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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】食品用包装袋及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/28 20060101AFI20250407BHJP
   B65D 85/36 20060101ALI20250407BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20250407BHJP
【FI】
B65D30/28 L
B65D85/36 100
B65D85/50 100
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021118729
(22)【出願日】2021-07-19
(65)【公開番号】P2023014659
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2024-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100214938
【弁理士】
【氏名又は名称】樋熊 政一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-096054(JP,U)
【文献】特開2021-001019(JP,A)
【文献】特開2021-095143(JP,A)
【文献】登録実用新案第3232146(JP,U)
【文献】特開2006-168816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/28
B65D 85/36
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の第1の包材と、前記第1の包材に貼り合わせられ、前記第1の包材との間に食品を収容する収容部を形成するシート状の第2の包材と、前記収容部を外部に開放する開口部と、を備え、
前記第1の包材及び前記第2の包材の双方が、前記収容部に収容された食品を外部から視認できる可視性の紙素材で構成され、前記第1の包材及び前記第2の包材の前記食品に面する部分が窓部となる、食品用包装袋。
【請求項2】
前記収容部に収容される食品は略三角形状のサンドイッチであり、
前記窓部は、当該サンドイッチの具材に対向する位置に配置される、請求項1に記載の食品用包装袋。
【請求項3】
請求項1または2に記載の食品用包装袋を製造する方法であって、
複数の前記第1の包材を形成し得る第1の原反と、複数の前記第2の包材を形成し得る第2の原反とを、それぞれ繰り出すとともに所定の搬送方向に搬送しながら、前記第1の原反と前記第2の原反とを重ね合わせる工程と、
重ね合わされた前記第1の原反と前記第2の原反とを、前記搬送方向の一側方の側に前記開口部が残るようにして互いにシールしてシール部を形成することにより、前記食品用包装袋を前記搬送方向に連続的に並ぶように形成する工程と、
複数の前記シール部を、前記搬送方向に分断することにより、複数の前記食品用包装袋を順次切断して得る工程と、を備える、食品用包装袋の製造方法。
【請求項4】
前記食品用包装袋は、略台形状の形状を有し、かつその高さ方向の一端部に前記開口部を有し、前記開口部は、前記搬送方向に隣接する前記食品用包装袋において前記搬送方向の両側に交互に配置される、請求項に記載の食品用包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用包装袋及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンドイッチ、調理パン、カステラ、菓子パン等の食品を包装袋に包装して、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売することが行われている。例えば食パンに具材を挟んだ直角三角形状のサンドイッチの場合、樹脂製の一対のフィルムを重ねて三方を封止した袋体を構成し、その中にサンドイッチを挿入して包装する形式の包装袋が知られている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-171326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の包装袋は上記特許文献1に記載されるようにポリエチレン等の樹脂製フィルムによるものが一般的である。しかし、近年ではいわゆるプラごみと呼ばれる樹脂製品の廃棄物による環境汚染が懸念されており、食品用包装袋にもその問題が及んでいる。
