(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】容器のための閉鎖システム、このような閉鎖システムを備えた容器、このような閉鎖システムを容器に取り付けるためのツール、およびこのような閉鎖システムを容器に取り付けるためのプロセス
(51)【国際特許分類】
B65D 41/04 20060101AFI20250407BHJP
B65D 5/74 20060101ALI20250407BHJP
B65D 47/14 20060101ALN20250407BHJP
【FI】
B65D41/04 300
B65D5/74 020Z
B65D47/14 200
(21)【出願番号】P 2023507850
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2020087268
(87)【国際公開番号】W WO2021219240
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-12-15
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518207443
【氏名又は名称】スヴァリン キャップ システムズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イスラエル・コメト
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-516561(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0109233(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
B65D 5/74
B31B 50/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)のための閉鎖システム(4)であって、前記閉鎖システムは、スパウト(8)およびキャップ(6)を含み、前記キャップは、ヒンジ(12)で前記スパウトに取り付けられ、かつ前記スパウトにねじ込まれている閉鎖システム(4)において、前記キャップまたは前記スパウトは、前記キャップの内側に設けられかつ位置決めツール(202)と協動するように設計された位置決め突起部(18)を備え、前記位置決め突起部は、前記キャップが前記スパウトにねじ込まれたとき、または前記スパウトから外されたとき、前記キャップの回転軸(X8)に対して半径方向に支持面(184)を有することを特徴とする閉鎖システム(4)。
【請求項2】
前記位置決め突起部(18)
は、少なくとも1つの補強部材(186)をさらに備える、請求項1に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項3】
前記補強部材(186)は、前記支持面(184)の反対側の面(188)から突き出ている、請求項2に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項4】
前記位置決め突起部(18)は、前記キャップのディスク形状面(64)上にまたは前記キャップの側方内側面(66)上に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項5】
前記位置決め突起部(18)は、前記スパウトの側面(86)上に設けられる、請求項1から
3のいずれか一項に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項6】
前記位置決め突起部(18)は、前記キャップ(6)と、または前記スパウト(8)と一体化される、請求項1から5のいずれか一項に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項7】
前記位置決め突起部(18)はまた、前記スパウト(8)の周囲に取り付けられたリング(10)と、前記リングに前記キャップを接続する前記ヒンジ(12)と一体化される、請求項1から6のいずれか一項に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項8】
前記キャップ(6)の前記回転軸(X8)周りでの前記キャップ(6)の回転運動を制限するように構成された停止システム(17)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項9】
前記停止システム(17)は、前記キャップ(6)に接続されるリング(10)に含まれる第1の停止部(16)と、前記スパウト(8)に含まれる第2の停止部(14)とを備える、請求項8に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項10】
