(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-07
(45)【発行日】2025-04-15
(54)【発明の名称】リモコン装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20250408BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20250408BHJP
【FI】
E03D9/08 A
H04Q9/00 371A
(21)【出願番号】P 2020157694
(22)【出願日】2020-09-18
【審査請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019191212
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 進吾
(72)【発明者】
【氏名】青木 由希成
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-178591(JP,A)
【文献】特開2000-183549(JP,A)
【文献】実開昭59-185876(JP,U)
【文献】実開昭63-167789(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00-9/16
H04Q 9/00-9/16
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を遠隔制御するリモコン本体と、
壁面に固定されるとともに、前記リモコン本体を着脱可能に保持する保持部と、
前記リモコン本体の下部に設けられ、前記保持部と係合することで前記リモコン本体を前記保持部に対して固定する係合部と、
前記保持部と前記係合部との係合を解除する解除部と
を備え、
前記解除部は、
前記リモコン本体の前後方向に沿って形成されるとともに、所定の工具が挿入されて当該所定の工具を係止可能な凹部
を備え、前記リモコン本体の下面視において見える位置であって、前記リモコン本体の正面視において隠れる位置に配置され、
前記凹部に所定の工具が係止された状態で、前記リモコン本体の左右方向に沿って操作されて移動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であること
を特徴とするリモコン装置。
【請求項2】
前記解除部は、
水平面に対して前記リモコン本体の斜め下方から操作されることで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であること
を特徴とする請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
前記解除部は、
前記リモコン本体の下面に沿った方向に操作されて移動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であること
を特徴とする請求項1または2に記載のリモコン装置。
【請求項4】
前記解除部は、
前記リモコン本体の左右方向に沿って操作されて移動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のリモコン装置。
【請求項5】
前記係合部と前記解除部とは、
一体に形成されること
を特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載のリモコン装置。
【請求項6】
前記係合部は、
前記保持部との係合部分が前記リモコン本体の下面視において隠れる位置に配置されるように構成されること
を特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のリモコン装置。
【請求項7】
機器を遠隔制御するリモコン本体と、
壁面に固定されるとともに、前記リモコン本体を着脱可能に保持する保持部と、
前記リモコン本体の下部に設けられ、前記保持部と係合することで前記リモコン本体を前記保持部に対して固定する係合部と、
前記保持部と前記係合部との係合を解除する解除部と
前記係合部に係合し前記係合部との係合部位が湾曲形状となるように形成される係合爪と、鉛直方向に沿って回動可能となるように前記保持部に支持される回動軸部とを含むフック部と
を備え、
前記解除部は、
前記リモコン本体の下面視において見える位置であって、前記リモコン本体の正面視において隠れる位置に配置され、
前記フック部において、前記回動軸部に対して前記係合爪とは反対側の位置に設けられ、前記解除部が下方から上方へ操作されて前記フック部が回動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除すること
を特徴とするリモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ室には、便器の洗浄を行う便器洗浄装置や洗浄水を使用者の身体へ噴出して局部を洗浄する便座装置などの機器を遠隔制御するリモコン装置が設置される。また、リモコン装置が、例えば駅やホテル等の公共施設のトイレ室に設置される場合、盗難防止のため、リモコン本体をハンガーにネジで締結固定する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リモコン装置の周辺には、カウンタや紙巻器などが設置されることが多い。そのため、従来技術のような、リモコン本体をハンガーにネジで締結する構成とした場合、例えばネジを回す際に工具がカウンタ等に干渉し、リモコン本体の着脱の施工性が低下するおそれがあった。
【0005】
このように、従来技術には、リモコン本体における着脱の施工性を向上させるという点で、改善の余地があった。なお、かかる着脱の施工性の向上は、上記したトイレ室に設置されるリモコン装置に限らず、その他各種の機器を遠隔制御するリモコン装置にも求められていた。
【0006】
実施形態の一態様は、盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができるリモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るリモコン装置は、機器を遠隔制御するリモコン本体と、壁面に固定されるとともに、前記リモコン本体を着脱可能に保持する保持部と、前記リモコン本体の下部に設けられ、前記保持部と係合することで前記リモコン本体を前記保持部に対して固定する係合部と、前記保持部と前記係合部との係合を解除する解除部とを備え、前記解除部は、前記リモコン本体の下面視において見える位置であって、前記リモコン本体の正面視において隠れる位置に配置されることを特徴とする。
【0008】
これにより、例えばリモコン本体の盗難の防止を図ることができる。すなわち、保持部と係合部との係合を解除する解除部がリモコン本体の正面視において隠れる位置に配置されるため、言い換えると、解除部がトイレ利用者から見えにくい位置に配置されるため、リモコン本体の保持部からの取り外し方が分かりにくい構成とすることができ、よってリモコン本体の盗難の防止を図ることができる。
【0009】
また、解除部は、リモコン本体の下面視において見える位置に配置されるため、例えば、作業者は、リモコン本体の下面から解除部へ容易にアクセスすることが可能となり、よって着脱の施工性を向上させることができる。
【0010】
また、前記解除部は、水平面に対して前記リモコン本体の斜め下方から操作されることで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であることを特徴とする。
【0011】
これにより、例えば、リモコン装置の下方に紙巻器やカウンタなどが設置され、作業スペースが比較的小さい場合であっても、作業者は、リモコン本体の斜め下方から解除部へアクセスすることで、保持部と係合部との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0012】
また、前記解除部は、前記リモコン本体の下面に沿った方向に操作されて移動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であることを特徴とする。
【0013】
これにより、例えば、リモコン装置の下方に紙巻器などが設置されて作業スペースが比較的小さい場合であっても、作業者は、解除部をリモコン本体の下面に沿った方向に操作することで、保持部と係合部との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0014】
また、前記解除部は、前記リモコン本体の左右方向に沿って操作されて移動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であることを特徴とする。
【0015】
これにより、リモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。すなわち、リモコン本体は、一般に前後方向より左右方向の方が長い。そのため、解除部をリモコン本体の左右方向に沿って操作する構成とすることで、例えば保持部と係合部との係合を解除するまでの、解除部の移動距離を確保しやすい。この係合を解除するまでの解除部の移動距離を確保して長くする構成は、保持部と係合部との係合が解除されにくい構成でもあることから、結果としてリモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。
【0016】
また、前記解除部は、前記リモコン本体の前後方向に沿って形成されるとともに、所定の工具が挿入されて当該所定の工具を係止可能な凹部を備え、前記凹部に所定の工具が係止された状態で、前記リモコン本体の左右方向に沿って操作されて移動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であることを特徴とする。
【0017】
これにより、リモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。すなわち、凹部に対する工具の挿入方向がリモコン本体の前後方向であるのに対し、解除部は、リモコン本体の左右方向に沿って操作されるようにすることで、例えば、盗難しようとする者が、工具以外の比較的強度が弱いものを凹部に挿入しても、解除部を左右方向に操作しにくくすることが可能となり、よってリモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。
【0018】
また、前記係合部と前記解除部とは、一体に形成されることを特徴とする。これにより、部品点数を削減することができる。
【0019】
また、前記係合部は、前記保持部との係合部分が前記リモコン本体の下面視において隠れる位置に配置されるように構成されることを特徴とする。
