(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】粒子センサ
(51)【国際特許分類】
G01N 27/22 20060101AFI20250407BHJP
G01N 15/02 20240101ALI20250407BHJP
【FI】
G01N27/22 Z
G01N15/02 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023183000
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2020565358の分割
【原出願日】2019-05-22
【審査請求日】2023-11-20
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】512068592
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
【氏名又は名称原語表記】TEKNOLOGIAN TUTKIMUSKESKUS VTT OY
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】コッピネン,パヌ
(72)【発明者】
【氏名】シッランパー,テウヴォ
(72)【発明者】
【氏名】イリラッミ,マルック
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-006103(JP,A)
【文献】特表2013-541648(JP,A)
【文献】特表2003-510034(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0089131(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-G01N 27/10
G01N 27/14-G01N 27/24
G01N 15/00-G01N 15/1492
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのプレート
(110,120)と、前記プレート
(110,120)間のギャップと、を含む微小電子機械(MEMS)キャパシタ
(100)と、
前記ギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機
(170)と、
前記MEMSキャパシタ
(100)のキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路
(150)と、を含
み、
前記読み出し回路(150)は、前記気体とともに前記ギャップの中を流れる粒子によって引き起こされる前記MEMSキャパシタ(100)のキャパシタンスの変化を検出するように構成されており、
前記ギャップの幅は調節可能である、
装置。
【請求項2】
前記気体搬送機
(170)は、前記ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及び前記ギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ギャップの幅は0.05~2.00マイクロメートルである、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすよう気体搬送機に指示するステップ
(510)と、
前記MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取るステップ
(520)であって、前記MEMSキャパシタのキャパシタンスの変化が、前記気体とともに前記ギャップの中を流れる粒子によって引き起こされるステップと、
前記入力から前記気体中の粒子濃度を導出するステップ(530)と、を含み、
前記ギャップの幅は調整されるようになっている、
方法。
【請求項5】
前記気体搬送機は、前記ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及び前記ギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数のギャップ幅を順番に使用して、前記気体中の粒子の粒子サイズの分布を取得するステップを更に含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
請求項4又は5に記載の方法が実施されるようにするように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタンスに基づく粒子検出に関する。
【背景技術】
【0002】
化学汚染物質や粒子汚染物質による大気質の悪化は、都市部における健康危険要因である。世界保健機関(WHO)によれば、大気汚染物質への曝露は、2012年には700万人の死亡の一因になっており、これは全世界の総死者数の8分の1である。ヒトの呼吸器系に対する大気汚染物質の影響に加えて、大気汚染への曝露と、様々な疾患の中でも特に心臓血管疾患及びがんとが強く関連していることが明らかになっている。
【0003】
空気によって運ばれる汚染物質の健康への悪影響は多種多様であり、それらの組成及び状態(例えば、気体か固体か)に依存する。従って、様々な大気汚染物質、それらの濃度及び時空間分布の監視を、地球規模にとどまらず、地方や地域の範囲でより局所的に行うことが、汚染源の場所及び汚染の地理的範囲を特定する為には重要である。汚染物質の輸送量を測定すること、並びに汚染の拡大の進展を予測することの為には、測定は、頻繁に、且つ、好ましくは高密度の空間グリッドに対して実施されてよい。
