特許 7660814 貨幣処理システム、および、貨幣処理方法、並びに、プログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-04-04

(45)【発行日】2025-04-14

(54)【発明の名称】貨幣処理システム、および、貨幣処理方法、並びに、プログラム

(51)【国際特許分類】

   G07G 1/00 20060101AFI20250407BHJP

   G07G 1/01 20060101ALI20250407BHJP

   G07G 1/12 20060101ALI20250407BHJP

【ＦＩ】

G07G1/00 311E

G07G1/01 301E

G07G1/12 341F

【請求項の数】 9

(21)【出願番号】P 2021154825

(22)【出願日】2021-09-22

(65)【公開番号】P2023046113

(43)【公開日】2023-04-03

【審査請求日】2024-02-26

(73)【特許権者】

【識別番号】000116079

【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】500267170

【氏名又は名称】ローレル機械株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】500265501

【氏名又は名称】ローレル精機株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100169960

【弁理士】

【氏名又は名称】清水 貴光

(72)【発明者】

【氏名】廣原 卓

(72)【発明者】

【氏名】水本 卓

【審査官】杉浦 貴之

(56)【参考文献】

【文献】特開２００８－１３４７３３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－１６８７７１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２０－０８７０００（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－０４０５４７（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０７Ｇ １／００

Ｇ０７Ｇ １／０１

Ｇ０７Ｇ １／１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置を含んで構成される貨幣処理システムであって、
前記端末装置は、
前記貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得部と、
前記操作入力取得部により取得された前記操作入力に対応する第１のコード情報を生成する第１のコード生成処理部と、
前記第１のコード生成処理部により生成された前記第１のコード情報を含む第１の表示画像データを生成する第１の表示データ生成処理部と、
画像を取得する画像取得部と
を有し、
前記貨幣処理装置は、
前記第１の表示データ生成処理部により生成された前記第１の表示画像データに含まれる前記第１のコード情報を読み込むコードリーダーと、
前記コードリーダーにより読み込まれた前記第１のコード情報に応じた前記貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御部と、
ユーザによる前記操作入力を前記端末装置にて行わせるための情報を示す第２のコード情報を生成する第２のコード生成処理部と、
前記第２のコード生成処理部により生成された前記第２のコード情報を含む第２の表示画像データを生成する第２の表示データ生成処理部と
を有し、
前記端末装置は、
前記画像取得部により取得された前記画像に含まれる前記第２のコード情報に基づいて、前記ユーザによる前記操作入力を支援するための処理フェイズの遷移を制御する第１のフェイズ遷移制御部をさらに有することを特徴とする貨幣処理システム。

【請求項2】

端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置を含んで構成される貨幣処理システムであって、
前記端末装置は、
前記貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得部と、
前記操作入力取得部により取得された認証情報に基づいて認証処理を行う第１の認証処理部と、
前記操作入力取得部により取得された前記操作入力に対応して前記第１の認証処理部による認証処理結果を含む第１のコード情報を生成する第１のコード生成処理部と、
前記第１のコード生成処理部により生成された前記第１のコード情報を含む第１の表示画像データを生成する第１の表示データ生成処理部と
を有し、
前記貨幣処理装置は、
前記第１の表示データ生成処理部により生成された前記第１の表示画像データに含まれる前記第１のコード情報を読み込むコードリーダーと、
前記コードリーダーにより読み込まれた前記第１のコード情報に応じた前記貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御部と、
前記コードリーダーにより読み込まれた前記第１のコード情報に基づいて、認証処理を行う第２の認証処理部と
を有することを特徴とする貨幣処理システム。

【請求項3】

請求項１に記載の貨幣処理システムであって、
前記端末装置は、
前記操作入力取得部により取得された認証情報に基づいて認証処理を行う第１の認証処理部をさらに有し、
前記第１のコード生成処理部は、前記第１の認証処理部による認証処理結果を含む前記第１のコード情報を生成し、
前記貨幣処理装置は、
前記コードリーダーにより読み込まれた前記第１のコード情報に基づいて、認証処理を行う第２の認証処理部をさらに有する
ことを特徴とする貨幣処理システム。

【請求項4】

請求項２または請求項３のいずれか１項に記載の貨幣処理システムであって、
前記端末装置の前記第１のコード生成処理部は、前記端末装置の識別情報を、前記第１の認証処理部による認証処理結果にさらに加えた前記第１のコード情報を生成する
ことを特徴とする貨幣処理システム。

【請求項5】

請求項２から請求項４のいずれか１項に記載の貨幣処理システムであって、
前記貨幣処理装置は、前記コードリーダーにより読み込まれた前記第１のコード情報に基づいて、前記貨幣処理における処理フェイズの遷移を制御する第２のフェイズ遷移制御部をさらに有し、
前記第２のフェイズ遷移制御部は、前記第２の認証処理部による認証処理結果に基づいて、前記貨幣処理における処理フェイズの遷移を制御する
ことを特徴とする貨幣処理システム。

【請求項6】

端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置を含んで構成される貨幣処理システムの貨幣処理方法であって、
前記端末装置は、
前記貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得ステップと、
前記操作入力取得ステップの処理により取得された前記操作入力に対応する第１のコード情報を生成する第１のコード生成ステップと、
前記第１のコード生成ステップの処理により生成された前記第１のコード情報を含む第１の表示画像データを生成する第１の表示データ生成ステップと、
画像を取得する画像取得ステップと
を含む処理を実行し、
前記貨幣処理装置は、
前記端末装置の前記第１の表示データ生成ステップの処理により生成された前記第１の表示画像データに含まれる前記第１のコード情報を読み込むコード読み込みステップと、
前記コード読み込みステップの処理により読み込まれた前記第１のコード情報に応じた前記貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御ステップと、
ユーザによる前記操作入力を前記端末装置にて行わせるための情報を示す第２のコード情報を生成する第２のコード生成ステップと、
前記第２のコード生成ステップの処理により生成された前記第２のコード情報を含む第２の表示画像データを生成する第２の表示データ生成ステップと
を含む処理を実行し、
前記端末装置は、
前記画像取得ステップの処理により取得された前記画像に含まれる前記第２のコード情報に基づいて、前記ユーザによる前記操作入力を支援するための処理フェイズの遷移を制御するフェイズ遷移制御ステップ
を含む処理をさらに実行することを特徴とする貨幣処理方法。

【請求項7】

端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置を含んで構成される貨幣処理システムの貨幣処理方法であって、
前記端末装置は、
前記貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得ステップと、
前記操作入力取得ステップの処理により取得された認証情報に基づいて認証処理を行う第１の認証処理ステップと、
前記操作入力取得ステップの処理により取得された前記操作入力に対応して前記第１の認証処理ステップの認証処理結果を含むコード情報を生成するコード生成ステップと、
前記コード生成ステップの処理により生成された前記コード情報を含む表示画像データを生成する表示データ生成ステップと
を含む処理を実行し、
前記貨幣処理装置は、
前記端末装置の前記表示データ生成ステップの処理により生成された前記表示画像データに含まれる前記コード情報を読み込むコード読み込みステップと、
前記コード読み込みステップの処理により読み込まれた前記コード情報に応じた前記貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御ステップと、
前記コード読み込みステップの処理により読み込まれた前記コード情報に基づいて、認証処理を行う第２の認証処理ステップと
を含む処理を実行することを特徴とする貨幣処理方法。

【請求項8】

貨幣処理システムを構成する端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記端末装置において、
前記貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得ステップと、
前記操作入力取得ステップの処理により取得された前記操作入力に対応する第１のコード情報を生成する第１のコード生成ステップと、
前記第１のコード生成ステップの処理により生成された前記第１のコード情報を含む第１の表示画像データを生成する第１の表示データ生成ステップと、
画像を取得する画像取得ステップと
を含む処理を実行させ、
前記貨幣処理装置において、
前記端末装置の前記第１の表示データ生成ステップの処理により生成された前記第１の表示画像データに含まれる前記第１のコード情報を読み込むコード読み込みステップと、
前記コード読み込みステップの処理により読み込まれた前記第１のコード情報に応じた前記貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御ステップと、
ユーザによる前記操作入力を前記端末装置にて行わせるための情報を示す第２のコード情報を生成する第２のコード生成ステップと、
前記第２のコード生成ステップの処理により生成された前記第２のコード情報を含む第２の表示画像データを生成する第２の表示データ生成ステップと
を含む処理を実行させ、
前記端末装置において、
前記画像取得ステップの処理により取得された前記画像に含まれる前記第２のコード情報に基づいて、前記ユーザによる前記操作入力を支援するための処理フェイズの遷移を制御するフェイズ遷移ステップ
を含む処理をさらに実行させることを特徴とするプログラム。

【請求項9】

貨幣処理システムを構成する端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記端末装置において、
前記貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得ステップと、
前記操作入力取得ステップの処理により取得された認証情報に基づいて認証処理を行う第１の認証処理ステップと、
前記操作入力取得ステップの処理により取得された前記操作入力に対応して前記第１の認証処理ステップの認証処理結果を含むコード情報を生成するコード生成ステップと、
前記コード生成ステップの処理により生成された前記コード情報を含む表示画像データを生成する表示データ生成ステップと
を含む処理を実行させ、
前記貨幣処理装置において、
前記端末装置の前記表示データ生成ステップの処理により生成された前記表示画像データに含まれる前記コード情報を読み込むコード読み込みステップと、
前記コード読み込みステップの処理により読み込まれた前記コード情報に応じた前記貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御ステップと、
前記コード読み込みステップの処理により読み込まれた前記コード情報に基づいて、認証処理を行う第２の認証処理ステップと
を含む処理を実行させることを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、貨幣処理システム、および、貨幣処理方法、並びに、プログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

銀行等の金融機関やスーパーマーケット等の小売り施設に設置され、貨幣の入金処理を含む種々の処理が可能な出納機として、貨幣処理装置が広く用いられている。貨幣処理装置には、タッチパネル等の入出力デバイスが備えられ、ユーザの操作を補助する情報を表示したり、操作入力を受けることができるようになされている。

【0003】

例えば、スーパーマーケット等の小売り施設に設置されている貨幣処理装置においては、両替処理、つり銭準備金のための出金処理、または、レジを締めた後の入金処理などが可能であり、例えば、入金処理においては、タッチパネルに表示された情報を基にメニュー選択が行われ、タッチパネルを用いて、認証処理のための入力や、入金伝票情報が入力され、所定の投入部に紙幣や硬貨が投入されたのち、投入された紙幣や硬貨の計数処理が行われるようになされている（例えば、特許文献１）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開２０１８－１２９０６７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