【0005】
そこで本発明は、樹脂の使用量を抑制することができる食品用包装袋及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の食品用包装袋は、シート状の第1の包材と、前記第1の包材に貼り合わせられ、前記第1の包材との間に食品を収容する収容部を形成するシート状の第2の包材と、前記収容部を外部に開放する開口部と、を備え、前記第1の包材及び前記第2の包材のうちの少なくとも前記第1の包材は、少なくともその一部に、前記収容部に収容された食品を外部から視認できる可視性の紙素材で構成された窓部を有する。
【0007】
(2)(1)において、前記第1の包材は、前記窓部を含む全てが紙素材により構成され、かつ前記窓部以外の部分が当該窓部の紙素材よりも可視性の低い紙素材により構成されていることが好ましい。
【0008】
(3)(1)または(2)において、前記第2の包材は、前記開口部を閉塞する折り込み部を有し、少なくとも当該折り込み部が樹脂製のフィルムにより構成されていることが好ましい。
【0009】
(4)(1)または(2)において、前記第1の包材及び前記第2の包材の双方が紙素材により構成されていることが好ましい。
【0010】
(5)(1)~(4)のいずれかにおいて、前記収容部に収容される食品は略三角形状のサンドイッチであり、前記窓部は、当該サンドイッチの具材に対向する位置に配置されることが好ましい。
【0011】
(6)本発明の食品用包装袋の製造方法は、(1)~(5)のいずれかに記載の食品用包装袋を製造する方法であって、複数の前記第1の包材を形成し得る第1の原反と、複数の前記第2の包材を形成し得る第2の原反とを、それぞれ繰り出すとともに所定の搬送方向に搬送しながら、前記第1の原反と前記第2の原反とを重ね合わせる工程と、重ね合わされた前記第1の原反と前記第2の原反とを、前記搬送方向の一側方の側に前記開口部が残るようにして互いにシールしてシール部を形成することにより、前記食品用包装袋を前記搬送方向に連続的に並ぶように形成する工程と、複数の前記シール部を、前記搬送方向に分断することにより、複数の前記食品用包装袋を順次切断して得る工程と、を備える。
【0012】
(7)(6)において、前記食品用包装袋は、略台形状の形状を有し、かつその高さ方向の一端部に前記開口部を有し、前記開口部は、前記搬送方向に隣接する前記食品用包装袋において前記搬送方向の両側に交互に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、樹脂の使用量を抑制することができる食品用包装袋及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る食品用包装袋及び当該包装袋で包装されるサンドイッチを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る食品用包装袋の分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る食品用包装袋であって、表側の第1の包材側から見た平面図である。
図4】第1実施形態に係る食品用包装袋であって、裏側の第2の包材側から見た平面図である。
図5図4のV-V断面図である。
図6】第1実施形態に係る食品用包装袋によりサンドイッチを包装する手順を(a)~(d)の順に示す斜視図である。
図7】第1実施形態に係る食品用包装袋によりサンドイッチを包装した状態を示す斜視図である。
図8】第1実施形態に係る食品用包装袋の製造方法を実施する製造ラインを模式的に示す斜視図である。
図9】第1実施形態に係る食品用包装袋の製造方法において、第1の原反を製造する方法を模式的に示す斜視図である。
図10図8に示す製造ラインにおいて、工程D、工程E及び工程Fを拡大して示す平面図である。
図11】第2実施形態に係る食品用包装袋の分解斜視図である。
図12】第2実施形態に係る食品用包装袋であって、表側の第1の包材側から見た平面図である。
図13】第2実施形態に係る食品用包装袋であって、裏側の第2の包材側から見た平面図である。