【0020】
これにより、例えば、係合部における係合部分を直接操作したりしにくくなることから、リモコン本体の盗難をより効果的に防止することができる。
【0021】
また、前記保持部は、前記係合部に係合する係合爪を含むフック部を備え、前記解除部は、前記フック部に形成され、所定の工具が挿入されて当該所定の工具を係止可能な凹部を備え、前記凹部に所定の工具が係止された状態で、前記フック部が水平方向に撓むことで、前記保持部と前記係合部との係合を解除可能であることを特徴とする。
【0022】
これにより、簡易な構成でリモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。
【0023】
また、前記保持部と前記フック部とは、一体に形成されることを特徴とする。これにより、部品点数を削減することができる。
【0024】
また、前記係合部に係合し前記係合部との係合部位が湾曲形状となるように形成される係合爪と、鉛直方向に沿って回動可能となるように前記保持部に支持される回動軸部とを含むフック部を備え、前記解除部は、前記フック部において、前記回動軸部に対して前記係合爪とは反対側の位置に設けられ、前記解除部が下方から上方へ操作されて前記フック部が回動することで、前記保持部と前記係合部との係合を解除することを特徴とする。
【0025】
これにより、簡易な構成でリモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
実施形態の一態様によれば、リモコン装置において、盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るリモコン装置を備えるトイレシステムを示す全体図である。
【
図6】
図6は、リモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図7】
図7は、リモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。
【
図8】
図8は、リモコン本体の保持部への取り付けを説明する図である。
【
図9】
図9は、解除作業が行われるリモコン装置の側面図である。
【
図11】
図11は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係るリモコン装置の下面図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。
【
図15】
図15は、解除作業が行われるリモコン装置の側面図である。
【
図16】
図16は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す図である。
【
図17】
図17は、第3の実施形態に係るリモコン装置の下面図である。
【
図18】
図18は、第3の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図19】
図19は、第3の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。
【
図22】
図22は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す正面図である。
【
図23】
図23は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す断面図である。
【
図24】
図24は、第4の実施形態に係るリモコン装置の正面図である。
【
図25】
図25は、第4の実施形態に係るリモコン装置の下面図である。
【
図26】
図26は、第4の実施形態に係るリモコン装置の分解斜視図である。
【
図27】
図27は、第4の実施形態に係る係合部材付近の部分拡大斜視図である。
【
図31】
図31は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す下面図である。
【
図32】
図32は、保持部と係合部との係合が解除された状態の側面図である。
【
図33】
図33は、第5の実施形態に係るリモコン装置の下面図である。
【
図34】
図34は、第5の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図35】
図35は、第5の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。
【
図36】
図36は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す図である。
【
図37】
図37は、第6の実施形態に係るリモコン装置の下面図である。
【
図38】
図38は、第6の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【
図39】
図39は、第6の実施形態に係るリモコン装置の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。
【
図40】
図40は、保持部と係合部との係合が解除された状態を示す図である。
【
図41】
図41は、解除作業が行われている係合部材付近の部分拡大斜視図である。
【
図42】
図42は、第7の実施形態に係るリモコン装置の正面図である。
【
図43】
図43は、第7の実施形態に係るリモコン装置の分解斜視図である。
【
図46】
図46は、第8の実施形態に係るリモコン装置の分解斜視図である。
【
図49B】
図49Bは、フック部と係合部との係合が解除された状態を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するリモコン装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るリモコン装置を備えるトイレシステムを示す全体図である。なお、
図1および
図2以降に示す図は、いずれも模式図である。従って、
図1等に示される各構成要素の大きさや形状等は必ずしも正確ではない。また、各図では、理解の便宜のため、構成要素の一部を省略したり、誇張して示したりする場合がある。
【0030】
図1に示すように、トイレシステム1は、トイレ装置2と、リモコン装置3とを備える。
【0031】
トイレ装置2は、便器5と、便器洗浄装置6と、便座装置7とを備える。便器5は、例えば洋式の水洗大便器であり、トイレ室Rに配置される。なお、ここでは、床置き式の便器5を示したが、便器5は、壁掛け式であってもよい。
【0032】
便器洗浄装置6は、便器5の洗浄を行う機器である。例えば、便器洗浄装置6は、便器5に洗浄水を供給する通水路6aと、通水路6aに接続される第1本体部6bとを備える。例えば、第1本体部6bは、通水路6aから便器5への給水および止水をリモコン装置3の遠隔制御に応じて切り替えることで、便器5の洗浄を行うことができる。
【0033】
便座装置7は、便器5の上部に設置される第2本体部7aと、第2本体部7aに対して開閉自在に軸支された便座7bとを備え、使用者の局部を洗浄する機能を有する衛生洗浄装置である。例えば、第2本体部7aは、リモコン装置3の遠隔制御に応じて、図示しない洗浄ノズルを制御し、洗浄水を使用者の身体へ噴出して局部を洗浄することができる。
【0034】
なお、上記では、便座装置7は、衛生洗浄機能を有するようにしたが、これに限られず、衛生洗浄機能に代えて、あるいは加えて、便座7bに座った使用者のおしりなどに温風を吹き付けて乾燥させる乾燥機能や、便座7bの着座面を適温に温める便座暖房機能などを有していてもよい。
【0035】
リモコン装置3は、上記したように、便器洗浄装置6や便座装置7などの機器を遠隔制御する装置である。なお、上記では、リモコン装置3は、便器洗浄装置6および便座装置7の両方を遠隔制御するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば便器洗浄装置6および便座装置7の一方を制御するようにしてもよい。
【0036】
リモコン装置3は、例えば、トイレ室Rの壁面Wに設置される。なお、
図1に示す例において、リモコン装置3は、便座7bに着座した使用者から見て左側方の壁面Wに設置されるが、設置される位置はこれに限定されるものではない。
【0037】
また、トイレ室Rにおいて、リモコン装置3の下方には、カウンタCが設置される。なお、
図1の例では、リモコン装置3の下方にカウンタCが設置されるようにしたが、これに限られず、紙巻器などその他の種類のアクセサリが設置されてもよい。また、リモコン装置3の下方にカウンタCや紙巻器など設置されない構成であってもよい。
【0038】
なお、
図1では、説明の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
【0039】
また、以下のリモコン装置3の説明では、例えば壁面Wに設置されたときの状態を基準として、直交座標系におけるX軸正方向を「右方」、X軸負方向を「左方」、Y軸正方向を「前方」あるいは「正面側」、Y軸負方向を「後方」、Z軸正方向を「上方」、Z軸負方向を「下方」と記載する場合がある。
【0040】
ところで、リモコン装置3は、例えば駅やホテルなど多くの人が利用する公共施設のトイレ室Rに設置される場合がある。かかる場合、従来技術にあっては、リモコン本体を
図1で図示しない保持部(ハンガー)にネジで締結固定することで、盗難防止を図っていた。
【0041】
しかしながら、リモコン装置3の周辺(詳しくは下方)には、カウンタCなどが設置される。そのため、上記のような、ネジで締結する構成とした場合、例えばネジを回す際に工具がカウンタCに干渉し、リモコン本体の着脱の施工性が低下するおそれがあった。
【0042】
そこで、本実施形態に係るリモコン装置3にあっては、盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる構成とした。以下、かかる構成について、
図2以降を参照して詳しく説明する。
【0043】
図2はリモコン装置3の正面図である。また、
図3はリモコン装置3の背面図であり、
図4はリモコン装置3の下面図である。また、
図5はリモコン装置3の分解斜視図である。
【0044】
図2~
図5に示すように、リモコン装置3は、リモコン本体10と、保持部20と、係合部材30と、解除部材40とを備える。
【0045】
リモコン本体10は、ベース部11と、ケース部12とを備え、便器洗浄装置6や便座装置7などの機器を遠隔制御する。
【0046】
ケース部12には、操作ボタン13が設けられ、使用者による操作を受け付ける。例えば、操作ボタン13は、便器洗浄用ボタンや局部洗浄用ボタンなどを含み、使用者によって操作されたボタンに応じて便器洗浄装置6や便座装置7へ駆動信号が出力され、便器洗浄や局部洗浄などが行われる。なお、操作ボタン13の配置や形状は、
