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特許7661204営業担当者別実績管理装置、営業担当者別実績管理方法及び営業担当者別実績管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】営業担当者別実績管理装置、営業担当者別実績管理方法及び営業担当者別実績管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20250407BHJP
【FI】
G06Q40/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021191341
(22)【出願日】2021-11-25
(65)【公開番号】P2023077858
(43)【公開日】2023-06-06
【審査請求日】2024-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛島 康行
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-132595(JP,A)
【文献】特開2000-187602(JP,A)
【文献】特開平6-139260(JP,A)
【文献】特開平11-149509(JP,A)
【文献】特開2021-152869(JP,A)
【文献】特開2011-100284(JP,A)
【文献】特開2001-351178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各商品の営業担当者が得意先の担当者とそれぞれ商談を行うことで、前記得意先から一括して発注され売り上げた各前記商品の商品情報、前記得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す売上金額情報を含む売上情報を取得する取得部と、
前記得意先毎及び前記商品毎に関連付けされた前記営業担当者を示す営業担当者情報が記憶された記憶部を参照し、前記売上情報に含まれる前記得意先及び前記商品に対応する前記営業担当者を示す前記営業担当者情報を抽出する抽出部と、
少なくとも、前記得意先から一括して発注され売り上げた各前記商品の前記商品情報、前記得意先を示す前記得意先情報、及び、各前記商品の売上金額を示す前記売上金額情報を前記売上情報から検出すると共に、前記記憶部から抽出された前記得意先毎及び前記商品毎の前記営業担当者を示す前記営業担当者情報を出力する出力部と、
を有する営業担当者別実績管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
各商品名及び各商品分類がそれぞれ関連付けされて記憶された商品マスタと、
各請求先、各商品分類及び各営業担当者がそれぞれ関連付けされた担当マスタと、を備え、
前記抽出部は、前記売上情報に含まれる前記商品情報に基づいて前記商品マスタを参照することで、販売された商品の前記商品分類を抽出し、抽出した前記商品分類、及び、前記売上情報に含まれる前記得意先に基づいて前記担当マスタを参照することで、販売された前記商品の営業担当者を示す前記営業担当者情報を抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の営業担当者別実績管理装置。
【請求項3】
前記営業担当者情報を含む仕訳データを生成するデータ生成部を、さらに備え、
前記出力部は、生成された前記仕訳データを会計システムに計上すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の営業担当者別実績管理装置。
【請求項4】
前記データ生成部は、少なくとも各前記商品の商品情報、前記得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す前記売上金額情報、及び、前記営業担当者情報を含む分析用データを生成すること
を特徴とする請求項3に記載の営業担当者別実績管理装置。
【請求項5】
取得部が、各商品の営業担当者が得意先の担当者とそれぞれ商談を行うことで、前記得意先から一括して発注され売り上げた各前記商品の商品情報、前記得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す売上金額情報を含む売上情報を取得する取得ステップと、
抽出部が、得意先毎及び前記商品毎に関連付けされた前記営業担当者を示す営業担当者情報が記憶された記憶部を参照し、前記売上情報に含まれる前記得意先及び前記商品に対応する前記営業担当者を示す前記営業担当者情報を抽出する抽出ステップと、
出力部が、少なくとも、前記得意先から一括して発注され売り上げた各前記商品の前記商品情報、前記得意先を示す前記得意先情報、及び、各前記商品の売上金額を示す前記売上金額情報を前記売上情報から検出すると共に、前記記憶部から抽出された前記得意先毎及び前記商品毎の前記営業担当者を示す前記営業担当者情報を出力する出力ステップと、
を有する営業担当者別実績管理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
各商品の営業担当者が得意先の担当者とそれぞれ商談を行うことで、前記得意先から一括して発注され売り上げた各前記商品の商品情報、前記得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す売上金額情報を含む売上情報を取得する取得部と、