図14図13のXIV-XIV断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る食品用包装袋(以下、包装袋と略称)1と、この包装袋1に収容される直角三角形状のサンドイッチ100を示している。すなわち第1実施形態の包装袋1は、直角三角形状のサンドイッチ100を包装するための袋である。サンドイッチ100は、複数の直角三角形状の食パン101と、2枚の食パン101の間に挟まれた具材102と、を有する。サンドイッチ100は、直角以外の1つの頂部105から包装袋1の中に挿入されて包装袋1により包装される。
【0016】
図2図5に示すように、包装袋1は、表側を構成するシート状の第1の包材10と、裏側を構成するシート状の第2の包材20と、を備える。図2は包装袋1の分解斜視図、図3は第1の包材10側(表側)から包装袋1を見た平面図、図4は第2の包材20側(裏側)から包装袋1を見た裏面図、図5図4のV-V断面図である。
【0017】
図2図4に示すように、第1の包材10及び第2の包材20のそれぞれは縦に長い左右対称の台形状であって概略二等辺三角形状の形状を有し、かつ互いに同一の形状及び寸法を有する。包装袋1は、第1の包材10及び第2の包材20が形状を揃えた状態で重ね合わされ、三方のシール部30を互いに貼り合わされて袋状に形成される。図3及び図4に示すように、三方のシール部30は、包装袋1の長さ方向Lの一端側(図3及び図4で上側)に設けられる上下2段の頂部シール部31と、幅方向Wの両側の側部シール部32と、を含む。頂部シール部31のそれぞれは、側部シール部32につながっている。
【0018】
図1に示すように、第1の包材10と第2の包材20との間に、サンドイッチ100を収容する収容部33が形成される。包装袋1の外周縁においてシール部30以外の部分が、互いに離間して収容部33を外部に開放する開口部34となっている。開口部34は、長さ方向の他端側(図3及び図4で下側)であって後述する底部7の側に設けられる。サンドイッチ100は、開口部34から収容部33に挿入される。
【0019】
図3に示すように、包装袋1は、長さ方向一端側の頂部5と、収容部33を含む袋本体部6と、長さ方向他端側の底部7と、を備える。図3及び図4において、二点鎖線Gは頂部5と袋本体部6との概略的な境界を示し、二点鎖線Hは中央部26と底部27との概略的的な境界を示している。底部7の両側の角部には、切欠き部7aが形成されている。開口部34は、底部7の側に配置されている。
【0020】
図2及び図3に示すように、第1の包材10は、長さ方向Lに並ぶ分割された3つのシート、すなわち頂部シート11、中央部シート12及び底部シート13が一体化されて1枚のシートとされたものである。頂部シート11は、包装袋1の袋本体部6及び頂部5の一部を構成する。中央部シート12は、包装袋1の袋本体部6を構成する。底部シート13は、包装袋1の袋本体部6及び底部7の一部を構成する。頂部シート11及び中央部シート12のそれぞれは、長さ方向Lの一端側から他端側に向かうにつれてしだいに幅広となっていく台形形状を有する。底部シート13は、長さ方向Lの一端側から他端側に向かうにつれて一旦幅広になってから、逆に幅狭になる六角形状の形状を有する。底部シート13は、包装袋1の切欠き部7aに対応する第1の包材側切欠き部10aを有する。底部シート13は、収容したサンドイッチ100を包装する際に開口部34を閉塞するように折り込まれる折り込み部13bを含む。
【0021】
頂部シート11、中央部シート12及び底部シート13は、いずれも可撓性を有する紙素材でできた紙製のシートである。中央部シート12は、収容部33に収容されたサンドイッチ100を外部から視認できる可視性の紙素材で構成されている。実施形態の包装袋1は、中央部シート12による窓部14を有する。
なお、本明細書でいう紙素材とは、紙単独であって無加工のもの、単独の紙に加工を施したものの他、これらのような紙の少なくとも片面に樹脂製のフィルム等をコーティングしたもの等を含む。
【0022】
窓部14を構成する中央部シート12の紙素材としては、グラシン紙、セロハン紙等の半透明な紙素材が好適に用いられる。また、そのような紙素材の少なくとも収容部33に面する内面に、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)等の樹脂製のフィルムをラミネートした、ある程度耐水性を備えた紙素材であってもよい。
【0023】