図2等に示す例に限定されるものではない。上記したケース部12は、ベース部11に取り付けられる。
【0047】
ベース部11には、図示しない制御用の基板などが配置されて固定され、ケース部12との間の空間に適宜に収容される。
【0048】
また、
図5に示すように、ベース部11は、例えば板状に形成されるとともに、載置部14と、ばね収容部15とを備える。
【0049】
載置部14は、リモコン本体10が保持部20に保持された状態のときに、保持部20の台座部22(後述)に載置される部位である(後述の
図7参照)。例えば、載置部14は、ベース部11の下部付近の左右にそれぞれ形成される板状の部位である。載置部14は、ベース部11の基体から前方へ向けて突出するように形成される。
【0050】
ばね収容部15は、ばね50(後述の
図7参照)を収容する部位である。かかるばね50は、係合部材30の係合部31が保持部20に係合する際に用いられるが、これについては後述する。例えば、ばね収容部15は、ベース部11の下部付近の中央に形成される矩形状の部位である。
【0051】
保持部20は、リモコン本体10を着脱可能に保持する部材(ハンガー)である。保持部20は、
図5に示すように、例えば正面視において矩形状で、かつ薄板状に形成される。なお、保持部20において、リモコン本体10の背面11aと対向して配置されるとともにリモコン本体10が保持される面(Y軸正方向側の面)を「保持面20a」と記載する場合がある。
【0052】
保持部20は、ネジ挿通孔21と、台座部22とを備える。ネジ挿通孔21は、保持部20の適宜位置に複数(例えば2個)形成される。かかるネジ挿通孔21には、図示しないネジがY軸正側から負方向へ向けて挿通され、これにより、保持部20は壁面W(
図1参照)に固定される。なお、ネジ挿通孔21が形成される位置や数は、図示の例に限定されるものではない。
【0053】
台座部22は、保持部20において、リモコン本体10の載置部14と対応する位置に形成される。具体的には、台座部22は、保持部20の下部付近の左右にそれぞれ形成される板状の部位である。台座部22は、保持部20の保持面20aから前方へ向けて突出するように形成される。
【0054】
なお、リモコン本体10は、保持部20に対して上方から取り付けられて保持され、保持された状態において、上記したように、台座部22に載置部14が載置される。
【0055】
係合部材30は、保持部20と係合可能な部材である。
図3や
図4に示すように、係合部材30は、係合部31を備え、かかる係合部31が、保持部20と係合することでリモコン本体10を保持部20に対して固定する。なお、係合部31を備える係合部材30の詳しい構成については、
図6等を参照して後述する。
【0056】
解除部材40は、保持部20と係合部31との係合を解除することができる部材である。
図4に示すように、解除部材40は、解除部41を備え、かかる解除部41が、作業者によって操作されることで、保持部20と係合部31との係合を解除することができる。なお、解除部41を備える解除部材40の詳しい構成についても、
図6等を参照して後述する。
【0057】
ここで、リモコン本体10において、解除部41が配置される位置について、
図4および
図2を参照して説明する。まず、
図4に示すように、ケース部12の下面12aには、開口12bが形成される。開口12bは、例えば長尺状のスリットであり、リモコン本体10の前後方向(Y軸方向)に沿って形成される。
【0058】
そして、上記した解除部41は、ケース部12内に収容されるとともに、ケース部12の開口12bと対応する位置、詳しくは、開口12bから見える位置に配置される。すなわち、解除部41は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置される。他方、
図2に示すように、解除部41は、リモコン本体10の下面10aから突出せずにケース部12内に収容されるため、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置される。
【0059】
このように、解除部41は、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置され、トイレ利用者から見えにくい位置に配置されるため、リモコン本体10の保持部20からの取り外し方が分かりにくい構成とすることができ、よってリモコン本体10の盗難の防止を図ることができる。
【0060】
また、解除部41は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置されるため、例えば、作業者は、リモコン本体10の下面から解除部41へ容易にアクセスすることが可能となり、よって着脱の施工性を向上させることができる。
【0061】
次に、
図6以降を参照してリモコン装置3についてさらに詳しく説明する。
図6は、リモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図であり、
図7は、リモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。なお、
図6および
図7においては、理解の便宜のため、ケース部12が取り外された状態を示している。
【0062】
図6および
図7に示すように、係合部材30は、上記した係合部31と、連結部32と、押圧部33とを備え、リモコン本体10の下部に設けられる。また、係合部材30は、リモコン本体10内において左右方向(X軸方向)に沿って移動可能に配置される。また、係合部31、連結部32および押圧部33は、一体に形成される。
【0063】
係合部31は、係合部材30において左方(X軸負方向)側に位置される。係合部31は、係合爪31aと、当接面31bとを備える。係合爪31aは、保持部20の台座部22を、ベース部11の載置部14との間に挟み込むことができる。これにより、係合爪31aを備える係合部31は、保持部20と係合することができ、リモコン本体10を保持部20に対して固定する。
【0064】
当接面31bは、リモコン本体10が保持部20に取り付けられる際、保持部20の台座部22と当接する面である。当接面31bは、水平面(X-Y平面)に対してY軸を中心に傾斜するように形成される、詳しくは、左上がりの傾斜であり、正面視において上方へいくに連れて左方に位置する台座部22側へ近づくような傾斜に形成される。
【0065】
連結部32は、係合部31の右方(X軸正方向)側に位置され、係合部31と押圧部33とを連結する。また、連結部32は、係合部31と押圧部33との間に解除部材40が入るスペースができるように形成される。
【0066】
押圧部33は、係合部材30における右方(X軸正方向)側に位置される。ここで、押圧部33の右方には、ベース部11のばね収容部15が設けられる。ばね収容部15には、上記したようにばね50が収容される。
【0067】
ばね50は、端部が押圧部33に当接し、押圧部33を左方(X軸負方向)へ付勢する。ばね50としては、コイルばねを用いることができるが、これに限定されるものではなく、例えば板ばねや皿ばねなど、付勢力を生じるように弾性変形するものであれば他の種類の弾性部材であってもよい。
【0068】
押圧部33は、例えば、リモコン本体10が保持部20に取り付けられるとき、または、後述する解除部材40が作業者によって操作されるときに、右方へ移動し、ばね50の付勢力に抗してばね50を押圧する。
【0069】
ここで、リモコン本体10の保持部20への取り付けについて
図8を参照して説明する。
図8は、リモコン本体10の保持部20への取り付けを説明する図である。
【0070】
図8に矢印D1で示すように、リモコン本体10は、保持部20に対して上方から取り付けられる。詳しく説明すると、リモコン本体10は、先ず、載置部14が保持部20の台座部22の上方に位置するように配置される。このとき、押圧部33を含む係合部材30は、ばね50によって左方へ付勢され、よって係合部材30の左方にある係合部31は、載置部14と台座部22との間に位置された状態となる。
【0071】
そして、リモコン本体10が、作業者によって下方へ移動させられると、係合部31の当接面31bに台座部22が当接する。さらに、リモコン本体10が下方へ移動させられると、想像線で示すように、台座部22が傾斜している当接面31bを摺動しつつ徐々に右方へ押し込むこととなる(矢印D2参照)。かかる押し込みにより、係合部材30は、右方へ移動し、押圧部33がばね50を押圧する。
【0072】
さらに、リモコン本体10が下方へ移動させられると、台座部22が当接面31bを通過し、当接面31bを右方へ押し込まなくなる。これにより、ばね50の弾性変形による左方への付勢力によって、係合部材30は左方へ移動し、係合部31の係合爪31aは、台座部22を載置部14との間に挟み込むことができる(
図7参照)。これにより、係合部31は、保持部20と係合することができ、リモコン本体10を保持部20に対して固定する。
【0073】
また、
図8に示すように、載置部14には、下方へ向けて突出する突起部14aが形成される。台座部22において、かかる突起部14aに対応する位置には、
図5,6に示すように、突起部14aを挿通可能な挿通孔22aが形成される。
【0074】
従って、
図6,7に示すように、載置部14が台座部22の上に載置されると、言い換えると、リモコン本体10が保持部20に保持されると、突起部14aは挿通孔22aに挿通された状態となる。
【0075】
これにより、例えば、盗難しようとする者によってリモコン本体10が手前側(Y軸正方向側)に引っ張られた場合であっても、リモコン本体10は保持部20に対して移動しにくくなり、よってリモコン本体の盗難を効果的に防止することができる。
【0076】
次に、解除部材40について
図6および
図7を参照して説明する。解除部材40は、解除部41と、当接部42とを備え、リモコン本体10の下部に設けられる。解除部材40の一部または全部は、係合部材30の連結部32に形成されたスペースに配置される。解除部材40は、リモコン本体10内において上下方向(Z軸方向)に沿って移動可能に配置される。また、解除部41および当接部42は、一体に形成される。
【0077】
解除部41は、解除部材40において下方(Z軸負方向)側に位置される。例えば、解除部41は、当接部42から下方に向けて突出されるとともに、左右方向に所定の幅を持ちつつ、前後方向に沿って延在するように形成される。
【0078】
当接部42は、解除部41の上方(Z軸正方向)側であって、解除部材40において上方側に位置される。当接部42は、当接面42aを備える。
【0079】
当接面42aは、当接部42の右方側、言い換えると、押圧部33側に形成され、押圧部33と当接する面である。なお、
図7では、当接面42aと押圧部33との当接位置を符号B1で示している。