【0004】
フィルタによる大気汚染物質の監視は、関心対象の粒子サイズに対する選択性を有するフィルタを使用することを含む。大気(又は、より一般的には気体)中の粒子の濃度を推定する為に、フィルタは、フィルタを横切る大気に曝露された後、フィルタに捕捉された粒子物質に関して評価されてよい。
【0005】
粒子汚染物質は、ある範囲のサイズで到来する。例えば、スモッグ粒子は0.01~1マイクロメートル、フライアッシュは1~100マイクロメートル、花粉粒子は10~100マイクロメートル、重いダストは100~1000マイクロメートル、ネコアレルゲンは0.01~3マイクロメートルの範囲と考えられてよい。従って、フィルタを使用する場合は、異なる選択性のフィルタ群を使用することにより、気体(例えば、大気)中の複数の粒子サイズの粒子の分布の推定値を取得することが可能である。粒子サイズの分布は、気体中の特定粒子サイズの粒子濃度の複数の推定値を含んでよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの態様によれば、独立請求項の対照が提供される。幾つかの実施形態は、従属請求項において規定される。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、2つのプレートと、そのプレート間のギャップと、を含む微小電子機械(MEMS)キャパシタと、ギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機と、MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路と、を含む装置が提供される。
【0009】
第1の態様の様々な実施形態が、以下の箇条書きリストにある中の少なくとも1つの特徴を含んでよい。
・気体搬送機は、ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及びギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む。
・読み出し回路は、気体とともにギャップの中を流れる粒子によって引き起こされるMEMSキャパシタのキャパシタンスの変化を検出するように構成されている。
・MEMSキャパシタは、並列接続された複数のギャップを含み、各ギャップは専用の読み出し電子回路を有する。
・ギャップの幅が調節可能。
・ギャップの幅は、プレート間に電圧を印加して、それらのプレートの少なくとも一方が動くように静電気力を発生させることによって調節可能である。
・ギャップの幅は0.05~2.00マイクロメートルである。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの処理コアと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含む装置が提供され、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つの処理コアとともに、少なくとも、微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機に、気体を、ギャップを通るように搬送するよう指示することと、MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取ることと、入力から気体中の粒子濃度を導出することと、を装置に行わせるように構成されている。
【0011】
第2の態様の様々な実施形態が、以下の箇条書きリストにある中の少なくとも1つの特徴を含んでよい。
・気体搬送機は、ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及びギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む。
・本装置は、ギャップの幅が調節されるようにするように更に構成されている。
・本装置は、プレートに調節可能な電圧が印加されるようにすることによって、ギャップの幅が調節されるようにするように構成されている。
・本装置は、複数のギャップ幅を順番に使用して、気体中の粒子の粒子サイズの分布を取得するように構成されている。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすよう気体搬送機に指示するステップと、MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取るステップと、入力から気体中の粒子濃度を導出するステップと、を含む方法が提供される。
【0013】
第3の態様の様々な実施形態が、第2の態様に関連して提示された前述の箇条書きリストにある中の特徴に対応する少なくとも1つの特徴を含んでよい。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機に、気体を、ギャップを通るように搬送するよう指示する手段と、MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取る手段と、入力から気体中の粒子濃度を導出する手段と、を含む装置が提供される。
【0015】
本発明の第5の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に、少なくとも、微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機に、気体を、ギャップを通るように搬送するよう指示することと、MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取ることと、入力から気体中の粒子濃度を導出することと、を装置に行わせるコンピュータ可読命令のセットを記憶している非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0016】
