(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】水中油型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20250407BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250407BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20250407BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20250407BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20250407BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20250407BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20250407BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20250407BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/06 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20250407BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20250407BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/46 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20250407BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20250407BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20250407BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20250407BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20250407BHJP
C11D 3/22 20060101ALI20250407BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20250407BHJP
C11D 1/34 20060101ALI20250407BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q19/00
A61Q19/10
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/73
A61K8/06
A61P17/00
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/38
A61K9/107
A61K47/06
A61K47/14
A61K47/42
A61K47/26
A61K47/46
A61K47/24
A61K47/18
A61K47/10
C11D17/08
C11D3/37
C11D3/22
C11D1/68
C11D1/34
(21)【出願番号】P 2020073970
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 枝里佳
(72)【発明者】
【氏名】松尾 一貴
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-070032(JP,A)
【文献】特開2017-114782(JP,A)
【文献】特開2011-074071(JP,A)
【文献】特開2008-044901(JP,A)
【文献】特開2015-44879(JP,A)
【文献】特開2019-156726(JP,A)
【文献】国際公開第2011/039790(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61P 1/00-43/00
A61K 9/00- 9/72
A61K47/00-47/69
C11D 1/00-19/00
C09K23/00-23/56
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤、
組成物全体に対して30質量%以上の油相成分、
水相成分、および、
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー、および多糖類から選択される一種以上からなるハイドロゲル形成性ポリマー、
とを含有する、水中油型乳化組成物
であって、
前記界面活性剤が、非イオン界面活性剤を含むか、第一の界面活性剤および第二の界面活性剤を含み、
前記非イオン界面活性剤が、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸グリセリル、テトラオレイン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-25、およびイソステアリン酸PEG-20グリセリルから選択される一種以上を含み、
前記第一の界面活性剤が、サーファクチンおよびその塩から選択される一種以上を含み、
前記第二の界面活性剤が、下記一般式(1)で表されるアルキルグリコシドおよびその塩から選択される一種以上を含み、
【化1】
(式中、Gは糖残基を表し、Rは独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、nは1~4の整数を表す。)
前記油相成分が、極性油、炭化水素油、および油溶性ビタミンからなる群から選択される一種以上を含み、
前記水相成分が、水を含み、
前記アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーが、(メタ)アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩とのコポリマー、および(メタ)アクリル酸エステルとアクリロイルジメチルタウリン塩とのコポリマーから選択される一種以上を含み、
前記多糖類が、アルギン酸およびその塩から選択される一種以上を含む、水中油型乳化組成物
(ただし、
POB(20)POE(20)ジメチルエーテル 3質量%、
ピバリン酸トリプロピレングリコール 0.2質量%、
ジプロピレングリコール 15質量%、
α-オレフィンオリゴマー 20質量%、
ピバリン酸トリプロピレングリコール 0.8質量%、
ワセリン 5質量%、
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 20質量%、
ジメチルポリシロキサン 2質量%、
メチルフェニルポリシロキサン 15質量%、
バチルアルコール 0.5質量%、
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1質量%、