【0080】
当接面42aは、水平面(X-Y平面)に対してY軸を中心に傾斜するように形成される、詳しくは、正面視において右下がりの傾斜であり、下方へいくに連れて右方に位置する押圧部33側へ近づくような傾斜に形成される。
【0081】
上記のように構成された解除部材40は、作業者によって操作されることで、保持部20と係合部材30の係合部31との係合を解除することができる。以下、解除の作業について、
図9~
図11を参照して説明する。
【0082】
図9は、解除作業が行われるリモコン装置3を左側から見た側面図である。なお、
図9では、図示の簡略化のため、解除部41を破線のブロックで示している。
図10は、
図7のX-X線断面図であり、具体的には、解除部41付近の側断面図である。
図11は、保持部20と係合部31との係合が解除された状態を示す図である。
【0083】
まず、
図9に示すように、解除作業は、解除部材40の解除部41が、水平面に対してリモコン本体10の斜め下方から操作されることで行われる。詳しくは、解除部41は、リモコン本体10の正面側の斜め下方から、所定の工具Tによって押し上げられる(矢印D3参照)。
【0084】
このとき、工具Tは、
図10に示すように、リモコン本体10の下面10aに形成された開口12bに挿入されて、解除部41の下面41aにアクセスし、解除部41を上方へ押し上げることとなる。なお、工具Tとしては、例えばマイナスドライバを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0085】
ここで、
図9から分かるように、本実施形態に係るリモコン装置3の下方には、カウンタCが設定される。そのため、リモコン装置3とカウンタCとの間の作業スペースは比較的小さくなり易い。このように、作業スペースが比較的小さい場合であっても、作業者は、リモコン本体10の斜め下方から解除部41へアクセスすることで、保持部20と係合部31との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0086】
そして、
図11に示すように、解除部41が上方へ押し上げられると、当接部42も上方へ移動させられる。このとき、当接部42の当接面42aでは、押圧部33との当接位置B2が右方へずれながら、当接部42が上方へ移動させられるため、当接部42は、押圧部33を右方へ押し込むこととなる。かかる押し込みにより、係合部材30は、ばね50の付勢力に抗しつつ右方へ移動し(矢印D4参照)、保持部20と係合部31との係合が解除される。
【0087】
なお、図示は省略するが、保持部20と係合部31との係合が解除されると、リモコン本体10を上方に引き上げることで、リモコン本体10を保持部20から取り外すことができる。
【0088】
上述してきたように、第1の実施形態に係るリモコン装置3は、リモコン本体10と、保持部20と、係合部31と、解除部41とを備える。リモコン本体10は、機器(例えば便器洗浄装置6や便座装置7)を遠隔制御する。保持部20は、壁面Wに固定されるとともに、リモコン本体を着脱可能に保持する。係合部31は、リモコン本体10の下部に設けられ、保持部20と係合することでリモコン本体10を保持部20に対して固定する。解除部41は、保持部20と係合部31との係合を解除する。また、解除部41は、リモコン本体10の下面視において見える位置であって、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置される。これにより、盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0089】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下では、第2の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「1」を付して説明することがある。
【0090】
図12は、第2の実施形態に係るリモコン装置3の下面図である。第2の実施形態にあっては、解除部141が、リモコン本体10の下面10aに沿った方向、詳しくは、リモコン本体10の左右方向(X軸方向。横方向)に沿って操作されて移動することで、保持部20と係合部131との係合を解除可能である構成とした。
【0091】
まず、リモコン本体10において、解除部141が配置される位置について説明する。
図12に示すように、ケース部112の下面112aには、開口112bが形成される。開口112bは、例えば長尺状のスリットであり、リモコン本体10の左右方向に沿って形成される。
【0092】
そして、解除部141は、第1の実施形態と同様、ケース部112内に収容されるとともに、ケース部112の開口112bと対応する位置、詳しくは、開口112bから見える位置に配置される。すなわち、解除部141は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置される。他方、第2の実施形態にあっては、
図2で示したように、解除部141は、リモコン本体10の下面10aから突出せずにケース部112内に収容されるため、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置される。
【0093】
これにより、第2の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体10の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0094】
次に、
図13以降を参照して第2の実施形態に係るリモコン装置3について詳説していく。
図13は、第2の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図であり、
図14は、第2の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。なお、
図13および
図14においては、理解の便宜のため、ケース部112が取り外された状態を示している。
【0095】
図13および
図14に示すように、係合部材130は、係合部131と、連結部132と、押圧部133とを備え、リモコン本体10内において左右方向(X軸方向)に沿って移動可能に配置される。係合部131は、係合爪131aにより、保持部20と係合する。
【0096】
解除部材140は、解除部141と、当接部142とを備え、例えば板状に形成される。解除部141は、後述するように、右方の側面141aが操作されて、係合を解除する。当接部142は、右方の上部付近の端部142aにおいて押圧部133と当接する。なお、
図14では、端部142aと押圧部133との当接位置を符号B11で示している。
【0097】
第2の実施形態では、解除部材140は、リモコン本体10内において前後方向(Y軸方向)を中心に回転可能に配置される。
【0098】
例えば、解除部材140の中央付近には、挿通孔143が形成される。ベース部111において、挿通孔143と対応する位置には、前方(Y軸正方向)へ向けて突出する突起部116が形成される。かかる突起部116に挿通孔143が挿通されることで、解除部材140は、突起部116を中心に、言い換えると、前後方向を中心に回転可能とされる。
【0099】
上記のように構成された解除部材140は、作業者によって操作されることで、保持部20と係合部131との係合を解除することができる。
【0100】
図15は、解除作業が行われるリモコン装置3を左側から見た側面図である。なお、
図15では、図示の簡略化のため、解除部141を破線のブロックで示している。
図16は、保持部20と係合部131との係合が解除された状態を示す図である。
【0101】
まず、
図15に示すように、解除作業は、解除部材140の解除部141が、水平面に対してリモコン本体10の斜め下方から操作されることで行われる。詳しくは、解除部141は、リモコン本体10の側方側の斜め下方から、工具Tによって、下面10aに沿った方向、詳しくは、リモコン本体10の左右方向(正確には左方)に沿って操作される(矢印D11参照)。
【0102】
このとき、工具Tは、
図12で示したリモコン本体10の下面10aの開口112bに挿入されて、解除部141の側面141aにアクセスし、解除部141を左右方向(正確には左方)にスライドさせることとなる。
【0103】
図15から分かるように、第2の実施形態にあっても、第1の実施形態と同様、リモコン装置3の下方にカウンタCが設定されて、作業スペースが比較的小さい場合であっても、作業者は、リモコン本体10の斜め下方から解除部141へアクセスすることで、保持部20と係合部131との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0104】
そして、
図16に示すように、解除部141が左方へスライドさせられると、解除部材140は正面視において時計回りに回転し、当接部142は、端部142aで押圧部133を右方へ押し込むこととなる。かかる押し込みにより、係合部材130は、ばね50の付勢力に抗しつつ右方へ移動し(矢印D12参照)、保持部20と係合部131との係合が解除される。
【0105】
このように、第2の実施形態にあっては、解除部141は、リモコン本体10の左右方向に沿って操作されて移動(スライド)することで、保持部20と係合部131との係合を解除可能である。
【0106】
これにより、リモコン本体10の盗難を効果的に防止することができる。すなわち、リモコン本体10は、一般に前後方向より左右方向(横方向)の方が長い。そのため、解除部141をリモコン本体の左右方向に沿って操作する構成とすることで、例えば保持部20と係合部131との係合を解除するまでの、解除部141の移動距離を確保しやすい。この係合を解除するまでの解除部141の移動距離を確保して長くする構成は、保持部20と係合部131との係合が解除されにくい構成でもあることから、結果としてリモコン本体10の盗難を効果的に防止することができる。
【0107】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、以下では、第3の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「2」を付して説明することがある。
【0108】
図17は、第3の実施形態に係るリモコン装置3の下面図である。第3の実施形態にあっては、解除部241が、リモコン本体10の下面10aに沿った方向、詳しくは、リモコン本体10の前後方向(Y軸方向)に沿って操作されて移動することで、保持部20と係合部231との係合を解除可能である構成とした。
【0109】
まず、リモコン本体10において、解除部241が配置される位置について説明する。