一方、中央部シート12を挟む頂部シート11及び底部シート13の紙素材は、中央部シート12と同様の紙素材でよいが、中央部シート12の紙素材よりも可視性の低い紙素材により構成されていてよい。すなわち、頂部シート11及び底部シート13を通して外部からサンドイッチ100を視認できなくてもよい。これは、窓部14の中央部シート12を通してサンドイッチ100を外部から視認できるからである。そのような紙素材としては、洋紙、和紙、合成紙、クラフト紙等が挙げられる。頂部シート11及び底部シート13を構成する紙素材は、中央部シート12と同様に、少なくとも収容部33に面する内面にOPP(二軸延伸ポリプロピレン)等の樹脂製のフィルムをラミネートしたある程度の耐水性を備えた紙素材であってもよい。頂部シート11及び底部シート13は、同じ種類の紙素材であってもよく、異なる種類の紙素材であってもよい。
【0024】
図5に示すように、中央部シート12の外側に、頂部シート11及び底部シート13のそれぞれの端部が重ねられて接合される。この場合の接合は、各シート11、12、13に適合する接着剤によって接合される。あるいは、上述したようにフィルムがラミネートされている紙素材の場合には、そのフィルムを利用したヒートシールにより、頂部シート11及び底部シート13を中央部シート12に接合することができる。紙素材どうしを接合するため、接合部分での縮小は生じにくい。
【0025】
図2及び図4に示すように、第2の包材20は、1枚の樹脂製のフィルムにより構成されている。フィルムによる第2の包材20は、透明であってもよく、半透明あるいは不透明であってもよい。第2の包材20は、包装袋1の頂部5、袋本体部6及び底部7のそれぞれに対応する頂部25、中央部26及び底部27を有する。底部27は、収容したサンドイッチ100を包装する際に開口部34を閉塞するように折り込まれる折り込み部27bを含む。底部27には、包装袋1の切欠き部7aに対応する第2の包材側切欠き部20aが形成されている。
【0026】
第2の包材20は、可撓性を有する合成樹脂製の透明もしくは半透明の1枚のフィルムで構成される。また、第2の包材20を構成するフィルムは、ヒートシールを容易とする上で熱溶着性を有すると好ましい。そのような合成樹脂フィルムとしては、単層あるいは多層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の場合は、例えば、(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂フィルムである。多層の場合は、例えば、湿気を遮断するバリア層となるPVDC(ポリ塩化ビニリデン)をポリエチレンで挟んだ3層構造の合成樹脂フィルム等が好適に用いられる。
【0027】
第2の包材20の頂部25の幅方向中央には、逆U字状の切り込み21が設けられることにより、第2の包材20を部分的にめくりあげることのできる開封片22が設けられている。第2の包材20の内面には、この開封片22から中央部26をほぼ縦断して長さ方向Lに延びる帯状のカットテープ23が貼着される。カットテープ23は、合成樹脂製のフィルムである。開封片22を指で摘まんで頂部25側から底部27側に向けてカットテープ23を引き裂くことにより、第2の包材20を左右に分割させることできる。これにより、収容したサンドイッチ100を第2の包材20側である裏側から取り出すことができる。
【0028】
第1実施形態の包装袋1により、サンドイッチ100は次のようにして包装される。
はじめに、図1に示したように開口部34を開いて、直角以外の1つの頂部105からサンドイッチ100を収容部33に挿入する。このとき、裏側の第2の包材20を下側に配置し、かつ表側の第1の包材10を上側に配置して、直角三角形の斜辺に相当するサンドイッチ100の斜面106を第1の包材10に対向させて、サンドイッチ100を包装袋1に挿入する。
【0029】
次に、図6(a)に示すように、奥側の頂部5の内側にサンドイッチ100の挿入先端側の頂部105が到達することで、サンドイッチ100は包装袋1の中に収容された状態となる。この収容状態で、包装袋1はサンドイッチ100の形状に沿った直角三角形状に変形し、開口部34は長方形状に開口する。サンドイッチ100の収容部33よりも開口部34の側に余剰部分が生じ、この余剰部分が、包装状態を封止する角筒状の封止部35となる。封止部35は、第1の包材10における底部シート13の折り込み部13bと、第2の包材20における底部27の折り込み部27bと、を含む。
【0030】