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1質量%、
L-セリン 0.1質量%、
オウバクエキス 0.1質量%、
アルギン酸ナトリウム 0.1質量%、及び
水を含有する態様、並びに
POB(29)POE(32)ジメチルエーテル 2質量%、
オクチルメトキシシンナメート 0.5質量%、
エタノール 5.0質量%、
アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化チタン 9.0質量%、
粒子径40nmのアルキル変性シリコーン樹脂被覆超微粒子酸化チタン 5.0質量%、アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化鉄(赤) 0.5質量%、
アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化鉄(黄) 1.5質量%、
アルキル変性シリコーン樹脂被覆酸化鉄(黒) 0.2質量%、
ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 0.5質量%、
デカメチルペンタシクロシロキサン 5.0質量%、
パラメトキシ桂皮酸オクチル 5.0質量%、
アクリルシリコーン 4.0質量%、
グリセリン 6.0質量%、
キサンタンガム 0.1質量%、
カルボキシメチルセルロース 0.3質量%、
アクリロイルジメチルタウリンナトリウム/アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(含有量:35~40質量%) 1.5質量%、及び
水を含有する態様を除く)。
【請求項2】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーが、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、および(ア
クリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーから選択され
る一種以上を含む、請求項
1に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
多糖類が
、アルギン酸N
aを含む、請求項1
または2に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
ハイドロゲル形成性ポリマーの含有量が、組成物全体に対して0.01~5質量%である、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
水中油型乳化組成物の内相を構成する油相成分の含有量が、組成物全体に対して30~90質量%である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
第一の界面活性剤の含有量が、組成物全体に対して0.1~5質量%である、請求項
1~
5のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項7】
第二の界面活性剤の含有量が、組成物全体に対して0.1~5質量%である、請求項
1~
6のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項8】
第一の界面活性剤、および、第二の界面活性剤の合計含有量が、組成物全体に対して0.2~8質量%である、請求項
1~
7のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項9】
多価アルコールを、組成物全体に対して1~30質量%含有する、請求項1~
8のいずれ
か一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項10】
水中油型乳化組成物が皮膚外用剤である、請求項1~
9のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項11】
皮膚外用剤が化粧料である、請求項
10に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項12】
化粧料がクレンジング化粧料またはマッサージ化粧料である、請求項
11に記載の水中油型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレンジング化粧料またはマッサージ化粧料に好適な水中油型乳化組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油乳化型組成物は、油溶性の成分と水溶性の成分を一度に適用でき、しかも外相が水相であるために、使用感が軽く、感触的にも優れた組成物が得られる。これらの水中油型の乳化組成物の内、高内相水中油乳化型組成物は、通常の水中油乳化型組成物と比べて、内相である油相の含有量が多いため、マッサージ化粧料、スキンケアまたはヘアケア用化粧料、クレンジング化粧料等で使用されている剤形である。しかしながら、このような高内相水中油乳化型組成物は、擦過を終える目安となるオイルへの反転がしづらく、反転が分かりにくいため、こすりによる肌への負担の可能性があり、反転の分かりやすさの向上が求められていた。
【0003】
他方、水中油乳化型組成物において、増粘剤としてアクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンNaコポリマー等を使用することは知られている(特許文献1および2)。しかしながら、高内相水中油乳化型組成物に使用することは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-028542号公報
【文献】特開2019-137611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような課題に対応するため、本発明はなされたものであり、本発明は、反転の分かりやすさが向上された、クレンジング化粧料またはマッサージ化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行ったところ、高内相水中油乳化型組成物に、アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーおよび多糖類から選択される一種以上からなるハイドロゲル形成性ポリマーを配合することで、反転の分かりやすさが向上された、クレンジング化粧料またはマッサージ化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下に関する。
【0007】
[1] 界面活性剤、
組成物全体に対して30質量%以上の油相成分、
水相成分、および、
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー、および多糖類から選択される一種以上からなるハイドロゲル形成性ポリマー、
とを含有する、水中油型乳化組成物。
[2] アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーが、(メタ)アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩とのコポリマー、および(メタ)アクリル酸エステルとアクリロイルジメチルタウリン塩とのコポリマーから選択される一種以上を含む、[1]に記載の水中油型乳化組成物。