図17に示すように、ケース部212の下面212aには、開口212bが形成される。開口212bは、例えば長尺状のスリットであり、リモコン本体10の前後方向に沿って形成される。
【0110】
そして、解除部241は、第1の実施形態と同様、ケース部212内に収容されるとともに、ケース部212の開口212bと対応する位置、詳しくは、開口212bから見える位置に配置される。すなわち、解除部241は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置される。他方、第3の実施形態にあっては、
図2で示したように、解除部241は、リモコン本体10の下面10aから突出せずにケース部212内に収容されるため、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置される。
【0111】
これにより、第3の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体10の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0112】
また、
図17に示すように、第3の実施形態にあっては、係合部231は、保持部20との係合部分がリモコン本体10の下面視において隠れる位置に配置されるように構成される。
【0113】
例えば、ケース部212は、カバー部213を備える。カバー部213は、ケース部212の下面212aであって、下面視において係合部231の保持部20との係合部分を覆うような位置に形成される。
【0114】
上記したカバー部213により、係合部231の保持部20との係合部分が下面視において隠れることから、例えば、係合部231における係合部分を直接操作して係合を解除したりしにくくなり、結果としてリモコン本体10の盗難をより効果的に防止することができる。
【0115】
なお、上記したカバー部213は、第1、第2の実施形態に係るケース部12,112に適用してもよい。
【0116】
次に、
図18以降を参照して第3の実施形態に係るリモコン装置3についてさらに詳しく説明する。
図18は、第3の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図であり、
図19は、第3の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。なお、
図18および
図19においては、理解の便宜のため、ケース部212が取り外された状態を示している。
【0117】
図18および
図19に示すように、係合部材230は、係合部231と、連結部232と、押圧部233とを備え、リモコン本体10内において左右方向(X軸方向)に沿って移動可能に配置される。係合部231は、係合爪231aにより、保持部20と係合する。
【0118】
図20は、
図19のXX-XX線断面図である。
図20に示すように、連結部232は、背面側(Y軸負方向側)において、係合部231と押圧部233との間に解除部材240が入るスペースSができるように形成される。
【0119】
押圧部233は、当接面233aを備える。当接面233aは、押圧部233の左方側、言い換えると、解除部材240側に形成される。当接面233aは、解除部材240の当接部242と当接する面である。
【0120】
当接面233aは、前後方向の垂直面(Y-Z平面)に対してZ軸を中心に傾斜するように形成される、詳しくは、下面視において前方へいくに連れて左方側へ傾くような傾斜に形成される。なお、
図20および後述の
図21では、当接面233aと当接部242との当接位置を符号B21で示している。
【0121】
解除部材240は、解除部241と、当接部242とを備え、例えば板状に形成される。
図21は、
図19のXXI-XXI線断面図であり、具体的には、解除部241付近の側断面図である。
【0122】
図21に示すように、解除部241は、前方の下部付近の端部241aが操作されて、係合を解除する。当接部242は、前方の上部付近の端部242aにおいて押圧部233(正確には当接面233a)と当接する。
【0123】
第3の実施形態では、解除部材240は、リモコン本体10内において左右方向(X軸方向)を中心に回転可能に配置される。なお、
図21では、回転軸を符号E21で示している。
【0124】
上記のように構成された解除部材240は、作業者によって操作されることで、保持部20と係合部231との係合を解除することができる。
図22は、保持部20と係合部231との係合が解除された状態を示す正面図であり、
図19と対応する図である。
図23は、保持部20と係合部231との係合が解除された状態を示す断面図であり、
図20と対応する図である。
【0125】
まず、
図21に示すように、解除作業は、解除部材240の解除部241が、水平面に対してリモコン本体10の斜め下方から操作されることで行われる。詳しくは、解除部241は、リモコン本体10の正面側の斜め下方から、工具Tによって、下面10aに沿った方向、より詳しくは、リモコン本体10の前後方向(正確には後方)に沿って操作される(矢印D21参照)。
【0126】
このとき、工具Tは、
図17で示したリモコン本体10の下面10aの開口212bに挿入されて、解除部241の端部241aにアクセスし、解除部241を前後方向(正確には後方)にスライドさせることとなる。
【0127】
図示は省略するが、第3の実施形態において、リモコン装置3の下方の作業スペースがカウンタC等により小さくなった場合であっても、作業者は、リモコン本体10の斜め下方から解除部241へアクセスすることで、保持部20と係合部231との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0128】
そして、解除部241が後方へスライドさせられると、解除部材240は、左側面視において回転軸E21を中心に時計回りに回転し、当接部242は、端部242aで押圧部233を前方へ押し込むこととなる(
図21および
図23の矢印D22参照)。
【0129】
ここで、押圧部233を含む解除部材240は、左右方向(X軸方向)に沿って移動可能に構成されることから、
図22および
図23に示すように、当接部242からの押し込みにより、係合部材230は、ばね50の付勢力に抗しつつ右方へ移動する(矢印D23参照)。これにより、保持部20と係合部231との係合が解除される。
【0130】
このように、第3の実施形態にあっては、解除部241は、リモコン本体10の前後方向に沿って操作されて移動(スライド)することで、保持部20と係合部231との係合を解除することができる。
【0131】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。なお、以下では、第4の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「3」を付して説明することがある。
【0132】
図24は、第4の実施形態に係るリモコン装置3の正面図である。また、
図25は、第4の実施形態に係るリモコン装置3の下面図であり、
図26は、第4の実施形態に係るリモコン装置3の分解斜視図である。なお、第4の実施形態に係るリモコン装置3としては、例えば左右方向に比較的長いリモコン装置を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0133】
図24~
図26に示すように、第4の実施形態に係るリモコン装置3は、リモコン本体310と、保持部320と、係合部材330とを備える。リモコン本体310は、ベース部311およびケース部312を備え、下部付近に係合部材330が設けられる。ベース部311は、載置部314(隠れて見えず。後述する
図30参照)を備える。保持部320は、載置部314と対応する位置に台座部322を備える。
【0134】
第4の実施形態に係る係合部材330は、
図25に示すように、解除部341を備える。すなわち、第4の実施形態では、係合部材330は、解除部341を備えることで、保持部320と係合する機能に加え、係合を解除する機能も有している。なお、解除部341を備える係合部材330の詳しい構成については、
図27等を参照して後述する。
【0135】
ここで、リモコン本体10において、解除部341が配置される位置について、
図25を参照して説明する。
図25に示すように、ケース部312の下面312aには、開口312bが形成される。開口312bは、例えば長尺状のスリットであり、リモコン本体310の前後方向(Y軸方向)に沿って形成される。
【0136】
そして、上記した解除部341は、ケース部312内に収容されるとともに、ケース部312の開口312bと対応する位置、詳しくは、開口312bから見える位置に配置される。すなわち、解除部341は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置される。他方、
図24に示すように、解除部341は、リモコン本体310の下面310aから突出せずにケース部312内に収容されるため、リモコン本体310の正面視において隠れる位置に配置される。
【0137】
これにより、第4の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体310の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0138】
次に、
図27以降を参照してリモコン装置3について詳しく説明していく。
図27は、第4の実施形態に係る係合部材330付近の部分拡大斜視図である。
図28は、係合部材330付近の部分拡大正面図である。また、
図29は、係合部材330付近の部分拡大下面図であり、
図30は、
図29に示す係合部材330付近を右側から見たときの部分拡大側面図である。なお、
図27等では、理解の便宜のため、ケース部312が取り外された状態を示している。
【0139】
図27~
図30に示すように、係合部材330は、係合部331と、連結部332と、軸部336と、解除部341とを備える。係合部331、連結部332、軸部336および解除部341は、一体に形成される。
【0140】
このように、第4の実施形態にあっては、保持部320と係合する機能を有する係合部331と、係合を解除する機能も有する解除部341とが一体に形成されるため、部品点数を削減することができる。
【0141】
係合部材330は、リモコン本体10内において上下方向(Z軸方向)を中心に回転可能に配置される。具体的に説明すると、軸部336は、係合部材330の中央付近に位置される。軸部336の右方側に連結部332および係合部331が位置され、左方側に解除部341が位置される。すなわち、係合部331、連結部332、軸部336および解除部341は、左右方向に沿って並ぶように位置される。