本発明の第6の態様によれば、第3の態様による方法が実施されるようにするように構成されたコンピュータプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるシステムの一例を示す図である。
【
図2】本発明の少なくとも幾つかの実施形態による2つのプロットを含む図である。
【
図3】本発明の少なくとも幾つかの実施形態をサポートできる装置の一例を示す図である。
【
図4】本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるシグナリングを示す図である。
【
図5】本発明の少なくとも幾つかの実施形態による方法のフローグラフである。
【
図6】本発明の少なくとも幾つかの実施形態による概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
キャパシタのプレート間を流れる気体の中の粒子を検出する微小電子機械(MEMS)キャパシタが使用されてよい。キャパシタのプレート間のギャップを通って流れる粒子がキャパシタのキャパシタンスの過渡変化を引き起こし、これは、適切な読み出し回路で検出することが可能である。
【0019】
MEMSキャパシタンスのギャップの厚さは調節可能であってよく、それによって、ギャップを通過できる粒子サイズに関する選択性が得られる。具体的には、径がギャップ幅より大きい粒子は通り抜けることができない。ギャップの厚さを調整することにより、粒子サイズの分布を決定できる。
【0020】
図1は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるシステムの一例を示す。MEMSキャパシタ100が2つのプレート110、120を含み、これらは、例えば、金属物質で作られるかコーティングされてよい。プレート110、120は、
図1では図面の簡潔さ及び明確さの為にシンプルな形状で示されているが、そのようなシンプルな形状でなくてもよい。MEMSキャパシタ100はハウジング130を有し、ハウジング130上にMEMSキャパシタ100の他の要素がマウントされている。プレート120はばねマウント140でハウジング130にマウントされており、これによって、プレート110とプレート120の間隔を調節することが可能であり、この調節は、例えば、プレート110及び120に選択可能なバイアス電圧を印加して、選択可能な強度の静電引力を発生させることによって行われる。ばねマウント140は、
図1では概略的に示されており、多様な機械仕掛けのばね機構が採用されてよく、或いは、追加又は代替として、プレート110とプレート120の間隔の調節を可能にする他の方式が採用されてもよい。プレート110とプレート120の間隔によってギャップの幅が規定される。
【0021】
本明細書では主に1つのギャップと2つのプレートという観点で論じるが、一般的には、MEMSキャパシタ100は、並列接続された複数のギャップを含んでよく、各ギャップは専用の読み出し電子回路を有し、各ギャップは2つのプレートに挟まれている。従って、このような一般的な形態では、プレートの数は3以上であってよい。
【0022】
読み出し回路150が、MEMSキャパシタ100のキャパシタンスを測定するように構成されている。読み出し回路150は、キャパシタンスの比較的急速な変化を検出することが可能であり、これについては本明細書の後のほうで述べる。読み出し回路150は、接続156を介して、制御装置160と作用的に結合されている。幾つかの実施形態では、接続156はハウジング130を横切る。読み出し回路160は、方形波に対するMEMSキャパシタ100の応答を測定することによって、又は、例えば、当該技術分野において知られている共振測定によって、MEMSキャパシタ100のキャパシタンスを測定するように構成されてよい。
【0023】
制御装置160は、読み出し回路150からのキャパシタンス測定信号を記録するように構成されてよい。制御装置160は更に、(例えば、バイアス電圧を変化させて)プレート間のギャップ幅を変化させるように構成されてよい。制御装置160は、MEMSキャパシタ100を使用して一連の測定を実施するように構成されてよく、一連の測定は、異なるギャップ幅による複数の測定を含む。接続161は制御装置160を別のノードに接続してよく、例えば、インターネット経由でインターネットオブシングス又はセンサネットワークに接続してよい。接続161は有線であってよく、或いは少なくとも一部が無線であってよい。
【0024】
気体搬送機170が、プレート110とプレート120の間のギャップに気体(例えば、大気)を流すように構成されている。例えば、気体搬送機は、ギャップの長さ全体にわたって圧力勾配を生成するように構成されてよい。圧力勾配は、取り付けられた少なくとも1つのファンによって、
図1に示すように気体搬送機170とギャップの間で圧力が低くなるように、且つ/又は、気体搬送機170とギャップの間で圧力が高くなるように生成されてよい。
【0025】
別の可能性は、熱拡散とも呼ばれる熱泳動力を用いることであり、これによって、ギャップの長さ全体にわたって温度勾配が生成されて、気体がギャップを通って流れるようになる。ギャップの幅はプレート110とプレート120の間隔であるが、ギャップの長さは間隔に垂直であり、ギャップの長さに沿って気体が流れるにつれて、気体は、MEMSキャパシタ100の一方の側から別の側に流れて、プレート110とプレート120を隔てているギャップを通り抜ける。ギャップの長さ全体にわたって温度勾配が生成されてよく、これは、例えば、加熱可能なグリッド又はプレートを使用して行われる。