[3] アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーが、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、およ
び(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーから選
択される一種以上を含む、[1]または[2]に記載の水中油型乳化組成物。
[4] 多糖類が、寒天、アガロース、アルギン酸、セルロース類、デキストラン類、グリコサミノグリカン、キチン類、キトサン類、およびそれらの塩から選択される一種以上を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[5] 多糖類が、寒天、およびアルギン酸Naから選択される一種以上を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【0008】
[6] ハイドロゲル形成性ポリマーの含有量が、組成物全体に対して0.01~5質量%で
ある、[1]~[5]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[7] 水中油型乳化組成物の内相を構成する油相成分の含有量が、組成物全体に対して30~90質量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[8] 界面活性剤として、第一の界面活性剤および第二の界面活性剤を含み、
第一の界面活性剤は40~80質量%の少なくとも一点の水溶液においてLα相を形成し、第二の界面活性剤は40~80質量%の少なくとも一点の水溶液においてH1相を形成するものである、[1]~[7]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[9] 第一の界面活性剤が、サーファクチンおよびその塩、マンノシルエリスリトールリピッド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソホロリピッド、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリエチレングリコール、並びにリン脂質から選択される一種以上を含む、[8]に記載の水中油型乳化組成物。
[10] 第二の界面活性剤が、下記一般式(1)で表されるアルキルグリコシド、アシルアミノ酸リシンおよび/またはその塩、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸グリコシド、並びにモノアルキルリン酸エステルおよびその塩から選択される一種以上を含む、[8]または[9]に記載の水中油型乳化組成物。
【0009】
【0010】
(式中、Gは糖残基を表し、Rは独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、nは1~4の整数を表す。)
[11] 第一の界面活性剤の含有量が、組成物全体に対して0.1~5質量%である、[8]~[10]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[12] 第二の界面活性剤の含有量が、組成物全体に対して0.1~5質量%である、[8]~[11]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[13] 第一の界面活性剤、および、第二の界面活性剤の合計含有量が、組成物全体に対して0.2~8質量%である、[8]~[12]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。[14] 多価アルコールを、組成物全体に対して1~30質量%含有する、[1]~[1
3]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
[15] 水中油型乳化組成物が皮膚外用剤である、[1]~[14]のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【0011】
[16] 皮膚外用剤が化粧料である、[15]に記載の水中油型乳化組成物。
[17] 化粧料がクレンジング化粧料またはマッサージ化粧料である、[16]に記載の水中油型乳化組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、反転の分かりやすさが向上された、クレンジング化粧料またはマッサージ化粧料を提供することができる。
なお、本明細書において「反転」感とは、水中油型の乳化剤型の油相と水相とが反転してオイル状に変化する時の感触をいい、反転が良好で分かりやすいと、前記変化の感触の楽しさや、とろけるような、また摩擦のない軽い感触で使用できる心地良い使用感が得られ得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について説明する。
<水中油型乳化組成物>
本発明の一態様は、界面活性剤、組成物全体に対して30質量%以上の油相成分、水相成分、および、アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー、および多糖類から選択される一種以上からなるハイドロゲル形成性ポリマーを含有する、水中油型乳化組成物(以下、「本発明の水中油型乳化組成物」ということがある)に関する。
【0014】
高内相水中油乳化型組成物では、一般的に界面が硬く、反転しづらく、そのため反転が分かりづらいとの課題がある。
本発明者らは、反転の分かりやすさが向上された、水中油型乳化組成物を求めて各種検討を行った。その中で、高内相水中油乳化型組成物に、アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー、および多糖類から選択される一種以上からなるハイドロゲル形成性ポリマーを配合することで、反転の分かりやすさが向上することを知見し、本発明を完成した。
【0015】
≪ハイドロゲル形成性ポリマー≫
本発明の水中油型乳化組成物に含まれるハイドロゲル形成性ポリマーは、本発明の水中油型乳化組成物の反転の分かりやすさを向上させることができる。ハイドロゲル形成性ポリマーは1種、または2種以上を用いることができる。
【0016】
具体的には、ハイドロゲル形成性ポリマーとしては、アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー、および多糖類から選択される一種以上からなるハイドロゲル形成性ポリマーである。
【0017】
≪アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー≫
本発明の水中油型乳化組成物に含まれるアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーは、本発明の水中油型乳化組成物の反転の分かりやすさを向上させることができる。アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーは1種、または2種以上を用いることができる。