【0142】
そして、
図29に示すように、例えば軸部336の中央付近には、上下方向に貫通する挿通孔336aが形成される。また、ベース部311において、挿通孔336aと対応する位置には、上下方向に沿って形成される突起部316が形成される。かかる突起部316に挿通孔336aが挿通されることで、係合部材330は、突起部316を中心に、言い換えると、上下方向を中心に回転可能とされる。なお、
図28,29では、回転軸を符号E31で示している。
【0143】
上記のように、回転可能に配置される係合部材330には、ばね350が取り付けられ、係合部材330を所定の回転方向へ付勢する。ばね350としては、例えばねじりばねを用いることができるが、これに限られず、コイルばねや板ばね、皿ばねなど、付勢力を生じるように弾性変形するものであれば他の種類の弾性部材であってもよい。
【0144】
ばね350は、一端350aがベース部311の適宜位置に固定され、他端350bが係合部材330の解除部341に固定される。ばね350は、係合部材330に対し、
図29に示す下面視において時計回りの回転方向へ付勢する。すなわち、ばね350は、解除部341を前方へ向けて付勢し、係合部331および連結部332を後方へ向けて付勢する。
【0145】
係合部331は、ばね350による付勢力を受けて、保持部320と係合し、リモコン本体310を保持部320に対して固定する。具体的には、
図30に良く示すように、係合部331には、後方へ向けて開口する係合溝331aが形成される。
【0146】
リモコン本体310が保持部320に保持された状態のとき、係合部331の係合溝331aに対応する位置には、保持部320の台座部322と、台座部322に載置されたベース部311の載置部314とが位置される。従って、係合部331は、ばね350の付勢力を受けるため、後方へ移動し、係合溝331aに台座部322および載置部314が入り込んで、保持部320と係合することができる。
【0147】
連結部332は、
図27~
図29に示すように、係合部331と軸部336とを連結する。解除部341は、
図27,28に示すように、例えば上下方向に延在する柱状の部位を有し、かかる柱状の部位において前方の下部付近の端部341aが作業者によって操作されて、係合を解除する。
【0148】
以下、解除の作業について、
図31および
図32を参照して説明する。
図31は、保持部320と係合部331との係合が解除された状態を示す下面図であり、
図29と対応する図である。
図32は、保持部320と係合部331との係合が解除された状態を、右側から見たときの側面図であり、
図30と対応する図である。
【0149】
図31に示すように、解除作業は、まず、係合部材330の解除部341が、水平面に対してリモコン本体310の斜め下方から操作されることで行われる(第1の実施形態で示した
図9参照)。詳しくは、解除部341は、リモコン本体310の正面側の斜め下方から、工具Tによって、下面310aに沿った方向、より詳しくは、リモコン本体310の前後方向(正確には後方)に沿って操作される(矢印D31参照)。
【0150】
このとき、工具Tは、
図25で示したリモコン本体310の下面310aの開口312bに挿入されて、解除部341の端部341aにアクセスし、解除部341を前後方向(正確には後方)にスライドさせることとなる。
【0151】
図示は省略するが、第4の実施形態において、リモコン装置3の下方の作業スペースがカウンタC等により小さくなった場合であっても、作業者は、リモコン本体310の斜め下方から解除部341へアクセスすることで、保持部320と係合部331との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0152】
そして、解除部341がばね350の付勢力に抗して後方へスライドさせられると、係合部材330は、下面視において回転軸E31を中心に反時計回りに回転する。従って、
図31および
図32に矢印D32で示すように、係合部331は、台座部322および載置部314から離間する方向(すなわち前方)へ向けて移動され、よって台座部322および載置部314は、係合溝331aと係合されなくなる。これにより、保持部320と係合部331との係合を解除することができる。
【0153】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。なお、以下では、第5の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「4」を付して説明することがある。
【0154】
図33は、第5の実施形態に係るリモコン装置3の下面図である。第5の実施形態に係る係合部材430は、
図33に示すように、解除部441を備える。すなわち、第5の実施形態では、係合部材430は、解除部441を備えることで、保持部20と係合する機能に加え、係合を解除する機能も有している。
【0155】
また、第5の実施形態にあっては、解除部441が、リモコン本体10の下面10aに沿った方向、詳しくは、リモコン本体10の左右方向(X軸方向)に沿って操作されて移動することで、保持部20と係合部431との係合を解除可能である構成とした。なお、解除部441を備える係合部材430の詳しい構成については、
図34等を参照して後述する。
【0156】
ここでまず、リモコン本体10において、解除部441が配置される位置について説明する。
図33に示すように、ケース部412の下面412aには、開口412bが形成される。開口412bは、例えば長尺状のスリットであり、リモコン本体10の左右方向に沿って形成される。
【0157】
そして、解除部441は、第1の実施形態と同様、ケース部412内に収容されるとともに、ケース部412の開口412bと対応する位置、詳しくは、開口412bから見える位置に配置される。すなわち、解除部441は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置される。他方、第5の実施形態に係る解除部441は、
図2で示したように、リモコン本体10の下面10aから突出せずにケース部412内に収容されるため、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置される。
【0158】
これにより、第5の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体10の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0159】
また、
図33に示すように、第5の実施形態にあっては、第3の実施形態と同様に、ケース部412がカバー部413を備え、係合部431は、保持部20との係合部分がリモコン本体10の下面視において隠れる位置に配置されるように構成される。これにより、リモコン本体10の盗難をより効果的に防止することができる。
【0160】
次に、
図34以降を参照して第5の実施形態に係るリモコン装置3について詳説していく。
図34は、第5の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図であり、
図35は、第5の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。なお、
図34および
図35においては、理解の便宜のため、ケース部412が取り外された状態を示している。
【0161】
図34および
図35に示すように、係合部材430は、係合部431と、連結部432と、押圧部433と、解除部441とを備え、リモコン本体10内において左右方向(X軸方向)に沿って移動可能に配置される。
【0162】
係合部431、連結部432、押圧部433および解除部441は、一体に形成される。このように、第5の実施形態にあっては、保持部20と係合する機能を有する係合部431と、係合を解除する機能も有する解除部441とが一体に形成されるため、部品点数を削減することができる。
【0163】
係合部431は、係合爪431aにより、保持部20と係合する。係合部431の下部には、解除部441が位置される。
【0164】
解除部441は、凹部445を備える。凹部445は、解除部441の下面441aに形成され、リモコン本体10の左右方向に沿って延在する溝状の部位である。また、凹部445は、解除部441の下面441aにおいて左側が開放された形状とされる。詳しくは、凹部445は、係合部材430において係合を解除するときに移動する方向(ここでは右側)とは、反対側(ここでは左側)が開放されるように形成される。
【0165】
これにより、例えば解除作業の際、凹部445は、工具T(
図34,35で図示せず)が左側から挿入可能とされ、挿入された工具Tを係止することができる。
【0166】
次いで、
図36を参照して係合の解除について説明する。
図36は、解除作業により、保持部20と係合部431との係合が解除された状態を示す図である。
【0167】
図36に示すように、解除部441は、凹部445に工具Tが係止された状態で、解除作業が行われる。詳しくは、作業者により、解除部441の凹部445に工具Tが挿通されて係止される。
【0168】
そして、解除部441は、挿入された工具Tが係止された状態で、作業者により、リモコン装置3の左右方向(正確には右方)に沿って操作される(矢印D41参照)。これにより、矢印D42で示すように、係合部材430は、ばね50の付勢力に抗しつつリモコン装置3の左右方向(正確には右方)へ移動(スライド)し、保持部20と係合部431との係合が解除される。
【0169】
なお、図示は省略するが、第5の実施形態において、リモコン装置3の下方の作業スペースがカウンタC等により小さくなった場合であっても、作業者は、リモコン本体10の斜め下方から解除部441へアクセスすることで、保持部20と係合部431との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0170】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。なお、以下では、第6の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「5」を付して説明することがある。
【0171】
図37は、第6の実施形態に係るリモコン装置3の下面図である。第6の実施形態に係る係合部材530は、
図37に示すように、解除部541を備える。すなわち、第6の実施形態でも、係合部材530は、解除部541を備えることで、保持部20と係合する機能に加え、係合を解除する機能も有している。
【0172】