【0026】
既存の微粒子検出スキームは、一般にかさばり(即ち、持ち運べず)、高価であり、それらの価格帯は数万ユーロであるが、オンチップソリューションであれば、既存のソリューションに対して、小型、低コスト、低消費電力等、優位点が幾つもある。大気質監視用センサネットワークを実現する鍵となるのが、基礎インフラ、更にはモバイル機器にセンサを組み込むことによって形成可能な小型粒子センサプラットフォームである。大気質データが圧力情報とともに収集され、(例えば)クラウドサービスに報告されて、大気質の予報及び/又は監視に利用されてよい。予報は更に、大気汚染レベルの早期警戒システムを可能にし得る。又、モバイル微粒子センサが、微粒子危険要因の蓄積曝露量を測定する個人用線量計として働くことも可能である。そのようなセンサネットワークは、死亡率及び医療費の低減によって社会的且つ経済的に大きなインパクトをもたらすであろう。例えば、ユーザは、粒子汚染に関する警報が出れば、保護マスクを着用して対応するであろう。
【0027】
使用時には、気体搬送機170が気体102(例えば、大気)をプレート110とプレート120の間のギャップに押し込むか、ギャップから引き込み、その間に読み出し回路150がMEMSキャパシタ100のキャパシタンスを測定する。粒子がギャップ内を搬送されると、MEMSキャパシタ100のキャパシタンスが変化する。言い換えると、MEMSキャパシタ100のキャパシタンスは、ギャップ内に気体だけがあるか、気体と粒子があるかに応じて異なる。キャパシタンスの過渡変化は、粒子がギャップを通り抜けたものと見なされてよい。実際には、粒子がプレート間にあると、キャパシタンスは過渡的に増加する。これは、粒子の比誘電率が、一般に、大気の比誘電率より大きい為である。
【0028】
読み出し回路150又は制御装置160は、キャパシタンスに対する過渡的な影響の大きさに基づいて、ギャップを通り抜ける粒子に推定サイズを割り当てるように構成されてよい。ギャップの幅は、通り抜ける粒子の径の上限を規定する。キャパシタンスの過渡変化の大きさから粒子サイズの推定値へのマッピングが用意されてよい。このマッピングは、測定の実施前に、実験的に、又は第1原理から用意されてよい。実際のMEMSキャパシタ100のギャップは比較的狭くてよい為(0.1~数マイクロメートルのオーダ)、2つの粒子が同時にギャップ内にある可能性は比較的低いと考えられ、それにより、個々の粒子の計数の信頼性が高くなっている。
【0029】
測定中、制御装置160は、ギャップを通過する粒子の数とサイズの統計をまとめることが可能である。上述のように、各粒子のサイズの推定は、ギャップ幅とキャパシタンスの変化の大きさに基づいて行われてよい。
【0030】
制御装置160は、様々なギャップ幅で一連の測定を実施するように構成されてよく、一連の測定では、例えば、狭いギャップで始めてからギャップ幅を広げてよい。或いは、一連の測定では、広いギャップで始めてからギャップ幅を狭めてよい。ギャップ幅は粒径に対して自然にカットオフとして働く為、この方式の測定は、気体中(例えば、大気中であってよい)に存在する粒子の粒子サイズ分布を導出することに有用でありうる。
【0031】
一連の測定を実施する為に、制御装置160は、プレート110とプレート120の間のギャップが最初に初期値幅になるようにし、その後、ギャップが初期値幅であるときにギャップをなんとか通り抜けられる粒子の、気体中の濃度を特性化するのに十分な測定結果を収集してよい。制御装置160は次に、ギャップが(例えば、初期値より広い)第2の幅になるようにし、ギャップが第2の幅であるときにギャップをなんとか通り抜けられる粒子の、気体中の濃度を特性化するのに十分な測定結果を収集してよい。
【0032】
ギャップ幅を広げると、ギャップが狭いときに実施された初期の測定では大きすぎて存在しなかった粒子によって引き起こされるキャパシタンスの過渡変化を識別することが可能になるであろう。これがそうなるのは、粒子が大きいほど、キャパシタンスの変化が大きくなる為である。従って、狭いギャップ幅を使用した測定で既に説明がついている粒子を、広いギャップ幅を使用した場合の統計から除外することができ、このことは、粒子のサイズ分布を導出することに役立ちうる。
【0033】
制御装置160は、特定のギャップ幅を使用する測定をいつ終わりにするかを動的に決定するように構成されてよい。例えば、制御装置160は、あらかじめ設定した数の粒子がギャップを通過したことが検出された時点で、特定のギャップ幅で粒子を特性化するのに十分なデータを収集したと判断してよい。その後、ギャップ幅を変更してよく、或いは、一連の測定が1つのギャップ幅で1つの測定を行うだけであれば一連の測定を終わりにしてよい。例えば、40~80個の粒子で十分な場合がある。代替又は追加として、あらかじめ設定した、測定が有効な時間が経過した時点で測定を終わりにしてよい。例えば、気体中に粒子が全く存在しないか、ほとんど存在しない場合には、あらかじめ設定した数の粒子を検出することが困難、更には不可能な場合がある。
【0034】
粒子の濃度を算出する為に、制御装置160は、ギャップを通過する気体の量の推定値を有してよい。これは、気体搬送機170を使用する場合の、ギャップ幅の関数としての気体流量のテーブルにより、あらかじめ知ることが可能である。
【0035】