前記キャップ(6)は、高密度ポリエチレンであり、また前記スパウト(8)は、低密度ポリエチレンである、請求項1から9のいずれか一項に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項11】
カートン(3)と、前記カートン上に固定される閉鎖システム(4)とを備える容器(2)において、前記閉鎖システムは、請求項1から10のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする容器(2)。
【請求項12】
前記閉鎖システム(4)を最初に開く前に、前記ヒンジ(12)の軸(A12)は、
前記カートン(3)の前面(3B)と角度(α)を形成し、この角度は
、45°と90°の間を含む、請求項11に記載の容器(2)。
【請求項13】
閉鎖システム(4)を容器(2)に取り付けるための位置決めツール(202)において、前記容器は、請求項11または請求項12に記載されたものであること、および前記ツールは、溝(208)を備える円筒形の頭部(203)を備えており、
前記溝(208)の形状は、前記容器の前記閉鎖システム(4)の前記位置決め突起部(18)を受け入れるように適合されている、ことを特徴とする、位置決めツール(202)。
【請求項14】
位置決めツール(202)を用いて閉鎖システム(4)を容器(2)の上の取り付けるためのプロセスであって、前記プロセスは、少なくとも以下のステップ、すなわち、
a)前記キャップ(6)を前記スパウト(8)上に取り付けることにより、前記閉鎖システムを形成するステップと、
b)前記閉鎖システムを前記位置決めツール(202)の上に取り付けるステップと、
c)前記閉鎖システムを前記カートン(3)に配置するように、前記ツールを移動するステップと、
d)前記閉鎖システムの一部(84)を、前記カートン上に固定するために溶融するステップと
を備えるプロセスにおいて、
前記容器は、請求項11または請求項12に記載されるものであること、前記位置決めツールが、請求項13に記載されるものであること、かつステップb)が、
b1)前記閉鎖システム(4)を、前記位置決めツール(202)に向けて、前記回転軸(X8)に沿って押す(A1)ステップと、
b2)前記支持面(184)が、前記溝(208)の対応する面(210)に対して当接するように、前記閉鎖システム(4)を前記回転軸(X8)の周りで回転させる(A2)ステップと
を含むサブステップを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項15】
前記サブステップb1)およびb2)は
、単一のツール(204)を用いて実施され、それは、前記回転軸(X8)に沿って平行移動し(A1)、また前記回転軸(X8)の周りで回転運動する(A2)、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの補強部材(186)は前記回転軸(X8)に対して半径直交方向にある、請求項2に記載の閉鎖システム(4)。
【請求項17】
前記閉鎖システム(4)を最初に開く前に、前記ヒンジ(12)の軸(A12)は、前記カートン(3)の前面(3B)と角度(α)を形成し、この角度は60°に等しい、請求項12に記載の容器(2)。
【請求項18】
前記単一のツール(204)はチャックである、請求項15に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のための閉鎖システムに関する。それはまた、このような閉鎖システムを備えた容器、このような閉鎖システムを容器に取り付けるためのツール、および前記ツールの助けを借りて、このような閉鎖システムを容器に取り付けるためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
キャップおよびスパウトを備える閉鎖システムを有する厚紙ミルク容器などの容器を製作することが知られており、キャップはスパウトから取外し可能である。2019年6月の新しい欧州指令では、容器から動かすことのできないキャップを有することが義務付けられる。
【0003】
これを行うために、特許文献1および特許文献2は、ヒンジでリングに取り付けられたキャップを備えた密封装置を開示持している。リングは、容器の首部に取り付けられており、ユーザが、キャップを容器から容易に分離してそれを捨てることは不可能である。このリングは、キャップを、首部にねじ込み、そこから外すことができるように、首部に対する回転動作が可能である。リングは、キャップを首部から廃棄し、また内側にある液体を注ぐように容器を使用するためのヒンジを備える。