次に、図6(b)に示すように、封止部35を構成する第2の包材20の底部27の幅方向中央部27cを、開口部34を通して露出していたサンドイッチ100の矩形状の表面に接触するように第1の包材10の側に折り込む。次いで、図6(b)に示す封止部35を構成する第1の包材10の折り込み部13bと、第2の包材20の折り込み部27bとが重なった両側の側部35aのそれぞれを、矢印Mで示すように順に内側に折り込んで、図6(c)に示すように、先に折り込んだ底部27の幅方向中央部27cの上に重ね合わせる。最後に、図6(c)に示す折り込み部13bを構成する第1の包材10の底部シート13の突出部13cを、図6(d)の矢印Nで示すように手前側に折り込んで、先に畳まれた状態の封止部35の上に重ね合わせ、シール40によりその状態を保持する。包装状態を保持する包装袋1の最後の封止は、シール40を用いる他に、接着剤やヒートシール等の手段で封止部35を接合してもよい。
【0031】
これにより、図7に示すように、サンドイッチ100の外面にほぼ沿った形状に変形した包装袋1によってサンドイッチ100が包装される。この包装状態で、第1の包材10の窓部14は、サンドイッチ100の具材102に対向する位置に配置される。したがって、窓部14を通してサンドイッチ100の具材102が視認できる。第1の包材10は全て紙素材でありながら、窓部14を構成する中央部シート12の紙素材として、グラシン紙のような可視性を有する紙素材を用いている。これにより、窓部14を通してサンドイッチ100の種類を目視により容易に判断できる。
【0032】
封止部35を構成する第2の包材20の底部27の折り込み部27bは柔軟な樹脂製のフィルムであるため、平面状に畳みやすく、その結果、封止部35が幾重にも畳まれてもその厚みが増すことが抑制され、嵩張りにくい。
【0033】
裏側の第2の包材20に設けられた開封片22を指で摘まんでカットテープ23を頂部25から底部27側に向けて引き裂き、第2の包材20の中央部26を左右に分離させることにより、包装袋1は開封され、収容したサンドイッチ100を第2の包材20側から取り出して食することができる。
【0034】
第1実施形態に係る包装袋1は、例えば図8に示す製造ライン50により製造される。製造ライン50により、本発明の製造方法の一例を実施することができる。
【0035】
図8に示す製造ライン50により、複数の第1の包材10を形成し得る第1の原反10Sが矢印Hの方向に搬送されるとともに、複数の第2の包材20を形成し得る第2の原反20Sが矢印Kの方向に搬送される。第1の原反10S及び第2の原反20Sは、同期して間欠的に搬送される。製造ライン50においては、第2の原反20Sにカットテープ23を貼着する工程Aと、第2の原反20Sに開封片22を形成する工程Bと、工程A及び工程Bを経た第2の原反20Sに第1の原反10Sを重ね合わせる工程Cと、シール部30を形成することにより、包装袋1を搬送方向に連続的に並ぶように形成する工程Dと、シール部30の側部シール部32を搬送方向に分断することにより、複数の包装袋1を順次切断して得る工程Eと、底部の切欠き部7aを形成する工程Fと、が行われる。シール部30を形成する工程Dは、頂部シール部31を形成する工程D1及び側部シール部32を形成する工程D2を含む。
【0036】
製造ライン50では、包装袋1の長さ方向Lが搬送方向に直交する横向きの状態で、かつその横向き状態が交互に反対向きになるように複数の包装袋1が連続的に製造される。したがって搬送方向に隣接する包装袋1において開口部34が搬送方向の両側に交互に配置される。
【0037】
第1の原反10Sは、図9に示すように、ロール状に巻回された中央部シート原反12Sと、中央部シート原反12Sの両側の側部シート原反15Sとを繰り出しながら、中央部シート原反12Sの両側に、側部シート原反15Sのそれぞれの側縁部を重ねて接合されることにより連続的に製造される。中央部シート原反12Sは、第1の包材10の中央部シート12の原反である。側部シート原反15Sは、第1の包材10の頂部シート11及び底部シート13の原反である。したがって第1の包材10の頂部シート11と底部シート13とは、同じ紙素材となる。
【0038】
工程Aでは、繰り出された第2の原反20Sの上面に、カットテープ23が一定間隔おきに貼着される。カットテープ23が貼着される上面は、包装袋1における収容部33に面する内面である。カットテープ23は、例えば図示せぬヒートシールバーによりカットテープ23を第2の原反20Sに押し付けることにより、第2の原反20Sに貼着される。
【0039】
工程Bでは、カットテープ23の一端側に近接する部分に、図示せぬカッターにより切り込み21を入れて開封片22を形成する。搬送方向に対して横向き、かつ交互に反対向きに包装袋1を形成するため、カットテープ23の貼着位置及び開封片22の形成位置は、第2の原反20Sの幅方向に交互にずれている。
【0040】