図2は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態による2つのプロットを含む。上のプロットでは、粒径に対するキャパシタンスの相対変化量がプロットされている。縦軸が径の相対変化量であり、横軸は粒径である。プレート間のギャップの幅(G)は1マイクロメートルである。プレートの高さ(H)は2マイクロメートルであり、プレートの幅(W)は10マイクロメートルである。両軸とも対数である。例えば、0.2マイクロメートル径の粒子によって引き起こされるキャパシタンスの相対変化量は1…4×10
-4であり、一方、0.9マイクロメートル径の粒子によって引き起こされるキャパシタンスの相対変化量は3×10
-2…1×10
-1である。
【0036】
下のプロットでは、粒子濃度に対する粒子の頻度がプロットされている。縦軸には頻度が対数目盛りで示されており、横軸には粒子濃度がマイクログラム/平方メートル単位で、やはり対数目盛りで示されている。一番上の曲線は0.1マイクロメートル径の粒子を表し、真ん中の曲線は0.5マイクロメートル径の粒子を表し、一番下の曲線は1マイクロメートル径の粒子を表す。プレート及びギャップの寸法は上のプロットの場合と同じであり、気体の速度は1メートル/秒である。プロットが示すように、予想される粒子数はほとんど毎秒1個未満であり、最も小さい粒子だけが最も高い濃度で毎秒約5個となる。MEMSキャパシタのサイズと気体の速度が1m/秒であることを考慮すると、これらの条件であっても、ギャップ内に2つの粒子が同時に存在するのはまれであると予想される。
【0037】
図3は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態をサポートできる装置の一例を示す。装置300が示されており、これは、例えば、
図1の制御装置160を含んでよい。装置300はプロセッサ310を含み、プロセッサ310は、例えば、シングルコアプロセッサ又はマルチコアプロセッサを含んでよく、シングルコアプロセッサは1つの処理コアを含み、マルチコアプロセッサは2つ以上の処理コアを含む。プロセッサ310は、一般に、制御装置を含んでよい。プロセッサ310は、2つ以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサ310は、制御装置であってよい。処理コアは、例えば、ARMホールディングス(ARM Holdings)製のCortex-A8処理コア、又はアドバンストマイクロデバイセズ(Advanced Micro Devices Corporation)製のSteamroller処理コアを含んでよい。プロセッサ310は、少なくとも1つのクアルコム(Qualcomm)製Snapdragonプロセッサ及び/又はインテル(Intel)製Atomプロセッサを含んでよい。プロセッサ310は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでよい。プロセッサ310は、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでよい。プロセッサ310は、装置300において方法ステップを実施する手段であってよい。プロセッサ310は、少なくとも一部はコンピュータ命令によって、アクションを実施するように構成されてよい。
【0038】
装置300はメモリ320を含んでよい。メモリ320は、ランダムアクセスメモリ及び/又は永久メモリを含んでよい。メモリ320は、少なくとも1つのRAMチップを含んでよい。メモリ320は、例えば、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、及び/又はホログラフィックメモリを含んでよい。メモリ320は、少なくとも一部がプロセッサ310からアクセス可能であってよい。メモリ320は、少なくとも一部がプロセッサ310に含まれてよい。メモリ320は、情報を記憶する手段であってよい。メモリ320は、プロセッサ310が実行するように構成されているコンピュータ命令を含んでよい。特定のアクションをプロセッサ310に実施させるように構成されたコンピュータ命令がメモリ320に記憶されていて、メモリ320からのコンピュータ命令を使用するプロセッサ310の指示で装置300全体が動作するように構成されている場合、プロセッサ310及び/又はその少なくとも1つの処理コアは、上記特定のアクションを実施するように構成されていると見なされてよい。メモリ320は、少なくとも一部がプロセッサ310に含まれてよい。メモリ320は、少なくとも一部がデバイス300の外部にありながら、デバイス300からアクセス可能であってよい。
【0039】
装置300は送信器330を含んでよい。装置300は受信器340を含んでよい。送信器330及び受信器340は、少なくとも1つのセルラ規格又は非セルラ規格による情報を、それぞれ、送信及び受信するように構成されてよい。送信器330は、2つ以上の送信器を含んでよい。受信器340は、2つ以上の受信器を含んでよい。送信器330及び/又は受信器340は、例えば、
グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、5G、ロングタームエボリューション(LTE)、IS-95、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、イーサネット、及び/又はワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX)の各規格に従って動作するように構成されてよい。
【0040】