上述した貨幣処理装置においては、例えば、タッチパネルに認証処理のための操作入力を促すための情報が表示されて、ユーザがタッチパネルを用いて所定の情報を入力することにより、ユーザ認証処理が行われ、正しく認証が行われたのち、メニュー選択画面が表示される。

【0006】

上述した貨幣処理装置においては、認証処理が正しく行われた後、ユーザにより、例えば、入金処理が選択された場合、レジID、伝票金額、損券損貨、現金外項目に関する情報などが入力され、紙幣や硬貨などの現金が装置の所定の投入部に投入されて、計数処理が実行される。また、両替時などにおいても、同様の操作入力が必要である。

【0007】

このように、従来の貨幣処理装置においては、認証処理のために認証情報を入力したり、またその後の処理においても入金や両替等の処理に必要な入力内容が多く、煩雑であった。このため、例えば、商業施設等の閉店後に、入金処理のために多くのユーザ（店舗従業員など）が並んで入力を待つ必要があるなどの問題が発生していた。

【0008】

また、タッチパネル等の入力デバイスは、不特定多数のユーザが操作入力のために触る必要があり、感染症対策等の観点においても課題がある。

【0009】

そこで、本発明は、前記課題を解決すること、すなわち、利便性を向上させた貨幣処理システム、および、貨幣処理方法、並びに、プログラムを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0010】

本発明の貨幣処理システムの一側面は、端末装置が、貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得部と、操作入力取得部により入力された操作入力に対応する第１のコード情報を生成する第１のコード生成処理部と、第１のコード生成処理部により生成された第１のコード情報を含む第１の表示画像データを生成する第１の表示データ生成処理部とを有し、貨幣処理装置は、第１の表示データ生成処理部により生成された第１の表示画像データに含まれる第１のコード情報を読み込むコードリーダーと、コードリーダーにより読み込まれた第１のコード情報に応じた貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御部とを有することを特徴とする。

【0011】

本発明の貨幣処理方法の一側面は、端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置を含んで構成される貨幣処理システムの貨幣処理方法であって、端末装置は、貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得ステップと、操作入力取得ステップの処理により取得された操作入力に対応するコード情報を生成するコード生成ステップとコード生成ステップの処理により生成されたコード情報を含む表示画像データを生成する表示データ生成ステップとを含む処理を実行し、貨幣処理装置は、表示データ生成ステップの処理により生成された表示画像データに含まれるコード情報を読み込むコード読み込みステップと、コード読み込みステップの処理により読み込まれたコード情報に応じた貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御ステップとを含む処理を実行することを特徴とする。

【0012】

本発明のプログラムの一側面は、貨幣処理システムを構成する端末装置および貨幣処理を実行する貨幣処理装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、端末装置において、貨幣処理を実行させるために必要な操作入力を取得する操作入力取得ステップと、操作入力取得ステップの処理により取得された操作入力に対応するコード情報を生成するコード生成ステップとコード生成ステップの処理により生成されたコード情報を含む表示画像データを生成する表示データ生成ステップとを含む処理を実行させ、貨幣処理装置において、表示データ生成ステップの処理により生成された表示画像データに含まれるコード情報を読み込むコード読み込みステップと、コード読み込みステップの処理により読み込まれたコード情報に応じた貨幣処理の実行を制御する貨幣処理制御ステップとを含む処理を実行させることを特徴とする。

【発明の効果】

【0013】

本発明によれば、貨幣処理システムの利便性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】貨幣処理システム１について説明するための図である。

【図2】端末装置１１の機能構成を示す機能ブロック図である。

【図3】端末装置１１の認証情報入力画面の一例を示す図である。

【図4】端末装置１１のメニュー画面の一例を示す図である。

【図5】端末装置１１の入力画面の一例を示す図である。

【図6】端末装置１１に表示されるコードについて説明するための図である。

【図7】貨幣処理装置１２の機能構成を示す機能ブロック図である。

【図8】貨幣処理装置１２の表示画面について説明するための図である。

【図9】端末装置１１の表示画面について説明するための図である。

【図10】フリック操作、および、ドロップダウンリスト操作について説明するための図である。

【図11】端末装置１１の表示画面について説明するための図である。

【図12】貨幣処理システム１の処理について説明するためのフローチャートである。

【図13】貨幣処理システム１の処理について説明するためのフローチャートである。

【図14】貨幣処理システム１の処理について説明するためのフローチャートである。

【図15】貨幣処理装置１２の表示画面について説明するための図である。

【図16】貨幣処理装置１２の表示画面について説明するための図である。

【図17】端末装置１１の表示画面について説明するための図である。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、本発明の一実施の形態の貨幣処理システム、および、貨幣処理方法、並びに、プログラムについて、図を参照しながら説明する。

【0016】

図１を参照し、本発明の一実施例である貨幣処理システム１の概要について説明する。

【0017】

貨幣処理システム１は、端末装置１１と貨幣処理装置１２を含んで構成される。

【0018】

端末装置１１と貨幣処理装置１２は、それぞれ、例えば、QRコード（登録商標）などの２次元コードやバーコードなどの所定のコードを生成して表示する機能と、それぞれのコード読み込む機能を有している。

【0019】

端末装置１１は、ユーザの入力情報をコード化して表示することができ、端末装置１１に表示されたコードを貨幣処理装置１２に読み込ませることにより、端末装置１１に対してユーザが入力した情報に基づく貨幣処理を、貨幣処理装置１２に実行させることができる。

【0020】

また、従来、貨幣処理装置１２においてタッチパネル等の入力デバイスを用いて行われていた操作入力においても、貨幣処理装置１２が、同等の操作入力を端末装置１１において実行させるための情報を含むコードを生成して表示させることができる。ユーザは、貨幣処理装置１２に表示されたコードを端末装置１１に読み込ませて、同等の操作入力を端末装置１１において実行し、操作入力内容をコード化して、端末装置１１に表示させ、貨幣処理装置１２に読み込ませることができる。

【0021】

すなわち、図１の貨幣処理システム１においては貨幣処理装置１２と端末装置１１間において、２次元コードなどの所定のコードを利用して、貨幣処理装置１２への操作入力を、端末装置１１のみで実行可能なようになされている。

【0022】

端末装置１１は、情報を入力する入力デバイス、および、情報を表示する表示デバイスを備え、所定のアプリケーションを起動することにより、図２を用いて後述する所定の機能を実現する。端末装置１１の入力デバイスが有する機能には、画像を取得するカメラ等の画像情報入力機能が含まれる。端末装置１１は、例えば、スマートフォンやタブレット装置などのモバイル端末であると好適である。また、端末装置１１としては、パーソナルコンピュータなど、入力デバイスと表示デバイスを含む、または、入力デバイスと表示デバイスを制御して利用することが可能であり、かつ、図２を用いて後述する所定の機能を実現することが可能な他の端末を用いることも可能である。

【0023】

貨幣処理装置１２は、銀行等の金融機関やスーパーマーケット等の小売り施設に設置されるものであり、貨幣の入金処理を含む種々の処理が可能な出納機として動作可能なものである。具体的には、貨幣処理装置１２は、バラ紙幣の入出金処理等を行う紙幣処理、バラ硬貨の入出金処理等を行う硬貨処理、包装硬貨の出金処理等を行う棒金出金処理、特定の金券の収納処理を行う金券処理などの処理が可能なように構成されている。また、貨幣処理装置１２は、紙幣、硬貨、商品券等以外のもの、または、損券損貨と判断されたものを格納可能なポストをさらに備えることができる。

【0024】

貨幣処理装置１２は、コードリーダー５１、入出力部５２、紙幣処理ユニット５３、硬貨処理ユニット５４、棒金出金ユニット５５、および、ポスト５６を含んで構成されている。また、貨幣処理装置１２には、各部を制御する制御部（図７を用いて後述）、および、情報を記憶する記憶部（図７を用いて後述）が設けられている。入出力部５２～ポスト５６の機能は、従来の貨幣処理装置と同等である。

【0025】

コードリーダー５１は、カメラ等の画像入力デバイスを含み、例えば、図６を用いて後述する、端末装置１１の表示部２３に表示されるコード等を読み込むことができる。コードリーダー５１は、端末装置１１に表示されているコード情報の画像を取得した場合、コード情報の画像を、後述する制御部のコード読み取り処理部に供給する。

【0026】

入出力部５２は、従来の貨幣処理装置と同様の入出力操作を実現可能とするものであり、キーボードなどの入力デバイス、液晶ディスプレイやプリンタ５２－ａなどの出力デバイス、タッチパネルなどの入出力デバイス、または、カードリーダ等の所定のデバイスが適宜組み合わされて設けられている。ここでは、入出力デバイスとして、タッチパネルが設けられているものとして説明する。入出力部５２は、ユーザからの操作入力を受けた場合、操作入力に対応する情報を、後述する制御部の入力取得部に供給する。

【0027】

紙幣処理ユニット５３は、バラ紙幣の入出金処理等を行うユニットである。紙幣処理ユニット５３には、紙幣入出口６１と紙幣リジェクト口６２とが設けられている。
紙幣入出口６１では、入金処理時に操作者によりバラ紙幣が外部から投入され、出金処理時に内部からバラ紙幣が取り出し可能に繰り出される。紙幣リジェクト口６２では、入金処理時に入金されたバラ紙幣の中から偽紙幣あるいは汚損紙幣等と判別されたリジェクト紙幣が取り出し可能に繰り出される。

【0028】

硬貨処理ユニット５４は、バラ硬貨の入出金処理等を行うユニットである。硬貨処理ユニット５４には、硬貨入金口６３、硬貨リジェクト口６４、および硬貨出金口６５とが設けられている。硬貨入金口６３において、入金処理時に操作者によりバラ硬貨が外部から投入される。硬貨リジェクト口６４において、入金処理時に入金されたバラ硬貨の中から偽硬貨あるいは汚損硬貨等と判別されたリジェクト硬貨が取り出し可能に繰り出される。硬貨出金口６５において、バラ硬貨の出金処理時に内部からバラ硬貨が取り出し可能に繰り出される。

【0029】

棒金出金ユニット５５は、包装硬貨の出金処理等を行うユニットである。棒金出金ユニット５５には、包装硬貨の出金処理時に内部から包装硬貨を取り出し可能に繰り出される棒金出金口６６が設けられている。

【0030】

ポスト５６は、汚損紙幣または汚損硬貨等と判別された場合など、上述した各部に格納することができなかったものや、特定の金券などを格納するためのユニットである。ポスト５６には、内部の収納部へ所定の物品を格納するための引出部６８が設けられている。

