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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-04
(45)【発行日】2025-04-14
(54)【発明の名称】マルチウェイコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20250407BHJP
【FI】
A61M39/10 130
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023518502
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 IB2021058319
(87)【国際公開番号】W WO2022064323
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】63/082,131
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マクギー、スコット
(72)【発明者】
【氏名】バーネット、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】マルティ、マルティナ
(72)【発明者】
【氏名】ニール、ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンス、ジョナサン
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-518670(JP,A)
【文献】独国実用新案第202006013768(DE,U1)
【文献】特表2013-505035(JP,A)
【文献】特開2003-250911(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0247643(US,A1)
【文献】特表平2-502433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムを通して粒子の懸濁液を搬送するためのコネクタにおいて、
流体を搬送するための長手方向軸線を有する第1の通路(14)を含む内部キャビティ(12)を備えるハウジング(10)であって、前記第1の通路が前記ハウジング(10)下部における出口ポート(28)で終端となっている、ハウジングと、
前記ハウジングに形成され、前記第1の通路の前記長手方向軸線に対して半径方向に配置された2つ以上の入口導管(16a、16b、16c、16d)と、
前記第1の通路に隣接する前記内部キャビティの一部に受け入れられる回動可能な構成要素(18)であって、前記回動可能な構成要素は、前記第1の通路の前記長手方向軸線の周りに回動可能であり、前記回動可能な構成要素は、内側の第2の通路(20)を有し、前記第2の通路(20)は前記第2の通路の第1の端部(20a)において前記第1の通路と連通し、前記回動可能な構成要素は、前記第2の通路の第2の端部(20b)が、前記入口導管のうちのいずれか1つと選択的に整列可能であるように、回動可能であり、これにより前記第1の通路と選択された前記入口導管との間に連続流路が確立される回動可能な構成要素と、を有し、
前記入口導管の各々の長手方向軸線と前記第1の通路の前記長手方向軸線との間の角度は90度よりも大きい、コネクタ。
【請求項2】
前記入口導管の各々の前記長手方向軸線と前記第1の通路の前記長手方向軸線との間の角度は110度よりも大きい、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記回動可能な構成要素は、前記選択された入口導管と前記第1の通路との間に前記第2の通路を介して連続流路が確立されるように、前記入口導管のうちいずれが選択された前記入口導管として選択されているかを示すように構成される、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1の通路は出口ポートで終端となっている、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記回動可能な構成要素は、クリップフィットによって前記ハウジングの前記内部キャビティ内に係合される、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記入口導管は、前記第1の通路の前記長手方向軸線に対して回動対称性を有するように配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記コネクタは、2つ、3つ、または4つの前記入口導管を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1の通路が、ルアーコネクタで終端となっている、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1の通路は雄型ルアーコネクタで終端となっており前記2つ以上の入口導管は雌型ルアーコネクタで終端となっている、請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第1の通路、前記第2の通路、及び/又は前記2つ以上の前記入口導管のいずれかが、円形または楕円形の断面プロファイルを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ハウジングは単一の成形品に一体的に形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記第1の通路の前記長手方向軸線は、前記ハウジングの中心軸線と同軸である、請求項1から11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