【0004】
しかし、これらのデバイスを用いる場合、容器上の閉鎖システムの方向付けが問題になり得る。リングがどのように取り付けられるかに応じて、キャップは、内部に含まれる液体を注ぐために使用される容器のハンドルの方向に、またはキャップの正しい開く動作を妨げる可能性のある容器の突き出た方向に開かれる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】仏国特許出願公開第2785264号明細書
【文献】特開2005-053542号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、ユーザに対するより実際的な閉鎖システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本発明は、容器のための閉鎖システムに関し、閉鎖システムは、スパウトおよびキャップを含み、キャップは、ヒンジでスパウトに取り付けられ、かつスパウトにねじ込まれる。本発明によれば、キャップまたはスパウトは、キャップの内側に設けられかつ位置決めツールと協動するように設計された位置決め突起部を備え、位置決め突起部は、キャップがスパウトにねじ込まれたとき、またはそこから外されたとき、キャップの回転軸に対して半径方向に支持面を有する。
【0008】
本発明の利点は、閉鎖システムは、容器の将来の使用を容易にするために、キャップを容器に対して正しく位置決めできるようにする位置決めシステムを備えることである。
【0009】
本発明の有利な態様によれば、本発明は、単独で考えて、またはすべての可能な組合せに従って、以下の特徴の1つまたは複数のものを含むことができる、
- 位置決め突起部は、好ましくは、回転軸に対して半径直交方向にある、少なくとも1つの補強部材をさらに備える。
- 補強部材は、支持面とは反対側の面から突き出ている。
- 位置決め突起部は、キャップのディスク形状面、または側方内側面上に設けられる。
- 位置決め突起部は、スパウトの側面上に設けられる。
- 位置決め突起部は、キャップまたはスパウトと一体化される。
- 位置決め突起部はまた、スパウトの周囲に取り付けられたリングと、またキャップをリングに接続するヒンジと一体化される。
- 閉鎖システムは、停止システムを備える。
- 停止システムは、キャップに接続されるリングに含まれる第1の停止部と、スパウトに含まれる第2の停止部とを備える。
- キャップは、高密度のポリエチレンであり、またスパウトは、低密度ポリエチレンである。
【0010】
別の態様によれば、本発明はまた、カートンおよび閉鎖システムを備える容器に関し、閉鎖システムは、カートン上に固定される。本発明によれば、閉鎖システムは、本明細書の上記で述べられた通りである。
【0011】
この容器は、本明細書の上記で述べられた閉鎖システムと同じ利点を導入する。
【0012】
有利には、閉鎖デバイスを最初に開く前に、ヒンジの軸は、容器の前面と角度を形成し、この角度は、好ましくは、約60°に等しい、45°と90°の間にある。
【0013】
別の態様によれば、本発明はまた、閉鎖システムを容器に取り付けるための位置決めツールに関する。本発明によれば、容器は、本明細書の上記で述べられたものと同様であり、ツールは、容器の閉鎖システムの位置決め突起部を受け入れるようにその形状が適合された溝を備える円筒形の頭部を備える。
【0014】
別の態様によれば、本発明はまた、位置決めツールを用いて閉鎖システムを容器上に取り付けるプロセスに関し、そのプロセスは、少なくとも以下のステップを含む、すなわち、
・a)キャップをスパウトに取り付けることにより閉鎖システムを形成するステップと、
・b)閉鎖システムを位置決めツールの上に取り付けるステップと、
・c)閉鎖システムをカートンに配置するようにツールを移動するステップと、
・d)閉鎖システムの一部を溶かしてそれをカートンに固定するステップと
である。
【0015】
本発明によれば、容器は、本明細書の上記で述べられた通りであり、位置決めツールも、前述のとおりであり、またステップb)は、
・b1)閉鎖システムを回転軸に沿って位置決めツールに向けて押すステップと、
・b2)閉鎖システムを、支持面が溝の対応する面に対して当接するように、回転軸の周りで回転させるステップと
からなるサブステップを含む。
【0016】
有利には、サブステップb1)およびb2)は、特にチャックである、単一のツールを用いて実施され、それは、回転軸に沿って平行移動し、かつその周りで回転移動する。
【0017】