【0018】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーにおけるアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩としては、限定されないが、アクリロイルジメチルタウリン、アクリロイルジメチルタウリンナトリウム、アクリロイルジメチルタウリンカリウム等を用いることができ、好ましくはアクリロイルジメチルタウリンナトリウムである。アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポ
リマーは、アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマー以外のモノマー成分を含むコポリマーであってもよい。
【0019】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマー以外のモノマー成分としては、限定されないが、例えば、アクリル酸等の(メタ)アクリル酸モノマー;アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸塩モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステルモノマー;ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類モノマー等が挙げられる。
【0020】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーとしては、限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸とアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩とのコポリマー、(メタ)アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩とのコポリマー、(メタ)アクリル酸エステルとアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩とのコポリマー、アクリルアミド類とアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩とのコポリマー、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸塩とアクリルアミド類とアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩とのコポリマー、(メタ)アクリル酸塩とアクリルアミド類とアクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩とのコポリマー等が挙げられる。この中で、(メタ)アクリル酸塩とアクリロイルジメチルタウリン塩とのコポリマー、および(メタ)アクリル酸エステルとアクリロイルジメチルタウリン塩とのコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、(アクリル酸Na/アクリ
ロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、および(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリ
ロイルジメチルタウリンNa)コポリマー等の化合物等が好ましい。
【0021】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーとしては、増粘剤として化粧料に使用されるものを用いることができる。
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーは、市販品等を用いることができる。
【0022】
≪多糖類≫
本発明の水中油型乳化組成物に含まれる多糖類は、本発明の水中油型乳化組成物の反転の分かりやすさを向上させることができる。多糖類は1種、または2種以上を用いることができる。
【0023】
多糖類としては、限定されないが、例えば、寒天、アガロース、アルギン酸、セルロース類(セルロース、カルボキシメチルセルロース等)、デキストラン類(デキストラン、カルボキシメチルデキストラン等)、グリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等)、キチン類(キチン、脱アセチル化キチン等)、キトサン類(キトサン、脱アセチル化キトサン等)、およびそれらの塩等が挙げられる。この中で、寒天、およびアルギン酸塩が好ましい。塩の例としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、およびカルシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
【0024】
多糖類としては、増粘剤として化粧料に使用されるものを用いることができる。
多糖類は、常法に基づき製造したもの、あるいは市販品等を用いることができる。
【0025】
本態様においてハイドロゲル形成性ポリマーの含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.01~5質量%であり、より好ましくは0.05~3質量%、さらに好ましくは0.1~2質量%である。十分に反転をさせる観点から、上記範囲が好ましい。
ハイドロゲル形成性ポリマーとしては、例えば重量平均分子量が100~10,000,000程度
のものを使用できる。なお、ハイドロゲル形成性ポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて求めた値である。
【0026】
≪界面活性剤≫
本発明の水中油型乳化組成物に含まれる界面活性剤は、組成物を乳化できる限り、その種類等特段限定されない。界面活性剤としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、ポリグリセリン脂肪酸類(テトラオレイン酸ポリグリセリル-2等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEステアレート、POEイソステアレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、等が挙げられる。
界面活性剤は、一種、または二種以上を本発明に使用し得る。
これら界面活性剤は、乳化を維持するための必要量を配合すればよく、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また通常30質
量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
このような水中油乳化型組成物の製造は、従来公知の水中油乳化型組成物の製造方法に基づいて製造することができる。
【0027】
また、本発明の一態様は、界面活性剤として、第一の界面活性剤および第二の界面活性剤を含み、第一の界面活性剤は40~80質量%の少なくとも一点の水溶液においてLα相を形成し、第二の界面活性剤は40~80質量%の少なくとも一点の水溶液においてH1相を形成するものである、水中油型乳化組成物に関する。このような水中油型乳化組成物は、各種油剤を乳化可能な乳化骨格を有し、経時および温度安定性に優れ、かつ良好な使用感を発揮するため、本発明に好ましく用いられ得る。