装置300はユーザインタフェース(UI)360を含んでよい。UI360は、ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、装置300を振動させることによってユーザに合図するように構成されたバイブレータ、スピーカ、及びマイクロホンのうちの少なくとも1つを含んでよい。ユーザは、UI360から装置300を操作して、例えば、粒子検出測定の設定を行うことが可能であってよい。
【0041】
プロセッサ310は送信器を備えてよく、この送信器は、プロセッサ310からの情報を、装置300内の電気導線を介して、装置300に含まれる他の装置に出力するように構成される。そのような送信器はシリアルバス送信器を含んでよく、このシリアルバス送信器は、例えば、情報を、メモリ320に記憶させる為に、少なくとも1つの電気導線を介してメモリ320に出力するように構成される。シリアルバスの代わりに、送信器はパラレルバス送信器を含んでもよい。同様に、プロセッサ310は受信器を備えてよく、この受信器は、装置300に含まれる他の装置からの情報を、装置300内の電気導線を介してプロセッサ310で受け取るように構成される。そのような受信器はシリアルバス受信器を含んでよく、このシリアルバス受信器は、例えば、情報を、プロセッサ310で処理する為に、受信器340から少なくとも1つの電気導線を介して受け取るように構成される。シリアルバスの代わりに、受信器はパラレルバス受信器を含んでもよい。
【0042】
装置300は更に、
図3に示されていない装置を含んでよい。例えば、装置300がスマートフォンを含む場合、装置300は少なくとも1つのデジタルカメラを含んでよい。幾つかの装置300は背面カメラ及び前面カメラを含んでよく、背面カメラはデジタル写真撮影用であってよく、前面カメラはテレビ電話用であってよい。装置300は指紋センサを含んでよく、この指紋センサは、少なくとも1つには、装置300のユーザを認証するように構成される。幾つかの実施形態では、装置300は、少なくとも1つの上述の装置を欠いている。
【0043】
プロセッサ310、メモリ320、送信器330、受信器340、及び/又はUI360は、装置300内の電気導線によって多様に相互接続されてよい。例えば、上述の装置のそれぞれが個別に、装置300内のマスタバスに接続されてよく、これによって装置間の情報交換が可能になる。しかしながら、当業者であれば理解されるように、これは一例に過ぎず、本発明の範囲から逸脱しない限り、実施形態に応じて様々な形で上述の装置のうちの少なくとも2つを相互接続することが選択されてよい。
【0044】
図4は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態によるシグナリングを示す。縦軸には、左側に
図1のMEMSキャパシタ100、中央に
図1の制御装置160、右側に独立した管理機関CTRLが配置されており、管理機関CTRLは、例えば、気象庁や民間防衛管理センタが相当してよい。上から下に向かって時間が進む。
【0045】
フェーズ410では、管理機関CTRLが制御装置160に測定を要求する。フェーズ410は、要求された種類の一連の測定に関して制御装置160に命令を出すことを含んでよい。応答として、制御装置160は、プレート110とプレート120の間の第1のギャップ幅で測定を実施することをMEMSキャパシタ100に命令する。ギャップ幅はフェーズ420で識別されてよい。或いは、フェーズ420は、キャパシタプレート間が所望のギャップ幅になるように制御装置160がMEMSキャパシタ100を制御することを含んでよい。フェーズ430は、MEMSキャパシタ100が、フェーズ420で要求された測定を実施することを含む。MEMSキャパシタ100は、第1のギャップ幅での測定結果が得られた時点で、その結果を制御装置160に返す(フェーズ440)。その後、フェーズ450で、制御装置160は、プレート110とプレート120の間の第2のギャップ幅で測定を実施することをMEMSキャパシタ100に命令する。フェーズ460は、MEMSキャパシタ100が、フェーズ450で要求された測定を実施することを含む。MEMSキャパシタ100は、第2のギャップ幅での測定結果が得られた時点で、その結果を制御装置160に返す(フェーズ470)。
図4では2つの測定の場合を示したが、3つ以上の測定が要求されて実施されてもよい。制御装置160は、一連の測定の結果が得られた時点で、それらを管理機関CTRLに報告する(フェーズ480)。
【0046】
図5は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態による方法のフローグラフである。図示した方法の各フェーズは、装置110、補助装置、又はパーソナルコンピュータ(例えば)において実施されてよく、或いは、それらの中に設置されたときにそれらの機能を制御するように構成された制御装置において実施されてよい。
【0047】
フェーズ510は、微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすよう気体搬送機に指示するステップを含む。フェーズ520は、MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取るステップを含む。最後に、フェーズ530は、入力から気体中の粒子濃度を導出するステップを含む。
【0048】
空気ギャップのキャパシタンスについて:
【0049】
図6の検出器は2つの電極からなり、それらの間のギャップの中に空気(又は別の気体)が送風される。図の上側には、ギャップ内に粒子がない検出器の斜視図を示し、図の下側には、ギャップ内に粒径dの粒子がある検出器の図を示した。ギャップ内の粒子によってキャパシタンスが変化する。これは、