前記得意先毎及び前記商品毎に関連付けされた前記営業担当者を示す営業担当者情報が記憶された記憶部を参照し、前記売上情報に含まれる前記得意先及び前記商品に対応する前記営業担当者を示す前記営業担当者情報を抽出する抽出部と、
少なくとも、前記得意先から一括して発注され売り上げた各前記商品の前記商品情報、前記得意先を示す前記得意先情報、及び、各前記商品の売上金額を示す前記売上金額情報を前記売上情報から検出すると共に、前記記憶部から抽出された前記得意先毎及び前記商品毎の前記営業担当者を示す前記営業担当者情報を出力する出力部として機能させること、
を特徴とする営業担当者別実績管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業担当者別実績管理装置、営業担当者別実績管理方法及び営業担当者別実績管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば家具雑貨等の製造メーカ側では、商品分類毎に営業担当者を決定し、この決定した営業担当者が、ホームセンター等の大型量販店に対する商取引を担当するようになっている。
【0003】
また、特許文献1(特開2017-102917号公報)には、担当者別、得意先別、商品別等の種々の項目についての営業利益のデータを容易に計算して出力する利益管理システムが開示されている。この利益管理システムは、売上を生じさせる直接的な営業を行う複数の営業部門を有した基幹部署と、複数の支援部門を有した支援部署とを備えた組織の所定期間内の営業利益に係る管理において、売上に係る売上伝票の明細行に対応した複数の明細行データで構成される売上データを含んだ業務基本データを用いて所定期間内の営業利益に係る管理を行う。
【0004】
具体的には、支援部署の支援部署全経費を基幹部署の各営業部門に配賦して部門配賦後経費を算出する。また、明細行データに基づいて明細行毎に部門配賦後経費を振り分けて行毎経費を算出する。また、この行毎経費及び行毎粗利に基づいて、明細行毎に行毎営業利益を算出し、行毎経費及び行毎営業利益を対応する明細行の明細行データに付加した活用明細行データとする。
【0005】
この活用明細行データは、例えば得意先、営業部門、担当者、商品名及びこれらの組み合わせから選択される項目等、種々の項目に係る営業利益として、集計加工して利用可能となっている。
【0006】
また、売上データである明細行データの最小単位の明細行毎に営業利益を振り分けているため、例えば部門別、担当者別、得意先別、商品分類別等の種々の項目についての営業利益のデータを容易に計算して出力できる。このため、部門別、担当者別、得意先別、商品分類別等の種々の項目についての営業利益のデータを簡単に確認でき、営業戦略,経営戦略などの事業戦略に利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-102917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、例えば大型量販店等の得意先との間で商取引される家具雑貨等の商品分類は、複数存在する。しかし、得意先からメーカ側に対しては、一つの伝票に複数の商品分類が混在する状態で発注が行われる。このため、メーカ側において、例えば自社商品の強みを活かすため、商品分類毎に営業担当を分けて組織編成を行っている場合、伝票単位で営業担当者が認識されるシステムでは、営業個々の実績管理を行うことが困難となる問題があった。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、得意先に対する商品分類毎の営業担当者の実績管理を可能とした営業担当者別実績管理装置、営業担当者別実績管理方法及び営業担当者別実績管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る営業担当者別実績管理装置は、各商品の営業担当者が得意先の担当者とそれぞれ商談を行うことで、得意先から一括して発注され売り上げた各商品の商品情報、得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す売上金額情報を含む売上情報を取得する取得部と、得意先毎及び商品毎に関連付けされた営業担当者を示す営業担当者情報が記憶された記憶部を参照し、売上情報に含まれる得意先及び商品に対応する営業担当者を示す営業担当者情報を抽出する抽出部と、少なくとも、得意先から一括して発注され売り上げた各商品の商品情報、得意先を示す得意先情報、及び、各商品の売上金額を示す売上金額情報を売上情報から検出すると共に、記憶部から抽出された得意先毎及び商品毎の営業担当者を示す営業担当者情報を出力する出力部と、を有する。
【0011】
また、本発明に係る営業担当者別実績管理方法は、取得部が、各商品の営業担当者が得意先の担当者とそれぞれ商談を行うことで、得意先から一括して発注され売り上げた各商品の商品情報、得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す売上金額情報を含む売上情報を取得する取得ステップと、抽出部が、得意先毎及び商品毎に関連付けされた営業担当者を示す営業担当者情報が記憶された記憶部を参照し、売上情報に含まれる得意先及び商品に対応する営業担当者を示す営業担当者情報を抽出する抽出ステップと、出力部が、少なくとも、得意先から一括して発注され売り上げた各商品の商品情報、得意先を示す得意先情報、及び、各商品の売上金額を示す売上金額情報を売上情報から検出すると共に、記憶部から抽出された得意先毎及び商品毎の営業担当者を示す営業担当者情報を出力する出力ステップと、を有する。