また、第6の実施形態にあっては、解除部541が、リモコン本体10の下面10aに沿った方向、詳しくは、リモコン本体10の左右方向(X軸方向)に沿って操作されて移動することで、保持部20と係合部531との係合を解除することができる。なお、解除部541を備える係合部材530の詳細については、
図38等を参照して後述する。
【0173】
ここでまず、リモコン本体10において、解除部541が配置される位置について説明する。
図37に示すように、ケース部512の下面512aには、開口512bが形成される。開口512bは、例えば長尺状のスリットであり、リモコン本体10の左右方向に沿って形成される。
【0174】
そして、解除部541は、第1の実施形態と同様、ケース部512内に収容されるとともに、ケース部512の開口512bと対応する位置、詳しくは、開口512bから見える位置に配置される。すなわち、解除部541は、リモコン本体10の下面視において見える位置に配置される。第6の実施形態に係る解除部541は、
図2で示したように、リモコン本体10の下面10aから突出せずにケース部512内に収容されるため、リモコン本体10の正面視において隠れる位置に配置される。
【0175】
これにより、第6の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体10の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0176】
また、
図37に示すように、第6の実施形態にあっても、第3、第5の実施形態と同様に、ケース部512がカバー部513を備え、係合部531は、保持部20との係合部分がリモコン本体10の下面視において隠れる位置に配置される。これにより、リモコン本体10の盗難をより効果的に防止することができる。
【0177】
次に、
図38以降を参照して第6の実施形態に係るリモコン装置3について詳説していく。
図38は、第6の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大斜視図であり、
図39は、第6の実施形態に係るリモコン装置3の下部付近を拡大して示す部分拡大正面図である。なお、
図38および
図39においては、理解の便宜のため、ケース部512が取り外された状態を示している。
【0178】
図38および
図39に示すように、係合部材530は、係合部531と、連結部532と、押圧部533と、解除部541とを備え、リモコン本体10内において左右方向(X軸方向)に沿って移動可能に配置される。
【0179】
係合部531、連結部532、押圧部533および解除部541は、一体に形成される。すなわち、係合部531や解除部541などが一体に形成されることで、部品点数を削減することができる。
【0180】
係合部531は、係合爪531aにより、保持部20と係合する。係合部531の下部には、解除部541が位置される。
【0181】
解除部541は、凹部545を備える。凹部545は、リモコン本体10の前後方向に沿って形成される。
【0182】
例えば、凹部545は、解除部541の下面541aに形成され、リモコン本体10の前後方向に沿って延在する溝状の部位である。また、凹部545は、解除部541の下面541aにおいて前側(手前側)が開放された形状とされる。詳しくは、凹部545は、係合部材530において係合を解除するときに移動する方向(ここでは左右方向)に対して、交差する方向(ここでは前後方向)の一方(ここでは前方)が開放されるように形成される。
【0183】
これにより、例えば解除作業の際、凹部545は、工具T(
図38,39で図示せず)が前側から挿入可能とされ、挿入された工具Tを係止することができる。
【0184】
次いで、
図40および
図41を参照して係合の解除について説明する。
図40は、解除作業により、保持部20と係合部531との係合が解除された状態を示す図である。
図41は、解除作業が行われている係合部材430付近の部分拡大斜視図である。
【0185】
図40および
図41に示すように、解除部541は、凹部545に工具Tが係止された状態で、解除作業が行われる。詳しくは、作業者により、解除部541の凹部545に対し、前方から工具Tが挿通されて係止される。
【0186】
そして、解除部541は、挿入された工具Tが係止された状態で、作業者により、リモコン装置3の左右方向(正確には右方)に沿って操作される(矢印D51参照)。このように、第6の実施形態にあっては、凹部545に対する工具Tの挿入方向と、解除作業時に解除部541が操作される方向とが異なるようにした。
【0187】
そして、係合部材530は、
図40に矢印D52で示すように、ばね50の付勢力に抗しつつリモコン装置3の左右方向(正確には右方)へ移動(スライド)し、保持部20と係合部531との係合が解除される。
【0188】
第6の実施形態にあっては、上記のように構成することで、リモコン本体10の盗難を効果的に防止することができる。すなわち、凹部545に対する工具Tの挿入方向がリモコン本体10の前後方向であるのに対し、解除部541は、リモコン本体10の左右方向に沿って操作されるようにすることで、例えば、盗難しようとする者が、工具以外の比較的強度が弱いもの(例えば厚紙や薄い紙を折り畳んだもの、爪など)を凹部に挿入しても、解除部541を左右方向に操作しにくくすることが可能となり、よってリモコン本体10の盗難を効果的に防止することができる。
【0189】
なお、図示は省略するが、第6の実施形態において、リモコン装置3の下方の作業スペースがカウンタC等により小さくなった場合であっても、作業者は、リモコン本体10の斜め下方から解除部541へアクセスすることで、保持部20と係合部531との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0190】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。なお、以下では、第7の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「6」を付して説明することがある。
【0191】
図42は、第7の実施形態に係るリモコン装置3の正面図である。また、
図43は、第7の実施形態に係るリモコン装置3の分解斜視図である。なお、第7の実施形態に係るリモコン装置3としては、例えば左右方向に比較的長いリモコン装置を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0192】
図42および
図43に示すように、第7の実施形態に係るリモコン装置3は、リモコン本体610と、保持部620(
図42で見えず)とを備える。リモコン本体610は、ベース部611およびケース部612を備える。また、保持部620は、フック部660を備える。例えば、フック部660は、保持部620の下部付近の左右にそれぞれ形成される。第7の実施形態にあっては、かかるフック部660により、リモコン本体610が保持部620に対して固定される。なお、フック部660の詳しい構成については、
図45を参照して後述する。
【0193】
図44は、リモコン本体610の背面図である。
図44に示すように、リモコン本体610は、上記したフック部660と係合可能な係合部631を備える。例えば、係合部631は、リモコン本体610の背面611a(正確には、ベース部611の背面611a)において、保持部620のフック部660と対応する位置に形成される。具体的には、係合部631は、リモコン本体610の下部付近の左右にそれぞれ形成される。また、係合部631は、後方へ向けて開口する係合溝である。なお、
図43および
図44では、フック部660および係合部631がそれぞれ複数個(ここでは2個)ある例を示したが、かかる個数は例示であって限定されるものではない。
【0194】
次に、
図45を参照して、第7の実施形態に係るリモコン装置3について詳しく説明していく。
図45は、
図42のXLV-XLV線断面図である。
【0195】
図45に示すように、フック部660は、支柱部661と、係合爪662とを備え、可撓性を有する材料(例えば樹脂など)を用いて製作される。また、フック部660は、保持部620と一体に形成される。
【0196】
このように、第7の実施形態にあっては、保持部620とフック部660とが一体に形成されるため、部品点数を削減することができる。
【0197】
支柱部661は、例えば柱状に形成される部位である。例えば、支柱部661は、保持部620において、リモコン本体610が固定されたときに正面視でリモコン本体610に隠れる所定の位置623から下方(Z軸負方向)へ向けて延在するように形成される。そして、支柱部661の先端(下端)には、係合爪662が形成される。なお、上記したように、支柱部661は、可撓性を有する材料を用いて製作されることから、支柱部661を含むフック部660は、例えば、水平方向(前後方向)に撓むことが可能、言い換えると、水平方向(前後方向)に弾性変形可能とされる。
【0198】
係合爪662は、例えば支柱部661の先端から前方(Y軸正方向)へ向けて突出するように形成される。かかる係合爪662は、リモコン本体610が保持部620へ取り付けられるとき、リモコン本体610の係合部631に係合する。すなわち、リモコン本体610の保持部620への取り付け時に、作業者によってリモコン本体610が保持部620に対して上方から下方へ移動させられ、係合爪662の位置にリモコン本体610の係合部631が到達すると、係合溝である係合部631に係合爪662が入り込む。これにより、係合爪662と係合部631とが係合し、よってリモコン本体610が保持部620に対して固定される。
【0199】
また、フック部660は、解除部641を備える。すなわち、第7の実施形態に係るフック部660は、解除部641を備えることで、係合部631と係合する機能に加え、係合を解除する機能も有している。
【0200】
解除部641は、フック部660に形成される。詳しくは、解除部641は、フック部660の係合爪662の下面662aに形成される。
【0201】
ここで、解除部641の位置について説明する。
図45に示すように、解除部641の下方側は、リモコン本体610の部品などがなく、開放される。そのため、解除部641は、リモコン本体610の下面視において見える位置に配置される。他方、解除部641が形成されるフック部660の係合爪662は、上記したように、リモコン本体610の背面611aに形成される係合部631と係合する。そのため、解除部641は、リモコン本体610の正面視において隠れる位置に配置される(
図42参照)。
【0202】
これにより、第7の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体610の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0203】