放射性粒子の懸濁液を搬送するためのシステムであって、
少なくとも1つの流体源が前記放射性粒子の懸濁液である、2つ以上の流体源と、
請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクタと、
前記コネクタに流体を供給するための2つ以上の供給ラインであって、前記2つ以上の供給ラインの各々が、前記供給ラインの第1の端部で2つ以上の前記入口導管の各々に接続され、前記2つ以上の供給ラインの各々が、前記供給ラインの第2の端部で前記2つ以上の流体源の各々に接続されている、供給ラインと、
前記第1の通路と連通するカテーテルと、を備える、システム。
【請求項14】
前記コネクタを通して出口に向かう前記放射性粒子のクリアランスが最大になるような向きで前記コネクタを保持するように構成されたブラケットをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
放射性粒子の懸濁液をシステムを通して搬送する方法であって、
請求項13又は請求項14に記載のシステムを提供することと、
前記回動可能な構成要素を使用して、2つ以上の前記入口導管のうち第1の入口導管を選択し、それにより、前記2つ以上の流体源のうち第1の流体源から前記カテーテルに前記システムを介して流体を送達することと、
前記回動可能な構成要素を回動させて、2つ以上の前記入口導管のうち第2の入口導管を選択し、それにより、前記2つ以上の流体源のうち第2の流体源から前記カテーテルに前記システムを介して流体を送達することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記回動可能な構成要素を回動させて、2つ以上の前記入口導管のうち第3の入口導管を選択し、それにより、前記2つ以上の流体源のうち第3の流体源から前記カテーテルに前記システムを介して流体を送達することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システムを通じて粒子の懸濁液を搬送するためのコネクタ、粒子の懸濁液を搬送するためのシステム、およびシステムを通じて粒子の懸濁液を搬送する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疾患の処置のための治療システムなどの一部のシステムでは、流体又は粒子の懸濁液が、カップリングを含む導管を通じて、癌性腫瘍などの標的に搬送又は送達される。流体が放射性微粒子などの微粒子の懸濁液である場合、微粒子はカップリングに捕捉されることがある。例えば、微粒子の一部は、カップリングの機械的な不一致から生じる隙間に捕捉されることがあり、また、微粒子は、導管やカップリングに沿った液体の滞留領域に捕捉されることもある。その結果、これらの微小粒子は標的に首尾良く送達されない。この問題を克服する一つの方法は、流体を高圧又は高流量で搬送することであるが、これはシステムからの漏れの可能性を増加させる。
【0003】
治療システムにおいて効果的な処置を達成するためには、導入された微小粒子の実質的に全てが標的に送達されることが好ましい。それができない場合、システム内に捕捉される微粒子の割合のために、必要用量より低い用量が標的に送達されるため、処置の有効性が低下する。微小粒子が放射性である場合、微小粒子の漏出又は放射性微粒子を標的に送達することの失敗は、放射性物質による汚染をもたらすので、特に問題である。さらに、上述のように、放射性微粒子が病態の処置のために投与される場合、病態を処置するように正しい用量を確実に送達するために、意図したすべての微粒子が対象に投与されることが望ましいと思われる。
【0004】
いくつかの治療手順では、システム内に複数の流体源を投与することが望ましい場合がある。放射性微粒子を送達する場合、微粒子は通常、バイアルごとにあらかじめ決められた用量を含むバイアルで提供されるため、被験者に必要な用量を達成するために複数のバイアルを投与することが必要な場合がある。典型的には、第1のバイアルの内容物が投与されると第1のバイアルとの接続を解除し、必要な用量が投与されるまで次のバイアルおよび後続の各バイアルに接続することによって達成される。しかし、これは時間がかかり、オペレータに許容できない放射線被曝をもたらす可能性があり、接続および接続の解除の際の損失により、バイアルのすべての内容物が標的に投与されないというリスクが依然として存在する。他の手順では、例えば、治療薬を含む流体に加えて、システム構成要素を接続及び/又は接続の解除をすることなく、非治療流体を投与することが望ましい場合がある。例えば、放射性微粒子を投与する間に、溶液の造影剤(例えば、Lipiodol(登録商標))を投与して、手順の視覚化を補助することが望ましい場合がある。
【0005】
これらの課題および他の課題は、本開示によって対処され得る。
【発明の概要】
【0006】
コネクタ
本開示の一態様によれば、システムを通して粒子の懸濁液を搬送するためのコネクタが提供される。前記コネクタは以下を備える。流体を搬送するための長手方向軸線と第1の端部および第2の端部とを有する第1の通路を含み、前記第1の通路が前記第2の端部において出口で終端となっている内部キャビティを含むハウジングと、前記ハウジングに形成され、前記第1の通路の長手方向軸線に対して半径方向に配置された2つ以上の入口導管と、前記ハウジングの前記内部キャビティの一部であって前記第1の通路に隣接する部分に受け入れられる回動可能な構成要素と、を備える。前記回動可能な構成要素は、前記第1の通路の前記長手方向軸線の周りに回動可能であり、前記回動可能な構成要素は、第1の端部および第2の端部を有する内部の第2の通路を備え、前記第2の通路の前記第1の端部は、前記第1の通路の前記第1の端部と連通しており、前記回動可能な構成要素は、前記第2の通路の前記第2の端部が、前記入口導管のいずれか1つと選択的に整列可能になるように回動可能であり、前記第1の通路と選択された前記入口導管との間に連続流路を確立するようにする。