【0012】
また、本発明に係る営業担当者別実績管理プログラムは、上述の課題を解決するために、コンピュータを、各商品の営業担当者が得意先の担当者とそれぞれ商談を行うことで、得意先から一括して発注され売り上げた各商品の商品情報、得意先を示す得意先情報、及び、売上金額を示す売上金額情報を含む売上情報を取得する取得部と、得意先毎及び商品毎に関連付けされた営業担当者を示す営業担当者情報が記憶された記憶部を参照し、売上情報に含まれる得意先及び商品に対応する営業担当者を示す営業担当者情報を抽出する抽出部と、少なくとも、得意先から一括して発注され売り上げた各商品の商品情報、得意先を示す得意先情報、及び、各商品の売上金額を示す売上金額情報を売上情報から検出すると共に、記憶部から抽出された得意先毎及び商品毎の営業担当者を示す営業担当者情報を出力する出力部として機能させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、得意先に対する商品分類毎の営業担当者の実績管理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施の形態の販売実績管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、商品マスタの一例を示す図である。
図3図3は、担当マスタの一例を示す図である。
図4図4は、伝票処理の流れを示す図である。
図5図5は、伝票処理の詳細な流れを示すフローチャートである。
図6図6は、売上情報の一例を示す図である。
図7図7は、分析用データの一例を示す図である。
図8図8は、分析用データの他の例を示す図である。
図9図9は、分析用データの、さらに他の例を示す図である。
図10図10は、営業担当者情報を付した仕訳データの作成処理を説明するための図である。
図11図11は、営業担当者情報を付した仕訳データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施の形態となる販売実績管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、以下、一例として、実施の形態の販売実績管理装置は、各営業担当者の商品の販売実績を管理することとして説明を進める。しかし、各営業担当者のサービスの販売実績を管理してもよい。この場合でも後述する作用効果を得ることができるため、以下の説明を参照されたい。
【0016】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の販売実績管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この販売実績管理装置1としては、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ装置の他、ノート型のパーソナルコンピュータ装置又はタブレット型のパーソナルコンピュータ装置を用いることができる。また、販売実績管理装置1としては、PDA(Personal Digital Assistants)装置又はスマートフォン等携帯型情報処理装置を用いることができる。このような販売実績管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。
【0017】
入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0018】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ所定の情報が記憶された記憶領域である商品マスタ11、及び、担当マスタ12が設けられている。
【0019】
図2は、商品マスタ11の一例を示す図である。この図2に示すように、商品マスタ11には、それぞれ固有の番号である商品番号、商品名、及び、商品分類が、それぞれ関連付けされて記憶されている。具体的には、図2の例は、「SHOUHIN01:こたつ布団」の商品番号及び商品名に、「KOTA:こたつ」の商品分類が関連付けされていることを示す例である。同様に、図2の例は、「SHOUHIN03:マットレス」の商品番号及び商品名に、「SLEEP:寝具」の商品分類が関連付けされていることを示す例である。
【0020】
図3は、担当マスタ12の一例を示す図である。この図3に示すように、担当マスタ12には、請求先の固有の番号(請求先番号)、請求先名、商品分類及び営業担当者が、それぞれ関連付けされた記憶されている。具体的には、図3の例は、「001:ホームセンター」の請求先番号及び請求先名に、「KOTA:こたつ」の商品分類及び営業担当者として営業担当Aが関連付けされていることを示す例である。また、図3の例は、「001:ホームセンター」の請求先番号及び請求先名に、「SLEEP:寝具」の商品分類及び営業担当者として営業担当Cが関連付けされていることを示す例である。
【0021】