工程Cでは、工程A及び工程Bを経て搬送される第2の原反20Sの上に、第1の原反10Sが重ね合わされる。工程Dでは、ヒートシールバー51により第1の原反10Sと第2の原反20Sとをシールして、頂部シール部31を形成する工程D1が行われ、続いて、ヒートシールバー52により第1の原反10Sと第2の原反20Sとをシールして、側部シール部32を形成する工程D2が行われる。図10にも示すように、工程D1及び工程D2により、開口部34が搬送方向の両側に交互に形成されながら、横向きとなった複数の台形状の包装袋1が搬送方向に連続的に並ぶように形成される。工程Dでは、搬送方向の一側方の側に開口部34が残るようにして第1の原反10Sと第2の原反20Sとは互いにシールされ、シール部30が形成される。
【0041】
工程Eでは、図10にも示すように、図示せぬカッターにより側部シール部32を搬送方向に分断する。これにより、複数の包装袋1を順次切断して得る。工程Fでは、図示せぬカッターにより底部7の切欠き部7aを形成する。図10に示すように、複数の包装袋1を搬送方向に対して横向きの状態で、かつその横向き状態が交互に反対向きになるようにして切断することにより、台形状の包装袋1であっても、第1の原反10S及び第2の原反20Sに無駄が生じることなく、効率よく製造することができる。
【0042】
以上説明した第1実施形態に係る包装袋1は、シート状の第1の包材10と、第1の包材10に貼り合わせられ、第1の包材10との間にサンドイッチ100を収容する収容部33を形成するシート状の第2の包材20と、収容部33を外部に開放する開口部34と、を備え、第1の包材10及び第2の包材20のうちの少なくとも第1の包材10は、少なくともその一部に、収容部33に収容されたサンドイッチ100を外部から視認できる可視性の紙素材で構成された窓部14を有する。
【0043】
これにより、少なくとも第1の包材10の一部が紙素材で構成されるため、樹脂の使用量を抑制することができる。紙素材は樹脂製のフィルムよりも印刷性が良好であるため、包装袋1の紙素材の部分(頂部シート11、中央部シート12及び底部シート13)に、商品名や模様、ロゴ等の各種の表示を印刷しやすい。また、第1実施形態の包装袋1によれば、窓部14を通して中身のサンドイッチ100を外部から視認してサンドイッチ100の種類を目視により容易に判断できる。
【0044】
第1実施形態に係る包装袋1において、第1の包材10は、窓部14を含む全てが紙素材により構成され、かつ窓部14以外の部分が窓部14の紙素材よりも可視性の低い紙素材により構成されていることが好ましい。
【0045】
これにより、包装袋1のおよそ半分を占める第1の包材10が紙素材であるため、樹脂の使用量を大幅に抑制することができるとともに、樹脂製の透明なフィルム等で窓部14を構成することなく、その窓部14から中身のサンドイッチ100を容易に視認することができる。
【0046】
第1実施形態に係る包装袋1において、第2の包材20は、開口部34を閉塞する封止部35となる折り込み部27bを有し、少なくともその折り込み部27bが樹脂製のフィルムにより構成されていることが好ましい。
【0047】
これにより、折り込み部27bを構成する第2の包材20の底部27を平面状に畳みやすくなり、封止部35が幾重にも畳まれてもその厚みが増すことが抑制され、嵩張りにくい。
【0048】
第1実施形態に係る包装袋1においては、収容部33に収容される食品は直角三角形状のサンドイッチ100であり、窓部14は、サンドイッチ100の具材102に対向する位置に配置される。
【0049】
これにより、窓部14を通して具材102に基づくサンドイッチ100の種類を目視により容易に判断できる。
【0050】
第1実施形態に係る包装袋1の製造方法は、複数の第1の包材10を形成し得る第1の原反10Sと、複数の第2の包材20を形成し得る第2の原反20Sとを、それぞれ繰り出すとともに所定の搬送方向に搬送しながら、第1の原反10Sと第2の原反20Sとを重ね合わせる工程と、重ね合わされた第1の原反10Sと第2の原反20Sとを、搬送方向の一側方の側に開口部34が残るようにして互いにシールしてシール部30を形成することにより、包装袋1を搬送方向に連続的に並ぶように形成する工程と、複数のシール部30を、搬送方向に分断することにより、複数の食品用包装袋1を順次切断して得る工程と、を備える。
【0051】
これにより、第1実施形態に係る包装袋1を好適に製造できる。
【0052】