【0007】
第1の通路に対する角度
様々な実施形態において、入口導管の各々の長手方向軸線とハウジングの第1の通路の長手方向軸線との間の角度は、90度よりも大きい。入口導管の各々と第1の通路との間の角度が90度よりも大きい場合、流路に沿った流体の滞留又は再循環の領域が減少するため、コネクタを通る粒子の改善されたクリアランスが確保される。さらに、任意の所定の入口導管と第1の通路との間の角度が大きいほど、流体が回動可能な構成要素内で必要とされる任意の屈曲部の周りを流れるときに存在する流体の乱れは少なくなる。第1の通路が回動可能な構成要素の回動軸線と同軸である場合、入口導管の各々と第1の通路との間の角度は、入口導管の各々について一般に同じである。これにより、第2の通路は、第2の通路と入口導管の各々との間に連続流路が形成されるように、入口導管の各々と選択的に整列可能であることができる。連続流路は、好ましくは、入口導管の各々と第1の通路との間の角度がわずかに異なる機械的に不一致の部品によって引き起こされる流路の混乱を最小化するように作成される。
【0008】
選択された入口導管と第1の通路との間の90度よりも大きい角度は、第2の通路に形成された屈曲部によって対応される。回動可能な構成要素は、第2の通路の第2の端部が入口導管のいずれか1つと選択的に整列可能であり、第2の通路の第1の端部が第1の通路と整列されるように、回動可能である。様々な実施形態において、第2の通路の第2の端部の長手方向軸線は、入口導管の各々の長手方向軸線と同軸であり、第2の通路の第1の端部の長手方向軸線は、第1の通路の長手方向軸線と同軸であり、第2の通路に形成された屈曲部は、入口導管の各々の長手方向軸線と第1の通路の長手方向軸線との間の角と同じ角度を有する。その結果、選択された入口導管と第1の通路との間の90度よりも大きい角度は、2つの異なる構成部品の間の接合部に形成される必要はない。これにより、機械的に不一致の構成部品から生じる隙間に粒子が捕捉されることに関連する問題を低減することができる。異なる構成部品間の接合部は、代わりに、その時点で形成される結果としての流体経路が直線、すなわち、選択された入口導管から第2の通路の第2の端部まで、および第2の通路の第1の端部から第1の通路までの箇所に存在する。隣り合う構成部品が機械的に首尾良く一致していても、接合部ではわずかながら流体の乱れが生じ、流路の屈曲部も流体の乱れを生じさせる。流路の屈曲部を1つの構成要素に収め、異なる構成同士をコネクタの異なる位置で接合することで、流体の乱れを最小限に抑える。
【0009】
上述のように、様々な実施形態において、入口導管の各々と第1の通路との間の角度は90度よりも大きく、第2の通路内の屈曲部の角度は好ましくは90度よりも大きい。好ましくは、入口導管の各々と第1の通路との間の角度は110度よりも大きく、第2の通路内の屈曲部の角度は好ましくは110度よりも大きい。任意の所定の入口導管と回動可能な構成要素の回動軸線との間の角度は、ハウジングを通って延びるが第1の通路を含まない回動可能な構成要素の回動軸線の部分から測定される。とはいえ、回動可能な構成要素の回動軸線は、ほとんどの場合、第1の通路の長手方向軸線と同軸であろう。この実施形態では、コネクタを通る流路の唯一の屈曲部が第2の通路に形成され、これによって流体の乱れが最小限に抑えられるので、これは好ましい実施形態である。
【0010】
より典型的には、入口導管の各々と第1の通路との間の角度は、120度よりも大きく、例えば、120度から130度まで140度まで150度まで160度、又はそれ以上の範囲である。任意の所定の入口導管と第1の通路との間の角度が大きいほど、流体が第2の通路の屈曲部を流れる際に生じる流体の乱れは少なくなる。しかし、コネクタは2つ以上の入口導管から構成されているため、2つ以上の入口導管は、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに半径方向にオフセットされており、入口導管の各々と第1の通路との間の角度は180度には及ばない。したがって、入口導管の各々と第1の通路との間の角度を十分に大きくして湾曲部を通る流体の乱れを低減させると同時に、入口導管を第1の通路の長手方向軸線から半径方向に十分にオフセットさせて、入口導管が密集しないようにするというバランスが必要である。
【0011】
入口導管は、最終的に、流体をコネクタに搬送するための供給ラインに接続可能であり、オペレータが供給ラインを容易に接続及び接続を解除できるように十分に広げられている必要があり、オペレータはまた、回動可能な構成要素を回動させることができる必要があり、典型的には、これは、ハウジングから突出する回動可能な構成要素の上部を回動することによって達成される。本発明者らは、このバランスを達成するために、入口導管の各々と第1の通路との間の角度が、120度よりも大きく、140度より小さいことが好ましいことを確認した。
【0012】
ハウジング/第1の通路
ハウジングは内部キャビティを構成し、その第1の部分は、流体を搬送するための長手方向軸線の周りに配置された第1の通路を含み、入口導管もハウジング内に形成される。好ましくは、ハウジングは、本体部分と入口導管とから構成される。いくつかの実施形態では、入口導管、内部キャビティ、及び本体部分は、単一部品として一体的に形成されている。