【0028】
このような水中油乳化型組成物の製造は、例えば、第一の界面活性剤、第二の界面活性剤、および水を混合して、中間相を形成する工程、前記中間相に油相成分を加える工程、およびさらに水相成分を加える工程を含む製造方法により製造することができる。このような製造方法として、従来公知の製造方法を用いて行うことができる。例えば、国際公開第2017/104734号パンフレットに記載の方法を用いて行うことができる。
【0029】
(Lα相を形成し得る第一の界面活性剤)
本発明における第一の界面活性剤は、サーファクチンおよびその塩、マンノシルエリスリトールリピッド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソホロリピッド、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリエチレングリコール、並びにリン脂質から選択される一種以上を含むことが好ましい。
【0030】
第一の界面活性剤として用い得るサーファクチンは、環状ペプチドを有するバイオサーファクタントである。サーファクチンは、本発明の効果を奏する限り、限定されず、公知のサーファクチンを用いることができる。サーファクチンは、納豆菌の生産する環状ペプチドであってよい。環状ペプチドとしては、例えば、2-Deamino-3-(10-methylundecyl)-cyclo[L-Ser*-L-Glu-L-Leu-D-Leu-L-Val-L-Asp-D-Leu-L-Leu-](*光学活性点を示す)が挙げられる。また、炭化水素鎖がC9-18アルキル基であるもの、上記環状ペプチドの末端のL-Leu-がロイシン、イソロイシン、バリンから選択されるもの等が挙げられる。
サーファクチンの塩としては、限定されないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、ナトリウム塩を好ましく本発明に用い得る。サーファクチンおよびその塩から選択される一種、または二種以上を本発明に使用し得る。
サーファクチンおよびその塩は、細菌等から抽出・精製した天然物であっても、化学合成したものを用いてもよく、市販品(株式会社カネカ等により製造される)を用いてもよい。
【0031】
第一の界面活性剤として用い得るマンノシルエリスリトールリピッド(MEL)もまた、
バイオサーファクタントであり、MEL-A、B、C、およびDのいずれも本発明に用いることができ、特にMEL-Bがより好ましい。
【0032】
第一の界面活性剤として用い得るポリグリセリン脂肪酸エステルは、分岐鎖または直鎖の、飽和または不飽和の脂肪酸と、グリセリンとのエステルであり、脂肪酸の炭素数は好ましくは8~20であり、より好ましくは12~18である。また、グリセリンの重合度は好ましくは2~10であり、より好ましくは4~10であり、さらに好ましくは4~6である。また、脂肪酸の付加数は特に限定されず、モノ-、ジ-、トリ-、またはそれ以上のいずれでもよいが、モノエステルが好ましい。第一の界面活性剤のHLB値は特に問わないが、3~18のものが好ましい。なお、本明細書においてHLB値は、グリフィンの式より算出した値をいう。
さらに、Lα相を形成しやすい、すなわち分子の極性で平板上に並びやすいものとして、両親媒性物質の親水部と疎水部の幾何学的割合を表す臨界充填パラメーター(CPP)が1/2~1であることが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、モノパルミチン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、およびジラウリン酸ポリグリセリルが挙げられる。より好ましい例としてはグリセリン重合度が4~10の、モノオレイン酸ポリグリセリル(モノオレイン酸ポリグリセリル-5等)、モノラウリン酸ポリグリセリル(モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10等)、およびモノパルミチン酸ポリグリセリル(モノパルミチン酸ポリグリセリル-6等)が挙げられる。さらに好ましい例としては、グリセリン重合度が4~6のモノラウリン酸ポリグリセリル(モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6)が挙げられる。
【0033】
ソホロリピッドは、いわゆるバイオサーファクタントであり、ソホロースまたはヒドロキシル基が一部アセチル化したソホロースと、ヒドロキシル脂肪酸とからなる糖脂質を指す。一般に、ソホロリピッドは、ラクトン環をもつ分子(ラクトン型)とこれが開環した分子(酸型)との混合物の形態で存在し、本発明においては何れでもよく、またその混合比もとくに問わない。
【0034】
第一の界面活性剤として用い得るポリオキシエチレン脂肪酸グリセリルを構成する脂肪酸は、炭素数8~20の分岐鎖または直鎖の、飽和または不飽和の脂肪酸が好ましく、炭素数18の分岐脂肪酸がより好ましい。また、ポリオキシエチレン基における、オキシエチレンの平均付加モル数は、好ましくは5~30であり、より好ましくは10~25であ
る。また、脂肪酸残基は、ポリオキシエチレンが付加したグリセリル基の3つ水酸基の内の1個のみに付加したものでもよく、2~3個に付加したものでもよい。3個付加した構造が好ましいが、1付加物、2付加物および3付加物から選択される2種以上を含む構造も好ましい。これらは、市販品を用いることもできる。
【0035】
第一の界面活性剤として用い得るジ脂肪酸ポリエチレングリコールを構成する脂肪酸は、炭素数8~20の分岐鎖または直鎖の、飽和または不飽和の脂肪酸が好ましく、炭素数18の分岐脂肪酸がより好ましい。また、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、好ましくは3~60であり、より好ましくは5~30であり、さらに好ましくは10~15で
ある。これらは、市販品を用いることもできる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】
第一の界面活性剤として用い得るリン脂質としては、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
グリセロリン脂質は、グリセロリン酸骨格を有する物質で、親油基として脂肪酸エステル、長鎖アルキルエーテル、ビニルエーテル等を有する。具体的には、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジイルイノシトール、ホスファチジルイノシトールポリリン酸、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸等が挙げられる。
スフィンゴリン脂質は、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン等の長鎖塩基または長鎖脂肪酸と、リン酸またはホスホン酸を有する。具体的には、セラミド1-リン酸誘導体(スフィンゴミエリン等)、セラミド1-ホスホン酸誘導体(セラミドアミノエチルホスホン酸等)が挙げられる。