第1実施形態に係る包装袋1の製造方法において、包装袋1は、略台形状の形状を有し、かつその高さ方向(図3での長さ方向L)の一端部に開口部34を有し、開口部34は、搬送方向に隣接する包装袋1において搬送方向の両側に交互に配置されることが好ましい。
【0053】
これにより、第1の原反10S及び第2の原反20Sのそれぞれに無駄が生じることなく、略台形状の包装袋1を効率よく製造することができる。
【0054】
(第2実施形態)
続いて、図11図14を参照して第2実施形態を説明する。
第2実施形態に係る包装袋2は、第1の包材10及び第2の包材20のいずれもが1枚の紙素材により構成されている点で、上記第1実施形態と異なっている。以下の説明では、第1実施形態と共通する機能を有する構成要素には共通の符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0055】
図11は第2実施形態の包装袋2の分解斜視図、図12は第2実施形態の包装袋2を第1の包材10側(表側)から見た平面図、図13は第2実施形態の包装袋2を第2の包材20側(裏側)から見た裏面図、図14図13のXIV-XIV断面図である。これら図に示すように、第1の包材10及び第2の包材20はいずれも1枚のシートで構成されており、そのシートは紙素材により構成されている。
【0056】
第2実施形態の包装袋2は、第1の包材10及び第2の包材20の双方とも、グラシン紙、セロハン紙等の可視性を有する半透明な紙素材で構成されている。そのような紙素材として、少なくとも収容部33に面する内面にOPP(二軸延伸ポリプロピレン)等の樹脂製のフィルムをラミネートしたある程度の耐水性を備えた紙素材であってもよい。第1の包材10及び第2の包材20の双方とも可視性を有する紙素材であるため、サンドイッチ100を包装した状態で、第1の包材10及び第2の包材20のサンドイッチ100に面する部分が、サンドイッチ100を外部から視認できる窓部14となり得る。
【0057】
第2実施形態の包装袋2は、第1の包材10及び第2の包材20のうち、一方がグラシン紙等の可視性を有する紙素材により構成され、他方が中身のサンドイッチ100が視認できないような洋紙、和紙、合成紙、クラフト紙等であってもよい。その場合、表側の第1の包材10の方に可視性を有する紙素材を適用すると、見栄えが良好で、かつ具材102が視認しやすいという点で好適である。
【0058】
第2の包材20は、切り込み21が設けられることにより、開封片22が設けられる。第2の包材20の内面には、開封片22に対応してカットテープ23が貼着されている。
【0059】
包装袋2は、第1の包材10及び第2の包材20が形状を揃えた状態で重ね合わされ、三方のシール部30、すなわち頂部シール部31と側部シール部32が互いに貼り合わされて袋状に形成される。
【0060】
第2実施形態の包装袋2においては、第1の包材10及び第2の包材20のうち、少なくとも一方が、上記第1実施形態の第1の包材10のように、紙素材からなる複数のシートが一体化したシートにより構成されていてよい。
また、第2実施形態の包装袋2においては、カットテープ23も紙素材により構成されたものであってよい。
【0061】
第2実施形態の包装袋2は、第1の包材10及び第2の包材20の双方が紙素材により構成されている。
これにより、樹脂製のフィルムを全く使用しないか、あるいは使用量を大幅に少なくすることができ、樹脂の使用量を大幅に抑制することができる。
【0062】
本発明は上記各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態の第1の包材10は、複数に分割される紙素材のシートを一体化したものに代えて、第2実施形態のようにグラシン紙等の可視性を有する1枚のシートにより構成されてよい。あるいは、第1の包材10の全てが紙素材ではなく、一部が窓部となるような紙素材で、他の部分がフィルムで構成されてもよい。その場合のフィルムは、透明あるいは半透明でなくてもよい。
第1実施形態において、第2の包材20は、1枚の樹脂製フィルムで構成される代わりに、紙素材とフィルムとの組み合わせでもよく、紙素材のみであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、2 食品用包装袋
10 第1の包材
10S 第1の原反
14 窓部
20 第2の包材
20S 第2の原反
27b 折り込み部
30 シール部
33 収容部
34 開口部
100 サンドイッチ(食品)
102 具材
図1
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