【0031】

貨幣処理装置１２は、上述した機能に加えて、図７を用いて後述する所定の機能を実現することが可能なものである。

【0032】

また、貨幣処理装置１２の構成はこれに限らず、例えば、棒金出金ユニット５５、または、ポスト５６のうちのいずれか一部を含まない構成であっても良い。

【0033】

図２は、端末装置１１が有する機能構成を示す機能ブロック図である。これらの機能は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などに、所定のアプリケーションをインストールし、そのアプリケーションを起動した場合に実現可能である。

【0034】

以下、端末装置１１として、スマートフォンを利用した場合を主な例として説明する。

【0035】

端末装置１１は、画像取得部２１、操作入力部２２、表示部２３、記憶部２４、および制御部２５の機能を含んで構成されている。制御部２５は、コード読み取り処理部３１、OCR処理部３２、操作入力取得部３３、フェイズ遷移制御部３４、認証処理部３５、コード生成処理部３６、および表示データ生成処理部３７の機能を含んで構成されている。

【0036】

画像取得部２１は、例えば、カメラなどの画像入力デバイスを有し、貨幣処理装置１２に表示される、例えば、２次元コードなどの所定のコードの画像情報を取得し、制御部２５のコード読み取り処理部３１に供給する。画像取得部２１はまた、対象のレジで締めを行った際に出力されるレジジャーナルの所定の数値情報が含まれた画像データを取得し、制御部２５のOCR処理部３２に供給する。

【0037】

操作入力部２２は、各種ボタンやタッチパネルなどの入力デバイスを含んで構成され、ユーザからの操作入力を、制御部２５の操作入力取得部３３に供給する。

【0038】

表示部２３は、液晶ディスプレイやタッチパネルなどの表示デバイスを含んで構成され、制御部２５の表示データ生成処理部３７により生成された表示画像データを表示させる。端末装置１１として、スマートフォンを利用した場合、操作入力部２２と表示部２３は、一体化して構成されている。

【0039】

記憶部２４は、端末装置１１の動作に必要な各種情報を記憶するものであり、制御部２５と、情報を授受する。

【0040】

制御部２５は、端末装置１１の動作を制御するものであり、記憶部２４に記憶されている所定のアプリケーションをロードして実行することにより、図２に示される所定の機能を実行することができる。

【0041】

コード読み取り処理部３１は、画像取得部２１から供給された、例えば、２次元コードなどの所定のコードを読み取って情報を取得し、操作入力取得部３３に供給する。

【0042】

OCR処理部３２は、画像取得部２１から供給された、例えば、対象のレジで締めを行った際に出力されるレジジャーナルの所定の数値情報が含まれた画像データに対する文字認識処理を実行し、認識された文字情報を、操作入力取得部３３に供給する。

【0043】

操作入力取得部３３は、操作入力部２２、コード読み取り処理部３１、またはOCR処理部３２から供給されたユーザの各種入力情報を取得し、認証に関する情報は認証処理部３５へ、他の情報は、フェイズ遷移制御部３４に供給する。

【0044】

フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３、または、認証処理部３５から供給された情報に基づいて、ユーザによる操作入力を支援するための処理フェイズの遷移を制御する。フェイズ遷移制御部３４によるフェイズ遷移の詳細については、後述する。

【0045】

認証処理部３５は、フェイズ遷移制御部３４の制御に基づいて、操作入力取得部３３から供給された認証情報に基づいて、認証処理を実行し、認証処理結果をフェイズ遷移制御部３４に供給する。

【0046】

なお、認証処理結果は、コード化された情報に含まれて、貨幣処理装置１２に読み取られるが、その認証情報に、端末装置１１固有の装置ナンバー等の識別情報を含ませることにより、貨幣処理装置１２において、端末装置１１が正当なものか、ユーザと端末装置１１の組み合わせが正当なものかを判定させることができるようにしてもよい。また、これにより、所定の端末装置１１で生成された情報のみを貨幣処理装置１２が受付可能なようにすることができる。また、認証情報には、例えば、コード固有の情報や、コード生成日時などの情報を含ませるようにしてもよい。また、認証情報にコード生成日時の情報が含まれる場合、貨幣処理装置１２において認識可能なコードの有効期限を、例えば、○○時間後内、当日中、翌日までなどと定めるようにしてもよい。これにより、貨幣処理システム１のセキュリティー能力をより向上させることができる。

【0047】

コード生成処理部３６は、フェイズ遷移制御部３４の制御に基づいて、ユーザの操作入力内容を示す、例えば、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給する。

【0048】

表示データ生成処理部３７は、例えば、フェイズ遷移制御部３４の制御に基づいて、図３～図６を用いて後述するような表示画像データを表示部２３に表示させるための表示データを生成し、表示部２３に供給し表示させる。

【0049】

なお、端末装置１１として、例えば、パーソナルコンピュータなど、モバイル端末以外の据え置きタイプの装置を用いる場合については、コード生成処理部３６により生成されたコード情報を、プリンタ等の印字出力装置にて出力させるようにしてもよい。なお、この場合、印刷されたコードを第三者が利用することを防止するため、コードに含まれる認証処理結果とは別に、貨幣処理装置１２操作時に、新たに認証処理を必要とするようなフェイズ管理とすることができる。

【0050】

次に、フェイズ遷移制御部３４によるフェイズ遷移について説明する。

【0051】

フェイズ遷移制御部３４は、例えば、操作入力取得部３３から供給された情報が、アプリケーションの起動の指令を示すものであった場合、認証処理フェイズを実行させるための制御、具体的には、例えば、図３に示す認証情報入力画面を表示させるための制御情報を、表示データ生成処理部３７に供給するとともに、認証処理部３５を制御して、認証処理を実行させる。ユーザは、図３に示す認証処理入力画面に対して、必要な認証情報を入力する。認証情報には、パスワード以外にも、例えば、オペレータＩＤ、レジ番号、または、テナント番号などの情報が含まれていてもよい。また、これらの認証情報は、１つの入力画面ではなく、複数の異なる入力画面において入力されるものとしてもよい。なお、ここでは、図３に示す認証情報入力画面を用いてユーザの認証処理を行うものとして説明したが、ユーザの認証処理は、例えば、顔認証や指紋認証などの生体認証等、他の方法で行うものとしてもよい。

【0052】

また、フェイズ遷移制御部３４は、例えば、認証処理部３５から認証結果の供給を受けた場合、認証結果に基づいて、フェイズを遷移する。フェイズ遷移制御部３４は、認証処理が正しく行われなかった場合、表示データ生成処理部３７を制御して、エラーメッセージに対応する表示データを生成させ、表示部２３に供給させて、エラーメッセージを表示させる。また、フェイズ遷移制御部３４は、認証処理が正しく行われた場合、表示データ生成処理部３７を介して、例えば、図４に示すメニュー画面を表示部２３に表示する。図４のメニュー画面には、入金ボタン、出金ボタン、両替ボタン、業務ボタン表示／非表示ボタン、設定ボタン、パスワード変更ボタン、ログアウトボタンなどが設けられている。入金ボタンは、入金に必要な操作を行うボタン、出金ボタンは出金に必要な操作を行うボタン、両替ボタンは両替に必要な操作を行うボタンである。業務ボタン表示／非表示ボタンは、入金ボタン、出金ボタン、両替ボタンの表示と非表示を切り替えるボタン、設定ボタンは各種設定を行うボタンである。パスワード変更ボタンは、パスワードを変更するボタン、ログアウトボタンはログアウトを行うボタンである。

【0053】

また、フェイズ遷移制御部３４は、例えば、操作入力取得部３３から供給された情報が、図４に示すメニュー画面における入金メニューの選択の指令を示すものであった場合、図５に示す、伝票金額、入金される貨幣それぞれの数と金額、現金外入力などの項目を入力するための入金情報入力画面を表示データ生成処理部３７を介して、表示部２３に表示する。ユーザは、図５に示す入金情報入力画面に対して、入金伝票に対応する情報、すなわち、入金合計金額、現金入金の数や額、および現金外入力などの各項目の入力を行うことができる。操作入力取得部３３は、ユーザにより入力されたデータを、フェイズ遷移制御部３４に供給する。フェイズ遷移制御部３４は、必要に応じて、表示データ生成処理部３７を制御し、供給された情報を表示部２３に追加表示させる。

【0054】

また、ユーザは、図５に示す入金情報入力画面において、対象のレジで締めを行った際に出力されるレジジャーナルの所定の数値情報を画像入力により実行することを指令するためのOCR入力ボタン４１を選択することができる。フェイズ遷移制御部３４は、例えば、操作入力取得部３３から供給された情報が、OCR入力ボタン４１の選択を示すものであった場合、OCR処理部３２を制御して、画像取得部２１から供給された画像に対する文字認識処理を実行させる。OCR処理部３２は、文字認識処理を実行し、認識された文字情報を、操作入力取得部３３に供給する。操作入力取得部３３は、供給された情報を、フェイズ遷移制御部３４に供給する。フェイズ遷移制御部３４は、必要に応じて、表示データ生成処理部３７を制御し、供給された情報を表示部２３に追加表示させる。

【0055】

また、ユーザは、図５に示す入金情報入力画面において、入力内容を貨幣処理装置１２に入力するために用いる、例えば、２次元コードなどの所定のコードを生成することを指令するためのコード生成ボタン４２を選択することができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、コード生成ボタン４２の選択を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザの認証情報、および、入金情報に対応するコード情報を生成させ、表示データ生成処理部３７に供給させるとともに、表示データ生成処理部３７を制御して、図６に示すコード画像を含む表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。表示部２３に表示されるコード画像を含む表示画像には、２次元コード以外にも、例えば、コードの内容を示す情報（図６の例では、入金）、担当者名、または、コード生成日時などを表示させるようにしてもよい。端末装置１１への操作開始後、最初に作成される認証情報を含むコードを、事前入力コードと称するものとする。

【0056】

また、ユーザは、図５に示す入金情報入力画面において、図３に示す認証情報入力画面に遷移することを指令するための取消ボタン４３を選択することができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、取消ボタン４３の選択を示すものであった場合、表示データ生成処理部３７を制御して、認証情報入力画面を表示させる。

【0057】

また、ユーザは、図５に示す入金情報入力画面において、前画面に遷移することを指令するための戻るボタン４４を選択することができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、戻るボタン４４の選択を示すものであった場合、表示データ生成処理部３７を制御して、前の画面を表示部２３に表示させる。