【0013】
本体部分、内部キャビティ、及び入口導管は、流体、特に粒子の懸濁液を搬送するのに適した任意の材料から形成されてよい。好ましくは、本体部分、内部キャビティ、及び入口導管を構成する一つ又は複数の材料は、透明又は実質的に透明(例えば、ナイロン又はポリカーボネートのような材料から形成されることによって)であり、コネクタの他の構成要素(例えば、回動可能な構成要素等)は不透明(例えばアセチル又はナイロン)である材料から形成され、ハウジング内に受け入れられる。これにより、ハウジング内に受け入れられた構成要素が透明なハウジングを通して視覚化されるため、オペレータは構成部品が適切に配置されて、異なる構成要素間の接合部で密接な接続が形成されていることを視覚的に確認することができる。
【0014】
上述したように、内部キャビティの第1の部分は、第1の通路を含む。内部キャビティの第1の部分に隣接する内部キャビティの第2の部分は、典型的には、回動可能な構成要素を受け入れるように適合されている。好ましくは、第1の通路の長手方向軸線は、回動可能な構成要素を受け入れるように適合される内部キャビティの第2の部分の長手方向軸線と、ハウジングの中心軸線(したがって、ハウジングの内部キャビティの第2の部分に受け入れられた回動可能な構成要素の回動軸線も)と同軸である。しかしながら、本開示の代替の実施形態では、第1の通路は、ハウジングの中心軸線からオフセットされている。好ましくは、第1の通路は、内部キャビティの断面プロファイルが狭くなる内部キャビティに形成される。本開示の実施形態では、第1の通路は、出口ポートで終端となっており、好ましくは、出口ポートは、カテーテルに接続可能である。本開示のさらなる実施形態では、出口ポートは、ハウジングの延長であり、ハウジングと一体的に形成されてもよい。好ましくは、出口ポートの軸線は、回動可能な構成要素の回動軸線と同軸である(したがって、回動可能な構成要素を受け入れるように適合されている内部キャビティの第2の部分の軸線とも同軸であり得る)。
【0015】
本開示の実施形態では、第1の通路は、雄型又は雌型ルアーコネクタ、一般的には雄型ルアーコネクタで終端となっている。第1の通路の末端に形成されたルアーコネクタは、被験者の体内の標的に向かって流体又は粒子の懸濁液を搬送するためのカテーテル又は他の導管に接続可能である。
【0016】
本開示のさらなる実施形態において、第1の通路は、円形又は楕円形の断面プロファイルを備える。円形又は楕円形の断面プロファイルを有することは、(他の断面プロファイルと比較して)第1の通路内の流体の乱れを低減し、したがって、粒子が容易に捕捉されないので、搬送される流体が粒子の懸濁液である場合、粒子のクリアランスが改善される。第1の通路の断面プロファイルが円形又は楕円形である場合、第2の通路の第1の端部の、断面プロファイルが(寸法を含めて)同じであることが望ましい。例えば、第1の通路が円形の断面プロファイルを有する場合、第2の通路の第1の端部も同じ寸法の円形の断面プロファイルを有することが望ましい。一致する断面プロファイルを有することは、機械的に不一致の部品によって引き起こされる隣接する構成部品の接合部での乱れを低減し、搬送される流体が粒子の懸濁液である場合、粒子のクリアランスが改善される。
【0017】
入口導管
2つ以上の入口導管は、ハウジング内に形成され、第1の通路の長手方向軸線に対して半径方向に配置される。好ましくは、第1の通路の長手方向軸線は、回動可能な構成要素の回動軸線と同軸であるので、この場合、2つ以上の入口導管も、回動可能な構成要素の回動軸線に対して半径方向に配置される。好ましくは、入口導管及びハウジングは、単一の成形品に一体的に形成される。2つ以上の(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなど)入口導管が、ハウジングに形成される。本開示のある有益な実施形態では、コネクタは、4つの入口導管を有する。
【0018】
2つ以上の入口導管は、流体及び/又は粒子の懸濁液をコネクタに供給するための供給ラインと接続可能である。2つ以上の入口導管を有することにより、2つ以上の供給ラインをコネクタに接続することができ、これらの供給ラインは、順に、流体を含む2つ以上のバイアル(又は他の適切な容器)に接続される。懸濁液中の放射性微粒子を投与する治療手順の間、放射性微粒子の2つ以上のバイアルの内容物を送達することが時として必要である。本開示は、複数のバイアルをシステムに接続することを可能にし、オペレータは、第1のバイアルの内容物が投与された後、第2のバイアルに容易に切り替えることができる。また、治療用粒子の懸濁液と同様に、手順において非治療用流体、例えば、手順を視覚化するための溶液中の造影剤を送達することが望ましい場合があり、2つ以上の供給ラインを介して2つ以上の流体源に接続でき、流体源への供給ラインの接続を解除して再接続しなくても、それらの流体源の間を容易に切り替えることができることが有利である。
【0019】
本開示の実施形態では、入口導管の少なくとも1つは、供給ライン上の対応するルアーコネクタに適合する雄型ルアーコネクタ又は雌型ルアーコネクタ内で終端となっている。例えば、入口導管は、供給ライン上の雄型ルアーコネクタと適合する雌型ルアーコネクタで終端となってもよい
【0020】