単なる例として提供され、また添付図面を参照して行われる、例示的な閉鎖システム、例示的なツール、および閉鎖システムを容器に取り付けるための例示的なプロセスのいくつかの実施形態の以下の記述を読めば、本発明をよりよく理解され、かつその他の利点がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】閉じられた閉鎖システムにおいて、本発明の一実施形態による閉鎖システムを備える、本発明の一実施形態によるカートンの一部の斜視図である。
【
図2】別の角度からの、
図1の容器の斜視図である。
【
図3】その閉鎖システムを開く第1のステップにおける、
図1および
図2の容器の切取り側面図である。
【
図4】別の角度からの、
図3の構成における容器の斜視図である。
【
図5】
図3および
図4のステップの後に続く、閉鎖システムを開く第2のステップの斜視図である。
【
図7】より拡大した
図1の平面VIIによる断面図である。
【
図8】
図1から
図7の容器の閉鎖システムの下方からの図である。
【
図9】
図8の平面IX-IXに沿った切断図である。
【
図10】本発明による、また
図1から
図9の閉鎖システムに適合されたツールを備える取付けデバイスの斜視図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態による閉鎖システムの、
図9と同様の切断図である。
【
図12】本発明の別の実施形態による、また
図11の閉鎖システムに適合されたツールを備える取付けデバイスの、
図10と同様の斜視図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態による閉鎖システムの、
図9と同様の切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、一部が示されている「カートン」と名付けられた厚紙ボックス3と、カートン3を閉じるための閉鎖システム4とを含む例示的な容器2が示されている。容器2は、ミルク、水、オレンジジュース、クリーム、スープなど、好ましくは、食液である液体を受け入れるように設計される。従来、カートン3は、切り妻屋根の形状の頭部が上に載っている平行六面体形状を有する主要部分を有し、閉鎖システムは、この屋根の一方の側に配置される。
【0020】
以降では、示されていない水平面上に立つカートン3を考える。閉鎖システムは、切り妻屋根の傾斜した壁3Aに取り付けられる。3Bは、壁3Aの下に位置するカートンの垂直壁を示しており、カートン3の前面を形成し、かつ直線の水平縁部3Cにより、この傾斜した壁に接続される。3Dは、直線の垂直縁部3Eにより、前面3Bに接続されたカートンの垂直壁を示す。3Fは、切り妻屋根の2つの側面を結合する直線の縁部3Gの上に延びる平坦な帯部を示す。この平坦な帯部3Fは、閉鎖システム4をよく見えるようにするために、
図3における切取り図においては部分的に除去される。
【0021】
閉鎖システム4は、キャップ6およびスパウト8を備える。キャップ6は、スパウト8にねじ込まれ、またスパウト8は、ボトル3上に固定される。
図5および
図9で見ることができるように、キャップ6は、3本の内側のねじ山62を画定し、またスパウト8は、3本の外側のねじ山82を画定し、キャップ6をスパウト8にねじ込む、または外すために協動するように設計される。スパウト8に対してキャップ6をねじ込み、かつねじを外すことは、キャップ6をスパウトの中心軸X8の周りで回転運動させることにより行われる。
【0022】
閉鎖システム4はまた、キャップ6がそれによりスパウト8に固定されるリング10を備える。リング10は、キャップ6と一体化されており、1つの部品として作られる。リング10は、スパウト8に対して、軸X8の周りで回転移動できるだけである。したがって、キャップ6をスパウト8から取り外して、例えば、戸外に捨てることはできない。
【0023】
図2では、別の角度から容器2が見られ、ヒンジ12を見ることができる。ヒンジ12は、蝶の形を有し、キャップ6をリング10に接続して、キャップ6がスパウト8から外されると、キャップ6は、ヒンジ12の軸A12の周りで切り換わることができる。軸A12は、軸X8に対して半径直交方向にある。ヒンジ12は、2つの可撓性のあるアーム102によりリング10に連結され、したがって、キャップ6が、
図3および
図4のように、スパウト8からねじが外されたとき、ヒンジ12およびキャップ6は、限られた範囲内で、軸X8に沿って、リング10から離れることができる。
【0024】
好ましくは、キャップ6は、高密度ポリエチレンであり、またスパウト8は、低密度ポリエチレンである。このような場合、リング10およびヒンジ12はまた、高密度ポリエチレンである。
【0025】