【0058】

また、フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、図４に示すメニュー画面における出金ボタンの選択の指令を示すものであった場合、例えば、出金する金種とその数を入力するための、図示しない出金情報入力画面を、表示データ生成処理部３７を介して、表示部２３に表示する。ユーザは、出金情報の入力画面に対して、出金伝票に対応する情報、すなわち、出金する金種と金種ごとの数の入力を行うことができる。なお、金種や数の指定がない場合は、最小構成数による払い出しが行われるものとして処理される。操作入力取得部３３は、ユーザにより入力されたデータを、フェイズ遷移制御部３４に供給する。フェイズ遷移制御部３４は、必要に応じて、表示データ生成処理部３７を制御し、供給された情報を表示部２３に追加表示させる。

【0059】

この出金情報入力画面には、図５を用いて説明したコード生成ボタン４２と同様のコード生成ボタンが表示される。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、出金情報入力画面上のコード生成ボタンの選択を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザの認証情報、および出金情報に対応するコード情報を生成させ、表示データ生成処理部３７に供給させるとともに、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図６を用いて説明した場合と同様に、コード画像を含む表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。

【0060】

また、出金情報入力画面には、図５を用いて説明した取消ボタン４３、および戻るボタン４４と同様の、取消ボタン、および、戻るボタンが表示される。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、出金情報入力画面上の選択を示すものであった場合、各部を制御して、ユーザの操作入力に応じたフェイズ遷移を行う。

【0061】

また、フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、図４に示すメニュー画面における両替ボタンの選択の指令を示すものであった場合、例えば、両替の合計金額、および、金種とその数を入力するための両替情報入力画面を、表示データ生成処理部３７を介して、表示部２３に表示する。ユーザは、両替情報入力画面に対して、両替伝票に対応する情報、すなわち、両替合計金額、両替金種、および、金種ごとの数の入力を行うことができる。操作入力取得部３３は、ユーザにより入力されたデータを、フェイズ遷移制御部３４に供給する。フェイズ遷移制御部３４は、必要に応じて、表示データ生成処理部３７を制御し、供給された情報を表示部２３に追加表示させる。

【0062】

また、この両替情報入力画面には、図５を用いて説明したコード生成ボタン４２と同様のコード生成ボタンが表示される。フェイズ遷移制御部３４は、例えば、操作入力取得部３３から供給された情報が、両替情報入力画面上のコード生成ボタンの選択を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザの認証情報、および両替情報に対応するコード情報を生成させ、表示データ生成処理部３７を介して、例えば、図６を用いて説明した場合と同様に、コード画像を含む表示画像データを表示部２３に表示する。

【0063】

また、両替情報入力画面にも、図５を用いて説明した取消ボタン４３、および戻るボタン４４と同様の取消ボタン、および戻るボタンが表示される。フェイズ遷移制御部３４は、例えば、操作入力取得部３３から供給された情報が、これらのボタンの選択を示すものであった場合、各部を制御して、ユーザの操作入力に応じたフェイズ遷移を行う。

【0064】

なお、フェイズ遷移制御部３４は、両替する合計金額、および、金種とその数の入力値との整合が取れていない場合、コード生成ができないものとし、コード生成ボタンを表示させないようにしてもよい。
上述したようにフェイズ遷移制御部３４は、ユーザの入力によって表示画面を遷移させ、操作に応じた処理を各部を制御して実行させる。

【0065】

ユーザは、図６に示されるコード画像を貨幣処理装置１２に読み込ませることにより、従来の貨幣処理装置を直接操作して行っていた、認証処理、メニュー選択、入金伝票や現金外入金、あらかじめわかっている損券損貨の情報等の基本入力処理までの操作入力内容を、一度に、貨幣処理装置１２に入力させることができる。すなわち、これらの情報の入力のために一人のユーザに貨幣処理装置１２が束縛される時間を短縮することができるので、例えば、商業施設等の閉店後に、煩雑であった入金処理のために多くのユーザが並んで入力を待つ必要がなくなり、貨幣処理システム１の利便性が向上する。

【0066】

フェイズ遷移制御部３４は、例えば、操作入力取得部３３から供給された情報が、後述する処理により、貨幣処理装置１２において生成されたコードの、コード読み取り処理部３１による読み取り結果であった場合、そのコードが示す内容に従って、各部を制御する。貨幣処理装置１２において生成されたコードを読み取った場合の処理の詳細については、図９～図１１を用いて後述する。

【0067】

図７は、貨幣処理装置１２が有する機能構成を示す機能ブロック図である。

【0068】

貨幣処理装置１２は、図１を用いて説明した、コードリーダー５１、入出力部５２、紙幣処理ユニット５３、棒金出金ユニット５５、および、ポスト５６、並びに、各部を制御する制御部５８、および、情報を記憶し制御部５８と情報を授受する記憶部５９を有している。

【0069】

制御部５８は、コード読み取り処理部７１、入力取得部７２、認証処理部７３、フェイズ遷移制御部７４、コード生成処理部７５、表示データ生成処理部７６、および貨幣入出金処理制御部７７を有している。

【0070】

コード読み取り処理部７１は、コードリーダー５１から供給された、例えば、２次元コードなどの所定のコードを読み取って情報を取得し、入力取得部７２に供給する。

【0071】

入力取得部７２は、入出力部５２から供給された、または、コード読み取り処理部７１から供給された、ユーザの各種入力情報を取得し、認証に関する情報は認証処理部７３へ、他の情報は、フェイズ遷移制御部７４に供給する。

【0072】

認証処理部７３は、入力取得部７２から供給された認証情報に基づいて、認証処理を実行し、認証処理結果をフェイズ遷移制御部７４に供給する。なお、端末装置１１において生成される認証情報に、端末装置１１固有の装置ナンバー等の識別情報を含ませ、あらかじめ指定された端末装置１１が利用された場合以外は、貨幣処理装置１２の利用ができないようにすることも可能である。

【0073】

フェイズ遷移制御部７４は、入力取得部７２、または認証処理部７３から供給された情報に基づいて、ユーザによる操作入力を支援するための処理フェイズの遷移を制御する。

【0074】

例えば、端末装置１１において、認証情報入力画面（図３）により認証処理が行われたのち、メニュー画面（図４）により選ばれたメニューにおいて、入力画面（図５）で各種情報が入力され、その後、コード情報（図６）が生成されて表示された場合を例とすると、貨幣処理装置１２のコードリーダー５１においてコードの画像が入力されて、コード読み取り処理部７１により読み取られ、入力取得部７２に供給される。入力取得部７２は、供給された情報のうちの認証情報を認証処理部７３に供給するとともに、それ以外の情報、すなわち、入力画面（図５）で入力された各種情報をフェイズ遷移制御部７４に供給する。フェイズ遷移制御部７４は、入力取得部７２から、入力画面（図５）で入力された各種情報の供給を受けるとともに、認証処理部７３から、認証処理結果の供給を受ける。

【0075】

フェイズ遷移制御部７４は、認証処理が正しく行われなかった場合、表示データ生成処理部７６を制御して、エラーメッセージ等の表示を生成させる。また、フェイズ遷移制御部７４は、認証処理が正しく行われた場合、供給された他の情報に基づいて、表示データ生成処理部７６およびコード生成処理部７５を制御して、例えば、図８に示す、２次元コードなどの所定のコードを含む表示画像データを生成させ、入出力部５２に供給して表示出力させる。図８の表示画像とその詳細については後述する。また、例えば、フェイズ遷移制御部７４は、認証情報や、端末装置１１固有の装置ナンバー等の識別情報に基づいて、ユーザにより、可能な処理を制限するようにしてもよい。具体的には、フェイズ遷移制御部７４は、認証情報や、端末装置１１の識別情報に基づいて、端末装置１１が正当なものか、ユーザと端末装置１１の組み合わせが正当なものかを判定したり、貨幣処理装置１２において入出金を許可するユーザと、入金のみを許可するユーザとを区別したり、入出金の上限金額を設定し、表示データ生成処理部７６を制御して、メニュー画面の表示内容等を変更するようにしてもよい。

【0076】

また、フェイズ遷移制御部７４は、入金処理や出金処理など、紙幣処理ユニット５３、硬貨処理ユニット５４、棒金出金ユニット５５、または、ポスト５６などのうちのいずれかが利用されるフェイズである場合、これら各部のアクチュエータを制御するための制御信号を生成して、貨幣入出金処理制御部７７に供給するとともに、貨幣入出金処理制御部７７から、それらの動作の終了の通知を受け、これらの通知内容に基づいて、さらに、次のフェイズに移行するなどの処理を行う。

【0077】

コード生成処理部７５は、フェイズ遷移制御部７４の制御に基づいて、端末装置１１のユーザによる操作入力を行うためのタブやボタン等に対応する、例えば、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部７６に供給する。また、コード生成処理部７５は、フェイズ遷移制御部７４の制御に基づいて、例えば、端末装置１１において、ユーザが数値の訂正入力を行うために必要な各種情報に対応する、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部７６に供給する。

【0078】

表示データ生成処理部７６は、フェイズ遷移制御部７４の制御に基づいて、例えば、図８に示す表示画像データを生成し、入出力部５２に供給して表示出力させる。

【0079】

貨幣入出金処理制御部７７は、フェイズ遷移制御部７４の制御に基づいて、入金処理や出金処理など、紙幣処理ユニット５３、硬貨処理ユニット５４、棒金出金ユニット５５、またはポスト５６などのうちのいずれかが利用されるフェイズにおいて、これら各部のアクチュエータを制御して、例えば、紙幣入出口６１～引出部６８のうちのいずれか対応する部分の開口部を開閉させたり、紙幣入出口６１～引出部６８のうちのいずれかの格納部内部に備えられた各種センサ入力を監視するなどし、それらの動作の完了やセンサ入力の有無を、フェイズ遷移制御部７４に供給する。

【0080】

次に、図８を参照して、貨幣処理装置１２に表示される２次元コードなどの所定のコードを含む表示画像について説明する。

【0081】

図８に示される表示画面は、従来の貨幣処理装置における場合と基本的に同様の、入金処理における情報入力画面である。貨幣処理装置１２においては、従来と同様にして、タッチパネル（図８上の「取消」、「紙幣返却」等）などの入出力部５２を用いて、ユーザにより、操作入力が可能である。一方、表示画面に表示されている、例えば、２次元コードなどのコード情報を端末装置１１において読み込むことにより、タッチパネルなどの入出力部５２を用いて行うのと同様の操作入力を、端末装置１１において実行することが可能なようになされている。