本発明においてリン脂質は、動植物から抽出・精製した天然物であっても、化学合成したものであってもよく、水素添加や水酸化処理等の加工を施したものでもよい。例えば、水添レシチン等が好ましく挙げられる。天然物としては、大豆または卵黄等からの抽出・精製物であるレシチンが、市販品の入手が容易であり、好ましい。
【0037】
本発明のより好ましい態様においては、第一の界面活性剤として、エチレンオキサイド(EO)基を有さないものを用いる。
【0038】
(H1相を形成し得る第二の界面活性剤)
本発明における第二の界面活性剤は、下記一般式(1)で表されるアルキルグリコシド、アシルアミノ酸リシンおよび/またはその塩、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸グリコシド、並びにモノアルキルリン酸エステルおよびその塩から選択される一種以上を含むことが好ましく、下記一般式(1)で表されるアルキルグリコシドがより好ましい。
【0039】
【0040】
(式中、Gは糖残基を表し、Rは独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、nは1~4の整数を表す。)
【0041】
第二の界面活性剤として用い得るアシルアミノ酸リシンおよび/またはその塩としては、アシル基が脂肪酸由来のジアシルグルタミン酸リシンが好ましく、さらにジラウロイルグルタミン酸リシン、ジミリストイルグルタミン酸リシン、ジステアロイルグルタミン酸リシン、ジリノレオイルグルタミン酸リシン等が好ましく挙げられる。
また、これらの塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
これらは、リシン塩酸塩とアシルアミノ酸無水物との合成反応により得ることができるし、市販品を用いることもできる。
【0042】
第二の界面活性剤として用い得るショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルが好ましく挙げられ、ショ糖ラウリン酸エステルがより好ましい。これらは、市販品を用いることもできる。
【0043】
第二の界面活性剤として用い得るポリグリセリンアルキルエーテルとしては、ポリグリセリンモノラウリルエーテル、ポリグリセリンモノミリスチルエーテル、ポリグリセリンモノパルミチルエーテル、ポリグリセリンモノステアリルエーテル、ポリグリセリンモノイソステアリルエーテル、ポリグリセリンモノオレイルエーテルが好ましく挙げられ、ポリグリセリンモノラウリルエーテルがより好ましい。また、ポリグリセリンアルキルエーテルにおけるグリセリン重合度は、2~10が好ましく、3~6がより好ましく、4がさらに好ましい。これらは、市販品を用いることもできる。
【0044】
第二の界面活性剤として用い得る一般式(1)で表されるアルキルグリコシドは、糖残基Gと脂肪族アルコールとが縮合した構造を有する。
糖残基Gは、一般式(1)で表されるアルキルグリコシドにおける親水部であり、単糖類または多糖類の残基である。
好ましい単糖類としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、およびフルクトースが挙げられる。多糖類は、好ましくは二糖~七糖であり、マルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、ゲンチオビース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、セロトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、イソマルトヘキサオース、およびイソマルトヘプタースが挙げられる。これらの糖類のうち、グルコース、ガラクトース、マルトース、およびマルトトリオースがさらに好ましく、マルトースおよびマルトトリオースが特に好ましい。なお、糖残基は、α体とβ体のいずれでもよい。
一般式(1)において、糖残基Gは、好ましくは末端の糖の1位の水酸基で、脂肪族アルコールと結合(縮合)している。
【0045】
一般式(1)において、脂肪鎖は一般式(1)で表されるアルキルグリコシドにおける疎水部である。
脂肪鎖の部分は、分岐鎖があってもなくてもよいが、好ましくは分岐鎖を有する。すなわち、一般式(1)においてRは、独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0046】
一般式(1)で表されるアルキルグリコシドとしては、下記一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
なお、一般式(2)中、Nは1~7の整数を表す。Rは、独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を表し、より好ましくはメチル基である。nは、1~4の整数を表し、より好ましくは2または3である。
一般式(2)で表されるアルキルグリコシドの具体例としては、マルトースとヘキサヒドロファルネソールのグリコシド体(Mal2Far)(N=2,n=2,R=メチル)、マルトトリオー
スとヘキサヒドロファルネソールのグリコシド体(Mal3Far)(N=3,n=2,R=メチル)、マ
ルトトリオースとジヒドロフィトールのグリコシド体(Mal3Phyt)(N=3,n=3,R=メチル)等が挙げられる。
【0047】
【0048】
一般式(1)で表されるアルキルグリコシドは、例えば、臭化糖を用いるグリコシル化法、フッ化糖を用いるグリコシル化法、トリクロロアセトイミデートを用いるグリコシル化法、アセチル化糖を用いるグリコシル化法等、種々の周知の方法により取得することができ、より具体的には特許3882067号、特許4817435号、特許5207420号、特開2013-129660号公報、特開2012-17318号公報等に記載の合成工程が挙げられる。
【0049】
近年、安全性や環境への負荷を考慮して、従来の石油原料由来の合成界面活性剤ではなく、再生可能で環境負荷も小さいとされるいわゆる天然系の界面活性剤が好まれる傾向にある。そのため、本発明においては第二の界面活性剤として、一般式(1)で表されるアルキルグリコシドを用いることが前記需要に応えるものとして特に好ましいが、これに限定されるものではない。
【0050】
第二の界面活性剤として用い得る脂肪酸グリコシドとしては、炭素数10~16の分岐鎖または直鎖の、飽和または不飽和の脂肪酸と、単糖類または多糖類の残基とのエステルが好ましく、糖残基は、末端の糖の1位の水酸基で脂肪酸と結合(エステル縮合)しているものが好ましい。脂肪酸グリコシドは、HLB値が12~18のものがより好ましい。
好ましい単糖類としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、およびフルクトースが挙げられる。多糖類は、好ましくは二糖~七糖であり、マルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース
、ゲンチオビース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、セロトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、イソマルトヘキサオース、およびイソマルトヘプタースが挙げられる。これらの糖類のうち、グルコース、ガラクトース、マルトース、およびマルトトリオースがより好ましく、マルトースおよびマルトトリオースがさらに好ましい。なお、糖残基は、α体とβ体のいずれでもよい。