図7で見ることができるように、スパウト8はまた、ユーザが、所与の位置を超えてリング10およびキャップ6を回すのを阻止するために、リング10の停止部16と協動するように設計された停止部14を含む。
【0026】
閉鎖システム4は、ユーザが、容器2を正しく使用するのを助けるように設計される。閉鎖システムは、カートンの内容物が、ボールまたは平なべなどの別の受入れ容器に注がれるとき、キャップ6が、カートンから液体が流出するのを妨げないようにすることを目標としている。
【0027】
停止部14および停止部16は共に、スパウト8の中心軸X8の周りで、キャップ6、リング10、およびヒンジ12から形成されるサブアセンブリの回転運動を制限できる停止システム17を形成する。停止部14および16は、閉鎖システム4の開口中に、キャップ6が、
図7で示される開始位置から、
図5および
図6で示される終了位置まで移動したとき、中心軸X8の周りで、好ましくは、約160°に等しい、140°と180°の間の角度振幅で角度移動を行うように配置される。この振幅は、容器2を開く前の、停止部14と16の間の角度に等しい。この角度は、
図7においてβで示されている。
【0028】
開始点において、キャップ6は、スパウト8に完全にねじ込まれる。終了位置において、また軸A12の周りの開口動作の後、ヒンジ12により可能なように、キャップ6は、
図5および
図6で見ることができるが、カートンと、特に壁3Aおよび帯部3Fと干渉することなく、カートンの帯部3Fの方向に導かれる。
【0029】
その開いた位置において、カートン3に対するキャップ6の正しい位置を保証するために、閉鎖システム4は、カートン3に正しく取り付けられる必要がある。このため、位置決め突起部18が、キャップ6の内側に内側のディスク形状面64上に設けられる。この位置決め突起部18は、壁182を備え、それは、
図8で見ることのできる支持面184を画定する。この支持面はまた、「当接面」と名付けることができる。支持面184は、キャップ6を下から見ると、反時計方向を向いている。壁182は、中心軸X8に対して半径方向にあり、したがって、支持面184はまた、この軸に対して半径方向にある。
【0030】
支持面184は、
図10で見ることができ、スピゴット(spigot)と呼ばれることも多い、取付けデバイス20の位置決めツール202と協動するように適合される。
【0031】
位置決め突起部18を強化するために、それは、3つの半径直交方向の補強リブ186を備える。補強リブ186は、互いに平行であり、支持面184とは反対側の壁182の表面188をキャップ6の内側のディスク形状面64に接続する。
【0032】
キャップ6の一部として、位置決め突起部18は、キャップ6と一体であり、したがって、他の部分10および12とも一体である。
【0033】
取付けデバイス20は、キャップ6の外側形状と協動することのできる中空形状を有する、位置決めツール202およびチャック204を備える。
【0034】
X202は、位置決めツール202の中心の長手方向軸を示す。位置決めツール202は、円筒形の頭部203を備え、それは、上面206と、面206から掘り込まれた溝208とを有し、溝208は、位置決めツールの外側から見たとき、長手方向軸X202に対して半径方向に、三角形の二面体の形状を備える。溝208は、ツール202を上から見たとき、反時計方向を向いた停止部形成面210を備える。面取り面212は、停止部形成面210を上面206に接続する。
【0035】
閉鎖システム4をカートン3に取り付けるために、キャップ6が、まずスパウト8に取り付けられる。そのようにするために、キャップ6は、有利には、スパウト8の上で方向付けられ、次いで、スパウト8にクリップされる。この操作は、キャップおよびスパウトの一方を他方に対して完全に位置決めすることを保証する、特に、一方で、ねじ山62と82が、または他方では、キャップに設けられたいくつかのフラップ、およびスパウトに設けられたカラーが完全に係合されことを保証する。
【0036】
閉鎖システム4は、次いで、部分的にチャック204の中へと係合され、そこで、形状の協動によって保持される。
【0037】
チャック204は、次いで、閉鎖システムを移動させて軸X8およびX202を整列させ、閉鎖デバイスを、軸X8に沿った、
図10の矢印A1の方向にツール202に向けて押す。こうすることは、閉鎖システム4を、位置決めツール202の上に、接触して押し込むことになる。位置決めツール202の上面206が、位置決め突起部18と接触したとき、重なった軸X8およびX202上で現在整列されているチャック204は、上から見て、
図10の矢印A2により示されるように、軸X8およびX202の周りで時計方向に回転される。