【0082】

例えば、図８の表示画面には、ユーザが貨幣処理装置１２に触れることなく、端末装置１１を用いて、貨幣処理装置１２への操作入力を行わせるために必要な情報を端末装置１１に供給するためのコード１０１と、現在貨幣処理装置において取得されている数値情報に対して修正入力するための入力画面を端末装置１１に表示させるためのコード１０２が表示される。

【0083】

（コード１０１について）
ユーザが、端末装置１１を用いて、コード１０１を読み取った場合、端末装置１１において、コード読み取り処理部３１によりコード１０１の内容が読み取られて、操作入力取得部３３を介して、フェイズ遷移制御部３４に供給される。すなわち、フェイズ遷移制御部３４には、コード１０１に含まれていた貨幣処理装置１２への操作入力を行わせるために必要な情報、換言すれば、図８の表示画面においてユーザにより操作可能なタブやボタンに対応する情報、現在入力済みの数値情報、および、機械計数結果に対応する数値情報を含む情報が供給される。フェイズ遷移制御部３４は、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図９に示す、操作可能なタブやボタンなどを含む表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。

【0084】

コード１０１が読み取られることにより、図９に示すように、端末装置１１の表示部２３には、図８の表示画面において操作可能なタブに対応する各種ボタンが表示される。この例では、タブ切り替え対応ボタン表示エリア１１１、図８の表示画面において操作可能なボタンのうち、計数開始を指令するためのボタンが表示される計数開始ボタン表示エリア１１２、図８の表示画面において操作可能なボタンのうち、返却に関する動作を指令するためのボタンが表示される返却ボタン表示エリア１１３、および、その他の操作入力に対応するボタンが表示される操作ボタン表示エリア１１４を含む操作入力画面が表示される。操作ボタン表示エリア１１４には、ログイン画面に戻るための取消ボタンや、１画面前に戻るための戻るボタンなどの、端末装置１１における操作を行うためのボタンに加えて、現在、貨幣処理装置１２において入力されている数値を訂正するための訂正ボタン１２１が設けられている。

【0085】

端末装置１１のフェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、タブ切り替え対応ボタン表示エリア１１１に表示されている、いずれかのタブに対応するボタンの押下を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザにより選択されたタブを示す、例えば、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給して表示部２３に表示させる。端末装置１１の表示部２３に表示されたこのコードを貨幣処理装置１２に読み込ませることで、端末装置１１の表示部２３に表示されたタブ切り替え対応ボタン表示エリア１１１に対する操作と同じ操作を、貨幣処理装置１２に対して実行させることができる。

【0086】

また、端末装置１１のフェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、計数開始ボタン表示エリア１１２に表示されている、いずれかのボタンの押下を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザにより選択された計数メニューを示す、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給して表示させる。なお、ユーザにより選択されたボタンを示すコード情報を読み取った貨幣処理装置１２の処理は、図８の表示画面において対応するボタンを操作された場合と同様であるので、その動作の説明は省略する。

【0087】

また、フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、返却ボタン表示エリア１１３に表示されている、いずれかのボタンの押下を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザにより選択された返却メニューを示す、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給して表示させる。なお、ユーザにより選択されたボタンを示すコード情報を読み取った貨幣処理装置１２の処理は、図８の表示画面において対応するボタンを操作された場合と同様であるので、その動作の説明は省略する。

【0088】

また、フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、操作ボタン表示エリア１１４の取消ボタン、または、戻るボタンの押下を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、取消ボタンまたは戻るボタンの選択を示す、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給して表示させる。なお、ユーザにより選択されたボタンを示すコード情報を読み取った貨幣処理装置１２の処理は、図８の表示画面において対応するボタンを操作された場合と同様であるので、その動作の説明は省略する。なお、ユーザが、端末装置１１の表示画面を変更したい場合は、例えば、ハードキー操作やスワイプ操作など、端末装置１１の各機種において対応する操作入力を行う。

【0089】

また、フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、操作ボタン表示エリア１１４の訂正ボタン１２１の押下を示すものであった場合、表示データ生成処理部３７を制御して、図５を用いて説明した数値入力画面に、現在入力済みの数値情報、および、機械計数結果が反映された表示画像データを生成させて表示させる。ユーザは、図５を用いて説明した場合と同様にして、必要な数値を訂正入力することが可能であるが、機械計数結果に関しては訂正することができないようになされている。ユーザは、機械計数結果以外の、必要な数値を訂正入力したのち、コード生成ボタン４２を選択することができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、コード生成ボタン４２の選択を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、必要な数値が訂正された入金情報に対応するコード情報を生成させ、表示データ生成処理部３７に供給させるとともに、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図６を用いて説明した場合と同様のコード画像を含む表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。

【0090】

また、図９を用いて説明した各エリアに含まれる操作ボタンは、フリック入力やドロップダウンリストを利用することにより、ユーザの操作性を向上させることができる。例えば、フェイズ遷移制御部３４は、表示データ生成処理部３７を制御して、計数開始ボタン表示エリア１１２に表示されている「紙幣」「硬貨」「紙幣硬貨」の各ボタンをまとめて、図１０（ａ）に示されるように、計数開始のボタン選択後のフリック用の選択メニューとして、「紙幣」「硬貨」「紙幣硬貨」のそれぞれを表示および操作入力可能なようにすることができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、「紙幣」「硬貨」「紙幣硬貨」のいずれであるかに基づいて、コード生成処理部３６を制御して、ユーザにより選択された計数メニューを示す、例えば、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給して表示部２３に表示させる。

【0091】

また、フェイズ遷移制御部３４は、表示データ生成処理部３７を制御して、操作ボタン表示エリア１１４の訂正ボタン１２１に対して、図１０（ｂ）に示されるように、「合計金額」「現金」「現外項目」「フル訂正」などのドロップダウンリストを表示および操作入力可能なようにすることができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、「合計金額」「現金」「現外項目」「フル訂正」のいずれであるかに基づいて、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図５を用いて説明した数値入力画面などの、必要な項目の数値を訂正入力するための表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。

【0092】

なお、タブ切り替え対応ボタン表示エリア１１１、および、返却ボタン表示エリア１１３に表示されている各種ボタンも、図１０（ａ）または（ｂ）を用いて説明した場合と同様に、フリック用の選択メニュー、または、ドロップダウンリストを用いた操作入力を行うものとしてもよい。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、タブ切り替え対応ボタン表示エリア１１１、または、返却ボタン表示エリア１１３に含まれているのと同様のいずれかボタンに対応するフリック選択メニューまたはドロップダウンリストの押下を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、ユーザにより選択されたタブ切り替え、または、返却メニューを示す、２次元コードなどの所定のコード情報を生成し、表示データ生成処理部３７に供給して表示部２３に表示させる。

【0093】

なお、図９においては、操作ボタン表示エリア１１４には、現在、貨幣処理装置１２において入力されている数値を訂正するための訂正ボタン１２１を設けるものとして説明したが、操作ボタン表示エリア１１４には訂正ボタン１２１を設けないようにしてもよい。この場合であっても、後述するコード１０２を読み取ることにより、端末装置１１を用いて、貨幣処理装置１２において入力されている数値を訂正することが可能である。また、この場合、コード１０１に含まれる貨幣処理装置１２への操作入力を行わせるために必要な情報には、図８の表示画面においてユーザにより操作可能なタブやボタンに対応する情報が含まれていれば良く、現在入力済みの数値情報、および、機械計数結果に対応する数値情報はコード１０１に含まれていなくてもよい。

【0094】

なお、ここでは、タブの変更の指令を、コード情報の読み取りにより、端末装置１１において指令可能なものとして説明したが、貨幣処理装置１２においては、複数のタブの表示内容を、タブ操作を行うことなく、一画面に表示させるようにしてもよい。また、表示方法を、複数のタブを用いる場合と、一画面で行う場合とで切り替え可能なようにしてもよい。

【0095】

具体的には、通常の複数タブを用いる場合よりも、文字等の表示を全体的に小さくすることにより、一画面に全ての情報を表示可能にすることができる。また、各タブに含まれる情報を、所定の速さでスクロールすることにより、タブ操作なしに全ての情報を表示可能にすることができる。さらに、各タブに含まれる情報を、所定の時間間隔で自動的に切り替えることにより、タブ操作なしに全ての情報を表示可能にすることができる。

【0096】

また、貨幣処理装置１２の表示データ生成処理部７６は、複数タブの場合のみならず、表示するべき情報が多い場合においても、表示情報の大きさの変更や、画面スクロールまたは画面切り替えの自動化により、ユーザが、貨幣処理装置１２に触れることなく、必要な情報をユーザに提示するものとしてもよい。これらの場合、文字等の表示の大きさ、スクロールの速さ、画面の分割数、または、自動の画面切り替えの早さなどは、適宜設定して変更することを可能とする。

【0097】

（コード１０２について）
ユーザが、端末装置１１を用いて、貨幣処理装置１２に表示された図８の表示画面上のコード１０２を読み取った場合、端末装置１１において、コード読み取り処理部３１によりコード１０２の内容が読み取られて、操作入力取得部３３を介して、フェイズ遷移制御部３４に供給される。すなわち、フェイズ遷移制御部３４には、コード１０２に含まれていた貨幣処理装置１２への操作入力を行わせるために必要な情報、換言すれば、図８の表示画面において表示されていた数値入力のための操作ボタンに対応する情報が供給される。

【0098】

端末装置１１のフェイズ遷移制御部３４は、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図１１に示す、数値入力のための操作ボタンを含む表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。ユーザは、図８の表示画面において表示されていた数値入力のための操作ボタンに代わって、図１１に示される数値入力のための操作ボタンに対して操作入力を行い、コード生成ボタンを選択することにより、上述した場合と同様にして、操作入力内容に対応するコード情報を生成させて表示部２３に表示させることができる。そして端末装置１１の表示部２３に表示されたコードを貨幣処理装置１２に読み込ませることで、端末装置１１の表示部２３の図１１に示した表示画面で入力した情報を、貨幣処理装置１２に提供し、図８の表示画面においてアクティブ状態の数値（例えば、カーソルが配置されていたり、ハイライト表示されている数値）を変更することができる。なお、図８の表示画面においてアクティブ状態の数値以外の数値を変更することが可能なように、コード１０２を読み取ることにより、図１１に示される数値入力のための操作ボタンのみならず、変更入力対象となる項目名を選択するためのボタンなどを表示させて操作可能とし、生成されるコードに、変更入力対象となる項目名と数値情報を含ませるようにしてもよい。