本開示の実施形態では、複数の入口導管は、それらが第1の通路の長手方向軸線に対して回動対称性を有するように配置される。例えば、コネクタが4つの入口導管を備える本開示の実施形態では、入口導管は、それらが4の回動対称性を有するように、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに90度離れて配置される。コネクタが3つの入口導管を備える本開示の代替実施形態では、入口導管は、それらが3の回動対称性を有するように、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに120度離れて配置される。コネクタが5つの入口導管を備える本開示の代替実施形態では、入口導管は、それらが5の回動対称性を有するように、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに72度離れて配置される。コネクタが6つの入口導管を備える本開示の代替実施形態では、入口導管は、それらが6の回動対称性を有するように、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに60度離れて配置される、などである。
【0021】
本開示の実施形態において、複数の入口導管は、円形又は楕円形の断面プロファイルを構成し得る。円形又は楕円形の断面プロファイルを有することは、(他の断面プロファイルと比較して)入口導管内の流体の乱れを低減し、したがって、粒子が容易に捕捉されないので、粒子のクリアランスが改善される。入口導管のいずれか1つ又は2つ以上の断面プロファイルが円形又は楕円形である場合、第2の通路(特に、入口導管のいずれか1つと選択的に整列可能な第2の端部における第2の通路)の断面プロファイルが(寸法を含めて)同じであることが望ましい。例えば、第2の通路が円形の断面プロファイルを有する場合、入口導管の少なくとも1つは、同じ寸法の円形の断面プロファイルも有することになる。好ましくは、すべての入口導管は、第2の通路の第2の端部と同じ断面プロファイルを(寸法を含めて)持つことになる。一致する断面プロファイルを有することは、機械的に不一致の部品によって引き起こされる隣接する構成部品の接合部における乱れを低減し、搬送される流体が粒子の懸濁液である場合、粒子のクリアランスが改善される。
【0022】
回動可能な構成要素/第2の通路
回動可能な構成要素は、ハウジングの内部キャビティの第2の部分に受け入れられ、内部キャビティの第2の部分の長手方向軸線の周りに回動可能であり、また好ましくは第1の通路の長手方向軸線の周りに回動可能である。前述のように、回動可能な構成要素は、第1の通路と連通する第1の端部を有する第2の通路を備え、回動可能な構成要素は、第2の通路の第2の端部が、入口導管のうちのいずれか1つと選択的に整列可能であるように回動可能であり、第1の通路と選択された入口導管との間に連続流路を確立するようにする。
【0023】
同じく先に述べたように、回動可能な構成要素は、ハウジングの内部キャビティの第2の部分内に受け入れ可能に係合される。好ましくは、コネクタは、ハウジングと回動可能な構成要素の外面との間の界面において水密シールを構成する。好ましくは、ハウジングは、滑らかな内部キャビティを有し、その第2の部分は、回動可能な構成要素に相補的なプロファイルを有している。いくつかの実施形態では、内部キャビティの第2の部分は円筒形であり、回動可能な構成要素は円筒形のプロファイルを有している。いくつかの実施形態では、内部キャビティの第2の部分は、テーパ状(例えば、頂点のない円錐に対応する、先を切り取られた円錐の形態)であり、回動可能な構成要素のテーパ(例えば、相補的な切り捨てられた円錐)と相補的である。本開示の一実施形態では、回動可能な構成要素は、クリップフィットでハウジングの内部キャビティ内に係合される。
【0024】
回動可能な構成要素は、手で操作することができ、これは、好ましくは、ハウジングを越えて延びる回動可能な構成要素の上部を回動することによって達成される。本開示の一実施形態では、回動可能な構成要素の上部は、人間の手によって把持されるように構成された突出部を有する。代替的には、本開示の別の実施形態では、回動可能な構成要素の上部は、人間の手で把持するためのリブを有する円形プロファイルを有する。
【0025】
回動可能な構成要素を回動させることによって、オペレータは、第2の通路、したがって第1の通路とも連通するように配置する入口導管のうちいずれかを選択することができる。回動可能な構成要素は、第1の通路の長手方向軸線に対して180度から360度(すなわち、一回動)の間でハウジング内で回動することができ得るが、これは、コネクタに設けられた入口導管の数に依存する。例えば、コネクタが2つの入口導管を有する場合、好ましくは、これらは、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに180度離れて配置されるため、回動可能な構成要素は、第1の通路の長手方向軸線に対して少なくとも180度回動可能である必要がある。別の例では、コネクタは、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに120度離れて配置された3つの入口導管を有するので、回動可能な構成要素は、入口導管の各々を選択できるように、第1の通路の長手方向軸線に対して少なくとも240度回動可能である必要がある。さらに別の例では、コネクタは、第1の通路の長手方向軸線に対して互いに90度離れて配置された4つの入口導管を有するので、回動可能な構成要素は、入口導管の各々を選択できるように、第1の通路の長手方向軸線に対して少なくとも270度回動可能である必要がある。本開示の一実施形態では、回動可能な構成要素は、連続的な流路が前記入口導管と前記第1の通路との間に確立されるように、前記入口導管のどれが選択されるかを示すように構成される。
【0026】