【0038】
位置決めツールが静止している間に、チャック204により軸X8およびX202の周りで回転駆動されたとき、位置決め突起部18は、上面206および面取り面212に従って、溝208内で、停止部形成面210に当接して止まる。この位置において、支持面184は、面210と接触状態にあり、それは、閉鎖システム4が、軸X8およびX202の周りで、位置決めツール202に対してさらに回転するのを回避する。
【0039】
代替的な手法によれば、チャック204が静止している間に、位置決めツール202が、上からみたとき、反時計方向に軸202の周りで回転することができる。このような場合、上面206は、溝208が、位置決め突起部を覆う角度位置まで、位置決め突起部18の下を摺動する。この場合もまた、閉鎖システム4と位置決めツール202の間で相対的な回転運動が行われる。最終的な位置は、本明細書において上記で述べられた主となる手法を用いる場合と同じである。
【0040】
いずれの場合であっても、閉鎖システム4が、位置決めツール202の上に取り付けられる本発明のプロセスのステップは、このプロセスに特有の2つのサブステップを含み、それは、
- 閉鎖システム4を軸X8に沿って、位置決めツール202の方向に押すステップと、
- 支持面184が、停止部形成面210に対して当接するように、閉鎖システムを、回転軸X8の周りで位置決めツールに対して回転させるステップと
を含む。
【0041】
閉鎖システム4は、次いで、位置決めツール202によってカートン3の方向に移動され、その上に、スパウト8の円形リング84が、閉鎖システムをカートンの壁3A上にしっかりと固定される、すなわち、動かなくなるように溶融される。停止部形成面210および位置決め突起部18の形態および位置は知られているので、軸X202およびX8の周りにおける位置決めツール202の角度的方向付けは、閉鎖システム4が位置決めツール202によってカートン3上に配置されたとき、閉鎖システムの、同じ軸周りの角度的方向付けを決定する。こうすることは、
図7で示されるように、ヒンジ12が、壁3Bの隣の領域に位置するような方法で、閉鎖システム4を軸X202およびX8の周囲に方向付けるように、位置決めツール202の動作を導くことができ、したがって、
図5で示されるようにヒンジを帯部3Fの隣に配置した後、キャップが、帯部3Fに干渉することなく、またはカートン3に含まれる液体の適正な注入を妨げることになる点へとスパウト8の下方に位置することなく、ユーザは、閉鎖システム4を容易に開けることができる。
【0042】
本発明の取付けプロセスの間、位置決めツール202は、閉鎖システム4がカートン3上に固定され閉じられたとき、閉鎖システム4を最初に開く前に、ヒンジ12の軸A12が、上から見て、容器2の壁3Bと角度αを形成するように導かれる。この角度は、45°と90°の間を含むことが好ましい。この角度αは約60°に等しいことが好ましい。
【0043】
閉鎖システム4を開くとき、キャップ6、リング10、およびヒンジ12により形成されるサブアセンブリは、軸X8の周りで回転して、ヒンジ12を
図3および
図6の位置に移動させ、そこでは、キャップ6は、容器2の正しい開口に干渉する危険がなくなる。ヒンジ12の最終的な位置は、それが壁3Bと角度αを形成したときの、また停止システム17により可能な回転のその最初の位置に依存する。
【0044】
図11から
図13に関して、本発明のさらなる実施形態が述べられる。これらの実施形態では、第1の実施形態のものと同一である、閉鎖システム4および対応するツール202のすべての特徴は、同じ参照を有する。以降では、これらのさらなる実施形態と、第1の実施形態の間の差が主として述べられる。
【0045】
図11および
図12の第2の実施形態では、キャップ6は、位置決め突起部を有しておらず、スパウト8は、スパウトの半径方向内側面86に位置する位置決め突起部18を備える。
図11でより明確に見ることができるが、キャップ6は、スパウト8を囲んでいるので、突起部18もまた、キャップの内側にあるキャップの内側容積V6内に設けられる。突起部18を支持するスパウト8の側面86は、スパウトの中心軸X8に沿って、その外側ねじ山82とその円形リング84の間に位置する。位置決め突起部18は、閉鎖システム4の内側方向である、この軸X8の方向に側面86から延びる。
【0046】
位置決め突起部18は、スパウトと一体であり、またキャップ6がスパウトにねじ込まれる、またはそこから外されたとき、キャップ6の回転軸でもある軸X8に対して半径方向に支持面184を画定する。支持面184はまた、「当接面」と名付けることができる。支持面184は、下方からスパウト8およびキャップ6を見たとき、反時計方向を、すなわち、