また、図3の例は、「002:〇〇量販店」の請求先番号及び請求先名に、「KOTA:こたつ」の商品分類及び営業担当者として営業担当Aが関連付けされていることを示す例である。また、図3の例は、「002:〇〇量販店」の請求先番号及び請求先名に、「SLEEP:寝具」の商品分類及び営業担当者として営業担当Dが関連付けされていることを示す例である。
【0022】
(機能構成)
制御部3は、記憶部2に記憶されている販売実績管理プログラムを実行することで、取得部21、抽出部22、データ生成部23、出力部24、及び、表示制御部25として機能する。
【0023】
取得部21は、業務オペレータ等により入力される、各得意先(請求先)に対する売上情報を取得する。抽出部22は、売上情報に含まれる商品番号及び商品名に基づいて商品マスタ11を参照することで、商品分類を抽出する。また、抽出部22は、売上情報の請求先名、及び、商品マスタ11から抽出した商品分類に基づいて、担当マスタ12を参照することで、各請求先、及び、各請求先に売り上げた商品分類の商品の営業担当者を抽出する。
【0024】
データ生成部23は、売上情報、商品マスタ11及び担当マスタ12を関連付けた分析用データを生成する。また、データ生成部23は、仕訳連携用の計上データを生成する。表示制御部25は、生成された分析用データ及び計上データを、出力装置7に表示する。出力部24は、生成された計上データを、所定のネットワーク8上の会計端末装置9の会計システムに、通信インターフェース部4を介して送信して計上する。なお、図1に点線のブロックで示すように、会計システムを記憶部2に設け、出力部24は、この記憶部2の会計システムに、計上データを計上してもよい。
【0025】
(伝票処理の流れ)
図4は、伝票処理の流れを示す図である。この図4の例は、例えば「こたつ」の商品分類の商品の営業担当者として、営業担当A及び営業担当Bが割当られており、「寝具」の商品分類の商品の営業担当者として、営業担当C及び営業担当Dが割当られている。「こたつ」の営業担当者は、得意先Aのインテリア関連バイヤーと商談を行い、また、「寝具」の営業担当者は、得意先Aの寝具関連バイヤーと商談を行う。
【0026】
この商談の結果、得意先Aからは、「1.こたつ布団」、「2.こたつカーペット」及び「3.マットレス」等のように、一つの発注伝票に複数の商品分類の商品が混在するかたちで発注が行われる。メーカ側の総合事務では、図2に示した商品マスタ11及び図3に示した担当マスタ12を参照することで、受注した商品の商品分類毎の営業担当者を明確化した伝票処理を行い、売上計上を行う。
【0027】
(伝票処理の詳細)
図5は、このような伝票処理の詳細な流れを示すフローチャートである。上述の受注により商品が得意先に対して販売されると、業務オペレータは、図6に示すように売上番号、請求先、商品番頭、商品名及び売上金額を含む売上情報を、入力装置6を介して入力操作する。図6に例示する売上情報において、売上番号は自動採番により付加される。また、図6の例は、請求先が「001:〇〇ホームセンター」に対して、売上金額が「10000円」の「SHOUHIN01:こたつ布団」が販売され、また、売上金額が「30000円」の「SHOUHIN03:マットレス」が販売された例である。図5のフローチャートのステップS1では、取得部21が、このように業務オペレータにより入力された売上情報を取得して、記憶部2に一旦、記憶する。
【0028】
次に、ステップS2では、抽出部22及びデータ生成部23が、売上情報、商品マスタ11及び担当マスタ12に基づいて、図7に示す所定の分析用データを生成する。この図7に示す分析用データを生成する場合、抽出部22は、売上情報の商品名に基づいて商品マスタ11を参照し、その商品名に対応する商品分類を商品マスタ11から抽出する。また、抽出部22は、売上情報の請求先、及び、商品マスタ11から抽出した商品分類に基づいて担当マスタ12を参照し、その請求先及び商品分類に対応する営業担当者を抽出する。この場合、データ生成部23は、分析用データ生成部として機能し、図7に示すように、売上情報に対して、商品マスタ11から抽出した商品分類、及び、担当マスタ12から抽出した営業担担当者を関連付けした分析用データを生成する。
【0029】
具体的には、図6に示す売上情報は、請求先が「001:〇〇ホームセンター」で、売上金額が「10000円」の「SHOUHIN01:こたつ布団」、及び、売上金額が「30000円」の「SHOUHIN03:マットレス」の売上情報である。この場合、抽出部22は、商品マスタ11を参照することで、「SHOUHIN01:こたつ布団」の商品分類として、「KOTA:こたつ」の商品分類を抽出し、また、「SHOUHIN03:マットレス」の商品分類として、「SLEEP:寝具」の商品分類を抽出する。
【0030】
また、抽出部22は、商品情報の「001:〇〇ホームセンター」の請求先、及び、商品マスタ11から抽出した「KOTA:こたつ」の商品分類に基づいて担当マスタ12を参照し、営業担当者として「営業担当A」を抽出する。同様に、抽出部22は、商品情報の「001:〇〇ホームセンター」の請求先、及び、商品マスタ11から抽出した「SLEEP:寝具」の商品分類に基づいて担当マスタ12を参照し、営業担当者として「営業担当C」を抽出する。
【0031】