【0099】

また、ユーザが、端末装置１１を用いてコード１０２を読み取った場合、フェイズ遷移制御部３４は、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図５を用いて説明した場合と同様であり、かつ、既に入力された数値や機械計数結果が反映された表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させることができる。この場合、コード１０２には、現在入力済みの数値情報、および、機械計数結果に対応する数値情報を含む情報が含まれている。

【0100】

この場合においても、ユーザは、図５を用いて説明した場合と同様にして、必要な数値を訂正入力することが可能であるが、機械計数結果に関しては訂正することができないようになされている。ユーザは、機械計数結果以外の、必要な数値を訂正入力したのち、コード生成ボタン４２を選択することができる。フェイズ遷移制御部３４は、操作入力取得部３３から供給された情報が、コード生成ボタン４２の選択を示すものであった場合、コード生成処理部３６を制御して、必要な数値が訂正された入金情報に対応するコード情報を生成させ、表示データ生成処理部３７に供給させるとともに、表示データ生成処理部３７を制御して、例えば、図６を用いて説明した場合と同様の、コード画像を含む表示画像データを生成させ、表示部２３に供給して表示させる。

【0101】

次に、図１２～図１４のフローチャートを参照して、貨幣処理システム１の処理について説明する。なお、はじめに各フローチャートの処理を簡単に説明し、その後、具体例に基づいて説明する。

【0102】

端末装置１１において実行される処理を、図１２～図１４のフローチャートの左側に示し、貨幣処理装置１２において実行される処理を、その右側に示す。端末装置１１は、制御部２５を構成する各制御部（コード読み取り処理部３１～表示データ生成処理部３７）が処理を実行することで動作するが、ここでは説明を簡単にするために処理主体を制御部２５として説明する。貨幣処理装置１２における処理についても同様とする。

【0103】

ステップＳ１において、端末装置１１の制御部２５は、操作入力部２２を介してアプリケーション起動の指令を受け付けると、記憶部２４に記憶されている所定のアプリケーションを起動し、ステップＳ２において、認証処理画面を表示部２３に表示する。

【0104】

ステップＳ３において、制御部２５は、ユーザの操作入力部２２に対する操作入力により入力された認証情報を受け付け、ステップＳ４において、その認証情報に基づいて認証処理を実行し、正しく認証したか否かを判定する。

【0105】

ステップＳ４において、正しく認証できなかったと判定した場合、ステップＳ５において、制御部２５は、表示部２３に認証エラー通知画面を表示する。その後、処理は、ステップＳ２に戻り、それ以降の処理が繰り返される。

【0106】

ステップＳ４において、正しく認証できたと判定した場合、ステップＳ６において、制御部２５は、メニュー画面を表示部２３に表示する。また、制御部２５は、操作入力部２２から供給された情報に基づいて入金のための情報入力画面や出金や両替のための情報入力画面を表示部２３に表示する。

【0107】

ステップＳ７において、制御部２５は、ステップＳ６で表示したメニュー画面や情報入力画面を介して入力された各種情報を受け付け、ステップＳ８において、受け付けた情報に基づいて、コード生成が指令されたか否かを判定する。

【0108】

ステップＳ８において、コード生成が指令されていないと判定した場合、制御部２５は、ステップＳ６に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。ステップＳ８において、コード生成が指令されたと判定した場合、ステップＳ９において、制御部２５は、ユーザの認証情報と、入金情報等の入力内容に対応する事前入力コード情報を生成し、事前入力コード画像を含む表示画像を、表示部２３に表示する。

【0109】

ステップＳ１０において、貨幣処理装置１２の制御部５８は、事前入力コードを読み取ったか否かを判定し、事前入力コードを読み取っていないと判定した場合、事前入力コードを読み取ったと判定するまで、ステップＳ１０の処理を繰り返し実行する。

【0110】

ステップＳ１０において、事前入力コードを読み取ったと判定した場合（ユーザが端末装置１１の表示部２３に表示された事前入力コード画像を含む表示画像を、コードリーダー５１に読み取らせた場合）、ステップＳ１１において、貨幣処理装置１２の制御部５８は、コードリーダー５１から供給された、例えば、２次元コードなどの所定のコードの情報から、入力情報を取得する。

【0111】

ステップＳ１２において、制御部５８は、ステップＳ１１で取得したコード情報に含まれる認証情報に基づいて、認証処理を実行し、正しく認証できたか否かを判定する。

【0112】

ステップＳ１２において、正しく認証できなかったと判定した場合、ステップＳ１３において、制御部５８は、認証エラーを通知するための表示画像を入出力部５２に表示し、ユーザに認証エラーを通知する。その後、制御部５８は、ステップＳ１０に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。

【0113】

ステップＳ１２において、正しく認証できたと判定した場合、ステップＳ１４において、制御部５８は、ステップＳ１１で取得した情報に基づいて操作フェイズを検出する。

【0114】

ステップＳ１５において、制御部５８は、検出した操作フェイズに基づいてコード表示が必要なフェイズであるか否かを判定し、コード表示が必要なフェイズではないと判定した場合、後述するステップＳ１７に進む。

【0115】

ステップＳ１５において、コード表示が必要なフェイズであると判定した場合、ステップＳ１６において、制御部５８は、コード情報を生成する。

【0116】

ステップＳ１５において、コード表示が必要なフェイズではないと判定した場合、または、ステップＳ１６の処理の終了後、ステップＳ１７において、制御部５８は、検出した操作フェイズに対応する表示情報（ステップＳ１６を経由した場合はコード情報（図８の表示画面のコード１０１またはコード１０２）を含む）を入出力部５２に表示する。

【0117】

ユーザは、必要に応じて、端末装置１１に、貨幣処理装置１２に表示された図８の表示画面のコード１０１またはコード１０２を読み込ませることなどの必要な操作を継続する。

【0118】

ステップＳ１８において、端末装置１１の制御部２５は、例えば、図８に示す表示画面に表示されているコード１０１またはコード１０２などの所定のコードを読み取ったか否かを判定し、コードを読み取っていないと判定した場合、後述するステップＳ２２に進む。

【0119】

ステップＳ１８において、制御部２５は、コードを読み取ったと判定した場合、ステップＳ１９において、例えば、読み取った２次元コードなどの所定のコードの情報を取得し、ステップＳ２０において、取得したコードに対応する入力情報に基づいた操作フェイズを検出する。

【0120】

ステップＳ２１において、制御部２５は、検出した操作フェイズに基づく表示情報を表示部２３に表示する。

【0121】

ステップＳ２２において、制御部２５は、操作入力取得部３３に対する操作入力を受けたか否かを判定し、操作入力を受けていないと判定した場合、後述するステップＳ３８に進む。

【0122】

ステップＳ２２において、操作入力を受けたと判定した場合、ステップＳ２３において、制御部２５は、操作入力に基づいた処理を実行する。

【0123】

ステップＳ２４において、制御部２５は、操作入力で受け付けた情報に基づいて、コード表示が指令されたか否かを判定し、コード表示が指令されていないと判定した場合、後述するステップＳ３８に進む。

【0124】

ステップＳ２４において、コード表示が指令されたと判定した場合、ステップＳ２５において、制御部２５は、操作入力で受け付けた情報に基づいて、対応するコード情報を含む表示画像を表示部２３に表示する。

【0125】

ステップＳ２６において、貨幣処理装置１２の制御部５８は、端末装置１１において表示されているコードを読み取ったか否かを判定し、コードを読み取っていないと判定した場合、後述するステップＳ３２に進む。

【0126】

ステップＳ２６において、コードを読み取ったと判定した場合、ステップＳ２７において、制御部５８は、コードリーダー５１から供給された、２次元コードなどの所定のコードの情報から、入力情報を取得する。

【0127】

ステップＳ２８において、制御部５８は、ステップＳ２６において読み取ったコードに基づいた操作フェイズを検出する。

【0128】

ステップＳ２９において、制御部５８は、検出した操作フェイズに基づいてコード表示が必要なフェイズであるか否かを判定し、コード表示が必要なフェイズではないと判定された場合、後述するステップＳ３１に進む。

【0129】

ステップＳ２９において、コード表示が必要なフェイズであると判定した場合、ステップＳ３０において、制御部５８は、コード情報を生成する。

【0130】

ステップＳ２９において、コード表示が必要なフェイズではないと判定された場合、または、ステップＳ３０の処理の終了後、ステップＳ３１において、制御部５８は、検出されたフェイズに対応する表示情報を生成し、入出力部５２に表示する。

【0131】

ステップＳ２６において、コードが読み取られていないと判定された場合、または、ステップＳ３１の処理の終了後、ステップＳ３２において、制御部５８は、入金処理や出金処理など、紙幣処理ユニット５３、硬貨処理ユニット５４、棒金出金ユニット５５、または、ポスト５６などのうちのいずれかのアクチュエータの動作が必要なフェイズであるか否かを判定する。ステップＳ３２において、アクチュエータの動作が必要なフェイズではないと判定した場合、処理は、後述するステップＳ３４に進む。

【0132】

ステップＳ３２において、アクチュエータの動作が必要なフェイズであると判定した場合、ステップＳ３３において、制御部５８は、紙幣入出口６１～引出部６８のうちのいずれか対応する部分の開口部を開閉させるために、所定のアクチュエータを動作させる。

【0133】

ステップＳ３２において、アクチュエータの動作が必要なフェイズではないと判定された場合、または、ステップＳ３３の処理の終了後、ステップＳ３４において、制御部５８は、入金処理や出金処理など、紙幣処理ユニット５３、硬貨処理ユニット５４、棒金出金ユニット５５、または、ポスト５６などのうちのいずれかのセンサ入力待ちのフェイズであるか否かを判定する。ステップＳ３４において、センサ入力待ちのフェイズではないと判定した場合、制御部５８は、後述するステップＳ３６に進む。

【0134】

ステップＳ３４において、センサ入力待ちのフェイズであると判定した場合、ステップＳ３５において、制御部５８は、センサ入力を取得する。

【0135】

ステップＳ３４において、センサ入力待ちのフェイズではないと判定した場合、または、ステップＳ３５の処理の終了後、ステップＳ３６において、制御部５８は、フェイズ遷移するか否かを判定する。

【0136】

ステップＳ３６において、フェイズ遷移すると判定された場合、制御部５８は、ステップＳ１５に戻り、それ以降の処理を実行する。

【0137】

ステップＳ３６において、フェイズ遷移しないと判定された場合、ステップＳ３７において、貨幣処理装置１２の制御部５８は、処理終了であるか否かを判定し、処理終了ではないと判定された場合、ステップＳ１５に戻り、それ以降の処理を実行する。