図6の装置内の立方体粒子について計算される。粒子誘電率ε
γが1に近く、ギャップGが狭ければ、モデルは特に正確である。
【0050】
【0051】
これは、
図2の上側の図にプロットされている。キャパシタンス変化の大きさΔCは、大まかにはd
3…4に比例することから、粒子サイズの目安になる。キャパシタンス変化の相対分解能がΔC/C
0=100ppmであれば、検出可能な最小粒子サイズdはほぼ0.1μmである。
【0052】
空気ギャップ検出器の特徴として低速動作がある。チャネルを通る粒子の輸送の平均頻度は次式のとおりである。
【0053】
【0054】
但し、vは気体の流速、pは粒子の質量密度、dV/dt=vWGは空気の体積流量、mは粒子の質量濃度、M=pd
3は粒子の質量、並びにN=m/Mは粒子数密度である。これは、
図2の下側の図にプロットされている。そこでは、p=2000kg/m
3、dV/dt=10
-11m
3/sという条件が適用されてよい。
【0055】
シグナルパルスの頻度を増やす一方法は、検出器の両端の圧力差を増やすことである。これによって、気体の速度が速くなるが、シグナルパルスも短くなる。
図2の下の図の条件では、パルス継続時間はτ=H/v=2μsとなり、これは、測定電子回路の為の高速性能の恩恵を受ける。
【0056】
粒子によって引き起こされるパルスが比較的短い為、広い帯域幅が使用されることになる。U=10V、T=300K、B=1MHz(中心駆動周波数10MHz)、C=0.09fF、Q=1000というほどほどの値でノイズがΔC=0.00048 aF又はΔC/C=5.5ppmに制限される。
【0057】
幾つかのギャップが並列接続されている場合は、総キャパシタンスが大きくなり、これによって相対キャパシタンス分解能が低下する。相対分解能を確保する為に、全てのギャップにそれぞれの専用の読み出し電子回路が備えられてよい。これは、例えば、集積読み出し電子回路により実現可能である。
【0058】
当然のことながら、開示された本発明の実施形態は、本明細書で開示された特定の構造、処理手順、又は材料に限定されず、当業者であれば理解されるであろう、その等価物まで拡張される。更に、当然のことながら、本明細書で使用された術語は、特定の実施形態の説明の為にのみ使用されており、限定的であることを意図されていない。
【0059】
本明細書を通しての一実施形態(one embodiment)又は一実施形態(an embodiment)への参照は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態では(in one embodiment)」又は「一実施形態では(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。例えば、約(about)又は大体(substantially)等の語句を使用して数値が参照された場合は、厳密な数値も開示されている。
【0060】
本明細書で使用されている複数のアイテム、構造要素、組成要素、及び/又は材料は、便宜上、一般的なリストに存在してよい。しかしながら、これらのリストは、リストの各要素が別個且つ固有の要素として個別に識別されるかのように解釈されるべきである。従って、そのようなリストの個々の要素は、反対の意味で示されているのでない限り、それらが一般的なグループに存在することにのみ基づいて、同じリストの他の任意の要素の事実上の等価物として解釈されるべきである。更に、本明細書では、本発明の様々な実施形態及び実施例は、それらの様々な構成要素に関しては代替形態と併せて参照されてよい。当然のことながら、そのような実施形態、実施例、及び代替形態は、互いの事実上の等価物として解釈されるべきではなく、本発明の別個且つ独立の表現と見なされるべきである。
【0061】
更に、記載の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされてよい。ここまでの説明では、本発明の実施形態が十分理解されるように、長さ、幅、形状等の例のような様々な具体的詳細を示されている。しかしながら、当業者であれば理解されるように、本発明は、これらの具体的詳細のうちの1つ以上がなくても、或いは、他の方法、構成要素、材料等によっても実施可能である。他の例では、よく知られている構造、材料、又は動作が詳しく図示又は説明されていないが、これは、本発明の態様が曖昧にならないようにする為である。
【0062】
上述の各実施例は、本発明の原理を1つ以上の特定用途において例示したものであるが、当業者であれば明らかなように、発明的能力を行使することなく、且つ、本発明の原理及び概念から逸脱しない限り、実施態様の形式、用法、及び細部の様々な変更が行われてよい。従って、本発明は、後述の特許請求項によって限定される場合を除いて限定されないものとする。
【0063】
本文書では「含む(to comprise)」及び「含む(to include)」という動詞は、記載されていない特徴の存在を排除することも必要とすることもない開放的限定(open limitations)として使用されている。従属請求項に記載された特徴は、特に別段に明記されない限りは、相互に自由に組み合わされてよい。更に、当然のことながら、「a」又は「an」、即ち、単数形の使用は、本文書全体を通して複数性を排除しない。
〔付記1〕
2つのプレートと、前記プレート間のギャップと、を含む微小電子機械(MEMS)キャパシタと、
前記ギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機と、
前記MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路と、