脂肪酸グリコシドの好ましい例としては、ラウロイルマルトシド、ノナノイルマルトシド、ウンデカノイルマルトシド、トリデカノイルマルトシド、テトラデカノイルマルトシド、等が挙げられる。
【0051】
第二の界面活性剤として用い得るモノアルキルリン酸エステルおよびその塩としては、炭素数が好ましくは8~20、より好ましくは12~18、さらに好ましくは12の、分岐鎖または直鎖の、飽和または不飽和の脂肪鎖と、リン酸とのエステルが好ましい。また、その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、アルギニン塩が例示できるが、なかでもアルギニン塩が好ましい。またエチレンオキサイドが付加されていてもよいが、付加されていない方が好ましい。
【0052】
本発明のより好ましい態様においては、第二の界面活性剤として、エチレンオキサイド(EO)基を有さないものを用いる。
【0053】
本態様において第一の界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.1~5質量%であり、より好ましくは0.1~3質量%、さらに好ましくは0.3~2質量%である。また、本態様において第二の界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.1
~5質量%であり、より好ましくは0.1~3質量%、さらに好ましくは0.3~2質量%である
。
【0054】
さらに、第一および第二の界面活性剤の合計含有量は、組成物全体に対して、好ましくは0.2~8質量%であり、より好ましくは0.2~6質量%、さらに好ましくは0.6~4質量%である。乳化安定性の観点から0.2質量%以上が好ましく、製造された組成物を肌に塗布し
た際の被膜感の観点から8質量%以下が好ましい。
【0055】
また、本態様において用いる第一の界面活性剤と第二の界面活性剤との質量比は、好ましくは2:8~8:2であり、より好ましくは4:6~8:2である。2つの異なる性質を有する界面活性剤をこのような質量比で組み合わせて用いることにより、特定の中間相を形成しやすくなり、その後の乳化が行いやすくなる。
【0056】
≪油相成分≫
本発明の水中油乳化型組成物は、水中油型乳化組成物の内相を構成する油相成分を含む。
油相成分は通常油性成分で構成され、本発明において油性成分とはいわゆる油剤に限らず、25~65℃の水に懸濁して1時間静置した後に水と相分離する成分(ただし界面活性剤
を除く)を指す。油相成分としては、一種、または二種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
【0057】
本発明の水中油型乳化組成物に配合し得る油性成分としては、極性油、天然油、炭化水素油、極性を有しないシリコーン油、極性を有するシリコーン油等の油剤や、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤等の紫外線防御剤、ビタミンAやE(トコフェロール)等の油溶性ビタミン等が挙げられる。油性成分としては、一種、または二種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。これらのうち、極性油、特に低分子極性油を用いることが好ましく、これを
油相成分の、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含めると、組成物にさっぱりとした使用感を付与できる。
【0058】
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸エチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチル
ウンデカン酸グリセリル、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソ
ステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリト
ール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロ
パン等を挙げることができる。
さらに、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチル
エステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート
、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘ
キシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等も挙げられる。
低分子極性油としては、例えば、分子量300以下程度のものが挙げられ、限定されない
が、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピルが挙げられる。
【0059】
また、天然油としては、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
【0060】
炭化水素油としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、ワセリン、水添ポリ(C6-12オレフィン)、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル等が挙げられる。
【0061】
極性を有しないシリコーン油としては、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、カプリリルメチコン、ジメチコン等が挙げられる。
極性を有するシリコーン油としてはジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等が挙げられる。
【0062】
本発明において油相成分の含有量は、組成物全体に対して、30質量%以上である。また、油相成分の含有量は、組成物全体に対して、30質量%超、40質量%以上、40質量%超、50質量%以上、50質量%超、60質量%以上、60質量%超、70質量%以上、70質量%超、75質量%以上、75質量%超、80質量%以上、80質量%超、85質量%以上または85質量%超であってよく、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、または70質量%以下であってよく、これらの矛盾しない組み合わせであってよい。油相成分の含有量が、例えば、30~90質量%、40~80質量%、または50~70質量%であってよい。
油相成分の含有量がこのような範囲であることにより、経時および温度安定性に優れる組成物が得られ、また良好な使用感を発揮し、特に、水中油型乳化組成物における水相に対する油相の比率(内相比)を大きいため、クレンジング化粧料またはマッサージ化粧料等の皮膚外用剤として好ましい効果を発揮し得る。また、例えば極性油、特に低分子極性油を高内相比で乳化することにより、さっぱり感と十分な保湿性とを両立して備える皮膚外用剤を得ることもできる。
【0063】
≪水相成分≫
本発明の水中油乳化型組成物は、水中油型乳化組成物の外相を構成する水相成分を含む。