コネクタは、2つ以上の流体源に接続可能な2つ以上の入口導管を有するため、回動可能な構成要素は、それぞれの入口導管に接続されたときに、流体源のうちのどれが第1の通路と連通するように選択されるかを選択するために使用することができる。例えば、コネクタが4つの入口導管からなる場合、最大4つの別個の流体源が同時にコネクタに接続されることができ、回動可能な構成要素は、4つの流体源のうちのどれが第1の流体通路と連通するのかを選択するために使用されることができる。好ましい実施形態では、回動可能な構成要素は、1つの第2の通路のみを有し、2つ以上の入口導管のうちの1つが、一度に第1の通路と連通していることだけが可能である。従って、流体が1つの流体源からコネクタを通って第1の通路に流れることは、任意の時間にのみ可能である。したがって、4つの別個の流体源がコネクタに接続されている例では、そのうちの1つだけが、任意の時間に第1の通路と連通することができ、他の3つは閉鎖される。さらなる例では、コネクタは4つの流体入口からなり、コネクタに接続された4つの流体源は、放射性微粒子の懸濁液を含む3つのバイアルと溶液中の造影剤を含む1つのバイアルである。この例では、オペレータは回動可能な構成要素を操作して、各バイアルから放射性微粒子を順番に投与することと、手順を視覚化するために別のバイアルから溶液中の造影剤を定期的に投与することを交互に切り替えることができる。
【0027】
好ましくは、回動可能な構成要素を構成する1つの材料又は複数の材料は、例えばアセチル又はナイロンなどの不透明なものであり、ハウジングは、回動可能な構成要素をハウジングを通して視覚化することができるように透明又は実質的に透明な材料から形成されている。これにより、透明なハウジングを通して回動可能な構成要素を視覚化することができるので、オペレータは、第2の通路の第2の端部が選択された入口導管と正しく位置合わせされ、これらの構成要素間の接合部に密接な接続が形成されていることを視覚的に確認することができる。
【0028】
第2の通路は、第1の端部で第1の通路と連通しており、第2の通路の第2の端部は、2つ以上の入口導管のうちの1つと選択的に整列可能である。各入口導管と第1の通路との間の角度は90度よりも大きく、上記のように、この角度は、第2の通路に形成された屈曲部によって対応され得る。屈曲部は、流体入口と第1の通路との間の接合部に直接ではなく、第2の通路に形成されるので、2つの構成要素の間の接合部に屈曲部が形成されないため、機械的に不一致の構成要素の間に捕捉される粒子の数を減らすことができる。
【0029】
本開示の実施形態では、第2の通路は、円形又は楕円形の断面プロファイルを有する。円形又は楕円形の断面プロファイルを有することは、他の断面プロファイルと比較して、第2の通路内の流体の乱れを低減し、したがって、粒子が容易に捕捉されないため、粒子のクリアランスが改善される。一般的に、少なくとも第1の通路が第2の通路と接する部分では、第1の通路の断面プロファイル(寸法を含めて)が第2の通路のそれと同じであることが望ましい。また、入口導管の断面プロファイル(寸法を含めて)が、少なくとも入口導管が整列時に第2の通路と接する部分で、第2の通路のそれと同じであることが望ましい。例えば、第2の通路が円形の断面プロファイルを有する場合、第1の通路は、典型的には、少なくとも第1および第2の通路が互いに接する部分で、同じ寸法の円形の断面プロファイルを有する。同様に、第2の通路が円形の断面プロファイルを有する場合、入口導管は、典型的には、少なくとも第2の通路と入口導管の各々が選択的に整列して互いに接する点において、同じ寸法の円形の断面プロファイルを有する。これにより、第1の通路と第2の通路及び/又は入口導管のいずれか1つの間の接合部における機械的に不一致の構成要素の存在を最小限に抑えることができる。これにより、機械的に不一致の構成要素間に存在する隙間に粒子が捕捉される発生率を最小限に抑えることができる。好ましくは、すべての入口導管は、第2の通路の第2の端部のものと同じ断面プロファイルと寸法を有し、第1の通路も第2の通路の第1の端部のものと同じ断面プロファイルと寸法を有している。また、入口導管から第2の通路および第1の通路を通る流路全体で一貫した内径を有することも利点である。これは、内径が広がるところで流体が滞留する領域や流れの渦がなくなることで流体の乱れが最小化されるため、捕捉される残留粒子の数が減少する。また、コネクタを流れる流体が一定の速度で移動することを保証する。
【0030】
粒子の懸濁液を搬送するためのシステム
本開示のさらなる態様において、粒子の懸濁液を搬送するためのシステムであって、(a)少なくとも1つの流体源が粒子の懸濁液である、第1の流体源、第2の流体源、および任意に複数の追加の流体源と、(b)本開示の一態様によるコネクタと、(c)コネクタに流体を供給するための2つ以上の供給ラインであって、各供給ラインが第1の端部で入口導管に、第2の端部で流体の供給源に接続されている供給ラインと、(d)第1の通路と連通しているカテーテルと、を含むシステムが提供される。
【0031】
システム-流体源
システムは、第1の流体源、第2の流体源、および任意に1つ又は複数の追加の流体源を含み、少なくとも1つの流体源は、粒子の懸濁液である。粒子の懸濁液は、例えば、塞栓粒子の懸濁液又は放射性微粒子の懸濁液であり得る。他の流体源は、治療手順を視覚化するための溶液中の造影剤を含むことができる。典型的には、流体源は、バイアル又は流体を保持するのに適したあらゆる種類の容器に提供される。流体の供給源は、供給ラインに接続可能である。流体源は、特に、雄型ルアーカップリング又は雌型ルアーカップリングなどの適切なコネクタを備えることができる。
【0032】
システム-供給ライン