図11における矢印A8に沿った方向を向いている。
【0047】
支持面184は、
図12で見ることのできる、取付けデバイス20の位置決めツール202と協動するように適合される。
【0048】
位置決めツール202は、側面206と、側面206から掘り込まれた溝208とを備える。溝208は、上方からツール202を見たとき、反時計方向に方向付けられた停止部形成面210を備える。
【0049】
位置決めツール202を用いて、
図11の閉鎖システム4を容器2上に取り付けるプロセスは、第1の実施形態に対して説明されたプロセスと同様である。
【0050】
図13で示される第3の実施形態では、キャップ6は、キャップと一体であり、かつキャップの内側円周方向側面66上に設けられる位置決め突起部18を備え、それは、内側のディスク形状面64に対して垂直であり、キャップのねじ山62よりも軸X8に近い。この実施形態においても、位置決め突起部は、キャップ6の内側に位置する。位置決め突起部18は、側面66から、スパウトの中心軸X8の方向に、すなわち、閉鎖システム4の内側に向けて延びる。
【0051】
この位置決め突起部18は、支持面184を画定する壁182を備える。支持面184は、スパウト8およびキャップ6を下方から、すなわち、
図13の矢印A8に沿って見たとき、反時計方向に向いている。壁182は、中心軸X8に対して半径方向にあり、したがって、支持面184もまた、この軸に対して半径方向にある。
【0052】
支持面184は、図には示されていない位置決めツールと協動するように適合され、それは、他の実施形態の位置決めツール202と同様のものであるが、溝が、この第3の実施形態の突起部18の位置および形状に適合されている。
【0053】
有利には、位置決め突起部18を強化するために、支持面184の反対側の壁182の表面188から突き出ており、かつ表面188をキャップ6の側面66に接続する補強部材186を備える。補強部材186は、キャップ6のディスク形状面64に対して垂直である。
【0054】
このような位置決めツールを用いて、
図13の閉鎖システム4を容器2に取り付けるプロセスは、第1の実施形態に対して説明されたプロセスと同様である。
【0055】
第2および第3の実施形態では、突起部18はまた、第1の実施形態におけるように、スパウト8の周囲に取り付けられるリングと、キャップをリングに接続するヒンジと一体化される。
【0056】
本発明の変形形態では、位置決め突起部18は、半径直交方向リブを備えていない、または例えば、2もしくは5個など、別の数の半径直交方向リブ186を備える。別の変形形態では、軸X8に対して半径直交方向にある必要のない1つまたはいくつかの補強部材が設けられる。
【0057】
別の変形形態では、チャック204は、反時計方向に回転される。この場合、支持面184は、キャップを下方から見たとき、時計方向に向いており、また停止部形成面210は、上方から位置決めツール202を見たとき、時計方向を向いている。
【0058】
別の変形形態では、キャップ6およびスパウト8は、ポリエチレンとは異なる材料で作られる。
【0059】
別の変形形態では、キャップ6は、例えば、1または6個の異なる数の内側のねじ山62を備える。この場合、スパウト8は、対応する数の外側ねじ山82を備える。
【0060】
本発明の示されていない態様によれば、閉鎖システム4は、キャップの縁部とリング10の間に不正開封防止ブリッジを備えることができる。
【0061】
添付された1組の特許請求の範囲のフレームワークにおいて、本記述において考慮された諸実施形態および変形形態の特徴は、組み合わせて、本発明の新しい実施形態を生成することができる。
【符号の説明】
【0062】
2 容器
3 厚紙ボックス、カートン、ボトル
3A 傾斜した壁
3B 垂直壁
3C 水平縁部
3D 垂直壁
3E 垂直縁部
3F 平坦な帯部
3G 直線の縁部
4 閉鎖システム
6 キャップ
8 スパウト
10 リング
12 ヒンジ
14 停止部
16 停止部
17 停止システム
18 位置決め突起部
20 取付けデバイス
62 内側のねじ山
64 内側のディスク形状面
66 内側円周方向側面
82 外側のねじ山
84 円形リング
86 半径方向内側面
102 可撓性のあるアーム
182 壁
184 支持面
186 半径直交方向の補強リブ
188 表面
202 位置決めツール
203 円筒形の頭部
204 チャック
206 上面、側面
208 溝
210 停止部形成面
212 面取り面
A1 矢印
A2 矢印
A8 矢印
A12 軸
V6 キャップの内側容積
VI 平面
VII 平面
IX 平面
X8 中心軸
X202 長手方向軸
α 角度
β 角度