【0138】

ステップＳ３８において、端末装置１１の制御部２５は、処理終了であるか否かを判定し、処理終了ではないと判定した場合、ステップＳ１８に戻り、それ以降の処理を実行する。

【0139】

ステップＳ３７およびステップＳ３８において、処理終了であると判定した場合、処理は終了する。

【0140】

次に、具体的な処理の例と、上述したフローチャートの処理を、対応付けて説明する。

【0141】

ユーザが、端末装置１１を用いて貨幣処理装置１２への操作入力を行う処理のためのアプリケーションを起動すると（ステップＳ１）、図３に示す認証情報入力画面が端末装置１１の表示部２３に表示される（ステップＳ２）。そしてユーザが認証情報入力画面に認証情報を入力すると認証処理が実行される（ステップＳ３，４）。認証に成功すると（ステップＳ４でYESの判定）、例えば、図４に示すメニュー画面が表示部２３に表示され（ステップＳ６）、図４に示すメニュー画面における所定のメニューのうち、入金ボタンがユーザにより選択されると（ステップＳ７）、この場合コード生成が指令されないので、ステップＳ８においてNoの判定がなされ、ステップＳ６に戻って図５に示す入金情報の入力画面が表示部２３に表示される。

【0142】

図５に示す情報入力画面において、ユーザが入力した各種情報を入力すると、その入力が受け付けられる（ステップＳ７）。

【0143】

また、表示部２３に表示された図４に示すメニュー画面（ステップＳ６）において、出金ボタンや両替ボタンが選択された場合（ステップＳ７の処理終了後、ステップＳ８でNoの判定）や、図５に示す情報入力画面（ステップＳ６）において、取消ボタン４３または戻るボタン４４が選択された場合（ステップＳ７の処理終了後、ステップＳ８でNoの判定）、それぞれの操作入力に対応する表示画面が表示される（ステップＳ６）。

【0144】

図５に示す情報入力画面のコード生成ボタン４２、または、図示しない出金画面や両替画面に表示されているコード生成ボタンが操作されると（ステップＳ８でYESの判定）、図３に示す認証情報入力画面に入力されたユーザの認証情報と、図５に示す情報入力画面等に入力された入金情報等の入力内容に対応する事前入力コード情報が生成され、図６に示す事前入力コード画像を含む表示画像が表示部２３に表示される（ステップＳ９）。

【0145】

ユーザが、端末装置１１の表示部２３に表示された事前入力コードを、貨幣処理装置１２のコードリーダー５１に読み込ませると（ステップＳ１０でYESの判定）、貨幣処理装置１２において、事前入力コードの情報（認証情報、入金情報等）が取得される（ステップＳ１１）。取得された事前入力コードの情報の認証情報に基づいて認証処理が実行され（ステップＳ１２）、認証に成功した場合（ステップＳ１２でYESの判定）、コードに基づいた操作フェイズが検出される（ステップＳ１４）。

【0146】

例えば、ユーザが、端末装置１１の表示部２３に表示された図４に示すメニュー画面における所定のメニューのうち、入金ボタンを選択した場合（ステップＳ７）、図８に示す表示画面の表示処理フェイズが、コードに基づく操作フェイズとして検出される（ステップＳ１４）。また、ユーザが、出金ボタンを選択した場合（ステップＳ７）、図示しない出金処理のための表示画面の表示処理フェイズが、コードに基づく操作フェイズとして検出される（ステップＳ１４）。また、ユーザが、両替ボタンを選択した場合（ステップＳ７）、図示しない両替処理のための表示画面の表示処理フェイズが、コードに基づく操作フェイズとして検出される（ステップＳ１４）。

【0147】

図８に示す表示画面の表示処理フェイズが、コードに基づく操作フェイズとして検出された場合、図８に示す表示画面にはコード１０１およびコード１０２が存在するので、コード表示が必要であると判定され（ステップＳ１５）、コード１０１とコード１０２の情報が生成され（ステップＳ１６）、図８に示す表示画面に組み込まれて、入出力部５２に表示される（ステップＳ１７）。

【0148】

図８に示す表示画面が表示された状態において、ユーザにより、例えば、紙幣計数ボタンや硬貨計数ボタンが操作された場合、計数処理が実行される（ステップＳ２６でNoの判定、ステップＳ３３、ステップＳ３５）。その他のボタンやタブなどが操作された場合も、その操作内容に応じた処理が実行される。

【0149】

また、図８に示す表示画面が表示された状態において、ユーザが、コード１０１やコード１０２などのコード情報を端末装置１１で読み取らず、端末装置１１に対して一定時間以上操作入力を行わずいわゆるタイムアウト状態となる場合、または、各画面における取り消しボタンへの操作入力を行った場合、端末装置１１の処理は終了する（ステップＳ１８でNoの判定、ステップＳ２２でNoの判定、ステップＳ３８でYESの判定）。その場合、貨幣処理装置１２においても、タイムアウト状態となる場合となり、貨幣処理装置１２の処理は終了する（ステップＳ２６，Ｓ３２，Ｓ３４，Ｓ３６でNOの判定、ステップＳ３７でYESの判定）。

【0150】

一方、図８に示す表示画面が表示された状態において、ユーザが、端末装置１１でコード１０１または１０２を読み取った場合（ステップＳ１８でYESの判定）、端末装置１１においてコード１０１またはコード１０２の情報が取得され（ステップＳ１９）、その情報に基づいて操作フェイズが検出され（ステップＳ２０）、検出された操作フェイズに対応する画像が表示部２３に表示される（ステップＳ２１）。例えば、コード１０１が読み取られた場合、図９に示す操作入力のための表示画面が、コード１０２が読み取られた場合、図１１に示す画面が、表示部２３に表示される。

【0151】

次に、例えば、表示部２３に表示された図９に示す表示画面の操作ボタン表示エリア１１４の訂正ボタン１２１が選択されると（ステップＳ２２でYESの判定）、図５に示す数値入力画面に、現在入力済みの数値情報、および機械計数結果が反映された表示画像データが表示される（ステップＳ２３）。そして、続けて図５に示す数値入力画面のコード生成ボタン４２が選択された場合（ステップＳ２４でYESの判定）、コード情報が生成されて、例えば、図６に示すようなコードが表示部２３に表示される（ステップＳ２５）。

【0152】

また、表示部２３に表示された図９に示す表示画面のタブ切り替え対応ボタン表示エリア１１１に表示されている、いずれかのタブに対応するボタンを選択する操作が行われた場合（ステップＳ２２でYESの判定）、操作入力に対応する処理としてコード表示が指令されたものと判断されるため（ステップＳ２３、ステップＳ２４でYESの判定）、いずれのボタンが選択されたかを示す操作情報通知のためのコード画像を含む表示画像が、表示部２３に表示される（ステップＳ２５）。この表示画面は、図６を用いて説明した場合と同様の２次元コード以外にも、例えば、コードの内容を示す情報（ここでは、タブ変更）、担当者名、または、コード生成日時などを表示させるようにしてもよい。

【0153】

ユーザが、表示部２３に表示されたコードを、貨幣処理装置１２のコードリーダー５１に読み込ませると（ステップＳ２６でYESの判定）、貨幣処理装置１２において、コードの情報が取得されて（ステップＳ２７）、取得されたコードの情報に基づいた操作フェイズが検出される（ステップＳ２８）。

【0154】

例えば、読み取られた操作情報通知コードが示す操作入力の内容が、「現金外入力」へのタブの変更であった場合、取得されたコードの情報に基づいて、図１５に示す、現金外入力の画面表示処理フェイズが検出される（ステップＳ２８）。また、読み取られた操作情報通知コードが示す操作入力の内容が、「合計」へのタブの変更であった場合、取得されたコードの情報に基づいて、図８に示す合計入力画面の画面表示処理フェイズが検出される（ステップＳ２８）。

【0155】

図１５に示す現金外入力の画面表示処理フェイズや、図８に示す合計入力画面の画面表示処理フェイズが検出された場合、コード表示が必要なフェイズであると判定され（ステップＳ２９でYESの判定）、コード１０１およびコード１０２が生成され、図１５や図８に示す表示画像が表示される（ステップＳ３１）。

【0156】

また、読み取られた操作情報通知コードが示す操作入力の内容が、「計数」メニューの選択であった場合、上述した場合と同様のフェイズ検出や表示制御処理が行われるとともに（ステップＳ２８～３１）、計数処理のために、アクチュエータの動作が必要であると判断され（ステップＳ３２でYESの判定）、対応するアクチュエータの動作が制御される（ステップＳ３３）。アクチュエータを動作させる必要があるのは、例えば、読み取られた操作情報通知コードが示す操作入力の内容が、計数開始ボタン表示エリア１１２、または返却ボタン表示エリア１１３に含まれるいずれかのボタンの選択を示すものであった場合など、投入した紙幣や硬貨の計数、または、返却処理や出金処理を行うために、紙幣入出口６１、紙幣リジェクト口６２、硬貨入金口６３、硬貨リジェクト口６４、硬貨出金口６５、棒金出金口６６、金券受入口６７、または、引出部６８のうちのいずれか対応する部分の開口部を開閉させる場合である。

【0157】

これらの、入出金処理が行われる場合、紙幣入出口６１～引出部６８のうちのいずれか対応する部分の開口部が開閉されてから所定時間経過後に、センサ入力が必要なフェイズとなる（ステップＳ３４でYESの判定）。そして、対応する部分のセンサ入力が取得され（ステップＳ３５）、センサ入力の有無、すなわち、正しく入出金処理が行われたか否かに基づいて、必要に応じて、フェイズ遷移が制御される（ステップＳ３６でYESの判定）。

【0158】

例えば、紙幣計数処理において、変形や破れ等、計数できない紙幣や硬貨が存在した場合、すなわち、リジェクトが発生した場合、リジェクトをユーザに通知するために、フェイズ遷移が行われると判断されて（ステップＳ３６でYESの判定）、コード表示が必要なフェイズであると判断され（ステップＳ１５でYESの判定）、リジェクト発生時の損券損貨登録を行わせるためのコード情報が生成されて（ステップＳ１６）、図１６に示すように、ユーザに、端末装置１１を用いて、リジェクト発生時の損券損貨登録を行わせるためのコード１０３がさらに表示される（ステップＳ１７）。なお、リジェクトにより排出された紙幣がある場合も、再度、機械計数を指令することが可能である。しかしながら、再度機械計数を試みてもリジェクトされるようなら、上述したように、損券損貨登録が行われる。