を含む装置。
〔付記2〕
前記気体搬送機は、前記ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及び前記ギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む、付記1に記載の装置。
〔付記3〕
前記読み出し回路は、前記気体とともに前記ギャップの中を流れる粒子によって引き起こされる前記MEMSキャパシタのキャパシタンスの変化を検出するように構成されている、付記1又は2に記載の装置。
〔付記4〕
前記MEMSキャパシタは、並列接続された複数のギャップを含み、各ギャップは専用の読み出し電子回路を有する、付記1~3のいずれか一項に記載の装置。
〔付記5〕
前記ギャップの幅は調節可能である、付記1~4のいずれか一項に記載の装置。
〔付記6〕
前記ギャップの幅は、前記プレート間に電圧を印加して、前記プレートの少なくとも一方が動くように静電気力を発生させることによって調節可能である、付記5に記載の装置。
〔付記7〕
前記ギャップの幅は0.05~2.00マイクロメートルである、付記1~6のいずれか一項に記載の装置。
〔付記8〕
少なくとも1つの処理コアと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を含む装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つの処理コアとともに、少なくとも、
微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機に、前記気体を、前記ギャップを通るように搬送するよう指示することと、
前記MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取ることと、
前記入力から前記気体中の粒子濃度を導出することと、
を前記装置に行わせるように構成されている、
装置。
〔付記9〕
前記気体搬送機は、前記ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及び前記ギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む、付記8に記載の装置。
〔付記10〕
前記ギャップの幅が調節されるようにするように更に構成されている、付記8又は9に記載の装置。
〔付記11〕
前記プレートに調節可能な電圧が印加されるようにすることによって、前記ギャップの前記幅が調節されるようにするように構成されている、付記10に記載の装置。
〔付記12〕
複数のギャップ幅を順番に使用して、前記気体中の粒子の粒子サイズの分布を取得するように構成されている、付記8~11のいずれか一項に記載の装置。
〔付記13〕
微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすよう気体搬送機に指示するステップと、
前記MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取るステップと、
前記入力から前記気体中の粒子濃度を導出するステップと、
を含む方法。
〔付記14〕
前記気体搬送機は、前記ギャップにわたって圧力差を発生させる機構、及び前記ギャップにわたって温度勾配を発生させるように構成された熱泳動装置のうちの少なくとも一方を含む、付記13に記載の方法。
〔付記15〕
前記ギャップの幅が調節されるようにするステップを更に含む、付記13又は14に記載の方法。
〔付記16〕
前記ギャップの前記幅が調節されるようにする前記ステップは、前記プレートに調節可能な電圧が印加されるようにすることを含む、付記15に記載の方法。
〔付記17〕
複数のギャップ幅を順番に使用して、前記気体中の粒子の粒子サイズの分布を取得するステップを更に含む、付記13~16のいずれか一項に記載の方法。
〔付記18〕
微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機に、前記気体を、前記ギャップを通るように搬送するよう指示する手段と、
前記MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取る手段と、
前記入力から前記気体中の粒子濃度を導出する手段と、
を含む装置。
〔付記19〕
少なくとも1つのプロセッサで実行された場合に、少なくとも、
微小電子機械(MEMS)キャパシタのプレート間のギャップを通る気体の流れを引き起こすように構成された気体搬送機に、前記気体を、前記ギャップを通るように搬送するよう指示することと、
前記MEMSキャパシタのキャパシタンスを測定するように構成された読み出し回路からの入力を受け取ることと、
前記入力から前記気体中の粒子濃度を導出することと、
を装置に行わせるコンピュータ可読命令のセットを記憶している非一時的コンピュータ可読媒体。
〔付記20〕
付記13~17の少なくとも一項に記載の方法が実施されるようにするように構成されたコンピュータプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、粒子検出に産業利用される。
頭字語一覧
MEMS microelectromechanical(微小電子機械)
参照符号一覧
100 MEMSキャパシタ
110、120 MEMSキャパシタ100のプレート
130 ハウジング
140 ばねマウント
150 読み出し回路
160 制御装置
156、161 接続
170 気体搬送機
102 気体
300~360
図3の装置の構成物
410~480
図4の方法のフェーズ
510~530
図5の方法のフェーズ