また、解除部641は、凹部645を備える。凹部645は、例えば下方へ向けて開口する溝状の部位である。従って、例えば解除作業の際、解除部641の凹部645は、工具Tが下側から挿入可能とされ、挿入された工具Tを係止することができる。
【0204】
次いで、係合の解除について説明する。解除部641は、凹部645に工具Tが係止された状態で、解除作業が行われる。詳しくは、作業者により、解除部641の凹部645に工具Tが挿通されて係止される。
【0205】
そして、解除部641は、凹部645に工具Tが係止された状態で、作業者により、リモコン装置3の前後方向に沿って、正確には後方に沿って操作(押圧)される(矢印D61参照)。これにより、
図45に想像線で示すように、フック部660が水平方向(例えば前後方向(正確には後方))に撓むことで、係合爪662が係合部631から抜けて、保持部620と係合部631との係合が解除される。
【0206】
このように、第7の実施形態にあっては、保持部620が係合爪662を含むフック部660を備えるとともに、解除部641がフック部660に形成される凹部645を備えるようにした。そして、解除部641は、凹部645に工具Tが係止された状態で、フック部660が撓むことで、保持部620と係合部631との係合を解除できるように構成される。これにより、簡易な構成でリモコン本体610の盗難を効果的に防止することができる。
【0207】
なお、図示は省略するが、第7の実施形態において、リモコン装置3の下方の作業スペースがカウンタC等により小さくなった場合であっても、作業者は、リモコン本体610の斜め下方から解除部641へアクセスすることで、保持部620と係合部631との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0208】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。なお、以下では、第8の実施形態において、第1の実施形態の構成と対応する構成は、符号の先頭に「7」を付して説明することがある。
【0209】
図46は、第8の実施形態に係るリモコン装置3の分解斜視図である。なお、第8の実施形態に係るリモコン装置3としては、第7の実施形態と同様、例えば左右方向に比較的長いリモコン装置を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0210】
図46に示すように、第8の実施形態に係るリモコン装置3は、リモコン本体710と、保持部720と、フック部760とを備える。リモコン本体710は、ベース部711およびケース部712を備える。
【0211】
保持部720は、側面視(X軸方向視)において、例えば略L字状に形成される。具体的には、保持部720は、背面部724と、底面部725とを備える。背面部724は、リモコン本体710が保持部720に固定されたときに、リモコン本体710の背面側に位置する、板状の部位である。底面部725は、リモコン本体710が保持部720に固定されたときに、リモコン本体710の底面側(下面側)に位置する、板状の部位である。
【0212】
フック部760は、保持部720に設けられる。例えば、フック部760は、保持部720の下部付近であって、底面部725の左右にそれぞれ設けられる。詳しくは、フック部760は、底面部725の左右にそれぞれ開口された開口部725aに設けられる。また、フック部760は、保持部720とは別体である。第8の実施形態にあっては、かかるフック部760により、リモコン本体710が保持部720に対して固定される。なお、フック部760の詳しい構成については、
図48~
図49Bを参照して後述する。
【0213】
図47は、リモコン本体710の下面図である。
図47に示すように、リモコン本体710は、上記したフック部760と係合可能な係合部731を備える。例えば、係合部731は、リモコン本体710の下面710a(正確には、ケース部712の下面712a)において、保持部720のフック部760と対応する位置に形成される。具体的には、係合部731は、リモコン本体710の下部付近の左右にそれぞれ形成される。また、係合部731は、下方へ向けて開口する係合溝である。なお、
図46および
図47では、フック部760および係合部731がそれぞれ複数個(ここでは2個)ある例を示したが、かかる個数は例示であって限定されるものではない。
【0214】
次に、
図48を参照して、第8の実施形態に係るリモコン装置3について詳しく説明していく。
図48は、
図46のXLVIII-XLVIII線断面図であり、リモコン本体710が保持部720に固定された状態のリモコン装置3の縦断面図である。
【0215】
図48に示すように、フック部760は、係合部731と係合可能に構成されるが、これについては後に詳説する。フック部760は、解除部741を備える。すなわち、第8の実施形態に係るフック部760は、解除部741を備えることで、係合部731と係合する機能に加え、係合を解除する機能も有している。
【0216】
ここで、解除部741の位置について説明する。
図48に示すように、解除部741は、保持部720の開口部725a内に位置される。そのため、解除部741は、リモコン本体710の下面視において見える位置に配置される。他方、解除部741は、開口部725a内に位置されるため、リモコン本体710の正面視において隠れる位置に配置される。
【0217】
これにより、第8の実施形態にあっては、第1の実施形態と同様、リモコン本体710の盗難の防止を図りつつ、着脱の施工性を向上させることができる。
【0218】
次に、フック部760等の詳細な構成について
図49Aおよび
図49Bを参照して説明する。
図49Aは、
図48の部分拡大図であり、詳しくはフック部760付近を拡大した拡大断面図である。また、
図49Bは、フック部760と係合部731との係合が解除された状態を示す部分拡大図である。
【0219】
図49Aに示すように、フック部760は、長尺状の部材であり、連結部761と、係合爪762と、回転軸部763と、上記した解除部741とを備える。
【0220】
連結部761は、係合爪762と回転軸部763とを連結する。係合爪762は、リモコン本体710の係合部731に係合し、リモコン本体710を保持部720に固定する。例えば、係合爪762は、フック部760の一端(詳しくは連結部761の一端)に形成される。
【0221】
詳しくは、係合爪762は、フック部760の一端から上方(Z軸正方向)へ向けて突出するように形成される。正確には、係合爪762は、連結部761側へ傾くように、フック部760の一端から斜め上方へ向けて突出するように形成されるとともに、係合部731との係合部位762aが湾曲形状となるように形成される。
【0222】
一方、係合部731は、係合爪762の形状に対応するように形成される、言い換えると、係合爪762の形状に倣うように形成される。すなわち、係合溝である係合部731は、係合爪762との係合部位731aが湾曲形状となるように形成される。このように、係合爪762および係合部731は、湾曲形状に形成されるため、係合爪762は、係合部731に引っ掛かり易くなり、よって係合部731に確実に係合することが可能になる。
【0223】
回転軸部763は、フック部760を鉛直方向(Z軸方向)に沿って回動可能(回転可能)となるように保持部720に支持される。例えば、回転軸部763は、連結部761の他端に形成され、挿通孔763aを備える。保持部720において、挿通孔763aと対応する位置には、前後方向(Y軸方向)に延在する円柱部726が形成される。かかる円柱部726に回転軸部763の挿通孔763aが挿通されることで、フック部760は、保持部720に支持されるとともに、円柱部726を中心に、言い換えると、前後方向を中心として鉛直方向に沿って回動可能とされる(矢印D71参照)。なお、
図49Aでは、フック部760の回転軸を符号E71で示している。
【0224】
ここで、リモコン本体710の保持部720への固定について説明する。まず、フック部760と係合部731との係合が解除された状態(
図49B参照)から、リモコン本体710を保持部720へ固定する際、作業者によってフック部760の係合爪762付近が下方から上方へ向けて操作されて押圧される(破線の矢印D72参照)。フック部760は、回動可能とされることから、上記した押圧により回転軸E71を中心に反時計回りに回動し、係合溝である係合部731に係合爪762が押し込まれる。これにより、係合爪762と係合部731とが係合し、よってリモコン本体710が保持部720に対して固定される。
【0225】
解除部741は、フック部760の他端に形成される。詳しくは、解除部741は、フック部760において、回転軸部763に対して係合爪762とは反対側の位置に設けられる。
【0226】
ここで、係合の解除について説明する。解除部741にあっては、下面741aに工具Tが当接された状態で、解除作業が行われる。詳しくは、作業者により、解除部741の下面741aに工具Tが当接される。そして、解除部741は、工具Tが当接された状態で、作業者により、下方から上方へ向けて操作(押圧)される(矢印D73参照)。
【0227】
これにより、
図49Bに矢印D74で示すように、フック部760が鉛直方向に沿って回動することで(言い換えると、回転軸E71を中心に時計回りに回動することで)、係合爪762が係合部731から抜けて、保持部720と係合部731との係合が解除される。
【0228】
このように、第8の実施形態にあっては、係合爪762と回転軸部763と解除部741とを含むフック部760を備え、解除部741は、下方から上方へ操作されてフック部760が回動することで、保持部720と係合部731との係合を解除できるように構成される。これにより、簡易な構成でリモコン本体710の盗難を効果的に防止することができる。
【0229】
なお、図示は省略するが、第8の実施形態において、リモコン装置3の下方の作業スペースがカウンタC等により小さくなった場合であっても、作業者は、リモコン本体710の斜め下方から解除部741へアクセスすることで、保持部720と係合部731との係合を解除することが可能となり、よって着脱の施工性をより向上させることができる。
【0230】
なお、上記した各実施形態では、リモコン装置3がトイレ室Rに設けられる場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、リモコン装置3は、洗面所やキッチンといった水回り空間に設けられて、自動水栓装置等の水回り機器を遠隔制御するようにしてもよい。
【0231】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0232】
3 リモコン装置
10 リモコン本体
20 保持部
30 係合部材
31 係合部
40 解除部材
41 解除部
545 凹部