【0159】

ユーザが、端末装置１１を用いて、コード１０３を読み取った場合（ステップＳ１８）、端末装置１１においてコード１０３の内容が読み取られ（ステップＳ１９）、リジェクト発生時の損券損貨登録入力画面の表示フェイズが検出され（ステップＳ２０）、例えば、図１７に示すリジェクト発生時の損券損貨登録入力画面が表示部２３に表示される（ステップＳ２１）。図１７（ａ）は、フレキシブル入力ボタンの表示例であり、図１７（ｂ）は、額面入力ボタンの表示例である。また、リジェクト発生時の損券損貨登録入力画面は、図５を用いて説明した数値入力画面に、現在入力済みの数値情報、および、機械計数結果が反映された表示画像を表示させるようにしてもよい。その場合、ユーザは、リジェクト発生時の損券損貨登録を入力することが可能であるが、機械計数結果に関しては訂正することができないようになされている。ユーザは、機械計数結果以外の、必要な数値を入力（ステップＳ２２でYESの判定後ステップＳ２３）したのち、コード生成ボタン４２を選択することができる。コード生成ボタン４２が選択された場合（ステップＳ２４でYESの判定）、必要な数値が訂正された入金情報に対応するコード情報が生成され、例えば、図６に示す場合と同様に、コードと、そのコードの内容（ここでは、入金）が記載された表示画像が表示部２３に表示される（ステップＳ２５）。

【0160】

貨幣処理装置１２において、この損券損貨登録入力に対応するコードが読み込まれると（ステップＳ２６でYESの判定）、ステップＳ２７以降の処理が実行される。なお、リジェクトされた紙幣または硬貨は、ステップＳ３２～ステップＳ３５の処理によって、従来における場合と同様に、例えば、ポスト５６に格納され、その情報が、現金外入力や、現金手入力の情報として、ユーザにより登録される。

【0161】

貨幣処理装置１２において、各画面における「完了」ボタンまたは「取り消し」ボタンへの操作入力が行われた場合などは、貨幣処理装置１２の処理が終了する。

【0162】

なお、以上においては、レジを閉めた後の入金処理を中心に説明したが、例えば、出金処理や両替処理についても、同様の処理が行われる。具体的には、ステップＳ１～ステップＳ４の処理において認証処理が行われたのち、ステップＳ６において、図４を用いて説明したようなメニュー画面が表示されて、ステップＳ７において、出金や両替のメニューが選択され、出金伝票に対応する情報、すなわち、現金で出金する金種と枚数（または棒金の本数）や両替伝票に対応する情報、すなわち、両替の金種と数などの情報が入力されて、ステップＳ８において、コード生成が指令されたと判断されて、ステップＳ９の処理が実行され、図６を用いて説明した事前入力コード画像を含む表示画像データが生成されて、事前入力コードが表示部２３に表示される。ユーザは、事前入力コードを貨幣処理装置１２に読み込ませるので、ステップＳ１０以降の処理が実行されて、ステップＳ３２～ステップＳ３５の処理によって、従来における場合と同様に、出金処理や両替処理が実行される。

【0163】

このように、本発明の貨幣処理システム１においては、端末装置１１が、貨幣処理に必要な操作入力を取得する操作入力取得部３３（ステップＳ３，Ｓ７，２２）と、操作入力取得部３３により入力された操作入力に対応するコード情報を生成するコード生成処理部３６（ステップＳ９，２５）と、コード生成処理部３６により生成された第１のコード情報を含む第１の表示画像データを生成する表示データ生成処理部３７（ステップＳ９，２５）とを有し、貨幣処理装置１２が、表示データ生成処理部３７により生成された第１の表示画面データに含まれるコード情報を読み込むコード読み取り処理部７１（ステップＳ１１，２７）と、コード読み取り処理部７１により読み込まれたコード情報に応じた貨幣処理を制御するフェイズ遷移制御部７４（ステップＳ１４，２８）および貨幣入出金処理制御部７７（ステップＳ３２～３５）とを有する。

【0164】

すなわち、貨幣処理に必要な操作入力を端末装置１１が取得し、その操作入力に対応するコードを表示し、表示したコードのコード情報を貨幣処理装置１２が読み取り、読み取ったそのコード情報に応じた貨幣処理を実行するようにした。その結果、ユーザは、従来貨幣処理装置において行っていた操作入力を、事前に、例えば自分の端末装置１１に対して行い、操作入力に応じたコードを貨幣処理装置１２に読み取らせるだけで所望の貨幣処理を貨幣処理装置１２に実行させることができるので、貨幣処理装置１２への直接の操作入力を行う場合に比べ、ユーザが貨幣処理装置１２を占有する時間が少なくなり、例えば、商業施設等の閉店後に、入金処理のために多くのユーザ（店舗従業員など）が並ぶようなことを緩和することができる。また貨幣処理装置１２に直接触れることがない。

【0165】

また、本発明の貨幣処理システム１においては、貨幣処理装置１２が、ユーザによる操作入力を端末装置１１にて行わせるための情報を示すコード情報を生成するコード生成処理部７５（ステップＳ１６，Ｓ３０）と、コード生成処理部７５により生成されたコード情報を含む表示画像データを生成する表示データ生成処理部７６（ステップＳ１７，Ｓ３１）とをさらに有し、端末装置１１が、画像を取得する画像取得部２１（ステップＳ１８）と、画像取得部２１により取得された画像に含まれるコード情報に基づいて、ユーザによる操作入力を支援するための処理フェイズの遷移を制御するフェイズ遷移制御部３４（ステップＳ２０）とをさらに有する。

【0166】

そして、その後、上述したように、端末装置１１が、貨幣処理に必要な操作入力を取得して（ステップＳ２２）、操作入力に対応するコード情報を生成し（ステップＳ２５）、第１のコード情報を含む第１の表示画像データが生成され（ステップＳ２５）、貨幣処理装置１２が、コード情報を読み込み（ステップＳ２７）と、読み込まれたコード情報に応じた貨幣処理を制御する（ステップＳ２８，ステップＳ３２～３５）。すなわち、貨幣処理装置１２の処理においてユーザの操作入力をさらに受けることが必要な場合、ユーザによる操作入力を端末装置１１にて行わせるための情報を示すコードを生成して表示させ、表示したコードを端末装置１１が読み取ることにより、貨幣処理装置１２への操作入力を、端末装置１１において行うことができるようにした。これにより、貨幣処理装置１２に直接触れることなく、端末装置１１のユーザが操作入力を行うことができる。

【0167】

また、本発明の貨幣処理システム１においては、端末装置１１が、操作入力取得部３３により取得された認証情報に基づいて認証処理を行う認証処理部３５（ステップＳ３～５）をさらに有し、コード生成処理部３６は、認証処理部３５による認証処理結果を含むコード情報を生成し（ステップＳ９）、貨幣処理装置１２が、コードリーダー５１により読み込まれたコード情報に基づいて、ユーザの認証処理を行う認証処理部７３（ステップＳ１２，１３）をさらに有する。

【0168】

すなわち、端末装置１１において、認証処理に必要な情報の入力を受け、認証情報を含むコードを生成して、貨幣処理装置１２に読み込ませ、貨幣処理装置１２においては、読み込まれたコードに含まれる認証情報に基づいて、認証処理を行うようにした。これにより、ユーザは、認証情報を予め端末装置１１に入力することができるので、その入力作業を貨幣処理装置１２において行う必要がなく、その分一人のユーザが貨幣処理装置１２を占有する時間を削減することができるとともに、貨幣処理装置１２に直接触れることなく、認証処理を行うことができる。認証情報は、比較的限られた、入力量の少ない情報であるため、端末装置１１が有する入力機能（例えば、キーボード等がなく、タッチパネル入力のみである場合など）であっても入力が容易である場合が多い。

【0169】

また、本発明の貨幣処理システム１においては、端末装置１１のコード生成処理部３６は、端末装置１１の識別情報を、認証処理部３５による認証処理結果にさらに加えたコード情報を生成する（ステップＳ８）ことができる。これにより、ユーザの認証情報とともに端末装置１１を個別に識別する情報を貨幣処理装置１２に供給することができるので、貨幣処理装置１２は、例えば、端末装置１１が正当なものか、ユーザと端末装置１１の組み合わせが正当なものかを判定し、所定の端末装置１１で生成された情報のみを貨幣処理装置１２が受付可能なようにすることができる。

【0170】

また、本発明の貨幣処理システム１においては、貨幣処理装置１２が、コードリーダー５１により読み込まれたコード情報に基づいて、貨幣処理における処理フェイズの遷移を制御するフェイズ遷移制御部７４をさらに有し、フェイズ遷移制御部７４は、認証処理部７３による認証処理結果に基づいて、貨幣処理における処理フェイズの遷移を制御することができる（ステップＳ１４）。これにより、入出金を許可するユーザと、入金のみを許可するユーザとを区別したり、ユーザごとに入出金の上限金額を設定するなど、ユーザそれぞれに対して貨幣処理の内容を制限することができる。

【0171】

上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。

【0172】

なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。

【0173】

また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。

【0174】

例えば、端末装置１１と貨幣処理装置１２との間の各種情報の授受を、有線または無線の通信処理によって行ったり、所定の記憶媒体やICチップ等を用いて行うことにより、上述した処理を実現することが可能である。しかしながら、端末装置１１と貨幣処理装置１２との間の各種情報の授受を、上述したように、例えば、２次元コードやバーコードなどの所定のコードを用いて行うことにより、従来の貨幣処理装置の構成を大幅に変えることなく、利便性を向上させることが可能となる。

【符号の説明】

【0175】

１…貨幣処理システム、 １１…端末装置、 １２…貨幣処理装置、 ２１…画像取得部、 ２２…操作入力部、 ２３…表示部、 ２４…記憶部、 ２５…制御部、 ３１…コード読み取り処理部、 ３２…OCR処理部、 ３３…操作入力取得部、 ３４…フェイズ遷移制御部、 ３５…認証処理部、 ３６…コード生成処理部、 ３７…表示データ生成処理部３７、 ５１…コードリーダー、 ５２…入出力部、 ５８…制御部、 ５９…記憶部、 ７１…コード読み取り処理部、 ７２…入力取得部、 ７３…認証処理部、 ７４…フェイズ遷移制御部、 ７５…コード生成処理部、 ７６…表示データ生成処理部、 ７７…貨幣入出金処理制御部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】