水相成分は、通常は水の他に水溶性成分であり、25~65℃の水に懸濁して1時間静置し
た後に水に溶解する成分(ただし界面活性剤を除く)を指す。水相成分としては、一種、または二種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
【0064】
≪その他の成分≫
また、本発明の水中油乳化型組成物は、その効果を損なわない限りにおいて、その他の任意成分を含有することができる。
任意成分としては、通常皮膚外用剤に配合し得る成分であれば特に限定されず、低級・高級アルコール、多価アルコール、各種有効成分、保湿剤、pH調整剤、必須成分以外の増粘剤、防腐剤、粉体類、有機変性粘土鉱物、抗菌剤等が挙げられる。抗菌剤としては、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、エチルヘキシルグリセリン、カプリルヒドロキサム酸等の天然抗菌物質が好ましく挙げられる。任意成分としては、一種、または二種以上を組み合わせて、本発明に使用し得る。
有効成分としては、保湿成分、美白成分、シワ改善成分、抗炎症成分、動植物由来の抽出物等が挙げられ、一種のみを含有させてもよく、二種以上含有されていてもよい。
【0065】
上記任意成分のうち、特に多価アルコールを含有させることが好ましい。多価アルコールを含有することにより、中間相が油相成分を抱え込む保持能が高まり、組成物の乳化安定性を向上させることができる。
本発明において多価アルコールの含有量は、組成物全体に対して好ましくは1~30質量
%、より好ましくは1~20質量%、さらに好ましくは1~15質量%になるように添加する。
油相成分を中間相に十分に保持する観点から、多価アルコールの含有量が1質量%以上
であることが好ましく、肌に塗布した際にさっぱりとした感触が得られやすいという観点から、30質量%以下が好ましい。
【0066】
多価アルコールとしては、2価以上であれば特に限定されないが、3価以上のものが好ましい。
具体的には、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール
、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール(BG)、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコ
ール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコー
ル重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のア
ルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレング
リコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエ
ーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリ
ポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
これらのうち、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、分子量600以下のポリエチレングリコールがより好ましく、1,3-ブチレングリ
コール、グリセリンが特に好ましい。
【0067】
なお、これらの任意成分は、本発明における任意の工程またはその前後で添加することができる。例えば、任意成分の水への溶解性によって油相成分または水相成分として、油相成分を加える工程または水相成分を加える工程で共に系に添加することもできるし、油相成分を加える工程または水相成分を加える工程の前または後に系に添加することもできる。
【0068】
≪皮膚外用剤および化粧料≫
本発明の水中油型乳化組成物は、高内相水中油乳化型組成物であって、反転の分かりやすさが向上された組成物である。特に、液晶乳化法やD相乳化法、転相温度乳化法等の乳
化方法による水中油乳化型組成物であれば、微細な乳化粒子が安定に分散しているため、経時および温度安定性に優れる。また、肌に塗布した際に、被膜感を生じることなく、またさっぱりした感触が得られるため、良好な使用感を発揮する。
したがって、本発明の水中油型乳化組成物は、皮膚外用剤として好ましく利用できる。特に、化粧料(医薬部外品を含む)が好ましい。特に、本発明の水中油型乳化組成物は、反転の分かりやすさが向上されているといった特性を奏することから、クレンジング化粧料、マッサージ化粧料等へ好ましく適用し得る。剤形としては、乳液、クリーム等が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物を用いる以外、皮膚外用剤、化粧料の製造は、従来公知の製造方法を用いて行うことができる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の例示であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0070】
表1に示す処方で、実施例および比較例の水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。実施例および比較例の水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。具体的には、80℃に加熱して均一化した成分(a)に、手撹拌下でそれぞれ80℃に加熱した成分(b)、成分(c)を順に加
えた後、30℃まで撹拌しながら冷却した。
【0071】
実施例および比較例の水中油型乳化組成物の使用感をモニターテスト(n=20)により評価した。評価基準は、反転の分かりやすさ(◎:分かりやすい、〇:やや分かりやすい、△:やや分かりにくい、×:分かりにくい)である。
【0072】
【0073】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマー、アルギン酸塩等のハイドロゲル形成ポリマーを含む実施例1~3の水中油型乳化組成物は、増粘剤を含まない、または別の増粘剤を含む比較例1、2に対して、顕著な反
転の分かりやすさの向上効果を示した。
【0074】
表2に示す処方で、実施例および比較例の水中油型乳化組成物をそれぞれ調製した。具体的には、80℃に加熱して均一化した成分(a)に、手撹拌下でそれぞれ80℃に加熱した成
分(b)、成分(c)を順に加えた後、30℃まで撹拌しながら冷却した。
【0075】
実施例および比較例の水中油型乳化組成物の使用感をモニターテスト(n=20)により評価した。評価基準は、反転の分かりやすさ(◎:分かりやすい、〇:やや分かりやすい、△:やや分かりにくい、×:分かりにくい)である。
【0076】
【0077】
アクリロイルジメチルタウリンもしくはその塩に由来するモノマーを少なくとも含むポリマーを含む実施例4の水中油型乳化組成物は、別の増粘剤を含む比較例3~5に対して、顕著な反転の分かりやすさの向上効果を示した。
【0078】
したがって、本発明の水中油型乳化組成物は、優れた反転の分かりやすさを有する、優れた水中油型乳化組成物であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、皮膚外用剤等に応用できる。