システムは、コネクタに流体を供給するための2つ以上の供給ラインをさらに含み、各供給ラインは、第1の端部で入口導管に、第2の端部で流体の供給源に接続される。各供給ラインの各端部は、特に雄型ルアーコネクタ又は雌型ルアーコネクタなどの適切なコネクタを備えることができる。
【0033】
システム-カテーテル
システムは、第1の通路と連通するカテーテルをさらに含んでよい。カテーテルは、第1の通路のために形成された出口に接続可能であり、例えば、カテーテルは、雄型ルアーコネクタ又は雌型ルアーコネクタを介して出口に接続可能である。
【0034】
システム-ブラケット
本開示のこの態様の実施形態では、システムは、出口(したがって、カテーテルも)に向かってコネクタを通る粒子のクリアランスが最大化されるような向きにコネクタを保持するために構成されたブラケットをさらに含むことがある。好ましくは、ブラケットは、コネクタが、第1の通路の長手方向軸線が重力場(例えば、鉛直線によって測定することができる、上下にまっすぐ)に整列されるような向きで使用されるべきである。これにより、流体源が粒子の懸濁液である場合、コネクタを通る粒子のクリアランスが最適化される。好ましくは、ブラケットは、カテーテル及び/又は供給ラインがねじれるのを防ぐために、剛性であるべきである。ブラケットは、例えば、ベース、垂直支持体(例えば、ベースに垂直なもの)、及びブラケットアーム(例えば、垂直支持体に垂直でベースに平行なもの)を含み得る。
【0035】
粒子の懸濁液を搬送する方法
本開示の別の態様では、システムを通して粒子の懸濁液を搬送する方法であって、本開示の態様によるシステムを提供し、回動可能な構成要素を使用して、第1の入口導管を選択し、それにより第1の流体源からシステムを介して流体を送達し、回動可能な構成要素を回動させて第2の入口導管を選択し、それにより第2の流体源からシステムを介して流体を送達し、任意で回動可能な構成要素を回動させて第3の入口導管を選択し、それにより第3の流体源からシステムを介して流体を送達することを含む、方法が提供される。任意に、回動可能な構成要素は、第4またはさらなる入口導管を選択するために回動され得、それにより、第4またはさらなる流体源からシステムを介して流体を送達する。好ましくは、流体の供給源の少なくとも1つは、粒子の懸濁液を含む。
【0036】
このように、本開示によるシステムは、2つ以上の流体源から流体を送達するために使用することができ、順次1つずつ、または必要に応じて2つ以上の流体源間で切り替わる。本開示の一実施形態では、システムは、治療薬の投与のために使用され得、この例では、手順が可視化されることを可能にするために、治療薬に加えて溶液中の造影剤を投与することも望ましい場合がある。この場合、流体の供給源の1つは、溶液中の造影剤を含むバイアルであり、1つ以上の追加のバイアルは、治療薬を含む。例えば、オペレータは、治療薬を投与する前に血管系を可視化するために、第1の入口導管に取り付けられた第1のバイアルから溶液中のある量の造影剤を投与することから始めることができる。次に、オペレータは、回動可能な構成要素を使用して、治療用粒子の懸濁液を含む第2のバイアルに取り付けられている第2の入口導管を選択し、当該被験者に投与することができる。次に、オペレータは、回動可能な構成要素を使用して、治療用粒子の懸濁液を含む第3のバイアルに取り付けられている第3の入口導管を選択し、追加の用量を投与することができる。代替的に、オペレータは、第3のバイアルからさらに治療用粒子を投与する前に、血管系を再び視覚化するために、溶液中の造影剤を含む第1のバイアルに取り付けられた第1の入口導管を再選択してもよい。このような手順中に治療用粒子と同時に溶液中の造影剤を投与することは不可能であるが、オペレータは、手順の前に少量の溶液中の造影剤を投与し、その後、治療薬がその標的に到達し続けることを確認するために、各バイアルに投与する治療薬の間に再び投与できることが望ましいと考えることが多い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示の一態様によるコネクタの断面図を示す。
図2】入口導管と第1の通路の軸線との間の角度が示され、また入口導管と回動可能な構成要素の回動軸線との間の角度が示された、コネクタの中央部分の拡大部分図を示す。
図3】本開示の一態様によるコネクタの上面図を示す。
図4】本開示の一態様によるコネクタの斜視図を示す。
図5】本開示の一態様によるシステムの概略図を示す。
図6】本開示の一態様によるコネクタを保持するために構成されるブラケットの斜視図を示す。
図7】本開示の一態様によるブラケットアームによって支持されるブラケットの写真である。
図8】本開示の一態様によるブラケットアームによって支持されたブラケット内に配置されたコネクタの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本開示の一実施形態の詳細な説明を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の一態様によるコネクタ(1)の断面図を示す。本開示のこの実施形態では、第1の通路(14)の長手方向軸線(14a)は、回動可能な構成要素(18)の回動軸線(18a)と同軸である。コネクタ(1)は、長手方向軸線の周りに配置された第1の通路(14)を含む内部キャビティ(12)を含むハウジング(10)を備える。入口導管(16a、16c)は、ハウジング(10)に形成され、通路軸線(14a)及び回動軸線(18a)と同軸であるハウジング(10)の長手方向軸線に対して半径方向に配置されている。図1に示すコネクタ(1)の断面図では、合計4つの入口導管(16a、16b、16c、16d)のうち、2つの入口導管(16a、16c)のみを見ることができる。