データ生成部23は、図6に示した売上情報のうち、「SHOUHIN01:こたつ布団」の売上情報に対して、商品マスタ11から抽出された商品分類である「KOTA:こたつ」を関連付けすると共に、担当マスタ12から抽出された営業担当者である「営業担当A」を関連付けした分析用データを生成する。また、データ生成部23は、図6に示した売上情報のうち、「SHOUHIN03:マットレス」の売上情報に対して、商品マスタ11から抽出された商品分類である「SLEEP:寝具」を関連付けすると共に、担当マスタ12から抽出された営業担当者である「営業担当C」を関連付けした分析用データを生成する。
【0032】
表示制御部25は、この分析用データを出力装置7に表示制御する。これにより、得意先より、一つの伝票に複数の商品分類が混在する状態で発注が行われた場合でも、請求先、商品、売上金額と共に、対応する商品分類及び営業担当者を認識できる。このため、得意先に対する商品分類毎の営業担当者の個々の実績管理を行うことができる。
【0033】
また、データ生成部23は、他の形態の分析用データの生成も可能である。例えば、図8は、販売管理用の分析用データの一例である。この販売管理用の分析用データは、会計年月、請求先、営業担当、商品コード、商品名、当年売上金額、原価金額、粗利金額、及び、前年売上金額を含んで構成される。会計年月、請求先、商品コード、商品名、当年売上金額、原価金額、粗利金額、及び、前年売上金額は、業務オペレータにより入力される情報である。また、営業担当は、上述のように抽出部22により、商品マスタ11及び担当マスタ12を参照して抽出された情報である。
【0034】
この図8の例は、会計年月が「2021年2月」の、「〇〇ホームセンター」に対する「こたつ布団(青)」の当年売上金額は「500000円」であり、原価金額は「400000円」、粗利金額は「100000円」、前年売上金額は「1000000円」であることを示している。そして、この「〇〇ホームセンター」に対して販売された「こたつ布団(青)」の営業担当者は「営業担当A」であることを示している。
【0035】
また、図8の例は、会計年月が「2021年2月」の、「〇〇ホームセンター」に対する「マットレス(赤)」の当年売上金額は「2000000円」であり、原価金額は「1500000円」、粗利金額は「500000円」、前年売上金額は「800000円」であることを示している。そして、この「〇〇ホームセンター」に対して販売された「マットレス(赤)」の営業担当者は「営業担当C」であることを示している。
【0036】
また、図8の例は、会計年月が「2021年2月」の、「〇〇量販店」に対する「マットレス(黄)」の当年売上金額は「1200000円」であり、原価金額は「900000円」、粗利金額は「300000円」、前年売上金額は「1800000円」であることを示している。そして、この「〇〇量販店」に対して販売された「マットレス(黄)」の営業担当者は「営業担当C」であることを示している。
【0037】
同様に、図9は、管理会計用の分析用データの一例である。この管理会計用の分析用データは、得意先別(請求先別)、商品分類別、及び、営業担当者別に、売上高、売上原価、売上純利益、一般管理費、及び、営業利益を一覧表示したデータとなっている。
【0038】
具体的には、図9の例の場合、事業セグメントとして「〇〇ホームセンター」及び「〇〇量販店」が表示される。また、中分類として「こたつ」、「寝具」等の商品分類が表示される。また、小分類として「営業担当A」~「営業担当D」が表示される。
【0039】
この図9は、例えば「〇〇ホームセンター」に対する「こたつ」の営業担当は「営業担当A」及び「営業担当B」であることを示している。そして、「営業担当A」の「〇〇ホームセンター」に対する「こたつ」の売上高は「1000000円」、売上原価は「700000円」、売上純利益は「300000円」、一般管理費は「100000円」及び営業利益は「200000円」であることを示している。また、「営業担当B」の「〇〇ホームセンター」に対する「こたつ」の売上高は「5000000円」、売上原価は「4000000円」、売上純利益は「1000000円」、一般管理費は「300000円」及び営業利益は「700000円」であることを示している。
【0040】
また、この図9は、「〇〇量販店」に対する「寝具」の営業担当は「営業担当A」及び「営業担当D」であることを示している。そして、「営業担当A」の「〇〇量販店」に対する「寝具」の売上高は「3400000円」、売上原価は「2200000円」、売上純利益は「1200000円」、一般管理費は「400000円」及び営業利益は「800000円」であることを示している。また、「営業担当D」の「〇〇量販店」に対する「寝具」の売上高は「4400000円」、売上原価は「2800000円」、売上純利益は「1600000円」、一般管理費は「400000円」及び営業利益は「1200000円」であることを示している。
【0041】
このように実施の形態の販売実績管理装置1は、営業担当者毎に、販売実績を示す情報を表示して管理することができる。
【0042】
次に、図5のフローチャートのステップS3では、データ生成部23が、仕訳データを生成し、仕訳連携処理を行う。図10は、仕訳データを生成する流れを示す模式図である。データ生成部23は、仕訳データを生成する際に、伝票処理の際に生成した売上情報に基づいて、請求先に販売された商品分類の商品の営業担当者を、抽出部22を介して取得する。
【0043】
