材、11 金属層、12 絶縁層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8