回動可能な構成要素(18)は、第1の通路(12)に隣接する位置でハウジングの内部キャビティ(12)の一部に受け入れられ、回動可能な構成要素(18)は、第1の通路(14)の軸線(14a)と同軸であるその長手方向軸線(18a)の周りに回動可能である。回動可能な構成要素(18)は、その第1の端部(20a)において第1の通路(14)と連通する第2の通路(20)を含んで構成される。回動可能な構成要素は、第2の通路の第2の端部(20b)が、入口導管(16a、16b、16c、16d)のうちのいずれか1つと選択的に整列可能であるように、回動可能である。図1に示す本開示の実施形態では、第2の通路(20)の第2の端部(20b)は、第1の通路(14)と第1の入口導管(16a)[第1の入口導管(16a)は、この例では選択された入口導管である]の間に連続流路を確立するように、第1の入口導管(16a)と整列される。図1に示す本開示の実施形態では、回動可能な構成要素(18)は、第1の入口導管(16a)が選択された入口導管であることを示すポインタ(18c)を有する上部(18a)を有する。図1に示す本開示の実施形態では、第1の通路(14)は、出口ポート(28)で終端となっている
【0039】
図2は、第1の入口導管(16a)の軸線(26)と第1の通路(14)の軸線(14a)との間の角度(22)示し、また第1の入口導管の軸線(26)と回動可能な構成要素(18)の回動軸線(18a)との間の角度(24)を示すコネクタ(1)の中心部分の拡大図を示す。図2に示されたコネクタの中央部分は、概略的な表現であり、第2の通路は図示されていない。図2に示す本開示の実施形態では、第1の通路(14)の長手方向軸線(14a)は、回動可能な構成要素(18)の回動軸線(18a)と同軸であり、この場合、角度(22)と角度(24)の和は常に180度に等しくあるべきである。第1の入口導管の軸線と第1の通路の軸線との間の角度(22)は、常に90度よりも大きくあるべきである。
【0040】
図3は、本開示の一態様によるコネクタ(1)の上面図を表し、図4は、コネクタ(1)の斜視図を示す。図3及び図4に示す本開示の実施形態では、コネクタ(1)は、4つの入口導管(16a、16b、16c、16d)を備え、これらの入口導管は、4の回動対称性を有するように、第1の通路(14)の長手方向軸線に対して互いに90度離れて配置されている。図3及び図4に示す本開示の実施形態では、回動可能な構成要素は、ハウジングを越えて延びる上部(18a)と、人間の手によって把持されるように構成された突出部(18b)とも有する。図3および図4に示される本開示の実施形態では、回動可能な構成要素は、第2の通路(20)を介して選択された入口導管と第1の通路(14)との間に連続流路が確立されるように、入口導管(16a、16b、16c、16d)のどれが第1の通路(14)と連通するように選択されているのかを示すためのポインタ(18c)をも有している。図3および図4に示す本開示の実施形態では、ポインタ(18c)は、第1の入口導管(16a)が選択された入口導管であり、したがって第1の通路(14)と連通していることを示すために、第1の入口導管(16a)を指し示している。図3に示す本開示の実施形態では、第1の通路(14)は、出口ポート(32)で終端となっている
【0041】
図5は、本開示の一態様によるシステムの概略図である。このシステムは、先に説明したようなコネクタ(1)と、第1の流体源(34)と、第1の供給ライン(36)とを備え、第1の供給ライン(36)は、第1の端部(36a)で第1の流体源(34)に、第2の端部(36b)でコネクタ上の第1の入口導管(16a)に接続されている。システムは、第2の流体源(38)と第2の供給ライン(40)とをさらに備え、第2の供給ライン(40)は、第1の端部(40a)において第2の流体源(38)に接続され、第2の端部(40b)においてコネクタ上の第2の入口導管(16c)に接続されている。システムはまた、コネクタ上の第1の通路(14)と連通するカテーテル(42)を備える。図5に示す本開示の実施形態では、カテーテル(42)は、ルアーコネクタを介してその出口ポート(32)で第1の通路(14)に取り付けられる。図5に示された本開示の一態様の実施形態では、システムは、2つの流体源および2つの供給ラインを備えるが、任意選択で、システムは、コネクタ上の1つまたは複数の追加の入口導管に追加の流体源を接続するための、1つまたは複数の追加の流体源および対応数の追加の供給ラインも備え得る。図5に示す本開示の実施形態では、第1の流体源および第2の流体源(34、38)は、バイアルである。
【0042】
図6は、本開示の一態様によるブラケット(5)の斜視図を示し、このブラケットは、上述のような本開示の態様に従ったコネクタ(1)を保持するために構成される。ブラケット(5)は、4つの凹部(52a、52b、52c、52d)を備えて構成されており、その各々は、4つの入口導管(16a、16b、16c、16d)の各々を収めるように構成されている。ブラケット(5)は、カテーテル(42)がコネクタ(1)に取り付けられている間に、コネクタ(1)をブラケット(5)に着座させ、及び/又はブラケット(5)から取り外すことを可能にするスロット(54)を更に備えている。
【0043】
図7は、本開示の一態様による、ブラケットアーム(5a)によって支持された図6のようなブラケット(5)を示す写真である。
図8は、本開示の一態様によるコネクタ(1)が、本開示の一態様によるブラケットアーム(5a)によって支持されたブラケット(5)内に配置された写真である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8