具体的には、図10(a)は、「〇〇ホームセンター」に対する「こたつ布団」の売上情報から営業担当者を検出する流れを示す図である。この図10(a)に示すように、抽出部22は、売上情報の「SHOUHINNO1:こたつ布団」の商品名に基づいて商品マスタ11を参照し、「KOTA:こたつ」の商品分類を抽出する。
【0044】
次に、抽出部22は、売上情報の「001:〇〇ホームセンター」の請求先、及び、抽出した「KOTA:こたつ」の商品分類に対応する担当者を、担当マスタ12から抽出する。この場合、「〇〇ホームセンター」の「こたつ」の営業担当者として「営業担当A」が抽出される。
【0045】
同様に、図10(b)は、「〇〇ホームセンター」に対する「マットレス」の売上情報から営業担当者を検出する流れを示す図である。この図10(b)に示すように、抽出部22は、売上情報の「SHOUHINNO3:マットレス」の商品名に基づいて商品マスタ11を参照し、「SLEEP:寝具」の商品分類を抽出する。
【0046】
次に、抽出部22は、売上情報の「001:〇〇ホームセンター」の請求先、及び、抽出した「SLEEP:寝具」の商品分類に対応する担当者を、担当マスタ12から抽出する。この場合、「〇〇ホームセンター」の「寝具」に対する営業担当者として、「営業担当C」が抽出される。
【0047】
次に、データ生成部23は、抽出された商品の商品分類に対応する営業担当者を含むかたちで、図11に示すような仕訳データを生成する。図11(a)の例は、図10(a)に示した「こたつ布団」に対する仕訳データである。この場合、データ生成部23は、上述の売上情報から「こたつ布団」の売上金額である「10000円」を検出する。そして、データ生成部23は、図11(a)に示すように借方を売掛金「10000円」、貸方を売上「10000円」とすると共に、担当マスタ12から抽出した営業担当Aを示す営業担当者情報を付加した仕訳データを生成する。
【0048】
同様に、図11(b)の例は、図10(b)に示した「マットレス」に対する仕訳データである。この場合、データ生成部23は、上述の売上情報から「マットレス」の売上金額である「30000円」を検出する。そして、データ生成部23は、図11(b)に示すように借方を売掛金「30000円」、貸方を売上「30000円」とすると共に、担当マスタ12から抽出した営業担当Cを示す営業担当者情報を付加した仕訳データを生成する。
【0049】
出力部24は、このように生成された仕訳データを、図5のフローチャートのステップS4において、通信インターフェース部4及びネットワーク8を介して会計端末装置9の会計システムに計上する。これにより、図5のフローチャートの全処理が終了する。なお、図1に点線のブロックで示すように、記憶部2に会計システムを設け、出力部24は、この記憶部2の会計システムに上述の仕訳データを計上してもよい。このように、仕訳データに対して営業担当者情報を付加することで、営業担当者毎の売上管理を可能とすることができる。
【0050】
[実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、実施の形態の販売実績管理装置1は、営業担当者の振り分けは、商品分類毎に決まっていることに着目し、組織編制及び商品分類の結びつきを整理し、営業担当者別の実績を管理する流れを整理している。これにより、得意先の購買部門と交渉を行った営業担当者毎に、実態に即した実績管理を行うことができる。
【0051】
また、会計システムへ仕訳として販売実績を連携することで、管理会計での実績管理、また販売システムのデータベースに営業担当者情報を記憶して、販売実績を複数の視点で参照可能とすることができる。
【0052】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0055】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、販売実績管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、販売実績管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて販売実績管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0060】
また、この販売実績管理装置1の販売実績管理プログラムは、販売実績管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための販売実績管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した販売実績管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、販売実績管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、担当者毎の営業管理及び売上管理に有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 販売実績管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 会計端末装置
11 商品マスタ
12 担当マスタ
21 取得部
22 抽出部
23 データ生成部
24 出力部
25 表示制御部
図1
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